JP2004173053A - 超指向性マイクロフォン装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】音質を重視した自然な音の収音用に、小型で、全帯域に渡ってより指向性の鋭い超指向性マイクロフォン装置を提供する。
【解決手段】この超指向性マイクロフォン装置は、3個の単一指向性マイクロフォンセル(10,11,12)を前後方向に所定の間隔を隔てて配置し、二つのマイクロフォンセル(10,12)の出力信号から抽出した差分信号と、他の二つのマイクロフォンセル(11,12)の出力信号から抽出した差分信号と、これらの両差分信号間の差分信号を計算して、所定の周波数より高い周波数信号を高域通過フィルタ16で取り出す。また、他の二つのマイクロフォンセル(10,12)の出力信号から抽出した差分信号から、周波数より低い周波数信号を低域通過フィルタ18で取り出す。これら2つのフィルタ(16,18)の出力信号の帯域境界付近の位相を合わせ、イコライザ回路20で補正した出力信号を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】この超指向性マイクロフォン装置は、3個の単一指向性マイクロフォンセル(10,11,12)を前後方向に所定の間隔を隔てて配置し、二つのマイクロフォンセル(10,12)の出力信号から抽出した差分信号と、他の二つのマイクロフォンセル(11,12)の出力信号から抽出した差分信号と、これらの両差分信号間の差分信号を計算して、所定の周波数より高い周波数信号を高域通過フィルタ16で取り出す。また、他の二つのマイクロフォンセル(10,12)の出力信号から抽出した差分信号から、周波数より低い周波数信号を低域通過フィルタ18で取り出す。これら2つのフィルタ(16,18)の出力信号の帯域境界付近の位相を合わせ、イコライザ回路20で補正した出力信号を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音源に対する指向性の向上を図った超指向性マイクロフォン装置に関し、具体的には、小型で、全帯域に渡ってより鋭い指向性を有し、音質を重視した自然な音を収音するビデオカメラ等に使われて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、超指向性マイクロフォン装置として、図5に示すような構造のものが広く知られている。特性の揃った二つの単一指向性マイクロフォン(1次音圧傾度型マイクロフォン)1および2を前後方向に所定の間隔を隔てて配置し、マイクロフォン1の出力信号を反転回路3で反転させた反転信号と、マイクロフォン2の出力信号をミックス回路4でミックス処理することによって両信号の差分信号を抽出する。
【0003】
この差分信号は、横方向から入射する音に関しては同位相・同振幅信号の差成分となるため理論的にはゼロとなり、前方向から入射する音に関しては前方に配置されたマイクロフォン1と後方に配置されたマイクロフォン2の間隔を伝播する時間差分の位相差に応じた差成分が得られる(マイクロフォン間隔が音の波長の1/2に相当する時に最大出力が得られる)。
【0004】
尚、後方向から入射する音に関しては単一指向性マイクロフォンの指向特性上からそれぞれのマイクロフォン出力の信号成分がゼロであるためその差成分もゼロである。イコライザ5は、差分信号の周波数特性をフラットに補正するのが目的の回路である。
従って、マイクロフォン1と2の差分信号を周波数補正したマイクロフォン出力は前方向に鋭い指向性を有するマイクロフォン装置(2次音圧傾度型マイクロフォン)として機能する。
【0005】
また、特許文献1の技術は、音源に対して集音面を同一方向に向け、且つ指向性の主軸と直交する方向に所定の距離を隔てて配された、少なくとも3個の単一指向性マイクロフォン素子と、各マイクロフォン素子からの出力信号を加算する加算器とを備え、鋭い指向性を得るマイクロフォン装置を提案している。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第96/25018号パンフレット
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の技術を用いた2次音圧傾度型マイクロフォンは、周囲の雑音をカットして正面の目的音を収音し易くするため、望遠マイクロフォンとしての効果を得ることができる。
この2次音圧傾度型マイクロフォンと一般的なステレオマイクロフォン(またはモノラルマイクロフォン)を組み合わせ、両信号のミックス比を連続的に可変させればズームマイクロフォンとして機能することは一般に知られている。
これは、例えば民生用ビデオカメラのズームレンズと連動させることによって映像と音声が一緒にズームしているような効果を得ることができ、このような処理を行なった2次音圧傾度型マイクロフォンには、原理的に下記の課題が発生する。
