JP2004186783A - ミリ波帯無線通信システム及びゲートウェイ装置 - Google Patents

ミリ波帯無線通信システム及びゲートウェイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】テレビ放送信号をミリ波帯の電波にて端末側へ送信すると共に、外部ネットワークと端末側との間のデータ通信経路の一部もミリ波帯の無線通信にて行うよう構成された無線通信システムを、安価に実現することを目的とする。
【解決手段】衛星放送が選局されると、ミリ波TV通信BOX40からの選局信号がミリ波通信装置30及び伝送線La,L0を介してゲートウェイ装置10へ伝送される。この選局信号に基づき、第1周波数変換器21が、衛星放送信号のうち選局されたチャンネルの信号のみを抽出して、周波数f11の伝送用放送信号(chX信号)に変換する。このchX信号はインターネット4からの下りデータ信号と共に伝送線L0上へ送出され、ミリ波通信装置30からミリ波帯にて無線送信される。この送信電波をミリ波TV通信BOX40が受信してダウンコンバートし更に元の放送信号に変換することで、選局した放送を視聴できるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ放送信号をミリ波帯へアップコンバートして端末側へ無線送信し、端末側にてその送信電波を受信してダウンコンバートすることにより元のテレビ放送信号を復元するミリ波帯無線通信システム、及び、このシステムを構成するゲートウェイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、広帯域な信号を高品質に伝送するための一手法として、ミリ波帯を利用した広帯域伝送が知られている。ミリ波帯(例えば60GHz)の電波は、波長が短いことから機器の小型化が可能であるのに加え、酸素による吸収減衰が大きいため、遠くまで到達せず干渉が起こりにくいという物理的特性を持っている。このため、大容量で低コストの多様な利用形態が期待されている。
【0003】
ミリ波帯を用いた通信システムとして、例えば宅内において、テレビ放送信号をミリ波帯へアップコンバートして無線送信し、受信側でその送信電波を受信して元のテレビ放送信号へダウンコンバートし、直接テレビ受像機或いは各種衛星放送用チューナへ出力するよう構成されたシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
一方、外部の広域ネットワーク(例えばインターネット)と宅内の通信端末との間で双方向データ通信を行う際に、宅内における通信端末と広域ネットワークとを接続する伝送経路の少なくとも一部を無線通信にて実現することも知られており、その一形態として、IEEE802.11bにて標準化への取り組みが行われている無線LANの2.4GHz帯を利用した無線通信がよく知られている。
【0005】
そして、このような外部の広域ネットワークと通信端末との間の無線通信においても、上記のテレビ放送信号と同様、ミリ波帯を利用した無線通信が考えられ、これを実現することにより、データ伝送品質や伝送速度がより向上することが期待される。
【0006】
そのため、例えば戸建住宅内において、テレビ放送信号を同軸ケーブルにて宅内伝送し、所定の部屋にテレビ放送信号をミリ波帯へ変換して無線送信するテレビ放送用送信装置を設ける一方、双方向データ通信用のケーブル(例えばIEEE802.3規定の10BASE−Tに代表されるLANケーブル)を宅内配線して、上記所定の部屋に、外部からの通信データをミリ波帯へ変換して端末側へ無線送信すると共に端末側からミリ波帯にて無線送信されてきた通信データを元のデータに変換して外部へ伝送するデータ通信用送受信装置を設けることにより、上記所定の部屋において、テレビフィーダ線が無線化されて宅内の美観が向上したり、高品質且つ高速なデータ通信が可能となる。
【0007】
尚、上記例示した2.4GHz帯の無線LANは、複数の端末装置間を相互に無線接続すると共に各端末装置が外部の広域ネットワークとの間で双方向データ通信を行う際に利用する一般的な技術であり、公知・公用の技術に相当するため、特に先行技術文献は開示しない。
【0008】
【非特許文献1】
末松英治、外3名,「ディジタル・アナログ衛星放送/ミリ波無線伝送リ
ンクにおける日本家屋での伝送特性」,シャープ技報,シャープ株式会社,
平成12年12月,No.10(通巻78号),p.18−19
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テレビ放送信号の伝送を無線化すると共に外部広域ネットワークとの間の双方向データ通信も無線化すると、上記のように宅内の美観が向上したり、より高品質・高速なデータ通信が可能となるものの、これらを実現するための機器が大型化して逆に宅内の美観を損ねたり、機器の大型化等によるコストアップを招くといった問題がある。
【0010】
即ち、上記所定の部屋にテレビ放送用送信装置とデータ通信用送受信装置とをそれぞれ設けるため、いずれか一方のみを設置する場合に比べて、当然ながら機器設置スペースを大きく確保する必要があり、しかも装置全体のコストも増大する。また、各装置からはそれぞれ、同軸ケーブル及びデータ通信用ケーブルとの2種類のケーブルが部屋の外へ引き回されることになるため、ケーブル敷設の手間が増えたり、2種類のケーブル敷設に伴う宅内美観の悪化も予想される。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、テレビ放送信号をミリ波帯へアップコンバートして端末側へ無線送信すると共に、外部広域ネットワークと端末側との間のデータ通信経路の一部をミリ波帯の無線通信にて実現するよう構成された無線通信システムを、安価に実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のミリ波帯無線通信システムは、テレビ放送信号を1又は複数の端末側に配信するヘッドエンド装置としての機能を有するゲートウェイ装置が、外部の広域ネットワークから伝送されてきた通信データをテレビ放送信号より高い周波数帯の第1伝送信号に変換し、該第1伝送信号とテレビ放送信号とを混合して伝送線上に送出すると共に、広域ネットワークとの間でデータ通信を行うために端末側から前記伝送線を介して伝送されてきた、テレビ放送信号より高い周波数帯の第2伝送信号を、元の通信データに変換して広域ネットワークへ送信する。
【0013】
そして、各端末側毎に設けられたゲートウェイ側通信装置が、伝送線を介してゲートウェイ装置から伝送されてきたテレビ放送信号及び第1伝送信号をミリ波帯へアップコンバートして第1アンテナから送信すると共に、端末側からミリ波帯へアップコンバートして無線送信された第2伝送信号を第1アンテナにて受信し、該受信した第2伝送信号を、端末側にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートして伝送線を介してゲートウェイ装置へ出力する。
【0014】
つまり、本発明においては、テレビ放送信号を端末側へ伝送する伝送線と、端末側と広域ネットワークとの間で送受信される通信データを伝送する伝送線とを、従来技術のように別々のものにするのではなく、共通した一つの伝送線にて実現する。
【0015】
この一つの伝送線にてテレビ放送信号及び通信データを伝送できるよう、ゲートウェイ装置を設け、外部の広域ネットワークからの通信データを第1伝送信号に変換した上でテレビ放送信号と混合して伝送線上へ送出すると共に、端末側から伝送線上を伝送されてきたデータ通信用の第2伝送信号を再び元の通信データに変換して広域ネットワーク側へ出力するようにしている。
【0016】
そして、テレビ放送信号をミリ波帯にアップコンバートして無線送信するゲートウェイ側通信装置が、テレビ放送信号と共に伝送線上を伝送されてきた第1伝送信号もそのままミリ波帯にアップコンバートして端末側へ無線送信し、逆に端末側からミリ波帯の電波にて無線送信されてきた第2伝送信号を元の周波数帯にダウンコンバートして伝送線上へ送出するよう構成されることで、一つのゲートウェイ側通信装置がテレビ放送信号のミリ波帯送信とデータ通信のミリ波帯送受信とを兼ねるようにしているのである。
【0017】
