JP2004182113A - エアバッグ式保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過剰な空気圧に依存することなく衝撃を緩和すると共に、横転状態にあっても長時間作業者を支え続けるエアバッグ式の保護装置を提供する。
【解決手段】インフレータ5が生じる空気圧流によりエアバッグ袋2を膨張させるエアバッグ装置14において、エアバッグ装置14の動作時に空気ガスと共にエアバッグ袋2内へ衝撃を緩和するための軟質弾性材3を混入させたもの。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋を膨張させるエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からエアバッグ装置は車が障害物等に衝突する際、瞬時に膨張して搭乗者の頭部等を保護するものとして知られている。
図6(a)の14で示すエアバッグ装置の動作原理は、まず加速度検出センサ8aで急激な加速度の変化を捕らえて衝突判定がおこなわれ、図の7で示す電気ヒータで火薬に着火がおこなわれる。これが火種となりインフレータ5内のエンハンサ(伝化薬)に着火して、ガス発生剤6(アジ化ソーダ、二流化モリブデンなどの化合物)を燃焼させて、瞬時に大量の窒素ガスを発生させる。そして、このガス圧がパッドの切欠部を破って、エアバッグ袋2内に流入し、同図(b)のZ1で示す空気流により袋2の容積を急激に拡大させるものである。
なお、図6(a)において、2はエアバッグ袋が折り畳まれた状態を示すものであり、図6(b)において、2は図の点線方向へエアバッグ袋が膨張している様子を示すものである。
すなわち、従来の技術にあっては、衝突という瞬時の出来事から、瞬時に風船のように膨らむ空気圧クッションで軽量負荷(頭部など)の衝撃回避をおこなうものであった。
一方、瞬時に膨らむ強力な空気圧クッションで老人や子供が逆にその加圧力から危険にさらされることが知られていて、特開H11−165608号公報(特許文献1)などにあっては、エアバッグ袋の膨張速度を制御するため、図6(c)の50、51で示す2種のインフレータの時間差点火などで膨張時のピーク圧力Pを弱めて、圧力保持時間tを瞬時的ではあるが僅かに持続させるものが提案されている。
また、特開2002−225673号公報(特許文献2)では、油圧ショベルのキャビン内にエアバッグを設けて、特許文献1のものと同様にインフレータの通電を連続してガスを発生可能に設けるか、或いは瞬時凝結のスプレーを室内に吹付けてガラスを樹脂材などで覆う方法などが提案されている。
すなわち上記従来の技術においては、衝突によってエアバッグ袋を瞬時に膨張させて、その瞬間の間の短い時間内での膨張圧力や膨張時間を制御させるものであった。
【特許文献1】特開H11−165608号公報
【特許文献2】特開2002−225673号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のエアバッグ装置の構成においては、衝突という瞬時の出来事に対処することを主たる目的とする構成のものであり、比較的長い時間緩和作用を維持せねばならない用途にあっては問題点を有するものであった。
すなわち、例えば建設機械などの重機にあっては、従来から機体の転倒事故が重大な問題となっていて、機体の横転は自動車事故などに見られる衝突などの瞬時動作とは異なり、ゆっくりとした速度で倒れて、しかも倒れっぱなしの状態で維持されてしまうことから、従来のエアバッグ装置で作業者を守るには問題があると言われていた。
というのは、機体の傾斜を検出して瞬時にエアバッグ袋を膨らまさないと、作業者は機体の傾く方向に重力を受けて側面に押し倒される一方、機体の傾斜を検出して瞬時にエアバッグ袋を膨らませていては、機体の傾斜中にエアバッグ袋の空気圧のピークが過ぎてしまい、その後に襲う肝心な横転衝突の際に必要とされるインフレータの膨張圧は、既に燃え尽きて殆ど圧力を増加できない保持状態となっている。
したがって、圧力を増加できない保持状態で、作業者の体重が常に倒れかかり続ける中で、その後の横転衝撃を迎えることになり、エアバッグ装置で作業者を守るには問題がある。
すなわち、横転衝撃後もリバウンド衝撃や転がり衝撃、或いはズレ落ちる際の衝撃などを作業者の体重が加わり続ける姿勢状態にあって、比較的長い時間、局部的な圧力にも耐え、エアバッグ圧を低下させることなく維持し続けなければならない一方、過剰な空気圧によるエアバッグ装置では高齢作業者には負担が大きく、しかもエアバッグ袋の表面はパンパンに張っていて、シートベルトなどで支えられていない横転中の体は、エアバッグ圧で退けられてしまうという問題がある。
