JP2004171548A - プラントの最適運用方法、最適設計方法、最適運転計画方法、及び最適化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 需給バランス等の制約を考慮して、プラント運用費用等の期待値及び分散の関数からなる目的関数を利用し、各機器の起動・停止状態、機器制御量及び燃料注入量を状態変数として、プラントの最適化問題を非線形混合整数計画問題として定式化する。前記状態変数の初期値、各機器相互の接続状態等を用いて、各機器の入出力状態を求め、前記状態変数を最適化手法により逐次修正し評価しながら各機器の起動・停止状態、機器制御量及び燃料注入量の最適解を求める最適運用方法において、不確定性な負荷予測値、機器入出力特性値及び燃料価格予測値と、これらの確率または確率分布とを用いて複数のシナリオを作成し、最適化手法による状態変数の評価を複数のシナリオに対して実行する。
【選択図】 図1
Description
従来、プラント構成機器の起動停止や燃料注入量を最適化する手法が種々提案されている。
特に、各種プラントの出力最大化やコストの最小化を目的として、タービンやボイラの蒸気配分量、運転ポイント等の最適値を算出する発電プラントの最適運用システムが知られている(例えば、後述する特許文献1参照)。
従来、プラント設計は、負荷予測値、プラント特性及び燃料価格等を様々なシナリオにより変更し、それぞれの場合に対し、最適運用手法を用いて最適化を実行して各シナリオに対する解の違いを評価し、各構成機器の適切な台数や容量を決定していた。
また、プラント構成機器の稼働情報をデータベースとして保存し、前記稼働情報から各装置の稼働特性を解析してその稼働特性を装置モデルに設定し、これらの装置モデルを組合せたプラントモデルによりプラントの稼働状況をシミュレーションするようにしたプラント設計支援システム及びプラント設計支援方法が知られている。(例えば、後述する特許文献2参照)。
プラントの対象とする負荷は、一般的に確定的なものではなく、気象条件・操業計画等により変動する。また、プラント構成機器の入出力特性は不確定性を有しており、確定的な特性で表現することは困難である。例えば、ゴミ発電やRDF(Refuse Derived Fuel:ゴミ固形燃料)発電等は、ゴミの内容物により燃焼効率が変化し、確定的な特性とすることはできない。更に、プラント燃料のA重油、C重油、灯油、ガス等の価格は変動しており、プラントの最適運用を検討する時点での燃料価格は不確定性を考慮して予測する必要がある。つまり、プラント最適運用は、このような各種要因の不確定性を考慮した上で最適解を求める確率的最適化問題と考えられるが、従来ではこれらの不確定性が十分に考慮されていなかった。
例えば、前記特許文献1では、対象プラントの系統変更や機器仕様、特性変更等に対して、最適化モデルの修正を行うことが示唆されているが([0045],[0046])、燃料単価については基本的に固定値として与えるものとされている([0041])。
I. 各制御時間ごとの各プラント構成機器(例えばボイラ、冷凍機等)の起動・停止状態
II. 各制御時間ごとの各プラント構成機器の機器制御量(例えば、熱交換器の弁開度等)
III. 各制御時間ごとの各プラント構成機器の燃料注入量(コジェネ、ボイラ、冷凍機等の燃料注入量)
従来のプラント設計手法では、前述のプラント最適運用における不確定性に対し、様々な確定的な値を設定した条件で最適運用計算を行い、最終的に構成機器の容量等を決定していたが、このような方法では、プラント構成機器の入出力特性や燃料価格等の不確定性を定量的に評価することはできなかった。
また、前記特許文献2に記載されたプラント設計支援システム等は、基本的にプラント構成機器の稼働情報をデータベース化してシミュレーションを行うことにより新規プラントの最適設計を支援するものであり、プラント構成機器の入出力特性や燃料価格等の不確定性を反映した最適設計については言及されていない。
I. 各プラント構成機器の台数
II. 各プラント構成機器の容量
上述の最適運用方法は、基本的に対象プラントにおける当日・翌日等、短期間の各制御時間ごとのプラント最適運用を決定するのに適しており、週間、月間、年間等の中長期の最適運転計画を生成するためには、各プラント構成機器の連続運転・停止制約、補修期間、各燃料貯蔵設備容量等の中長期運転計画に関する運用上の制約を考慮する必要がある。また、上述の最適運用方法と同様に、従来では各種要因の不確定性が十分に考慮されていなかった。
前記状態変数の初期値、各プラント構成機器相互の接続状態、入出力特性及び運転パターンを用いて、各制御時間ごとの各プラント構成機器の入出力状態を前記目的関数の計算用に求め、前記状態変数を最適化手法により逐次修正し評価しながら最終的に大域最適解に近い各プラント構成機器の起動・停止状態、機器制御量及び燃料注入量を決定するようにしたプラントの最適運用方法において、
不確定性を有する負荷予測値、機器入出力特性値及び燃料価格予測値と、これら各値の確率または確率分布とを用いて複数のシナリオを作成し、前記最適化手法による状態変数の評価を、複数のシナリオに対して実行するものである。
1.まず、請求項1〜4,6に記載したプラントの最適運用方法に関する実施形態を説明する。
始めに、プラントの最適運用に当たっては、以下の3つのシナリオを組合せて、後述する求解アルゴリズムで使用する最終的なシナリオを作成する必要がある。
I. 負荷予測値とその確率または確率分布(以下、負荷予測値シナリオとする)
II. プラント構成機器の入出力特性値とその確率または確率分布(以下、機器入出力特性値シナリオとする)