従って、本発明のミリ波帯無線通信システムによれば、テレビ放送信号と通信データ(詳しくは第1及び第2伝送信号)とを混合して両者が同じ伝送線上を伝送され、これによりゲートウェイ側通信装置も、単にテレビ放送信号及び第1伝送信号のミリ波帯へのアップコンバート(及びミリ波帯にて受信された第2伝送信号のダウンコンバート)を行うだけの比較的簡易な構成にて実現できるため、ミリ波帯無線通信システムを安価に実現することが可能となる。
【0018】
ここで、テレビ放送信号が占有する周波数帯域と、データ通信用の第1及び第2伝送信号が占有する周波数帯域とが相互に重複しない場合は、各信号をそのまま一つの伝送線上で伝送させることができる。しかし、伝送線上を良好に伝送可能な周波数帯の上限を考慮しつつ、テレビ放送信号用の周波数帯域をどこまでとるか、或いはデータ通信用の各伝送信号の周波数帯域をどこまでとるかは、当該システムを構築・利用するユーザのニーズにより様々であり、例えばより多くのチャンネルのテレビ放送信号を伝送できるようにしたかったり、或いはより広帯域のデータ通信帯域を確保してより高速なデータ通信を行えるようにしたいなどの理由により、結果としてテレビ放送信号の周波数帯域とデータ通信用の上記各伝送信号の周波数帯域とが重複してしまうことも十分に考えられる。
【0019】
このように両者の間で重複する周波数帯域があると、その帯域のテレビ放送信号及び第1又は第2伝送信号をそのまま伝送線上へ送出することはできない。
そこで、このようにテレビ放送信号の全帯域のうち所定の周波数以上の帯域が、第1又は第2伝送信号の周波数帯域と重複する場合、例えば請求項2に記載のように、ゲートウェイ装置は、テレビ放送信号のうち少なくとも上記重複する周波数帯域(重複帯域)を含む変換対象帯域については、該変換対象帯域のチャンネルのテレビ放送信号をそのまま全て伝送線上に送出せず、端末側にて選局されたチャンネルに対応した選局信号を受けて、該選局されたチャンネルのテレビ放送信号のみを、各端末側毎に予め設定された、変換対象帯域内(但し重複帯域を除く)における一定周波数帯の伝送用放送信号に周波数変換して、伝送線上に送出するよう構成されたものであるとよい。
【0020】
そしてこの場合、ゲートウェイ側通信装置は、更に、ゲートウェイ装置から伝送されてきた伝送用放送信号をミリ波帯へアップコンバートして第1アンテナから送信すると共に、端末側からミリ波帯にアップコンバートして無線送信された選局信号を第1アンテナにて受信し、該受信した選局信号を、端末側にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートして伝送線を介してゲートウェイ装置へ出力するよう構成されているとよい。
【0021】
つまり、テレビ放送信号の全帯域のうち重複帯域については、そのまま伝送線上へ送出すると第1又は第2伝送信号と混信するため、少なくともその重複帯域を含む変換対象帯域のテレビ放送信号について、その帯域のチャンネルが端末側にて選局された場合、該選局されたチャンネルのみを伝送用放送信号に周波数変換して伝送線上へ送出するのである。この伝送用放送信号の周波数帯域は、端末側毎に予め設定された固定のものである。
【0022】
そのため、ゲートウェイ側通信装置ではこの伝送用放送信号がミリ波帯にアップコンバートされて端末側へ無線送信されることになり、変換対象帯域内の全チャンネルのうち端末側で選局されたチャンネルのテレビ放送信号のみが、端末側へ送信されることになる。
【0023】
従って、請求項2記載のミリ波帯無線通信システムによれば、テレビ放送信号の周波数帯域とデータ通信用の第1又は第2伝送信号の周波数帯域とが重複しても、該重複帯域を含む変換対象帯域内のテレビ放送信号については、端末側にて選局されたチャンネルのみが伝送用放送信号として伝送線上へ送出されるため、端末側へ伝送すべきテレビ放送信号の周波数帯域(換言すれば端末側にて視聴可能なテレビ放送チャンネルの数)の設定や、データ通信用の周波数帯域の設定の自由度が広がる。
【0024】
尚、選局信号の周波数帯は未使用帯域の中から適宜決めればよいが、例えば第2伝送信号の周波数帯に隣接する周波数帯に設定すれば、当該システムにおいて端末側からゲートウェイ装置へ伝送されるいわゆる上り信号(第2伝送信号及び選局信号)が所定の周波数帯域内に全て収まることになるため、ゲートウェイ側通信装置をより簡易的に構成することができて好ましい。
【0025】
ここで、上記のミリ波帯無線通信システムにおける端末側には、例えば請求項3に記載のような端末側データ通信装置が備えられているとよい。即ち、請求項3記載のシステムにおける端末側には、ゲートウェイ側通信装置からの送信電波を第2アンテナにて受信し、該受信信号を、ゲートウェイ側通信装置にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートし、該ダウンコンバート後の第1伝送信号を更にゲートウェイ装置にて周波数変換される前の通信データに変換して端末装置側へ出力すると共に、該端末装置側から出力された通信データを第2伝送信号に変換し、該第2伝送信号をミリ波帯へアップコンバートして第2アンテナから送信する端末側データ通信装置が備えられている。
【0026】
このような端末側データ通信装置を備えれば、端末装置は外部からの通信データをこの端末側データ通信装置から取得できると共に、外部への通信データをこの端末側データ通信装置を介して広域ネットワーク側へ出力することができるため、この端末側データ通信装置とゲートウェイ側通信装置との間でミリ波帯の電波が送受信できる範囲内において、端末装置を自由に移動させて外部広域ネットワークとのデータ通信を行うことができる。
【0027】
また、請求項1記載のミリ波帯無線通信システムにおける端末側には、例えば請求項4に記載のように、ゲートウェイ側通信装置からの送信電波を第2アンテナにて受信し、該受信信号を、前記ゲートウェイ側通信装置にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートして、該ダウンコンバート後の前記テレビ放送信号を端末装置側へ出力する、端末側テレビ放送受信装置が備えられていてもよい。
【0028】
このような端末側テレビ放送受信装置が備えられていれば、この端末側テレビ放送受信装置がゲートウェイ側通信装置からのミリ波帯電波を受信できる範囲内において、端末装置(例えばテレビ受信機或いはテレビチューナ付パーソナルコンピュータ等)を自由に移動させてテレビ番組を視聴することができる。
【0029】
更に、請求項2記載のミリ波帯無線通信システムにおける端末側には、例えば請求項5に記載のような端末側テレビ信号通信装置が備えられているとよい。即ち、請求項5記載のシステムにおける端末側には、選局されたチャンネルに対応した選局信号をミリ波帯へアップコンバートして第2アンテナから送信すると共に、ゲートウェイ側通信装置から無線送信された、伝送用放送信号、及び変換対象帯域を除く周波数帯域のテレビ放送信号である非変換放送信号を第2アンテナにて受信し、該受信した伝送用放送信号及び非変換放送信号を、ゲートウェイ側通信装置にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートし、このうち該ダウンコンバート後の非変換放送信号についてはそのまま端末装置側へ出力し、該ダウンコンバート後の伝送用放送信号については、更にゲートウェイ装置にて周波数変換される前の元の変換対象帯域のテレビ放送信号に戻して端末装置側へ出力する端末側テレビ信号通信装置が備えられている。
【0030】
既述の通り、請求項2記載のシステムにおいては、テレビ放送信号として、周波数変換されずにそのまま端末側へ伝送される非変換放送信号と、選局されたチャンネルのみが伝送用放送信号に周波数変換されて端末側へ伝送される変換対象周波数帯域のテレビ放送信号とがある。
【0031】
このうち、非変換放送信号については、そのまま端末装置側へ出力することにより端末装置側で視聴可能であるが、伝送用放送信号については、選局されたチャンネル本来の周波数帯とは異なっているため、そのまま端末装置側へ出力しても視聴は困難である。そこで、伝送用放送信号については更に、ゲートウェイ装置にて周波数変換される前の元の変換対象帯域のテレビ放送信号に戻して、端末装置側へ出力するのである。
【0032】
そのため、上記のように構成された端末側テレビ信号通信装置を備えることにより、この端末側テレビ信号通信装置とゲートウェイ側通信装置との間でミリ波帯の電波が送受信できる範囲内において、端末装置を自由に移動させて上記非変換放送信号に対応した番組及び変換対象周波数帯域に対応した番組を視聴することができる。