また適度な圧力を持続させる例えば、従来例で示す特開H11−165608号公報(特許文献1)や特開2002−225673号公報(特許文献2)などに開示される複数の燃焼装置で膨張速度を制御する方式のものにあっても、膨張圧を長時間保持するためには、幾つものインフレータを多数用意して、それらを連続で時間差点火などをおこなう必要があり、ピーク圧力Pを長い時間にわたって安定して維持し続けて、上述のような転倒衝撃を回避するには問題であった。
なお、特開2002−225673号公報(特許文献2)で示される瞬結スプレーにあっては、倒れかけ始めた状態で壁面へ向けて動作させては、体重を支えようと踏ん張る腕などを瞬結で固めてしまい骨折などの危険を伴うものであり、逆に瞬結速度の遅いもの或いはスプレー動作が遅れては、既に身体が壁面に寄りかかった傾斜状態となっているため保護効果がないという動作のタイミングの問題や瞬時にガラス全面へ付着させる吹付け方法など種々使用上の制約があった。
【0004】
そこで、土木建設機械或いは農業機械など動き回り作業をおこない転倒の危険を伴う車両にあっては、過剰な空気圧に頼ることなく、体重が常に倒れかかる状態にあっても横転衝撃を吸収して、しかも長い時間支え切る耐圧持続要素を兼ね備えて、キャビン(運転室)内の作業者を転倒事故から守るエアバッグが望まれるものであった。
本発明は、過剰な空気圧に依存することなく衝撃を緩和すると共に、横転状態にあっても長時間作業者を支え続けるエアバッグ式の保護装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ式保護装置は、上記従来例の問題点を解決するため、インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋を膨張させるエアバッグ装置において、エアバッグ装置の動作時に空気ガスと共にエアバッグ袋内へ衝撃を緩和するための軟質弾性材を混入させたものであることを特徴とする。
また、混入する軟質弾性材が多数の軟質弾性材片から成り、その軟質弾性材片がスポンジ片であることが好適である。
さらに、インフレータが生じる空気圧流の流れる空気路内で圧縮された軟質弾性材がエアバッグ袋内へ混入するものであれば簡単な構成で緩和材の混入を安価に実現することができる。
一方、混入する軟質弾性材が、インフレータが生じる空気圧流が流れる空気路内に結合する補給装置内で圧縮保持されるものであれば、比較的大きなエアバッグ袋内へも大量の軟質弾性材を混入することができる。
そして、建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられるキャビン内で作業をおこなう作業者を転倒衝撃から保護するものであれば、転倒状態にあってもクッション機能を失わず保護作用を大幅に改善維持することができる。
【0006】
(作用)
本発明は上記構成によって、次のような作用を営むことができる。すなわち、インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋を膨張させるエアバッグ装置において、エアバッグ装置の動作時に空気ガスと共にエアバッグ袋内へ衝撃を緩和するための軟質弾性材を混入させることで、エアバッグの袋内にはガス(空気)と軟質弾性材とが共存することになる。
このエアバッグ袋内に入れられた軟質弾性材は、例えばエアバッグ袋が外圧を受けて空気圧が減少してきた際に、エアバッグ袋が人体の凸部による局部的な過圧を受けても過圧点で完全にペチヤンコになり人体の凸部が直接壁などと激突することを防止することができる。また逆にエアバッグ袋内に入れられた軟質弾性材は、凹凸など多少の突起物などが存在する壁にあっても、上記同様に突起物が局部的な過圧の対象となり、そこが完全にペチヤンコになり人体が直接突起物と激突することを防止することができる。
すなわち、高齢者などにとって負担の大きな過剰な空気圧に依存することなく、少ない空気圧であっても、人体と側壁などの間に存在する軟質弾性材によりクッション作用を維持し続けると共に、このクッション作用がエアバッグ袋に印加する過剰加圧を支持して、空気圧と軟質弾性材とで長時間支えるクッションとしての役割を果たすことができる。
【0007】
また、混入する軟質弾性材が多数の軟質弾性材片から成り、その軟質弾性材片がスポンジ片であれば、多数のスポンジの軟質弾性材片は空気流でエアバッグ袋内に混入容易であり、しかもスポンジ材の材質も硬質のものから軟質のものまで種類豊富である。そしてスポンジであれば、インフレータの空気圧を受けて高速でエアバッグ袋内へ吹き出されても軟質弾性体であるが故、人体に衝突しても安全である。
