JP2004177242A - 筒内物理量検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の燃焼室内の物理量(燃料濃度等)を高精度に検出する。
【解決手段】燃焼室内に入光側ロッド11と出光側ロッド12とを間隙を介して対向配置し、その間を透過させた光の光量変化に基づいて燃料濃度等を検出するもので、各ロッド11,12の両端に4個の反射面11a,12a,12b,11bを設けると共に、出光側ロッド12を軸方向の移動量を調整可能な構成とし、移動量を変化させることで燃焼室に臨むロッド11,12下部間の間隙を通過する光の回数を変化させて光路長を変えることにより、広範囲な燃料濃度変化に対して、光路長を適合させて良好な検出精度を確保できるようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】燃焼室内に入光側ロッド11と出光側ロッド12とを間隙を介して対向配置し、その間を透過させた光の光量変化に基づいて燃料濃度等を検出するもので、各ロッド11,12の両端に4個の反射面11a,12a,12b,11bを設けると共に、出光側ロッド12を軸方向の移動量を調整可能な構成とし、移動量を変化させることで燃焼室に臨むロッド11,12下部間の間隙を通過する光の回数を変化させて光路長を変えることにより、広範囲な燃料濃度変化に対して、光路長を適合させて良好な検出精度を確保できるようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃焼室内の燃料濃度など燃焼に関与する物理量を光学的に検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関の燃焼室内に点火プラグと一体化して臨ませた一対の光学素子間にレーザ光を透過させ、その間の吸収光量を計測することで、周辺の各ガス濃度を検出する装置が開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、特定の分子が特定波長のレーザ光に吸収されるという現象を基に、特定分子のモル濃度(C)はレーザ吸収率(R)と光路長L及び吸光係数kを変数としてC=k×L×Log(R)というLamber Beerの関係を使い、濃度を計測するものである。
【0004】
また、次式によれば、2波長のレーザ光の吸収を測定することにより、燃焼室内の温度計測も可能となり、吸収法に基づく各種物理量の計測が可能になる。
1/T=1/Tref−k/(hc・ΔE)・In[(α1/α2)/(S1/S2)]
T=測定温度,Tref=基準温度,α=In(吸収率),S=基準温度の吸収強度,添字1,2=波長1,2
【0005】
【特許文献1】
特開平8−74651号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように小スペースに収められた検出装置(センサ部)では、光学素子間距離を充分大きく確保することができないため、光学素子間距離が短すぎる検出対象の場合には検出精度を充分に確保することができなかった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、小スペースで設置できると共に、燃焼室内の燃焼に関与する物理量を充分な検出精度を確保できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、内燃機関の燃焼室内に所定間隙をもって対向配置された一対の光学素子の両端面に、対向する光学素子側に光路を屈曲させる4個の反射面を形成する。そして、これら4個の反射面を環状に反射させて燃焼室に臨む一対の光学素子間を複数回透過させた光の光量変化に基づいて前記物理量を検出できる構成とした。
【0009】
このようにすれば、設置スペースを増大することなく、一対の光学素子間を複数回透過させることができるため、検出に大きな光学素子間距離を必要とする物理量の検出精度を充分に確保できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態にかかる筒内物理量検出装置を備えた内燃機関の全体構成の概要を示す。
【0011】
本装置のセンサ部1は、点火プラグ2と一体化して燃焼室3に設けられ、レーザ光源4からのレーザ光が入光側光ファイバ5を経てセンサ部1に入力される。該センサ部1を経たレーザ光は、出光側光ファイバ6を経て光信号検出器(光電変換器)7により光量が検出され、解析装置8により光量変化に基づいたLamberBeerの関係式などを用いた解析によってセンサ部1周りのガス濃度、さらには温度などが検出される。
【0012】