【0008】
(1) 高域の帯域が狭くなる。
(2) 低域感度が不足する。
(3) 低域信号のS/Nが悪い。
【0009】
原理的に、前後に配置するマイクロフォンの間隔によって確保し得る高域の帯域が制限される(確保できる高域の帯域は、マイクロフォン間隔が通過する音の波長の1/2に相当する周波数までである)。間隔を狭めれば高域の帯域は拡がるが、逆に低域感度が確保できなくなる。低域感度を確保するためにマイクロフォン間隔を広げると高域の帯域がますます狭くなる。
【0010】
現実的には、この処理を行なった2次音圧傾度型マイクロフォンは、その鋭い指向性と引き換えに、確保できる周波数帯域が高域・低域共に不足したものとなり、音質的には満足いくものとはなり難い。
特に、前記のようなズームマイクロフォンとして機能させる場合、組合せるステレオマイクロフォン(またはモノラルマイクロフォン)側の周波数帯域はかなり広く確保できているために、特性をステレオマイクロフォン側(ワイド側)から2次音圧傾度型マイクロフォン側(テレ側)に変化させた時の音質差が際立ち、大きな違和感を与えるという問題がある。
【0011】
また、より強いズーム感を得るためには、テレ側の特性を受け持っている超指向性マイクロフォン装置の指向性を更に鋭くする必要があるが、そのために音圧傾度の次数を更に上げるような処理を行なうと低域感度が益々不足し実用になり難いという課題がある。
【0012】
また、特許文献1のマイクロフォン装置は、その主目的を音声認識装置の音声入力手段に置いているため、中音域でのみ鋭い指向性が得られるものである。対象方向からの人間の声のみを効率的に取り込む目的にはよいが、低域から高域までのすべての帯域の音を収音目的とするような一般的な用途には、周辺雑音の中音域成分のみがカットされた極めて不自然な音となり不向きである。
【0013】
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、単一指向性マイクロフォンセルの前後方向配置を3個に増やし、中高域の指向性を更にアップさせると同時に低域の感度も改善する、または中低域のS/Nを同等に確保した上で高域の帯域を広げることができる、音質を重視した自然な音の収音用に、小型で、全帯域に渡ってより指向性の鋭い超指向性マイクロフォン装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の超指向性マイクロフォン装置は、3個の単一指向性マイクロフォンセルを前後方向に所定の間隔を隔てて配置(配置順に、第1マイクロフォンセル、第2マイクロフォンセル、第3マイクロフォンセルとする)し、第1マイクロフォンセルと第2マイクロフォンセルの出力信号から抽出した差分信号と、第2マイクロフォンセルと第3マイクロフォンセルの出力信号から抽出した差分信号とから、これらの両差分信号間の差分信号を抽出して、所定の周波数より高い周波数信号を第1フィルタ(HPF:高域通過フィルタ)で取り出す。
また、第1マイクロフォンセルと第3マイクロフォンセルの出力信号から抽出した差分信号から、所定の周波数より低い周波数信号を第2フィルタ(LPF:低域通過フィルタ)で取り出す。
これらの第1フィルタと第2フィルタの出力信号の帯域境界付近の位相を合わせて、その合成出力信号の周波数特性をイコライザ回路でフラット化して、鋭い指向性を実現する出力信号を得る。
【0015】
以上の構成により、高域側の指向特性を更に鋭くしつつ低域感度を改善したり、中低域感度を劣化させること無く高域側帯域を広げる(しかも広げた帯域の指向性は非常に鋭いものとなる)ことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る超指向性マイクロフォン装置の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る超指向性マイクロフォン装置の実施形態の構成を示すブロック図であり、図1(A)は3個の単一指向性マイクロフォンセルの配置を示し、図1(B)は全体の構成を示している。
図1(A)に示すように、本実施形態では、特性の揃った3個の単一指向性マイクロフォンセル(第1マイクロフォンセル10、第2マイクロフォンセル11、第3マイクロフォンセル12)が前後方向に等間隔で指向性の主軸が同一方向を向くように直列に配置されている。
【0017】