【0008】
さらに、インフレータが生じる空気圧流の流れる空気路内で圧縮された軟質弾性材がエアバッグ袋内へ混入するものであれば、インフレータが生じる空気圧流の圧力で、極めて容易に空気路内の軟質弾性材をエアバッグ袋内へ混入することができ、簡単な構成で安価に混入手段を実現することができる。
【0009】
一方、混入する軟質弾性材が、インフレータが生じる空気圧流が流れる空気路内に結合する補給装置内で圧縮保持されるものであれば、軟質弾性体であるが故、小さな補給装置であっても圧縮して大量格納しておくことが可能であり、しかも吹き出された軟質弾性体は、エアバッグ袋内で大きく膨張することから比較的大きなエアバッグ袋内へも大量の軟質弾性材を混入することができる。
【0010】
そして、建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられるキャビン内で作業をおこなう作業者を転倒衝撃から保護するものであれば、仮に機体が傾き始めて、空気だけが入ったエアバッグ袋に作業者の体重が印加し続けた場合を考えると、袋内の空気は体重の圧力を吸収する一方、インフレータが燃え尽きた状態にあっては、その圧力はもはや増加することなく維持して支え続けねばならないことになる。この状態にあって横転衝撃に伴う動荷重を受けると、内部の空気圧は過剰過圧されてしまう。この状態が長く続くか又は繰り返されることで、エアバッグ袋内の圧力は減少の一途をたどり、いずれは衝撃を吸収できず、クッションとしての役割を失うことになってしまう。
しかしながら、袋内にガス(空気)と軟質弾性材とが共存する上記構成にあっては、エアバッグ袋内に入れられた軟質弾性材は、エアバッグ袋が局部的な過圧点で完全にペチヤンコになり作業者が側壁などと激突することを防止する作用を営み、空気が横転衝撃などの動荷重で過圧されると軟質弾性材で作業者を支えることとなる。この支えにより、すなわち作業者と側壁などの物との間に存在する軟質弾性材によりクッション作用を維持し続けると共に、発生する隙間に、エアバッグ袋の空気圧が回り込むことで、エアバッグ袋の過剰加圧を防ぐと共に、回り込む空気圧と軟質弾性材とで作業者の静荷重を長時間支えてクッションとしての役割を果たすことができる。
この点が空気だけのエアバッグ袋と比較して大きく異なる点で、軟質弾性材を入れた袋にあっては、局部圧で空気圧が逃げることなく衝撃から保護するに加えて、更に人に優しく人体を長時間支える保護要素を兼ね備えることができる。
【0011】
以上のように、過剰な空気圧に依存することなく衝撃を緩和すると共に、横転状態にあっても長時間作業者を支え続ける効果を奏する。
【0012】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図5は本発明の実施例を示すものである。図1は本発明のエアバッグ式保護装置1の原理を示すもので、傾斜センサ8と、発火装置7、ガス発生剤6を有するインフレータ5と、軟質弾性材3が入れられた空気路4と、エアバッグ袋2とを備えている。
ここで図1(a)の8で示す傾斜センサは、作業機の機体の傾きを検出するもので、これ以上傾けば転倒すると判断される傾斜角を捕らえて転倒判断がおこなわれて発火装置7のヒータを点火している。
これが火種となりインフレータ5内のエンハンサ(伝化薬)に着火して、ガス発生剤6(アジ化ソーダ、二流化モリブデンなどの化合物)を燃焼させて、瞬時に大量の窒素ガスを発生させている。
そこで、このインフレータ5が生じる空気圧流により、空気ガスはインフレータ5とエアバック袋2とをつなぐ空気路4へ流れだすことになるが、この空気路4内には衝撃を緩和するための軟質弾性材3が圧縮されて入れられていて、軟質弾性材3は、図1(b)のZ1で示す方向に押し出される。この空気圧流と軟質弾性材は共に、図面の都合上省略したが、折り畳まれたエアバッグ袋2を押さえる押さえパッドの切欠部を破って、エアバッグ袋2内に流入し、エアバッグ袋2の容積を急激に膨張させるものである。
したがって、この状態でエアバッグ袋2内は、空気ガスと膨張した軟質弾性材3とが混在することになる。
【0013】
なお、ここで混入される軟質弾性材3は、硬質系の材料からなる多数の軟質弾性材片で構成されている。同図(a)、(b)において、3bは軟質弾性材3が圧縮されている状態を示すものであり、3cは軟質弾性材3が膨張している状態を示すものである。また、図1(a)、(b)の13で示すネットは、空気路4の入口に設けられ、軟質弾性材3がインフレータ内に逆流するのを防止している。
