JP2004183153A - 加熱後に遊離ケイ酸を生成しない生体溶解性無機繊維 - Google Patents

加熱後に遊離ケイ酸を生成しない生体溶解性無機繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミナシリカ繊維と同水準の耐熱性を有するとともに、熱履歴を有する前の状態では、生体溶解性を発現し、且つ、熱履歴を有した後の状態では、有害性の高い遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトを生成しない無機繊維を提供する。
【解決手段】紡糸液を紡糸することによって作製される繊維前駆体を加熱処理して得られる、Al成分が65〜99重量%、SiO成分が1〜35重量 %からなる無機繊維において、前記加熱処理の温度が800〜1100℃であって、前記無機繊維の生理食塩水中での溶解率が1%以上であることを特徴とする無機繊維。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体への影響を低減した、耐熱性を有する無機繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無機繊維の使用は多岐にわたっている。例えば、バルク状、フェルト状、ブランケット状での断熱材や吸音材として、耐火断熱を目的としたボードやペーパーなどの真空成形体として、建材や車両のブレーキの補強材として広く使用されている。特に、1000℃以上の高温に曝される使用環境においては、無機繊維の中でも耐熱性の優れた非晶質アルミナシリカ繊維、結晶質アルミナ繊維、ムライト繊維の材料が使用されている。
【0003】
しかしながら、スタントンとポットの仮説に代表される無機繊維の毒性に関する研究が数多くなされ、天然の無機繊維であるアスベストだけではなく、人工の無機繊維についても、そのうちのいくつかは、アスベストと同様な呼吸器疾患等の可能性が指摘されている。
【0004】
無機繊維の毒性に関しては、繊維の吸入量、吸入繊維の寸法、体内での吸入繊維の耐久性という3つの要因との関連性が挙げられている。そこで、有害性の低い無機繊維を開発する方向性のひとつとして、体内での吸入繊維の耐久性を低く抑えるという点に着目した試験研究が数多くなされている。体内での耐久性を低くするための方法として、体内での繊維の溶解性を高めることが挙げられる。すなわち、肺の中に吸入された繊維が、体液中で溶解し、且つ、溶解した成分が無害であるならば、その繊維の有害性は小さいという考え方である。
【0005】
前記の1000℃以上の高温環境で使用されている従来の非晶質アルミナシリカ繊維、結晶質アルミナ繊維およびムライト繊維の、体内での溶解性は一般的に低い。
【0006】
このような背景から、ある程度の耐熱性を有しながら、体内での耐久性を低く抑えた、いわゆる”生体溶解性ファイバー”の発明がなされ、そのうちの数種類は既に市販もされている。
【0007】
例えば、特表平10−512232号公報には、シリカ、マグネシアを基本成分とする生体溶解性を有する非晶質無機繊維が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、作業者が無機繊維を吸入する機会としては、無機繊維が工業材料として熱履歴を有する前すなわち工業材料として使用される前の状態と、熱履歴を有した後すなわち工業材料として使用された後の状態の、2つの場合が挙げられる。したがって、この2つの場合それぞれにおいて、繊維の有害性が低く抑えられる必要がある。
【0009】
従来の生体溶解性ファイバーは、繊維が工業材料として熱履歴を有していない状態では、生体溶解性を発現し、吸入による有害性が低いと考えられている。
【0010】
しかしながら、繊維が工業材料として熱履歴を有した後の状態での、前記従来の生体溶解性ファイバーの吸入による有害性に関しては、これまで関心が払われてこなかった。
【0011】
一般に、非晶質無機繊維は加熱によって結晶化が進行するため、熱履歴を有する前と後とでは、繊維の特性が著しく異なる。
【0012】
前記従来の生体溶解性ファイバー、例えば、特表平10−512232号公報に示されるような繊維は、常用温度である1100℃に曝されると、結晶化の進行によって、クリストバライトを生成する。
【0013】
クリストバライトは、石英、トリディマイトなどと並ぶ遊離ケイ酸の1種であり、珪肺の原因物質であるとされている。また、クリストバライトは、石英とともに、IARC(国際がん研究機関)によって、発がん性物質であるグループ1に分類されている。
【0014】
したがって、熱履歴を有した後の前記従来の生体溶解性ファイバーは、熱履歴を有する前のものに比べ、有害性が増大すると考えられる。
【0015】
このように、工業材料として熱履歴を有する前と後との両方の場合において、有害性が低く抑えられている無機繊維は、これまでなかった。
【0016】
