JP2004174956A - 塗布具 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来用いられていたスポンジ部品を削減して、ペン芯(塗布先)とスポンジ部品が果たしていた空気交換抑制作用を、スポンジ部品以外の他構成部品に持たせた塗布具を提供することにある。
【解決手段】塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具において、前記塗布先ホルダーの縦リブ部に、前記塗布先周囲との間に隙間を形成する環状部を設け、その隙間を空気交換抑制部とした塗布具。
【選択図】 図2
【解決手段】塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具において、前記塗布先ホルダーの縦リブ部に、前記塗布先周囲との間に隙間を形成する環状部を設け、その隙間を空気交換抑制部とした塗布具。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具に関するのもであり、前記塗布液の1例としては、塗料、絵の具、インキ、修正液、化粧料、薬剤、補修剤、コーティング剤などが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
塗布液を内蔵した容器と、容器の前端に内蔵の塗布液を塗りならす塗布先と、塗布先の乾燥防止・塗布先を保護する脱着が簡易なキャップとで構成した塗布具が、一般的に知られている。その塗布具の中には、塗布先を紙面等に押し付けて塗布先を後退させることによって、塗布先後方に配置したコイルスプリングで付勢された弁を開くようにして、内蔵の塗布液を塗布先に供給する構造となした、所謂、塗布先ノック式塗布具がある。
その塗布先ノック式塗布具の1例が特許文献1である。その公報には、内部にインキ収納部2を形成し、インキ攪拌用のボール4を内臓した本体1と、この本体1の先端部に液密状に挿入されて通孔9を有する弁本体6と、弁本体6の通孔9に進退自在に挿通され弁本体6の弁座10に接離する弁杆12と、弁杆12を前方に付勢するコイルスプリング15と、前記弁本体6先方に配置された筒状の先端内側の軸方向に複数の突条20を形成したペンホルダー16と、ペンホルダー16先端に挿入された多孔質繊維束などからなる棒状のペン先21と、ペン先21の後方周囲を覆うようにペンホルダー16内側に介装された筒状のスポンジ等のインキ貯留体19とで構成された筆記具が開示されている。
この筆記具は、ペン先21をコイルスプリング15に抗して垂直に紙面等に押し付けると、弁杆12が弁本体6の弁座10から離れ弁機構部が開弁する。これを繰り返すと、本体1内蔵のインキがペン先21へと導出される。
【0003】
前記ペン先21の後部周囲を覆うスポンジのインキ貯留体19は、インキを極部的に保持する働きと、ペン先21を紙面に押し付けインキが吐出する際、本体1のインキが弁機構部からペン先21にかけて余分に導出するのを抑える働きをしている。
弁機構部が開いていても、インキ貯留体19とペン先21とインキとによる液密状態が壁となって、本体1内部から出ようとするインキ量分の空気がペン先21外部から本体1内部に入ろうとするのを抑制するものである。この現象が、空気交換抑制作用である。
尚、ペンホルダー16の突条20は、ペン先21を筆記時に傾かないようにする働きと、筆記時にペン先21が自重で落下しないように保持する働きと、ペン先21とインキ貯留体19とインキとによる液密状態部へ空気が入り込み易くする働きがある。
さらに、ペン先21の保護や乾燥防止のためのキャップ内面へのインキ付着を低減するため、ペン先ホルダー16の前方にインキが溜り難いように、ペン先ホルダー16の突条20の根元径とペン先21径との径差である空間は、毛管力で塗布液を保持させないように、広めに形成している。
【0004】
【特許文献1】
特公昭62−10582号公報(公報第3欄第14行目〜同欄第29行目、第1図)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
日本国内の産業界においては、消費者の低価格志向と、海外の低価格品攻勢に対向するため、製品の部品数を削減して部品費や組立費の低減が求められている。
そこで、本発明は、従来用いられていたスポンジ部品を削減して、塗布先とスポンジ部品が果たしていた空気交換抑制作用を、前記スポンジ部品以外の他構成部品に持たせた塗布具を提供することにある。
