JP2004173107A - Ofdm復調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信系のダイナミックレンジを拡大することが可能にし、受信系のAGC回路のゲインコントロールの大きな誤差を吸収する。
【解決手段】受信パケットが複数のOFDMシンボルを含んで構成される信号を、FFT演算220を含む処理により復調するOFDM復調装置であって、FFT演算220前の時間領域信号a204に対して、OFDMシンボル毎に最大振幅絶対値を検出し最大振幅絶対値に基づいて増幅する時間領域振幅調整回路210を具備する。時間領域振幅調整回路210において受信パケットに含まれる各OFDMシンボルに対する増幅度が異なる場合に、FFT回路220後に同一受信パケットに含まれるOFDMシンボルの増幅度が一定になるように補正する振幅補正回路230を備える。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル無線通信システムに用いられるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号の復調技術に関し、特に、復調可能な受信器への信号入力レベルのダイナミックレンジを、拡大する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
OFDM変調方式は、周波数領域の複数のサブキャリアを使用するマルチキャリア変調方式の1つである。一般的には、各サブキャリアを、比較的低レートで16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)などの一次変調を加え、二次変調にOFDMを使用する。一次変調を加えられた全サブキャリアの情報(周波数領域情報)をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)演算することにより、時間領域信号波形に変換して伝送し、総合的に高レートの伝送容量を実現する。16QAMのコンスタレーション(信号配置)を図7に示す。Q−I軸に対して、16の信号が配置されている。
【0003】
前述したように、OFDM変調方式では複数のサブキャリアを使用し、各サブキャリアは低レートで一次変調されているため、それぞれのサブキャリアの帯域幅は比較的狭い。従って、周波数選択性フェージングは一部のサブキャリアに対してのみ影響を与える。OFDM信号帯域内で周波数選択性フェージングにより受信電力が落ち込むサブキャリアに載せられた情報は、誤り訂正やインターリーブなどの処理を加えることにより復元することが可能であり、誤り率の向上を図ることができる。原理的に、周波数選択性フェージングへの耐性が高いため、周波数選択性フェージングの発生し易い環境下での使用が想定される無線LAN技術などにOFDM変調が採用されている。
【0004】
以下、一般的なOFDM無線システムの受信器の概要を、図8に示す回路構成例を参照して説明する。この際の受信パケットの構成を図1に示す。図1に示すように、パケット1の先頭には、AGC(Auto Gain Control)用プリアンブルOFDMシンボル3と、伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル5とが配置されるが、これらは既知の値であり、それらに続いて任意の情報が載せられた複数のペイロードOFDMシンボル7−1から7−Nから構成されるペイロード部7が配置されている。
【0005】
図8に示すように、OFDM無線システムの受信器は、AGC回路101と、A/D変換(ADC)回路102と、ローパスディジタルフィルタ回路103と、同期回路104と、FFT回路120と、周波数領域調整回路140と、伝搬路補償回路150と、位相雑音除去回路151と、デマッピング回路152と、ビタビ復号器153とを含んで構成されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
AGC回路101に入力される受信パケットは、時間領域波形の信号である。受信パケットは、AGC回路101において、AGC用プリアンブルを使用してA/D変換(ADC)回路102のダイナミックレンジに適合するように信号レベルが調整され、この時点でAGC用プリアンブルは取り除かれる。但し、このAGC操作は誤差が含まれる可能性があり、必ずしも各受信パケットのADC回路102への入力レベルが一定になるように調整が最適化されるわけではない。
【0007】
AGC回路101から出力された信号a101は、A/D変換回路102においてアナログ信号からディジタル信号に変換され(a102)、ローパスディジタルフィルタ回路103を通すことにより所望OFDM信号帯域のみを通過させる(a103)。尚、この回路構成例では、ローパスディジタルフィルタ103の出力信号a103からデマッピング回路152への入力信号a151までの間は、情報が複素情報として取り扱われている。すなわち、つまりI(In−phase)、Q(Quadrature)情報が流れているものとする。
【0008】
同期回路104において受信パケットの同期がとられ、パケットに含まれる各OFDMシンボルの区切りが決定されるが、これはFFT窓が決定されることと等価である。FFT回路120により二次変調が復調され、ここで受信パケットは初めて時間領域信号から周波数領域信号に変換されたことになる。信号a120は16QAMなどの一次変調された信号が各サブキャリアにのっている周波数領域信号である。
【0009】
周波数領域振幅調整回路140は、伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルに含まれるビット情報の最大振幅レベルを基準として、ペイロードOFDMシンボルの振幅調整を行う。ローパスディジタルフィルタ回路103やFFT回路120においては、乗算処理や加算処理を何回も繰返して行う。従って、情報を表すために割り当てられているビットに注目すると、ローパスディジタルフィルタ103への信号入力レベルが低い場合をはじめとして、下位ビット丸め込み誤差が生じるとともに、上位ビットに有効な情報を表現するのに寄与しない空ビットが発生する可能性が高い。
【0010】
ここでいう空ビットと周波数領域振幅調整回路140の機能に関して、図9を参照して説明する。図9に示すように、例えば、FFT(図8)の出力信号a120の値が16ビット幅の2の補数で表現されるとし、サブキャリア数は52であるとする。周波数領域振幅調整回路140(図8)の処理単位はパケットであり、パケットに含まれる全てのOFDMシンボルに対して同量の振幅調整がなされる。図2に示すように、パケット11は伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル12とペイロードOFDMシンボル15とを含んで構成される。図9に示す抽出回路141では、パケットの中から伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルを検知し、抽出して信号a141として出力し、フォーマット変換回路142では、I、Q成分それぞれの情報値のフォーマットを、2の補数から符号ビットが付加された絶対値に変換して信号a142として出力する。ハードウェアの制限などを考慮した設計方針によって決定される値であって、可能な最大ビットシフト量をN_msとし、例えばN_ms=4を信号a144とする。
