JP2004195033A - 調剤ミス防止支援システム及び調剤ミス防止方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保管庫1に保管される薬品が入った瓶容器2に、非接触通信部と薬品固有データを記憶するデータ記憶用メモリとを含む非接触型ICタグ4を添設する一方、調剤場所に、非接触通信部と前記データ記憶用メモリを読み書きできる制御部とを含む非接触型リードライト装置20,10を設置する。調剤前に、容器2を非接触型リードライトユニット20に接近させて、データ記憶用メモリに記憶された薬品残量等の薬品固有データを読み取る。調剤後に、容器2を再び非接触型リードライトユニット20に接近させて、データ記憶用メモリに更新された薬品残量を書き込む。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調剤ミスの防止に役立ち、併せて薬品の保管事故の防止にも役立つ調剤ミス防止支援システム及び調剤ミス防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
調剤薬局の現場において、通常、調剤作業は次のような手順で行われている。なお、ピッキング者と調剤者とは、同一人である場合も別人である場合もある。
(1)ピッキング者が、処方箋に基づき、棚・引き出し等の保管庫における各薬品ごとに定められている定位置から、ビン・アンプル・袋等の容器に入った散剤・液剤・錠剤等の薬品を該容器ごと取り出して集める(この作業を「出庫」又は「ピッキング」と称している。)。
(2)調剤者が、ピッキングされた薬品を容器から取り出して調剤する。
(3)調剤後、調剤者は容器に残った薬品を保管庫の定位置に元どおり戻す(この作業を「入庫」と称している。)。
(4)調剤後、調剤者は調剤した薬品を監査者に渡し、監査者はその薬品に調剤ミスがないかを監査する。
【0003】
このような調剤作業において、調剤ミスは決して起きてはならない事故ではあるが、起こる可能性は充分に存在する。例えば、次のようにして起こる調剤ミスが経験上知られている。
(A)定位置に保管された目的の薬品ではなく、その隣の位置に保管された薬品を間違えてピッキングすることによる調剤ミス。
(B)調剤後に容器に残った薬品を間違った保管庫に戻してしまい、次回にピッキング者がその間違って戻された薬品を日常の慣れにより間違いと気付かずにピッキングすることによる調剤ミス。
【0004】
しかも、これらの調剤ミスは、次のような場合に特に起こりやすい。
(ア)無色透明な液剤、白色粉末状の散剤、白色の錠剤等のように、非常に種類が多いのに色彩的に見分けが付きにくい薬品を扱うとき。
(イ)薬品の容器の外形状態が同じ様なものであるとき。
(ウ)上記(B)の調剤ミスは、業務に慣れ熟練している者ほどかえって危険性が増すことがある。
【0005】
上記のようにして起こる調剤ミスは、調剤した薬品が調剤者から監査者に渡った時には見抜けない可能性がある。なぜなら、調剤作業での確認事項は、ピッキング者及び調剤者の目視による確認のみで作業が行われているからである。特に調剤作業のうちの薬品の調剤では、調剤者のみが最後の確認業務を行うから、監査者の監査が行き届かないことがある。しかも、調剤薬局の現場では、調剤者から監査者への意思の疎通がすべてアナクロ的(例えばメモ用紙)で行われるため、監査者は調剤者のミスを見抜けない可能性があるのである。
【0006】
また、保管庫に保管されている薬品が無許可の者によって一部抜き取られるという盗難事故が、これも起きてはならないことではあるが、起こる可能性はある。ところが、従来は、このような薬品の保管事故を発見することが、事実上できなかった。
【0007】
このような調剤ミスあるいは管理事故を無くす方法として、容易に考え付くのは人の増員・確認の多重化であるが、調剤薬局の現場においては人件費の低減化・業務の高速化(待ち時間の短縮)という要請があり、しかも引き渡し時の説明を重んじる業務内容のため、人の増員・確認の多重化は非常に困難である。
【0008】
