JP2004190591A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】経年変化による空燃比制御の悪化を防止する。
【解決手段】エンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じて空燃比制御モデルの応答時定数τを算出し、この空燃比制御モデルの応答時定数τに応じて空燃比F/B制御の制御ゲインωを算出する(ステップ101,102)。この後、モデル誤差ΔERR(空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータ)として空燃比センサの応答性の劣化指標値を算出し、このモデル誤差ΔERRに応じた補正係数f(ΔERR)で制御ゲインωを補正して最終的な制御ゲインωを求める(ステップ103,104)。この後、空燃比制御モデルの応答時定数τ、制御ゲインω、検出空燃比と目標空燃比との偏差等を用いて、空燃比制御モデルから導かれる空燃比F/B補正量FAFの算出式により、検出空燃比を目標空燃比に一致させるように空燃比F/B補正量FAFを算出する(ステップ105)。
【選択図】 図2
【解決手段】エンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じて空燃比制御モデルの応答時定数τを算出し、この空燃比制御モデルの応答時定数τに応じて空燃比F/B制御の制御ゲインωを算出する(ステップ101,102)。この後、モデル誤差ΔERR(空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータ)として空燃比センサの応答性の劣化指標値を算出し、このモデル誤差ΔERRに応じた補正係数f(ΔERR)で制御ゲインωを補正して最終的な制御ゲインωを求める(ステップ103,104)。この後、空燃比制御モデルの応答時定数τ、制御ゲインω、検出空燃比と目標空燃比との偏差等を用いて、空燃比制御モデルから導かれる空燃比F/B補正量FAFの算出式により、検出空燃比を目標空燃比に一致させるように空燃比F/B補正量FAFを算出する(ステップ105)。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の所定の制御システムの経年変化度合を考慮して内燃機関を制御する内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両に搭載される内燃機関においては、排気管に排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒と排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサとを設置し、空燃比センサで検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比(触媒の浄化ウインド)に制御するように燃料噴射弁の燃料噴射量を制御することで、触媒の排出ガス浄化効率を高めるようにしている。このような空燃比制御では、燃料噴射弁から空燃比センサまでの制御対象を模擬した空燃比制御モデルを用いて燃料噴射量(空燃比)を制御するようにしたものがある。
【0003】
一般に、空燃比制御モデルの応答時定数は、エンジン運転状態(特に吸入空気量)の変化に応じて変化する。この主要因は、空燃比制御モデルの応答時定数に大きな影響を与える空燃比センサの応答性がエンジン運転状態(特に吸入空気量)の変化に応じて変化するためである。しかし、従来の空燃比制御モデルは、エンジン運転状態の変化による応答時定数の変化を考慮していなかったため、全運転領域で空燃比制御の安定性を確保するために制御ゲインを小さくする必要があり、その結果、エンジン運転状態(特に吸入空気量)の変化に対する空燃比制御の追従性が悪くなるという欠点があった。
【0004】
そこで、特許文献1(特開2001−90584号公報)に記載されているように、エンジン運転状態に応じて空燃比制御モデルの応答時定数を変化させ、この応答時定数に応じて制御ゲインを変化させることで、エンジン運転状態に応じて空燃比制御モデルの特性を変化させて、全運転領域で空燃比制御の安定性を確保しながら、エンジン運転状態の変化に対する空燃比制御の応答性を向上させるようにしたものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−90584号公報(第2頁等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、空燃比制御システムの経年変化(例えば空燃比センサの応答性の経年劣化等)によって、空燃比制御システムの特性が変化するため、それに応じて空燃比制御の安定性や応答性を確保できる適正な制御ゲインも変化する。しかし、上記特許文献1の空燃比制御では、空燃比制御システムの経年変化を考慮しておらず、経年変化によって空燃比制御システムの特性が変化しても、エンジン運転状態が同じであれば、同一の制御ゲインを設定するため、適正な制御ゲインで制御することができず、空燃比制御の安定性や応答性が損なわれてしまうことがある。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、内燃機関を制御する所定の制御システムの経年変化に応じて適正な制御ゲインを設定することができ、経年変化による制御性(安定性、応答性等)の悪化を防止することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の制御装置は、内燃機関を制御する所定の制御システムの経年変化度合を経年変化検出手段により求め、その経年変化度合に基づいて制御システムの制御ゲインを制御ゲイン変更手段により変更するようにしたものである。このようにすれば、経年変化によって制御システムの特性が変化しても、それに追従して適正な制御ゲインに変更することができ、経年変化による制御性(安定性、応答性等)の悪化を防止することができる。
【0009】
ところで、空燃比制御システムでは、燃料噴射弁から空燃比検出手段までの制御対象を模擬した空燃比制御モデルを用いて、空燃比検出手段で検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比に制御するように燃料噴射弁の燃料噴射量を制御するようにしたものがあるが、一般に、空燃比制御モデルは、新品状態の空燃比制御システムの特性が維持されることを前提にして構築されるため、経年変化によって空燃比制御システムの特性が変化すると、その分、空燃比制御モデルに誤差(ずれ)が生じる。従って、空燃比制御モデルの誤差は、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとなる。
【0010】
そこで、請求項2のように、本発明を空燃比制御モデルを用いた空燃比制御システムに適用する場合には、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして空燃比制御システムの経年変化によって生じる空燃比制御モデルの誤差を求め、この空燃比制御モデルの誤差に基づいて空燃比制御システムの制御ゲインを変更するようにしても良い。このようにすれば、空燃比制御システムの経年変化度合を表す空燃比制御モデルの誤差を用いて空燃比制御システムの制御ゲインを変更することができるので、空燃比制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインを設定することができ、経年変化による空燃比制御の安定性や応答性の悪化を防止することができる。
【0011】
この場合、請求項3のように、少なくとも空燃比検出手段の応答性に基づいて空燃比制御モデルの誤差を求めるようにしても良い。空燃比センサの応答性(例えば劣化度合)は、空燃比制御システムの特性に最も大きな影響を与えるので、少なくとも空燃比センサの応答性を用いれば、空燃比制御システムの経年変化度合を精度良く反映した空燃比制御モデルの誤差を求めることができる。
【0012】
尚、本発明は、空燃比制御モデルを用いた空燃比制御システムに限定されず、請求項4のように、空燃比検出手段で検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比に制御するように燃料噴射弁の燃料噴射量を制御する空燃比制御システムに広く適用しても良く、この場合、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして空燃比検出手段の応答性を求め、この空燃比検出手段の応答性に基づいて空燃比制御システムの制御ゲインを変更するようにすると良い。このようにすれば、空燃比制御システムの経年変化度合を表す空燃比検出手段の応答性(例えば劣化度合)を用いて空燃比制御システムの制御ゲインを変更することができるので、空燃比制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインを設定することができ、経年変化による空燃比制御の安定性や応答性の悪化を防止することができる。
【0013】
一般に、内燃機関のアイドル運転時には、アイドル回転速度制御を実行して、回転速度検出手段で検出した機関回転速度を目標アイドル回転速度に制御するように吸入空気量調整弁(アイドルスピードコントロールバルブ又はスロットルバルブ)の開度を制御することで、機関回転速度を目標アイドル回転速度に収束させるようにしている。また、非アイドル運転(アイドル以外の運転)からアイドル運転に切り換わる際に、ダッシュポット制御を実行して、吸入空気量調整弁の開度をアイドル運転時よりも大きい開度に制御することで、機関回転速度のアンダーシュートを抑制するようにしたものもある。
【0014】
これらのアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムは、経年変化(例えば、吸入空気量調整弁周辺に付着した塵等のデポジットによる吸入空気量の変化、エンジンフリクションの変化等)によって特性が変化するが、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合に応じて電気負荷印加時(例えばヘッドランプ点灯時)の機関回転速度の挙動(変化速度、変化量等)も変化する。従って、電気負荷印加時の機関回転速度の挙動は、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータとなる。