一方、図2(a)の3で示す軟質弾性材としては、スポンジ片3aを示すもので、図の12で示すカバーはスポンジ3を圧縮して空気路内に押し止めておくためのカバーであり、同図(b)の12で示すカバーは、インフレータの生じる空気圧で破れて、軟質弾性材3をエアバッグ袋2内に混入させている。ここで、エアバッグ袋2内に混入されたスポンジ片3aは圧縮から解放されて膨張してその体積を大きく増すものである。
ここで、図1(b)、図2(b)の点線はエアバッグ袋2の膨張の様子を示すものである。また、図2の構成で、図1のそれと共通している部分に関しては、共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略した。
【0014】
このように、インフレータ5が生じる空気圧流が流れる空気路4内に配設された軟質弾性材3がエアバッグ袋2内へ混入するものであれば、軟質弾性材3をエアバッグ袋2内に混入する装置を簡単な構成で実現することができる。
【0015】
次に、図3を参照しながら軟質弾性材3の補給方法について詳細な説明をおこなう。なお、図3の構成で図1のそれと共通している部分に関しては、共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
【0016】
混入する軟質弾性材3が空気路4内に分岐路を備えて結合された図3の11で示す補給装置から補給されるものであれば、比較的大きなエアバッグ袋2内へも大量の軟質弾性材3を混入することができる。
図3(a)に示す補給装置11は、可動部材11aがバネ11cを収縮させた状態でロック11bで止められていて、可動部材11aの上側には軟質弾性材3,3aが図の11dで示すカバーで栓され圧縮されて詰められている。
ここで、傾斜センサ8で転倒判断がおこなわれると、図3(b)のZ1で示すインフレータ5からの空気流が生じる一方、同様に転倒判断で図の11bで示すロックが外れてバネ11c圧で可動部材11aを図のZ2方向へ押上げられる。
この押上げ動作でカバー11dが破れて、補給装置11内に詰められている軟質弾性材3が圧縮された状態をとどめつつも一気に図のZ3で示す空気路4の方向へ押し出されて、大量の軟質弾性材3が上述インフレータ5からの空気流に乗って図のZ4で示すエアバッグ袋2内に運ばれる。ここで、エアバッグ袋2内に混入された軟質弾性材3は外圧から解き放されて袋内で大きく膨張することになる。
【0017】
次に、本発明の動作概念を図4を参照して説明する。
図4に示す概念図は上記実施例のエアバッグ式保護装置1の原理を図4(a)の20で示すキャビンへ適応したものである。
キャビン20内部の上部側面に配されたエアバッグ式保護装置1は、図4(b)のR1で示す傾きを検出すると、まずインフレータの空気流で、図面の都合上省略したが、蓋体を開けて、空気ガスと軟質弾性材3とをエアバッグ袋2内へ混入する。したがってエアバックは、キャビン20内の作業者が転倒方向へ倒れかかるのを保護するためにキャビン20の内側で側面方向へ向けて膨張するものである。この傾斜状態でエアバッグ袋2には作業者の体重が印加し続けることになる。
次に、機体が転倒してキャビン20が図4(c)の22で示す地面へ衝突する際、衝突の衝撃で、まずエアバッグ袋2内の空気ガスで衝撃を吸収しつつも、エアバッグ袋2には、図のRで示す方向へ体重が倒れかかっている作業者の動荷重を受けることになる。ここでエアバッグ袋2内の軟質弾性材3が作業者とキャビン20側壁との間に挿入されるため、衝撃による局部的な過圧が発生しても軟質弾性材3の収縮圧で支えられつつ、エアバッグ袋2内の空気ガスはその他の空間隙間へ分散し、軟質弾性材3と空気ガスの両者で作業者を支える作用を営むことになる。
【0018】
一方、図5に示す油圧ショベル23は、高所作業をおこなっていて従来技術にあっては仮に転倒事故を起こした際は、ゆっくりと傾きながら高所から転落することになり、過大なエアバック圧なしにキャビン20内の作業者28を保護することは難しかったが、上述図4に示す動作により、作業者28を保護する用途例を示すものである。
なお、図5の構成は図4のそれと共通しているので、図5(a)〜図5(c)においては、共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
図5(a)に示す23は高所で作業をおこなう油圧ショベルである。作業者28はキャビン20内で機体の操作をおこなっている。そして図5(b)に示すエアバッグ式保護装置1は、傾きを検出して、インフレータの空気流で膨張したエアバッグ袋2内に、空気ガスと軟質弾性材3とが混入したものである。
