JP2004174853A - 容器用ブロー成形分割型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリフォーム2にその開口部から気体を吹き込んでプリフォーム2を膨張させて金型の内面に押し付けることにより、金型の内面形状を付与してペットボトル3を成形する容器用ブロー成形分割型において、ペットボトル3の中心軸線を通る平面で分割されかつペットボトル3の胴部を成形する複数の胴部金型4と、これらの胴部金型4を着脱自在に保持し、かつこれら胴部金型4を開閉させるホルダー5と、その胴部に対して軸線方向で隣接する頂部もしくは底部を成形し、かつ前記軸線方向に移動させられて胴部金型4の端部に密着して接合させる底部金型6とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボトルや缶などの容器の成形用分割型に関し、特に容器用ブロー成形分割型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボトル等の樹脂製容器は、容器用粗形材にその開口部から気体を吹き込んで、その容器用粗形材を膨張させて金型の内面に押し付けることにより、金型の内面形を付与して容器を成形するブロー成形法により成形されている。この一例のブロー成形においては一般に、ブローノズル(充填台)から溶融樹脂を押し出して筒状プリフォーム(パリソンと称される予備成形体)を製造する射出成形工程と、この射出成形工程で得られたプリフォームの口部を無延伸状態で保持し、その内部に空気や窒素などの加圧気体を吹き込んで膨張させることにより容器用ブロー成形分割型の内面に沿わせた形状に成形するブロー成形工程とを実施し、得られた製品を離型する際には、ブロー成形金型を中央から左右に分割させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の容器を作成する金型で、多種類の容器を製造する場合は、それに合わせた多種類の型を作成しなければならなかった。すなわち、成形型として、中心軸線を通る平面で分割される分割型を使用するのが一般的である。その分割型は、例えば得るべき容器の左右の半分ずつを成形する構成とされている。したがって、左右の分割型で特定の一種類の容器を成形するようになっている。そのため、多種類の容器を製造する場合には、得るべき容器の種類に応じた多種類の金型を用意する必要があった。その結果、金型費用が嵩む不都合があった。
【0004】
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、1つの型設備によって、数種類の容器の成形が可能であって、金型費用を大幅に削減可能な容器用ブロー成形分割型を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、容器用粗形材にその開口部から気体を吹き込んで該容器用粗形材を膨張させて金型の内面に押し付けることにより、金型の内面形状を付与して容器を成形する容器用ブロー成形分割型において、前記容器の中心軸線を通る平面で分割されかつ前記容器の胴部を成形する複数の胴部成形用金型と、これらの胴部成形用金型を着脱自在に保持し、かつこれら胴部成形用金型を開閉させるホルダーと、前記胴部に対して軸線方向で隣接する頂部もしくは底部を成形し、かつ前記軸線方向に移動させられて前記胴部成形用金型の端部に密着して接合させる端部成形用金型とを備えていることを特徴とするものである。
【0006】
したがって、この請求項1に記載した発明では、複数の胴部成形用金型によって、前記容器の中心軸線を通る平面で分割されかつ前記容器の胴部を成形することができる。ホルダーによって、胴部成形用金型を着脱自在に保持し、かつこれら胴部成形用金型を開閉させることができる。端部成形用金型によって、前記胴部に対して軸線方向で隣接する頂部もしくは底部を成形し、かつ前記軸線方向に移動させられて前記胴部成形用金型の端部に密着して接合させることができる。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記胴部成形用金型と前記端部成形用金型との接合部近傍の部分が、前記容器における軸線方向に対して直線的な部分を形成する形状とされていることを特徴とすることができる。
【0008】
したがって、請求項2の発明では、前記胴部成形用金型と前記端部成形用金型との接合部近傍の部分の形状によって、前記容器における軸線方向に対して直線的な部分を形成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のプラスチックボトルの成形品が形成される容器の成形用分割型の実施例を図面を参照して説明する。この実施例においては、ボトルの材料としてPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂が使用されるが、他のプラスチック材料、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ナイロン等の樹脂を用いることができる。