【0015】
そこで、請求項5,7のように、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして電気負荷印加時の機関回転速度の挙動を求め、この電気負荷印加時の機関回転速度の挙動に基づいてアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの制御ゲインを変更するようにしても良い。このようにすれば、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表す電気負荷印加時の機関回転速度の挙動を用いてアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの制御ゲインを変更することができるので、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインを設定することができ、経年変化によるアイドル回転速度制御性の悪化を防止することができる。
【0016】
また、請求項6のように、空燃比制御システムやアイドル回転速度制御システムでは、経年変化度合が大きくなるほど制御ゲインを小さくするか又は経年変化度合が所定値よりも大きいときに制御ゲインを小さくするようにすると良い。このようにすれば、空燃比制御システムやアイドル回転速度制御システムの経年変化度合が大きいときに、制御ゲインを小さくして空燃比制御やアイドル回転速度制御の安定性を確保することができる。
【0017】
更に、請求項8のように、ダッシュポット制御システムでは、経年変化度合が大きくなるほど制御ゲインを大きくするか又は経年変化度合が所定値よりも大きいときに制御ゲインを大きくするようにすると良い。このようにすれば、ダッシュポット制御システムの経年変化度合が大きいときに、制御ゲインを大きくしてダッシュポット制御の操作量を大きくすることで、ダッシュポット制御に続くアイドル回転速度制御の操作量を当初から小さくすることができ、アイドル回転速度制御の安定性(収束性)を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
《実施形態(1)》
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図4に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、DCモータ等によって開度調節されるスロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。スロットルバルブ15は、通常運転時(非アイドル運転時)及びアイドル運転時の吸入空気量を調整する吸入空気量調整弁としての役割を果たす。
【0019】
また、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
【0020】
一方、エンジン11の排気管22には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒23が設けられ、この触媒23の上流側に、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ24(空燃比検出手段)が設けられている。また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する水温センサ25や、エンジン11のクランク軸が一定クランク角(例えば30℃A)回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ26(回転速度検出手段)が取り付けられている。このクランク角センサ26の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
【0021】
前述した各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)27に入力される。このECU27は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火プラグ21の点火時期を制御する。
【0022】
その際、ECU27は、図2乃至図4示す空燃比F/B制御用(「F/B」は「フィードバック」の略記)の各プログラムを実行することで、燃料噴射弁20から空燃比センサ24までの制御対象を模擬した空燃比制御モデルを用いて、空燃比センサ24で検出した排出ガスの検出空燃比λs を目標空燃比λtgに一致させるように所定の制御ゲインωを用いて空燃比F/B補正量FAFを算出する。そして、図示しない燃料噴射量算出プログラムを実行することで、空燃比F/B補正量FAFを用いて燃料噴射量を算出して、燃料噴射弁20の燃料噴射量を制御する。
【0023】
一般に、空燃比制御モデルは、新品状態の空燃比制御システムの特性が維持されることを前提にして構築されるため、経年変化によって空燃比制御システムの特性が変化すると、その分、空燃比制御モデルに誤差(ずれ)が生じる。従って、空燃比制御モデルの誤差は、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとなる。
【0024】
そこで、ECU27は、図2乃至図4示す空燃比F/B制御用の各プログラムを実行して空燃比F/B補正量FAFを算出する際に、空燃比制御システムの経年変化によって生じる空燃比制御モデルの誤差ΔERRを算出し、このモデル誤差ΔERRに基づいて空燃比F/B制御の制御ゲインωを変更することで、空燃比制御システムの経年変化度合に応じた適正な制御ゲインωを設定する。
【0025】
本実施形態(1)では、空燃比センサ24の応答性の劣化指標値を算出し、これをモデル誤差ΔERRとする。空燃比センサ24の応答性(例えば劣化度合)は、空燃比制御システムの特性に最も大きな影響を与えるので、空燃比センサ24の応答性の劣化指標値は、空燃比制御システムの経年変化度合を精度良く反映した値となる。従って、空燃比センサ24の応答性の劣化指標値をモデル誤差ΔERRとすれば、モデル誤差ΔERRは、空燃比制御システムの経年変化度合を精度良く反映したデータとなる。
【0026】
以下、ECU27が実行する各プログラムの処理内容を説明する。
図2に示す空燃比F/B補正量算出プログラムは、例えば、燃料噴射毎に実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、空燃比制御モデルの応答時定数τのマップ又は数式を用いて、現在のエンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じた空燃比制御モデルの応答時定数τを算出する。この空燃比制御モデルの応答時定数τのマップ又は数式は、予め、実験、シミュレーション等によって設定され、ECU27のROMに記憶されている。
【0027】
この後、ステップ102に進み、制御ゲインωのマップ又は数式を用いて、空燃比制御モデルの応答時定数τに応じた制御ゲインωを算出する。この制御ゲインωのマップ又は数式は、予め、実験、シミュレーション等によって設定され、ECU27のROMに記憶されている。
【0028】
この後、ステップ103に進み、後述する図3及び図4に示すモデル誤差算出プログラムを実行してモデル誤差ΔERR(空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータ)を算出した後、ステップ104に進み、モデル誤差ΔERRに応じてマップ又は数式により補正係数f(ΔERR)を求め、この補正係数f(ΔERR)を制御ゲインωに乗算して制御ゲインωを補正することで、最終的な制御ゲインωを求める。
ω=ω×f(ΔERR)
【0029】
一般に、空燃比F/B制御の制御ゲインωを小さくすると空燃比F/B制御の安定性が向上するため、補正係数f(ΔERR)のマップ又は数式は、モデル誤差ΔERRが大きくなるほど補正係数f(ΔERR)が小さくなるように設定され、それによって、空燃比制御システムの経年変化度合が大きくなるほど制御ゲインωが小さくなるように設定される。このステップ104の処理が特許請求の範囲でいう制御ゲイン変更手段としての役割を果たす。
【0030】
この後、ステップ105に進み、空燃比制御モデルの応答時定数τ、制御ゲインω、減衰係数ζ、検出空燃比λs と目標空燃比λtgとの偏差Δλ等を用いて、空燃比制御モデルから導かれる空燃比F/B補正量FAFの算出式により、検出空燃比λs を目標空燃比λtgに一致させるように空燃比F/B補正量FAFを算出する。
尚、空燃比制御モデルを用いた空燃比F/B補正量FAFの算出に関連する技術は、例えば、特開2001−90584号公報に詳細に記載されている。
【0031】
一方、図2のステップ103で起動される図3及び図4に示すモデル誤差算出プログラムは、特許請求の範囲でいう経年変化検出手段としての役割を果たし、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとしてモデル誤差ΔERRを算出する。本プログラムが起動されると、まず、ステップ201で、A/D変換後の検出空燃比λを読み込んだ後、ステップ202に進み、気筒間ばらつきの影響を取り除くために、検出空燃比λをフィルタリング処理(なまし処理)して最終的な検出空燃比λSM(i) を求める。
λSM(i) =λSM(i-1) +{λ−λSM(i-1) }/k
【0032】
ここで、λSM(i) は今回の検出空燃比、λSM(i-1) は前回の検出空燃比、kはなまし係数である。
この後、ステップ203に進み、検出空燃比の2階差分値Δ2 λSM(i) を次式により算出する。
Δ2 λSM(i) ={λSM(i) −λSM(i-1) }−{λSM(i-1) −λSM(i-2) }
【0033】
そして、次のステップ204で、空燃比F/B補正量FAFを読み込んだ後、ステップ205に進み、空燃比F/B補正量FAFをフィルタリング処理(なまし処理)して、最終的な空燃比F/B補正量FAFSM(i) を求める。
