JP2004168482A - エレベータ情報伝送システム及びその伝送方法 - Google Patents

エレベータ情報伝送システム及びその伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インターホン線路を用いて、簡便、容易に映像情報を伝送する。
【解決手段】乗りかご30と機械室20との間、当該乗りかご30と監視室10との間、或いは乗りかご、機械室及び監視室の各間にインターホン線路41を接続する一方、乗りかご、機械室及び監視室は、インターホン線路41に接続され、低周波帯域の音声信号をローパスフィルタ13,23,33を通して互いに音声通話を可能とする音声通話手段11,22,32を設け、監視室は、映像/音声情報を配信する映像配信部16と、この映像/音声情報を高周波成分帯域に変換しインターホン線路に送信する送受信部14とを設け、さらに、乗りかごは、監視室からインターホン線路に送信される高周波成分帯域の映像/音声情報を受信する送受信部34と、この受信される少なくとも映像情報を表示する映像表示部36とを設けたこエレベータ情報伝送システムである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの運用上必要な各種のエレベータ情報を簡便に伝送するエレベータ情報伝送システム及びその伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータにおいては、エレベータの運用上から、機械室などに設置される制御盤と乗りかごとの間で相互に受け渡しを行う運行監視制御情報、乗りかごと監視室との間で相互に受け渡しを行う通話用音声信号が用いられているのが一般的であり、特に通話用音声信号は、乗りかごを利用する利用者と監視室の監視員との間で種々の緊急情報を連絡し合う意味から非常に重要である。従って、通話用音声信号の伝送にはインターホン線路が用いられ、全てのエレベータに採用されている。また、運行監視制御情報の伝送には制御情報専用線路が用いらている。
【0003】
また、近年、映像情報を表示可能にしたエレベータが出回っているが、これは監視室や管理人室が映像配信元となり、この配信元から配信された映像情報を機械室、乗りかご或いは乗場等の表示装置に表示するシステムであって、これら監視室や管理人室と機械室、乗りかご或いは乗場との間は映像情報を伝送するために光ケーブルや同軸ケーブル等の映像伝送専用線路が用いられている。この映像伝送専用線路は、制御盤から乗りかごの底部に導入されているテールコードの内部に含めて利用されることが多い。さらに、エレベータの機種によっては、映像伝送専用線路を含むテールコードを利用できない場合、映像伝送専用線路はテールコードに沿って這わすように配線方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のようなエレベータ情報伝送システムでは、映像表示設備を備えていない既設建物のエレベータと、新規に着工する映像表示設備を備える建物のエレベータとが存在するが、それぞれ次のような種々の問題が指摘されている。
【0005】
(1) 既設建物のエレベータに映像表示設備を取り付ける場合。
【0006】
▲1▼ 既設建物のエレベータに映像表示設備を取り付ける場合、新規に映像伝送専用線路を敷設しなければならない。この場合、一般的には映像配信元が監視室または管理人室となり、配信される映像情報を受ける側は機械室もしくは乗りかごや乗り場となるが、この区間に敷設されている既設配管に映像伝送専用線路を通すなどの工事が必要になること。
【0007】
▲2▼ また、既設配管を利用することが難しい場合、新たに配管を敷設して映像伝送専用線を通す必要があるので、大々的な工事となり、工事に多大の時間と労力がかかり、工事コストが増大する。
【0008】
▲3▼ また、映像表示設備を取り付けるに際し、機械室と乗りかごとを結ぶテールコードに代えて映像伝送専用線路路を含めたテールコードに交換する工事が必要となり、LANケーブルや同軸ケーブル等の映像伝送専用線路の材料費を含めて工事費用が大幅に高いものとなる。
【0009】
▲4▼ さらに、エレベータの機種によっては、映像伝送専用線路を含めたテールコードが使用できない場合があるが、このような場合にはテールコードに沿って映像伝送専用線路を這わす手段しか方法がなく、乗りかごの上下移動により、映像伝送専用線路に無理な力が加わり、劣化が加速し、短期間で映像伝送専用線路の交換が余儀なくされ、益々メンテナンス費用が高くなる問題がある。
【0010】
(2) 新規建物のエレベータに映像表示設備を取り付ける場合。
【0011】
▲1▼ 新規建物のエレベータに映像表示設備を取り付ける場合、標準機種で設計されているエレベータに対して、テールコードの重量と主ロープの重量とが等しい関係に設計されているが、このとき、通常のテールコードよりも重い特殊な映像伝送専用線路を含むテールコードに変更する必要があり、乗りかごとカウンターウェイトとのバランスが崩れるので、バランスが取れるように調整する必要がある。その結果、設計、現地調整、用品調達に多大の負担がかかる問題がある。
【0012】
本発明は以上のような事情にかんがみてなされたもので、一般的な通話用通信線路のごとく信号線路を用いて、簡便、かつ、容易に映像情報を伝送可能にするエレベータ情報伝送システム及びその伝送方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係わるエレベータ情報伝送システムは、乗りかごと機械室との間、若しくは当該乗りかごと監視室との間、或いは当該乗りかご、前記機械室及び前記監視室の各間に通話用通信線路又はインターホン線路が接続され、
前記乗りかご、前記機械室及び前記監視室は、前記通話用通信線路又はインターホン線路に接続され、低周波帯域の音声信号をローパスフィルタを通して互いに通話可能とする音声通話手段を設け、
