JP2004172243A - ドライエッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のドライエッチング装置30では上部電極39とウェハ34の間隔を±0.1mmの精度に保つために、数十時間ごとに上部電極39と下部電極36の間隔を測定しなおし、ステッピングモーター37のパルスデータを変更しなければならない。そのためには反応室31を大気開放しなければならない
【解決手段】本発明のドライエッチング装置10は、下部電極16を三基以上のモーター17A、17B、17Cに結ばれた三個以上の支点で支えるようにし、さらに下部電極16と上部電極20の距離を測る距離計19A、19B、19Cを下部電極16に組み込んだ。これにより反応室11を大気開放することなく短時間(秒単位)で下部電極16と上部電極20が平行で、その間隔が規定値になるように下部電極16の高さと傾きを調節できる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のドライエッチング装置10は、下部電極16を三基以上のモーター17A、17B、17Cに結ばれた三個以上の支点で支えるようにし、さらに下部電極16と上部電極20の距離を測る距離計19A、19B、19Cを下部電極16に組み込んだ。これにより反応室11を大気開放することなく短時間(秒単位)で下部電極16と上部電極20が平行で、その間隔が規定値になるように下部電極16の高さと傾きを調節できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体ウェハの表面の各種の膜をプラズマを用いてエッチングするドライエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の一般的なドライエッチング装置30の主要部断面図である。従来のドライエッチング装置30の動作を説明する。まず反応室31とウェハローダー室32を真空引きして同等の真空度にする。次に反応室31とウェハローダー室32を仕切っているゲートバルブ33を開け、ウェハ34を搬送アーム35に載せてウェハローダー室32から反応室31に入れ、下部電極36の上に載せる。このとき下部電極36は搬送アーム35に当たらないように、ステッピングモーター37によって位置を低くしてある。このときは高周波発振器38はまだOFFである。
【0003】
次に図5のように搬送アーム35をウェハローダー室32に戻し、ゲートバルブ33を閉じ、ウェハ34を載せた下部電極36をステッピングモーター37により上昇させる。上部電極39とウェハ34の間隔は所定値が厳密に決められており、例えば5mm±0.1mmである。
【0004】
次にエッチングガスを上部電極39の穴39Aから反応室31に導入し、真空ポンプ40の入り口にあるオリフィス41の開口度を調節して、エッチングガスの圧力を所定の一定値(例えば10Pa)に保つようにする。
【0005】
次に高周波発振器38をONにする。上部電極39と下部電極36の間に高周波電界が印加され、エッチングガスがプラズマ化して、ウェハ34と上部電極39の間にプラズマ42の領域ができる。このプラズマ42によりウェハ34の表面がエッチングされる。
【0006】
エッチングの完了したウェハ34は再び搬送アーム35によりウェハローダー室32に戻される。
【0007】
上部電極39とウェハ34の間隔が所定の±0.1mmの精度から外れると、プラズマ42の分布が異常となって、エッチングレートが狂ったり、ウェハ34面内でエッチングばらつきが発生したりする。また高周波のマッチングが取れなくなることもある。そのため上部電極39とウェハ34の間隔を精度良く保つことが重要である。
【0008】
そのため従来は次のようにしていた(特開平11−176813号公報)。すなわち反応室31を開けて上部電極39を交換したとき、上部電極39との間隔を測りながら下部電極36を上昇させ、下部電極36が適切な高さになったときのステッピングモーターのパルスデータを記録しておく。そして実際にエッチングをするときは、ウェハ34を載せてからパルスデータ通りにステッピングモーター37を動かして下部電極36を上昇させる。こうすれば下部電極36の高さがいつも同じになる。ウェハ34の厚さは精度が非常に良いので、上部電極39と下部電極36の間隔の精度が良ければ、上部電極39とウェハ34の間隔の精度も自動的に良くなる。
【0009】
