JP2004194055A - 映像伝送装置および映像伝送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】デコーダに大きな情報テーブルを用意することなくデジタル映像の切替を高速に行なうことができる映像伝送装置および映像伝送システムを提供する。
【解決手段】映像符号部１で生成された映像データがシーケンス情報抽出部２に出力される。シーケンス情報抽出部２では、ストリームの中からシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部５にシーケンス情報を格納する。ストリームは通常、シーケンス情報挿入部３を素通りしてネットワークＩＦ４からネットワーク上に送出される。デコーダで映像切り替え要求があると、デコーダからエンコーダへシーケンス情報要求トリガが発行される。シーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報格納部５に格納されているシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３からストリームに挿入する。
【選択図】 図２
【解決手段】映像符号部１で生成された映像データがシーケンス情報抽出部２に出力される。シーケンス情報抽出部２では、ストリームの中からシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部５にシーケンス情報を格納する。ストリームは通常、シーケンス情報挿入部３を素通りしてネットワークＩＦ４からネットワーク上に送出される。デコーダで映像切り替え要求があると、デコーダからエンコーダへシーケンス情報要求トリガが発行される。シーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報格納部５に格納されているシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３からストリームに挿入する。
【選択図】 図２
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク上でデジタル映像ストリームを扱う映像伝送装置および映像伝送システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
デジタルネットワークの普及と高速化にともない、ネットワーク上でデジタル映像を扱う場面が多くなってきている。デジタルネットワークはアナログケーブルと異なり長距離の伝送を行なう場合でもノイズがのらず鮮明な画像を得られるというメリットがある。
【０００３】
またデジタルネットワークは汎用データを扱えるため映像以外のデータの伝送も容易である。このようなメリットからデジタルネットワークを用いた映像伝送システムが普及してきている。
【０００４】
デジタルネットワーク上で伝送されるデジタル映像符号化技術としてはＭＰＥＧ(Moving Picture Experts Group)方式が知られている。ＭＰＥＧは高圧縮率を実現するために一枚のピクチャで完結しているＩ(Intra-coded)ピクチャと、他のピクチャの情報を参照しているＰ(Predictive coded)、Ｂ(Bi-directionally coded)ピクチャを備える。
【０００５】
ピクチャが何枚か集まりＧＯＰ(Group Of Picture)構造を構成し、ＧＯＰがいくつか集まってシーケンス構造を構成している。
【０００６】
シーケンス構造の先頭にはシーケンスヘッダが存在する。シーケンスヘッダにはそのシーケンスにおける映像のサイズ、縦横比、フレームレート等、映像の基本的な情報が含まれている。このためＭＰＥＧ映像をデコードする場合にはシーケンスヘッダ情報がないとデコードを開始できない。前述のようにシーケンスヘッダはシーケンス先頭に存在する。故にシーケンスの先頭からデコードを開始することは可能である。
【０００７】
しかし、デコードする映像チャネルの切り替え、あるいはシーケンスヘッダ情報の異なる映像を繋ぎ合わせる編集を行なう場合には、シーケンスの先頭からデコードを開始することができない。切り替えるタイミングがたまたまシーケンス先頭であった場合にはそこからデコード開始が可能であるが、切り替えるタイミングがシーケンスの途中であった場合、次のシーケンス先頭が現れるまでデコードを行なうことはできない。
【０００８】
これは、映像を切り替える指示を出してから実際に映像が切り替わるまでの遅延としてあらわれる。この遅延を解決するために、従来、例えば以下に示す特許文献1などがある。図１４は、特許文献１に記載された従来の映像切り替え装置におけるデコーダの構成を示すブロック図であり、図１４のデコーダにおいては、シーケンス情報抽出部２０２はネットワークＩＦ２０１を介して受信したストリームからシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部２０６に格納しておく。ストリーム切替時にはＣＰＵ２０６の指示によりシーケンス情報格納部２０６に格納しておいたシーケンス情報を映像復号部２０４に与える。これによりストリーム内にシーケンス情報が現れる前にデコード開始が可能になり、切り替え遅延を小さくすることができる。
【０００９】
【特許文献１】
特開平8-163558号公報
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シーケンス情報をデコーダに格納しておくためには、扱うストリームがあらかじめ解っている必要がある。テレビ放送などの場合はすべてのストリームの情報をあらかじめ用意しておくことは可能である。
【００１１】
しかし一般的なデジタル映像伝送技術において扱うストリームの情報を事前に用意することは困難である。映像ソースは非常に多く存在するものであり、例えばビルの映像監視システムなどではカメラだけで数千台になることもあり、すべてのカメラ映像分のシーケンス情報を用意するとなると数千テーブルを用意しなければならない。
【００１２】
さらに録画されている映像やゲートウェイを経由して異なるネットワークから得た映像を再生する可能性があることを考えると、必要なシーケンス情報は事実上無限である。
【００１３】
また、ストリームからシーケンス情報を抽出して格納しておく方法は切り替え前からストリームがデコーダまで到着している状況でなければ使用できない。デジタルネットワークでは映像の伝送にマルチキャストが使用されることが多いが、ＩＰ(Internet Protocol)マルチキャストはルータによりルーティングされるため、受信開始、すなわち映像切り替え後に初めてストリームがルーティングされて届くことになる場合が多い。このためあらかじめストリームからシーケンス情報を獲得しておくことができないという問題がある。
【００１４】
本発明は、デコーダに大きな情報テーブルを用意することなく、デジタル映像の切り替えを高速に行なうことができる映像伝送装置および映像伝送システムを提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
本発明の映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報をネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００１６】
