JP2004178877A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】多種多様の最大電力の燃料電池システムを製造する場合でも、量産効果が充分発揮できる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池(12、22)、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部(14a、14b、24a、24b)、前記給電部の出力電力を制御する電力制御部(16、26)を有する複数の燃料電池ユニット(10、20)と、複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続する並列接続結線部30と、複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整する協調運転制御部18とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池(12、22)、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部(14a、14b、24a、24b)、前記給電部の出力電力を制御する電力制御部(16、26)を有する複数の燃料電池ユニット(10、20)と、複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続する並列接続結線部30と、複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整する協調運転制御部18とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定電力の発電を行う燃料電池を複数台組合せて需要家の必要とする電力を供給する燃料電池システムに関し、特に燃料電池の出力電力を標準化しながら多種多様な需要家の必要とする電力を適格に供給する燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムは、水素と酸素との反応により発電するもので、例えばリン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子電解質型の燃料電池ユニットが用いられている。燃料電池ユニットでは、燃料電池から出力される電圧、電流をスイッチング素子により制御するDC/DCコンバータや、商用の交流周波数の電力を生成するDC/ACインバータを備えている。このような燃料電池システムでは、需要家の必要とする電力に応じた最大電力を定め、通常の運転時においては燃料電池ユニットの出力電力を低下させて対処している。
【0003】
即ち、例えば家庭用燃料電池コジェネレーションシステムでは、家庭の熱電需要を予測して、出力電力として1kWや500W等の最大電力を決定している。従って、最大電力以下の電力需要に対しては燃料電池システムの出力を絞ることで対応できるが、最大電力以上の出力要求があっても燃料電池システムとしては対処できない。最大電力は、小型家庭用、集合住宅用、小型店舗向け、大型店舗向け、非常用電源設備のように用途によって大きく相違するため、各用途別に燃料電池システムの最大電力を定めるものとすると、多種多様の最大電力の燃料電池システムを設計・開発することになる。
【0004】
【特許文献1】
特表平09−503619号公報 図3
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多種多様の最大電力の燃料電池ユニットを製造するのでは、量産効果が充分発揮できないという課題がある。即ち、燃料電池ユニットは、燃料電池本体、改質器、DC/DCコンバータ、DC/ACインバータ、各種補機類(エアブロア、ポンプ、センサ)等の多くの部品で構成されている。これらの部品は燃料電池ユニットの最大電力によって相違する型式であるため、顧客仕様別に燃料電池ユニットを設計したのでは、非常にコスト高になるという課題がある。
【0006】
本発明は上述する課題を解決するもので、多種多様の最大電力の燃料電池システムを製造する場合でも、量産効果が充分発揮できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、例えば図1に示すように、水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池(12、22)、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部(14a、14b、24a、24b)、前記給電部の出力電力を制御する電力制御部(16、26)を有する複数の燃料電池ユニット(10、20)と、複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続する並列接続結線部30と、複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整する協調運転制御部18とを備えている。
【0008】
このように構成された燃料電池システムにおいては、需要側の必要電力に応じたユニット数の、複数の燃料電池ユニットが設けられている。各燃料電池ユニットは、それぞれ燃料電池、給電部、電力制御部を有している。並列接続結線部30は、複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続するものである。協調運転制御部は、複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整するもので、需要側の負荷変動に応じて、各燃料電池ユニットの稼動状態を調整して、燃料電池システム全体として最適化を行っている。これにより、燃料電池ユニットの出力電力を標準化しても、燃料電池システムを構成する燃料電池ユニット数を需要側の必要電力に応じて揃えれば良いので、製造者は燃料電池ユニットの標準化による製造コストメリットを享受でき、需要家は燃料電池システムを構成する燃料電池ユニット数を調整することで負荷電力に応じた給電を受けることが可能となり、遊休発電能力の発生する可能性が少なくて済む。
【0009】
ここで、給電部(14a、14b、24a、24b)としては、燃料電池部12から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ(14a、24a)を有する第1の形式と、燃料電池部12から出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換するDC/ACインバータ(14b、24b)を有する第2の形式と、燃料電池部12から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ(14a、24a)と、DC/DCコンバータ(14a、24a)から出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換するDC/ACインバータ(14b、24b)を有する第3の形式がある。
【0010】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、協調運転制御部は、前記複数の燃料電池ユニットのうち、一台の電力制御部をマスター制御部とし、その余の電力制御部をスレーブ制御部とするとよい。マスター/スレーブ制御部とすることで、制御機能がマスター制御部に集中されるので、各燃料電池ユニットに同一機能の電力制御部を分散配置する場合に比較して、制御論理が簡単になる。
【0011】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、例えば図2に示すように、協調運転制御部は、前記複数の燃料電池ユニットの運転時間を平準化する運転平準化制御部181を有するとよい。燃料電池ユニットでは、故障までの運転寿命が定常運転状態での累積運転時間により定まり、例えば累積運転時間が長いほど累積故障率が増大する。そこで、燃料電池システム全体の運転寿命は、一部の燃料電池ユニットの故障により影響を受けるので、運転時間を平準化することで燃料電池システム全体の運転寿命が長くなる。
