JP2004167532A - ベルト式無段変速機用シャフトプーリの製造方法およびその鍛造用金型装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機用シャフトプーリの製造方法およびその鍛造用金型装置 Download PDF

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Moriyuki Oohama
司志 大浜
Koji Nemoto
浩治 根本
Takashi Kihara
貴司 木原
Takanori Hataue
恭徳 畑上
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Abstract

【課題】ベルト式無段変速機用シャフトプーリにおいて、シャフトとプーリとを鍛造成形により一体的に形成し、後加工を不要として製造工程を短縮する。
【解決手段】鍛造用金型26は、ボディ部28の内部に一体的に配設される下型56と、駆動部30の駆動作用下に軸線方向に変位する上型52と、ワークとなる第3次成形品24の第1シャフト部18を上方から押圧する上ピン部材54と、前記第3次成形品24の第2シャフト部20を下方から押圧する下ピン部材46とを備える。前記上型52の貫通孔62bに形成された第4〜第5突起部80、82によって第1シャフト部18の外周面をしごき成形するとともに、下型56の貫通孔62aに形成された第1〜第3突起部70、72、74によって第2シャフト部20の外周面をしごき成形することにより、第1および第2シャフト部18、20の外周径の寸法精度を確保する。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車用の動力伝達装置を構成する無段変速機に用いられるベルト式無段変速機用のシャフトプーリの製造方法およびその鍛造用金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車のエンジンからの動力を変速ギアを介さずに二対のプーリとそれを連結するベルトとによって伝達する無段変速機が採用されている。
【0003】
無段変速機は、エンジンからの動力が伝達される駆動側プーリと、駆動側へと前記動力を伝達する従動側プーリとの間に画成される溝を介してベルトが巻き掛けされ、駆動側プーリおよび従動側プーリのそれぞれに画成される溝幅を連続的に変化させることにより、前記ベルトが駆動側プーリおよび従動側プーリの半径内方向または半径外方向へとそれぞれ変化し、これによって変速比を無段階的に変速させている。そして、前記駆動側プーリの駆動作用下に動力が前記ベルトを介して従動側プーリへと伝達される。
【0004】
前記駆動側プーリおよび従動側プーリは、それぞれ別体からなる棒状の軸部と略円錐状のディスク部とにより構成され、前記ディスク部の中央部に形成される孔部を介して軸部に挿通させ、加圧しながら回転させることにより生じる摩擦熱によって前記軸部とディスク部とをフリクション溶接させて一体的に連結している。
【0005】
また、前記ベルトは、複数の金属プレートが軸線方向に沿って積層され、ベルト溝を介して前記複数の金属プレートが一体的に連結されることにより環状となるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−105368号公報(第2頁左下欄)
【0007】
また、圧延機における回転ローラの間に棒状の軸部を挟んで、前記軸部の外周面に対して軸芯方向へと押圧する押圧力を付勢しながら、前記回転ローラを回転させることにより前記軸部の軸径を加工するクロスロール圧延製法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来技術に係るベルト式無段変速機用のシャフトプーリの製造方法においては、それぞれ別体に形成された軸部とディスク部とをフリクション溶接によって接合する際に生じる摩擦熱の影響下に前記軸部とディスク部との接合部の近傍に熱歪みが生じる。その結果、前記熱歪みによって前記軸部の軸芯精度が低下することが懸念される。
【0009】
そのため、前記軸部とディスク部とを一体的に接合した後、所望の軸芯精度を確保するために前記軸部の外周面に対して後加工を施しているが、加工工程が増大し、それに伴って製造時間が増大するという不具合がある。
【0010】