III. 燃料価格予測値とその確率または確率分布(燃料価格予測値シナリオとする)
I. 確率が確率値で設定される場合
負荷予測値がa個、機器入出力特性値がb個、燃料価格予測値がc個とすると、a×b×c個の組合せを生成する。このとき、各組合せの確率Pt(t=1〜a×b×c)は、組合せに使用した負荷予測値、機器入出力特性値、燃料価格予測値の確率をすべて乗じた値とする。これにより、各一つの負荷予測値と機器入出力特性値と燃料価格予測値と、これらの組合せの確率とにより、一つの最終的なシナリオ(以下では、この最終的なシナリオを単にシナリオという)が構成される。
II. 確率が確率分布で設定される場合
負荷予測値、機器入出力特性値、燃料価格予測値が各々確率分布で設定される場合には、モンテカルロシミュレーションにより、負荷予測値、機器特性及び燃料価格予測値を生成する。この際、生成するシナリオ数は、事前に設定した数nとする。
S=f(pt)
ここで、S:対象とするシナリオ,f:シナリオを決定する関数である。
pt>pt0
ここで、定常プラントシミュレータ20は、プラント構成機器相互の接続状態、非線形な入出力特性、時間帯に応じて変化する運転パターン(運転パターンの変化により入出力特性が変化する)等のプラントの状態の計算に必要な特性を保存したデータベースを用いて、一定の時間間隔をおいた各制御時間ごとのプラント構成機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量が計画値として最適化部10から与えられた時に、各制御時間ごとの各構成機器の定常的な入出力状態(ここでは、過渡的な入出力状態については考えず、機器の出力が安定した定常時のみを考慮する)を計算する。そして、ある構成機器の出力を次段の構成機器の入力として逐次計算していくことにより、最終的にプラント全体の定常的な入出力状態を模擬するものである。
なお、最適化部10及び定常プラントシミュレータ20は、何れも計算機のハードウェア及びソフトウェアによって実現されるものである。
定常プラントシミュレータ20では、上記各構成機器31〜34の図示するような構成状態、入出力特性、運転パターンが与えられ、更に、制御時間ごとの各機器31〜34の起動・停止状態、機器制御量、ボイラ31に対する燃料注入量が与えられた時に、例えばボイラ31から出力される蒸気の量や蒸気タービン32の回転数等を計算する。そして、これらを各々次段の蒸気タービン32や発電機34等の入力として、各機器31,32,……の出力を逐次計算していくことにより、この発電プラント全体の定常的な入出力状態を模擬し、最適化部10に送るものである。
本実施形態では、最適化部10が、計画案として各制御時間ごとの各プラント構成機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量を定常プラントシミュレータ20に渡し、定常プラントシミュレータ20側では、これらの入力情報を用いて前述した動作により求めた各機器の入出力状態を最適化部10に返すと共に、最適化部10では、各機器の入出力状態を用いて所定の目的関数(プラント運転費用期待値・分散の最小化やCO2排出量期待値・分散の最小化等)を満足するような各機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量を各種の最適化手法により探索していくものである。
(1)状態変数
状態変数は、以下のプラント量とする。
I. 各制御時間ごとの各プラント構成機器(例えばボイラ、冷凍機等)の起動・停止状態
II. 各制御時間ごとの機器制御量(例えば、熱交換器の弁開度等)
III. 各制御時間ごとの燃料注入量(コジェネ、ボイラ、冷凍機等の燃料注入量)
目的関数は、以下のような項(関数)からなるとする。
I. プラント運用費用期待値の最小化(f1とする)
II. プラント運用費用分散の最小化(f2とする)
III. CO2排出量期待値の最小化(f3とする)
IV. CO2排出量分散の最小化(f4)
V. ペナルティ(需給バランス不均衡量、機器特性制約逸脱量)期待値の最小化(f5とする)
VI. ペナルティ(需給バランス不均衡量、機器特性制約逸脱量)分散の最小化(f6とする)
実際には、上記各項からなる以下の数式3の目的関数を用いることとし、例えば、各項に重み付けした数式4の目的関数を用いる。
f=f(f1,f2,f3,f4,f5,f6)
f=w1f1+w2f2+w3f3+w4f4+w5f5+w6f6
ここで、wi:各項に対する重みである。
ここで、期待値は数式5のように計算することができる。
I. 各負荷種別ごとの需給バランス
電気系、熱系、空気系等それぞれのエネルギーに対する需要と供給のバランスに関する制約であり、この需給バランスを決定するに当たって各種プラント負荷の予測値が考慮される。
II. 各機器の特性上の制約
各機器の入出力限界、起動停止時間等の特性上の制約である。これらの制約を目的関数の評価対象のシナリオで利用する機器特性とする。
定常プラントシミュレータ20による計算結果(各制御時間ごとの各プラント構成機器の入出力状態)を利用しながら、構成機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量の最適解を探索していく最適化手法としては、モダンヒューリスティク最適化手法を用いる。具体的には、遺伝的アルゴリズム(Genetic Argorithm:以下、GAという)とその改良手法、タブサーチ(Tabu Search:以下、TSという)とその改良手法、Particle Swarm Optimization(以下、PSOという)とその改良手法を用いる。