一般的な塗布先ノック式塗布具では、塗布先を繰り返しノックさせて内蔵の塗布液を吐出させるのに、塗布先の繰り返しノック回数が多いと、塗布液吐出までの操作が面倒となる。そこで、塗布液を吐出させるのに、塗布先の繰り返しノック回数を少なくしようとすると、塗布先をノックした時に塗布液が過剰吐出してしまうことがある。塗布液を吐出させるのに、塗布先の繰り返しノック回数を少なくし、且つ、塗布先をノックした時の過剰吐出を抑える施策としては、塗布液が吸蔵された塗布先とスポンジとの液密状態(=「塗布先周囲面とスポンジ内面との密接程度」=「塗布先周囲面とスポンジ内面との間隙(空気交換抑制間隙)」)を適度に設定する必要があり、この空気交換抑制間隙は、内蔵の塗布液粘度が低い場合は空気の移動抵抗が低くなるので空気交換抑制間隙を少なくし、塗布液粘度が高い場合は空気の移動抵抗が高くなるので空気交換抑制間隙を大きくしなければならない。また、スポンジは多孔質で連通気孔を形成しているが、スポンジの連通気孔は立体的な網目状に形成されていて、スポンジの立体的な網目状内部で空気交換させるには、空気が直線状に移動するのではなく、微細な壁部に当接し回避ながらジグザグ状に移動するので、相当粗い網目状にしなければならない。尚、スポンジ内部で空気交換をしうる粗さとした場合には、毛管作用が働かなくなるので、塗布液は重力方向に直ぐに移動してしまい吸蔵体としての機能(保持機能)を果たさない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具において、前記塗布先ホルダーの縦リブ部に、前記塗布先周囲との間に隙間を形成する環状部を設け、その隙間を空気交換抑制部としたことを要旨とする。
【0007】
【実施例】
図1〜図4に第1実施例を示す。図1は塗布具の正縦断面図を示し、図2は塗布先5を仮設した塗布先ホルダー4の縦半断面図を示し、図3は図2の上面図を示す。参照符号1は、前端が開口した有底筒状の後軸である。この後軸1の内部は塗布液収容室となっていて、顔料等の沈降性質がある塗布液が充填された場合に、沈降顔料を再分散させるための略棒状の塗布液攪拌体2を内蔵している。尚、本実施例における塗布液の粘度は、35±15mPa・s以下となっている。前記後軸1は熱可塑性樹脂材料で、ブロー成形法により形成される。本実施例では、後軸1の筒部厚さを手で押圧して変形しうる厚さとなるよう形成されている。具体的に、後軸1の材料は6ナイロンのブローグレード、筒部直径は15.40±0.30mm、筒部の厚さは0.70±0.10mmとなっている。
後軸1の開口部には、後軸1と螺合結合するように、前後貫通した略筒状の前軸3を取り付けている。その前軸3は前方が単筒状の前筒部と、後方が二重筒の外筒部と内筒部とから形成されている。内筒部先端から軸心に向け平板状部を設け、この平板状部の軸心は開孔している。この開孔の後端から後方に漏斗状に広がるように弁座部を設けている。前軸3の前方開口部には、前軸3前端より突出するように、前後貫通した略筒状の塗布先ホルダー4を取り付けている。
【0008】
この塗布先ホルダー4の内部から前方部分が突出するように、塗布液導出作用のある塗布先5が挿入されている。この塗布先5は、ポリアクリルニトリル繊維やポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン系繊維などの繊維結束体や、ウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂などの成形体などより形成されており、略棒状で、前後対称形となっている。尚、塗布先5の外径は、2.98±0.05mmとなっている。
【0009】
前記、塗布先ホルダー4は、略筒状で、前後略中間位置で漏斗状に広がり、さらに、後方に向けて拡径した筒状となすように設けている。この塗布先ホルダー4の内面には、前端から後方に向けて、軸心側に突出したリブを放射状に4本配置した縦リブ部4aを、塗布先5の外周面と軽く圧接するように設けている。縦リブ部4a後端には、軸心に向けて縮径し、塗布先5の外径より僅かに大きな内孔とし、その内孔の内径より軸方向の長さを短くした環状部4bを設けている。即ち、塗布先5の外周囲と塗布先ホルダー4の環状部4bの内周囲とで、微少間隙となす空気交換抑制部6を設けている。
尚、塗布先ホルダー4の縦リブ部4aは環状部4bの後端まで、環状部4b内周より僅かに軸心に向け突出するように設けている。これは、塗布先ホルダー4の縦リブ部4aを塗布先5周囲に軽く圧接させることにより、塗布先5の周囲と塗布先ホルダー4の環状部4bとで設けられた空気交換抑制部6が、全周にわたって均一な間隙となっている。すなわち、空気交換抑制部6が、偏心した空隙とならないようにしているのである。
【0010】
また、塗布先5は塗布先ホルダー4の縦リブ部4aのみの線接触とし、塗布先5と環状部4bが面接触しないようにもしたものでもある。これは、塗布先5の外径のバラツキが比較的大きいので、塗布先5と塗布先ホルダー4の縦リブ部4aとの接触荷重バラツキが抑えられるように線接触させているものである。さらに、塗布先ホルダー4の環状部4bの軸方向長さを内孔より短くしているのは、環状部4b前方の縦リブ部4a周囲の空間を確保して、塗布液が溜り難いようにしているのである。