さらに、クロスロール圧延製法によって軸部の外周径を加工する場合においては、前記回転ロールの押圧作用下に軸部の外周部位より流動した肉が前記軸部の両端部側へと流動するため、前記軸部の両端部側へと流動した肉の除去等の後加工を行う工程が増大する。その結果、前記軸部の取り代が増大するためコストが増大するという不具合がある。
【0011】
本発明は、前記の種々の不具合等を考慮してなされたものであり、シャフトとプーリとを鍛造成形によって一体的に形成することにより、後加工を不要として製造工程を短縮することが可能なベルト式無段変速機用シャフトプーリの製造方法およびその鍛造用金型装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、シャフト部と、前記シャフト部の円錐状のフランジ部とからなるベルト式無段変速機用シャフトプーリの製造方法において、
円柱状の鍛造用素材に対して上型を軸線方向に加圧して下型との間にシャフト部と、前記シャフト部の中間部に半径外方向に拡径した円錐状のフランジ部を成形する工程と、
上ピン部材によって前記鍛造用素材の軸線方向への変位が規制された状態において、前記上型を前記鍛造用素材から離間させるように変位させ、前記上型の内周面に設けられた上型突起部によって前記シャフト部の一端部側の外周面に対してしごき成形を行う工程と、
前記鍛造用素材の軸線方向への変位が規制された状態を解除するとともに、下ピン部材によって前記鍛造用素材を前記上型の方向に向かって押圧し、前記下ピン部材の押圧作用下に下型の内周面に設けられた下型突起部によって前記シャフト部の他端部側の外周面に対してしごき成形を行う工程と、
を有することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、円柱状の鍛造用素材から鍛造成形によってシャフト部と円錐状のフランジ部とを有するシャフトプーリを一体的に形成することができ、前記シャフトプーリが形成された後、上型の軸線方向に沿った変位作用下に前記上型の上型突起部によってシャフト部の一端部側の外周面をしごき成形するとともに、下ピン部材による押圧作用下に鍛造用素材を上型の方向に向かって変位させ、下型の下型突起部によって前記シャフト部の他端部側の外周面をしごき成形する。
【0014】
従って、鍛造成形によってシャフトプーリのシャフト部とフランジ部とが一体的に形成されることにより、フランジ部とシャフト部とを別体に形成して接合していた場合と比較して、シャフト部の軸芯精度を向上させることができる。
【0015】
また、シャフト部の外周面にしごき成形を施すことにより、前記シャフト部の外周径を所望の寸法精度とすることができるため、シャフトプーリが鍛造成形された後に別個に行われていたシャフト部への後加工工程が簡略化または不要となり、それに伴ってシャフトプーリの製造工程の短縮化を図ることができる。
【0016】
さらに、シャフトプーリにシャフト部とフランジ部とを鍛造成形により一体的に形成する工程と、シャフト部の外周面にしごき成形を行う工程とを連続的に行うことができるため、シャフトプーリの製造工程の短縮化を図ることができる。
【0017】
また、本発明は、シャフト部と前記シャフト部の円錐状のフランジ部とからなるベルト式無段変速機用シャフトプーリの鍛造成形を行う鍛造用金型装置において、
駆動部と、
前記駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する上型と、
前記上型の内周面に半径内方向に突出して形成される上型突起部と、
ボディの内部に一体的に配設される下型と、
前記下型の内周面に半径内方向に突出して形成される下型突起部と、
前記駆動部の内部を軸線方向に沿って変位自在に設けられる上ピン部材と、
前記ボディの内部を軸線方向に沿って変位自在に設けられる下ピン部材と、
を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、上型の内周面に半径内方向へと突出した上型突起部を設けるとともに、下型の内周面に半径内方向へと突出した下型突起部を設ける。そして、駆動部の内部を軸線方向に沿って変位自在に設けられる上ピン部材によって鍛造用素材の変位が規制された状態において、前記上型突起部によってシャフト部の一端部側の外周面がしごき成形されるとともに、ボディの内部を軸線方向に沿って変位自在に設けられる下ピン部材の押圧作用下に鍛造用素材が変位し、前記下型突起部によってシャフト部の他端部側の外周面がしごき成形される。
【0019】
従って、鍛造成形によってシャフトプーリのシャフト部とフランジ部とが一体的に形成されることにより、フランジ部とシャフト部とを別体に形成して接合していた場合と比較して、シャフト部の軸芯精度を向上させることができる。
