JP2004182746A - 熱可塑性樹脂の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光記録媒体の廃棄物等から基板に使用されている熱可塑性樹脂だけを回収することができる回収方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と、無機金属と、3次元硬化樹脂とを含む一体成形物から熱可塑性樹脂を回収する方法において、熱可塑性樹脂を溶解し、無機金属及び3次元硬化樹脂を溶解しない第一の有機溶剤16中で、熱可塑性樹脂のみを溶解して固形物を残留させる溶解工程と、第一の有機溶剤中から、残留している固形物を濾過して分離する濾過工程と、第一の有機溶剤と混和し、且つ熱可塑性樹脂を溶解しない有機溶剤であって、第一の有機溶剤より沸点が高い第二の有機溶剤22中に、熱可塑性樹脂のみを溶解した第一の有機溶剤を混入して熱可塑性樹脂を析出させる析出工程と、第一の有機溶剤と第二の有機溶剤とが混和している溶液から前記第一の有機溶剤を留出させて回収する回収工程とを実行する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体等の廃棄物から基板等に使用されている熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート樹脂を回収する熱可塑性樹脂の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量の情報を記録できるコンパクトディスク(CD:CompactDisc、以下、単にCDとも称す)やデジタルバーサタイルディスク(DVD:Digital Versatile Disc、以下、単にDVDとも称す)などの光ディスクの普及はめざましいものがある。特に音楽や映像、データベース、コンピュータプログラムなどの情報を微細な凹凸パターン(いわゆるピット)として記録された基板の上に、アルミニウムなどの金属製の反射層と、保護層と、レーベル層とを順次積層した再生専用型の光ディスクは、大量に、且つ安価に製造できるため膨大な数のディスクが製造されて、広く普及している。さらに追記記録が出来るCD−Rは、再生専用型光ディスク(CD−ROM)以上に生産されて消費され始めた。またDVD−Rや書換可能なCD−RWやDVD−RW、DVD−RAMなどのディスクも急速に普及し始めている。このように大量の情報を記録する記録媒体として光ディスクが普及するにつれ、製造過程で生じた不良品、在庫処分品、市場からの返品、使用済みのものなどの数も大量に増加している。従来これらの不要な光記録媒体は、廃棄物として粉砕処理などを施した後、焼却あるいは埋め立てたりして処分されていた。
【0003】
しかしながら、このような処分方法は資源の無駄遣いであり、焼却や埋め立てによる環境汚染という問題からも決して好ましい方法ではない。地球環境を守るという観点からも、廃棄された光記録媒体から使用されている材料を回収し、これを再利用することは重要なことである。
ところで、これら前記光ディスクや光カードのような光記録媒体に使用されている材料のうち、最も多量に使用されているのは樹脂製の基板である。したがって、この基板に使用されている材料を回収して再利用することが最も重要である。この基板に使用されている樹脂にはポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂などの熱可塑性透明樹脂が使用されている。なかでも実際の光ディスクのほとんどは光透過性、加工性、生産性、材料コストの面から、ポリカーボネート樹脂が使用されている。例えばコンパクトディスクでは、重量換算で98%以上がポリカーボネート樹脂で占められている。
【0004】
光記録媒体からこの基板に使用されている樹脂を回収する方法としては、例えば特開平6−63942号公報(特許文献1参照)には光記録媒体を破砕処理した後、酸性溶液中で反射層を溶解し、保護膜を基板から剥離して基板に使用されている樹脂を回収する方法が開示されている。また特開平4−360035号公報(特許文献2参照)や特開平7−286064号公報(特許文献3参照)には光記録媒体を破砕処理した後、塩基性溶液中で反射層、保護膜を除去して基板に使用されている樹脂を回収する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−63942号公報(第2−3頁)。
【特許文献2】
特開平4−360035号公報(第2頁)。
【特許文献3】