塗布先5と塗布先ホルダー4の接触荷重を高くする必要がある場合には、塗布先5と塗布先ホルダー4の環状部4bを面状で圧接させても良い。また、低粘度塗布液を充填する場合は、塗布液粘度が低くなる程、空気交換がし易くなるので、塗布先ホルダー4の縦リブ部4aの内接径と環状部4bの内径を同一にして、空気交換抑制部6の間隙を少なくすれば良い。ちなみに、塗布先5の周囲と塗布先ホルダー4の環状部4bが面接触しても、塗布先5は多数の微細な繊維で形成され、その表面は凹凸状に形成されているので、塗布先5表面の微細な凹部が、空気交換抑制部6となす微少間隙となる。尚、塗布先ホルダー4の環状部4b内径は3.10±0.05mmとなっており、縦リブ部4aの内接径は2.98±0.05mm、空気交換抑制部6の寸法は0.02〜0.22mmとなっている。
【0011】
前軸3の内筒部の内側に、弾発性機能を有するバネ部と、弁機構の構成要素である弁部とを兼ね備えたバネ弁7を設けている。バネ弁5の後端は、前記前軸2の内筒部の後端と凹凸結合させている。バネ弁5は先端に前端が閉じた前筒部を設け、前筒部後方に球状面となす弁部を設け、弁部後方に拡径した中筒部を設けている。このバネ弁5のバネ部により付勢された弁部を、前軸2の弁座部と圧接させることにより、開閉可能な弁機構となしている。参照符号8は、クリップ機能を備えたキャップである。キャップ8は、前軸3に脱着が簡易で、非使用時には、塗布先5を保護し、塗布先5等に保持された塗布液の乾燥を防止するため、前軸3に嵌合時は前軸3と空気密閉されるように形成されている。
【0012】
本塗布具では、前軸3と塗布先ホルダー4を別体で示したが、従来技術の欄で示したように、前軸3と塗布先ホルダー4を一体にし、前軸3の中筒部を別体に設けても良い。
又、本塗布具に染料等の沈降性質が低い塗布液を内蔵する場合は、塗布液攪拌体を用いなくても良い。
【0013】
第1実施例の作用・効果について説明する。塗布具の塗布先5を、バネ弁7のバネ部に抗して、紙面等に数回、繰り返して押し付けると、弁機構が繰り返し開閉し、後軸に内蔵した塗布液が、弁機構部を通過して塗布先の後端から前方へと浸透する。同時に塗布液は、塗布先ホルダー内面や空気交換抑制部の後方周囲に付着する。さらに、塗布先を繰り返して紙面等に押しつけることにより、塗布液を塗布先の前端迄、充分に浸透させた後は、紙面等に塗布液を塗布することが出来るようになる。
他の吐出方法として、塗布先を紙面等に押し付けた状態で、後軸側面を押圧する方法がある。この方法では、後軸を変形させることにより、後軸内部が加圧状態となるので、後軸内の塗布液を塗布先の前方へと、速やかに浸透させることが出来るので、繰り返して塗布先を紙面等に押し付けなくても良い。この方法によれば、塗布先の紙面に対する押圧操作が低減するため、塗布先の先端の変形も低減出来るものである。ちなみに、後軸の変形の容易性は、塗布先を紙面等に押し付けた際、後軸に対する保持力では変形しない程度に設定することが必要である。これは、塗布先を押し付けただけで吐出させようとした場合に、後軸を保持した力でその後軸が押圧変形されないようにするためである。
【0014】
ここで、塗布液が塗布先5や空気交換抑制部6の後方に貯えられた後、さらに、塗布先5を紙面等に押し付けて塗布液を吐出させようとしても、空気交換抑制部6に塗布液が液密状態となり、塗布液の壁が形成され、塗布先5の外部からの空気が空気交換抑制部6を通過し難くなり、その結果、後軸1からの塗布液の導出も抑制されるのである。
但し、先に述べた様に、塗布先5を紙面等に押し付けた状態で、後軸1の側面を押圧することによって塗布液を吐出させる方法においては、空気交換抑制部6に塗布液が液密状態となっていても、後軸1内の圧力が高まり、空気交換抑制部6の抑制力以上の吐出力が働き、塗布液の導出を抑制することが困難な場合が生じてしまうこともある。故に、この塗布先を紙面等に押し付けた状態で、後軸の側面を押圧しての塗布液を吐出させる方法は、新品の塗布具を購入し最初に塗布液を速やかに吐出させる場合に、有効な方法と云える。また、キャップを嵌め忘れたときなど、塗布先の周囲が塗布液で極部的に固化(塗布液乾燥詰まり)した場合であっても、後軸内の固まっていない塗布液を強制的に吐出させることによって、その固化した塗布液を破壊することができるので、塗布液乾燥詰まりを修復するのに有効な方法と云える。
【0015】
尚、本実施例では、従来用いられていたスポンジ部品を削減して、ペン芯とスポンジ部品が果たしていた空気交換抑制作用を、塗布先と塗布先ホルダーの環状部からなる空気交換抑制部で行い、塗布液粘度に応じた適度な空気交換抑制部の間隙を設定しているので、従来用いられていたスポンジ部品を削減でき、部品コストの低減を果たすものとなっている。また、スポンジ部品を削減できるので、組立工数も減少し、組立コストの低減も果たしている。さらに、部品数が削減された分、部品間の組合せによるバラツキや、各部品同士の組立方法などによるバラツキが低減できるので、そのバラツキが低減できた分、品質の安定化も果たしている。
【0016】
図5〜図7に第2実施例を示す。図4は塗布具の要部正縦断面図を示し、図6は塗布先15を仮設した(図中2点鎖線)塗布先ホルダー14の縦半断面図を示し、図7は図6の上面図を示す。前軸3やバネ弁7は、前記第1実施例と同様な構成であるので、その説明を省略する。参照符号11は、第1実施例の塗布液収容室を太くした後軸であって、前軸3と螺合・結合している。尚、後軸1の材料はポリプロピレンのブローグレードとなっており、筒部直径20は20±0.30mm、筒部厚さが0.75±0.10mmとなっている。