なお、本問題は、Ant Colony Optimization(以下、ACOという)及びその改良手法によって求解することも可能である。ここで、ACO及びその改良手法とは、A. Colorni, M. Dorigo, and V. Maniezzo, "Distributed Optimization by Ant Colonies", Proc. of First European Conference on Artificial Life, pp.134-142, Cambridge, MA: MIT Press 1991.で述べられている手法とその改良手法を意味する。
(1)SGA
I. 状態表現
SGAでは、状態変数を全て離散値としなければならないことから、本来連続量である各燃料注入量は離散化する最小燃料費刻みで離散化した値を利用し、離散化した数値の最小値から最大値までを整数と対応させる。内部で整数により表現し、実際の燃料注入量へは整数との対応表から変換する。
もともと離散値である各制御時間ごとの機器の起動・停止状態は、起動を1、停止を0として整数で表現する。また、各機器制御量については、機器制御量が連続量で表現される場合は、離散化する最小制御刻みで離散化した値を利用し、この数値の最小値から最大値までを整数と対応させる。内部で整数により表現し、実際の機器制御量へは整数との対応表から変換する。機器制御量が離散値で表現される場合は、各離散値を整数で表現し、実際の離散値へは整数との対応表により変換する。
Step1 前提条件と初期条件設定(図3のA1)
・シナリオを入力する。
前述した負荷予測値シナリオ(負荷予測値とその確率または確率分布の組合せ)、機器入出力特性値シナリオ(プラント構成機器入出力特性値とその確率または確率分布の組合せ)、燃料価格予測値シナリオ(燃料価格予測値とその確率または確率分布の組合せ)に基づき、最終的なシナリオを作成して入力する。
・ストリング数、交差確率、突然変異確率、最大世代数を設定する。
・各ストリングの遺伝子座(各機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量)について、可能な整数値の中からランダムに整数値を生成する。
・現在の世代数を1とする。
・各ストリングの遺伝子座の整数値と対応表を用いて、各機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量を決定する。
・プラントモデル及び負荷予測値を利用して、各遺伝子に対する評価値を計算する。この際、先に入力された複数のシナリオ(負荷予測値、機器特性及び燃料価格予測値の組合せと、対応する確率または確率分布とからなる)を利用し、数式4の目的関数の各項に対し、数式5の期待値または数式6の分散を計算して各遺伝子に対する最終的な評価値を求める。ここで、評価値とは、プラント運用費用やCO2排出量の総和である。
・各ストリングの評価値を用いて、ルーレット・ホイール・セレクションによりストリングの選択を行う。
・ストリング集合に対して、交差確率、突然変異確率を用いて、交差及び突然変異を実行することにより、上記評価値を最良とするようなストリングを決定する。そして、このストリングの遺伝子座の整数値と対応表を用いて、機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量の最適解を決定していく。
・世代が事前に決定した最大世代数の設定値に達したら、終了する。
・設定値に達しない場合には、世代数に1を足してStep.3へ戻る。
I. 状態表現
TSにおいても、状態変数を全て離散値としなければならないことから、本来連続量である各燃料注入量は離散化する最小燃料費刻みで離散化した値を利用し、離散化した数値の最小値から最大値までを整数と対応させる。内部で整数により表現し、実際の燃料注入量へは整数との対応表から変換する。
もともと離散値である各制御時間ごとの機器の起動・停止状態は、起動を1、停止を0として整数で表現する。また、各機器制御量については、機器制御量が連続量で表現される場合は、離散化する最小制御刻みで離散化した値を利用し、この数値の最小値から最大値までを整数と対応させる。内部で整数により表現し、実際の機器制御量へは整数との対応表から変換する。機器制御量が離散値で表現される場合は、各離散値を整数で表現し、実際の離散値へは整数との対応表により変換する。
Step1 前提条件と初期条件設定(図4のB1)
・シナリオを入力する。
前述した負荷予測値シナリオ(負荷予測値とその確率または確率分布の組合せ)、機器入出力特性値シナリオ(プラント構成機器入出力特性値とその確率または確率分布の組合せ)、燃料価格予測値シナリオ(燃料価格予測値とその確率または確率分布の組合せ)に基づき、最終的なシナリオを作成して入力する。
・状態表現の配列の各要素について、ランダムに整数値を生成して初期値とする。
・現在の状態をタブーリストに入れる。
・現在の探索回数を1とする。
・タブー長及び最大探索回数を設定する。
・現在の状態の配列の各要素に対して、整数値の+1及び−1の値(上下限値の場合は、値を生成しない)を隣接状態として生成する。
例えば、配列されている整数値が(2,3,4)であった場合、各要素に+1及び−1を加算した(1,3,4),(3,3,4),(2,2,4),(2,4,4),(2,3,3),(2,3,5)が隣接状態となる。
・各隣接状態の整数値の配列に対して、対応表を参照することにより、機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量を決定する。
