JP2004170556A - カバー部材、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のカバー部材150、160は、像担持体7の露呈部を覆う着脱自在のカバー部材150、160であって、像担持体7から脱離した状態でコンパクト化可能に形成されている。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、その画像形成装置に着脱自在に設置されるプロセスカートリッジと、そのプロセスカートリッジにおける像担持体の露呈部を覆うカバー部材とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、ユーザによる簡易なメンテナンスを可能にするために、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジが用いられている。
【0003】
プロセスカートリッジは、像担持体としての感光体ドラムと、帯電部と、現像部と、クリーニング部とを、一体的にカートリッジ化したものである。
そして、プロセスカートリッジには、外部に一部が露呈する感光体ドラムを保護するために、感光体保護部材(カバー部材)が着脱自在に設けられている。
【0004】
このようなプロセスカートリッジの交換の操作性を向上することを目的として、種々の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、画像形成装置本体に、プロセスカートリッジを装着するために設けられた開口部を開閉する蓋部材が設けられている。そして、装置本体の蓋部材には、開口部を開放した開状態にてプロセスカートリッジを装置本体に挿入するときに、プロセスカートリッジの保護部材と係合してプロセスカートリッジから保護部材を取り外す係止部材が設けられている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−132120号公報(第5−6頁、第5−8図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の画像形成装置においては、プロセスカートリッジを装置本体に設置する際に取出される感光体保護部材が比較的大きくて嵩張るために、取出後の処理がユーザとって手間となっていた。
【0007】
詳しくは、プロセスカートリッジを装置本体に装着する場合、まず、開状態の蓋部材までプロセスカートリッジを運ぶ。その後、蓋部材に設けられた係止部材に保護部材を係合させるように、プロセスカートリッジを載置する。そして、プロセスカートリッジを装置本体内に押し込みながら、係止部材に係合した保護部材をプロセスカートリッジから取り外す。
その後、ユーザは、取出した保護部材を、廃棄物としてそのまま処理するか、メンテナンス時の使用に備えて別の場所に保管することになる。
【0008】
ここで、プロセスカートリッジから取出される保護部材は、少なくとも感光体ドラムの長手方向の長さと同等の長さからなり、比較的大きく嵩張るものである。
したがって、取出した保護部材を破棄する場合には、保護部材を小片に破壊してからゴミ箱等に捨てることがあった。また、取出した保護部材を別の場所に保管する場合には、その保管場所の確保が難しかった。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、像担持体の露呈部を覆うカバー部材であって像担持体から取出された後の処理がユーザとって容易なカバー部材と、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置とを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明にかかるカバー部材は、像担持体の露呈部を覆う着脱自在のカバー部材であって、前記像担持体から脱離した状態でコンパクト化可能に形成されたものである。
【0011】
また、請求項2記載の発明にかかるカバー部材は、上記請求項1に記載の発明において、前記像担持体に対する着脱方向に対して伸縮自在に形成されたものである。
【0012】
また、請求項3記載の発明にかかるカバー部材は、上記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記像担持体の露呈部を開放する動作に連動して縮小するものである。
【0013】
また、請求項4記載の発明にかかるカバー部材は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記像担持体の露呈部を覆う動作に連動して伸長するものである。
【0014】
また、請求項5記載の発明にかかるカバー部材は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記着脱方向に移動して重なる複数の分割カバー部を備えたものである。
【0015】
また、請求項6記載の発明にかかるカバー部材は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記着脱方向に折り重なる蛇腹部を備えたものである。
【0016】