そこで、調剤ミスの低減に役立つと思われる先行文献に当たってみると、例えば下記の特許文献1には、調剤済み薬品を自動収集する調剤支援システムが記載されているが、そのようなシステムは大がかりで高価なため容易には導入できない。また、下記の特許文献2には、調剤台の送受信器から薬品容器の送受信器に識別コード信号を送り、表示ランプを点灯させて薬品容器の在処を知らせるとともに、その薬品容器の送受信器から調剤台の送受信器に自己識別コードを送り、最初の識別コード信号と一致するかどうかをチェックする装置が記載されているが、そのようなシステムもやはり大がかりであり、また、薬品の識別という単機能にすぎない。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−169436号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3024113号公報
【0010】
本発明の目的は、上記課題を解決し、薬品の入った容器毎にその薬品名と残量とを容易に確認できるようにすることで、調剤ミスの防止に役立ち、併せて薬品の保管事故の発見にも役立つ、調剤ミス防止支援システム及び調剤ミス防止方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る調剤ミス防止支援システムは、保管庫に保管される散剤・液剤・錠剤等の薬品が入った容器に、非接触通信部と少なくとも薬品名及び残量を含む薬品固有データを記憶するデータ記憶用メモリとを含むICタグ・ICカード等の非接触型ICメディアを添設する一方、調剤場所に、非接触通信部と前記データ記憶用メモリを読み書きできる制御部とを含む非接触型リードライト装置を設置し、前記保管庫から薬品をその容器ごとピッキングした後であって調剤する前に、前記薬品が入った容器を前記非接触型リードライト装置に接近させて、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに記憶された薬品固有データを、互いの非接触通信部を介して、非接触型リードライト装置の制御部により読み取るように構成したことを特徴とする。
【0012】
ここで、「非接触型IC(集積回路)メディア」は、特に限定されないが、非接触通信部とデータ記憶用メモリに加え、データ記憶用メモリへのアクセスを制御する制御部(CPU)を備えたものが好ましい。また、非接触型ICメディアは、現存のICタグ又はICカードの他にも、今後出現するあらゆる形態のものも含む。
【0013】
データ記憶用メモリに記憶される「薬品固有データ」は、前記のとおり少なくとも薬品名及び残量を含むが、さらに、識別コード、一般名、形状・粒度(粉末度)・粘度・色・匂い等の薬品性状、出庫(保管庫から取り出した)履歴、入庫(保管庫に戻した)履歴、使用量履歴、注意事項(副作用、毒薬・劇薬の表示、習慣性、誤用量の危険性、薬品の組み合わせによる危険性、非適応患者、乳幼児・老人に適用するときのアドバイス等)等のデータから選ばれるいずれか一つ以上を含むこともできる。
【0014】
薬品が入った「容器」としては、特に限定されないが、瓶、缶、箱、引き出し、袋等を例示できる。容器に対する非接触型ICメディアの添設手段としては、特に限定されないが、埋め込み、貼り付け、凹凸による係合等を例示できる。
【0015】
「非接触型リードライト装置」の設置位置は、特に限定されないが、少なくとも非接触通信部を、後述するとおり秤量器の内部又は外部近傍に設置することが好ましい。非接触型リードライト装置の制御部としては、専用のCPUを用いてもよいが、汎用のパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)を利用することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明は、前記読み取った薬品固有データを、ディスプレイに表示する、音声ガイダンス装置にて読み上げる、又はプリンタにてプリントする、の三つの手段のうちの少なくとも二つの手段で出力するように構成し、出力された薬品固有データを調剤者が自ら目視した薬品名及び秤量した残量と比較できるようにすることが好ましい。なお、ここでいう出力には、読み取った薬品固有データをそのまま出力することばかりではなく、薬品の識別コードを読み取り、その識別コードに基づいて非接触型リードライト装置の制御部に接続されたデータベースから固有の情報を取り出して出力することも含まれる。
【0017】
また、前記容器から薬品を所定の使用量だけ取り出して調剤した後に、前記薬品が残った容器を再び前記非接触型リードライト装置に接近させて、非接触型リードライト装置の制御部により、互いの非接触通信部を介して、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに更新された残量を書き込むように構成することも好ましい。