図1(B)に示すように、本実施形態は、第1マイクロフォンセル10と第2マイクロフォンセル11の出力信号の差分信号を抽出する第1差分回路13、第2マイクロフォンセル11と第3マイクロフォンセル12の出力信号の差分信号を抽出する第2差分回路14、第1差分回路13と第2差分回路14の出力信号同士の差分信号を抽出する第3差分回路15、第3差分回路15の出力信号から所定の周波数より高い周波数帯域信号を抽出する第1フィルタ(HPF:高域通過フィルタ)16、第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12の出力信号の差分信号を抽出する第4差分回路17、第4差分回路17の出力信号から所定の周波数より低い周波数帯域信号を抽出する第2フィルタ(LPF:低域通過フィルタ)18、第2フィルタ18からの出力信号の位相を第1フィルタ16からの出力信号の位相に合わせた信号と第1フィルタ16の出力信号を加算する加算回路19、加算回路19の出力信号の周波数特性を補正するイコライザ回路(EQ)20とから構成される。
【0018】
上記のように構成した超指向性マイクロフォン装置では、まず、同じ間隔dを隔てて前後方向に配置された第1マイクロフォンセル10と第2マイクロフォンセル11間、および第2マイクロフォンセル11と第3マイクロフォンセル12間で従来行なわれてきた2次音圧傾度型マイクロフォン処理(差分信号抽出処理)を行なう。
本実施形態では、図1(C)に示すように、各差分回路(13,14,15,17)は、前方に配置されている側のマイクロフォンセルの出力信号(信号a)に位相を反転させる位相反転回路31を入れ、後方に配置されている側のマイクロフォンセルの出力信号(信号b)とミックス処理するミックス回路32を入れて差分信号c(2次音圧傾度型信号)を抽出する。
【0019】
更に、それぞれ第1差分回路13と第2差分回路14で抽出された差分信号(2次音圧傾度型信号)同士の差分信号を第3差分回路15で抽出する。この第3差分回路15からの出力信号は、4次音圧傾度相当の鋭い指向性を有する信号(S1)となり、従来の2次音圧傾度型よりも更に鋭い指向性を実現できる(図2参照)。
【0020】
しかし、イコライザ処理を加える前の2次音圧傾度型の周波数特性が最大出力周波数fに向かって6dB/octの傾斜であるのに対し、上述の処理を加えた4次音圧傾度相当の周波数特性は最大出力周波数fに向かって12dB/octの傾斜になるため低域の感度は非常に低くなってしまい、そのままでの実用は難しい。そこで、低域感度を次のようにして確保する。
【0021】
本実施形態において、第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12の間隔が2dであるから、第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12間の差分信号を第4差分回路17で抽出することによって、最大出力周波数をf/2とした2次音圧傾度型の出力信号(S2)を得ることができる。
この出力信号は、f/2以下の周波数帯域では、マイクロフォンセル間隔がdの時の2次音圧傾度型信号に比べて6dB高い感度を有する。
【0022】
更に、f/2より低い所定の周波数f0をカットオフ周波数とする第1フィルタ16(HPF:高域通過フィルタ)に4次音圧傾度相当信号(S1)を通し、同じくf0をカットオフ周波数とする第2フィルタ18(LPF:低域通過フィルタ)に2次音圧傾度型信号(S2)を通して、加算回路19でミックス処理することによって、f0より高い周波数帯域では4次音圧傾度相当の非常に高い指向性を備え、且つ、f0より低い周波数帯域では2次音圧傾度相当の指向性ながら低域感度が高い出力信号を得ることができる。
【0023】
この加算回路19は、図1(D)に示すように、第2フィルタ18からの出力信号(信号e)の位相を第1フィルタ16の出力信号(信号f)の位相に合わせた信号を出力する移相回路41、移相回路41からの出力信号と信号fとをミックスした信号gを出力するミックス回路42から構成される。
【0024】
最終的に、加算回路19からの出力信号をイコライザ回路20にて周波数特性全体のフラット化が行なわれ、中高域指向性に優れ、中低域S/Nの良好な出力信号を実現できる。
【0025】
また、本実施形態のマイクロフォンセルの間隔をd/2に設定した場合、マイクロフォンセルの間隔が1/2になることによって、4次音圧傾度相当信号(S1)の高域側の帯域は2倍となるが、帯域が伸びた分、低域感度は益々低くなるが、2次音圧傾度型の出力信号(S2)としては、マイクロフォンセル間隔dの現状2次音圧傾度型の出力信号そのままを得る。
【0026】
従って、本実施形態の出力信号は、現状同等の中低域特性を保持した上で、高域は4次音圧傾度相当の鋭い指向性を実現し、且つ帯域を2倍に拡大した出力信号を得ることが可能となる。
【0027】
<実施例1>
まず、実施例1としてマイクロフォンセルの間隔dを34mmに設定した場合について説明する。
一対のマイクロフォンセル間で差分信号抽出処理を行なった後の正面方向入力音信号の周波数特性は、次の式1で表すことができる。
【0028】
Eo=E√{(1−cosα)2+sin2α} … 式1
ここで α= (2πfd)/c
c≒340 [m/s]:(音速)
f: 周波数 [Hz]