・プラントモデル及び負荷予測値を利用して、各隣接状態に対する評価値を計算する。ここで、評価値とはプラント運用費用やCO2排出量の総和である。
この際、先に入力された複数のシナリオを利用し、数式4の目的関数の各項に対し、数式5の期待値または数式6の分散を計算して各遺伝子に対する最終的な評価値を求める。
・各隣接状態の中で、タブーでない最も評価がよいものを次状態とする処理により、上記評価値を最良とするような隣接状態を決定する。そして、この隣接状態の整数値と対応表を用いて、機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量の最適解を決定していく。
・探索回数が事前に設定した最大探索回数に達したら、終了する。
・設定値に達しない場合には、現在の探索回数に1を足してStep.3へ戻る。
I. 状態表現
PSOでは、各制御時間ごとの各構成機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量を変更できる各構成機器の起動・停止状態からなるデータ列によって状態を表現する。
PSOを非線形混合整数計画問題に適用できるようにする方法は、福山他による「電圧信頼度を考慮したParticle Swarm Optimizationによる電圧無効電力制御方式の検討」電気学会論文誌B,119巻12号,1999年12月等で提案されている方法を用いる。
これらの位置と速度情報から、次時点の各エージェントの位置を更新することができる。この概念に基づき、鳥の群れ全体が何らかの目的関数を最適化するような行動をとると考えると、以下のような最適化が考えられる。
そして、各エージェントは、現在の自己のx,y座標と速度vx,vy、及び、pbestとgbestとの距離に応じて、pbest,gbestの存在する位置に方向を変更しようとする。この変更しようとする行動は速度を修正することで表現される。現在の速度とpbest及びgbestを用いて、各エージェントの速度は数式7により修正される。
vi k+1=w×vi k+c1×rand()×(pbesti−si k)
+c2×rand()×(gbest−si k)
ここで、本発明に即していえば、各エージェントがプラント構成機器に相当し、数式7,数式8における各エージェントの位置siが各プラント構成機器の起動・停止状態(離散値)や機器制御量(連続値または離散値)、燃料注入量(連続値)に相当し、また、各エージェントの速度viがそれらの変化分に相当する。
si k+1=si k+vi k+1
更に、PSOでは探索の各ステップで目的関数値を評価する必要があるが、評価の回数は問題の規模によらずエージェント数のみで良いというメリットがあるため、プラントの最適運用といった大規模問題への適用が可能である。
Step1 データの入力(図5のC1)
I. シナリオの入力
前述した負荷予測値シナリオ(負荷予測値とその確率または確率分布の組合せ)、機器入出力特性値シナリオ(プラント構成機器入出力特性値とその確率または確率分布の組合せ)、燃料価格予測値シナリオ(燃料価格予測値とその確率または確率分布の組合せ)に基づき、最終的なシナリオを作成して入力する。
II. プラント情報の入力(これらはデータベースとして予め格納されている)
各構成機器相互の接続関係とそれに対応する特性式や、各構成機器の入出力特性及び各制御時間ごとの運転パターンを入力する。
III. SOに関する情報の入力
エージェント数、各最適化パラメータ値、最大探索回数を入力する。
I. 各エージェントごとに、各制御時間ごとの以下の値をランダムに計算する。
・各構成機器の起動・停止状態(離散値)
・各構成機器の制御量(連続値または離散値)
・各構成機器のうち、燃料注入機器の燃料注入量(連続値)
II. 各エージェントごとのプラント状態の計算及び評価値の計算
・I.で計算した燃料注入量、機器制御量、起動・停止状態を用いて定常プラントシミュレータ20により、各制御時間ごとの各構成機器の入出力状態を求める。
・更に、図1に示した目的関数及び制約条件を用いて、各エージェントごとに評価値を計算する。ここで、評価値とは、プラント運用費用やCO2排出量の総和である。
この際、先に入力された複数のシナリオを利用し、数式4の目的関数の各項に対し、数式5の期待値または数式6の分散を計算して各エージェントに対する評価値を求める。
III. pbest及びgbestの初期設定
・II.で計算した各エージェントごとの評価値を現在の各エージェントごとのpbest値とする。
・上記で計算したpbestのうち最良値をgbest値とする。
前述した福山他による「電圧信頼度を考慮したParticle Swarm Optimizationによる電圧無効電力制御方式の検討」に記載されている方法で、数式7,数式8を用いて離散値及び連続値について各エージェントの位置(探索点)を修正する。
このときの修正の概念図を図6に示す。図6において、vk+1は数式8の右辺第2項に相当している。
I. 各エージェントごとのプラント状態の計算及び評価値の計算
・Step2で計算した各構成機器の起動・停止状態、機器制御量、燃料注入量を用いて、定常プラントシミュレータ20により、各制御時間ごとの各構成機器の入出力状態を求める。
・図1の目的関数及び制約条件を用いて数式4の目的関数の各項に対し、数式5の期待値または数式6の分散を計算して各エージェントに対する最終的な評価値を求める。
・I.で計算した各エージェントごとの評価値が現在の各エージェントごとのpbest値より良かったら、前記評価値を各エージェントごとのpbestとする。