【0018】
また、前記薬品固有データにはさらに使用量履歴及び入庫履歴が含まれ、前記調剤後に、前記薬品が残った容器を再び前記非接触型リードライト装置に接近させて、非接触型リードライト装置の制御部により、互いの非接触通信部を介して、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに更新された使用量履歴及び入庫履歴を書き込むように構成することも好ましい。
【0019】
また、前記非接触型リードライト装置の非接触通信部を秤量器の内部又は外部近傍に設置し、前記調剤前に、前記薬品が入った容器を前記秤量器に載せたときに前記非接触型リードライト装置の非接触通信部に必然的に接近させて、前記薬品を秤量すると同時に前記読み取りを行うようにするとともに、前記調剤後に、前記薬品が残った容器を再び前記秤量器に載せたときに前記非接触型リードライト装置の非接触通信部に必然的に接近させて、前記薬品の残量を測定すると同時に測定した残量に基づいて前記書き込みを行うように構成することも好ましい。
【0020】
また、前記薬品固有データにはさらに前記のとおり注意事項が含まれることも好ましい。この注意事項は、ディスプレイに表示するだけでなく、特に音声ガイダンスにて読み上げることが好ましい。
【0021】
次に、本発明に係る調剤ミス防止方法は、保管庫に保管される散剤・液剤・錠剤等の薬品が入った容器に、非接触通信部と少なくとも薬品名及び残量を含む薬品固有データを記憶するデータ記憶用メモリとを含むICタグ・ICカード等の非接触型ICメディアを添設する一方、調剤場所に、非接触通信部と前記データ記憶用メモリを読み書きできる制御部とを含む非接触型リードライト装置を設置し、前記容器から薬品を所定の使用量だけ取り出して調剤する前に、前記薬品が入った容器を前記非接触型リードライト装置に接近させて、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに記憶された薬品固有データを、互いの非接触通信部を介して、非接触型リードライト装置の制御部により読み取り、前記読み取った薬品固有データを、ディスプレイ装置に表示する、音声ガイダンス装置にて読み上げる、又はプリンタ装置にてプリントする、の三つの手段のうちの少なくとも二つの手段で出力し、出力された薬品固有データを調剤者が自ら目視した薬品名及び秤量した残量と比較することにより、ピッキング時の薬品の取り違え又は保管時の残量の誤差若しくは変動を発見できるようにすることを特徴とする。
【0022】
ここで、前記容器から薬品を所定の使用量だけ取り出して調剤した後に、前記薬品が残った容器を再び前記非接触型リードライト装置に接近させて、非接触型リードライト装置の制御部により、互いの非接触通信部を介して、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに更新された残量を書き込むことにより、保管時の残量の誤差を無くすことができるようにすることが好ましい。
【0023】
さらに、上記の各作業をビデオレコーダー等に記録することにより、日常作業の業務管理を行い、事故遭遇時の対策・課題資料として有効に利用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1〜図5は、本発明を実施した実施形態の調剤ミス防止支援システム及び調剤ミス防止方法を示している。図1及び図2に示すように、調剤薬局又は病院の棚・引き出し等の保管庫1には、散剤・液剤・錠剤等の薬品が入った多数の容器2,3が保管される。本実施形態の容器2,3の個々には非接触型ICメディアが添設されており、具体的に図示例では、散剤、液剤又は錠剤の薬品が入った瓶容器2の底部には非接触型ICタグ4が埋め込みにより添設されており、また、散剤又は錠剤の薬品が入った引き出し形状の箱容器3の底部には非接触型ICカード5が貼り付けにより添設されている。
【0025】
非接触型ICタグ4も非接触型ICカード5も形状寸法の差異以外は基本的には共通構成のICメディアであって、図3に示すように、非接触通信部6と、薬品固有データを記憶するデータ記憶用メモリ7と、データ記憶用メモリ7へのアクセスを制御する制御部8(CPU)とを備えたものである。データ記憶用メモリ7には、識別コード、薬品名、一般名、残量、形状・粒度(粉末度)・粘度・色・匂い等の薬品性状、出庫履歴、入庫履歴、使用量履歴及び注意事項等の薬品固有データが書換可能に記憶されている。
【0026】