d: マイクロフォンセル間隔 [m]
E: マイクロフォン出力レベル
Eo: 差分信号レベル
【0029】
この式1に、d=34mmを適用すると、差分信号の周波数特性は図3の曲線aになる。この差分信号同士で更に差分信号を取った4次音圧傾度相当信号(S1)の周波数特性は、図3の曲線bとなる。
また、マイクロフォンセル間隔が2d=68mmとなる第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12間の差分信号(S2)の周波数特性は、図3の曲線cとなる。
図3の曲線aと曲線bの最大出力が得られる周波数は、5kHzであり、1.65kHzより高い周波数帯域においては、曲線bの方が高い感度を得ることができることを示している。
【0030】
一方、図3の曲線cの最大出力が得られる周波数は、2.5kHzであるが、それより低い周波数帯域では常に曲線aより6dB高い感度が得られることを示している。
【0031】
従って、本実施例1で第1フィルタ16と第2フィルタ18のカットオフ周波数f0を1.65kHz付近に設定すれば、全帯域に渡って従来技術による周波数特性aよりも高い感度が確保できることになる。
また、f0よりも高い周波数帯域においては、従来技術によるよりも更に鋭い指向特性が得られる。
【0032】
<実施例2>
次に、実施例2としてマイクロフォンセル間隔dを17mmに設定した場合について説明する。
上述の式1にd=17mmを適用すると、差分信号の周波数特性は図4の曲線aとなり、この差分信号同士で更に差分信号を取った4次音圧傾度相当信号(S1)の周波数特性は、図4の曲線bとなる。
また、マイクロフォンセル間隔が2d=34mmとなる第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12間の差分信号(S2)の周波数特性は図4の曲線cとなる。
【0033】
図4の曲線aと曲線bの最大出力が得られる周波数は10kHzであり、3.35kHzより高い周波数帯域においては曲線bの方が高い感度を得ることができることを示している。
一方、図4の曲線cの最大出力が得られる周波数は5kHzであり、これは従来技術による2次音圧傾度型の特性そのものである。
【0034】
従って、本実施例2の第1フィルタ16と第2フィルタ18のカットオフ周波数f0を5kHz付近に設定すれば、5kHz以下の帯域で従来特性を維持したままで高域側帯域を10kHzまで伸ばすことが可能となる。
また、伸びた高域側の指向性は4次音圧傾度相当の非常に鋭いものとなる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、高域側の指向特性を更に鋭くしつつ低域感度を改善したり、中低域感度を劣化させること無く高域側帯域を広げる(しかも広げた帯域の指向性は非常に鋭いものとなる)ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超指向性マイクロフォン装置の実施形態の構成を示すブロック図であり、(A)は3個の単一指向性マイクロフォンセルの配置を示し、(B)は全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を説明する指向特性図である。
【図3】実施例1を説明する周波数特性図である。
【図4】実施例2を説明する周波数特性図である。
【図5】従来の指向性マイクロフォン装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,2…マイクロフォン、3…反転回路、4…ミックス回路、5…イコライザ、10…第1マイクロフォンセル、11…第2マイクロフォンセル、12…第3マイクロフォンセル、13…第1差分回路、14…第2差分回路、15…第3差分回路、16…第1フィルタ(HPF:高域通過フィルタ)、17…第4差分回路、18…第2フィルタ(LPF:低域通過フィルタ)、19…加算回路、20…イコライザ回路、31…位相反転回路、32,42…ミックス回路、41…移相回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、音源に対する指向性の向上を図った超指向性マイクロフォン装置に関し、具体的には、小型で、全帯域に渡ってより鋭い指向性を有し、音質を重視した自然な音を収音するビデオカメラ等に使われて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、超指向性マイクロフォン装置として、図5に示すような構造のものが広く知られている。特性の揃った二つの単一指向性マイクロフォン(1次音圧傾度型マイクロフォン)1および2を前後方向に所定の間隔を隔てて配置し、マイクロフォン1の出力信号を反転回路3で反転させた反転信号と、マイクロフォン2の出力信号をミックス回路4でミックス処理することによって両信号の差分信号を抽出する。