特開平7−286064号公報(第3−4頁)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、金属製の反射層及びこの反射層の上に設けられた保護層は、基板より剥離除去できるが、保護層が基板に直接密着している部分では、この保護層を基板から剥離除去することは難しい。特に保護層に基板を溶解するような材料、例えばアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を使用した場合には、上記従来の方法では保護層が基板より除去できないで部分的に残ることがある。
【0007】
以下に基板にポリカーボネート樹脂を使用した光ディスクとしてCDを例に取って説明する。一般に光ディスクは図2に示すディスク断面構造をしている。すなわち光ディスクDは、基板2上に金属製の反射層4、保護層6が順次積層されてなる。そして、必要な場合には最上面にレーベル層8が形成されている。
上記基板2は、熱可塑性樹脂である例えばポリカーボネート樹脂よりなり、その表面には微少な凹凸(ピット)2Aで情報が記録されている。上記反射層4は、例えばアルミニウムまたはその合金などの無機金属で形成されている。また保護層6は紫外線硬化樹脂をスピンコート法で成膜し、紫外線を照射して硬化させて保護機能を持たせている。さらにレーベル層8は紫外線硬化樹脂に顔料、染料などの色剤を含有させたものを用いてスクリーン印刷などで文字や図形を形成し、これに紫外線を照射して硬化させて形成している。
【0008】
ここでアルミニウムなどよりなる反射層4は、通常はディスク全面に設けられるのではなく、ディスク製造上の理由やディスクの耐環境特性を向上させるために、基板の内周縁部や外周縁部には設けられてはおらず、保護層6と基板2で完全に覆われるように設けられている。従って必然的に基板2の外周と内周に保護層6と基板2が直接的に密着した部分X1が生じている。光ディスクDを酸性溶液、或いは塩基性溶液で処理することで反射層4が設けられている部分では、基板2から反射層4と、保護層6とを除去することは容易に出来るが、保護層6と基板2とが直接密着した部分X1では基板2から保護層6を除去できずに残ってしまうか、或いは除去できたとしても処理に非常に時間がかかってしまう。
【0009】
このように保護層6が除去できずに残っているポリカーボネート樹脂は、保護層6という異物を含んだ物になる。このようにして回収したポリカーボネート樹脂は異物を含んでいるため、樹脂の耐衝撃性などの機械的物性の劣化や異物混入による外観性の低下が生じ、再利用する際に使用する用途が制限されてしまう。特に異物の混入を非常に嫌う光学的用途には使用できない。このような回収された樹脂の再利用を幅広く考えるとき、回収された樹脂はできるだけ不純物の少ない純粋な材料に近いものが望ましく、それによって用途が広がり、リサイクルも促進されることになる。
本発明は、このような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、熱可塑性樹脂と、無機金属と、3次元硬化樹脂とを含む一体成形物、例えば光記録媒体の廃棄物等から接着層や保護層などの異物が混入せずに、基板に使用されている熱可塑性樹脂だけを回収することができる回収方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、熱可塑性樹脂と、無機金属と、3次元硬化樹脂とを含む一体成形物から前記熱可塑性樹脂を回収する熱可塑性樹脂の回収方法において、前記熱可塑性樹脂を溶解し、且つ前記無機金属及び前記3次元硬化樹脂を溶解しない第一の有機溶剤中で、前記熱可塑性樹脂のみを溶解し、前記一体成形物を構成する前記熱可塑性樹脂以外の固形物を残留させる溶解工程と、前記熱可塑性樹脂を溶解している前記第一の有機溶剤中から、前記残留している固形物を濾過して分離する濾過工程と、第一の有機溶剤と混和し、且つ前記熱可塑性樹脂を溶解しない有機溶剤であって、前記第一の有機溶剤より沸点が高い第二の有機溶剤中に、前記熱可塑性樹脂のみを溶解した前記第一の有機溶剤を混入して前記熱可塑性樹脂を析出させる析出工程と、前記第一の有機溶剤と前記第二の有機溶剤とが混和している溶液から前記第一の有機溶剤を留出させて回収する回収工程と、を有することを特徴とする熱可塑性樹脂の回収方法である。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1における回収方法において、前記析出工程では、前記第二の有機溶剤を、前記第一の有機溶剤の沸点以上で、且つ前記第二の有機溶剤の沸点以下に加熱する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る熱可塑性樹脂の回収方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