【0033】
ところで、テレビ放送信号は外部からのテレビ放送用電波をテレビ受信アンテナにて受信することにより得られるのは言うまでもないことだが、このテレビ受信アンテナは一つのみに限らず、一般に知られているように例えばUHF帯の電波を受信するアンテナや、BS放送を受信するBSアンテナ、或いはCS放送を受信するCSアンテナなど、受信すべき放送電波に応じて種々のアンテナがある。
【0034】
そして、これら複数のテレビ受信アンテナを備えることにより、より多くのチャンネルのテレビ放送信号を端末側へ伝送する(つまり、より多くのテレビ番組を視聴する)ことができる。しかし、このように多くのチャンネルのテレビ放送信号を伝送しようとすると、データ通信用の第1又は第2伝送信号の周波数帯域と重複する部分が生じやすくなるのに加え、各テレビ受信アンテナに対応したテレビ放送信号の周波数帯域が相互に重複してしまうことも考えられる。
【0035】
より具体的には、例えば上記のようにUHF帯受信アンテナ、BSアンテナ及びCSアンテナを備えた場合において、BSアンテナにて受信したBS放送電波に対応したテレビ放送信号の周波数帯域と、CSアンテナにて受信したCS放送電波に対応したテレビ放送信号の周波数帯域とが相互に重複すると共に、各テレビ放送信号がいずれもデータ通信用の上記各伝送信号の周波数帯域と重複してしまう場合も起こりうる。
【0036】
そこで、請求項2又は5記載のミリ波帯無線通信システムにおいて、上記のように、外部からのテレビ放送用電波を受信する複数種類のテレビ受信アンテナを備え、そのうち少なくとも二つのテレビ受信アンテナ(以下これらを「信号重複アンテナ」という)に対応したテレビ放送信号の周波数帯域がいずれもデータ通信用の第1又は第2伝送信号の周波数帯域と重複する場合は、例えば請求項6に記載のように、上記各信号重複アンテナに対応したテレビ放送信号の周波数帯域をいずれも変換対象帯域として設定し、ゲートウェイ装置は、選局信号に基づいて、上記各信号重複アンテナに対応した各テレビ放送信号のうち端末側にて選局されたチャンネルを含むいずれか一方のみを選択して、該選局されたチャンネルのテレビ放送信号を伝送用放送信号に周波数変換するものであるとよい。
【0037】
このような構成にすれば、各信号重複アンテナに対応したテレビ放送信号を、データ通信用の上記各伝送信号と混信することなく端末側へ伝送することができる。しかも、仮に各信号重複アンテナに対応した各テレビ放送信号の周波数帯域が重複するものであっても、端末側からの選局信号に対応したチャンネルを含むテレビ放送信号のみが取り込まれるため、各テレビ受信アンテナにて受信可能なチャンネルのテレビ番組を確実に視聴することができる。
【0038】
次に、請求項7記載の発明は、請求項1に記載のミリ波帯無線通信システムを構成するゲートウェイ装置であって、外部からの通信データを第1伝送信号に変換すると共に端末側からの第2伝送信号を元の通信データに変換するデータ変換手段と、テレビ放送信号と第1伝送信号とを混合して伝送線上へ送出すると共に端末側からの第2伝送信号をデータ変換手段へ出力する混合手段とを備える。このため、この請求項7記載のゲートウェイ装置を用いれば、請求項1記載のミリ波帯無線通信システムを構築することができる。
【0039】
また、請求項8記載の発明は、請求項2に記載のミリ波帯無線通信システムを構成するゲートウェイ装置であって、請求項7記載のゲートウェイ装置に対して、更に、端末側からの選局信号を受け、該端末側にて選局されたチャンネルのテレビ放送信号が変換対象帯域内のものであるときに該テレビ放送信号を伝送用放送信号へ周波数変換させるための変換制御信号を出力する選局制御手段と、該選局制御手段からの変換制御信号に基づいて、端末側にて選局されたチャンネルのテレビ放送信号を伝送用放送信号に周波数変換するテレビ放送周波数変換手段とを設けたものであり、混合手段が、伝送用放送信号と第1伝送信号とを混合して伝送線上へ送出する。このため、この請求項8記載のゲートウェイ装置を用いれば、請求項2記載のミリ波帯無線通信システムを構築することができる。
【0040】
そして、テレビ放送周波数変換手段は、具体的には、例えば請求項9に記載のように構成することができる。即ち、テレビ放送周波数変換手段は、周波数変換に用いる局発信号を発生する局発信号発生部と、変換対象帯域内のテレビ放送信号の中から端末側にて選局されたチャンネルのテレビ放送信号のみを抽出する信号抽出部と、該信号抽出部にて抽出されたテレビ放送信号を、局発信号を用いて伝送用放送信号に周波数変換する周波数変換部とを備えたものである。
【0041】
そして、局発信号発生部は、選局されたチャンネルのテレビ放送信号が周波数変換部にて伝送用放送信号に周波数変換されるよう、発生する局発信号の周波数を、選局制御手段からの変換制御信号に基づいて設定できるよう構成されており、信号抽出部は、選局されたチャンネルのテレビ放送信号が抽出されるよう、抽出すべきテレビ放送信号の周波数帯域を、選局制御手段からの変換制御信号に基づいて設定できるよう構成されている。
【0042】
つまり、信号抽出部が抽出すべきテレビ放送信号の周波数帯と、周波数変換に用いる局発信号の周波数とが、いずれも可変となるように構成されており、これらは具体的には、選局制御手段からの変換制御信号に基づいて設定されるのである。
【0043】
そのため、端末側で選局されたチャンネルのテレビ放送信号を確実に抽出して伝送用放送信号に周波数変換することができ、請求項2記載のミリ波帯無線通信システムの信頼性をより高めることが可能となる。
次に、請求項10記載の発明は、請求項6に記載のミリ波帯無線通信システムを構成するゲートウェイ装置であって、請求項8又は9記載のゲートウェイ装置に対して、更に、選局制御手段が、端末側にて選局されたチャンネルに対応したチャンネル信号を出力するよう構成されたものである。そして、少なくとも二つのテレビ受信アンテナに対応した各テレビ放送信号のうち端末側にて選局されたチャンネルを含むいずれか一方のみを、選局制御手段からのチャンネル信号に基づいて選択してテレビ放送周波数変換手段へ出力するテレビ放送信号選択手段を備える。このため、この請求項10記載のゲートウェイ装置を用いれば、請求項6記載のミリ波帯無線通信システムを構築することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のミリ波帯無線通信システムの概略構成を示す説明図である。図1に示す如く、本実施形態のミリ波帯無線通信システムは、地上局から送信されてきたVHF或いはUHFのテレビ放送電波を受信するテレビアンテナ1と、放送衛星(BS)からの送信電波を受信するBSアンテナ2と、通信衛星(CS)からの送信電波を受信するCSアンテナ3とを備え、これら各アンテナ1〜3からの各放送信号を、戸建住宅内の各部屋(A部屋,B部屋,C部屋,D部屋)に各々設けられた端末装置としてのテレビ(以下「TV」という)48に伝送すると共に、各部屋に設けられた端末装置としてのパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)54を、広域ネットワークであるインターネット4に接続して、各PC54とインターネット4上の各種サーバとの間で送受信される通信データを双方向に伝送するものである。
【0045】
そして、本実施形態のミリ波帯無線通信システムには、前記各アンテナ1〜3からの各放送信号が入力され、このうち所定周波数帯の放送信号(詳細は後述)のみを各部屋へ送出すると共に、インターネット4と各部屋のPC54との間のデータ通信を中継するゲートウェイ装置10と、各部屋に各々設けられ、ゲートウェイ装置10と伝送線L0等(A部屋の場合は伝送線L0,La)を介して接続された無線通信用のミリ波通信装置30と、各部屋のTV48に対応して設けられ、ミリ波通信装置30との間でミリ波帯の電波による無線通信を行うミリ波TV通信BOX40と、各部屋のPC54に対応して設けられ、ミリ波通信装置30との間でミリ波帯の電波による無線通信を行うミリ波PCカード50とが設けられている。
【0046】
BSアンテナ2は、BSからの送信電波を受信してBS−IF信号(1032〜1336MHz)に変換するコンバータを備えている。一方、CSアンテナ3は、CSからの送信電波を受信して第1のCS−IF信号(1050〜1550MHz;垂直偏波,1570〜2070MHz;水平偏波)に変換する低雑音コンバータを備えており、この第1のCSーIF信号はさらにブロックコンバータ5にて第2のCS−IF信号(1385〜1625MHz;垂直偏波,1655〜1895MHz;水平偏波)に変換される。以下の説明では、特に断りのない限り、この第2のCS−IF信号を単にCS−IF信号と言う。