図2は、本発明にかかる前記センサ部1の詳細を示す。一対の光学素子としての入光側ロッド11及び出光側ロッド12は、サファイア等で形成され、点火プラグ2の電極2aを挟んでプラグねじ部13内に計測部の間隙(距離L)を有して対向配置される。
【0013】
入光側ロッド11及び出光側ロッド12の下端面には、従来同様に対向する光学素子側に光路を略90°ずつ屈曲させるように略45°の角度をなす反射面11a,12aが対向して形成される。一方、入光側ロッド11の上端面には、入光側光ファイバ5からの光を直進させて入射させるように水平に形成された入射面11bに隣接して、下端の反射面11aと対称的に傾斜する反射面11cが形成される。また、出光側ロッド12の上端面には、下端の反射面12aに対称的に傾斜する反射面12bが形成され、該反射面12bに隣接して光を直進させて出光側光ファイバ6に出射させるように水平に形成された出射面12cが形成される。
【0014】
ここで、入光側ロッド11は、プラグねじ部13に固定されるが、出光側ロッド12は以下の構造により上下動自由に取り付けられる。出光側ロッド12の上部に他部より大径の段部12dを形成すると共に、プラグねじ部13に前記段部12dより下部を嵌挿する小径の孔13aとその上方に大径部12dを嵌挿する大径の孔13bとを形成する。段部12dの下端面と孔13a,13bの境界となる段付面との間に、リターンスプリング14と燃焼ガスをシールするガスケット15とを嵌挿する。段部12d上にはリング状の位置調整ねじ16が、プラグねじ部13に形成された大径の孔13bに形成したねじ孔にねじ込まれ、該ねじ込み量によって出光側ロッド12の上下方向位置を調整できるようになっている。
【0015】
プラグねじ部13の上端面には、前記入光側光ファイバ5の入光口5a及び出光側光ファイバ6の出光口6aを装着した固定プレート17がねじ部材などを介して着脱自由に固定される。
【0016】
また、前記位置調整ねじ16は、周側面に微調整回転できるような係合溝(図示せず)が形成されると共に、前記プラグねじ部13に前記位置調整ねじ16を微調整回転させるための調整用孔18が形成され、さらに、該微調整終了後に前記調整用孔18にねじ込まれて前記位置調整ねじ16の回転を固定するねじ部材19を備える。
【0017】
前記固定プレート17の固定に先立ち、検出対象に適した検出対象透過光路長が得られるように、位置合わせプレート21[図2(C),(D)参照]を使用しつつ前記位置調整ねじ16のねじ込み量を調整して出光側ロッド12の上下方向位置を調整する。
【0018】
該調整の説明の前に、出光側ロッド12の上下方向位置を変更することにより、前記検出対象透過光路長を変更できる機能を、図3を参照して説明する。
例えば、図3(A)に示すように、出光側ロッド12の下端を入光側ロッド11の下端と揃えた標準位置では、入光側光ファイバ5からの光(レーザ光)は、前記入光側ロッド11内に入射面から下方に直進し、反射面11aの図示a点で反射して出光側ロッド12に向かう方向に屈曲する。さらに、出光側ロッド12内に対向面から入射して反射面12aの図示b点で反射して上方に屈曲し、上端の反射面12bの図示c点で反射して入光側ロッド11に向かう方向に屈曲する。
さらに、入光側ロッド11内に対向面から入射して上端の反射面11bの図示d点で反射して下方に屈曲し、再度反射面11aの図示e点で反射し、出光側ロッド12の反射面12aの図示f点で反射した後、上端の出射面12cから出光側ロッド12に出射する。したがって、光は、入光側ロッド11と出光側ロッド12との燃焼室に臨む計測部の間隙を2回通過(パス)することとなり、検出対象透過光の光路長が2Lとなる。
【0019】
また、同図(B)に示すように、出光側ロッド12の下端を入光側ロッド11の下端より所定量下方に位置させた変位時には、反射面での反射点がずれることにより、図示のように入光側ロッド11と出光側ロッド12との燃焼室に臨む計測部の間隙を4回通過(パス)することとなり、検出対象透過光の光路長が4Lとなる。なお、出光側ロッド12の上方への変位量を(B)より小さくすることで、前記計測部の間隙を光が通過する回数を3回とし、(B)より大きくすることで同回数を5回以上とすることができる。
【0020】
逆に、同図(C)に示すように、出光側ロッド12の下端を入光側ロッド11の下端より所定量上方に位置させた変位時には、図示のように入光側ロッド11と出光側ロッド12との燃焼室に臨む間隙を従来同様に1回だけ通過(パス)することとなり、検出対象透過光の光路長がLとなる。
【0021】