上記の従来技術は巧妙であるがまだ十分ではない。というのは上部電極39がエッチングされて後退し、上部電極39とウェハ34の間隔が大きくなっていくのを考慮していないからである。下部電極36は金属であるし、ウェハ34が載っているから寸法が変わるほどエッチングされることはないが、上部電極39はシリコンやカーボンで出来ているうえ、プラズマ42にさらされるから容易にエッチングされる。実験によると100時間のエッチングにより上部電極39は0.5mm以上後退する。そのため上部電極39とウェハ34の間隔を所定値の±0.1mmの精度に保つためには、数十時間ごとに上部電極39と下部電極36の間隔を測定しなおし、ステッピングモーター37のパルスデータを変更しなければならない。そのためには反応室31を大気開放しなければならないが、周知のとおり大気開放は真空装置にとって危険である。大気開放したため水分が侵入したり、リークが発生したり、ごみが入り込んだりして立ち上げ再稼動が遅れることはよくある。こういうトラブルを避けるため反応室31の大気開放は極力避けなければならない。しかし従来は数十時間ごとに大気開放しなければならなかった。
【0010】
また上部電極39が均等にエッチングされて後退するとは限らないから、上部電極39と下部電極36の平行度が悪くなることもある。上部電極39と下部電極36の間隔を測定しなおしたとき平行度の狂いが分かったら、上部電極39がまだ十分に使用できる厚みであっても交換しなければならない。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−176813号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドライエッチング装置30では上部電極39とウェハ34の間隔を±0.1mmの精度に保つために、数十時間ごとに上部電極39と下部電極36の間隔を測定しなおし、ステッピングモーター37のパルスデータを変更しなければならない。そのためには反応室31を大気開放しなければならないが、大気開放したため水分が侵入したり、リークが発生したり、ごみが入り込んだりして立ち上げ再稼動が遅れることがある。また上部電極39が不均等にエッチングされて、上部電極39と下部電極36の平行度が悪くなったときは、上部電極39がまだ十分に使用できる厚みであっても交換しなければならない。いずれも製品のコストアップの要因となる。
【0013】
したがって望まれるのは、上部電極が使用可能な間(数百時間)は大気開放しないで、上部電極と下部電極の間隔および平行度を±0.1mmの精度に保つことのできるドライエッチング装置である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のドライエッチング装置のポイントは二つある。第一のポイントは下部電極を三個以上の支点で支えるようにしたことである。(従来のドライエッチング装置は中央の一ヶ所で支えている。)支点が三個のときは正三角形の頂点の位置が望ましい。各支点はそれぞれ専用のステッピングモーターまたはサーボモーターに支持されていて、おのおの独立して高さを変えられる。したがって下部電極全体の高さを変えることも、また傾きを変えることも自由にできる。
【0015】
第二のポイントは下部電極と上部電極の距離を測る距離計を下部電極に組み込んだことである。(従来のドライエッチング装置にこの機能の距離計は付いていない。)距離計の位置は前記の各支点の近傍が望ましい。距離計は数mm〜数十mmの距離を±0.1mm以下の精度で測るものであるから、超音波距離計、渦電流近接センサー、レーザー距離計などが適当である。これらの距離計により下部電極と上部電極の間隔を測定する。
【0016】
その測定結果をもとにモーターによって下部電極の高さと傾きを調節し、下部電極と上部電極が平行で、その間隔が規定値になるようにする。そしてそのデータを記憶させて使用する。これらの測定と調節は反応室を大気開放することなく短時間(秒単位)でできるから、極端に言えばウェハを交換するたびに実行することもできる。しかし実用的には累積エッチング時間が数時間に達したときにおこなえば十分である。
【0017】
このようにして本発明のドライエッチング装置では常に最適のプラズマ分布を得て、適切なエッチングレートとウェハ全面でばらつきのないエッチング結果を得ることができる。もちろん反応室を大気開放する必要がないから手間もトラブルも減って稼動率が高くなるし、上部電極を極限まで使用できるからコストダウンができる。
【0018】
請求項1記載の発明は、反応室に少なくとも上部電極、下部電極およびガス導入孔を備え、前記ガス導入孔からエッチングガスを前記反応室に導入し、前記上部電極と前記下部電極の間に高周波電力を印加し、そのエネルギーにより前記エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより半導体ウェハーをエッチングするドライエッチング装置において、前記下部電極を三個以上の支点で支え、前記支点を独立した三基以上のモーターで各々支持し、前記下部電極と前記上部電極の距離を測る距離計を前記下部電極に組み込み、前記下部電極の高さと傾きを調節して、前記下部電極と前記上部電極の間隔を規定値に調節することを特徴とするドライエッチング装置である。