FAFSM(i) =FAFSM(i-1) +{FAF−FAFSM(i-1) }/k
【0034】
ここで、FAFSM(i) は今回の空燃比F/B補正量、FAFSM(i-1) は前回の空燃比F/B補正量、kはなまし係数である。
この後、ステップ206に進み、空燃比F/B補正量の2階差分値Δ2 FAFSM(i) を次式により算出する。
【0035】
Δ2 FAFSM(i) ={FAFSM(i) −FAFSM(i-1) }−{FAFSM(i-1) −FAFSM(i-2) }
この後、図4のステップ207に進み、検出空燃比の2階差分値Δ2 λSM(i) 及び空燃比F/B補正量の2階差分値Δ2 FAFSM(i) を積算するための積算実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、積算実行条件は、例えば、次の▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たすことである。
【0036】
▲1▼エンジン11の暖機が完了していること(例えば、冷却水温が所定温度を越えていること)
▲2▼所定の運転状態であること(例えば、エンジン回転速度、車速、吸気管圧力が、それぞれ所定領域内であること)
▲3▼急加減速状態でないこと(例えば、吸気管圧力の変化量が所定値未満であること)
【0037】
上記▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たせば、積算実行条件が成立するが、上記▲1▼〜▲3▼の条件のうちいずれか1つでも満たさない条件があれば、積算実行条件が不成立となる。積算実行条件が不成立と判定された場合には、そのまま本プログラムを終了する。
【0038】
一方、上記ステップ207で、積算実行条件が成立していると判定された場合には、まず、ステップ208で、検出空燃比の2階差分値Δ2 λSM(i) の絶対値を積算し、検出空燃比の2階差分値の積算値Σ|Δ2 λSM|を更新する。
Σ|Δ2 λSM|=Σ|Δ2 λSM|+|Δ2 λSM(i) |
【0039】
この後、ステップ209に進み、空燃比F/B補正量の2階差分値Δ2 FAFSM(i) の絶対値を積算し、空燃比F/B補正量の2階差分値の積算値Σ|Δ2 FAFSM|を更新する。
Σ|Δ2 FAFSM|=Σ|Δ2 FAFSM|+|Δ2 FAFSM(i) |
【0040】
この後、ステップ210に進み、積算時間カウンタCTを「1」だけインクリメントした後、ステップ211に進み、積算時間カウンタCTのカウント値が積算終了時間KXに達したか否かを判定し、積算終了時間KXに達してしなければ、そのまま本プログラムを終了する。
【0041】
その後、積算時間カウンタCTのカウント値が積算終了時間KXに達したときに、ステップ212に進み、空燃比F/B補正量の2階差分値の積算値Σ|Δ2FAFSM|を検出空燃比の2階差分値の積算値Σ|Δ2 λSM|で除算して空燃比センサ24の応答性の劣化指標値を求め、この値をモデル誤差ΔERRとする。
ΔERR=Σ|Δ2 FAFSM|/Σ|Δ2 λSM|
【0042】
以上説明した本実施形態(1)では、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERRに応じて空燃比F/B制御の制御ゲインωを変更するようにしたので、空燃比制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインωを設定することができ、経年変化による空燃比F/B制御の安定性や応答性の悪化を防止することができる。
【0043】
また、本実施形態(1)では、空燃比センサ24の応答性(例えば劣化度合)が、空燃比制御システムの特性に最も大きな影響を与えることを考慮に入れて、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERRとして、空燃比センサ24の応答性の劣化指標値を用いるようにしたので、空燃比制御システムの経年変化度合を精度良く反映したモデル誤差ΔERRを求めることができる。
【0044】
更に、本実施形態(1)では、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERRが大きくなるほど空燃比F/B制御の制御ゲインωを小さくするようにしたので、空燃比制御システムの経年変化度合が大きいときに、空燃比F/B制御の制御ゲインωを小さくして空燃比F/B制御の安定性を確保することができる。
【0045】
《実施形態(2)》
次に、図5を用いて本発明の実施形態(2)を説明する。前記実施形態(1)では、モデル誤差ΔERRに応じて制御ゲインωを連続的に変化させるようにしたが、本実施形態(2)では、図5に示す空燃比F/B補正量算出プログラムを実行することで、モデル誤差ΔERRが所定の劣化判定値よりも大きい(空燃比センサ24の応答性が劣化している)と判定されたときに、制御ゲインωを補正して、制御ゲインωを通常よりも小さい値に切り換えるようにしている。
【0046】
図5に示す空燃比F/B補正量算出プログラムでは、まず、ステップ301で、空燃比制御モデルの応答時定数τのマップ又は数式を用いて、現在のエンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じた空燃比制御モデルの応答時定数τを算出した後、ステップ302に進み、制御ゲインωのマップ又は数式を用いて、空燃比制御モデルの応答時定数τに応じた制御ゲインωを算出する。
【0047】
この後、ステップ303に進み、前述した図3及び図4に示すモデル誤差算出プログラムを実行して、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERR(空燃比センサ24の劣化指標値)を算出した後、ステップ304に進み、モデル誤差ΔERRが劣化判定値よりも大きいか否かによって、空燃比センサ24の応答性が劣化しているか否かを判定する。
【0048】
その結果、モデル誤差ΔERRが劣化判定値以下である、つまり、空燃比センサ24の応答性が劣化していないと判定された場合には、空燃比制御システムの経年変化度合が小さいと判断して、ステップ305に進み、エンジン運転状態に応じた応答時定数τに応じて算出した制御ゲインωをそのまま採用する。
【0049】
一方、モデル誤差ΔERRが劣化判定値よりも大きい、つまり、空燃比センサ24の応答性が劣化していると判定された場合には、空燃比制御システムの経年変化度合が大きいと判断して、ステップ306に進み、制御ゲインωに補正係数f0 (0<f0 <1)を乗算して制御ゲインωを補正することで、制御ゲインωを通常よりも小さい値に切り換える。
ω=ω×f0
【0050】
以上のようにして、ステップ305又は306で制御ゲインωを設定した後、ステップ307に進み、空燃比制御モデルの応答時定数τ、制御ゲインω、減衰係数ζ、検出空燃比λs と目標空燃比λtgとの偏差Δλ等を用いて、空燃比制御モデルから導かれる空燃比F/B補正量FAFの算出式により、検出空燃比λs を目標空燃比λtgに一致させるように空燃比補正係数FAFを算出する。
【0051】
以上説明した本実施形態(2)では、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERRが劣化判定値よりも大きいときに、空燃比F/B制御の制御ゲインωを通常よりも小さい値に切り換えるようにしたので、空燃比制御システムの経年変化度合が大きいときに、空燃比F/B制御の制御ゲインωを小さくして空燃比F/B制御の安定性を確保することができる。
【0052】
尚、上記各実施形態(1),(2)では、エンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じて空燃比制御モデルの応答時定数τを算出し、この応答時定数τに応じて制御ゲインωを算出するようにしたが、図6示すエンジン運転状態(例えば吸入空気量)をパラメータとする制御ゲインωのマップ又は数式を用いて、エンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じて制御ゲインωを直接算出するようにしても良い。
【0053】
また、上記各実施形態(1),(2)では、空燃比制御モデルを用いた空燃比制御システムに本発明を適用したが、これに限定されず、空燃比センサ24で検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比に制御するように燃料噴射弁20の燃料噴射量を制御する空燃比制御システムに広く適用しても良く、この場合、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして空燃比センサ24の応答性を求め、この空燃比センサ24の応答性に基づいて空燃比制御システムの制御ゲインωを変更するようにすれば良い。このようにしても、空燃比制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインωを設定することができ、経年変化による空燃比制御の安定性や応答性の悪化を防止することができる。
【0054】
また、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータは、適宜変更しても良く、空燃比センサ24、燃料噴射弁20等の空燃比制御システムの特性に影響を与える部品の経年変化や、それを反映する挙動のうちの少なくとも1つを用いて空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータを求めるようにしても良い。
【0055】
《実施形態(3)》
次に、本発明の実施形態(3)を図7乃至図9を用いて説明する。
ECU27は、図示しないアイドル回転速度F/B制御プログラムを実行することで、アイドル運転中にクランク角センサ26で検出したエンジン回転速度Neを目標アイドル回転速度に一致させるように所定の制御ゲインψを用いてアイドル回転速度F/B補正量を算出し、このアイドル回転速度F/B補正量を用いてアイドル運転時のスロットル開度を算出して、スロットルバルブ15の開度を制御する。
【0056】