【0020】
また、シャフト部の一端部側および他端部側の外周面にしごき成形を施すことにより、前記シャフト部の外周径を所望の寸法精度とすることができるため、シャフトプーリが鍛造成形された後に別個に行われていたシャフト部への後加工工程が簡略化または不要となり、それに伴ってシャフトプーリの製造工程の短縮化を図ることができる。
【0021】
さらに、シャフトプーリにシャフト部とフランジ部とを形成する鍛造成形と、シャフト部の外周面に対して行われるしごき成形とを鍛造用金型装置によって連続的に行うことができるため、シャフトプーリの製造工程の短縮化を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係るベルト式無段変速機用シャフトプーリの製造方法およびその鍛造用金型装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0023】
本実施の形態に係るベルト式無段変速機用シャフトプーリ10(以下、単にシャフトプーリ10という)の製造方法においては、金属製材料の円柱体からなるワーク12に対して4回の鍛造加工が施され、最終的にシャフトプーリ10(図8参照)が製造される。
【0024】
まず、図2A〜図2Eに示されるように、シャフトプーリ10に形成される第1および第2シャフト部18、20に対して若干大径な円柱体からなるワーク12に対して前処理として加熱を施す。
【0025】
次に、図示しない第1鍛造用金型を使用して、加熱された前記ワーク12に対して第1次鍛造加工を施す。具体的には、前記ワーク12を一端面側より押圧することにより、図2Bに示されるように、前記ワーク12よりも外周径が若干大きく形成された第1次成形品14が得られる。
【0026】
次に、第1次成形品14に対して、第2鍛造加工を行う。具体的には、図示しない軸部成形用およびフランジ部成形用のキャビティを有する図示しない第2鍛造用金型のワーク保持部に対して前記第1次成形品14を装填する。なお、前記軸部成形用のキャビティはワーク12に対して小径に形成されている。
【0027】
この状態で、前記軸部成形用のキャビティに指向して第1次成形品14の一端面を下方(矢印X1方向)に向かって押圧する。この押圧によって該第1次成形品14の略中央部に半径外方向へと拡径するフランジ部16と、軸線方向に沿った両端部側に複数の段部を有する第1シャフト部(一端部)18および第2シャフト部(他端部)20が形成された第2次成形品22とが得られる(図2C参照)。
【0028】
次に、第2次成形品22に対してさらに第3鍛造加工を行う。具体的には、図示しない第3鍛造用金型を使用し、第1および第2シャフト部18、20の外周径がさらに小径となるように形成されるとともに、前記フランジ部16がさらに半径外方向へと拡径されて薄肉状となる第3次成形品24が得られる(図2D参照)。
【0029】
次に、第3次成形品24に対してさらに鍛造加工を行うとともに、第1および第2シャフト部18、20の外周面をしごき成形する工程について説明する。
【0030】
まず、この第3次成形品24に対して鍛造加工およびしごき成形を行う鍛造用金型装置26について説明する。
【0031】
この鍛造用金型装置26は、図1に示されるように、ボディ部28と、図示しない駆動源の駆動作用下に軸線方向に変位する駆動部30と、鍛造成形される第3次成形品24が内部に装填される金型部32と、前記ボディ部28および駆動部30の内部に軸線方向に沿って変位自在に設けられるピン機構34とを備える。
【0032】
ボディ部28は、基台36の上面に装着されるプレート状の第1基部38と、前記第1基部38の上部に装着される第2基部40と、前記第2基部40の上部に係合される環状のアウターリング42とからなる。なお、前記基台36、第1および第2基部38、40およびアウターリング42は、図示しないボルトを介して一体的に連結されている。
【0033】
第1基部38および基台36の略中央部には、軸線方向に沿ってそれぞれ挿通孔44aが形成され、前記挿通孔44aの内部には基台36の下方より下ピン部材46が変位自在に挿入されている。
【0034】
駆動部30は、図示しない電源より図示しない駆動源へと電流が供給されることにより、軸線方向に沿って加圧力が付与されるプレート部材48と、前記プレート部材48の下面に図示しないボルトを介して一体的に連結された接続部材50とからなる。前記接続部材50の内部には、金型部32の一部である上型52が下方(矢印X1方向)に向かって突出するように一体的に係合されている。