まず、本発明は、熱可塑性樹脂と、無機金属と、3次元硬化樹脂とを含む一体成形物から前記熱可塑性樹脂を回収する熱可塑性樹脂の回収方法において、前記熱可塑性樹脂を溶解し、且つ前記無機金属及び前記3次元硬化樹脂を溶解しない第一の有機溶剤中で、前記熱可塑性樹脂のみを溶解し、前記一体成形物を構成する前記熱可塑性樹脂以外の固形物を残留させる溶解工程と、前記熱可塑性樹脂を溶解している前記第一の有機溶剤中から、前記残留している固形物を濾過して分離する濾過工程と、第一の有機溶剤と混和し、且つ前記熱可塑性樹脂を溶解しない有機溶剤であって、前記第一の有機溶剤より沸点が高い第二の有機溶剤中に、前記熱可塑性樹脂のみを溶解した前記第一の有機溶剤を混入して前記熱可塑性樹脂を析出させる析出工程と、前記第一の有機溶剤と前記第二の有機溶剤とが混和している溶液から前記第一の有機溶剤を留出させて回収する回収工程と、を有することを特徴とする熱可塑性樹脂の回収方法である。
【0013】
本実施例では、熱可塑性樹脂と、無機金属と、3次元硬化樹脂とを含む一体成形物として、図2において説明したようなコンパクトディスクの廃棄物を例にあげて説明するが、本発明の回収方法が対象とする光記録媒体の廃棄物は、情報が予め微細な凹凸パターンとして記録された再生専用型の光ディスクや光カードだけでなく、情報を一度だけ記録できる追記型、または情報を何度でも書き換えできる書換可能型の光ディスクや光カードの廃棄物も含まれることは勿論である。またデジタルバーサタイルディスクに代表されるような、金属製の反射層等を設けた2枚の樹脂基板を接着剤で貼り合わせた、いわゆる貼合わせディスクやカードの廃棄物にも適用が可能である。更に光ディスクや光カードの他にプラスチック樹脂を含む上記したような一体成形物にも本発明を適用することができる。
【0014】
まず、図2を参照して説明したように、一般に光ディスクの一例であるCDに使用されている材料の素性は明確になっている。そして、廃棄された不要の光ディスクからポリカーボネート樹脂を回収して再利用することを考えたとき、反射層4、保護層6、レーベル層8は極力除去されるべきである。ここで上述した各層の材料素性を考慮すると、基板2のポリカーボネート樹脂だけが熱可塑性樹脂である。すなわち基板2を構成するポリカーボネート樹脂は、特定の有機溶剤で溶解が可能であり、光ディスクを構成している他の素材は、無機物や金属であったり、有機物であっても3次元化した硬化樹脂であるため有機溶剤で溶解することはできない。ここで、3次元硬化樹脂とは、熱可塑性樹脂のような線状ポリマーと異なり、3次元的に架橋した網目構造を有しており、有機溶剤に不溶な樹脂のことである。
【0015】
図1に本発明方法を実施する回収装置の一例を示す。ここで図1を参照しながら本発明方法を具体的に説明する。
図示するように、この回収装置10は、溶解槽12と蒸留槽14とを有している。上記溶解槽12内には、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂は溶解し、且つ無機金属及び3次元硬化樹脂は溶解しない第一の有機溶剤16(熱可塑性樹脂に対して良溶媒)が貯留されており、ここで廃棄されて粉砕された光ディスクDの粉砕片D1の大部分を溶解し得るようになっている。この溶解槽12内には、撹拌羽根18が設けられると共に、溶解槽12の底部には、溶解しない固形物を排出するための固形物排出ノズル20が開閉可能に設けられている。
【0016】
また上記蒸留槽14内には、上記第一の有機溶剤と混合し、且つ熱可塑性樹脂をほとんど溶解しない有機溶剤であって、上記第一の有機溶剤より沸点が高い第二の有機溶剤22(熱可塑性樹脂に対して貧溶媒)が貯留されている。この蒸留槽14内には撹拌羽根24が設けられると共に、この側壁及び底部には、上記第二の有機溶剤22を加熱するための加熱ヒータ26が設けられている。
また、この蒸留槽14の底部には、析出して沈殿した熱可塑性樹脂を排出する樹脂排出ノズル28が開閉可能に設けられている。また上記溶解槽12の側壁と、上記蒸留槽14の天井部とを連結して液通路30が設けられており、この液通路30の途中には、移送される溶液中から固形物を濾過するための濾過器32が介設されている。また、上記蒸留槽14の天井部と上記溶解槽12の天井部とを連絡して蒸気通路34が設けられており、この蒸気通路34の途中には溶剤凝縮器36が介設されて、蒸発してきた第一の有機溶剤を液化させて再利用できるようになっている。