【0011】
ここで、ビットシフトとはビット情報をMSB(Most Significant Bit)方向にビットシフトすることを意味し、振幅の観点から見ると、−2ビットシフトした場合は振幅値を2−2=0.25倍、−1ビットシフトした場合は振幅値を2−1=0.5倍、0ビットシフトした場合は振幅値を2=1倍、1ビットシフトした場合は振幅値を2=2倍、2ビットシフトした場合は振幅値を2=4倍、3ビットシフトした場合は振幅値を2=8倍、4ビットシフトした場合は振幅値を2=16倍したことになる。従って、ビットシフト操作は、離散的な増幅操作といえる。
【0012】
処理単位がパケットであるということは、一つのパケットに含まれる全OFDMシンボルの全サブキャリアのビット情報値のビットシフト量を同値とすることである。このビットシフト量の決定の仕方について説明する。信号a142は、フォーマット変換され、伝播路推定用プリアンブルに含まれる52本のサブキャリアのビット情報値である。論理和計算回路143では、ビット情報値a142の符号ビットを除く上位4ビット(N_ms=4ビットであるため)を52本のサブキャリア各々から取り出し、同じビット位置の52個のビット値の論理和を計算し、4ビット信号a143として出力する。この論理和の計算結果はN_msビットの値であるが、MSBからみて初めて‘1’がたつビットの位置が伝播路推定用プリアンブルに含まれるサブキャリアの値の最大絶対値のMSSB(Most Significant Set Bit)の位置であり、プリアンブルに含まれる最大絶対値が有効に利用しているビットの位置を表す。伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルに含まれるサブキャリア情報のI、Q成分のうちの最大振幅絶対値を持つビット情報値が、”0000110101111001“(数値例1、16ビット)であるとき、論理和計算回路143の出力信号a143の値は、”0001“(数値例2、4ビット)となる。
【0013】
ビットシフト量決定回路145は、MSSB位置が論理和値a143の上位からN_lビット目であるときにN_l−1をビットシフト量N_sと決定する。但し、論理和値に‘1’が立たない場合は、ビットシフト量N_sはN_msと決定する。数値例2の場合は、上位から4ビット目に初めて論理値’1’がたっているのでN_l=4であり、N_s=3となり、ビットシフト量決定回路145でビットシフト量が3と決定され、信号a145として出力される。また上記の例では、値N_sを空ビット数と定義する。
【0014】
ビットシフト及び丸め込み処理回路146では、同パケット内に含まれる全てのI、Q成分のビット情報値に対して、決定されたビットシフト量a145だけMSB方向にビットシフトさせる。但し、ビットシフトを加えた結果としてデータが桁あふれを起こした場合は、丸め込み(オーバフロー処理)をすることにより値を飽和させるなどの処理を行う。また、下位ビットにはシフトした量だけ‘0’で補完するなどの処理を行う。上記数値例1の場合、MSB方向に空ビット数の3ビットだけシフトし、“0101011110010000”(数値例3、16ビット)とする。さらに、周波数領域振幅調整回路140の後ろに配置されている回路の入力ビット数幅に合うように下位ビットを切捨てる処理を処理回路147において行う。上記数値例3の場合、上位10ビットの“0101011110”(数値例4、10ビット)を伝播路特性補償回路150に渡すことにより、限られた10ビットというビット幅を有効に活用するととともに、ビット幅の縮小によりFFTより後ろの処理回路での負担を和らげることが可能である。この手法により、データに割り当てられるビット幅が少ない場合でも、空ビットをなくすことができ有効にデータ表現することができる。
【0015】
数値例1の場合、符号ビットであるMSBを除く上位3ビットの”0”のビット値を空ビットと定義し、空ビット数が3であるということにする。周波数領域振幅調整回路140の機能は、伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルの中で最大振幅絶対値をもつIまたはQ成分のビット情報に注目して、そのビット情報の空ビット数が0になるように、当該パケットに含まれる全OFDMシンボルの全ビット情報を上記空ビット数だけMSB方向にビットシフトさせる機能である。この機能に基づく操作により、数値例1は、数値例4で示すように変換される。ここでは、例として空ビット数が0になるようなビットシフトの仕方について説明したが、ビットシフト後の空ビットは適用箇所により可変であってよい。
【0016】
伝播路(特性)補償回路150では、ペイロードOFDMシンボルに含まれる各サブキャリアのビット情報を伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルに含まれ対応するそれぞれのサブキャリアのビット情報を用いて除算するにより伝播路補償(振幅補償および位相補償)し、各サブキャリアに載せられた情報を正規化し、信号a150として出力する。続いて、位相雑音除去回路151において、ペイロードOFDMシンボルに含まれる位相雑音が除去されて信号a151として出力され、次にデマッピング回路152で複素平面上のコンスタレーションから一次元情報列にデマッピングされ信号a152として出力される。このデマッピングが一次復調に相当する。信号a152は、ビタビ復号器153で畳込み符号から復号され、復号データが出力される。尚、周波数領域振幅調整回路140は、伝播路特性補償回路150の後ろ又は位相雑音除去回路141の後ろに配置することも可能である。
【0017】
【特許文献1】
特開2002−288151号公報(図1)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、FFT演算により周波数領域信号に変換された信号波形の振幅調整を行う技術である。伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルの各サブキャリアはBPSK変調されている。ペイロードOFDMシンボルの各サブキャリアは、例えば、BPSK、QPSK、16QAMの何れかの変調方式で変調されている。それぞれのコンスタレーションを図5から図7までに示す。それぞれのコンスタレーションの平均電力が等しくなるように振幅が決定されている。送信側でそれぞれの変調を加えたとき、I、Q成分に分けて考えたときの最大振幅の絶対値は、BPSKの場合は1、QPSKの場合は1/√2≒0.71、16QAMの場合は3/√10≒0.95である。
【0019】