前記監視室又は機械室は、映像/音声情報を配信する映像/音声配信手段と、この映像/音声情報を高周波成分帯域に変換し前記通話用通信線路又はインターホン線路に送信する第1の送受信手段とを設け、
前記乗りかごは、前記通話用通信線路又はインターホン線路に接続され、前記監視室から前記通話用通信線路又はインターホン線路に送信される高周波成分帯域の映像/音声情報を受信する第2の受信手段と、この第2の受信手段で受信される少なくとも映像情報を表示する第1の映像表示手段とを設けたエレベータ情報伝送システムである。
【0014】
本発明は以上のような構成とすることにより、乗りかごと機械室との間、若しくは当該乗りかごと監視室との間、或いは当該乗りかご、前記機械室及び前記監視室の各間に接続される通話用通信線路又はインターホン線路を用いて、音声通話だけでなく、特別に映像伝送専用線路を用いることなく、監視室又は機械室から映像情報を送信し、乗りかごの映像表示手段に表示可能である。このことは、既設のエレベータに既に敷設されている通話用通信線路又はインターホン線路を利用して映像情報を伝送でき、簡便、かつ、容易に映像情報を伝送可能となる。
【0015】
なお、監視室から乗りかごへの映像情報の送信だけでなく、乗りかごにカメラを設置し、乗りかご内の映像情報を同様に通話用通信線路又はインターホン線路を利用し、監視室に設置される映像表示手段にも表示することが可能である。
【0016】
また、監視室からの映像情報だけでなく、機械室の制御盤から出力される運行監視制御情報も乗りかごに送信し、これら映像情報と運行監視制御情報の画像化された映像とを合成し、乗りかごの映像表示手段に表示することも可能である。
【0017】
さらに、監視室と機械室との間で指令信号及び運行監視制御情報を相互に交換しながらエレベータの運行制御を実現可能である。
【0018】
(2) また、通話用通信線路又はインターホン線路に対し、当該通話用通信線路又はインターホン線路上のノイズを計測し、ノイズ帯域以外の帯域幅を判定する手段及びこの判定されたノイズ帯域以外の帯域幅から通信伝送帯域を決定し、前記通話用通信線路又は前記インターホン線路上に調整信号を送信する手段を有する帯域調整機器を常時又は適宜に接続すれば、この調整信号を前記監視室、前記機械室、前記乗りかごのそれぞれの前記送受信手段で受信し、送受信帯域を定めることが可能である。
【0019】
(3) 本発明は、乗りかごと機械室との間、若しくは当該乗りかごと監視室との間、或いは当該乗りかご、前記機械室及び前記監視室の各間に通話用通信線路又はインターホン線路が接続され、
前記乗りかご、前記機械室及び前記監視室は、前記通話用通信線路又はインターホン線路に接続され、低周波帯域の音声信号をローパスフィルタを通して互いに通話可能とする音声通話手段及び前記音声信号を除く高周波帯域のエレベータ情報を受信する送受信手段を少なくとも備えたエレベータ情報伝送システムであって、
前記通話用通信線路又はインターホン線路に帯域調整機器を接続するステップと、このステップによる接続後に前記通話用通信線路又はインターホン線路上のノイズを所定時間計測しノイズ帯域を調べるステップと、このノイズ帯域以外の帯域幅から通信伝送帯域を決定するステップと、この通信伝送帯域を利用して調整信号を前記通話用通信線路又はインターホン線路に送信するステップと、この調整信号の送信後、前記送受信手段で受信される当該調整信号の受信レベルから前記通信伝送帯域を当該送受信手段に設定するステップとを有するエレベータ情報伝送方法である。
【0020】
このような方法を取ることにより、エレベータ機種ごと、設置場所等に応じてノイズ帯域が異なっても、通話用通信線路又はインターホン線路上のノイズ帯域を避けて通信伝送帯域を設定することが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの基本的な実施の形態を示す構成図である。
【0023】
一般に、エレベータは、エレベータの利用状況やエレベータの運行状態を監視する監視室または管理人室(以下、監視室と総称する)10と、乗りかごの運行監視制御を実行する制御盤等が設置される機械室20と、エレベータ利用者が利用する乗りかご30とによって構成され、この監視室10と機械室20、監視室10又は機械室20と乗りかご30との間に緊急情報その他必要な情報を連絡可能にするためのインターホン線路を含む通話用通信線路(以下、インターホン線路と呼ぶ)41が接続され、そのうち、機械室20と乗りかご30との間はテールコード42を通して配線されている。従って、監視室10のインターホン11に音声信号を入力すると、この通話用音声信号は端子台12を通ってインターホン線路41に送出され、機械室20側の端子台21を介して機械室側インターホン22から出力される。
【0024】
また、機械室側端子台21で分岐された通話用音声信号は、インターホン線路41を含むテールコード42を通り、さらに乗りかご側端子台31を介してかご側インターホン32から出力される。
【0025】
さらに、機械室20側インターホン22やかご側インターホン33から監視室側インターホン11にも同様に必要な音声信号を伝送することができる。従って、監視室側インターホン11と機械室20側インターホン22、かご側インターホン32との間で必要な音声通話が可能となる。
【0026】
なお、ここでいう機械室20とは、制御盤その他の機器が設置されている室ないし当該機器を意味するものであり、従来の一般的な昇降路上部に設けられた機械室だけでなく、昇降路上部に機械室をもたない場合でも制御盤その他の機器(例えば巻上機等)が設置されている個所または機器を含む意味である。
【0027】
ところで、本発明のエレベータ情報伝送システムでは、以上のような既存のインターホン構成を利用し、例えば監視室10側を映像配信元とし、機械室20側や乗りかご30側に対してインターホン線路41を利用して映像情報を配信することにある。
【0028】
そこで、本発明に係わるシステムでは、監視室10側に、監視室側インターホン11と監視室側端子台12との間に音声周波数帯域を通すローパスフィルター13が設けられ、また監視室側端子台12には送受信部14、画像圧縮・伸張機能をもつ映像変換部15及び映像のみ、或いは映像/音声情報を含む映像配信部16が設けられている。
