JP2004183760A - 管路の更新工法および管移動用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】既設管路が老朽化し更新する場合など、不断水で使用中の管路に新規管路を推進施工することを課題とする。
【解決手段】既設管路2の更新される部分の上流側内面に、前記既設管路2の更新される部分の下流部まで伸びるホース17を有する栓装置1を水密に固定し、ホース17内の通水を一時的に遮断することによって、その間に既設管路2の更新される部分の下流部に設けたマンホール21より、既設管路2内に収納可能な径の新規単管10を搬入し、ホース17を新規単管内10に挿通し、次いでホース17内の通水を再開して通水しつつ更新部分の上流側へと推進して順次接続して行き、更新の必要のない既設管路2と水密に接続し、次いでホース17ならびに栓装置1を取り出す工程よりなる。
【選択図】 図10
【解決手段】既設管路2の更新される部分の上流側内面に、前記既設管路2の更新される部分の下流部まで伸びるホース17を有する栓装置1を水密に固定し、ホース17内の通水を一時的に遮断することによって、その間に既設管路2の更新される部分の下流部に設けたマンホール21より、既設管路2内に収納可能な径の新規単管10を搬入し、ホース17を新規単管内10に挿通し、次いでホース17内の通水を再開して通水しつつ更新部分の上流側へと推進して順次接続して行き、更新の必要のない既設管路2と水密に接続し、次いでホース17ならびに栓装置1を取り出す工程よりなる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、下水道の管路を遮断することなく通水させたままで既設管内に新規管路を敷設していく管路の更新工法および該工法に使用される管移動用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
管路が老朽化するなどして新規管路に敷設替えする場合の工法として、既設管内に新規管を搬入し既設管内に新管を付設していくパイプインパイプ工法が知られている(非特許文献1)。
【0003】
この工法において、既設管路内に新規管を搬入し次いで管路に沿って搬送する場合、新規単管を運搬台車に載せて搬送することが行われる(特許文献1)。
ところで、この工法を実施する場合は通常であれば管路内の通水を遮断したうえで施工されるが、管路が下水道のような公共設備の場合は、長期間管路を遮断して工事を行うことは難しい。
【0004】
このため、下水管路の更新を行う場合は、バイパス管路を設け、上流で管路を遮断しポンプで下水を迂回させることや、あるいは止水することなく通水を続けた状態で作業員が下水に浸かって必要な工事を行うといったことを余儀なくされる場合がある。
【0005】
【非特許文献1】
久保田鉄工株式会社、昭和60年発行「ダクタイル管施工ハンドブック」第335頁
【0006】
【特許文献1】
特開平4−123973号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バイパス管で下水を迂回させる方法は、ポンプの揚水能力を超えて下水流量が増えると、排水処理がしきれなくなり溢水事故を起こしたり、またポンプの増設などコスト増にもつながる問題があった。また、下水に浸かりながらの施工は、衛生上問題がある他、危険を伴う問題があった。
【0008】
この発明は、上記問題を解消し、既設管路が老朽化し更新する場合など、不断水で使用中の管路に新規管路を推進施工することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため請求項1の発明は、既設管路の更新される部分の上流側内面に、前記既設管路の更新される部分の下流部まで伸びるホースを接続した栓装置を水密に固定し、前記ホース内の通水を一時的に遮断することによって、その間に前記既設管路の更新される部分の下流部に設けたマンホールより、前記既設管路内に収納可能な外径の新規単管を搬入し、前記ホースを前記新規単管内に挿通し、次いで前記ホース内の通水を再開して通水しつつ更新部分の上流側へと推進して順次接続して行き、更新の必要のない下流側の既設管路と水密に接続し、次いで前記ホースならびに栓装置を管路内から取り出す工程よりなる工法である。
【0010】