また本発明の映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入してネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００１７】
また本発明の映像伝送装置は、映像ストリームからシーケンス情報を抽出するシーケンス情報抽出部と、前記シーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入してネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００１８】
また本発明の映像伝送装置は、シーケンスをカウントするシーケンスカウンタを備え、前記シーケンス情報を映像ストリームに挿入する際に前記シーケンスカウンタにより連続性を保持するようにしたことを特徴とする。この構成により、シーケンスの連続性を保持しながらシーケンス情報を映像ストリームに挿入することが可能となる。
【００１９】
また本発明の映像伝送装置が、映像ストリームを生成する映像生成装置であることを特徴とする。この構成により、映像生成装置からネットワークにシーケンス情報を送出し、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２０】
また本発明の映像伝送装置が、映像ストリームを格納し、また映像ストリームを読み出す映像記録装置であることを特徴とする。この構成により、映像記録装置からネットワークにシーケンス情報を送出し、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２１】
また本発明の映像伝送装置が、映像ストリームを中継するゲートウェイであることを特徴とする。この構成により、ゲートウェイからネットワークにシーケンス情報を送出し、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２２】
また本発明の映像伝送装置は、前記シーケンス情報要求トリガとして、映像切替イベントまたは映像受信開始イベントを使用したことを特徴とする。この構成により、映像切替イベントまたは映像受信開始イベントが発生した場合にシーケンス情報をネットワークに送出することができる。
【００２３】
また本発明の映像伝送システムは、映像伝送装置と、映像受信装置とを備えた映像伝送システムであって、前記映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報格納部に格納した前記シーケンス情報を前記ネットワークＩＦに送出するネットワークＩＦ部とを備え、前記映像受信装置は、前記ネットワークから受信した前記シーケンス情報をもとに前記映像ストリームを復号する映像復号部を備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続された映像受信装置はシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２４】
また本発明の映像伝送システムにおける前記映像受信装置は、前記映像受信装置が受信した前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入するシーケンス情報挿入部を備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続された映像受信装置はシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を受信してシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２５】
また本発明の映像伝送システムは、映像伝送装置と、映像受信装置と、コントローラとを備えた映像伝送システムであって、前記コントローラはネットワークからシーケンス情報を収集し、シーケンス情報要求トリガが発生した場合、前記コントローラは収集した前記シーケンス情報を前記映像受信装置に送出することを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続された映像受信装置はシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずに、コントローラが収集したシーケンス情報を映像受信装置で受信してシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【００２７】
（第1の実施の形態）
図１は本発明の第1の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。図１において本発明の第1の実施の形態に係る映像伝送システムは、ネットワーク１０１に接続されたデジタル映像データを扱うエンコーダ１０２及びデコーダ１０３から構成されている。本発明のデジタル映像データを扱うデコーダ１０３は、一般的には映像受信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、画像処理装置、ゲートウェイであってもよい。
【００２８】
図２は本発明の第１の実施の形態に係るエンコーダの構成を示すブロック図である。図２におけるエンコーダにおいて、まず映像符号部１で生成された映像データがシーケンス情報抽出部２に出力される。シーケンス情報抽出部２では、ストリームの中からシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部５にシーケンス情報を格納する。
【００２９】
ストリームは通常、シーケンス情報挿入部３を素通りしてネットワーク・インターフェイス（Interface、以後、ＩＦと略記する）４からネットワーク上に送出される。図１に示されるデコーダ１０３で映像切り替え要求があると、デコーダ１０３からエンコーダ１０２へシーケンス情報要求トリガが発行される。
【００３０】
シーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報格納部５に格納されているシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３からストリームに挿入する。
【００３１】
ストリームへのシーケンス情報の挿入は、ＭＰＥＧの場合、ストリーム中にシーケンスヘッダを付加することになり、これは本来ひとつであったシーケンスを二つに分割することになる。
【００３２】
図１２及び図１３は、シーケンスの分割を説明するためのタイムシーケンス図である。図１２においてシーケンス情報としてシーケンスヘッダを使用するシーケンスＡ(301)、シーケンスＢ(302)、シーケンスＣ(303)が時間軸上に存在するところにシーケンスＢ(302)の伝送途中でシーケンス情報要求トリガが発生した場合、図１３に示されるようにシーケンスＢ(302)がシーケンスＢ’(304)とシーケンスＢ”(305)とに分割される。
【００３３】
分割位置はＧＯＰの前またはピクチャの前が望ましく、特に映像切り替えの観点からはＩピクチャの前が望ましい。また、シーケンスヘッダ分のデータ量が新たに加わるわけであるから、一時的にデータ処理速度を上げることが可能である必要がある。また、データを挿入することでシーケンス番号がずれる可能性がある。またＭＰＥＧ−ＴＳの場合、４ビットのシーケンスカウンタ(continuity-counter)が存在する。このカウンタが連続していない場合、パケットロストと認識される可能性がある。