【0012】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、例えば図2に示すように、協調運転制御部18は、複数の燃料電池ユニット(10、20)のうち、負荷電力を供給するのに必要な最小台数を演算する最小台数演算部182と、最小台数演算部182で演算された前記複数の燃料電池ユニットの最小台数に基づいて、稼動する燃料電池ユニットを定める台数制御部184とを備える。このように構成すると、最小台数演算部182によって負荷電力に応じた最小台数の燃料電池ユニットで発電するので、燃料電池ユニットの発電効率が高まる。台数制御部184によって具体的にバックアップ運転する燃料電池ユニットを定めるが、この選定の際に運転平準化制御部181を用いて燃料電池ユニットの累積運転時間を平準化するように選定するとよい。
【0013】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、例えば図2に示すように、協調運転制御部18は、さらに稼動中の燃料電池ユニットに関して故障を検知したときは、当該燃料電池ユニットの運転を休止させる故障ユニット管理部186と、故障ユニット管理部186で休止された燃料電池ユニットを代替する燃料電池ユニットを、非稼動状態の燃料電池ユニットの中から選定する代替ユニット管理部188とを備える。このように構成すると、稼動中の燃料電池ユニットに関して故障を検知したときは、バックアップ発電する燃料電池ユニットの選定が円滑に行なえる。
【0014】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、例えば図6、図7に示すように、複数の燃料電池ユニットは、原燃料を改質処理して水素リッチな改質ガスを供給する改質器であって、少なくとも一台の前記改質器から前記水素の供給を受ける構成とするとよい。ここで、改質器は、一台の改質器により複数の燃料電池ユニットに改質ガスを供給する構成としても良く、また燃料電池ユニットに対して一対一に設けられていてもよい。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムにおいて、図8に示すように、水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池(12、22)、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力を供給するDC/DCコンバータ(14a、24a)、前記DC/DCコンバータの出力電力を制御するDC/DCコンバータ制御部(16、26)を有する複数の燃料電池ユニット(10、20)と、複数の燃料電池ユニットのDC/DCコンバータ出力電力を並列入力して、交流電力を生成するDC/ACインバータ34と、複数の燃料電池ユニットのDC/DCコンバータ出力電力分担を調整する協調運転制御部18とを具備する。
【0016】
このように構成された燃料電池システムにおいては、DC/ACインバータを各燃料電池ユニットに対して統合して設けているので、各燃料電池ユニットに対して分散配置する場合に比較して、インバータの効率が向上すると共に、設置スペースや部品コストも有利となる。好ましくは、本発明の燃料電池ユニットにおいて、DC/ACインバータは系統連系インバータとするとよい。系統連系インバータとすると、負荷が系統電力ケーブルから給電を受けている場合に、既設給電設備と燃料電池システムの電力ラインとの整合を取りやすくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号または類似記号を付し、重複した説明は省略する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図である。図において、燃料電池システムはメイン電力制御部を有する一台の燃料電池ユニット10と、スレーブ電力制御部を有する一台又は複数台の燃料電池ユニット20を有している。燃料電池ユニット10は、燃料電池部(FC: Fuel Cell)12、DC/DCコンバータ14a、DC/ACインバータ14b、メイン電力制御部16、協調運転制御部18を備えている。燃料電池ユニット20は、燃料電池部22、DC/DCコンバータ24a、DC/ACインバータ24b、スレーブ電力制御部26を備えている。
【0018】
燃料電池部12は水素と酸素との反応により発電するもので、例えば固体高分子電解質型の燃料電池が用いられる。燃料電池部12は、±極を有する単セルを直列に数十組接続して構成されており、単位セルの発電電圧は例えば0.6〜0.8V程度になっている。
【0019】
給電部14は、DC/DCコンバータ14aとDC/ACインバータ14bの各1ユニットで構成されているが、給電する容量に応じて増設してもよい。DC/DCコンバータ14aは、燃料電池部12から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧・安定化するもので、例えば24V等の一定電圧に出力電圧を安定化する。DC/ACインバータ14bは、DC/DCコンバータ14aで安定化した直流電圧や、燃料電池部12から出力される直流電圧を交流電圧に変換するもので、出力電圧が例えば商用電源と同一の100V、220Vで周波数50、60Hz等に制御されている。ユニット内配線ケーブル13は、燃料電池部12から出力される直流電圧をDC/DCコンバータ14aやDC/ACインバータ14bに供給する導線である。
【0020】
メイン電力制御部16は、スレーブ電力制御部26に対する出力指示信号を供給する協調運転制御部18を備えると共に、スレーブ電力制御部26と同様に燃料電池部12の稼動状態監視やDC/DCコンバータ14aやDC/ACインバータ14bの運転状態監視を行なっている。協調運転制御部18は、図2に説明するように、運転平準化制御部181、最小台数演算部182、台数制御部184、故障ユニット管理部186、代替ユニット管理部188を備えている。
【0021】
運転平準化制御部181は、複数の燃料電池ユニットの運転時間を平準化することで、個別燃料電池ユニットが故障する蓋然性を均等にして、システム全体としての寿命期待値を最長化している。最小台数演算部182は、負荷に供給する電力に応じて、複数の燃料電池ユニット10、20のうち、負荷電力を供給するのに必要な最小台数を演算する。台数制御部184は、最小台数演算部182で演算された燃料電池ユニットの最小運転台数に基づいて、稼動する燃料電池ユニットを定める。故障ユニット管理部186は、稼動中の燃料電池ユニットに関して故障を検知したときは、当該燃料電池ユニットの運転を休止させる。代替ユニット管理部188は、故障ユニット管理部186で休止された燃料電池ユニットを代替する燃料電池ユニットを、非稼動状態の燃料電池ユニットの中から選定する。
【0022】
燃料電池ユニット20の燃料電池部22、DC/DCコンバータ24a、DC/ACインバータ24bに関しては、それぞれ燃料電池部12、DC/DCコンバータ14a、DC/ACインバータ14bの説明を援用する。スレーブ電力制御部26は、メイン電力制御部16からの出力指示信号に従って燃料電池部22の稼動状態監視、DC/DCコンバータ24a、DC/ACインバータ24bの運転状態監視を行なっている。ユニット内配線ケーブル23は、燃料電池部22から出力される直流電圧をDC/DCコンバータ24aやDC/ACインバータ24bに供給する導線である。
【0023】
並列接続結線部としての電力供給ケーブル30は、燃料電池ユニット10、20から出力される直流電力又は交流電力と負荷50とを接続する導線である。制御信号ケーブル40は、メイン電力制御部16とスレーブ電力制御部26とを接続する導線で、ここでは燃料電池ユニット10と傘下の燃料電池ユニット20とを一対一に接続している。そこで、制御信号ケーブル40の本数は、傘下の燃料電池ユニット20の台数に一致する。メイン電力制御部16とスレーブ電力制御部26との間の通信プロトコルは、例えば双方向ディジタル通信のような機器制御に汎用的に用いられている通信プロトコルを利用するとよい。制御信号ケーブル40には、メイン電力制御部16とスレーブ電力制御部26との間で授受される制御信号が流れる。