【0019】
請求項2記載の発明は請求項1記載のドライエッチング装置において、前記下部電極の支点が三個であり、その位置が正三角形のほぼ頂点の位置であることを特徴とするドライエッチング装置である。
【0020】
請求項3記載の発明は請求項2記載のドライエッチング装置において、前記下部電極の支点の近傍に前記距離計を組み込こんだことを特徴とするドライエッチング装置である。
【0021】
請求項4記載の発明は請求項1記載のドライエッチング装置において、前記距離計が超音波距離計、渦電流近接センサー、レーザー距離計のいずれか、またはその組み合わせであることを特徴とするドライエッチング装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のドライエッチング装置の一実施例10の主要部断面図である。このドライエッチング装置の一実施例10の動作を説明する。まず反応室11とウェハローダー室12を真空引きして同等の真空度にする。次に反応室11とウェハローダー室12を仕切っているゲートバルブ13を開け、ウェハ14を搬送アーム15に載せてウェハローダー室12から反応室11に入れ、下部電極16の上に載せる。このとき下部電極16は搬送アーム15に当たらないように三基のサーボモーター17A、17B、17Cによって低い位置にしてある。またこのとき高周波発振器18はまだOFFである。
【0023】
次に図2のように搬送アーム15をウェハローダー室12に戻し、ゲートバルブ13を閉じる。下部電極16には距離計19A、19B、19Cが埋め込まれている。距離計19A、19B、19Cはほぼ正三角形の頂点の位置にある。これは下部電極16、上部電極20が円形であるから、この位置が最も測定精度が良いからである。距離計19A、19B、19Cとしては超音波距離計、渦電流近接センサー、レーザー距離計などが適当である。
【0024】
下部電極16を上昇させる前に、距離計19A、19B、19Cにより下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCを測定する。そして下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCがいずれも設定値(例えば5mm±0.1mm)になるように、三基のサーボモーター17A、17B、17Cで下部電極16の上昇高さを調節する。これは下部電極16を上昇させながら下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCを測定する方法でもよい。いずれにしてもウェハ14を載せた下部電極16を三基のサーボモーター17A、17B、17Cにより適切な高さまで上昇させる。
【0025】
このように距離計19A、19B、19Cにより下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCを実測して下部電極16の高さと傾きを調節するので、たとえ上部電極20が下部電極16と非平行にエッチングされていても、調節後は上部電極20と下部電極16は平行になる。このようなことは単純に下部電極36の高さだけを調節する従来のエッチング装置30では不可能である。
【0026】
下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCの測定と、下部電極16の高さと傾きの調節は、反応室11を大気開放することなく短時間(秒単位)でできるから、ウェハ14を交換するたびに実行することもできる。しかし上部電極20がそんなに速くエッチングされることはないから、実用的には累積エッチング時間が数時間に達したときにおこなえば十分である。その場合は三基のサーボモーター17A、17B、17Cのデータを記憶しておいて、次の測定まではそのデータを繰り返し使用する。
【0027】
以上の説明は下部電極16の支点、モーター17A、17B、17Cおよび距離計19A、19B、19Cがいずれも三基の場合であったが、支点とモーターの数は三基と限らず四基以上でもよい。特にウェハが大きいとき(8インチ以上)は支点とモーターの数が多い方が下部電極が安定する。しかし距離計の数は支点・モーターの数と一致する必要はない。距離計の数・位置は必要な精度が得られる最小限でよい。
【0028】
次に図3のようにエッチングガスを上部電極20の穴20Aから反応室11に導入し、真空ポンプ21の入り口にあるオリフィス22の開口度を調節して、エッチングガスの圧力を所定の一定値(例えば10Pa)に保つようにする。
