JP2004167700A - 用紙後処理装置 - Google Patents

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JP2004167700A
JP2004167700A JP2002332750A JP2002332750A JP2004167700A JP 2004167700 A JP2004167700 A JP 2004167700A JP 2002332750 A JP2002332750 A JP 2002332750A JP 2002332750 A JP2002332750 A JP 2002332750A JP 2004167700 A JP2004167700 A JP 2004167700A
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Takashi Kubo
隆 久保
Yoshinori Shiraishi
嘉儀 白石
Shinji Oishi
真嗣 大石
Kenji Nakanishi
健二 中西
Yasuaki Fukada
泰章 深田
Yoshiyo Kamei
佳代 亀井
Yoshiko Mitani
佳子 三谷
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Abstract

【課題】装置の小形化を図るとともに、所望のステープル処理を選択することができ、ステープル処理の信頼性が高い用紙後処理装置を提供する。
【解決手段】針ありステープル装置75bと、用紙P自体を部分的に加工することで用紙Pを綴じる針なしステープル装置75aとを有し、ステープル装置75a,75bのうちのいずれか1つを選択して用いる選択手段を備えるので、後処理済の用紙Pを、シュレッダーなどで裁断するか再利用する場合、針なしステープル装置75aを選択することで、針を用紙Pから取除く手間を省略できる。後処理済の用紙Pを長期保存するか後処理する用紙Pの枚数が多くなる場合、針ありステープル装置75bを選択することで、用紙Pの長期保存または多数枚の後処理を実現し得る。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複合機および画像形成装置などに設けられ、たとえば画像が付与された用紙にステープル処理などの後処理を行う用紙後処理装置に関する。
【0002】
本発明において、用語「略直交」は直交を含み、用語「略平行」は平行を含む。
【0003】
本発明において、「ステープル処理」とは、書類などを綴じる処理と同義である。
【0004】
【従来の技術】
図38は、従来の用紙後処理装置300を、用紙の排紙ローラ301の軸線方向に垂直な仮想平面で切断して見た断面図である。従来、画像形成装置としてのたとえば複写機には、画像がプリントされた後の用紙に、後処理としてのステープル処理を施す用紙後処理装置300を備えたものがある(たとえば、特許文献1参照)。この用紙後処理装置300は、複写機本体302に隣接して設置されている。すなわち複写機本体302における用紙の搬送方向下流側(以後、単に下流側という場合がある)には、排紙ローラ301が配設されている。複写機本体302でプリントされた用紙は、前記排紙ローラ301を経由して用紙後処理装置300に取り込まれた後、ステープル処理される。
【0005】
用紙後処理装置300は、用紙の搬送路303と、整合トレイ304と、用紙スタック部305とを備えている。排紙ローラ301によって用紙後処理装置300内に取り込まれたプリント済の用紙は、搬送路303を経てこの用紙後処理装置300内の整合トレイ304に取り込まれる。整合トレイ304は、用紙の排出方向に向かうに従ってやや上方に傾斜する、いわゆる排出方向上り傾斜状に配置されている。前記用紙は、この整合トレイ304と用紙スタック部305とに跨った状態で、集積されかつ整合された状態でステープル処理される。その後このステープル処理された用紙は、用紙スタック部305に排出される。
【0006】
図39は、従来の用紙後処理装置400を備えた画像形成装置401を、用紙の搬送ローラの軸線方向に垂直な仮想平面で切断して見た断面図である。用紙後処理装置400を機内に格納した構造も提案され、実用化されている(たとえば、特許文献2参照)。この画像形成装置401は、原稿読取り部402と用紙後処理装置400と画像形成部403とを備えている。用紙後処理装置400は、原稿読取り部402と画像形成部403との間に配置された構成になっている。したがって用紙後処理装置400において整合される用紙は、整合動作中、機外に露出することが皆無となる。
【0007】
また用紙後処理装置を機内に格納した構造として、用紙サイズに応じて用紙後処理装置における整合位置が変更される構造も提案されている(たとえば、特許文献3参照)。この用紙後処理装置において、長サイズの用紙を後処理する場合には、特許文献3の図19に示すように、長サイズの用紙は後処理位置に整合され、この整合位置において前記用紙は後処理すなわちステープル処理される。短サイズの用紙を後処理する場合には、特許文献3の図29に示すように、先ず、短サイズの用紙は用紙集積部に整合される。特許文献3の図20に示すように、その後前記用紙は、後処理位置に搬送されてステープル処理される。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−144370号公報(第3−4頁、第3図)
【特許文献2】
特開平10−177282号公報(第6−9頁、第1図)
【特許文献3】
特開2001−348153号公報(第5−6頁、第19−21図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図40は、用紙後処理装置300Aと複写機本体302Aとの関係を概略表す模式図であり、図40(a)は、図38の画像形成装置よりも、用紙後処理装置の床面からの高さが高くなり過ぎた場合の模式図、図40(b)は、用紙後処理装置の床面の設置面積が、図38のものと比べて大きくなり過ぎた場合の模式図である。
【0010】
特許文献1に記載の従来技術において、用紙後処理装置の小形化を図るには、一般的に図40に示すような構成が考えられる。たとえば図40(a)に示すように、用紙後処理装置300Aを床面に設置する場合、整合トレイ304の傾きを略鉛直方向に近づけていく構成が考えられる。しかし、このような構成では、用紙後処理装置300Aにおける用紙の搬送方向長さは短くなるものの、用紙後処理装置300Aの床面からの高さは、図38の画像形成装置よりも高くなり過ぎてしまう。図40(b)に示すように、逆に整合トレイ304の傾きを略水平方向に近づけていく構成も考えられるが、このような構成では、用紙後処理装置300Aにおける前記搬送方向長さが長くなる。
【0011】
このように上述した構成では、用紙後処理装置が大形化する。特に、大きなサイズの用紙を後処理可能な構成にする場合には、整合トレイの長大化が顕著となり、用紙後処理装置は大形化する。したがって、前記公報に記載の従来の用紙後処理装置は、近年の画像形成装置の小形化に反して、専用の置き台および増設の給紙カセット機構などがなければ設置不可能な大きさとなる。このような用紙後処理装置を含むシステムは、広い占有スペースが必要となるので、設備環境的に不利となる。
【0012】
前記公報に記載の構成では、整合動作中の用紙が機外に露出しているので、操作者は、整合作業およびステープル処理の終了前に用紙に不意に接触してしまう。また先に整合作業およびステープル処理が終了している用紙を不用意に取り除いてしまったりする。これら外的要因によって、用紙のジャム、ステープル不良、整合不良などの問題を生じ易くなっている。
【0013】
特許文献2に記載の用紙後処理装置400では、整合動作中の用紙が機外に露出することがないので、上述した問題は生じない。しかし、この用紙後処理装置400の構成においては、用紙サイズに関係なく同一の用紙後処理位置に搬入している。すなわち前記構成においては、用紙の搬送方向長さが長い、いわゆる長サイズの用紙と、用紙の搬送方向長さが短い、いわゆる短サイズの用紙とを同一の用紙後処理位置に搬入している。前記同一の用紙後処理位置で、用紙を整合するので、たとえば一部の書類を構成する短サイズの複数枚の用紙を後処理する場合、前記用紙を整合する時間は、その他の用紙を整合する場合よりも長くかかる。この結果、書類全体の後処理の速度が遅くなる。
【0014】
そこで、このような問題を解決するために、以下のような対策が考えられる。たとえば、短サイズの用紙の後処理位置つまり整合位置までの搬送距離を短縮すべく、長サイズの用紙のための用紙後処理装置と、短サイズの用紙のための用紙後処理装置とを上下位置に配置する。この場合、上述した後処理の速度は速くなるものの用紙後処理装置全体の高さが高くなり、装置が大形化する。
【0015】
特許文献3に記載の用紙後処理装置において、複数の用紙を針を用いてステープル処理する針ありステープル処理手段が装備されている場合、以下のような問題が生じる。たとえばシュレッダーなどを用いて用紙を裁断するときには、ステープル処理した針を前記用紙から取り除く必要があり、手間がかかる。針ありステープル処理した用紙を再利用するときにも、針を前記用紙から取り除く必要がある。
【0016】
前記公報に記載の用紙後処理装置において、たとえば複数の用紙自体を部分的に型打ち加工することで前記複数の用紙をステープル処理する針なしステープル処理手段が装備されている場合、予め設定された枚数以上の用紙は、ステープル処理不可能である。しかも針なしステープル処理された用紙は、針ありステープル処理されたものと比べて用紙がばらばらに解体されやすく長期保存には不向きである。このように、針なしステープル処理手段が装備された用紙後処理装置では、ステープル処理可能な用紙の枚数が制限されるうえ、用紙の長期保存に不向きである。
【0017】
前記公報に記載の用紙後処理装置において、複数の用紙が後処理位置に搬送される際に、以下のような問題も生じる。すなわち複数の用紙のうち、搬送方向下流側の先端部分の厚みは、積層された各用紙間に存在する空気層によって、実際の用紙枚数と紙厚との積よりも大きくなる。それ故、前記用紙の先端部分を、ステープル処理手段の開口部に円滑に導入できず、複数の用紙を後処理位置に円滑に搬送できない場合がある。
【0018】
したがって本発明の目的は、装置の小形化を図るとともに、所望のステープル処理を選択することができ、ステープル処理の信頼性が高い用紙後処理装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非露出状態に設けられる用紙集積部に搬送された用紙に対し、後処理を選択的に施すための複数の後処理手段を備える用紙後処理装置において、
前記複数の後処理手段は、少なくとも、
積層された複数の用紙を、綴じ具を用いて綴じる第1の用紙綴じ手段と、
積層された複数の用紙自体を部分的に加工することで、前記複数の用紙を綴じる第2の用紙綴じ手段とを有し、
これら第1および第2の用紙綴じ手段のうちのいずれか1つを選択して用いるための選択手段を備えることを特徴とする用紙後処理装置である。
【0020】
本発明に従えば、用紙は用紙集積部に搬送される。選択手段によって、第1および第2の用紙綴じ手段のうちのいずれか1つが選択され、その後、選択された後処理手段によって、積層された複数の用紙に後処理が施される。用紙が搬送される用紙集積部は、非露出状態に設けられるので、操作者が、用紙に対する後処理中に用紙に不意に接触することを防止することができる。また後処理が終了している用紙を不用意に取り除くことも防止することができる。
【0021】
選択手段によって、第2の用紙綴じ手段が選択された場合には、積層された複数の用紙自体を部分的に加工することで、前記複数の用紙を後処理するつまり綴じることができる。前記後処理された用紙を、たとえばシュレッダーなどを用いて裁断する場合には、綴じ具を用紙から取り除く手間が不要となる。また前記後処理された用紙を再利用する場合にも、綴じ具を用紙から取り除く手間が不要となる。逆に言えば、後処理された用紙を、シュレッダーなどを用いて裁断するか、または再利用する可能性がある場合には、第2の用紙綴じ手段を選択することによって、綴じ具を用紙から取り除く手間を省略することが可能となる。
【0022】
選択手段によって、第1の用紙綴じ手段が選択された場合には、積層された複数の用紙を、綴じ具を用いて後処理するつまり綴じることができる。前記後処理された用紙は、第2の用紙綴じ手段で後処理されたものと比べて、用紙がばらばらに解体されにくくなり長期保存することができるうえ、後処理可能な用紙の枚数も多くなる。逆に言えば、後処理された用紙を長期保存するか、または上述したように後処理する用紙の枚数が多くなる場合には、第1の用紙綴じ手段を選択することによって、用紙の長期保存または多数枚の後処理を実現することが可能となる。
【0023】
また本発明は、複数の後処理手段は、用紙集積部に搬送される用紙の搬送方向に併設されることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、複数の後処理手段は、用紙集積部に搬送される用紙の搬送方向に、併設されるので、用紙後処理装置をコンパクト化することが可能となる。したがって用紙後処理装置の小形化を図ることができ、設備環境的に有利となる。
【0025】
また本発明は、前記併設される複数の後処理手段のうち一方の後処理手段は、用紙集積部で積層される複数の用紙を後処理可能に、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置され、他方の後処理手段は、前記一方の後処理手段よりも搬送方向下流側に配置されることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、特に一方の後処理手段は、用紙集積部で積層される複数の用紙を後処理可能に、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置されるので、複数の用紙が用紙集積部に積層された状態で、前記用紙を一方の後処理手段によって後処理することが可能となる。換言すれば、一方の後処理手段を用いて、複数の用紙を後処理する場合には、用紙集積部にて複数の用紙は後処理される。他方の後処理手段を用いて、複数の用紙を後処理する場合には、複数の用紙が用紙集積部から搬送方向下流側に搬送された後、複数の用紙は後処理される。
【0027】
このように用紙が、用紙集積部で集積された位置または、用紙集積部から搬送方向下流側に搬送された位置に位置決めされ、一方または他方の後処理手段を用いて用紙に後処理を選択的に施すことができるので、少なくとも用紙を位置決めするための構造を簡単化できる。したがって用紙後処理装置の部品点数を削減して、製作コストを低減することが可能となる。
【0028】
また本発明は、選択手段は、用紙に対する印字条件が入力されることによって後処理手段が選択されることを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、用紙に対する印字条件が実際に入力されることによって、後処理手段の選択を実現することができる。
【0030】
また本発明は、選択手段は、後処理対象となる積層される用紙の枚数および、後処理対象となる積層される用紙の厚みの、少なくともいずれか1つを用いることによって後処理手段が選択されることをことを特徴とする。
【0031】
本発明に従えば、後処理対象となる積層される用紙の枚数および前記用紙の厚みの、少なくともいずれか1つを用いることによって、後処理手段が選択される。このように用紙の枚数または厚みに応じた後処理手段を選択することができるので、後処理可能な枚数または後処理可能な厚みの用紙を、確実に後処理することが可能となる。
【0032】
また本発明は、選択手段は、第2の用紙綴じ手段によって後処理可能な用紙の許容枚数に基づいて、後処理手段が選択されることを特徴とする。
【0033】
本発明に従えば、針なしステープル処理手段または第2の用紙綴じ手段によって後処理可能な用紙の許容枚数に基づいて、後処理手段が選択される。したがって前記許容枚数に基づき、針なしステープル処理手段または第2の用紙綴じ手段によって、許容枚数以下の用紙を確実に後処理することができる。
【0034】
また本発明は、選択手段は、複数の後処理手段のうちのいずれか1つが、操作者によって選択可能に構成されることを特徴とする。
【0035】
本発明に従えば、複数の後処理手段のうちのいずれか1つが、操作者によって選択されるので、所望の後処理手段を確実に選択することができる。
【0036】
また本発明は、前記搬送方向に併設される複数の後処理手段のうちの少なくともいずれか1つは、用紙集積部で積層される複数の用紙を後処理可能に、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置されることを特徴とする。