そこで本発明は、上記課題を解決し、アルミナシリカ繊維と同水準の耐熱性を有するとともに、熱履歴を有する前の状態では、生体溶解性を発現し、且つ、熱履歴を有した後の状態では、有害性の高い遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトを生成しない無機繊維を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルミナシリカ繊維と同水準の耐熱性を有するとともに、熱履歴を有する前の状態では生体溶解性を発現し、且つ、熱履歴を有した後の状態では遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトを生成しない無機繊維を開発するために鋭意検討を重ねた結果、前駆体繊維化法によって得られる、Al成分が65〜99重量%、SiO成分が1〜35重量%からなる無機繊維において、 繊維前駆体を800〜1100℃の温度範囲で加熱処理することによって得られる無機繊維は、優れた生体溶解性を発現することを見いだした。本発明はこの知見に基づいてなされたものである。
【0018】
本発明の解決手段を例示すると、各請求項に記載の無機繊維である。
【0019】
本発明の好適な解決手段によって提供された新規な無機繊維は、公知技術である前駆体繊維化法によって得られる、前記組成範囲に相当するAl−SiO系組成の繊維前駆体を800〜1100℃(好ましくは900〜1100℃) の温度範囲で加熱処理して得られることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に関して詳細に説明する。
【0021】
本発明の無機繊維を得るためには、公知技術である前駆体繊維化法において作製される繊維前駆体を必要とする。前駆体繊維化法とは、溶液ないしコロイド液の状態で供された原料を、増粘剤により適宜粘度調整を行って紡糸液を調製し、これを紡糸して得られた前駆体を加熱処理する無機繊維の製造方法をいう。紡糸液を調製するためのAl成分の原料としては、塩化アルミニウム、オキシ酢酸アルミニウム、アルミニウムを含有する有機ポリマー等が、SiO成分の原 料としては、コロイダルシリカ液やシロキサン化合物が、増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等が公知である。本発明に使用する紡糸液を調製するための原料および増粘剤も、これら公知のものを使用することができるが、何らこれらに限定されるものではない。
【0022】
なお、本明細書では、繊維前駆体とは、前記紡糸液を、多数の紡糸孔から繊維として引き出すことによって得られた状態のもので、且つ、前記加熱処理がなされる前の状態のものを意味する。
【0023】
一般に、前駆体繊維化法によって製造される無機繊維は、前記紡糸液から得られた繊維前駆体を1200〜1300℃で加熱処理することによって得られ、その無機繊維は、多結晶質繊維である。現在、工業材料として一般的に用いられている、前駆体繊維化法によって得られる多結晶質ファイバーの代表的なものとしては、コランダム(α−アルミナ)組成のアルミナファイバー、ムライト組成のムライトファイバーおよびこの中間の組成のものが挙げられる。
【0024】
前記アルミナファイバー、ムライトファイバーおよびそれらの中間の組成のファイバーは、加熱処理によって既にアルミナおよび/またはムライトに結晶化しているので、熱履歴を有した後も遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトを生成しない。一方、従来の生体溶解性ファイバーは、1100℃以上の熱履歴を有した後は、クリストバライトを生成する。したがって、繊維が工業材料として1100℃以上の熱履歴を有した後の状態において、その吸入による有害性を比較した場合、珪肺の原因となる遊離ケイ酸の吸入の有無という点で、アルミナファイバーおよびムライトファイバー等の多結晶質繊維は、生体溶解性ファイバーよりも有害性が低いと考えられる。
【0025】
しかしながら、前記アルミナファイバーおよびムライトファイバー等は、工業材料としての熱履歴の有無にかかわらず、生体溶解性を有していない。したがって、工業材料として熱履歴を有する前の状態において、その吸入による有害性を比較した場合、繊維の生体溶解性という点で、アルミナファイバーおよびムライトファイバー等の多結晶質繊維は、従来の生体溶解性ファイバーよりも有害性が高くなる可能性があると考えることができる。
【0026】
そこで、Al成分65〜99重量%、SiO成分1〜35重量%の組成 に相当する繊維前駆体の加熱処理条件と加熱処理して得られた無機繊維の生体溶解性との関係について、鋭意検討を重ねた結果、前記組成範囲に相当するAl−SiO系の繊維前駆体を、800〜1100℃(好ましくは900〜1100℃)の温度範囲で加熱処理して得られる無機繊維は、優れた生体溶解性を有することを見いだした。
【0027】
前記組成範囲に相当する繊維前駆体を800〜1100℃(好ましくは900〜1100℃)の温度範囲で加熱処理して得られる無機繊維のX線回折スペクトルは、例えば、図1に示す通りであり、本発明の無機繊維は構成結晶相としてγ−アルミナを含む。