【0029】
次に高周波発振器18をONにする。上部電極20と下部電極16の間に高周波電界が印加され、エッチングガスがプラズマ化して、ウェハ14と上部電極20の間にプラズマ23の領域ができる。このプラズマ23によりウェハ14の表面がエッチングされる。
【0030】
エッチングの完了したウェハ14は再び搬送アーム15によりウェハローダー室12に戻される。
【0031】
【発明の効果】
本発明のドライエッチング装置10は、下部電極16を三基以上のモーター17A、17B、17Cに結ばれた三個以上の支点で支えるようにし、さらに下部電極16と上部電極20の距離を測る距離計19A、19B、19Cを下部電極16に組み込んだ。これにより反応室11を大気開放することなく短時間(秒単位)で、下部電極16と上部電極20が平行で、その間隔が規定値になるように下部電極16の高さと傾きを調節できる。
【0032】
このようにして本発明のドライエッチング装置10では常に最適のプラズマ23分布を得て、適切なエッチングレートとウェハ14全面でばらつきのないエッチング結果を得ることができる。もちろん反応室11を大気開放する必要がないから稼動率が高くなるし、上部電極20を極限まで使用できるからコストダウンもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドライエッチング装置の一実施例10の主要部断面図
【図2】本発明のドライエッチング装置の一実施例10の主要部断面図
【図3】本発明のドライエッチング装置の一実施例10の主要部断面図
【図4】従来の一般的なドライエッチング装置30の主要部断面図
【図5】従来の一般的なドライエッチング装置30の主要部断面図
【符号の説明】
10 本発明のドライエッチング装置
11 反応室
12 ウェハローダー室
13 ゲートバルブ
14 ウェハ
15 搬送アーム
16 下部電極
17A、17B、17C サーボモーター
18 高周波発振器
19A、19B、19C 距離計
20 上部電極
20A 上部電極の穴
21 真空ポンプ
22 オリフィス
23 プラズマ
30 従来のドライエッチング装置
31 反応室
32 ウェハローダー室
33 ゲートバルブ
34 ウェハ
35 搬送アーム
36 下部電極
37 ステッピングモーター
38 高周波発振器
39 上部電極
39A 上部電極の穴
40 真空ポンプ
41 オリフィス
42 プラズマ
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体ウェハの表面の各種の膜をプラズマを用いてエッチングするドライエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の一般的なドライエッチング装置30の主要部断面図である。従来のドライエッチング装置30の動作を説明する。まず反応室31とウェハローダー室32を真空引きして同等の真空度にする。次に反応室31とウェハローダー室32を仕切っているゲートバルブ33を開け、ウェハ34を搬送アーム35に載せてウェハローダー室32から反応室31に入れ、下部電極36の上に載せる。このとき下部電極36は搬送アーム35に当たらないように、ステッピングモーター37によって位置を低くしてある。このときは高周波発振器38はまだOFFである。
【0003】
次に図5のように搬送アーム35をウェハローダー室32に戻し、ゲートバルブ33を閉じ、ウェハ34を載せた下部電極36をステッピングモーター37により上昇させる。上部電極39とウェハ34の間隔は所定値が厳密に決められており、例えば5mm±0.1mmである。
【0004】
次にエッチングガスを上部電極39の穴39Aから反応室31に導入し、真空ポンプ40の入り口にあるオリフィス41の開口度を調節して、エッチングガスの圧力を所定の一定値(例えば10Pa)に保つようにする。
【0005】
次に高周波発振器38をONにする。上部電極39と下部電極36の間に高周波電界が印加され、エッチングガスがプラズマ化して、ウェハ34と上部電極39の間にプラズマ42の領域ができる。このプラズマ42によりウェハ34の表面がエッチングされる。
【0006】
エッチングの完了したウェハ34は再び搬送アーム35によりウェハローダー室32に戻される。
【0007】
上部電極39とウェハ34の間隔が所定の±0.1mmの精度から外れると、プラズマ42の分布が異常となって、エッチングレートが狂ったり、ウェハ34面内でエッチングばらつきが発生したりする。また高周波のマッチングが取れなくなることもある。そのため上部電極39とウェハ34の間隔を精度良く保つことが重要である。
【0008】