【0047】
そして、BSアンテナ2からのBS−IF信号と、CSアンテナ3からのCS−IF信号とが混合器6にて混合され、テレビアンテナ1からのVHF及びUHFのテレビ放送信号と共にゲートウェイ装置10へ入力される。尚、このゲートウェイ装置10へ入力されるBS−IF信号及びCS−IF信号の両衛星放送信号と、VHF及びUHFのテレビ放送信号はいずれも、本発明のテレビ放送信号に相当するものである。
【0048】
そのため、ゲートウェイ装置10に入力される各放送信号の周波数帯域は、図7に示すようになっており、CS−IF信号は、上記第1のCS−IF信号がブロックコンバータ5によってBS−IF信号より高い周波数帯域に変換(再配列)された状態になっている。
【0049】
ヘッドエンド装置としての機能を有するゲートウェイ装置10は、A〜D各部屋に対応してそれぞれ設けられたA部屋用コンバータ11,B部屋用コンバータ12,C部屋用コンバータ13及びD部屋用コンバータ14を備える。これら各コンバータ11〜14は各々、BS−IF信号とCS−IF信号の両衛星放送信号の中から対応する各部屋にて選局されたチャンネルの衛星放送信号のみを抽出して、その抽出した衛星放送信号を予め設定された周波数帯の伝送用放送信号(A部屋の場合、中心周波数f11のchX信号と中心周波数f12のchY信号との二つのチャンネル)に周波数変換する。
【0050】
具体的には、例えばA部屋のリモコン56を操作して所望のBS放送のチャンネルが選択されると、その選択されたチャンネルデータを含む選局信号S1がミリ波TV通信BOX40にて生成され、ゲートウェイ装置10へ伝送されてくる。この選局信号S1は、混合器20からA部屋用コンバータ11内の選局制御器23へ入力される。
【0051】
そして、選局制御器23は、選局信号S1に基づき、選局されたチャンネルの放送信号が第1周波数変換器21(又は第2周波数変換器22)にて所定周波数f11(又はf12)のchx信号(又はchY信号)に変換されるよう、第1周波数変換器21(又は第2周波数変換器22)の各設定値を決める局発設定設定データ及びBPF帯域設定信号(詳細は後述)を出力する。
【0052】
これにより、第1周波数変換器21(又は第2周波数変換器22)が、リモコン56にて選択されたチャンネルの放送信号を抽出し、所定周波数f11(又はf12)のchx信号(又はchY信号)に変換して出力する。
B部屋用コンバータ12、C部屋用コンバータ13、D部屋用コンバータ14についてもまったく同様であり、対応する各部屋にて衛星放送のチャンネルが選択されて選局信号S2〜S4が伝送されてくると、各コンバータ12〜14はそれぞれ、選択されたチャンネルの放送信号を伝送用放送信号に周波数変換して伝送線L0上へ送出する。但し、各部屋毎の伝送用放送信号の周波数(図1参照)は、f11<f12<f21<f22<f31<f32<f41<f42 の関係にあり、各伝送用放送信号の周波数配列も図7に示すようになる。
【0053】
尚、本実施形態では、一つの部屋について二つの伝送用放送信号(chX信号及びchY信号)を出力するよう構成されているが、これは、例えばあるチャンネルのBS放送番組をビデオ録画しながら他のBS放送番組を視聴したり、また例えば、TV48の画面を2分割して異なる二つのBS放送番組(或いはCS放送番組)を同時に表示させるといった視聴形態が考えられるからである。
【0054】
ゲートウェイ装置10は更に、CATV回線を介してインターネット4と接続する際に端末側にて一般に用いられるケーブルモデム15と、光回線を介してインターネット4と接続する際にユーザ・網インターフェイスを提供するONU(Optical Network Unit)16と、CPU・ROM・RAM等からなるマイクロコンピュータにて構成され、インターネット4との間の通信データ授受及び端末側PC54との間の通信データ授受を制御すると共に、必要に応じて通信データのプロトコル変換を行うデータ通信制御部17と、PC54からの指示を受けてデータ通信制御部17がインターネット4との間で授受する通信データを蓄えるためのハードディスクドライブ(HDD)18と、外部インターネット4からデータ通信制御部17を介して入力されてきた通信データを、各伝送路(本実施形態では同軸ケーブル)L0,La,Lb,Lc,Ldを介して各部屋へ伝送するために所定周波数帯の下りPCデータ信号に変換して混合器20へ出力すると共に、PC54から出力され、上記各伝送路を伝送させるために上りデータ信号に変換されて伝送されてきた外部出力用の通信データを、元の通信データに変換するRF変復調部19(本発明のデータ変換手段に相当)と、各部屋用コンバータ11〜14からの伝送用放送信号(chX信号,chY信号)、VHF,UHFのテレビ放送信号、及びRF変復調部19から端末側へ出力される下りPCデータ信号とを混合して伝送線L0上へ送出すると共に、各部屋から出力され伝送線L0上を伝送されてきた上りPCデータ信号をRF変復調部19へ出力し、同じく各部屋から出力され伝送線L0上を伝送されてきた各選局信号S1〜S4を各部屋用コンバータ11〜14のうち対応するいずれかに出力する混合器20(本発明の混合手段に相当)とを備えている。
【0055】
本実施形態では、各部屋のPC54がインターネット4との間でデータ通信を行う際の上りPCデータ信号及び下りPCデータ信号の周波数帯域が、全体として、テレビ放送用の各放送信号の周波数より高い帯域に設定しているが、図7に斜線で示すように、放送信号の一部帯域(詳しくはCS−IF信号における1.75GHz以上の帯域)が、上りPCデータ信号の周波数帯域と重複している。そのため、このままCS−IF信号と上りPCデータ信号とを同じ伝送線上に伝送させると、両者が混信して正常な信号伝送が行われなくなる。尚、この重複する周波数帯域が本発明の重複帯域に相当する。
【0056】
そこで、本実施形態では、このCS−IF信号及びBS−IF信号については、そのまま混合器20で混合して伝送線L0上へ送出せず、各部屋ごとにリモコン56にて選局されたチャンネルの放送信号のみを抽出して、一定周波数の伝送用放送信号に変換して伝送線L0上へ送出し、対応する部屋へ伝送するようにしている。尚、本実施形態では、図7に示す如く、伝送用放送信号の設定可能な周波数帯域を例えば1.0〜1.7GHzの帯域とし、上りPCデータ信号の帯域を1.75〜2.0GHzとし、下りPCデータ信号の帯域を2.0〜2.6GHzとし、選局信号用の伝送帯域として、1.7〜1.75GHzを利用している。
【0057】
ここで、伝送用放送信号に変換する対象となる、BS−IF信号及びCS−IF信号を含む周波数帯域(本例では例えば1.0〜2.0GHz)が本発明の変換対象帯域に相当し、周波数変換を行わずにそのまま伝送線L0上へ送出されるUHF及びVHFのテレビ放送信号が本発明の非変換放送信号に相当し、上りPCデータ信号が本発明の第2伝送信号に相当し、下りPCデータ信号が本発明の第1伝送信号に相当する。
【0058】
図2に、テレビ放送周波数変換手段としての第1周波数変換器21の概略構成を示す。図2に示す如く、第1周波数変換器21では、まず信号抽出部としての可変通過帯域バンドパスフィルタ(以下「BPF」と略す)61にて、BSアンテナ2及びCSアンテナ3から伝送されてくるBS−IF信号、CS−IF信号の中から、A部屋のリモコン56にて選局されたチャンネルの放送信号を抽出する。この可変通過帯域BPF61は、後述する選局制御器23からのBPF帯域設定信号(直流電圧信号)に基づいてその通過帯域を変えられるよう構成されたものであり、例えばフィルタを構成するバリキャップの両端電圧を変化させることで容量値を変化させ、結果として通過帯域を変化させる、といった既知の構成が考えられる。
【0059】
可変通過帯域BPF61にて抽出された放送信号は増幅器62にて増幅された後、周波数変換部としてのミキサ63に入力され、ここで、局発信号発生部としての局部発振器64が発生する局発信号により周波数変換される。この局部発振器64は、例えばPLL回路等からなる注入同期型発振器にて構成でき、PLL回路を構成する分周回路の分周比を、選局制御器23からの局発設定データ(PLL分周比データ)にて変化させることにより、局発信号の周波数を変化させることができる。
