JP2004169661A - フィルターの粒子状物質浄化再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルターに熱負荷が加わらず,高い再生率が得られるようにして、耐久性,信頼性に優れ、且つ低コストで再生しうるフィルターの粒子状物質浄化再生方法を提供する。
【解決課題】粒子状物質PMを捕集した後のフィルター4を、洗剤の溶液Lに漬けて浸し,洗剤の溶液Lをフィルター4の隔壁5内に浸透させた後、フィルター4を洗剤の溶液Lから取り出し,排出ガスがフィルター4に流入する方向又は流出する方向から,フィルター4に、加圧空気を吹き込み,フィルター隔壁5内の排出ガス通路Gに生成された洗剤の溶液Lによる泡W,およびフィルター隔壁5内の排気ガス通路G内に残留した洗剤の溶液Lにより,フィルター隔壁5から剥がれた粒子状物質PMや未だフィルター隔壁5に付着している粒子状物質を、フィルター4の外部に押出すようにした。
【選択図】 図3
【解決課題】粒子状物質PMを捕集した後のフィルター4を、洗剤の溶液Lに漬けて浸し,洗剤の溶液Lをフィルター4の隔壁5内に浸透させた後、フィルター4を洗剤の溶液Lから取り出し,排出ガスがフィルター4に流入する方向又は流出する方向から,フィルター4に、加圧空気を吹き込み,フィルター隔壁5内の排出ガス通路Gに生成された洗剤の溶液Lによる泡W,およびフィルター隔壁5内の排気ガス通路G内に残留した洗剤の溶液Lにより,フィルター隔壁5から剥がれた粒子状物質PMや未だフィルター隔壁5に付着している粒子状物質を、フィルター4の外部に押出すようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルターの粒子状物質浄化再生方法に関し、特に、燃焼や酸化による再生方法ではなく、洗浄によりフィルターから粒子状物質を清掃し、除去する再生方法であり、再生時のフィルターに熱負荷が加わらず、高い再生効率が得られ、耐久性、信頼性が高く、低コストでフィルターを再生しうるフィルターの粒子状物質浄化再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(Diesel Particulate Matter、以下「PM」ともいう)を削減する方法として,排気系に設けられた粒子状物質捕集装置(以下「DPF装置」という。ここに「DPF」とは「DieselParticulate Filter」をいう。)により捕集するのが有効で、一部のディーゼル自動車に装着され,PM低減に効果を上げている。係るDPF装置では、排気(エンジン排出ガス)中のPMは、フィルターにより90%近く除去されるが、DPF装置のフィルターに捕集したPMが一定の量に達した時点で、捕集したPMをフィルターから除去する必要がある。
【0003】
フィルターに捕集したPMを除去する方法として、(1)フィルター上で電気ヒーター、ガスバーナー等によりPMの燃焼温度である600℃以上に加熱し、フィルターに捕集したPMを燃焼させてしまう方法、(2)フィルターに触媒を担持して、フィルターに捕集したPMを酸化させる方法、(3)フィルターの上流側に酸化触媒を配置して排出ガス中のNO2を増加させ、フィルターに捕集したPMを600℃以下の排出ガス温度で燃焼(酸化)させる方法、および(4)何らかの手段でフィルターからPMを除去し、フィルターを清掃してしまう方法の4つに大別できる。
【0004】
しかしながら、上記電気ヒーターや触媒等で自動的に捕集PMを燃焼又は酸化させる場合、フィルター全体に分布したPMを均一に燃焼又は酸化させることが難しいため、再生率[=(燃焼したPM量)/(捕集したPM量)×100 %]が低くなる(40〜50%程度)ことに加え、再生率がディーゼルエンジンの運転状態によって激しく上下に変化する特性がある。その際、再生率が低い状態でPM捕集を開始した場合には、その次の再生までに、PMが過剰に捕集されることになる。フィルターに過剰捕集したPMを電気ヒーター等で燃焼させて再生した場合、フィルターに高い熱負荷が生じ、フィルターの溶損や割れが発生する。また、フィルターで過剰に捕集されたPMが車両走行中の排気温度の高温時に自然着火して燃焼した場合も同様に、PM燃焼の発熱量が多くなり、フィルターが溶損し、フィルター機能が無くなる不具合が発生する。また、バーナー再生の場合では,再生率は高いが、再生時に常時、安定したバーナーの火炎形成が難しいため、バーナーの異常燃焼が発生し、再生不良が発生する。
【0005】
一方、一定距離の走行後、フィルターを車両の排気系から外し、電気炉等により破損、溶損を回避してPMを燃焼させて再生させる場合には、4〜5時間の長い時間が必要となる。この時間を短縮するためには、電気ヒーターを大型化し、PMが燃焼する600℃以上で且つフィルターが溶損しない1100℃以下の高温ガスを多量にフィルターに送り、PM燃焼によるフィルター温度の異常な上昇を防止する必要があるが、この高温ガスの生成のために、多大の加熱エネルギーが必要となる。そのため、この再生方法は再生時の運転コストが高く、実用性に劣る再生システムとなる。
【0006】
他方、上記酸化触媒再生システムのように、ある一定の排気温度(300℃程度)以下では再生機能が停止しまうので、このような状態で再生を行う場合には、車両走行中にPMは捕集され続けるため、過剰に捕集されることとなる。この過剰捕集の状態でPMが高温の排気温度に晒されたときには、PMが激しく燃焼し、フィルターに高い熱負荷が生じ、フィルターの溶損や割れが発生する。
【0007】
このように、従来、燃焼又は酸化の再生システムでは、再生率を完璧にコントロールすることが難しく、DPF装置のフィルターの破損を完全に防止することは難しい。
また、これまで空気のショックウェーブでフィルターからPMを除去する方法が試験された例もあるが、この方法ではPMの除去が不完全なことが明らかとなり、現在この再生方法の研究開発はほとんど中止されている。
【0008】
以上のように,従来、提案や市販されているDPF装置のフィルターの再生方法としては、そのほとんどがPMを燃焼(又は酸化)する方法である。しかし燃焼(又は酸化)によるDPF装置のフィルターの再生の方法は、その燃焼(又は酸化)をコントロールすることが技術的に難しいそのため,再生方法は何れも耐久性、信頼性、コスト、取扱い上の問題点等の何れかの面で問題がある。そのため、ディーゼル自動車に全面的には採用されていないのが現状である。
【0009】
他方、従来、フィルターを洗浄により再生する方法として、例えば、特開2001−50028号、実開平5−77526号、および特開平9−317444号公報に記載されたものが知られている。すわなち、特開2001−50028号公報のものは、DPF装置のフィルターの一端に、温水、酸系(フッ素酸化物)の液体、あるいはエア等の気体といった高圧流体を吹き付け、フィルターに捕集したPMを洗浄するDPF装置のフィルターの再生システムである。また、実開平5−77526号公報に記載されたものは、DPF装置の排出ガス導入側から洗浄液を供給し、DPF装置のフィルターを洗浄するシステムである。さらに、上記特開平9−50028号公報のものは、DPF装置のフィルターを洗浄する流体を、フィルターに吹き付けてフィルターを洗浄するようにした構成のシステムである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2001−50028号公報のものでは、フィルターの一端から高圧で吹き付けても、液体の場合はフィルターの端面のメッシュで圧損を生じ、フィルター内部壁まで流体が高圧で吹き付けられないため、フィルター内部の捕集PMは容易に除去できず、また、エアーといった気体を吹き付けた場合でも、フィルター内部に一箇所のPMが除去された時点でその部分に洗浄空気が流れ(その瞬間に当該部位で圧損を生じる)、他の目詰まりした部分は圧損が大きいため流れず、フィルター全体のPMを除去するのが困難になる問題があった。また、上記実開平5−77526号公報のものでは、ただ単にフィルターに洗浄液を供給するだけの構成に過ぎないため、フィルター内の微細な通路に捕集されたPMは容易に除去して排出できない、という不具合がある。さらに、特開平9−317444号公報のものでは、上記実開平9−317444号のものと同様に、フィルターに洗浄液を供給するだけの構成では、フィルター内の微細な通路に捕集されたPMは容易に除去できないという問題がある。
【0011】
そこで、本出願人は、燃焼(又は酸化)によるフィルターの再生ではなく、上記した4番目の洗浄方法により、フィルターからPMを清掃し、除去する再生方法に着目し、再生時にはフィルターに熱負荷が加わらず、高い再生率が得られ、耐久性,信頼性が高く、且つ低コストとなるフィルターの粒子状物質浄化再生方法の実現に向けて行った開発研究により、得られた知見に基づき、本発明を創案するに至った。
【0012】