【００３４】
これを回避するために、データ挿入後のシーケンス番号を連続になるように修正する、シーケンス番号が一巡するＴＳパケット１６個を挿入する、連続ではないことを示すフラグ(discontinuity-indicator)を立てる、といった対策が必要である。
【００３５】
以上の構成により、デコーダでのデコード開始を早めることができるストリームを生成することができる。また、デコード開始を早めるにあたりデコーダにシーケンス情報に関する情報テーブルを持つ必要が無い。また、ストリームを直接加工するため、デコーダ側には特別な機能が必要ない。
【００３６】
またデジタル映像データを扱うエンコーダは、一般に画像符号部１から出力されるストリームについての情報を持っているため、シーケンス情報をストリームから抽出する必要が無い場合もありえる（図３の例を参照）。図３のようなシーケンス情報をストリームから抽出する必要が無い場合には、シーケンス情報格納部５に予め格納されているシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３でストリームに挿入する。
【００３７】
なお上記においてはシーケンス情報要求トリガをデコーダ１０３（図１参照）が発生させる例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置からトリガを発生させるようにしてもよい。
【００３８】
（第２の実施の形態）
図４は本発明の第２の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。図４において本発明の第２の実施の形態に係る映像伝送システムは、ネットワーク１０１に接続されたデジタル映像データを扱うレコーダ１０４及びデコーダ１０３から構成される。本発明のデジタル映像データを扱うデコーダ１０３は、一般的には映像受信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、画像処理装置、ゲートウェイであってもよい。
【００３９】
図５は本発明の第２の実施の形態に係るレコーダの構成を示すブロック図である。図５のレコーダ（例えば、映像記録装置）において、まずストレージ７に格納されている映像データがシーケンス情報挿入部３に出力される。ストリームは通常、シーケンス情報挿入部３を素通りして、ネットワークＩＦ４からネットワーク上に送出される。
【００４０】
図４に示されるデコーダ１０３で映像切り替え要求があると、デコーダ１０３からレコーダ１０４へシーケンス情報要求トリガが発行される。シーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。
【００４１】
ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報検索部８がストレージ７内のシーケンス情報を検索し、検索したシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３に与え、シーケンス情報挿入部３でストリームに挿入する。シーケンス情報検索部８はシーケンス情報要求トリガ認識時ではなく、あらかじめ情報を検索して保持しておくようにしてもよい。
【００４２】
以上の構成により、デコーダでのデコード開始を早めることができるストリームを生成することができる。また、デコード開始を早めるにあたりデコーダにシーケンス情報に関する情報テーブルを持つ必要が無い。また、ストリームを直接加工するため、デコーダ側には特別な機能が必要ない。
【００４３】
なお上記においてはシーケンス情報要求トリガをデコーダ１０３（図４参照）が発生させる例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置からトリガを発生させるようにしてもよい。
【００４４】
（第３の実施の形態)
図６は本発明の第３の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。図６において本発明の第３の実施の形態に係る映像伝送システムは、第１のネットワーク１０５に接続されたデジタル映像データを扱うエンコーダ１０７及びゲートウェイ１０６、並びに、第２のネットワーク１０１に接続されたゲートウェイ１０６及びデジタル映像データを扱うデコーダ１０３から構成されている。本発明のデジタル映像データを扱うデコーダ１０３は、一般的には映像受信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、画像処理装置、ゲートウェイであってもよい。
【００４５】
図７は本発明の第３の実施の形態に係るゲートウェイの構成を示すブロック図である。図７のゲートウェイにおいて、まず第１のネットワークＩＦ９から入力された映像データがシーケンス情報抽出部２に出力される。シーケンス情報抽出部２はストリームの中からシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部５にシーケンス情報を格納する。
【００４６】
ストリームは通常、シーケンス情報挿入部３を素通りして第２のネットワークＩＦ４からネットワーク上に送出される。
【００４７】
図６に示されるデコーダ１０３で映像切り替え要求があると、デコーダ１０３からエンコーダ１０７へシーケンス情報要求トリガが発行される。図７に戻ってシーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。
【００４８】
ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報格納部５に格納されているシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３でストリームに挿入する。
【００４９】
上記では第１のネットワークＩＦ９から第２のネットワークＩＦ４の方向へ流れるストリームについて説明したが、逆の方向へ流れるストリームについても同じことが言えるので、ここでは説明を省略する。
【００５０】
以上の構成により、デコーダでのデコード開始を早めることができるストリームを生成することができる。また、デコード開始を早めるにあたりデコーダにシーケンス情報に関する情報テーブルを持つ必要が無い。また、ストリームを直接加工するため、エンコーダ側およびデコーダ側には特別な機能が必要ない。
【００５１】
なお上記においてはシーケンス情報要求トリガをデコーダ１０３（図６参照）が発生させる例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置からトリガを発生させるようにしてもよい。
【００５２】
（第４の実施の形態）
図８は本発明の第４の実施の形態に係るエンコーダの構成を示すブロック図である。図８のエンコーダにおいて、まず映像符号部１で生成された映像データがシーケンス情報抽出部２に出力される。シーケンス情報抽出部２はストリームの中からシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部５にシーケンス情報を格納する。ストリームはシーケンス情報抽出部２を経てネットワークＩＦ４からネットワーク上に送出される。
【００５３】