調剤場所には調剤管理パソコン10が設置され、そのインターフェイス(図示略)にはディスプレイ11、スピーカ12、プリンタ13及びビデオレコーダ14が接続され、該ビデオレコーダ14にはビデオカメラ15及びマイク16が接続されている。また、調剤場所に設置された電子秤量器17の内部には、非接触通信部21とインターフェイス22とからなる非接触型リードライトユニット20が設置されており、前記調剤管理パソコン10にはこの非接触型リードライトユニット20も接続されている。そして、非接触型リードライトユニット20と、前記データ記憶用メモリ7を読み書きできる制御部としての調剤管理パソコン10とにより、非接触型リードライト装置が構成されている。
【0027】
そして、保管庫1から薬品をその容器2,3ごとピッキングした後であって調剤する前に、薬品が入った容器2,3を秤量器17に載せたときに非接触型リードライトユニット20の非接触通信部21に必然的に接近させて、薬品を秤量すると同時に、非接触型ICメディア4,5のデータ記憶用メモリ7に記憶された薬品固有データを、互いの非接触通信部6,21を介して、制御部としての調剤管理パソコン10により読み取ることができるように構成されている。
【0028】
読み取った薬品固有データは、図5に一例を示すようにディスプレイ11に表示され、調剤管理パソコン10に組み込まれた音声ガイダンス装置(図示略)にてスピーカ12から読み上げられ、且つプリンタ13にてプリントされ、これら三手段により出力された薬品固有データを調剤者が自ら目視した薬品名及び秤量した残量と確実に比較できるようになっている。
【0029】
また、このとき制御部としての調剤管理パソコン10により、互いの非接触通信部6,21を介して、非接触型ICメディア4,5のデータ記憶用メモリ7に更新された出庫履歴を書き込むことができるようにもなっている。
【0030】
次に、容器2,3から薬品を所定の使用量だけ取り出して調剤した後に、薬品が残った容器2,3を再び秤量器17に載せたときに非接触型リードライトユニット20の非接触通信部21に必然的に接近させて、薬品の残量を測定すると同時に、測定した残量に基づいて制御部としての調剤管理パソコン10により、互いの非接触通信部6,21を介して、非接触型ICメディア4,5のデータ記憶用メモリ7に更新された残量、使用量履歴及び入庫履歴を書き込むことができるようになっている。
【0031】
また、調剤管理パソコン10にはネットワークを介して処方箋データベースパソコン30が接続されている。処方箋データベースパソコン30には処方箋が入力されるとともに、薬品の保管庫への最初の入庫情報が入力される。また、調剤管理パソコン10は、処方箋データベースパソコン30から処方箋ナンバー・処方箋による薬品使用の指示量を取得することができるようになっている。従って、両パソコン10,30間で、薬品の使用量・残量の比較を行うことができる。
【0032】
さて、以上のように構成された調剤ミス防止支援システムを使用して、次のような手順で調剤作業を行う。図4はその手順をなお、ピッキング者と調剤者とは、同一人である場合も、別人である場合もある。
【0033】
(1)ピッキング者が、処方箋に基づき、保管庫1における各薬品ごとに定められている定位置から、容器に入った薬品を該容器2,3ごと取り出して集める(ピッキング)。
【0034】
(2)図1に矢印線▲1▼で示すように、前記ピッキング後であって調剤前に、薬品が入った容器2,3を秤量器17に載せ、非接触型ICメディア4,5の非接触通信部6を非接触型リードライトユニット20の非接触通信部21に必然的に接近させる。これにより、薬品を秤量することができる同時に、非接触型ICメディア4,5のデータ記憶用メモリ7に記憶された薬品固有データを、互いの非接触通信部6,21を介して、制御部としての調剤管理パソコン10により読み取ることができる。読み取った薬品固有データは、図5に一例を示すようにディスプレイ11に表示され、調剤管理パソコン10に組み込まれた音声ガイダンス装置(図示略)にてスピーカ12から読み上げられ、且つプリンタ13にてプリントされる。
【0035】
(3)図1に矢印線▲2▼で示すように、調剤者は、ピッキングされた薬品を容器から取り出して調剤する。前記のとおり、読み取った薬品固有データは視覚的な手段に加えて聴覚的な手段によっても出力されるため、調剤者に確実に注意が喚起され、復唱・ディスプレイをタッチすること(指の触覚)を励行することもできる。そして、その薬品固有データを調剤者が自ら目視した薬品名及び秤量した残量と比較することができるので、ピッキング時の薬品の取り違えを発見でき、調剤ミスをなくすことができる。