そのため従来は次のようにしていた(特開平11−176813号公報)。すなわち反応室31を開けて上部電極39を交換したとき、上部電極39との間隔を測りながら下部電極36を上昇させ、下部電極36が適切な高さになったときのステッピングモーターのパルスデータを記録しておく。そして実際にエッチングをするときは、ウェハ34を載せてからパルスデータ通りにステッピングモーター37を動かして下部電極36を上昇させる。こうすれば下部電極36の高さがいつも同じになる。ウェハ34の厚さは精度が非常に良いので、上部電極39と下部電極36の間隔の精度が良ければ、上部電極39とウェハ34の間隔の精度も自動的に良くなる。
【0009】
上記の従来技術は巧妙であるがまだ十分ではない。というのは上部電極39がエッチングされて後退し、上部電極39とウェハ34の間隔が大きくなっていくのを考慮していないからである。下部電極36は金属であるし、ウェハ34が載っているから寸法が変わるほどエッチングされることはないが、上部電極39はシリコンやカーボンで出来ているうえ、プラズマ42にさらされるから容易にエッチングされる。実験によると100時間のエッチングにより上部電極39は0.5mm以上後退する。そのため上部電極39とウェハ34の間隔を所定値の±0.1mmの精度に保つためには、数十時間ごとに上部電極39と下部電極36の間隔を測定しなおし、ステッピングモーター37のパルスデータを変更しなければならない。そのためには反応室31を大気開放しなければならないが、周知のとおり大気開放は真空装置にとって危険である。大気開放したため水分が侵入したり、リークが発生したり、ごみが入り込んだりして立ち上げ再稼動が遅れることはよくある。こういうトラブルを避けるため反応室31の大気開放は極力避けなければならない。しかし従来は数十時間ごとに大気開放しなければならなかった。
【0010】
また上部電極39が均等にエッチングされて後退するとは限らないから、上部電極39と下部電極36の平行度が悪くなることもある。上部電極39と下部電極36の間隔を測定しなおしたとき平行度の狂いが分かったら、上部電極39がまだ十分に使用できる厚みであっても交換しなければならない。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−176813号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドライエッチング装置30では上部電極39とウェハ34の間隔を±0.1mmの精度に保つために、数十時間ごとに上部電極39と下部電極36の間隔を測定しなおし、ステッピングモーター37のパルスデータを変更しなければならない。そのためには反応室31を大気開放しなければならないが、大気開放したため水分が侵入したり、リークが発生したり、ごみが入り込んだりして立ち上げ再稼動が遅れることがある。また上部電極39が不均等にエッチングされて、上部電極39と下部電極36の平行度が悪くなったときは、上部電極39がまだ十分に使用できる厚みであっても交換しなければならない。いずれも製品のコストアップの要因となる。
【0013】
したがって望まれるのは、上部電極が使用可能な間(数百時間)は大気開放しないで、上部電極と下部電極の間隔および平行度を±0.1mmの精度に保つことのできるドライエッチング装置である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のドライエッチング装置のポイントは二つある。第一のポイントは下部電極を三個以上の支点で支えるようにしたことである。(従来のドライエッチング装置は中央の一ヶ所で支えている。)支点が三個のときは正三角形の頂点の位置が望ましい。各支点はそれぞれ専用のステッピングモーターまたはサーボモーターに支持されていて、おのおの独立して高さを変えられる。したがって下部電極全体の高さを変えることも、また傾きを変えることも自由にできる。
【0015】
第二のポイントは下部電極と上部電極の距離を測る距離計を下部電極に組み込んだことである。(従来のドライエッチング装置にこの機能の距離計は付いていない。)距離計の位置は前記の各支点の近傍が望ましい。距離計は数mm〜数十mmの距離を±0.1mm以下の精度で測るものであるから、超音波距離計、渦電流近接センサー、レーザー距離計などが適当である。これらの距離計により下部電極と上部電極の間隔を測定する。
【0016】
その測定結果をもとにモーターによって下部電極の高さと傾きを調節し、下部電極と上部電極が平行で、その間隔が規定値になるようにする。そしてそのデータを記憶させて使用する。これらの測定と調節は反応室を大気開放することなく短時間(秒単位)でできるから、極端に言えばウェハを交換するたびに実行することもできる。しかし実用的には累積エッチング時間が数時間に達したときにおこなえば十分である。