【0029】
また、機械室20は、端子台21と機械室側インターホン22との間に同じく音声周波数帯域を通すローパスフィルター23が設けられている。また、乗りかご30には、端子台31とかご側インターホン32との間に音声周波数帯域を通すローパスフィルター33が設けられ、また端子台31には送受信部34、映像伸張・圧縮機能をもつ映像再生部35及び映像・音声情報を出力する液晶ディスプレイなどを用いた映像表示部36が設けられている。
【0030】
次に、既存のインターホン線路41を用いて、各種のエレベータ情報を伝送可能とする仕組について図2を参照して説明する。
【0031】
図2はインターホン線路41における伝送周波数帯域を示す図であって、横軸は周波数、縦軸は信号レベル(dB)を表わす。同図において、101は通話用音声信号の帯域であるインターホン音声帯域(低周波帯域)、103はエレベータに利用される運行監視制御情報の上り帯域、105はエレベータに利用される運行監視制御情報の下り帯域、107は映像のみ、或いは音声を含む映像情報の上り帯域、109は映像のみ、或いは音声を含む映像情報の下り帯域であって、これら帯域101,103,105,107,109は、それぞれインターホン回線41を利用して映像情報等を伝送するに際し、エレベータノイズ102,104,106,108を避けるような帯域に設定されている。また、100は通話用音声信号だけを通す前記ローパスフィルタ13,23,33のフィルタ特性である。
【0032】
次に、以上のようなシステムの動作について説明する。
【0033】
(1) インターホン線路41を利用した通話用音声信号の伝送について。
【0034】
今、監視員が監視室側インターホン11に通話用音声信号を入力すると、この入力された音声信号は、ローパスフィルタ13を通り、監視室側端子台12に送られる。この監視室側端子台12は、受け取った音声信号を機械室側端子台21と監視室側の送受信部14とに送出する。この送受信部14は、監視室側端子台12から送られてくる音声信号を受信するが、当該音声信号がインターホン音声帯域(低周波帯域)に属することを検知するので、映像変換部15に送出しない。
【0035】
機械室側端子台21で受け取った通話用音声信号は、自身の機械室側で取込むとともにテールコード42を通して乗りかご側端子台31にも送出する。自身の機械室側に取込んだ音声信号は、ローパスフィルタ23を通って機械室側インターホン22から出力され、機械室側に必要な通話用音声信号を伝達する。一方、テールコード42を通って送られてくる音声信号は、かご側端子台31で受け取った後、2つに分岐され、ローパスフィルタ33側方向と送受信部34側方向に送られる。ここで、送受信部34は、音声信号がインターホン音声帯域であることを検知するので、映像再生部35に送出しない。一方、ローパスフィルタ33はかご側端子台31から送られてくる音声信号を通し、かご側インターホン32から出力するので、かご側に必要な通話用音声信号を伝達することができる。
【0036】
(2) インターホン線路41を利用した映像情報の伝送について。
【0037】
今、監視室10側の映像配信部16から映像/音声情報を配信すると、この映像/音声情報は、映像変換部15で必要に応じて圧縮処理し、送受信部14に送られる。送受信部14は、映像/音声情報を映像/音声下り帯域109に変換され、端子台12を介してローパスフィルタ13方向と機械室側端子台21の方向に送信する。ここで、ローパスフィルタ13は、端子台12から送られてくる高周波帯域の映像情報を完全にカットするので、監視室側インターホン11には送出しない。
【0038】
一方、機械室20の端子台21で受け取った映像情報は、同じく自身のローパスフィルタ23方向とテールコード42に送られる。自身のローパスフィルタ23は、同様に送られてくる映像情報が高周波帯域の周波数であるので、完全にカットし、機械室側インターホン22には送出しない。
【0039】
また、機械室20の端子台21からテールコード42に送出された映像情報は、乗りかご30の端子台31で受け取り、ここで、自身のローパスフィルタ33方向と送受信部34方向とに送出する。ローパスフィルタ33方向に送出した映像情報は当該ローパスフィルタ33で完全にカットされ、かご側インターホン32から送出されることがない。また、送受信部34は、映像/音声下り帯域109内の映像情報を取り出し、映像再生部35に送出する。この映像再生部35は、監視室10側で映像圧縮している場合には伸張処理を実施し、映像表示部36に表示する。よって、監視室10側から映像情報を配信し、インターホン線路41を介して乗りかご30の映像表示部36に映像を表示することができる。
【0040】
従って、以上のような実施の形態によれば、音声通話時、音声信号をインターホン線路41及びローパスフィルタ13,23,33を通して各インターホン11,22,32相互間で通話可能にする一方、各監視室10,乗りかご30側の送受信部14,34で音声帯域信号を検知しカットするので、構成体相互の間で確実に音声による通話を行うことが出来る。また、映像配信時、映像情報をインターホン線路41を通して機械室20,乗りかご30に送信するが、ローパスフィルタ23,33により完全にカットされ、必要な乗りかご3には送受信部34で映像情報を受信し、映像再生部35で再生することにより、監視室10側から送信される映像情報を映像表示部36に表示できる。
【0041】
従って、既設建物のエレベータに映像表示設備を追加する場合、既に何れのエレベータでも設けられているインターホン線路41を用いて簡便な構成により、音声通話及び映像配信を行うことができる。しかも、映像伝送専用線路を用いたり、テールコード42の変更によって当該テールコードと主ロープの重量関係を乱すことなく、非常に低コストで映像表示設備を追加できる。
【0042】