デコーダ（図示せず）で映像切り替え要求があると、デコーダ（図示せず）から図８のエンコーダへシーケンス情報要求トリガが発行される。シーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。
【００５４】
ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報格納部５に格納されているシーケンス情報をネットワークＩＦ４を通してデコーダ（図示せず）へ送出する。
【００５５】
図９は本発明の第４の実施の形態に係るデコーダの構成を示すブロック図である。図９のデコーダにおいて、ストリームはネットワークＩＦ１１から入力され、通常はストリーム切替部１２を素通りして映像復号部１３に入力され、デコードされる。
【００５６】
映像切替要求が発生するとＣＰＵ１４からネットワークＩＦ１１を通してエンコーダ（図示せず）へシーケンス情報要求トリガを発行する。エンコーダ（図示せず）からネットワークＩＦ１１を経由してＣＰＵ１４がシーケンス情報を受信したら、シーケンス情報格納部１５を通して映像復号部１３にシーケンス情報をセットする。それとともにストリーム切替部１２で映像ストリームの切替を行なう。
【００５７】
図１０は本発明の第４の実施の形態に係るデコーダの別構成を示すブロック図である。図１０のデコーダは、図９のデコーダの構成と異なり映像復号部１３に対して直接シーケンス情報のセットを行なうことはできない構成になっている。図１０のようにシーケンス情報を直接セットできない場合には、ストリームの中にシーケンス情報をセットすることになる。
【００５８】
エンコーダ（図示せず）から図１０のネットワークＩＦ１１を経由してＣＰＵ１４がシーケンス情報を受信したら、シーケンス情報格納部１５にシーケンス情報を格納する。
【００５９】
そしてストリーム切替部１２で映像ストリームの切替を行ない、切替後の新たなストリームについてシーケンス情報挿入部１６でストリームにシーケンス情報を挿入し、映像復号部１７に入力する。
【００６０】
上記において、本発明のデジタル映像データを扱うエンコーダは一般的には映像送信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、ゲートウェイであってもよい。
【００６１】
また、上記において、本発明のデジタル映像データを扱うデコーダは一般的には映像受信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、ゲートウェイであってもよい。
【００６２】
以上の構成により、デコーダでのデコード開始を早めることができるストリームを生成することができる。また、デコード開始を早めるにあたりデコーダにシーケンス情報に関する情報テーブルを持つ必要が無い。
【００６３】
なお上記においてはシーケンス情報要求トリガをデコーダが発生させる例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置からトリガを発生させるようにしてもよい。その場合、デコーダはネットワークＩＦ１１を通してＣＰＵ１４が映像切替指示を受け取る。
【００６４】
また図８においては、エンコーダがシーケンス情報を格納、送出する例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置がシーケンス情報を格納、送出するようにしてもよい。
【００６５】
因みに図１１は、上記したコントローラを含んで構成される本発明の第４の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図であり、図１１に示された本発明の第４の実施の形態に係る映像伝送システムは、映像伝送装置としてのエンコーダ１０７と、映像受信装置としてのデコーダ１０８と、コントローラ１０９とがネットワーク１０１に接続されて構成されている。そして、コントローラ１０９はネットワーク１０１を介してストリームのシーケンス情報を収集し、デコーダ１０８からシーケンス情報要求トリガが発生された場合には、コントローラ１０９からシーケンス情報を送出する。
【００６６】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報をネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とし、この構成により、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図
【図２】本発明の第１の実施の形態に係るエンコーダの構成を示すブロック図
【図３】本発明の第１の実施の形態に係るエンコーダの別構成を示すブロック図
【図４】本発明の第２の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図
【図５】本発明の第２の実施の形態に係るレコーダの構成を示すブロック図
【図６】本発明の第３の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図
【図７】本発明の第３の実施の形態に係るゲートウェイの構成を示すブロック図
【図８】本発明の第４の実施の形態に係るエンコーダの構成を示すブロック図
【図９】本発明の第４の実施の形態に係るデコーダの構成を示すブロック図
【図１０】本発明の第４の実施の形態に係るデコーダの別構成を示すブロック図
【図１１】本発明の第４の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図
【図１２】本発明においてシーケンス情報要求トリガが発生してシーケンス上にシーケンス情報の挿入が必要になった場合のタイムシーケンスを示す図
【図１３】本発明においてシーケンス情報の挿入によりシーケンス分割が行われたシーケンスを説明するためのタイムシーケンスを示す図
【図１４】従来の映像切り替え装置におけるデコーダの構成を示すブロック図
【符号の説明】
１ 映像符号部
２ シーケンス情報抽出部
３、１６ シーケンス情報挿入部
４、９、１１ ネットワークＩＦ
５、１５ シーケンス格納部
６、１４ ＣＰＵ
７ ストレージ
８ シーケンス検索部
１２ ストリーム切替部
１３ 映像復号部
１０１、１０５ ネットワーク
１０２、１０７ エンコーダ
１０３、１０８ デコーダ
１０４ レコーダ
１０６ ゲートウェイ
１０９ コントローラ
２０１ ネットワークＩＦ
２０２ シーケンス情報抽出部
２０３ ストリーム切替部
２０４ 映像復号部
２０５ ＣＰＵ
２０６ シーケンス情報格納部
３０１ シーケンスＡ
３０２ シーケンスＢ
３０３ シーケンスＣ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク上でデジタル映像ストリームを扱う映像伝送装置および映像伝送システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
デジタルネットワークの普及と高速化にともない、ネットワーク上でデジタル映像を扱う場面が多くなってきている。デジタルネットワークはアナログケーブルと異なり長距離の伝送を行なう場合でもノイズがのらず鮮明な画像を得られるというメリットがある。
【０００３】
またデジタルネットワークは汎用データを扱えるため映像以外のデータの伝送も容易である。このようなメリットからデジタルネットワークを用いた映像伝送システムが普及してきている。