その前軸3の前方開口部には、前軸3の前端より突出した、前後に貫通した略筒状の塗布先ホルダー14が取り付けられている。この塗布先ホルダー14には、その内部から前方部分が突出し得るように、全体が前記第1実施例の塗布先5よりも太い塗布先15が挿入されている。その塗布先15は、先端の両側面が斜め裾広がり状に形成された、所謂、チズル形状の塗布液導出作用を有している。尚、塗布先15の外径は、7.50±0.05mmとなっている。
【0017】
前記塗布先ホルダー14は、略筒状をなしている。この塗布先ホルダー14の内面には、前端から後方に向けて、軸心側に突出した縦リブ部14aが放射状に6本配置されており、前記塗布先15に軽く圧接されている。又、縦リブ部14aの後端には、軸心に向けて縮径し、且つ、塗布先15の外径より僅かに大きな内孔を有した環状部14bが形成されている。つまり、塗布先15の周囲と塗布先ホルダー14の環状部14bとで、微少間隙となす空気交換抑制部16を設けている。また、前記塗布先ホルダー14の縦リブ部14aは、前記第1実施例と同様に、環状部14bの後端まで、環状部14b内周より僅かに軸心に向け突出するように設けられている。尚、塗布先ホルダーの環状部14b内径は7.60±0.05mmであり、縦リブ部14a内接径は7.50±0.05mm、空気交換抑制部16は0〜0.20mmの隙間が形成されている。
符号18は、クリップ機能を備えたキャップであり、そのキャップ18は、第1実施例のキャップ8より、前方形状を太くした以外は、前軸3との嵌合形状などほぼ同様である。
【0018】
第2実施例の作用効果について説明する。前記第1実施例と略同様であるが、塗布先15を幅広の筆跡が得られよう太くすると共に、チズル形状にしても、前記前軸やバネ弁等を共通部品とすることができるので、太さの異なる塗布先を用いて、他構成部品を別個にして、共通部品を用いない製品形態で生産するよりも、生産性が向上する。
【0019】
図8、図9に第3実施例を示す。図8は第1実施例の塗布先5を仮設した(図中2点鎖線)塗布先ホルダー24の縦半断面図であり、図9は図8の底面図である。塗布先ホルダー24以外の構成は、第1実施例と同様である。又、その塗布先ホルダー24の外形形状や縦リブ部4a、環状部4b、ならびに、塗布先5の周囲と塗布先ホルダー24の環状部4bとで形成される空気交換抑制部6も、前記第1実施例と同様である。本実施例と前記第1実施例との相違点は、塗布先ホルダー24の後方内面の形状にある。具体的に説明すると、塗布先ホルダー24の環状部4bの後方内面には、軸心側に突出した薄板状の後方縦リブ部24cが放射状に12枚形成されており、その後方縦リブ部24cの間には、毛管作用を形成する縦溝部24dが形成されている。その縦溝部24dは、塗布液吸蔵機能を持たせるように設けたものである。
【0020】
第3実施例の作用・効果について説明する。第1実施例と略同様であるが、本実施例においては、塗布先ホルダー24の後方縦リブ部24c間に設けられた、毛管作用を有する縦溝部24dにより塗布液吸蔵機能を有している。これにより、従来技術で示したスポンジ部品の様なインキ保持機能を付加することができる。故に、塗布液が塗布先5や空気交換抑制部6の後方に貯えられた後、さらに、塗布先5を紙面等に押し付けて塗布液を吐出させようとしたときには、空気交換抑制部6による塗布液の導出抑制に加えて、縦溝部24dによる塗布液吸蔵機能により、前記塗布液の導出抑制がより高められる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具において、前記塗布先ホルダーの縦リブ部に、前記塗布先周囲との間に隙間を形成する環状部を設け、その隙間を空気交換抑制部としたので、ペン芯とスポンジ部品が果たしていた空気交換抑制作用を、塗布先と塗布先ホルダーの環状部からなる空気交換抑制部にて作用させているので、従来用いられていたスポンジ部品を削減出来、部品費や組立費の低減を果たすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の正縦断面図。
【図2】第1実施例の塗布先を仮設した塗布先ホルダーの縦断面図。
【図3】図2の上面図。
【図4】図2の要部拡大図。
【図5】第2実施例の要部正縦断面図。
【図6】第2実施例の塗布先を仮設した塗布先ホルダーの縦断面図。
【図7】図6の上面図。
【図8】第3実施例の塗布先を仮設した塗布先ホルダーの縦断面図。
【図9】図8の底面図。
【符号の説明】
1、11 後軸
2 塗布液攪拌体
3 前軸
4、14、24 塗布先ホルダー
4a、14a 縦リブ部
4b、14b 環状部
24c 後方縦リブ部
24d 縦溝部
5、15 塗布先
6、16 空気交換抑制部
7 バネ弁