【0037】
本発明に従えば、搬送方向に併設される複数の後処理手段のうちの少なくともいずれか1つは、用紙集積部で積層される複数の用紙を後処理可能に、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置されるので、複数の用紙が用紙集積部に積層された状態で、前記用紙を前記いずれか1つの後処理手段によって後処理することが可能となる。換言すれば、前記後処理手段を用いて複数の用紙を後処理する場合には、用紙集積部にて複数の用紙は後処理される。したがって後処理時間の短縮を図ることができる。つまり、一旦用紙集積部に集積された用紙を、他の場所に移動することなく後処理することができるので、後処理時間の短縮を図ることができる。
【0038】
また本発明は、複数の用紙は、用紙集積部において、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置される後処理手段を用いて後処理が施されることを特徴とする。
【0039】
本発明に従えば、複数の用紙は、用紙集積部において、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置される後処理手段を用いて後処理が施される。このように複数の用紙が用紙集積部に位置決めされた状態で、前記用紙を後処理手段を用いて後処理することができるので、後処理時間の短縮を図ることができる。つまり、一旦用紙集積部に集積された用紙を、他の場所に移動することなく後処理することができるので、後処理時間の短縮を図ることができる。しかも、少なくとも用紙を位置決めするための構造を簡単化できる。したがって用紙後処理装置の部品点数を削減して、製作コストを低減することが可能となる。
【0040】
また本発明は、用紙集積部に積層される複数の用紙を、整合された状態のまま搬送方向に移動可能な搬送手段をさらに備え、
複数の用紙は、搬送手段によって搬送方向に移動され、所望の後処理手段を用いて前記複数の用紙が後処理可能に構成されることを特徴とする。
【0041】
本発明に従えば、複数の用紙は、搬送手段によって整合された状態のまま搬送方向に移動された後、所望の後処理手段を用いて前記用紙は後処理される。つまり搬送手段による用紙の移動距離に応じて、後処理すべき後処理手段を選択することができる。搬送手段は、複数の用紙を整合された状態のまま搬送方向に移動可能になっているので、搬送手段によって複数の用紙が移動された後、この後処理される位置において、複数の用紙を再整合する必要がなくなる。したがって用紙の後処理時間を短縮することができる。
【0042】
また本発明は、複数の後処理手段は、用紙集積部に積層される複数の用紙の搬送方向下流側端部近傍から前記搬送方向に離反した搬送方向位置にそれぞれ配置されることを特徴とする。
【0043】
本発明に従えば、複数の後処理手段は、用紙集積部に積層される複数の用紙の搬送方向下流側端部近傍から前記搬送方向に離反した搬送方向位置にそれぞれ配置されるので、選択される後処理手段が明確化する。つまり用紙が後処理される位置を、用紙集積部に入紙される整合位置とは異ならせることによって、選択対象の後処理手段が明確化する。仮に、用紙に後処理を施さない場合において、用紙集積部にて用紙を整合する際、用紙を後処理手段に干渉させることなく容易に整合することが可能となる。換言すれば、用紙集積部の整合位置において、用紙を後処理可能に後処理手段が配置される場合よりも、集積部における用紙の整合が容易となる。
【0044】
また本発明は、複数の用紙の搬送方向下流側端部は、搬送方向に併設される複数の後処理手段のうち、選択手段によって選択された後処理手段が配置される搬送方向位置まで、搬送手段によって搬送されることを特徴とする。
【0045】
本発明に従えば、搬送手段によって複数の用紙は搬送方向に搬送される。このとき、前記用紙の搬送方向下流側端部は、選択手段によって選択された後処理手段が配置される搬送方向位置まで搬送される。その後、選択された後処理手段を用いて前記用紙は後処理される。このように後処理すべき後処理手段が選択されると、搬送手段によって用紙を、前記後処理手段の搬送方向位置まで搬送し、後処理することができる。
【0046】
また本発明は、画像形成装置に設けられる用紙後処理装置において、
用紙後処理装置によって後処理された複数の用紙は、
前記画像形成装置に設けられる用紙排出手段と、用紙後処理装置の前記搬送手段とで協働して、画像形成装置の排出部に排出可能に構成されることを特徴とする。
【0047】
本発明に従えば、後処理された後の複数の用紙は、用紙排出手段と搬送手段とで協働して、画像形成装置の排出部に排出される。このように搬送手段に、用紙を排出するための機能を付与することができる。
【0048】
また本発明は、前記搬送方向に併設される複数の後処理手段は、積層された用紙を後処理するための開口部が形成され、
搬送方向上流側の後処理手段の開口部と、下流側の後処理手段の開口部とは、開口断面積が異なるように形成されることを特徴とする。
【0049】
本発明に従えば、前記上流側の後処理手段の開口部と、下流側の後処理手段の開口部とは、開口断面積が異なるように形成されるので、複数の用紙の搬送方向下流側の先端部分を、開口部に円滑に導入することが可能となる。たとえば積層された各用紙間に存在する空気層によって、用紙の前記先端部分の厚みが、実際の用紙枚数と紙厚との積よりも大きくなる場合であっても、用紙の先端部分を、上流側および下流側の開口部に円滑に導入することが可能となる。したがって、複数の用紙を後処理位置に円滑に搬送することが可能となる。
【0050】
また本発明は、前記上流側における開口部の開口断面積は、下流側における開口部の開口断面積よりも大きく形成されることを特徴とする。
【0051】
本発明に従えば、複数の用紙の搬送方向下流側の先端部分を、開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。したがって複数の用紙を、後処理手段の後処理位置まで円滑にかつ確実に搬送することができる。
【0052】
また本発明は、搬送方向上流側の後処理手段において、
前記後処理手段の開口部は、用紙の一側縁部が搬送方向に沿って案内される壁面部であって、用紙の積層方向および搬送方向に沿った壁面部が形成され、
前記後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、前記壁面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされることを特徴とする。
【0053】
本発明に従えば、後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、壁面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされるので、用紙を整合した後、搬送途中に用紙がばらついた場合においても、用紙が開口部に導入されるときの用紙の一側縁部と壁面部との摩擦抵抗を極力抑えることができ、開口部への用紙の円滑な導入を実現することができる。
【0054】
また本発明は、搬送方向上流側の後処理手段において、
前記後処理手段の開口部は、搬送方向に略平行な搬送面部が形成され、
前記後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、前記搬送面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされることを特徴とする。
【0055】
本発明に従えば、後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、搬送面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされるので、特に積層された各用紙間に存在する空気層によって、用紙の搬送方向下流側部分の厚みが、実際の用紙枚数と紙厚との積よりも大きくなる場合であっても、用紙の先端部分を、上流側の開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。
【0056】
また本発明は、搬送方向上流側の後処理手段において、
前記後処理手段の開口部は、用紙の一側縁部が搬送方向に沿って案内される壁面部であって、用紙の積層方向および搬送方向に沿った壁面部と、この壁面部に隣接しかつ搬送方向に略平行な搬送面部とが形成され、
前記後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、前記壁面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされ、かつ、前記一端面部と搬送面部とが隣接する部分も、斜面形状に面取りされることを特徴とする。
【0057】
本発明に従えば、用紙が開口部に導入されるときの用紙の一側縁部と壁面部との摩擦抵抗を極力抑えることができるとともに、用紙の先端部分を、上流側の開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。したがって後処理の信頼性が高い用紙後処理装置を実現することができる。
【0058】
また本発明は、搬送手段によって搬送方向に移動される複数の用紙のうち、その搬送方向下流側端部を規制する規制手段をさらに備え、
規制手段は、搬送方向上流側および下流側に移動可動に構成されることを特徴とする。
【0059】
本発明に従えば、搬送手段によって搬送方向に移動される複数の用紙のうち、その搬送方向下流側端部は、規制手段によって規制される。この規制手段は、搬送方向上流側および下流側に移動可能に構成されるので、用紙の下流側端部を後処理位置へ位置決めすることが可能となる。
【0060】
また本発明は、前記規制手段は、搬送方向に併設される複数の後処理手段のうち、選択される後処理手段に応じて、移動可能に構成されることを特徴とする。
【0061】
本発明に従えば、規制手段は、選択される後処理手段に応じて移動される。これによって用紙の下流側端部は、選択された後処理手段の後処理位置へ搬送される。その後前記後処理手段でもって複数の用紙の後処理を実現することができる。
【0062】
また本発明は、複数の用紙の搬送方向下流側端部近傍は、搬送方向に併設される複数の後処理手段のうち、選択される後処理手段の位置情報に基づいて、少なくとも搬送手段と規制手段とで協働して、前記後処理手段の後処理位置に移動されて後処理可能に構成されることを特徴とする。
【0063】
本発明に従えば、複数の用紙の搬送方向下流側端部近傍は、選択される後処理手段の位置情報に基づいて、少なくとも搬送手段と規制手段とで協働して、前記後処理手段の後処理位置に移動される。その後、用紙を確実に後処理することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る用紙後処理装置4を備える画像形成装置1Aを示す断面図である。図2は、画像形成装置本体部1を示す断面図である。本実施の形態の用紙後処理装置4は、画像形成装置1Aに設けられる。画像形成装置1Aは、画像形成装置本体部1と用紙スタック部2とを備え、これら画像形成装置本体部1と用紙スタック部2とは、隣接してたとえば床面部に設置される。画像形成装置本体部1は、原稿読取部3、用紙後処理装置4、本体トレイ5、画像形成部6および給紙部7を備える。画像形成装置本体部1において、その床面部には給紙部7が配置され、給紙部7の厚み方向一端部に、画像形成部6および本体トレイ5、用紙後処理装置4、原稿読取部3が順次配設つまり配置されて設けられる。以下、床面部に垂直な前記厚み方向をZ方向と定義する。
【0065】
原稿読取部3は、原稿載置台11とスキャナー光学系12とを有する。原稿読取部3のZ方向一端部に、透光性を有する、たとえば透明なガラスなどから成る原稿載置台11が設けられる。原稿読取部3のZ方向他端部には、用紙後処理装置4に臨んで、スキャナー光学系12が設けられる。スキャナー光学系12は、露光用光源13、複数の反射鏡14、結像レンズ15および電荷結合素子16(略称CCD:Charge Coupled Device)を備える。露光用光源13は、原稿載置台11に沿って移動しつつ、原稿載置台11に載置された原稿の一表面部に光を照射する。この原稿からの反射光は、反射鏡14において反射して、結像レンズ15を経てCCD16に導かれる。このようにして原稿読取部3において、原稿が読取られる。
【0066】
画像形成部6は、感光体17、現像装置18、転写チャージャ19、図示外のクリーニング装置、除電装置20、主帯電器21およびレーザースキャンニングユニット22(略称LSU:Laser Scanning Unit)を備える。画像形成部6は、後述する手差し給紙路35、主搬送路36、反転搬送路37および排紙搬送路38をさらに備える。前記CCD16によって読取られた原稿の画像データは、図示外の画像処理部によって画像処理が施された後、LSU22に供給される。LSU22は、画像データに基づいて、レーザー光を感光体17の外周面に照射して前記外周面上に静電潜像を形成する。現像装置18は、感光体17の外周面にトナーを散布して、前記静電潜像を可視像に現像する。転写チャージャ19は、前述の現像によって感光体17の外周面に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。前記クリーニング装置は、感光体17の外周面に残留しているトナーを除去する。除電装置20は、感光体17の外周面に残留している電荷を除去する。主帯電器21は、感光体17を所定の電位に帯電させる。
【0067】
給紙部7は用紙カセット31を備え、用紙カセット31に用紙Pが収容される。用紙カセット31における出紙方向下流側には、用紙Pを出紙するための呼込みローラ32および用紙さばきローラ33が設けられる。前記用紙さばきローラ33は、一方向に回転するローラと、前記一方向とは逆の方向に回転するローラとから成り、用紙Pの二重送りを防止する。用紙さばきローラ33は、たとえば一方向に回転するローラと、摩擦シート部材とから成る構成であってもよい。給紙部7はカセット側出紙路34をさらに備え、前記カセット側出紙路34によって、用紙カセット31からの用紙Pが搬送される。カセット側出紙路34において、その用紙搬送方向上流側端部には、用紙さばきローラ33が配置される。
【0068】
手差し給紙路35の手差し用紙搬送方向上流側端部には、手差し用紙さばきローラ40、手差しトレイ41および呼込みローラ42が設けられる。カセット側出紙路34の用紙搬送方向下流側端部、手差し給紙路35の手差し用紙搬送方向下流側端部、および反転搬送路37の一端部は、主搬送路36の主搬送方向の上流側端部に連通する。主搬送路36は、Z方向一方へ延び、主搬送方向の下流側端部付近において反転搬送路37の他端部に連通する。さらに主搬送路36はその下流側において、排紙搬送路38と、後述する用紙後処理装置4の後処理搬送路39とに連通する。
【0069】
主搬送路36において、主搬送方向の上流側端部付近には、レジストローラ43が設けられる。レジストローラ43よりも主搬送方向の上流側には、図示外のレジスト前検知スイッチが設けられ、前記レジスト前検知スイッチは、用紙Pの通過を検知する。画像形成装置1Aにおいて、前記レジスト前検知スイッチの検知信号に基づいて、感光体17のトナー像と用紙Pとの位置合わせをレジストローラ43によって行う。主搬送路36において、転写チャージャ19の主搬送方向の下流側には、定着装置44が設けられる。定着装置44は、用紙P上のトナー像を加熱圧着させる装置であって、一対の定着ローラと、前記定着ローラにおける用紙Pの通過を検知する図示外の定着紙検知スイッチとを備える。
【0070】
排紙搬送路38において排紙方向の下流側端部に、排紙ローラ45が設けられる。排紙ローラ45は用紙Pを本体トレイ5に排紙する機能を有する。前記排紙ローラ45よりも排紙方向の上流側に、排紙ローラ45における用紙Pの通過を検知する図示外の排紙検知スイッチが設けられる。また、排紙搬送路38と後処理搬送路39とが連通する部分には、切換えゲート46が設けられる。前記切換えゲート46は、用紙Pを排紙搬送路38および後処理搬送路39のいずれかに導くべく切換える。前記後処理搬送路39は、図1および図2に示すように、用紙Pを画像形成部6から用紙後処理装置4に導く。後処理搬送路39の搬送経路の略中間部には、複数の搬送ローラ47が設けられる。
【0071】
後処理搬送路39における搬送方向下流側端部には、排紙ローラ48が設けられる。また前記排紙ローラ48よりも搬送方向上流側には、用紙検知スイッチ49が設けられる。前記用紙検知スイッチ49は、用紙Pの用紙後処理装置4への入紙を検知する。前記用紙検知スイッチ49は、機械式のスイッチまたは光学式センサなどで実現される。
【0072】