伝播路特性がパケット内でそれほど変わらないと仮定する。ペイロード部の変調方式がBPSK、QPSK、16QAMである場合に、そのI、Q成分の最大振幅の絶対値は、プリアンブル部(BPSK変調)のI、Q成分の最大振幅の絶対値を上回る確率は小さいといえる。従って、周波数領域においては、プリアンブル部のI、Q成分の最大振幅絶対値は、上記プリアンブルが含まれるパケットの全I、Q成分の中においても最大値である確率が高いといえ、上記最大振幅値の空ビット数によって決定されるビットシフト量で同パケット内の全てのI、Q成分をビットシフト、つまり増幅しても、”1”を超える値が発生する確率は少なく、これは上記ビットシフト操作によっても周波数領域波形をほぼ歪ませることなく、ビット情報に割り当てられたビット幅を有効に活用できることを意味する。つまり、上記従来技術は、パケット中の最大振幅絶対値がパケット先頭に位置するOFDMシンボル(ここでは伝播路推定用プリアンブル)中に存在するという仮定に基づいている。
【0020】
ここで、上記と同様の操作をFFT演算前の時間領域信号波形に適用する場合を考える。一つのOFDMシンボルに注目すると、時間領域波形の最大振幅値は、一般的に周波数領域における各サブキャリアの変調信号の位相が揃っているほど大きくなる。伝播路推定用プリアンブルは、周波数領域の変調信号の位相が揃わないことも考慮に入れて決定されているため、ピーク対平均電力比(PAPR:Peak to Average Power Ratio)が比較的低い。しかし、ペイロードOFDMシンボルは、各サブキャリアが自由に変調されるために変調信号の位相が揃う可能性があり、一般的に、プリアンブルOFDMシンボルよりもPAPR値が大きくなる。これは、ペイロードOFDMシンボルの最大振幅絶対値の方が、プリアンブルOFDMシンボルの最大振幅絶対値よりも大きくなる確率が大きいということを意味する。換言すれば、パケット中の最大振幅絶対値が、パケット先頭に位置するOFDMシンボル(ここでは伝播路推定用プリアンブル)の中に存在するという確証はない。パケットの中で最大振幅絶対値を有するOFDMシンボルが、パケット中のどの位置にあるかが分からないということである。
【0021】
従って、伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルの最大振幅絶対値の空ビット数分だけペイロード部をビットシフトしまう従来の周波数領域における振幅調整機能を時間領域の信号波形に適用しようとすると、ペイロード部の振幅の大きい部分がクリップされることにより時間領域信号波形に歪みが生じ、誤り率が大きくなってしまう。つまり、周波数領域での手法を時間領域にそのまま適用するとシステム性能劣化につながり、望ましくない。以上説明したように、固定小数点回路で構成されるOFDM復調器のディジタル回路において、従来の回路ではFFT演算により周波数領域信号に変換した後にビット情報をビットシフトさせることで、ビット情報値を増幅する手段しか持ち合わせていなかったために、受信系のダイナミックレンジが狭いという問題点があった。
【0022】
本発明は、周波数領域でのディジタル的ビットシフトによる増幅手法を、時間領域信号に適用するようにする技術を提供することにより、OFDM受信系のダイナミックレンジを拡大することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、受信パケットが複数のOFDMシンボルを含んで構成される信号を、FFT演算を含む処理により復調するOFDM復調装置であって、前記FFT演算前の時間領域信号に対して、例えば同期がとられてOFDMシンボル毎に区切られている場合に、OFDMシンボル毎に最大振幅絶対値を検出し該最大振幅絶対値に基づいてOFDMシンボル毎に増幅する時間領域振幅調整回路を具備するOFDM復調装置が提供される。
【0024】
前記振幅調整回路は、前記受信パケットを構成する前記OFDMシンボル毎に、それぞれの前記OFDMシンボルに含まれるサンプルのMSSBを求めて最大振幅絶対値を検出する回路を有するのが好ましい。この際、前記最大振幅絶対値の検出は、前記OFDMシンボルに含まれるそれぞれのサンプルを絶対値に変換し各サンプルの同じビット位置の論理和を計算する処理を含むのが好ましい。
【0025】
さらに、前記FFT演算前の前記振幅調整回路において前記受信パケットに含まれる前記各OFDMシンボルに対する増幅度が異なる場合に、前記FFT演算後に同一受信パケットに含まれるOFDMシンボルの増幅度が一定になるように補正する補正回路を備えるのが好ましい。
【0026】
前記補正回路は、前記FFT演算前の振幅調整回路において、例えば、前記受信パケットに含まれる各OFDMシンボルと、各々に加えた増幅度の値と、を対応させて記憶しておき、前記受信パケット先頭のOFDMシンボル(ここでは伝播路推定用プリアンブル)に対する増幅度と他のOFDMシンボルに対する増幅度との差分を計算し、FFT演算後にその差分だけ、さらに各OFDMシンボルに対して増幅操作を加えることにより同一受信パケットに含まれる全OFDMシンボルの総合的な増幅度を統一する機能を有するのが好ましい。
【0027】
本発明は、OFDM復調回路における1パケット処理に注目して、FFT演算前の時間領域信号の最大振幅絶対値がパケット中のどのOFDMシンボルに含まれるかが分からなくても、FFT演算後の周波数領域信号では最大振幅絶対値がパケット先頭に位置するOFDMシンボルに含まれる可能性が大きいという定性を利用している。
【0028】
周波数領域でのディジタル的ビットシフトによる増幅手法を時間領域に適用するために、時間領域において、同じパケット内に含まれるOFDMシンボルであっても異なるビットシフト量を適用しそれぞれのOFDMシンボルで最大限に割り当てられたビットを有効活用し、FFT演算により周波数領域情報に変換された後に時間領域でのビットシフト操作の補正を行うことで、各OFDMシンボル間の大小関係を元に戻す。これにより、OFDM受信系のダイナミックレンジを拡大することができ、受信系のAGC回路のゲインコントロールの大きな誤差を吸収することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本明細書において、周波数面でのサブキャリアに対応する時間面での概念をサンプルと定義する。例えば、64ポイントFFT演算により、64サンプルのデータが64サブキャリアに変換される。
【0030】
本発明の実施の形態について説明する前に、発明者の考えについて図面を参照して説明する。図3に周波数領域信号波形例を示す。図3に示すように、伝播路推定用プリアンブルの最大振幅値がペイロード部の最大振幅値よりも大きくなる確率が大きいことがわかる(尚、波形は、実際の波形ではなく、あくまでも概略的な波形である)。図4に時間領域信号波形例を示す。図4に示すように、伝播路推定用プリアンブルの最大振幅値がペイロード部の最大振幅値よりも小さくなる確率が大きくなっていることがわかる。
【0031】