8 キャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具に関するのもであり、前記塗布液の1例としては、塗料、絵の具、インキ、修正液、化粧料、薬剤、補修剤、コーティング剤などが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
塗布液を内蔵した容器と、容器の前端に内蔵の塗布液を塗りならす塗布先と、塗布先の乾燥防止・塗布先を保護する脱着が簡易なキャップとで構成した塗布具が、一般的に知られている。その塗布具の中には、塗布先を紙面等に押し付けて塗布先を後退させることによって、塗布先後方に配置したコイルスプリングで付勢された弁を開くようにして、内蔵の塗布液を塗布先に供給する構造となした、所謂、塗布先ノック式塗布具がある。
その塗布先ノック式塗布具の1例が特許文献1である。その公報には、内部にインキ収納部2を形成し、インキ攪拌用のボール4を内臓した本体1と、この本体1の先端部に液密状に挿入されて通孔9を有する弁本体6と、弁本体6の通孔9に進退自在に挿通され弁本体6の弁座10に接離する弁杆12と、弁杆12を前方に付勢するコイルスプリング15と、前記弁本体6先方に配置された筒状の先端内側の軸方向に複数の突条20を形成したペンホルダー16と、ペンホルダー16先端に挿入された多孔質繊維束などからなる棒状のペン先21と、ペン先21の後方周囲を覆うようにペンホルダー16内側に介装された筒状のスポンジ等のインキ貯留体19とで構成された筆記具が開示されている。
この筆記具は、ペン先21をコイルスプリング15に抗して垂直に紙面等に押し付けると、弁杆12が弁本体6の弁座10から離れ弁機構部が開弁する。これを繰り返すと、本体1内蔵のインキがペン先21へと導出される。
【0003】
前記ペン先21の後部周囲を覆うスポンジのインキ貯留体19は、インキを極部的に保持する働きと、ペン先21を紙面に押し付けインキが吐出する際、本体1のインキが弁機構部からペン先21にかけて余分に導出するのを抑える働きをしている。
弁機構部が開いていても、インキ貯留体19とペン先21とインキとによる液密状態が壁となって、本体1内部から出ようとするインキ量分の空気がペン先21外部から本体1内部に入ろうとするのを抑制するものである。この現象が、空気交換抑制作用である。
尚、ペンホルダー16の突条20は、ペン先21を筆記時に傾かないようにする働きと、筆記時にペン先21が自重で落下しないように保持する働きと、ペン先21とインキ貯留体19とインキとによる液密状態部へ空気が入り込み易くする働きがある。
さらに、ペン先21の保護や乾燥防止のためのキャップ内面へのインキ付着を低減するため、ペン先ホルダー16の前方にインキが溜り難いように、ペン先ホルダー16の突条20の根元径とペン先21径との径差である空間は、毛管力で塗布液を保持させないように、広めに形成している。
【0004】
【特許文献1】
特公昭62−10582号公報(公報第3欄第14行目〜同欄第29行目、第1図)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
日本国内の産業界においては、消費者の低価格志向と、海外の低価格品攻勢に対向するため、製品の部品数を削減して部品費や組立費の低減が求められている。
そこで、本発明は、従来用いられていたスポンジ部品を削減して、塗布先とスポンジ部品が果たしていた空気交換抑制作用を、前記スポンジ部品以外の他構成部品に持たせた塗布具を提供することにある。
一般的な塗布先ノック式塗布具では、塗布先を繰り返しノックさせて内蔵の塗布液を吐出させるのに、塗布先の繰り返しノック回数が多いと、塗布液吐出までの操作が面倒となる。そこで、塗布液を吐出させるのに、塗布先の繰り返しノック回数を少なくしようとすると、塗布先をノックした時に塗布液が過剰吐出してしまうことがある。塗布液を吐出させるのに、塗布先の繰り返しノック回数を少なくし、且つ、塗布先をノックした時の過剰吐出を抑える施策としては、塗布液が吸蔵された塗布先とスポンジとの液密状態(=「塗布先周囲面とスポンジ内面との密接程度」=「塗布先周囲面とスポンジ内面との間隙(空気交換抑制間隙)」)を適度に設定する必要があり、この空気交換抑制間隙は、内蔵の塗布液粘度が低い場合は空気の移動抵抗が低くなるので空気交換抑制間隙を少なくし、塗布液粘度が高い場合は空気の移動抵抗が高くなるので空気交換抑制間隙を大きくしなければならない。また、スポンジは多孔質で連通気孔を形成しているが、スポンジの連通気孔は立体的な網目状に形成されていて、スポンジの立体的な網目状内部で空気交換させるには、空気が直線状に移動するのではなく、微細な壁部に当接し回避ながらジグザグ状に移動するので、相当粗い網目状にしなければならない。尚、スポンジ内部で空気交換をしうる粗さとした場合には、毛管作用が働かなくなるので、塗布液は重力方向に直ぐに移動してしまい吸蔵体としての機能(保持機能)を果たさない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具において、前記塗布先ホルダーの縦リブ部に、前記塗布先周囲との間に隙間を形成する環状部を設け、その隙間を空気交換抑制部としたことを要旨とする。