従って、この工法によれば、更新すべき部分の管路上流部に設けた栓装置で一時的に通水を止め、新規単管を挿入した後は、その新規管内を通したホースを通じて下流へと通水できるので、断水することなく新規管の推進工法の実施が可能となる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の管路の更新工法において、新規単管内に着脱自在に装着される治具であって、管内面に沿う基枠の管内面側に、ホース外面に接触して管軸に直交する軸周囲に回転するローラが周方向と軸方向に複数個配列して設けられてなるものである。
【0012】
従って、この治具によれば、更新される既設管内に挿入された新規単管は、その内面とホース外面との間にローラが介在することになるので、新規単管を既設管内に沿って移動していく場合の抵抗が少なくなり、施工が容易となる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の管路の更新工法における管移動用治具において、基枠の前縁に、ホースを掬い上げる傾斜面を有するブロックが、新規単管に対して軸方向へ張り出して設けられてなるものである。
【0014】
この場合、新規単管を移動させていくときに、ブロックがホース下面と既設管路内面との間に滑らかに食い込んで行くので、ホースが新規単管内に滑らかに案内されていき、抵抗が軽減される。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2又は3の管路の更新工法における管移動用治具において、管移動用治具の基枠が新規単管の軸方向、周方向に分解可能とされてなるものである。
【0016】
ホースの重量が嵩むと、管移動用治具をホース下面から引き抜くのも容易でなくなるが、このように周方向、軸方向に分解可能とされていれば、小さく分解してホース下面から取り出せるので、作業が容易となる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項2、3又は4の管路の更新工法における管移動用治具において、管移動用治具の周方向に隣接する基枠同士が、新規単管の内面に沿って自由に屈曲可能に連接されてなるものである。
【0018】
従って、この管移動用治具によれば、管の内径に合わせて周方向に隣接する基枠が屈曲するので、種々の径の管に対して使用可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の管路の更新工法について説明する。
図1、図2はこの発明の方法を実施する際の栓装置の説明断面図である。
【0020】
栓装置1は、既設管2内に余裕を持って挿入できる外径とされ、外周の横断面が凹字状に形成されたリング13の外周にチューブ14が設けられ、膨張させることで図2に示すように既設管2の内面と水密に密接するようにされている。
【0021】
そして、リング13の開口部分は隔壁15で閉じられ、この隔壁15の下流側に短管16が連通して一体に設けられ、この短管16に開閉弁16aが設けられている。
【0022】
この開閉弁16aの開口部16bに図2に示すようにホース17が連結可能とされ、操作ハンドル16cにより弁を開けばホース17を通じて下流側既設管2内に排水されるようにされている。
【0023】
次に、この発明の実施の形態である管路の更新工法における管移動用治具を説明する。
図3は、管移動用治具の中央断面図、図4は図3のA−A線断面図である。
【0024】
管移動用治具3は、図3に示すように新規単管10の軸方向に沿う基枠4の管内面側にローラ5…が回転自在に軸支されている。
このローラ5は、図4に示すように基枠4から径方向管内へ延出した軸受け部材5aに架設した回転軸5bにより回転自在に軸支されており、ローラ5の外周は軸受部材5aより管内方向へ突出するようにされている。
【0025】
また、管移動用治具3を構成する基枠4…は、図5に示すように新規単管10の軸方向および周方向に例えば6分割可能とされ、それぞれが接続金具6、7により着脱自在に接続されるようにされている。なお、図5において、基枠4はローラ5などと共にブロック状の省略図により示されている。
【0026】
また、基枠4は図4に示したように周方向に対して軸継手8…8により自由に屈曲可能とし、新規単管10の内面に沿うように屈曲させて湾曲させることにより、種々径の異なる管に対応できるようにすることもできる。
【0027】