【0003】
この差分信号は、横方向から入射する音に関しては同位相・同振幅信号の差成分となるため理論的にはゼロとなり、前方向から入射する音に関しては前方に配置されたマイクロフォン1と後方に配置されたマイクロフォン2の間隔を伝播する時間差分の位相差に応じた差成分が得られる(マイクロフォン間隔が音の波長の1/2に相当する時に最大出力が得られる)。
【0004】
尚、後方向から入射する音に関しては単一指向性マイクロフォンの指向特性上からそれぞれのマイクロフォン出力の信号成分がゼロであるためその差成分もゼロである。イコライザ5は、差分信号の周波数特性をフラットに補正するのが目的の回路である。
従って、マイクロフォン1と2の差分信号を周波数補正したマイクロフォン出力は前方向に鋭い指向性を有するマイクロフォン装置(2次音圧傾度型マイクロフォン)として機能する。
【0005】
また、特許文献1の技術は、音源に対して集音面を同一方向に向け、且つ指向性の主軸と直交する方向に所定の距離を隔てて配された、少なくとも3個の単一指向性マイクロフォン素子と、各マイクロフォン素子からの出力信号を加算する加算器とを備え、鋭い指向性を得るマイクロフォン装置を提案している。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第96/25018号パンフレット
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の技術を用いた2次音圧傾度型マイクロフォンは、周囲の雑音をカットして正面の目的音を収音し易くするため、望遠マイクロフォンとしての効果を得ることができる。
この2次音圧傾度型マイクロフォンと一般的なステレオマイクロフォン(またはモノラルマイクロフォン)を組み合わせ、両信号のミックス比を連続的に可変させればズームマイクロフォンとして機能することは一般に知られている。
これは、例えば民生用ビデオカメラのズームレンズと連動させることによって映像と音声が一緒にズームしているような効果を得ることができ、このような処理を行なった2次音圧傾度型マイクロフォンには、原理的に下記の課題が発生する。
【0008】
(1) 高域の帯域が狭くなる。
(2) 低域感度が不足する。
(3) 低域信号のS/Nが悪い。
【0009】
原理的に、前後に配置するマイクロフォンの間隔によって確保し得る高域の帯域が制限される(確保できる高域の帯域は、マイクロフォン間隔が通過する音の波長の1/2に相当する周波数までである)。間隔を狭めれば高域の帯域は拡がるが、逆に低域感度が確保できなくなる。低域感度を確保するためにマイクロフォン間隔を広げると高域の帯域がますます狭くなる。
【0010】
現実的には、この処理を行なった2次音圧傾度型マイクロフォンは、その鋭い指向性と引き換えに、確保できる周波数帯域が高域・低域共に不足したものとなり、音質的には満足いくものとはなり難い。
特に、前記のようなズームマイクロフォンとして機能させる場合、組合せるステレオマイクロフォン(またはモノラルマイクロフォン)側の周波数帯域はかなり広く確保できているために、特性をステレオマイクロフォン側(ワイド側)から2次音圧傾度型マイクロフォン側(テレ側)に変化させた時の音質差が際立ち、大きな違和感を与えるという問題がある。
【0011】
また、より強いズーム感を得るためには、テレ側の特性を受け持っている超指向性マイクロフォン装置の指向性を更に鋭くする必要があるが、そのために音圧傾度の次数を更に上げるような処理を行なうと低域感度が益々不足し実用になり難いという課題がある。
【0012】
また、特許文献1のマイクロフォン装置は、その主目的を音声認識装置の音声入力手段に置いているため、中音域でのみ鋭い指向性が得られるものである。対象方向からの人間の声のみを効率的に取り込む目的にはよいが、低域から高域までのすべての帯域の音を収音目的とするような一般的な用途には、周辺雑音の中音域成分のみがカットされた極めて不自然な音となり不向きである。
【0013】
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、単一指向性マイクロフォンセルの前後方向配置を3個に増やし、中高域の指向性を更にアップさせると同時に低域の感度も改善する、または中低域のS/Nを同等に確保した上で高域の帯域を広げることができる、音質を重視した自然な音の収音用に、小型で、全帯域に渡ってより指向性の鋭い超指向性マイクロフォン装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の超指向性マイクロフォン装置は、3個の単一指向性マイクロフォンセルを前後方向に所定の間隔を隔てて配置(配置順に、第1マイクロフォンセル、第2マイクロフォンセル、第3マイクロフォンセルとする)し、第1マイクロフォンセルと第2マイクロフォンセルの出力信号から抽出した差分信号と、第2マイクロフォンセルと第3マイクロフォンセルの出力信号から抽出した差分信号とから、これらの両差分信号間の差分信号を抽出して、所定の周波数より高い周波数信号を第1フィルタ(HPF:高域通過フィルタ)で取り出す。