【0024】
負荷50は電力を駆動源とする電子機器で、例えば家庭用であれば商用電源を電力とするテレビ、エアコン、冷蔵庫、蛍光灯のような機器が該当する。負荷50として給湯器が用いられる場合には、燃料電池部12、22にて発電に付随して発生する熱を用いて、給湯水の加熱を行なうように構成すると、熱効率が高まる。負荷電力測定部52は、負荷50で消費される電力量を計測するもので、例えば汎用的な電力計を用いる。
【0025】
このように構成された装置においては、協調運転制御部18によって、負荷50の必要とする電力に応じて、燃料電池部12、22で発生させる電力量を定める。燃料電池部は、定格出力の100%近辺で運転すると発電効率が高いので、全ての燃料電池部12、22で定格出力により電力を供給すると負荷50の必要とする電力に余剰分が発生する場合には、協調運転制御部18によって、一部の燃料電池部を稼動状態とし、残余の燃料電池部を非稼動状態とするとよい。協調運転制御部18は、発電効率が最適になるように、各燃料電池部12、22の発電量を指示する構成としても良い。
【0026】
個別の燃料電池部12、22には水素と酸素が供給されて、発電を行う。水素と酸素は、例えばメタンガスやガソリンのような炭化水素系燃料を改質器(図示せず)に供給して生成する。また、酸素としては大気中の酸素も利用される。燃料電池部12、22で発電された電気は、ユニット内配線ケーブル13、23を経由してDC/DCコンバータ14a、24aやDC/ACインバータ14b、24bに供給される。DC/DCコンバータ14a、24aからは、安定化された出力電圧の直流電力が供給される。DC/ACインバータ14b、24bからは、安定化された出力電圧の交流電力が供給される。燃料電池部12、22で発生された電力は、電力供給ケーブル30を介して負荷50に供給される。
【0027】
図3は、負荷の需要電力に応じて、協調運転制御部の台数制御により、複数の燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼が稼動する状態の説明図である。なお、ここでは説明の便宜上、供給電力として稼動状態の燃料電池ユニットの定格出力の総和を示しているが、現実には定格出力ではなく負荷電力に応じた発電がなされている。まず負荷需要が発生すると、負荷電力測定部52で測定した負荷電力が最小台数演算部182に送られる。最小台数演算部182の演算した台数が、台数制御部184に送られる。台数制御部184により燃料電池ユニット▲1▼が1台目として稼動する(時刻t1)。さらに負荷需要が増大すると、最小台数演算部182により2台目の稼動が必要と判断され、台数制御部184により燃料電池ユニット▲2▼が2台目として稼動する(時刻t2)。さらに負荷需要が増大すると、最小台数演算部182により3台目の稼動が必要と判断され、台数制御部184により燃料電池ユニット▲3▼が3台目として稼動する(時刻t3)。その後負荷需要が減少すると、最小台数演算部182により3台目の稼動を停止させるべきと判断され、運転平準化制御部181によって最初に稼動を開始した燃料電池ユニット▲1▼の発電が停止される(時刻t4)。さらに負荷需要が減少すると、最小台数演算部182により2台目の稼動を停止させるべきと判断され、運転平準化制御部181によって2番目に稼動を開始した燃料電池ユニット▲2▼の発電が停止される(時刻t5)。負荷需要がなくなると、台数制御部184により一台だけ稼動していた燃料電池ユニット▲3▼の発電が停止される(時刻t6)。
【0028】
負荷需要が2台の燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼の運転で充分なときは、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼の稼動と停止の運転管理がなされる(時刻t7〜t10)。その後、負荷需要が3台の燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼の運転が必要な状態まで増大すると、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲3▼→▲1▼→▲2▼の順で稼動と停止の運転管理がなされる(時刻t11〜t16)。
【0029】
図4は稼動中の燃料電池ユニットに故障が発生した場合のバックアップ運転の説明図である。ここで、負荷電力が燃料電池システムの定格出力に相当している場合に、燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼が常用機、燃料電池ユニット▲4▼が予備機として運用される場合を示している。負荷需要の増大に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼の稼動開始の運転管理がなされる(時刻t21〜t23)。燃料電池ユニット▲3▼に故障が発生すると、故障ユニット管理部186が故障発生を検知して、代替ユニット管理部188により非稼動状態の燃料電池ユニット▲4▼によるバックアップ運転が開始される(時刻t24)。その後、負荷需要の減少に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲4▼の稼動停止の運転管理がなされる(時刻t25〜t27)。燃料電池ユニット▲3▼が故障状態から復旧すると、故障ユニット管理部186は正常状態への復帰を検知する(時刻t28)。
【0030】
次に、負荷需要が増大する途中で燃料電池ユニットに故障が発生する場合について説明する。負荷需要の増大に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼の稼動開始の運転管理がなされる(時刻t29、t30)。燃料電池ユニット▲2▼に故障が発生すると、故障ユニット管理部186が故障発生を検知して、代替ユニット管理部188により非稼動状態の燃料電池ユニット▲3▼によるバックアップ運転が開始される(時刻t31)。その後負荷需要がさらに増大したので、最小台数演算部182により3台目の稼動開始が指示されると、燃料電池ユニット▲4▼が稼動開始する(時刻t32)。その後、負荷需要の減少に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲3▼、▲4▼の稼動停止の運転管理がなされる(時刻t33〜t35)。燃料電池ユニット▲2▼が故障状態から復旧すると、故障ユニット管理部186は正常状態への復帰を検知する(時刻t36)。
【0031】
続いて、負荷需要が増大する状態で燃料電池ユニットに故障が発生する場合に、稼動中の燃料電池ユニットとバックアップ運転の燃料電池ユニットの運転時間管理をする場合の、相互の関係について説明する。負荷需要の増大に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼の稼動開始の運転管理がなされる(時刻t37〜t39)。燃料電池ユニット▲2▼に故障が発生すると、故障ユニット管理部186が故障発生を検知して、代替ユニット管理部188により非稼動状態の燃料電池ユニット▲4▼によるバックアップ運転が開始される(時刻t40)。このとき、運転平準化制御部181が燃料電池ユニット▲3▼、▲4▼の累積稼動時間を管理しており、燃料電池ユニット▲3▼の累積稼動時間は燃料電池ユニット▲4▼よりも長かった。そこで、運転平準化制御部181は故障した燃料電池ユニット▲2▼に対するバックアップ運転は燃料電池ユニット▲3▼によるものと見なし、負荷需要の増大に応じて3台目として稼動した燃料電池ユニット▲3▼は、燃料電池ユニット▲2▼の故障発生により燃料電池ユニット▲4▼に引継がれたと見なす。その後、負荷需要の減少に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲3▼、▲4▼の稼動停止の運転管理がなされる(時刻t41〜t43)。燃料電池ユニット▲2▼が故障状態から復旧すると、故障ユニット管理部186は正常状態への復帰を検知する(時刻t44)。