また、基枠4の前後縁には、図3ならびに図6に拡大して示すように、新規単管10の開口端10aに着脱自在に嵌合する係合部材9、9が設けられている。この係合部材9は、基部9aが基枠4の端部にヒンジ軸9bにより回動自在に枢支され、矢印方向へ回動することにより開口端10a、10aにフック部9cがスナップ的に嵌合できるようにされている。
【0028】
また、管移動用治具3の前縁がわにおける基枠4には、テーパ状のブロック11が設けられており、後述するように既設管路2に沿って延在するホース17を基枠4上へと掬い上げやすくされている。
【0029】
また、上記基枠4の周方向の外側には、図7に示すようにホース17の幅方向側面を規制する案内ガイド棒12が立設されている。なお、この案内ガイド棒12は、基枠4端面に基部12aがボルト12bにより締結可能に取付けられ、ボルト12bを緩めることで角度調節可能に取り付けられ、径の異なる管に取り付けたとき、管内で垂直方向に立つように調整可能とされている。
【0030】
次に、管移動用治具3を用いて既設管路2内に新規単管10を挿入接続していく工法について説明する。
図8以下は、工程を説明する説明断面図である。
【0031】
まず、図8に示すように上流側のマンホール20から栓装置1を搬入し、更新すべき管路の上流部へ位置させる。
このとき、栓装置1のチューブ14は収縮させ、開閉弁16aは開にしておく。従って、外周チューブ14と既設管2内面との間には十分な隙間ができ、また開閉弁16a内は水wが自由に流通するので移動は楽に行える。
【0032】
目的の位置に栓装置1を設置すれば図9に示すように外部コンプレッサー(図示せず)を駆動してチューブ14を膨張させ、栓装置1を既設管2内に固定する。なお、この固定後は開閉弁16aを閉じる。
【0033】
そして、マンホール20から搬入したホース17を栓装置1から延出する短管16の開口部16bに接続する。
そして、ホース17を接続し終われば開閉弁16aを開き図9に示すように既設管路2内の上流側の水をホース17を通じて下流へと流す。
【0034】
次に、下流側マンホール21の上部開口を新規単管10を挿入できる大きさまで拡径し、図10に示すように新規単管10内面に管移動用治具3を係合部材9により取り付けて搬入する。
【0035】
開閉弁16aを閉じ、ホース17内を一時的に止水する。
そして、既設管路2内に搬入した新規単管10の内部に図10に示すようにホース17を引き通し、完全に引き通せば、再び開閉弁16aを開き通水する。
【0036】
このとき、ホース17の内部通水の重量が新規単管10に加わるが、新規単管10内面にはローラ5…を有する基枠4が設けられているので、このローラ5によって摩擦が軽減され、管外面に取り付けた移動台車又は車輪19によって新規単管10の既設管路2内に沿った移動が容易になる。
【0037】
そして、このようにして搬入された新規単管10を上流側から順次接続して行くが、接続に際し、管移動用治具3を図5に示したように分割構造とした場合、分割面まで治具3を引き出す毎に接続金具6、7部分で分割して取り出せるので狭い管内での作業が容易となる他、大径管の接続でホース17の径が大きくバイパスされる水量も大量になる場合の治具3の抜き出し作業も容易となる。
【0038】
そして、台車ないしは車輪19、および基枠4を外し既設管路2内に新規単管10を接続し更新管路を敷設するのである。
従って、新規単管10…を搬入し接続するまでの移動は容易に行え、施工が容易になる。
【0039】
基枠4の前縁側にテーパ状のブロック5を設けた場合、管の移動時ホース17が、基枠4のロール3…上に滑らかに案内されるので、ホースが新規単管10端部に引っかかるのが防止され、容易に移動が出来るのである。
【0040】
また、基枠4…を軸方向、周方向に分解可能にした場合、新規単管を接続し、管移動用治具をホース17下面から取り出す場合、分解しつつ取り出せるので一気に全体を取り出す場合に比べて労力が少なくて済む。
【0041】
さらに、基枠4を周方向に屈曲可能に連接すれば一台の管移動用治具であっても、各種内径の管に対して使用可能となり経済的な使用が可能となる。
そして、新規単管10による新規管路の敷設後は、開閉弁16aを締めて一時的に止水後、ホース17を短管16から取り外し、マンホール20から取り出し、次いでチューブ14を収縮させて栓装置1をマンホール20から外部へと取り出す。
