JP2004175266A - ワイヤハーネスの取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤハーネスの配策効率および作業性の向上を図る。
【解決手段】強度部材10は車両幅方向に延びるように配置される。中空の強度部材10の内部にはワイヤハーネス20が収納、配策され、幹線ハーネスよりそれぞれ分岐したリード線束の端に設けられた電気コネクタ30a〜dが、強度部材10の表面の所定個所に設けられた開口部18a〜dより露出して固定される。強度部材10は長手方向に2分割されるので、ワイヤハーネス20の強度部材10への配策作業が容易になるとともに、固定用のブラケットが不要となり部品点数を少なくすることができる。また、各電気コネクタ30a〜dは、エリア別ハーネス41〜44と接続され、各エリア毎に電源分配、電源識別等を行うので、強度部材10に配策される幹線ハーネスを汎用化、共用化でき、同一プラットフォームの車両に対して1品番化できる。
【選択図】 図2
【解決手段】強度部材10は車両幅方向に延びるように配置される。中空の強度部材10の内部にはワイヤハーネス20が収納、配策され、幹線ハーネスよりそれぞれ分岐したリード線束の端に設けられた電気コネクタ30a〜dが、強度部材10の表面の所定個所に設けられた開口部18a〜dより露出して固定される。強度部材10は長手方向に2分割されるので、ワイヤハーネス20の強度部材10への配策作業が容易になるとともに、固定用のブラケットが不要となり部品点数を少なくすることができる。また、各電気コネクタ30a〜dは、エリア別ハーネス41〜44と接続され、各エリア毎に電源分配、電源識別等を行うので、強度部材10に配策される幹線ハーネスを汎用化、共用化でき、同一プラットフォームの車両に対して1品番化できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のコックピット内のワイヤハーネスおよび電気接続用コネクタの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のコックピット内で配策されるワイヤハーネスの固定方法として、図1に示すように、車両幅方向に延びて車体に固定される強度部材(リインフォース部材、またはリインフォースメント)1の外側表面にワイヤハーネス2を沿わせ(図1(a))、適宜個所でワイヤハーネス2に固定された樹脂クランプ4の差し込み部5を、強度部材1の対応個所に設けた差し込み穴6に差し込んで固定することにより行っていた(図1(b))。
【0003】
しかし、この方法では、強度部材1の内側に無駄なスペースが生じてしまい、搭載効率が低かった。また、樹脂クランプ4を用いるため配策作業の効率が低いという問題があった。
【0004】
さらに、ワイヤハーネス2に設けられた電気接続用の各コネクタ3は、それぞれ各機器(図示せず)に接続されるが、この場合、走行中の振動によりコネクタが他の車体構造物と衝突して破損しないよう、ブラケットによりコネクタ3そのものを車体構造物に固定する必要があり、部品点数の増加および配策作業性の低下によりコストアップの要因となるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記点に鑑みて、ワイヤハーネスの配策効率および作業性の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車体内に配策されるワイヤハーネス(20、200)であって、該ワイヤハーネスは、前記車体に固定される中空状の強度部材(10、100、400)の内部に配置される複数のリード線で構成される幹線ハーネス(21、201)と、前記幹線ハーネスより分岐された一部のリード線束(22、202a〜202d)の先端に設けられ、車載機器(50)と接続される他の電気コネクタ(45)と電気接続する電気接続部(31)および該電気接続部の外周部を形成するコネクタケース(32)とを備える電気コネクタ(30、30a〜30d)とを有し、前記電気コネクタの電気接続部が前記強度部材の表面に設けられた開口部(18、115、119、123a〜123c)に露出するように前記コネクタケースが前記開口部に固定して配置されることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、幹線ハーネスと幹線ハーネスより分岐した一部のリード線束およびその先端に設けた電気コネクタを備えたワイヤハーネスを中空状の強度部材の内部に配置するので、ワイヤハーネスの搭載効率を高めることができる。
【0008】
さらに、強度部材の表面に開口部を設け、ワイヤハーネスが備える電気コネクタをこの開口部に露出するように開口部に固定するので、ワイヤハーネスそのものを強度部材に固定する必要がなく、ワイヤハーネスの配策作業性を高めることができる。また、ワイヤハーネスの電気コネクタは強度部材の開口部に固定されることにより、待ち受けコネクタとすることができるので、相手側の電気コネクタとの接続を片手で容易に行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記強度部材は、長手方向に沿って設けられた分割結合部(16a、16b)で少なくとも第1部材(15a)と第2部材(15b)とに分割、および該第1および第2部材の結合が可能となるよう形成されるとともに、前記第1または第2部材の少なくとも一方には、前記分割結合部の一部が切り欠かれることにより前記開口部が形成され、前記電気接続部は前記開口部より前記強度部材の表面側へ露出するように配置されることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、強度部材をその長手方向に沿って設けた分割結合部で第1および第2部材に分割するので、その分割した状態でワイヤハーネスを容易に強度部材内部へ収納することができる。さらに、第1または第2部材のいずれか一方または両方の部材に、分割結合部の一部を切り欠いて開口部を設けているので、上記第1および第2部材に分割した状態でこの開口部に切り欠き方向より電気コネクタを簡単に装着でき、さらに、第1および第2部材を分割結合部で結合することによりワイヤハーネスおよび電気コネクタの収納、固定を容易に行うことができる。