用紙後処理装置4は、エスケープ搬送路52と後処理部51とを備える。エスケープ搬送路51は、排紙ローラ48における搬送方向下流側かつZ方向一方側に備え、前記エスケープ搬送路51のZ方向他方に後処理部52を備える。これらエスケープ搬送路51および後処理部52の各搬送方向上流側には、切換えゲート53が設けられる。切換えゲート53は、排紙ローラ48によって搬送される用紙Pをエスケープ搬送路51および後処理部52のいずれかに導くべく切換える。
【0073】
エスケープ搬送路51は、ステープル処理が禁止されている用紙を排出するとき、またはステープル処理を行わない用紙を多量に排出するときに用いられる。ステープル処理が禁止されている用紙は、具体的には、特殊紙および搬送方向寸法が規定の寸法より小さい小サイズ紙などである。前記エスケープ搬送路51が選択されたとき、切換えゲート53は、図1の二点鎖線で示すエスケープ位置bに切換えらえる。
【0074】
後処理部52は、ステープル処理およびトレイのオフセットによる用紙の仕分けなどの後処理を行うときに用いられる。前記後処理部52が選択されたとき、切換えゲート53は図1の実線で示す後処理位置aに切換えらえる。エスケープ搬送路51の搬送方向下流側端部は、用紙スタック部2の第1排出路54と第2排出部55とに連通する。後処理部52の搬送方向下流側端部は、用紙スタック部2の第3排出路56に連通する。第1および第2排出路54,55と、エスケープ搬送路51との連通部には、切換えゲート57が設けられる。切換えゲート57は、用紙Pを第1および第2排出路54,55のいずれかに導くべく切換える。切換えゲート57が図1の実線で示す第1排出位置aに配置されるときに、用紙Pは第1排出路54に導かれる。切換えゲート57が図1の二点鎖線で示す第2排出位置bに配置されるときに、用紙Pは第2排出路55に導かれる。
【0075】
第1排出路54は搬送ローラ58を備え、搬送ローラ58は、用紙Pを第1用紙スタックトレイ59に排出する。第2排出部55は排紙ローラ60を備え、排紙ローラ60は、用紙Pを第2用紙スタックトレイ61に排出する。第1用紙スタックトレイ59は、エスケープ搬送路51から搬送されてくる前記特殊紙および小サイズ紙を含む少量の用紙に対応している。第2用紙スタックトレイ61は、エスケープ搬送路51から搬送されてくる多量の用紙および後処理部52によって整合されてステープル処理された複数の用紙Pに対応している。なお複数の用紙Pを用紙束Pという場合もある。
【0076】
第2用紙スタックトレイ61は、Z方向一方および他方に移動可能いわゆる昇降動作可能に構成され、第2用紙スタックトレイ61のZ方向一端面部と排紙ローラ60との距離は、前記第2用紙スタックトレイ61の位置を検出する図示外の上限センサによって、常に一定となるように制御される。第2用紙スタックトレイ61が用紙Pを積載している場合には、前記用紙PのZ方向一端面部と排紙ローラ60との距離が、前記上限センサによって、常に一定となるように制御される。これによって第2用紙スタックトレイ61は、高い排紙積載機能を維持し、多量の用紙Pの積載を可能としている。また第2用紙スタックトレイ61は、排紙方向に直交する方向への水平往復移動などによって、排出された用紙束Pを所定部数毎に仕分けるためのオフセット機能を有する。
【0077】
第1用紙スタックトレイ59への排出が選択され、ステープル処理およびスタックトレイ上でのオフセット処理すなわち前記第2用紙スタックトレイ61の昇降動作による排出された用紙束Pの仕分け処理が選択されていない場合、用紙Pは第1用紙スタックトレイ59に排出される。またステープル処理およびオフセット処理のいずれかが選択されている場合であっても、第2用紙スタックトレイ61への排出禁止およびステープル処理禁止のいずれかに該当するサイズの用紙については、第1用紙スタックトレイ59に排出される。
【0078】
上記の両方の場合、用紙Pは、切換えゲート53がエスケープ位置bに切換えられ、かつ切換えゲート57が第1排出位置aに切換えられることによって、エスケープ搬送路51を経て第1用紙スタックトレイ59に排出される。また第1用紙スタックトレイ59への排出が選択されている場合であっても、第1用紙スタックトレイ59の許容積載量を超える多量の用紙Pを排出するという情報が、後述する画像形成装置制御部161(図29参照)から用紙後処理装置制御部171(図30参照)に送信されている場合には、排出先のトレイを自動的に本体トレイ5および第2用紙スタックトレイ61のいずれかに切換えること、または画像形成処理を中止することが行われる。
【0079】
これらの場合、たとえば画像形成装置本体部1において、操作部の図示外の表示部における表示によって、操作者に対して排紙トレイを変更したこと、および出力が不可能であることが報知される。ステープル処理が選択されず、第2用紙スタックトレイ61への排出およびオフセット処理のいずれかが選択されている場合、用紙Pは、エスケープ搬送路51を経て第2用紙スタックトレイ61に排出される。この場合、切換えゲート53はエスケープ位置bに切換えられ、切換えゲート57は第2排出位置bに切換えられる。
【0080】
用紙後処理装置4の切換えゲート53,57の制御に基づかれる用紙サイズについては、用紙カセット31における用紙サイズの検知の情報と、手差しトレイ41における用紙サイズの検知の情報とを用いる。手差しトレイ41においては、不定形サイズ用紙の給紙が行われ、用紙サイズの検知を行わないものも存在する。このような場合は、前記レジスト前検知スイッチなどが、用紙搬送時にオン状態になっている時間に基づく用紙Pの搬送方向寸法である長さ情報を得て用紙サイズを判断する。
【0081】
この場合、搬送方向長さが同一寸法であっても、幅寸法の異なる用紙が存在する。たとえば、A5縦送りとA4縦送りなどである。なお前記A5またはA4は、日本工業規格で定められるA列サイズの一つである。これに対しては、切換えゲート53の切換え時間を考慮し、用紙の長さと、用紙の搬送方向における移動距離とから、A5幅とA4幅との違いを検知できるように、用紙検知スイッチ49を配置する。用紙検知スイッチ49は、A5幅を検知しないけれども、A4幅を検知するように配置する。これによって、用紙検知スイッチ49を幅読み手段として兼用する。前述の用紙検知スイッチ49と同様の構成を、切換えゲート46の搬送方向上流側の位置に設ければ、この位置において用紙後処理装置4への進入を許可しない用紙を選別し、その用紙を本体トレイ5に排出することができる。
【0082】
用紙後処理装置4のエスケープ搬送路51は、一般的なゴムローラで実現され、Z方向一方および他方に加圧されて当接する複数対の搬送ローラ62を備える。搬送ローラ62は、用紙Pの搬送方向に並列して配置される。前記搬送ローラ62同士の間隔は、第1および第2スタックトレイ59,61に排紙可能として設定されている最小サイズの用紙における搬送方向長さよりも短く設定される。エスケープ搬送路51は、上ペーパーガイド63と下ペーパーガイド64とを備える。前記上ペーパーガイド63は、前記搬送ローラ62のZ方向一方に配置され、下ペーパーガイド64は、前記搬送ローラ62のZ方向他方に配置される。前記下ペーパーガイド64は、後処理部52における上ペーパーガイドとしても機能する。
【0083】
図3および図4は、用紙後処理装置4を拡大して示す斜視図であって、特に、用紙Pと後端板72と先端ストッパ74との関係を示す斜視図である。図1もあわせて参照する。用紙後処理装置4のうち後処理部52は、床面部と略平行に配置されるステープルトレイ71であって、非露出状態に設けられる用紙集積部としてのステープルトレイ71を備える。またステープルトレイ71は後端板72、サイド規制板73、先端ストッパ74およびステープラ75を備える。
【0084】
図5は、長サイズの用紙P1に対する後端板72の動作を示す斜視図である。前記長サイズの用紙P1は、用紙の搬送方向の寸法が所定の寸法より大きい用紙と同義である。後端板72は、用紙P1の搬送方向一方および他方に移動可能である。用紙の搬送方向一方は、矢符C1によって示される。用紙の搬送方向他方は、矢符C2によって示される。用紙の搬送方向を、用紙搬送方向と言う場合もある。後端板72は、前記長サイズの用紙P1に対し、ステープルトレイ71に入紙した用紙P1の後端部を部分的に押圧する。これによって用紙P1の前端部を先端ストッパ74に押し当てる。前記用紙P1の後端部は、用紙P1の搬送方向上流側端部と同義であり、前記用紙P1の前端部は、用紙P1の搬送方向下流側端部と同義である。上述したように、用紙P1の前端部を先端ストッパ74に押し当てることによって、用紙1のステープルトレイ71における搬送方向位置を整合する。このように長サイズの用紙P1が整合される位置は、ステープル位置である。
【0085】
図6は、短サイズの用紙P2と後端板72と先端ストッパ74との関係を示す斜視図である。前記短サイズの用紙P2は、用紙P2の搬送方向の寸法が所定の寸法より小さい用紙と同義である。後端板72は、短サイズの用紙P2に対し、ステープルトレイ71に入紙した前記用紙P2の前端部を部分的に押圧する。これによって用紙P2の後端部を、ステープルトレイ71の後壁部77に押し当てることで、用紙P2のステープルトレイ71における搬送方向位置を整合する。このように短サイズの用紙P2が整合される位置は、短サイズ整合位置である。
【0086】
図7は、短サイズ整合位置で整合された短サイズの用紙束P2に対する後端板72の動作を示す斜視図である。後端板72は、短サイズ整合位置で整合された短サイズの用紙束P2の後端部を部分的に押圧する。これによって用紙束P2の前端部を先端ストッパ74に押し当てて整合し、用紙束P2をステープラ75を用いてステープル処理する。その後、前記用紙束P2を第2スタックトレイ61側へ排出する。
【0087】
用紙束P2の第2スタックトレイ61側への排出動作を可能とするため、後端板72は、後述する倒れ状態と立ち上がり状態とに角変位可能となっている。後端板72の前記倒れ状態とは、用紙P2を押し当てる一表面部がステープルトレイ71の一表面部に略平行になる状態である。後端板72の前記立ち上がり状態とは、ステープルトレイ71の一表面部に対し、用紙P2を押し当てる一表面部が略垂直になる状態である。本実施形態において、用語「略平行」は平行を含み、用語「略垂直」は垂直を含む。また後端板72は、用紙束P2の前端部が排紙ローラ60に挟み込まれる位置まで押し出すように変位可能である。
【0088】
本実施の形態においては、用紙が長サイズであるか短サイズであるかの区別を、用紙における搬送方向の寸法である用紙長さが、ステープルトレイ71における後壁部77の前端面77aから先端ストッパ74までの長さの1/2を超えるか否かに基づいて行う。前記用紙長さが、前端面77aから先端ストッパ74までの長さの1/2を超えるものを長サイズとし、用紙長さが前端面77aから先端ストッパ74までの長さの1/2以下のものを短サイズとしている。また用紙長さの区別は、プリント要求時における画像形成装置本体部1の操作部への入力、すなわち使用する用紙サイズの指定、たとえばレジスト前検知スイッチによる用紙サイズの検出、または画像形成装置本体部1が接続されているコンピュータ、ファクシミリなどの端末装置からのプリント要求に基づいて行う。
【0089】
後述するサイド規制板73は、図3および図4に示すように、ステープルトレイ71における用紙搬送方向およびZ方向に直交するトレイ幅方向の一端側に設けられる。ステープルトレイ71のトレイ幅方向の他端側には、サイド規制板73に対向して、Z方向一方に向かって所定小距離立設する用紙側端規制部76が形成されている。サイド規制板73は、トレイ幅方向一方および他方に変位可能である。ステープルトレイ71に入紙した用紙Pの一側縁部を、サイド規制板73を用いて前記用紙側端規制部76に向けて押し当てることによって、用紙Pの前記トレイ幅方向位置を整合する。
【0090】
図8は、後端板駆動機構81を示す斜視図である。図9は、図8の後端板駆動機構81の移動部における用紙Pのダメージ緩和動作を示す斜視図である。後端板72は、板状に形成され、その長手方向がステープルトレイ71のトレイ幅方向に平行になるように配置される。以下、前記長手方向をY方向と定義し、Y方向およびZ方向に直交する方向をX方向と定義する。後端板72には、用紙Pの後端部の浮き上がりを防止する一対の用紙後端係止部72aが形成される。これら用紙後端係止部72aは、Y方向に若干離隔して配置される。各用紙後端係止部72aは、後端板72の立ち上がり状態において、後端板72のZ方向一側縁部からZ方向一方に所定小距離延び、さらに後端板72の厚み方向一方に小距離突出する。
【0091】
後端板72は、後端板駆動機構81によってスライド変位および角変位される。これら後端板72および後端板駆動機構81が、搬送手段に相当する。後端板駆動機構81は、後端板72とともにスライド変位する移動部として、ベース部材82、スライド部材83、第1のねじ歯車84、第2のねじ歯車85および与圧スプリング86を備える。また前記移動部を駆動させる手段として、ステッピングモータ87、第1ベルト88、第2ベルト89、第1プーリ90、第2プーリ91および第3プーリ92を備えている。さらに、後端板72を角変位させる手段として、ソレノイド93、ソレノイドアーム94、連結アーム95、シャフトアーム96、角シャフト97、復帰スプリング99および原点センサ98を備えている。無端状の第2ベルト89は、ステープルトレイ71(図3参照)のZ方向他方において、第2プーリ91と第3プーリ92とに張架され、用紙搬送方向すなわちX方向に延びて配置される。ベース部材82は、この第2ベルト89の一部に連結されている。
【0092】
第2プーリ91は、用紙搬送方向上流側に配置され、第3プーリ92は、用紙搬送方向下流側に配置される。第1プーリ90と第2プーリ91とは同軸に連結されて設けられ、これら第1および第2プーリ90,91は一体的に回転する。第1ベルト88は、ステッピングモータ87の回転軸と、第1プーリ90とに張架される。したがってステッピングモータ87の回転によって、ベース部材82は、用紙搬送方向一方および他方にスライド変位する。
【0093】
第2ベルト89の互いに対向する往路側と復路側との間の空間には、角シャフト97が、用紙搬送方向に延びて配置される。角シャフト97における用紙搬送方向上流側端部は、シャフトアーム96、連結アーム95およびソレノイドアーム94を介してソレノイド93に接続されている。したがってソレノイド93が駆動することによって、角シャフト97がその軸線回りに回転する。
【0094】
第1のねじ歯車84は、角シャフト97に対して用紙搬送方向にスライド変位自在、かつ角シャフト97と同軸に回転可能にして、角シャフト97を挿通する。第1のねじ歯車84には、第2のねじ歯車85が噛み合っている。第2のねじ歯車85は、支持軸85aを介してスライド部材83に角変位自在に支持される。前記支持軸85aは、トレイ幅方向つまりY方向に平行に延びる軸線を有する。また前記支持軸85aには、後端板72の板幅方向他端部が固定されている。
【0095】
スライド部材83は、ベース部材82のZ方向一方に、与圧スプリング86を介して、ベース部材82に対して用紙搬送方向にスライド変位可能に設けられている。したがってステッピングモータ87の回転によって、後端板72が用紙搬送方向一方および他方にスライド変位する。前記ベース部材82に対するスライド部材83のスライド変位量は、長孔83bにピン82aが挿通される構造によって規制される。前記長孔83bは、スライド部材83のZ方向に貫通し、用紙搬送方向に延びて形成される。前記ピン82aは、ベース部材82に付設されかつZ方向一方にやや突出する。
【0096】
前述の後端板駆動機構81では、ステッピングモータ87をZ方向他方に見て、前記ステッピングモータ87が時計まわりに回転することによって、後端板72を含む移動部が用紙搬送方向一方にスライド変位する。このとき、スライド部材83の用紙搬送方向上流側端部に設けられる検出片83aが、原点センサ98によって検出されると、後端板72が図示外のホームポジションに到達したことになり、ステッピングモータ87が停止する。
【0097】
またステッピングモータ87が、前記時計まわりと逆の反時計まわりに任意のパルス数回転することによって、パルス数に応じた任意の位置に、後端板72をスライド変位させることができる。このように後端板72は、ステッピングモータ87の所定パルス数に応じた時計まわりおよび反時計まわりの回転によって、所定位置にスライド変位させることができる。
【0098】
後端板72を支持するスライド部材83は、与圧スプリング86の圧縮反発力によって、通常はベース部材82と一体となって移動する。しかし後端板72による最終整合動作においては、用紙サイズの「ばらつき」によって、用紙Pが必要以上に押し込まれる場合がある。前記ばらつきは、通常はロット間で約±1mmである。最終整合動作とは、長サイズ用紙および短サイズ用紙に対して、用紙を先端ストッパ74に押し当てて整合する動作、すなわち図5および図7に示す整合動作のことである。この場合、用紙Pが規定サイズより大きいと、その用紙が後端板72の強い押し込み力によってダメージを受ける虞がある。