【0028】
前駆体繊維化法においては、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等の増粘剤によって紡糸液の粘度を調整する。このため、繊維前駆体の加熱処理の途中で、増粘剤成分が焼失する際に、その抜け穴が生成し、繊維に微細孔が生じるが、従来の前駆体繊維化法によって得られる無機繊維においては、この微細孔は、繊維前駆体の加熱処理終了後には、ほぼ消失している。これは、加熱処理温度が1200〜1300℃という高温であることによる。しかしながら、本発明によって得られる無機繊維は、繊維前駆体の加熱処理温度をより低くして800〜1100℃(好ましくは900〜1100℃)とするために、得られる無機繊維には、前記の理由で生成した多数の微細孔が残存する。この残存している微細孔によって、無機繊維の生体溶解性が促進されると考えることができる。
【0029】
繊維前駆体を加熱処理する温度は1100℃以下が好ましい。1100℃よりも高い温度で処理されると、前記の微細孔が少なくなるとともに、得られる無機繊維中に生成した微細な結晶同士が焼結して粒成長し、さらに、コランダムやムライトが生成し、生体溶解性が低くなることがある。
【0030】
また、前記の繊維前駆体を加熱処理する温度は800℃以上(好ましくは900℃以上)とすることが好ましい。800℃よりも低い温度で処理することによって得られる無機繊維は、従来の生体溶解性ファイバーに比べて、耐熱性が著しく低下することがある。
【0031】
なお、本発明において、加熱処理の昇降温速度は、毎分5〜30℃とするのが良い。
【0032】
このようにして、本発明者らは、アルミナシリカ繊維と同水準の耐熱性を有するとともに、工業材料として熱履歴を有する前の状態では、優れた生体溶解性を発現し、熱履歴を有した後でも、有害性の高い遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトを生成しない無機繊維の発明を完成した。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0034】
Al成分72重量%、SiO成分28重量%の組成に相当するように、 オキシ塩化アルミニウム溶液とコロイダルシリカ溶液を混合し、攪拌しながら、ポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキサイドを添加・混合する。これを濃縮して、紡糸液を調製した。この紡糸液を多数の紡糸孔から引き出し、繊維前駆体を得た。
【0035】
次に、得られた繊維前駆体を所定の温度で加熱処理を行って無機繊維を得た。
【0036】
【表1】
Figure 2004183153
得られた無機繊維について、生体溶解性の評価を行った。また、X線回折法により、得られた無機繊維の構成結晶相の同定を行った。
【0037】
得られた繊維の生体溶解性の評価方法について、以下に説明する。
【0038】
体液の本質である生理食塩水に対する溶解率が大きければ、繊維の生体溶解性が大きいと判断することができる。したがって、生体溶解性の評価は、生理食塩水に対する溶解率を測定することによって行った。
【0039】
得られた無機繊維の生理食塩水に対する溶解率の測定方法は以下の通りである。まず、200メッシュ(目開き0.075mm)の篩いを通過するまで解砕した繊維試料を1g精秤する。それを300mlのコニカルビーカーにとり、生理食塩水を150ml加え、栓をする。それを40℃の恒温水槽に設置して、120rpmの速度で50時間水平振とうを行う。その後、ガラスろ過器によるろ過および乾燥を行い、不溶解繊維を精秤して、溶解による繊維の減量を求める。溶解による繊維の減量から算出した重量減少率を、その繊維の生理食塩水溶解率とした。生理食塩水溶解率が大きければ、生体溶解性は高い。
【0040】
次に、得られた繊維の耐熱性の評価方法について、以下に説明する。
【0041】
得られた無機繊維200gを、0.04%澱粉溶液10リットル中で攪拌して分散させた後、脱水成型器により成形した(成形モールドを用いたいわゆる真空成形)。これを110℃で十分乾燥させた後、所定の寸法に切断し、プリフォームを作製した。このプリフォームを1260℃で300時間加熱し、加熱前後に寸法測定を行って線収縮率を求めた。収縮率が小さいほど、繊維は耐熱性に優れている。また、得られた無機繊維を1260℃で300時間加熱した後のものについても、同様に、X線回折法により、構成結晶相の同定を行った。なお、以下の例において、昇降温速度は毎分10℃である。
【0042】
実施例1は、本発明によって得られた無機繊維である。Al成分72重量%、SiO成分28重量%の組成に相当する繊維前駆体を800℃で60分間 加熱処理して得られた無機繊維は、生理食塩水溶解率が4%であり、優れた生体溶解性を有している。また、1260℃で300時間加熱後の無機繊維の構成結晶相はムライトのみであり、遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトは生成していない。