発明は、上記問題点に鑑みて工夫されたものであり、燃焼(又は酸化)によるDPF装置の再生ではなく,洗浄によりフィルターからPMを清掃し,除去する再生方法により、再生時にはフィルターに熱負荷が加わらず,高い再生率が得られるようにして、耐久性,信頼性に優れ、且つ低コストで再生しうるフィルターの粒子状物質浄化再生方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、次のような構成を有する。すなわち、請求項1記載の発明は、ディーゼルエンジンの排気系に設けられた多孔質の隔壁を有するフィルターに、排出ガスを通過させることにより、排出ガス中に含まれる粒子状物質を捕集した後の上記フィルターを浄化する方法において、上記粒子状物質を捕集した後の上記フィルターを、洗剤の溶液に漬けて浸し,当該洗剤の溶液を上記フィルターの隔壁内に浸透させた後、上記フィルターを上記洗剤の溶液から取り出し,上記排出ガスが上記フィルターに上記流入する方向又は流出する方向から,上記フィルターに、加圧した高圧空気を吹き込み,上記フィルター隔壁内の排出ガス通路に生成された上記洗剤の溶液による泡,および上記フィルター隔壁内の排気ガス通路内に残留した洗剤の溶液により,上記フィルター隔壁から剥がれた粒子状物質や未だフィルター隔壁に付着している粒子状物質を、上記フィルターの外部に押出すようにした構成を採ることとした。
【0014】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、一定量の粒子状物質(PM)が、DPF装置のフィルターに捕集された時点で、排気系からDPF装置のフィルターを取り外し、フィルターを洗剤の溶液に漬けて浸すため、多孔質の微少孔(排出ガスの微細通路を形成する)を有するフィルター隔壁に、洗剤の溶液が十分に浸透していく。この状態で、高圧エアまたは高圧スチームといった空気をフィルターの流入側または流出側から加圧(吹き込ませる)することにより、フィルター隔壁の微細通路にある粒子状物質が、石鹸水等の洗剤の溶液によって生じる泡で押し出されるため、捕集された黒煙であるPMの除去効果を格段に向上できる。このため、石鹸水等の洗剤の溶液が有する界面活性作用により、DPF装置(粒子状物質捕集装置)の、セラミック製等で形成されたフィルター隔壁の表面や、その隔壁内部の微細な多孔質の排出ガスの通路に付着したディーゼルエンジンの潤滑油成分を含有したディーゼルのPMの粒子を、フィルターから剥がし落とすことができ、フィルターに熱負荷を加えることなく、高い再生率が得られ、耐久性、信頼性に優れ、低コストの再生システムが実現できるようになる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記洗剤の溶液に、上記粒子状物質を捕集したフィルターを漬けて浸す代わりに,上記フィルターに上記洗剤の溶液のシャワーを噴射するようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、洗剤の溶液をシャワーとしてフィルターに噴射するため、フィルター内部、隔壁に洗剤の溶液を十分に浸透させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記粒子状物質を捕集したフィルターを、上記洗剤の溶液に漬けて浸した際に,この洗剤の溶液に超音波振動を加えるようにしたことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、フィルターを漬けて浸した洗剤の溶液に、超音波振動を与えるので、フィルターに付着させて捕集した粒子状物質をフィルター隔壁から剥れるのを一層促進することができるようになる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記洗剤の溶液は、石鹸水、中性洗剤水または界面活性剤水溶液であることを特徴とする。洗剤の溶液をかかる構成とすることにより、洗剤の溶液の界面活性作用により、フィルター隔壁内の微細な排出ガスの通路に付着したエンジンの潤滑油成分を効果的に剥がすことが可能になる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記粒子状物質を捕集したフィルターを、上記洗剤の溶液に漬けて浸した後,上記フィルターに加圧した高圧空気を吹き込み,上記洗剤の溶液の泡と共に上記フィルター隔壁から剥がれた粒子状物質や未だフィルター隔壁に付着している粒子状物質を上記フィルターの外部に押出す工程を、複数回行うようにしたことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、フィルターを洗剤の溶液に浸す工程と、その工程の後に、加圧した高圧空気をフィルターに吹き込む工程とを複数回繰り返すようにしているため、それだけフィルターの洗浄再生率を向上することができるようになる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記粒子状物質の除去を終えた後のフィルターを、水のタンクに漬けるか,又は水シャワーを噴射することにより、上記洗剤の溶液を上記フィルターから洗い流して水洗いするようにしたことを特徴とする。請求項6記載の発明によれば、粒子状物質の除去を終えたフィルターを、水タンクに漬けたり、水シャワーで噴射したりするので、フィルター表面に付着する粒子状物質だけでなく、洗剤の溶液をもフィルターから洗い流して除去できるようになる。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記水洗いの後,ブロアによる空気を吹き付けることにより,上記フィルターを乾燥させるようにしたことを特徴とする。
この発明は、例えばヒータ付きのブロアによる温風や、常温の空気をフィルターに吹き付けるため、それだけフィルターの乾燥時間を短縮でき、ひいてはフィルター再生作業時間の短縮化を図ることができる。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記洗剤の溶液は,加熱した溶液であることを特徴とする。この発明では、洗剤の溶液を加熱した溶液であるため、作業場の温度が低くてもフィルターの洗浄を良好に行え、安定した再生効率を維持することができるようになる。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記高圧空気の代わりに、高圧蒸気を用いた構成であるため、捕集されたPMをフィルターから効果的に押し出すことができる。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法にかかり、上記フィルターは、触媒を担持する形態のフィルターであることを特徴とする。
この発明によれば、触媒を担持したタイプのフィルターであっても、排気系から触媒担持型のDPF装置からフィルターを取り外すことで、容易にフィルターを洗浄してPMを除去して再生することができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法を、図面に基づいて詳述する。なお、説明の順序として、フィルターの粒子状物質浄化再生方法に用いられる粒子状物質捕集装置(DPF装置)の構成、フィルターの粒子状物質浄化再生方法の構成、およびその粒子状物質浄化再生方法と共に粒子状物質が浄化再生されるメカニズムの順序に従って説明していくこととする。
【0025】
先ず、DPF装置の構成を、図1,図2に基づいて説明する。なお、図1、図2中における矢印は、排気ガス(排出ガス)の流れ方向を示す。すなわち、ディーゼルエンジン(図示されない)の排気系1(排気管)に設けられたDPF装置2は、ケース3の内部に、材質が例えば、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム等からなるコージェライト製のウォール・フロー・ハニカム式のフィルター4が着脱自在に内蔵され、フィルター4の上流側に酸化触媒手段を担持しないタイプのものである。このフィルター4は、ハニカム型の焼結体であって、そのハニカム隔壁5は多孔質の微細隙間で出来ており、エンジン性能への悪影響を少なくするため、この隔壁5(以下、場合によっては「ハニカム隔壁」ともいう)を通過する際の排出ガスの圧力損失は出来る限り低くするように作られている。したがって、フィルター4は、ディーゼル排出ガスがエンジンから図2の矢印方向に流れてくる場合に、フィルター4の多孔質ハニカム隔壁5を通過するときに、PM(粒子状物質)が隔壁5に捕集されるようにした構造であり、PMはハニカム隔壁5の排出ガスの上流側の表面と、隔壁5内の多孔質の微細なガス通路G(図5(a)参照、以下「排出ガス通路」あるいは「排気ガス通路」ともいう)とに捕集されるようになっている。
【0026】
