JP2004166818A - 遊技台 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上する遊技台を提供すること。
【解決手段】ビッグボーナスに内部当選した場合に、停止時のリールにより表示された絵柄の組合せが、「赤7」絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が固定のビッグボーナスゲームに移行し、「青7」の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が変更可能に設定される内部当選報知遊技に移行することを特徴とする。内部当選報知遊技では、小役に内部当選時にその停止操作順序が報知され、入賞し易くなる。
【選択図】 図12
【解決手段】ビッグボーナスに内部当選した場合に、停止時のリールにより表示された絵柄の組合せが、「赤7」絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が固定のビッグボーナスゲームに移行し、「青7」の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が変更可能に設定される内部当選報知遊技に移行することを特徴とする。内部当選報知遊技では、小役に内部当選時にその停止操作順序が報知され、入賞し易くなる。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)等の遊技台に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にスロットマシン(パチスロ)では、遊技開始操作に基づいてスロットマシン内部で乱数抽選による内部抽選を行い、入賞役への内部当選を決定している。このためスロットマシン内部では、予め内部抽選結果に対応した入賞役が設定されており、また、各入賞役には、予めその入賞役への契機となる絵柄組み合せが設定されている。内部抽選である入賞役に内部当選した場合は、その入賞役の契機となる絵柄組み合せへの入賞のみが許可される。入賞が許可された絵柄組み合せが入賞ライン上に停止表示されると入賞と判定し、所定の遊技媒体を払い出す等の処理を行うようになっている。
【0003】
また、遊技の興趣を高めるために、特定の入賞絵柄組み合せへの入賞を契機として、それまでとは異なる遊技態様の遊技を開始させ、その遊技態様を遊技しつつ結果として遊技媒体が獲得できるようになっている入賞役も設定されている。例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスと称される入賞役である。遊技者としては、入賞役によって遊技態様が異なるため、いずれの絵柄組み合せに入賞するかに期待が高まることになる。
【0004】
このようなスロットマシンとして、特定特別ゲームに2種以上の絵柄組み合せを設定し、入賞した絵柄組み合せに応じて遊技形態が異なるスロットマシンも提案されている。特定特別ゲームとしては、ビッグボーナスが設定されており、ビッグボーナスに対応する絵柄組み合せに「赤7」−「赤7」−「赤7」、「青7」−「青7」−「青7」の2種類の絵柄組み合せを設定し、「赤7」に入賞した場合は、30ゲーム中に3回までレギュラーボーナスが入賞可能に特定特別ゲームが構成される。「青7」に入賞した場合は、20ゲーム中に3回までレギュラーボーナスが入賞可能に特定特別ゲームが構成される。このスロットマシンでは、入賞する絵柄の種類の応じて異なるゲーム内容のビッグボーナスが開始されることになる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−334082号公報(第5頁、第3図、第4図)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、入賞する絵柄の種類の応じて異なるゲーム内容が開始される上述したスロットマシンでは、最初から一方のゲーム内容が他方のゲーム内容よりも遊技者にとって有利な内容となっている。従って、各ゲーム内容のうち、遊技者に不利な内容のゲームに対する遊技者の期待感は劣るものとなり、遊技の興趣が半減する。
【0007】
従って、本発明の目的は、遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上する遊技台を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
複数種類の絵柄が施された複数のリールと、
複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、
前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、予め定めた絵柄の組合せであるか否かに基づいて入賞を判定する判定手段と、を備え、
第1の入賞役に前記内部当選した場合に、停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、第1の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が固定の第1の遊技に移行し、第2の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が変更可能に設定される第2の遊技に移行することを特徴とする遊技台が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態についてスロットマシンを例に挙げて説明する。本実施形態のスロットマシンは、概して、複数種類の絵柄を施したリールが複数列設けられ、遊技媒体の投入と遊技の開始操作により複数列のリールの移動を開始させると共に入賞役の内部当選の当否を定める内部抽選を実行し、内部抽選の結果とリール停止操作に基づいて各リールを停止させ、払い出しが必要な絵柄組み合せが停止した場合には、必要数の遊技媒体を払出す遊技台である。以下、詳述する。
【0010】
<スロットマシンの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の概略を示す正面図である。スロットマシン100の前面側の中央内部には、絵柄の組み合せを変動可能に表示する3つのリール(左リール110、中リール111、右リール112)が、それぞれ独立して回転可能に収容されている。各リール110乃至112の外周面には、例えば、図9に示すように複数種類の絵柄、「赤7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「Rep」が施されており、遊技者から見ると、概ね各リール毎に3つの絵柄、合計9つの絵柄がリール110乃至112の停止時にリール表示窓113を通して見えるようになっている。
【0011】
そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0012】
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に入賞の当否を定める基準となる入賞ライン114a乃至cのうち、どの入賞ラインが有効であるかを示すランプである。有効な入賞ライン上に揃った絵柄の組み合せにより入賞の当否が判定されることとなる。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入された遊技媒体(例えば、メダルである。以下、メダルとして説明する。)の数によって変化する。
【0013】
例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114a乃至cを有する場合、メダルを1枚投入した時は、入賞ライン表示ランプ120の中央が点灯して中段の水平入賞ライン114aの1ラインが、2枚のメダルを投入した時は、更に入賞ライン表示ランプ120の中央とその上下に位置するランプが点灯して上段および下段の水平入賞ライン114bを加えた3ラインが、3枚のメダルを投入した時は、更に入賞ライン表示ランプ120の全てが点灯して2本の斜めの入賞ライン114cを加えた5ラインが有効化される。従って、有効化された入賞ラインは、入賞ライン表示ランプ120により遊技者に明示されることになる。
【0014】
スタートランプ121は、各リール110乃至112が回転可能な状態にあることを知らせるランプである。再遊技ランプ122は、再遊技役に入賞した場合に、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。告知ランプ123は、所定の入賞役に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。払出枚数表示器124は、遊技の結果、遊技者に対してメダルが払い出される場合に、その枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器125は、例えば、予め定めた種類の遊技のゲームの回数等を表示する表示器である。
【0015】
貯留枚数表示器126は、スロットマシン100内に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示する表示器である。メダル投入ランプ127は、遊技者にメダルの投入が可能であることを知らせるランプである。例えば遊技者が遊技を行ってない非遊技状態において、該ランプを点滅させることで遊技者に遊技が可能であることを知らせることができる。演出用表示ランプ128は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
【0016】
メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。メダル投入ボタン130乃至132は、メダル投入口134からのメダルの投入に代えて、電子的に貯留されたメダルをスロットマシン100へ投入するボタン型のスイッチ(いわゆるベットボタン)であり、1枚投入ボタン130、2枚投入ボタン131、3枚投入ボタン(MAXベットボタン)132からなる。これらのボタンを押下することにより1回の遊技に1乃至3枚のメダルがスロットマシン100へ投入されたこととなる。
【0017】
スタートレバー140は、各リール110乃至112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。ストップボタン141乃至143は、回転しているリール110乃至112の各々を個別に停止させるボタン型のスイッチであって、左のストップボタン141の押下に対応して左リール110を、中のストップボタン142の押下に対応して中リール111を、右のストップボタン143の押下に対応して右リール112を、各々個別に停止させることができる。
【0018】
精算ボタン144は、スロットマシン100内に電子的に貯留されているメダルを精算して排出する精算機能と、遊技者がメダル投入口134から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで電子的に貯留するか否かを切り替える貯留切換機能とを兼ねている。
【0019】
施錠穴145は、スロットマシン100の前面扉を開閉するための錠口である。例えばスロットマシン100にエラーが発生した場合や内部設定変更等を行う場合、ホール係員は所定の鍵をこの施錠穴145に差込み前面扉の開閉を行うことができる。化粧パネル150は、スロットマシン100の機種名や装飾するためのイラスト等が描画されるパネルである。
【0020】
メダル排出口160は、入賞によって払い出されるメダルを排出する排出口であり、入賞により払い出されたメダルはメダル受皿161に溜まるようになっている。音孔170は、スロットマシン100内部に設けられたスピーカ(図示せず)からの音を外部に出力するための孔である。上部表示ランプ180は、遊技全体を盛り上げるための装飾用の表示装置であって、表示部の内部にあるLEDまたはランプ等を点灯/消灯させることで、遊技を盛り上げる演出に用いられている。
【0021】
演出表示部190は、スロットマシン100の遊技状態や内部抽選結果等に応じて演出等を行うことで遊技を興趣あるものにする表示部である。本実施形態では、演出表示部190は、LCDで構成されている。無論、演出表示部190は、LCDに限らずLEDをマトリクス上に配置したドットマトリクス表示器等を使用することもできる。
【0022】
<制御部の構成>
次に、図2及び図3を参照してスロットマシン100の制御部の構成を詳細に説明する。図2は、スロットマシン100の主制御部のブロック図であり、図3は、スロットマシン100の副制御部のブロック図を示す。本実施形態では、制御部は、スロットマシン100全体の制御を司る主制御部と、主として遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部と、で構成されている。副制御部は、演出表示部190を制御する演出表示制御部と、効果音や楽曲を制御する音声制御部と両者を制御しその他のランプ類を制御するランプ制御部とを有している。
【0023】
<主制御部の構成>
図2を参照して、マイクロプロセッサ200(以降MCPUという。)は、スロットマシン100の主要部分を制御するプロセッサであって、バス270を介して各制御部との間で制御信号や制御データの送受信を行う。乱数発生器210は、入賞役の内部抽選等に用いられる乱数を発生するものであり、バス270を介してMCPU200に接続されている。メダルセンサ220は、メダル投入口134に投入されたメダルを検知するセンサである。また、ストップボタンセンサ221は、ストップボタン141乃至143が操作されたことを各々個別に検知するセンサである。また、スタートレバーセンサ222は、スタートレバー140の操作を検知するセンサである。
【0024】
オーバーフローセンサ223は、メダル払出装置のメダルタンクより溢れたメダルを回収し、一定量以上のメダルが収容された事を検出して報知等を行うために設けられている。メダル投入ボタンセンサ224は、メダル投入ボタン130乃至132が操作されたことを各々個別に検知するセンサである。これらの各種センサおよびスイッチは、入力インターフェース225を経てバス270を介してMCPU200に接続されている。MCPU200は、所定の割込み周期を待って、これら各種センサおよびスイッチからの信号を受信し、受信した信号に対応する処理を実行する。
【0025】
ROM230(リード・オンリー・メモリ)は、スロットマシン100の制御を行う各種制御プログラムや、各リールの停止を制御する停止位置データ等の固定的な情報を記憶するメモリである。RAM231(ランダム・アクセス・メモリ)は、データの一時記憶および制御用のワークエリアとして使用されるメモリである。これらのメモリはバス270を介してMCPU200に接続されている。本実施形態では、データ、プログラムの記憶デバイスとしてROM又はRAMを例示しているが、もちろん他の記憶手段を用いてもよいことはいうまでもない。この点は、後述する他のROM、RAM、その他のメモリについても同様である。
【0026】
モータ制御部240は、リール110乃至112の各々のリールに設けられた回転駆動手段(本実施形態ではステッピングモータを想定する。)の作動および停止を制御する制御部であり、ステッピングモータのドライバ回路等を備える。また、メダル払出制御部241は、スロットマシン100内部に設けられたメダル払出装置の駆動モータを制御する制御部であり、モータのドライバ回路等を備える。これら制御部は、入出力インターフェース242を経てバス270を介しMCPU200に接続されている。
【0027】
遊技状態表示ランプ制御部250は、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ127、メダル投入ボタン130乃至132およびストップボタン141乃至143に内蔵されているランプ等(図示省略)の点灯/点滅/消灯をMCUP200の指示にしたがって制御する制御部であり、ランプのドライバ回路等が含まれる。
【0028】
セグメント制御部251は、払出枚数表示器124、遊技回数表示器125および貯留枚数表示器126をMCUP200の指示にしたがって制御する制御部であり、セグメント表示器のドライバ回路等を備える。これら制御部は出力インターフェース252経てバス270を介してMCPU200に接続されている。これら表示情報により遊技者は遊技状態を把握することができることになる。出力インターフェース260は、主制御部からの制御信号や制御データを図3に示す副制御部に送信する出力インターフェースである。
【0029】
<副制御部の構成>
図3を参照して、マイクロプロセッサ300(以降SCPU)は、スロットマシン100の補助的な制御をするプロセッサであって、バス360を介して各制御部との間で制御信号や制御データの送受信を行う。ROM310(リード・オンリー・メモリ)は、スロットマシン100の補助的な制御を行う各種プログラムおよび制御データ等を記憶するメモリである。RAM311(ランダム・アクセス・メモリ)は、補助的な制御に対する制御データの一時記憶およびワークエリアとして使用するメモリである。これらメモリはバス360を介してSCPU300に接続されている。
【0030】
乱数発生器312は、主に副制御部で行われる抽選に使用される乱数を取得するためのもので、バス360を介してSCPU300へと入力される。本実施形態では、乱数発生器312を設けているが、無論、SCPU300にソフト的に乱数を生成するプログラムを持たせて乱数を生成させることもできる。
【0031】
演出用表示ランプ制御部320は、演出用表示ランプ128の点灯/点滅/消灯をSCPU300の指示にしたがって制御する制御部であり、ランプのドライバ回路等を備える。また、上部表示ランプ制御部321は、上部表示ランプ180のランプの点灯/消灯/点滅をSCPU300の指示にしたがって制御する制御部であり、ランプのドライバ回路等を備える。
【0032】
バックライト表示制御部322は、リール表示窓113に表示された各リール110乃至112の絵柄をリールの裏面より照射するバックライトの点灯/消灯/点滅をSCPU300の指示にしたがって制御する制御部であり、バックライトのドライバ回路等を備える。これら制御部は出力インターフェース323経てバス360を介してSCPU300に接続されている。入力インターフェース330は、主制御部からの制御信号や制御データ等を受信するインターフェースである。
【0033】
<演出表示制御部>
マイクロプロセッサ350(以降LCPU2)は、出力インターフェース351から送信され入力インターフェース352により受信した制御データをバス380を介して受信し、制御データに基づいてROM353(リード・オンリー・メモリ)から液晶の制御データを取得し、該制御データをビデオ・ディスプレイ・プロセッサー354(以降VDP)に送信する。VDPは、LCD190の液晶表示の制御を行うプロセッサである。VDP354は、制御データに基づいて画像データが格納されたROM355から所定の画像データを選択して、出力インターフェース356を介して演出表示部190のLCD357に表示させる。
【0034】
<音声制御部>
マイクロプロセッサ410(以降LCPU1)は、出力インターフェース403から送信され入力インターフェース405により受信した制御データをバス413を介して受信し、制御データに基づいてROM415及びROM425(リード・オンリー・メモリ)から音声・楽曲の制御データ等を取得し、該制御データをPSG/FM音源部440、音程変換部430、PCM音源部420に送信し、各音源部より音声・楽曲の演奏データを出力させる。楽曲・音声データはDAコンバータ450でアナログデータに変換され、アンプ460で増幅し、スピーカで楽曲・音声として出力される。
【0035】
但し、SCPU300の処理状態によっては、MCPU300による出力インターフェース270からの信号を入力インターフェース330とバス360、出力インターフェース351と入力インターフェース352を介して直接的に各部制御部が受信するようにしてもよい。
【0036】
<絵柄配列>
図4は、本実施形態のスロットマシン100のリール110乃至112の絵柄配列を示す図である。各リールは、それぞれ21の区画に分けられており、この区画を「コマ」と呼ぶ。各絵柄はコマ毎に配置されている。リール表示窓113には、21コマの内の3コマ分が表示される。本実施形態では、絵柄の種類は、「赤7」、「青7」、「V」「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「リプレイ」の7種類である。絵柄の中で特に「赤7」、「青7」「V」と言った絵柄は、後述するように特別な入賞役に対応する絵柄であるため、遊技者の視認性を良くすることを目的として他の絵柄よりも大きく描かれている。また、一部の絵柄については、透光性を持たせることによってリール背後に設けたバックライトの光を透過させて更に視認性を向上させることができる。
【0037】
また、「ベル」、「リプレイ」絵柄に関しては、各リールで4コマ以内の間隔で配置している。詳細については後述するが、本実施形態のスロットマシン100は、遊技者の停止操作に対して入賞を制御するためのリール停止制御を行う。このリール停止制御とは、滑りコマ制御、引き込み制御等と称される制御であり、本実施形態ではこの制御の及ぶ範囲が、遊技者が停止操作した絵柄位置から4コマの範囲内に制限されている。したがって、これらの絵柄に関しては、4コマ以内の間隔で配置したことにより、遊技者がどのタイミングで停止操作しても入賞ラインに停止させることができる。このため、「ベル」「リプレイ」いずれかの絵柄組み合せに内部当選した場合、どのようなタイミングで停止操作しても100%いずれかの入賞ライン上に停止表示させることができることになる。
【0038】