更に、ECU27は、図示しないダッシュポット制御プログラムを実行することで、非アイドル運転からアイドル運転に切り換わる際に、エンジン回転速度Neのアンダーシュートを抑制するために、アイドル運転時のスロットル開度(例えば初期値)にダッシュポット制御量Dを加算してダッシュポット制御時のスロットル開度を求めて、スロットルバルブ15の開度をアイドル運転時よりも大きい開度に制御する。
【0057】
これらのアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムは、経年変化(例えば、スロットルバルブ15周辺に付着した塵等のデポジットによる吸入空気量の変化、エンジンフリクションの変化等)によって特性が変化するが、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合に応じて電気負荷印加時(例えばヘッドランプ点灯時)のエンジン回転速度Neの落ち込み量ΔNe(図8参照)も変化する。従って、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeは、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータとなる。
【0058】
そこで、本実施形態(3)では、図7に示す制御ゲイン変更プログラムを実行することで、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeに基づいてアイドル回転速度F/B制御の制御ゲインψとダッシュポット制御のダッシュポット制御量D(ダッシュポット制御の制御ゲインに相当する値)を変更するようにしている。
【0059】
図7に示す制御ゲイン変更プログラムは、例えば、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期で実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ401で、落ち込み閾値KNeのマップ又は数式を用いて、電気負荷の大きさに応じた落ち込み閾値KNeを算出する。この落ち込み閾値KNeのマップ又は数式は、予め、実験、シミュレーション等によって設定され、ECU27のROMに記憶されている。
【0060】
この後、ステップ402に進み、落ち込み閾値KNeと電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeの絶対値との差が所定値k1よりも大きいか否かを判定する。
【0061】
その結果、落ち込み閾値KNeと電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeの絶対値との差が所定値k1よりも大きい(KNe−|ΔNe|>k1)と判定された場合には、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeが落ち込み閾値KNeよりも小さいため、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合が小さいと判断して、ステップ403に進み、アイドル回転速度F/B制御ゲインψを通常値ψ1 に設定すると共に、ダッシュポット制御量Dを通常値D1 に設定する。
【0062】
一方、落ち込み閾値KNeと電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeの絶対値との差が所定値k1以下である(KNe−|ΔNe|≦k1)と判定された場合には、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeが落ち込み閾値KNe付近又はそれよりも大きいため、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合が大きいと判断して、ステップ404に進み、アイドル回転速度F/B制御ゲインψを通常値ψ1 よりも小さい値ψ2 に切り換えると共に、ダッシュポット制御量Dを通常値D1 よりも大きい値D2 に切り換える。尚、経年変化度合が大きいときのアイドル回転速度F/B制御ゲインψ2 とダッシュポット制御量D2 は、それぞれ固定値としても良いが、エンジン回転速度落ち込み量ΔNeに応じて設定するようにしても良い。
【0063】
従来は、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合が大きくなると、図9に破線で示すように、非アイドル運転からアイドル運転に切り換わる際のエンジン回転速度Neの落ち込み量が大きくなり、エンジン回転速度Neの目標アイドル回転速度への収束性が悪化する。
【0064】
これに対して、本実施形態(3)では、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表す電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeが大きいときに、アイドル回転速度F/B制御ゲインψやダッシュポット制御量Dを変更するようにしたので、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合に応じて適正なアイドル回転速度F/B制御ゲインψやダッシュポット制御量Dを設定することができる。これにより、図9に実線で示すように、経年変化によるアイドル回転速度制御性の悪化を防止することができ、経年変化の影響を受けずにエンジン回転速度Neを速やかに目標アイドル回転速度に収束させることができる。
【0065】
また、本実施形態(3)では、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合(電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNe)が大きいときに、アイドル回転速度F/B制御ゲインψを通常よりも小さくすると共に、ダッシュポット制御量Dを通常よりも大きくするようにしたので、アイドル回転速度F/B制御ゲインψを小さくしてアイドル回転速度制御の安定性を確保しながら、ダッシュポット制御量Dを大きくしてアイドル回転速度F/B補正量を当初から小さくすることができ、アイドル回転速度制御の安定性(収束性)の向上の効果を更に高めることができる。
【0066】
尚、本実施形態(3)では、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeが大きいときに、アイドル回転速度F/B制御ゲインψやダッシュポット制御量Dを切り換えるようにしたが、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeに応じてアイドル回転速度F/B制御ゲインψやダッシュポット制御量Dを連続的に切り換えるようにしても良い。
【0067】
また、本実施形態(3)では、スロットルバルブ15でアイドル運転時の吸入空気量を制御するアイドル回転速度制御システムに本発明を適用したが、スロットルバルブ15をバイパスするバイパス通路に設けられたアイドルスピードコントロールバルブでアイドル運転時の吸入空気量を制御するアイドル回転速度制御システムに本発明を適用しても良い。
【0068】
また、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータは、適宜変更しても良く、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの特性に影響を与える部品の経年変化や、それを反映する挙動(電気負荷印加時のエンジン回転速度の落ち込み量、電気負荷印加時のエンジン回転速度の変化速度、電気負荷印加時の所定期間のエンジン回転速度の変化量等)のうちの少なくとも1つを用いてアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータを求めるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】実施形態(1)の空燃比F/B補正量算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図3】実施形態(1)のモデル誤差算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図4】実施形態(1)のモデル誤差算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図5】実施形態(2)の空燃比F/B補正量算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図6】実施形態(1),(2)の変形例における制御ゲインのマップを概念的に示す図
【図7】実施形態(3)の制御ゲイン変更プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図8】実施形態(3)の電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量を説明するためのタイムチャート
【図9】実施形態(3)の実行例を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ(吸入空気量調整弁)、20…燃料噴射弁、21…点火プラグ、22…排気管、24…排出ガスセンサ、26…クランク角センサ(回転速度検出手段)、27…ECU(経年変化検出手段,制御ゲイン変更手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の所定の制御システムの経年変化度合を考慮して内燃機関を制御する内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両に搭載される内燃機関においては、排気管に排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒と排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサとを設置し、空燃比センサで検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比(触媒の浄化ウインド)に制御するように燃料噴射弁の燃料噴射量を制御することで、触媒の排出ガス浄化効率を高めるようにしている。このような空燃比制御では、燃料噴射弁から空燃比センサまでの制御対象を模擬した空燃比制御モデルを用いて燃料噴射量(空燃比)を制御するようにしたものがある。