【0007】
【実施例】
図1〜図4に第1実施例を示す。図1は塗布具の正縦断面図を示し、図2は塗布先5を仮設した塗布先ホルダー4の縦半断面図を示し、図3は図2の上面図を示す。参照符号1は、前端が開口した有底筒状の後軸である。この後軸1の内部は塗布液収容室となっていて、顔料等の沈降性質がある塗布液が充填された場合に、沈降顔料を再分散させるための略棒状の塗布液攪拌体2を内蔵している。尚、本実施例における塗布液の粘度は、35±15mPa・s以下となっている。前記後軸1は熱可塑性樹脂材料で、ブロー成形法により形成される。本実施例では、後軸1の筒部厚さを手で押圧して変形しうる厚さとなるよう形成されている。具体的に、後軸1の材料は6ナイロンのブローグレード、筒部直径は15.40±0.30mm、筒部の厚さは0.70±0.10mmとなっている。
後軸1の開口部には、後軸1と螺合結合するように、前後貫通した略筒状の前軸3を取り付けている。その前軸3は前方が単筒状の前筒部と、後方が二重筒の外筒部と内筒部とから形成されている。内筒部先端から軸心に向け平板状部を設け、この平板状部の軸心は開孔している。この開孔の後端から後方に漏斗状に広がるように弁座部を設けている。前軸3の前方開口部には、前軸3前端より突出するように、前後貫通した略筒状の塗布先ホルダー4を取り付けている。
【0008】
この塗布先ホルダー4の内部から前方部分が突出するように、塗布液導出作用のある塗布先5が挿入されている。この塗布先5は、ポリアクリルニトリル繊維やポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン系繊維などの繊維結束体や、ウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂などの成形体などより形成されており、略棒状で、前後対称形となっている。尚、塗布先5の外径は、2.98±0.05mmとなっている。
【0009】
前記、塗布先ホルダー4は、略筒状で、前後略中間位置で漏斗状に広がり、さらに、後方に向けて拡径した筒状となすように設けている。この塗布先ホルダー4の内面には、前端から後方に向けて、軸心側に突出したリブを放射状に4本配置した縦リブ部4aを、塗布先5の外周面と軽く圧接するように設けている。縦リブ部4a後端には、軸心に向けて縮径し、塗布先5の外径より僅かに大きな内孔とし、その内孔の内径より軸方向の長さを短くした環状部4bを設けている。即ち、塗布先5の外周囲と塗布先ホルダー4の環状部4bの内周囲とで、微少間隙となす空気交換抑制部6を設けている。
尚、塗布先ホルダー4の縦リブ部4aは環状部4bの後端まで、環状部4b内周より僅かに軸心に向け突出するように設けている。これは、塗布先ホルダー4の縦リブ部4aを塗布先5周囲に軽く圧接させることにより、塗布先5の周囲と塗布先ホルダー4の環状部4bとで設けられた空気交換抑制部6が、全周にわたって均一な間隙となっている。すなわち、空気交換抑制部6が、偏心した空隙とならないようにしているのである。
【0010】
また、塗布先5は塗布先ホルダー4の縦リブ部4aのみの線接触とし、塗布先5と環状部4bが面接触しないようにもしたものでもある。これは、塗布先5の外径のバラツキが比較的大きいので、塗布先5と塗布先ホルダー4の縦リブ部4aとの接触荷重バラツキが抑えられるように線接触させているものである。さらに、塗布先ホルダー4の環状部4bの軸方向長さを内孔より短くしているのは、環状部4b前方の縦リブ部4a周囲の空間を確保して、塗布液が溜り難いようにしているのである。
塗布先5と塗布先ホルダー4の接触荷重を高くする必要がある場合には、塗布先5と塗布先ホルダー4の環状部4bを面状で圧接させても良い。また、低粘度塗布液を充填する場合は、塗布液粘度が低くなる程、空気交換がし易くなるので、塗布先ホルダー4の縦リブ部4aの内接径と環状部4bの内径を同一にして、空気交換抑制部6の間隙を少なくすれば良い。ちなみに、塗布先5の周囲と塗布先ホルダー4の環状部4bが面接触しても、塗布先5は多数の微細な繊維で形成され、その表面は凹凸状に形成されているので、塗布先5表面の微細な凹部が、空気交換抑制部6となす微少間隙となる。尚、塗布先ホルダー4の環状部4b内径は3.10±0.05mmとなっており、縦リブ部4aの内接径は2.98±0.05mm、空気交換抑制部6の寸法は0.02〜0.22mmとなっている。
【0011】
前軸3の内筒部の内側に、弾発性機能を有するバネ部と、弁機構の構成要素である弁部とを兼ね備えたバネ弁7を設けている。バネ弁5の後端は、前記前軸2の内筒部の後端と凹凸結合させている。バネ弁5は先端に前端が閉じた前筒部を設け、前筒部後方に球状面となす弁部を設け、弁部後方に拡径した中筒部を設けている。このバネ弁5のバネ部により付勢された弁部を、前軸2の弁座部と圧接させることにより、開閉可能な弁機構となしている。参照符号8は、クリップ機能を備えたキャップである。キャップ8は、前軸3に脱着が簡易で、非使用時には、塗布先5を保護し、塗布先5等に保持された塗布液の乾燥を防止するため、前軸3に嵌合時は前軸3と空気密閉されるように形成されている。
