JP2004176802A - マイクロバルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化および駆動電圧の低電圧化を図りながらも高圧の流体に対応可能なマイクロバルブを提供する。
【解決手段】弁口11、流入口12が貫設されたベース基板10と、矩形枠状のフレーム21、弁体23、フレーム21と弁体23とを連結する撓み部22を一体に有するマイクロ構造体20とを備える。撓み部22には、固定電極支持基板30に設けた固定電極31に対向する可動電極24が設けてある。流入口12を通して第2室に導入された流体の流体圧によって圧力伝達手段たる圧力伝達部28が撓んで弁体23が弁口11を閉止する向きの力が作用しており、両電極24,31に電圧が印加されていない状態では弁体23によって弁口11が閉止され、両電極24,31間に電圧を印加することで静電力により可動電極24が固定電極31に当接するように撓み部22が撓んで弁口11が開放される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流れを制御するマイクロバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マイクロエレクトロニクス分野や医療用のエレクトロニクス分野などにおいて、微量な流体の流れを制御するポンプとして、シリコン基板のような半導体基板をマイクロマシンニング技術により加工して形成したマイクロ構造体を用いたマイクロバルブが各所で研究開発されている。この種のマイクロバルブとしては、例えば積層型ピエゾアクチュエータを一体化したものが提案されている(例えば、特許文献1)。上記特許文献1に開示されているマイクロバルブは、ガラス基板からなるベース基板に2つの弁口を設けるとともに、マイクロ構造体に2つの弁体を設け、ベース基板におけるマイクロ構造体との対向面側で両弁体間の部位に流体センサを集積化したものであって、小型であり微小流量を高速に精度良く制御することができるという特徴があり、特に、圧力が低く微量な流体を制御する用途に適している。
【0003】
また、マイクロバルブとしては、マイクロ構造体に形成したダイヤフラムを静電引力を利用して駆動する静電型アクチュエータが一体化されたものも提案されている。このような静電型アクチュエータが一体化されたマイクロバルブでは、流体の圧力(流体圧)に打ち勝ってダイヤフラムを駆動する必要がある。しかしながら、マイクロバルブの小型化を図る場合、アクチュエータも小型化する必要があるので、アクチュエータの駆動力が小さくなってしまい、流体圧の低い流体の制御にしか適応できなかった。したがって、流体としてガスを採用する場合には流体圧を低圧にしなければならないし、流体としてガスに比べて粘性抵抗がはるかに大きな液体を採用する場合には、流体圧を更に低圧にしなければならず、適用できない場合もあり得る。
【0004】
一方、流体圧の高い流体に適用できるように上述の積層型ピエゾアクチュエータにおける駆動力を大きくしようとすると、印加電圧を数10V以上にする必要がある。しかしながら、数Vレベルの電圧しか発生させることができない電池(例えば、燃料電池など)のような電源を採用するには昇圧回路を必要とし、消費電力が増加してしまう。
【0005】
また、流体圧の高い流体に適用可能なマイクロバルブとして、厚み方向に離間した2つのダイヤフラム(プレート)を設けるとともに両ダイヤフラムの中央部同士を柱体で連結したマイクロ構造体を用いたものが提案されている(非特許文献1)。ここに、非特許文献1に開示されたマイクロバルブでは、両ダイヤフラム間に流体が流入するようにして圧力バランスをとり、より高圧の流体に対応できるようにしている。しかしながら、上記非特許文献1に開示されたマイクロバルブは、弁口の開閉時に圧力バランスが崩れてしまうという不具合や、マイクロ構造体を形成するにあたって2枚のシリコン基板を接合しなければならず、製造プロセスが複雑で製造コストが高くなってしまうという不具合があった。
【0006】
また、近年では、高圧の流体に対応可能としたマイクロバルブとして、図35および図36に示すように、弁口11を形成したガラス製のベース基板10と、ベース基板11の一表面(図35における上面)側に固着される構造体であって上記一表面から離間したダイヤフラム22およびダイヤフラム22から突出し弁口11を開閉する弁体23を一体に有する半導体材料からなるマイクロ構造体20と、ダイヤフラム22を駆動するアクチュエータたる圧電ユニモルフ90とを備えた構成のものが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0007】
ここにおいて、特許文献2のマイクロバルブにおけるマイクロ構造体20は、マイクロマシンニング技術によりシリコン基板を加工することで形成されており、ベース基板10の上記一表面に固着される枠状のフレーム21と、フレーム21の内側領域を占める上記ダイヤフラム22と、ダイヤフラム22におけるベース基板10との対向面から突出し弁口11を開閉する上記弁体23とを一体に備えている。また、圧電ユニモルフ90は、ダイヤフラム22におけるベース基板10との対向面とは反対側の面に貼着されたステンレスもしくは青銅からなる薄板状の弾性体91と、弾性体91に貼着された圧電素子92とで構成されている。なお、弾性体91および圧電素子92の厚さ寸法はいずれも0.1mm程度に設定してある。
【0008】
ところで、特許文献2に開示されたマイクロバルブは、図35に示すように、弁体23が弁口11を閉止した状態においてベース基板10の弁口11の周部を弁体23が押圧する押圧力を発生するように、弁体23の厚さ寸法とダイヤフラム22の厚さ寸法との合計寸法をフレーム21の厚さ寸法よりもやや大きく設定してある。言い換えれば、弁体23におけるベース基板10との対向面は、フレーム21におけるベース基板10との対向面を含む仮想平面に対してオフセットを設けてある。したがって、マイクロ構造体20とベース基板10とを重ねて固着すると、弁体23がベース基板10により押し上げられることになり、ダイヤフラム22がベース基板10から離れる向きに膨らんだ形となって、弁体23がベース基板10の弁口11の周部を所定の押圧力で押圧することになる。
【0009】
上記特許文献2に開示されたマイクロバルブでは、クローズ時に流体がダイヤフラム22を押し上げる圧力よりも、上記オフセットに起因して弁体23がベース基板10における弁口11の周部を押圧する圧力を高くすれば、圧電ユニモルフ90に電圧を印加しない状態で弁体23が弁口11を閉止した状態となるので、ノーマリクローズ型のバルブとして使用することができる。
【0010】
また、上記特許文献2に開示されたマイクロバルブは、弁体23により弁口11を閉止した状態で流体が漏れるのを防ぐために、ベース基板10における弁体23との対向面に環状の凹溝18を設け、当該凹溝18に弁体23の先端面と当接するシール部材19を配設しておき、ボディ81とカバー82とからなるハウジング80内にベース基板10とマイクロ構造体20とを重ね合わせた形で収納することによりマイクロ構造体20をベース基板10に押し付けて、マイクロ構造体20とベース基板10およびハウジング80とを固着する。ここに、マイクロ構造体20とベース基板10およびハウジング80とを密着固定するための接合材としては接着剤や半田を用いることが考えられるが、接着剤を用いる場合には、上記シール部材19の耐熱温度よりも硬化温度の低い接着剤を選ぶ必要があり、半田を用いる場合には、上記シール部材19の耐熱温度よりも溶融温度が低い半田を選ぶ必要がある。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−95745号公報(第2頁−第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平7−158757号公報(第3頁−第4頁、図1)
【非特許文献1】
Michael A.Huff,et al、「Flow Characteristics of Pressure−Balanced Microvalve」,The 7th International Conference on Solid−State Sensors and Actuation,p98−101
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献2に開示されたマイクロバルブは、ダイヤフラム22に圧電ユニモルフ90が積層されているので、圧電ユニモルフ90の厚さ寸法とダイヤフラム22の厚さ寸法と弁体23の厚さ寸法との合計寸法に対するフレーム21の厚さ寸法を適宜調整することによって、高圧の流体に対応することができる。
【0013】
しかしながら、上記特許文献2に開示されたマイクロバルブでは、圧電ユニモルフ90が弾性体91と堅牢な材料からなる圧電素子92とで構成されているので、弁体23のストロークを大きくする(つまり、圧電ユニモルフ90が積層されたダイヤフラム22の変形量を大きくする)ためには、かなり大きな駆動力が必要となる。実際、圧電ユニモルフ型のアクチュエータを用いたマイクロバルブにおいてアクチュエータに適切な駆動力を発生させるためには、一般的に数10V〜数100Vの電圧を印加しなければならず、容量が大きな電源や昇圧回路などが必要なので、全体としてのサイズが非常に大きくなってしまう。このため、数10V以下の電源を用いる小型の電子機器には、圧電ユニモルフ型のアクチュエータを用いたマイクロバルブは適用し難く、特に小型で軽量であることが要求される携帯機器には採用できないのが現状である。
【0014】
また、圧電ユニモルフ90をダイヤフラム22上の所定位置に精度良く貼り合わせることが困難で、最新型の実装貼り合わせ機を用いたとしても±50μmの精度しか出せない。また、ベース基板10の凹溝18にシール部材19を貼り付ける工程も同様で、±50μmレベルの位置合わせ精度しか出せない。
【0015】