また、新規に着工する建物に設置する標準機種のエレベータであっても、テールコードと主ロープの重量関係を生かしつつ、乗りかごとカウンターウェイトとのバランスを崩すことなく、低コストで映像表示設備を備えたエレベータを構築できる。
【0043】
なお、上記実施の形態は、監視室10から映像/音声情報を配信し、乗りかご30に送信し、映像表示部36に表示するようにしたが、例えば監視室10に代えて機械室20側に監視室10側と同様な構成,つまり映像配信部、映像変換部及び送受信部を設け、この送受信部を端子台21に接続する構成であっても、機械室20から映像/音声情報を配信し、乗りかご30に送信し、映像表示部36に表示することができる。このとき、機械室20側の映像配信部がインターネット又は専用ネットワークに接続されていれば、外部のエレベータサービスセンタから映像情報を映像配信部に供給し、乗りかご30に映像情報を表示することが可能となる。
【0044】
(第2の実施の形態)
図3は本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの他の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一の機能及び構成部分には同一符号を付し、その詳しい説明は図1の説明に譲る。
【0045】
この実施の形態は、監視室10と乗りかご30との間で双方向で映像/音声情報を配信可能にしたインフォメーション双方向構成である。
【0046】
このシステムは、図1と同様に監視室10、機械室20及び乗りかご30によって構成され、そのうち監視室10は、インターホン11、端子台12、ローパスフィルタ13、送受信部14、映像変換部15及び映像配信部16の他、新たに送受信部14で受信された映像/音声情報を再生する映像再生部17及び液晶ディスプレイなどの映像表示部18が設けられている。
【0047】
一方、乗りかご30側は、端子台31、インターホン32、ローパスフィルタ33、送受信部34、映像再生部35及び映像表示部36の他、新たに乗りかご内の映像/音声のソースとなるカメラ(撮像手段)又はマイクロホン等の音声入力機能をもったカメラ(撮像手段)37及びこのカメラ37で撮像された映像情報を必要に応じて圧縮処理して送受信部34に送出する映像変換部38が設けられている。
【0048】
次に、以上のようなシステムの動作について説明する。
【0049】
先ず、監視室10側から乗りかご30側方向に音声信号及び映像情報を伝送する例は第1の実施の形態で既に説明した通りであり、ここではその説明を省略し、特にカメラ37で撮像された映像情報を監視室10側に伝送する例について説明する。
【0050】
乗りかご30内に設置されるカメラ37で撮影された映像情報は、映像変換部38にて必要に応じて圧縮処理された後、送受信部34に送出される。この送受信部34は、図2に示す映像/音声上り帯域107に変換され、この変換された映像情報を端子台31に送ると、この端子台31により2つに分岐され、自身のローパスフィルタ33側方向とテールコード42内のインターホン線路41を通して機械室20側方向に送信する。
【0051】
ここで、自身のローパスフィルタ33は、映像情報が高周波帯域である映像/音声上り帯域107であることから、完全にカットし、かご側インターホン32に送出しない。一方、乗りかご30側から機械室20側方向に送られた映像情報は機械室20の端子台21を通るので、ここで同様に2つに分岐され、その一方は自身のローパスフィルタ23方向とインターホン線路41を通して監視室10方向に送信される。ローパスフィルタ23は、前述同様に映像情報が高周波帯域である映像/音声上り帯域107であることから、完全にカットし、機械室側インターホン22に送出しない。また、機械室20側から監視室10側方向に送られる映像情報は端子台12を通って同様にローパスフィルタ13方向と送受信部14方向に送られる。
【0052】
このローパスフィルタ13は、前述同様に映像情報が高周波帯域である映像/音声上り帯域107であることから、完全にカットし、監視室側インターホン11に送出しない。一方、送受信部14は、端子台12から渡される映像情報を受信し、映像再生部17に送出する。この映像再生部17は、送受信部14で受信された映像情報を伸張処理を施してカメラ37で撮像された映像情報に再生し、映像表示部18に表示する。よって、乗りかご内の映像は監視室10で表示することができる。
【0053】
従って、以上のような実施の形態によれば、通話用音声信号、乗りかご内の映像/音声情報、監視室10から配信される映像/音声情報は、インターホン音声帯域101、映像/音声上り帯域107、映像/音声下り帯域109の異なる周波数であるので、インターホン線路41を利用して相互に重なることなく、インターホン線路41を介して通話をしながら、監視室10と乗りかご30との間で映像/音声情報を双方向通信することができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
図4は本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの更に他の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1及び図3と同一の機能及び構成部分には同一符号を付し、その詳しい説明は図1及び図3の説明に譲る。
【0055】
この実施の形態は、監視室10側から配信される映像情報と機械室20の制御盤から発生される運行監視制御情報とを乗りかご30に設置される映像表示部36に合成して映像表示する例である。
【0056】
このシステムは、具体的には、図3に示すシステム構成のうち、機械室20の端子台21に、新たに乗りかご30の運行監視制御を司る制御盤24と、この制御盤24から出力される運行監視制御情報(運行制御情報・監視情報)を受け渡しするインターフェース部25と、このインターフェース部25から供給される運行監視制御情報を端子台21に送出する送受信部26とによって構成されている。