また、この発明の請求項7記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、前記像担持体を具備し、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のカバー部材を備えたものである。
【0017】
また、請求項8記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、上記請求項7に記載の発明において、前記カバー部材は、紙からなるものである。
【0018】
また、この発明の請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項7又は請求項8に記載のプロセスカートリッジを着脱自在に設置したものである。
【0019】
また、請求項10記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項9に記載の発明において、前記プロセスカートリッジを装着する動作に連動して、前記カバー部材が縮小されるとともに前記プロセスカートリッジから取出されるように形成されたものである。
【0020】
また、請求項11記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項9又は請求項10に記載の発明において、前記プロセスカートリッジを取出する動作に連動して、前記カバー部材が伸長されるとともに前記プロセスカートリッジに装着されるように形成されたものである。
【0021】
なお、本明細書において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体に現像剤を供給する現像部と、像担持体をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つの要素部と、像担持体とが、一体的にカートリッジ化されて、画像形成装置本体に着脱自在に形成された集合体と定義する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0023】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における画像形成装置を示す構成図である。この画像形成装置は、フルカラー式画像形成装置であって、主として、像担持体としての感光体ドラム7BK、7C、7M、7Y上にトナー像を形成する画像形成部31BK、31C、31M、31Yや、そこで形成されたトナー像が一旦転写される中間転写ベルト4aや、中間転写ベルト4a上に転写されたトナー像を転写紙、OHPシート等の記録媒体2に転写する2次転写ローラ40や、記録媒体2に二次的に転写されたトナー像を記録媒体2に定着する定着部5や、記録媒体2を給紙カセット3aから2次転写ローラ40、定着部5等を介してトレー6へ搬送する給紙・搬送部3等で構成される。
ここで、画像形成部31BK、31C、31M、31Yは、主として、光学走査部1BK、1C、1M、1Yと、プロセスカートリッジBB、BC、BM、BYとで、構成される。
【0024】
以下、図1を用いて、画像形成装置における画像形成プロセスについて説明する。
まず、給紙カセット3aに載置された記録媒体2は、ピックアップローラ3bにより給紙される。そして、給紙ローラ対3cの位置に到達した記録媒体2は、ここで1枚ごとに分離されて、分離された記録媒体2が搬送ローラ3d、3fによってレジストローラ対3gの位置に搬送される。
【0025】
一方、画像形成装置本体14の設置部240には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用のプロセスカートリッジBY、BM、BC、BBが、並設されている。そして、各プロセスカートリッジBY、BM、BC、BBの感光体ドラム7Y、7M、7C、7BKに向けて、光学走査部1Y、1M、1C、1BKより、各色の画像信号に対応した露光がおこなわれる。そして、各プロセスカートリッジBY、BM、BC、BBでは、上述の画像信号に対応したトナー像が形成される。その後、各プロセスカートリッジBY、BM、BC、BBで形成された各トナー像は、転写ローラ4Y、4M、4C、4BKによって、図中の矢印方向に走行する中間転写ベルト4a上に、重ねて転写される。
【0026】
その後、中間転写ベルト4a上に形成されたカラーのトナー像は、2次転写ローラ40によって、所定のタイミングで搬送されてきた記録媒体2上に転写される。そして、トナー像が転写された記録媒体2は、定着部5でトナー像が定着された後に、排出ローラ3h、3iによって、トレー6上に排出される。
【0027】
次に、上述の画像形成装置本体に設置される、プロセスカートリッジの作像プロセスに係わる構成部分について説明する。
なお、プロセスカートリッジBY、BM、BC、BBは、内部に収納するトナーの色が異なるだけで基本的な構成はほぼ同じものであるので、適宜に、各色をあらわす添え字Y、M、C、Bを省略して説明する。
【0028】
図2に示すように、プロセスカートリッジBは、感光体ドラム7と現像部10とを現像フレーム12で一体的に構成した現像ユニットDと、帯電部8、導電性ブラシ11等を帯電フレーム13で一体的に構成した帯電ユニットCとを組み付けたものである。