また、上記特許文献2に開示されたマイクロバルブでは、ダイヤフラム22上に圧電ユニモルフ90を積層したマイクロ構造体20をハウジング80で押し付けながらベース基板10と接着する場合、接着剤や半田などの接合材はマイクロ構造体20のフレーム21をベース基板10およびハウジング80に密着固定することで押し潰されるので、その厚さの精度が±10μmレベルであって管理が難しく、弁体23のストローク量(変位)をμmオーダで調整できないという不具合があった。また、ハウジング80で押し付けながらマイクロ構造体20を密着固定する組立方法は、自動化が極めて困難で、ダイヤフラム22の撓みにより位置ずれが発生し、位置合わせ精度が悪くなる。また、個々のチップに対し、1個ずつこのような組み立てを行わなければならないので、製造コストが高く生産性が非常に悪いという不具合があった。
【0016】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型化および駆動電圧の低電圧化を図りながらも高圧の流体に対応可能なマイクロバルブを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、弁口が厚み方向に貫設されたベース基板と、前記ベース基板の一表面に固着された枠状のフレームおよび前記フレームの内側に配置され前記弁口を開閉する弁体および前記フレームと前記弁体とを連結するダイヤフラム状の撓み部を一体に有する半導体材料からなるマイクロ構造体と、前記撓み部における前記弁体とは反対側の面に配設され前記弁体を静電力により前記厚み方向へ変位させるための可動電極と、前記マイクロ構造体における前記ベース基板とは反対側で前記フレームに固着され且つ前記可動電極に対向する固定電極が設けられた固定電極支持基板とを備え、前記マイクロ構造体と前記ベース基板との間に前記弁口を通して外部と連通する流体空間が形成され、少なくとも前記マイクロ構造体と前記ベース基板とで構成されて前記流体空間を外部と隔てる第1の隔壁に流体の流入口が形成され、少なくとも前記マイクロ構造体と前記固定電極支持基板とで構成される第2の隔壁により囲まれた閉鎖空間に受圧媒体が封入され、前記第2の隔壁の一部に、前記流体空間に流入した流体の流体圧を受けて前記閉鎖空間の容積が縮小するように変形することで前記撓み部へ前記ベース基板に近づく向きの圧力を作用させる圧力伝達手段が設けられてなることを特徴とする。この請求項1の発明の構成によれば、前記可動電極と前記固定電極との間に適宜電圧を印加すれば前記可動電極と前記固定電極との間に静電力が作用して前記可動電極が前記固定電極に当接するように前記撓み部が撓んで前記弁口が開放されるから、小型化および低電圧化を図ることができ、しかも、前記圧力伝達手段が前記流体空間に流入した流体の流体圧を受けて前記閉鎖空間の容積を縮小するように変形して前記撓み部へ前記ベース基板に近づく向きの圧力を作用させるので、前記撓み部が流体から直接受ける圧力である流体圧と前記受圧媒体から受ける圧力とのバランスをとることが可能となり、前記可動電極と前記固定電極との間に電圧を印加していないときに流体の流体圧によって前記撓み部が押し上げられて弁口が開くのを防止することができるから、流体圧の高い流体に適用することができる。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記第1室と前記第2室とを連通させる連通部が形成されてなることを特徴とする。この請求項2の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段が前記流入口から導入された流体の流体圧を受けて前記撓み部へ前記ベースに近づく向きの圧力を作用させることになる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記圧力伝達手段は、前記マイクロ構造体において前記閉鎖空間と前記第2室とを隔てる部位に設けられてなることを特徴とする。この請求項3の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段が前記流入口から導入された流体の流体圧を受けて前記撓み部へ前記ベースに近づく向きの圧力を作用させることになる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流通口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記ベース基板は、前記第1室に連通する流通口が前記弁口から離間して前記厚み方向に貫設されてなることを特徴とする。この請求項4の発明の構成によれば、前記弁口と前記第1室と前記流通口とで流体の流路が形成されることになるので、前記撓み部において前記第1室側から受ける圧力と前記圧力伝達手段によって前記閉鎖空間側から受ける圧力とを別々に調整することができる。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記流入口が前記固定電極支持基板に設けられ、前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記第1室と前記第2室とを連通させる第1の連通部が形成され、前記フレームに厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、前記フレームに前記貫通孔と前記第2室とを連通させる第2の連通部が形成されてなることを特徴とする。この請求項5の発明の構成によれば、前記弁口を開くことにより、前記貫通孔を通して導入された流体が前記弁口を通して吐出されるから、前記厚み方向において前記固定電極支持基板側を流体の流れ込む側とし且つ前記ベース基板側を流体の流れ出る側として使用することができる。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記流入口が前記ベース基板に設けられ、前記固定電極支持基板には流通口が厚み方向に貫設され、前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記フレームに厚み方向に貫通する貫通孔が形成されるとともに、前記フレームに前記貫通孔と前記第1室とを連通させる第1の連通部が形成されてなることを特徴とする。この請求項6の発明の構成によれば、前記弁口を開くことにより、前記流通口を通して導入された流体が前記弁口を通して吐出されるから、前記厚み方向において前記固定電極支持基板側を流体の流れ込む側とし且つ前記ベース基板側を流体の流れ出る側として使用することができる。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記第1室と前記第2室とを連通させる連通部が形成され、前記中間フレームが前記第1室を全周にわたって囲むように形成され、前記圧力伝達手段が前記中間フレームを全周にわたって囲むように形成されてなることを特徴とする。この請求項7の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段における前記流体空間側および前記閉鎖空間側それぞれの面積を大きくすることができる。
【0024】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7の発明において、前記圧力伝達手段は、平板状に形成されてなることを特徴とする。この請求項8の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段をマイクロマシンニング技術により容易に形成することができる。
【0025】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項7の発明において、前記圧力伝達手段は、断面コルゲート板状に形成されてなることを特徴とする。この請求項9の発明の構成によれば、請求項8の発明に比べて前記圧力伝達手段を撓みやすくすることができる。
【0026】
請求項10の発明は、請求項8または請求項9の発明において、前記圧力伝達手段は、前記厚み方向において前記固定電極支持基板よりも前記ベース基板に近い側に設けられてなることを特徴とする。この請求項10の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段の撓みを大きくすることが可能となり、より高い流体圧の流体に適用可能となる。
【0027】
請求項11の発明は、請求項8ないし請求項10の発明において、前記圧力伝達手段は、金属材料からなることを特徴とする。この請求項11の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段をマイクロマシンニング技術によって容易に形成することが可能となる。
【0028】
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11の発明において、前記流入口は、前記ベース基板に形成されてなることを特徴とする。この請求項12の発明の構成によれば、前記流入口と前記弁口とを前記ベース基板に同時に形成することができ、製造が容易になるとともに、前記流入口と前記弁口との相対位置の管理が容易になる。
【0029】
請求項13の発明は、請求項1の発明において、前記圧力伝達手段は、前記マイクロ構造体の一部であって前記厚み方向を含む一平面に沿って形成された薄肉部よりなることを特徴とする。この請求項13の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段をマイクロマシンニング技術によって容易に形成することが可能となる。
【0030】
請求項14の発明は、請求項1の発明において、前記固定電極支持基板が前記第1の隔壁および前記第2の隔壁それぞれの一部を構成し、前記流入口が前記固定電極支持基板に設けられ、前記圧力伝達手段が前記第2の隔壁の一部を兼ねてなることを特徴とする。この請求項14の発明の構成によれば、前記弁口を開くことにより、前記流入口を通して導入された流体が前記弁口を通して吐出されるから、前記厚み方向において前記固定電極支持基板側を流体の流れ込む側とし且つ前記ベース基板側を流体の流れ出る側として使用することができ、また、前記圧力伝達手段をマイクロ構造体と一体に形成する場合に比べて製造が容易になる。
【0031】