【0099】
そこで、最終整合動作におけるこのような事態を回避するため、用紙Pに対して必要以上の押し込み力が作用するときには、図9に示すように、与圧スプリング86の圧縮動作によって後端板72を停止させる。このような押込み力調整機構によって、用紙Pを常に適切な押込み力にて整合することができるので、用紙Pにダメージを与えることを防止することができる。
【0100】
なお、短サイズ用紙に対する予備整合動作、すなわち図6に示す整合動作においても前記と同様の押込み力調整機構を設ける場合、後端板72は、用紙搬送方向一方および他方の両方向の押し込み動作に対する押込み力調整機構が必要となり、構造の複雑さに対して効果が少ないものとなる。すなわち、前記予備整合動作後における2mm程度の「ばらつき」は、最終整合によって適切に整合可能であり、実用上問題のないレベルに収めることができる。
【0101】
図10は、図8の後端板駆動機構81における後端板72を倒れ状態とする動作を示す斜視図である。ソレノイド93がオンとなり、退行動作を行うと、ソレノイドアーム94が、前記ソレノイドアーム94に接続された復帰スプリング99の弾発力つまり引張り力に抗して、X方向に平行な軸線まわりに回転する。これによって連結アーム95をY方向一方に引くことで、シャフトアーム96すなわち角シャフト97がその軸線まわりに90度回転する。これによって、第1および第2のねじ歯車84,85が90度回転し、図10に示すように後端板72が倒れ状態になる。この場合の倒れ角度は、角シャフト97の回転角度の調整などによって、所望角度に設定可能である。またこの動作は、後端板72を含む後端板駆動機構81の前記移動部が移動中であっても可能である。一方、ソレノイド93がオフになると、復帰スプリング99の弾発力によって、角シャフト97が元の位置に逆回転する。これによって後端板72は、立ち上がり状態となる。
【0102】
図11は、図8に示す第2のねじ歯車85とは別の第2のねじ歯車85Aを備えた後端板駆動機構81Aの要部の斜視図である。後端板駆動機構81Aの移動部において、第2のねじ歯車は、図11に示す第2のねじ歯車85Aを使用することも可能である。前記第2のねじ歯車85Aは、円筒部材の外周面部に配列された複数のピン85bによって、歯車が形成される。このような構成では、前記第2のねじ歯車85Aと後端板72とを、たとえば射出成形によって一体成形することが可能となるので、これら第2のねじ歯車85Aおよび後端板72の製造を簡単化することができる。
【0103】
すなわち、図8に示した第2のねじ歯車85を射出成形によって成形する場合、金型から製品を回転させつつ抜き取る方法が考えられる。したがって前記第2のねじ歯車85と後端板72とを一体成形する場合、製品を金型から抜き取ることができない。つまり前記第2のねじ歯車85を射出成形によって成形する場合には、第2のねじ歯車85および後端板72の一体成形は不可能である。これに対し、上述した複数のピン85bによって歯車が形成される第2のねじ歯車85Aでは、回転による製品の抜き取りが不要となり、第2のねじ歯車85Aおよび後端板72を、射出成形で一体成形することが可能となる。
【0104】
図12は、サイド規制板73のサイド規制板駆動部101を示す斜視図である。図13は、図12に示す3個プーリ群111における二段プーリ110と減速プーリ106との嵌合構造を分解して示す斜視図である。図14は、図13に示す減速プーリ106において、連結プーリ107の爪部による与圧スプリング113の圧縮状態を示す斜視図である。サイド規制板73は、サイド規制板駆動部101によって駆動される。すなわちサイド規制板73は、サイド規制板駆動部101によって駆動されて、整合位置に進出する動作と、退避位置に退行する動作とを行う。サイド規制板73は、X方向一方に見て略L字形状を成し、用紙搬送方向つまりX方向に延びる略アングル形状に形成される。サイド規制板73は、ステープルトレイ71のX方向長さの約1/2の長さに形成されるとともに、Z方向一方側の一表面部であって、ステープルトレイ71の一表面部に支持される。
【0105】
サイド規制板駆動部101は、ステープルトレイ71のZ方向他方側に設けられる。サイド規制板駆動部101は、サイド規制板73を駆動させるための駆動モータ102と、駆動モータ102からの駆動力をサイド規制板73に伝達する駆動力伝達機構101Aとを有する。駆動力伝達機構101Aは、減速ベルト103、連結ベルト104および一対の駆動ベルト105を備える。また駆動力伝達機構101Aは、減速プーリ106、一対の連結プーリ107、一対の駆動プーリ108および一対の従動プーリ109を備える。
【0106】
減速プーリ106と、連結プーリ107および駆動プーリ108から成る二段プーリ110とは、駆動モータ102付近で一体に支持され、かつ、Z軸に平行な同一軸線まわりに回転自在に支持される。これらプーリ群111に対して、駆動モータ102から離反する用紙搬送方向一方には、二段プーリ112がZ軸に平行な同一軸線まわりに回転自在に支持される。前記二段プーリ112は、連結プーリ107および駆動プーリ108から成り、これら連結プーリ107および駆動プーリ108は、一体に支持され、かつZ軸に平行な同一軸線まわりに回転自在に支持される。
【0107】
プーリ群111に対して、Y方向一方つまり用紙幅方向一方には、従動プーリ109がZ軸に平行な軸線まわりに回転自在に支持される。また二段プーリ112に対して、Y方向一方つまり用紙幅方向一方にも、従動プーリ109がZ軸に平行な軸線まわりに回転自在に支持される。なお二段プーリ110,112のうち連結プーリ107と駆動プーリ108とは、互いに嵌合されることで、同軸に配置されるとともに一体化される。
【0108】
減速ベルト103は、駆動モータ12の回転軸と、前記プーリ群111のうちの減速プーリ106とに張架される。連結ベルト104は、プーリ群111のうちの連結プーリ107と、二段プーリ112のうちの連結プーリ107とに張架される。前記二個の連結プーリ107に張架された連結ベルト104は、その長手方向が用紙搬送方向に配置される。一方の駆動ベルト105は、プーリ群111のうちの駆動プーリ108と、このY方向一方の従動プーリ109とに張架される。他方の駆動ベルト105は、二段プーリ112のうちの駆動プーリ108と、このY方向一方の従動プーリ109とに張架される。駆動プーリ108と従動プーリ109とに張架された一対の駆動ベルト108は平行に配置され、各駆動ベルト108は、その長手方向が用紙幅方向に配置される。
【0109】
ステープルトレイ71に臨むサイド規制板73の一表面部には、一対の連結部73aが、サイド規制板73の長手方向に離隔して付設される。ステープルトレイ71には、サイド規制板73をX方向に移動可能とするための一対の長孔71aが形成される。すなわち、これら長孔71aは、用紙幅方向にそれぞれ延びるように平行に形成される。また一対の長孔71aは、一対の連結部73aに対応する位置に形成される。各連結部73aは、サイド規制板73の前記一表面部からZ方向他方に突出するうえ、各長孔71aを通って、駆動ベルト105の一部に連結される。これによってサイド規制板73はサイド規制板駆動部101に連動連結される。
【0110】
前記プーリ群111において、二段プーリ110と減速プーリ106とは、図13に示す後述する構造によって嵌合され一体化される。すなわち二段プーリ110のうち、連結プーリ107の一表面部つまりZ方向他端面部には、Z方向他方に突出する一対の爪部107aが形成される。二段プーリ110に対応する減速プーリ106には、一対の爪部107aをそれぞれ挿入するための一対の溝部106aが形成される。溝部106aの円周方向長さは、連結プーリ107の爪部107aの円周方向長さよりもやや長くなるように形成される。これによって二段プーリ110は、減速プーリ107に対して、回転方向に所定範囲の自由度、すなわち所定の遊び量を有する状態にて嵌合される。
【0111】
一対の溝部106aのうち、一方の溝部106aの円周方向長さは、他方の溝部106aの円周方向長さよりも長く形成される。減速プーリ106の一方の溝部106aには、コイル状の圧縮ばねである与圧スプリング113が装備される。駆動モータ102から減速ベルト103を介して減速プーリ106に与えられる駆動力は、前記与圧スプリング113のばね力を介して、二段プーリ110に伝達される。用紙Pの一側縁部および他側縁部に対して、サイド規制板73による押圧力が付与されるとき、与圧スプリング113のばね力によって、前記用紙Pの一側縁部および他側縁部に衝撃的な押圧力が作用することを防止する。このような構成によって、サイド規制板73による用紙Pの幅方向の整合時に、用紙Pの一側縁部および他側縁部に損傷を与える事態を抑制できる。
【0112】
すなわちサイド規制板73によって用紙Pの一側縁部および他側縁部を整合する際、たとえば図6に示したように、用紙P2は、サイド規制板73と用紙側端規制部76とによって挟み込まれた状態で整合される。このとき、減速プーリ106と二段プーリ110との間に、与圧スプリング113が介在されているので、サイド規制板73は、前記与圧スプリング113のばね力によって用紙P2の一側縁部に押し付けられる。
【0113】
ここで用紙Pの大きさは、通常500枚のロット間において、±1mm程度の裁断ばらつきを有する。それ故、サイド規制板73の整合位置つまり整合のための進出量は、裁断寸法が小さいロットの用紙に合わせて設定する必要がある。このため、通常、裁断寸法が大きめとなっているロットの用紙Pに対しては、締め過ぎとなり、用紙Pに損傷を与える虞がある。
【0114】
そこで上述したように、減速プーリ106に与えられる駆動力が、与圧スプリング113のばね力を介して二段プーリ110に伝達される構成とすれば、前記締め過ぎの状態が生じる前に、図14に示すように、与圧スプリング113が圧縮されて余分なストロークを吸収する。したがって、与圧スプリング113の反発力による適正な圧力にて用紙を整合することができる。サイド規制板73が退行して用紙Pから離反すると、与圧スプリング113すなわち減速プーリ106に対する二段プーリ110の位置関係、換言すれば、減速プーリ106に対する二段プーリ110の嵌合状態は、図13の状態に復帰する。
【0115】
前記サイド規制板駆動部101によれば、駆動モータ102の駆動力が減速ベルト103を介して減速プーリ106に伝達される。以下、駆動力は、前記減速プーリ106から、駆動プーリ108、駆動ベルト105、および連結部73aを介してサイド規制板73に伝達されるとともに、連結プーリ107、連結ベルト104、連結プーリ107、駆動プーリ108、駆動ベルト105、および連結部73aを介してサイド規制板73に伝達される。上述したように、サイド規制板73は、サイド規制板73にそれぞれ連結された一対の駆動ベルト105によって同期駆動される。したがってサイド規制板73は、高い精度で平行移動することが可能となる。
【0116】
図15は、先端ストッパユニット114の斜視図である。図16は、図15の先端ストッパユニット114を用紙搬送方向一方に見て示す端面図である。先端ストッパ74は、ステープルトレイ71における用紙搬送方向一端側に設けられる。規制手段としての前記先端ストッパ74は、ステープルトレイ71において用紙Pの整合位置を規制する。すなわち先端ストッパ74は、ステープル処理される用紙Pの後処理位置であって、ステープルトレイ71における用紙Pの後処理位置を規制して位置決めする。前記先端ストッパ74は、ステープルトレイ71の一表面部よりもZ方向一方に所定高さ突出する後処理位置と、前記一表面部からZ方向他方へ退行する退避位置とにわたり、位置切換え可能に構成される。前記後処理位置は、ステープル処理位置または規制位置とも呼ばれる。
【0117】
先端ストッパユニット114は、主に、先端ストッパ74と、先端ストッパ駆動部131と、先端ストッパ移動駆動機構115とで構成される。前記先端ストッパ駆動部131は、先端ストッパ74を規制位置と退避位置とに切換える。後述する先端ストッパ移動駆動機構115は、選択されるステープル装置のステープル処理位置に応じて、先端ストッパ74を用紙搬送方向に移動駆動する。
【0118】
先端ストッパ74は、先端ストッパベース板116に支持されたうえで、先端ストッパ駆動部131によって、Z方向一方および他方に駆動される。すなわち、先端ストッパ74は、先端ストッパ駆動部131によって駆動されて、図15および図16の実線にて示す規制位置に進出し、二点鎖線にて示す退避位置に退行する。先端ストッパ74は、平板状を成し、ストッパ本体74cと、ストッパ本体74cのZ方向一端縁部に形成される複数の規制部74aと、後述する係合軸部74bとを有する。前記複数の規制部74aは、ステープルトレイ71の一表面部よりもZ方向一方に突出する部分であって、用紙Pの搬送方向下流側端部を規制する場合に、前記Z方向一方に突出する部分である。
【0119】
先端ストッパ74は、図15および図16に示す構成では、4個の規制部74aを有する。図3に示す構成においては、先端ストッパ74は2個の規制部74aを有する。この先端ストッパ74における規制部74aの数は、用紙Pの先端位置規制機能と、用紙Pと規制部74aとの摩擦力などとの関係から設定される。規制部74aの数は、2個または4個に必ずしも限定されるものではない。
【0120】
先端ストッパ駆動部131は先端ストッパベース板116に支持される。前記先端ストッパ駆動部131は、ソレノイド132、アーム部材133および引張りコイルばね134を有する。アーム部材133は、ソレノイド連結部133bとストッパ連結部133cと軸部133aとを有する。前記軸部133aは、後述する先端ストッパベース板116に一体に支持され、かつ用紙搬送方向に平行な軸線方向にやや延びるように支持される。アーム部材133は、前記軸部133aを中心に、用紙搬送方向に平行な軸線まわりに回転可能に構成される。ソレノイド連結部133bは、アーム部材133のうち軸部133aの位置からZ方向他方に短く延びる。ストッパ連結部133cは、アーム部材133のうち軸部133aの位置からY方向一方に長く延びる。
【0121】
前記ソレノイド連結部133bには、ソレノイド132のロッド132aが連結される。ストッパ連結部133cにおいて、その長手方向一端部であって、軸部133aから離反する長手方向一端部には、引張りコイルばね134の一端部が連結される。引張りコイルばね134の他端部は、図示外の固定部材に連結される。ストッパ連結部133cにおいて、その長手方向一端部に近接する一端部付近には、長孔133dが形成される。前記長孔133dには、先端ストッパ74の係合軸部74bが挿入される。前記係合軸部74bは、ストッパ本体74cの一表面部から用紙搬送方向一方に突出する。
【0122】
上述した先端ストッパ74および先端ストッパ駆動部131の構成によれば、ソレノイド132がロッド132aの退行動作を行うと、アーム部材133は、引張りコイルばね134のばね力に抗して、軸部133aを中心に前記長手方向一端部がZ方向他方に向かって変位する。これによって、アーム部材133に、長孔133dおよび係合軸部74bを介して連結される先端ストッパ74がZ方向他方に移動する。したがって規制部74aは、前記規制位置から退避位置に移動する。ソレノイド132がロッド132aの退行動作を解除すると、アーム部材133は、引張りコイルばね134のばね力によって、軸部133aを中心に前記長手方向一端部がZ方向一方に向かって変位する。このアーム部材133の変位によって、先端ストッパ74はZ方向一方に移動する。したがって規制部74aは、退避位置から規制位置に移動する。
【0123】
図17は、本実施の他の形態の先端ストッパ141および先端ストッパ駆動部142を示す斜視図である。図18は、図17に示す先端ストッパ141および先端ストッパ駆動部142を、用紙幅方向に見て示す端面図である。図19は、図18に示す先端ストッパ駆動部142によって、先端ストッパ141を規制位置に配置した状態を示す端面図である。図20は、図18に示す先端ストッパ駆動部142によって、先端ストッパ141を退避位置に配置した状態を示す端面図である。
【0124】
上述した用紙後処理装置4において、先端ストッパ74および先端ストッパ駆動部131に代えて、後述する先端ストッパ141および先端ストッパ駆動部142を有する構成としてもよい。前記構成は、先端ストッパ141に要求される保持力であって、用紙束Pからの大きな圧力に対する保持力を確保するとともに、前記圧力の加わった状態でも小さな動作力によって、先端ストッパ141を退避位置へ移動可能とする。さらに前記構成は、先端ストッパ141のZ方向他方位置に、その退避位置用の大きな収納スペースを必要とせず、装置全体の小形化を可能とする。