<入賞役>
本実施形態におけるスロットマシン100の各入賞役の絵柄組み合せ構成について図5を用いて説明する。図5(a)乃至(c)は、スロットマシン100の入賞役の構成及び内部抽選確率を示す図である。本実施形態のスロットマシン100の入賞役は、遊技状態に応じて内部抽選する入賞役が設定されている。遊技状態は、通常遊技中、所定入賞役の内部当選中、ビッグボーナス(以下、BBという。)遊技中、役物遊技中の4つの遊技状態が設定されており、各遊技状態において入賞役の種類及び内部抽選確率が設定されている。
【0039】
「本実施形態の入賞役の特徴」
本発明では、第1の入賞役に内部当選した場合に、停止時のリールにより表示された絵柄の組合せが、第1の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が固定の第1の遊技に移行し、第2の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が変更可能に設定される第2の遊技に移行する。
【0040】
これにより、遊技者としては、終了条件が固定であるため、ある程度平均的なメダル払い出しが期待でき、比較的安定した結果が得られる第1の遊技と、終了条件が変更可能に設定されるため、得られる結果も変動し易やすく、大量のメダル払い出しが期待できる一方で、少量のメダル払い出ししか得られない危険性のある第2の遊技と、のいずれかの遊技を楽しむことができることになり、遊技者の期待感の維持、及び、遊技の興趣が向上する。
【0041】
本発明において、「終了条件が変更可能に設定」とは、第2の遊技の終了が一律に固定されないことを意味し、種々の設定の仕方が可能である。例えば、予め定めた複数種類の終了条件の中から抽選等によりいずれかの終了条件を選択して設定する場合、或いは、予め終了条件を何ら定めておかずに、第2の遊技の各遊技毎又は所定回数の遊技毎若しくはその他の事項を契機として終了抽選を行い、第2の遊技を終了させる場合等が含まれる。
【0042】
本実施形態では、第1の入賞役としてBBを想定している。本実施形態の場合、BBに内部当選し、「赤7」−「赤7」−「赤7」が表示された場合、通常遊技から第1の遊技としてBB遊技に移行する。一方、「青7」−「青7」−「青7」が表示された場合、通常遊技から第2の遊技として内部当選報知遊技に移行する。本実施形態の場合、第1の遊技であるBB遊技と第2の遊技である内部当選報知遊技とで、終了条件の相違のみならず、更に、遊技の内容も異なるものとし、遊技性を向上せんとしている。また、本実施形態では、BBに対応する絵柄組合せとして、「V」−「V」−「V」も設定可能としている。この絵柄組合せが表示された場合、所定の条件によりBB遊技か内部当選報知遊技のいずれかに移行する。
【0043】
このように本実施形態の場合、BBという入賞役に対して、BB遊技の他に、内部当選報知遊技にも入賞可能としている。従って、本実施形態において入賞役「BB」は、従来のようにBB遊技にのみ入賞するという位置づけよりも広い概念となる。換言すれば、本実施形態では、BB遊技と内部当選報知遊技という2つの入賞を、内部抽選上は一つのものとして共通に内部当選を判定しており、これらを説明の便宜上、入賞役として共通にBBと称しているのである。
【0044】
「他の入賞役」
通常遊技中の入賞役は、図5(a)に示すようにBB、小役1乃至3、再遊技(リプレイ)及び図示しないハズレで構成されている。内部当選中は、小役1乃至3、リプレイ及びハズレで構成されている。BB遊技中は、図5(b)に示すように小役1乃至3、リプレイ絵柄の組み合せにより開始される役物遊技で構成されている。役物遊技中は、図5(c)に示すように役物及びハズレで構成されている。
【0045】
ここで内部当選とは、通常遊技中に内部抽選の結果、BBに内部当選した状態を指す。BBの内部当選は、BBに対応する絵柄組合せが表示されるまで保持される。BBは大量のメダルを獲得可能な機会が与えられる入賞役であるため、通常遊技中の抽選確率が1/300と低い確率が設定されている。しかし、他の小役と同様に内部当選し、入賞ライン上に対応する絵柄組み合せが停止表示されなかった場合、その遊技限りで内部当選を消滅させてしまうと、遊技者の損失が甚大なものとなってしまう。このためBBのような特別な入賞役に関しては、以後の遊技においても入賞ライン上に対応する絵柄組合せが表示されるまで、内部当選を保持するようにしたものである。
【0046】
BBの内部当選の保持は、BBに内部当選した場合にこれを記録し、BB遊技又は内部当選報知遊技に移行するまでこれを保持しておき、BB遊技又は内部当選報知遊技に入賞したらこの記録を抹消することで可能となる。このような記録等は、本実施形態の場合、MCPU200がRAM231の所定の記憶領域を用いることで可能となる。
【0047】
BB内部当選状態から、「赤7」−「赤7」−「赤7」が入賞ライン上に停止表示されると、BB入賞と判定され、BB遊技に移行する。BB遊技中は、図5(b)に示す小役(1乃至3)及び入賞なしのハズレで構成されている。そして、BB遊技状態においては、通常遊技中は、再遊技役であったRep−Rep−Repの絵柄組み合せが、役物遊技に設定されている。
【0048】
BB遊技中は、Rep−Rep−Repの絵柄組み合せが、入賞ライン上に停止表示されると役物遊技に入賞し、役物遊技状態に移行する。役物遊技中は、通常遊技中、再遊技役であったRep−Rep−Repの絵柄組み合せが、役物に設定されている。役物の説明に関しても後述する。
【0049】
なお、各入賞役の発生確率は、所定の出玉率の範囲内になるように設定されており、すく数の設定(例えば、設定1から設定6までの6段階に設定)が可能である。本実施形態では、任意の1段階についてのみ図5に示し、他の設定に関しては省略する。
【0050】
「通常遊技における入賞役」
・BB:ビッグボーナス
リール表示窓113の入賞ライン上のいずれかに「赤7」−「赤7」−「赤7」が揃った場合、若しくは共通絵柄である「V」−「V」−「V」が揃ってBB遊技開始が選択された場合、所定の配当数のメダルが払い出されBB遊技に入賞する。BB遊技に入賞すると次回からBB遊技に移行する。BB遊技は、所定の遊技回数が消化されるか、第3の遊技である役物遊技を開始させる入賞役(役物)に所定回数入賞するか、のいずれかの条件により終了する遊技であり、遊技回数(本実施形態の場合30ゲーム)及び役物の入賞回数(本実施形態の場合3回)は固定である。
【0051】
本実施形態の場合、BB遊技では、図5(b)に示す入賞役及び抽選確率が適用される遊技態様が開始される。本実施形態では、通常遊技と同じ抽選確率に設定しているが、小役1乃至3がより高確率で内部当選するように設定しても良い。BB遊技においては、通常遊技中では再遊技役であったRep−Rep−Repの絵柄組み合せが役物遊技に設定されている。
【0052】
BB遊技中のみ設定されているこの役物遊技に入賞すると、次回の遊技から後述する役物遊技に突入する。役物遊技が終了すると再びBB遊技へと戻る。本実施形態では、一回のBB遊技で獲得できるメダル枚数は、約400枚程度となっている。
【0053】
・小役1乃至3
小役1:スイカ−スイカ−スイカ、小役2:ベル−ベル−ベル、小役3:チェリー−ANY−ANYが、リール表示窓113の所定の入賞ライン上に揃うと、対応する配当数のメダルが払い出される。遊技の種類は移行しない。なお、「ANY」とはいずれの絵柄でもよいことを意味する。本実施形態では、小役1乃至3の内、小役2の内部抽選確率が、1/2.0と高確率に設定されているが、これは後述する内部当選報知遊技の特定の入賞役に小役2が設定されているためである。
【0054】
・再遊技役(リプレイ)
Rep−Rep−Repが、リール表示窓113の所定の入賞ライン上に揃うと再遊技役の入賞となり、次回の遊技がメダルの投入なしで行うことができる。
【0055】
「BB遊技における入賞役の構成例」
・役物遊技
Rep−Rep−Repが、リール表示窓113の所定の入賞ライン上に揃うと、次回の遊技から役物遊技が開始され、図5(c)に示す入賞役及び抽選確率が適用される遊技態様が開始される。役物遊技は、メダル1枚賭けで所定遊技回数分(本実施形態においては12ゲーム)の間、役物と呼ばれる15枚払い出しの入賞組み合せ(Rep−Rep−Rep)が高確率で内部当選する遊技状態である。本実施形態では、役物遊技は、12ゲームの間に役物に8回入賞すると終了する。1回の役物遊技に入賞すると概ね115枚程度のメダルが獲得できる。
【0056】
・小役1乃至3
BB遊技における小役1乃至3の配当枚数は、本実施形態では通常遊技中と同じ抽選確率に設定している。無論、BB遊技において、一部の小役について配当枚数を異なるように設定しても良い。また、BB遊技では、上記小役が通常遊技に比べて高確率で内部当選するような抽選確率に設定してもよい。また、BB遊技中においても、小役2が高確率で内部当選するため、BB遊技中においても後述の内部当選報知遊技を行わせるようにしてもよい。
【0057】
「役物遊技における入賞役の構成例」
・役物
Rep−Rep−Repが、リール表示窓113の所定の入賞ライン上に揃うと配当数15枚のメダルが払い出される。
【0058】
「内部当選報知遊技」
本実施形態のスロットマシン100は、上述したとおり、内部当選報知遊技が設定されている。内部当選報知遊技は、リール表示窓113の入賞ライン上のいずれかに「青7」−「青7」−「青7」が揃った場合、若しくは「V」−「V」−「V」が揃って内部当選報知遊技が選択された場合に開始される。内部当選報知遊技は、通常遊技と入賞役の種類、内部当選確率は同じであるが、変更可能に設定される遊技区間(遊技回数、遊技時間等。本実施形態では遊技回数とする。)の間、遊技者に停止操作手順を教示する内部当選報知演出を行うことによって特定の入賞役の絵柄組み合せの入賞を容易に行わせる遊技である。
【0059】
換言すれば、内部当選報知遊技は通常遊技ではあるが、遊技者に停止操作手順を教示する内部当選報知演出が行われる点で通常遊技とは異なる遊技内容としている。なお、内部当選報知遊技は、主制御部で制御されるBB遊技とは異なり、後述の副制御部で実行される内部当選報知演出の有無によりメダル獲得の機会を遊技者に与える遊技態様であるという点で、制御面においてもBB遊技とは異なる遊技態様といえる。また、遊技区間の設定方法は種々採用可能であるが、例えば、抽選により定めることができる。
【0060】
より詳しくは、内部当選報知遊技では、特定の入賞役を高確率で内部抽選し、内部当選した入賞役に対応した入賞絵柄組み合せを特定の停止操作手順でのみ入賞ライン上に停止表示できるようにリールを停止制御する。遊技者は、通常遊技においては、この停止操作手順がわからないので誤った停止操作手順で停止操作するため大半は内部当選しても入賞させることができない。しかし、内部当選報知遊技が開始されると、内部当選した入賞役の停止操作手順を遊技者に報知するため、報知された停止操作手順にしたがって停止操作することで全てを入賞させることができるようになる。
【0061】
本実施形態では、特定の入賞役として小役2を設定している。小役2の内部当選確率は、図5に示すように1/2.0と高確率に設定している。小役2に関しては、他の小役とは異なり、内部当選しても設定された停止操作手順に従って停止操作しなければ入賞ライン上に入賞絵柄が停止表示されないようにリールが制御される。通常遊技においては、この停止操作手順が報知されないため、内部当選してもこれに入賞させることは困難となる。一方、「青7」−「青7」−「青7」が揃った場合、若しくは「V」−「V」−「V」が揃って内部当選報知遊技が選択された場合、副制御部は、内部当選報知遊技を行う遊技回数を決定し、その遊技回数が消化されるまで内部当選した小役2の停止操作手順を報知する。停止操作手順が報知されるため容易に入賞させることができる。
【0062】
停止操作手順とは、ストップボタン141乃至143の停止操作順序がこれに当たる。すなわち設定されている停止順序と合致した順番にストップボタンを操作したときに小役2の入賞絵柄である「ベル」が入賞ライン上に停止表示されるように制御される。各ストップボタンの押し順は、左→中→右、左→右→中、中→左→右、中→右→左、右→左→右、右→中→左の6通りである。したがって、通常遊技時は、小役2の実質入賞確率は、1/2.0×1/6=約1/12となる。しかし、内部当選報知遊技が開始されると後述の内部当選報知演出が発生し、遊技者に停止操作順序を報知するため、1/2.0の発生確率で小役2を入賞させることができるようになる。したがって、小役2が高確率で入賞することによってメダルを獲得することができる。
【0063】
本実施形態では、停止操作手順としてストップボタンの操作順序で入賞制御するようにしているが、無論、入賞ライン上に停止表示させるべき絵柄を教示して入賞制御するようにしても良いし、両者を組み合せても良い。
【0064】
<内部当選報知演出>
次に、内部当選報知遊技中の内部当選報知演出について説明する。内部当選報知演出は、遊技者に各ストップボタンの停止操作順序を教示するための演出である。
【0065】
図6に内部当選報知演出例を示す。本図は、前述の小役2の内部当選時に中→右→左の停止操作手順が設定されている場合の教示演出を示している。演出は、各リールに設けられたバックライトを報知手段として用いることで行われる。
【0066】
初めに図6(a)に示すように全リール回転中に中リール111のバックライトのみを点灯させ、他のバックライトを消灯させることで中リール111の停止操作を行うように報知する。遊技者は、バックライトが点灯している中リール111に対応したストップボタン142を停止操作する。結果、中リール111中段にベルが停止表示される。報知手順と同じストップボタンが操作された場合は、リール停止時にバックライトを点灯状態のまま維持する。逆に他のストップボタンが操作された場合は、操作されたストップボタンに対応するリールを停止させると共にバックライトを消灯のまま維持し、停止操作が間違っていることを報知する。
【0067】
次に、図6(b)に示すように回転中の右リール112のバックライトを点灯させて次の停止操作が右リール112であることを遊技者に報知する。遊技者が右リール112に対応するストップボタン143を停止操作した結果、中段入賞ラインにベル絵柄が停止する。最後に残った左リールを停止操作することで図6(c)に示すように中段水平入賞ライン上にベル絵柄が揃って小役2に入賞する。
【0068】
以上のように本実施形態によれば遊技者に各リールの停止操作順序を容易に報知することができる。尚、本実施形態では、リールのバックライトを報知手段として用いて内部当選報知演出を行わせたが、もちろん、バックライト以外の報知手段を採用してもよい。例えば、バックライトの報知の代わりに、又は、これと共に「ライト」「レフト」「センター」といった音声を加えるようにしても良い。また、リールバックライトではなくLCDやドットマトリクス表示装置等の他の表示装置を用いるようにしても良い。
【0069】
<内部当選報知遊技制御形態>
次に、内部当選報知遊技における主制御部と副制御部との間における制御形態を示す。図7は、主制御部と副制御部との制御コマンドに応じた演出制御形態を示す概念図である。
【0070】
副制御部で行われる内部当選報知演出は、主制御部から送信される制御コマンドに基づいて実行される。主制御部では、遊技の進行状況に応じて制御コマンドを副制御部に送信し、副制御部は、受信した制御コマンドを解読し、制御コマンドに応じた演出を実行するようになっている。また、内部当選報知遊技は、発生自体は主制御部の入賞判定結果に基づいて発生制御されるが、内部当選報知遊技の終了は、詳細は後述するが、副制御部の内部処理によって決定されている。
【0071】
主制御部では、遊技者の遊技の進行に応じてスロットマシン100の遊技制御が実行されている。遊技が開始されると主制御部では、入賞役の内部抽選と演出抽選が行われる。内部抽選により入賞役の内部当選の決定が行われ、決定した入賞役に応じた演出内容が、これも抽選によって決定される。内部抽選・演出抽選が終わった時点で主制御部は、副制御部に演出コマンド▲1▼を送信する。
【0072】
次に、主制御部では、リール回転が開始されるとリール回転開始コマンド▲2▼を副制御部に送信して、遊技が開始されたことを知らせる。そして、遊技者により各ストップボタンが操作されたとき、操作されたストップボタンに対応するリールの情報としてストップボタン受付コマンド(第1停止コマンド▲3▼、第2停止コマンド▲4▼、第3停止コマンド▲5▼)を副制御部に送信する。
【0073】
全てのリールが停止され、主制御部で入賞判定処理が終了すると、入賞判定結果コマンド▲6▼を副制御部に送信する。遊技の最後に主制御部は、遊技状態コマンド▲7▼を副制御部に送信して、主制御部の遊技状態を送信する。以上で1遊技が終了する。
【0074】
上記送信される制御コマンドに対して副制御部では以下の制御が行われる。全ての制御コマンドは、副制御部で受信されると受信制御コマンド判定処理が行われる(STEP1)。制御コマンドには、主制御部における電源断、設定変更、エラー処理、内部抽選、入賞判定、遊技状態等の遊技制御に関する制御コマンドや、メダル投入、ストップボタン受付等の遊技操作に関する制御コマンドが数多く設定されている。
【0075】
演出コマンド▲1▼に対して副制御部は、演出コマンド▲1▼に応じた演出内容をROM310に格納されている演出選択テーブルに基づき決定する(STEP2)。図に示すように内部当選報知遊技演出の対象となる小役2に関しては、停止操作順序別に応じて演出コマンドが小役2▲1▼〜小役2▲6▼まで設定されているため、副制御部は、受信した制御コマンドがいずれに該当するかで、小役2の内部当選と停止操作手順とを認識することができる。
【0076】
演出コマンド▲1▼に対して決定された演出内容に応じて各制御部における演出データをROM310に格納されている演出データテーブルに基づいて決定する。演出データテーブルから演出内容に応じた各制御部の演出データを読み出し、バックライト表示制御部、音声制御部、演出表示制御部にそれぞれ送信する演出データをRAM311に展開する(STEP3)。
【0077】
演出データテーブルは、各制御部単位に演出内容毎に設定されている。各演出データは、制御コマンドに応じて設定されている。このため制御コマンドを受信する度に演出内容が切り替わる。本実施形態では、演出データ1にバックライト表示制御部322のバックライトパターンデータ、演出データ2に音声制御部の楽曲パターンデータ、演出データ3として演出表示制御部の画像パターンデータが設定されている。
【0078】
リール回転開始コマンド▲2▼を契機として、副制御部は、RAM311上に展開されている各演出データのリール回転開始コマンド▲2▼に対して設定されている演出データを対応する制御部に対して送信する(STEP4)。例えば、リール回転開始コマンド▲2▼に応じて、SCPU300からバックライト表示制御部322にバックライトパターンデータを送信し、図6(a)のごとくバックライトを制御する。また、SCPU300からLCPU1に楽曲パターンデータを送信し、PSG/FM音源440、PCM音源ROM415を制御して音孔170に設けられたスピーカよりスタート音及び、点灯リールを音声で報知する。また、SCPU300からLCPU2に画像パターンデータを送信し、VDP354を制御し、演出表示部190(LCD357)にアニメーション表示等を行わせる。
【0079】
ストップボタン受付コマンドとして第1停止操作コマンド▲3▼を受信すると、副制御部は、どのリールが停止操作されたかを識別する。図6(a)の報知形態時に、遊技者が中リール111のストップボタン142を操作した場合、副制御部は、停止操作手順正解の演出としてバックライトパターンデータのうち押し順正解のデータをバックライト表示制御部に送信し、図6(b)の報知形態にバックライトを点灯させる演出を実行する。逆に、報知したリールとは異なるリールの停止操作があった場合は、押し順不正解のバックライトパターンデータを送信し、全リール消灯の報知形態を実行して、停止操作リールが異なることを報知する。音声制御部、演出表示制御部においても同様である。
【0080】
上記演出実行制御が、第2停止操作コマンド▲4▼、第3停止操作コマンド▲5▼、入賞判定コマンド▲6▼においても各々実行される。
【0081】
最後の遊技状態コマンド▲7▼に基づいて、副制御部は、次遊技からの演出選択に参照される演出選択テーブルを切り替える。遊技状態コマンド▲7▼で遊技状態が内部当選中やBB遊技に変更された場合、内部当選中、BB遊技中の演出の実行するためである。以上のように、主制御部は、遊技の進行や必要に応じて制御コマンドを副制御部に送信することで内部当選報知演出の同期を図っている。
【0082】
<メダル獲得枚数>
図8は、本実施形態のスロットマシン100における、BB遊技と内部当選報知遊技との間のメダル獲得枚数を示す図である。BB遊技において期待される平均メダル獲得枚数は、約400枚に設計されている。逆に、内部当選報知遊技では、選択される遊技区間(遊技回数)に応じてメダル獲得枚数が異なるように設計されている。遊技回数は、副制御部で行われる抽選により決定される。遊技回数と選択確率は図に示すような配分となっている。最小遊技回数は、20ゲームでメダル獲得枚数は、約120枚程度である。最大遊技回数は、2000ゲームで約12000枚のメダルを獲得できることが期待できる。平均では、遊技回数約45ゲームで平均獲得枚数は、約270枚となっている。獲得枚数のバラツキにより平均獲得枚数では両者に差は生じているものの出玉率としては、概ね同じになるように設計されている。
【0083】