【0035】
すなわち、図示しない駆動源による駆動作用下にプレート部材48、接続部材50および上型52が軸線方向に向かって一体的に変位する。
【0036】
また、前記プレート部材48および接続部材50の略中央部には、軸線方向に沿ってそれぞれ挿通孔44bが形成され、前記挿通孔44bの内部には上方より上ピン部材54が変位自在に挿入されている。
【0037】
金型部32は、第2基部40の内部に配設される下型56と、接続部材50の内部に一体的に設けられる上型52とからなる。
【0038】
下型56の上面は、シャフトプーリ10における所望のフランジ部16の下面形状に対応した形状に形成されている。
【0039】
また、下型56の外周面には、半径外方向に突出した凸部58aが第2基部40の凹部60aに係合されるように設けられ、前記凸部58aの係合作用下に前記下型56が上方(矢印X2方向)へ変位することが規制されている。
【0040】
図3〜図7に示されるように、下型56の略中央部には、軸線方向に沿って貫通孔62aが形成され、前記貫通孔62aには、上方から下方に向かって順に第1〜第3下孔部64、66、68が形成されている。前記第1〜第3下孔部64、66、68は、第1下孔部64の内周径が最も大きく形成され、第2下孔部66、第3下孔部68の順に小さくなるように形成されている。
【0041】
前記第1下孔部64には、その内周面より半径内方向に所定長だけ突出した第1突起部(下型突起部)70が第2下孔部66側に形成され、前記第2下孔部66には、その内周面より半径内方向に所定長だけ突出した第2突起部(下型突起部)72が第3下孔部68側に形成され、そして、前記第3下孔部68には、その内周面より半径内方向に所定長だけ突出した第3突起部(下型突起部)74が第1基部38(図1参照)側に形成されている。
【0042】
前記第1〜第3突起部70、72、74の内周面は、いずれも軸線と略平行となるように形成されている。なお、前記第1〜第3突起部70、72、74の内周径も第1〜第3下孔部64、66、68と同様に、第1突起部70の内周径が最も大きく形成され、第2突起部72、第3突起部74の順に小さくなるように形成されている。
【0043】
さらに、前記第1〜第3突起部70、72、74の内周径は、シャフトプーリ10における所望の第2シャフト部20の外周径と略同等となるように形成されている。
【0044】
また、上型52の下面は、シャフトプーリ10における所望のフランジ部16の上面形状に対応した形状に形成され、前記上型52の外周面には、半径外方向に突出した凸部58bが接続部材50の凹部60bに係合されている。
【0045】
上型52の略中央部には、軸線方向に沿って貫通孔62bが形成され、前記貫通孔62bには、その下方から上方に向かって順に第1および第2上孔部76、78が形成されている。前記第1および第2上孔部76、78は、該第1上孔部76の内周径が第2上孔部78の内周径より大きくなるように形成されている。
【0046】
前記第1上孔部76には、その内周面より半径内方向に所定長だけ突出した第4突起部(上型突起部)80が下型56側に形成され、前記第2上孔部78には、その内周面より半径内方向に所定長だけ突出した第5突起部(上型突起部)82が第1上孔部76側に形成されている。
【0047】
前記第4および第5突起部80、82の内周面は、いずれも軸線と略平行となるように形成されている。なお、前記第4および第5突起部80、82の内周径も第1および第2上孔部76、78と同様に、第4突起部80、第5突起部82の順に小さくなるように形成されている。そして、前記第4および第5突起部80、82の内周径も第1および第2上孔部76、78と同様に、第4突起部80の内周径が第5突起部82より大きくなるように形成されている。
【0048】
さらに、下型56の上面と上型52の下面とによって囲繞される装填部84には、第3次成形品24のフランジ部16が装填されるとともに、前記第3次成形品24の第2シャフト部20が下型56の貫通孔62aの内部に挿入されるように装填される。
【0049】
ピン機構34は、図1に示されるように、ボディ部28の挿通孔44aおよび下型56の貫通孔62aの内部に挿入される下ピン部材46と、駆動部30の挿通孔44bおよび上型52の貫通孔62bの内部に挿入される上ピン部材54とからなる。
【0050】