【0011】
なお、請求項3に記載のように、前記コネクタケースには凹状に形成されたガイド部(33)を設け、該ガイド部が前記強度部材の開口部と係合することにより前記電気コネクタが前記強度部材に組み付けられるようにすることで、電気コネクタと開口部との係合を容易かつ確実に行うことができる。
【0012】
また、前記第1および第2部材の各分割結合部は、請求項4に記載のように、それぞれフランジ(17a、17b)を有し、前記電気コネクタの組み付け後に前記各フランジを結合することにより固定することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記電気コネクタは前記第1または第2部材の一方の前記開口部に固定されるとともに、前記第1または第2部材の少なくとも一方の前記フランジは、前記固定される電気コネクタ近傍に前記フランジの一部を前記強度部材表面と略直角方向に延長することより形成される保護ひさし(19)を有することを特徴とする。
【0014】
これにより、開口部に固定される電気コネクタの周囲に、例えば空調ダクトがある場合には、この空調ダクトにより冷やされる強度部材そのものが結露する可能性があるが、保護ひさしにより強度部材を伝って結露した水滴が電気コネクタ内に入り込んでコネクタをショートさせることを防止することができる。
【0015】
また、前記開口部は、請求項6に記載のように、前記強度部材の長手方向の平行な複数の直線上にそれぞれ分散して複数設けるようにすれば、一直線上に開口部が設けられる場合と比べて、強度部材の長手方向と直角方向への強度低下を少なくすることができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記幹線ハーネスは、電源線および信号線からなる複数のリード線で構成され、前記電気コネクタは、前記幹線ハーネスの一部の電源線および信号線からなる前記リード線束の先端に設けられ、前記他の電気コネクタと前記電源線および信号線を接続するとともに、前記幹線ハーネスを介して信号の送受を行い、該信号線による信号に基づき少なくとも前記電源線の電源分配および電源識別を行うことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、強度部材の開口部に固定されるワイヤハーネスの電気コネクタが、接続される車載機器に対して電源分配および電源識別を行うので、強度部材の内部に配置される幹線ハーネスを、異なった車載機器に応じて変更する必要がなく汎用化することができ、これにより部品点数を削減することができる。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。図2は、第1実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造の全体構成を示す斜視図、図3はワイヤハーネスの強度部材への取り付け、分解斜視図、図4はワイヤハーネスの取り付け構造の断面図である。
【0020】
強度部材10は、両端部に結合部としてのサイドブラケット11、12が一体的に形成されている。強度部材10の長手方向は、図示しない車両の計器盤の内側に車両幅方向に延びるように配置され、サイドブラケット11および12と図示しない車体とが、ねじ止め等の締結手段により固定される。
【0021】
強度部材10は、本第1実施形態においては、鉄やアルミニウム等の金属にて、矩形断面形状を有する中空筒状の形状に成形し、その内側にワイヤハーネス20を内包する構造としている。
【0022】
すなわち、強度部材10は、それぞれコ字状断面を有し、断面端部を強度部材10の長手方向に沿って分割結合部16a、16bが設けられた第1部材15aおよび第2部材15bとに2分割可能に形成されている。
【0023】
この分割結合部16a、16bの外周部には、外側方向へ互いにフランジ17a、17bが、強度部材1の組み付け時に互いに密着可能に形成されている。すなわち、第1および第2部材15a、15bの結合は、このフランジ17a、17b部分を溶接またはねじ止め等の締結手段で結合することにより行う。
【0024】
第2部材15bの分割結合部16bの所定個所には、後述する電気コネクタ30と係合する開口部18が、分割結合部16bより矩形形状に切り欠いて形成されている。
【0025】
一方、ワイヤハーネス20は、車載機器50等に電力を供給する電源線および各車載機器50のECU間で機器動作のための制御信号の送受を行う信号線からなる複数のリード線を束ねた幹線ハーネス21と、幹線ハーネス21のリード線の内、一部の電源線および信号線を分岐したリード線束22と、この分岐リード線束22の先端に設けられた電気コネクタ30とを備えている。
【0026】
したがって、電気コネクタ30は、電源線および信号線を車載機器50等と接続するエリア内ハーネス41〜44に設けられた他の電気コネクタ45と接続される。
【0027】
エリア内ハーネス41、42、・・・は、計器盤内の車載機器群を、それぞれメインECUを中心にエリア構成し、各エリアを一まとめにして幹線ハーネス21のそれぞれ分岐リード線束22と接続するものである。エリアは、例えば、各メータ類を制御するECUに対応するメータエリア、空調機器を制御するECUに対応するA/Cエリア、オーディオ機器およびナビゲーション機器を一体にモジュール化したセンタクラスタエリア、エンジン制御ECUに対応する左側ECUエリア、・・・等々に分けられている。各エリア毎にメインECUが設定され、このメインECUがエリア内の電気部品、機器を制御し、制御信号やセンサ信号をエリア内他のECUやエリア該の他のメインECUへ送信する。
【0028】