そして図6(c)に示す23は転倒した際の油圧ショベルを示すもので、まず機体の転倒姿勢により、作業者28もエアバック袋2に倒れかかっている。続いてキャビン20に加わる強烈な衝突による衝撃が、エアバッグ袋2内の空気圧がクッションとなり一旦吸収されつつも、横転衝撃をもろに受けるエアバッグ袋2内の空気は、瞬時的な作業車28の動荷重を受けて過圧圧縮される。そこで、エアバッグ袋2がペチャンコになってくると、軟質弾性材3が作用し始めて、油圧ショベル23の横転動作による作業者の動荷重を支えると共に、軟質弾性材3で作られる空間にエアバッグ袋2内の空気圧が広がり込んで、軟質弾性材3を補助するように大きな面で作業者28を長時間支え続けるものである。
【0019】
以上のように、本発明のエアバッグ式衝撃緩和装置は、例えば土木建設機械或いは農業機械など動き回り作業をおこない転倒の危険を伴う車両にあって、過剰な空気圧に頼ることなく、体重が常に倒れかかる状態にあっても横転衝撃を吸収して、しかも長い時間支え切る耐圧持続要素を兼ね備えて、キャビン(運転室)内の作業者を転倒事故から守るという効果を奏するものである。
【0020】
なお、上記実施例においては、軟質弾性材3を硬質のスポンジ片3aとしたが、材質の硬さは柔らかなものであればスポンジのみに限定するものではなく、例えば綿であってもよいし、羽毛であってもよい。更に図5では本発明を油圧ショベル23のキャビン20内に適用させた例を示したが、油圧ショベルに限定するものではなく、トラクタやトラック、ダンプ、ラッセル車などの作業車、或いは公衆の乗用車や乗合バスなどに適用させてもかまわない。また、図4、図5においてエアバッグ袋2は、説明の都合上、内部の軟質弾性材3の状態が分かるよう描いたものである。すなわち、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、過剰な空気圧に依存することなく衝撃を緩和すると共に、横転状態にあっても長時間作業者を支え続けるエアバッグ式の保護装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すものであって(a)、(b)は原理図。
【図2】他の実施例であって、(a)、(b)は各々原理図を示す。
【図3】その補給装置であって、(a)、(b)は各々原理図を示す。
【図4】その動作を示すものであって、(a)、(b)、(c)は各々概念図。
【図5】その用途例を示す(a)〜(c)は各々斜視図。
【図6】従来例を示すものであって、(a)、(b)は原理図、(c)はグラフ。
【符号の説明】
1 エアバッグ式保護装置
2 エアバッグ袋
3 軟質弾性材
3a 硬質スポンジ片
4 空気路
11 補給装置
11a 可動部材
11b ロック
11c バネ
11d カバー
13 ネット
14 エアバッグ装置
20 キャビン
28 作業者

Claims (5)

  1. インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋を膨張させるエアバッグ装置において、
    エアバッグ装置の動作時に空気ガスと共にエアバッグ袋内へ衝撃を緩和するための軟質弾性材を混入させたものであることを特徴とするエアバッグ式保護装置。
  2. 混入する軟質弾性材が多数の軟質弾性材片から成り、その軟質弾性材片がスポンジ片である請求項1記載のエアバッグ式保護装置。
  3. インフレータが生じる空気圧流の流れる空気路内で圧縮された軟質弾性材がエアバッグ袋内へ混入する請求項1、又は2記載のエアバッグ式保護装置。
  4. 混入する軟質弾性材が、インフレータが生じる空気圧流が流れる空気路内に結合する補給装置内で圧縮保持されて成る請求項1、又は2、又は3記載のエアバッグ式保護装置。
  5. 建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられるキャビン内で作業をおこなう作業者を転倒衝撃から保護する請求項1、又は2、又は3、又は4記載のエアバッグ式保護装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016180220A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 住友建機株式会社 建設機械

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