本実施形態では、遊技者がBB遊技若しくは内部当選報知遊技を選択できるように構成している。遊技者は、メダル獲得枚数の比較的安定しているBB遊技を選択するか、最大12000枚のメダルを獲得できる可能性のある内部当選報知遊技のいずれかを選択することができる。本実施形態では、このように期待できるメダル獲得枚数の異なる遊技態様で構成することでより射幸性の高さを選択できる遊技台を提供することができる。以下、遊技者が遊技態様を選択する場合の入賞制御について詳述する。
【0084】
<リールの制御>
次に、リール110乃至112の回転制御、特に、停止時の制御について説明する。以下に述べるリールの停止制御により入賞役の入賞制御が行われることになる。本実施形態においては、停止位置データを用いて各リールの停止制御を行う。停止位置データは、後述するとおり各入賞役の内部抽選の結果に応じて複数種類設定されており、ROM230に格納されている。
【0085】
スロットマシン100の各リール110乃至112を、上述した通りステッピングモータによって駆動する場合、例えば、リール1回転当たりのステップ数は、400ステップであり、1ステップで0.9度回転させることができる。
【0086】
本実施形態において、各リール110乃至112上に設けられた各絵柄のリール回転中の位置を次のようにして特定している。図9は、スロットマシン100の左リール110の停止制御説明図であり、左リール110の場合を例に挙げて説明する。本実施形態では、リール表示窓113の中段表示位置(基準位置)と、左リール110の絵柄列の下端のリプレイ絵柄と、を基準として停止位置データが設定されている。そして、左リール110の絵柄列の下端のリプレイ絵柄が基準位置を通過する毎にリールが1回転したことを検出し、ステッピングモータの駆動パルスをソフトウエア的に計数する(パルスカウンタ)ことで、基準位置からのリールの回転量を求め、各絵柄の位置を特定するように構成している。基準位置通過の検出は、フォトインタラプタ等を用いたセンサでリールに設けた通過片の通過を検出して行うことができる。もちろん、リールの回転位置の検出は、他の回転位置検出手段を用いてもよい。
【0087】
絵柄カウンタは、基準位置であるリール表示窓113の中段に位置する絵柄を記憶保持しておくためのソフトウエアカウンタであり、左リール110の絵柄列の下端のリプレイ絵柄が基準位置を通過した時を起点としてカウントを開始する。各絵柄とカウント値とは対応づけて予め設定されており、主制御部は、リール停止時の絵柄カウンタ値からリール表示窓113内に停止表示されている絵柄を特定し、入賞判定等を行うことができる。
【0088】
1絵柄当たりのステップ数は、絵柄カウンタ1のリプレイが20ステップで、絵柄カウンタ2のスイカ絵柄から21のベル絵柄までが各19ステップに設定されている。主制御部は、駆動パルス数を計数し、1絵柄分のパルス数になったときに絵柄カウンタを更新する。無論、予め絵柄位置に応じたパルス数をパルスカウンタにセットし、駆動パルスの出力毎に減算し、パルスカウンタの値が0になったときに絵柄カウンタを1更新するようにしてもよい。このようにして主制御部は、基準センサの出力と駆動パルスを計数することによって、回転中のリールの絵柄位置を常に把握することができる。
【0089】
次にリールを停止させるときの制御について説明すると、リールの停止位置は、停止位置データに基づいて決定される。停止位置データは、図9に示すように概念的には、リールの絵柄数分のビット列で構成され、基準位置であるリール表示窓113の中段に停止可能な絵柄のみにビットを立てたデータとして表すことができる。図中の「●」が停止許可位置を表す。従って、停止許可位置が設定されていない「↑」の絵柄位置に関しては、遊技者の停止操作タイミングに関わらず基準位置に停止することなく絵柄を通過させることを表している。例えば、絵柄カウンタ8番の「V」絵柄をリール表示窓113の中段位置に来たときに停止ボタン141を操作した場合、停止許可位置ではないので、1コマ先の絵柄カウンタ9の「ベル」絵柄まで絵柄が進んで停止する。このような制御は、いわゆる引き込み制御或いは滑りコマ制御と呼ばれる制御手法である。
【0090】
遊技者にとって見れば、「V」絵柄を狙って操作した結果、「ベル」絵柄が引込まれるようにして停止表示されたように感じることになる。無論、引込みコマ数を多くすればするほどリールを滑らせて停止させることができるが、多すぎた場合、遊技者にとって不自然に感じを与えることとなるため、不自然に感じない程度の間隔で停止許可位置を設定することが好ましい(本実施形態では最大4コマとしている)。図中、停止位置データは、6箇所の停止許可位置が設定されており、最終的にリール表示窓に停止表示される絵柄は、右側に示されたものとなる。
【0091】
<停止位置データ>
次に、本実施形態における停止位置データについて説明する。停止位置データは、図10に示すようにROM230に制御データとして記憶されている。停止位置データは、入賞絵柄組み合せ毎に設定されている。各停止位置データは、第1停止操作リールに応じて3種類の停止位置データを含み、更に、各第1停止操作リールに対して設定される、残りの停止操作リールに対する停止位置データを含むデータ群となっている。
【0092】
例えば、第1停止リールとして左リールが停止操作された場合、第1停止左リールの停止位置データに基づいてリール停止制御が行われる。次に、第2停止リールの停止位置データとして、残りのリールの停止位置データである中リールと右リールの停止位置データが準備される。第2停止リールに中リールが停止操作された場合、第2停止中リールの停止位置データに基づいてリール停止制御が行われる。最後に、第3停止リールの停止位置データとして、残りのリールの停止位置データである右リールの停止位置データが準備され、停止制御が行われる。停止位置データの準備は、詳細は後述するが停止位置データ参照エリアに停止位置データの先頭アドレスを設定することで行われる。
【0093】
本実施形態では、停止位置データの構成を停止操作されるリールの停止操作順序に対応して設定してある。無論、上記停止位置データは、所定の入賞ライン上に絵柄を停止できるようにリール停止位置を定めたデータであるため、他の方法で停止位置データを設定しても良い。
【0094】
次に、通常遊技時における各停止位置データについて説明する。本実施形態では、前述のリール絵柄配列に基づいて、「赤7」絵柄組み合せと「V」絵柄組み合せとがリール停止制御の範囲外に配置されていることから1の停止位置データでそれぞれが入賞ライン上に停止表示可能なように一体化した停止位置データ(以下、「赤7―V」と略す)として設定されている。同様に「青7」絵柄組み合せと「V」絵柄組み合せとについても1の停止位置データでそれぞれが入賞ライン上に停止表示可能なように一体化した停止位置データ(以下、「青7―V」と略す)として設定されている。
【0095】
まとめると、通常遊技時における各停止位置データは以下の通りである。
・「ハズレ」:各入賞役に対応した絵柄組合せ以外の絵柄組合せを表示させる。
・「小役1」:ハズレ以外では小役1対応の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「小役2」:ハズレ以外では小役2対応の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「小役3」:ハズレ以外では小役3対応の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「リプレイ」:ハズレ以外ではリプレイ対応の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「赤7−V」:ハズレ以外では「赤7」又は「V」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「青7―V」:ハズレ以外では「青7」又は「V」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
【0096】
本実施形態では、赤7とV、青7とVとを一体化した停止位置データとしているが、別々の停止位置データとしてもよい。この場合、停止位置データは以下の通りとなる。
・「赤7」:ハズレ以外では「赤7」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「青7」:ハズレ以外では「青7」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「V」:ハズレ以外では「V」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
【0097】
<停止位置データ参照エリア>
本実施形態では、所定の停止位置データについてストップボタンの操作順序が設定されている。すなわち、所定の順序で操作しなければ対応する絵柄組合せが表示されないようにしている。以下、このための制御の例について説明する。
【0098】
ここでは、BB遊技起動絵柄である「赤7」、内部当選報知遊技起動絵柄である「青7」、若しくは共通絵柄である「V」のいずれかに入賞を可能とするリール制御例について説明する。図10は、内部抽選からリール停止までの停止位置データの処理の概略を示す説明図である。
【0099】
内部抽選の結果、BBに内部当選し、対応する停止位置データとして、赤7−Vの停止位置データと青7−Vの停止位置データとが選択される(STEP1)。選択された停止位置データは、RAM231に設けられた停止位置データ参照エリアに設定される(STEP2)。停止位置データ参照エリアは、図に示すようにストップボタン141乃至143の停止操作順序と停止操作されるリールに応じた参照領域で構成されている。第1停止操作に対応する領域には、左中右の各リールに応じた参照領域が設定されている。第2停止に関しては、第1停止時に設定されたリール以外の2つのリールの参照領域が設定され、第3停止では残りのリールに対応する参照領域が設定されている。
【0100】
「赤7―V」の停止位置データは、第1停止左リール、第2停止中リール、第3停止右リールに設定されている。すなわち、ストップボタン141乃至143の停止操作順序を左(ストップボタン141)→中(ストップボタン142)→右(ストップボタン143)の順に停止操作しないと、「赤7―V」の停止位置データが参照されないので「赤7」若しくは「V」絵柄を入賞ライン上に揃えることができないことになる。それ以外の停止操作順序で各ストップボタンを停止させるといずれかの停止操作時には「入賞なし」の停止位置データが選択されることになるため「赤7」若しくは「V」を入賞ライン上に停止表示させることができないこととなる。
【0101】
「青7―V」の停止位置データは、第1停止右リール、第2停止中リール、第3停止左リールに設定されている。すなわち、ストップボタン141乃至143の停止操作順序を右(ストップボタン143)→中(ストップボタン142)→左(ストップボタン141)の順に停止操作しないと、「青7―V」の停止位置データが参照されないので「青7」若しくは「V」絵柄を入賞ライン上に揃えることができないことになる。したがって遊技者は、ストップボタン141乃至143を左中右若しくは右中左のいずれかの順番で停止操作することで「赤7」/「青7」/「V」のいずれかを入賞ライン上に停止表示させることができることになる。
【0102】
次に遊技者による各ストップボタンの操作が受け付けられる(STEP3)。主制御部では、停止操作された各ストップボタンの停止操作順序と操作リールとから停止位置データ参照エリアに設定されている停止位置データアドレスを取得し、対応する停止位置データを取得する(STEP4)。
【0103】
第1停止左リール110のストップボタン141が操作された場合は、停止位置データ参照エリアより、第1停止左リール110の領域に設定されている「赤7−V」の左リール110の停止位置データアドレスが取得され、ROMのアドレス先に記憶されている停止位置データを読み込む。そして、読み込んだ停止位置データを参照して左リール110の停止制御を実行し、リールを停止させる(STEP5)。以上のように停止位置データ参照エリアに停止位置データアドレスを設定することにより、停止操作順序に基づいて入賞絵柄組み合せを選択することができることになる。
【0104】
尚、停止位置データ参照エリアは、小役2の内部当選時にも特定の停止操作手順のみに設定するように構成している。小役2に関しては、他の小役とは異なり、内部当選して停止位置データが選択された場合、抽選で決定した停止操作手順で停止操作された場合にのみ入賞するように停止位置データ参照エリアに停止位置データが設定される。小役2の停止位置データが設定されている停止順序と合致した順番にストップボタンを操作したときに小役2の入賞絵柄が入賞ライン上に停止表示されるように制御される。
【0105】
「赤7」、「青7」、小役2以外の入賞絵柄組み合せについては、上記とは異なり全ての参照領域に入賞役に対応した絵柄組み合せの停止位置データアドレスが設定されるようになっている。このため他の入賞役に対しては、停止操作手順とは無関係に入賞させることができる。
【0106】
停止位置データ参照エリアへの停止位置データの設定方法を替えることによって様々な遊技性を奏することができる。例えば、停止位置データ参照エリアの6通りの操作手順の内、複数の操作手順の参照エリアに停止位置データを設定することで入賞確率1/6から1/1まで変化させることができる。また、特定の参照エリアにのみ停止位置データを固定することで、毎回同じ停止操作手順で小役2を入賞させることも可能となる。
【0107】
また、1の入賞役に対して複数の絵柄組み合せを設定し、停止位置データ参照エリアに設定された絵柄組み合せの停止位置データに対応した絵柄組み合せのみが入賞するように構成することもできる。この場合、遊技者は、設定された絵柄組み合せを入賞ライン上に狙って停止させる必要が出てくるため、適度な技術介入性を持たせることが可能となる。以上のような停止位置データ参照エリアへの停止位置データの設定方法を遊技状態等に応じて変化させるようにすることで種々の遊技態様を提供することができる。
【0108】
図11に図10で設定された停止位置データ参照エリアに対する各リールに設定された停止位置データと停止操作したときの停止表示結果を示す。第1停止操作で左リール110のストップボタン141の操作があった場合、左リール110の停止位置データが、リール絵柄配列に対して図のように設定される。図中各リールの左側に停止位置データを示す。遊技者がストップボタン141を操作したときにリール表示窓113の中段を通過する絵柄を絵柄カウンタより読み込み、リール表示窓113の中段から後の絵柄、すなわちこれからリール表示窓113の中段を通過する4絵柄分先の停止位置データを検索する。検索した停止位置データに停止許可の「●」がある場合は、停止絵柄位置として設定される。主制御部は、停止絵柄位置がリール表示窓113の中段に来るまでリールを回転させ、絵柄を進ませる。停止絵柄位置がリール表示窓113の中段に来たときにステッピングモータを停止させる。
【0109】
検索の結果、停止絵柄位置が複数あった場合は、抽選でいずれかの絵柄位置を停止絵柄位置に設定する。図の場合、左リール110の絵柄カウンタ17で停止操作があった場合、絵柄カウンタ17から回転方向を遡り絵柄カウンタ21までが検索される。停止許可は、絵柄カウンタ19に設定されている。このため絵柄番号19の「青7」がリール表示窓113の中段に停止した表示態様になる。同様にして、中リール111の絵柄カウンタ19で停止操作があった場合、停止可能な絵柄位置は、絵柄番号1と絵柄番号2に設定されている。抽選の結果、絵柄カウンタ2の「赤7」が選択された場合、リール表示窓113の中段に「赤7」絵柄が停止した表示態様になる。同様にして右リール112に関しても、絵柄カウンタ16で停止操作した結果、絵柄カウンタ19の「青7」が停止絵柄位置に決定されてリール表示窓113の中段に停止される。全てのリールが停止した結果、右上がり及び右下がりの斜めの入賞ライン上に「赤7」の絵柄が揃うのでBB遊技に入賞する。
【0110】
また、同様の停止操作順序によって停止操作することで選択絵柄に設定されている「V」−「V」−「V」の絵柄組み合せも入賞ライン上に停止表示させることができる。「青7」絵柄組み合せも同様に、右中左の順に停止操作することにより「青7―V」の停止位置データが設定され、「青7」―「青7」−「青7」及び選択絵柄組み合せである「V」−「V」−「V」を入賞ライン上に停止表示させることができる。遊技者は停止操作手順を変えることでいずれの入賞絵柄組み合せでも入賞ライン上に揃えることができる。すなわち、本実施形態では、BB遊技と内部当選報知遊技とを遊技者が選択できるようにしている。
【0111】
<遊技態様のバリエーション>
次に、スロットマシン100による遊技態様のバリエーションについて説明する。図12(a)は、スロットマシン100の遊技の流れの1例を示す図である。図12(a)の例では、赤7及び青7に関する停止位置データとして、「赤7−V」、「青7−V」ではなく、上述した「赤7」及び「青7」の停止位置データを採用した場合を想定している。
【0112】
図12(a)に示すように、遊技は、BBに内部当選した通常遊技から、BBに対応する絵柄組み合せが揃うまで内部当選結果が保持される内部当選中、BBに対応する絵柄組み合せが揃って開始されるBB遊技又は内部当選報知遊技を経て通常遊技へと戻るようになっている。
【0113】
遊技開始操作に基づいて内部抽選を行った結果、BBに内部当選する(ST600)。BBに内部当選すると主制御部は、各リールを停止制御するための停止位置データとしてBB起動絵柄である「赤7」及び、内部当選報知遊技の起動絵柄である「青7」の停止位置データを図10の停止位置データ参照エリアに設定する(ST602)。次遊技から内部当選中に移行する。遊技者は、「赤7」「青7」いずれかの絵柄組み合せを停止操作して入賞ライン上に停止表示させる。「赤7」絵柄が入賞ライン上に停止表示されるとBB遊技入賞と判定される(ST610)。BB遊技入賞と判定されると次遊技からBB遊技が開始される。BB遊技になったためBB内部当選は、リセットされて消滅する(ST612)。BB遊技中、前述の定められた遊技条件を満たすとBB遊技は終了する(ST614)。BB遊技が終了すると通常遊技へと戻る。
【0114】
ここで、BB内部当選中に「青7」絵柄組み合せが遊技者の停止操作によって入賞ライン上に停止表示されると(ST620)、主制御部は、制御コマンドとして入賞判定結果コマンドを副制御部に送信するとともにBB内部当選をリセットして消滅させる(ST622)。BB内部当選が消滅したことにより、主制御部は通常遊技時と同様の制御を行うが、副制御部は、入賞判定結果コマンドに基づいて、内部当選報知遊技の遊技区間等の終了条件を決定し、内部当選報知遊技を開始する(ST624)。内部当選報知遊技の終了条件が満たされると、副制御部は、内部当選報知遊技を終了させる(ST626)。
【0115】
以上のように、BB内部当選に基づいて遊技者は、BB遊技若しくは内部当選報知遊技のいずれかを入賞ライン上に停止表示させる絵柄に基づいてぞれぞれの遊技態様を発生させることができる。また、いずれかの入賞絵柄組み合せが入賞したことを条件に、BB内部当選結果を消滅させることで、再度入賞することを防止することができる。
【0116】
図12(b)は、図12(a)のスロットマシン100の遊技態様の別の例を示す。図12(b)の例では、図12(a)の遊技態様と異なる部分のみを抽出して記載しているため、一部を省略する一方で、図12(a)と同一の処理に関しては同一の参照番号を付してその説明を省略する。図12(a)の例では、赤7及び青7に関する停止位置データとして上述した「赤7−V」及び「青7−V」のの停止位置データを採用した場合を想定している。なお、これに代えて、「赤7」、「青7」及び「V」の個別の停止位置データを採用してもよい。
【0117】
BB内部当選時に、「赤7―V」、「青7―V」の停止位置データを停止位置データ参照エリアに設定する(ST632)。上述したとおり、共通絵柄である「V」絵柄については、独立した停止位置データとして設定してもよい。遊技者が、停止操作により入賞ライン上に「V」絵柄組み合せを停止表示させ(ST640)、「V」絵柄に入賞したと判定されると、主制御部では「赤7」「青7」いずれへの入賞とするかを選択抽選する(ST643)。選択抽選の結果、「赤7」への入賞とみなされた場合は、BB遊技入賞時の処理を実行させる(ST612)。また、「青7」への入賞とみなされた場合は、内部当選報知遊技入賞時の処理を実行させる(ST622)。
【0118】
以上のように共通絵柄を設けることによって遊技者からは、いずれへの入賞であるのかは知ることができなくなるため、どちらの遊技が開始されるか楽しむという遊技性を新たに持たせることができる。
【0119】
次に、図13は、図12(a)のスロットマシン100の遊技態様の別の例を示す。図13の例では、赤7及び青7に関する停止位置データとして、「赤7−V」、「青7−V」ではなく、上述した「赤7」及び「青7」の停止位置データを採用した場合を想定している。
【0120】
本例の特徴は、図に示すように内部当選中に毎遊技、停止位置データの選択抽選を行うことにある(ST802)。毎遊技、停止位置データ選択抽選が行われ停止位置データが決定される(ST810、ST820)。選択された停止位置データは、その遊技中は、停止位置データ参照エリアに設定され有効とされる(ST812、ST822)。遊技者が停止操作した結果、入賞ライン上に停止表示された絵柄組み合せがいずれの絵柄組み合せであるかを判定する(ST814、ST824)。設定された停止位置データに基づいて対応する絵柄組み合せが入賞した場合は、それぞれに対応した遊技が開始される(ST816、ST826)。ここで、対応した絵柄組み合せの入賞が得られなかった場合は、次回の遊技で再び停止位置データ選択抽選が実行される。
【0121】