【0032】
図5は本発明の第2の実施の形態を説明する構成ブロック図である。第1の実施の形態では、制御信号ケーブル40によって、燃料電池ユニット10と傘下の燃料電池ユニット20とを一対一に接続している。しかし、制御信号ケーブル40の接続は、燃料電池ユニット20の台数が増加すると負担になる。第2の実施の形態では、制御信号ケーブル40に代えて通信線42を用いている。通信線42は、単一の通信回線を形成するもので、例えば燃料電池ユニット10と隣接する燃料電池ユニット20を接続する通信線と、燃料電池ユニット20相互間をリレー方式で接続する通信線で構成されている。通信線42には、例えば公知のデイジーチェイン接続を用いるとよい。
【0033】
このように構成すると、燃料電池ユニット10に管理される燃料電池ユニット20の台数が増加しても、通信線42は既設の燃料電池ユニット20と増設の燃料電池ユニット20相互間を接続すれば良い。そこで、第1の実施の形態のように制御信号ケーブル40を用いて増設の燃料電池ユニット20と燃料電池ユニット10とを接続する場合に比較して、第2の実施の形態では燃料電池ユニット10の通信線42に対する接続コネクタ形状の汎用性が増すと共に、通信線42の接続工事も簡単になる。
【0034】
図6は本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。第1、第2の実施の形態では、水素ガスと酸素(空気)を燃料電池ユニット10と傘下の燃料電池ユニット20に供給する場合を示している。しかし、水素ガスは液化することが困難であり、工業的な取扱いが困難である。そこで、水素ガスを生成する改質器を、燃料電池ユニット20に内蔵させる構成が採用できる。改質器は、供給された灯油、ガソリン、プロパンガスのような炭化水素系原料を、触媒を用いて水素ガスと二酸化炭素に変換するものである。
【0035】
図6において、燃料電池ユニット10には改質器11が内蔵され、燃料電池ユニット20には改質器21が内蔵されている。改質器11、21は、供給された炭化水素系原料から水素ガスを生成して、燃料電池部12、22に供給している。このように構成すると、燃料電池ユニット10、20に対して、水素ガスに比較して取扱いが容易な炭化水素系原料を供給すれば良く、燃料電池システムの利便性が高まる。
【0036】
図7は本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。第1〜第3の実施の形態では、燃料電池ユニット10、20で生成される電力は、電力供給ケーブル30を介して負荷に供給されている。しかし、家庭内や需要家施設内では、商用電源を前提とした既設の系統電力ケーブル32が敷設されている。そこで、第4の実施の形態では、既設の系統電力ケーブル32に対して電力供給ケーブル30を介して電力を供給できる構成とする。ここで、系統とは、火力・原子力・水力の各発電所から送電線・変電所・配電線をへて需要家に至るまでの全ての要素を含むもので、系統運用によって需要家の要求する電力を一定の周波数・電圧で停電することなく経済的に供給する必要がある。
【0037】
図において、燃料電池ユニット10、20にはDC/ACインバータ14b、24bに代えて、系統連系インバータ14c、24cが用いられている。系統連系インバータは、既設の系統電力ケーブル32に供給されている一定の周波数・電圧の交流電力に対して、位相と周波数・電圧を適合させて燃料電池ユニット10、20の電力を供給するものである。
【0038】
このように構成すると、需要家にとって既設系統設備が利用できると共に、燃料電池ユニット10、20での発電が不足するとき系統電力を補充的に利用することができる。
【0039】
図8は本発明の第5の実施の形態を説明する構成ブロック図である。第4の実施の形態では、系統連系インバータ14c、24cは各燃料電池ユニット10、20に分散配置されている。しかし、系統連系インバータから供給される電力は、既設の系統電力ケーブル32に流れる系統電力に対して、整合が取れている必要がある。この場合、系統連系インバータが各燃料電池ユニットに分散配置されていると、各系統連系インバータ間でバラツキが発生して好ましくない場合がある。そこで、第5の実施の形態では、各燃料電池ユニット10、20に分散配置されたDC/DCコンバータ14a、24aの直流電力を一旦電力供給ケーブル30で集めて、統合配置された系統連系インバータ34を用いて系統電力波形に適合するように交流電力を発生して、既設の系統電力ケーブル32に供給している。DC/DCコンバータ14a、24aの直流電力を制御するために、メイン電力制御部16とスレーブ電力制御部26がDC/DCコンバータ制御部として作用する。系統連系インバータ34の電力容量は、分散配置された系統連系インバータ14c、24cの電力容量を積算したものに相当している。
【0040】
なお、上記の実施の形態においては、各燃料電池ユニット10、20の定格出力は同一であっても良く、また異なる定格出力の燃料電池ユニットを組合せても良い。図9は、家庭用の燃料電池ユニットの定格出力の一例を示す図で、(A)は1kW、(B)は5kW、(C)は10kWである。燃料電池ユニットは、定格出力に適合するように、各種形状の燃料電池部、DC/DCコンバータ、DC/ACインバータ等を備えている。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明の燃料電池システムによれば、水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部、前記給電部の出力電力を制御する電力制御部を有する複数の燃料電池ユニットと、複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続する並列接続結線部と、複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整する協調運転制御部とを備えている。そこで、燃料電池システムを構成する燃料電池ユニット数を需要側の必要電力に応じて揃えれば良いので、製造者は燃料電池ユニットの標準化による製造コストメリットを享受できる。また、需要家は燃料電池システムを構成する燃料電池ユニット数を調整することで、負荷電力に応じた給電を受けることが可能となり、遊休発電能力の発生する可能性が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図2】協調運転制御部の詳細を説明する構成ブロック図である。
【図3】負荷の需要電力に応じて、協調運転制御部の台数制御により、複数の燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼が稼動する状態の説明図である。
【図4】稼動中の燃料電池ユニットに故障が発生した場合のバックアップ運転の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態での制御機能を説明する構成ブロック図である。
【図9】家庭用の燃料電池ユニットの定格出力の一例を示す図である。
【符号の説明】
10、20 燃料電池ユニット
12、22 燃料電池部
14 給電部
14a、24a DC/DCコンバータ
14b、24b DC/ACインバータ
14c、24c、34 系統連系インバータ
16 メイン電力制御部
18 協調運転制御部
26 スレーブ電力制御部
30 電力供給ケーブル(並列接続結線部)