【0042】
これで一連の管路更新作業が終了する。
上記工法として、一時的な止水を栓装置1に設けた開閉弁16aを締める場合について説明したが、図11に示すようにホース17の末端部分に開閉弁16aを設け、この部分での開閉を行うことで一時的な止水、通水を実施するようにしても良い。
【0043】
この場合は、ホースの上流位置で止水する場合に比べて、ホース内の水が完全に排出され終わるまで待つことなく、止水後直ちに水の排出が止まるので、作業が迅速に行える利点がある。
【0044】
【発明の効果】
この発明の方法によれば、以上説明したように、既設管路の中に更新管を敷設する場合、通水したまま、しかも水に浸かることなく作業も可能となるので、断水することなく安全に管の更新が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施する際の栓装置の説明断面図であり、チューブを収縮させた状態を示す。
【図2】この発明の方法を実施する際の栓装置の説明断面図であり、チューブを膨張させた状態を示す。
【図3】この発明の実施の形態である管移動用治具の説明断面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】管移動用治具の他の構成例を示す説明斜視図である。
【図6】管移動用治具の拡大断面図である。
【図7】管移動用治具におけるガイド棒の説明図である。
【図8】この発明の方法を説明する断面図である。
【図9】この発明の方法におけるホースを接続した状態を示す断面図である。
【図10】この発明の方法における新規単管を搬入していく状態を示す断面図である。
【図11】この発明の方法の他の構成例を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 栓装置
2 既設管路
3 管移動用治具
4 基枠
5 ローラ
10 新規単管
11 テーパ状ブロック
12 ガイド棒
20 上流側マンホール
21 下流側マンホール
【発明の属する技術分野】
この発明は、下水道の管路を遮断することなく通水させたままで既設管内に新規管路を敷設していく管路の更新工法および該工法に使用される管移動用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
管路が老朽化するなどして新規管路に敷設替えする場合の工法として、既設管内に新規管を搬入し既設管内に新管を付設していくパイプインパイプ工法が知られている(非特許文献1)。
【0003】
この工法において、既設管路内に新規管を搬入し次いで管路に沿って搬送する場合、新規単管を運搬台車に載せて搬送することが行われる(特許文献1)。
ところで、この工法を実施する場合は通常であれば管路内の通水を遮断したうえで施工されるが、管路が下水道のような公共設備の場合は、長期間管路を遮断して工事を行うことは難しい。
【0004】
このため、下水管路の更新を行う場合は、バイパス管路を設け、上流で管路を遮断しポンプで下水を迂回させることや、あるいは止水することなく通水を続けた状態で作業員が下水に浸かって必要な工事を行うといったことを余儀なくされる場合がある。
【0005】
【非特許文献1】
久保田鉄工株式会社、昭和60年発行「ダクタイル管施工ハンドブック」第335頁
【0006】
【特許文献1】
特開平4−123973号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バイパス管で下水を迂回させる方法は、ポンプの揚水能力を超えて下水流量が増えると、排水処理がしきれなくなり溢水事故を起こしたり、またポンプの増設などコスト増にもつながる問題があった。また、下水に浸かりながらの施工は、衛生上問題がある他、危険を伴う問題があった。
【0008】
この発明は、上記問題を解消し、既設管路が老朽化し更新する場合など、不断水で使用中の管路に新規管路を推進施工することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため請求項1の発明は、既設管路の更新される部分の上流側内面に、前記既設管路の更新される部分の下流部まで伸びるホースを接続した栓装置を水密に固定し、前記ホース内の通水を一時的に遮断することによって、その間に前記既設管路の更新される部分の下流部に設けたマンホールより、前記既設管路内に収納可能な外径の新規単管を搬入し、前記ホースを前記新規単管内に挿通し、次いで前記ホース内の通水を再開して通水しつつ更新部分の上流側へと推進して順次接続して行き、更新の必要のない下流側の既設管路と水密に接続し、次いで前記ホースならびに栓装置を管路内から取り出す工程よりなる工法である。