以上のように、毎遊技、停止位置データ選択抽選を実行することにより遊技者の所望の遊技態様に応じた絵柄の停止位置データが設定されないと入賞が得られない。このため、必要に応じて入賞させないように停止操作によって回避しなければならない場合が生じてくる。回避させながら最終的に、所望の遊技が開始されたときはその喜びがより大きなものとなる。
【0122】
ここで、本例における入賞を回避させる操作について図11の停止位置データ及び図14を参照しつつ説明する。図14は、「赤7」「青7」入賞時における停止表示状態を示す図である。左リールを最初に停止操作した場合、両者の停止位置データは、同一の位置に停止許可が設定されているため、左リールは、上段から絵柄番号20、19、18の「赤7」「青7」「赤7」が停止表示される。この時点では遊技者は、いずれの絵柄組み合せが揃うのかはわからない。
【0123】
第2停止に中リールを停止操作した場合、「赤7」停止位置データが設定されている場合と、「青7」停止位置データが設定されている場合とでは、図に示すように異なる停止表示結果となる。すなわち、「赤7」停止位置データが設定されている場合は、絵柄番号2の「赤7」に停止許可が設定されているため、上段から絵柄番号3、2、1の「チェリー」「赤7」「リプレイ」が停止表示される。
【0124】
したがって、入賞ライン上に入賞できる絵柄組み合せが「赤7」のみとなるため遊技者は、最後のリールを停止操作する前に本遊技では「赤7」の停止位置データが設定され、「赤7」絵柄組み合せが入賞するように制御されていることが察知できる。逆に「青7」停止位置データが設定されている場合は、絵柄番号19の「青7」に停止許可が設定されているため、上段から絵柄番号20、19、18の「青7」「青7」「青7」が停止表示される。
【0125】
したがって、入賞ライン上に入賞できる絵柄組み合せが「青7」のみとなるため遊技者は、最後のリールを停止操作する前に本遊技では「青7」の停止位置データが設定され、「青7」絵柄組み合せが入賞するように制御されていることが察知できる。遊技者は、停止表示態様を見て所望する遊技態様に入賞するか否かを判断し、所望の遊技態様への入賞であれば、そのまま右リールに絵柄番号20、19、18の「赤7」「青7」「赤7」を狙って停止操作することで図に示すように所望の絵柄を入賞ライン上に停止表示させることができる。
【0126】
逆に所望の遊技態様ではなかった場合は、右リールに絵柄番号11の「V」を狙って停止操作する。絵柄番号11の「V」と絵柄番号18の「赤7」とは、4コマ以上の6コマ離れているため、リール停止制御の範囲では、絵柄番号18の「赤7」をリール表示窓内に停止表示させることができない。したがって、リール表示窓内に「V」が表示されるため、いずれの絵柄組み合せも揃わない停止表示結果となる。
【0127】
このように停止操作する絵柄位置によって絵柄を揃えることも回避することもできる。したがって遊技者は、所望の絵柄組み合せが得られるまで、回避しつつ所望の絵柄組み合せを揃えることができる。また、設定されている停止位置データの種類を報知するようにしても良い。内部当選結果の保持は、最短でも内部当選した遊技終了時まで保持することができればよい。この場合は、遊技者に特別入賞役が内部当選していることが、停止操作前に明確にわかるように報知してやることにより、内部当選した当該遊技にいずれかの絵柄組み合せを入賞させるかを選択して停止操作できるからである。
【0128】
<遊技実行処理>
次に本実施形態のスロットマシン100の遊技制御について詳細に説明する。図15は、スロットマシン100の遊技実行処理を示すフローチャートである。遊技実行処理は、スロットマシン100の主制御部で行われる遊技の全体的な流れを管理する処理である。
【0129】
ST1002では、メダル受付処理を行う。メダル受付処理は、メダル投入口134へのメダル投入の有無をメダルセンサ220からの検知信号によりメダル投入の有無を判定する。メダルの投入を検知した場合、投入されたメダルの枚数に対応してリール表示窓113の左側にある入賞ライン表示ランプ120を点灯/点滅させる。
【0130】
また、メダルの投入は、スロットマシン100内にメダルが電子的に記憶され貯留されている場合、メダル投入ボタン130乃至132のいずれかを押すことでも投入することができる。一回の遊技に投入できる枚数は最大3枚である。このとき主制御部は、副制御部にメダル投入コマンドを送信して副制御部にメダル投入を認識させる。副制御部はメダル投入コマンドに基づいてメダル投入音を発生させる演出等を行う。
【0131】
ST1004では、遊技者によるスタートレバー140の操作有無をスタートレバーセンサ222の検知信号により判定する。なお、スタートレバー140の操作が検知されない場合、スタートレバー140が操作されるまで待機する。スタートレバー140の操作が、スタートレバーセンサ222で検知されるとスタートレバー受付コマンドを副制御部に送信する。副制御部はスタートレバー受付コマンドに基づいて待機中である場合はウエイト音等を発生させる演出を行う。
【0132】
スタートレバー140の操作があると、ST1006へ進み、MCPU200が乱数発生器210から乱数を取得する。本実施形態では、ST1006で、以後の抽選で使用する乱数の全てを取得しているが、無論、抽選処理を行う毎に乱数取得を行っても良い。取得した乱数に基づいて、乱数抽選を行う。ここでは、主として、各入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果は、RAM231の所定の領域に保存され、当該遊技中に参照される。例えば、RAM231にハズレを含む各入賞役の内部抽選結果を記録する。
【0133】
ST1008では、停止位置データの準備が行われる。停止位置データの準備は、ST1006で内部抽選した結果に応じて設定されている停止位置データからリール停止制御に使われる停止位置データを選択する選択処理と、図10に示す停止位置データ参照エリアに選択された停止位置データの参照先の先頭アドレスを設定する処理とからなる。
【0134】
ST1010では、上部ランプ180、演出表示装置190、リールのバックライト等を用いた演出を内部当選結果や遊技状態等に基づいて抽選で決定する。決定された演出に基づいて、演出コマンドを副制御部に送信する。副制御部は、送信された演出コマンドに基づいて演出選択テーブルに基づいて演出内容を選択し、各制御部での演出を実行する準備を行う。
【0135】
ST1012で全リール110乃至112を一斉またはランダムに回転させる。全リールの回転開始を、リール回転開始コマンドを送信して副制御部に認識させる。副制御部はリール回転開始コマンドに基づいて各制御部での演出を開始する。その後、所定時間が経過して全リールが定速回転になると、ST1016へ進み、遊技者によるストップボタン141乃至143の操作の受付を開始する。
【0136】
ST1016では、遊技者が操作したストップボタンがいずれのリールに対応するストップボタンであるかをストップボタンセンサ221により検知し、検知されると、ストップボタンが操作されたことを、停止操作順序に従って第1停止操作コマンド、第2停止操作コマンド、第3停止操作コマンドを送信して、副制御部にどのストップボタンが操作されたかを認識させる。
【0137】
主制御部は、ストップボタンの操作された絵柄位置と停止位置データとに基づいて停止操作のあったリールを停止制御する。但し、所定時間(例えば30秒)経過しても遊技者によるストップボタン141乃至143の操作を検知しない場合は、全リール110乃至112を自動的に停止させる。
【0138】
ST1018では、全リールが停止したことを判定する。ST1020では、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン上に、ST1006の乱数抽選において内部当選した入賞役に対応した入賞絵柄の組み合せが揃って停止しているか否か判定する。入賞判定後に判定結果に対応した入賞判定結果コマンドを副制御部に送信し、入賞状況を認識させる。
【0139】
入賞判定結果コマンドには、入賞した入賞絵柄組み合せに応じて、例えばBB、役物、小役、再遊技、はずれ等のコマンドが存在する。入賞判定後、ST1022へ進み、入賞した入賞役に対応して予め定めた配当数をRAM231のワークエリアにセットし、このワークエリアのデータに基づいた所定数のメダルをメダル払出口160より受皿161に払い出す処理を行う。入賞判定結果が、入賞なしであった場合は、RAM231のワークエリアには払い出し枚数0が設定される。このためメダルの払い出しは行われないことになる。
【0140】
ST1024では、主制御部の入賞演出として払出枚数表示器124に払出枚数を表示や貯留枚数表示器126の加算表示等の入賞演出が行われる。ST1026では、遊技状態制御処理が行われる。ST1006の内部抽選結果と、ST1020の入賞判定結果とに基づいて遊技状態を変更する処理を行う。詳細は後述する。以上により、1回の遊技が終了し、以後、同様の手順が繰り返されることとなる。
【0141】
<遊技状態制御処理>
次に遊技状態制御処理について説明する。図16は、遊技状態制御処理を示すフローチャートである。ここでは、図12(b)を参照して説明した遊技態様の場合の処理について説明する。
【0142】
ST1102では、図15のST1006の内部当選結果を取得する。ST1104では、ST1102の内部当選結果がBBであるかを判定し、BB内部当選であった場合は、ST1106で遊技状態をBB内部当選中に設定する。ST1108では、入賞判定結果を取得する。ST1110以降では、取得した入賞判定結果に応じた遊技状態が設定される。
【0143】
ST1110では、入賞判定結果が「V」−「V」−「V」の絵柄組み合せであったかを判定する。「V」−「V」−「V」の絵柄組み合せであった場合は、ST1112へ移行し、振り分け抽選が行われる。「V」絵柄は、共通絵柄であるためBB遊技と内部当選報知遊技のいずれかに振り分けるための抽選である。ST1114では、振り分け抽選の結果決定した入賞絵柄組み合せの入賞判定結果に変更する処理を行う。BB遊技入賞か内部当選報知遊技入賞のいずれかの入賞判定結果に更新される。
【0144】
ST1120では、入賞判定結果が「赤7」すなわちBB遊技入賞であるかを判定する。判定の結果「赤7」絵柄組み合わせであると判定された場合は、ST1122へ移行し、BB遊技が設定される。ST1124では、副制御部に送信する遊技状態コマンドにBB遊技状態を設定する。
【0145】
ST1120で入賞判定結果が「赤7」でないと判定された場合は、ST1130へ移行し、入賞判定結果が「青7」すなわち内部当選報知遊技であるかを判定する。「青7」絵柄に入賞したものと判定された場合は、ST1132へ移行し、副制御部に送信する遊技状態コマンドに通常遊技状態を設定する。内部当選報知遊技に入賞した場合、次遊技から内部当選報知遊技に移行するが、演出処理が異なるだけで主制御部上の他の制御は通常遊技と同じだからである。
【0146】
ST1126では、ST1106、ST1124又はST1132で設定された遊技状態コマンドを副制御部へ送信する。遊技状態コマンドを受信した副制御部は、遊技状態コマンドに応じた遊技状態の演出選択テーブルを設定する処理を実行する。
【0147】
ST1128では、BB遊技又は内部当選報知遊技への入賞に基づきBB内部当選結果をリセットする。
【0148】
以上のようにBBの内部当選結果は、「赤7」絵柄への入賞によりBB遊技状態が設定されてBBが開始される。また「青7」絵柄への入賞により通常遊技状態が設定されるが「青7」絵柄の入賞判定結果に基づいて内部当選報知遊技が開始される。いずれの場合にしてもBB内部当選結果は、リセットされ消滅する。
【0149】
<コマンド判定処理>
次に、副制御部におけるコマンド判定処理について説明する。コマンド判定処理は、主制御部から送信される制御コマンドを識別し、制御コマンドに応じた演出等の処理を行う。図17は、コマンド判定処理を示すフローチャートである。本図では、複数ある制御コマンドの内、内部当選報知遊技の制御に関連のある制御コマンド判定処理について説明する。その他の電源投入、設定変更、メダル受付等の判定処理については省略する。
【0150】
ST1202では、受信した制御コマンドがある否かの判定を行い、制御コマンドがないと判断された場合は、コマンド判定処理を終了する。なお、制御コマンドの有無については、副制御部において制御コマンドが保存されている記憶領域を割り込み処理等でチェックすることにより判断される。受信した制御コマンドがあると判定された場合は、ST1214乃至ST1232で、制御コマンドの種類の判定を行う。
【0151】
ST1214乃至ST1232では、それぞれ遊技中の演出制御に関連する制御コマンドのいずれかを判定する。ST1214では演出コマンド、ST1216ではリール回転開始コマンド、ST1218ではストップボタン受付コマンド、ST1220ではリール停止コマンド、ST1222では入賞判定コマンド、ST1226では入賞演出コマンド、ST1232では遊技状態コマンドが判定される。
【0152】
上記制御コマンドのひとつであると判定された場合は、ST1250以降の処理が行われることになる。ST1250は、演出選択処理が行われる。演出選択処理は、演出コマンドや入賞演出コマンドに基づいて前述の演出選択テーブルの中から遊技中に行われる各種の演出を決定し、演出データテーブルから演出データを読み込んで展開する処理を行う。内部当選報知遊技中の内部当選報知演出に関しても、例えば図7に示すように演出コマンド06Hに対する演出内容小役2▲4▼(小役2:中→右→左)に対応する演出データテーブルの内部当選報知演出の演出データが選択される。
【0153】
ST1262では、ST1250で設定された演出をリール回転開始、ストップボタン受付、リール停止、入賞判定等の遊技操作に基づいて送信されるコマンドに基づいて順次実行する。上記内部当選報知演出に関しても、図6示すように遊技操作に応じて順次実行される。入賞演出コマンド及び遊技状態コマンドについては、これらのコマンドで指定された演出が直ちに実行されることになっている。例えば入賞払い出し中の効果音やランプ点滅、役物遊技中の効果音やランプ点滅等である。
【0154】
<内部当選報知遊技制御処理>
次に、内部当選報知遊技において副制御部で実行される内部当選報知遊技の制御処理について説明する。図18は、内部当選報知遊技の制御フローチャートである。ST1302では、受信した制御コマンドが入賞判定結果コマンドかを判定する。入賞判定結果コマンドを受信した場合、ST1310及びST1320で更に入賞判定結果の判定が行われる。
【0155】
ST1310で、「青7」入賞すなわち内部当選報知遊技入賞と判定された場合は、ST1312へ移行し、内部当選報知演出を実行する遊技区間抽選が行われる。遊技区間は、必ずしも連続した遊技区間を設定しなくてもよく、所定の遊技回数を1セットとして複数回に分けて発生させることもできる。また、遊技区間中、毎遊技内部当選報知遊技を開始させる抽選を実行し、抽選により得た遊技回数の内部当選報知遊技を開始させるようにしても良い。
【0156】
ST1314では、抽選で決定された遊技区間が遊技区間カウンタに設定される。遊技区間カウンタは、遊技を消化する都度減算処理され、内部当選報知遊技の終了時期を制御する。ST1316で副制御部の遊技状態を内部当選報知遊技に設定する。内部当選報知遊技状態は、副制御部固有の遊技状態であり、主制御部では通常遊技状態で遊技が進められている。通常遊技状態では、副制御部は小役2の内部当選結果に対して設定されている内部当選報知演出を無効化しているため内部当選報知演出は発動しない。内部当選報知遊技状態とは、この小役2の内部当選時に演出データとして設定されている内部当選報知演出を有効化する遊技状態である。
【0157】
ST1320では、「赤7」入賞すなわちBB遊技入賞であると判定されると、ST1322で副制御部の遊技状態をBB遊技状態に設定する。BB遊技状態に設定されることで図17のST1250の演出選択テーブルがBB遊技状態に切り替わる。副制御部は、設定された遊技状態に応じて以後の演出を実行する。内部当選報知遊技状態が設定されている間は、図17のST1250で内部当選報知演出が有効化され、実行される。BB遊技状態に設定されている場合は、BB遊技中における各種演出が実行される。
【0158】
ST1304では、副制御部の遊技状態が、内部当選報知遊技状態であるかを判定する。内部当選報知遊技状態であると判定された場合は、ST1330へ移行し、遊技区間カウンタの値を1減算する。ST1332では遊技区間カウンタの値が0であるかを判定し、0であった場合は、内部当選報知遊技を終了し、副制御部の遊技状態を通常遊技状態に設定する。通常遊技状態に設定することで内部当選報知演出の発動を停止する。
【0159】
以上のように、本実施形態では内部当選報知遊技の発動に関しては、主制御部の入賞判定結果に基づいて制御されるが、内部当選結果報知遊技の終了制御自体は、副制御部のみによって制御される。ここで、内部当選報知遊技中に再度、主制御部においてBB内部当選した場合は、無条件で内部当選報知遊技の遊技区間の抽選を行い、現在消化中の遊技回数に加算するようにしても良い。また、内部当選報知遊技中であってもBB遊技に入賞できるようにしてもよい。
【0160】
<他の実施形態>
次に、本発明のスロットマシン100の他の実施形態について説明する。図19に本実施形態のスロットマシン100の遊技態様を示す。本実施形態のスロットマシン100は、BB内部当選中に入賞ライン上に揃える絵柄によって異なる遊技態様を開始する点では、前述の実施形態と同じであるが、内部当選報知遊技の制御において異なるものとなっている。
【0161】
本実施形態においては、内部当選報知遊技の終了制御を主制御部において行っている。これは、BB内部当選中、「青7」の絵柄組み合わせに入賞した場合、主制御部においてBB内部当選結果をリセットする猶予期間を設定し、猶予期間経過後にBB内部当選結果をリセットするように制御する。副制御部は、猶予期間中は内部当選報知遊技状態が設定される。
【0162】
本実施形態によれば、内部当選報知遊技の発生・終了を主制御部で制御するため制御コマンドの送信ミスにより、内部当選報知遊技が開始されなかったり、逆に終了しなかったりといったことが防止できる。消滅させる時期は、時間で設定してもよいし、遊技回数を設定しても良い。BB内部当選結果を消滅させるまでの猶予期間を設定できる条件であればどのような条件であっても適用することができる。BB内部当選結果は、設定された期間中は保持される。
【0163】
図中、前述の遊技態様と同一の部分については同一の参照番号を付し、その説明は省略する。したがってBBに関しての遊技の流れに関しては同一のものとなっている。以下、内部当選報知遊技の遊技態様について説明する。内部当選状態において「青7」の絵柄組合せに入賞すると、ST900においてBB内部当選結果保持区間抽選が主制御部において行われる。
【0164】
BB内部当選結果保持区間が設定されると、ST902で遊技状態コマンドを副制御部に送信する。副制御部は、遊技状態コマンドに基づいて内部当選報知遊技状態を開始し、内部当選報知演出を有効化する。
【0165】
ここで前述の実施形態と異なる点は、内部当選報知遊技は、主制御部が内部当選状態で且つ保持区間カウンタが設定されていることを条件に発動するように設定されている点である。したがって、遊技状態コマンドは、内部当選状態においては、内部当選状態のみのコマンドと、内部当選状態と保持区間カウンタ設定有のコマンドと2種類存在する。遊技状態コマンドは、遊技毎に副制御部に送信されるため、1遊技において受送信に障害があっても、次回の遊技には正常にも戻すことができる。
【0166】
ST904で内部当選結果保持区間が0になるまでBB内部当選結果が保持され、内部当選状態が維持される。内部当選結果保持区間が0になった場合、ST906でBB内部当選結果をリセットし消滅させ、通常遊技状態に設定する。副制御部は、遊技状態が内部当選状態から通常遊技状態に切り替わることによって内部当選報知遊技を終了する。
【0167】
図20は、本実施形態のスロットマシン100の遊技状態制御処理のフローチャートである。遊技状態制御処理が行われる遊技実行処理は、図13に示す処理と同じであるため、その説明は省略する。
【0168】
本実施形態の遊技状態制御処理は、通常遊技、内部当選中、BB遊技、役物遊技の切替制御を行う。ここで役物遊技に関しては、BB遊技中の遊技制御であり、従来のスロットマシンにおけるBB中の役物遊技の制御と同じであるため説明は省略する。本実施形態では、「青7」の絵柄組合せ入賞時にBB内部当選結果を消滅させる時期を保持区間カウンタに遊技回数を設定し、制御している。以下詳述する。
【0169】
ST1502では、図15のST1006の内部当選結果を取得し、ST1504で内部当選結果がBBであるか否かを判定する。BBに内部当選していると判定された場合は、ST1506へ移行し、遊技状態をBB内部当選状態1に設定する。内部当選状態1は、BBに内部当選しているもののまだ「赤7」「青7」「V」のいずれの絵柄にも入賞していない遊技状態を指す。したがって、内部当選状態1の遊技状態コマンドが副制御部に送信されても内部当選報知演出は行われない。最終的には、いずれかの絵柄に入賞することにより、後述するBB遊技若しくは内部当選状態2へと移行する。内部当選報知演出は、内部当選状態2へ移行した場合に開始される。
【0170】
ST1508では、図15のST1020の入賞判定結果が取得される。ST1510では、BB内部当選結果保持区間を設定する保持区間カウンタの値が0であるか否かをチェックする。保持区間カウンタが0であった場合は、ST1512で、ST1508で取得した入賞判定結果が「V」の絵柄組合せであるかを判定する。「V」の絵柄組合せに入賞したと判定された場合は、ST1514へ移行し、「赤7」(BB遊技)/「青7」(内部当選報知遊技)入賞への振り分け抽選が行われる。ST1516では、振り分け抽選で決定された絵柄への入賞判定結果に更新される。