40 制御信号ケーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定電力の発電を行う燃料電池を複数台組合せて需要家の必要とする電力を供給する燃料電池システムに関し、特に燃料電池の出力電力を標準化しながら多種多様な需要家の必要とする電力を適格に供給する燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムは、水素と酸素との反応により発電するもので、例えばリン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子電解質型の燃料電池ユニットが用いられている。燃料電池ユニットでは、燃料電池から出力される電圧、電流をスイッチング素子により制御するDC/DCコンバータや、商用の交流周波数の電力を生成するDC/ACインバータを備えている。このような燃料電池システムでは、需要家の必要とする電力に応じた最大電力を定め、通常の運転時においては燃料電池ユニットの出力電力を低下させて対処している。
【0003】
即ち、例えば家庭用燃料電池コジェネレーションシステムでは、家庭の熱電需要を予測して、出力電力として1kWや500W等の最大電力を決定している。従って、最大電力以下の電力需要に対しては燃料電池システムの出力を絞ることで対応できるが、最大電力以上の出力要求があっても燃料電池システムとしては対処できない。最大電力は、小型家庭用、集合住宅用、小型店舗向け、大型店舗向け、非常用電源設備のように用途によって大きく相違するため、各用途別に燃料電池システムの最大電力を定めるものとすると、多種多様の最大電力の燃料電池システムを設計・開発することになる。
【0004】
【特許文献1】
特表平09−503619号公報 図3
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多種多様の最大電力の燃料電池ユニットを製造するのでは、量産効果が充分発揮できないという課題がある。即ち、燃料電池ユニットは、燃料電池本体、改質器、DC/DCコンバータ、DC/ACインバータ、各種補機類(エアブロア、ポンプ、センサ)等の多くの部品で構成されている。これらの部品は燃料電池ユニットの最大電力によって相違する型式であるため、顧客仕様別に燃料電池ユニットを設計したのでは、非常にコスト高になるという課題がある。
【0006】
本発明は上述する課題を解決するもので、多種多様の最大電力の燃料電池システムを製造する場合でも、量産効果が充分発揮できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、例えば図1に示すように、水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池(12、22)、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部(14a、14b、24a、24b)、前記給電部の出力電力を制御する電力制御部(16、26)を有する複数の燃料電池ユニット(10、20)と、複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続する並列接続結線部30と、複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整する協調運転制御部18とを備えている。
【0008】
このように構成された燃料電池システムにおいては、需要側の必要電力に応じたユニット数の、複数の燃料電池ユニットが設けられている。各燃料電池ユニットは、それぞれ燃料電池、給電部、電力制御部を有している。並列接続結線部30は、複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続するものである。協調運転制御部は、複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整するもので、需要側の負荷変動に応じて、各燃料電池ユニットの稼動状態を調整して、燃料電池システム全体として最適化を行っている。これにより、燃料電池ユニットの出力電力を標準化しても、燃料電池システムを構成する燃料電池ユニット数を需要側の必要電力に応じて揃えれば良いので、製造者は燃料電池ユニットの標準化による製造コストメリットを享受でき、需要家は燃料電池システムを構成する燃料電池ユニット数を調整することで負荷電力に応じた給電を受けることが可能となり、遊休発電能力の発生する可能性が少なくて済む。
【0009】
ここで、給電部(14a、14b、24a、24b)としては、燃料電池部12から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ(14a、24a)を有する第1の形式と、燃料電池部12から出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換するDC/ACインバータ(14b、24b)を有する第2の形式と、燃料電池部12から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ(14a、24a)と、DC/DCコンバータ(14a、24a)から出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換するDC/ACインバータ(14b、24b)を有する第3の形式がある。
【0010】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、協調運転制御部は、前記複数の燃料電池ユニットのうち、一台の電力制御部をマスター制御部とし、その余の電力制御部をスレーブ制御部とするとよい。マスター/スレーブ制御部とすることで、制御機能がマスター制御部に集中されるので、各燃料電池ユニットに同一機能の電力制御部を分散配置する場合に比較して、制御論理が簡単になる。
【0011】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、例えば図2に示すように、協調運転制御部は、前記複数の燃料電池ユニットの運転時間を平準化する運転平準化制御部181を有するとよい。燃料電池ユニットでは、故障までの運転寿命が定常運転状態での累積運転時間により定まり、例えば累積運転時間が長いほど累積故障率が増大する。そこで、燃料電池システム全体の運転寿命は、一部の燃料電池ユニットの故障により影響を受けるので、運転時間を平準化することで燃料電池システム全体の運転寿命が長くなる。
【0012】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、例えば図2に示すように、協調運転制御部18は、複数の燃料電池ユニット(10、20)のうち、負荷電力を供給するのに必要な最小台数を演算する最小台数演算部182と、最小台数演算部182で演算された前記複数の燃料電池ユニットの最小台数に基づいて、稼動する燃料電池ユニットを定める台数制御部184とを備える。このように構成すると、最小台数演算部182によって負荷電力に応じた最小台数の燃料電池ユニットで発電するので、燃料電池ユニットの発電効率が高まる。台数制御部184によって具体的にバックアップ運転する燃料電池ユニットを定めるが、この選定の際に運転平準化制御部181を用いて燃料電池ユニットの累積運転時間を平準化するように選定するとよい。
【0013】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、例えば図2に示すように、協調運転制御部18は、さらに稼動中の燃料電池ユニットに関して故障を検知したときは、当該燃料電池ユニットの運転を休止させる故障ユニット管理部186と、故障ユニット管理部186で休止された燃料電池ユニットを代替する燃料電池ユニットを、非稼動状態の燃料電池ユニットの中から選定する代替ユニット管理部188とを備える。このように構成すると、稼動中の燃料電池ユニットに関して故障を検知したときは、バックアップ発電する燃料電池ユニットの選定が円滑に行なえる。
【0014】