請求項15の発明は、請求項14の発明において、前記圧力伝達手段は、弾性力を有する有機薄膜からなることを特徴とする。この請求項15の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段の弾性特性を適宜設定することが可能となる。
【0032】
請求項16の発明は、請求項14の発明において、前記圧力伝達手段は、金属薄膜からなることを特徴とする。この請求項16の発明の構成によれば、前記圧力伝達手段の弾性特性を適宜設定することが可能となる。
【0033】
請求項17の発明は、請求項1の発明において、前記固定電極支持基板が前記第1の隔壁および前記第2の隔壁それぞれの一部を構成し、前記流入口が前記固定電極支持基板に設けられ、前記固定電極支持基板において前記撓み部との間に形成される空間に対応する部位に貫通孔が貫設され、前記流入口の周部に固着された流路管と、前記流路管から分岐され前記固定電極支持基板における前記貫通孔の周部に固着されるチューブとを備え、前記圧力伝達手段は、前記チューブ内に設けられて前記第2の隔壁の一部を兼ねることを特徴とする。この請求項17の発明の構成によれば、前記弁口を開くことにより、前記流入口を通して導入された流体が前記弁口を通して吐出されるから、前記厚み方向において前記固定電極支持基板側を流体の流れ込む側とし且つ前記ベース基板側を流体の流れ出る側として使用することができる。
【0034】
請求項18の発明は、請求項1ないし請求項17の発明において、前記受圧媒体は、不活性ガスからなることを特徴とする。この請求項18の発明の構成によれば、開閉動作が安定するとともに信頼性が向上する。
【0035】
請求項19の発明は、請求項1ないし請求項17の発明において、前記受圧媒体は、電気絶縁性を有する液体からなることを特徴とする。この請求項19の発明の構成によれば、開閉動作が安定するとともに信頼性が向上する。
【0036】
請求項20の発明は、請求項1ないし請求項19の発明において、前記マイクロ構造体は、前記弁体における前記ベース基板との対向面に受圧面積を増大させるための凹部が形成されてなることを特徴とする。この請求項20の発明の構成によれば、前記凹部の形状や寸法を調整することで前記弁口を通して前記弁体にかかる圧力を調整することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本実施形態のマイクロバルブについて図1ないし図8を参照しながら説明する。なお、後述の撓み部22などについては変形量を誇張して記載している。
【0038】
本実施形態のマイクロバルブは、弁口11が厚み方向に貫設されたガラス製のベース基板10と、ベース基板10の厚み方向の一表面(図1における上面)側に固着された半導体材料(本実施形態では、シリコン)からなるマイクロ構造体20とを備えている。ここにおいて、マイクロ構造体20は、ベース基板10の上記一表面に固着された矩形枠状のフレーム21(図5、図6参照)と、フレーム21の内側に配置され弁口11を開閉するように上記厚み方向に変位可能な弁体23と、フレーム21と弁体23とを連結するダイヤフラム状の撓み部22とを一体に有している。つまり、弁体23は撓み部22を介してフレーム21に支持されている。また、マイクロ構造体20の弁体23は、撓み部22におけるベース基板10との対向面から弁口11へ向かって突出している。
【0039】
ベース基板10における弁口11は、後述の流入口12と同時に、サンドブラスト法やフッ酸系の薬液によるエッチングによって形成している。
【0040】
マイクロ構造体20は、シリコン基板からなる半導体基板をマイクロマシンニング技術により加工することで形成してあり、具体的には、リソグラフィ技術、アルカリ系溶液を用いた異方性エッチングや深堀加工が可能なドライエッチング装置を用いたドライエッチングのようなエッチング技術などを利用して、フレーム21および撓み部22および弁体23を形成している。ここに、撓み部22の厚さ寸法は、例えば、数μm〜20μmの範囲で設定すればよい。また、ベース基板10としてはシリコンと熱膨張係数が略等しく且つ耐熱性を有するパイレックス(登録商標)を採用すればよい。
【0041】
ところで、本実施形態のマイクロバルブでは、マイクロ構造体20のフレーム21とベース基板10とを接着剤や半田などの接合材を用いることなく陽極接合により固着しているので、弁体23のストローク量の管理が容易になる。ただし、本実施形態では、マイクロ構造体20のフレーム21とベース基板10とを陽極接合により固着する際に弁体23がベース基板10における弁口11の周部に接合されないように、弁口11の周部に金属材料(例えば、アルミニウムなど)からなる接合防止膜(図示せず)を形成してある。なお、陽極接合の条件は、マイクロ構造体とベース基板10とを重ね合わせて、マイクロ構造体20を陽極(正極)側、ベース基板10を陰極(負極)側として350℃〜500℃に加熱した状態で300〜1000Vの電圧を印加する。
【0042】
本実施形態では、上記接合防止膜の膜厚を1μmに設定してあるが、この膜厚は特に限定するものではない。ここに、弁体23とベース基板10における弁口11の周部との接合を防止する手段としては、弁体23におけるベース基板10との対向面に絶縁膜(例えば、膜厚が150nm以上のシリコン窒化膜、膜厚が500nm以上のシリコン酸化膜、膜厚が50nm以上のアルミナ薄膜など)からなる接合防止膜を設けるようにしてもよいし、ベース基板10における弁口11の周部をサンドブラスト法などによって粗面化して接合防止部を設けるようにしてもよいし、弁体23にベース基板10における弁口11の周部に当接する複数の微小突起からなる接合防止部を設けるようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態のマイクロバルブは、対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体23をベース基板10の厚み方向に変位させるものであって、上記一対の電極の一方を構成する可動電極24が撓み部22における弁体23とは反対側に形成され、マイクロ構造体20のフレーム21にベース基板10とは反対側で固着されるガラス製の固定電極支持基板30に上記一対の電極の他方を構成する固定電極31が設けられている。ここに、固定電極支持基板30としてはシリコンと熱膨張係数が略等しく且つ耐熱性を有するパイレックス(登録商標)を採用すればよい。なお、弁体23によって弁口11を閉止した状態において可動電極24と固定電極31との間に形成されるギャップは、数μm程度に設定してあるが、本実施形態では、マイクロ構造体20のフレーム21と固定電極支持基板30とを接着剤や半田などの接合材を用いることなく陽極接合により固着しているので、上記ギャップを高精度に制御することができる。
【0044】
ここにおいて、本実施形態のマイクロバルブは、両電極24,31間にそれぞれ接続された後述のパッド26a,26bを介して両電極24,31間に電圧を印加していない状態では図1に示すように弁口11が弁体23により閉止され、両電極24,31間に規定電圧以上の電圧を印加すると図2に示すように弁体23が弁口11から離れる向きに変位して弁口11が開放されるノーマリクローズ型のマイクロバルブを構成している。つまり、弁体23の先端面(図1における下面)が弁口11を塞ぐ閉止面になる。なお、本実施形態では、撓み部22の厚さ寸法と弁体23の厚さ寸法と上記接合防止膜の厚さ寸法の合計寸法がフレーム21の厚さ寸法と等しくなるように弁体23の厚さ寸法を設定してある。
【0045】
可動電極24は、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、金などの金属薄膜により構成されており、フレーム21の一表面側に露出した上記パッド26aに拡散配線からなる配線25aを介して電気的に接続されている。なお、可動電極24は、例えば、撓み部22において固定電極支持基板30側の表面の中央部に形成した凹部を埋めこむように例えばスパッタ法や蒸着法などによって形成すればよいが、凹部を設けずに撓み部22の表面に積層するようにしてもよいし、p形またはn形不純物を高濃度にドーピングした導電体領域としてもよい。
【0046】
一方、固定電極31は、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、金などの金属薄膜により構成されており、フレーム21の上記一表面側に露出した上記パッド26bに電気的に接続されている。ここに、固定電極31と上記パッド26bとは、固定電極支持基板30におけるマイクロ構造体20との対向面側に配設された金属配線からなる配線32(図3および図7参照)およびマイクロ構造体20のフレーム21の上記一表面側に形成された拡散配線からなる配線25bを介して電気的に接続されている。配線32と固定電極31とは同じ金属材料により形成してある。ただし、配線32と配線25bとは、固定電極支持基板30において配線32の一端部に設けたコンタクト部33と、マイクロ構造体20のフレームにおいて配線25bの一端部に設けた軟らかい金属材料からなるコンタクト部27とが固定電極支持基板30とマイクロ構造体20との陽極接合時に圧接して電気的に接続される。なお、マイクロ構造体20側のコンタクト部27を例えば凸状に形成し、固定電極支持基板30とマイクロ構造体20とを接合するときにコンタクト部27が固定電極支持基板30側のコンタクト部33に埋め込まれるようにしても電気的接続の信頼性を高めるようにしてもよい。また、図1中のベース基板10は図4に示した平面図におけるA−A’断面を、図1中のマイクロ構造体20は図5、図6それぞれにおけるA−A’断面を、図1中の固定電極支持基板30は図7におけるA−A’断面を示している。一方、図3中のマイクロ構造体20は図5におけるB−B’断面を示している。
【0047】