【0017】
このようにして本発明のドライエッチング装置では常に最適のプラズマ分布を得て、適切なエッチングレートとウェハ全面でばらつきのないエッチング結果を得ることができる。もちろん反応室を大気開放する必要がないから手間もトラブルも減って稼動率が高くなるし、上部電極を極限まで使用できるからコストダウンができる。
【0018】
請求項1記載の発明は、反応室に少なくとも上部電極、下部電極およびガス導入孔を備え、前記ガス導入孔からエッチングガスを前記反応室に導入し、前記上部電極と前記下部電極の間に高周波電力を印加し、そのエネルギーにより前記エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより半導体ウェハーをエッチングするドライエッチング装置において、前記下部電極を三個以上の支点で支え、前記支点を独立した三基以上のモーターで各々支持し、前記下部電極と前記上部電極の距離を測る距離計を前記下部電極に組み込み、前記下部電極の高さと傾きを調節して、前記下部電極と前記上部電極の間隔を規定値に調節することを特徴とするドライエッチング装置である。
【0019】
請求項2記載の発明は請求項1記載のドライエッチング装置において、前記下部電極の支点が三個であり、その位置が正三角形のほぼ頂点の位置であることを特徴とするドライエッチング装置である。
【0020】
請求項3記載の発明は請求項2記載のドライエッチング装置において、前記下部電極の支点の近傍に前記距離計を組み込こんだことを特徴とするドライエッチング装置である。
【0021】
請求項4記載の発明は請求項1記載のドライエッチング装置において、前記距離計が超音波距離計、渦電流近接センサー、レーザー距離計のいずれか、またはその組み合わせであることを特徴とするドライエッチング装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のドライエッチング装置の一実施例10の主要部断面図である。このドライエッチング装置の一実施例10の動作を説明する。まず反応室11とウェハローダー室12を真空引きして同等の真空度にする。次に反応室11とウェハローダー室12を仕切っているゲートバルブ13を開け、ウェハ14を搬送アーム15に載せてウェハローダー室12から反応室11に入れ、下部電極16の上に載せる。このとき下部電極16は搬送アーム15に当たらないように三基のサーボモーター17A、17B、17Cによって低い位置にしてある。またこのとき高周波発振器18はまだOFFである。
【0023】
次に図2のように搬送アーム15をウェハローダー室12に戻し、ゲートバルブ13を閉じる。下部電極16には距離計19A、19B、19Cが埋め込まれている。距離計19A、19B、19Cはほぼ正三角形の頂点の位置にある。これは下部電極16、上部電極20が円形であるから、この位置が最も測定精度が良いからである。距離計19A、19B、19Cとしては超音波距離計、渦電流近接センサー、レーザー距離計などが適当である。
【0024】
下部電極16を上昇させる前に、距離計19A、19B、19Cにより下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCを測定する。そして下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCがいずれも設定値(例えば5mm±0.1mm)になるように、三基のサーボモーター17A、17B、17Cで下部電極16の上昇高さを調節する。これは下部電極16を上昇させながら下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCを測定する方法でもよい。いずれにしてもウェハ14を載せた下部電極16を三基のサーボモーター17A、17B、17Cにより適切な高さまで上昇させる。
【0025】
このように距離計19A、19B、19Cにより下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCを実測して下部電極16の高さと傾きを調節するので、たとえ上部電極20が下部電極16と非平行にエッチングされていても、調節後は上部電極20と下部電極16は平行になる。このようなことは単純に下部電極36の高さだけを調節する従来のエッチング装置30では不可能である。
【0026】
下部電極16と上部電極20の間隔LA、LB、LCの測定と、下部電極16の高さと傾きの調節は、反応室11を大気開放することなく短時間(秒単位)でできるから、ウェハ14を交換するたびに実行することもできる。しかし上部電極20がそんなに速くエッチングされることはないから、実用的には累積エッチング時間が数時間に達したときにおこなえば十分である。その場合は三基のサーボモーター17A、17B、17Cのデータを記憶しておいて、次の測定まではそのデータを繰り返し使用する。