次に、前記位置合わせプレート21を用いて出光側ロッド12の上下方向位置を調整する方法について説明する。図2(C),(D)に示すように、位置合わせプレート21には、前記入光側光ファイバ5の入光口5aを装着した状態で、プラグねじ13の上端面に被せる。ここで、2個の位置決めピン21a,21bにより、前記入光口5aの下方に入光側ロッド11の入射面11cが位置するように、回転位置が位置決めされる。この状態で、位置合わせプレート21に形成した調整用孔21cが出光側ロッド12の出射面12cの上方に位置する。該調整用孔21cの側縁には、出光位置調整用のマーカー21dが付されている。該マーカー21dは、この位置で出光させたときに、出光側光ファイバ6に最も高い効率で入光する位置に付されている。
【0022】
そして、前記位置調整ねじ16を回転させて出光側ロッド12の上下方向位置を変えながら位置合わせプレート21を被せて前記マーカー21dの位置で出光するように調整する。ここで、図3を参照し、(C)の状態から出光側ロッド12を下方に移動させると、反射面12aでの反射点が反射面12aの上部に移動して出光位置が図で左側に移動し、移動量を増大すると、反射面12aで反射した光は上端の反射面12bで反射して図示右側方に屈曲し出射面12cからは出射されなくなる。さらに、出光側ロッド12の下方への移動量を増大すると前記反射面12bで反射して図示右側方に屈曲した光が入光側ロッド11の反射面11bで反射し、以下反射面11a,12aで反射して出射面12cから出射する。このとき、(A)で説明したように、計測部の間隙の光通過回数は2回に増大する。このように、出光側ロッド12を下方へ移動すると出射面12cから出光位置が図で左側に移動していって、一旦、出光しなくなり、その後、再度出射面12cの右側から出光して左側に移動し、また出光しなくなった後、再度出光するという動作を繰り返す。したがって、この出光回数によって計測部の間隙の光通過回数を計測しつつ要求する光路長に応じた所望の光通過回数n(光路長=n×L)が得られたところで、出光位置をマーカー21dに合わせるように調整する。
【0023】
かかる調整終了後、入光側光ファイバ5及び出光側光ファイバ6を装着した固定プレート17を固定する。この状態で、前記前記プラグねじ部13に前記固定プレート17を固定した状態で調整用孔18から調整部材を差し込んで前記位置調整ねじ16の係合溝と係合させつつ出光側光ファイバ6を介して計測された出光の光量が最大となるように微調整回転する。該微調整終了後にねじ部材19を前記調整用孔18にねじ込んで前記位置調整ねじ16の回転を固定する。
【0024】
このように、出光側ロッド12の移動量を調整することで、前記計測部の間隙における燃料濃度の検出に適合した光路長として良好な検出精度を確保することができる。具体的には、検出対象とする燃料の分子の大きさや光信号検出器7の種類によっても適合した光路長は異なるが、基本的には燃料濃度によって適合する光路長の範囲が定まる。
【0025】
すなわち、光路長を大きくするほど、透過光の燃料による吸収量が増大し、吸収量が大きすぎると信号レベルが小さくなりすぎ、Lamber Beerの演算式に対数Log(I/Io)を用いているので、僅かな信号変動の影響で演算結果が変動する。従って光路長の上限値MAXが存在する。一方、光路長を小さくするほど、透過光の吸収量が小さくなり、吸収量が小さくなりすぎると信号変化量が小さくなりすぎて、光信号検出器7の感度が低下してしまう。したがって、光路長の下限値MINが存在する。
【0026】
そして、検出対象である燃料濃度が大きくなるほど、単位光路長あたりの透過光の吸収量は増大するから、光路長の上限値MAX、下限値MINが減少側にシフトする。図4にかかる燃料濃度に対する光路長の上限値MAXと下限値MINで定まる使用範囲(良好な精度を確保できる光路長範囲)を示す。例えば、検出対象となる濃度範囲が図示A−Bである場合、光路長がa−bの範囲にあるように調整すれば、良好な検出精度を確保できることとなり、検出対象となる内燃機関が変わって濃度範囲が変化したには、該濃度範囲に適合するような使用範囲にある光路長に調整すればよい。
【0027】
以上のように、本実施形態では、出光側ロッド12の上下方向位置を調整可能とする構成としたことにより、検出対象とする濃度範囲に応じて光路長を切り換えられることができるため、広範囲に濃度検出を行うことができる。
【0028】
また入光側ロッド11の端面に光を直進させて入射させる入射面11cを反射面11bに隣接して形成した構成としたことにより、従来同様に出光側ロッドか出光側光ファイバへ容易に光を入射させることができる。
【0029】