【0043】
実施例2は、実施例1と同一の繊維前駆体を900℃で30分間加熱処理して得られた無機繊維である。得られた無機繊維は、生理食塩水溶解率が3%であり、優れた生体溶解性を有している。また、1260℃で300時間加熱後の無機繊維の構成結晶相はムライトのみであり、遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトは生成してない。
【0044】
実施例3は、実施例1と同一の繊維前駆体を1000℃で15分間加熱処理して得られた無機繊維である。得られた無機繊維は、生理食塩水溶解率が3%であり、優れた生体溶解性を有している。また、1260℃で300時間加熱後の無機繊維の構成結晶相はムライトのみであり、遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトは生成してない。
【0045】
実施例4は、実施例1と同じ方法で得られた繊維前駆体を、1100℃で5分間加熱処理して得られた無機繊維である。得られた無機繊維は、生理食塩水溶解率が1%であり、優れた生体溶解性を有している。また、1260℃で300時間加熱後の無機繊維の構成結晶相はムライトのみであり、遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトは生成してない。
【0046】
比較例1は、実施例1と同じ方法で得られた繊維前駆体を、600℃で60分間の処理をして得られた無機繊維である。得られた無機繊維は生理食塩水溶解率が大きく、優れた生体溶解性を有している。しかしながら、1260℃で300時間加熱後の線収縮率が、後述するアルミナシリカ繊維よりも著しく大きい値を示し、耐熱性に劣っていた。
【0047】
比較例2は、実施例1と同じ方法で得られた繊維前駆体を1250℃で30分間加熱処理することによって得られた無機繊維である。得られた無機繊維は生理食塩水にほとんど溶解せず、生体溶解性を有していない。
【0048】
比較例3は、市販されているアルミナシリカ繊維である。この繊維は、熱履歴を有する前の状態では、生理食塩水にほとんど溶解せず、生体溶解性を有していない。また、1260℃で300時間加熱後の無機繊維には、遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトが生成している。
【0049】
比較例4は、アルミナシリカ繊維と同水準の耐熱性を有するとされている市販のMgO−SiO系組成の生体溶解性ファイバーである。この繊維は、熱履歴 を有する前の状態では、生理食塩水溶解率が1%以上であり、優れた生体溶解性を有している。しかしながら、1260℃で300時間加熱後には、遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトが生成している。
【0050】
また、実施例1〜4に示す本発明の無機繊維の1260℃で300時間加熱後の線収縮率は、比較例3および4に示すアルミナシリカ繊維および従来の生体溶解性ファイバーと同等であり、本発明の無機繊維は、優れた耐熱性を有していた。
【0051】
【発明の効果】
上述のように、本発明の無機繊維は、アルミナシリカ繊維と同水準の耐熱性を有するとともに、工業材料として熱履歴を有する前の状態では優れた生体溶解性を発現し、熱履歴を有した後の状態では、珪肺等の原因となる遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトを生成しない。したがって、本発明の無機繊維を使用すれば、工業材料として熱履歴を有する前後において、繊維の吸入による有害性を、より低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2で得られた無機繊維のX線回折スペクトルを示す図である。

Claims (4)

  1. 紡糸液を紡糸することによって作製される繊維前駆体を加熱処理して得られる、Al成分が65〜99重量%、SiO成分が1〜35 重量%からなる無機繊維において、前記加熱処理の温度が800〜1100℃であって、前記無機繊維の生理食塩水中での溶解率が1%以上であることを特徴とする無機繊維。
  2. 1100℃以上の熱履歴を有しても、遊離ケイ酸の1種であるクリストバライトを生成しないことを特徴とする請求項1に記載の無機繊維。
  3. 構成結晶層としてγ−アルミナを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無機繊維。
  4. 加熱処理の昇降温速度が毎分5〜30℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機繊維。
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