【0125】
前記先端ストッパ141は、軸部141bを中心に、図18の実線にて示す規制位置と二点鎖線にて示す退避位置とにわたり、Y方向つまり用紙幅方向に平行な軸線まわりに約90度の範囲で回転可能に構成される。前記軸部141bには、複数の規制部141aが、軸部141bの長手方向に一定間隔おきに付設される。各規制部141aはたとえば長方形の板状に形成される。先端ストッパ141は、規制位置において、規制部141aがステープルトレイ71の一表面部に対して約90度の角度に立ち上がる立ち上がり状態となる。前記立ち上がり状態では、規制部141aによって、用紙Pの搬送方向下流側端部の位置を規制する。すなわち、規制部141aによって、用紙Pの搬送方向下流側端部の位置をステープル処理位置に位置決めする。
【0126】
先端ストッパ141は、退避位置において、規制部141aがステープルトレイ71の一表面部と略平行かつ、ステープルトレイ71の一表面部から退避した、用紙搬送方向一方への倒れ状態となる。前記倒れ状態では、上述した規制部141aによる用紙Pの搬送方向下流側端部の位置規制が解除される。これによって、用紙Pは、用紙搬送方向へ排紙可能となる。
【0127】
先端ストッパ駆動部142は、ソレノイド143、アーム部材144、復帰ばね145およびストッパアーム146を有する。前記ストッパアーム146は、先端ストッパ141の軸部141bに付設されている。アーム部材144は、図19および図20に示すように、軸部144aを中心にY方向つまり用紙幅方向に平行な軸線まわりに約90度の範囲で回転可能に構成される。アーム部材144は、ソレノイド連結部144bとストッパ連結部144cとを有する。前記ソレノイド連結部144bは、軸部144aの位置から略Z方向一方に小距離延びる。先端ストッパ141の立ち上がり状態において、前記ストッパ連結部144cは、軸部144aの位置から用紙搬送方向に延びる。
【0128】
ソレノイド連結部144bには、ソレノイド143のロッド143aが連結される。前記ロッド143aには、図17に示すように、復帰ばね145の一端部が連結される。復帰ばね145の他端部は、図示外の固定部材に連結される。ストッパアーム146には長孔146aが形成され、前記長孔146aにはアーム部材144の係合軸部144dが挿入される。前記係合軸部144dは、ストッパ連結部144cの長手方向一端部すなわち先端部から用紙幅方向一方に突出する。
【0129】
上述した先端ストッパ141および先端ストッパ駆動部142の構成によれば、ソレノイド143がロッド143aの退行動作を解除した状態つまりソレノイド143のオフ状態では、前記ロッド143aが復帰ばね145のばね力によって進出する。ロッド143aの進出によって、図17〜図19に示すように、アーム部材144のストッパ連結部144cが、ステープルトレイ71の一表面部に平行な略水平状態となる。これによって先端ストッパ141の規制部141aが立ち上がり状態となり、先端ストッパ141が規制位置に配置される。なお、前記先端ストッパ駆動部142においては、前記規制位置が先端ストッパ141のホームポジションとなる。
【0130】
ソレノイド143がロッド143aの退行動作(ソレノイド143のオン状態)を行うと、図20に示すように、アーム部材144は、復帰ばね145のばね力に抗して、軸部144aを中心に、アーム部材144の長手方向一端部がZ方向一方に向かって変位する。これによってアーム部材144およびストッパアーム146を介して連結される先端ストッパ141は、その先端部が用紙搬送方向一方に変位して、前記立ち上がり状態から約90度回転し、先端ストッパ141の規制部が倒れ状態となる。この結果、先端ストッパ141は退避位置に配置される。この状態において、ステープル処理位置に配置される用紙束Pは、第2用紙スタックトレイ61へ排出可能となる。先端ストッパ141の前記退避位置において、規制部141aは図18に示すように、ストッパ受け部147に設けられるスポンジなどの緩衝材148と当接する。前記緩衝材148は、規制部141aの背面部であって、先端ストッパ141のうち、用紙Pと当接する一表面部の背面側の背面部に設けられてもよい。
【0131】
先端ストッパ移動駆動機構115は、先端ストッパ74(141)および先端ストッパ駆動部131(142)を用紙搬送方向に移動駆動する機構であって、ステープラ75のうち、後述する針なしステープル装置75aおよび針ありステープル装置75bのいずれか1つを選択して用いるための機構である。以後、先端ストッパ移動駆動機構115を、単に、移動駆動機構115と呼ぶ場合がある。移動駆動機構115は、主に、駆動源である先端ストッパ用モータ117と、ギヤ機構118とで構成される。用紙後処理装置4の用紙搬送方向下流側端部には、先端ストッパ用モータ117のモータ本体が固着される。前記モータ117は、そのモータ軸部117aが用紙幅方向に平行な軸線方向まわりに回転可能に支持される。
【0132】
前記ギヤ機構118は、先端ストッパ用モータギヤ119、一対のラックギヤ120、一対のピニオンギヤ121およびピニオンギヤ連結シャフト122を備える。先端ストッパベース板116には、上述した先端ストッパ74(141)および先端ストッパ駆動部131(142)が支持され、それらの背面側の先端ストッパベース板116の一表面部に、ラックギヤ120が付設される。すなわち先端ストッパベース板116の前記一表面部のうち、用紙幅方向一方側端部および用紙幅方向他方側端部には、一対のラックギヤ120が用紙搬送方向に沿ってそれぞれ付設される。
【0133】
前記ピニオンギヤ連結シャフト122は、用紙後処理装置4に、図示外の軸受を用いて用紙幅方向に沿って回転可能に支持される。ピニオンギヤ連結シャフト122の長手方向一端部および他端部に、一対のピニオンギヤ121が外装される。したがって一対のピニオンギヤ121は、ピニオンギヤ連結シャフト122によって同軸に連結される。また一対のピニオンギヤ121は、一対のラックギヤ120にそれぞれ対応して噛合される。先端ストッパ用モータギヤ119は、前記モータ軸部117aに外装され、この先端ストッパ用モータギヤ119と、長手方向一端部に配置されるピニオンギヤ121とが噛合される。
【0134】
先端ストッパ移動駆動機構115によれば、先端ストッパ用モータ117の回転駆動力が、ギヤ機構118つまり先端ストッパ用モータギヤ119、ピニオンギヤ121およびラックギヤ120を介して先端ストッパベース板116に伝達される。これによって、前記先端ストッパベース板116に支持される先端ストッパ74(141)および先端ストッパ駆動部131(142)が用紙搬送方向に移動する。したがって移動駆動機構115によって、ステープラ75に対し、先端ストッパ74(141)の用紙搬送方向位置が相対的に変化する。
【0135】
図21は、用紙後処理装置4の要部をZ方向他方に見て示す平面図であって、用紙Pと、後端板72と、先端ストッパ74(141)と、サイド規制板73との関係を示す平面図である。用紙搬送方向に沿って併設される針なしステープル装置75aおよび針ありステープル装置75bのうち、用紙搬送方向下流側に配置される第1の用紙綴じ手段としての針ありステープル装置75bを用いて、用紙Pをステープル処理する場合には、図21(a)に示すように、先端ストッパ74(141)を移動駆動機構115によって用紙搬送方向下流側位置に移動する。したがって前記先端ストッパ74(141)の用紙搬送方向下流側位置に用紙Pが規制されたうえで、前記用紙Pは、針ありステープル装置75bによってステープル処理される。ステープラ75のうち用紙搬送方向上流側に配置される第2の用紙綴じ手段としての針なしステープル装置75aを用いて、用紙Pをステープル処理する場合には、図21(b)に示すように、先端ストッパ74(141)を移動駆動機構115によって用紙搬送方向上流側位置に移動する。したがって前記先端ストッパ74(141)の用紙搬送方向上流側位置に用紙Pが規制されたうえで、前記用紙Pは、針なしステープル装置75aによってステープル処理される。
【0136】
図22は、針なしステープル装置75aの要部を示す斜視図である。図23は、針なしステープル装置75aによってステープル処理された用紙束Pの参考図である。前記ステープラ75は、針なしステープル装置75aおよび針ありステープル装置75bを備える。針なしステープル装置75aは、綴じ具である針を用いることなく、積層された複数の用紙P自体を部分的に加工することで、前記複数の用紙Pを綴じる。
【0137】
具体的には、針なしスプール装置75aは、押圧部123と受け部124と図示外の押圧力付与手段とを有する。押圧部123は、複数の凸部123aを備える。押圧部123は、ステープルトレイ71の一表面部のZ方向一方に配置され、かつ、前記一表面部に所定の間隔を空けて略平行に配置される。また押圧部123は、用紙側端規制部76からY方向一方に小距離延び、前記一表面部に臨む押圧部123の延び方向一端部には、複数の凸部123aがZ方向他方にやや突出するように付設される。受け部124は、押圧部123に対向するように、ステープルトレイ71の一表面部に沿って配置される。しかも前記押圧部123に臨む受け部124の一表面部は、ステープルトレイ71の一表面部、換言すれば用紙Pの搬送面部に略面一状に配置される。本実施形態において、用語「略面一状」は「面一状」を含む。
【0138】
前記受け部124の一表面部には、複数の凹部124aが形成される。複数の凹部124aは、複数の凸部123aにそれぞれ係合可能に対向状に配設される。押圧部123と受け部124との間に、画像形成の終了した用紙束Pつまり印字済みの用紙束Pを挿入し、前記押圧力付与手段によって、用紙束Pの一部分に圧力を加える。これによって、各凸部123aと各凹部124aとが係合し、前記用紙束Pの一部分が変形することで、エンボスが形成される。図23に示すように、押圧部123の凸部123aと受け部124の凹部124aとが係合してエンボスが形成された用紙束Pは、前記一部分が部分的に圧着されることで、エンボス形状が維持され、用紙束Pの綴じ状態が維持される。
【0139】
【表1】
Figure 2004167700
【0140】
表1は、ステープル処理方法と、印字枚数との関係を示す表である。針なしステープル装置75aを用いた前記用紙束Pの綴じ状態を一層確実にするためには、用紙Pの各々の厚み、用紙Pの枚数によって、エンボスの形状、大きさ、エンボスの間隔を設定する。これによって前記圧着強度の調整が可能となり、針なしステープル装置75aを用いた前記用紙束Pの綴じ状態を一層確実にすることが可能となる。前記針なしステープル装置75aにおいて、たとえば印字枚数すなわちステープル処理枚数が2枚以上5枚以下のとき、一対の凸部と凹部が形成される針なしステープル装置75aを用いて、用紙Pに1個の孔部が形成される。
【0141】
上述した針なしステープル装置75aによってステープル処理された用紙Pを、たとえばシュレッダーなどを用いて裁断する場合には、針を用紙Pから取り除く手間が不要となる。また前記ステープル処理された用紙Pを再利用する場合にも、針を用紙Pから取り除く手間が不要となる。逆に言えば、ステープル処理された用紙Pを、シュレッダーなどを用いて裁断するか、または再利用する可能性がある場合には、前記針なしステープル装置75aを用いてステープル処理することによって、針を用紙Pから取り除く手間を省略することが可能となる。
【0142】
針ありステープル装置75bは、積層された複数の用紙Pを、綴じ具である針を用いて前記複数の用紙Pを綴じる。前記針ありステープル装置75bによってステープル処理された用紙Pは、針なしステープル装置75aを用いてステープル処理された用紙Pと比べて、用紙Pがばらばらに解体されにくくなり長期保存することができるうえ、表1に示すように、ステープル処理可能な用紙Pの枚数も多くなる。逆に言えば、ステープル処理された用紙Pを、長期保存するか、または上述したようにステープル処理する用紙Pの枚数が、たとえば21枚以上と多くなる場合には、針ありステープル装置75bを用いてステープル処理することによって、用紙Pの長期保存または多数枚のステープル処理を実現することができる。
【0143】
図24は、用紙搬送方向上流側の針なしステープル装置75aのうち、特に開口部を示す斜視図である。図25は、図24の針なしステープル装置75aの開口部の断面形状を表す図である。前記開口部は、壁面部125と搬送面部126とが形成される。壁面部125は、ステープルトレイ71の一表面部からZ方向一方に所定距離延び、前記壁面部125によって、用紙Pの一側縁部がその搬送方向に沿って案内される。つまり壁面部125は、用紙Pの積層方向および用紙搬送方向に沿って形成される。前記搬送面部126は、壁面部125のZ方向一端部から用紙幅方向一方に延び、用紙搬送方向に略平行に形成される。
【0144】
前記針なしステープル装置75aのうち、用紙搬送方向上流側の一端面部であって、Z方向に沿って形成される一端面部127と、前記壁面部125とが隣接する部分128は、斜面形状に面取りされる。この斜面形状に面取りされる部分128を、面取り部128と呼ぶ場合もある。すなわち用紙搬送方向上流側の針なしステープル装置75aの開口部と、下流側の針ありステープル装置75bの開口部とは、開口断面積が異なるように形成される。換言すれば、前記上流側における開口部の開口断面積は、前記下流側における開口部の開口断面積よりも大きく形成される。面取り部128は、壁面部125を含む仮想面に対し、たとえば約30度の傾斜角度αを成す。前記面取り部128の用紙搬送方向長さL1および傾斜角度αは、用紙Pを整合した後の用紙Pのばらつき範囲を考慮して決定される。
【0145】
上述したように、前記上流側の針なしステープル装置75aの開口部は、下流側の針ありステープル装置75bの開口部よりも、開口断面積が大きくなるように形成されるので、複数の用紙Pの搬送方向下流側の先端部分を、開口部に円滑に導入することができる。針なしステープル装置75aのうち、一端面部127と壁面部125とが隣接する部分128は、斜面形状に面取りされるので、用紙Pを整合した後、仮に搬送途中に用紙Pがばらついた場合においても、用紙Pが開口部に導入されるときの用紙Pの一側縁部と壁面部125との摩擦抵抗を極力抑えることができ、開口部への用紙Pの円滑な導入を実現することができる。
【0146】
図26は、本実施形態を部分的に変更した変更形態に係り、用紙搬送方向上流側の針なしステープル装置75aのうち、特に開口部を示す斜視図である。図27は、図26の針なしステープル装置75aの開口部の断面形状を表す図である。ただし前記実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。前記開口部は、壁面部125と搬送面部126とが形成される。針なしステープル装置75aのうち用紙搬送方向上流側の一端面部127と、搬送面部126とが隣接する部分129は、斜面形状に面取りされる。前記斜面形状に面取りされる部分129を、面取り部129と呼ぶ場合もある。
【0147】
すなわち用紙搬送方向上流側の針なしステープル装置75aの開口部と、下流側の針ありステープル装置75bの開口部とは、開口断面積が異なるように形成される。換言すれば、前記上流側における開口部の開口断面積は、前記下流側における開口部の開口断面積よりも大きく形成される。面取り部129は、搬送面部を含む仮想面に対し、たとえば約30度の傾斜角度βを成す。前記面取り部129の用紙搬送方向長さL2および傾斜角度βは、用紙Pのカール高さを考慮して決定される。前記カール高さは、搬送される用紙Pが、定着装置44および搬送ローラなどによって、用紙Pの平坦な一表面部から巻き上がる高さを意味する。
【0148】
上述したように、針なしステープル装置75aのうち、一端面部127と搬送面部126とが隣接する部分129は、斜面形状に面取りされるので、用紙Pが定着装置44および搬送ローラなどによって、巻き上がった状態になっていても、用紙Pが開口部に導入されるときの用紙Pの搬送方向下流側端部と搬送面部126との摩擦抵抗を極力抑えることができ、開口部への用紙Pの円滑な導入を実現することができる。積層された各用紙P間に存在する空気層によって、用紙Pの搬送方向下流側部分の厚み、つまりZ方向高さが、実際の用紙枚数と紙厚との積よりも大きくなる場合であっても、用紙Pの先端部分を、前記上流側の開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。
【0149】
図28は、本実施形態を部分的に変更した変更形態に係り、用紙搬送方向上流側の針なしステープル装置75aのうち、特に開口部を示す斜視図である。ただし前記実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。針なしステープル装置75aのうち、一端面部127と壁面部125とが隣接する部分128は、斜面形状に面取りされるとともに、一端面部127と搬送面部126とが隣接する部分129は、斜面形状に面取りされる。したがって、用紙Pを整合した後、仮に搬送途中に用紙Pがばらついた場合においても、用紙Pが開口部に導入されるときの用紙Pの一側縁部と壁面部125との摩擦抵抗を極力抑えることができる。