次に、上記フィルター4(触媒を担持しないタイプ)を浄化再生するフィルターの粒子状物質浄化再生方法の構成を、図3に示されるフィルター浄化再生フロー図に基づいて説明する。すなわち、車両走行距離が、例えば250km程度に到達した場合のように、一定距離を走行した場合には(手順S1)、排気系1のDPF装置2からフィルター4を取り出す(手順S2)。次いで、手順S3において、PMを捕集したフィルター4を、石鹸水、中性洗剤水、あるいは界面活性剤水溶液などの洗剤の溶液(以下、場合によって「石鹸水」という)を満たしたタンク(図示しない)に、例えば約5分間程度漬けて浸す。手順S3で、フィルター4の隔壁5内部の微細なガス通路Gに、洗剤の溶液を十分に浸透させる。約5分経過した後、フィルター4を洗剤のタンクから取り出し(手順S4)、排出ガスが流出するフィルター4の出口側からフィルター4内に、コンプレッサ(図示しない)で生成された高圧エアを噴射ノズル(図示しない)を使用して約10分間程度吹き付け(手順S5)、捕集されたPMを除去する。この手順S3、手順S4,および手順S5までのサイクルは、所定回数を数えるまでは(手順S6において、YESと判断されるまでは)、手順S3〜5のサイクルが繰り返して行われ、所定回数を繰り返すに至ると、フィルター4を水タンクに漬けて水洗いにより洗浄する手順S7に進む。洗浄を終えた後、図4に示されるように、ヒータ付きブロア6の如き乾燥装置を用いて約10分間程度フィルター4が乾燥され(手順S8)、フィルターの浄化再生作業が完了する。再生を完了したフィルター4は、再びDPF装置2のケース3内に格納されて組み込まれる。
【0027】
なお、上記では、手順S1において、車両の走行距離で再生するかどうかを判断したが、例えば図1に示すように、排気管1のDPF装置2入り口側圧力(排気圧力)を計測するようにしてもよい。すなわち、排気管1に圧力センサ7を取り付け、この圧力センサ7で検出された電気信号により、バッテリ8で作動する圧力検知回路9が一定レベル以上の排気圧力に到達したことを検知した場合に、それをドライバーに知らせるようにしてフィルター再生時期の判断を行うようにしてもよい。
【0028】
次に、フィルター4に捕集された粒子状物質が、浄化再生されるメカニズムを、上記したフィルターの粒子状物質浄化再生方法とともに、図3,図5乃至図7に基づいて説明する。すなわち、ディーゼルエンジンのPMには、潤滑油の成分が含まれているため、DPF装置2のセラミックフィルター4の隔壁5の表面及び隔壁内部の排出ガス通路Gに付着したPMは、隔壁5に油分と共に付着している(図5参照)。一定量のPMがDPF装置2に捕集された時点で(手順S1)、車両からDPF装置2のフィルター4を外し(手順S2)、フィルター4を石鹸水等の洗剤の溶液Lで満たされたタンクに浸して、フィルター4に石鹸水を十分(約5分間程度)に浸透させる(手順S3)。すると、図6に示されるように、フィルター4を石鹸水,洗剤水(中性洗剤水を含む),界面活性剤水溶液等の洗剤の溶液Lに浸すことにより,石鹸水等Lの界面活性作用によりDPF装置2のセラミックフィルター隔壁5の表面及び内部の微細な排気ガス通路Gに付着した潤滑油成分が含まれているディーゼルのPMは、フィルター隔壁5から剥がされていくこととなる。
【0029】
次に、タンクからフィルター4を引き上げた後(手順S4)、フィルター隔壁5面から剥がした捕集PMは、高圧エア等を吹き付けることでDPF装置2から押し出されて再生される(手順S5)。すなわち、フィルター隔壁5の微細な排気ガス通路Gすべてに満遍なく石鹸水Lが浸透しているので、図6(a)に示されるように、フィルター隔壁に付着したPMは、隔壁5から遊離して剥がされた状態にある。ここにおいて、フィルター4の排気ガスの出口側より高圧エアを吹き付けると、図7に示されるように、隔壁5の微細な排気ガス通路Gの石鹸水Lの泡WでPMが、排気ガス通路Gから外へ押し出される。このように、フィルター4に高圧エアを吹き付けた場合(手順S5),フィルター隔壁5の微細な排気ガス通路Gに満たされた石鹸水Lや石鹸水の泡Wで通路Gを塞ぐため、フィルター4に吹き付けた高圧エアは、フィルター内の一部の排気ガス通路Gのみを吹き抜ける量が少なくなり、その結果、微細な排気ガス通路G内のPMを石鹸水Lや石鹸水の泡Wで効率良くフィルター4外に押し出すことが出来る。そして、手順S3、手順S4,手順S5を所定回数繰り返して行った後、フィルター4を水タンクに漬けて水洗いする(手順S7)。水洗いした後、図4に示すように、フィルター4を移動架台10に立ててセットし、ヒータ付きブロア6からの温風をフィルター4の上流側(排気ガス流入側)または下流側(排気ガスの流出側)から吹き付けて乾燥させ(手順S8)、フィルター4の浄化再生作業が終了し、フィルター4の再生使用が可能となる。
【0030】
本実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法によれば、フィルター4の隔壁5の微細な排気ガス通路Gすべてに満遍なく石鹸水Lを浸透させて,フィルター隔壁5に付着したPMを隔壁から剥がすと共に、DPF装置2の出口側より吹き付けた高圧エアで隔壁5の微細な排気ガス通路Gの石鹸水Lをシャボン玉状態となった泡WでPMを押し出すため、フィルター4に捕集したPMの80%以上が確実に除去でき、高再生率を実現できる。
【0031】
また、上記した従来ののものように、フィルターを洗浄により再生する場合では、再生率のバラツキにより生じる再生不良時の後に、PMを捕集したときには、一定の走行距離に対し、フィルターに捕集されるPMは過剰になり、その状態で車両を走行させた場合に生じる高温の排気ガスにより、捕集されたPMがフィルター内で自然燃焼する場合がある。この場合には、PMが過激に燃焼するため、フィルター4に高い熱負荷が生じ,フィルターの溶損や割れが発生する恐れがあったが、この不具合を防止するためには,フィルターに捕集されるPMを常に一定量以下に抑える必要がある。すなわち、捕集PMが一定量以下とすることで、自然燃焼してもフィルターの熱負荷は高くならず、フィルターの溶損や割れの不具合は発生しないからである。
したがって、本実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法によれば、再生不良を生じることがなく、常に高再生率が確保できるため、従来のもののようなPMの過剰な捕集がなく、結果として、高熱負荷によるフィルターの溶損や割れを確実に防止できる。
【0032】
また、本実施の形態によれば、フィルター4から除去したPMは、石鹸水の泡や石鹸水に沈着した状態にあるので、空気中に飛散し難く、排除したPMの廃棄処理を行い易くなるメリットがある。
【0033】
また、フィルター4からPMを除去する際に、PMを燃焼させることがないので、フィルターに熱負荷が加わらず、このため,燃焼再生時の熱負荷によるフィルターの割れやフィルター過熱による溶損を発生する危険は全くない。また、従来の電気炉内でPMを燃焼させる再生方法では,再生に4〜5時間を要していたが、本洗浄再生方法では約30分程度の短い再生時間で済むので、それだけ有利となる。さらに、フィルターを加熱するためのエネルギーが不要なため、経済的にも有利な再生方法である。
【0034】
以上、本実施の形態を具体的に詳述してきたが、具体的な構成はこの形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内のものも本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、触媒を担持しない態様のフィルターの場合について説明したが、本変形例のように触媒を担持するタイプのフィルターにも、上記した実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法を適用することができるものである。すなわち、触媒を担持したフィルターにおいては、通常不完全な再生に伴い局部的にPMが堆積する不具合がある。そこで、これを触媒再生式DPF装置として不具合なく長期に亘り使用していくためには、一定距離の走行毎にフィルターの局部的に多く堆積したPMを除去する必要がある。また、フィルターに堆積したアッシュ(灰)も確実に除去する必要がある。この局部的に堆積したPM及びアッシュ(灰)を確実に除去するため、上記実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法によって、定期的に触媒担持のフィルターを洗浄することが有効となる。
【0035】
すなわち、「一定距離の走行後」,または「走行時のDPF装置入口圧力が一定レベルに到達した時点」で車両から触媒担持のDPF装置のフィルターを外す。次にPM捕集後のフィルターを石鹸水に浸し,フィルター隔壁内に石鹸水を十分に浸透(約5分間)させ、DPF装置の出口側より高圧エア及び高圧スチーム等で,捕集PMをDPF装置から除去する(約10分間)。このサイクルを数回、繰り返してフィルターを洗浄した後、ヒータ付きブロアで乾燥させるようにしてもよい(約10分)。これにより、触媒再生DPF装置のフィルターのメンテナンスとしての再生を完了することができ、図3に示した上記実施の形態と同様のフィルター浄化再生方法により、上記実施の形態とほぼ同様の効果を奏する。
【0036】