また、第1マイクロフォンセルと第3マイクロフォンセルの出力信号から抽出した差分信号から、所定の周波数より低い周波数信号を第2フィルタ(LPF:低域通過フィルタ)で取り出す。
これらの第1フィルタと第2フィルタの出力信号の帯域境界付近の位相を合わせて、その合成出力信号の周波数特性をイコライザ回路でフラット化して、鋭い指向性を実現する出力信号を得る。
【0015】
以上の構成により、高域側の指向特性を更に鋭くしつつ低域感度を改善したり、中低域感度を劣化させること無く高域側帯域を広げる(しかも広げた帯域の指向性は非常に鋭いものとなる)ことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る超指向性マイクロフォン装置の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る超指向性マイクロフォン装置の実施形態の構成を示すブロック図であり、図1(A)は3個の単一指向性マイクロフォンセルの配置を示し、図1(B)は全体の構成を示している。
図1(A)に示すように、本実施形態では、特性の揃った3個の単一指向性マイクロフォンセル(第1マイクロフォンセル10、第2マイクロフォンセル11、第3マイクロフォンセル12)が前後方向に等間隔で指向性の主軸が同一方向を向くように直列に配置されている。
【0017】
図1(B)に示すように、本実施形態は、第1マイクロフォンセル10と第2マイクロフォンセル11の出力信号の差分信号を抽出する第1差分回路13、第2マイクロフォンセル11と第3マイクロフォンセル12の出力信号の差分信号を抽出する第2差分回路14、第1差分回路13と第2差分回路14の出力信号同士の差分信号を抽出する第3差分回路15、第3差分回路15の出力信号から所定の周波数より高い周波数帯域信号を抽出する第1フィルタ(HPF:高域通過フィルタ)16、第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12の出力信号の差分信号を抽出する第4差分回路17、第4差分回路17の出力信号から所定の周波数より低い周波数帯域信号を抽出する第2フィルタ(LPF:低域通過フィルタ)18、第2フィルタ18からの出力信号の位相を第1フィルタ16からの出力信号の位相に合わせた信号と第1フィルタ16の出力信号を加算する加算回路19、加算回路19の出力信号の周波数特性を補正するイコライザ回路(EQ)20とから構成される。
【0018】
上記のように構成した超指向性マイクロフォン装置では、まず、同じ間隔dを隔てて前後方向に配置された第1マイクロフォンセル10と第2マイクロフォンセル11間、および第2マイクロフォンセル11と第3マイクロフォンセル12間で従来行なわれてきた2次音圧傾度型マイクロフォン処理(差分信号抽出処理)を行なう。
本実施形態では、図1(C)に示すように、各差分回路(13,14,15,17)は、前方に配置されている側のマイクロフォンセルの出力信号(信号a)に位相を反転させる位相反転回路31を入れ、後方に配置されている側のマイクロフォンセルの出力信号(信号b)とミックス処理するミックス回路32を入れて差分信号c(2次音圧傾度型信号)を抽出する。
【0019】
更に、それぞれ第1差分回路13と第2差分回路14で抽出された差分信号(2次音圧傾度型信号)同士の差分信号を第3差分回路15で抽出する。この第3差分回路15からの出力信号は、4次音圧傾度相当の鋭い指向性を有する信号(S1)となり、従来の2次音圧傾度型よりも更に鋭い指向性を実現できる(図2参照)。
【0020】
しかし、イコライザ処理を加える前の2次音圧傾度型の周波数特性が最大出力周波数fに向かって6dB/octの傾斜であるのに対し、上述の処理を加えた4次音圧傾度相当の周波数特性は最大出力周波数fに向かって12dB/octの傾斜になるため低域の感度は非常に低くなってしまい、そのままでの実用は難しい。そこで、低域感度を次のようにして確保する。
【0021】
本実施形態において、第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12の間隔が2dであるから、第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12間の差分信号を第4差分回路17で抽出することによって、最大出力周波数をf/2とした2次音圧傾度型の出力信号(S2)を得ることができる。
この出力信号は、f/2以下の周波数帯域では、マイクロフォンセル間隔がdの時の2次音圧傾度型信号に比べて6dB高い感度を有する。