発明者は、図4で示す波形例を、図8、図9に示す従来の回路で処理することで生じる問題は、最大振幅絶対値がパケット中のいずれのOFDMシンボルに存在するかがパケットにより異なる時間領域信号波形に対して、伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルの最大振幅絶対値の空ビット数の分量だけ、上記プリアンブルOFDMシンボルが含まれるパケット内の全てのビット情報をビットシフトつまり増幅することに起因すると考えた。1パケット中で最大振幅絶対値となるビット情報を探索し、そのビット情報の空ビット数の分量だけ、上記パケットに含まれる全てのビット情報をビットシフトすることも原理的に考えられる。しかしながら、パケット中で最大振幅絶対値を有するビット情報がいずれのOFDMシンボルに含まれているかを探索するためには、1パケット分の時間的遅延が生じるという問題点が発生し実際の通信過程においては好ましくない。
【0032】
周波数領域振幅調整処理では、処理単位をパケット単位とし、同一パケットでは同一量のビットシフト操作を加えるという処理を行っていた。しかし、時間領域振幅調整処理では、処理単位をまずOFDMシンボルとし、OFDMシンボル毎に異なる量のビットシフト操作を加え、FFT演算後にビットシフト量を補正して全OFDMシンボルの増幅度を揃えることにより問題点を解決することが可能である。
【0033】
パケットを構成するそれぞれのOFDMシンボル毎に、各OFDMシンボルの最大振幅絶対値を探索し、上記最大振幅絶対値の空ビット数を計算してその分量だけ上記OFDMシンボルに含まれる全ビット情報をビットシフトすることにより、時間領域信号波形をクリップにより歪ませることなく、ビット情報表現に割り当てられているビット幅を有効に使い切ってFFTへの入力とすることが可能となる。この操作により、FFTへの入力は、同一パケット内に含まれるOFDMシンボルであっても、OFDMシンボル毎にビットシフト量が異なることを意味し、各OFDMシンボル間の振幅関係が崩されることになる。これは、特に、ビタビ復号時に各OFDMシンボル間の信頼度の大小に統一性が無くなること、16QAM変調信号の復調時に伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルを基準値として用いること、を考慮すると不都合であるといえる。
【0034】
上記不都合を解消するためには、FFT演算により周波数領域情報に変換された時点で、時間領域で与えたビットシフト量の違いを補正し、各OFDMシンボル間の大小関係を正常に戻すのが好ましい。より詳細には、1パケット処理中にFFT演算前の時間領域において各OFDMシンボルに与えたビットシフト量を記憶しておき、各ペイロードOFDMシンボルのビットシフト量と伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルのビットシフト量の差分を計算する。FFT演算により周波数領域情報に変換された各ペイロードOFDMシンボルに、上記差分量だけ、さらにビットシフト操作をすることにより、総合的に同一パケット内の各OFDMシンボルのビットシフト量を伝播路推定用プリアンブルのビットシフト量に揃える手法が考えられる。
【0035】
特に、ローパスディジタルフィルタ処理などの時間領域信号の信号処理において、乗算などの演算によりデータの上位ビットに空ビットができることによりビット情報に割り当てられたビット幅を有効に利用できない場合に、ビット情報値をビットシフトさせることにより増幅し、可能な限り下位ビット情報の欠落を防ぐことができ、下位ビット丸め込み誤差も軽減できる。この時間領域振幅調整技術を適用すると、アナログ部のAGCがうまくできずにADCへの入力レベルの適正化ができない場合においても、入力レベルが最適である場合と同等のFFT演算精度を得ることが期待できる。結果的にアナログ部のAGC機能に余裕が生じる。
【0036】
以上のように、発明者は、OFDM復調回路における1パケット処理に注目して、FFT演算前の時間領域信号の最大振幅絶対値がパケット中のいずれのOFDMシンボルに含まれるかが分からない場合にも、FFT演算後の周波数領域信号では最大振幅絶対値がパケット先頭に位置するOFDMシンボルに含まれる可能性が大きいという特性を利用することを思いついた。この手法は、OFDM復調処理に限らず、ある演算処理器(この場合にはFFT演算器)の前においては、パケット中のどの位置に最大振幅絶対値が位置するか分からない場合でも、上記演算処理器の後に定性的にある位置に最大振幅絶対値が存在することが分かっている場合に、空ビットを最大限に少なくする機能として適用可能である。
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態によるOFDM復調装置について詳細に説明する。図10は、本発明の一実施の形態によるOFDM復調回路の回路構成例を示す図である。図8に示す従来の回路構成例に対する図10に示す本実施の形態による回路構成例の変更点は、時間領域振幅調整回路210および振幅補正回路230を付加した点である。その他の回路に関する処理、すなわち、AGC回路201から同期回路204までの処理は図8に示す回路と同様である。
【0038】
図10に示すように、本実施の形態によるOFDM復調回路は、AGC回路201と、A/D変換(ADC)回路202と、ローパスディジタルフィルタ回路203と、同期回路204と、時間領域振幅調整回路210と、FFT回路220と、振幅補正回路230と、周波数領域振幅調整回路240と、伝搬路補償回路250と、位相雑音除去回路251と、デマッピング回路252と、ビタビ復号器253と、を含んで構成されている。
【0039】
AGC回路201に入力される受信パケットは、時間領域波形の信号である。受信パケットは、AGC回路201において、AGC用プリアンブルを使用してA/D変換(ADC)回路202のダイナミックレンジに適合するように信号レベルが調整され、この時点でAGC用プリアンブルは取り除かれる。但し、このAGC操作には誤差が含まれる可能性があり、必ずしも各受信パケットのADC回路202への入力レベルが一定になるように最適に調整されるわけではない。ADC回路202によりアナログ信号からディジタル信号に変換され、ローパスディジタルフィルタ回路203を通すことにより所望OFDM信号帯域のみを通過させることができる。尚、本実施の形態では、ローパスディジタルフィルタ回路203の出力信号a203からデマッピング回路252への入力信号a251の間は情報が複素情報として取り扱われており、つまりI、Q情報が流れているものとする。
【0040】
同期回路204で受信パケットの同期が取られ、パケットに含まれる各OFDMシンボルの区切りが決定されるが、これはFFT窓が決定されることと等価である。同期回路204で受信パケットに含まれるOFDMシンボルの同期がとられる。同期がとられた信号a204は、OFDMシンボルの区切りを示すフラグと、OFDM時間領域波形の組み合わせである。
【0041】
時間領域振幅調整回路210では、ビット情報表現に割り当てられているビット幅を有効活用するようにビット情報値をビットシフトするが、処理単位がOFDMシンボルであるために、ビットシフト量はOFDMシンボル毎に異なる点が従来の周波数領域振幅調整回路140と異なる。
【0042】
次に、時間領域振幅調整回路210の詳細について図11を参照し説明する。時間領域振幅調整回路210は、パケット内に含まれる各OFDMシンボル毎に当該OFDMシンボルに含まれるI、Q成分中から最大振幅絶対値を探索し、上記最大値の空ビット数の分量だけ上記OFDMシンボルに含まれる全てのビット情報をMSB方向にビットシフトする振幅調整を行うことにより、特に下位のビット情報の欠落を防ぐ。