また、出光側ロッド12の端面に、光を直進させて出射させる出射面12cを反射面12bに隣接して形成した構成としたことにより、従来同様に光ファイバから容易に光を入射させることができる。但し、図5に示すように、上記出射面を形成することなく出光側ロッド12の上端の反射面12bで反射した光を、出光側光ファイバの先端が該光の出射方向に向くように装着することで出光側光ファイバに入射させるような構成とすることも可能である。
【0030】
一方、上記実施形態のような調整機構を設けず、前記計測部の間隙を光が一定の複数回透過する簡易な構成としたものでもよい。すなわち、従来の計測部の間隙を一回だけ透過させるだけの短い光路長では良好な検出精度を得られないような希薄な濃度範囲(図4のC−D)を、計測部の間隙を複数回透過させて光路長を増大させることにより(図4のc−d)、該濃度範囲の検出を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示す図
【図2】同上実施形態の要部構成を示す図
【図3】同上実施形態の機能を示す図
【図4】同上実施形態による効果を示す図
【図5】別の実施形態の要部構成を示す図
【符号の説明】
1…センサ部 3…燃焼室 4…レーザ光源 5…入光側ファイバ 6…出光側ファイバ 7…光信号検出器 11…入光側ロッド 11a…反射面 11b…反射面 11c入射面 12…出光側ロッド 12a…反射面 12b…反射面 12c…出射面 14…リターンスプリング
16…位置調整ねじ 17…固定プレート 21…位置調整プレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃焼室内の燃料濃度など燃焼に関与する物理量を光学的に検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関の燃焼室内に点火プラグと一体化して臨ませた一対の光学素子間にレーザ光を透過させ、その間の吸収光量を計測することで、周辺の各ガス濃度を検出する装置が開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、特定の分子が特定波長のレーザ光に吸収されるという現象を基に、特定分子のモル濃度(C)はレーザ吸収率(R)と光路長L及び吸光係数kを変数としてC=k×L×Log(R)というLamber Beerの関係を使い、濃度を計測するものである。
【0004】
また、次式によれば、2波長のレーザ光の吸収を測定することにより、燃焼室内の温度計測も可能となり、吸収法に基づく各種物理量の計測が可能になる。
1/T=1/Tref−k/(hc・ΔE)・In[(α1/α2)/(S1/S2)]
T=測定温度,Tref=基準温度,α=In(吸収率),S=基準温度の吸収強度,添字1,2=波長1,2
【0005】
【特許文献1】
特開平8−74651号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように小スペースに収められた検出装置(センサ部)では、光学素子間距離を充分大きく確保することができないため、光学素子間距離が短すぎる検出対象の場合には検出精度を充分に確保することができなかった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、小スペースで設置できると共に、燃焼室内の燃焼に関与する物理量を充分な検出精度を確保できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、内燃機関の燃焼室内に所定間隙をもって対向配置された一対の光学素子の両端面に、対向する光学素子側に光路を屈曲させる4個の反射面を形成する。そして、これら4個の反射面を環状に反射させて燃焼室に臨む一対の光学素子間を複数回透過させた光の光量変化に基づいて前記物理量を検出できる構成とした。
【0009】
このようにすれば、設置スペースを増大することなく、一対の光学素子間を複数回透過させることができるため、検出に大きな光学素子間距離を必要とする物理量の検出精度を充分に確保できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態にかかる筒内物理量検出装置を備えた内燃機関の全体構成の概要を示す。
【0011】
本装置のセンサ部1は、点火プラグ2と一体化して燃焼室3に設けられ、レーザ光源4からのレーザ光が入光側光ファイバ5を経てセンサ部1に入力される。該センサ部1を経たレーザ光は、出光側光ファイバ6を経て光信号検出器(光電変換器)7により光量が検出され、解析装置8により光量変化に基づいたLamberBeerの関係式などを用いた解析によってセンサ部1周りのガス濃度、さらには温度などが検出される。
【0012】