【0022】
更に、f/2より低い所定の周波数f0をカットオフ周波数とする第1フィルタ16(HPF:高域通過フィルタ)に4次音圧傾度相当信号(S1)を通し、同じくf0をカットオフ周波数とする第2フィルタ18(LPF:低域通過フィルタ)に2次音圧傾度型信号(S2)を通して、加算回路19でミックス処理することによって、f0より高い周波数帯域では4次音圧傾度相当の非常に高い指向性を備え、且つ、f0より低い周波数帯域では2次音圧傾度相当の指向性ながら低域感度が高い出力信号を得ることができる。
【0023】
この加算回路19は、図1(D)に示すように、第2フィルタ18からの出力信号(信号e)の位相を第1フィルタ16の出力信号(信号f)の位相に合わせた信号を出力する移相回路41、移相回路41からの出力信号と信号fとをミックスした信号gを出力するミックス回路42から構成される。
【0024】
最終的に、加算回路19からの出力信号をイコライザ回路20にて周波数特性全体のフラット化が行なわれ、中高域指向性に優れ、中低域S/Nの良好な出力信号を実現できる。
【0025】
また、本実施形態のマイクロフォンセルの間隔をd/2に設定した場合、マイクロフォンセルの間隔が1/2になることによって、4次音圧傾度相当信号(S1)の高域側の帯域は2倍となるが、帯域が伸びた分、低域感度は益々低くなるが、2次音圧傾度型の出力信号(S2)としては、マイクロフォンセル間隔dの現状2次音圧傾度型の出力信号そのままを得る。
【0026】
従って、本実施形態の出力信号は、現状同等の中低域特性を保持した上で、高域は4次音圧傾度相当の鋭い指向性を実現し、且つ帯域を2倍に拡大した出力信号を得ることが可能となる。
【0027】
<実施例1>
まず、実施例1としてマイクロフォンセルの間隔dを34mmに設定した場合について説明する。
一対のマイクロフォンセル間で差分信号抽出処理を行なった後の正面方向入力音信号の周波数特性は、次の式1で表すことができる。
【0028】
Eo=E√{(1−cosα)2+sin2α} … 式1
ここで α= (2πfd)/c
c≒340 [m/s]:(音速)
f: 周波数 [Hz]
d: マイクロフォンセル間隔 [m]
E: マイクロフォン出力レベル
Eo: 差分信号レベル
【0029】
この式1に、d=34mmを適用すると、差分信号の周波数特性は図3の曲線aになる。この差分信号同士で更に差分信号を取った4次音圧傾度相当信号(S1)の周波数特性は、図3の曲線bとなる。
また、マイクロフォンセル間隔が2d=68mmとなる第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12間の差分信号(S2)の周波数特性は、図3の曲線cとなる。
図3の曲線aと曲線bの最大出力が得られる周波数は、5kHzであり、1.65kHzより高い周波数帯域においては、曲線bの方が高い感度を得ることができることを示している。
【0030】
一方、図3の曲線cの最大出力が得られる周波数は、2.5kHzであるが、それより低い周波数帯域では常に曲線aより6dB高い感度が得られることを示している。
【0031】
従って、本実施例1で第1フィルタ16と第2フィルタ18のカットオフ周波数f0を1.65kHz付近に設定すれば、全帯域に渡って従来技術による周波数特性aよりも高い感度が確保できることになる。
また、f0よりも高い周波数帯域においては、従来技術によるよりも更に鋭い指向特性が得られる。
【0032】
<実施例2>
次に、実施例2としてマイクロフォンセル間隔dを17mmに設定した場合について説明する。
上述の式1にd=17mmを適用すると、差分信号の周波数特性は図4の曲線aとなり、この差分信号同士で更に差分信号を取った4次音圧傾度相当信号(S1)の周波数特性は、図4の曲線bとなる。
また、マイクロフォンセル間隔が2d=34mmとなる第1マイクロフォンセル10と第3マイクロフォンセル12間の差分信号(S2)の周波数特性は図4の曲線cとなる。
【0033】
図4の曲線aと曲線bの最大出力が得られる周波数は10kHzであり、3.35kHzより高い周波数帯域においては曲線bの方が高い感度を得ることができることを示している。
一方、図4の曲線cの最大出力が得られる周波数は5kHzであり、これは従来技術による2次音圧傾度型の特性そのものである。
【0034】
従って、本実施例2の第1フィルタ16と第2フィルタ18のカットオフ周波数f0を5kHz付近に設定すれば、5kHz以下の帯域で従来特性を維持したままで高域側帯域を10kHzまで伸ばすことが可能となる。