【0171】
ST1520は、入賞判定結果が「青7」の絵柄組み合わせであるかを判定し、「青7」の絵柄組み合わせであると判定された場合は、ST1522へ移行し、内部当選結果保持区間抽選を実行する。内部抽選結果保持区間抽選は、図8の内部当選報知遊技の遊技回数抽選テーブルをそのまま使用することができる。ST1524で保持区間カウンタに抽選の結果決定した遊技区間を設定する。保持区間カウンタが設定された後は、保持区間カウンタの設定値分の遊技回数に渡り内部当選状態が維持される。
【0172】
ST1526では、遊技状態を内部当選状態2に設定する。内部当選状態2は、内部当選状態であって、保持区間カウンタが設定されている状態を示すものである。ST1570で、制御コマンドとして、内部当選状態2の遊技状態コマンドは送信される。副制御部は、内部当選状態2の制御コマンドに基づいて内部当選報知演出を開始する。
【0173】
ST1510で、保持区間カウンタの値が0で無い場合は、内部当選報知遊技中であることから、ST1530以降の処理を行う。ST1530は、保持区間カウンタより1減算される。ST1532で再度保持区間カウンタの値をチェックし、0であった場合は、ST1534でBB内部当選結果をリセットする。そして、内部当選報知遊技を終了させるべくST1536で通常遊技状態に設定される。遊技状態は、ST1570で制御コマンドとして副制御部に送信される。副制御部では、受信した制御コマンドに基づいて通常遊技状態の演出制御に移行し、内部当選報知演出の発生が停止される。以上のように、主制御部における内部当選状態を利用して、副制御部における内部当選報知遊技の発生終了を制御することができる。
【0174】
前述の図12及び図13の遊技態様では、内部当選報知遊技の開始は、入賞判定結果コマンドに基づいて発生制御されていたため、「青7」の絵柄組み合わせに入賞した遊技における制御コマンドのみに基づいて発生が制御されていた。このため、その遊技において制御コマンドが、何らかの障害により副制御部で受信できなかった場合、「青7」の絵柄組み合わせに入賞しても内部当選報知遊技は発生せず、且つBB内部当選結果も消滅すると言う最悪の不具合が発生する可能性があった。本実施形態では、毎遊技送信される遊技状態コマンドに基づいて内部当選報知演出の発生を制御しているため、仮に制御コマンドの送信ミスにより、制御コマンドが送信されない遊技があったとしても、毎遊技制御コマンドを送信するため不具合を最小限にすることができる。
【0175】
ST1550では、「赤7」の絵柄組み合わせに入賞したかを判定する。「赤7」の絵柄組み合わせに入賞したと判定された場合は、ST1552へ移行し、BB遊技状態を設定する。ST1554でBB内部当選結果をリセットする。ST1556で遊技状態コマンドを副制御部に送信し、BB遊技状態の演出を実行させる。
【0176】
ST1560では、BBが終了したかを判定する。BBが終了した場合は、ST1562で遊技状態を通常遊技状態に設定する。ST1570で遊技状態コマンドを副制御部に送信し、通常遊技状態の演出に切り替える。
【0177】
以上のように、主制御部でBB内部当選結果を消滅させる時期を保持区間カウンタに基づいて制御することで、BB遊技及び内部当選報知遊技の発生制御を主制御部でも行うことができる。副制御部は、主制御部の制御コマンドに基づいて内部当選報知演出のみを行う。毎遊技送信される遊技状態コマンドに基づいて内部当選報知演出の発生を制御しているため、制御コマンドの送信ミスが発生しても、毎遊技制御コマンドを送信するため不具合を最小限にすることができるとともに、内部当選報知遊技を容易に制御することができる。
【0178】
【発明の効果】
以上のべたとおり、本発明の遊技台によれば、遊技者としては、終了条件が固定であり比較的安定した結果が得られる第1の遊技と、終了条件が変更可能に設定され、得られる結果も変動し易い第2の遊技と、のいずれかの遊技を楽しむことができることになり、遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の正面図である。
【図2】スロットマシン100の主制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】スロットマシン100の副制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】スロットマシン100の各リールの絵柄配列の例を示す図である。
【図5】スロットマシン100の入賞絵柄組み合せ及び内部当選確率を示す図である。
【図6】スロットマシン100の内部当選報知演出例を示す図である。
【図7】スロットマシン100の内部当選報知遊技における主制御部と副制御部との制御コマンドの送受信及び演出制御を示す概念図である。
【図8】スロットマシン100における、BB遊技と内部当選報知遊技との間のメダル獲得枚数を示す図である。
【図9】スロットマシン100のリール停止制御を示す図である。
【図10】スロットマシン100の停止位置データ参照エリアの説明図である。
【図11】スロットマシン100のリール停止制御例を示す図である。
【図12】スロットマシン100の遊技態様の例を示す図である。
【図13】スロットマシン100の遊技態様の例を示す図である。
【図14】スロットマシン100の停止操作例を示す。
【図15】スロットマシン100の遊技実行処理のフローチャートである。
【図16】スロットマシン100の遊技状態制御処理のフローチャートである。
【図17】スロットマシン100のコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【図18】スロットマシン100の内部当選報知遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図20】上記他の実施形態における遊技状態制御処理のフローチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)等の遊技台に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にスロットマシン(パチスロ)では、遊技開始操作に基づいてスロットマシン内部で乱数抽選による内部抽選を行い、入賞役への内部当選を決定している。このためスロットマシン内部では、予め内部抽選結果に対応した入賞役が設定されており、また、各入賞役には、予めその入賞役への契機となる絵柄組み合せが設定されている。内部抽選である入賞役に内部当選した場合は、その入賞役の契機となる絵柄組み合せへの入賞のみが許可される。入賞が許可された絵柄組み合せが入賞ライン上に停止表示されると入賞と判定し、所定の遊技媒体を払い出す等の処理を行うようになっている。
【0003】
また、遊技の興趣を高めるために、特定の入賞絵柄組み合せへの入賞を契機として、それまでとは異なる遊技態様の遊技を開始させ、その遊技態様を遊技しつつ結果として遊技媒体が獲得できるようになっている入賞役も設定されている。例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスと称される入賞役である。遊技者としては、入賞役によって遊技態様が異なるため、いずれの絵柄組み合せに入賞するかに期待が高まることになる。
【0004】
このようなスロットマシンとして、特定特別ゲームに2種以上の絵柄組み合せを設定し、入賞した絵柄組み合せに応じて遊技形態が異なるスロットマシンも提案されている。特定特別ゲームとしては、ビッグボーナスが設定されており、ビッグボーナスに対応する絵柄組み合せに「赤7」−「赤7」−「赤7」、「青7」−「青7」−「青7」の2種類の絵柄組み合せを設定し、「赤7」に入賞した場合は、30ゲーム中に3回までレギュラーボーナスが入賞可能に特定特別ゲームが構成される。「青7」に入賞した場合は、20ゲーム中に3回までレギュラーボーナスが入賞可能に特定特別ゲームが構成される。このスロットマシンでは、入賞する絵柄の種類の応じて異なるゲーム内容のビッグボーナスが開始されることになる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−334082号公報(第5頁、第3図、第4図)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、入賞する絵柄の種類の応じて異なるゲーム内容が開始される上述したスロットマシンでは、最初から一方のゲーム内容が他方のゲーム内容よりも遊技者にとって有利な内容となっている。従って、各ゲーム内容のうち、遊技者に不利な内容のゲームに対する遊技者の期待感は劣るものとなり、遊技の興趣が半減する。
【0007】
従って、本発明の目的は、遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上する遊技台を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
複数種類の絵柄が施された複数のリールと、
複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、
前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、予め定めた絵柄の組合せであるか否かに基づいて入賞を判定する判定手段と、を備え、
第1の入賞役に前記内部当選した場合に、停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、第1の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が固定の第1の遊技に移行し、第2の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が変更可能に設定される第2の遊技に移行することを特徴とする遊技台が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態についてスロットマシンを例に挙げて説明する。本実施形態のスロットマシンは、概して、複数種類の絵柄を施したリールが複数列設けられ、遊技媒体の投入と遊技の開始操作により複数列のリールの移動を開始させると共に入賞役の内部当選の当否を定める内部抽選を実行し、内部抽選の結果とリール停止操作に基づいて各リールを停止させ、払い出しが必要な絵柄組み合せが停止した場合には、必要数の遊技媒体を払出す遊技台である。以下、詳述する。
【0010】
<スロットマシンの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の概略を示す正面図である。スロットマシン100の前面側の中央内部には、絵柄の組み合せを変動可能に表示する3つのリール(左リール110、中リール111、右リール112)が、それぞれ独立して回転可能に収容されている。各リール110乃至112の外周面には、例えば、図9に示すように複数種類の絵柄、「赤7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「Rep」が施されており、遊技者から見ると、概ね各リール毎に3つの絵柄、合計9つの絵柄がリール110乃至112の停止時にリール表示窓113を通して見えるようになっている。
【0011】
そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0012】
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に入賞の当否を定める基準となる入賞ライン114a乃至cのうち、どの入賞ラインが有効であるかを示すランプである。有効な入賞ライン上に揃った絵柄の組み合せにより入賞の当否が判定されることとなる。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入された遊技媒体(例えば、メダルである。以下、メダルとして説明する。)の数によって変化する。
【0013】
例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114a乃至cを有する場合、メダルを1枚投入した時は、入賞ライン表示ランプ120の中央が点灯して中段の水平入賞ライン114aの1ラインが、2枚のメダルを投入した時は、更に入賞ライン表示ランプ120の中央とその上下に位置するランプが点灯して上段および下段の水平入賞ライン114bを加えた3ラインが、3枚のメダルを投入した時は、更に入賞ライン表示ランプ120の全てが点灯して2本の斜めの入賞ライン114cを加えた5ラインが有効化される。従って、有効化された入賞ラインは、入賞ライン表示ランプ120により遊技者に明示されることになる。
【0014】
スタートランプ121は、各リール110乃至112が回転可能な状態にあることを知らせるランプである。再遊技ランプ122は、再遊技役に入賞した場合に、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。告知ランプ123は、所定の入賞役に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。払出枚数表示器124は、遊技の結果、遊技者に対してメダルが払い出される場合に、その枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器125は、例えば、予め定めた種類の遊技のゲームの回数等を表示する表示器である。
【0015】
貯留枚数表示器126は、スロットマシン100内に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示する表示器である。メダル投入ランプ127は、遊技者にメダルの投入が可能であることを知らせるランプである。例えば遊技者が遊技を行ってない非遊技状態において、該ランプを点滅させることで遊技者に遊技が可能であることを知らせることができる。演出用表示ランプ128は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
【0016】
メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。メダル投入ボタン130乃至132は、メダル投入口134からのメダルの投入に代えて、電子的に貯留されたメダルをスロットマシン100へ投入するボタン型のスイッチ(いわゆるベットボタン)であり、1枚投入ボタン130、2枚投入ボタン131、3枚投入ボタン(MAXベットボタン)132からなる。これらのボタンを押下することにより1回の遊技に1乃至3枚のメダルがスロットマシン100へ投入されたこととなる。
【0017】
スタートレバー140は、各リール110乃至112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。ストップボタン141乃至143は、回転しているリール110乃至112の各々を個別に停止させるボタン型のスイッチであって、左のストップボタン141の押下に対応して左リール110を、中のストップボタン142の押下に対応して中リール111を、右のストップボタン143の押下に対応して右リール112を、各々個別に停止させることができる。
【0018】
精算ボタン144は、スロットマシン100内に電子的に貯留されているメダルを精算して排出する精算機能と、遊技者がメダル投入口134から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで電子的に貯留するか否かを切り替える貯留切換機能とを兼ねている。
【0019】
施錠穴145は、スロットマシン100の前面扉を開閉するための錠口である。例えばスロットマシン100にエラーが発生した場合や内部設定変更等を行う場合、ホール係員は所定の鍵をこの施錠穴145に差込み前面扉の開閉を行うことができる。化粧パネル150は、スロットマシン100の機種名や装飾するためのイラスト等が描画されるパネルである。
【0020】
メダル排出口160は、入賞によって払い出されるメダルを排出する排出口であり、入賞により払い出されたメダルはメダル受皿161に溜まるようになっている。音孔170は、スロットマシン100内部に設けられたスピーカ(図示せず)からの音を外部に出力するための孔である。上部表示ランプ180は、遊技全体を盛り上げるための装飾用の表示装置であって、表示部の内部にあるLEDまたはランプ等を点灯/消灯させることで、遊技を盛り上げる演出に用いられている。
【0021】
演出表示部190は、スロットマシン100の遊技状態や内部抽選結果等に応じて演出等を行うことで遊技を興趣あるものにする表示部である。本実施形態では、演出表示部190は、LCDで構成されている。無論、演出表示部190は、LCDに限らずLEDをマトリクス上に配置したドットマトリクス表示器等を使用することもできる。
【0022】
<制御部の構成>
次に、図2及び図3を参照してスロットマシン100の制御部の構成を詳細に説明する。図2は、スロットマシン100の主制御部のブロック図であり、図3は、スロットマシン100の副制御部のブロック図を示す。本実施形態では、制御部は、スロットマシン100全体の制御を司る主制御部と、主として遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部と、で構成されている。副制御部は、演出表示部190を制御する演出表示制御部と、効果音や楽曲を制御する音声制御部と両者を制御しその他のランプ類を制御するランプ制御部とを有している。
【0023】
<主制御部の構成>
図2を参照して、マイクロプロセッサ200(以降MCPUという。)は、スロットマシン100の主要部分を制御するプロセッサであって、バス270を介して各制御部との間で制御信号や制御データの送受信を行う。乱数発生器210は、入賞役の内部抽選等に用いられる乱数を発生するものであり、バス270を介してMCPU200に接続されている。メダルセンサ220は、メダル投入口134に投入されたメダルを検知するセンサである。また、ストップボタンセンサ221は、ストップボタン141乃至143が操作されたことを各々個別に検知するセンサである。また、スタートレバーセンサ222は、スタートレバー140の操作を検知するセンサである。
【0024】
オーバーフローセンサ223は、メダル払出装置のメダルタンクより溢れたメダルを回収し、一定量以上のメダルが収容された事を検出して報知等を行うために設けられている。メダル投入ボタンセンサ224は、メダル投入ボタン130乃至132が操作されたことを各々個別に検知するセンサである。これらの各種センサおよびスイッチは、入力インターフェース225を経てバス270を介してMCPU200に接続されている。MCPU200は、所定の割込み周期を待って、これら各種センサおよびスイッチからの信号を受信し、受信した信号に対応する処理を実行する。
【0025】
ROM230(リード・オンリー・メモリ)は、スロットマシン100の制御を行う各種制御プログラムや、各リールの停止を制御する停止位置データ等の固定的な情報を記憶するメモリである。RAM231(ランダム・アクセス・メモリ)は、データの一時記憶および制御用のワークエリアとして使用されるメモリである。これらのメモリはバス270を介してMCPU200に接続されている。本実施形態では、データ、プログラムの記憶デバイスとしてROM又はRAMを例示しているが、もちろん他の記憶手段を用いてもよいことはいうまでもない。この点は、後述する他のROM、RAM、その他のメモリについても同様である。
【0026】
モータ制御部240は、リール110乃至112の各々のリールに設けられた回転駆動手段(本実施形態ではステッピングモータを想定する。)の作動および停止を制御する制御部であり、ステッピングモータのドライバ回路等を備える。また、メダル払出制御部241は、スロットマシン100内部に設けられたメダル払出装置の駆動モータを制御する制御部であり、モータのドライバ回路等を備える。これら制御部は、入出力インターフェース242を経てバス270を介しMCPU200に接続されている。
【0027】
遊技状態表示ランプ制御部250は、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ127、メダル投入ボタン130乃至132およびストップボタン141乃至143に内蔵されているランプ等(図示省略)の点灯/点滅/消灯をMCUP200の指示にしたがって制御する制御部であり、ランプのドライバ回路等が含まれる。
【0028】
セグメント制御部251は、払出枚数表示器124、遊技回数表示器125および貯留枚数表示器126をMCUP200の指示にしたがって制御する制御部であり、セグメント表示器のドライバ回路等を備える。これら制御部は出力インターフェース252経てバス270を介してMCPU200に接続されている。これら表示情報により遊技者は遊技状態を把握することができることになる。出力インターフェース260は、主制御部からの制御信号や制御データを図3に示す副制御部に送信する出力インターフェースである。
【0029】
<副制御部の構成>
図3を参照して、マイクロプロセッサ300(以降SCPU)は、スロットマシン100の補助的な制御をするプロセッサであって、バス360を介して各制御部との間で制御信号や制御データの送受信を行う。ROM310(リード・オンリー・メモリ)は、スロットマシン100の補助的な制御を行う各種プログラムおよび制御データ等を記憶するメモリである。RAM311(ランダム・アクセス・メモリ)は、補助的な制御に対する制御データの一時記憶およびワークエリアとして使用するメモリである。これらメモリはバス360を介してSCPU300に接続されている。