・上記のpbestのうちの最良値が現在のgbestより良かったら、その最良値をgbestとする。
探索回数が入力した最大探索回数に達したら終了する。達しない場合はStep3へ戻る。
この最適設計方法とは、プラントの設計段階において、各プラント構成機器の最適台数及び容量値(離散値)の決定問題を、設定可能な台数及び容量値の中から最適値を決定する組合せ最適化問題として定式化し、例えば年間の各月の代表日ごとのシナリオを設定し、前述したプラントの最適運用方法を利用して、年間のプラント運用費用やCO2排出量等に関する評価値を最小化するような以下の値を決定することをいう。
I.各プラント構成機器の台数
II.各プラント構成機器の個々の容量
この最適設計は、以下の手順により実現する。
・プラントのシステム構成(プラントの構成機器と相互の接続状態)を決定する。
・所定期間、例えば年間の各月の代表日の各制御時間ごとのシナリオを設定する。このシナリオとは、前述したように、負荷予測値、機器特性及び燃料価格予測値の組合せと、対応する確率または確率分布とからなるシナリオである。
・状態変数の初期値設定
各プラント構成機器の台数の初期値と、容量の初期値とを設定する。
以下では、例として、SGA,TS及びPSOを用いた場合のアルゴリズムを示す。
I. 状態表現
SGAでは、台数を求める構成機器数及び容量を求める構成機器数だけの遺伝子長とし、各遺伝子座は各構成機器の台数及び選択可能な容量を小さい方から整数で表現した整数値とする。従って、実際の容量は、各整数値と実際の容量との対応表から求める。例えば、1が100kVA、2が150kVA、3が200kVA等の対応となる。
Step1 前提条件及び初期条件設定(図3のA1)
・プラントのシステム構成(プラントの構成機器と相互の接続状態)を決定する。
・年間の各月の代表日の各制御時間毎のシナリオを設定する。
・ストリング数、交差確率、突然変異確率、最大世代数を設定する。
・各ストリングの遺伝子座について、ランダムに整数値を選択して初期値とする。
・現在の世代数を1とする。
・各ストリングの遺伝子座の整数値を対応表を用いて設定し、台数及び容量を決定する。
・各構成機器の台数及び容量が決定したプラントモデル、及び、最初に設定した各月の代表日の各制御時間毎のシナリオを利用して各機器の起動・停止状態、機器制御量、及び燃料注入量を決定することにより最適運用方法を求め、1年を通した各月の代表日に対するプラント運用費用やCO2排出量等に関する評価値の和を各ストリングの評価値とする。
・各ストリングの評価値を用いて、ルーレット・ホイール・セレクションによりストリングの選択を行う。
・ストリング集合に対して、交差確率、突然変異確率を用いて、交差及び突然変異を実行することにより、1年を通した評価値の和が最良となるような各構成機器の台数及び容量を決定する。
・世代数が事前に決定した最大世代数の設定値に達したら、終了する。
・設定値に達しない場合には、世代数に1を足してStep3へ戻る。
I. 状態表現
TSでは、台数を求める構成機器数及び容量を求める構成機器数だけの配列長とし、配列の各要素は各構成機器の台数及び選択可能な容量を小さい方から整数で表現した整数値とする。従って、実際の容量は、各整数値と容量との対応表から求める。例えば、1が100kVA、2が150kVA、3が200kVA等の対応となる。
Step1 前提条件及び初期条件設定(図4のB1)
・プラントのシステム構成(プラントの構成機器と相互の接続状態)を決定する。
・年間の各月の代表日の各制御時間毎のシナリオを設定する。
・タブー長及び最大探索回数を設定する。
・状態表現の配列の各要素(各構成機器の台数及び容量)について、ランダムに整数値を選択して初期値とする。
・現在の状態をタブーリストに入れる。
・現在の探索回数を1とする。
・現在の状態の配列の各要素に対して、整数値の+1及び−1の値(上下限値の場合は、値を生成しない)を隣接状態として生成する。
例えば配列されている整数値が(2,3,4)であった場合、各要素について+1及び−1を加算した(1,3,4),(3,3,4),(2,2,4),(2,4,4),(2,3,3),(2,3,5)が隣接状態となる。
・各隣接状態の整数値の配列に対して、対応表を参照することにより各構成機器の台数及び容量を決定する。
・各構成機器の台数及び容量が決定したプラントモデル、並びに、最初に設定した各月の代表日の各制御時間毎のシナリオを利用して各機器の起動・停止状態、機器制御量及び燃料注入量を決定することにより最適運用方法を求め、1年を通した各月の代表日に対するプラント運用費用やCO2排出量等に関する評価値の和を各隣接状態の評価値とする。
・各隣接状態の中でタブーでない最も評価がよいものを次状態とする処理により、1年を通した評価値の和が最良となるような各構成機器の台数及び容量を決定する。
・探索回数が事前に設定した最大探索回数に達したら、終了する。
・設定値に達しない場合には、現在の探索回数に1を足してStep3へ戻る。
Step1 データの入力(図5のC1)
・プラント情報の入力(これらはデータベースとして予め格納されている)
各構成機器相互の接続関係とそれに対応する特性式や、各構成機器の入出力特性及び各制御時間ごとの運転パターンを入力する。
・年間の各月の代表日の各制御時間ごとのシナリオを設定し、入力する。
・PSOに関する情報の入力
エージェント数、各最適化パラメータ値、最大探索回数を入力する。
・各エージェントごとに、状態表現の配列要素(各構成機器の台数及び容量)について、ランダムに整数値を選択して初期値とする。