ワイヤハーネス20が備えるそれぞれの電気コネクタ30は、エリア内ハーネス41、42、・・・の電気コネクタ45と接続され、電気コネクタ30自体が内蔵する電子回路(図示せず)により各エリア毎に電源分配、電源識別およびフェールセーフ機能を実行するインテリジェント化された電子コネクタとして機能する。
【0029】
このように、車載機器をメインECUを中心とするエリア毎に分割し、電子コネクタとしての電気コネクタ30が各エリア毎に制御を完結させるので、ワイヤハーネス20の電源線の幹線より無駄な電源線を省略して小径化できるとともに、機能用の電源線をエリア内に集約、すなわち幹線ハーネス21に含ませる必要がなくなるので、ワイヤハーネス20を汎用化、共用化(ハーネスの品番削減)でき、これにより複数の車種、車格に適用することができる。
【0030】
ワイヤハーネス20が備える複数の電気コネクタ30のそれぞれは、外側が樹脂成形された矩形のコネクタケース32を備えている。コネクタケース32には矩形外周に沿って凹状のガイド部33が形成されると共に、コネクタケース32のそれぞれ対向する4面上にそれぞれツメ34が形成されている。
【0031】
強度部材10へのワイヤハーネス20の組み付けは、次のように行う。強度部材10の第2部材15b内に幹線ハーネス21を収納する(図3中▲1▼)とともに、分岐リード線束22を第2部材15b内に収めたまま、その先端の電気コネクタ30を第2部材15bに設けた開口部18へ嵌め合わせる(図3中▲2▼)。このとき、コネクタケース32のガイド部33とツメ34とが開口部18における強度部材10の壁端を挟みこみ、電気コネクタ30が開口部18より強度部材10の表面へ露出するように配置される。
【0032】
全ての電気コネクタ30をそれぞれ開口部18へ係合させたのち、第1部材15aによりワイヤハーネス20を収納した第2部材15bに蓋をする(図3中▲3▼)。この時、第1部材15aの分割結合部16aに設けたフランジ17aと第2部材15bの分割結合部16bに設けたフランジ17bとが、分割結合部16a、16bの外周に沿って合わさるように置かれ、フランジ17aと17bとを適宜の個所でプロジェクション溶接などで接合する。
【0033】
これにより、図4に示すように、ワイヤハーネス20の幹線ハーネス21は中空筒形形状の強度部材10の内部に収納されるとともに、幹線ハーネス21から分岐されたリード線束22の先端に接続された電子コネクタとしての電気コネクタ30が、強度部材10の第2部材15bに設けた開口部18にコネクタケース32を嵌め合わせて係合される。
【0034】
このように補強部材10の表面で固定された電気コネクタ30は、エリア別ワイヤハーネス40が備える電気コネクタ45と接続され、他方の電気コネクタ46とエリア内にあるメインECUを備える車載機器50とが接続され、ワイヤハーネスの配策作業が行われる。
【0035】
以上、本第1実施形態では、ワイヤハーネス20を金属製の強度部材10内に配策するので、ワイヤハーネス20の車両への搭載効率、すなわちスペース効率が向上するとともに、ワイヤハーネス20自体をシールド被覆することなくノイズの影響を低減できる。強度部材10を鉄製とすれば、静電ノイズのみならず磁気ノイズの影響も低く抑制することがきる。
【0036】
さらに、強度部材10そのものがワイヤハーネス20を保護するので、ワイヤハーネス20の保護部材を要することなく、外的な力によるワイヤハーネス20の損傷を防止することができる。
【0037】
また、強度部材10の表面にワイヤハーネス20が備える電気コネクタ30を固定するので、従来のように、コネクタを固定するためのブラケットが不要となり、部品点数の減少および配策作業の効率向上を可能にする。
【0038】
さらに、ワイヤハーネス20が備える電気コネクタ30を、エリア別ワイヤハーネス40、41〜44によりエリア別に分けられた車載機器を統括するメインECUと接続するように構成したので、ワイヤハーネス20自体を汎用化でき、部品点数を少なくすることができる。
【0039】
すなわち、同一のプラットフォームを使用する車両では車幅が同一のため強度部材を1品番とすることができるので、エリア別に分けられた車載機器を制御、動作するためのワイヤハーネスにおいては、同一プラットフォームの異なる車種、詳しくは異なる車載機器構成の車両に対しても、幹線ハーネスを強度部材と同様、1品番とすることができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造について説明する。図5(a)はワイヤハーネス200の斜視図、同(b)は強度部材100の全体構成を示す斜視図、同(c)はワイヤハーネス200が組み付けられた強度部材200の斜視図である。
【0041】
本第2実施形態の強度部材100は、鉄製の大径中空の運転席側部材110と樹脂製の小径中空の助手席側部材120とに分割可能で、両者を両端が径の異なる連結部材116により連結する。
【0042】
運転席側部材110は、片方の端部にサイドブラケット111が一体的に設けられ、このサイドブラケット111を介して、図示しない車体とねじ止めなどにより締結される。また、このサイドブラケット111と運転席側部材110には、サイドブラケット111が車体に固定された状態で、ワイヤハーネス200を外部へ取り出せる開口114が設けられている。
【0043】
運転席部材110の他端112は中空内部が開放状態とされ、表面にはセンターブレース113が接続され、センターブレース113の先端が図示しない車体のセンターコンソールにねじ止めされる。また、この他端112には電気コネクタ用の開口部115が切り込まれている。
【0044】
一方、助手席側部材120は、2つの半円筒121、122の片方の辺を蝶番とし、片方の辺を分割接続部として、両者を合わせることにより円筒を形作るもので、半円筒のそれぞれの適宜個所に、電気コネクタ用の開口部123a、123b、123c、・・・が設けられている。
【0045】