【0057】
また、乗りかご30側に、新たに情報合成部45において映像再生部35で再生された映像情報と送受信部34で受信される運行監視制御情報とを映像表示可能な映像に合成し、映像表示部36に表示することと、例えば各インデックス番号ごとに各種の運行監視制御情報,例えば上・下方向、階床、火災・地震の緊急メッセージその他の画像データの他、各運行監視制御情報が映像表示部36の何れの領域に表示すべきかの表示領域情報が記憶される記憶手段46とが設けられている。
【0058】
次に、以上のように構成されたシステムの動作について説明する。
【0059】
先ず、監視室10から乗りかご30への映像情報の流れ及び映像表示部36への映像表示については前述した通りであるので、ここではその説明に譲り、以下、専ら映像情報と運行監視制御情報との合成について説明する。
【0060】
今、機械室20側の制御盤24から運行監視制御情報又は運行監視制御情報を意味するインデックスデータを送出すると、インターフェース部25は制御盤24から運行監視制御情報又はインデックスデータ受け取って送受信部26に送る。送受信部26は、運行監視制御情報又はインデックスデータを図2に示す高周波帯域である運行監視制御情報の下り帯域105に変換し、端子台21を介してローパスフィルタ23方向と監視室10側方向及びテールコード42内のインターホン線路41に接続される乗りかご30側方向に送信する。
【0061】
ここで、ローパスフィルタ23は、高周波帯域となる運行監視制御情報又はインデックスデータを完全にカットし、機械室側インターホン22に送出しない。一方、テールコード42が接続される乗りかご30の端子台31は、機械室20から送られてくる運行監視制御情報又はインデックスデータを受け取ると、ローパスフィルタ33方向と送受信部34方向に分岐して送出する。ローパスフィルタ33は、高周波帯域となる運行監視制御情報又はインデックスデータを完全にカットし、かご側インターホン32に送出しない。送受信部34は、運行監視制御情報又はインデックスデータが運行監視制御情報の下り帯域105と検知し受信すると、情報合成部45に渡す。この情報合成部45は、運行監視制御情報であればインデックスデータに変換し、インデックスデータであればそのままのインデックスデータを用いて、記憶手段46からインデックスデータのもとに表示領域データを確認し、当該インデックスデータに対応する画像データを取り出し、かつ、このとき映像再生部35にて再生された映像情報があれば、当該映像情報と合成し、映像表示部36に表示する。
【0062】
従って、以上のような実施の形態によれば、監視室10側から配信されてくる映像情報に制御盤24から送出される運行監視制御情報を画像化し合成し、映像表示部36の同一画面に同時に表示でき、しかも既設のエレベータについては特別な工事をせずに既設のインターホン線路41を用いて簡便、かつ、低コストで実現できる。
【0063】
(第4の実施の形態)
図5は本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの他の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1,図3と同一の構成及び機能部分には同一符号を付し、その詳しい説明は図1,図3の説明に譲る。
【0064】
前述する第3の実施の形態では、乗りかご30に映像合成技術を適用したが、例えばエレベータの運行状況を監視する監視盤(図示せず)に適用することも可能である。監視盤は、監視室側に設置される機器であるので、ここに運行監視制御情報を収集し、これら運行監視制御情報を画像化して表示する構成としてもよい。また、監視盤からエレベータを操作する場合、監視室10から機械室20に向けて指令信号を送信するが、画像化され表示された運行監視制御情報を監視しながら適切な操作をすれば、より的確なエレベータ操作を行うことが可能となる。
【0065】
以下、かかるシステムの構成について説明すると、監視室10側の送受信部14に、新たに制御盤24から送出される運行監視制御情報を収集する監視盤19と、インデックス番号ごとに各種の運行監視制御情報画像データ及び各運行監視制御情報が監視盤19の何れの領域に表示すべきかの表示領域情報が記憶される記憶手段51とが設けられている。一方、機械室20側は、図4と同様であるので、詳しくは図4の説明に譲る。
【0066】
このようなシステムの構成においては、機械室20側の制御盤24から運行監視制御情報又は運行監視制御情報を意味するインデックスデータを送出すると、インターフェィス部25は、制御盤24から運行監視制御情報又はインデックスデータ受け取って送受信部26に送る。この送受信部26は、運行監視制御情報又はインデックスデータを図2に示す高周波帯域である運行監視制御情報の下り帯域105に変換し、端子台21を介してローパスフィルタ23方向と監視室10側方向及び乗りかご30側方向に送信する。
【0067】
ここで、ローパスフィルタ23は、高周波帯域となる運行監視制御情報又はインデックスデータを完全にカットし、機械室側インターホン22に送出しない。一方、テールコード42が接続される乗りかご30の端子台31は、機械室20から送られてくる運行監視制御情報又はインデックスデータを受け取ると、ローパスフィルタ33方向に送るが、当該ローパスフィルタ33でカットされる。また、インターホン回線41に接続される監視室10側では、端子台12にて運行監視制御情報又はインデックスデータを受け取り、ローパスフィルタ13方向と送受信部14方向に送出するが、運行監視制御情報又はインデックスデータはローパスフィルタ13でカットされ、監視室側インターホン11には送出されない。
【0068】
監視室10の送受信部14は、運行監視制御情報又はインデックスデータが運行監視制御情報の下り帯域105であると検知し受信すると、監視盤19に渡す。この監視盤19は、運行監視制御情報であればインデックスデータに変換し、インデックスデータであればそのままのインデックスデータを用いて、記憶手段41のインデックスデータのもとに表示領域データを確認し、当該インデックスデータに対応する画像データを取り出し、監視盤19の表示画面に表示するので、監視盤19にエレベータの運行状況を表示することができる。