・各構成機器の容量が決定したプラントモデル及び最初に設定した各月の代表日の各制御時間ごとのシナリオを利用して各機器の起動・停止状態、機器制御量及び燃料注入量を決定することにより最適運用方法を求め、この代表日に対する評価値をpbestとし、このpbestのうち最良値をgbestとする。
・現在の探索回数を1とする。
前述した福山他による「電圧信頼度を考慮したParticle Swarm Optimizationによる電圧無効電力制御方式の検討」に記載されている方法で、数式7,数式8を用いて離散値及び連続値について各エージェントの位置(探索点)を修正する。
・各エージェントの配列要素に対して、整数値から対応表を参照することにより各構成機器の台数及び容量を決定する。
・各構成機器の台数及び容量が決定したプラントモデル、並びに、最初に設定した各月の代表日の各制御時間ごとのシナリオを利用して各機器の起動・停止状態、機器制御量及び燃料注入量を決定することにより最適運用方法を求め、この代表日に対する評価値を求める。
・この評価値が現在の各エージェントごとのpbest値より良かったら、前記評価値を各エージェントごとのpbestとする。
・上記のpbestのうちの最良値が現在のgbestより良かったら、その最良値をgbestとする。
探索回数が入力した最大探索回数に達したら終了する。達しない場合はStep.3へ戻る。
最適運転計画法方は、プラントの運転計画段階において、各プラント構成機器の最適な運転周期、補修期間、及びそのときの機器制御量、燃料注入量等の決定問題を、設定可能な各プラント構成機器の起動停止状態、機器制御量、及び燃料注入量等の中から最適値を決定する組合せ最適化問題として定式化し、例えば、計画対象期間を年間とした場合に各週ごとに区分されたシナリオを設定し、請求項1〜4の何れかに記載された最適運用方法を利用して、年間のプラント運用費用や有害ガス排出量に関する評価値を最良とするような以下の値を決定することをいう。
I. 各プラント構成機器の起動停止・状態、及び運転周期
II. 各プラント構成機器の制御量または燃料投入量
この最適運転計画は、以下の手順により実現される。
・プラントのシステム構成(プラントの構成機器とその接続状態)を決定する。
・対象期間における一定周期で区切られた各期間ごとのシナリオを設定する。
例えば、対象期間を年間とした場合、1年間の各週ごとにシナリオを設定する。
・状態変数の初期設定
・各プラント構成機器の起動・停止状態、及び運転周期の初期値を設定する。
・各プラント構成機器の制御量または燃料投入量の初期値を設定する。
ここで、組合せ最適化手法としては、GAとその改良手法、TSとその改良手法、PSOとその改良手法、ACOとその改良手法等を利用する。
I. 状態表現
PSOでは、各構成機器の起動・停止状態、機器制御量または燃料投入量を変更できる各構成機器の起動・停止状態からなるデータ列によって状態を表現する。
Step1 データの入力(図5のC1)
・プラント構成の入力(これらはデータベースとして予め格納されている)
各構成機器相互間の接続情報とそれに対応する特性式や、各構成機器の入出力特性及び各制御時間ごとの運転パターンを入力する。
・対象期間における一定周期で区切られた各期間ごとのシナリオを設定し、入力する。
・PSOに関する情報の入力
エージェント数、各最適化パラメータ値、最大探索回数を入力する。
・各エージェントごとに、状態表現の配列要素(各構成機器の起動・停止状態、及び機器制御量または燃料注入量)についてランダムに数値を選択し、初期値とする。
・各構成機器の起動・停止状態、及び機器制御量または燃料注入量が決定したプラントモデル、及び最初に設定した対象期間における一定周期で区切られた各期間ごとのシナリオを利用して最適運用に対する評価値を求め、この評価値をPbestとし、このPbestのうち最良値をGbestとする。
・現在の探索回数を1とする。
・前述した福山他による「電圧信頼度を考慮したParticle Swarm Optimizationによる電圧無効電力制御方式の検討」に記載されている方法で、数式7、数式8を用いて離散値及び連続値について各エージェントの位置(探索点)を修正する。
・各エージェントの配列要素に対して各構成機器の起動・停止状態、及び機器制御量または燃料注入量を決定する。
・各構成機器の起動・停止状態、及び機器制御量または燃料注入量が決定したプラントモデル、並びに、最初に設定した対象期間における一定周期で区切られた各期間ごとのシナリオを利用して最適運用に対する評価値を求める。
・この評価値が現在のエージェントごとのPbestより良かったら、前記評価値をエージェントごとのPbestとする。
・上記Pbestのうち最良値が現在のGbestより良かったら、その最良値をGbestとする。
・探索回数が入力した最大探索回数に達したら終了し、達していない場合はStep3へ戻る。
データ保存・蓄積手段42は、ハードディスク、CD−R、MO、フレキシブルディスク、メモリ等で構成され、データ入力手段41より入力されたデータやパラメータ、システム内部(シナリオ作成手段43、最適化(最適運用・最適設計・最適運転計画)手段44)で演算された各種結果、及び各プラント構成機器46の実績データを保存・蓄積する。
(1)プラント最適運用の実施例
ゴミ・RDF発電プラントにおいて、ゴミ・RDFの成分による不確定性を考慮した当日・翌日等の短期間のプラント最適運用(プラント構成機器の起動・停止状態や機器制御量または燃料注入量等)を決定するものとする。
図2に示したゴミ・RDF発電プラントにおいて、簡単のために補助燃料は利用せず、ゴミ・RDFの成分による不確定性のみを考慮してプラント最適運用方法を決定するものとする。