【０００４】
デジタルネットワーク上で伝送されるデジタル映像符号化技術としてはＭＰＥＧ(Moving Picture Experts Group)方式が知られている。ＭＰＥＧは高圧縮率を実現するために一枚のピクチャで完結しているＩ(Intra-coded)ピクチャと、他のピクチャの情報を参照しているＰ(Predictive coded)、Ｂ(Bi-directionally coded)ピクチャを備える。
【０００５】
ピクチャが何枚か集まりＧＯＰ(Group Of Picture)構造を構成し、ＧＯＰがいくつか集まってシーケンス構造を構成している。
【０００６】
シーケンス構造の先頭にはシーケンスヘッダが存在する。シーケンスヘッダにはそのシーケンスにおける映像のサイズ、縦横比、フレームレート等、映像の基本的な情報が含まれている。このためＭＰＥＧ映像をデコードする場合にはシーケンスヘッダ情報がないとデコードを開始できない。前述のようにシーケンスヘッダはシーケンス先頭に存在する。故にシーケンスの先頭からデコードを開始することは可能である。
【０００７】
しかし、デコードする映像チャネルの切り替え、あるいはシーケンスヘッダ情報の異なる映像を繋ぎ合わせる編集を行なう場合には、シーケンスの先頭からデコードを開始することができない。切り替えるタイミングがたまたまシーケンス先頭であった場合にはそこからデコード開始が可能であるが、切り替えるタイミングがシーケンスの途中であった場合、次のシーケンス先頭が現れるまでデコードを行なうことはできない。
【０００８】
これは、映像を切り替える指示を出してから実際に映像が切り替わるまでの遅延としてあらわれる。この遅延を解決するために、従来、例えば以下に示す特許文献1などがある。図１４は、特許文献１に記載された従来の映像切り替え装置におけるデコーダの構成を示すブロック図であり、図１４のデコーダにおいては、シーケンス情報抽出部２０２はネットワークＩＦ２０１を介して受信したストリームからシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部２０６に格納しておく。ストリーム切替時にはＣＰＵ２０６の指示によりシーケンス情報格納部２０６に格納しておいたシーケンス情報を映像復号部２０４に与える。これによりストリーム内にシーケンス情報が現れる前にデコード開始が可能になり、切り替え遅延を小さくすることができる。
【０００９】
【特許文献１】
特開平8-163558号公報
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シーケンス情報をデコーダに格納しておくためには、扱うストリームがあらかじめ解っている必要がある。テレビ放送などの場合はすべてのストリームの情報をあらかじめ用意しておくことは可能である。
【００１１】
しかし一般的なデジタル映像伝送技術において扱うストリームの情報を事前に用意することは困難である。映像ソースは非常に多く存在するものであり、例えばビルの映像監視システムなどではカメラだけで数千台になることもあり、すべてのカメラ映像分のシーケンス情報を用意するとなると数千テーブルを用意しなければならない。
【００１２】
さらに録画されている映像やゲートウェイを経由して異なるネットワークから得た映像を再生する可能性があることを考えると、必要なシーケンス情報は事実上無限である。
【００１３】
また、ストリームからシーケンス情報を抽出して格納しておく方法は切り替え前からストリームがデコーダまで到着している状況でなければ使用できない。デジタルネットワークでは映像の伝送にマルチキャストが使用されることが多いが、ＩＰ(Internet Protocol)マルチキャストはルータによりルーティングされるため、受信開始、すなわち映像切り替え後に初めてストリームがルーティングされて届くことになる場合が多い。このためあらかじめストリームからシーケンス情報を獲得しておくことができないという問題がある。
【００１４】
本発明は、デコーダに大きな情報テーブルを用意することなく、デジタル映像の切り替えを高速に行なうことができる映像伝送装置および映像伝送システムを提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
本発明の映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報をネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００１６】
また本発明の映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入してネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００１７】
また本発明の映像伝送装置は、映像ストリームからシーケンス情報を抽出するシーケンス情報抽出部と、前記シーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入してネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００１８】
また本発明の映像伝送装置は、シーケンスをカウントするシーケンスカウンタを備え、前記シーケンス情報を映像ストリームに挿入する際に前記シーケンスカウンタにより連続性を保持するようにしたことを特徴とする。この構成により、シーケンスの連続性を保持しながらシーケンス情報を映像ストリームに挿入することが可能となる。
【００１９】
また本発明の映像伝送装置が、映像ストリームを生成する映像生成装置であることを特徴とする。この構成により、映像生成装置からネットワークにシーケンス情報を送出し、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２０】
また本発明の映像伝送装置が、映像ストリームを格納し、また映像ストリームを読み出す映像記録装置であることを特徴とする。この構成により、映像記録装置からネットワークにシーケンス情報を送出し、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２１】
また本発明の映像伝送装置が、映像ストリームを中継するゲートウェイであることを特徴とする。この構成により、ゲートウェイからネットワークにシーケンス情報を送出し、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２２】
また本発明の映像伝送装置は、前記シーケンス情報要求トリガとして、映像切替イベントまたは映像受信開始イベントを使用したことを特徴とする。この構成により、映像切替イベントまたは映像受信開始イベントが発生した場合にシーケンス情報をネットワークに送出することができる。
【００２３】
また本発明の映像伝送システムは、映像伝送装置と、映像受信装置とを備えた映像伝送システムであって、前記映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報格納部に格納した前記シーケンス情報を前記ネットワークＩＦに送出するネットワークＩＦ部とを備え、前記映像受信装置は、前記ネットワークから受信した前記シーケンス情報をもとに前記映像ストリームを復号する映像復号部を備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続された映像受信装置はシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２４】