【0069】
一方、監視室10では、監視盤19からエレベータの休止指令や管制運転時手動操作などの指令信号を送出することがある。この場合、監視盤19から送出される指令信号は、送受信部14に送られ、ここで図2に示す高周波帯域である運行監視制御情報の上り帯域103に変換され、端子台12を通ってローパスフィルタ13方向とインターホン線路41を通して機械室20側方向に送信される。ここで、ローパスフィルタ13は、指令信号をカットし、監視室側インターホン11には送出しない。
【0070】
一方、機械室20側の端子台21は、監視室10側から指令信号を受け取ると、ローパスフィルタ23方向、テールコード42方向及び送受信部26方向に送出する。ここで、ローパスフィルタ23は、指令信号をカットし、機械室側インターホン22には送出しない。また、乗りかご側の端子台31は、テールコード42を通ってくる指令信号を受け取ってローパスフィルタ33に送出するが、ここでローパスフィルタ33によってカットされ、かご側インターホン32には送出されない。
【0071】
さらに、指令信号は機械室側送受信部26で受け取ると、指令信号が運行監視制御情報の上り帯域103であると判断され、インターフェィス部25を介して制御盤24に送られる。よって、監視室側の監視盤19によってエレベータを操作することが可能となる。
【0072】
(第5の実施の形態)
図6は本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの更に他の実施の形態を説明するものであって、インフォメーション・監視盤統合システムの基本的な構成を示す図である。なお、同図において、図1,図4,図5と同一の構成及び機能部分には同一符号を付し、その詳しい説明は図1,図4,図5の説明に譲る。
【0073】
このシステムは、監視室10側に監視盤19及び記憶手段51を設ける点で図5と同様であり、また、乗りかご30側は図4と同様であるので、それらの図の説明に譲る。
【0074】
このシステムにおいては、乗りかご30側では、監視室10側の映像配信部16から送られてくる映像情報と機械室20側の制御盤24から送られてくる運行監視制御情報とを合成手段45で合成し、映像表示部36に表示する。
【0075】
また、乗りかご30側のカメラ37で撮影された映像情報はインターホン線路41を通って機械室20の制御盤24に及び監視室10の映像表示部18に表示することができる。さらに、機械室20から送出される運行監視制御情報は監視室10側の監視盤19に送信し、エレベータの運行状態を表示できる一方、監視室10側の監視盤19からの指令信号を機械室20の制御盤24に送信し、エレベータの操作を行うことも可能である。
【0076】
(第6の実施の形態)
上記各実施の形態におけるシステムは、インターホン線路41を利用し、VDSL(Very High Bit Rate Digital Subscriber Line)伝送方式を用いてシステムを構成しているが、単にVDSL伝送方式を導入しただけでは、以下のような問題が予想される。
【0077】
通常、エレベータで利用されているインターホン線路41は、監視室10から建物内配線を行い、機械室20を通り、昇降路内のテールコード42、乗りかご30へと引き回されて配線される。また、昇降路レスのエレベータ等の場合、ギアレス巻上機と隣接するような場所に配線されることから、ノイズ環境が非常に悪い。しかも、インターホン線路41という線種の特性上、通常、図2に示すように低周波成分である音声信号が通ればよい設計となっているので、厳重なシールドを施した映像伝送専用線に比べると、伝送方式VDSLを利用する高周波成分信号に高周波ノイズが非常に乗りやすい状況になっている。また、エレベータの機種によって、ノイズ帯域がさまざまであり、建物内の種々の配線も行っていることから、現場ごとにノイズ帯域がすべて異なってくる。
【0078】
そこで、本発明システムにおいては、現場に設置する際、インターホン線路41に現場ごと、機種ごとに異なるノイズ帯域が発生した場合でも、容易に品質の良い通信状態を確保する必要があり、そのためには帯域調整手段及び調整方法が重要となってくる。
【0079】
因みに、図7は現場A,Bごとのインターホン線路41上の伝送周波数帯域を示す図である。同図において101は通話用音声信号の帯域であるインターホン音声帯域(低周波帯域)、111,121はエレベータに利用される運行監視制御情報の上り帯域、113,123はエレベータに利用される運行監視制御情報の下り帯域、115,125は映像のみ、或いは音声を含む映像情報の上り帯域、117,127は映像のみ、或いは音声を含む映像情報の下り帯域であり、これら帯域101,111,121,113,123,113,123,115,125,117,127は、それぞれインターホン線路41を利用して映像情報等を伝送するに際し、エレベータノイズ110,120,112,122,114,124,116,126,118を避けるような帯域を設定する必要がある。
【0080】
以上のようにエレベータ特有の高周波ノイズは、現場ごと、機種ごとにより異なるが、1つの現場A(同図a)だけを考えた場合、巻上げ機から発生するノイズや建物内のノイズの帯域は固定されてくる。しかし、現場Bのノイズ帯域は現場Aと異なっ場所で固定される。このことは、1つの現場に対して、上記各実施の形態におけるシステムを導入するとき、ノイズ帯域を特定し、ノイズ帯域を外した帯域に前記各通信帯域を定めることができれば、品質の良い通信状態を確保することが可能である。
【0081】
図8はかかる観点に基づいて実現した調整機能付きエレベータ情報伝送システムの実施の形態を示す構成図である。なお、この実施の形態は、第5の実施の形態に適用した一例として説明するが、他の実施の形態でも同様に適用できるものである。