また、上記実施の形態および上記変形例では、手順S3においてフィルターを洗剤溶液のタンクに漬けて浸すようにしたが、その代わりに、フィルターに洗剤の溶液のシャワーを噴射するようにしてもよい。これによって、フィルターに洗剤溶液を十分に浸透させることが可能となるものである。
また、上記実施の形態および上記変形例において、フィルター4を石鹸水Lに漬けて浸した際、タンク内の石鹸水Lに超音波の振動を加えるようにしてもよい。これによれば、フィルター隔壁面に付着したPMを剥がす作用を一層促進することができる。
【0037】
また、上記実施の形態および変形例では、手順S5において、高圧エアを吹き込むようにしたが、この代わりに高圧のスチーム(蒸気)を吹き込ませるようにしてもよい。
また、この場合において、上記実施の形態および変形例では、高圧エアまたは高圧のスチームを、フィルター4の排気ガスの流出側から流入側に向けて流すようにしたが、これを反対、すなわち、フィルター4の排気ガスの流入側から流出側に向けて吹き込ませるようにしてもよいのは言うまでもない。
【0038】
また、上記実施の形態および変形例では、手順S6において、手順S3から手順S5までのサイクル、すなわち、PMを捕集したフィルターを洗剤の溶液に浸した後、フィルターに加圧エアを吹き込み、洗剤の溶液の泡Wとともにフィルター隔壁5から剥がれたPMや未だフィルター隔壁に付着しているPMをフィルター4の外部に押し出すサイクルを所定回数行うように構成したが、回数は一回でもよい。
また、上記実施の形態および変形例では、手順S7において、PM除去後のフィルター4を、水のタンクに漬けて水洗いしたが、水シャワーで洗剤溶液をフィルターから洗い流すようにしてもよいものである。
また、上記実施の形態および変形例では、手順S8で使用するブロアは、ヒータ付きブロア6であったが、ヒータ付きブロアでなくてもよいものである。
また、上記実施の形態および変形例における洗剤の溶液は、加熱しない溶液であったが、加熱した溶液であってもよく、これによりPMの洗浄効果を一層向上できる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法によれば、粒子状物質捕集装置のフィルターで捕集した粒子状物質を除去するために、洗剤の溶液(または洗剤と水)の他に、加圧エアを用いることを特徴としている。このため、フィルターの隔壁の微細な排気ガス通路すべてに満遍なく石鹸水等の洗剤の溶液を浸透させて,フィルター隔壁に付着した粒子状物質を隔壁から剥がすと共に、粒子状物質捕集装置の流入側または流入側より吹き付けた高圧エアで隔壁の微細な排気ガス通路の石鹸水等をシャボン玉状態となった泡で粒子状物質を押し出すことができるため、フィルターに捕集した粒子状物質(黒煙微粒子)の80%以上を確実に除去でき、高再生率を実現できる効果を奏する。
【0040】
また、フィルター再生不良時の後に走行して粒子状物質が過剰に捕集され、これが自然燃焼した場合には、捕集粒子状物質の過激燃焼による高い熱負荷が生じてフィルターの溶損や割れが発生する、しかしながら、本発明によれば、高再生率で且つ再生率のバラツキが少ないため、このようなフィルター溶損や割れの発生を効果的に回避できる効果を奏する。
【0041】
また、本発明では、フィルター再生時には捕集した粒子状物質は燃焼することなく再生するものであるため、フィルターに熱負荷が発生せず、したがって、熱負荷による割れや過熱による溶損を生じる危険を回避できる効果を奏する。
また、本発明によれば、従来のような電気炉で燃焼させて再生するもののように、フィルターの再生に4〜5時間を要していたものとは異なり、約30分程度の短時間で多量の黒煙微粒子を除去してフィルターの再生を行えるので、再生時間の大幅短縮を図れる実用性の高いフィルター再生方法を得る効果を奏する。
また、本発明によれば、フィルター再生のために、フィルターを加熱する必要がないので、加熱のためのエネルギーコストを著しく低減できて経済的となる効果を奏する。
【0042】
また、本発明では、自己再生装置を設けることなくフィルターの再生ができるため、フィルター再生を低コストで行え、再生装置の故障、誤作動を懸念する必要も全くなく、信頼性の高いフィルターの粒子状物質浄化再生方法を実現できる効果を奏する。
また、本発明によれば、触媒を担持したタイプのフィルターも、洗浄して再生できるため、触媒再生型粒子状物質捕集装置の信頼性、耐久性を大幅に向上できる効果を奏する。
【0043】
また、請求項2記載の発明によれば、洗剤の溶液をシャワーとしてフィルターに噴射するため、フィルター内部、隔壁に洗剤の溶液を十分に浸透させることができる効果を奏する。
【0044】
また、請求項3記載の発明によれば、フィルターを漬けて浸した洗剤の溶液に、超音波振動を与えるので、フィルターに付着させて捕集した粒子状物質をフィルター隔壁から剥れるのを一層促進することができる効果を奏する。
【0045】
また、請求項4記載の発明によれば、洗剤の溶液が有する界面活性作用により、フィルター隔壁内の微細な排出ガスの通路に付着したエンジンの潤滑油成分を効果的に剥がすことができる効果を奏する。
【0046】
また、請求項5記載の発明によれば、フィルターを洗剤の溶液に浸す手順と、その手順の後に、加圧した高圧空気をフィルターに吹き込む手順とを複数回繰り返すようにしているため、それだけフィルターの洗浄再生率を向上することができる効果を奏する。
【0047】
また、請求項6記載の発明によれば、粒子状物質の除去を終えたフィルターを、水タンクに漬けたり、水シャワーで噴射したりするので、フィルター表面に付着する粒子状物質だけでなく、洗剤の溶液をもフィルターから洗い流して除去できる効果を奏する。
【0048】
また、請求項7記載の発明によれば、例えばヒータ付きのブロアによる温風や、常温の空気をフィルターに吹き付けるため、それだけフィルターの乾燥時間を短縮でき、ひいてはフィルター再生作業時間の短縮化を図ることができる効果を奏する。
【0049】
また、請求項8記載の発明によれば、洗剤の溶液を加熱した溶液であるため、作業場の温度が低くてもフィルターの洗浄を良好に行え、安定した再生効率を維持することができる効果を奏する。
【0050】
また、請求項9記載の発明によれば、高圧空気の代わりに、高圧蒸気を用いてフィルター隔壁から剥がれた黒煙微粒子をブローして吹き飛ばす構成であるため、捕集されたPMをフィルターからより一層効果的に押し出すことができる効果を奏する。
【0051】
また、請求項10記載の発明によれば、触媒を担持したタイプのフィルターであっても、排気系から触媒担持型のDPF装置からフィルターを取り外すことで、容易にフィルターを洗浄してPMを除去して再生することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係るDPF装置の、一部を破断して断面で示した粒子状物質捕集システム図である。
【図2】フィルターの一部分において、PMの捕集が行われるメカニズムを説明する要部拡大断面図である。
【図3】本発明のフィルターの粒子状物質浄化再生方法における、フィルター浄化再生フロー図である。
【図4】フィルターを乾燥する装置の外観斜視図である。
【図5】フィルター隔壁上のPM捕集状態を説明する図で、(a)はそのフィルター隔壁の断面図、(b)は(a)の丸部における部分拡大図である。
【図6】石鹸水によるフィルター隔壁からのPMの剥がれを説明する図で、(a)はそのフィルター隔壁の断面図、(b)は(a)の丸部における部分拡大図である。
【図7】石鹸水によるフィルター隔壁からのPMの押し出し現象を説明する図で、(a)はフィルター隔壁の断面図、(b)は(a)の丸部における部分拡大図である。
【符号の説明】
1…排気管(排気系)
2…DPF装置
3…ケース
4…フィルター
5…隔壁
6…ヒータブロア
7…圧力センサ
G…排気ガス通路
L…石鹸水
PM…粒子状物質
W…泡
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルターの粒子状物質浄化再生方法に関し、特に、燃焼や酸化による再生方法ではなく、洗浄によりフィルターから粒子状物質を清掃し、除去する再生方法であり、再生時のフィルターに熱負荷が加わらず、高い再生効率が得られ、耐久性、信頼性が高く、低コストでフィルターを再生しうるフィルターの粒子状物質浄化再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(Diesel Particulate Matter、以下「PM」ともいう)を削減する方法として,排気系に設けられた粒子状物質捕集装置(以下「DPF装置」という。ここに「DPF」とは「DieselParticulate Filter」をいう。)により捕集するのが有効で、一部のディーゼル自動車に装着され,PM低減に効果を上げている。係るDPF装置では、排気(エンジン排出ガス)中のPMは、フィルターにより90%近く除去されるが、DPF装置のフィルターに捕集したPMが一定の量に達した時点で、捕集したPMをフィルターから除去する必要がある。