また、保管庫1に保管されている薬品が無許可の者によって一部抜き取られていた場合にも、前記残量の比較によってその保管事故を発見することができる。
【0036】
(4)図1に矢印線▲3▼で示すように、調剤後に、薬品が残った容器2,3を再び秤量器17に載せ、非接触型ICメディア4,5の非接触通信部6を非接触型リードライトユニット20の非接触通信部21に必然的に接近させる。これにより、薬品の残量を測定すると同時に、測定した残量に基づいて制御部としての調剤管理パソコン10により、互いの非接触通信部6,21を介して、非接触型ICメディア4,5のデータ記憶用メモリ7に、更新された残量(図5参照)、使用量履歴及び入庫履歴が書き込まれる。
また、この時点で使用量(調合秤量)が処方箋の指示量と不一致の場合は、警報・音声ガイダンスで知らせる。また、プリンタ13から薬品名・処方箋ナンバー・使用量(調合秤量)・日時をプリントした添付書が出力されるので、これを調剤済み薬品に添付する。
このように、調剤後に再び秤量することにより処方箋の指示量との比較を行い、処方箋による指示どうりの調剤作業が行えたかを確認できるので、調剤ミスを防止できる。また、万が一何らかのミスが起きた場合には、前記各履歴及びビデオ記録を調べることで、原因を把握することができる。
【0037】
(5)図1に矢印線▲4▼で示すように、調剤後、調剤者は容器2,3に残った薬品を保管庫1の定位置に元どおり戻す。
【0038】
(6)調剤後、調剤者は調剤済み薬品を監査者に渡し、監査者はその薬品に調剤ミスがないかを監査する。監査者は、調剤済み薬品と前記の添付書と処方箋とを比較確認することにより、確実に調剤業務の進行を把握することができます。さらに、本実施形態では、上記の各作業をビデオカメラ15及びマイク16にてビデオレコーダ14に記録することにより、日常作業の業務管理を行い、事故遭遇時の対策・課題資料として有効に利用することができる。
【0039】
以上のとおり、本発明を利用することにより、調剤ミス防止支援システムが調剤者・監査者にアドバイスを与えるとともに、調剤履歴・処方箋比較等の管理(調剤者が意識せずとも)を代行し、問題が発生した時点で即時に警報を報知するので、調剤ミスを防止することができ、安心して調剤作業を行うことができる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)非接触型ICメディアと非接触型リードライト装置との通信可能距離は、特に限定されない。前記実施例では、容器2,3を秤量器17に載せたとき(又は極めて近接させたとき)にのみ、容器2,3の底の非接触型ICメディア4,5と秤量器17に内蔵した非接触型リードライトユニット20とが通信可能するように、通信可能距離を例えば数十cm以下としているが、これに限定されず、もっと長くしてもよい。
(2)容器は別の種類(例えば袋)でもよく、その種類に応じて非接触型ICメディアの取付位置・取付手段を適宜決めることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る調剤ミス防止支援システム及び調剤ミス防止方法によれば、薬品の入った容器毎にその薬品名と残量とを容易に確認できるようにすることで、調剤ミスの防止に役立ち、併せて薬品の保管事故の発見にも役立つ、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る調剤ミス防止支援システムの全体構成を示す概要図である。
【図2】同システムにおける非接触型ICメディアを取り付けた容器の斜視図である。
【図3】同非接触型ICメディアと非接触型リードライト装置とを示すブロック図である。
【図4】同調剤ミス防止支援システムを使用した調剤作業を示すフローチャート図である。
【図5】同システムにおけるディスプレイ表示の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 保管庫
2 瓶容器
3 箱容器
4 非接触型ICタグ
5 非接触型ICカード
6 非接触通信部
7 データ記憶用メモリ
8 制御部
10 調剤管理パソコン
11 ディスプレイ
12 スピーカ
13 プリンタ
17 秤量器
20 非接触型リードライトユニット
21 非接触通信部
30 処方箋データベースパソコン
Claims (8)