固定電極31は、例えば、スパッタ法、蒸着法、めっき法などによって形成すればよい。また、各配線25a,25bは、例えば、マイクロ構造体20の基材となるシリコン基板に高濃度のp形不純物(例えば、ボロン)を拡散することによって形成すればよい。また、各パッド26a,26bの材料としては、例えば、アルミニウムや、アルミニウムとシリコンとの合金を採用すればよい。また、配線32は、上述のように金属配線により構成されているが、固定電極支持基板30におけるマイクロ構造体20との対向面に溝を形成して当該溝に配線32をスパッタ法などによって埋め込むようにすれば、配線32の表面と固定電極支持基板30におけるマイクロ構造体20との対向面とを同一平面上に揃えることが可能となる。
【0048】
ところで、本実施形態のマイクロバルブでは、固定電極支持基板30が矩形板状に形成されており、固定電極支持基板30とマイクロ構造体20のフレーム21とを陽極接合することによって、固定電極支持基板30とマイクロ構造体20との間に閉鎖空間50が形成されている。ここに、閉鎖空間には気体(例えば、窒素、アルゴン、キセノン、ヘリウムなどの不活性ガスや空気など)若しくは液体(例えば、フロリナート、シリコーンオイル、フレオン、シリコーンゲルなど)からなる受圧媒体が封入されている。ここに、受圧媒体として用いる液体として電気絶縁性を有するものが好ましく、導電性を示すものや分極したり帯電したりするものは好ましくない。これは、本実施形態のマイクロバルブでは、弁体23によって弁口11を閉じた状態において可動電極24と固定電極31との間に形成されるギャップが数μm程度であり、両電極24,31間に導電性の物質やイオンなどが挟まると、静電気力による弁体23の駆動に支障をきたす恐れがあるからである。また、受圧媒体として気体を採用する場合には、不活性ガスを用いた方が空気を用いた場合よりも長期的な信頼性が向上し安定した開閉動作が得られる。
【0049】
また、本実施形態のマイクロバルブでは、ベース基板10とマイクロ構造体20との間に弁口11を通して外部と連通する流体空間40が形成されており、ベース基板10には厚み方向に貫通し上記流体空間40へ流体を導入可能とする流入口12が弁口11と離間して形成されており、弁体23を弁口11から離れる向きに変位させることによって、弁口11と流体空間40と流入口12とが連通し流体の流路を構成する。ここに、本実施形態では、ベース基板10とマイクロ構造体20とで上記流体空間40を外部と隔てる第1の隔壁を構成しており、第1の隔壁に流入口12が形成されている。なお、流入口12は、弁口11と同様に、サンドブラスト法、ドライエッチング、フッ酸などの薬液を用いたウェットエッチング、超音波ホーンを用いた超音波加工などにより容易に形成できる。
【0050】
ところで、マイクロ構造体20は、流体空間40を弁口11に連通する第1室41と第2室42とに分ける中間フレーム29を一体に備えている。ここにおいて、中間フレーム29は厚さ寸法をフレーム21の厚さ寸法と同じ値に設定してあり、厚み方向の一面がベース基板10に接合され、厚み方向の他面が固定電極支持基板30に接合されているが、この中間フレーム29には第1室41と第2室42とを連通させる凹溝からなる連通部29a(図6参照)が形成されている。また、マイクロ構造体20は、中間フレーム29によって閉鎖空間50も2つの空間に分けられているが、中間フレーム29には当該2つの空間を連通させる凹溝からなる連通部29b(図5参照)が形成されている。なお、前者の連通部29aとなる凹溝は、ベース基板10との対向面(上記一面)に形成され、後者の連通部29bとなる凹溝は、固定電極支持基板30との対向面(上記他面)に形成されている。
【0051】
また、本実施形態のマイクロバルブでは、流体空間40に流入した流体の流体圧を受けて閉鎖空間50の容積が縮小するように変形することで撓み部22へベース基板10に近づく向きの圧力を作用させる断面コルゲート板状(断面波板状)の圧力伝達部28がマイクロ構造体20に一体に形成されている。ここにおいて、圧力伝達部28は、マイクロ構造体20において流体空間40の上記第2室42と閉鎖空間50とを隔てる部位に形成されている。したがって、本実施形態のマイクロバルブでは、第2室42に流体が流れ込んで圧力伝達部50が閉鎖空間50側へ押されると圧力伝達部50が撓んで閉鎖空間50の受圧媒体が圧縮されて撓み部22が第1室41側へ押されるので、弁体23を弁口11へ近づける向きの力が働く。したがって、両電極24,31間に電圧が印加されていない状態では、図1に示すように、弁体23により弁口11が閉止されている。これに対して、両電極24,31間に上記力に抗して弁体23が弁口11を開くのに必要な規定電圧以上の電圧を印加すれば、静電力によって図2に示すように可動電極24が固定電極31に当接するように撓み部22が撓んで弁口11が開くので、流入口12へ導入された流体が流入口12−第2室42−連通部29a−第1室41−弁口11の流路で流れることになる。
【0052】
なお、本実施形態では、マイクロ構造体20と固定電極支持基板30とで第2の隔壁を構成しており、圧力伝達部28が第2の隔壁の一部に設けられる圧力伝達手段を構成している。また、本実施形態では、圧力伝達部28を断面コルゲート板状に形成してあるので、平板状に形成する場合に比べて撓みやすくなっている。
【0053】
ところで、上述のような断面コルゲート板状の圧力伝達部28の形成にあたっては、マイクロ構造体20の基材となるシリコン基板の一部からなる薄肉部2(図8参照)を形成した後、当該薄肉部2の厚み方向の両面にフォトレジストを塗布し、当該フォトレジストをリソグラフィ技術によってパターニングすることで、図8(a)に示すようにパターニングされたレジスト層61a,61bを形成する。なお、薄肉部2の一面(図8(a)における上面)に形成されたレジスト層61aと他面(図8(a)における下面)に形成されたレジスト層61bとは図8(a)の左右方向においてレジスト層61aとレジスト層61bとが交互に並ぶようにパターニングされている。
【0054】
パターニングされたレジスト層61a,61bを形成した後、レジスト層61a,61bをマスクとしてイオン注入によって薄肉部2へp形不純物を高濃度にドーピングして高濃度p形不純物領域(p++領域)からなるエッチングストップ層62a,62bを形成することにより、図8(b)に示す構造を得る。次に、発煙硝酸や水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などでレジスト層61a,61bを剥離することにより図8(c)に示す構造を得てから、エチレンジアミンピロカテコールなどに浸漬した後、エッチングストップ層62a,62bをマスクとしてシリコン基板2をアルカリ系溶液によって異方性エッチングするか若しくはフッ酸などにより等方性エッチングすることによって、図8(d)に示すような断面コルゲート板状の圧力伝達部28を形成することができる。
【0055】
上述の説明から分かるように、本実施形態のマイクロバルブは、微小電気機械システム(micro−electro−mechanical system:MEMS)技術を採用して製造している。なお、MEMS技術は、従来の半導体製造プロセスにおいて標準的なCCVD法やスパッタ法などによる薄膜形成、不純物拡散、熱酸化などの処理、フォトリソグラフィによるパターン形成、ドライエッチング技術およびウェットエッチング技術に加え、シリコンウェハとガラス基板との陽極接合、シリコンウェハ同士の直接接合、高アスペクト比の深堀技術があり、ウェハにガラスや別のウェハを接合した3次元の構造体をウェハ単位で高精度(数μm以下)に形成するものである。
【0056】
しかして、本実施形態のノーマリクローズ型のマイクロバルブでは、流入口12を通して第2室42へ流入する流体の圧力を受ける圧力伝達部28が撓むことによって弁体23が弁口11を閉止する向きの力が作用するので、撓み部22が流体から受ける圧力と撓み部22が受圧媒体から受ける圧力とのバランスをとることが可能となり、両電極24,31間に電圧を印加していないときに流体圧によって撓み部22が押し上げられて弁口11が開くのを防止することができる(つまり、弁体23によって弁口11を閉止した状態を保つことができる)から、流体圧の比較的高い流体に適用することができる。一方、両電極24,31間に電圧を印加すれば両電極24,31間に静電力が発生するから、両電極24,31間に上記規定電圧以上の電圧を印加すれば、図2に示すように可動電極24が固定電極31に当接するように撓み部22が撓むこととなるので、弁口11を開放することができ、小型で低電圧の電源を用いる電子機器に利用することができる。ここにおいて、本実施形態のマイクロバルブでは、可動電極24と固定電極31との間のギャップを高精度に管理することができ、弁体23のストローク量を数μm程度に設定することができるので、応答性が良く、粘性が高い流体であっても数μl/minレベルの微量な流体を精度良く高速に制御することができる。また、弁体23のストローク量が小さいので、数V程度の電圧を印加することにより、弁口11の開閉を行うことができる。
【0057】
また、マイクロ構造体を多数形成したシリコンウェハとベース基板10を多数形成したガラス基板および固定電極支持基板30を多数形成したガラス基板をウェハ単位で陽極接合してからダイシングするので工程の簡略化および製造コストを低減でき、生産性が良い。また、撓み部22の加工もリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用するので、数μm以下の精度で形成することができる。
【0058】
(実施形態2)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、図9に示すように、撓み部22における固定電極支持基板30側の表面とフレーム21においてパッド26a,26bが形成された側の表面とを同一平面上に揃え、固定電極支持基板30におけるマイクロ構造体20との対向面に凹所30aを設けることによって固定電極支持基板30とマイクロ構造体20との間に閉鎖空間50を形成し、固定電極支持基板30に設けた凹所30aの内底面に固定電極31を配設している点などが相違する。ここに、固定電極支持基板30には、閉鎖空間50を2つの空間に分ける突出部36が凹所30aの内底面から中間フレーム29に向かって突出しており、突出部36には当該2つの空間を連通させる連通部36aが形成されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