好ましくは、本発明の燃料電池システムにおいて、例えば図6、図7に示すように、複数の燃料電池ユニットは、原燃料を改質処理して水素リッチな改質ガスを供給する改質器であって、少なくとも一台の前記改質器から前記水素の供給を受ける構成とするとよい。ここで、改質器は、一台の改質器により複数の燃料電池ユニットに改質ガスを供給する構成としても良く、また燃料電池ユニットに対して一対一に設けられていてもよい。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムにおいて、図8に示すように、水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池(12、22)、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力を供給するDC/DCコンバータ(14a、24a)、前記DC/DCコンバータの出力電力を制御するDC/DCコンバータ制御部(16、26)を有する複数の燃料電池ユニット(10、20)と、複数の燃料電池ユニットのDC/DCコンバータ出力電力を並列入力して、交流電力を生成するDC/ACインバータ34と、複数の燃料電池ユニットのDC/DCコンバータ出力電力分担を調整する協調運転制御部18とを具備する。
【0016】
このように構成された燃料電池システムにおいては、DC/ACインバータを各燃料電池ユニットに対して統合して設けているので、各燃料電池ユニットに対して分散配置する場合に比較して、インバータの効率が向上すると共に、設置スペースや部品コストも有利となる。好ましくは、本発明の燃料電池ユニットにおいて、DC/ACインバータは系統連系インバータとするとよい。系統連系インバータとすると、負荷が系統電力ケーブルから給電を受けている場合に、既設給電設備と燃料電池システムの電力ラインとの整合を取りやすくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号または類似記号を付し、重複した説明は省略する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図である。図において、燃料電池システムはメイン電力制御部を有する一台の燃料電池ユニット10と、スレーブ電力制御部を有する一台又は複数台の燃料電池ユニット20を有している。燃料電池ユニット10は、燃料電池部(FC: Fuel Cell)12、DC/DCコンバータ14a、DC/ACインバータ14b、メイン電力制御部16、協調運転制御部18を備えている。燃料電池ユニット20は、燃料電池部22、DC/DCコンバータ24a、DC/ACインバータ24b、スレーブ電力制御部26を備えている。
【0018】
燃料電池部12は水素と酸素との反応により発電するもので、例えば固体高分子電解質型の燃料電池が用いられる。燃料電池部12は、±極を有する単セルを直列に数十組接続して構成されており、単位セルの発電電圧は例えば0.6〜0.8V程度になっている。
【0019】
給電部14は、DC/DCコンバータ14aとDC/ACインバータ14bの各1ユニットで構成されているが、給電する容量に応じて増設してもよい。DC/DCコンバータ14aは、燃料電池部12から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧・安定化するもので、例えば24V等の一定電圧に出力電圧を安定化する。DC/ACインバータ14bは、DC/DCコンバータ14aで安定化した直流電圧や、燃料電池部12から出力される直流電圧を交流電圧に変換するもので、出力電圧が例えば商用電源と同一の100V、220Vで周波数50、60Hz等に制御されている。ユニット内配線ケーブル13は、燃料電池部12から出力される直流電圧をDC/DCコンバータ14aやDC/ACインバータ14bに供給する導線である。
【0020】
メイン電力制御部16は、スレーブ電力制御部26に対する出力指示信号を供給する協調運転制御部18を備えると共に、スレーブ電力制御部26と同様に燃料電池部12の稼動状態監視やDC/DCコンバータ14aやDC/ACインバータ14bの運転状態監視を行なっている。協調運転制御部18は、図2に説明するように、運転平準化制御部181、最小台数演算部182、台数制御部184、故障ユニット管理部186、代替ユニット管理部188を備えている。
【0021】
運転平準化制御部181は、複数の燃料電池ユニットの運転時間を平準化することで、個別燃料電池ユニットが故障する蓋然性を均等にして、システム全体としての寿命期待値を最長化している。最小台数演算部182は、負荷に供給する電力に応じて、複数の燃料電池ユニット10、20のうち、負荷電力を供給するのに必要な最小台数を演算する。台数制御部184は、最小台数演算部182で演算された燃料電池ユニットの最小運転台数に基づいて、稼動する燃料電池ユニットを定める。故障ユニット管理部186は、稼動中の燃料電池ユニットに関して故障を検知したときは、当該燃料電池ユニットの運転を休止させる。代替ユニット管理部188は、故障ユニット管理部186で休止された燃料電池ユニットを代替する燃料電池ユニットを、非稼動状態の燃料電池ユニットの中から選定する。
【0022】
燃料電池ユニット20の燃料電池部22、DC/DCコンバータ24a、DC/ACインバータ24bに関しては、それぞれ燃料電池部12、DC/DCコンバータ14a、DC/ACインバータ14bの説明を援用する。スレーブ電力制御部26は、メイン電力制御部16からの出力指示信号に従って燃料電池部22の稼動状態監視、DC/DCコンバータ24a、DC/ACインバータ24bの運転状態監視を行なっている。ユニット内配線ケーブル23は、燃料電池部22から出力される直流電圧をDC/DCコンバータ24aやDC/ACインバータ24bに供給する導線である。
【0023】
並列接続結線部としての電力供給ケーブル30は、燃料電池ユニット10、20から出力される直流電力又は交流電力と負荷50とを接続する導線である。制御信号ケーブル40は、メイン電力制御部16とスレーブ電力制御部26とを接続する導線で、ここでは燃料電池ユニット10と傘下の燃料電池ユニット20とを一対一に接続している。そこで、制御信号ケーブル40の本数は、傘下の燃料電池ユニット20の台数に一致する。メイン電力制御部16とスレーブ電力制御部26との間の通信プロトコルは、例えば双方向ディジタル通信のような機器制御に汎用的に用いられている通信プロトコルを利用するとよい。制御信号ケーブル40には、メイン電力制御部16とスレーブ電力制御部26との間で授受される制御信号が流れる。
【0024】
負荷50は電力を駆動源とする電子機器で、例えば家庭用であれば商用電源を電力とするテレビ、エアコン、冷蔵庫、蛍光灯のような機器が該当する。負荷50として給湯器が用いられる場合には、燃料電池部12、22にて発電に付随して発生する熱を用いて、給湯水の加熱を行なうように構成すると、熱効率が高まる。負荷電力測定部52は、負荷50で消費される電力量を計測するもので、例えば汎用的な電力計を用いる。
【0025】
このように構成された装置においては、協調運転制御部18によって、負荷50の必要とする電力に応じて、燃料電池部12、22で発生させる電力量を定める。燃料電池部は、定格出力の100%近辺で運転すると発電効率が高いので、全ての燃料電池部12、22で定格出力により電力を供給すると負荷50の必要とする電力に余剰分が発生する場合には、協調運転制御部18によって、一部の燃料電池部を稼動状態とし、残余の燃料電池部を非稼動状態とするとよい。協調運転制御部18は、発電効率が最適になるように、各燃料電池部12、22の発電量を指示する構成としても良い。
【0026】
個別の燃料電池部12、22には水素と酸素が供給されて、発電を行う。水素と酸素は、例えばメタンガスやガソリンのような炭化水素系燃料を改質器(図示せず)に供給して生成する。また、酸素としては大気中の酸素も利用される。燃料電池部12、22で発電された電気は、ユニット内配線ケーブル13、23を経由してDC/DCコンバータ14a、24aやDC/ACインバータ14b、24bに供給される。DC/DCコンバータ14a、24aからは、安定化された出力電圧の直流電力が供給される。DC/ACインバータ14b、24bからは、安定化された出力電圧の交流電力が供給される。燃料電池部12、22で発生された電力は、電力供給ケーブル30を介して負荷50に供給される。
【0027】