【0030】
乱数発生器312は、主に副制御部で行われる抽選に使用される乱数を取得するためのもので、バス360を介してSCPU300へと入力される。本実施形態では、乱数発生器312を設けているが、無論、SCPU300にソフト的に乱数を生成するプログラムを持たせて乱数を生成させることもできる。
【0031】
演出用表示ランプ制御部320は、演出用表示ランプ128の点灯/点滅/消灯をSCPU300の指示にしたがって制御する制御部であり、ランプのドライバ回路等を備える。また、上部表示ランプ制御部321は、上部表示ランプ180のランプの点灯/消灯/点滅をSCPU300の指示にしたがって制御する制御部であり、ランプのドライバ回路等を備える。
【0032】
バックライト表示制御部322は、リール表示窓113に表示された各リール110乃至112の絵柄をリールの裏面より照射するバックライトの点灯/消灯/点滅をSCPU300の指示にしたがって制御する制御部であり、バックライトのドライバ回路等を備える。これら制御部は出力インターフェース323経てバス360を介してSCPU300に接続されている。入力インターフェース330は、主制御部からの制御信号や制御データ等を受信するインターフェースである。
【0033】
<演出表示制御部>
マイクロプロセッサ350(以降LCPU2)は、出力インターフェース351から送信され入力インターフェース352により受信した制御データをバス380を介して受信し、制御データに基づいてROM353(リード・オンリー・メモリ)から液晶の制御データを取得し、該制御データをビデオ・ディスプレイ・プロセッサー354(以降VDP)に送信する。VDPは、LCD190の液晶表示の制御を行うプロセッサである。VDP354は、制御データに基づいて画像データが格納されたROM355から所定の画像データを選択して、出力インターフェース356を介して演出表示部190のLCD357に表示させる。
【0034】
<音声制御部>
マイクロプロセッサ410(以降LCPU1)は、出力インターフェース403から送信され入力インターフェース405により受信した制御データをバス413を介して受信し、制御データに基づいてROM415及びROM425(リード・オンリー・メモリ)から音声・楽曲の制御データ等を取得し、該制御データをPSG/FM音源部440、音程変換部430、PCM音源部420に送信し、各音源部より音声・楽曲の演奏データを出力させる。楽曲・音声データはDAコンバータ450でアナログデータに変換され、アンプ460で増幅し、スピーカで楽曲・音声として出力される。
【0035】
但し、SCPU300の処理状態によっては、MCPU300による出力インターフェース270からの信号を入力インターフェース330とバス360、出力インターフェース351と入力インターフェース352を介して直接的に各部制御部が受信するようにしてもよい。
【0036】
<絵柄配列>
図4は、本実施形態のスロットマシン100のリール110乃至112の絵柄配列を示す図である。各リールは、それぞれ21の区画に分けられており、この区画を「コマ」と呼ぶ。各絵柄はコマ毎に配置されている。リール表示窓113には、21コマの内の3コマ分が表示される。本実施形態では、絵柄の種類は、「赤7」、「青7」、「V」「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「リプレイ」の7種類である。絵柄の中で特に「赤7」、「青7」「V」と言った絵柄は、後述するように特別な入賞役に対応する絵柄であるため、遊技者の視認性を良くすることを目的として他の絵柄よりも大きく描かれている。また、一部の絵柄については、透光性を持たせることによってリール背後に設けたバックライトの光を透過させて更に視認性を向上させることができる。
【0037】
また、「ベル」、「リプレイ」絵柄に関しては、各リールで4コマ以内の間隔で配置している。詳細については後述するが、本実施形態のスロットマシン100は、遊技者の停止操作に対して入賞を制御するためのリール停止制御を行う。このリール停止制御とは、滑りコマ制御、引き込み制御等と称される制御であり、本実施形態ではこの制御の及ぶ範囲が、遊技者が停止操作した絵柄位置から4コマの範囲内に制限されている。したがって、これらの絵柄に関しては、4コマ以内の間隔で配置したことにより、遊技者がどのタイミングで停止操作しても入賞ラインに停止させることができる。このため、「ベル」「リプレイ」いずれかの絵柄組み合せに内部当選した場合、どのようなタイミングで停止操作しても100%いずれかの入賞ライン上に停止表示させることができることになる。
【0038】
<入賞役>
本実施形態におけるスロットマシン100の各入賞役の絵柄組み合せ構成について図5を用いて説明する。図5(a)乃至(c)は、スロットマシン100の入賞役の構成及び内部抽選確率を示す図である。本実施形態のスロットマシン100の入賞役は、遊技状態に応じて内部抽選する入賞役が設定されている。遊技状態は、通常遊技中、所定入賞役の内部当選中、ビッグボーナス(以下、BBという。)遊技中、役物遊技中の4つの遊技状態が設定されており、各遊技状態において入賞役の種類及び内部抽選確率が設定されている。
【0039】
「本実施形態の入賞役の特徴」
本発明では、第1の入賞役に内部当選した場合に、停止時のリールにより表示された絵柄の組合せが、第1の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が固定の第1の遊技に移行し、第2の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が変更可能に設定される第2の遊技に移行する。
【0040】
これにより、遊技者としては、終了条件が固定であるため、ある程度平均的なメダル払い出しが期待でき、比較的安定した結果が得られる第1の遊技と、終了条件が変更可能に設定されるため、得られる結果も変動し易やすく、大量のメダル払い出しが期待できる一方で、少量のメダル払い出ししか得られない危険性のある第2の遊技と、のいずれかの遊技を楽しむことができることになり、遊技者の期待感の維持、及び、遊技の興趣が向上する。
【0041】
本発明において、「終了条件が変更可能に設定」とは、第2の遊技の終了が一律に固定されないことを意味し、種々の設定の仕方が可能である。例えば、予め定めた複数種類の終了条件の中から抽選等によりいずれかの終了条件を選択して設定する場合、或いは、予め終了条件を何ら定めておかずに、第2の遊技の各遊技毎又は所定回数の遊技毎若しくはその他の事項を契機として終了抽選を行い、第2の遊技を終了させる場合等が含まれる。
【0042】
本実施形態では、第1の入賞役としてBBを想定している。本実施形態の場合、BBに内部当選し、「赤7」−「赤7」−「赤7」が表示された場合、通常遊技から第1の遊技としてBB遊技に移行する。一方、「青7」−「青7」−「青7」が表示された場合、通常遊技から第2の遊技として内部当選報知遊技に移行する。本実施形態の場合、第1の遊技であるBB遊技と第2の遊技である内部当選報知遊技とで、終了条件の相違のみならず、更に、遊技の内容も異なるものとし、遊技性を向上せんとしている。また、本実施形態では、BBに対応する絵柄組合せとして、「V」−「V」−「V」も設定可能としている。この絵柄組合せが表示された場合、所定の条件によりBB遊技か内部当選報知遊技のいずれかに移行する。
【0043】
このように本実施形態の場合、BBという入賞役に対して、BB遊技の他に、内部当選報知遊技にも入賞可能としている。従って、本実施形態において入賞役「BB」は、従来のようにBB遊技にのみ入賞するという位置づけよりも広い概念となる。換言すれば、本実施形態では、BB遊技と内部当選報知遊技という2つの入賞を、内部抽選上は一つのものとして共通に内部当選を判定しており、これらを説明の便宜上、入賞役として共通にBBと称しているのである。
【0044】
「他の入賞役」
通常遊技中の入賞役は、図5(a)に示すようにBB、小役1乃至3、再遊技(リプレイ)及び図示しないハズレで構成されている。内部当選中は、小役1乃至3、リプレイ及びハズレで構成されている。BB遊技中は、図5(b)に示すように小役1乃至3、リプレイ絵柄の組み合せにより開始される役物遊技で構成されている。役物遊技中は、図5(c)に示すように役物及びハズレで構成されている。
【0045】
ここで内部当選とは、通常遊技中に内部抽選の結果、BBに内部当選した状態を指す。BBの内部当選は、BBに対応する絵柄組合せが表示されるまで保持される。BBは大量のメダルを獲得可能な機会が与えられる入賞役であるため、通常遊技中の抽選確率が1/300と低い確率が設定されている。しかし、他の小役と同様に内部当選し、入賞ライン上に対応する絵柄組み合せが停止表示されなかった場合、その遊技限りで内部当選を消滅させてしまうと、遊技者の損失が甚大なものとなってしまう。このためBBのような特別な入賞役に関しては、以後の遊技においても入賞ライン上に対応する絵柄組合せが表示されるまで、内部当選を保持するようにしたものである。
【0046】
BBの内部当選の保持は、BBに内部当選した場合にこれを記録し、BB遊技又は内部当選報知遊技に移行するまでこれを保持しておき、BB遊技又は内部当選報知遊技に入賞したらこの記録を抹消することで可能となる。このような記録等は、本実施形態の場合、MCPU200がRAM231の所定の記憶領域を用いることで可能となる。
【0047】
BB内部当選状態から、「赤7」−「赤7」−「赤7」が入賞ライン上に停止表示されると、BB入賞と判定され、BB遊技に移行する。BB遊技中は、図5(b)に示す小役(1乃至3)及び入賞なしのハズレで構成されている。そして、BB遊技状態においては、通常遊技中は、再遊技役であったRep−Rep−Repの絵柄組み合せが、役物遊技に設定されている。
【0048】
BB遊技中は、Rep−Rep−Repの絵柄組み合せが、入賞ライン上に停止表示されると役物遊技に入賞し、役物遊技状態に移行する。役物遊技中は、通常遊技中、再遊技役であったRep−Rep−Repの絵柄組み合せが、役物に設定されている。役物の説明に関しても後述する。
【0049】
なお、各入賞役の発生確率は、所定の出玉率の範囲内になるように設定されており、すく数の設定(例えば、設定1から設定6までの6段階に設定)が可能である。本実施形態では、任意の1段階についてのみ図5に示し、他の設定に関しては省略する。
【0050】
「通常遊技における入賞役」
・BB:ビッグボーナス
リール表示窓113の入賞ライン上のいずれかに「赤7」−「赤7」−「赤7」が揃った場合、若しくは共通絵柄である「V」−「V」−「V」が揃ってBB遊技開始が選択された場合、所定の配当数のメダルが払い出されBB遊技に入賞する。BB遊技に入賞すると次回からBB遊技に移行する。BB遊技は、所定の遊技回数が消化されるか、第3の遊技である役物遊技を開始させる入賞役(役物)に所定回数入賞するか、のいずれかの条件により終了する遊技であり、遊技回数(本実施形態の場合30ゲーム)及び役物の入賞回数(本実施形態の場合3回)は固定である。
【0051】
本実施形態の場合、BB遊技では、図5(b)に示す入賞役及び抽選確率が適用される遊技態様が開始される。本実施形態では、通常遊技と同じ抽選確率に設定しているが、小役1乃至3がより高確率で内部当選するように設定しても良い。BB遊技においては、通常遊技中では再遊技役であったRep−Rep−Repの絵柄組み合せが役物遊技に設定されている。
【0052】
BB遊技中のみ設定されているこの役物遊技に入賞すると、次回の遊技から後述する役物遊技に突入する。役物遊技が終了すると再びBB遊技へと戻る。本実施形態では、一回のBB遊技で獲得できるメダル枚数は、約400枚程度となっている。
【0053】
・小役1乃至3
小役1:スイカ−スイカ−スイカ、小役2:ベル−ベル−ベル、小役3:チェリー−ANY−ANYが、リール表示窓113の所定の入賞ライン上に揃うと、対応する配当数のメダルが払い出される。遊技の種類は移行しない。なお、「ANY」とはいずれの絵柄でもよいことを意味する。本実施形態では、小役1乃至3の内、小役2の内部抽選確率が、1/2.0と高確率に設定されているが、これは後述する内部当選報知遊技の特定の入賞役に小役2が設定されているためである。
【0054】
・再遊技役(リプレイ)
Rep−Rep−Repが、リール表示窓113の所定の入賞ライン上に揃うと再遊技役の入賞となり、次回の遊技がメダルの投入なしで行うことができる。
【0055】
「BB遊技における入賞役の構成例」
・役物遊技
Rep−Rep−Repが、リール表示窓113の所定の入賞ライン上に揃うと、次回の遊技から役物遊技が開始され、図5(c)に示す入賞役及び抽選確率が適用される遊技態様が開始される。役物遊技は、メダル1枚賭けで所定遊技回数分(本実施形態においては12ゲーム)の間、役物と呼ばれる15枚払い出しの入賞組み合せ(Rep−Rep−Rep)が高確率で内部当選する遊技状態である。本実施形態では、役物遊技は、12ゲームの間に役物に8回入賞すると終了する。1回の役物遊技に入賞すると概ね115枚程度のメダルが獲得できる。
【0056】
・小役1乃至3
BB遊技における小役1乃至3の配当枚数は、本実施形態では通常遊技中と同じ抽選確率に設定している。無論、BB遊技において、一部の小役について配当枚数を異なるように設定しても良い。また、BB遊技では、上記小役が通常遊技に比べて高確率で内部当選するような抽選確率に設定してもよい。また、BB遊技中においても、小役2が高確率で内部当選するため、BB遊技中においても後述の内部当選報知遊技を行わせるようにしてもよい。
【0057】
「役物遊技における入賞役の構成例」
・役物
Rep−Rep−Repが、リール表示窓113の所定の入賞ライン上に揃うと配当数15枚のメダルが払い出される。
【0058】
「内部当選報知遊技」
本実施形態のスロットマシン100は、上述したとおり、内部当選報知遊技が設定されている。内部当選報知遊技は、リール表示窓113の入賞ライン上のいずれかに「青7」−「青7」−「青7」が揃った場合、若しくは「V」−「V」−「V」が揃って内部当選報知遊技が選択された場合に開始される。内部当選報知遊技は、通常遊技と入賞役の種類、内部当選確率は同じであるが、変更可能に設定される遊技区間(遊技回数、遊技時間等。本実施形態では遊技回数とする。)の間、遊技者に停止操作手順を教示する内部当選報知演出を行うことによって特定の入賞役の絵柄組み合せの入賞を容易に行わせる遊技である。
【0059】
換言すれば、内部当選報知遊技は通常遊技ではあるが、遊技者に停止操作手順を教示する内部当選報知演出が行われる点で通常遊技とは異なる遊技内容としている。なお、内部当選報知遊技は、主制御部で制御されるBB遊技とは異なり、後述の副制御部で実行される内部当選報知演出の有無によりメダル獲得の機会を遊技者に与える遊技態様であるという点で、制御面においてもBB遊技とは異なる遊技態様といえる。また、遊技区間の設定方法は種々採用可能であるが、例えば、抽選により定めることができる。
【0060】
より詳しくは、内部当選報知遊技では、特定の入賞役を高確率で内部抽選し、内部当選した入賞役に対応した入賞絵柄組み合せを特定の停止操作手順でのみ入賞ライン上に停止表示できるようにリールを停止制御する。遊技者は、通常遊技においては、この停止操作手順がわからないので誤った停止操作手順で停止操作するため大半は内部当選しても入賞させることができない。しかし、内部当選報知遊技が開始されると、内部当選した入賞役の停止操作手順を遊技者に報知するため、報知された停止操作手順にしたがって停止操作することで全てを入賞させることができるようになる。
【0061】
本実施形態では、特定の入賞役として小役2を設定している。小役2の内部当選確率は、図5に示すように1/2.0と高確率に設定している。小役2に関しては、他の小役とは異なり、内部当選しても設定された停止操作手順に従って停止操作しなければ入賞ライン上に入賞絵柄が停止表示されないようにリールが制御される。通常遊技においては、この停止操作手順が報知されないため、内部当選してもこれに入賞させることは困難となる。一方、「青7」−「青7」−「青7」が揃った場合、若しくは「V」−「V」−「V」が揃って内部当選報知遊技が選択された場合、副制御部は、内部当選報知遊技を行う遊技回数を決定し、その遊技回数が消化されるまで内部当選した小役2の停止操作手順を報知する。停止操作手順が報知されるため容易に入賞させることができる。
【0062】
停止操作手順とは、ストップボタン141乃至143の停止操作順序がこれに当たる。すなわち設定されている停止順序と合致した順番にストップボタンを操作したときに小役2の入賞絵柄である「ベル」が入賞ライン上に停止表示されるように制御される。各ストップボタンの押し順は、左→中→右、左→右→中、中→左→右、中→右→左、右→左→右、右→中→左の6通りである。したがって、通常遊技時は、小役2の実質入賞確率は、1/2.0×1/6=約1/12となる。しかし、内部当選報知遊技が開始されると後述の内部当選報知演出が発生し、遊技者に停止操作順序を報知するため、1/2.0の発生確率で小役2を入賞させることができるようになる。したがって、小役2が高確率で入賞することによってメダルを獲得することができる。
【0063】
本実施形態では、停止操作手順としてストップボタンの操作順序で入賞制御するようにしているが、無論、入賞ライン上に停止表示させるべき絵柄を教示して入賞制御するようにしても良いし、両者を組み合せても良い。
【0064】
<内部当選報知演出>
次に、内部当選報知遊技中の内部当選報知演出について説明する。内部当選報知演出は、遊技者に各ストップボタンの停止操作順序を教示するための演出である。
【0065】
図6に内部当選報知演出例を示す。本図は、前述の小役2の内部当選時に中→右→左の停止操作手順が設定されている場合の教示演出を示している。演出は、各リールに設けられたバックライトを報知手段として用いることで行われる。
【0066】
初めに図6(a)に示すように全リール回転中に中リール111のバックライトのみを点灯させ、他のバックライトを消灯させることで中リール111の停止操作を行うように報知する。遊技者は、バックライトが点灯している中リール111に対応したストップボタン142を停止操作する。結果、中リール111中段にベルが停止表示される。報知手順と同じストップボタンが操作された場合は、リール停止時にバックライトを点灯状態のまま維持する。逆に他のストップボタンが操作された場合は、操作されたストップボタンに対応するリールを停止させると共にバックライトを消灯のまま維持し、停止操作が間違っていることを報知する。
【0067】
次に、図6(b)に示すように回転中の右リール112のバックライトを点灯させて次の停止操作が右リール112であることを遊技者に報知する。遊技者が右リール112に対応するストップボタン143を停止操作した結果、中段入賞ラインにベル絵柄が停止する。最後に残った左リールを停止操作することで図6(c)に示すように中段水平入賞ライン上にベル絵柄が揃って小役2に入賞する。
【0068】
以上のように本実施形態によれば遊技者に各リールの停止操作順序を容易に報知することができる。尚、本実施形態では、リールのバックライトを報知手段として用いて内部当選報知演出を行わせたが、もちろん、バックライト以外の報知手段を採用してもよい。例えば、バックライトの報知の代わりに、又は、これと共に「ライト」「レフト」「センター」といった音声を加えるようにしても良い。また、リールバックライトではなくLCDやドットマトリクス表示装置等の他の表示装置を用いるようにしても良い。
【0069】
<内部当選報知遊技制御形態>
次に、内部当選報知遊技における主制御部と副制御部との間における制御形態を示す。図7は、主制御部と副制御部との制御コマンドに応じた演出制御形態を示す概念図である。
【0070】
副制御部で行われる内部当選報知演出は、主制御部から送信される制御コマンドに基づいて実行される。主制御部では、遊技の進行状況に応じて制御コマンドを副制御部に送信し、副制御部は、受信した制御コマンドを解読し、制御コマンドに応じた演出を実行するようになっている。また、内部当選報知遊技は、発生自体は主制御部の入賞判定結果に基づいて発生制御されるが、内部当選報知遊技の終了は、詳細は後述するが、副制御部の内部処理によって決定されている。
【0071】
主制御部では、遊技者の遊技の進行に応じてスロットマシン100の遊技制御が実行されている。遊技が開始されると主制御部では、入賞役の内部抽選と演出抽選が行われる。内部抽選により入賞役の内部当選の決定が行われ、決定した入賞役に応じた演出内容が、これも抽選によって決定される。内部抽選・演出抽選が終わった時点で主制御部は、副制御部に演出コマンド▲1▼を送信する。
【0072】
次に、主制御部では、リール回転が開始されるとリール回転開始コマンド▲2▼を副制御部に送信して、遊技が開始されたことを知らせる。そして、遊技者により各ストップボタンが操作されたとき、操作されたストップボタンに対応するリールの情報としてストップボタン受付コマンド(第1停止コマンド▲3▼、第2停止コマンド▲4▼、第3停止コマンド▲5▼)を副制御部に送信する。
【0073】
全てのリールが停止され、主制御部で入賞判定処理が終了すると、入賞判定結果コマンド▲6▼を副制御部に送信する。遊技の最後に主制御部は、遊技状態コマンド▲7▼を副制御部に送信して、主制御部の遊技状態を送信する。以上で1遊技が終了する。
【0074】
上記送信される制御コマンドに対して副制御部では以下の制御が行われる。全ての制御コマンドは、副制御部で受信されると受信制御コマンド判定処理が行われる(STEP1)。制御コマンドには、主制御部における電源断、設定変更、エラー処理、内部抽選、入賞判定、遊技状態等の遊技制御に関する制御コマンドや、メダル投入、ストップボタン受付等の遊技操作に関する制御コマンドが数多く設定されている。