【0060】
ミキサ63にて放送信号が周波数変換されることにより得られた伝送用放送信号(周波数f11のchX信号)は、そのchX信号のみを選択的に通過させるBPF65及び増幅器66を介して混合器20へ出力される。第2周波数変換器22及び図示しない他の各コンバータ12〜14が備える各周波数変換器も、chX信号及びchY信号の周波数が異なるものの、回路構成自体は図2と全く同様である。
【0061】
図3に、選局制御手段としての選局制御器23の概略構成を示す。図3に示す如く、選局制御器23では、まずBPF71にて、混合器20から入力される信号の中からA部屋のリモコン56にて選局されたチャンネルに対応した選局信号S1を抽出し、RF復調部72にて、選局したチャンネルを示すデータを復調する。
【0062】
そして、復調されたデータをデータ処理部73にて処理し、その処理結果に基づいて、第1周波数変換器21が所望の放送信号を確実にchX信号に周波数変換できるよう、制御出力部74が、各周波数変換器21,22へそれぞれ局発設定データ及びBPF帯域設定信号を出力する。この局発設定データ及びBPF帯域設定信号はいずれも、本発明の変換制御信号に相当するものである。他の各コンバータ12〜14が備える選局制御器についても、chX信号及びchY信号の周波数が異なるため局発設定データは異なるものの、その回路構成自体は図3と全く同様である。
【0063】
一方、ゲートウェイ装置10からの伝送線L0は、4分配器を介してA〜D各部屋への伝送路La,Lb,Lc,Ldに接続されている。このうちA部屋への伝送路Laは、A部屋内の天井付近に設置されたミリ波通信装置30に接続されており、このミリ波通信装置30とゲートウェイ装置10との間で、伝送路La,分配器及び伝送路L0を介して各種信号が伝送される。
【0064】
図4に、ミリ波通信装置30の概略構成を示す。図4に示す如く、本発明のゲートウェイ側通信装置としてのミリ波通信装置30は、ゲートウェイ装置10から伝送されてきた下り屋内伝送信号(chX信号,chY信号,UHF及びVHFのテレビ放送信号,下りPCデータ信号)をミリ波帯にアップコンバートしてアンテナ30a(本発明の第1アンテナ)から無線送信すると共に、後述するミリ波TV通信BOX40からミリ波帯の電波にて送信されてきた選局信号、及び、後述するミリ波PCカード50からミリ波帯の電波にて送信されてきた上りPCデータ信号をアンテナ30aで受信し、それぞれ元の選局信号及び上りPCデータ信号にダウンコンバートしてゲートウェイ装置10側へ送出するものである。
【0065】
即ち、ミリ波通信装置30に入力されたゲートウェイ装置10からの下り屋内伝送信号のうち、chX信号,chY信号,UHF及びVHFのテレビ放送信号(以下単に「下り放送信号」という)は、1.7GHz以上の帯域の信号を阻止するローパスフィルタ(以下「LPF」という)81を通過し、増幅器82で増幅されてミキサ83へ入力される。一方、下り屋内伝送信号のうち下りPCデータ信号については、1.7GHz以下の帯域の信号を阻止するハイパスフィルタ(以下「HPF」という)91を通過し、更に2.0GHz以下の帯域の信号を阻止するHPF92を通過して、増幅器93にて増幅されてミキサ94へ入力される。
【0066】
各ミキサ83,94には、局部発振器84から60GHzの局発信号が入力されているため、これらミキサ83,94により、上記下り放送信号及び下りPCデータ信号はいずれもミリ波帯へアップコンバートされる。このうち、ミキサ83にてミリ波帯にアップコンバートされた下り放送信号は、その下り放送信号(60〜61.7GHz)のみを抽出するBPF85を通過し、増幅器86にて増幅されたあと、混合器87にて60GHzの局発信号と混合される。そして、下り放送信号と局発信号は共に、61.7GHz以上の帯域の信号を阻止するLPF88を通過して、アンテナ30aから送信される。
【0067】
また、ミキサ94にてミリ波帯にアップコンバートされた下りPCデータ信号も、その下りPCデータ信号(62〜62.6GHz)のみを抽出するBPF95を通過し、増幅器96にて増幅されたあと、62GHz以下の帯域の信号を阻止するHPF97を通過し、更に61.7GHz以下の帯域の信号を阻止するHPF98を通過してアンテナ30aから送信される。
【0068】
一方、ミリ波TV通信BOX40にてミリ波帯にアップコンバートされて送信されてきた選局信号(61.7〜61.75GHz)、及びミリ波PCカード50にてミリ波帯にアップコンバートされて送信されてきた上りPCデータ信号(61.75〜62GHz)はいずれも、アンテナ30aにて受信され、HPF98、及び62GHz以上の帯域の信号を阻止するLPF101を通過して、増幅器102にて増幅された後ミキサ103へ入力される。このミキサ103にも、局部発振器84からの局発信号が入力されている。そのため、上りPCデータ信号及び選局信号はいずれも元の周波数帯域に変換され、その帯域(1.7〜2GHz)のみを抽出するBPF104、増幅器105、2GHz以上の帯域の信号を阻止するLPF106及びHPF91を介してゲートウェイ装置10側へ伝送される。
【0069】
次に、TV48に対応して設けられるミリ波TV通信BOX40について説明する。ミリ波TV通信BOX40は、リモコン56が備える操作部58にてテレビチャンネルの選局がなされ、送信部からその選局されたチャンネルを示すデータが送信されると、その送信信号(赤外線)を受信部44で受信してデータ処理部45でデータ復調する。そして、復調後のデータ(選局されたチャンネルを示すデータ)はRF変調部46にて1.7〜1.75GHzの選局信号に変調され、TV用ミリ波通信部41へ出力され、ここでミリ波帯にアップコンバートされてアンテナ40a(請求項5の第2アンテナに相当)から送信される。
【0070】
TV用ミリ波通信部41は、選局信号をミリ波帯にアップコンバートして無線送信すると共に、ミリ波通信装置30からミリ波帯にて送信されてきた放送信号を再びダウンコンバートしてTV出力用コンバータ42へ出力するものであり、その具体的構成を図5に示す。
【0071】
図5に示す如く、TV用ミリ波通信部41では、ミリ波帯の放送信号及び局発信号(60GHz)がアンテナ40aにて受信され、その受信信号が、61.7GHz以上の帯域の信号を阻止するLPF111及び増幅器112を介してミキサ113へ入力される。また、その受信信号のうち、60GHzの局発信号については、その局発信号のみを通過させるBPF125により抽出されて二つのミキサ113,119の局発信号として入力される。
【0072】
そのため、ミリ波帯の受信信号はミキサ113にて元の放送信号(0〜1.7GHz)にダウンコンバートされ、ダウンコンバート後の放送信号は、その放送信号のみを通過させるBPF114,増幅器115,及び1.7GHz以上の帯域の信号を阻止するLPF116を通過してTV出力用コンバータ42へ出力される。
【0073】
一方、RF変調部46からの選局信号は、1.7GHz以下の帯域の信号を阻止するHPF117及を通過して増幅器118にて増幅された後、ミキサ119へ入力される。このミキサ119には上記の通り60GHzの局発信号が入力されているため、選局信号はミリ波帯にアップコンバートされる。そして、アップコンバート後の選局信号(61.7〜61.75GHz)は、それのみを通過させるBPF120,増幅器121、及び61.7GHz以下の帯域の信号を阻止するHPF122を介してアンテナ40aから送信される。
【0074】
次に、TV出力用コンバータ42の概略構成を図6に示す。図6に示す如く、TV出力用コンバータ42は、TV用ミリ波通信部41から入力された放送信号のうち、非変換放送信号としてのUHF及びVHF帯のテレビ放送信号については、1GHz以上の帯域の信号を阻止するLPF131を通過させた後そのままTV48へ出力する。一方、ゲートウェイ装置10内のA部屋用コンバータ11にて周波数変換された伝送用放送信号については、そのままの状態ではTV48にて視聴することはできないため、元の放送信号に戻す必要がある。
【0075】
そこで、伝送用放送信号(1〜1.7GHz)は、まず、1GHz以下の帯域の信号を阻止するHPF132を通過する。そして、chX信号の周波数帯のみを抽出するBPF133によりchX信号が抽出され、増幅器134にて増幅された後ミキサ135へ入力される。また、chY信号については、そのchY信号の周波数帯のみを抽出するBPF138によりchY信号が抽出され、増幅器139にて増幅された後ミキサ140へ入力される。