【0043】
時間領域振幅調整回路210の機能について具体的な数値例を挙げて説明する。尚、1OFDMシンボルは4つのサンプル(周波数領域ではサブキャリア)から構成され、1パケットが1つの伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルと3つのペイロードOFDMシンボルとから構成されるとする。また、上記説明では、1つのサンプル(周波数領域ではサブキャリア)には複素情報としてI、Q成分が載っているとしたが、簡単のために一次元情報が載っていると仮定する。各ビット情報値は、2の補数表現で16ビットの値とする。また、FFTポイント数は4、サブキャリア数は4であるとする。時間領域信号である信号a204の一例である。
−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
1111000111111110(a204,16ビット、サンプル1)
0000111010100000(a204,16ビット、サンプル2)
0000011100000001(a204,16ビット、サンプル3)
0000110000000000(a204,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
0000101000000001(a204,16ビット、サンプル1)
1100010110000001(a204,16ビット、サンプル2)
1111110000010101(a204,16ビット、サンプル3)
0000100001010111(a204,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
0000101000000001(a204,16ビット、サンプル1)
0001101001111111(a204,16ビット、サンプル2)
1110000000010110(a204,16ビット、サンプル3)
0000100001010111(a204,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル3
0000001000000001(a204,16ビット、サンプル1)
0000001001111111(a204,16ビット、サンプル2)
0000011100010110(a204,16ビット、サンプル3)
0000010001010111(a204,16ビット、サンプル4)
【0044】
フォーマット変換回路212では、ビット情報値のフォーマットを符号ビットが付加された絶対値に変換して信号a212として出力する。
−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
0000111000000010(a212,16ビット、サンプル1)
0000111010100000(a212,16ビット、サンプル2)
0000011100000001(a212,16ビット、サンプル3)
0000110000000000(a212,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
0000101000000001(a212,16ビット、サンプル1)
0011101001111111(a212,16ビット、サンプル2)
0000001111101010(a212,16ビット、サンプル3)
0000100001010111(a212,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
0000101000000001(a212,16ビット、サンプル1)
0001101001111111(a212,16ビット、サンプル2)
0001111111101010(a212,16ビット、サンプル3)
0000100001010111(a212,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル3
0000001000000001(a212,16ビット、サンプル1)
0000001001111111(a204,16ビット、サンプル2)
0000011100010110(a204,16ビット、サンプル3)
0000010001010111(a204,16ビット、サンプル4)
【0045】
ハードウェアの制限などから任意に決定される可能な最大ビットシフト量をN_msとし、例えばN_ms=4を信号a214とする。論理和計算回路213では、各OFDMシンボルに含まれる時間波形信号サンプルa212に関して、符号ビットを除く上位N_ms=4ビットを4個のサンプル各々から取り出し、同じビット位置の4個のビット値の論理和を計算し、4ビット信号a213として出力する。
−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
0001(サンプル1)OR0001(サンプル2)OR0000(サンプル3)OR0001(サンプル4)=0001(a213、4ビット)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
0001(サンプル1)OR0111(サンプル2)OR0000(サンプル3)OR0001(サンプル4)=0111(a213、4ビット)
【0046】
尚、ORは論理計算の論理和の記号である。
−−−ペイロードOFDMシンボル2
0001(サンプル1)OR0011(サンプル2)OR0011(サンプル3)OR0001(サンプル4)=0011(a213、4ビット)
−−−ペイロードOFDMシンボル3
0000(サンプル1)OR0000(サンプル2)OR0000(サンプル3)OR0000(サンプル4)=0000(a213、4ビット)
【0047】
この論理和の計算結果は、N_msビットの値であるが、MSBからみて初めて‘1’がたつビットの位置が、各OFDMシンボルに含まれる最大振幅絶対値のMSSBの位置であり、各OFDMシンボルに含まれる最大振幅値が有効に利用しているビットの位置を表す。
【0048】
ビットシフト量決定回路215は、MSSB位置が論理和値の上位からN_lビット目であるときN_l−1をビットシフト量N_sと決定する。但し、論理和値に‘1’がたたない場合は、ビットシフト量N_sはN_msと決定する。換言すると、論理和値の上位から値‘0’が連続する個数、OFDMシンボルの最大振幅絶対値の空ビット数がN_msの値を上限としてビットシフト量に決定されるということであり、信号a211としてビットシフト回路216および振幅補正回路230に入力される。
−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
3(a211)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
1(a211)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