図2は、本発明にかかる前記センサ部1の詳細を示す。一対の光学素子としての入光側ロッド11及び出光側ロッド12は、サファイア等で形成され、点火プラグ2の電極2aを挟んでプラグねじ部13内に計測部の間隙(距離L)を有して対向配置される。
【0013】
入光側ロッド11及び出光側ロッド12の下端面には、従来同様に対向する光学素子側に光路を略90°ずつ屈曲させるように略45°の角度をなす反射面11a,12aが対向して形成される。一方、入光側ロッド11の上端面には、入光側光ファイバ5からの光を直進させて入射させるように水平に形成された入射面11bに隣接して、下端の反射面11aと対称的に傾斜する反射面11cが形成される。また、出光側ロッド12の上端面には、下端の反射面12aに対称的に傾斜する反射面12bが形成され、該反射面12bに隣接して光を直進させて出光側光ファイバ6に出射させるように水平に形成された出射面12cが形成される。
【0014】
ここで、入光側ロッド11は、プラグねじ部13に固定されるが、出光側ロッド12は以下の構造により上下動自由に取り付けられる。出光側ロッド12の上部に他部より大径の段部12dを形成すると共に、プラグねじ部13に前記段部12dより下部を嵌挿する小径の孔13aとその上方に大径部12dを嵌挿する大径の孔13bとを形成する。段部12dの下端面と孔13a,13bの境界となる段付面との間に、リターンスプリング14と燃焼ガスをシールするガスケット15とを嵌挿する。段部12d上にはリング状の位置調整ねじ16が、プラグねじ部13に形成された大径の孔13bに形成したねじ孔にねじ込まれ、該ねじ込み量によって出光側ロッド12の上下方向位置を調整できるようになっている。
【0015】
プラグねじ部13の上端面には、前記入光側光ファイバ5の入光口5a及び出光側光ファイバ6の出光口6aを装着した固定プレート17がねじ部材などを介して着脱自由に固定される。
【0016】
また、前記位置調整ねじ16は、周側面に微調整回転できるような係合溝(図示せず)が形成されると共に、前記プラグねじ部13に前記位置調整ねじ16を微調整回転させるための調整用孔18が形成され、さらに、該微調整終了後に前記調整用孔18にねじ込まれて前記位置調整ねじ16の回転を固定するねじ部材19を備える。
【0017】
前記固定プレート17の固定に先立ち、検出対象に適した検出対象透過光路長が得られるように、位置合わせプレート21[図2(C),(D)参照]を使用しつつ前記位置調整ねじ16のねじ込み量を調整して出光側ロッド12の上下方向位置を調整する。
【0018】
該調整の説明の前に、出光側ロッド12の上下方向位置を変更することにより、前記検出対象透過光路長を変更できる機能を、図3を参照して説明する。
例えば、図3(A)に示すように、出光側ロッド12の下端を入光側ロッド11の下端と揃えた標準位置では、入光側光ファイバ5からの光(レーザ光)は、前記入光側ロッド11内に入射面から下方に直進し、反射面11aの図示a点で反射して出光側ロッド12に向かう方向に屈曲する。さらに、出光側ロッド12内に対向面から入射して反射面12aの図示b点で反射して上方に屈曲し、上端の反射面12bの図示c点で反射して入光側ロッド11に向かう方向に屈曲する。
さらに、入光側ロッド11内に対向面から入射して上端の反射面11bの図示d点で反射して下方に屈曲し、再度反射面11aの図示e点で反射し、出光側ロッド12の反射面12aの図示f点で反射した後、上端の出射面12cから出光側ロッド12に出射する。したがって、光は、入光側ロッド11と出光側ロッド12との燃焼室に臨む計測部の間隙を2回通過(パス)することとなり、検出対象透過光の光路長が2Lとなる。
【0019】
また、同図(B)に示すように、出光側ロッド12の下端を入光側ロッド11の下端より所定量下方に位置させた変位時には、反射面での反射点がずれることにより、図示のように入光側ロッド11と出光側ロッド12との燃焼室に臨む計測部の間隙を4回通過(パス)することとなり、検出対象透過光の光路長が4Lとなる。なお、出光側ロッド12の上方への変位量を(B)より小さくすることで、前記計測部の間隙を光が通過する回数を3回とし、(B)より大きくすることで同回数を5回以上とすることができる。
【0020】
逆に、同図(C)に示すように、出光側ロッド12の下端を入光側ロッド11の下端より所定量上方に位置させた変位時には、図示のように入光側ロッド11と出光側ロッド12との燃焼室に臨む間隙を従来同様に1回だけ通過(パス)することとなり、検出対象透過光の光路長がLとなる。
【0021】