【0150】
しかも、用紙Pが定着装置44および搬送ローラなどによって、巻き上がった状態になっていても、用紙Pが開口部に導入されるときの用紙Pの搬送方向下流側端部と搬送面部126との摩擦抵抗を極力抑えることができ、開口部への用紙Pの円滑な導入を実現することができる。積層された各用紙P間に存在する空気層によって、用紙Pの搬送方向下流側部分の厚み、つまりZ方向高さが、実際の用紙枚数と紙厚との積よりも大きくなる場合であっても、用紙Pの先端部分を、前記上流側の開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。このように、用紙Pが開口部に導入されるときの用紙Pの一側縁部と壁面部125との摩擦抵抗を極力抑えることができるとともに、開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。したがってステープル処理の信頼性が高いステープラ75を実現することができる。
【0151】
図29は、画像形成装置1Aの電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置本体部1は、図29に示す画像形成装置制御部161を備えている。前記画像形成装置制御部161はマイクロコンピュータを備え、図1に示した原稿読取り部3、給紙部7、画像形成部6、用紙後処理装置4、用紙スタック部2、各用紙搬送路を含む用紙搬送部162、図2に示したLSU22を含む画像情報書込み部163および定着装置44などの動作を制御する。
【0152】
図30は、用紙後処理装置4の制御系のブロック図である。用紙後処理装置4は、図30に示す用紙後処理装置制御部171を備える。前記用紙後処理装置制御部171は、中央演算処理装置172(CPU:Central Processing Unit)とロム173(ROM:Read Only Memory )とラム174(RAM:Random
Access Memory )とから成るマイクロコンピュータを備える。用紙後処理装置制御部171には、用紙長さ検出部175、原点センサ98、ステッピングモータ87、ソレノイド93、用紙搬送部176、サイド規制板駆動部101、先端ストッパ移動駆動機構115、先端ストッパ駆動部131(142)およびステープラ75などが接続される。
【0153】
前記用紙搬送部176は、図1に示した切換えゲート53,57およびエスケープ搬送路51など、用紙後処理装置4において用紙Pを搬送するための構成を含む。用紙長さ検出部175は、入力情報に基づくことなく実際に検出する場合、たとえば前記レジスト前検知スイッチによって構成される。前記用紙長さ検出部175によって、後処理部52に入紙する用紙Pの搬送方向長さつまり用紙サイズを検出する。用紙後処理装置4は、ロム173に格納されたプログラム、用紙長さ検出部175および用紙検知スイッチ49などの検出結果に基づいて、用紙後処理装置制御部171に電気的に接続される各部の動作を制御する。
【0154】
図2に示した画像形成部6において、感光体17に形成されたトナー像は、たとえば用紙カセット31から供給される用紙Pに、転写チャージャ19を用いて転写される。その後、用紙Pに転写されたトナー像は、定着装置44によって用紙Pに定着される。前記用紙Pが後処理すなわちステープル処理される場合、前記後処理を指令する予め行われる設定に基づいて、切換えゲート46は、図1の実線で示す後処置位置aに切換えられる。用紙Pがトレイのオフセットによって仕分けされる場合、または用紙Pが大量に排出される場合にも、これらいずれかの処理を指令する予め行われる設定に基づいて、切換えゲート46は前記後処置位置aに切換えられる。これによって用紙Pは、主搬送路36から後処理搬送路39に導かれる。
【0155】
用紙Pが、用紙Pに対しステープル処理が禁止されている特殊紙などである場合、あるいは用紙Pに対しステープル処理を行わないように設定されたものである場合には、切換えゲート53がエスケープ位置bに切換えられる。これによって用紙Pはエスケープ搬送路51に導かれる。その後前記用紙Pは、第1排出位置aに切換えられた切換えゲート57に案内されて、第1用紙スタックトレイ59に排出される。たとえば大量の用紙Pは、第2排出位置bに切換えられた切換えゲート57に案内されて、第2用紙スタックトレイ61に排出される。
【0156】
用紙Pがステープル処理される場合、さらに用紙Pがトレイのオフセットによって仕分けされる場合などにおいて、切換えゲート53は、後処理位置aに切換えられる。これによって用紙Pは、後処理部52に入紙し、ステープルトレイ71に集積される。このとき先端ストッパ74(141)は、規制位置に移動している。また、後処理部52に入紙する用紙Pが、長サイズか短サイズであるかが、用紙長さ検出部175にて予め検出され、その検出信号つまり入力情報が用紙後処理装置制御部171に送信される。前記検出による入力情報以外の入力情報も、用紙後処理装置制御部171に入力される。
【0157】
ここで後処理部52に入紙する用紙Pが、長サイズたとえばA3縦送りである場合、後端板72は、図5に示すように、後壁部77の位置または後壁部77付近に設定された退避位置に予め配置される。次に後端板72は、用紙Pがステープルトレイ71に入紙する毎に、前記退避位置から用紙サイズに応じた整合位置に進出する。前記後端板72によって、用紙Pの搬送方向上流側端部を押圧し、用紙Pの搬送方向下流側端部を先端ストッパ74(141)に押し当てる。これによって、用紙Pを用紙搬送方向に整合する。しかも用紙Pがステープルトレイ71に入紙する毎に、サイド規制板73が退避位置から用紙サイズに応じた整合位置に進出する。前記サイド規制板73によって、用紙Pの一側縁部を押圧し、用紙Pの他側縁部を用紙側端規制部76に当接させる。これによって用紙Pを、用紙搬送方向およびZ方向に直交する用紙幅方向に整合する。前記A3は、日本工業規格で定められるA列サイズの一つである。
【0158】
これら後端板72とサイド規制板73とは、上述した整合動作をほぼ同時に行う。本実施形態において、用語「ほぼ同時」は「同時」を含む。後端板72およびサイド規制板73は、整合動作後、次の用紙Pの受け入れのため、それぞれの退避位置に退避する。一枚の用紙Pについて複数回の整合動作を実施すると、積層される用紙P同士のずれを極力少なくして、用紙Pを一層良好に整合することができる。その後、最後の用紙Pの整合動作が完了すると、用紙束Pを、後端板72とサイド規制板73とで協働して位置決めする。用紙束Pが位置決めされた状態で、用紙束Pはステープラ75によってステープル処理される。
【0159】
前記用紙束Pがステープル処理された後、先端ストッパ74(141)が退避位置に退避し、ステープル処理済みの用紙束Pが、図1に示す排紙ローラ60によって排紙可能な位置まで押し出される。したがってステープル処理済みの用紙束Pは、前記排紙ローラ60によって第2用紙スタックトレイ61に排出される。上述のように、一つの用紙束Pについてのジョブすなわち、整合、ステープル処理およびトレイへの排出が終了すると、後端板72とサイド規制板73とは、次のジョブに備えて、それぞれの退避位置またはホームポジションに移動するとともに、先端ストッパ74(141)は進出位置に復帰する。
【0160】
後処理部52に入紙する用紙Pが、短サイズたとえばA4横送りである場合には、前記用紙Pを以下のようにステープル処理する。すなわち後端板72を、図3に示すように、ステープルトレイ71の用紙搬送方向における中間付近に設定された短サイズ待機位置に待機させておく。次に後端板72は、用紙Pがステープルトレイ71に入紙する毎に、前記短サイズ待機位置から用紙サイズに応じた整合位置に移動する。これによって後端板72は、用紙Pの搬送方向下流側端部を押圧し、用紙Pの搬送方向上流側端部を後壁部77に押し当てるので、用紙Pは用紙搬送方向に整合する。
【0161】
しかも用紙Pがステープルトレイ71に入紙する毎に、サイド規制板73が退避位置から用紙サイズに応じた整合位置に進出する。前記サイド規制板73によって、用紙Pの一側縁部を押圧し、用紙Pの他側縁部を用紙側端規制部76に当接させる。これによって用紙Pを用紙幅方向に整合する。これら後端板72とサイド規制板73とは、上述した整合動作をほぼ同時に行う。前記整合動作後、次の用紙Pの受け入れのため、後端板72は短サイズ待機位置に退避し、サイド規制板73は退避位置に退避する。前記整合動作においても、一枚の用紙Pについて複数回の整合動作を実施すると、積層される用紙P同士のずれを極力少なくして、用紙Pを一層良好に整合することができる。
【0162】
図31は、ステープルトレイ71における短サイズ用紙の予備整合動作を示す斜視図である。図32は、ステープルトレイ71における短サイズ用紙の予備整合動作の終了時の動作を示す斜視図である。図33は、図32に示した予備整合動作の終了時からその後の後端板72の動作を示す斜視図である。前記予備整合動作は、図31に示すように、用紙Pの搬送方向上流側端部が、通過したことを検出可能な用紙検知スイッチ49からの検出信号に基づいて、用紙後処理装置制御部171でのタイマ制御によって実施される。
【0163】
その後、複数部の用紙束Pを出力する場合において、第1部目の最終用紙Pの1枚前までの予備整合が終了すると、図32および図7に示すように、後端板72は、前記最終用紙Pの入紙中に倒れ状態となる(図7参照)。その後、後端板72は、予備整合済みの用紙PのZ方向他方を通過して、後壁部77内のホームポジションに移動する。次に後端板72は、前記ホームポジションの位置で立ち上がり状態に切換わり、第1部目の最終用紙Pの入紙完了まで待機する。
【0164】
その後、後端板72は、ステープルトレイ71への最終用紙Pの入紙が完了した時点にて、第1部目の用紙Pの搬送方向下流側端部が、先端ストッパ74に当接するまで進出する。このとき同時に、サイド規制板73が退避位置から用紙サイズに応じた整合位置に進出する。前記サイド規制板73によって、用紙Pの一側縁部を押圧し、用紙Pの他側縁部を用紙側端規制部76に当接させる。これによって用紙Pを用紙幅方向に最終整合する。この最終整合動作についても、複数回の整合動作を実施すると、積層される用紙P同士のずれを極力少なくして、用紙Pを一層良好に整合することが可能となる。前記最終整合動作が終了すると、用紙束Pを、後端板72とサイド規制板73とで協働して位置決めする。用紙束Pが位置決めされた状態で、前記用紙束Pをステープラ75によってステープル処理する。
【0165】
前記用紙束Pがステープル処理された後、先端ストッパ74が退避位置に退避し、ステープル処理済みの用紙束Pが、後端板72によって、排紙ローラ60を用いて排紙可能な位置まで押し出される。前記用紙束Pは、排紙ローラ60によって第2用紙スタックトレイ61に排出される。上述のように、第1部目の用紙束Pについてのジョブすなわち、予備整合、最終整合、ステープル処理およびトレイへの排出が終了すると、後端板72とサイド規制板73と先端ストッパ74とは、第2部目のジョブに備えて、以下のように移動する。つまり、後端板72は短サイズ待機位置に移動し、サイド規制板73は退避位置に移動し、先端ストッパ74は進出位置に復帰する。
【0166】
短サイズ用紙に対するジョブにおいては、図33に示すように、第1部目の用紙束Pに対する最終整合動作中およびステープル動作中にも、第2部目の1枚目の用紙Pをステープルトレイ71内に入紙させることが可能であるとともに、第2部目の2枚目の用紙Pから再び予備整合動作を行うことができる。したがって、用紙束Pをステープル処理することに起因するタイムロスであって、画像形成装置本体部1での画像形成動作上でのタイムロスを最小またはゼロにすることができる。
【0167】
図34および図35は、本発明の実施形態に係る用紙後処理装置4の動作を示すフローチャートである。ステップ0において、画像形成装置1Aは、図示外の主電源がオンされた状態で用紙後処理の待機状態となる。ステップ1において前記待機状態の画像形成装置1Aに印字要求がなされると、ステップ2に移行して印字要求にステープル処理が含まれているか否かを判定する。前記ステップ1における印字要求は、画像形成装置本体部1の待機中に、前記画像形成装置本体部1の図示外の操作部(操作パネルともいう)を使用した入力によって実現されるか、または、画像形成装置本体部1が電気的に接続されるコンピュータネットワークおよびファクシミリなどの端末装置からの印字要求によって実現される。
【0168】
前記ステップ2において、印字要求内容が端末装置からの印字要求であれば、送信される印字要求内容を受信することによって、印字要求にステープル処理が含まれるか否かを判定する。印字要求内容が前記操作パネルを使用したものである場合には、操作パネルにおける入力キー動作を認識することで、印字要求にステープル処理が含まれるか否かを判定する。ステップ2において、印字要求にステープル処理が含まれないと判定されると、ステップ3に移行して、通常の印字要求枚数の印字処理を実行し、ステップ4にて、印字された用紙Pを第2用紙スタックトレイ61に排紙する。その後、後述するステップ28に移行する。
【0169】
ステップ2でステープル処理が含まれると判定されると、ステップ5に移行し、印字要求内容の中に使用ステープル種類の選択があるか否かが判定される。換言すれば、用紙後処理装置制御部171は、印字要求内容の中に、使用ステープル種類の選択があるか否かを確認する。前記使用ステープル種類の選択があると判定されると、ステップ6に移行する。前記使用ステープル種類の選択がないと判定されると、ステップ7に移行する。ステップ7において、要求される印字用紙のステープル枚数が、針なしステープルの許容枚数に対し、多いか少ないかが判定される。本実施形態においては、針なしステープルの前記許容枚数が、1部の用紙束Pにつき5枚と予め設定されている。ただし、針なしステープルの許容枚数は、必ずしも5枚に限定されるものではなく、用紙後処理装置4に設けられる針なしステープル装置75aの前記許容枚数に応じて、種々な数値に設定される。
【0170】
ステップ7においてステープル枚数が、前記許容枚数以下すなわち5枚以下であると判定されると、ステップ10に移行する。ステップ10において、用紙後処理装置制御部171は、針なしステープル処理が必要と判定する。その後ステップ12に移行する。ステップ7においてステープル枚数が、許容枚数より大きいと判定されると、ステップ11に移行する。ステップ11において、用紙後処理装置制御部171は、針ありステープル処理が必要と判定する。その後ステップ20に移行する。
【0171】
ステップ5において使用ステープル種類の選択があり、針なしステープル処理が選択されていると、ステップ8に移行する。前記ステップ8において、用紙後処理装置制御部171は、針なしステープル処理が必要と判定する。次にステップ12およびステップ13において、画像形成部6は用紙Pに印字要求内容を印字し、印字された用紙Pを後処理部52に搬送し、前記後処理部52内に配置される後端板72とサイド規制板73とで協働して、搬送される用紙Pを整合処理する。
【0172】
次にステップ14において印字要求枚数の印字が全て終了したと判定され、ステップ15で後処理部52での用紙Pの整合処理が完了したと判定されると、ステップ16に移行する。ステップ16において、後端板72が、整合された用紙束Pの搬送方向上流側端部を押すことによって、用紙束Pの搬送方向下流側端部を、針なしステープル装置75aでステープル処理可能に、針なしステープル装置75aが配置される位置に移動させる。次にステップ17において、針なしステープル装置75aは、前記用紙束Pの搬送方向下流側端部をステープル処理する。前記ステップ14において、印字要求内容の印字が終了していないと判定されると、ステップ12に戻る。前記ステップ15において、後処理部52での用紙Pの整合処理が完了していないと判定されると、ステップ14に戻る。
【0173】
前記ステップ17の後ステップ18に移行して、先端ストッパ74(141)を退避位置に切換え、用紙束Pの搬送方向下流側端部を後端板72で押圧する。すなわち、用紙束Pの搬送方向下流側端部が、回転駆動している排紙ローラ60にチャックされるまで、用紙束Pの搬送方向下流側端部を後端板72で搬送する。次にステップ19に移行して、用紙束Pを、排紙ローラ60によって第2用紙スタックトレイ61に排出する。次にステップ28に移行して、次の印字があるか否かが判定される。次の印字があると判定されるとステップ1に戻る。次の印字がないと判定されると、このフローを終了する。
【0174】