【0076】
ここで、データ処理部45からは、選局されたチャンネルデータに基づいて、ゲートウェイ装置10内の選局制御器23と同様の局発設定データ及びBPF帯域設定信号が生成され、TV出力用コンバータへ出力される。
そして、ミキサ135にて周波数変換するための局部発振器145、及びミキサ140にて周波数変換するための局部発振器146はいずれも、図2に示した局部発振器64と全く同様の構成をしており、データ処理部45からの局発設定データに基づいて局発信号の周波数を設定することができる。また、ミキサ135にて周波数変換後の元の放送信号を通過させる可変通過帯域BPF136、及びミキサ140にて周波数変換後の元の放送信号を通過させる可変通過帯域BPF141もいずれも、図2に示した可変通過帯域BPF61と全く同様の構成をしており、データ処理部45からのBPF帯域設定信号に基づいて通過帯域を設定できる。
【0077】
そのため、chX信号に変換される前の元の放送信号と、chY信号に変換される前の元の放送信号を確実に復元することができ、復元後の各放送信号はそれぞれ増幅器137,142にて増幅された後、TV48へ出力される。これにより、選局したチャンネルのテレビ番組をTV48にて視聴することができるようになる。尚、TV用ミリ波通信部41とTV出力用コンバータ42とで、本発明の端末側テレビ信号通信装置が構成される。
【0078】
次に、ミリ波PCカード50(本発明の端末側データ通信装置に相当)は、PC54からの通信データをRF変復調部52にて上りPCデータ信号に変調し、その上りPCデータ信号をPC用ミリ波通信部にてさらにミリ波帯にアップコンバートしてアンテナ50a(請求項3の第2アンテナに相当)から送信すると共に、ミリ波通信装置30からミリ波帯にて送信されてきた下りPCデータ信号をアンテナ50aで受信して、PC用ミリ波通信部にて元の下りPCデータ信号にダウンコンバートし、さらにその下りPCデータ信号をRF変復調部52にて通信データに復調してPC54へ出力するものである。
【0079】
尚、PC用ミリ波通信部51の構成は、ミリ波TV通信BOX40を構成するTV用ミリ波通信部41と全く同様であり、伝送される下り・上り信号の種類が異なる(即ち、構成する各種フィルタの通過・遮断帯域等が異なる)だけの違いであるため、ここではその詳細説明を省略する。
【0080】
以上詳述した通り、本実施形態のミリ波帯無線通信システムでは、放送信号とデータ信号とをゲートウェイ装置で混合し、共通の伝送線を介して端末側へ伝送できるようにすると共に、端末側からのデータ信号についても、同じ伝送線を介してゲートウェイ装置へ伝送されるようにしている。そして、データ信号の周波数帯域と放送信号の周波数帯域とが重複しているため、そのままでは重複する帯域の信号を共通の伝送線上を伝送させることはできないが、本実施形態では、CS−IF信号又はBS−IF信号のチャンネルが選局された場合に、その選局されたチャンネルを示す選局データをゲートウェイ装置へ伝送し、それに基づいて、選局されたチャンネルの放送信号のみを所定周波数帯の伝送用放送信号に変換して端末側へ送信するようにしている。
【0081】
従って、本発明のミリ波帯無線通信システムによれば、放送信号と各PCデータ信号とをゲートウェイ装置10で混合して両者が同じ伝送路上を伝送され、これによりミリ波通信装置30も、単に放送信号及び下りPCデータ信号のミリ波帯へのアップコンバート(及びミリ波帯にて受信された上りPCデータ信号のダウンコンバート)を行うだけの比較的簡易な構成にて実現できるため、ミリ波帯無線通信システムを安価に実現することが可能となり、当該システムの構築により宅内の美観が損なわれるのを防止することも可能となる。
【0082】
しかも、放送信号の周波数帯域とデータ通信用の各PCデータ信号の周波数帯域とが重複しても、重複帯域を含む所定帯域内のテレビ放送信号(本例ではBS−IF信号及びCS−IF信号の帯域)については、端末側にて選局されたチャンネルのみが伝送用放送信号(chX信号又はchY信号)として伝送路上へ送出されるため、端末側へ伝送すべき放送信号の周波数帯域(換言すれば端末側にて視聴可能なテレビ放送チャンネルの数)の設定や、データ通信用の周波数帯域の設定の自由度が広がる。
【0083】
また、PC54は、外部インターネット4からの通信データをミリ波PCカード50から取得できると共に、外部インターネット4への通信データをミリ波PCカード50を介してインターネット4側へ出力することができるため、ミリ波PCカード50とミリ波通信装置30との間でミリ波帯の電波が送受信できる範囲内であれば、PC54を自由に移動させてインターネット4とのデータ通信を行うことができる。
【0084】
更に、ミリ波TV通信BOX40を備えることにより、このミリ波TV通信BOX40とミリ波通信装置30との間でミリ波帯の電波が送受信できる範囲内において、TV48を自由に移動させてテレビ番組を視聴することができる。
また、本実施形態では、天井付近に設置のミリ波通信装置30にて周波数変換に用いた60GHzの局発信号を、放送信号等と共にTV用ミリ波通信部41及びPC用ミリ波通信部51へ伝送し、TV用ミリ波通信部41及びPC用ミリ波通信部51ではその伝送されてきた局発信号を用いて周波数変換しているため、これらTV用ミリ波通信部41及びPC用ミリ波通信部51が各々局部発振器を備える必要がなく、システム全体のより低コスト化を可能としている。
【0085】
[第2実施形態]
ここで、上記第1実施形態では、放送信号の帯域とデータ通信用の帯域とが重複する場合について説明したが、既述の通り、放送信号用の周波数帯域をどこまでとるか、或いはデータ通信用の各PCデータ信号の周波数帯域をどこまでとるかは、システムを構築・利用するユーザのニーズにより様々であり、ユーザによっては、データ通信用にそれほど多くの帯域は必要ない、という場合もあり、そのような場合は、放送信号の周波数とデータ通信用の信号周波数とが重複しない場合も想定される。
【0086】
そこで、このように放送信号とデータ信号とが重複しないミリ波帯無線通信システムについて説明する。図8は、本実施形態のミリ波帯無線通信システムの概略構成を示す説明図であり、図10は、当該システムにおける各種信号の周波数配列を示す説明図である。
【0087】
図10に示す如く、本実施形態では、放送信号の周波数帯域については上記第1実施形態と同じであるが、データ通信用の帯域、即ち、上りPCデータ信号及び下りPCデータ信号の周波数帯域が、1.9GHzを超えて2.6GHzまでの帯域となっている。つまり、放送信号の帯域と各データ信号の帯域とが重複しない周波数配列となっている。
【0088】
そのため、図8に示す如く、当該システムを構成するゲートウェイ装置150は、各アンテナ1〜3からの放送信号を混合器151にて混合し、さらに混合器152にてデータ通信用の信号と混合する構成となっている。つまり、上記第1実施形態のゲートウェイ装置10と異なり、放送信号を全てそのまま伝送路L0上へ送出しているのである。
【0089】
そのため、TV48に接続されたTV用ミリ波受信装置161(請求項4の端末側テレビ放送受信装置に相当)は、単に、ミリ波通信装置160にてミリ波帯にアップコンバートされて送信されてきた放送信号を再び元の放送信号にダウンコンバートするだけの簡素な構成のものとなる。
【0090】
具体的には、図9に示すように、ミリ波通信装置160からミリ波帯にて送信されアンテナ161a(請求項4の第2アンテナに相当)にて受信された放送信号が、61.9GHz以上の帯域の信号を阻止するLPF171を通過して増幅器172にて増幅された後、ミキサ174へ入力される。また、ミリ波通信装置160は、その構成自体は第1実施形態のミリ波通信装置30(図4参照)と全く同様であり、60GHzの局発信号も放送信号と共に送信する。そのため、TV用ミリ波受信装置161では、60GHzの信号のみを抽出するBPF173にてその60GHzの局発信号を抽出し、ミキサ174に出力する。
【0091】
これにより、ミリ波帯の放送信号はミキサ174にて元の周波数帯の放送信号にダウンコンバートされる。そして、ダウンコンバート後の放送信号は、その押送信号のみを通過させるBPF175、増幅器176及び1.9GHz以上の帯域の信号を阻止するLPF177を介してTV48へ出力される。