連結部材116も、助手席側部材120と同様、長手方向に沿って2分割可能に樹脂により成形されている。さらに連結部材116は、結合された状態で、一方の端部117の外径は運転席側部材110の内径より、また、他方の端部118の外径は助手席側部材120の内径より、それぞれわずかに小さく形成され、両端部117、118を運転席側および助手席側部材にそれぞれ圧入することにより組み付けられる。なお、連結部材116の運転席側の端部117にも、電気コネクタ用の開口部119が切り込まれて形成され、組み付け時には運転席側部材110の開口部115と一致するよう圧入される。
【0046】
ワイヤハーネス200は、幹線ハーネス201の両端に幹線ハーネス用コネクタ301、302が設けられ、幹線ハーネス201の適宜個所から、複数の分岐リード線束202a〜202dが分岐し、各分岐リード線束の先端にそれぞれ電気コネクタ300a〜300dが設けられている。
【0047】
強度部材100へのワイヤハーネス200の配策および強度部材100の組み付けは次のように行う。
【0048】
ワイヤハーネス200の一端の幹線ハーネス用コネクタ302を運転席側部材110の端部112より中空内部を通して、サイドブラケット111の開口114から外へ幹線ハーネス201およびコネクタ302を露出させる。この時、ワイヤハーネス200の分岐リード線束202dの先端に設けた電気コネクタ300dを、運転席側部材110の開口部115に嵌め合わせる。
【0049】
ワイヤハーネス200の他端側は、中央部分を開口部119と電気コネクタ300dとが嵌め合うように連結部材116で外周を覆うとともに、助手席側部材120により各電気コネクタ300a、300b、300cがそれぞれ開口部123a、123b、123cより露出するよう嵌め合わせて固定した状態で、幹線ハーネス201の外周を覆う。その後、連結部材116の両端部117、118を運転席側部材110および助手席側部材120にそれぞれ圧入して強度部材100へのワイヤハーネス200の組み付けを完了する。
【0050】
このように組み付けられた強度部材100の一方をサイドブラケット111を介して、他方を別体のブラケット130を介してそれぞれ車体にねじ止めにより固定される。
【0051】
本第2実施形態の強度部材100は、運転席側および助手席側部材110、120に分割できるように形成され、この強度部材100の内部にワイヤハーネス200を配策するので、ワイヤハーネス200の搭載効率を高めることができるとともに、ワイヤハーネス200の組み付けおよび取り外しを容易に行うことができる。
【0052】
(他の実施形態)
上記第1実施形態の強度部材10は、矩形断面のものを用いたが、この形状に限らず、第2実施形態のように円形断面でもよく、さらに、図6に示すように六角形のような多角形断面でもよい。図6に示す例では、六角形断面の強度部材400の6つの表面401a〜401fの複数の面上、すなわち強度部材400の長手方向の平行な複数の直線上に、開口部402a、402b、・・・を分散して配置している。これにより、強度部材400の長手方向と直角方向への強度低下を少なくすることができる。なお、多角形断面を有する強度部材400は、第1実施形態と同様、長手方向に分割結合部(図示せず)を設けることにより、ワイヤハーネスの配策を容易に行うことができる。
【0053】
また、第1実施形態の強度部材10において、図7に示すように、第1部材15aのフランジ17aの一部を強度部材10表面と略直角方向に延長して、開口部18に固定される電気コネクタ30に対して保護ひさし19を形成するようにしてもよい。これにより、補強部材10の近傍に空調ダクト60が配置される場合に、この空調ダクト60により冷やされる強度部材10そのものが結露する可能性があるが、保護ひさし19により強度部材10を伝って結露した水滴が電気コネクタ30内に入り込んでコネクタをショートさせることを防止することができる。なお、保護ひさし19は、第2部材15bのフランジ17bを延長して設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)ともに、従来のワイヤハーネスの取り付け構造を示す図である。
【図2】第1実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造の全体構成を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のワイヤハーネスの強度部材への取り付け、分解斜視図である。
【図4】第1実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造の断面図である。
【図5】(a)は第2実施形態のワイヤハーネスの斜視図、(b)は第2実施形態の強度部材の全体構成を示す斜視図、(c)はワイヤハーネスが組み付けられた強度部材の斜視図である。
【図6】他の実施形態の強度部材の斜視図である。
【図7】他の実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造の断面図である。
【符号の説明】
10…強度部材、15a…第1部材、15b…第2部材、
17a、17b…フランジ、18、115、119、123a〜c…開口部、
20、200…ワイヤハーネス、21、201…幹線ハーネス、
22、202a〜d…分岐リード線束、
30、30a〜d、300a〜d…電気コネクタ、
32…コネクタケース、33…ガイド部、34…ツメ、
40〜44…エリア内ワイヤハーネス。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のコックピット内のワイヤハーネスおよび電気接続用コネクタの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のコックピット内で配策されるワイヤハーネスの固定方法として、図1に示すように、車両幅方向に延びて車体に固定される強度部材(リインフォース部材、またはリインフォースメント)1の外側表面にワイヤハーネス2を沿わせ(図1(a))、適宜個所でワイヤハーネス2に固定された樹脂クランプ4の差し込み部5を、強度部材1の対応個所に設けた差し込み穴6に差し込んで固定することにより行っていた(図1(b))。