【0010】
従って、この工法によれば、更新すべき部分の管路上流部に設けた栓装置で一時的に通水を止め、新規単管を挿入した後は、その新規管内を通したホースを通じて下流へと通水できるので、断水することなく新規管の推進工法の実施が可能となる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の管路の更新工法において、新規単管内に着脱自在に装着される治具であって、管内面に沿う基枠の管内面側に、ホース外面に接触して管軸に直交する軸周囲に回転するローラが周方向と軸方向に複数個配列して設けられてなるものである。
【0012】
従って、この治具によれば、更新される既設管内に挿入された新規単管は、その内面とホース外面との間にローラが介在することになるので、新規単管を既設管内に沿って移動していく場合の抵抗が少なくなり、施工が容易となる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の管路の更新工法における管移動用治具において、基枠の前縁に、ホースを掬い上げる傾斜面を有するブロックが、新規単管に対して軸方向へ張り出して設けられてなるものである。
【0014】
この場合、新規単管を移動させていくときに、ブロックがホース下面と既設管路内面との間に滑らかに食い込んで行くので、ホースが新規単管内に滑らかに案内されていき、抵抗が軽減される。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2又は3の管路の更新工法における管移動用治具において、管移動用治具の基枠が新規単管の軸方向、周方向に分解可能とされてなるものである。
【0016】
ホースの重量が嵩むと、管移動用治具をホース下面から引き抜くのも容易でなくなるが、このように周方向、軸方向に分解可能とされていれば、小さく分解してホース下面から取り出せるので、作業が容易となる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項2、3又は4の管路の更新工法における管移動用治具において、管移動用治具の周方向に隣接する基枠同士が、新規単管の内面に沿って自由に屈曲可能に連接されてなるものである。
【0018】
従って、この管移動用治具によれば、管の内径に合わせて周方向に隣接する基枠が屈曲するので、種々の径の管に対して使用可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の管路の更新工法について説明する。
図1、図2はこの発明の方法を実施する際の栓装置の説明断面図である。
【0020】
栓装置1は、既設管2内に余裕を持って挿入できる外径とされ、外周の横断面が凹字状に形成されたリング13の外周にチューブ14が設けられ、膨張させることで図2に示すように既設管2の内面と水密に密接するようにされている。
【0021】
そして、リング13の開口部分は隔壁15で閉じられ、この隔壁15の下流側に短管16が連通して一体に設けられ、この短管16に開閉弁16aが設けられている。
【0022】
この開閉弁16aの開口部16bに図2に示すようにホース17が連結可能とされ、操作ハンドル16cにより弁を開けばホース17を通じて下流側既設管2内に排水されるようにされている。
【0023】
次に、この発明の実施の形態である管路の更新工法における管移動用治具を説明する。
図3は、管移動用治具の中央断面図、図4は図3のA−A線断面図である。
【0024】
管移動用治具3は、図3に示すように新規単管10の軸方向に沿う基枠4の管内面側にローラ5…が回転自在に軸支されている。
このローラ5は、図4に示すように基枠4から径方向管内へ延出した軸受け部材5aに架設した回転軸5bにより回転自在に軸支されており、ローラ5の外周は軸受部材5aより管内方向へ突出するようにされている。
【0025】
また、管移動用治具3を構成する基枠4…は、図5に示すように新規単管10の軸方向および周方向に例えば6分割可能とされ、それぞれが接続金具6、7により着脱自在に接続されるようにされている。なお、図5において、基枠4はローラ5などと共にブロック状の省略図により示されている。