【0092】
従って、本実施形態のミリ波帯無線通信装置によっても、放送信号と各PCデータ信号とをゲートウェイ装置150で混合して両者が同じ伝送路上を伝送され、これによりミリ波通信装置160も、単に放送信号及び下りPCデータ信号のミリ波帯へのアップコンバート(及びミリ波帯にて受信された上りPCデータ信号のダウンコンバート)を行うだけの比較的簡易な構成にて実現できるため、ミリ波帯無線通信システムを安価に実現することが可能となり、当該システムの構築により宅内の美観が損なわれるのを防止することも可能となる。
【0093】
[第3実施形態]
次に、本実施形態のミリ波帯無線通信システムは、図11に示す如く、テレビ放送を受信するアンテナとして、BS放送と110°CS放送とを共に受信できるBS・CSアンテナ7を備えており、且つ、CSアンテナ3から出力される第1のCS−IF信号を周波数変換するブロックコンバータ5(図1参照)も備えていない。
【0094】
そのため、本実施形態における各信号の周波数配列は、図12に示す通りになる。即ち、上記第1実施形態のように、単に放送信号の帯域とデータ通信用の信号帯域とが重複しているだけではなく、放送信号相互間でも重複しているのである。
【0095】
そこで、本実施形態のミリ波帯無線通信システムでは、図11に示すようなゲートウェイ装置180を構成することで、放送信号の周波数帯域が相互に重複しても各アンテナ1,3,7(いずれも本発明のテレビ受信アンテナに相当)にて受信されるテレビ放送電波の全てを視聴できるようにした。
【0096】
即ち、図11に示すように、本実施形態のゲートウェイ装置180は、A部屋用コンバータ181(他の部屋用のコンバータについてはここでは省略する)において、BS・CSアンテナ7からの放送信号とCSアンテナ3からの放送信号のいずれかを選択して第1周波数変換器21へ入力するための第1切換スイッチ182と、BS・CSアンテナ7からの放送信号とCSアンテナ3からの放送信号のいずれかを選択して第2周波数変換器22へ入力するための第2切換スイッチ184とを備えている。尚、上記各切換スイッチ182,184はいずれも本発明のテレビ放送信号選択手段に相当する。
【0097】
そして、これら各スイッチ182,184の切り換えは、選局制御器186からの切換スイッチ制御信号(本発明のチャンネル信号に相当)によって制御される。即ち、選局制御器186は、第1実施形態の選局制御器23が備える機能に加え、選局信号に基づいて、上記二つのアンテナのいずれから放送信号を取り込むべきかを指定する切換スイッチ制御信号を出力する機能をも備えている。そして、各切換スイッチ182,184は、この切換スイッチ制御信号に従って、上記二つのアンテナ3,7のいずれか一方を選択するのである。
【0098】
選択後の放送信号の処理・流れは上記第1実施形態と全く同様であり、選局されたチャンネルの放送信号が伝送用放送信号(chX信号又はchY信号)に変換されて伝送線上へ送出されることになる。
このため、本実施形態のミリ波帯無線通信装置によれば、複数のアンテナからの放送信号帯域が相互に重複していても、各切換スイッチ182,184にて、選局されたチャンネルを受信するアンテナのみが選択されるため、放送信号相互間の混信を防ぐことができ、選局された放送信号を確実に端末側へ伝送することができる。
【0099】
しかも、切換スイッチにより複数のアンテナを選択的に使用する構成であるため、上記第1実施形態と比較して、より多くのチャンネルのテレビ番組を視聴することが可能となる。
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0100】
例えば、上記各実施形態では、ゲートウェイ装置において、各部屋毎に二つの伝送用放送信号(chX信号及びchY信号)を設定したが、二つに限ることなく、例えば一つで十分であればそれでいいし、もっと欲しい(例えばビデオ録画しながら他の複数のチャンネルを同時に表示させる等の)場合は三つ以上に増やすことももちろん可能である。
【0101】
また、上記第1実施形態では、BS−IF信号とCS−IF信号との両方を、伝送用放送信号への周波数変換対象としたが、これに限らず例えばBS−IF信号については他のVHFやUHFと共にそのまま伝送線上へ送出し、CS−IF信号については、選局されたチャンネルのみを周波数変換して伝送するようにしてもいい。
【0102】
そのまま伝送線上へ送出する放送信号と、選局されたチャンネルのみ周波数変換して伝送線上へ送出する放送信号とを、どのように設定するかは、データ通信用に必要な帯域も考慮しつつ自由に設定することができる。
更に、上記第1実施形態では、複数のアンテナ(テレビアンテナ1,BSアンテナ2,CSアンテナ3)で各種放送電波を受信することにより各アンテナに対応したテレビ放送信号を得るものとして説明したが、ゲートウェイ装置10へ入力されるテレビ放送信号は、必ずしも上記のようにアンテナから直接入力されるものに限定されない。
【0103】
即ち、本発明を適用するにあたってはテレビ放送信号がどのような経路でゲートウェイ装置10へ入力されるかは不問であり、建物の屋根やベランダ等に設置したアンテナに限らず、例えば外部のCATV網から入力されるものであってもよい。具体的には、例えばテレビアンテナ1の代わりに外部からCATV回線を引き込むことにより、VHF及びUHFの各テレビ放送信号をCATV回線から取り込むようにしてもよい。
【0104】
もちろん、CATV回線以外にもテレビ放送信号を取り込める手段・回線等があればそれによって取り込むようにしてもよい。上記第2実施形態、第3実施形態についても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のミリ波帯無線通信システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】第1実施形態のゲートウェイ装置が備える第1周波数変換器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態のゲートウェイ装置が備える選局制御器の概略構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態のミリ波通信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態のTV用ミリ波通信部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態のTV出力用コンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態のミリ波帯無線通信システムにおける各種信号の周波数配列を示す説明図である。
【図8】第2実施形態のミリ波帯無線通信システムの概略構成を示す説明図である。
【図9】第2実施形態のTV用ミリ波受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態のミリ波帯無線通信システムにおける各種信号の周波数配列を示す説明図である。
【図11】第3実施形態のミリ波帯無線通信システムの概略構成を示す説明図である。
【図12】第3実施形態のミリ波帯無線通信システムにおける各種信号の周波数配列を示す説明図である。
【符号の説明】
1…テレビアンテナ、2…BSアンテナ、3…CSアンテナ、4…インターネット、5…ブロックコンバータ、6,20…混合器、7…BS・CSアンテナ、10,150,180…ゲートウェイ装置、11,181…A部屋用コンバータ、12…B部屋用コンバータ、13…C部屋用コンバータ、14…D部屋用コンバータ、15…ケーブルモデム、16…ONU、17…データ通信制御部、19,52…RF変復調部、21…第1周波数変換器、22…第2周波数変換器、23,186…選局制御器、30…ミリ波通信装置、30a,40a,50a,160a,161a…アンテナ、40…ミリ波TV受信BOX、41…TV用ミリ波通信部、42…TV出力用コンバータ、44…受信部、45…データ処理部、46…RF変調部、50…ミリ波PCカード、51…PC用ミリ波通信部、56…リモコン、57…送信部、58…操作部、61,136,141…可変通過帯域BPF、63…ミキサ、64…局部発振器、160…ミリ波通信装置、161…TV用ミリ波受信装置、182…第1切換スイッチ、184…第2切換スイッチ

Claims (10)