- 保管庫に保管される薬品が入った容器に、非接触通信部と少なくとも薬品名及び残量を含む薬品固有データを記憶するデータ記憶用メモリとを含む非接触型ICメディアを添設する一方、
調剤場所に、非接触通信部と前記データ記憶用メモリを読み書きできる制御部とを含む非接触型リードライト装置を設置し、
前記保管庫から薬品をその容器ごとピッキングした後であって調剤する前に、前記薬品が入った容器を前記非接触型リードライト装置に接近させて、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに記憶された薬品固有データを、互いの非接触通信部を介して、非接触型リードライト装置の制御部により読み取るように構成したことを特徴とする調剤ミス防止支援システム。 - 前記読み取った薬品固有データを、ディスプレイに表示する、音声ガイダンス装置にて読み上げる、又はプリンタにてプリントする、の三つの手段のうちの少なくとも二つの手段で出力するように構成し、出力された薬品固有データを調剤者が自ら目視した薬品名及び秤量した残量と比較できるようにした請求項1記載の調剤ミス防止支援システム。
- 前記容器から薬品を所定の使用量だけ取り出して調剤した後に、前記薬品が残った容器を再び前記非接触型リードライト装置に接近させて、非接触型リードライト装置の制御部により、互いの非接触通信部を介して、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに更新された残量を書き込むように構成した請求項1又は2記載の調剤ミス防止支援システム。
- 前記薬品固有データにはさらに使用量履歴及び入庫履歴が含まれ、前記調剤後に、前記薬品が残った容器を再び前記非接触型リードライト装置に接近させて、非接触型リードライト装置の制御部により、互いの非接触通信部を介して、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに更新された使用量履歴及び入庫履歴を書き込むように構成した請求項3記載の調剤ミス防止支援システム。
- 前記非接触型リードライト装置の非接触通信部を秤量器の内部又は外部近傍に設置し、
前記調剤前に、前記薬品が入った容器を前記秤量器に載せたときに前記非接触型リードライト装置の非接触通信部に必然的に接近させて、前記薬品を秤量すると同時に前記読み取りを行うようにするとともに、
前記調剤後に、前記薬品が残った容器を再び前記秤量器に載せたときに前記非接触型リードライト装置の非接触通信部に必然的に接近させて、前記薬品の残量を測定すると同時に測定した残量に基づいて前記書き込みを行うように構成した請求項3又は4記載の調剤ミス防止支援システム。 - 前記薬品固有データにはさらに注意事項が含まれる請求項1〜5のいずれか一項に記載の調剤ミス防止支援システム。
- 保管庫に保管される薬品が入った容器に、非接触通信部と少なくとも薬品名及び残量を含む薬品固有データを記憶するデータ記憶用メモリとを含む非接触型ICメディアを添設する一方、
調剤場所に、非接触通信部と前記データ記憶用メモリを読み書きできる制御部とを含む非接触型リードライト装置を設置し、
前記容器から薬品を所定の使用量だけ取り出して調剤する前に、前記薬品が入った容器を前記非接触型リードライト装置に接近させて、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに記憶された薬品固有データを、互いの非接触通信部を介して、非接触型リードライト装置の制御部により読み取り、
前記読み取った薬品固有データを、ディスプレイ装置に表示する、音声ガイダンス装置にて読み上げる、又はプリンタ装置にてプリントする、の三つの手段のうちの少なくとも二つの手段で出力し、出力された薬品固有データを調剤者が自ら目視した薬品名及び秤量した残量と比較することにより、ピッキング時の薬品の取り違え又は保管時の残量の誤差若しくは変動を発見できるようにすることを特徴とする調剤ミス防止方法。 - 前記容器から薬品を所定の使用量だけ取り出して調剤した後に、前記薬品が残った容器を再び前記非接触型リードライト装置に接近させて、非接触型リードライト装置の制御部により、互いの非接触通信部を介して、前記非接触型ICメディアのデータ記憶用メモリに更新された残量を書き込むことにより、保管時の残量の誤差を無くすことができるようにする請求項7記載の調剤ミス防止方法。
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