【0026】
また、基枠4は図4に示したように周方向に対して軸継手8…8により自由に屈曲可能とし、新規単管10の内面に沿うように屈曲させて湾曲させることにより、種々径の異なる管に対応できるようにすることもできる。
【0027】
また、基枠4の前後縁には、図3ならびに図6に拡大して示すように、新規単管10の開口端10aに着脱自在に嵌合する係合部材9、9が設けられている。この係合部材9は、基部9aが基枠4の端部にヒンジ軸9bにより回動自在に枢支され、矢印方向へ回動することにより開口端10a、10aにフック部9cがスナップ的に嵌合できるようにされている。
【0028】
また、管移動用治具3の前縁がわにおける基枠4には、テーパ状のブロック11が設けられており、後述するように既設管路2に沿って延在するホース17を基枠4上へと掬い上げやすくされている。
【0029】
また、上記基枠4の周方向の外側には、図7に示すようにホース17の幅方向側面を規制する案内ガイド棒12が立設されている。なお、この案内ガイド棒12は、基枠4端面に基部12aがボルト12bにより締結可能に取付けられ、ボルト12bを緩めることで角度調節可能に取り付けられ、径の異なる管に取り付けたとき、管内で垂直方向に立つように調整可能とされている。
【0030】
次に、管移動用治具3を用いて既設管路2内に新規単管10を挿入接続していく工法について説明する。
図8以下は、工程を説明する説明断面図である。
【0031】
まず、図8に示すように上流側のマンホール20から栓装置1を搬入し、更新すべき管路の上流部へ位置させる。
このとき、栓装置1のチューブ14は収縮させ、開閉弁16aは開にしておく。従って、外周チューブ14と既設管2内面との間には十分な隙間ができ、また開閉弁16a内は水wが自由に流通するので移動は楽に行える。
【0032】
目的の位置に栓装置1を設置すれば図9に示すように外部コンプレッサー(図示せず)を駆動してチューブ14を膨張させ、栓装置1を既設管2内に固定する。なお、この固定後は開閉弁16aを閉じる。
【0033】
そして、マンホール20から搬入したホース17を栓装置1から延出する短管16の開口部16bに接続する。
そして、ホース17を接続し終われば開閉弁16aを開き図9に示すように既設管路2内の上流側の水をホース17を通じて下流へと流す。
【0034】
次に、下流側マンホール21の上部開口を新規単管10を挿入できる大きさまで拡径し、図10に示すように新規単管10内面に管移動用治具3を係合部材9により取り付けて搬入する。
【0035】
開閉弁16aを閉じ、ホース17内を一時的に止水する。
そして、既設管路2内に搬入した新規単管10の内部に図10に示すようにホース17を引き通し、完全に引き通せば、再び開閉弁16aを開き通水する。
【0036】
このとき、ホース17の内部通水の重量が新規単管10に加わるが、新規単管10内面にはローラ5…を有する基枠4が設けられているので、このローラ5によって摩擦が軽減され、管外面に取り付けた移動台車又は車輪19によって新規単管10の既設管路2内に沿った移動が容易になる。
【0037】
そして、このようにして搬入された新規単管10を上流側から順次接続して行くが、接続に際し、管移動用治具3を図5に示したように分割構造とした場合、分割面まで治具3を引き出す毎に接続金具6、7部分で分割して取り出せるので狭い管内での作業が容易となる他、大径管の接続でホース17の径が大きくバイパスされる水量も大量になる場合の治具3の抜き出し作業も容易となる。
【0038】
そして、台車ないしは車輪19、および基枠4を外し既設管路2内に新規単管10を接続し更新管路を敷設するのである。
従って、新規単管10…を搬入し接続するまでの移動は容易に行え、施工が容易になる。
【0039】
基枠4の前縁側にテーパ状のブロック5を設けた場合、管の移動時ホース17が、基枠4のロール3…上に滑らかに案内されるので、ホースが新規単管10端部に引っかかるのが防止され、容易に移動が出来るのである。
【0040】
また、基枠4…を軸方向、周方向に分解可能にした場合、新規単管を接続し、管移動用治具をホース17下面から取り出す場合、分解しつつ取り出せるので一気に全体を取り出す場合に比べて労力が少なくて済む。