  1. テレビ放送信号を1又は複数の端末側に配信するヘッドエンド装置としての機能を有し、外部の広域ネットワークから伝送されてきた通信データを前記テレビ放送信号より高い周波数帯の第1伝送信号に変換し、該第1伝送信号と前記テレビ放送信号とを混合して伝送線上に送出すると共に、前記広域ネットワークとの間でデータ通信を行うために端末側から前記伝送線を介して伝送されてきた、前記テレビ放送信号より高い周波数帯の第2伝送信号を元の通信データに変換して前記広域ネットワークへ送信するゲートウェイ装置と、
    前記端末側毎に設けられ、前記伝送線を介して前記ゲートウェイ装置から伝送されてきた前記テレビ放送信号及び前記第1伝送信号をミリ波帯へアップコンバートして第1アンテナから送信すると共に、前記端末側からミリ波帯へアップコンバートして無線送信された前記第2伝送信号を前記第1アンテナにて受信し、該受信した前記第2伝送信号を、前記端末側にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートして前記伝送線を介して前記ゲートウェイ装置へ出力するゲートウェイ側通信装置と、
    を備えたことを特徴とするミリ波帯無線通信システム。
  2. 前記テレビ放送信号の全帯域のうち所定の周波数以上の帯域が、前記第1又は第2伝送信号の周波数帯域と重複する重複帯域であり、
    前記ゲートウェイ装置は、前記テレビ放送信号のうち少なくとも前記重複帯域を含む変換対象帯域については、該変換対象帯域のチャンネルのテレビ放送信号をそのまま全て前記伝送線上に送出せず、端末側にて選局されたチャンネルに対応した選局信号を受けて、該選局されたチャンネルのテレビ放送信号のみを、前記各端末側毎に予め設定された、前記重複帯域を除く前記変換対象帯域内における一定周波数帯の伝送用放送信号に周波数変換して、前記伝送線上に送出するよう構成され、
    前記ゲートウェイ側通信装置は、更に、前記ゲートウェイ装置から伝送されてきた前記伝送用放送信号をミリ波帯へアップコンバートして前記第1アンテナから送信すると共に、前記端末側からミリ波帯にアップコンバートして無線送信された前記選局信号を前記第1アンテナにて受信し、該受信した選局信号を、前記端末側にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートして前記伝送線を介して前記ゲートウェイ装置へ出力するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のミリ波帯無線通信システム。
  3. 当該システムの端末側に設けられ、前記ゲートウェイ側通信装置からの送信電波を第2アンテナにて受信し、該受信信号を、前記ゲートウェイ側通信装置にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートし、該ダウンコンバート後の前記第1伝送信号を更に前記ゲートウェイ装置にて周波数変換される前の通信データに変換して端末装置側へ出力すると共に、該端末装置側から出力された通信データを前記第2伝送信号に変換し、該第2伝送信号をミリ波帯へアップコンバートして前記第2アンテナから送信する端末側データ通信装置を備えている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のミリ波帯無線通信システム。
  4. 当該システムの端末側に設けられ、前記ゲートウェイ側通信装置からの送信電波を第2アンテナにて受信し、該受信信号を、前記ゲートウェイ側通信装置にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートして、該ダウンコンバート後の前記テレビ放送信号を端末装置側へ出力する端末側テレビ放送受信装置を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載のミリ波帯無線通信システム。
  5. 当該システムの端末側に設けられ、選局されたチャンネルに対応した前記選局信号をミリ波帯へアップコンバートして第2アンテナから送信すると共に、前記ゲートウェイ側通信装置から無線送信された、前記伝送用放送信号、及び前記変換対象帯域を除く周波数帯域のテレビ放送信号である非変換放送信号を第2アンテナにて受信し、該受信した伝送用放送信号及び非変換放送信号を、前記ゲートウェイ側通信装置にてアップコンバートされる前の元の周波数帯にダウンコンバートし、このうち該ダウンコンバート後の非変換放送信号についてはそのまま端末装置側へ出力し、該ダウンコンバート後の伝送用放送信号については、更に前記ゲートウェイ装置にて周波数変換される前の元の変換対象帯域のテレビ放送信号に戻して前記端末装置側へ出力する端末側テレビ信号通信装置を備えている
    ことを特徴とする請求項2記載のミリ波帯無線通信システム。
  6. 外部からのテレビ放送用電波を受信する複数種類のテレビ受信アンテナを備え、そのうち少なくとも二つのテレビ受信アンテナに対応した前記テレビ放送信号の周波数帯域がいずれも、前記変換対象帯域として設定されており、
    前記ゲートウェイ装置は、前記選局信号に基づいて、前記少なくとも二つのテレビ受信アンテナに対応した各テレビ放送信号のうち前記端末側にて選局されたチャンネルを含むいずれか一方のみを選択し、該選局されたチャンネルのテレビ放送信号を前記伝送用放送信号に周波数変換する
    ことを特徴とする請求項2又は5記載のミリ波帯無線通信システム。
  7. 請求項1に記載のミリ波帯無線通信システムを構成するゲートウェイ装置であって、
    外部からの通信データを前記第1伝送信号に変換すると共に前記端末側からの前記第2伝送信号を元の通信データに変換するデータ変換手段と、
    前記テレビ放送信号と前記第1伝送信号とを混合して前記伝送線上へ送出すると共に前記端末側からの前記第2伝送信号を前記データ変換手段へ出力する混合手段と、
    を備えたことを特徴とするゲートウェイ装置。
  8. 請求項2に記載のミリ波帯無線通信システムを構成するゲートウェイ装置であって、
    前記端末側からの前記選局信号を受け、該端末側にて選局されたチャンネルのテレビ放送信号が前記変換対象帯域内のものであるときに該テレビ放送信号を前記伝送用放送信号へ周波数変換させるための変換制御信号を出力する選局制御手段と、
    該選局制御手段からの変換制御信号に基づいて、端末側にて選局されたチャンネルのテレビ放送信号を前記伝送用放送信号に周波数変換するテレビ放送周波数変換手段と、
    を備え、
    前記混合手段は、前記伝送用放送信号と前記第1伝送信号とを混合して、前記伝送線上へ送出する
    ことを特徴とする請求項7記載のゲートウェイ装置。
  9. 前記テレビ放送周波数変換手段は、
    周波数変換に用いる局発信号を発生する局発信号発生部と、
    前記変換対象帯域内のテレビ放送信号の中から、端末側にて選局されたチャンネルのテレビ放送信号のみを抽出する信号抽出部と、
    該信号抽出部にて抽出されたテレビ放送信号を、前記局発信号を用いて前記伝送用放送信号に周波数変換する周波数変換部と、
    を備え、
    前記局発信号発生部は、前記選局されたチャンネルのテレビ放送信号が前記周波数変換部にて前記伝送用放送信号に周波数変換されるよう、発生する局発信号の周波数を、前記選局制御手段からの変換制御信号に基づいて設定できるよう構成されており、
    前記信号抽出部は、前記選局されたチャンネルのテレビ放送信号が抽出されるよう、抽出すべきテレビ放送信号の周波数帯域を、前記選局制御手段からの変換制御信号に基づいて設定できるよう構成されている
    ことを特徴とする請求項8記載のゲートウェイ装置。
  10. 請求項6に記載のミリ波帯無線通信システムを構成するゲートウェイ装置であって、
    前記選局制御手段は、更に、前記端末側にて選局されたチャンネルに対応したチャンネル信号を出力するよう構成され、
    前記少なくとも二つのテレビ受信アンテナに対応した前記各テレビ放送信号のうち、前記端末側にて選局されたチャンネルを含むいずれか一方のみを、前記選局制御手段からのチャンネル信号に基づいて選択して前記テレビ放送周波数変換手段へ出力するテレビ放送信号選択手段を備えた
    ことを特徴とする請求項8又は9記載のゲートウェイ装置。
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