下ピン部材46は長尺状に形成され、前記下ピン部材46が図示しない駆動源の駆動作用下に軸線方向に沿って変位するとともに、その上面が常に貫通孔62aに装填される第3次成形品24の第2シャフト部20の下面に当接するように配設されている。
【0051】
また、上ピン部材54は長尺状に形成され、図示しない駆動源の駆動作用下に軸線方向に沿って下方(矢印X1方向)に変位した際、前記上ピン部材54の下面が貫通孔62bに装填される第3次成形品24の第1シャフト部18の上面に当接するように配設されている。
【0052】
次に、前記鍛造用金型装置26によって第3次成形品24に対してさらに鍛造加工を行うとともに、第1および第2シャフト部18、20の外周面にしごき成形を行う工程について説明する。
【0053】
まず、図3に示されるように、上型52が上方(矢印X2方向)に変位した状態において、ワークとなる第3次成形品24のフランジ部16を装填部84へと装填し、同時に第2シャフト部20を下型56の貫通孔62aへと装填する。
【0054】
そして、図示しない駆動源の駆動作用下に上型52がアウターリング42の内壁面を摺動するように軸線方向に沿って下降し、前記上型52の下面が第3次成形品24のフランジ部16の上面へと当接する。そして、前記上型52による加圧作用下にフランジ部16が上型52の下面形状と略同一形状となるように成形される(図4参照)。
【0055】
また、上型52が下方(矢印X1方向)へと変位する際、前記上型52の第1および第2上孔部76、78にそれぞれ形成された第4および第5突起部80、82によって第3次成形品24の第1シャフト部18の外周面がしごき成形される。その際、第4および第5突起部80、82は、その内周径が異なるため、前記内周径に対応して第1シャフト部18の上方における外周径が下方における外周径より小さい段付形状に形成される。
【0056】
そして、第3次成形品24のフランジ部16の上面に上型52の下面が当接した状態において、図5に示されるように、図示しない駆動源による駆動作用下に上ピン部材54が駆動部30の挿通孔44bおよび上型52の貫通孔62bの内部を軸線方向に沿って下方(矢印X1方向)に変位し、前記上ピン部材54が第1シャフト部18の上面を下方(矢印X1方向)へと押圧する。
【0057】
その結果、前記第1シャフト部18の外周部位は、上ピン部材54による押圧作用下に軸線と略直交する方向(矢印A方向)へと塑性流動し、前記外周部位が塑性変形して半径外方向へと拡径することにより上型52の第1および第2上孔部76、78の内周面に当接する。
【0058】
また、略同時に、図示しない駆動源による駆動作用下に下ピン部材46がボディ部28の挿通孔44aおよび下型56の貫通孔62aの内部を軸線方向に沿って上方(矢印X2方向)に変位し、前記下ピン部材46が第3次成形品24の第2シャフト部20の下面を上方(矢印X2方向)へと押圧する。
【0059】
その結果、前記第2シャフト部20の外周部位は、下ピン部材46による押圧作用下に軸線と略直交する方向(矢印A方向)へと塑性流動し、第2シャフト部20の外周部位が塑性変形して半径外方向へと拡径することにより下型56の第1〜第3下孔部64、66、68の内周面に当接する。
【0060】
換言すると、第1および第2シャフト部18、20は、上ピン部材54および下ピン部材46によって軸線方向の変位(矢印X1、X2方向)が規制された状態にあるため、上ピン部材54および下ピン部材46によって押圧された際、その第1および第2シャフト部18、20の外周部位の肉は半径外方向(矢印A方向)へのみ流動する。
【0061】
次に、図6に示されるように、第1シャフト部18の上面が上ピン部材54によって保持された状態で、図示しない駆動源の駆動作用下に上型52を上方(矢印X2方向)へと変位させる。その際、第1シャフト部18の外周部位は、上ピン部材54の押圧作用下に上型52の内周面に当接するように半径外方向へと塑性変形して拡径した状態にあるため、上型52の内周面の第4および第5突起部80、82が上方(矢印X2方向)に変位し、塑性変形することにより拡径した第1シャフト部18の外周部位が上方(矢印X2方向)へとしごかれる。
【0062】
換言すると、第1シャフト部18の外周部位の肉が第4および第5突起部80、82の変位作用下に上方(矢印X2方向)へと塑性流動し、第1シャフト部18の外周径が第4および第5突起部80、82の内周径と略同等となるようにしごき成形される。
【0063】