このような構成では、プラント構成機器は、ボイラ31、蒸気タービン32、排ガス・灰処理装置33及び発電機34のみであり、ボイラ31からの蒸気はそのまま蒸気タービン32で消費されるだけであるため、負荷は電気負荷のみである。以下に、各構成機器のモデルについて述べる。
ボイラモデルは、ゴミやRDFが入力となり、蒸気が出力となるため、数式9によって表される。
y=f(x)
ここで、y:蒸気出力,x:ゴミ・RDFの入力量である。
蒸気タービン・発電機モデルは、蒸気が入力となり、電気が出力となるため、数式10によって表される。
z=g(y)
ここで、z:電気出力である。
ゴミ・RDFの燃料価格は、数式11のように表現できる。
c=h(x)
ここで、c:燃料価格である。
d=e(x)
ここで、d:CO2排出量である。
前記数式9の関数f(x)は、ゴミ・RDFの成分による燃焼効率で変化する不確定性を持った機器入出力特性である。このように不確定性を持つ機器入出力特性を考慮したシナリオは、数式13に示す如く、f(x)とその確率pとから構成される。
S=(f1(x) p1),(f2(x) p2),……,(fn(x) pn)
ここで、S:シナリオ,fi(x):i番目のシナリオのf(x),pi:i番目のシナリオの確率,n:シナリオの数である。
(1)需給バランス
負荷は、24時間の1時間ごとの負荷値となり、この値が各時間の発電出力と等しくならなければならないことを制約条件とする。これを数式14に示す。
zi+yi=pLi (i=1〜24)
ここで、zi:各時間の発電出力,yi:各時間の売買電力量,pLi:i時点の負荷量である。
発電機は、数式15のような出力上下限制約条件を持つものとする。
zmin<zi<zmax(i=1〜24)
ここで、zmin:発電機の出力下限値,zmax:発電機の出力上限値である。
目的関数は、前記数式3,4に相当するもので、売買電力料金の平均・分散値、ゴミ・RDFの燃料価格の平均・分散値、CO2排出量の平均・分散値、数式14,15に示した制約条件のペナルティ項からなる。ここで、ペナルティ項は以下のようになる。
需給バランスに関するペナルティ項は、数式16のようになる。なお、数式16において、w1は重みを、absは絶対値を示す。
出力上下限に関するペナルティ項は、数式17のようになる。なお、数式17において、w1は重みを、miは各時間の発電出力の逸脱量を示す。
各xiの評価に当たっては、ゴミ・RDFの成分による不確定性を考慮したn個のシナリオごとに電力売買、燃料価格、CO2排出量、ペナルティ項に関する期待値及び分散を前述の数式5,6に従って計算し、売電を最大化し、燃料費やCO2排出量を最小とするような最適解を前述した各種の求解アルゴリズムによって求めれば良い。
ゴミ・RDF発電プラントにおいて、ゴミ・RDFの成分による不確定性を考慮した週間・月間・年間等の中長期の最適運転計画(プラント構成機器の運転周期、補修期間、及びそのときの機器制御量または燃料注入量等)を決定するものとする。
上述したプラント最適運用の実施例の場合と同様の、図2に示したゴミ・RDF発電プラントを対象とする。
上述したプラント最適運用の実施例の場合と同様に、ゴミ・RDFの成分による燃焼効率で変化する不確定性を持った機器入出力特性を表す前記数式9の関数f(x)とその確率から構成される前記数式13で表されるシナリオを、最適運転計画の対象とする期間(例えば年間)に対して設定する。
対象プラントにおける中長期計画を考慮するために、以下の運用上の制約を考慮する。
(1)最低連続運転日数・最低連続停止日数制約
各プラント構成機器は機器特性上、数式18で表されるように最低限必要とする連続運転日数・連続停止日数の制約条件を持つ。
Don≧Donmin
Doff≧Doffmin
ここで、Don:連続運転日数
Doff:連続停止日数
Donmin:最低連続運転日数
Doffmin:最低連続停止日数
各プラント構成機器は、数式19で表されるように、メンテナンス周期に関する連続運転可能日数の制約条件を持つ。
Don≦Donmax
ここで、Donmax:最大連続運転可能日数
プラント最適運転計画に用いる目的関数は、基本的には上記したプラント最適運用と同様の前記数式3,4に相当する各項の平均・分散値からなり、数式14,15及び数式18,19に示した制約条件のペナルティ項等からなる。ここで、対象期間Tに対応するペナルティ項は以下のようになる。
(1)需給バランス
運転計画における需給バランスに関するペナルティ項は、数式20のようになる。なお、数式20において、w1は重みを、absは絶対値を示す。また、Tは運転計画の対象日数である。
運転計画における出力上下限に関するペナルティ項は、数式21のようになる。なお、数式21において、w2は重みを、mi,tは発電出力の逸脱量を示す。
運転計画における最小運転・停止日数に関するペナルティ項は、数式22のようになる。なお、数式22において、w3は重みを、Uonは最小運転日数に対する不足日数、Uoffは最小停止日数に対する不足日数を示す。
ff3=w3(Uon+Uoff)
Don<Donminの場合、Uon=Donmin−Don
その他の場合、Uon=0
Doff<Doffminの場合、Uoff=Doffmin−Doff
その他の場合、Uoff=0
運転計画における最大運転日数に関するペナルティ項は、数式23のようになる。なお、数式23において、w4は重みを、Oonは最大連続運転日数に対する超過日数を示す。
ff4=w4(Oon)
Don>Donmaxの場合、Oon=Don−Donmax
その他の場合、Oon=0