次に、前記位置合わせプレート21を用いて出光側ロッド12の上下方向位置を調整する方法について説明する。図2(C),(D)に示すように、位置合わせプレート21には、前記入光側光ファイバ5の入光口5aを装着した状態で、プラグねじ13の上端面に被せる。ここで、2個の位置決めピン21a,21bにより、前記入光口5aの下方に入光側ロッド11の入射面11cが位置するように、回転位置が位置決めされる。この状態で、位置合わせプレート21に形成した調整用孔21cが出光側ロッド12の出射面12cの上方に位置する。該調整用孔21cの側縁には、出光位置調整用のマーカー21dが付されている。該マーカー21dは、この位置で出光させたときに、出光側光ファイバ6に最も高い効率で入光する位置に付されている。
【0022】
そして、前記位置調整ねじ16を回転させて出光側ロッド12の上下方向位置を変えながら位置合わせプレート21を被せて前記マーカー21dの位置で出光するように調整する。ここで、図3を参照し、(C)の状態から出光側ロッド12を下方に移動させると、反射面12aでの反射点が反射面12aの上部に移動して出光位置が図で左側に移動し、移動量を増大すると、反射面12aで反射した光は上端の反射面12bで反射して図示右側方に屈曲し出射面12cからは出射されなくなる。さらに、出光側ロッド12の下方への移動量を増大すると前記反射面12bで反射して図示右側方に屈曲した光が入光側ロッド11の反射面11bで反射し、以下反射面11a,12aで反射して出射面12cから出射する。このとき、(A)で説明したように、計測部の間隙の光通過回数は2回に増大する。このように、出光側ロッド12を下方へ移動すると出射面12cから出光位置が図で左側に移動していって、一旦、出光しなくなり、その後、再度出射面12cの右側から出光して左側に移動し、また出光しなくなった後、再度出光するという動作を繰り返す。したがって、この出光回数によって計測部の間隙の光通過回数を計測しつつ要求する光路長に応じた所望の光通過回数n(光路長=n×L)が得られたところで、出光位置をマーカー21dに合わせるように調整する。
【0023】
かかる調整終了後、入光側光ファイバ5及び出光側光ファイバ6を装着した固定プレート17を固定する。この状態で、前記前記プラグねじ部13に前記固定プレート17を固定した状態で調整用孔18から調整部材を差し込んで前記位置調整ねじ16の係合溝と係合させつつ出光側光ファイバ6を介して計測された出光の光量が最大となるように微調整回転する。該微調整終了後にねじ部材19を前記調整用孔18にねじ込んで前記位置調整ねじ16の回転を固定する。
【0024】
このように、出光側ロッド12の移動量を調整することで、前記計測部の間隙における燃料濃度の検出に適合した光路長として良好な検出精度を確保することができる。具体的には、検出対象とする燃料の分子の大きさや光信号検出器7の種類によっても適合した光路長は異なるが、基本的には燃料濃度によって適合する光路長の範囲が定まる。
【0025】
すなわち、光路長を大きくするほど、透過光の燃料による吸収量が増大し、吸収量が大きすぎると信号レベルが小さくなりすぎ、Lamber Beerの演算式に対数Log(I/Io)を用いているので、僅かな信号変動の影響で演算結果が変動する。従って光路長の上限値MAXが存在する。一方、光路長を小さくするほど、透過光の吸収量が小さくなり、吸収量が小さくなりすぎると信号変化量が小さくなりすぎて、光信号検出器7の感度が低下してしまう。したがって、光路長の下限値MINが存在する。
【0026】
そして、検出対象である燃料濃度が大きくなるほど、単位光路長あたりの透過光の吸収量は増大するから、光路長の上限値MAX、下限値MINが減少側にシフトする。図4にかかる燃料濃度に対する光路長の上限値MAXと下限値MINで定まる使用範囲(良好な精度を確保できる光路長範囲)を示す。例えば、検出対象となる濃度範囲が図示A−Bである場合、光路長がa−bの範囲にあるように調整すれば、良好な検出精度を確保できることとなり、検出対象となる内燃機関が変わって濃度範囲が変化したには、該濃度範囲に適合するような使用範囲にある光路長に調整すればよい。
【0027】
以上のように、本実施形態では、出光側ロッド12の上下方向位置を調整可能とする構成としたことにより、検出対象とする濃度範囲に応じて光路長を切り換えられることができるため、広範囲に濃度検出を行うことができる。
【0028】
また入光側ロッド11の端面に光を直進させて入射させる入射面11cを反射面11bに隣接して形成した構成としたことにより、従来同様に出光側ロッドか出光側光ファイバへ容易に光を入射させることができる。
【0029】
また、出光側ロッド12の端面に、光を直進させて出射させる出射面12cを反射面12bに隣接して形成した構成としたことにより、従来同様に光ファイバから容易に光を入射させることができる。但し、図5に示すように、上記出射面を形成することなく出光側ロッド12の上端の反射面12bで反射した光を、出光側光ファイバの先端が該光の出射方向に向くように装着することで出光側光ファイバに入射させるような構成とすることも可能である。