その結果、前記第4および第5突起部80、82によって第1シャフト部18の外周径がそれぞれ所望の寸法精度に形成される。なお、第3次成形品24は、第1シャフト部18の上面を上ピン部材54によって規制されているため、上型52の上方(矢印X2方向)へと変位する際に前記第3次成形品24が上方(矢印X2方向)へと変位することがない。
【0064】
次に、図7に示されるように、装填部84に装填された状態の第3次成形品24に対して上型52が上方(矢印X2方向)へと変位した状態で、図示しない駆動源の駆動作用下に下ピン部材46を上ピン部材54と一体的に上方(矢印X2方向)へと変位させる。そして、第2シャフト部20の下面が下ピン部材46によって押圧されて第3次成形品24が上方(矢印X2方向)へと押し上げられるように変位する。
【0065】
その際、第2シャフト部20の外周部位は、下ピン部材46による押圧作用下に下型56の貫通孔62aの内周面に当接するように半径外方向へと塑性変形して拡径した状態にあるため、下型56の内周面の第1〜第3突起部70、72、74に対して第2シャフト部20が上方(矢印X2方向)に変位し、塑性変形することにより拡径した第2シャフト部20の外周部位が軸線方向に沿って下方(矢印X1方向)へとしごかれる。その際、第1〜第3突起部70、72、74は、それぞれ内周径が異なるため、前記内周径に対応して第2シャフト部20の上方における外周径が下方における外周径より大きい段付形状に形成される。
【0066】
換言すると、第2シャフト部20の外周部位の肉が、第1〜第3突起部70、72、74に対する第2シャフト部20の変位作用下に下方(矢印X1方向)へと塑性流動し、第2シャフト部20の外周径が第1〜第3突起部70、72、74の内周径と略同等となるようにしごき成形される。その結果、前記第1〜第3突起部70、72、74によって第2シャフト部20の外周径がそれぞれ所望の寸法精度に形成される。
【0067】
そして、図8に示されるように、第1〜第5突起部70、72、74、80、82によるしごき成形によって所望の寸法精度が確保された第1および第2シャフト部18、20を有するシャフトプーリ10が得られる。
【0068】
以上のように、本実施の形態では、シャフトプーリ10に第1および第2シャフト部18、20と、プーリとして機能するフランジ部16とを一体的に鍛造成形することにより、第1および第2シャフト部18、20とフランジ部16とを別体に設けて接合する場合と比較して、フランジ部16に対する第1および第2シャフト部18、20の軸芯精度を向上させることができる。
【0069】
また、第1および第2シャフト部18、20とフランジ部16が一体的に鍛造成形された後、上型52の第4および第5突起部80、82によって第1シャフト部18の外周面をしごき成形するとともに、下型56の第1〜第3突起部70、72、74によって第2シャフト部20の外周面をしごき成形することにより、鍛造成形によって形成されたシャフトプーリ10に対して別個に第1および第2シャフト部18、20の外周面に加工を施す後加工が不要となるため、それに伴って製造工程および製造時間を短縮化することができる。
【0070】
さらに、第1および第2シャフト部18、20とフランジ部16とを一体的に鍛造成形によって成形する工程と、前記第1および第2シャフト部18、20の外周面に対して第1〜第5突起部70、72、74、80、82を介してしごき成形を行う工程とが鍛造用金型装置26によって連続的に行われるため、シャフトプーリ10の製造工程および製造時間を低減することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0072】
すなわち、鍛造成形によってシャフトプーリのシャフト部とフランジ部とを一体的に形成することができるため、前記シャフト部の軸芯精度を向上させることができる。
【0073】
また、シャフト部の外周面に対してしごき成形を施すことにより、前記シャフト部の外周径を所望の寸法精度とすることができるため、シャフトプーリが鍛造成形された後に別個に行われていたシャフト部への後加工工程が不要となるとともに、前記シャフトプーリにシャフト部とフランジ部とを成形する工程と、シャフト部の外周面にしごき成形を行う工程とを連続的に行うことができるため、シャフトプーリの製造工程の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るベルト式無段変速機用シャフトプーリの製造方法に用いられる鍛造用金型装置の一部省略縦断面図である。