【0027】
以上の説明は下部電極16の支点、モーター17A、17B、17Cおよび距離計19A、19B、19Cがいずれも三基の場合であったが、支点とモーターの数は三基と限らず四基以上でもよい。特にウェハが大きいとき(8インチ以上)は支点とモーターの数が多い方が下部電極が安定する。しかし距離計の数は支点・モーターの数と一致する必要はない。距離計の数・位置は必要な精度が得られる最小限でよい。
【0028】
次に図3のようにエッチングガスを上部電極20の穴20Aから反応室11に導入し、真空ポンプ21の入り口にあるオリフィス22の開口度を調節して、エッチングガスの圧力を所定の一定値(例えば10Pa)に保つようにする。
【0029】
次に高周波発振器18をONにする。上部電極20と下部電極16の間に高周波電界が印加され、エッチングガスがプラズマ化して、ウェハ14と上部電極20の間にプラズマ23の領域ができる。このプラズマ23によりウェハ14の表面がエッチングされる。
【0030】
エッチングの完了したウェハ14は再び搬送アーム15によりウェハローダー室12に戻される。
【0031】
【発明の効果】
本発明のドライエッチング装置10は、下部電極16を三基以上のモーター17A、17B、17Cに結ばれた三個以上の支点で支えるようにし、さらに下部電極16と上部電極20の距離を測る距離計19A、19B、19Cを下部電極16に組み込んだ。これにより反応室11を大気開放することなく短時間(秒単位)で、下部電極16と上部電極20が平行で、その間隔が規定値になるように下部電極16の高さと傾きを調節できる。
【0032】
このようにして本発明のドライエッチング装置10では常に最適のプラズマ23分布を得て、適切なエッチングレートとウェハ14全面でばらつきのないエッチング結果を得ることができる。もちろん反応室11を大気開放する必要がないから稼動率が高くなるし、上部電極20を極限まで使用できるからコストダウンもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドライエッチング装置の一実施例10の主要部断面図
【図2】本発明のドライエッチング装置の一実施例10の主要部断面図
【図3】本発明のドライエッチング装置の一実施例10の主要部断面図
【図4】従来の一般的なドライエッチング装置30の主要部断面図
【図5】従来の一般的なドライエッチング装置30の主要部断面図
【符号の説明】
10 本発明のドライエッチング装置
11 反応室
12 ウェハローダー室
13 ゲートバルブ
14 ウェハ
15 搬送アーム
16 下部電極
17A、17B、17C サーボモーター
18 高周波発振器
19A、19B、19C 距離計
20 上部電極
20A 上部電極の穴
21 真空ポンプ
22 オリフィス
23 プラズマ
30 従来のドライエッチング装置
31 反応室
32 ウェハローダー室
33 ゲートバルブ
34 ウェハ
35 搬送アーム
36 下部電極
37 ステッピングモーター
38 高周波発振器
39 上部電極
39A 上部電極の穴
40 真空ポンプ
41 オリフィス
42 プラズマ
Claims (4)
- 反応室に少なくとも上部電極、下部電極およびガス導入孔を備え、前記ガス導入孔からエッチングガスを前記反応室に導入し、前記上部電極と前記下部電極の間に高周波電力を印加し、そのエネルギーにより前記エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより半導体ウェハーをエッチングするドライエッチング装置において、前記下部電極を三個以上の支点で支え、前記支点を独立した三基以上のモーターで各々支持し、前記下部電極と前記上部電極の距離を測る距離計を前記下部電極に組み込み、前記下部電極の高さと傾きを調節して、前記下部電極と前記上部電極の間隔を規定値に調節することを特徴とするドライエッチング装置。
- 請求項1記載のドライエッチング装置において、前記下部電極の支点が三個であり、その位置が正三角形のほぼ頂点の位置であることを特徴とするドライエッチング装置。
- 請求項2記載のドライエッチング装置において、前記下部電極の支点の近傍に前記距離計を組み込こんだことを特徴とするドライエッチング装置。
- 請求項1記載のドライエッチング装置において、前記距離計が超音波距離計、渦電流近接センサー、レーザー距離計のいずれか、またはその組み合わせであることを特徴とするドライエッチング装置。
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