【0003】
一般に、空燃比制御モデルの応答時定数は、エンジン運転状態(特に吸入空気量)の変化に応じて変化する。この主要因は、空燃比制御モデルの応答時定数に大きな影響を与える空燃比センサの応答性がエンジン運転状態(特に吸入空気量)の変化に応じて変化するためである。しかし、従来の空燃比制御モデルは、エンジン運転状態の変化による応答時定数の変化を考慮していなかったため、全運転領域で空燃比制御の安定性を確保するために制御ゲインを小さくする必要があり、その結果、エンジン運転状態(特に吸入空気量)の変化に対する空燃比制御の追従性が悪くなるという欠点があった。
【0004】
そこで、特許文献1(特開2001−90584号公報)に記載されているように、エンジン運転状態に応じて空燃比制御モデルの応答時定数を変化させ、この応答時定数に応じて制御ゲインを変化させることで、エンジン運転状態に応じて空燃比制御モデルの特性を変化させて、全運転領域で空燃比制御の安定性を確保しながら、エンジン運転状態の変化に対する空燃比制御の応答性を向上させるようにしたものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−90584号公報(第2頁等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、空燃比制御システムの経年変化(例えば空燃比センサの応答性の経年劣化等)によって、空燃比制御システムの特性が変化するため、それに応じて空燃比制御の安定性や応答性を確保できる適正な制御ゲインも変化する。しかし、上記特許文献1の空燃比制御では、空燃比制御システムの経年変化を考慮しておらず、経年変化によって空燃比制御システムの特性が変化しても、エンジン運転状態が同じであれば、同一の制御ゲインを設定するため、適正な制御ゲインで制御することができず、空燃比制御の安定性や応答性が損なわれてしまうことがある。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、内燃機関を制御する所定の制御システムの経年変化に応じて適正な制御ゲインを設定することができ、経年変化による制御性(安定性、応答性等)の悪化を防止することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の制御装置は、内燃機関を制御する所定の制御システムの経年変化度合を経年変化検出手段により求め、その経年変化度合に基づいて制御システムの制御ゲインを制御ゲイン変更手段により変更するようにしたものである。このようにすれば、経年変化によって制御システムの特性が変化しても、それに追従して適正な制御ゲインに変更することができ、経年変化による制御性(安定性、応答性等)の悪化を防止することができる。
【0009】
ところで、空燃比制御システムでは、燃料噴射弁から空燃比検出手段までの制御対象を模擬した空燃比制御モデルを用いて、空燃比検出手段で検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比に制御するように燃料噴射弁の燃料噴射量を制御するようにしたものがあるが、一般に、空燃比制御モデルは、新品状態の空燃比制御システムの特性が維持されることを前提にして構築されるため、経年変化によって空燃比制御システムの特性が変化すると、その分、空燃比制御モデルに誤差(ずれ)が生じる。従って、空燃比制御モデルの誤差は、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとなる。
【0010】
そこで、請求項2のように、本発明を空燃比制御モデルを用いた空燃比制御システムに適用する場合には、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして空燃比制御システムの経年変化によって生じる空燃比制御モデルの誤差を求め、この空燃比制御モデルの誤差に基づいて空燃比制御システムの制御ゲインを変更するようにしても良い。このようにすれば、空燃比制御システムの経年変化度合を表す空燃比制御モデルの誤差を用いて空燃比制御システムの制御ゲインを変更することができるので、空燃比制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインを設定することができ、経年変化による空燃比制御の安定性や応答性の悪化を防止することができる。
【0011】
この場合、請求項3のように、少なくとも空燃比検出手段の応答性に基づいて空燃比制御モデルの誤差を求めるようにしても良い。空燃比センサの応答性(例えば劣化度合)は、空燃比制御システムの特性に最も大きな影響を与えるので、少なくとも空燃比センサの応答性を用いれば、空燃比制御システムの経年変化度合を精度良く反映した空燃比制御モデルの誤差を求めることができる。
【0012】
尚、本発明は、空燃比制御モデルを用いた空燃比制御システムに限定されず、請求項4のように、空燃比検出手段で検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比に制御するように燃料噴射弁の燃料噴射量を制御する空燃比制御システムに広く適用しても良く、この場合、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして空燃比検出手段の応答性を求め、この空燃比検出手段の応答性に基づいて空燃比制御システムの制御ゲインを変更するようにすると良い。このようにすれば、空燃比制御システムの経年変化度合を表す空燃比検出手段の応答性(例えば劣化度合)を用いて空燃比制御システムの制御ゲインを変更することができるので、空燃比制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインを設定することができ、経年変化による空燃比制御の安定性や応答性の悪化を防止することができる。
【0013】
一般に、内燃機関のアイドル運転時には、アイドル回転速度制御を実行して、回転速度検出手段で検出した機関回転速度を目標アイドル回転速度に制御するように吸入空気量調整弁(アイドルスピードコントロールバルブ又はスロットルバルブ)の開度を制御することで、機関回転速度を目標アイドル回転速度に収束させるようにしている。また、非アイドル運転(アイドル以外の運転)からアイドル運転に切り換わる際に、ダッシュポット制御を実行して、吸入空気量調整弁の開度をアイドル運転時よりも大きい開度に制御することで、機関回転速度のアンダーシュートを抑制するようにしたものもある。
【0014】
これらのアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムは、経年変化(例えば、吸入空気量調整弁周辺に付着した塵等のデポジットによる吸入空気量の変化、エンジンフリクションの変化等)によって特性が変化するが、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合に応じて電気負荷印加時(例えばヘッドランプ点灯時)の機関回転速度の挙動(変化速度、変化量等)も変化する。従って、電気負荷印加時の機関回転速度の挙動は、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータとなる。
【0015】
そこで、請求項5,7のように、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして電気負荷印加時の機関回転速度の挙動を求め、この電気負荷印加時の機関回転速度の挙動に基づいてアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの制御ゲインを変更するようにしても良い。このようにすれば、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表す電気負荷印加時の機関回転速度の挙動を用いてアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの制御ゲインを変更することができるので、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインを設定することができ、経年変化によるアイドル回転速度制御性の悪化を防止することができる。
【0016】
また、請求項6のように、空燃比制御システムやアイドル回転速度制御システムでは、経年変化度合が大きくなるほど制御ゲインを小さくするか又は経年変化度合が所定値よりも大きいときに制御ゲインを小さくするようにすると良い。このようにすれば、空燃比制御システムやアイドル回転速度制御システムの経年変化度合が大きいときに、制御ゲインを小さくして空燃比制御やアイドル回転速度制御の安定性を確保することができる。
【0017】
更に、請求項8のように、ダッシュポット制御システムでは、経年変化度合が大きくなるほど制御ゲインを大きくするか又は経年変化度合が所定値よりも大きいときに制御ゲインを大きくするようにすると良い。このようにすれば、ダッシュポット制御システムの経年変化度合が大きいときに、制御ゲインを大きくしてダッシュポット制御の操作量を大きくすることで、ダッシュポット制御に続くアイドル回転速度制御の操作量を当初から小さくすることができ、アイドル回転速度制御の安定性(収束性)を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
《実施形態(1)》
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図4に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、DCモータ等によって開度調節されるスロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。スロットルバルブ15は、通常運転時(非アイドル運転時)及びアイドル運転時の吸入空気量を調整する吸入空気量調整弁としての役割を果たす。