しかして、本実施形態のマイクロバルブでは、実施形態1のようにマイクロ構造体20の厚さ方向の中間に撓み部22および圧力伝達部28を設けて閉鎖空間50を形成している場合に比べてマイクロ構造体20の厚さ寸法を小さくすることが可能なので、実施形態1に比べてマイクロバルブ全体の厚さ寸法を小さくすることが可能となる。
【0060】
(実施形態3)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、実施形態1にて説明した中間フレーム29に第1室41と第2室42とを連通させる連通部29aを設ける代わりに、図10に示すように、流体空間40の第1室41に連通する流通口13をベース基板10の厚み方向に貫設している点などが相違する。ここに、ベース基板10における流通口13は弁口11とは離間して形成されているが、弁口11および流入口12と同時に形成することができる。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
本実施形態のマイクロバルブでは、中間フレーム29により第1室41と隔絶された第2室42に流入口12を通して流体が導入するように構成されており、流入口12を通して第2室42へ流入する流体の圧力を受ける圧力伝達部28が撓むことによって弁体23が弁口11を閉止する向きの力が作用するので、両電極24,31間に電圧を印加していないときに弁口11若しくは流通口13へ導入される流体の流体圧によって撓み部22が押し上げられて弁口11が開くのを防止することができる(弁体23によって弁口11を閉止した状態を保つことができる)。
【0062】
要するに、本実施形態のマイクロバルブは、可動電極24と固定電極31との間に電圧が印加されていない状態では図10に示すように弁口11が弁体23により閉止され、可動電極24と固定電極31との間に規定電圧以上の電圧を印加すれば、静電気力によって可動電極24が固定電極31側へ変位し図11に示すように可動電極24が固定電極31に当接するので、弁口11が開放され、弁口11−第1室41−流通口13の流路が形成されることとなり、弁口11を通して第1室41へ導入された流体が流通口13を通して外部へ吐出される。
【0063】
しかして、本実施形態のマイクロバルブでは、上記各実施形態1,2に比べて弁口11を通る流体の流路長を短くすることができる。また、撓み部22の厚み方向の両方からかかる圧力を別々に調整することができ、設計が容易になる。また、実施形態1に比べて連通部29aを形成するため工程を削減することができ、工程数の削減を図れる。
【0064】
(実施形態4)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、実施形態1にて説明した流入口12をベース基板10に設けず、図12に示すように、マイクロ構造体20のフレーム21に、厚み方向に貫通する貫通孔21aを形成するとともに、貫通孔21aと第2室とを連通させる凹溝からなる連通部21bを形成し、固定電極支持基板30に貫通孔21aに連通する流入口34を貫設している点などが相違する。ここに、貫通孔21bは、深堀加工が可能なエッチング装置(例えば、誘導結合型プラズマを利用したドライエッチング装置)により形成することができる。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
本実施形態のマイクロバルブでは、固定電極支持基板30に貫設した流入口34がマイクロ構造体20に形成した上記貫通孔21aおよび連通部21bを通して第2室42と連通しており、中間フレーム29により第1室41と隔絶された第2室42に流入口34を通して流体が導入するように構成されている。したがって、流入口34を通して第2室42へ流入する流体の圧力を受ける圧力伝達部28が撓むことによって弁体23が弁口11を閉止する向きの力が作用するので、両電極24,31間に電圧を印加していないときに流通口34へ導入される流体の流体圧によって撓み部22が押し上げられて弁口11が開くのを防止することができる(弁体23によって弁口11を閉止した状態を保つことができる)。
【0066】
要するに、本実施形態のマイクロバルブは、可動電極24と固定電極31との間に電圧が印加されていない状態では図12に示すように弁口11が弁体23により閉止され、可動電極24と固定電極31との間に規定電圧以上の電圧を印加すれば、静電気力によって可動電極24が固定電極31側へ変位し図13に示すように可動電極24が固定電極31に当接するので、弁口11が開放され、流通口34−貫通孔21a−連通部21b−第2室42−連通部29a−第1室41−弁口11の流路が形成されることとなり、流通口34を通して第1室41へ導入された流体が弁口11を通して外部へ吐出される。
【0067】
しかして、本実施形態のマイクロバルブでは、固定電極支持基板30側から導入された流体をベース基板10側から排出させることができる。つまり、実施形態1ではマイクロバルブの厚み方向の一面側に弁口11および流入口12が形成さているのに対して、本実施形態のマイクロバルブでは厚み方向の一面側に弁口11が形成され他面側に流通口34が形成されている。
【0068】
(実施形態5)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、実施形態1にて説明した中間フレーム29におけるベース基板10側に形成していた連通部29aを設けず、図14に示すように、マイクロ構造体20のフレーム21に、厚み方向に貫通する貫通孔21aを形成するとともに、貫通孔21aと第2室とを連通させる凹溝からなる連通部21bを形成し、固定電極支持基板30に貫通孔21aに連通する流通口34を貫設している点などが相違する。また、本実施形態では、可動電極24に電気的に接続されるパッド26aが固定電極支持基板30に形成されており、可動電極24とパッド26aとが、マイクロ構造体20に形成した拡散配線からなる配線25aと、コンタクト部27aと、固定電極支持基板30側に形成された金属配線からなる配線32aとを介して電気的に接続されている。また、図示していないが固定電極31に電気的に接続されたパッドも固定電極支持基板30に設けられている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
本実施形態のマイクロバルブでは、固定電極支持基板30に貫設した流通口34がマイクロ構造体20に形成した上記貫通孔21aおよび連通部21bを通して第1室41と連通しており、中間フレーム29により第1室41と隔絶された第2室42には流入口12を通して流体が導入するように構成されている。したがって、流入口12を通して第2室42へ流入する流体の圧力を受ける圧力伝達部28が撓むことによって弁体23が弁口11を閉止する向きの力が作用するので、両電極24,31間に電圧を印加していないときに弁口11へ導入される流体の流体圧によって撓み部22が押し上げられて弁口11が開くのを防止することができる(弁体23によって弁口11を閉止した状態を保つことができる)。
【0070】
要するに、本実施形態のマイクロバルブは、可動電極24と固定電極31との間に電圧が印加されていない状態では図14に示すように弁口11が弁体23により閉止され、可動電極24と固定電極31との間に規定電圧以上の電圧を印加すれば、静電力によって可動電極24が固定電極31側へ変位し図15に示すように可動電極24が固定電極31に当接するので、弁口11が開放され、弁口11−第1室41−連通部21b−貫通孔21a−流通口34の流路が形成されることとなり、弁口11を通して第1室41へ導入された流体が流通口34を通して外部へ吐出される。
【0071】
しかして、本実施形態のマイクロバルブでは、ベース基板10側から導入された流体を固定電極支持基板30側から排出させることができる。つまり、実施形態1ではマイクロバルブの厚み方向の一面側に弁口11および流入口12が形成さているのに対して、本実施形態のマイクロバルブでは厚み方向の一面側に弁口11が形成され他面側に流通口34が形成されている。なお、本実施形態のマイクロバルブは、流体を取り入れる流通孔が1つだけ設けられた母基板に搭載する場合に固定電極支持基板30を母基板側として使用される。
【0072】
(実施形態6)
以下、本実施形態のマイクロバルブについて図16ないし図19を参照しながら説明する。なお、図16中のベース基板10は図18の平面図におけるA−A’断面を示し、図16中のマイクロ構造体20は図19の下面図におけるA−A’断面を示している。
【0073】
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、図16および図19に示すように、撓み部22の平面形状が八角形状に形成されて、流体空間40における第2室42が第1室41を全周にわたって囲むように形成され、圧力伝達部28が中間フレーム19を全周にわたって囲むように形成されている点などが相違する。また、本実施形態では、第1室41と第2室42とを分ける中間フレーム29においてベース基板10側に4つの連通部29aが形成され、固定電極支持基板30側に4つの連通部29bが形成されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
したがって、本実施形態のマイクロバルブの動作原理は実施形態1と同じであって、両電極24,31間に電圧が印加されていない状態では、図16に示すように、弁体23により弁口11が閉止されている。これに対して、両電極24,31間に弁体23が弁口11を開くのに必要な規定電圧以上の電圧を印加すれば、図17に示すように弁口11が開くので、流入口12へ導入された流体が流入口12−第2室42−連通部29a−第1室41−弁口11の流路で流れることになる。
【0075】