【0017】
まず本発明方法の第1工程は、ポリカーボネート樹脂だけを溶解する第一の有機溶剤16で廃棄された光ディスクのポリカーボネート樹脂の基板2のみを溶解する工程である。使用するポリカーボネート樹脂を良好に溶解する第一の有機溶剤16としては、トリクロロメタン、ジクロロメタンなどの塩素系溶剤が好適である。この第1工程では、光ディスクDを粉砕して粉砕片D1とし、この粉砕片D1を第一の有機溶剤16を貯留する溶解槽12内へ投入する。この溶解槽12内の第一の有機溶剤16を撹拌羽根18で撹拌すると、溶解スピードが速まり処理時間を短縮化することができる。さらに溶剤の節約と後述する第3工程の処理のために、使用する溶剤によるポリカーボネート樹脂の溶解度は飽和状態に近くまで溶解液の濃度は高めておくのが好ましい。また溶解槽12内の第一の有機溶剤16を加熱することで、処理時間を更に早めることができる。
【0018】
この第1工程で、光ディスクを構成する材料の内、ポリカーボネート樹脂は第一の有機溶剤16中に溶解し、反射層4、保護層6、レーベル層8のその他の材料は溶解せず、溶解層12の底部に固形物として沈殿したり、または液中に溶解しないで分散している。
沈殿した固形物40は溶解槽12の底部から、固形物排出ノズル20を介して例えば定期的に取り出して除去する。尚、廃棄物として、再生専用のCD以外のDVDや記録可能な光ディスクを用いた場合には、この固形物中には、記録層や接着層等も含まれることになる。
【0019】
次に第2工程は、上記第1工程で生じた反射層4、保護層6、レーベル層8の未溶解物の中で溶解槽12の底部に沈殿せず、溶液中に分散している固形物を濾過する工程である。ここではポリカーボネート樹脂が溶解した第一の有機溶剤16を、濾過器32を介設した液通路30に流して、蒸留槽14内へ導入する。そして溶液中に浮遊する固形物が上記濾過器32にて除去される。この第2工程を経ることで、ポリカーボネート樹脂のみが溶解した溶液を得ることが出きる。この第2工程の濾過方法にはフィルタープレスなどの方法が適用できる。
【0020】
次に第3工程は、上記第2工程で得られた ポリカーボネート樹脂のみが溶解した溶液からポリカーボネート樹脂を析出させて回収する方法である。
上記蒸留槽14中には予め、ポリカーボネート樹脂をほとんど溶解せず、且つ第一の有機溶剤16と良好に混和する第二の有機溶剤22を相当量(好ましくは10倍以上)入れておく。すなわち蒸留槽14に導入されることになる第一の有機溶剤の量と比較して大量の第二の有機溶剤22を入れておく。この場合、この第二の有機溶剤22は撹拌しておくのが好ましい。この第二の有機溶剤22の中に第2工程で得られた溶液を少量づつ投入すると、ポリカーボネート樹脂を溶解していた第一の有機溶剤16が、ポリカーボネート樹脂を溶解しない第二の有機溶剤22中に速やかに分散し、それと同時に溶解していたポリカーボネート樹脂が析出してくる。この析出したポリカーボネート樹脂は異物がほとんど含まれていない。従って、この析出したポリカーボネート樹脂を、樹脂排出ノズル28を介して外へ取り出すことにより、高純度のポリカーボネート樹脂を回収することが出きる。この第3工程で使用する第二の有機溶剤22の例としては、メタノール、エタノールなどのアルコールや2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)などのセロソルブ系の有機溶剤が好適である。
【0021】
次の第4工程は、ポリカーボネート樹脂を溶解する第一の有機溶剤16を回収工程である。すなわち第3工程で役割の終わったポリカーボネート樹脂を溶解する第一の有機溶剤16を回収する。ここでは回収した第一の有機溶剤16を、第1工程を行う溶解槽12へ戻し、再度新たに粉砕片D1を溶解する第一の有機溶剤16として再利用する。これによって使用する第一の有機溶剤の量を大幅に減らすことが可能になる。
第一の有機溶剤16は、第3工程を行う蒸留槽14から加熱により留出させて溶剤凝縮器36にて再凝縮し、回収する。この回収した第一の有機溶剤をそのまま溶解槽12へ戻している。
【0022】
このとき第二の有機溶剤22が第一の有機溶剤16より沸点が高い溶剤を用いると、ポリカーボネート樹脂を溶解する第一の有機溶剤16の回収を容易にでき、且つポリカーボネート樹脂を溶解しない第二の有機溶剤22は蒸留槽14内に残留させることが可能になる。