【0003】
フィルターに捕集したPMを除去する方法として、(1)フィルター上で電気ヒーター、ガスバーナー等によりPMの燃焼温度である600℃以上に加熱し、フィルターに捕集したPMを燃焼させてしまう方法、(2)フィルターに触媒を担持して、フィルターに捕集したPMを酸化させる方法、(3)フィルターの上流側に酸化触媒を配置して排出ガス中のNO2を増加させ、フィルターに捕集したPMを600℃以下の排出ガス温度で燃焼(酸化)させる方法、および(4)何らかの手段でフィルターからPMを除去し、フィルターを清掃してしまう方法の4つに大別できる。
【0004】
しかしながら、上記電気ヒーターや触媒等で自動的に捕集PMを燃焼又は酸化させる場合、フィルター全体に分布したPMを均一に燃焼又は酸化させることが難しいため、再生率[=(燃焼したPM量)/(捕集したPM量)×100 %]が低くなる(40〜50%程度)ことに加え、再生率がディーゼルエンジンの運転状態によって激しく上下に変化する特性がある。その際、再生率が低い状態でPM捕集を開始した場合には、その次の再生までに、PMが過剰に捕集されることになる。フィルターに過剰捕集したPMを電気ヒーター等で燃焼させて再生した場合、フィルターに高い熱負荷が生じ、フィルターの溶損や割れが発生する。また、フィルターで過剰に捕集されたPMが車両走行中の排気温度の高温時に自然着火して燃焼した場合も同様に、PM燃焼の発熱量が多くなり、フィルターが溶損し、フィルター機能が無くなる不具合が発生する。また、バーナー再生の場合では,再生率は高いが、再生時に常時、安定したバーナーの火炎形成が難しいため、バーナーの異常燃焼が発生し、再生不良が発生する。
【0005】
一方、一定距離の走行後、フィルターを車両の排気系から外し、電気炉等により破損、溶損を回避してPMを燃焼させて再生させる場合には、4〜5時間の長い時間が必要となる。この時間を短縮するためには、電気ヒーターを大型化し、PMが燃焼する600℃以上で且つフィルターが溶損しない1100℃以下の高温ガスを多量にフィルターに送り、PM燃焼によるフィルター温度の異常な上昇を防止する必要があるが、この高温ガスの生成のために、多大の加熱エネルギーが必要となる。そのため、この再生方法は再生時の運転コストが高く、実用性に劣る再生システムとなる。
【0006】
他方、上記酸化触媒再生システムのように、ある一定の排気温度(300℃程度)以下では再生機能が停止しまうので、このような状態で再生を行う場合には、車両走行中にPMは捕集され続けるため、過剰に捕集されることとなる。この過剰捕集の状態でPMが高温の排気温度に晒されたときには、PMが激しく燃焼し、フィルターに高い熱負荷が生じ、フィルターの溶損や割れが発生する。
【0007】
このように、従来、燃焼又は酸化の再生システムでは、再生率を完璧にコントロールすることが難しく、DPF装置のフィルターの破損を完全に防止することは難しい。
また、これまで空気のショックウェーブでフィルターからPMを除去する方法が試験された例もあるが、この方法ではPMの除去が不完全なことが明らかとなり、現在この再生方法の研究開発はほとんど中止されている。
【0008】
以上のように,従来、提案や市販されているDPF装置のフィルターの再生方法としては、そのほとんどがPMを燃焼(又は酸化)する方法である。しかし燃焼(又は酸化)によるDPF装置のフィルターの再生の方法は、その燃焼(又は酸化)をコントロールすることが技術的に難しいそのため,再生方法は何れも耐久性、信頼性、コスト、取扱い上の問題点等の何れかの面で問題がある。そのため、ディーゼル自動車に全面的には採用されていないのが現状である。
【0009】
他方、従来、フィルターを洗浄により再生する方法として、例えば、特開2001−50028号、実開平5−77526号、および特開平9−317444号公報に記載されたものが知られている。すわなち、特開2001−50028号公報のものは、DPF装置のフィルターの一端に、温水、酸系(フッ素酸化物)の液体、あるいはエア等の気体といった高圧流体を吹き付け、フィルターに捕集したPMを洗浄するDPF装置のフィルターの再生システムである。また、実開平5−77526号公報に記載されたものは、DPF装置の排出ガス導入側から洗浄液を供給し、DPF装置のフィルターを洗浄するシステムである。さらに、上記特開平9−50028号公報のものは、DPF装置のフィルターを洗浄する流体を、フィルターに吹き付けてフィルターを洗浄するようにした構成のシステムである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2001−50028号公報のものでは、フィルターの一端から高圧で吹き付けても、液体の場合はフィルターの端面のメッシュで圧損を生じ、フィルター内部壁まで流体が高圧で吹き付けられないため、フィルター内部の捕集PMは容易に除去できず、また、エアーといった気体を吹き付けた場合でも、フィルター内部に一箇所のPMが除去された時点でその部分に洗浄空気が流れ(その瞬間に当該部位で圧損を生じる)、他の目詰まりした部分は圧損が大きいため流れず、フィルター全体のPMを除去するのが困難になる問題があった。また、上記実開平5−77526号公報のものでは、ただ単にフィルターに洗浄液を供給するだけの構成に過ぎないため、フィルター内の微細な通路に捕集されたPMは容易に除去して排出できない、という不具合がある。さらに、特開平9−317444号公報のものでは、上記実開平9−317444号のものと同様に、フィルターに洗浄液を供給するだけの構成では、フィルター内の微細な通路に捕集されたPMは容易に除去できないという問題がある。
【0011】
そこで、本出願人は、燃焼(又は酸化)によるフィルターの再生ではなく、上記した4番目の洗浄方法により、フィルターからPMを清掃し、除去する再生方法に着目し、再生時にはフィルターに熱負荷が加わらず、高い再生率が得られ、耐久性,信頼性が高く、且つ低コストとなるフィルターの粒子状物質浄化再生方法の実現に向けて行った開発研究により、得られた知見に基づき、本発明を創案するに至った。
【0012】
発明は、上記問題点に鑑みて工夫されたものであり、燃焼(又は酸化)によるDPF装置の再生ではなく,洗浄によりフィルターからPMを清掃し,除去する再生方法により、再生時にはフィルターに熱負荷が加わらず,高い再生率が得られるようにして、耐久性,信頼性に優れ、且つ低コストで再生しうるフィルターの粒子状物質浄化再生方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、次のような構成を有する。すなわち、請求項1記載の発明は、ディーゼルエンジンの排気系に設けられた多孔質の隔壁を有するフィルターに、排出ガスを通過させることにより、排出ガス中に含まれる粒子状物質を捕集した後の上記フィルターを浄化する方法において、上記粒子状物質を捕集した後の上記フィルターを、洗剤の溶液に漬けて浸し,当該洗剤の溶液を上記フィルターの隔壁内に浸透させた後、上記フィルターを上記洗剤の溶液から取り出し,上記排出ガスが上記フィルターに上記流入する方向又は流出する方向から,上記フィルターに、加圧した高圧空気を吹き込み,上記フィルター隔壁内の排出ガス通路に生成された上記洗剤の溶液による泡,および上記フィルター隔壁内の排気ガス通路内に残留した洗剤の溶液により,上記フィルター隔壁から剥がれた粒子状物質や未だフィルター隔壁に付着している粒子状物質を、上記フィルターの外部に押出すようにした構成を採ることとした。
【0014】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、一定量の粒子状物質(PM)が、DPF装置のフィルターに捕集された時点で、排気系からDPF装置のフィルターを取り外し、フィルターを洗剤の溶液に漬けて浸すため、多孔質の微少孔(排出ガスの微細通路を形成する)を有するフィルター隔壁に、洗剤の溶液が十分に浸透していく。この状態で、高圧エアまたは高圧スチームといった空気をフィルターの流入側または流出側から加圧(吹き込ませる)することにより、フィルター隔壁の微細通路にある粒子状物質が、石鹸水等の洗剤の溶液によって生じる泡で押し出されるため、捕集された黒煙であるPMの除去効果を格段に向上できる。