【図2】ワークに対する鍛造加工の工程を示す説明図である。
【図3】図1における鍛造用金型装置の上型が上方に位置した状態を示す拡大縦断面図である。
【図4】図3における鍛造用金型装置の上型が下方に変位し、上型の下面が第3次成形品のフランジ部の上面に当接した状態を示す動作説明図である。
【図5】図4における鍛造用金型装置の上ピン部材が下方に変位するとともに、下ピン部材が上方に変位して、前記上ピン部材および下ピン部材による押圧作用下に第1および第2シャフト部の外周径が拡径した状態を示す動作説明図である。
【図6】図5における鍛造用金型装置の上型が上方に変位して、第3次成形品の第1シャフト部の外周面が第4および第5突起部によってしごき成形された状態を示す動作説明図である。
【図7】図6における鍛造用金型装置の下ピン部材と上ピン部材とが上方に変位し、第3次成形品を上方へと押し出し、第1〜第3突起部によって第2シャフト部の外周面がしごき成形された状態を示す動作説明図である。
【図8】図1における鍛造用金型装置によって第1および第2シャフト部の外周面にしごき成形が施されたシャフトプーリの斜視図である。
【符号の説明】
10…シャフトプーリ 14…第1次成形品
16…フランジ部 18…第1シャフト部
20…第2シャフト部 22…第2次成形品
24…第3次成形品 26…鍛造用金型装置
28…ボディ部 30…駆動部
32…金型部 34…ピン機構
38…第1基部 40…第2基部
44a、44b…挿通孔 46…下ピン部材
52…上型 54…上ピン部材
56…下型 62a、62b…貫通孔
64…第1下孔部 66…第2下孔部
68…第3下孔部 70…第1突起部
72…第2突起部 74…第3突起部
76…第1上孔部 78…第2上孔部
80…第4突起部 82…第5突起部
84…装填部

Claims (2)

  1. シャフト部と、前記シャフト部の円錐状のフランジ部とからなるベルト式無段変速機用シャフトプーリの製造方法において、
    円柱状の鍛造用素材に対して上型を軸線方向に加圧して下型との間にシャフト部と、前記シャフト部の中間部に半径外方向に拡径した円錐状のフランジ部を成形する工程と、
    上ピン部材によって前記鍛造用素材の軸線方向への変位が規制された状態において、前記上型を前記鍛造用素材から離間させるように変位させ、前記上型の内周面に設けられた上型突起部によって前記シャフト部の一端部側の外周面に対してしごき成形を行う工程と、
    前記鍛造用素材の軸線方向への変位が規制された状態を解除するとともに、下ピン部材によって前記鍛造用素材を前記上型の方向に向かって押圧し、前記下ピン部材の押圧作用下に下型の内周面に設けられた下型突起部によって前記シャフト部の他端部側の外周面に対してしごき成形を行う工程と、
    を有することを特徴とするベルト式無段変速機用シャフトプーリの製造方法。
  2. シャフト部と、前記シャフト部の円錐状のフランジ部とからなるベルト式無段変速機用シャフトプーリの鍛造成形を行う鍛造用金型装置において、
    駆動部と、
    前記駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する上型と、
    前記上型の内周面に半径内方向に突出して形成される上型突起部と、
    ボディの内部に一体的に配設される下型と、
    前記下型の内周面に半径内方向に突出して形成される下型突起部と、
    前記駆動部の内部を軸線方向に沿って変位自在に設けられる上ピン部材と、
    前記ボディの内部を軸線方向に沿って変位自在に設けられる下ピン部材と、
    を備えることを特徴とする鍛造用金型装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009166058A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Jatco Ltd ベルト式無段変速機用軸部付き円錐板及びその製造方法
JP2010017728A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Aisin Aw Co Ltd 鍛造装置
JP2012030233A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Honda Motor Co Ltd ワーク鍛造方法

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