【0041】
さらに、基枠4を周方向に屈曲可能に連接すれば一台の管移動用治具であっても、各種内径の管に対して使用可能となり経済的な使用が可能となる。
そして、新規単管10による新規管路の敷設後は、開閉弁16aを締めて一時的に止水後、ホース17を短管16から取り外し、マンホール20から取り出し、次いでチューブ14を収縮させて栓装置1をマンホール20から外部へと取り出す。
【0042】
これで一連の管路更新作業が終了する。
上記工法として、一時的な止水を栓装置1に設けた開閉弁16aを締める場合について説明したが、図11に示すようにホース17の末端部分に開閉弁16aを設け、この部分での開閉を行うことで一時的な止水、通水を実施するようにしても良い。
【0043】
この場合は、ホースの上流位置で止水する場合に比べて、ホース内の水が完全に排出され終わるまで待つことなく、止水後直ちに水の排出が止まるので、作業が迅速に行える利点がある。
【0044】
【発明の効果】
この発明の方法によれば、以上説明したように、既設管路の中に更新管を敷設する場合、通水したまま、しかも水に浸かることなく作業も可能となるので、断水することなく安全に管の更新が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施する際の栓装置の説明断面図であり、チューブを収縮させた状態を示す。
【図2】この発明の方法を実施する際の栓装置の説明断面図であり、チューブを膨張させた状態を示す。
【図3】この発明の実施の形態である管移動用治具の説明断面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】管移動用治具の他の構成例を示す説明斜視図である。
【図6】管移動用治具の拡大断面図である。
【図7】管移動用治具におけるガイド棒の説明図である。
【図8】この発明の方法を説明する断面図である。
【図9】この発明の方法におけるホースを接続した状態を示す断面図である。
【図10】この発明の方法における新規単管を搬入していく状態を示す断面図である。
【図11】この発明の方法の他の構成例を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 栓装置
2 既設管路
3 管移動用治具
4 基枠
5 ローラ
10 新規単管
11 テーパ状ブロック
12 ガイド棒
20 上流側マンホール
21 下流側マンホール
Claims (5)
- 既設管路の更新される部分の上流側内面に、前記既設管路の更新される部分の下流部まで伸びるホースを接続した栓装置を水密に固定し、前記ホース内の通水を一時的に遮断することによって、その間に前記既設管路の更新される部分の下流部に設けたマンホールより、前記既設管路内に収納可能な外径の新規単管を搬入し、前記ホースを前記新規単管内に挿通し、次いで前記ホース内の通水を再開して通水しつつ更新部分の上流側へと推進して順次接続して行き、更新の必要のない下流側の既設管路と水密に接続し、次いで前記ホースならびに栓装置を管路内から取り出す工程よりなる管路の更新工法。
- 請求項1に記載の管路の更新工法において、新規単管内に着脱自在に装着される治具であって、管内面に沿う基枠の管内面側に、ホース外面に接触して、管軸に直交する軸周囲に回転するローラが周方向と軸方向に複数個配列して設けられてなる管路の更新工法における管移動用治具。
- 請求項2の管路の更新工法における管移動用治具において、基枠の前縁に、ホースを掬い上げる傾斜面を有するブロックが、新規単管に対して軸方向へ張り出して設けられてなる管路の更新工法における管移動用治具。
- 請求項2又は3の管路の更新工法における管移動用治具において、管移動用治具の基枠が新規単管の軸方向、周方向に分解可能とされてなる管移動用治具。
- 請求項2、3又は4の管路の更新工法における管移動用治具において、管移動用治具の周方向に隣接する基枠同士が、新規単管の内面に沿って自由に屈曲可能に連接されてなる管移動用治具。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2002-12-03 JP JP2002350575A patent/JP2004183760A/ja active Pending
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