20:定常プラントシミュレータ
31:ボイラ
32:蒸気タービン
33:排ガス・灰処理装置
34:発電機
41:データ入力手段
42:データ保存・蓄積手段
43:シナリオ作成手段
44:最適化手段
45:データ出力手段
46:各プラント構成機器
Claims (12)
- 各負荷種別ごとの需給バランスを満足し、かつ、各プラント構成機器の特性上の制約を考慮しながら、プラント運用費用や有害ガス排出量等の期待値及び分散の関数からなる目的関数を利用し、各制御時間ごとの各プラント構成機器の起動・停止状態、機器制御量及び燃料注入量を状態変数として、プラントの最適化問題を非線形混合整数計画問題として定式化すると共に、
前記状態変数の初期値、各プラント構成機器相互の接続状態、入出力特性及び運転パターンを用いて、各制御時間ごとの各プラント構成機器の入出力状態を前記目的関数の計算用に求め、前記状態変数を最適化手法により逐次修正し評価しながら最終的に大域最適解に近い各プラント構成機器の起動・停止状態、機器制御量及び燃料注入量を決定するようにしたプラントの最適運用方法において、
不確定性を有する負荷予測値、機器入出力特性値及び燃料価格予測値と、これら各値の確率または確率分布とを用いて複数のシナリオを作成し、前記最適化手法による状態変数の評価を、複数のシナリオに対して実行することを特徴とするプラントの最適運用方法。 - 請求項1に記載したプラントの最適運用方法において、
前記最適化手法が遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法であることを特徴とするプラントの最適運用方法。 - 請求項1に記載したプラントの最適運用方法において、
前記最適化手法がタブサーチまたはその改良手法であることを特徴とするプラントの最適運用方法。 - 請求項1に記載したプラントの最適運用方法において、
前記最適化手法がParticle Swarm Optimizationまたはその改良手法であることを特徴とするプラントの最適運用方法。 - プラントの設計段階において、各プラント構成機器の最適な台数及び容量の決定問題を、設定可能な台数及び容量の中から最適値を決定する組み合わせ最適化問題として定式化し、所定期間内の複数の代表日に対し請求項1に記載したシナリオをそれぞれ作成し、請求項2〜4の何れかに記載した最適化手法による状態変数の評価を、複数のシナリオに対して実行することにより、所定期間内の評価値を最良とする各プラント構成機器の台数及び容量を決定することを特徴とするプラントの最適設計方法。
- 請求項1〜4の何れかに記載したプラントの最適運用方法であって、ごみ・RDF発電プラントの最適運用方法において、
ごみ・RDFの成分による燃焼効率に起因した機器入出力特性の不確定さを考慮して前記シナリオを作成することを特徴とするプラントの最適運用方法。 - 請求項5に記載したプラントの最適設計方法であって、ごみ・RDF発電プラントの最適設計方法において、
ごみ・RDFの成分による燃焼効率に起因した機器入出力特性の不確定さを考慮して前記シナリオを作成することを特徴とするプラントの最適設計方法。 - プラントの運転計画段階において、各プラント構成機器の最適な運転周期、補修期間、及びそのときの機器制御量、燃料注入量の決定問題を、設定可能な各プラント構成機器の起動・停止状態、機器制御量、及び燃料注入量の中から最適値を決定する組合せ最適化問題として定式化し、所定期間の各日または曜日、週間、月間等の一定期間で区切られた各期間に対して、請求項1に記載したシナリオをそれぞれ作成し、請求項1〜4の何れかに記載した最適化手法による状態変数の評価を、複数のシナリオに対して実行することにより、各燃料貯蔵設備の貯蔵量を考慮しながら所定期間内のプラント運用費用や有害ガス排出量に関する評価値を最良とする各プラント構成機器の最適な運転周期、補修期間、及びそのときの機器制御量、燃料注入量を決定することを特徴とするプラント最適運転計画方法。
- 請求項8に記載したプラントの最適運転計画方法であって、ごみ・RDF発電プラントの最適運転計画方法において、所定期間の各日または曜日、週間、月間等の一定期間で区切られた各期間におけるプラントへのごみ・RDFの搬入量の変動、及びごみ・RDFの成分による燃焼効率に起因した機器入出力特性の不確定さを考慮して前記シナリオを作成することを特徴とするプラント最適運転計画方法。
- プラントの最適運用に必要なデータの入力手段と、請求項1に記載したシナリオを作成するシナリオ作成手段と、請求項1〜4または6に記載した最適運用方法を実現する最適化手段と、入力データ及び最適運用結果を出力するデータ出力手段と、入力データ及び最適運用結果を保存するデータ保存手段と、を有することを特徴とするプラント最適運用装置。
- プラント最適設計に必要なデータの入力手段と、請求項1に記載したシナリオを作成するシナリオ作成手段と、請求項5または7に記載した最適設計方法を実現する最適化手段と、入力データ及び最適設計結果を出力するデータ出力手段と、入力データ及び最適設計結果を保存するデータ保存手段と、を有することを特徴とするプラント最適設計装置。
- 最適運転計画の生成に必要なデータの入力手段と、請求項1に記載したシナリオを作成するシナリオ作成手段と、請求項8または9に記載した最適運転計画方法を実現する最適化手段と、入力データ及び最適運転計画結果を出力するデータ出力手段と、入力データ及び最適運転計画結果を保存するデータ保存手段と、を有することを特徴とするプラント最適運転計画装置。
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