2(a211)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
4(a211)
【0049】
ビットシフト処理回路216では、対応するOFDMシンボルの全てのビット情報値a204に対して、決定されたビットシフト量a211だけMSB方向にビットシフトさせる。つまり、伝播路推定用プリアンブルは3ビット、ペイロードOFDMシンボル1は1ビット、ペイロードOFDMシンボル2は2ビット、ペイロードOFDMシンボル3は4ビットだけ、各OFDMシンボルに含まれる全ビット情報値がビットシフトされる。ビットシフト処理により、周波数領域振幅調整時のように数値が桁あふれをおこすことはない。また、下位ビットにはシフトした量だけ、例えば値‘0’で補完する。
−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
1000111111110000(a216,16ビット、サンプル1)
0111010100000000(a216,16ビット、サンプル2)
0011100000001000(a216,16ビット、サンプル3)
0110000000000000(a216,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
0001010000000010(a216,16ビット、サンプル1)
1000101100000010(a216,16ビット、サンプル2)
1111100000101010(a216,16ビット、サンプル3)
0001000010101110(a216,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
0010100000000100(a216,16ビット、サンプル1)
0110100111111100(a216,16ビット、サンプル2)
1000000001011000(a216,16ビット、サンプル3)
0010000101011100(a216,16ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル3
0010000000010000(a216,16ビット、サンプル1)
0010011111110000(a216,16ビット、サンプル2)
0111000101100000(a216,16ビット、サンプル3)
0100010101110000(a216,16ビット、サンプル4)
【0050】
さらに、後ろに配置されている回路の入力ビット数幅に合うように下位ビットを切捨てる処理を処理回路217が行う。FFT回路への入力信号a210に割り当てられているビット幅が13ビットである場合、下位3ビットを切り取り、上位13ビットを信号a210として出力する。
−−−−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
1000111111110(a210,13ビット、サンプル1)
0111010100000(a210,13ビット、サンプル2)
0011100000001(a210,13ビット、サンプル3)
0110000000000(a210,13ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
0001010000000(a210,13ビット、サンプル1)
1000101100000(a210,13ビット、サンプル2)
1111100000101(a210,13ビット、サンプル3)
0001000010101(a210,13ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
0010100000000(a210,13ビット、サンプル1)
0110100111111(a210,13ビット、サンプル2)
1000000001011(a210,13ビット、サンプル3)
0010000101011(a210,13ビット、サンプル4)
−−−ペイロードOFDMシンボル3
0010000000010(a210,13ビット、サンプル1)
0010011111110(a210,13ビット、サンプル2)
0111000101100(a210,13ビット、サンプル3)
0100010101110(a210,13ビット、サンプル4)
【0051】
このビットシフト操作により、限られた13ビットというビット幅を有効に活用することができ、FFT回路220での情報ビットの欠落を緩和することができ、結果的に高い計算精度を保持できる。FFT回路220により二次変調が復調され時間領域信号から周波数領域信号に変換される。信号a220は16QAMなどの一次変調された信号が各サブキャリアにのっている周波数領域信号である。
−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
1100111111110(a220,13ビット、サブキャリア1)
0010000100000(a220,13ビット、サブキャリア2)
0011100000001(a220,13ビット、サブキャリア3)
1110000000000(a220,13ビット、サブキャリア4)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
0000110000000(a220,13ビット、サブキャリア1)
1111101100000(a220,13ビット、サブキャリア2)
1111100000101(a220,13ビット、サブキャリア3)
0000000010101(a220,13ビット、サブキャリア4)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
0001100011110(a220,13ビット、サブキャリア1)
0000100111111(a220,13ビット、サブキャリア2)
1111100101011(a220,13ビット、サブキャリア3)
0000010101011(a220,13ビット、サブキャリア4)
−−−ペイロードOFDMシンボル3
0010011100010(a220,13ビット、サブキャリア1)
0010011001110(a220,13ビット、サブキャリア2)
0111010101100(a220,13ビット、サブキャリア3)
0100010000110(a220,13ビット、サブキャリア4)
【0052】
振幅補正回路230は、時間領域振幅調整回路210における同一パケット内の各OFDMシンボルのビットシフト量の違いを吸収する機能を有する。振幅補正回路の実施例について図12を参照して説明する。振幅補正回路230は、抽出回路231と、複製回路232と、減算器233と、ビットおよび丸め込み処理回路236と、下位ビット切り取り回路237と、を含んで構成される。
【0053】