このため、石鹸水等の洗剤の溶液が有する界面活性作用により、DPF装置(粒子状物質捕集装置)の、セラミック製等で形成されたフィルター隔壁の表面や、その隔壁内部の微細な多孔質の排出ガスの通路に付着したディーゼルエンジンの潤滑油成分を含有したディーゼルのPMの粒子を、フィルターから剥がし落とすことができ、フィルターに熱負荷を加えることなく、高い再生率が得られ、耐久性、信頼性に優れ、低コストの再生システムが実現できるようになる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記洗剤の溶液に、上記粒子状物質を捕集したフィルターを漬けて浸す代わりに,上記フィルターに上記洗剤の溶液のシャワーを噴射するようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、洗剤の溶液をシャワーとしてフィルターに噴射するため、フィルター内部、隔壁に洗剤の溶液を十分に浸透させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記粒子状物質を捕集したフィルターを、上記洗剤の溶液に漬けて浸した際に,この洗剤の溶液に超音波振動を加えるようにしたことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、フィルターを漬けて浸した洗剤の溶液に、超音波振動を与えるので、フィルターに付着させて捕集した粒子状物質をフィルター隔壁から剥れるのを一層促進することができるようになる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記洗剤の溶液は、石鹸水、中性洗剤水または界面活性剤水溶液であることを特徴とする。洗剤の溶液をかかる構成とすることにより、洗剤の溶液の界面活性作用により、フィルター隔壁内の微細な排出ガスの通路に付着したエンジンの潤滑油成分を効果的に剥がすことが可能になる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記粒子状物質を捕集したフィルターを、上記洗剤の溶液に漬けて浸した後,上記フィルターに加圧した高圧空気を吹き込み,上記洗剤の溶液の泡と共に上記フィルター隔壁から剥がれた粒子状物質や未だフィルター隔壁に付着している粒子状物質を上記フィルターの外部に押出す工程を、複数回行うようにしたことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、フィルターを洗剤の溶液に浸す工程と、その工程の後に、加圧した高圧空気をフィルターに吹き込む工程とを複数回繰り返すようにしているため、それだけフィルターの洗浄再生率を向上することができるようになる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記粒子状物質の除去を終えた後のフィルターを、水のタンクに漬けるか,又は水シャワーを噴射することにより、上記洗剤の溶液を上記フィルターから洗い流して水洗いするようにしたことを特徴とする。請求項6記載の発明によれば、粒子状物質の除去を終えたフィルターを、水タンクに漬けたり、水シャワーで噴射したりするので、フィルター表面に付着する粒子状物質だけでなく、洗剤の溶液をもフィルターから洗い流して除去できるようになる。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記水洗いの後,ブロアによる空気を吹き付けることにより,上記フィルターを乾燥させるようにしたことを特徴とする。
この発明は、例えばヒータ付きのブロアによる温風や、常温の空気をフィルターに吹き付けるため、それだけフィルターの乾燥時間を短縮でき、ひいてはフィルター再生作業時間の短縮化を図ることができる。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記洗剤の溶液は,加熱した溶液であることを特徴とする。この発明では、洗剤の溶液を加熱した溶液であるため、作業場の温度が低くてもフィルターの洗浄を良好に行え、安定した再生効率を維持することができるようになる。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係り、上記高圧空気の代わりに、高圧蒸気を用いた構成であるため、捕集されたPMをフィルターから効果的に押し出すことができる。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法にかかり、上記フィルターは、触媒を担持する形態のフィルターであることを特徴とする。
この発明によれば、触媒を担持したタイプのフィルターであっても、排気系から触媒担持型のDPF装置からフィルターを取り外すことで、容易にフィルターを洗浄してPMを除去して再生することができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法を、図面に基づいて詳述する。なお、説明の順序として、フィルターの粒子状物質浄化再生方法に用いられる粒子状物質捕集装置(DPF装置)の構成、フィルターの粒子状物質浄化再生方法の構成、およびその粒子状物質浄化再生方法と共に粒子状物質が浄化再生されるメカニズムの順序に従って説明していくこととする。
【0025】
先ず、DPF装置の構成を、図1,図2に基づいて説明する。なお、図1、図2中における矢印は、排気ガス(排出ガス)の流れ方向を示す。すなわち、ディーゼルエンジン(図示されない)の排気系1(排気管)に設けられたDPF装置2は、ケース3の内部に、材質が例えば、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム等からなるコージェライト製のウォール・フロー・ハニカム式のフィルター4が着脱自在に内蔵され、フィルター4の上流側に酸化触媒手段を担持しないタイプのものである。このフィルター4は、ハニカム型の焼結体であって、そのハニカム隔壁5は多孔質の微細隙間で出来ており、エンジン性能への悪影響を少なくするため、この隔壁5(以下、場合によっては「ハニカム隔壁」ともいう)を通過する際の排出ガスの圧力損失は出来る限り低くするように作られている。したがって、フィルター4は、ディーゼル排出ガスがエンジンから図2の矢印方向に流れてくる場合に、フィルター4の多孔質ハニカム隔壁5を通過するときに、PM(粒子状物質)が隔壁5に捕集されるようにした構造であり、PMはハニカム隔壁5の排出ガスの上流側の表面と、隔壁5内の多孔質の微細なガス通路G(図5(a)参照、以下「排出ガス通路」あるいは「排気ガス通路」ともいう)とに捕集されるようになっている。
【0026】
次に、上記フィルター4(触媒を担持しないタイプ)を浄化再生するフィルターの粒子状物質浄化再生方法の構成を、図3に示されるフィルター浄化再生フロー図に基づいて説明する。すなわち、車両走行距離が、例えば250km程度に到達した場合のように、一定距離を走行した場合には(手順S1)、排気系1のDPF装置2からフィルター4を取り出す(手順S2)。次いで、手順S3において、PMを捕集したフィルター4を、石鹸水、中性洗剤水、あるいは界面活性剤水溶液などの洗剤の溶液(以下、場合によって「石鹸水」という)を満たしたタンク(図示しない)に、例えば約5分間程度漬けて浸す。手順S3で、フィルター4の隔壁5内部の微細なガス通路Gに、洗剤の溶液を十分に浸透させる。約5分経過した後、フィルター4を洗剤のタンクから取り出し(手順S4)、排出ガスが流出するフィルター4の出口側からフィルター4内に、コンプレッサ(図示しない)で生成された高圧エアを噴射ノズル(図示しない)を使用して約10分間程度吹き付け(手順S5)、捕集されたPMを除去する。この手順S3、手順S4,および手順S5までのサイクルは、所定回数を数えるまでは(手順S6において、YESと判断されるまでは)、手順S3〜5のサイクルが繰り返して行われ、所定回数を繰り返すに至ると、フィルター4を水タンクに漬けて水洗いにより洗浄する手順S7に進む。洗浄を終えた後、図4に示されるように、ヒータ付きブロア6の如き乾燥装置を用いて約10分間程度フィルター4が乾燥され(手順S8)、フィルターの浄化再生作業が完了する。再生を完了したフィルター4は、再びDPF装置2のケース3内に格納されて組み込まれる。
【0027】
なお、上記では、手順S1において、車両の走行距離で再生するかどうかを判断したが、例えば図1に示すように、排気管1のDPF装置2入り口側圧力(排気圧力)を計測するようにしてもよい。すなわち、排気管1に圧力センサ7を取り付け、この圧力センサ7で検出された電気信号により、バッテリ8で作動する圧力検知回路9が一定レベル以上の排気圧力に到達したことを検知した場合に、それをドライバーに知らせるようにしてフィルター再生時期の判断を行うようにしてもよい。
【0028】
次に、フィルター4に捕集された粒子状物質が、浄化再生されるメカニズムを、上記したフィルターの粒子状物質浄化再生方法とともに、図3,図5乃至図7に基づいて説明する。すなわち、ディーゼルエンジンのPMには、潤滑油の成分が含まれているため、DPF装置2のセラミックフィルター4の隔壁5の表面及び隔壁内部の排出ガス通路Gに付着したPMは、隔壁5に油分と共に付着している(図5参照)。一定量のPMがDPF装置2に捕集された時点で(手順S1)、車両からDPF装置2のフィルター4を外し(手順S2)、フィルター4を石鹸水等の洗剤の溶液Lで満たされたタンクに浸して、フィルター4に石鹸水を十分(約5分間程度)に浸透させる(手順S3)。すると、図6に示されるように、フィルター4を石鹸水,洗剤水(中性洗剤水を含む),界面活性剤水溶液等の洗剤の溶液Lに浸すことにより,石鹸水等Lの界面活性作用によりDPF装置2のセラミックフィルター隔壁5の表面及び内部の微細な排気ガス通路Gに付着した潤滑油成分が含まれているディーゼルのPMは、フィルター隔壁5から剥がされていくこととなる。