ここで、現像ユニットDと帯電ユニットCとは、前部カバー16と後部カバー17とに挟まれて固定されている(図3を参照のこと。)。
【0029】
また、現像部10は、主として、マグネット10cと現像スリーブ10dとからなる現像ローラ、現像剤を撹拌する撹拌スクリュ10g、10h、トナーが収納されたトナーホッパ141、現像剤のトナー濃度を検出するセンサ140等から構成される。そして、現像部10のタンク10a内には、磁性キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収納されている。
【0030】
また、帯電部8は、主として、中空構造で図中矢印方向に回転する帯電ローラ8a、帯電ローラ8a内に固定されたマグネット8b等からなる。そして、帯電部8は、感光体ドラム7表面を帯電するとともに、感光体ドラム7上に残留した未転写のトナーを取り込むクリーニング部としても機能する。
【0031】
また、感光体ドラム7は、アルミニウムからなるドラム基体上に有機感光層を形成したものである。そして、感光体ドラム7の周囲には、上述の現像スリーブ10d、帯電ローラ8a、導電性ブラシ11等が配設されている。さらに、感光体ドラム7の一部(感光体ドラム7の下部である。)は、上述の中間転写ベルト4aにトナー像を転写するために、プロセスカートリッジBの外部に露出している。
【0032】
ここで、分割式のカバー部材150、160は、プロセスカートリッジBが画像形成装置に設置されていないときに、プロセスカートリッジBに取り付けられている。このカバー部材150、160は、プロセスカートリッジBから一部が露呈する感光体ドラム7を、外光や傷から保護する。そして、カバー部材150、160は、プロセスカートリッジBが画像形成装置に設置される前に、プロセスカートリッジBから取り外される。
【0033】
以下、図2を参照して、カバー部材150、160が除去されて画像形成装置本体14に設置された後のプロセスカートリッジBの動作について説明する。
感光体ドラム7は、図2の矢印方向に回転する。そして、まず、帯電ローラ8aとの対向位置で、感光体ドラム7の表面が帯電される。その後、感光体ドラム7表面は露光位置に達して、その位置で先に説明した光学走査部1からの露光光を受けて潜像が形成される。そして、潜像が形成された感光体ドラム7表面は、現像スリーブ10dとの対向位置に達して、その位置でトナー像が形成される。
【0034】
その後、トナー像が形成された感光体ドラム7表面は、先に説明した中間転写ベルト4aとの対向位置(感光体ドラム7の露呈部である。)に達して、その位置でトナー像が転写される。このとき中間転写ベルト4aに転写されなかった未転写トナーが残存する感光体ドラム7表面は、導電性ブラシ11の位置に達して、この位置で未転写トナーは除電される。最後に、感光体ドラム7表面は、帯電ローラ8aの位置に達して、ここで未転写トナーが回収され、一連の作像プロセスが完了する。
【0035】
ここで、現像部10では、タンク10a内の現像剤のトナー濃度が所定の濃度となるように、センサ140の検出結果に基づいて、トナーホッパ141からタンク10a内にトナーが適宜補給される。そして、タンク10a内では、撹拌スクリュ10g、10hによって、現像剤が撹拌されながら現像スリーブ10dに向けて搬送される。現像スリーブ10dでは、マグネット10cの磁力によってタンク内の現像剤を汲み上げた後に、ドクターブレード10eで適当な層厚の現像剤に調整される。そして、感光体ドラム7との対向位置で、そこに形成された電界により、現像スリーブ10d上のトナーが感光体ドラム7に供給される。
【0036】
以下、画像形成装置本体14への着脱に係わる、プロセスカートリッジBの構成部分について説明する。
図3及び図4を参照して、本実施の形態1のプロセスカートリッジBは、その長手方向が装置本体への着脱をおこなう着脱方向となる。詳しくは、プロセスカートリッジBを前部カバー16(又は後部カバー17)側からみて、上部両端部には、それぞれガイド部12a、12b、29a、29bが長手方向に延びるように設けられている。そして、このガイド部12a、12b、29a、29bが、図1の画像形成装置本体14の設置部240に設けられたガイドレール(不図示である。)に係合して、プロセスカートリッジBは装置本体14に設置される。
【0037】
また、上述したように、プロセスカートリッジBの下方には、感光体ドラム7の露呈部を覆うカバー部材150、160が、挿脱自在に設けられている。
カバー部材は、図2〜図4を参照して、着脱方向に移動して重なる2つの分割カバー部150、160からなる。また、分割カバー部150、160には、それぞれ、長手方向と直交する方向の両端部にリブ150c、160cが、長手方向に延びるように設けられている。
【0038】
そして、このリブ150c、160cを、プロセスカートリッジBの前部カバー16に形成したガイド部16a、16bに係合させて、図4の矢印K方向(長手方向である。)に縮小化されたカバー部材150、160をスライドさせる。その後、カバー部材150、160は、感光体ドラム7の露呈部を覆う動作に連動して伸長する。すなわち、一方の分割カバー部150が、矢印K方向にスライドして、リブ150cがプロセスカートリッジBの後部カバー17に形成したガイド部17a、17bに係合する。こうして、カバー部材150、160の装着が完了する。