【0010】
図1は、この発明の一実施例の配置状態を示しており、ここで対象としているブロー成形設備によって、容器の成形する等に用いられる、ブロー成形分割金型1によって、プリフォーム2と、ペットボトル3の多種類の形状を決定する胴部金型4と、その胴部金型4の外周を保持するホルダー5と、そのホルダー5内部において、ブロー噴射方向に移動し、且つプラスチックボトルの下部の形状を形成する底部金型6とが構成されている。
【0011】
図2に示されるように、ホルダー5は、L側ホルダー5’とR側ホルダー5”とで構成されている。L側ホルダー5’とR側ホルダー5”とはボルト(図示しない)で締結されるようになっている。ホルダー5によって、胴部金型4と底部金型6とを外周側面を覆うように保持するようになっている。また、ホルダー5によって、図1に示されるように、胴部金型4及び底部金型6は、円筒形状に形成されている。またホルダー5によって、胴部金型4をボルト(図示しない)等で締結されている。
【0012】
ホルダー5によって、底部より口部側の部分が成形される複数種類の胴部金型4をボルト(図示しない)等で着脱できるようになっており、それに併せて、底部金型6をスライドさせて位置決めができるようになっている。
【0013】
また、上記ホルダー5のようなブロー成形に用いられる主材質は、スチール(SK材等)、アルミニウム(A5052、A6061、A7075等)、ベリリウム銅(C1720W等)を用いることができる。
【0014】
胴部金型4を交換することによって、ペットボトル3の充填方向の長さを自由に確定できるようになっている。その胴部金型4によって、その上方に設けられたストレッチケーブル7からブローノズル8を介して、下方に供給されたプリフォーム2を固定するようになっている。さらに、型締めした状態で、成形品に対応した三次元曲面形状が胴部金型4の内部に形成されるようになっている。
【0015】
また、底部金型6は、容器の底面形状を形成する形成金型9と、底部金型6自体をストロークさせることが可能なフリーピストン部10と、そのフリーピストン部10の周囲壁面に浮遊されるピストンリング11とを備えている。
【0016】
形成金型9は、図1に示された胴部金型4の下部に接し、且つホルダー5に内部に設けられるようになっている。これら底部金型6には、エアーシリンダーなど(図示しない)の所定のスライド機構12が取り付けられており、空気圧もしくは油圧によって、対向する充填方向にスライドするように設定されている。
【0017】
そして、底部金型6によって、ペットボトル3の目標容積に適合する胴部金型2が、ホルダー5に形成されるようになっている。さらに、上記のスライド機構12が作動すると胴部金型4の底部に、底部金型6を密着するように構成されている。また、胴部金型4と底部金型6との間に閉鎖された空間13が設けられるようになっている。また、プリフォーム2のブロー成形時に、閉塞された空間13からの空気の通路として排気路14が設けられている。
【0018】
底部金型6によって、フリーピストン部10と形成金型9との間にピストンリング11を浮かされるようになっている。
【0019】
ピストンリング11によって、胴部金型4に内部の壁に接するようになっている。さらにピストンリング11によって、底部金型6が胴部金型4内部の壁に一定距離を保持したまま配置するようになっている。
【0020】
フリーピストン部10によって、フリーピストン部10の上部に設けられたピン15を、形成金型9下部の中央孔16に圧入されるようになっている。また、フリーピストン部10と、形成金型9とが結合されるようになっている。
【0021】
また、閉鎖された空間13によって、プリフォーム2が連続的に接触されるようになっている。その胴部金型4及び底部金型6の金型意匠面17,18の意匠および模様がプリフォーム2に転写される。
【0022】
つぎに、上記のブロー成形用分割型1を使用したボトル(容器)のブロー成形工程について説明する。なお、以下に説明する例では、プリフォーム2が事前に別工程で成形されているものとして説明する。
【0023】
先ず、目標とする容積のボトルに対応した胴部金型4をホルダー5に取り付け、ホルダー5と共に胴部金型4の型閉じをおこなった状態で、その下方から底部金型6を上昇させ、胴部金型4の底部に密着させる。こうすることにより、得るべきボトルの形状に対応したキャビティー(空間13)が形成される。
【0024】
その空間13の上部開口端に、予め用意されたプリフォーム2を挿入する。その場合、プリフォーム2の口部が成形型の開口端に引っ掛かり、上部に突出した状態となる。その口部にブローノズル8を密着状態で嵌合させ、さらにそのブローノズル8にストレッチケーブル7を挿通させる。そのストレッチケーブル7によってプリフォーム2を軸線方向に押して延ばしつつ、プリフォーム2の内部に空気や窒素などの加圧気体を吹き込む。その結果、プリフォーム2が軸線方向および半径方向に膨張し、最終的には胴部金型4および底部金型6の内面に押し付けられてこれらの型の内面形状すなわち金型意匠成形面17,18に沿った形状に成形される。