【0030】
一方、上記実施形態のような調整機構を設けず、前記計測部の間隙を光が一定の複数回透過する簡易な構成としたものでもよい。すなわち、従来の計測部の間隙を一回だけ透過させるだけの短い光路長では良好な検出精度を得られないような希薄な濃度範囲(図4のC−D)を、計測部の間隙を複数回透過させて光路長を増大させることにより(図4のc−d)、該濃度範囲の検出を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示す図
【図2】同上実施形態の要部構成を示す図
【図3】同上実施形態の機能を示す図
【図4】同上実施形態による効果を示す図
【図5】別の実施形態の要部構成を示す図
【符号の説明】
1…センサ部 3…燃焼室 4…レーザ光源 5…入光側ファイバ 6…出光側ファイバ 7…光信号検出器 11…入光側ロッド 11a…反射面 11b…反射面 11c入射面 12…出光側ロッド 12a…反射面 12b…反射面 12c…出射面 14…リターンスプリング
16…位置調整ねじ 17…固定プレート 21…位置調整プレート
Claims (4)
- 内燃機関の燃焼室内に臨ませて一対の光学素子を所定間隙をもって対向配置し、光源からの光を前記一対の光学素子間を透過させ、該透過による光量変化に基づいて燃焼室内の燃焼に関与する物理量を検出する筒内物理量検出装置であって、
前記一対の光学素子の両端面に、対向する光学素子側に光路を屈曲させて環状の光路を形成するように4個の反射面を形成し、これら4個の反射面を反射させて燃焼室内に臨む一対の光学素子間を複数回透過させた光の光量変化に基づいて前記物理量を検出可能な構成としたことを特徴とする筒内物理量検出装置。 - 一方の光学素子の端面に光を直進させて入射させる入射面を反射面に隣接して形成したことを特徴とする請求項1に記載の筒内物理量検出装置。
- 一方の光学素子の端面に、前記一対の光学素子間を複数回透過させた後の光を直進させて出射させる出射面を反射面に隣接して形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の筒内物理量検出装置。
- 一方の光学素子を固定し、他方の光学素子を環状の光路が形成される面において、一対の光学素子の対向する方向と直交する方向に移動自由に構成すると共に該移動量の調整機構を設け、該移動量の調整により、前記一対の光学素子間を光が透過する回数を変更可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の筒内物理量検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002343276A JP2004177242A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 筒内物理量検出装置 |
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JP2002343276A JP2004177242A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 筒内物理量検出装置 |
Publications (1)
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ID=32705087
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004177242A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008256663A (ja) * | 2007-04-09 | 2008-10-23 | Nippon Soken Inc | 尿素濃度検出装置 |
JP2017040599A (ja) * | 2015-08-21 | 2017-02-23 | トヨタ自動車株式会社 | ガス濃度計測装置 |
JP2020076579A (ja) * | 2018-11-05 | 2020-05-21 | トヨタ自動車株式会社 | 計測装置 |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002343276A patent/JP2004177242A/ja active Pending
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