また本発明の映像伝送システムにおける前記映像受信装置は、前記映像受信装置が受信した前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入するシーケンス情報挿入部を備えたことを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続された映像受信装置はシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を受信してシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２５】
また本発明の映像伝送システムは、映像伝送装置と、映像受信装置と、コントローラとを備えた映像伝送システムであって、前記コントローラはネットワークからシーケンス情報を収集し、シーケンス情報要求トリガが発生した場合、前記コントローラは収集した前記シーケンス情報を前記映像受信装置に送出することを特徴とする。この構成により、ネットワークに接続された映像受信装置はシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずに、コントローラが収集したシーケンス情報を映像受信装置で受信してシーケンスの先頭からデコードを開始することができる。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【００２７】
（第1の実施の形態）
図１は本発明の第1の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。図１において本発明の第1の実施の形態に係る映像伝送システムは、ネットワーク１０１に接続されたデジタル映像データを扱うエンコーダ１０２及びデコーダ１０３から構成されている。本発明のデジタル映像データを扱うデコーダ１０３は、一般的には映像受信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、画像処理装置、ゲートウェイであってもよい。
【００２８】
図２は本発明の第１の実施の形態に係るエンコーダの構成を示すブロック図である。図２におけるエンコーダにおいて、まず映像符号部１で生成された映像データがシーケンス情報抽出部２に出力される。シーケンス情報抽出部２では、ストリームの中からシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部５にシーケンス情報を格納する。
【００２９】
ストリームは通常、シーケンス情報挿入部３を素通りしてネットワーク・インターフェイス（Interface、以後、ＩＦと略記する）４からネットワーク上に送出される。図１に示されるデコーダ１０３で映像切り替え要求があると、デコーダ１０３からエンコーダ１０２へシーケンス情報要求トリガが発行される。
【００３０】
シーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報格納部５に格納されているシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３からストリームに挿入する。
【００３１】
ストリームへのシーケンス情報の挿入は、ＭＰＥＧの場合、ストリーム中にシーケンスヘッダを付加することになり、これは本来ひとつであったシーケンスを二つに分割することになる。
【００３２】
図１２及び図１３は、シーケンスの分割を説明するためのタイムシーケンス図である。図１２においてシーケンス情報としてシーケンスヘッダを使用するシーケンスＡ(301)、シーケンスＢ(302)、シーケンスＣ(303)が時間軸上に存在するところにシーケンスＢ(302)の伝送途中でシーケンス情報要求トリガが発生した場合、図１３に示されるようにシーケンスＢ(302)がシーケンスＢ’(304)とシーケンスＢ”(305)とに分割される。
【００３３】
分割位置はＧＯＰの前またはピクチャの前が望ましく、特に映像切り替えの観点からはＩピクチャの前が望ましい。また、シーケンスヘッダ分のデータ量が新たに加わるわけであるから、一時的にデータ処理速度を上げることが可能である必要がある。また、データを挿入することでシーケンス番号がずれる可能性がある。またＭＰＥＧ−ＴＳの場合、４ビットのシーケンスカウンタ(continuity-counter)が存在する。このカウンタが連続していない場合、パケットロストと認識される可能性がある。
【００３４】
これを回避するために、データ挿入後のシーケンス番号を連続になるように修正する、シーケンス番号が一巡するＴＳパケット１６個を挿入する、連続ではないことを示すフラグ(discontinuity-indicator)を立てる、といった対策が必要である。
【００３５】
以上の構成により、デコーダでのデコード開始を早めることができるストリームを生成することができる。また、デコード開始を早めるにあたりデコーダにシーケンス情報に関する情報テーブルを持つ必要が無い。また、ストリームを直接加工するため、デコーダ側には特別な機能が必要ない。
【００３６】
またデジタル映像データを扱うエンコーダは、一般に画像符号部１から出力されるストリームについての情報を持っているため、シーケンス情報をストリームから抽出する必要が無い場合もありえる（図３の例を参照）。図３のようなシーケンス情報をストリームから抽出する必要が無い場合には、シーケンス情報格納部５に予め格納されているシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３でストリームに挿入する。
【００３７】
なお上記においてはシーケンス情報要求トリガをデコーダ１０３（図１参照）が発生させる例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置からトリガを発生させるようにしてもよい。
【００３８】
（第２の実施の形態）
図４は本発明の第２の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。図４において本発明の第２の実施の形態に係る映像伝送システムは、ネットワーク１０１に接続されたデジタル映像データを扱うレコーダ１０４及びデコーダ１０３から構成される。本発明のデジタル映像データを扱うデコーダ１０３は、一般的には映像受信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、画像処理装置、ゲートウェイであってもよい。
【００３９】
図５は本発明の第２の実施の形態に係るレコーダの構成を示すブロック図である。図５のレコーダ（例えば、映像記録装置）において、まずストレージ７に格納されている映像データがシーケンス情報挿入部３に出力される。ストリームは通常、シーケンス情報挿入部３を素通りして、ネットワークＩＦ４からネットワーク上に送出される。
【００４０】
図４に示されるデコーダ１０３で映像切り替え要求があると、デコーダ１０３からレコーダ１０４へシーケンス情報要求トリガが発行される。シーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。
【００４１】
ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報検索部８がストレージ７内のシーケンス情報を検索し、検索したシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３に与え、シーケンス情報挿入部３でストリームに挿入する。シーケンス情報検索部８はシーケンス情報要求トリガ認識時ではなく、あらかじめ情報を検索して保持しておくようにしてもよい。
【００４２】
以上の構成により、デコーダでのデコード開始を早めることができるストリームを生成することができる。また、デコード開始を早めるにあたりデコーダにシーケンス情報に関する情報テーブルを持つ必要が無い。また、ストリームを直接加工するため、デコーダ側には特別な機能が必要ない。
【００４３】
なお上記においてはシーケンス情報要求トリガをデコーダ１０３（図４参照）が発生させる例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置からトリガを発生させるようにしてもよい。
【００４４】
（第３の実施の形態)
図６は本発明の第３の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。図６において本発明の第３の実施の形態に係る映像伝送システムは、第１のネットワーク１０５に接続されたデジタル映像データを扱うエンコーダ１０７及びゲートウェイ１０６、並びに、第２のネットワーク１０１に接続されたゲートウェイ１０６及びデジタル映像データを扱うデコーダ１０３から構成されている。本発明のデジタル映像データを扱うデコーダ１０３は、一般的には映像受信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、画像処理装置、ゲートウェイであってもよい。
【００４５】
図７は本発明の第３の実施の形態に係るゲートウェイの構成を示すブロック図である。図７のゲートウェイにおいて、まず第１のネットワークＩＦ９から入力された映像データがシーケンス情報抽出部２に出力される。シーケンス情報抽出部２はストリームの中からシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部５にシーケンス情報を格納する。
【００４６】
ストリームは通常、シーケンス情報挿入部３を素通りして第２のネットワークＩＦ４からネットワーク上に送出される。
【００４７】
図６に示されるデコーダ１０３で映像切り替え要求があると、デコーダ１０３からエンコーダ１０７へシーケンス情報要求トリガが発行される。図７に戻ってシーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。
【００４８】
ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報格納部５に格納されているシーケンス情報をシーケンス情報挿入部３でストリームに挿入する。
【００４９】
上記では第１のネットワークＩＦ９から第２のネットワークＩＦ４の方向へ流れるストリームについて説明したが、逆の方向へ流れるストリームについても同じことが言えるので、ここでは説明を省略する。
【００５０】
以上の構成により、デコーダでのデコード開始を早めることができるストリームを生成することができる。また、デコード開始を早めるにあたりデコーダにシーケンス情報に関する情報テーブルを持つ必要が無い。また、ストリームを直接加工するため、エンコーダ側およびデコーダ側には特別な機能が必要ない。
【００５１】
なお上記においてはシーケンス情報要求トリガをデコーダ１０３（図６参照）が発生させる例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置からトリガを発生させるようにしてもよい。
【００５２】
（第４の実施の形態）
図８は本発明の第４の実施の形態に係るエンコーダの構成を示すブロック図である。図８のエンコーダにおいて、まず映像符号部１で生成された映像データがシーケンス情報抽出部２に出力される。シーケンス情報抽出部２はストリームの中からシーケンス情報を抽出し、シーケンス情報格納部５にシーケンス情報を格納する。ストリームはシーケンス情報抽出部２を経てネットワークＩＦ４からネットワーク上に送出される。
【００５３】
デコーダ（図示せず）で映像切り替え要求があると、デコーダ（図示せず）から図８のエンコーダへシーケンス情報要求トリガが発行される。シーケンス情報要求トリガはネットワークＩＦ４で受信され、ＣＰＵ６で認識される。
【００５４】
ＣＰＵ６でシーケンス情報要求トリガが認識された場合、シーケンス情報格納部５に格納されているシーケンス情報をネットワークＩＦ４を通してデコーダ（図示せず）へ送出する。
【００５５】
図９は本発明の第４の実施の形態に係るデコーダの構成を示すブロック図である。図９のデコーダにおいて、ストリームはネットワークＩＦ１１から入力され、通常はストリーム切替部１２を素通りして映像復号部１３に入力され、デコードされる。
【００５６】
映像切替要求が発生するとＣＰＵ１４からネットワークＩＦ１１を通してエンコーダ（図示せず）へシーケンス情報要求トリガを発行する。エンコーダ（図示せず）からネットワークＩＦ１１を経由してＣＰＵ１４がシーケンス情報を受信したら、シーケンス情報格納部１５を通して映像復号部１３にシーケンス情報をセットする。それとともにストリーム切替部１２で映像ストリームの切替を行なう。
【００５７】
図１０は本発明の第４の実施の形態に係るデコーダの別構成を示すブロック図である。図１０のデコーダは、図９のデコーダの構成と異なり映像復号部１３に対して直接シーケンス情報のセットを行なうことはできない構成になっている。図１０のようにシーケンス情報を直接セットできない場合には、ストリームの中にシーケンス情報をセットすることになる。
【００５８】
エンコーダ（図示せず）から図１０のネットワークＩＦ１１を経由してＣＰＵ１４がシーケンス情報を受信したら、シーケンス情報格納部１５にシーケンス情報を格納する。
【００５９】
そしてストリーム切替部１２で映像ストリームの切替を行ない、切替後の新たなストリームについてシーケンス情報挿入部１６でストリームにシーケンス情報を挿入し、映像復号部１７に入力する。
【００６０】
上記において、本発明のデジタル映像データを扱うエンコーダは一般的には映像送信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、ゲートウェイであってもよい。
【００６１】
また、上記において、本発明のデジタル映像データを扱うデコーダは一般的には映像受信装置を想定しているが、他にも、映像レコーダ、映像編集装置、ゲートウェイであってもよい。
【００６２】
以上の構成により、デコーダでのデコード開始を早めることができるストリームを生成することができる。また、デコード開始を早めるにあたりデコーダにシーケンス情報に関する情報テーブルを持つ必要が無い。
【００６３】
なお上記においてはシーケンス情報要求トリガをデコーダが発生させる例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置からトリガを発生させるようにしてもよい。その場合、デコーダはネットワークＩＦ１１を通してＣＰＵ１４が映像切替指示を受け取る。
【００６４】