【0012】
本塗布具では、前軸3と塗布先ホルダー4を別体で示したが、従来技術の欄で示したように、前軸3と塗布先ホルダー4を一体にし、前軸3の中筒部を別体に設けても良い。
又、本塗布具に染料等の沈降性質が低い塗布液を内蔵する場合は、塗布液攪拌体を用いなくても良い。
【0013】
第1実施例の作用・効果について説明する。塗布具の塗布先5を、バネ弁7のバネ部に抗して、紙面等に数回、繰り返して押し付けると、弁機構が繰り返し開閉し、後軸に内蔵した塗布液が、弁機構部を通過して塗布先の後端から前方へと浸透する。同時に塗布液は、塗布先ホルダー内面や空気交換抑制部の後方周囲に付着する。さらに、塗布先を繰り返して紙面等に押しつけることにより、塗布液を塗布先の前端迄、充分に浸透させた後は、紙面等に塗布液を塗布することが出来るようになる。
他の吐出方法として、塗布先を紙面等に押し付けた状態で、後軸側面を押圧する方法がある。この方法では、後軸を変形させることにより、後軸内部が加圧状態となるので、後軸内の塗布液を塗布先の前方へと、速やかに浸透させることが出来るので、繰り返して塗布先を紙面等に押し付けなくても良い。この方法によれば、塗布先の紙面に対する押圧操作が低減するため、塗布先の先端の変形も低減出来るものである。ちなみに、後軸の変形の容易性は、塗布先を紙面等に押し付けた際、後軸に対する保持力では変形しない程度に設定することが必要である。これは、塗布先を押し付けただけで吐出させようとした場合に、後軸を保持した力でその後軸が押圧変形されないようにするためである。
【0014】
ここで、塗布液が塗布先5や空気交換抑制部6の後方に貯えられた後、さらに、塗布先5を紙面等に押し付けて塗布液を吐出させようとしても、空気交換抑制部6に塗布液が液密状態となり、塗布液の壁が形成され、塗布先5の外部からの空気が空気交換抑制部6を通過し難くなり、その結果、後軸1からの塗布液の導出も抑制されるのである。
但し、先に述べた様に、塗布先5を紙面等に押し付けた状態で、後軸1の側面を押圧することによって塗布液を吐出させる方法においては、空気交換抑制部6に塗布液が液密状態となっていても、後軸1内の圧力が高まり、空気交換抑制部6の抑制力以上の吐出力が働き、塗布液の導出を抑制することが困難な場合が生じてしまうこともある。故に、この塗布先を紙面等に押し付けた状態で、後軸の側面を押圧しての塗布液を吐出させる方法は、新品の塗布具を購入し最初に塗布液を速やかに吐出させる場合に、有効な方法と云える。また、キャップを嵌め忘れたときなど、塗布先の周囲が塗布液で極部的に固化(塗布液乾燥詰まり)した場合であっても、後軸内の固まっていない塗布液を強制的に吐出させることによって、その固化した塗布液を破壊することができるので、塗布液乾燥詰まりを修復するのに有効な方法と云える。
【0015】
尚、本実施例では、従来用いられていたスポンジ部品を削減して、ペン芯とスポンジ部品が果たしていた空気交換抑制作用を、塗布先と塗布先ホルダーの環状部からなる空気交換抑制部で行い、塗布液粘度に応じた適度な空気交換抑制部の間隙を設定しているので、従来用いられていたスポンジ部品を削減でき、部品コストの低減を果たすものとなっている。また、スポンジ部品を削減できるので、組立工数も減少し、組立コストの低減も果たしている。さらに、部品数が削減された分、部品間の組合せによるバラツキや、各部品同士の組立方法などによるバラツキが低減できるので、そのバラツキが低減できた分、品質の安定化も果たしている。
【0016】
図5〜図7に第2実施例を示す。図4は塗布具の要部正縦断面図を示し、図6は塗布先15を仮設した(図中2点鎖線)塗布先ホルダー14の縦半断面図を示し、図7は図6の上面図を示す。前軸3やバネ弁7は、前記第1実施例と同様な構成であるので、その説明を省略する。参照符号11は、第1実施例の塗布液収容室を太くした後軸であって、前軸3と螺合・結合している。尚、後軸1の材料はポリプロピレンのブローグレードとなっており、筒部直径20は20±0.30mm、筒部厚さが0.75±0.10mmとなっている。
その前軸3の前方開口部には、前軸3の前端より突出した、前後に貫通した略筒状の塗布先ホルダー14が取り付けられている。この塗布先ホルダー14には、その内部から前方部分が突出し得るように、全体が前記第1実施例の塗布先5よりも太い塗布先15が挿入されている。その塗布先15は、先端の両側面が斜め裾広がり状に形成された、所謂、チズル形状の塗布液導出作用を有している。尚、塗布先15の外径は、7.50±0.05mmとなっている。
【0017】