これに対して、カバー部材150、160は、感光体ドラム7の露呈部を開放する動作に連動して縮小することになる。
【0039】
また、カバー部材150、160は、図4を参照して、長手方向の後部側に切欠き部150Aが設けられている。さらに、その切欠き部150Aには、長手方向に延設された凸部150eと、その両側の平面部150fと、切欠き部150Aに係わる段差による壁面よりなる当接部150dとが設けられている。
そして、このカバー部材150の切欠き部150Aが、後述する装置本体14の蓋部材に形設された係止部と係合して、プロセスカートリッジBの挿入動作に連動したカバー部材150の取出を可能にする。
【0040】
さらに、プロセスカートリッジBは、図3〜図4を参照して、長手方向の前側における側方部に係合部30が設けられている。
そして、この係合部30が後述する分割カバー部160の凹部と係合することで、プロセスカートリッジBの装置本体への着脱動作に連動して分割カバー部160がスライド移動することになる。
【0041】
次に、図5〜図10にて、プロセスカートリッジBの着脱に係わる、画像形成装置本体14の構成と動作とについて説明する。
図5に示すように、画像形成装置本体14には、ユーザの主たる操作側に前側板14aが設けられ、その反対側に後側板14bが設けられている。そして、その前側板14aと後側板14bに挟まれるように、プロセスカートリッジBを設置するための設置部240が設けられている。また、設置部240の前側板14a側には、開口部250が設けられており、この開口部250から装置本体14へのプロセスカートリッジBの着脱がおこなわれる。
【0042】
また、設置部240の後側板14b側には、設置されたプロセスカートリッジBを駆動するための駆動ユニット50が設けられている。
また、図示は省略するが、設置部240の前側板14aから後側板14bにかけて、プロセスカートリッジBの着脱を案内するガイドレールが設けられている。
【0043】
また、装置本体14には、前側板14a側に開口部250を開閉するための蓋部材300が設けられている。詳しくは、蓋部材300と前側板14aとの間にはヒンジ400が設けられていて、蓋部材300はヒンジ400を中心に図中の矢印M方向に回動する。そして、プロセスカートリッジBの着脱をおこなうときには、蓋部材300を開いて、開口部250を開放する(図5の状態である。)。これに対して、プロセスカートリッジBの着脱が完了した後は、蓋部材300を閉じて、開口部250を閉鎖する(図9の状態である。)。
【0044】
さらに、蓋部材300と前側板14aとの間には、開状態における蓋部材300の開角度を規制する支持部材500が設けられている。この支持部材500により、開状態における蓋部材300の開角度はほぼ90度に保たれる。すなわち、開状態における蓋部材300の上面は、ほぼ水平に保たれる。
【0045】
なお、図10は、図5におけるX−X断面図であり、プロセスカートリッジBを覆う前側分割カバー部160を図示している。
図10を参照して、前側の分割カバー部160は、プロセスカートリッジBにおける感光体ドラム7の露呈部7aを覆う。そして、この分割カバー部160の両端には、凹部160aが設けられている。一方、プロセスカートリッジBの両端には、分割カバー部160の凹部160aに係合する略球状の係合部材32と、その係合部材32に一端が接続された圧縮スプリング31とを、備えた係合部30が設けられている。
このような構成により、後述するプロセスカートリッジBの着脱動作に連動して、分割カバー部160は着脱方向にスライド移動することになる。
【0046】
また、図5〜図9を参照して、蓋部材300上には、プロセスカートリッジBの分割カバー部150に係合する係止部200が、開口部240に近い側に設けられている。この係止部200は、図示は省略するが、カバー部材150、160の凸部150eの形状に対応する凹部を備えている。そして、この係止部200の凹部が、カバー部材150、160の凸部150eにはまり込んで、プロセスカートリッジBを設置部240に挿入する際の位置が定まる。さらには、プロセスカートリッジBを設置部240に挿入するときに、カバー部材150、160の挿入方向の移動が規制されることで、プロセスカートリッジBの挿入に連動してカバー部材150、160がカートリッジBから取出される。
なお、本実施の形態1における蓋部材300は、画像形成装置の外装カバーとしても機能するものである。
【0047】
以上のように構成された画像形成装置において、プロセスカートリッジBは次のように着脱される。
まず、図5に示すように、外装カバーとしての蓋部材300を、図中矢印M方向に回動して、開口部250を開放する。そして、プロセスカートリッジBを、図中の矢印R方向に運ぶ。
【0048】
次に、図6に示すように、プロセスカートリッジBを蓋部材300上に載置する。このとき、プロセスカートリッジBにおけるカバー部材150、160の凸部150eが、蓋部材300の係止部200に係合する。