周波数領域信号a220と時間領域振幅調整度信号a211とが補正回路に入力される。抽出回路231は、信号a211の中から伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルのビットシフト情報を抽出して信号a231として出力し、複製回路232において信号a231は、パケット内に含まれる全OFDMシンボル数分だけ複製され、信号a232として出力される。減算器233では、信号a232から信号a211を減じることにより、各OFDMシンボルと伝播路推定用プリアンブルOFDMとのビットシフト量の差を求め、この値をビットシフト補正量として信号a233に出力する。
−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
3(プリアンブルOFDMシンボル、a232)−3(プリアンブルOFDMシンボル、a211)=0(a233)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
3(プリアンブルOFDMシンボル、a232)−1(ペイロードOFDMシンボル1、a211)=2(a233)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
3(プリアンブルOFDMシンボル、a232)−2(ペイロードOFDMシンボル2、a211)=1(a233)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
3(プリアンブルOFDMシンボル、a232)−4(ペイロードOFDMシンボル3、a211)=−1(a233)
【0054】
このビットシフト補正量は、各OFDMシンボルにより異なる量である。ビットシフト及び丸め込み処理回路236は、ビットシフト補正量a233の値に基づいて、各OFDMシンボルのビット情報値をビットシフトする。つまり、伝播路推定用プリアンブルは0ビット、ペイロードOFDMシンボル1は2ビット、ペイロードOFDMシンボル2は1ビット、ペイロードOFDMシンボル3は−1ビットだけ、各OFDMシンボルに含まれる全ビット情報値がビットシフトする。但し、ビットシフトを加えた結果としてデータが桁あふれを起こした場合は、丸め込み(オーバフロー処理)処理を行って値を飽和させる。また、下位ビットにはシフトした量だけ、例えば値‘0’で補完する。この処理により同一パケット中のビット情報値レベルが統一できる。
−−−伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボル
1100111111110(a236,13ビット、サブキャリア1)
0010000100000(a236,13ビット、サブキャリア2)
0011100000001(a236,13ビット、サブキャリア3)
1110000000000(a236,13ビット、サブキャリア4)
−−−ペイロードOFDMシンボル1
0011000000000(a236,13ビット、サブキャリア1)
1110110000000(a236,13ビット、サブキャリア2)
1110000010100(a236,13ビット、サブキャリア3)
0000001010100(a236,13ビット、サブキャリア4)
−−−ペイロードOFDMシンボル2
0011000111100(a236,13ビット、サブキャリア1)
0001001111110(a236,13ビット、サブキャリア2)
1111001010110(a236,13ビット、サブキャリア3)
0000101010110(a236,13ビット、サブキャリア4)
−−−ペイロードOFDMシンボル3
0001001110001(a236,13ビット、サブキャリア1)
0001001100111(a236,13ビット、サブキャリア2)
0011101010110(a236,13ビット、サブキャリア3)
0010001000011(a236,13ビット、サブキャリア4)
必要に応じて、処理回路237により下位ビットを切り取り、ビット幅を削減して出力信号a230とする。
【0055】
以下に説明する処理は、従来の回路例と同じである。図10に示す周波数領域振幅調整回路240では、図8に示す周波数領域振幅調整回路140と同様の処理を行い、信号a240として出力する。伝播路補償回路250では、ペイロードOFDMシンボルに含まれる各サブキャリア情報を伝播路推定用プリアンブルOFDMシンボルに含まれる対応する各サブキャリア情報で除算することにより伝播路補償(振幅補償および位相補償)し、各サブキャリアに載せられた情報を正規化し、信号a250として出力する。続いて、位相雑音除去回路251において、ペイロードOFDMシンボルに含まれる位相雑音が除去され信号a251として出力され、次にデマッピング回路252で複素平面上のコンスタレーションからビット列にデマッピングされ信号a252として出力される。このデマッピングが一次復調に相当する。信号a252は、ビタビ復号器253で畳みこみ符号から復号された、復号データが出力される。
【0056】
本実施の形態による復号回路では、時間領域振幅調整回路210におけるビットシフトは各OFDMシンボルにおける最大振幅絶対値の空ビット数が0となるようにビットシフトする方法について説明したが、ビットシフト後の空ビットは適用箇所により可変であってよく、例えば空ビット数が1や2となるようにビットシフト操作を加えても良い。
【0057】
本実施の形態による復号回路では、振幅補正回路230をFFT回路220の直後段に配置したが、デマッピング回路252よりも手前に位置する周波数領域振幅調整回路240又は伝播路補償回路250又は位相雑音除去回路251などの直後に配置してもよい。
【0058】
本実施の形態によるOFDM復調装置を用いると、受信系のダイナミックレンジを拡大することが可能になり、受信系のAGC回路のゲインコントロールの大きな誤差を吸収することが可能となる。
【0059】
以上、本実施の形態に沿って説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。例えば、本実施の形態によるOFDM復調回路によれば、OFDM復調回路における1パケット処理に注目して、FFT演算前の時間領域信号の最大振幅絶対値がパケット中のどのOFDMシンボルに含まれるかが分からなくても、FFT演算後の周波数領域信号では最大振幅絶対値がパケット先頭に位置するOFDMシンボルに含まれる可能性が大きいという定性を利用している。従って、OFDM復調処理に限らず、ある演算処理器(本例の場合はFFT演算器)の前においてはパケット中のどの位置に最大振幅絶対値が位置するか分からなくても、前記演算処理器の後に定性的にある位置に最大振幅絶対値が存在することが分かっている場合に、空ビットを最大限になくす技術に適用可能である。
【0060】
【発明の効果】
本発明のOFDM復調装置を用いると、受信系のダイナミックレンジを拡大することが可能になり、受信系のAGC回路のゲインコントロールの大きな誤差を吸収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】OFDM受信器が受信するOFDMパケットの構成例を示す図である。
【図2】時間領域振幅調整器又は周波数領域振幅調整器に入力されるOFDMパケットの構成例を示す図である。
【図3】周波数領域信号の波形例を示す図である。
【図4】時間領域信号の波形例を示す図である。
【図5】BPSKのコンスタレーション例を示す図である。