【0025】
その後、冷却工程が実行される。その場合、成形品を固化させてボトルの形状に調整される。なお、この冷却工程では、例えば、胴部金型4および底部金型6に設けられた温度調節媒体(図示しない)を低温に切り換える。胴部金型4および底部金型6を急冷したりエアーチラー等(図示しない)を用いて成形品の内部から強制冷却してもよい。
【0026】
この冷却工程と並行して、もしくは冷却工程の後に、前述したストレッチケーブル7を上昇させて成形品から引き抜き、かつブローノズル8を成形品の口部から取り外す。ついで、底部金型6を加工させて胴部金型4から離隔させる。その状態で分割構造の前記胴部金型4をL側ホルダー5’とR側ホルダー5”と共に左右に分割することにより、成形品すなわちペットボルト3が取り出される。
【0027】
なお、上記ブロー成形後に、上記容器とは違う種類の容器を製作する時においては、L側ホルダー5’とR側ホルダー5”とを保持しているボルト(図示しない)を緩めてL側ホルダー5’とR側ホルダー5”とを開く。L側ホルダー5’および、R側ホルダー5”と胴部金型4とを締結するボルト(図示しない)を緩める。そして、L側ホルダー5’および、R側ホルダー5”から胴部金型4を取外す。次に、種類の違う胴部金型4を取付けるには、L側ホルダー5’およびR側ホルダー5”に胴部金型4を入れてボルト(図示しない)で固定する。L側ホルダー5’とR側ホルダー5”を閉じる。そして、L側ホルダー5’とR側ホルダー5”とを固定するボルト(図示しない)を締結して胴部金型4に交換する。
【0028】
なお、胴部金型4によって、囲まれた閉鎖された空間13内に存在している空気を、排気路14を通じてブロー成形分割金型1の外部に排出して、プリフォーム2の内部および外部の圧力差を大きくしてもよい。この場合、プリフォーム2内の空気量をそれほど増やさなくても、プリフォーム2を金型意匠面17,18に確実に接触させることができる。
【0029】
なお、特許請求の範囲に記載された“容器用粗形材”を“プリフォーム”と読み替え、“容器”を“ペットボトル”と読み替え、“胴部成形用金型”を“胴部金型”と読み替え、“端部成形用金型”を“底部金型”と読み替えることもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、複数の胴部成形用金型によって、前記容器の中心軸線を通る平面で分割されかつ前記容器の胴部を成形することができる。ホルダーによって、胴部成形用金型を着脱自在に保持し、かつこれら胴部成形用金型を開閉させることができる。端部成形用金型によって、前記胴部に対して軸線方向で隣接する頂部もしくは底部を成形し、かつ前記軸線方向に移動させられて前記胴部成形用金型の端部に密着して接合させることができる。その結果、一つの型設備によって、数種類の容器の成形が可能とされる。さらに、型交換にかかる金型費用の大幅削減が可能となる。
【0031】
また、請求項2の発明によれば、前記胴部成形用金型と前記端部成形用金型との接合部近傍の部分の形状によって、前記容器における軸線方向に対して直線的な部分を形成することができる。その結果、目立たない意匠面に型のパーティングラインを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の容器用ブロー成形用分割金型を説明するための概略的な構成図である。
【図2】この発明の実施例の容器用ブロー成形用分割金型の主要搭載構成を説明するための概略的な斜視図である。
【図3】この発明の実施例の容器用ブロー成形用分割金型による工程を説明するための概略的な工程図である。
【符号の説明】
1…ブロー成形分割金型、 2…プリフォーム、 3…ペットボトル、 4…胴部金型、 5…ホルダー、 5’…L側ホルダー、 5”…R側ホルダー、 6…底部金型。
Claims (2)
- 容器用粗形材にその開口部から気体を吹き込んで該容器用粗形材を膨張させて金型の内面に押し付けることにより、金型の内面形状を付与して容器を成形する容器用ブロー成形分割型において、
前記容器の中心軸線を通る平面で分割されかつ前記容器の胴部を成形する複数の胴部成形用金型と、
これらの胴部成形用金型を着脱自在に保持し、かつこれら胴部成形用金型を開閉させるホルダーと、
前記胴部に対して軸線方向で隣接する頂部もしくは底部を成形し、かつ前記軸線方向に移動させられて前記胴部成形用金型の端部に密着して接合させる端部成形用金型と
を備えていることを特徴とする容器用ブロー成形分割型。 - 前記胴部成形用金型と前記端部成形用金型との接合部近傍の部分が、前記容器における軸線方向に対して直線的な部分を形成する形状とされていることを特徴とする請求項1に記載に容器用ブロー成形分割型。
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