これによって、蓋部材300上のプロセスカートリッジBの姿勢が定まる。すなわち、蓋部材300上に載置されたプロセスカートリッジBは、そのまま開口部250に向けて押し込むだけで、設置部240へ設置されることになる。
【0049】
次に、図7に示すように、蓋部材300上に載置されたプロセスカートリッジBを、図中の矢印N方向に押し込む。このとき、前側の分割カバー部160もプロセスカートリッジBとともに矢印N方向に移動して、後側の分割カバー部150に徐々に重なっていく。
その後に、双方の分割カバー部150、160は、完全に重なって小型縮小化される。
【0050】
また、これとほぼ同時に、後側分割カバー部150における切欠き部150Aの当接部150dは、蓋部材300の係止部200に当接する。これによって、分割カバー部150の矢印N方向の移動は制限され、その位置で停止する。
そして、プロセスカートリッジBの矢印N方向の移動が進むと、カートリッジBの係合部材32は、前側分割カバー部160の凹部160aから離脱して、後側カバー部150の外壁面上を滑るように移動する。さらに、プロセスカートリッジBの矢印N方向の移動が進むと、縮小化されたカバー部材150、160は完全にプロセスカートリッジBから取出されることになる。
【0051】
また、プロセスカートリッジBを押し込むと、プロセスカートリッジBのガイド部12a、12b、29a、29bが、設置部240に設けられた不図示のガイドレールに係合する。そして、そのガイドレールに案内されながら、プロセスカートリッジBは設置部240内を進むことになる。
【0052】
その後、図8に示すように、プロセスカートリッジBを完全に押し込んで、設置部240への設置が完了する。このとき、後側板14bに設置された駆動ユニット50の駆動カップリング53に、プロセスカートリッジBの図示せぬ従動カップリングが係合する。
これによって、駆動ユニット50を駆動源として、プロセスカートリッジBが稼動して、上述の作像プロセスを達成することになる。
【0053】
最後に、図9に示すように、蓋部材300を図中矢印M方向に回動して、開口部250は閉ざされる。このとき、蓋部材300には、縮小されたカバー部材150、160が係止部200に保持された状態で、蓋部材300が装置本体14の前側板14aに沿うように閉鎖される。
【0054】
これに対して、プロセスカートリッジBを設置部240から抜き出す作業は、上述の工程を逆の手順でおこなうことで達成できる。
ここで、図7を参照して、プロセスカートリッジBを設置部240から抜き出すとき(矢印Nに対して逆方向の移動である。)、蓋部材300に保持されたカバー部材150、160は、蓋部材300上での位置がある程度固定された状態で、プロセスカートリッジBに確実に装着されることになる。
【0055】
さらに、プロセスカートリッジBの、矢印Nの逆方向の移動が進むと、やがて、カートリッジBの係合部材32が、分割カバー部160の凹部160aに係合する。これによって、前側分割カバー部160は、プロセスカートリッジBの矢印N逆方向の移動に連動してスライド移動する。
こうして、カバー部材150、160は伸長して、感光体ドラム7の露呈部7aを完全に覆うことになる。そして、プロセスカートリッジBへのカバー部材150、160の設置が完了する。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態1においては、プロセスカートリッジBを画像形成装置に装着する際に、その装着動作に連動して感光体ドラム7を覆うカバー部材150、160がコンパクト化されて、開閉自在の蓋部材300に保持される。そのため、操作性の高い画像形成装置を提供することができる。また、外装カバーとしての蓋部材300を比較的小さく構成することができる。
【0057】
また、本実施の形態1では、プロセスカートリッジBから取出された後のカバー部材150、160が蓋部材300に保持され収納される構成とした。これに対して、カバー部材150、160が蓋部材300に保持されない構成とした場合であっても、そのカバー部材150、160は離脱時に縮小化されるために、その後のユーザの処理が容易となる。すなわち、縮小化されたカバー部材150、160は、廃棄処理も保管処理も容易となる。
【0058】
なお、本実施の形態1では、カバー部材を、着脱方向に伸縮自在の2つの分割カバー部150、160にて構成した。しかし、分割カバー部の数は、これに限定されることなく、それよりも多い分割数とすることができる。その場合、カバー部材は、当然に本実施の形態1よりもさらに縮小化されることになる。
【0059】
また、本実施の形態1では、複数のプロセスカートリッジBを備えた画像形成装置に本発明を適用したが、当然に、単一のプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0060】
また、本実施の形態1では、カバー部材150を、プロセスカートリッジBにおける感光体ドラム7の中間転写ベルトに対向する露呈部を覆うものとした。しかし、カバー部材はこれに限定されることなく、例えば、感光体ドラム7の露光光が照射される露呈部を覆うカバー部材を有するプロセスカートリッジに対しても、本発明を適用することができる。
【0061】
実施の形態2.