前記ステップ6において、針ありステープル処理75bが選択されていると、ステップ9に移行する。前記ステップ9において、用紙後処理装置制御部171は、針ありステープル処理が必要と判定する。次にステップ20およびステップ21において、画像形成部6は用紙Pに印字要求内容を印字し、印字された用紙Pを後処理部52に搬送し、前記後処理部52内に配置される後端板72とサイド規制板73とで協働して、搬送される用紙Pを整合処理する。
【0175】
次にステップ22において印字要求枚数の印字が全て終了したと判定され、ステップ23で後処理部52での用紙Pの整合処理が完了したと判定されると、ステップ24に移行する。ステップ24において、後端板72が、整合された用紙束Pの搬送方向上流側端部を押すことによって、用紙束Pの搬送方向下流側端部を、針ありステープル装置75bでステープル処理可能に、針ありステープル装置75bが配置される位置に移動させる。次にステップ25において、針ありステープル装置75bは、前記用紙束Pの搬送方向下流側端部をステープル処理する。前記ステップ22において、印字要求内容の印字が終了していないと判定されると、ステップ20に戻る。前記ステップ23において、後処理部52での用紙Pの整合処理が完了していないと判定されると、ステップ22に戻る。
【0176】
前記ステップ25の後ステップ26に移行して、先端ストッパ74(141)を退避位置に切換え、用紙束Pの搬送方向下流側端部を後端部72で押圧する。すなわち、用紙束Pの搬送方向下流側端部が、回転駆動している排紙ローラ60にチャックされるまで、用紙束Pの搬送方向下流側端部を後端板72で搬送する。次にステップ27に移行して、用紙束72を、排紙ローラ60によって第2用紙スタックトレイ61に排出する。その後前記ステップ28に移行する。前記用紙後処理装置制御部171および前記操作パネルが、選択手段に相当する。
【0177】
以上説明した用紙後処理装置4によれば、画像形成装置本体部1の操作パネルを使用した入力、または、画像形成装置本体部1が電気的に接続されるコンピュータネットワークおよびファクシミリなどの端末装置からの印字要求によって、針ありステープル装置75bおよび針なしステープル装置75aのうちのいずれか1つが選択され、その後、選択されたステープル装置によって、積層されかつ整合された複数の用紙Pがステープル処理される。用紙Pが搬送されるステープルトレイ71は、非露出状態に設けられているので、操作者が、用紙Pに対するステープル処理中に用紙Pに不意に接触することを防止することができる。また後処理が終了している用紙Pを不用意に取り除くことも防止することができる。
【0178】
前記操作パネルを使用した入力または前記端末装置からの印字要求によって、針なしステープル装置75aが選択された場合には、積層された複数の用紙P自体を部分的に加工することで、前記複数の用紙Pをステープル処理することができる。前記ステープル処理された用紙Pを、たとえばシュレッダーなどを用いて裁断する場合には、針を用紙Pから取り除く手間が不要となる。また前記ステープル処理された用紙Pを再利用する場合にも、針を用紙Pから取り除く手間が不要となる。逆に言えば、ステープル処理された用紙Pを、シュレッダーなどを用いて裁断するか、または再利用する可能性がある場合には、針なしステープル装置75aを、操作パネルによって選択することで、針を用紙Pから取り除く手間を省略することが可能となる。
【0179】
針ありステープル装置75bが選択された場合には、積層された複数の用紙Pを、針を用いてステープル処理することができる。前記ステープル処理された用紙Pは、針なしステープル処理されたものと比べて、用紙Pがばらばらに解体されにくくなり長期保存することができるうえ、ステープル処理可能な用紙Pの枚数も多くなる。逆に言えば、ステープル処理された用紙Pを長期保存するか、または上述したようにステープル処理する用紙Pの枚数が多くなる場合には、針ありステープル装置75bを選択することによって、用紙Pの長期保存または多数枚のステープル処理を実現することが可能となる。
【0180】
針なしおよび針ありステープル装置75a,75bは、ステープルトレイ71に搬送される用紙Pの搬送方向に、併設されるので、用紙後処理装置4をコンパクト化することが可能となる。したがって用紙後処理装置4の小形化を図ることができ、設備環境的に有利となる。用紙Pの枚数または厚みに応じたステープル装置を選択することができるので、ステープル処理可能な枚数またはステープル処理可能な厚みの用紙Pを、確実にステープル処理することができる。また針なしステープル装置75aによってステープル処理可能な用紙Pの許容枚数に基づき、針なしステープル装置75aによって、許容枚数以下の用紙Pを確実にステープル処理することができる。
【0181】
針なしおよび針ありステープル装置75a,75bのうちのいずれか1つを、操作者によって選択することができるので、所望のステープル装置を確実に選択することができる。複数の用紙Pは、後端板72および後端板駆動機構81によって整合された状態のまま搬送方向に移動された後、所望のステープル装置を用いて前記用紙Pはステープル処理される。つまり後端板72および後端板移動機構81による用紙Pの移動距離に応じて、ステープル処理すべきステープル装置を選択することができる。複数の用紙Pを整合された状態のまま搬送方向に移動可能になっているので、後端板72および後端板駆動機構81によって複数の用紙Pが移動された後、ステープル処理される位置において、複数の用紙Pを再整合する必要がなくなる。したがって用紙Pの後処理時間を短縮することができる。
【0182】
針なしステープル装置75aおよび針ありステープル装置75bは、ステープルトレイ71に積層されかつ整合される複数の用紙Pの搬送方向下流側端部近傍から前記搬送方向に離反した搬送方向位置にそれぞれ配置されるので、選択されるステープル装置が明確化する。仮に、用紙Pをステープル処理を施さない場合において、ステープルトレイ71にて用紙Pを整合する際、用紙Pを針なしおよび針ありステープル装置75a,75bに干渉させることなく容易に整合することが可能となる。換言すれば、ステープルトレイ71の整合位置において、用紙Pをステープル処理可能にステープル装置が配置される場合よりも、ステープルトレイ71における用紙Pの整合が容易となる。
【0183】
ステープル処理された後の複数の用紙Pは、排紙ローラ60と、後端板72および後端板駆動機構81とで協働して、画像形成装置1Aの排出部である第2用紙スタックトレイ61に排出する。このように後端板72および後端板駆動機構81に、用紙Pを排出するための機能を付与することができる。
【0184】
用紙後処理装置4によれば、後端板72および後端板駆動機構81によって搬送方向に移動される複数の用紙Pのうち、その搬送方向下流側端部は、先端ストッパ74(141)によって規制される。この先端ストッパ74(141)は、用紙搬送方向上流側および下流側に移動可能に構成されるので、用紙Pの下流側端部をステープル処理位置へ位置決めすることが可能となる。先端ストッパ74(141)は、選択されるステープル装置に応じて移動される。これによって用紙Pの搬送方向下流側端部は、選択されたステープル装置の後処理位置へ搬送される。その後前記ステープル装置でもって複数の用紙Pのステープル処理を実現することができる。
【0185】
複数の用紙Pの搬送方向下流側端部近傍は、搬送方向に併設される針なしおよび針ありステープル装置75a,75bのうち、選択されるステープル装置の位置情報に基づいて、後端板72および後端板駆動機構81と、先端ストッパ74(141)および先端ストッパ移動駆動機構115とで協働して、前記ステープル装置のステープル処理位置に移動されて、確実にステープル処理される。
【0186】
本実施形態においては、針なしステープル装置75aが用紙搬送方向上流側に配置され、針ありステープル装置75bが用紙搬送方向下流側に配置されるが、必ずしも前記配置に限定されるものではない。つまり針なしおよび針ありステープル装置75a,75bが、前記配置と逆の配置になってもよい。この場合、用紙搬送方向上流側に配置される針ありステープル装置75bの開口部に、上述した面取り部が形成される。
【0187】
図36は、1つのステープル装置が、ステープルトレイ71で積層される用紙Pの搬送方向下流側端部近傍に配置される場合の用紙後処理装置4の斜視図である。図37は、図36の用紙後処理装置4の要部をZ方向他方に見て示す平面図であって、用紙Pと、後端板72と、先端ストッパ74と、サイド規制板73との関係を示す平面図である。用紙搬送方向に併設される針なしステープル装置75aおよび針ありステープル装置75bのうち、針なしステープル装置75aは、ステープルトレイ71で積層されかつ整合される複数の用紙Pをステープル処理可能に、前記用紙Pの搬送方向下流側端部近傍に配置される。針ありステープル装置75bは、後端板72によって搬送されかつ先端ストッパ74によって規制された用紙Pをステープル処理可能に配置される。このように、針なしおよび針ありステープル装置75a,75bは、ステープルトレイ71に積層され整合される複数の用紙Pの搬送方向下流側端部近傍から用紙搬送方向に離反した搬送方向位置にそれぞれ配置される。
【0188】
前記針なしステープル装置75aによれば、この針なしスプール装置75aは、ステープルトレイ71で積層されかつ整合される複数の用紙Pをステープル処理可能に、前記用紙Pの搬送方向下流側端部近傍に配置されるので、複数の用紙Pがステープルトレイ71に積層されかつ整合された状態で、前記用紙Pを前記針なしステープル装置75aによってステープル処理することができる。換言すれば、前記針なしステープル装置75aを用いて複数の用紙Pをステープル処理する場合には、ステープルトレイ71の入紙および整合位置にて複数の用紙Pはステープル処理される。したがって後処理時間の短縮を図ることができる。つまり、一旦ステープルトレイ71に集積された用紙Pを、他の場所に移動することなくステープル処理することができるので、後処理時間の短縮を図ることができる。
【0189】
前記後処理装置4によれば、用紙搬送方向下流側の針ありステープル装置75bを使用する場合には、用紙Pの規制位置が必然的に決定されるので、上述した先端ストッパ移動駆動機構115を省略することができる。すなわち図15に示した先端ストッパユニット114の構造を簡単化することができる。したがって、用紙後処理装置4の部品点数を削減して、製作コストを低減することができる。その他、前記実施形態に、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において種々の部分的変更を行う場合もある。
【0190】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、用紙は用紙集積部に搬送され、選択手段によって、第1および第2の用紙綴じ手段のうちのいずれか1つが選択され、その後、選択された後処理手段によって、積層された複数の用紙に後処理が施される。用紙が搬送される用紙集積部は、非露出状態に設けられるので、操作者が、用紙に対する後処理中に用紙に不意に接触することを防止することができる。また後処理が終了している用紙を不用意に取り除くことも防止することができる。
【0191】
選択手段によって、第2の用紙綴じ手段が選択された場合には、積層された複数の用紙自体を部分的に加工することで、前記複数の用紙を後処理するつまり綴じることができる。前記後処理された用紙を、たとえばシュレッダーなどを用いて裁断する場合には、綴じ具を用紙から取り除く手間が不要となる。また前記後処理された用紙を再利用する場合にも、綴じ具を用紙から取り除く手間が不要となる。逆に言えば、後処理された用紙を、シュレッダーなどを用いて裁断するか、または再利用する可能性がある場合には、第2の用紙綴じ手段を選択することによって、綴じ具を用紙から取り除く手間を省略することが可能となる。
【0192】
選択手段によって、第1の用紙綴じ手段が選択された場合には、積層された複数の用紙を、綴じ具を用いて後処理するつまり綴じることができる。前記後処理された用紙は、第2の用紙綴じ手段で後処理されたものと比べて、用紙がばらばらに解体されにくくなり長期保存することができるうえ、後処理可能な用紙の枚数も多くなる。逆に言えば、後処理された用紙を、長期保存するか、または上述したように後処理する用紙の枚数が多くなる場合には、第1の用紙綴じ手段を選択することによって、用紙の長期保存または多数枚の後処理を実現することが可能となる。
【0193】
また本発明によれば、複数の後処理手段は、用紙集積部に搬送される用紙の搬送方向に、併設されるので、用紙後処理装置をコンパクト化することが可能となる。したがって用紙後処理装置の小形化を図ることができ、設備環境的に有利となる。
【0194】
また本発明によれば、特に一方の後処理手段は、用紙集積部で積層される複数の用紙を後処理可能に、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置されるので、複数の用紙が用紙集積部に積層された状態で、前記用紙を一方の後処理手段によって後処理することが可能となる。換言すれば、一方の後処理手段を用いて、複数の用紙を後処理する場合には、用紙集積部にて複数の用紙は後処理される。他方の後処理手段を用いて、複数の用紙を後処理する場合には、複数の用紙が用紙集積部から搬送方向下流側に搬送された後、複数の用紙は後処理される。
【0195】
このように用紙が、用紙集積部で集積された位置または、用紙集積部から搬送方向下流側に搬送された位置に位置決めされ、一方または他方の後処理手段を用いて用紙に後処理を選択的に施すことができるので、少なくとも用紙を位置決めするための構造を簡単化できる。したがって用紙後処理装置の部品点数を削減して、製作コストを低減することが可能となる。
【0196】
また本発明によれば、用紙に対する印字条件が実際に入力されることによって、後処理手段の選択を実現することができる。
【0197】
また本発明によれば、後処理対象となる積層される用紙の枚数および前記用紙の厚みの、少なくともいずれか1つを用いることによって、後処理手段が選択される。このように用紙の枚数または厚みに応じた後処理手段を選択することができるので、後処理可能な枚数または後処理可能な厚みの用紙を、後処理することが可能となる。
【0198】
また本発明によれば、針なしステープル処理手段または第2の用紙綴じ手段によって後処理可能な用紙の許容枚数に基づいて、後処理手段が選択される。したがって前記許容枚数に基づき、針なしステープル処理手段または第2の用紙綴じ手段によって、許容枚数以下の用紙を確実に後処理することができる。
【0199】
また本発明によれば、複数の後処理手段のうちのいずれか1つが、操作者によって選択されるので、所望の後処理手段を確実に選択することができる。
【0200】
また本発明によれば、搬送方向に併設される複数の後処理手段のうちの少なくともいずれか1つは、用紙集積部で積層される複数の用紙を後処理可能に、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置されるので、複数の用紙が用紙集積部に積層された状態で、前記用紙を前記いずれか1つの後処理手段によって後処理することが可能となる。換言すれば、前記後処理手段を用いて、複数の用紙を後処理する場合には、用紙集積部にて複数の用紙は後処理される。
【0201】
また本発明によれば、複数の用紙は、用紙集積部において、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置される後処理手段を用いて後処理が施される。このように複数の用紙が用紙集積部に位置決めされた状態で、前記用紙を後処理手段を用いて後処理することができるので、後処理時間の短縮を図ることができる。つまり、一旦用紙集積部に集積された用紙を、他の場所に移動することなく、後処理することができるので、後処理時間の短縮を図ることができる。しかも少なくとも用紙を位置決めするための構造を簡単化できる。したがって用紙後処理装置の部品点数を削減して、製作コストを低減することが可能となる。
【0202】
また本発明によれば、複数の用紙は、搬送手段によって整合された状態のまま搬送方向に移動された後、所望の後処理手段を用いて前記用紙は後処理される。つまり搬送手段による用紙の移動距離に応じて、後処理すべき後処理手段を選択することができる。搬送手段は、複数の用紙を整合された状態のまま搬送方向に移動可能になっているので、搬送手段によって複数の用紙が移動された後、この後処理される位置において、複数の用紙を再整合する必要がなくなる。したがって後処理時間の短縮を図ることができる。
【0203】