【0019】
また、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
【0020】
一方、エンジン11の排気管22には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒23が設けられ、この触媒23の上流側に、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ24(空燃比検出手段)が設けられている。また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する水温センサ25や、エンジン11のクランク軸が一定クランク角(例えば30℃A)回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ26(回転速度検出手段)が取り付けられている。このクランク角センサ26の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
【0021】
前述した各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)27に入力される。このECU27は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火プラグ21の点火時期を制御する。
【0022】
その際、ECU27は、図2乃至図4示す空燃比F/B制御用(「F/B」は「フィードバック」の略記)の各プログラムを実行することで、燃料噴射弁20から空燃比センサ24までの制御対象を模擬した空燃比制御モデルを用いて、空燃比センサ24で検出した排出ガスの検出空燃比λs を目標空燃比λtgに一致させるように所定の制御ゲインωを用いて空燃比F/B補正量FAFを算出する。そして、図示しない燃料噴射量算出プログラムを実行することで、空燃比F/B補正量FAFを用いて燃料噴射量を算出して、燃料噴射弁20の燃料噴射量を制御する。
【0023】
一般に、空燃比制御モデルは、新品状態の空燃比制御システムの特性が維持されることを前提にして構築されるため、経年変化によって空燃比制御システムの特性が変化すると、その分、空燃比制御モデルに誤差(ずれ)が生じる。従って、空燃比制御モデルの誤差は、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとなる。
【0024】
そこで、ECU27は、図2乃至図4示す空燃比F/B制御用の各プログラムを実行して空燃比F/B補正量FAFを算出する際に、空燃比制御システムの経年変化によって生じる空燃比制御モデルの誤差ΔERRを算出し、このモデル誤差ΔERRに基づいて空燃比F/B制御の制御ゲインωを変更することで、空燃比制御システムの経年変化度合に応じた適正な制御ゲインωを設定する。
【0025】
本実施形態(1)では、空燃比センサ24の応答性の劣化指標値を算出し、これをモデル誤差ΔERRとする。空燃比センサ24の応答性(例えば劣化度合)は、空燃比制御システムの特性に最も大きな影響を与えるので、空燃比センサ24の応答性の劣化指標値は、空燃比制御システムの経年変化度合を精度良く反映した値となる。従って、空燃比センサ24の応答性の劣化指標値をモデル誤差ΔERRとすれば、モデル誤差ΔERRは、空燃比制御システムの経年変化度合を精度良く反映したデータとなる。
【0026】
以下、ECU27が実行する各プログラムの処理内容を説明する。
図2に示す空燃比F/B補正量算出プログラムは、例えば、燃料噴射毎に実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、空燃比制御モデルの応答時定数τのマップ又は数式を用いて、現在のエンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じた空燃比制御モデルの応答時定数τを算出する。この空燃比制御モデルの応答時定数τのマップ又は数式は、予め、実験、シミュレーション等によって設定され、ECU27のROMに記憶されている。
【0027】
この後、ステップ102に進み、制御ゲインωのマップ又は数式を用いて、空燃比制御モデルの応答時定数τに応じた制御ゲインωを算出する。この制御ゲインωのマップ又は数式は、予め、実験、シミュレーション等によって設定され、ECU27のROMに記憶されている。
【0028】
この後、ステップ103に進み、後述する図3及び図4に示すモデル誤差算出プログラムを実行してモデル誤差ΔERR(空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータ)を算出した後、ステップ104に進み、モデル誤差ΔERRに応じてマップ又は数式により補正係数f(ΔERR)を求め、この補正係数f(ΔERR)を制御ゲインωに乗算して制御ゲインωを補正することで、最終的な制御ゲインωを求める。
ω=ω×f(ΔERR)
【0029】
一般に、空燃比F/B制御の制御ゲインωを小さくすると空燃比F/B制御の安定性が向上するため、補正係数f(ΔERR)のマップ又は数式は、モデル誤差ΔERRが大きくなるほど補正係数f(ΔERR)が小さくなるように設定され、それによって、空燃比制御システムの経年変化度合が大きくなるほど制御ゲインωが小さくなるように設定される。このステップ104の処理が特許請求の範囲でいう制御ゲイン変更手段としての役割を果たす。
【0030】
この後、ステップ105に進み、空燃比制御モデルの応答時定数τ、制御ゲインω、減衰係数ζ、検出空燃比λs と目標空燃比λtgとの偏差Δλ等を用いて、空燃比制御モデルから導かれる空燃比F/B補正量FAFの算出式により、検出空燃比λs を目標空燃比λtgに一致させるように空燃比F/B補正量FAFを算出する。
尚、空燃比制御モデルを用いた空燃比F/B補正量FAFの算出に関連する技術は、例えば、特開2001−90584号公報に詳細に記載されている。
【0031】
一方、図2のステップ103で起動される図3及び図4に示すモデル誤差算出プログラムは、特許請求の範囲でいう経年変化検出手段としての役割を果たし、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとしてモデル誤差ΔERRを算出する。本プログラムが起動されると、まず、ステップ201で、A/D変換後の検出空燃比λを読み込んだ後、ステップ202に進み、気筒間ばらつきの影響を取り除くために、検出空燃比λをフィルタリング処理(なまし処理)して最終的な検出空燃比λSM(i) を求める。
λSM(i) =λSM(i-1) +{λ−λSM(i-1) }/k
【0032】
ここで、λSM(i) は今回の検出空燃比、λSM(i-1) は前回の検出空燃比、kはなまし係数である。
この後、ステップ203に進み、検出空燃比の2階差分値Δ2 λSM(i) を次式により算出する。
Δ2 λSM(i) ={λSM(i) −λSM(i-1) }−{λSM(i-1) −λSM(i-2) }
【0033】
そして、次のステップ204で、空燃比F/B補正量FAFを読み込んだ後、ステップ205に進み、空燃比F/B補正量FAFをフィルタリング処理(なまし処理)して、最終的な空燃比F/B補正量FAFSM(i) を求める。
FAFSM(i) =FAFSM(i-1) +{FAF−FAFSM(i-1) }/k
【0034】
ここで、FAFSM(i) は今回の空燃比F/B補正量、FAFSM(i-1) は前回の空燃比F/B補正量、kはなまし係数である。
この後、ステップ206に進み、空燃比F/B補正量の2階差分値Δ2 FAFSM(i) を次式により算出する。
【0035】
Δ2 FAFSM(i) ={FAFSM(i) −FAFSM(i-1) }−{FAFSM(i-1) −FAFSM(i-2) }
この後、図4のステップ207に進み、検出空燃比の2階差分値Δ2 λSM(i) 及び空燃比F/B補正量の2階差分値Δ2 FAFSM(i) を積算するための積算実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、積算実行条件は、例えば、次の▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たすことである。
【0036】
▲1▼エンジン11の暖機が完了していること(例えば、冷却水温が所定温度を越えていること)
▲2▼所定の運転状態であること(例えば、エンジン回転速度、車速、吸気管圧力が、それぞれ所定領域内であること)
▲3▼急加減速状態でないこと(例えば、吸気管圧力の変化量が所定値未満であること)
【0037】
上記▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たせば、積算実行条件が成立するが、上記▲1▼〜▲3▼の条件のうちいずれか1つでも満たさない条件があれば、積算実行条件が不成立となる。積算実行条件が不成立と判定された場合には、そのまま本プログラムを終了する。
【0038】
一方、上記ステップ207で、積算実行条件が成立していると判定された場合には、まず、ステップ208で、検出空燃比の2階差分値Δ2 λSM(i) の絶対値を積算し、検出空燃比の2階差分値の積算値Σ|Δ2 λSM|を更新する。
Σ|Δ2 λSM|=Σ|Δ2 λSM|+|Δ2 λSM(i) |
【0039】
この後、ステップ209に進み、空燃比F/B補正量の2階差分値Δ2 FAFSM(i) の絶対値を積算し、空燃比F/B補正量の2階差分値の積算値Σ|Δ2 FAFSM|を更新する。
Σ|Δ2 FAFSM|=Σ|Δ2 FAFSM|+|Δ2 FAFSM(i) |
【0040】
この後、ステップ210に進み、積算時間カウンタCTを「1」だけインクリメントした後、ステップ211に進み、積算時間カウンタCTのカウント値が積算終了時間KXに達したか否かを判定し、積算終了時間KXに達してしなければ、そのまま本プログラムを終了する。
【0041】
その後、積算時間カウンタCTのカウント値が積算終了時間KXに達したときに、ステップ212に進み、空燃比F/B補正量の2階差分値の積算値Σ|Δ2FAFSM|を検出空燃比の2階差分値の積算値Σ|Δ2 λSM|で除算して空燃比センサ24の応答性の劣化指標値を求め、この値をモデル誤差ΔERRとする。