【0003】
しかし、この方法では、強度部材1の内側に無駄なスペースが生じてしまい、搭載効率が低かった。また、樹脂クランプ4を用いるため配策作業の効率が低いという問題があった。
【0004】
さらに、ワイヤハーネス2に設けられた電気接続用の各コネクタ3は、それぞれ各機器(図示せず)に接続されるが、この場合、走行中の振動によりコネクタが他の車体構造物と衝突して破損しないよう、ブラケットによりコネクタ3そのものを車体構造物に固定する必要があり、部品点数の増加および配策作業性の低下によりコストアップの要因となるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記点に鑑みて、ワイヤハーネスの配策効率および作業性の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車体内に配策されるワイヤハーネス(20、200)であって、該ワイヤハーネスは、前記車体に固定される中空状の強度部材(10、100、400)の内部に配置される複数のリード線で構成される幹線ハーネス(21、201)と、前記幹線ハーネスより分岐された一部のリード線束(22、202a〜202d)の先端に設けられ、車載機器(50)と接続される他の電気コネクタ(45)と電気接続する電気接続部(31)および該電気接続部の外周部を形成するコネクタケース(32)とを備える電気コネクタ(30、30a〜30d)とを有し、前記電気コネクタの電気接続部が前記強度部材の表面に設けられた開口部(18、115、119、123a〜123c)に露出するように前記コネクタケースが前記開口部に固定して配置されることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、幹線ハーネスと幹線ハーネスより分岐した一部のリード線束およびその先端に設けた電気コネクタを備えたワイヤハーネスを中空状の強度部材の内部に配置するので、ワイヤハーネスの搭載効率を高めることができる。
【0008】
さらに、強度部材の表面に開口部を設け、ワイヤハーネスが備える電気コネクタをこの開口部に露出するように開口部に固定するので、ワイヤハーネスそのものを強度部材に固定する必要がなく、ワイヤハーネスの配策作業性を高めることができる。また、ワイヤハーネスの電気コネクタは強度部材の開口部に固定されることにより、待ち受けコネクタとすることができるので、相手側の電気コネクタとの接続を片手で容易に行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記強度部材は、長手方向に沿って設けられた分割結合部(16a、16b)で少なくとも第1部材(15a)と第2部材(15b)とに分割、および該第1および第2部材の結合が可能となるよう形成されるとともに、前記第1または第2部材の少なくとも一方には、前記分割結合部の一部が切り欠かれることにより前記開口部が形成され、前記電気接続部は前記開口部より前記強度部材の表面側へ露出するように配置されることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、強度部材をその長手方向に沿って設けた分割結合部で第1および第2部材に分割するので、その分割した状態でワイヤハーネスを容易に強度部材内部へ収納することができる。さらに、第1または第2部材のいずれか一方または両方の部材に、分割結合部の一部を切り欠いて開口部を設けているので、上記第1および第2部材に分割した状態でこの開口部に切り欠き方向より電気コネクタを簡単に装着でき、さらに、第1および第2部材を分割結合部で結合することによりワイヤハーネスおよび電気コネクタの収納、固定を容易に行うことができる。
【0011】
なお、請求項3に記載のように、前記コネクタケースには凹状に形成されたガイド部(33)を設け、該ガイド部が前記強度部材の開口部と係合することにより前記電気コネクタが前記強度部材に組み付けられるようにすることで、電気コネクタと開口部との係合を容易かつ確実に行うことができる。
【0012】
また、前記第1および第2部材の各分割結合部は、請求項4に記載のように、それぞれフランジ(17a、17b)を有し、前記電気コネクタの組み付け後に前記各フランジを結合することにより固定することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記電気コネクタは前記第1または第2部材の一方の前記開口部に固定されるとともに、前記第1または第2部材の少なくとも一方の前記フランジは、前記固定される電気コネクタ近傍に前記フランジの一部を前記強度部材表面と略直角方向に延長することより形成される保護ひさし(19)を有することを特徴とする。
【0014】
これにより、開口部に固定される電気コネクタの周囲に、例えば空調ダクトがある場合には、この空調ダクトにより冷やされる強度部材そのものが結露する可能性があるが、保護ひさしにより強度部材を伝って結露した水滴が電気コネクタ内に入り込んでコネクタをショートさせることを防止することができる。
【0015】
また、前記開口部は、請求項6に記載のように、前記強度部材の長手方向の平行な複数の直線上にそれぞれ分散して複数設けるようにすれば、一直線上に開口部が設けられる場合と比べて、強度部材の長手方向と直角方向への強度低下を少なくすることができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記幹線ハーネスは、電源線および信号線からなる複数のリード線で構成され、前記電気コネクタは、前記幹線ハーネスの一部の電源線および信号線からなる前記リード線束の先端に設けられ、前記他の電気コネクタと前記電源線および信号線を接続するとともに、前記幹線ハーネスを介して信号の送受を行い、該信号線による信号に基づき少なくとも前記電源線の電源分配および電源識別を行うことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、強度部材の開口部に固定されるワイヤハーネスの電気コネクタが、接続される車載機器に対して電源分配および電源識別を行うので、強度部材の内部に配置される幹線ハーネスを、異なった車載機器に応じて変更する必要がなく汎用化することができ、これにより部品点数を削減することができる。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。図2は、第1実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造の全体構成を示す斜視図、図3はワイヤハーネスの強度部材への取り付け、分解斜視図、図4はワイヤハーネスの取り付け構造の断面図である。