本実施形態のマイクロバルブでは、上述のようなマイクロ構造体20を採用しているので、ベース基板10の中央部に弁口11を形成することができ、また、圧力伝達部28における第2室42側の面積を実施形態1に比べて大きくすることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、各連通部29a,29bを4つずつ形成してあるが、各連通部29a,29bの数は特に限定するものではなく、それぞれ1つ以上あればよい。また、本実施形態では、流入口12を1つだけ形成してあるが、流入口12の数も特に限定するものではなく、1つ以上あればよい。
【0077】
(実施形態7)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、図20に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28を平板状のダイヤフラムにより形成している点が相違する。ここに、圧力伝達部28の厚さ寸法は撓み部22の厚さ寸法よりも小さく設定してあるが、これら各寸法は特に限定するものではない。他の構成は実施形態1と同じなので、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
本実施形態のマイクロバルブでは、実施形態1のように圧力伝達部28を断面コルゲート板状に形成する場合に比べて製造が容易になる。
【0079】
(実施形態8)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、図21に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28を薄い平板状のダイヤフラムにより形成している点、圧力伝達部28をベース基板10の厚み方向において撓み部22よりもベース基板10に近い側に設けている点が相違する。ここに、圧力伝達部28は上記厚み方向において固定電極支持基板30よりもベース基板10に近い側に設けられている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
しかして、本実施形態のマイクロバルブでは、圧力伝達手段たる圧力伝達部28を平板状のダイヤフラムにより形成していることにより、実施形態1のように圧力伝達部28を断面コルゲート板状に形成する場合に比べて製造が容易になり、また、圧力伝達部28を撓み部22よりもベース基板10に近い側に設けていることにより、第2室42の容積を小さくすることができるとともに、圧力伝達部28を撓みやすくすることができる。
【0081】
(実施形態9)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態8と略同じであって、図22に示すように、圧力伝達部28を断面コルゲート板状に形成している点が相違する。他の構成は実施形態8と同じなので、実施形態8と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
本実施形態のマイクロバルブの動作原理は実施形態1と同じであって、両電極24,31間に電圧が印加されていない状態では、図22に示すように、弁体23により弁口11が閉止されている。これに対して、両電極24,31間に弁体23が弁口11を開くのに必要な規定電圧以上の電圧を印加すれば、静電力によって可動電極24が固定電極31に当接し弁口11が開くので、流入口12へ導入された流体が流入口12−第2室42−連通部29a−第1室41−弁口11の流路で流れることになる。
【0083】
本実施形態のマイクロバルブでは、圧力伝達部28が断面コルゲート状に形成されているので、実施形態8に比べて圧力伝達部28が撓みやすく、しかも、実施形態8と同様に圧力伝達部28を撓み部22よりもベース基板10に近い側に設けてあるので、より高い流体圧の流体に適用可能で図23に示すように圧力伝達部28をより大きく撓ませることができ、両電極24,31間に電圧を印加していないときに弁体23をベース基板10における弁口11の周部に押し付ける力を高めることができる。
【0084】
(実施形態10)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、図24に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28が金属材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなど)からなる金属薄膜により構成されている点が相違する。ここに、圧力伝達部28を構成する金属薄膜は、例えば、スパッタ法、蒸着法、めっき法などによって形成すればよい。他の構成は実施形態1と同じなので、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0085】
しかして、本実施形態では、上記各実施形態のように圧力伝達部28をマイクロ構造体20の基材となるシリコン基板の一部により構成している場合に比べて圧力伝達部28の厚さ寸法を小さくすることが可能となるとともに、圧力伝達部28の弾性特性を適宜設定することが可能となる。なお、本実施形態では、圧力伝達部28を金属薄膜により構成しているが、金属薄膜片をマイクロ構造体20に直接貼り付けるようにしてもよい。
【0086】
(実施形態11)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、図25に示すように、第2室42と外部とを連通させる凹溝からなる流入口21cをマイクロ構造体20のフレーム21に形成している点が相違する。ここにおいて、流入口21cは、フレーム21におけるベース基板10との対向面に形成されている。他の構成は実施形態1と同じなので、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
しかして、本実施形態のマイクロバルブでは、ベース基板10とマイクロ構造体20とで構成される第1の隔壁において弁口11が形成されている壁と流入口21cが形成されている壁とが直交するので、マイクロバルブの外側に形成されている流路が例えばマイクロバルブの入口側と出口側とで直交するような場合に使用することができる。
【0088】
(実施形態12)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、図26に示すように、実施形態1にて圧力伝達部28が形成されていた部位に第2室と閉鎖空間50とを仕切る平板状の仕切部22dが形成され、圧力伝達部28が仕切部22dとベース基板1との間に介在する薄肉部により形成されている点などが相違する。本実施形態における圧力伝達部28は当該圧力伝達部28の厚み方向の一面側に第2室42が形成され、当該圧力伝達部28の厚み方向の他面とフレーム21との間に形成された空間が仕切部22dに貫設した連通孔22cを通して閉鎖空間50と連通している。ここに、本実施形態における圧力伝達部28は仕切部22dにおけるベース基板10との対向面からベース基板10へ向かって突出する形で形成されており、圧力伝達部28の先端面がベース基板10に接合されている。要するに、圧力伝達部28はマイクロ構造体20の一部であってベース基板10の厚み方向を含む一平面に沿って形成された薄肉部よりなる。したがって、圧力伝達部28は、ベース基板10の流入口12を通して第2室42へ導入された流体の流体圧によって撓むことができる。他の構成は実施形態1と同じであり、基本動作も実施形態1と同様なので、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0089】
(実施形態13)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態4と略同じであって、図27に示すように、実施形態1にて圧力伝達部28が形成されていた部位に第2室と閉鎖空間50とを仕切る平板状の仕切部22dが形成され、圧力伝達部28が仕切部22dにおける固定電極支持基板30との対向面から固定電極支持基板30に向かって突出する形で形成されており、圧力伝達部28の先端面が固定電極支持基板30に接合されている点、第2室42に連通する流通口34が固定電極支持基板30に貫設されている点などが相違する。要するに、圧力伝達部28はマイクロ構造体20の一部であってベース基板10の厚み方向を含む一平面に沿って形成された薄肉部よりなる。したがって、圧力伝達部28は、固定電極支持基板30の流通口34を通して第2室42へ導入された流体の流体圧によって撓むことができる。他の構成は実施形態4と同じなので、実施形態12と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態の動作原理は実施形態4と同様である。
【0090】
(実施形態14)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態1と略同じであって、図28に示すように、第2室42へ流体を導入する流入口としての流通口34を固定電極支持基板30に貫設するとともに、固定電極支持基板30に貫通孔37を貫設し、固定電極支持基板30の貫通孔37を塞ぐように圧力伝達部28を配設している点などが相違する。また、固定電極支持基板30における流通口34の周部にガラス製若しくは樹脂製の流路管71が固着され、流路管71から分岐したチューブ72を圧力伝達部28の周部に固着している。また、ベース基板10におけるマイクロ構造体20とは反対側の面には、弁口11の周部にチューブ73が固着されている。したがって、本実施形態では、マイクロ構造体20と固定電極支持基板30と圧力伝達部28とで閉鎖空間50を外部と隔てる第2の隔壁を構成している。また、本実施形態において、圧力伝達手段たる圧力伝達部28は、弾性を有する有機薄膜などにより構成すればよく、シリコーン樹脂によるラバーやゴム膜、フッ素樹脂によるラバーやゴム膜などを採用すればよい。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
本実施形態のマイクロバルブは、両電極24,31間に電圧が印加されていない状態では、流路管71から分岐したチューブ72を通して圧力伝達部28へ到達する流体の圧力によって閉鎖空間50の容積が圧縮され弁体23を弁口11へ近づける向きの力が撓み部22へ働いているので、図28に示すように、弁体23により弁口11が閉止されている。これに対して、両電極24,31間に弁体23が弁口11を開くのに必要な規定電圧以上の電圧を印加すれば、静電力によって図29に示すように可動電極24が固定電極31に当接し弁口11が開くので、流路管71を通してマイクロバルブへ導入される流体が、流路管71−流通口34−第2室42−連通部29a−第1室41−チューブ73の流路で流体が流れることになる。