ΔERR=Σ|Δ2 FAFSM|/Σ|Δ2 λSM|
【0042】
以上説明した本実施形態(1)では、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERRに応じて空燃比F/B制御の制御ゲインωを変更するようにしたので、空燃比制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインωを設定することができ、経年変化による空燃比F/B制御の安定性や応答性の悪化を防止することができる。
【0043】
また、本実施形態(1)では、空燃比センサ24の応答性(例えば劣化度合)が、空燃比制御システムの特性に最も大きな影響を与えることを考慮に入れて、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERRとして、空燃比センサ24の応答性の劣化指標値を用いるようにしたので、空燃比制御システムの経年変化度合を精度良く反映したモデル誤差ΔERRを求めることができる。
【0044】
更に、本実施形態(1)では、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERRが大きくなるほど空燃比F/B制御の制御ゲインωを小さくするようにしたので、空燃比制御システムの経年変化度合が大きいときに、空燃比F/B制御の制御ゲインωを小さくして空燃比F/B制御の安定性を確保することができる。
【0045】
《実施形態(2)》
次に、図5を用いて本発明の実施形態(2)を説明する。前記実施形態(1)では、モデル誤差ΔERRに応じて制御ゲインωを連続的に変化させるようにしたが、本実施形態(2)では、図5に示す空燃比F/B補正量算出プログラムを実行することで、モデル誤差ΔERRが所定の劣化判定値よりも大きい(空燃比センサ24の応答性が劣化している)と判定されたときに、制御ゲインωを補正して、制御ゲインωを通常よりも小さい値に切り換えるようにしている。
【0046】
図5に示す空燃比F/B補正量算出プログラムでは、まず、ステップ301で、空燃比制御モデルの応答時定数τのマップ又は数式を用いて、現在のエンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じた空燃比制御モデルの応答時定数τを算出した後、ステップ302に進み、制御ゲインωのマップ又は数式を用いて、空燃比制御モデルの応答時定数τに応じた制御ゲインωを算出する。
【0047】
この後、ステップ303に進み、前述した図3及び図4に示すモデル誤差算出プログラムを実行して、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERR(空燃比センサ24の劣化指標値)を算出した後、ステップ304に進み、モデル誤差ΔERRが劣化判定値よりも大きいか否かによって、空燃比センサ24の応答性が劣化しているか否かを判定する。
【0048】
その結果、モデル誤差ΔERRが劣化判定値以下である、つまり、空燃比センサ24の応答性が劣化していないと判定された場合には、空燃比制御システムの経年変化度合が小さいと判断して、ステップ305に進み、エンジン運転状態に応じた応答時定数τに応じて算出した制御ゲインωをそのまま採用する。
【0049】
一方、モデル誤差ΔERRが劣化判定値よりも大きい、つまり、空燃比センサ24の応答性が劣化していると判定された場合には、空燃比制御システムの経年変化度合が大きいと判断して、ステップ306に進み、制御ゲインωに補正係数f0 (0<f0 <1)を乗算して制御ゲインωを補正することで、制御ゲインωを通常よりも小さい値に切り換える。
ω=ω×f0
【0050】
以上のようにして、ステップ305又は306で制御ゲインωを設定した後、ステップ307に進み、空燃比制御モデルの応答時定数τ、制御ゲインω、減衰係数ζ、検出空燃比λs と目標空燃比λtgとの偏差Δλ等を用いて、空燃比制御モデルから導かれる空燃比F/B補正量FAFの算出式により、検出空燃比λs を目標空燃比λtgに一致させるように空燃比補正係数FAFを算出する。
【0051】
以上説明した本実施形態(2)では、空燃比制御システムの経年変化度合を表すモデル誤差ΔERRが劣化判定値よりも大きいときに、空燃比F/B制御の制御ゲインωを通常よりも小さい値に切り換えるようにしたので、空燃比制御システムの経年変化度合が大きいときに、空燃比F/B制御の制御ゲインωを小さくして空燃比F/B制御の安定性を確保することができる。
【0052】
尚、上記各実施形態(1),(2)では、エンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じて空燃比制御モデルの応答時定数τを算出し、この応答時定数τに応じて制御ゲインωを算出するようにしたが、図6示すエンジン運転状態(例えば吸入空気量)をパラメータとする制御ゲインωのマップ又は数式を用いて、エンジン運転状態(例えば吸入空気量)に応じて制御ゲインωを直接算出するようにしても良い。
【0053】
また、上記各実施形態(1),(2)では、空燃比制御モデルを用いた空燃比制御システムに本発明を適用したが、これに限定されず、空燃比センサ24で検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比に制御するように燃料噴射弁20の燃料噴射量を制御する空燃比制御システムに広く適用しても良く、この場合、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして空燃比センサ24の応答性を求め、この空燃比センサ24の応答性に基づいて空燃比制御システムの制御ゲインωを変更するようにすれば良い。このようにしても、空燃比制御システムの経年変化度合に応じて適正な制御ゲインωを設定することができ、経年変化による空燃比制御の安定性や応答性の悪化を防止することができる。
【0054】
また、空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータは、適宜変更しても良く、空燃比センサ24、燃料噴射弁20等の空燃比制御システムの特性に影響を与える部品の経年変化や、それを反映する挙動のうちの少なくとも1つを用いて空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータを求めるようにしても良い。
【0055】
《実施形態(3)》
次に、本発明の実施形態(3)を図7乃至図9を用いて説明する。
ECU27は、図示しないアイドル回転速度F/B制御プログラムを実行することで、アイドル運転中にクランク角センサ26で検出したエンジン回転速度Neを目標アイドル回転速度に一致させるように所定の制御ゲインψを用いてアイドル回転速度F/B補正量を算出し、このアイドル回転速度F/B補正量を用いてアイドル運転時のスロットル開度を算出して、スロットルバルブ15の開度を制御する。
【0056】
更に、ECU27は、図示しないダッシュポット制御プログラムを実行することで、非アイドル運転からアイドル運転に切り換わる際に、エンジン回転速度Neのアンダーシュートを抑制するために、アイドル運転時のスロットル開度(例えば初期値)にダッシュポット制御量Dを加算してダッシュポット制御時のスロットル開度を求めて、スロットルバルブ15の開度をアイドル運転時よりも大きい開度に制御する。
【0057】
これらのアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムは、経年変化(例えば、スロットルバルブ15周辺に付着した塵等のデポジットによる吸入空気量の変化、エンジンフリクションの変化等)によって特性が変化するが、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合に応じて電気負荷印加時(例えばヘッドランプ点灯時)のエンジン回転速度Neの落ち込み量ΔNe(図8参照)も変化する。従って、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeは、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータとなる。
【0058】
そこで、本実施形態(3)では、図7に示す制御ゲイン変更プログラムを実行することで、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeに基づいてアイドル回転速度F/B制御の制御ゲインψとダッシュポット制御のダッシュポット制御量D(ダッシュポット制御の制御ゲインに相当する値)を変更するようにしている。
【0059】
図7に示す制御ゲイン変更プログラムは、例えば、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期で実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ401で、落ち込み閾値KNeのマップ又は数式を用いて、電気負荷の大きさに応じた落ち込み閾値KNeを算出する。この落ち込み閾値KNeのマップ又は数式は、予め、実験、シミュレーション等によって設定され、ECU27のROMに記憶されている。
【0060】
この後、ステップ402に進み、落ち込み閾値KNeと電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeの絶対値との差が所定値k1よりも大きいか否かを判定する。
【0061】
その結果、落ち込み閾値KNeと電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeの絶対値との差が所定値k1よりも大きい(KNe−|ΔNe|>k1)と判定された場合には、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeが落ち込み閾値KNeよりも小さいため、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合が小さいと判断して、ステップ403に進み、アイドル回転速度F/B制御ゲインψを通常値ψ1 に設定すると共に、ダッシュポット制御量Dを通常値D1 に設定する。