また第一の有機溶剤16を留出させるとき、蒸留槽14内の溶液を加熱ヒータ26により加熱すると留出を早めることができる。この場合、蒸留槽14内の溶液の加熱ヒータ26により加熱温度は、第一の有機溶剤16の沸点以上で、且つ第二の有機溶剤22の沸点以下となるように設定する。さらに蒸留槽14内を減圧させても留出を早めることができ効率を向上させることができる。
【0023】
また上記第3工程においてポリカーボネート樹脂のみが溶解した溶液からポリカーボネート樹脂を析出させるとき、ポリカーボネート樹脂を溶解しない第二の有機溶剤22の液温を、上述したようにポリカーボネート樹脂を溶解する第一の有機溶剤16の沸点以上にしておくと、ポリカーボネート樹脂のみが溶解した溶液が第二の有機溶剤22と混ざると同時に、第一の有機溶剤16は蒸発して留出し易くなるため、ポリカーボネート樹脂の析出が効率よく行え、さらに第一の有機溶剤16も回収し易くなる。このとき第一の有機溶剤16と第二の有機溶剤22の沸点がかなり離れていれば更に好適である。
【0024】
例えばポリカーボネート樹脂を溶解する第一の有機溶剤16としてジクロロメタン(沸点40.2℃)を用いて、ポリカーボネート樹脂を溶解しない第二の有機溶剤22としてエチルセロソルブ(134.8℃)を用いると、沸点差が十分にあり好適である。
本発明の実施例では、光記録媒体一の例としてCDを用いた例を示したが、CDに限らずDVDや光磁気ディスク(MO)など種々の光ディスクに適用できることは、もちろんのことである。
【0025】
また本発明の実施例では、廃棄されたCDを粉砕してそのまま用いた例を示したが、廃棄回収された光ディスクのレーベル層、保護層、反射層を切削や剥離などの機械的な処理等で、あらかじめ大まかに除去してから、本発明の処理を行うことも可能である。この場合、本発明のポリカーボネート樹脂の溶解工程で生じた未溶解の異物の生成量が大幅に減少し、濾過する工程の負担を軽減できる効果がある。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱可塑性樹脂の回収方法によれば、熱可塑性樹脂と、無機金属と、3次元硬化樹脂とを含む一体成形物、例えば廃棄された光記録媒体から異物をほとんど含まない熱可塑性樹脂として例えばポリカーボネート樹脂を効率よく回収でき、得られた熱可塑性樹脂を再利用するための用途を幅広くすることができる。
また本発明の処理方法は、バッチ式処理でも連続式処理でも、どちらの処理方式にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1に本発明方法を実施する回収装置の一例を示す。
【図2】再生専用の光ディスクの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2…基板、4…反射層、6…保護層、8…レーベル層、12…溶解槽、14…蒸留槽、16…第一の有機溶剤、22…第二の有機溶剤、32…濾過器、36…溶剤凝縮器、D…光ディスク(光記録媒体)、D1…粉砕片。

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂と、無機金属と、3次元硬化樹脂とを含む一体成形物から前記熱可塑性樹脂を回収する熱可塑性樹脂の回収方法において、
    前記熱可塑性樹脂を溶解し、且つ前記無機金属及び前記3次元硬化樹脂を溶解しない第一の有機溶剤中で、前記熱可塑性樹脂のみを溶解し、前記一体成形物を構成する前記熱可塑性樹脂以外の固形物を残留させる溶解工程と、
    前記熱可塑性樹脂を溶解している前記第一の有機溶剤中から、前記残留している固形物を濾過して分離する濾過工程と、
    第一の有機溶剤と混和し、且つ前記熱可塑性樹脂を溶解しない有機溶剤であって、前記第一の有機溶剤より沸点が高い第二の有機溶剤中に、前記熱可塑性樹脂のみを溶解した前記第一の有機溶剤を混入して前記熱可塑性樹脂を析出させる析出工程と、
    前記第一の有機溶剤と前記第二の有機溶剤とが混和している溶液から前記第一の有機溶剤を留出させて回収する回収工程と、
    を有することを特徴とする熱可塑性樹脂の回収方法。
  2. 前記析出工程では、前記第二の有機溶剤を、前記第一の有機溶剤の沸点以上で、且つ前記第二の有機溶剤の沸点以下に加熱することを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂の回収方法。
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