また本発明によれば、複数の後処理手段は、用紙集積部に積層される複数の用紙の搬送方向下流側端部近傍から前記搬送方向に離反した搬送方向位置にそれぞれ配置されるので、選択される後処理手段が明確化する。つまり用紙が後処理される位置を、用紙集積部に入紙される整合位置とは異ならせることによって、選択対象の後処理手段が明確化する。仮に、用紙に後処理を施さない場合において、用紙集積部にて用紙を整合する際、用紙を後処理手段に干渉させることなく容易に整合することが可能となる。換言すれば、用紙集積部の整合位置において、用紙を後処理可能に後処理手段が配置される場合よりも、集積部における用紙の整合が容易となる。
【0204】
また本発明によれば、搬送手段によって複数の用紙は搬送方向に搬送される。このとき、前記用紙の搬送方向下流側端部は、選択手段によって選択された後処理手段が配置される搬送方向位置まで搬送される。その後、選択された後処理手段を用いて前記用紙は後処理される。このように後処理すべき後処理手段が選択されると、搬送手段によって用紙を、前記後処理手段の搬送方向位置まで搬送し、後処理することができる。
【0205】
また本発明によれば、後処理された後の複数の用紙は、用紙排出手段と搬送手段とで協働して、画像形成装置の排出部に排出される。このように搬送手段に、用紙を排出するための機能を付与することができる。
【0206】
また本発明によれば、前記上流側の後処理手段の開口部と、下流側の後処理手段の開口部とは、開口断面積が異なるように形成されるので、複数の用紙の搬送方向下流側の先端部分を、開口部に円滑に導入することが可能となる。たとえば積層された各用紙間に存在する空気層によって、用紙の前記先端部分の厚みが、実際の用紙枚数と紙厚との積よりも大きくなる場合であっても、用紙の先端部分を、上流側および下流側の開口部に円滑に導入することが可能となる。したがって、複数の用紙を後処理手段に円滑に搬送することが可能となる。
【0207】
また本発明によれば、複数の用紙の搬送方向下流側の先端部分を、開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。したがって複数の用紙を、後処理手段の後処理位置まで円滑にかつ確実に搬送することができる。
【0208】
また本発明によれば、後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、壁面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされるので、用紙を整合した後、搬送途中に用紙がばらついた場合においても、用紙が開口部に導入されるときの用紙の一側縁部と壁面部との摩擦抵抗を極力抑えることができ、開口部への用紙の円滑な導入を実現することができる。
【0209】
また本発明によれば、後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、搬送面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされるので、特に積層された各用紙間に存在する空気層によって、用紙の搬送方向下流側部分の厚みが、実際の用紙枚数と紙厚との積よりも大きくなる場合であっても、用紙の先端部分を、上流側の開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。
【0210】
また本発明によれば、用紙が開口部に導入されるときの用紙の一側縁部と壁面部との摩擦抵抗を極力抑えることができるとともに、用紙の先端部分を、上流側の開口部に円滑にかつ確実に導入することができる。したがって後処理の信頼性が高い用紙後処理装置を実現することができる。
【0211】
また本発明によれば、搬送手段によって搬送方向に移動される複数の用紙のうち、その搬送方向下流側端部は、規制手段によって規制される。この規制手段は、搬送方向上流側および下流側に移動可能に構成されるので、用紙の下流側端部を後処理位置へ位置決めすることが可能となる。
【0212】
また本発明によれば、規制手段は、選択される後処理手段に応じて移動される。これによって用紙の下流側端部は、選択された後処理手段の後処理位置へ搬送される。その後前記後処理手段でもって複数の用紙の後処理を実現することができる。
【0213】
また本発明によれば、複数の用紙の搬送方向下流側端部近傍は、選択される後処理手段の位置情報に基づいて、少なくとも搬送手段と規制手段とで協働して、前記後処理手段の後処理位置に移動される。その後、用紙を確実に後処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置4を備える画像形成装置1Aを示す断面図である。
【図2】画像形成装置本体部1を示す断面図である。
【図3】用紙後処理装置4を拡大して示す斜視図であって、特に、用紙Pと後端板72と先端ストッパ74との関係を示す斜視図である。
【図4】用紙後処理装置4を拡大して示す斜視図であって、特に、用紙Pと後端板72と先端ストッパ74との関係を示す斜視図である。
【図5】長サイズの用紙P1に対する後端板72の動作を示す斜視図である。
【図6】短サイズの用紙P2と後端板72と先端ストッパ74との関係を示す斜視図である。
【図7】短サイズ整合位置で整合された短サイズの用紙束P2に対する後端板72の動作を示す斜視図である。
【図8】後端板駆動機構81を示す斜視図である。
【図9】図8の後端板駆動機構81の移動部における用紙Pのダメージ緩和動作を示す斜視図である。
【図10】図8の後端板駆動機構81における後端板72を倒れ状態とする動作を示す斜視図である。
【図11】図8に示す第2のねじ歯車85とは別の第2のねじ歯車85Aを備えた後端板駆動機構81Aの要部の斜視図である。
【図12】サイド規制板73のサイド規制板駆動部101を示す斜視図である。
【図13】図12に示す3個プーリ群111における二段プーリ110と減速プーリ106との嵌合構造を分解して示す斜視図である。
【図14】図13に示す減速プーリ106において、連結プーリ107の爪部による与圧スプリング113の圧縮状態を示す斜視図である。
【図15】先端ストッパユニット114の斜視図である。
【図16】図15の先端ストッパユニット114を用紙搬送方向一方に見て示す端面図である。
【図17】本実施の他の形態の先端ストッパ141および先端ストッパ駆動部142を示す斜視図である。
【図18】図17に示す先端ストッパ141および先端ストッパ駆動部142を、用紙幅方向に見て示す端面図である。
【図19】図18に示す先端ストッパ駆動部142によって、先端ストッパ141を規制位置に配置した状態を示す端面図である。
【図20】図18に示す先端ストッパ駆動部142によって、先端ストッパ141を退避位置に配置した状態を示す端面図である。
【図21】用紙後処理装置4の要部をZ方向他方に見て示す平面図であって、用紙Pと、後端板72と、先端ストッパ74(141)と、サイド規制板73との関係を示す平面図である。
【図22】針なしステープル装置75aの要部を示す斜視図である。
【図23】針なしステープル装置75aによってステープル処理された用紙束Pの参考図である。
【図24】用紙搬送方向上流側の針なしステープル装置75aのうち、特に開口部を示す斜視図である。
【図25】図24の針なしステープル装置75aの開口部の断面形状を表す図である。
【図26】本実施形態を部分的に変更した変更形態に係り、用紙搬送方向上流側の針なしステープル装置75aのうち、特に開口部を示す斜視図である。
【図27】図26の針なしステープル装置75aの開口部の断面形状を表す図である。
【図28】本実施形態を部分的に変更した変更形態に係り、用紙搬送方向上流側の針なしステープル装置75aのうち、特に開口部を示す斜視図である。
【図29】画像形成装置1Aの電気的構成を示すブロック図である。
【図30】用紙後処理装置4の制御系のブロック図である。
【図31】ステープルトレイ71における短サイズ用紙の予備整合動作を示す斜視図である。
【図32】ステープルトレイ71における短サイズ用紙の予備整合動作の終了時の動作を示す斜視図である。
【図33】図32に示した予備整合動作の終了時からその後の後端板72の動作を示す斜視図である。
【図34】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置4の動作を示すフローチャートである。
【図35】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置4の動作を示すフローチャートである。
【図36】1つのステープル装置が、ステープルトレイ71で積層される用紙Pの搬送方向下流側端部近傍に配置される場合の用紙後処理装置4の斜視図である。
【図37】図36の用紙後処理装置4の要部をZ方向他方に見て示す平面図であって、用紙Pと、後端板72と、先端ストッパ74と、サイド規制板73との関係を示す平面図である。
【図38】従来の用紙後処理装置300を、用紙の搬送ローラ301の軸線方向に垂直な仮想平面で切断して見た断面図である。
【図39】従来の用紙後処理装置400を備えた画像形成装置401を、用紙の搬送ローラの軸線方向に垂直な仮想平面で切断して見た断面図である。
【図40】用紙後処理装置300Aと複写機本体302Aとの関係を概略表す模式図であり、図40(a)は、図38の画像形成装置よりも、用紙後処理装置の床面からの高さが高くなり過ぎた場合の模式図、図40(b)は、用紙後処理装置の床面の設置面積が、図38のものと比べて大きくなり過ぎた場合の模式図である。
【符号の説明】
4 用紙後処理装置
71 ステープルトレイ
72 後端板
74 先端ストッパ
75 ステープラ
75a 針なしステープル装置
75b 針ありステープル装置
81 後端板駆動機構
114 先端ストッパユニット
115 先端ストッパ移動駆動機構
125 壁面部
126 搬送面部
127 一端面部
128,129 面取り部
131 先端ストッパ駆動部
141 先端ストッパ
171 用紙後処理装置制御部

Claims (21)

  1. 非露出状態に設けられる用紙集積部に搬送された用紙に対し、後処理を選択的に施すための複数の後処理手段を備える用紙後処理装置において、
    前記複数の後処理手段は、少なくとも、
    積層された複数の用紙を、綴じ具を用いて綴じる第1の用紙綴じ手段と、
    積層された複数の用紙自体を部分的に加工することで、前記複数の用紙を綴じる第2の用紙綴じ手段とを有し、
    これら第1および第2の用紙綴じ手段のうちのいずれか1つを選択して用いるための選択手段を備えることを特徴とする用紙後処理装置。
  2. 複数の後処理手段は、用紙集積部に搬送される用紙の搬送方向に併設されることを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
  3. 前記併設される複数の後処理手段のうち一方の後処理手段は、用紙集積部で積層される複数の用紙を後処理可能に、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置され、他方の後処理手段は、前記一方の後処理手段よりも搬送方向下流側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の用紙後処理装置。
  4. 選択手段は、用紙に対する印字条件が入力されることによって後処理手段が選択されることを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
  5. 選択手段は、後処理対象となる積層される用紙の枚数および、後処理対象となる積層される用紙の厚みの、少なくともいずれか1つを用いることによって後処理手段が選択されることをことを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
  6. 選択手段は、第2の用紙綴じ手段によって後処理可能な用紙の許容枚数に基づいて、後処理手段が選択されることを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
  7. 選択手段は、複数の後処理手段のうちのいずれか1つが、操作者によって選択可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
  8. 前記搬送方向に併設される複数の後処理手段のうちの少なくともいずれか1つは、用紙集積部で積層される複数の用紙を後処理可能に、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置されることを特徴とする請求項2に記載の用紙後処理装置。
  9. 複数の用紙は、用紙集積部において、前記用紙の搬送方向下流側端部近傍に配置される後処理手段を用いて後処理が施されることを特徴とする請求項7に記載の用紙後処理装置。
  10. 用紙集積部に積層される複数の用紙を、整合された状態のまま搬送方向に移動可能な搬送手段をさらに備え、
    複数の用紙は、搬送手段によって搬送方向に移動され、所望の後処理手段を用いて前記複数の用紙が後処理可能に構成されることを特徴とする請求項2に記載の用紙後処理装置。
  11. 複数の後処理手段は、用紙集積部に積層される複数の用紙の搬送方向下流側端部近傍から前記搬送方向に離反した搬送方向位置にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項2に記載の用紙後処理装置。
  12. 複数の用紙の搬送方向下流側端部は、搬送方向に併設される複数の後処理手段のうち、選択手段によって選択された後処理手段が配置される搬送方向位置まで、搬送手段によって搬送されることを特徴とする請求項10に記載の用紙後処理装置。
  13. 画像形成装置に設けられる用紙後処理装置において、
    用紙後処理装置によって後処理された複数の用紙は、
    前記画像形成装置に設けられる用紙排出手段と、用紙後処理装置の前記搬送手段とで協働して、画像形成装置の排出部に排出可能に構成されることを特徴とする請求項10に記載の用紙後処理装置。
  14. 前記搬送方向に併設される複数の後処理手段は、積層された用紙を後処理するための開口部が形成され、
    搬送方向上流側の後処理手段の開口部と、下流側の後処理手段の開口部とは、開口断面積が異なるように形成されることを特徴とする請求項2に記載の用紙後処理装置。
  15. 前記上流側における開口部の開口断面積は、下流側における開口部の開口断面積よりも大きく形成されることを特徴とする請求項14に記載の用紙後処理装置。
  16. 搬送方向上流側の後処理手段において、
    前記後処理手段の開口部は、用紙の一側縁部が搬送方向に沿って案内される壁面部であって、用紙の積層方向および搬送方向に沿った壁面部が形成され、
    前記後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、前記壁面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされることを特徴とする請求項14または15に記載の用紙後処理装置。
  17. 搬送方向上流側の後処理手段において、
    前記後処理手段の開口部は、搬送方向に略平行な搬送面部が形成され、
    前記後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、前記搬送面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされることを特徴とする請求項14または15に記載の用紙後処理装置。
  18. 搬送方向上流側の後処理手段において、
    前記後処理手段の開口部は、用紙の一側縁部が搬送方向に沿って案内される壁面部であって、用紙の積層方向および搬送方向に沿った壁面部と、この壁面部に隣接しかつ搬送方向に略平行な搬送面部とが形成され、
    前記後処理手段のうち、搬送方向上流側の一端面部であって前記搬送方向に略直交する一端面部と、前記壁面部とが隣接する部分は、斜面形状に面取りされ、かつ、前記一端面部と搬送面部とが隣接する部分も、斜面形状に面取りされることを特徴とする請求項14または15に記載の用紙後処理装置。
  19. 搬送手段によって搬送方向に移動される複数の用紙のうち、その搬送方向下流側端部を規制する規制手段をさらに備え、
    規制手段は、搬送方向上流側および下流側に移動可動に構成されることを特徴とする請求項10に記載の用紙後処理装置。
  20. 前記規制手段は、搬送方向に併設される複数の後処理手段のうち、選択される後処理手段に応じて、移動可能に構成されることを特徴とする請求項19に記載の用紙後処理装置。
  21. 複数の用紙の搬送方向下流側端部近傍は、搬送方向に併設される複数の後処理手段のうち、選択される後処理手段の位置情報に基づいて、少なくとも搬送手段と規制手段とで協働して、前記後処理手段の後処理位置に移動されて後処理可能に構成されることを特徴とする請求項20に記載の用紙後処理装置。
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