また図８においては、エンコーダがシーケンス情報を格納、送出する例について説明したが、実際にはコントローラやシステム管理サーバ、アラーム発生装置がシーケンス情報を格納、送出するようにしてもよい。
【００６５】
因みに図１１は、上記したコントローラを含んで構成される本発明の第４の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図であり、図１１に示された本発明の第４の実施の形態に係る映像伝送システムは、映像伝送装置としてのエンコーダ１０７と、映像受信装置としてのデコーダ１０８と、コントローラ１０９とがネットワーク１０１に接続されて構成されている。そして、コントローラ１０９はネットワーク１０１を介してストリームのシーケンス情報を収集し、デコーダ１０８からシーケンス情報要求トリガが発生された場合には、コントローラ１０９からシーケンス情報を送出する。
【００６６】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報をネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とし、この構成により、ネットワークに接続されるデコーダはシーケンス情報に関する情報テーブルを持たずにネットワークからシーケンス情報を得てシーケンスの先頭からデコードを開始することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図
【図２】本発明の第１の実施の形態に係るエンコーダの構成を示すブロック図
【図３】本発明の第１の実施の形態に係るエンコーダの別構成を示すブロック図
【図４】本発明の第２の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図
【図５】本発明の第２の実施の形態に係るレコーダの構成を示すブロック図
【図６】本発明の第３の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図
【図７】本発明の第３の実施の形態に係るゲートウェイの構成を示すブロック図
【図８】本発明の第４の実施の形態に係るエンコーダの構成を示すブロック図
【図９】本発明の第４の実施の形態に係るデコーダの構成を示すブロック図
【図１０】本発明の第４の実施の形態に係るデコーダの別構成を示すブロック図
【図１１】本発明の第４の実施の形態に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図
【図１２】本発明においてシーケンス情報要求トリガが発生してシーケンス上にシーケンス情報の挿入が必要になった場合のタイムシーケンスを示す図
【図１３】本発明においてシーケンス情報の挿入によりシーケンス分割が行われたシーケンスを説明するためのタイムシーケンスを示す図
【図１４】従来の映像切り替え装置におけるデコーダの構成を示すブロック図
【符号の説明】
１ 映像符号部
２ シーケンス情報抽出部
３、１６ シーケンス情報挿入部
４、９、１１ ネットワークＩＦ
５、１５ シーケンス格納部
６、１４ ＣＰＵ
７ ストレージ
８ シーケンス検索部
１２ ストリーム切替部
１３ 映像復号部
１０１、１０５ ネットワーク
１０２、１０７ エンコーダ
１０３、１０８ デコーダ
１０４ レコーダ
１０６ ゲートウェイ
１０９ コントローラ
２０１ ネットワークＩＦ
２０２ シーケンス情報抽出部
２０３ ストリーム切替部
２０４ 映像復号部
２０５ ＣＰＵ
２０６ シーケンス情報格納部
３０１ シーケンスＡ
３０２ シーケンスＢ
３０３ シーケンスＣ
Claims (11)
- 映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報をネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする映像伝送装置。
- 映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入してネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする映像伝送装置。
- 映像ストリームからシーケンス情報を抽出するシーケンス情報抽出部と、前記シーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入してネットワークに送出するネットワークＩＦ部とを備えたことを特徴とする映像伝送装置。
- シーケンスをカウントするシーケンスカウンタを備え、前記シーケンス情報を映像ストリームに挿入する際に前記シーケンスカウンタにより連続性を保持するようにしたことを特徴とする請求項２または請求項３に記載の映像伝送装置。
- 前記映像伝送装置が、映像ストリームを生成する映像生成装置であることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の映像伝送装置。
- 前記映像伝送装置が、映像ストリームを格納し、また映像ストリームを読み出す映像記録装置であることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の映像伝送装置。
- 前記映像伝送装置が、映像ストリームを中継するゲートウェイであることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の映像伝送装置。
- 前記シーケンス情報要求トリガとして、映像切替イベントまたは映像受信開始イベントを使用したことを特徴とする請求項１乃至請求項７のいずれかに記載の映像伝送装置。
- 映像伝送装置と、映像受信装置とを備えた映像伝送システムであって、前記映像伝送装置は、映像ストリームのシーケンス情報を格納するシーケンス情報格納部と、シーケンス情報要求トリガが発生した場合に前記シーケンス情報格納部に格納した前記シーケンス情報を前記ネットワークＩＦに送出するネットワークＩＦ部とを備え、前記映像受信装置は、前記ネットワークから受信した前記シーケンス情報をもとに前記映像ストリームを復号する映像復号部を備えたことを特徴とする映像伝送システム。
- 前記映像受信装置は、前記映像受信装置が受信した前記シーケンス情報を前記映像ストリームに挿入するシーケンス情報挿入部を備えたことを特徴とする請求項９に記載の映像伝送システム。
- 映像伝送装置と、映像受信装置と、コントローラとを備えた映像伝送システムであって、前記コントローラはネットワークからシーケンス情報を収集し、シーケンス情報要求トリガが発生した場合、前記コントローラは収集した前記シーケンス情報を前記映像受信装置に送出することを特徴とする映像伝送システム。
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2002
- 2002-12-12 JP JP2002360690A patent/JP4326211B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2011505107A (ja) * | 2007-11-28 | 2011-02-17 | ディヴィクス インコーポレイテッド | 部分的に利用可能なマルチメディアコンテンツの再生のためのシステム及び方法 |
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