【0029】
次に、タンクからフィルター4を引き上げた後(手順S4)、フィルター隔壁5面から剥がした捕集PMは、高圧エア等を吹き付けることでDPF装置2から押し出されて再生される(手順S5)。すなわち、フィルター隔壁5の微細な排気ガス通路Gすべてに満遍なく石鹸水Lが浸透しているので、図6(a)に示されるように、フィルター隔壁に付着したPMは、隔壁5から遊離して剥がされた状態にある。ここにおいて、フィルター4の排気ガスの出口側より高圧エアを吹き付けると、図7に示されるように、隔壁5の微細な排気ガス通路Gの石鹸水Lの泡WでPMが、排気ガス通路Gから外へ押し出される。このように、フィルター4に高圧エアを吹き付けた場合(手順S5),フィルター隔壁5の微細な排気ガス通路Gに満たされた石鹸水Lや石鹸水の泡Wで通路Gを塞ぐため、フィルター4に吹き付けた高圧エアは、フィルター内の一部の排気ガス通路Gのみを吹き抜ける量が少なくなり、その結果、微細な排気ガス通路G内のPMを石鹸水Lや石鹸水の泡Wで効率良くフィルター4外に押し出すことが出来る。そして、手順S3、手順S4,手順S5を所定回数繰り返して行った後、フィルター4を水タンクに漬けて水洗いする(手順S7)。水洗いした後、図4に示すように、フィルター4を移動架台10に立ててセットし、ヒータ付きブロア6からの温風をフィルター4の上流側(排気ガス流入側)または下流側(排気ガスの流出側)から吹き付けて乾燥させ(手順S8)、フィルター4の浄化再生作業が終了し、フィルター4の再生使用が可能となる。
【0030】
本実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法によれば、フィルター4の隔壁5の微細な排気ガス通路Gすべてに満遍なく石鹸水Lを浸透させて,フィルター隔壁5に付着したPMを隔壁から剥がすと共に、DPF装置2の出口側より吹き付けた高圧エアで隔壁5の微細な排気ガス通路Gの石鹸水Lをシャボン玉状態となった泡WでPMを押し出すため、フィルター4に捕集したPMの80%以上が確実に除去でき、高再生率を実現できる。
【0031】
また、上記した従来ののものように、フィルターを洗浄により再生する場合では、再生率のバラツキにより生じる再生不良時の後に、PMを捕集したときには、一定の走行距離に対し、フィルターに捕集されるPMは過剰になり、その状態で車両を走行させた場合に生じる高温の排気ガスにより、捕集されたPMがフィルター内で自然燃焼する場合がある。この場合には、PMが過激に燃焼するため、フィルター4に高い熱負荷が生じ,フィルターの溶損や割れが発生する恐れがあったが、この不具合を防止するためには,フィルターに捕集されるPMを常に一定量以下に抑える必要がある。すなわち、捕集PMが一定量以下とすることで、自然燃焼してもフィルターの熱負荷は高くならず、フィルターの溶損や割れの不具合は発生しないからである。
したがって、本実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法によれば、再生不良を生じることがなく、常に高再生率が確保できるため、従来のもののようなPMの過剰な捕集がなく、結果として、高熱負荷によるフィルターの溶損や割れを確実に防止できる。
【0032】
また、本実施の形態によれば、フィルター4から除去したPMは、石鹸水の泡や石鹸水に沈着した状態にあるので、空気中に飛散し難く、排除したPMの廃棄処理を行い易くなるメリットがある。
【0033】
また、フィルター4からPMを除去する際に、PMを燃焼させることがないので、フィルターに熱負荷が加わらず、このため,燃焼再生時の熱負荷によるフィルターの割れやフィルター過熱による溶損を発生する危険は全くない。また、従来の電気炉内でPMを燃焼させる再生方法では,再生に4〜5時間を要していたが、本洗浄再生方法では約30分程度の短い再生時間で済むので、それだけ有利となる。さらに、フィルターを加熱するためのエネルギーが不要なため、経済的にも有利な再生方法である。
【0034】
以上、本実施の形態を具体的に詳述してきたが、具体的な構成はこの形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内のものも本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、触媒を担持しない態様のフィルターの場合について説明したが、本変形例のように触媒を担持するタイプのフィルターにも、上記した実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法を適用することができるものである。すなわち、触媒を担持したフィルターにおいては、通常不完全な再生に伴い局部的にPMが堆積する不具合がある。そこで、これを触媒再生式DPF装置として不具合なく長期に亘り使用していくためには、一定距離の走行毎にフィルターの局部的に多く堆積したPMを除去する必要がある。また、フィルターに堆積したアッシュ(灰)も確実に除去する必要がある。この局部的に堆積したPM及びアッシュ(灰)を確実に除去するため、上記実施の形態に係るフィルターの粒子状物質浄化再生方法によって、定期的に触媒担持のフィルターを洗浄することが有効となる。
【0035】
すなわち、「一定距離の走行後」,または「走行時のDPF装置入口圧力が一定レベルに到達した時点」で車両から触媒担持のDPF装置のフィルターを外す。次にPM捕集後のフィルターを石鹸水に浸し,フィルター隔壁内に石鹸水を十分に浸透(約5分間)させ、DPF装置の出口側より高圧エア及び高圧スチーム等で,捕集PMをDPF装置から除去する(約10分間)。このサイクルを数回、繰り返してフィルターを洗浄した後、ヒータ付きブロアで乾燥させるようにしてもよい(約10分)。これにより、触媒再生DPF装置のフィルターのメンテナンスとしての再生を完了することができ、図3に示した上記実施の形態と同様のフィルター浄化再生方法により、上記実施の形態とほぼ同様の効果を奏する。
【0036】
また、上記実施の形態および上記変形例では、手順S3においてフィルターを洗剤溶液のタンクに漬けて浸すようにしたが、その代わりに、フィルターに洗剤の溶液のシャワーを噴射するようにしてもよい。これによって、フィルターに洗剤溶液を十分に浸透させることが可能となるものである。
また、上記実施の形態および上記変形例において、フィルター4を石鹸水Lに漬けて浸した際、タンク内の石鹸水Lに超音波の振動を加えるようにしてもよい。これによれば、フィルター隔壁面に付着したPMを剥がす作用を一層促進することができる。
【0037】
また、上記実施の形態および変形例では、手順S5において、高圧エアを吹き込むようにしたが、この代わりに高圧のスチーム(蒸気)を吹き込ませるようにしてもよい。
また、この場合において、上記実施の形態および変形例では、高圧エアまたは高圧のスチームを、フィルター4の排気ガスの流出側から流入側に向けて流すようにしたが、これを反対、すなわち、フィルター4の排気ガスの流入側から流出側に向けて吹き込ませるようにしてもよいのは言うまでもない。
【0038】
また、上記実施の形態および変形例では、手順S6において、手順S3から手順S5までのサイクル、すなわち、PMを捕集したフィルターを洗剤の溶液に浸した後、フィルターに加圧エアを吹き込み、洗剤の溶液の泡Wとともにフィルター隔壁5から剥がれたPMや未だフィルター隔壁に付着しているPMをフィルター4の外部に押し出すサイクルを所定回数行うように構成したが、回数は一回でもよい。
また、上記実施の形態および変形例では、手順S7において、PM除去後のフィルター4を、水のタンクに漬けて水洗いしたが、水シャワーで洗剤溶液をフィルターから洗い流すようにしてもよいものである。
また、上記実施の形態および変形例では、手順S8で使用するブロアは、ヒータ付きブロア6であったが、ヒータ付きブロアでなくてもよいものである。
また、上記実施の形態および変形例における洗剤の溶液は、加熱しない溶液であったが、加熱した溶液であってもよく、これによりPMの洗浄効果を一層向上できる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法によれば、粒子状物質捕集装置のフィルターで捕集した粒子状物質を除去するために、洗剤の溶液(または洗剤と水)の他に、加圧エアを用いることを特徴としている。このため、フィルターの隔壁の微細な排気ガス通路すべてに満遍なく石鹸水等の洗剤の溶液を浸透させて,フィルター隔壁に付着した粒子状物質を隔壁から剥がすと共に、粒子状物質捕集装置の流入側または流入側より吹き付けた高圧エアで隔壁の微細な排気ガス通路の石鹸水等をシャボン玉状態となった泡で粒子状物質を押し出すことができるため、フィルターに捕集した粒子状物質(黒煙微粒子)の80%以上を確実に除去でき、高再生率を実現できる効果を奏する。