【0082】
具体的には、例えば監視室10に設置される端子台12に帯域調整手段ないし帯域調整機器53を接続し、インターホン線路41上の伝送帯域を調整する。この帯域調整手段ないし帯域調整機器53は、所定時間ノイズを計測しノイズ帯域状態及びノイズ帯域外の帯域を判定する帯域状態判定手段と、この判定手段に基づいてノイズ以外の帯域幅の広い順番に通信伝送帯域を定め、インターホン線路上に調整信号を送出する調整信号送出手段とが設けられ、また監視室10、機械室20、乗りかご30の各送受信部14,26,34には、調整信号送出手段による調整信号の送出後、各送受信部14,26,34による調整信号の受信レベルから伝送帯域を決定し、各通信帯域を決定する帯域決定手段が設けられている。
【0083】
次に、以上のような帯域調整手段ないし帯域調整機器53を接続し、インターホン線路41上の伝送帯域を調整する方法について図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0084】
帯域調整開始に際し、監視室10の端子台12に帯域調整機器53を接続する(S1)。この状態において所定時間例えば1分間インターホン線路41上のノイズレベルを計測する(S2)。この計測結果に基づき、インターホン線路41上のノイズ帯域を調べ(S3)、ノイズ帯域以外の帯域を判断する(S4)。さらに、ノイズ帯域以外の帯域幅の広い順番から通信伝送帯域を決定し(S5)、通信伝送帯域を自動的に決定する。
【0085】
引き続き、帯域調整機器53からインターホン線路41上に所要レベルの調整信号を送信し(S6)、各監視室10,機械室20,乗りかご30の送受信部14,26,34で受信する。なお、調整信号は、低周波成分のインターホン音声帯域を利用することにより、必ず各送受信部14,26,34と通信できるように工夫されている。
【0086】
その後、送受信部14,26,34が調整信号を受信したことを確認し(S7)、当該調整信号の受信レベルから各送受信部14,26,34の伝送帯域が設定される(S8)。この帯域設定後、各送受信部14,26,34が通信を開始すると、帯域調整機器53を取り外し(S9,S10)、帯域調整を終了する。
【0087】
従って、以上のようなエレベータ情報伝送システム及びその伝送方法によれば、高周波ノイズに影響されやすいインターホン線路41を利用するに際し、帯域調整機器53により帯域調整を実施し、通信伝送帯域を定めれば、エレベータ機種ごと及びエレベータの周辺環境に応じてノイズ帯域が異なっても、インターホン線路41及び安価な送受信部14,26,34を用いて容易に品質の良い通信状態を確保することができる。
【0088】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば帯域調整機器53は、監視室10の端子台12に接続したが、機械室20,乗りかご30に接続しても良く、或いは方向性結合器又はインターフェィス部を介してインターホン線路41上に直接帯域調整機器53を接続してもよい。
【0089】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、一般的な通話用通信線路のごとく信号線路を用いて、簡便、かつ、容易に映像情報を伝送できるエレベータ情報伝送システム及びその伝送方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの一実施の形態を説明する基本的な構成図。
【図2】インターホン線路上の伝送周波数帯域を説明する図。
【図3】本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの他の実施の形態を示す構成図。
【図4】本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの他の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの更に他の実施の形態を示す構成図。
【図6】本発明に係わる本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの更に他の実施の形態を示す構成図。
【図7】異なる現場におけるインターホン線路上の伝送周波数帯域を説明する図。
【図8】本発明に係わる本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの更に他の実施の形態を示す構成図。
【図9】インターホン線路上の通信伝送帯域を調整する本発明に係わるエレベータ情報伝送システムの一構成例図。
【符号の説明】
10…監視室
11,22,32…インターホン
13,23,33…ローパスフィルタ
14,,26,34…送受信部
15,38…映像変換部
16…映像配信部
17,35…映像再生部
18,36…映像表示部
19…監視盤
20…機械室
24…制御盤
30…乗りかご
37…カメラ(撮像手段)
41…インターホン線路
42…テールコード
45…情報合成部
46…記憶手段
51…記憶手段
53…帯域調整機器

Claims (9)

  1. 乗りかごと機械室との間、当該乗りかごと監視室との間、或いは当該乗りかご、前記機械室及び前記監視室の各間に通話用通信線路を接続し、
    前記乗りかご、前記機械室及び前記監視室は、前記通話用通信線路に接続され、低周波帯域の音声信号をローパスフィルタを通して互いに音声通話を可能にする音声通話手段を設け、
    前記監視室又は前記機械室は、映像/音声情報を配信する映像/音声配信手段と、この映像/音声情報を高周波成分帯域に変換し前記通話用通信線路に送信する第1の送受信手段とを設け、
    前記乗りかごは、前記通話用通信線路に接続され、前記監視室から前記通話用通信線路に送信される高周波成分帯域の映像/音声情報を受信する第2の受信手段と、この第2の受信手段で受信される少なくとも映像情報を表示する第1の映像表示手段とを設けたことを特徴とするエレベータ情報伝送システム。