【0020】
強度部材10は、両端部に結合部としてのサイドブラケット11、12が一体的に形成されている。強度部材10の長手方向は、図示しない車両の計器盤の内側に車両幅方向に延びるように配置され、サイドブラケット11および12と図示しない車体とが、ねじ止め等の締結手段により固定される。
【0021】
強度部材10は、本第1実施形態においては、鉄やアルミニウム等の金属にて、矩形断面形状を有する中空筒状の形状に成形し、その内側にワイヤハーネス20を内包する構造としている。
【0022】
すなわち、強度部材10は、それぞれコ字状断面を有し、断面端部を強度部材10の長手方向に沿って分割結合部16a、16bが設けられた第1部材15aおよび第2部材15bとに2分割可能に形成されている。
【0023】
この分割結合部16a、16bの外周部には、外側方向へ互いにフランジ17a、17bが、強度部材1の組み付け時に互いに密着可能に形成されている。すなわち、第1および第2部材15a、15bの結合は、このフランジ17a、17b部分を溶接またはねじ止め等の締結手段で結合することにより行う。
【0024】
第2部材15bの分割結合部16bの所定個所には、後述する電気コネクタ30と係合する開口部18が、分割結合部16bより矩形形状に切り欠いて形成されている。
【0025】
一方、ワイヤハーネス20は、車載機器50等に電力を供給する電源線および各車載機器50のECU間で機器動作のための制御信号の送受を行う信号線からなる複数のリード線を束ねた幹線ハーネス21と、幹線ハーネス21のリード線の内、一部の電源線および信号線を分岐したリード線束22と、この分岐リード線束22の先端に設けられた電気コネクタ30とを備えている。
【0026】
したがって、電気コネクタ30は、電源線および信号線を車載機器50等と接続するエリア内ハーネス41〜44に設けられた他の電気コネクタ45と接続される。
【0027】
エリア内ハーネス41、42、・・・は、計器盤内の車載機器群を、それぞれメインECUを中心にエリア構成し、各エリアを一まとめにして幹線ハーネス21のそれぞれ分岐リード線束22と接続するものである。エリアは、例えば、各メータ類を制御するECUに対応するメータエリア、空調機器を制御するECUに対応するA/Cエリア、オーディオ機器およびナビゲーション機器を一体にモジュール化したセンタクラスタエリア、エンジン制御ECUに対応する左側ECUエリア、・・・等々に分けられている。各エリア毎にメインECUが設定され、このメインECUがエリア内の電気部品、機器を制御し、制御信号やセンサ信号をエリア内他のECUやエリア該の他のメインECUへ送信する。
【0028】
ワイヤハーネス20が備えるそれぞれの電気コネクタ30は、エリア内ハーネス41、42、・・・の電気コネクタ45と接続され、電気コネクタ30自体が内蔵する電子回路(図示せず)により各エリア毎に電源分配、電源識別およびフェールセーフ機能を実行するインテリジェント化された電子コネクタとして機能する。
【0029】
このように、車載機器をメインECUを中心とするエリア毎に分割し、電子コネクタとしての電気コネクタ30が各エリア毎に制御を完結させるので、ワイヤハーネス20の電源線の幹線より無駄な電源線を省略して小径化できるとともに、機能用の電源線をエリア内に集約、すなわち幹線ハーネス21に含ませる必要がなくなるので、ワイヤハーネス20を汎用化、共用化(ハーネスの品番削減)でき、これにより複数の車種、車格に適用することができる。
【0030】
ワイヤハーネス20が備える複数の電気コネクタ30のそれぞれは、外側が樹脂成形された矩形のコネクタケース32を備えている。コネクタケース32には矩形外周に沿って凹状のガイド部33が形成されると共に、コネクタケース32のそれぞれ対向する4面上にそれぞれツメ34が形成されている。
【0031】
強度部材10へのワイヤハーネス20の組み付けは、次のように行う。強度部材10の第2部材15b内に幹線ハーネス21を収納する(図3中▲1▼)とともに、分岐リード線束22を第2部材15b内に収めたまま、その先端の電気コネクタ30を第2部材15bに設けた開口部18へ嵌め合わせる(図3中▲2▼)。このとき、コネクタケース32のガイド部33とツメ34とが開口部18における強度部材10の壁端を挟みこみ、電気コネクタ30が開口部18より強度部材10の表面へ露出するように配置される。
【0032】
全ての電気コネクタ30をそれぞれ開口部18へ係合させたのち、第1部材15aによりワイヤハーネス20を収納した第2部材15bに蓋をする(図3中▲3▼)。この時、第1部材15aの分割結合部16aに設けたフランジ17aと第2部材15bの分割結合部16bに設けたフランジ17bとが、分割結合部16a、16bの外周に沿って合わさるように置かれ、フランジ17aと17bとを適宜の個所でプロジェクション溶接などで接合する。
【0033】
これにより、図4に示すように、ワイヤハーネス20の幹線ハーネス21は中空筒形形状の強度部材10の内部に収納されるとともに、幹線ハーネス21から分岐されたリード線束22の先端に接続された電子コネクタとしての電気コネクタ30が、強度部材10の第2部材15bに設けた開口部18にコネクタケース32を嵌め合わせて係合される。
【0034】