前記塗布先ホルダー14は、略筒状をなしている。この塗布先ホルダー14の内面には、前端から後方に向けて、軸心側に突出した縦リブ部14aが放射状に6本配置されており、前記塗布先15に軽く圧接されている。又、縦リブ部14aの後端には、軸心に向けて縮径し、且つ、塗布先15の外径より僅かに大きな内孔を有した環状部14bが形成されている。つまり、塗布先15の周囲と塗布先ホルダー14の環状部14bとで、微少間隙となす空気交換抑制部16を設けている。また、前記塗布先ホルダー14の縦リブ部14aは、前記第1実施例と同様に、環状部14bの後端まで、環状部14b内周より僅かに軸心に向け突出するように設けられている。尚、塗布先ホルダーの環状部14b内径は7.60±0.05mmであり、縦リブ部14a内接径は7.50±0.05mm、空気交換抑制部16は0〜0.20mmの隙間が形成されている。
符号18は、クリップ機能を備えたキャップであり、そのキャップ18は、第1実施例のキャップ8より、前方形状を太くした以外は、前軸3との嵌合形状などほぼ同様である。
【0018】
第2実施例の作用効果について説明する。前記第1実施例と略同様であるが、塗布先15を幅広の筆跡が得られよう太くすると共に、チズル形状にしても、前記前軸やバネ弁等を共通部品とすることができるので、太さの異なる塗布先を用いて、他構成部品を別個にして、共通部品を用いない製品形態で生産するよりも、生産性が向上する。
【0019】
図8、図9に第3実施例を示す。図8は第1実施例の塗布先5を仮設した(図中2点鎖線)塗布先ホルダー24の縦半断面図であり、図9は図8の底面図である。塗布先ホルダー24以外の構成は、第1実施例と同様である。又、その塗布先ホルダー24の外形形状や縦リブ部4a、環状部4b、ならびに、塗布先5の周囲と塗布先ホルダー24の環状部4bとで形成される空気交換抑制部6も、前記第1実施例と同様である。本実施例と前記第1実施例との相違点は、塗布先ホルダー24の後方内面の形状にある。具体的に説明すると、塗布先ホルダー24の環状部4bの後方内面には、軸心側に突出した薄板状の後方縦リブ部24cが放射状に12枚形成されており、その後方縦リブ部24cの間には、毛管作用を形成する縦溝部24dが形成されている。その縦溝部24dは、塗布液吸蔵機能を持たせるように設けたものである。
【0020】
第3実施例の作用・効果について説明する。第1実施例と略同様であるが、本実施例においては、塗布先ホルダー24の後方縦リブ部24c間に設けられた、毛管作用を有する縦溝部24dにより塗布液吸蔵機能を有している。これにより、従来技術で示したスポンジ部品の様なインキ保持機能を付加することができる。故に、塗布液が塗布先5や空気交換抑制部6の後方に貯えられた後、さらに、塗布先5を紙面等に押し付けて塗布液を吐出させようとしたときには、空気交換抑制部6による塗布液の導出抑制に加えて、縦溝部24dによる塗布液吸蔵機能により、前記塗布液の導出抑制がより高められる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具において、前記塗布先ホルダーの縦リブ部に、前記塗布先周囲との間に隙間を形成する環状部を設け、その隙間を空気交換抑制部としたので、ペン芯とスポンジ部品が果たしていた空気交換抑制作用を、塗布先と塗布先ホルダーの環状部からなる空気交換抑制部にて作用させているので、従来用いられていたスポンジ部品を削減出来、部品費や組立費の低減を果たすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の正縦断面図。
【図2】第1実施例の塗布先を仮設した塗布先ホルダーの縦断面図。
【図3】図2の上面図。
【図4】図2の要部拡大図。
【図5】第2実施例の要部正縦断面図。
【図6】第2実施例の塗布先を仮設した塗布先ホルダーの縦断面図。
【図7】図6の上面図。
【図8】第3実施例の塗布先を仮設した塗布先ホルダーの縦断面図。
【図9】図8の底面図。
【符号の説明】
1、11 後軸
2 塗布液攪拌体
3 前軸
4、14、24 塗布先ホルダー
4a、14a 縦リブ部
4b、14b 環状部
24c 後方縦リブ部
24d 縦溝部
5、15 塗布先
6、16 空気交換抑制部
7 バネ弁
8 キャップ
Claims (4)
- 塗布液を内蔵した軸筒の前方に塗布先ホルダーを有し、その塗布先ホルダー先端に配置した棒状の塗布先と、塗布先ホルダーの後方に配置した弁機構とよりなり、前記塗布先ホルダーの内面に前記塗布先の周囲と接する複数の縦リブ部を形成した塗布具において、前記塗布先ホルダーの縦リブ部に、前記塗布先周囲との間に隙間を形成する環状部を設け、その隙間を空気交換抑制部としたことを特徴とする塗布具。
- 前記環状部を縦リブ部の後方に設けたことを特徴とする請求項1記載の塗布具。
- 前記環状部の軸方向の長さを、その環状部の内径よりも短くしたことを特徴とする請求項1,或いは、請求項2に記載の塗布具。
- 前記環状部の後方に縦溝部を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の塗布具。
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