【0062】
一方、落ち込み閾値KNeと電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeの絶対値との差が所定値k1以下である(KNe−|ΔNe|≦k1)と判定された場合には、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeが落ち込み閾値KNe付近又はそれよりも大きいため、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合が大きいと判断して、ステップ404に進み、アイドル回転速度F/B制御ゲインψを通常値ψ1 よりも小さい値ψ2 に切り換えると共に、ダッシュポット制御量Dを通常値D1 よりも大きい値D2 に切り換える。尚、経年変化度合が大きいときのアイドル回転速度F/B制御ゲインψ2 とダッシュポット制御量D2 は、それぞれ固定値としても良いが、エンジン回転速度落ち込み量ΔNeに応じて設定するようにしても良い。
【0063】
従来は、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合が大きくなると、図9に破線で示すように、非アイドル運転からアイドル運転に切り換わる際のエンジン回転速度Neの落ち込み量が大きくなり、エンジン回転速度Neの目標アイドル回転速度への収束性が悪化する。
【0064】
これに対して、本実施形態(3)では、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表す電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeが大きいときに、アイドル回転速度F/B制御ゲインψやダッシュポット制御量Dを変更するようにしたので、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合に応じて適正なアイドル回転速度F/B制御ゲインψやダッシュポット制御量Dを設定することができる。これにより、図9に実線で示すように、経年変化によるアイドル回転速度制御性の悪化を防止することができ、経年変化の影響を受けずにエンジン回転速度Neを速やかに目標アイドル回転速度に収束させることができる。
【0065】
また、本実施形態(3)では、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合(電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNe)が大きいときに、アイドル回転速度F/B制御ゲインψを通常よりも小さくすると共に、ダッシュポット制御量Dを通常よりも大きくするようにしたので、アイドル回転速度F/B制御ゲインψを小さくしてアイドル回転速度制御の安定性を確保しながら、ダッシュポット制御量Dを大きくしてアイドル回転速度F/B補正量を当初から小さくすることができ、アイドル回転速度制御の安定性(収束性)の向上の効果を更に高めることができる。
【0066】
尚、本実施形態(3)では、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeが大きいときに、アイドル回転速度F/B制御ゲインψやダッシュポット制御量Dを切り換えるようにしたが、電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量ΔNeに応じてアイドル回転速度F/B制御ゲインψやダッシュポット制御量Dを連続的に切り換えるようにしても良い。
【0067】
また、本実施形態(3)では、スロットルバルブ15でアイドル運転時の吸入空気量を制御するアイドル回転速度制御システムに本発明を適用したが、スロットルバルブ15をバイパスするバイパス通路に設けられたアイドルスピードコントロールバルブでアイドル運転時の吸入空気量を制御するアイドル回転速度制御システムに本発明を適用しても良い。
【0068】
また、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータは、適宜変更しても良く、アイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの特性に影響を与える部品の経年変化や、それを反映する挙動(電気負荷印加時のエンジン回転速度の落ち込み量、電気負荷印加時のエンジン回転速度の変化速度、電気負荷印加時の所定期間のエンジン回転速度の変化量等)のうちの少なくとも1つを用いてアイドル回転速度制御システムやダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータを求めるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】実施形態(1)の空燃比F/B補正量算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図3】実施形態(1)のモデル誤差算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図4】実施形態(1)のモデル誤差算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図5】実施形態(2)の空燃比F/B補正量算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図6】実施形態(1),(2)の変形例における制御ゲインのマップを概念的に示す図
【図7】実施形態(3)の制御ゲイン変更プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図8】実施形態(3)の電気負荷印加時のエンジン回転速度落ち込み量を説明するためのタイムチャート
【図9】実施形態(3)の実行例を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ(吸入空気量調整弁)、20…燃料噴射弁、21…点火プラグ、22…排気管、24…排出ガスセンサ、26…クランク角センサ(回転速度検出手段)、27…ECU(経年変化検出手段,制御ゲイン変更手段)。
Claims (8)
- 内燃機関を制御する所定の制御システムの経年変化度合を求める経年変化検出手段と、
前記経年変化度合に基づいて前記制御システムの制御ゲインを変更する制御ゲイン変更手段と
を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記制御システムは、燃料噴射弁から空燃比検出手段までの制御対象を模擬した空燃比制御モデルを用いて前記空燃比検出手段で検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比に制御するように前記燃料噴射弁の燃料噴射量を制御する空燃比制御システムであり、
前記経年変化検出手段は、前記空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして該空燃比制御システムの経年変化によって生じる前記空燃比制御モデルの誤差を求め、
前記制御ゲイン変更手段は、前記空燃比制御モデルの誤差に基づいて前記空燃比制御システムの制御ゲインを変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記経年変化検出手段は、少なくとも前記空燃比検出手段の応答性に基づいて前記空燃比制御モデルの誤差を求めることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記制御システムは、空燃比検出手段で検出した排出ガスの空燃比を目標空燃比に制御するように燃料噴射弁の燃料噴射量を制御する空燃比制御システムであり、
前記経年変化手段は、前記空燃比制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして前記空燃比検出手段の応答性を求め、
前記制御ゲイン変更手段は、前記空燃比検出手段の応答性に基づいて前記空燃比制御システムの制御ゲインを変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御システムは、回転速度検出手段で検出した機関回転速度を目標アイドル回転速度に制御するように吸入空気量調整弁の開度を制御するアイドル回転速度制御システムであり、
前記経年変化検出手段は、前記アイドル回転速度制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして電気負荷印加時の機関回転速度の挙動を求め、
前記制御ゲイン変更手段は、前記電気負荷印加時の機関回転速度の挙動に基づいて前記アイドル回転速度制御システムの制御ゲインを変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御ゲイン変更手段は、前記経年変化度合が大きくなるほど前記制御ゲインを小さくするか又は前記経年変化度合が所定値よりも大きいときに前記制御ゲインを小さくすることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記制御システムは、非アイドル運転からアイドル運転に切り換わる際に、吸入空気量調整弁の開度をアイドル運転時よりも大きい開度に制御するダッシュポット制御システムであり、
前記経年変化検出手段は、前記ダッシュポット制御システムの経年変化度合を表すパラメータとして電気負荷印加時の機関回転速度の挙動を求め、
前記制御ゲイン変更手段は、前記電気負荷印加時の機関回転速度の挙動に基づいて前記ダッシュポット制御システムの制御ゲインを変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御ゲイン変更手段は、前記ダッシュポット制御システムの経年変化度合が大きくなるほど前記制御ゲインを大きくするか又前記経年変化度合が所定値よりも大きいときに前記制御ゲインを大きくすることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
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