【0092】
なお、本実施形態では、固定電極支持基板30におけるマイクロ構造体20との対向面とは反対の面側に圧力伝達部28を配設してあるが、マイクロ構造体20との対向面側に圧力伝達部28を配設するようにしてもよい。
【0093】
(実施形態15)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態14と略同じであって、図30に示すように、固定電極支持基板30における貫通孔37を流通口34の近傍に形成し、チューブからなる流路管71の内径を流通口34および圧力伝達部28が流通管71の開口内に入るようにしている点に特徴がある。他の構成は実施形態14と同じなので、実施形態14と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
しかして、本実施形態のマイクロバルブでは、実施形態14のように流路管71からチューブ72を分岐させる必要がないので、実施形態14のように流路管71およびチューブ72それぞれを固定電極支持基板30および圧力伝達部28へ固着する場合に比べて製造が容易になる。
【0095】
(実施形態16)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態14と略同じであって、図31に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28を金属材料(アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、クロムなど)からなる金属薄膜により形成している点が相違する。ここに、圧力伝達部28の厚さ寸法は、例えば、数μm〜数10μmの範囲で設定すればよい。他の構成は実施形態14と同じなので、実施形態14と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0096】
(実施形態17)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態14と略同じであって、図32に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28をチューブ72内において流路管71近傍に設けている点が相違する。なお、本実施形態では、マイクロ構造体20と固定電極支持基板30とチューブ72と圧力伝達部28とで閉鎖空間50を外部と隔てる第2の隔壁を構成している。また、他の構成は実施形態14と同じなので、実施形態14と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
本実施形態では、チューブ72内において流路管71の近傍に圧力伝達部28を配設してあるが、チューブ72内において固定電極支持基板30の貫通孔37の近傍に設けてもよいし、それらの間に設けてもよい。
【0098】
(実施形態18)
本実施形態のマイクロバルブの基本構成は実施形態3と略同じであって、図33に示すように、弁体23におけるベース基板10との対向面に受圧面積を増大させるための凹部23aを形成して弁口11から流入する流体の圧力を受ける面積を大きくしている点に特徴がある。ここにおいて、本実施形態では、撓み部22が閉鎖空間50側から受ける圧力と、弁体23が弁口11側から受ける圧力とのバランスを凹部23aの形状や寸法によって調整することができる。例えば、撓み部22が閉鎖空間50側から受ける圧力が大き過ぎる場合には、弁体23の閉止面側の面積を大きくして弁体23を弁口11側へ押し下げる力を大きくすればよい。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
本実施形態のマイクロバルブは、可動電極24と固定電極31との間に電圧が印加されていない状態では図33に示すように弁口11が弁体23により閉止され、可動電極24と固定電極31との間に規定電圧以上の電圧を印加すれば、静電気力によって可動電極24が固定電極31側へ変位し図34に示すように可動電極24が固定電極31に当接するので、弁口11が開放され、弁口11−第1室41−流通口13の流路が形成されることとなり、弁口11を通して第1室41へ導入された流体が流通口13を通して外部へ吐出される。なお、本実施形態のような弁体23を他の実施形態に採用してもよい。
【0100】
【発明の効果】
請求項1の発明は、上記構成を採用したことにより、前記可動電極と前記固定電極との間に適宜電圧を印加すれば前記可動電極と前記固定電極との間に静電力が作用して前記可動電極が前記固定電極に当接するように前記撓み部が撓んで前記弁口が開放されるから、小型化および低電圧化を図ることができ、しかも、前記圧力伝達手段が前記流体空間に流入した流体の流体圧を受けて前記閉鎖空間の容積を縮小するように変形して前記撓み部へ前記ベース基板に近づく向きの圧力を作用させるので、前記撓み部が流体から直接受ける圧力である流体圧と前記受圧媒体から受ける圧力とのバランスをとることが可能となり、前記可動電極と前記固定電極との間に電圧を印加していないときに流体の流体圧によって前記撓み部が押し上げられて弁口が開くのを防止することができるから、流体圧の高い流体に適用することができるという効果がある。
【0101】
請求項2の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段が前記流入口から導入された流体の流体圧を受けて前記撓み部へ前記ベースに近づく向きの圧力を作用させることになるという効果がある。
【0102】
請求項3の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段が前記流入口から導入された流体の流体圧を受けて前記撓み部へ前記ベースに近づく向きの圧力を作用させることになるという効果がある。
【0103】
請求項4の発明は、上記構成を採用したことにより、前記弁口と前記第1室と前記流通口とで流体の流路が形成されることになるので、前記撓み部において前記第1室側から受ける圧力と前記圧力伝達手段によって前記閉鎖空間側から受ける圧力とを別々に調整することができるという効果がある。
【0104】
請求項5の発明は、上記構成を採用したことにより、前記弁口を開くことにより、前記貫通孔を通して導入された流体が前記弁口を通して吐出されるから、前記厚み方向において前記固定電極支持基板側を流体の流れ込む側とし且つ前記ベース基板側を流体の流れ出る側として使用することができるという効果がある。
【0105】
請求項6の発明は、上記構成を採用したことにより、前記弁口を開くことにより、前記流通口を通して導入された流体が前記弁口を通して吐出されるから、前記厚み方向において前記固定電極支持基板側を流体の流れ込む側とし且つ前記ベース基板側を流体の流れ出る側として使用することができるという効果がある。
【0106】
請求項7の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段における前記流体空間側および前記閉鎖空間側それぞれの面積を大きくすることができるという効果がある。
【0107】
請求項8の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段をマイクロマシンニング技術により容易に形成することができるという効果がある。
【0108】
請求項9の発明は、上記構成を採用したことにより、請求項8の発明に比べて前記圧力伝達手段を撓みやすくすることができるという効果がある。
【0109】
請求項10の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段の撓みを大きくすることが可能となり、より高い流体圧の流体に適用可能となるという効果がある。
【0110】
請求項11の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段をマイクロマシンニング技術によって容易に形成することが可能となるという効果がある。
【0111】
請求項12の発明は、上記構成を採用したことにより、前記流入口と前記弁口とを前記ベース基板に同時に形成することができ、製造が容易になるとともに、前記流入口と前記弁口との相対位置の管理が容易になるという効果がある。
【0112】
請求項13の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段をマイクロマシンニング技術によって容易に形成することが可能となるという効果がある。
【0113】
請求項14の発明は、上記構成を採用したことにより、前記弁口を開くことにより、前記流入口を通して導入された流体が前記弁口を通して吐出されるから、前記厚み方向において前記固定電極支持基板側を流体の流れ込む側とし且つ前記ベース基板側を流体の流れ出る側として使用することができ、また、前記圧力伝達手段をマイクロ構造体と一体に形成する場合に比べて製造が容易になるという効果がある。
【0114】
請求項15の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段の弾性特性を適宜設定することが可能となるという効果がある。
【0115】
請求項16の発明は、上記構成を採用したことにより、前記圧力伝達手段の弾性特性を適宜設定することが可能となるという効果がある。
【0116】
請求項17の発明は、上記構成を採用したことにより、前記弁口を開くことにより、前記流入口を通して導入された流体が前記弁口を通して吐出されるから、前記厚み方向において前記固定電極支持基板側を流体の流れ込む側とし且つ前記ベース基板側を流体の流れ出る側として使用することができるという効果がある。
【0117】
請求項18の発明は、上記構成を採用したことにより、開閉動作が安定するとともに信頼性が向上するという効果がある。