【0075】
演出コマンド▲1▼に対して副制御部は、演出コマンド▲1▼に応じた演出内容をROM310に格納されている演出選択テーブルに基づき決定する(STEP2)。図に示すように内部当選報知遊技演出の対象となる小役2に関しては、停止操作順序別に応じて演出コマンドが小役2▲1▼〜小役2▲6▼まで設定されているため、副制御部は、受信した制御コマンドがいずれに該当するかで、小役2の内部当選と停止操作手順とを認識することができる。
【0076】
演出コマンド▲1▼に対して決定された演出内容に応じて各制御部における演出データをROM310に格納されている演出データテーブルに基づいて決定する。演出データテーブルから演出内容に応じた各制御部の演出データを読み出し、バックライト表示制御部、音声制御部、演出表示制御部にそれぞれ送信する演出データをRAM311に展開する(STEP3)。
【0077】
演出データテーブルは、各制御部単位に演出内容毎に設定されている。各演出データは、制御コマンドに応じて設定されている。このため制御コマンドを受信する度に演出内容が切り替わる。本実施形態では、演出データ1にバックライト表示制御部322のバックライトパターンデータ、演出データ2に音声制御部の楽曲パターンデータ、演出データ3として演出表示制御部の画像パターンデータが設定されている。
【0078】
リール回転開始コマンド▲2▼を契機として、副制御部は、RAM311上に展開されている各演出データのリール回転開始コマンド▲2▼に対して設定されている演出データを対応する制御部に対して送信する(STEP4)。例えば、リール回転開始コマンド▲2▼に応じて、SCPU300からバックライト表示制御部322にバックライトパターンデータを送信し、図6(a)のごとくバックライトを制御する。また、SCPU300からLCPU1に楽曲パターンデータを送信し、PSG/FM音源440、PCM音源ROM415を制御して音孔170に設けられたスピーカよりスタート音及び、点灯リールを音声で報知する。また、SCPU300からLCPU2に画像パターンデータを送信し、VDP354を制御し、演出表示部190(LCD357)にアニメーション表示等を行わせる。
【0079】
ストップボタン受付コマンドとして第1停止操作コマンド▲3▼を受信すると、副制御部は、どのリールが停止操作されたかを識別する。図6(a)の報知形態時に、遊技者が中リール111のストップボタン142を操作した場合、副制御部は、停止操作手順正解の演出としてバックライトパターンデータのうち押し順正解のデータをバックライト表示制御部に送信し、図6(b)の報知形態にバックライトを点灯させる演出を実行する。逆に、報知したリールとは異なるリールの停止操作があった場合は、押し順不正解のバックライトパターンデータを送信し、全リール消灯の報知形態を実行して、停止操作リールが異なることを報知する。音声制御部、演出表示制御部においても同様である。
【0080】
上記演出実行制御が、第2停止操作コマンド▲4▼、第3停止操作コマンド▲5▼、入賞判定コマンド▲6▼においても各々実行される。
【0081】
最後の遊技状態コマンド▲7▼に基づいて、副制御部は、次遊技からの演出選択に参照される演出選択テーブルを切り替える。遊技状態コマンド▲7▼で遊技状態が内部当選中やBB遊技に変更された場合、内部当選中、BB遊技中の演出の実行するためである。以上のように、主制御部は、遊技の進行や必要に応じて制御コマンドを副制御部に送信することで内部当選報知演出の同期を図っている。
【0082】
<メダル獲得枚数>
図8は、本実施形態のスロットマシン100における、BB遊技と内部当選報知遊技との間のメダル獲得枚数を示す図である。BB遊技において期待される平均メダル獲得枚数は、約400枚に設計されている。逆に、内部当選報知遊技では、選択される遊技区間(遊技回数)に応じてメダル獲得枚数が異なるように設計されている。遊技回数は、副制御部で行われる抽選により決定される。遊技回数と選択確率は図に示すような配分となっている。最小遊技回数は、20ゲームでメダル獲得枚数は、約120枚程度である。最大遊技回数は、2000ゲームで約12000枚のメダルを獲得できることが期待できる。平均では、遊技回数約45ゲームで平均獲得枚数は、約270枚となっている。獲得枚数のバラツキにより平均獲得枚数では両者に差は生じているものの出玉率としては、概ね同じになるように設計されている。
【0083】
本実施形態では、遊技者がBB遊技若しくは内部当選報知遊技を選択できるように構成している。遊技者は、メダル獲得枚数の比較的安定しているBB遊技を選択するか、最大12000枚のメダルを獲得できる可能性のある内部当選報知遊技のいずれかを選択することができる。本実施形態では、このように期待できるメダル獲得枚数の異なる遊技態様で構成することでより射幸性の高さを選択できる遊技台を提供することができる。以下、遊技者が遊技態様を選択する場合の入賞制御について詳述する。
【0084】
<リールの制御>
次に、リール110乃至112の回転制御、特に、停止時の制御について説明する。以下に述べるリールの停止制御により入賞役の入賞制御が行われることになる。本実施形態においては、停止位置データを用いて各リールの停止制御を行う。停止位置データは、後述するとおり各入賞役の内部抽選の結果に応じて複数種類設定されており、ROM230に格納されている。
【0085】
スロットマシン100の各リール110乃至112を、上述した通りステッピングモータによって駆動する場合、例えば、リール1回転当たりのステップ数は、400ステップであり、1ステップで0.9度回転させることができる。
【0086】
本実施形態において、各リール110乃至112上に設けられた各絵柄のリール回転中の位置を次のようにして特定している。図9は、スロットマシン100の左リール110の停止制御説明図であり、左リール110の場合を例に挙げて説明する。本実施形態では、リール表示窓113の中段表示位置(基準位置)と、左リール110の絵柄列の下端のリプレイ絵柄と、を基準として停止位置データが設定されている。そして、左リール110の絵柄列の下端のリプレイ絵柄が基準位置を通過する毎にリールが1回転したことを検出し、ステッピングモータの駆動パルスをソフトウエア的に計数する(パルスカウンタ)ことで、基準位置からのリールの回転量を求め、各絵柄の位置を特定するように構成している。基準位置通過の検出は、フォトインタラプタ等を用いたセンサでリールに設けた通過片の通過を検出して行うことができる。もちろん、リールの回転位置の検出は、他の回転位置検出手段を用いてもよい。
【0087】
絵柄カウンタは、基準位置であるリール表示窓113の中段に位置する絵柄を記憶保持しておくためのソフトウエアカウンタであり、左リール110の絵柄列の下端のリプレイ絵柄が基準位置を通過した時を起点としてカウントを開始する。各絵柄とカウント値とは対応づけて予め設定されており、主制御部は、リール停止時の絵柄カウンタ値からリール表示窓113内に停止表示されている絵柄を特定し、入賞判定等を行うことができる。
【0088】
1絵柄当たりのステップ数は、絵柄カウンタ1のリプレイが20ステップで、絵柄カウンタ2のスイカ絵柄から21のベル絵柄までが各19ステップに設定されている。主制御部は、駆動パルス数を計数し、1絵柄分のパルス数になったときに絵柄カウンタを更新する。無論、予め絵柄位置に応じたパルス数をパルスカウンタにセットし、駆動パルスの出力毎に減算し、パルスカウンタの値が0になったときに絵柄カウンタを1更新するようにしてもよい。このようにして主制御部は、基準センサの出力と駆動パルスを計数することによって、回転中のリールの絵柄位置を常に把握することができる。
【0089】
次にリールを停止させるときの制御について説明すると、リールの停止位置は、停止位置データに基づいて決定される。停止位置データは、図9に示すように概念的には、リールの絵柄数分のビット列で構成され、基準位置であるリール表示窓113の中段に停止可能な絵柄のみにビットを立てたデータとして表すことができる。図中の「●」が停止許可位置を表す。従って、停止許可位置が設定されていない「↑」の絵柄位置に関しては、遊技者の停止操作タイミングに関わらず基準位置に停止することなく絵柄を通過させることを表している。例えば、絵柄カウンタ8番の「V」絵柄をリール表示窓113の中段位置に来たときに停止ボタン141を操作した場合、停止許可位置ではないので、1コマ先の絵柄カウンタ9の「ベル」絵柄まで絵柄が進んで停止する。このような制御は、いわゆる引き込み制御或いは滑りコマ制御と呼ばれる制御手法である。
【0090】
遊技者にとって見れば、「V」絵柄を狙って操作した結果、「ベル」絵柄が引込まれるようにして停止表示されたように感じることになる。無論、引込みコマ数を多くすればするほどリールを滑らせて停止させることができるが、多すぎた場合、遊技者にとって不自然に感じを与えることとなるため、不自然に感じない程度の間隔で停止許可位置を設定することが好ましい(本実施形態では最大4コマとしている)。図中、停止位置データは、6箇所の停止許可位置が設定されており、最終的にリール表示窓に停止表示される絵柄は、右側に示されたものとなる。
【0091】
<停止位置データ>
次に、本実施形態における停止位置データについて説明する。停止位置データは、図10に示すようにROM230に制御データとして記憶されている。停止位置データは、入賞絵柄組み合せ毎に設定されている。各停止位置データは、第1停止操作リールに応じて3種類の停止位置データを含み、更に、各第1停止操作リールに対して設定される、残りの停止操作リールに対する停止位置データを含むデータ群となっている。
【0092】
例えば、第1停止リールとして左リールが停止操作された場合、第1停止左リールの停止位置データに基づいてリール停止制御が行われる。次に、第2停止リールの停止位置データとして、残りのリールの停止位置データである中リールと右リールの停止位置データが準備される。第2停止リールに中リールが停止操作された場合、第2停止中リールの停止位置データに基づいてリール停止制御が行われる。最後に、第3停止リールの停止位置データとして、残りのリールの停止位置データである右リールの停止位置データが準備され、停止制御が行われる。停止位置データの準備は、詳細は後述するが停止位置データ参照エリアに停止位置データの先頭アドレスを設定することで行われる。
【0093】
本実施形態では、停止位置データの構成を停止操作されるリールの停止操作順序に対応して設定してある。無論、上記停止位置データは、所定の入賞ライン上に絵柄を停止できるようにリール停止位置を定めたデータであるため、他の方法で停止位置データを設定しても良い。
【0094】
次に、通常遊技時における各停止位置データについて説明する。本実施形態では、前述のリール絵柄配列に基づいて、「赤7」絵柄組み合せと「V」絵柄組み合せとがリール停止制御の範囲外に配置されていることから1の停止位置データでそれぞれが入賞ライン上に停止表示可能なように一体化した停止位置データ(以下、「赤7―V」と略す)として設定されている。同様に「青7」絵柄組み合せと「V」絵柄組み合せとについても1の停止位置データでそれぞれが入賞ライン上に停止表示可能なように一体化した停止位置データ(以下、「青7―V」と略す)として設定されている。
【0095】
まとめると、通常遊技時における各停止位置データは以下の通りである。
・「ハズレ」:各入賞役に対応した絵柄組合せ以外の絵柄組合せを表示させる。
・「小役1」:ハズレ以外では小役1対応の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「小役2」:ハズレ以外では小役2対応の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「小役3」:ハズレ以外では小役3対応の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「リプレイ」:ハズレ以外ではリプレイ対応の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「赤7−V」:ハズレ以外では「赤7」又は「V」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「青7―V」:ハズレ以外では「青7」又は「V」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
【0096】
本実施形態では、赤7とV、青7とVとを一体化した停止位置データとしているが、別々の停止位置データとしてもよい。この場合、停止位置データは以下の通りとなる。
・「赤7」:ハズレ以外では「赤7」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「青7」:ハズレ以外では「青7」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
・「V」:ハズレ以外では「V」の絵柄の組合せのみ、表示されることを許容する。
【0097】
<停止位置データ参照エリア>
本実施形態では、所定の停止位置データについてストップボタンの操作順序が設定されている。すなわち、所定の順序で操作しなければ対応する絵柄組合せが表示されないようにしている。以下、このための制御の例について説明する。
【0098】
ここでは、BB遊技起動絵柄である「赤7」、内部当選報知遊技起動絵柄である「青7」、若しくは共通絵柄である「V」のいずれかに入賞を可能とするリール制御例について説明する。図10は、内部抽選からリール停止までの停止位置データの処理の概略を示す説明図である。
【0099】
内部抽選の結果、BBに内部当選し、対応する停止位置データとして、赤7−Vの停止位置データと青7−Vの停止位置データとが選択される(STEP1)。選択された停止位置データは、RAM231に設けられた停止位置データ参照エリアに設定される(STEP2)。停止位置データ参照エリアは、図に示すようにストップボタン141乃至143の停止操作順序と停止操作されるリールに応じた参照領域で構成されている。第1停止操作に対応する領域には、左中右の各リールに応じた参照領域が設定されている。第2停止に関しては、第1停止時に設定されたリール以外の2つのリールの参照領域が設定され、第3停止では残りのリールに対応する参照領域が設定されている。
【0100】
「赤7―V」の停止位置データは、第1停止左リール、第2停止中リール、第3停止右リールに設定されている。すなわち、ストップボタン141乃至143の停止操作順序を左(ストップボタン141)→中(ストップボタン142)→右(ストップボタン143)の順に停止操作しないと、「赤7―V」の停止位置データが参照されないので「赤7」若しくは「V」絵柄を入賞ライン上に揃えることができないことになる。それ以外の停止操作順序で各ストップボタンを停止させるといずれかの停止操作時には「入賞なし」の停止位置データが選択されることになるため「赤7」若しくは「V」を入賞ライン上に停止表示させることができないこととなる。
【0101】
「青7―V」の停止位置データは、第1停止右リール、第2停止中リール、第3停止左リールに設定されている。すなわち、ストップボタン141乃至143の停止操作順序を右(ストップボタン143)→中(ストップボタン142)→左(ストップボタン141)の順に停止操作しないと、「青7―V」の停止位置データが参照されないので「青7」若しくは「V」絵柄を入賞ライン上に揃えることができないことになる。したがって遊技者は、ストップボタン141乃至143を左中右若しくは右中左のいずれかの順番で停止操作することで「赤7」/「青7」/「V」のいずれかを入賞ライン上に停止表示させることができることになる。
【0102】
次に遊技者による各ストップボタンの操作が受け付けられる(STEP3)。主制御部では、停止操作された各ストップボタンの停止操作順序と操作リールとから停止位置データ参照エリアに設定されている停止位置データアドレスを取得し、対応する停止位置データを取得する(STEP4)。
【0103】
第1停止左リール110のストップボタン141が操作された場合は、停止位置データ参照エリアより、第1停止左リール110の領域に設定されている「赤7−V」の左リール110の停止位置データアドレスが取得され、ROMのアドレス先に記憶されている停止位置データを読み込む。そして、読み込んだ停止位置データを参照して左リール110の停止制御を実行し、リールを停止させる(STEP5)。以上のように停止位置データ参照エリアに停止位置データアドレスを設定することにより、停止操作順序に基づいて入賞絵柄組み合せを選択することができることになる。
【0104】
尚、停止位置データ参照エリアは、小役2の内部当選時にも特定の停止操作手順のみに設定するように構成している。小役2に関しては、他の小役とは異なり、内部当選して停止位置データが選択された場合、抽選で決定した停止操作手順で停止操作された場合にのみ入賞するように停止位置データ参照エリアに停止位置データが設定される。小役2の停止位置データが設定されている停止順序と合致した順番にストップボタンを操作したときに小役2の入賞絵柄が入賞ライン上に停止表示されるように制御される。
【0105】
「赤7」、「青7」、小役2以外の入賞絵柄組み合せについては、上記とは異なり全ての参照領域に入賞役に対応した絵柄組み合せの停止位置データアドレスが設定されるようになっている。このため他の入賞役に対しては、停止操作手順とは無関係に入賞させることができる。
【0106】
停止位置データ参照エリアへの停止位置データの設定方法を替えることによって様々な遊技性を奏することができる。例えば、停止位置データ参照エリアの6通りの操作手順の内、複数の操作手順の参照エリアに停止位置データを設定することで入賞確率1/6から1/1まで変化させることができる。また、特定の参照エリアにのみ停止位置データを固定することで、毎回同じ停止操作手順で小役2を入賞させることも可能となる。
【0107】
また、1の入賞役に対して複数の絵柄組み合せを設定し、停止位置データ参照エリアに設定された絵柄組み合せの停止位置データに対応した絵柄組み合せのみが入賞するように構成することもできる。この場合、遊技者は、設定された絵柄組み合せを入賞ライン上に狙って停止させる必要が出てくるため、適度な技術介入性を持たせることが可能となる。以上のような停止位置データ参照エリアへの停止位置データの設定方法を遊技状態等に応じて変化させるようにすることで種々の遊技態様を提供することができる。
【0108】
図11に図10で設定された停止位置データ参照エリアに対する各リールに設定された停止位置データと停止操作したときの停止表示結果を示す。第1停止操作で左リール110のストップボタン141の操作があった場合、左リール110の停止位置データが、リール絵柄配列に対して図のように設定される。図中各リールの左側に停止位置データを示す。遊技者がストップボタン141を操作したときにリール表示窓113の中段を通過する絵柄を絵柄カウンタより読み込み、リール表示窓113の中段から後の絵柄、すなわちこれからリール表示窓113の中段を通過する4絵柄分先の停止位置データを検索する。検索した停止位置データに停止許可の「●」がある場合は、停止絵柄位置として設定される。主制御部は、停止絵柄位置がリール表示窓113の中段に来るまでリールを回転させ、絵柄を進ませる。停止絵柄位置がリール表示窓113の中段に来たときにステッピングモータを停止させる。
【0109】
検索の結果、停止絵柄位置が複数あった場合は、抽選でいずれかの絵柄位置を停止絵柄位置に設定する。図の場合、左リール110の絵柄カウンタ17で停止操作があった場合、絵柄カウンタ17から回転方向を遡り絵柄カウンタ21までが検索される。停止許可は、絵柄カウンタ19に設定されている。このため絵柄番号19の「青7」がリール表示窓113の中段に停止した表示態様になる。同様にして、中リール111の絵柄カウンタ19で停止操作があった場合、停止可能な絵柄位置は、絵柄番号1と絵柄番号2に設定されている。抽選の結果、絵柄カウンタ2の「赤7」が選択された場合、リール表示窓113の中段に「赤7」絵柄が停止した表示態様になる。同様にして右リール112に関しても、絵柄カウンタ16で停止操作した結果、絵柄カウンタ19の「青7」が停止絵柄位置に決定されてリール表示窓113の中段に停止される。全てのリールが停止した結果、右上がり及び右下がりの斜めの入賞ライン上に「赤7」の絵柄が揃うのでBB遊技に入賞する。
【0110】
また、同様の停止操作順序によって停止操作することで選択絵柄に設定されている「V」−「V」−「V」の絵柄組み合せも入賞ライン上に停止表示させることができる。「青7」絵柄組み合せも同様に、右中左の順に停止操作することにより「青7―V」の停止位置データが設定され、「青7」―「青7」−「青7」及び選択絵柄組み合せである「V」−「V」−「V」を入賞ライン上に停止表示させることができる。遊技者は停止操作手順を変えることでいずれの入賞絵柄組み合せでも入賞ライン上に揃えることができる。すなわち、本実施形態では、BB遊技と内部当選報知遊技とを遊技者が選択できるようにしている。
【0111】
<遊技態様のバリエーション>
次に、スロットマシン100による遊技態様のバリエーションについて説明する。図12(a)は、スロットマシン100の遊技の流れの1例を示す図である。図12(a)の例では、赤7及び青7に関する停止位置データとして、「赤7−V」、「青7−V」ではなく、上述した「赤7」及び「青7」の停止位置データを採用した場合を想定している。
【0112】
図12(a)に示すように、遊技は、BBに内部当選した通常遊技から、BBに対応する絵柄組み合せが揃うまで内部当選結果が保持される内部当選中、BBに対応する絵柄組み合せが揃って開始されるBB遊技又は内部当選報知遊技を経て通常遊技へと戻るようになっている。
【0113】