図3は、負荷の需要電力に応じて、協調運転制御部の台数制御により、複数の燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼が稼動する状態の説明図である。なお、ここでは説明の便宜上、供給電力として稼動状態の燃料電池ユニットの定格出力の総和を示しているが、現実には定格出力ではなく負荷電力に応じた発電がなされている。まず負荷需要が発生すると、負荷電力測定部52で測定した負荷電力が最小台数演算部182に送られる。最小台数演算部182の演算した台数が、台数制御部184に送られる。台数制御部184により燃料電池ユニット▲1▼が1台目として稼動する(時刻t1)。さらに負荷需要が増大すると、最小台数演算部182により2台目の稼動が必要と判断され、台数制御部184により燃料電池ユニット▲2▼が2台目として稼動する(時刻t2)。さらに負荷需要が増大すると、最小台数演算部182により3台目の稼動が必要と判断され、台数制御部184により燃料電池ユニット▲3▼が3台目として稼動する(時刻t3)。その後負荷需要が減少すると、最小台数演算部182により3台目の稼動を停止させるべきと判断され、運転平準化制御部181によって最初に稼動を開始した燃料電池ユニット▲1▼の発電が停止される(時刻t4)。さらに負荷需要が減少すると、最小台数演算部182により2台目の稼動を停止させるべきと判断され、運転平準化制御部181によって2番目に稼動を開始した燃料電池ユニット▲2▼の発電が停止される(時刻t5)。負荷需要がなくなると、台数制御部184により一台だけ稼動していた燃料電池ユニット▲3▼の発電が停止される(時刻t6)。
【0028】
負荷需要が2台の燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼の運転で充分なときは、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼の稼動と停止の運転管理がなされる(時刻t7〜t10)。その後、負荷需要が3台の燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼の運転が必要な状態まで増大すると、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲3▼→▲1▼→▲2▼の順で稼動と停止の運転管理がなされる(時刻t11〜t16)。
【0029】
図4は稼動中の燃料電池ユニットに故障が発生した場合のバックアップ運転の説明図である。ここで、負荷電力が燃料電池システムの定格出力に相当している場合に、燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼が常用機、燃料電池ユニット▲4▼が予備機として運用される場合を示している。負荷需要の増大に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼の稼動開始の運転管理がなされる(時刻t21〜t23)。燃料電池ユニット▲3▼に故障が発生すると、故障ユニット管理部186が故障発生を検知して、代替ユニット管理部188により非稼動状態の燃料電池ユニット▲4▼によるバックアップ運転が開始される(時刻t24)。その後、負荷需要の減少に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲4▼の稼動停止の運転管理がなされる(時刻t25〜t27)。燃料電池ユニット▲3▼が故障状態から復旧すると、故障ユニット管理部186は正常状態への復帰を検知する(時刻t28)。
【0030】
次に、負荷需要が増大する途中で燃料電池ユニットに故障が発生する場合について説明する。負荷需要の増大に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼の稼動開始の運転管理がなされる(時刻t29、t30)。燃料電池ユニット▲2▼に故障が発生すると、故障ユニット管理部186が故障発生を検知して、代替ユニット管理部188により非稼動状態の燃料電池ユニット▲3▼によるバックアップ運転が開始される(時刻t31)。その後負荷需要がさらに増大したので、最小台数演算部182により3台目の稼動開始が指示されると、燃料電池ユニット▲4▼が稼動開始する(時刻t32)。その後、負荷需要の減少に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲3▼、▲4▼の稼動停止の運転管理がなされる(時刻t33〜t35)。燃料電池ユニット▲2▼が故障状態から復旧すると、故障ユニット管理部186は正常状態への復帰を検知する(時刻t36)。
【0031】
続いて、負荷需要が増大する状態で燃料電池ユニットに故障が発生する場合に、稼動中の燃料電池ユニットとバックアップ運転の燃料電池ユニットの運転時間管理をする場合の、相互の関係について説明する。負荷需要の増大に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼の稼動開始の運転管理がなされる(時刻t37〜t39)。燃料電池ユニット▲2▼に故障が発生すると、故障ユニット管理部186が故障発生を検知して、代替ユニット管理部188により非稼動状態の燃料電池ユニット▲4▼によるバックアップ運転が開始される(時刻t40)。このとき、運転平準化制御部181が燃料電池ユニット▲3▼、▲4▼の累積稼動時間を管理しており、燃料電池ユニット▲3▼の累積稼動時間は燃料電池ユニット▲4▼よりも長かった。そこで、運転平準化制御部181は故障した燃料電池ユニット▲2▼に対するバックアップ運転は燃料電池ユニット▲3▼によるものと見なし、負荷需要の増大に応じて3台目として稼動した燃料電池ユニット▲3▼は、燃料電池ユニット▲2▼の故障発生により燃料電池ユニット▲4▼に引継がれたと見なす。その後、負荷需要の減少に応じて、最小台数演算部182と運転平準化制御部181により燃料電池ユニット▲1▼、▲3▼、▲4▼の稼動停止の運転管理がなされる(時刻t41〜t43)。燃料電池ユニット▲2▼が故障状態から復旧すると、故障ユニット管理部186は正常状態への復帰を検知する(時刻t44)。
【0032】
図5は本発明の第2の実施の形態を説明する構成ブロック図である。第1の実施の形態では、制御信号ケーブル40によって、燃料電池ユニット10と傘下の燃料電池ユニット20とを一対一に接続している。しかし、制御信号ケーブル40の接続は、燃料電池ユニット20の台数が増加すると負担になる。第2の実施の形態では、制御信号ケーブル40に代えて通信線42を用いている。通信線42は、単一の通信回線を形成するもので、例えば燃料電池ユニット10と隣接する燃料電池ユニット20を接続する通信線と、燃料電池ユニット20相互間をリレー方式で接続する通信線で構成されている。通信線42には、例えば公知のデイジーチェイン接続を用いるとよい。
【0033】
このように構成すると、燃料電池ユニット10に管理される燃料電池ユニット20の台数が増加しても、通信線42は既設の燃料電池ユニット20と増設の燃料電池ユニット20相互間を接続すれば良い。そこで、第1の実施の形態のように制御信号ケーブル40を用いて増設の燃料電池ユニット20と燃料電池ユニット10とを接続する場合に比較して、第2の実施の形態では燃料電池ユニット10の通信線42に対する接続コネクタ形状の汎用性が増すと共に、通信線42の接続工事も簡単になる。
【0034】
図6は本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。第1、第2の実施の形態では、水素ガスと酸素(空気)を燃料電池ユニット10と傘下の燃料電池ユニット20に供給する場合を示している。しかし、水素ガスは液化することが困難であり、工業的な取扱いが困難である。そこで、水素ガスを生成する改質器を、燃料電池ユニット20に内蔵させる構成が採用できる。改質器は、供給された灯油、ガソリン、プロパンガスのような炭化水素系原料を、触媒を用いて水素ガスと二酸化炭素に変換するものである。
【0035】