図11〜図14にて、この発明の実施の形態2について説明する。
図11〜図14は、実施の形態2における画像形成装置にプロセスカートリッジが装着される工程を示す概略断面図であり、前記実施の形態1の図5〜図8に対応する図である。ここで、本実施の形態2は、カバー部材の構成のみが、前記実施の形態1と相違する。
【0062】
図11〜図14に示すように、本実施の形態2のカバー部材は、第1カバー部170と、蛇腹部180と、第2カバー部190とからなる。蛇腹部180は、可撓性材料からなり、プロセスカートリッジBの着脱方向に折り重なって変形するように形成されている。そして、蛇腹部180の両端は、それぞれ、樹脂材料からなる第1カバー部170、第2カバー部190に接続されている。
【0063】
また、カバー部材の第2カバー部190には、前記実施の形態1と同様に、プロセスカートリッジBの係合部30と係合する凹部190aが設けられている。
そして、これにより、プロセスカートリッジBの着脱動作に連動して、第2カバー部190は着脱方向にスライド移動するとともに、蛇腹部180は伸縮することになる。
【0064】
また、カバー部材の第1カバー部170には、前記実施の形態1における分割カバー部150の切欠き部150Aに相当する形状が設けられている。すなわち、第1カバー部170は、蓋部材300の係止部200に係合する凸部や、蓋部材300の係止部200に当接する当接部等を備えている。
【0065】
以上のように構成された画像形成装置において、プロセスカートリッジBは次のように着脱される。
まず、図11に示すように、外装カバーとしての蓋部材300を、図中矢印M方向に回動して、開口部250を開放する。そして、プロセスカートリッジBを、図中の矢印R方向に運ぶ。
【0066】
次に、図12に示すように、プロセスカートリッジBを蓋部材300上に載置する。このとき、プロセスカートリッジBにおける第1カバー部170の凸部が、蓋部材300の係止部200に係合する。
【0067】
次に、図13に示すように、蓋部材300上に載置されたプロセスカートリッジBを、図中の矢印N方向に押し込む。このとき、第2カバー部190もプロセスカートリッジBとともに矢印N方向に移動して、蛇腹部180は徐々に折り重なって縮小化する。その後に、蛇腹部180は完全に折り畳まれた状態になり、カバー部材170〜190はコンパクト化される。
【0068】
なお、理解を容易とするために図示は簡略化されているが、小型化されたカバー部材は、第1カバー部170と第2カバー部190とがほぼ密着した状態になる。そして、図示は省略するが、第1カバー部170と第2カバー部190とに設けられた嵌合部材によって、カバー部材170〜190はその縮小された状態を維持する。
【0069】
また、これとほぼ同時に、第1カバー部170における当接部は、蓋部材300の係止部200に当接する。これによって、第1カバー部170の矢印N方向の移動は制限され、その位置で停止する。
そして、プロセスカートリッジBの矢印N方向の移動が進むと、カートリッジBの係合部材32は、第2カバー部190の凹部190aから離脱して、第1カバー部170の外壁面上を滑るように移動する。さらに、プロセスカートリッジBの矢印N方向の移動が進むと、縮小化されたカバー部材170〜190は完全にプロセスカートリッジBから取出される。
【0070】
その後、図14に示すように、プロセスカートリッジBを完全に押し込んで、設置部240への設置が完了する。
さらに、図示は省略するが、前記実施の形態1と同様に、蓋部材300を回動操作して開口部250を閉鎖する。このとき、縮小されたカバー部材170〜190が係止部200に保持された状態で、蓋部材300は前側板14aに沿うように閉鎖される。
なお、プロセスカートリッジBを設置部240から抜き出す作業は、上述の工程を逆の手順でおこなうことで達成できる。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態2においても、プロセスカートリッジBを画像形成装置に装着する際に、その装着動作に連動して感光体ドラム7を覆うカバー部材170〜190がコンパクト化されて、開閉自在の蓋部材300に保持される。そのため、操作性の高い画像形成装置を提供することができるとともに、蓋部材300を比較的小さく構成することができる。
【0072】
また、本実施の形態2では、プロセスカートリッジBから取出された後のカバー部材170〜190が蓋部材300に保持され収納される構成とした。これに対して、カバー部材170〜190が蓋部材300に保持されない構成とした場合であっても、そのカバー部材170〜190は離脱時に縮小化されるために、その後のユーザの処理が容易となる。
【0073】
なお、本発明は、上記各実施の形態で述べたカバー部材の構成に限定されることはない。例えば、カバー部材を布材料で形成し、開放動作に連動してその布材料を一端側から巻き取って感光体ドラムの露呈部を開放する構成とすることもできる。
【0074】