このように補強部材10の表面で固定された電気コネクタ30は、エリア別ワイヤハーネス40が備える電気コネクタ45と接続され、他方の電気コネクタ46とエリア内にあるメインECUを備える車載機器50とが接続され、ワイヤハーネスの配策作業が行われる。
【0035】
以上、本第1実施形態では、ワイヤハーネス20を金属製の強度部材10内に配策するので、ワイヤハーネス20の車両への搭載効率、すなわちスペース効率が向上するとともに、ワイヤハーネス20自体をシールド被覆することなくノイズの影響を低減できる。強度部材10を鉄製とすれば、静電ノイズのみならず磁気ノイズの影響も低く抑制することがきる。
【0036】
さらに、強度部材10そのものがワイヤハーネス20を保護するので、ワイヤハーネス20の保護部材を要することなく、外的な力によるワイヤハーネス20の損傷を防止することができる。
【0037】
また、強度部材10の表面にワイヤハーネス20が備える電気コネクタ30を固定するので、従来のように、コネクタを固定するためのブラケットが不要となり、部品点数の減少および配策作業の効率向上を可能にする。
【0038】
さらに、ワイヤハーネス20が備える電気コネクタ30を、エリア別ワイヤハーネス40、41〜44によりエリア別に分けられた車載機器を統括するメインECUと接続するように構成したので、ワイヤハーネス20自体を汎用化でき、部品点数を少なくすることができる。
【0039】
すなわち、同一のプラットフォームを使用する車両では車幅が同一のため強度部材を1品番とすることができるので、エリア別に分けられた車載機器を制御、動作するためのワイヤハーネスにおいては、同一プラットフォームの異なる車種、詳しくは異なる車載機器構成の車両に対しても、幹線ハーネスを強度部材と同様、1品番とすることができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造について説明する。図5(a)はワイヤハーネス200の斜視図、同(b)は強度部材100の全体構成を示す斜視図、同(c)はワイヤハーネス200が組み付けられた強度部材200の斜視図である。
【0041】
本第2実施形態の強度部材100は、鉄製の大径中空の運転席側部材110と樹脂製の小径中空の助手席側部材120とに分割可能で、両者を両端が径の異なる連結部材116により連結する。
【0042】
運転席側部材110は、片方の端部にサイドブラケット111が一体的に設けられ、このサイドブラケット111を介して、図示しない車体とねじ止めなどにより締結される。また、このサイドブラケット111と運転席側部材110には、サイドブラケット111が車体に固定された状態で、ワイヤハーネス200を外部へ取り出せる開口114が設けられている。
【0043】
運転席部材110の他端112は中空内部が開放状態とされ、表面にはセンターブレース113が接続され、センターブレース113の先端が図示しない車体のセンターコンソールにねじ止めされる。また、この他端112には電気コネクタ用の開口部115が切り込まれている。
【0044】
一方、助手席側部材120は、2つの半円筒121、122の片方の辺を蝶番とし、片方の辺を分割接続部として、両者を合わせることにより円筒を形作るもので、半円筒のそれぞれの適宜個所に、電気コネクタ用の開口部123a、123b、123c、・・・が設けられている。
【0045】
連結部材116も、助手席側部材120と同様、長手方向に沿って2分割可能に樹脂により成形されている。さらに連結部材116は、結合された状態で、一方の端部117の外径は運転席側部材110の内径より、また、他方の端部118の外径は助手席側部材120の内径より、それぞれわずかに小さく形成され、両端部117、118を運転席側および助手席側部材にそれぞれ圧入することにより組み付けられる。なお、連結部材116の運転席側の端部117にも、電気コネクタ用の開口部119が切り込まれて形成され、組み付け時には運転席側部材110の開口部115と一致するよう圧入される。
【0046】
ワイヤハーネス200は、幹線ハーネス201の両端に幹線ハーネス用コネクタ301、302が設けられ、幹線ハーネス201の適宜個所から、複数の分岐リード線束202a〜202dが分岐し、各分岐リード線束の先端にそれぞれ電気コネクタ300a〜300dが設けられている。
【0047】
強度部材100へのワイヤハーネス200の配策および強度部材100の組み付けは次のように行う。
【0048】
ワイヤハーネス200の一端の幹線ハーネス用コネクタ302を運転席側部材110の端部112より中空内部を通して、サイドブラケット111の開口114から外へ幹線ハーネス201およびコネクタ302を露出させる。この時、ワイヤハーネス200の分岐リード線束202dの先端に設けた電気コネクタ300dを、運転席側部材110の開口部115に嵌め合わせる。
【0049】
ワイヤハーネス200の他端側は、中央部分を開口部119と電気コネクタ300dとが嵌め合うように連結部材116で外周を覆うとともに、助手席側部材120により各電気コネクタ300a、300b、300cがそれぞれ開口部123a、123b、123cより露出するよう嵌め合わせて固定した状態で、幹線ハーネス201の外周を覆う。その後、連結部材116の両端部117、118を運転席側部材110および助手席側部材120にそれぞれ圧入して強度部材100へのワイヤハーネス200の組み付けを完了する。
【0050】
このように組み付けられた強度部材100の一方をサイドブラケット111を介して、他方を別体のブラケット130を介してそれぞれ車体にねじ止めにより固定される。
【0051】
本第2実施形態の強度部材100は、運転席側および助手席側部材110、120に分割できるように形成され、この強度部材100の内部にワイヤハーネス200を配策するので、ワイヤハーネス200の搭載効率を高めることができるとともに、ワイヤハーネス200の組み付けおよび取り外しを容易に行うことができる。
【0052】
(他の実施形態)