  2. 乗りかごと機械室との間、若しくは当該乗りかごと監視室との間、或いは当該乗りかご、前記機械室及び前記監視室の各間にインターホン線路が接続され、
    前記乗りかご、前記機械室及び前記監視室は、前記インターホン線路に接続され、低周波帯域の音声信号をローパスフィルタを通して互いに通話可能とするインターホンを設け、
    前記監視室又は前記機械室は、映像/音声情報を配信する映像/音声配信手段と、この映像/音声情報を高周波成分の帯域に変換し前記インターホン線路に送信する第1の送受信手段とを設け、
    前記乗りかごは、前記インターホン線路に接続され、前記監視室から前記インターホン線路に送信される高周波成分帯域の映像/音声情報を受信する第2の受信手段と、この第2の受信手段で受信される少なくとも映像情報を表示する第1の映像表示手段とを設けたことを特徴とするエレベータ情報伝送システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエレベータ情報伝送システムにおいて、
    前記乗りかごは、当該乗りかご内の映像情報を撮影する撮像手段と、この撮像手段で撮影された音声を含み、或いは含まない映像情報を前記第2の送受信手段で映像/音声の上り帯域に変換し、前記通話用通信線路又は前記インターホン線路に送信する手段とを設け、
    前記監視室は、前記乗りかご側から送信されてくる少なくとも映像情報を前記第1の送受信手段で受信し、映像表示する第2の映像表示手段を設けたことを特徴とするエレベータ情報伝送システム。
  4. 請求項3に記載のエレベータ情報伝送システムにおいて、
    前記機械室は、エレベータの運行制御監視情報を送出する制御盤と、この制御盤から送出される運行制御監視情報を運行制御監視情報下り帯域に変換し、前記通話用通信線路又は前記インターホン線路に送信する第3の送受信手段とを設け、
    前記乗りかごは、前記第2の送受信手段の出力側に接続され、この第2の送受信手段で受信される前記監視室側から配信される少なくとも映像情報と前記
    機械室側の第3の送受信手段から送信されてくる運行制御監視情報を画像化した情報とを合成し、第1の映像表示手段に表示する映像合成手段を設けたことを特徴とするエレベータ情報伝送システム。
  5. 乗りかごと機械室との間、若しくは当該乗りかごと監視室との間、或いは当該乗りかご、前記機械室及び前記監視室の各間に通話用通信線路又はインターホン線路が接続され、
    前記乗りかご、前記機械室及び前記監視室は、前記通話用通信線路又はインターホン線路に接続され、低周波帯域の音声信号をローパスフィルタを通して互いに通話可能とする音声通話手段を設け、
    前記監視室は、エレベータの運行制御監視情報を送出する制御盤と、この制御盤から送出される運行制御監視情報を運行制御監視情報下り帯域に変換し、前記通話用通信線路又は前記インターホン線路に送信する第4の送受信手段とを設け、
    前記監視室は、エレベータの運行に関わる所要の指令信号を送出する監視盤と、前記通話用通信線路又は前記インターホン線路に接続され、前記運行制御監視情報下り帯域の運行制御監視情報を受信し前記監視盤に送出するとともに、当該監視盤から送出される指令信号を前記前記通話用通信線路又は前記インターホン線路及び第1の送受信手段を介して前記制御盤に送出する第5の送受信手段とを設けたことを特徴とするエレベータ情報伝送システム。
  6. 請求項4に記載のエレベータ情報伝送システムにおいて、
    前記監視室は、前記第1の送受信手段に接続され、エレベータの運行に関わる所要の指令信号を送出し、また当該第1の送受信手段で受信される前記制御盤から送出される運行制御監視情報下り帯域の運行制御監視情報を受け取る監視盤を設けたことを特徴とするエレベータ情報伝送システム。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載のエレベータ情報伝送システムにおいて、
    前記通話用通信線路又は前記インターホン線路に常時又は適宜に接続され、当該通話用通信線路又はインターホン線路上のノイズを計測し、ノイズ帯域以外の帯域幅を判定する手段及びこの判定されたノイズ帯域以外の帯域幅から通信伝送帯域を決定し、前記通話用通信線路又は前記インターホン線路上に調整信号を送信する手段を有する帯域調整機器を設け、
    この調整信号を前記監視室、前記機械室、前記乗りかごのそれぞれの前記送受信手段で受信し、受信帯域を定めるようにしたことを特徴とするエレベータ情報伝送システム
  8. 乗りかごと機械室との間、若しくは当該乗りかごと監視室との間、或いは当該乗りかご、前記機械室及び前記監視室の各間に通話用通信線路又はインターホン線路が接続され、
    前記乗りかご、前記機械室及び前記監視室は、前記通話用通信線路又はインターホン線路に接続され、低周波帯域の音声信号をローパスフィルタを通して互いに通話可能とする音声通話手段及び前記音声信号を除く高周波帯域のエレベータ情報を受信する送受信手段を少なくとも備えたエレベータ情報伝送システムであって、
    前記通話用通信線路又はインターホン線路に帯域調整機器を接続するステップと、このステップによる接続後に前記通話用通信線路又はインターホン線路上のノイズを所定時間計測しノイズ帯域を調べるステップと、このノイズ帯域以外の帯域幅から通信伝送帯域を決定するステップと、この通信伝送帯域を利用して調整信号を前記通話用通信線路又はインターホン線路に送信するステップと、この調整信号の送信後、前記送受信手段で受信される当該調整信号の受信レベルから前記通信伝送帯域を当該送受信手段に設定するステップとを有することを特徴とするエレベータ情報伝送方法。
  9. 請求項8に記載のエレベータ情報伝送方法において、
    前記送受信手段の通信伝送帯域を調整する調整信号は、低周波帯域の信号を用いることを特徴とするエレベータ情報伝送方法。
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