【0040】
また、フィルター再生不良時の後に走行して粒子状物質が過剰に捕集され、これが自然燃焼した場合には、捕集粒子状物質の過激燃焼による高い熱負荷が生じてフィルターの溶損や割れが発生する、しかしながら、本発明によれば、高再生率で且つ再生率のバラツキが少ないため、このようなフィルター溶損や割れの発生を効果的に回避できる効果を奏する。
【0041】
また、本発明では、フィルター再生時には捕集した粒子状物質は燃焼することなく再生するものであるため、フィルターに熱負荷が発生せず、したがって、熱負荷による割れや過熱による溶損を生じる危険を回避できる効果を奏する。
また、本発明によれば、従来のような電気炉で燃焼させて再生するもののように、フィルターの再生に4〜5時間を要していたものとは異なり、約30分程度の短時間で多量の黒煙微粒子を除去してフィルターの再生を行えるので、再生時間の大幅短縮を図れる実用性の高いフィルター再生方法を得る効果を奏する。
また、本発明によれば、フィルター再生のために、フィルターを加熱する必要がないので、加熱のためのエネルギーコストを著しく低減できて経済的となる効果を奏する。
【0042】
また、本発明では、自己再生装置を設けることなくフィルターの再生ができるため、フィルター再生を低コストで行え、再生装置の故障、誤作動を懸念する必要も全くなく、信頼性の高いフィルターの粒子状物質浄化再生方法を実現できる効果を奏する。
また、本発明によれば、触媒を担持したタイプのフィルターも、洗浄して再生できるため、触媒再生型粒子状物質捕集装置の信頼性、耐久性を大幅に向上できる効果を奏する。
【0043】
また、請求項2記載の発明によれば、洗剤の溶液をシャワーとしてフィルターに噴射するため、フィルター内部、隔壁に洗剤の溶液を十分に浸透させることができる効果を奏する。
【0044】
また、請求項3記載の発明によれば、フィルターを漬けて浸した洗剤の溶液に、超音波振動を与えるので、フィルターに付着させて捕集した粒子状物質をフィルター隔壁から剥れるのを一層促進することができる効果を奏する。
【0045】
また、請求項4記載の発明によれば、洗剤の溶液が有する界面活性作用により、フィルター隔壁内の微細な排出ガスの通路に付着したエンジンの潤滑油成分を効果的に剥がすことができる効果を奏する。
【0046】
また、請求項5記載の発明によれば、フィルターを洗剤の溶液に浸す手順と、その手順の後に、加圧した高圧空気をフィルターに吹き込む手順とを複数回繰り返すようにしているため、それだけフィルターの洗浄再生率を向上することができる効果を奏する。
【0047】
また、請求項6記載の発明によれば、粒子状物質の除去を終えたフィルターを、水タンクに漬けたり、水シャワーで噴射したりするので、フィルター表面に付着する粒子状物質だけでなく、洗剤の溶液をもフィルターから洗い流して除去できる効果を奏する。
【0048】
また、請求項7記載の発明によれば、例えばヒータ付きのブロアによる温風や、常温の空気をフィルターに吹き付けるため、それだけフィルターの乾燥時間を短縮でき、ひいてはフィルター再生作業時間の短縮化を図ることができる効果を奏する。
【0049】
また、請求項8記載の発明によれば、洗剤の溶液を加熱した溶液であるため、作業場の温度が低くてもフィルターの洗浄を良好に行え、安定した再生効率を維持することができる効果を奏する。
【0050】
また、請求項9記載の発明によれば、高圧空気の代わりに、高圧蒸気を用いてフィルター隔壁から剥がれた黒煙微粒子をブローして吹き飛ばす構成であるため、捕集されたPMをフィルターからより一層効果的に押し出すことができる効果を奏する。
【0051】
また、請求項10記載の発明によれば、触媒を担持したタイプのフィルターであっても、排気系から触媒担持型のDPF装置からフィルターを取り外すことで、容易にフィルターを洗浄してPMを除去して再生することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルターの粒子状物質浄化再生方法に係るDPF装置の、一部を破断して断面で示した粒子状物質捕集システム図である。
【図2】フィルターの一部分において、PMの捕集が行われるメカニズムを説明する要部拡大断面図である。
【図3】本発明のフィルターの粒子状物質浄化再生方法における、フィルター浄化再生フロー図である。
【図4】フィルターを乾燥する装置の外観斜視図である。
【図5】フィルター隔壁上のPM捕集状態を説明する図で、(a)はそのフィルター隔壁の断面図、(b)は(a)の丸部における部分拡大図である。
【図6】石鹸水によるフィルター隔壁からのPMの剥がれを説明する図で、(a)はそのフィルター隔壁の断面図、(b)は(a)の丸部における部分拡大図である。
【図7】石鹸水によるフィルター隔壁からのPMの押し出し現象を説明する図で、(a)はフィルター隔壁の断面図、(b)は(a)の丸部における部分拡大図である。
【符号の説明】
1…排気管(排気系)
2…DPF装置
3…ケース
4…フィルター
5…隔壁
6…ヒータブロア
7…圧力センサ
G…排気ガス通路
L…石鹸水
PM…粒子状物質
W…泡
Claims (10)
- ディーゼルエンジンの排気系に設けられた多孔質の隔壁を有するフィルターに、排出ガスを通過させることにより、排出ガス中に含まれる粒子状物質を捕集した後の上記フィルターを浄化する方法において、上記粒子状物質を捕集した後の上記フィルターを、洗剤の溶液に漬けて浸し,当該洗剤の溶液を上記フィルターの隔壁内に浸透させた後、上記フィルターを上記洗剤の溶液から取り出し,上記排出ガスが上記フィルターに上記流入する方向又は流出する方向から,上記フィルターに、加圧した高圧空気を吹き込み,上記フィルター隔壁内の排出ガス通路に生成された上記洗剤の溶液による泡,および上記フィルター隔壁内の排気ガス通路内に残留した洗剤の溶液により,上記フィルター隔壁から剥がれた粒子状物質や未だフィルター隔壁に付着している粒子状物質を、上記フィルターの外部に押出すようにしたことを特徴とするフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記洗剤の溶液に、上記粒子状物質を捕集したフィルターを漬けて浸す代わりに,上記フィルターに上記洗剤の溶液のシャワーを噴射するようにしたことを特徴とする請求項1記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記粒子状物質を捕集したフィルターを、上記洗剤の溶液に漬けて浸した際に,この洗剤の溶液に超音波振動を加えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記洗剤の溶液は、石鹸水、中性洗剤水または界面活性剤水溶液であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記粒子状物質を捕集したフィルターを、上記洗剤の溶液に漬けて浸した後,上記フィルターに加圧した高圧空気を吹き込み,上記洗剤の溶液の泡、及び上記フィルター隔壁内の排気ガス通路内に残留した洗剤の溶液と共に上記フィルター隔壁から剥がれた粒子状物質や未だフィルター隔壁に付着している粒子状物質を上記フィルターの外部に押出す工程を、複数回行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記粒子状物質の除去を終えた後のフィルターを、水のタンクに漬けるか,又は水シャワーを噴射することにより、上記洗剤の溶液を上記フィルターから洗い流して水洗いするようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記水洗いの後,ブロアによる空気を吹き付けることにより,上記フィルターを乾燥させるようにしたことを特徴とする請求項6記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記洗剤の溶液は,加熱した溶液であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記高圧空気の代わりに、高圧蒸気を用いたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
- 上記フィルターは、触媒を担持する形態のフィルターであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のフィルターの粒子状物質浄化再生方法。
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-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002338916A patent/JP2004169661A/ja not_active Withdrawn
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