図6において、燃料電池ユニット10には改質器11が内蔵され、燃料電池ユニット20には改質器21が内蔵されている。改質器11、21は、供給された炭化水素系原料から水素ガスを生成して、燃料電池部12、22に供給している。このように構成すると、燃料電池ユニット10、20に対して、水素ガスに比較して取扱いが容易な炭化水素系原料を供給すれば良く、燃料電池システムの利便性が高まる。
【0036】
図7は本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。第1〜第3の実施の形態では、燃料電池ユニット10、20で生成される電力は、電力供給ケーブル30を介して負荷に供給されている。しかし、家庭内や需要家施設内では、商用電源を前提とした既設の系統電力ケーブル32が敷設されている。そこで、第4の実施の形態では、既設の系統電力ケーブル32に対して電力供給ケーブル30を介して電力を供給できる構成とする。ここで、系統とは、火力・原子力・水力の各発電所から送電線・変電所・配電線をへて需要家に至るまでの全ての要素を含むもので、系統運用によって需要家の要求する電力を一定の周波数・電圧で停電することなく経済的に供給する必要がある。
【0037】
図において、燃料電池ユニット10、20にはDC/ACインバータ14b、24bに代えて、系統連系インバータ14c、24cが用いられている。系統連系インバータは、既設の系統電力ケーブル32に供給されている一定の周波数・電圧の交流電力に対して、位相と周波数・電圧を適合させて燃料電池ユニット10、20の電力を供給するものである。
【0038】
このように構成すると、需要家にとって既設系統設備が利用できると共に、燃料電池ユニット10、20での発電が不足するとき系統電力を補充的に利用することができる。
【0039】
図8は本発明の第5の実施の形態を説明する構成ブロック図である。第4の実施の形態では、系統連系インバータ14c、24cは各燃料電池ユニット10、20に分散配置されている。しかし、系統連系インバータから供給される電力は、既設の系統電力ケーブル32に流れる系統電力に対して、整合が取れている必要がある。この場合、系統連系インバータが各燃料電池ユニットに分散配置されていると、各系統連系インバータ間でバラツキが発生して好ましくない場合がある。そこで、第5の実施の形態では、各燃料電池ユニット10、20に分散配置されたDC/DCコンバータ14a、24aの直流電力を一旦電力供給ケーブル30で集めて、統合配置された系統連系インバータ34を用いて系統電力波形に適合するように交流電力を発生して、既設の系統電力ケーブル32に供給している。DC/DCコンバータ14a、24aの直流電力を制御するために、メイン電力制御部16とスレーブ電力制御部26がDC/DCコンバータ制御部として作用する。系統連系インバータ34の電力容量は、分散配置された系統連系インバータ14c、24cの電力容量を積算したものに相当している。
【0040】
なお、上記の実施の形態においては、各燃料電池ユニット10、20の定格出力は同一であっても良く、また異なる定格出力の燃料電池ユニットを組合せても良い。図9は、家庭用の燃料電池ユニットの定格出力の一例を示す図で、(A)は1kW、(B)は5kW、(C)は10kWである。燃料電池ユニットは、定格出力に適合するように、各種形状の燃料電池部、DC/DCコンバータ、DC/ACインバータ等を備えている。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明の燃料電池システムによれば、水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部、前記給電部の出力電力を制御する電力制御部を有する複数の燃料電池ユニットと、複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続する並列接続結線部と、複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整する協調運転制御部とを備えている。そこで、燃料電池システムを構成する燃料電池ユニット数を需要側の必要電力に応じて揃えれば良いので、製造者は燃料電池ユニットの標準化による製造コストメリットを享受できる。また、需要家は燃料電池システムを構成する燃料電池ユニット数を調整することで、負荷電力に応じた給電を受けることが可能となり、遊休発電能力の発生する可能性が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図2】協調運転制御部の詳細を説明する構成ブロック図である。
【図3】負荷の需要電力に応じて、協調運転制御部の台数制御により、複数の燃料電池ユニット▲1▼、▲2▼、▲3▼が稼動する状態の説明図である。
【図4】稼動中の燃料電池ユニットに故障が発生した場合のバックアップ運転の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態での制御機能を説明する構成ブロック図である。
【図9】家庭用の燃料電池ユニットの定格出力の一例を示す図である。
【符号の説明】
10、20 燃料電池ユニット
12、22 燃料電池部
14 給電部
14a、24a DC/DCコンバータ
14b、24b DC/ACインバータ
14c、24c、34 系統連系インバータ
16 メイン電力制御部
18 協調運転制御部
26 スレーブ電力制御部
30 電力供給ケーブル(並列接続結線部)
40 制御信号ケーブル
Claims (7)
- 水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部、前記給電部の出力電力を制御する電力制御部を有する複数の燃料電池ユニットと;
前記複数の燃料電池ユニットの出力電力を並列接続する並列接続結線部と;
前記複数の燃料電池ユニットの出力電力分担を調整する協調運転制御部と;
を具備する燃料電池システム。 - 前記協調運転制御部は、前記複数の燃料電池ユニットのうち、一台の電力制御部をマスター制御部とし、その余の電力制御部をスレーブ制御部とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記協調運転制御部は、前記複数の燃料電池ユニットの運転時間を平準化する運転平準化制御部を有する請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記協調運転制御部は;
前記複数の燃料電池ユニットのうち、負荷電力を供給するのに必要な最小台数を演算する最小台数演算部と;
前記最小台数演算部で演算された前記複数の燃料電池ユニットの最小台数に基づいて、稼動する燃料電池ユニットを定める台数制御部と;
を備える請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システム。 - 前記協調運転制御部は、さらに;
稼動中の燃料電池ユニットに関して故障を検知したときは、当該燃料電池ユニットの運転を休止させる故障ユニット管理部と;
前記故障ユニット管理部で休止された燃料電池ユニットを代替する燃料電池ユニットを、非稼動状態の燃料電池ユニットの中から選定する代替ユニット管理部と;
を備える請求項4に記載の燃料電池システム。 - 前記複数の燃料電池ユニットは、原燃料を改質処理して水素リッチな改質ガスを供給する改質器であって、少なくとも一台の前記改質器から前記水素の供給を受ける構成とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の燃料電池システム。
- 水素と酸素との反応により所定電力の発電を行う燃料電池、前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力を供給するDC/DCコンバータ、前記DC/DCコンバータの出力電力を制御するDC/DCコンバータ制御部を有する複数の燃料電池ユニットと;
前記複数の燃料電池ユニットのDC/DCコンバータ出力電力を並列入力して、交流電力を生成するDC/ACインバータと;
前記複数の燃料電池ユニットのDC/DCコンバータ出力電力分担を調整する協調運転制御部と;
を具備する燃料電池システム。
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