また、伸びた高域側の指向性は4次音圧傾度相当の非常に鋭いものとなる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、高域側の指向特性を更に鋭くしつつ低域感度を改善したり、中低域感度を劣化させること無く高域側帯域を広げる(しかも広げた帯域の指向性は非常に鋭いものとなる)ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超指向性マイクロフォン装置の実施形態の構成を示すブロック図であり、(A)は3個の単一指向性マイクロフォンセルの配置を示し、(B)は全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を説明する指向特性図である。
【図3】実施例1を説明する周波数特性図である。
【図4】実施例2を説明する周波数特性図である。
【図5】従来の指向性マイクロフォン装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,2…マイクロフォン、3…反転回路、4…ミックス回路、5…イコライザ、10…第1マイクロフォンセル、11…第2マイクロフォンセル、12…第3マイクロフォンセル、13…第1差分回路、14…第2差分回路、15…第3差分回路、16…第1フィルタ(HPF:高域通過フィルタ)、17…第4差分回路、18…第2フィルタ(LPF:低域通過フィルタ)、19…加算回路、20…イコライザ回路、31…位相反転回路、32,42…ミックス回路、41…移相回路。
Claims (4)
- 単一指向性マイクロフォンセルを配置して、前方向に指向性を持つマイクロフォン装置において、3個の単一指向性マイクロフォンセルを前後方向に所定の間隔を隔てて配置(以下、配置順に第1マイクロフォンセル、第2マイクロフォンセル、第3マイクロフォンセルという)し、前記第1マイクロフォンセルと前記第2マイクロフォンセルの出力信号の差分信号を抽出する第1差分回路と、前記第2マイクロフォンセルと前記第3マイクロフォンセルの出力信号の差分信号を抽出する第2差分回路と、前記第1差分回路と前記第2差分回路の出力信号同士の差分信号を抽出する第3差分回路と、前記第3差分回路の出力信号から所定の周波数より高い周波数帯域信号を抽出する第1フィルタと、前記第1マイクロフォンセルと前記第3マイクロフォンセルの出力信号の差分信号を抽出する第4差分回路と、前記第4差分回路の出力信号から所定の周波数より低い周波数帯域信号を抽出する第2フィルタと、前記第1フィルタの出力信号と前記第2フィルタの出力信号の帯域境界付近の位相を合わせてミックス処理する加算回路と、前記加算回路の出力信号の周波数特性を補正するイコライザ回路とを有することを特徴とする超指向性マイクロフォン装置。
- 請求項1に記載の超指向性マイクロフォン装置において、各前記差分回路は、前方に配置されている側のマイクロフォンセルの出力信号の位相を反転させる位相反転回路と、後方に配置されている側のマイクロフォンセルの出力信号と前記位相反転回路からの出力信号とをミックス処理するミックス回路を有することを特徴とする超指向性マイクロフォン装置。
- 請求項1に記載の超指向性マイクロフォン装置において、前記加算回路は、前記第2フィルタからの出力信号の位相を前記第1フィルタの出力信号の位相に合わせた信号を出力する移相回路と、この移相回路からの出力信号と前記第1フィルタからの出力信号とをミックス処理するミックス回路とを有することを特徴とする超指向性マイクロフォン装置。
- 3個の単一指向性マイクロフォンセルを前後方向に所定の間隔を隔てて配置し、隣接するマイクロフォンセルの2次音圧傾度信号を2つ求め、これらの2次音圧傾度信号から求めた4次音圧傾度相当信号に高域通過フィルタを通し、先頭のマイクロフォンセルと最後尾のマイクロフォンセルの2次音圧傾度信号を求めて低域通過フィルタを通し、これら2つのフィルタからの出力信号の帯域境界付近の位相を合わせてミックス処理して、周波数特性を補正するイコライザ処理をすることを特徴とする超指向性マイクロフォン装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008062849A1 (fr) * | 2006-11-22 | 2008-05-29 | Funai Electric Advanced Applied Technology Research Institute Inc. | Dispositif à circuit intégré, dispositif d'entrée vocale et système de traitement d'informations |
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-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002337933A patent/JP2004173053A/ja active Pending
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