【図6】QPSKのコンスタレーション例を示す図である。
【図7】16QAMのコンスタレーション例を示す図である。
【図8】一般的な復号回路の回路構成例を示す図である。
【図9】図8の周波数領域振幅調整回路の詳細な構成を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態による復号回路の回路構成例を示す図である。
【図11】図10の時間領域振幅調整回路の構成例を示す図である。
【図12】図10の振幅補正回路の構成例を示す図である。
【符号の説明】
201…AGC回路、202…A/D変換器、203…ローパスディジタルフィルタ、204…同期回路、210…時間領域振幅調整回路、220…FFT回路、230…振幅補正回路、240…周波数領域振幅調整回路、250…伝搬路補償回路、251…位相雑音除去回路、252…デマッピング回路、253…ビタビ復号器、212…フォーマット変換回路、213…論理和演算回路、214…最大ビットシフト量回路、215…ビットシフト量決定回路、216…ビットシフト処理回路、217…下位ビット切り取り処理回路、231…抽出回路、232…複製回路、233…減算器、236…ビットシフトおよび丸め込み処理回路、237…下位ビット切り取り処理回路。

Claims (14)

  1. 受信パケットが複数のOFDMシンボルを含んで構成される信号を、FFT演算を含む処理により復調するOFDM復調装置であって、
    前記FFT演算前の時間領域信号に対して、前記OFDMシンボル毎に最大振幅絶対値を検出し、検出した最大振幅絶対値に基づいて前記OFDMシンボル毎に増幅する時間領域振幅調整回路を具備するOFDM復調装置。
  2. 前記振幅調整回路は、前記受信パケットを構成する前記OFDMシンボル毎に、それぞれの前記OFDMシンボルに含まれるサンプルのMSSBを求めて最大振幅絶対値を検出する回路を有することを特徴とする
    請求項1に記載のOFDM復調装置。
  3. 前記最大振幅絶対値の検出は、前記OFDMシンボルに含まれるそれぞれのサンプルを絶対値に変換し各サンプルについて同じビット位置の論理和を計算する処理を含む請求項2に記載のOFDM復調装置。
  4. さらに、前記FFT演算前の前記振幅調整回路において前記受信パケットに含まれる前記各OFDMシンボルに対する増幅度が異なる場合に、前記FFT演算後に同一受信パケットに含まれるOFDMシンボルの増幅度が一定になるように補正する補正回路を備える請求項1から3までのいずれか1項に記載のOFDM復調装置。
  5. 前記補正回路は、前記FFT演算前の振幅調整回路において、前記受信パケット先頭のOFDMシンボルに対する増幅度と他のOFDMシンボルに対する増幅度との差分を計算し、FFT演算後にその差分だけ、さらに各OFDMシンボルに対して増幅処理を行う回路を有することを特徴とする請求項4記載のOFDM復調装置。
  6. 前記差分の計算において、前記受信パケット先頭のOFDMシンボルに代えて他のOFDMシンボルのいずれかの増幅度を用いることを特徴とする請求項5記載のOFDM復調装置。
  7. 受信パケットが複数のOFDMシンボルで構成される信号を、FFT演算を含む処理により復調するOFDM復調方法であって、
    前記FFT演算の前の時間領域信号に対して同期がとられてOFDMシンボル毎に区切られている場合に、該OFDMシンボルに含まれるサンプルの中から前記OFDMシンボル毎に最大振幅絶対値を検出する第1ステップと、
    前記第1ステップで検出した前記最大振幅絶対値に基づいて、前記FFT演算前の前記時間領域信号の波形が飽和しないようにOFDMシンボル毎に増幅する第2ステップと
    FFT処理により前記時間領域信号を周波数領域信号に変換する第3ステップと、
    OFDMシンボルの増幅度を揃える補正を行う第4ステップと
    を含むOFDM復調方法。
  8. 受信パケットが複数のOFDMシンボルで構成される信号を、FFT演算を含む処理により復調する手順であって、
    前記FFT演算の前の時間領域信号に対して同期がとられてOFDMシンボル毎に区切られている場合に、該OFDMシンボルに含まれるサンプルの中から前記OFDMシンボル毎に最大振幅絶対値を検出する手順と、
    検出した前記最大振幅絶対値に基づいて、前記FFT演算前の前記時間領域信号の波形が飽和しないようにOFDMシンボル毎に増幅する手順と
    FFT処理により前記時間領域信号を周波数領域信号に変換する手順と、
    OFDMシンボルの増幅度を揃える補正を行う手順と
    をコンピュータに行わせるためのプログラム。
  9. 受信パケットが複数のOFDMシンボルで構成される信号を、FFT演算を含む処理により復調する手順であって、
    前記FFT演算の前の時間領域信号に対して同期がとられてOFDMシンボル毎に区切られている場合に、該OFDMシンボルに含まれるサンプルの中から前記OFDMシンボル毎に最大振幅絶対値を検出する手順と、
    検出した前記最大振幅絶対値に基づいて、前記FFT演算前の前記時間領域信号の波形が飽和しないようにOFDMシンボル毎に増幅する手順と
    FFT処理により前記時間領域信号を周波数領域信号に変換する手順と、
    OFDMシンボルの増幅度を揃える補正を行う手順と
    をコンピュータに行わせるためのコンピュータ読みとり可能な記録媒体。
  10. 受信パケットが複数のOFDMシンボルを含んで構成される信号を、FFT演算を含む処理により復調するOFDM復調装置であって、
    前記FFT演算の前の時間領域信号に対して該OFDMシンボル毎に決められた増幅度で増幅する時間領域振幅調整回路を具備するOFDM復調装置。
  11. 受信パケットがある一定の長さを有する複数のシンボルを含んで構成される信号を、演算を含む処理により復調する復調装置であって、
    前記演算前の第1信号に対して、前記シンボル毎に最大振幅絶対値を検出し、検出した最大振幅絶対値に基づいて前記シンボル毎に増幅する振幅調整回路を具備する復調装置。
  12. さらに、前記演算前の前記振幅調整回路において前記受信パケットに含まれる前記各シンボルに対する増幅度が異なる場合に、前記演算後に同一受信パケットに含まれるシンボルの増幅度が一定になるように補正する補正回路を備える請求項11に記載の復調装置。
  13. 前記補正回路は、前記演算前の振幅調整回路において、前記受信パケット先頭のシンボルに対する増幅度と他のシンボルに対する増幅度との差分を計算し、演算後にその差分だけ、さらに各シンボルに対して増幅処理を行う回路を有することを特徴とする請求項12記載の復調装置。
  14. 前記差分の計算において、前記受信パケット先頭のシンボルに代えて他のシンボルのいずれかの増幅度を用いることを特徴とする請求項13記載の復調装置。
JP2002338491A 2002-11-21 2002-11-21 Ofdm復調装置 Expired - Fee Related JP4113420B2 (ja)

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