【0118】
請求項19の発明は、上記構成を採用したことにより、開閉動作が安定するとともに信頼性が向上するという効果がある。
【0119】
請求項20の発明は、上記構成を採用したことにより、前記凹部の形状や寸法を調整することで前記弁口を通して前記弁体にかかる圧力を調整することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略断面図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の概略断面図である。
【図4】同上におけるベース基板の平面図である。
【図5】同上におけるマイクロ構造体の平面図である。
【図6】同上におけるマイクロ構造体の下面図である。
【図7】同上における固定電極支持基板の下面図である。
【図8】同上における要部の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図9】実施形態2を示す概略断面図である。
【図10】実施形態3を示す概略断面図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】実施形態4を示す概略断面図である。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】実施形態5を示す概略断面図である。
【図15】同上の動作説明図である。
【図16】実施形態6を示す概略断面図である。
【図17】同上の動作説明図である。
【図18】同上におけるベース基板の平面図である。
【図19】同上におけるマイクロ構造体の下面図である。
【図20】実施形態7を示す概略断面図である。
【図21】実施形態8を示す概略断面図である。
【図22】実施形態9を示す概略断面図である。
【図23】同上の動作説明図である。
【図24】実施形態10を示す概略断面図である。
【図25】実施形態11を示す概略断面図である。
【図26】実施形態12を示す概略断面図である。
【図27】実施形態13を示す概略断面図である。
【図28】実施形態14を示す概略断面図である。
【図29】同上の動作説明図である。
【図30】実施形態15を示す概略断面図である。
【図31】実施形態16を示す概略断面図である。
【図32】実施形態17を示す概略断面図である。
【図33】実施形態18を示す概略断面図である。
【図34】同上の動作説明図である。
【図35】従来例を示す概略断面図である。
【図36】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
10 ベース基板
11 弁口
12 流入口
20 マイクロ構造体
21 フレーム
22 撓み部
23 弁体
24 可動電極
25a 配線
25b 配線
26a パッド
26b パッド
28 圧力伝達部
29 中間フレーム
29a 連通部
29b 連通部
30 固定電極支持基板
31 固定電極
34 流通口
40 流体空間
41 第1室
42 第2室
50 閉鎖空間
71 流路管
72 チューブ
73 チューブ

Claims (20)

  1. 弁口が厚み方向に貫設されたベース基板と、前記ベース基板の一表面に固着された枠状のフレームおよび前記フレームの内側に配置され前記弁口を開閉する弁体および前記フレームと前記弁体とを連結するダイヤフラム状の撓み部を一体に有する半導体材料からなるマイクロ構造体と、前記撓み部における前記弁体とは反対側の面に配設され前記弁体を静電力により前記厚み方向へ変位させるための可動電極と、前記マイクロ構造体における前記ベース基板とは反対側で前記フレームに固着され且つ前記可動電極に対向する固定電極が設けられた固定電極支持基板とを備え、前記マイクロ構造体と前記ベース基板との間に前記弁口を通して外部と連通する流体空間が形成され、少なくとも前記マイクロ構造体と前記ベース基板とで構成されて前記流体空間を外部と隔てる第1の隔壁に流体の流入口が形成され、少なくとも前記マイクロ構造体と前記固定電極支持基板とで構成される第2の隔壁により囲まれた閉鎖空間に受圧媒体が封入され、前記第2の隔壁の一部に、前記流体空間に流入した流体の流体圧を受けて前記閉鎖空間の容積が縮小するように変形することで前記撓み部へ前記ベース基板に近づく向きの圧力を作用させる圧力伝達手段が設けられてなることを特徴とするマイクロバルブ。
  2. 前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記第1室と前記第2室とを連通させる連通部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  3. 前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記圧力伝達手段は、前記マイクロ構造体において前記閉鎖空間と前記第2室とを隔てる部位に設けられてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  4. 前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流通口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記ベース基板は、前記第1室に連通する流通口が前記弁口から離間して前記厚み方向に貫設されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  5. 前記流入口が前記固定電極支持基板に設けられ、前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記第1室と前記第2室とを連通させる第1の連通部が形成され、前記フレームに厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、前記フレームに前記貫通孔と前記第2室とを連通させる第2の連通部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  6. 前記流入口が前記ベース基板に設けられ、前記固定電極支持基板には流通口が厚み方向に貫設され、前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記フレームに厚み方向に貫通する貫通孔が形成されるとともに、前記フレームに前記貫通孔と前記第1室とを連通させる第1の連通部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  7. 前記マイクロ構造体は、前記流体空間を前記弁口に連通する第1室と前記流入口に連通する第2室とに分ける中間フレームを一体に備え、前記第1室と前記第2室とを連通させる連通部が形成され、前記中間フレームが前記第1室を全周にわたって囲むように形成され、前記圧力伝達手段が前記中間フレームを全周にわたって囲むように形成されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  8. 前記圧力伝達手段は、平板状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  9. 前記圧力伝達手段は、断面コルゲート板状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  10. 前記圧力伝達手段は、前記厚み方向において前記固定電極支持基板よりも前記ベース基板に近い側に設けられてなることを特徴とする請求項8または請求項9記載のマイクロバルブ。
  11. 前記圧力伝達手段は、金属材料からなることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  12. 前記流入口は、前記ベース基板に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  13. 前記圧力伝達手段は、前記マイクロ構造体の一部であって前記厚み方向を含む一平面に沿って形成された薄肉部よりなることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  14. 前記固定電極支持基板が前記第1の隔壁および前記第2の隔壁それぞれの一部を構成し、前記流入口が前記固定電極支持基板に設けられ、前記圧力伝達手段が前記第2の隔壁の一部を兼ねてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  15. 前記圧力伝達手段は、弾性力を有する有機薄膜からなることを特徴とする請求項14記載のマイクロバルブ。
  16. 前記圧力伝達手段は、金属薄膜からなることを特徴とする請求項14記載のマイクロバルブ。
  17. 前記固定電極支持基板が前記第1の隔壁および前記第2の隔壁それぞれの一部を構成し、前記流入口が前記固定電極支持基板に設けられ、前記固定電極支持基板において前記撓み部との間に形成される空間に対応する部位に貫通孔が貫設され、前記流入口の周部に固着された流路管と、前記流路管から分岐され前記固定電極支持基板における前記貫通孔の周部に固着されるチューブとを備え、前記圧力伝達手段は、前記チューブ内に設けられて前記第2の隔壁の一部を兼ねることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  18. 前記受圧媒体は、不活性ガスからなることを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  19. 前記受圧媒体は、電気絶縁性を有する液体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  20. 前記マイクロ構造体は、前記弁体における前記ベース基板との対向面に受圧面積を増大させるための凹部が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項19のいずれかに記載のマイクロバルブ。
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