また、上記各実施の形態では、カバー部材が、プロセスカートリッジBに具備された感光体ドラム7の露呈部を覆う構成とした。しかし、本発明の適用はプロセスカートリッジBへの適用に限定されることなく、例えば、単独の感光体ドラムに対して、その露呈部(この場合、外周面全域になる。)を覆うカバー部材に対しても適用することもできる。例えば、カバー部材を感光体ドラムの長手方向に伸縮自在に形成して、その伸縮と感光体ドラムに対するカバー部材の着脱動作とを連動させることができる。
また、上記各実施の形態のカバー部材は紙で形成することもでき、その場合には低廉で廃棄に適したカバー部材とすることができる。
【0075】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、像担持体の露呈部を覆うカバー部材を像担持体から着脱するときにその処理が容易なカバー部材と、操作性の高いプロセスカートリッジ及び画像形成装置とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す構成図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置されるプロセスカートリッジを示す断面図である。
【図3】図2のプロセスカートリッジを示す斜視図である。
【図4】図2のプロセスカートリッジにおいてカバー部材が着脱される際の状態を示す裏面側斜視図である。
【図5】図1の画像形成装置にプロセスカートリッジを設置する工程を示す概略断面図である。
【図6】図5の続きの工程を示す概略断面図である。
【図7】図6の続きの工程を示す概略断面図である。
【図8】図7の続きの工程を示す概略断面図である。
【図9】図8の続きの工程を示す概略断面図である。
【図10】図5に示すプロセスカートリッジのX−X線における概略断面図である。
【図11】この発明の実施の形態2における画像形成装置にプロセスカートリッジを設置する工程を示す概略断面図である。
【図12】図11の続きの工程を示す概略断面図である。
【図13】図12の続きの工程を示す概略断面図である。
【図14】図13の続きの工程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
7 感光体ドラム(像担持体)、 7a 露出部、
14 画像形成装置本体、
30 係合部、 31 スプリング、 32 係合部材、
150、160 分割カバー部(カバー部材)、
160a、190a 凹部、
170 第1カバー部(カバー部材)、
180 蛇腹部(カバー部材)、
190 第2カバー部(カバー部材)、
200 係止部、 250 開口部、300 蓋部材、
B、BB、BC、BM、BY プロセスカートリッジ。
Claims (11)
- 像担持体の露呈部を覆う着脱自在のカバー部材であって、
前記像担持体から脱離した状態でコンパクト化可能に形成されたことを特徴とするカバー部材。 - 前記像担持体に対する着脱方向に対して伸縮自在に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のカバー部材。
- 前記像担持体の露呈部を開放する動作に連動して縮小することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカバー部材。
- 前記像担持体の露呈部を覆う動作に連動して伸長することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のカバー部材。
- 前記着脱方向に移動して重なる複数の分割カバー部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のカバー部材。
- 前記着脱方向に折り重なる蛇腹部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のカバー部材。
- 前記像担持体を具備し、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載のカバー部材を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 前記カバー部材は、紙からなることを特徴とする請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
- 請求項7又は請求項8に記載のプロセスカートリッジを着脱自在に設置したことを特徴とする画像形成装置。
- 前記プロセスカートリッジを装着する動作に連動して、前記カバー部材が縮小されるとともに前記プロセスカートリッジから取出されるように形成されたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記プロセスカートリッジを取出する動作に連動して、前記カバー部材が伸長されるとともに前記プロセスカートリッジに装着されるように形成されたことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の画像形成装置。
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