上記第1実施形態の強度部材10は、矩形断面のものを用いたが、この形状に限らず、第2実施形態のように円形断面でもよく、さらに、図6に示すように六角形のような多角形断面でもよい。図6に示す例では、六角形断面の強度部材400の6つの表面401a〜401fの複数の面上、すなわち強度部材400の長手方向の平行な複数の直線上に、開口部402a、402b、・・・を分散して配置している。これにより、強度部材400の長手方向と直角方向への強度低下を少なくすることができる。なお、多角形断面を有する強度部材400は、第1実施形態と同様、長手方向に分割結合部(図示せず)を設けることにより、ワイヤハーネスの配策を容易に行うことができる。
【0053】
また、第1実施形態の強度部材10において、図7に示すように、第1部材15aのフランジ17aの一部を強度部材10表面と略直角方向に延長して、開口部18に固定される電気コネクタ30に対して保護ひさし19を形成するようにしてもよい。これにより、補強部材10の近傍に空調ダクト60が配置される場合に、この空調ダクト60により冷やされる強度部材10そのものが結露する可能性があるが、保護ひさし19により強度部材10を伝って結露した水滴が電気コネクタ30内に入り込んでコネクタをショートさせることを防止することができる。なお、保護ひさし19は、第2部材15bのフランジ17bを延長して設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)ともに、従来のワイヤハーネスの取り付け構造を示す図である。
【図2】第1実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造の全体構成を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のワイヤハーネスの強度部材への取り付け、分解斜視図である。
【図4】第1実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造の断面図である。
【図5】(a)は第2実施形態のワイヤハーネスの斜視図、(b)は第2実施形態の強度部材の全体構成を示す斜視図、(c)はワイヤハーネスが組み付けられた強度部材の斜視図である。
【図6】他の実施形態の強度部材の斜視図である。
【図7】他の実施形態のワイヤハーネスの取り付け構造の断面図である。
【符号の説明】
10…強度部材、15a…第1部材、15b…第2部材、
17a、17b…フランジ、18、115、119、123a〜c…開口部、
20、200…ワイヤハーネス、21、201…幹線ハーネス、
22、202a〜d…分岐リード線束、
30、30a〜d、300a〜d…電気コネクタ、
32…コネクタケース、33…ガイド部、34…ツメ、
40〜44…エリア内ワイヤハーネス。
Claims (7)
- 車体内に配策されるワイヤハーネス(20、200)であって、該ワイヤハーネスは、
前記車体に固定される中空状の強度部材(10、100、400)の内部に配置される複数のリード線で構成される幹線ハーネス(21、201)と、
前記幹線ハーネスより分岐された一部のリード線束(22、202a〜202d)の先端に設けられ、車載機器(50)と接続される他の電気コネクタ(45)と電気接続する電気接続部(31)および該電気接続部の外周部を形成するコネクタケース(32)とを備える電気コネクタ(30、30a〜30d)とを有し、
前記電気コネクタの電気接続部が前記強度部材の表面に設けられた開口部(18、115、119、123a〜123c)に露出するように前記コネクタケースが前記開口部に固定して配置されることを特徴とするワイヤハーネスの取り付け構造。 - 前記強度部材は、長手方向に沿って設けられた分割結合部(16a、16b)で少なくとも第1部材(15a)と第2部材(15b)とに分割、および該第1および第2部材の結合が可能となるよう形成されるとともに、前記第1または第2部材の少なくとも一方には、前記分割結合部の一部が切り欠かれることにより前記開口部が形成され、
前記電気接続部は前記開口部より前記強度部材の表面側へ露出するように配置されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネスの取り付け構造。 - 前記コネクタケースには凹状に形成されたガイド部(33)が設けられ、該ガイド部が前記強度部材の開口部と係合することにより前記電気コネクタが前記強度部材に組み付けられることを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネスの取り付け構造。
- 前記第1および第2部材の各分割結合部はそれぞれフランジ(17a、17b)を有し、前記電気コネクタの組み付け後に前記各フランジを結合することにより固定することを特徴とする請求項3に記載のワイヤハーネスの取り付け構造。
- 前記電気コネクタは前記第1または第2部材の一方の前記開口部に固定されるとともに、
前記第1または第2部材の少なくとも一方の前記フランジは、前記固定される電気コネクタ近傍に前記フランジの一部を前記強度部材表面と略直角方向に延長することより形成される保護ひさし(19)を有することを特徴とする請求項4に記載のワイヤハーネスの取り付け構造。 - 前記開口部は前記強度部材の長手方向の平行な複数の直線上にそれぞれ分散して複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のワイヤハーネスの取り付け構造。
- 前記幹線ハーネスは、電源線および信号線からなる複数のリード線で構成され、
前記電気コネクタは、前記幹線ハーネスの一部の電源線および信号線からなる前記リード線束の先端に設けられ、前記他の電気コネクタと前記電源線および信号線を接続するとともに、前記幹線ハーネスを介して信号の送受を行い、該信号線による信号に基づき少なくとも前記電源線の電源分配および電源識別を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のワイヤハーネスの取り付け構造。
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