遊技開始操作に基づいて内部抽選を行った結果、BBに内部当選する(ST600)。BBに内部当選すると主制御部は、各リールを停止制御するための停止位置データとしてBB起動絵柄である「赤7」及び、内部当選報知遊技の起動絵柄である「青7」の停止位置データを図10の停止位置データ参照エリアに設定する(ST602)。次遊技から内部当選中に移行する。遊技者は、「赤7」「青7」いずれかの絵柄組み合せを停止操作して入賞ライン上に停止表示させる。「赤7」絵柄が入賞ライン上に停止表示されるとBB遊技入賞と判定される(ST610)。BB遊技入賞と判定されると次遊技からBB遊技が開始される。BB遊技になったためBB内部当選は、リセットされて消滅する(ST612)。BB遊技中、前述の定められた遊技条件を満たすとBB遊技は終了する(ST614)。BB遊技が終了すると通常遊技へと戻る。
【0114】
ここで、BB内部当選中に「青7」絵柄組み合せが遊技者の停止操作によって入賞ライン上に停止表示されると(ST620)、主制御部は、制御コマンドとして入賞判定結果コマンドを副制御部に送信するとともにBB内部当選をリセットして消滅させる(ST622)。BB内部当選が消滅したことにより、主制御部は通常遊技時と同様の制御を行うが、副制御部は、入賞判定結果コマンドに基づいて、内部当選報知遊技の遊技区間等の終了条件を決定し、内部当選報知遊技を開始する(ST624)。内部当選報知遊技の終了条件が満たされると、副制御部は、内部当選報知遊技を終了させる(ST626)。
【0115】
以上のように、BB内部当選に基づいて遊技者は、BB遊技若しくは内部当選報知遊技のいずれかを入賞ライン上に停止表示させる絵柄に基づいてぞれぞれの遊技態様を発生させることができる。また、いずれかの入賞絵柄組み合せが入賞したことを条件に、BB内部当選結果を消滅させることで、再度入賞することを防止することができる。
【0116】
図12(b)は、図12(a)のスロットマシン100の遊技態様の別の例を示す。図12(b)の例では、図12(a)の遊技態様と異なる部分のみを抽出して記載しているため、一部を省略する一方で、図12(a)と同一の処理に関しては同一の参照番号を付してその説明を省略する。図12(a)の例では、赤7及び青7に関する停止位置データとして上述した「赤7−V」及び「青7−V」のの停止位置データを採用した場合を想定している。なお、これに代えて、「赤7」、「青7」及び「V」の個別の停止位置データを採用してもよい。
【0117】
BB内部当選時に、「赤7―V」、「青7―V」の停止位置データを停止位置データ参照エリアに設定する(ST632)。上述したとおり、共通絵柄である「V」絵柄については、独立した停止位置データとして設定してもよい。遊技者が、停止操作により入賞ライン上に「V」絵柄組み合せを停止表示させ(ST640)、「V」絵柄に入賞したと判定されると、主制御部では「赤7」「青7」いずれへの入賞とするかを選択抽選する(ST643)。選択抽選の結果、「赤7」への入賞とみなされた場合は、BB遊技入賞時の処理を実行させる(ST612)。また、「青7」への入賞とみなされた場合は、内部当選報知遊技入賞時の処理を実行させる(ST622)。
【0118】
以上のように共通絵柄を設けることによって遊技者からは、いずれへの入賞であるのかは知ることができなくなるため、どちらの遊技が開始されるか楽しむという遊技性を新たに持たせることができる。
【0119】
次に、図13は、図12(a)のスロットマシン100の遊技態様の別の例を示す。図13の例では、赤7及び青7に関する停止位置データとして、「赤7−V」、「青7−V」ではなく、上述した「赤7」及び「青7」の停止位置データを採用した場合を想定している。
【0120】
本例の特徴は、図に示すように内部当選中に毎遊技、停止位置データの選択抽選を行うことにある(ST802)。毎遊技、停止位置データ選択抽選が行われ停止位置データが決定される(ST810、ST820)。選択された停止位置データは、その遊技中は、停止位置データ参照エリアに設定され有効とされる(ST812、ST822)。遊技者が停止操作した結果、入賞ライン上に停止表示された絵柄組み合せがいずれの絵柄組み合せであるかを判定する(ST814、ST824)。設定された停止位置データに基づいて対応する絵柄組み合せが入賞した場合は、それぞれに対応した遊技が開始される(ST816、ST826)。ここで、対応した絵柄組み合せの入賞が得られなかった場合は、次回の遊技で再び停止位置データ選択抽選が実行される。
【0121】
以上のように、毎遊技、停止位置データ選択抽選を実行することにより遊技者の所望の遊技態様に応じた絵柄の停止位置データが設定されないと入賞が得られない。このため、必要に応じて入賞させないように停止操作によって回避しなければならない場合が生じてくる。回避させながら最終的に、所望の遊技が開始されたときはその喜びがより大きなものとなる。
【0122】
ここで、本例における入賞を回避させる操作について図11の停止位置データ及び図14を参照しつつ説明する。図14は、「赤7」「青7」入賞時における停止表示状態を示す図である。左リールを最初に停止操作した場合、両者の停止位置データは、同一の位置に停止許可が設定されているため、左リールは、上段から絵柄番号20、19、18の「赤7」「青7」「赤7」が停止表示される。この時点では遊技者は、いずれの絵柄組み合せが揃うのかはわからない。
【0123】
第2停止に中リールを停止操作した場合、「赤7」停止位置データが設定されている場合と、「青7」停止位置データが設定されている場合とでは、図に示すように異なる停止表示結果となる。すなわち、「赤7」停止位置データが設定されている場合は、絵柄番号2の「赤7」に停止許可が設定されているため、上段から絵柄番号3、2、1の「チェリー」「赤7」「リプレイ」が停止表示される。
【0124】
したがって、入賞ライン上に入賞できる絵柄組み合せが「赤7」のみとなるため遊技者は、最後のリールを停止操作する前に本遊技では「赤7」の停止位置データが設定され、「赤7」絵柄組み合せが入賞するように制御されていることが察知できる。逆に「青7」停止位置データが設定されている場合は、絵柄番号19の「青7」に停止許可が設定されているため、上段から絵柄番号20、19、18の「青7」「青7」「青7」が停止表示される。
【0125】
したがって、入賞ライン上に入賞できる絵柄組み合せが「青7」のみとなるため遊技者は、最後のリールを停止操作する前に本遊技では「青7」の停止位置データが設定され、「青7」絵柄組み合せが入賞するように制御されていることが察知できる。遊技者は、停止表示態様を見て所望する遊技態様に入賞するか否かを判断し、所望の遊技態様への入賞であれば、そのまま右リールに絵柄番号20、19、18の「赤7」「青7」「赤7」を狙って停止操作することで図に示すように所望の絵柄を入賞ライン上に停止表示させることができる。
【0126】
逆に所望の遊技態様ではなかった場合は、右リールに絵柄番号11の「V」を狙って停止操作する。絵柄番号11の「V」と絵柄番号18の「赤7」とは、4コマ以上の6コマ離れているため、リール停止制御の範囲では、絵柄番号18の「赤7」をリール表示窓内に停止表示させることができない。したがって、リール表示窓内に「V」が表示されるため、いずれの絵柄組み合せも揃わない停止表示結果となる。
【0127】
このように停止操作する絵柄位置によって絵柄を揃えることも回避することもできる。したがって遊技者は、所望の絵柄組み合せが得られるまで、回避しつつ所望の絵柄組み合せを揃えることができる。また、設定されている停止位置データの種類を報知するようにしても良い。内部当選結果の保持は、最短でも内部当選した遊技終了時まで保持することができればよい。この場合は、遊技者に特別入賞役が内部当選していることが、停止操作前に明確にわかるように報知してやることにより、内部当選した当該遊技にいずれかの絵柄組み合せを入賞させるかを選択して停止操作できるからである。
【0128】
<遊技実行処理>
次に本実施形態のスロットマシン100の遊技制御について詳細に説明する。図15は、スロットマシン100の遊技実行処理を示すフローチャートである。遊技実行処理は、スロットマシン100の主制御部で行われる遊技の全体的な流れを管理する処理である。
【0129】
ST1002では、メダル受付処理を行う。メダル受付処理は、メダル投入口134へのメダル投入の有無をメダルセンサ220からの検知信号によりメダル投入の有無を判定する。メダルの投入を検知した場合、投入されたメダルの枚数に対応してリール表示窓113の左側にある入賞ライン表示ランプ120を点灯/点滅させる。
【0130】
また、メダルの投入は、スロットマシン100内にメダルが電子的に記憶され貯留されている場合、メダル投入ボタン130乃至132のいずれかを押すことでも投入することができる。一回の遊技に投入できる枚数は最大3枚である。このとき主制御部は、副制御部にメダル投入コマンドを送信して副制御部にメダル投入を認識させる。副制御部はメダル投入コマンドに基づいてメダル投入音を発生させる演出等を行う。
【0131】
ST1004では、遊技者によるスタートレバー140の操作有無をスタートレバーセンサ222の検知信号により判定する。なお、スタートレバー140の操作が検知されない場合、スタートレバー140が操作されるまで待機する。スタートレバー140の操作が、スタートレバーセンサ222で検知されるとスタートレバー受付コマンドを副制御部に送信する。副制御部はスタートレバー受付コマンドに基づいて待機中である場合はウエイト音等を発生させる演出を行う。
【0132】
スタートレバー140の操作があると、ST1006へ進み、MCPU200が乱数発生器210から乱数を取得する。本実施形態では、ST1006で、以後の抽選で使用する乱数の全てを取得しているが、無論、抽選処理を行う毎に乱数取得を行っても良い。取得した乱数に基づいて、乱数抽選を行う。ここでは、主として、各入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果は、RAM231の所定の領域に保存され、当該遊技中に参照される。例えば、RAM231にハズレを含む各入賞役の内部抽選結果を記録する。
【0133】
ST1008では、停止位置データの準備が行われる。停止位置データの準備は、ST1006で内部抽選した結果に応じて設定されている停止位置データからリール停止制御に使われる停止位置データを選択する選択処理と、図10に示す停止位置データ参照エリアに選択された停止位置データの参照先の先頭アドレスを設定する処理とからなる。
【0134】
ST1010では、上部ランプ180、演出表示装置190、リールのバックライト等を用いた演出を内部当選結果や遊技状態等に基づいて抽選で決定する。決定された演出に基づいて、演出コマンドを副制御部に送信する。副制御部は、送信された演出コマンドに基づいて演出選択テーブルに基づいて演出内容を選択し、各制御部での演出を実行する準備を行う。
【0135】
ST1012で全リール110乃至112を一斉またはランダムに回転させる。全リールの回転開始を、リール回転開始コマンドを送信して副制御部に認識させる。副制御部はリール回転開始コマンドに基づいて各制御部での演出を開始する。その後、所定時間が経過して全リールが定速回転になると、ST1016へ進み、遊技者によるストップボタン141乃至143の操作の受付を開始する。
【0136】
ST1016では、遊技者が操作したストップボタンがいずれのリールに対応するストップボタンであるかをストップボタンセンサ221により検知し、検知されると、ストップボタンが操作されたことを、停止操作順序に従って第1停止操作コマンド、第2停止操作コマンド、第3停止操作コマンドを送信して、副制御部にどのストップボタンが操作されたかを認識させる。
【0137】
主制御部は、ストップボタンの操作された絵柄位置と停止位置データとに基づいて停止操作のあったリールを停止制御する。但し、所定時間(例えば30秒)経過しても遊技者によるストップボタン141乃至143の操作を検知しない場合は、全リール110乃至112を自動的に停止させる。
【0138】
ST1018では、全リールが停止したことを判定する。ST1020では、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン上に、ST1006の乱数抽選において内部当選した入賞役に対応した入賞絵柄の組み合せが揃って停止しているか否か判定する。入賞判定後に判定結果に対応した入賞判定結果コマンドを副制御部に送信し、入賞状況を認識させる。
【0139】
入賞判定結果コマンドには、入賞した入賞絵柄組み合せに応じて、例えばBB、役物、小役、再遊技、はずれ等のコマンドが存在する。入賞判定後、ST1022へ進み、入賞した入賞役に対応して予め定めた配当数をRAM231のワークエリアにセットし、このワークエリアのデータに基づいた所定数のメダルをメダル払出口160より受皿161に払い出す処理を行う。入賞判定結果が、入賞なしであった場合は、RAM231のワークエリアには払い出し枚数0が設定される。このためメダルの払い出しは行われないことになる。
【0140】
ST1024では、主制御部の入賞演出として払出枚数表示器124に払出枚数を表示や貯留枚数表示器126の加算表示等の入賞演出が行われる。ST1026では、遊技状態制御処理が行われる。ST1006の内部抽選結果と、ST1020の入賞判定結果とに基づいて遊技状態を変更する処理を行う。詳細は後述する。以上により、1回の遊技が終了し、以後、同様の手順が繰り返されることとなる。
【0141】
<遊技状態制御処理>
次に遊技状態制御処理について説明する。図16は、遊技状態制御処理を示すフローチャートである。ここでは、図12(b)を参照して説明した遊技態様の場合の処理について説明する。
【0142】
ST1102では、図15のST1006の内部当選結果を取得する。ST1104では、ST1102の内部当選結果がBBであるかを判定し、BB内部当選であった場合は、ST1106で遊技状態をBB内部当選中に設定する。ST1108では、入賞判定結果を取得する。ST1110以降では、取得した入賞判定結果に応じた遊技状態が設定される。
【0143】
ST1110では、入賞判定結果が「V」−「V」−「V」の絵柄組み合せであったかを判定する。「V」−「V」−「V」の絵柄組み合せであった場合は、ST1112へ移行し、振り分け抽選が行われる。「V」絵柄は、共通絵柄であるためBB遊技と内部当選報知遊技のいずれかに振り分けるための抽選である。ST1114では、振り分け抽選の結果決定した入賞絵柄組み合せの入賞判定結果に変更する処理を行う。BB遊技入賞か内部当選報知遊技入賞のいずれかの入賞判定結果に更新される。
【0144】
ST1120では、入賞判定結果が「赤7」すなわちBB遊技入賞であるかを判定する。判定の結果「赤7」絵柄組み合わせであると判定された場合は、ST1122へ移行し、BB遊技が設定される。ST1124では、副制御部に送信する遊技状態コマンドにBB遊技状態を設定する。
【0145】
ST1120で入賞判定結果が「赤7」でないと判定された場合は、ST1130へ移行し、入賞判定結果が「青7」すなわち内部当選報知遊技であるかを判定する。「青7」絵柄に入賞したものと判定された場合は、ST1132へ移行し、副制御部に送信する遊技状態コマンドに通常遊技状態を設定する。内部当選報知遊技に入賞した場合、次遊技から内部当選報知遊技に移行するが、演出処理が異なるだけで主制御部上の他の制御は通常遊技と同じだからである。
【0146】
ST1126では、ST1106、ST1124又はST1132で設定された遊技状態コマンドを副制御部へ送信する。遊技状態コマンドを受信した副制御部は、遊技状態コマンドに応じた遊技状態の演出選択テーブルを設定する処理を実行する。
【0147】
ST1128では、BB遊技又は内部当選報知遊技への入賞に基づきBB内部当選結果をリセットする。
【0148】
以上のようにBBの内部当選結果は、「赤7」絵柄への入賞によりBB遊技状態が設定されてBBが開始される。また「青7」絵柄への入賞により通常遊技状態が設定されるが「青7」絵柄の入賞判定結果に基づいて内部当選報知遊技が開始される。いずれの場合にしてもBB内部当選結果は、リセットされ消滅する。
【0149】
<コマンド判定処理>
次に、副制御部におけるコマンド判定処理について説明する。コマンド判定処理は、主制御部から送信される制御コマンドを識別し、制御コマンドに応じた演出等の処理を行う。図17は、コマンド判定処理を示すフローチャートである。本図では、複数ある制御コマンドの内、内部当選報知遊技の制御に関連のある制御コマンド判定処理について説明する。その他の電源投入、設定変更、メダル受付等の判定処理については省略する。
【0150】
ST1202では、受信した制御コマンドがある否かの判定を行い、制御コマンドがないと判断された場合は、コマンド判定処理を終了する。なお、制御コマンドの有無については、副制御部において制御コマンドが保存されている記憶領域を割り込み処理等でチェックすることにより判断される。受信した制御コマンドがあると判定された場合は、ST1214乃至ST1232で、制御コマンドの種類の判定を行う。
【0151】
ST1214乃至ST1232では、それぞれ遊技中の演出制御に関連する制御コマンドのいずれかを判定する。ST1214では演出コマンド、ST1216ではリール回転開始コマンド、ST1218ではストップボタン受付コマンド、ST1220ではリール停止コマンド、ST1222では入賞判定コマンド、ST1226では入賞演出コマンド、ST1232では遊技状態コマンドが判定される。
【0152】
上記制御コマンドのひとつであると判定された場合は、ST1250以降の処理が行われることになる。ST1250は、演出選択処理が行われる。演出選択処理は、演出コマンドや入賞演出コマンドに基づいて前述の演出選択テーブルの中から遊技中に行われる各種の演出を決定し、演出データテーブルから演出データを読み込んで展開する処理を行う。内部当選報知遊技中の内部当選報知演出に関しても、例えば図7に示すように演出コマンド06Hに対する演出内容小役2▲4▼(小役2:中→右→左)に対応する演出データテーブルの内部当選報知演出の演出データが選択される。
【0153】
ST1262では、ST1250で設定された演出をリール回転開始、ストップボタン受付、リール停止、入賞判定等の遊技操作に基づいて送信されるコマンドに基づいて順次実行する。上記内部当選報知演出に関しても、図6示すように遊技操作に応じて順次実行される。入賞演出コマンド及び遊技状態コマンドについては、これらのコマンドで指定された演出が直ちに実行されることになっている。例えば入賞払い出し中の効果音やランプ点滅、役物遊技中の効果音やランプ点滅等である。
【0154】
<内部当選報知遊技制御処理>
次に、内部当選報知遊技において副制御部で実行される内部当選報知遊技の制御処理について説明する。図18は、内部当選報知遊技の制御フローチャートである。ST1302では、受信した制御コマンドが入賞判定結果コマンドかを判定する。入賞判定結果コマンドを受信した場合、ST1310及びST1320で更に入賞判定結果の判定が行われる。
【0155】
ST1310で、「青7」入賞すなわち内部当選報知遊技入賞と判定された場合は、ST1312へ移行し、内部当選報知演出を実行する遊技区間抽選が行われる。遊技区間は、必ずしも連続した遊技区間を設定しなくてもよく、所定の遊技回数を1セットとして複数回に分けて発生させることもできる。また、遊技区間中、毎遊技内部当選報知遊技を開始させる抽選を実行し、抽選により得た遊技回数の内部当選報知遊技を開始させるようにしても良い。
【0156】
ST1314では、抽選で決定された遊技区間が遊技区間カウンタに設定される。遊技区間カウンタは、遊技を消化する都度減算処理され、内部当選報知遊技の終了時期を制御する。ST1316で副制御部の遊技状態を内部当選報知遊技に設定する。内部当選報知遊技状態は、副制御部固有の遊技状態であり、主制御部では通常遊技状態で遊技が進められている。通常遊技状態では、副制御部は小役2の内部当選結果に対して設定されている内部当選報知演出を無効化しているため内部当選報知演出は発動しない。内部当選報知遊技状態とは、この小役2の内部当選時に演出データとして設定されている内部当選報知演出を有効化する遊技状態である。
【0157】
ST1320では、「赤7」入賞すなわちBB遊技入賞であると判定されると、ST1322で副制御部の遊技状態をBB遊技状態に設定する。BB遊技状態に設定されることで図17のST1250の演出選択テーブルがBB遊技状態に切り替わる。副制御部は、設定された遊技状態に応じて以後の演出を実行する。内部当選報知遊技状態が設定されている間は、図17のST1250で内部当選報知演出が有効化され、実行される。BB遊技状態に設定されている場合は、BB遊技中における各種演出が実行される。
【0158】
ST1304では、副制御部の遊技状態が、内部当選報知遊技状態であるかを判定する。内部当選報知遊技状態であると判定された場合は、ST1330へ移行し、遊技区間カウンタの値を1減算する。ST1332では遊技区間カウンタの値が0であるかを判定し、0であった場合は、内部当選報知遊技を終了し、副制御部の遊技状態を通常遊技状態に設定する。通常遊技状態に設定することで内部当選報知演出の発動を停止する。
【0159】
以上のように、本実施形態では内部当選報知遊技の発動に関しては、主制御部の入賞判定結果に基づいて制御されるが、内部当選結果報知遊技の終了制御自体は、副制御部のみによって制御される。ここで、内部当選報知遊技中に再度、主制御部においてBB内部当選した場合は、無条件で内部当選報知遊技の遊技区間の抽選を行い、現在消化中の遊技回数に加算するようにしても良い。また、内部当選報知遊技中であってもBB遊技に入賞できるようにしてもよい。
【0160】
<他の実施形態>
次に、本発明のスロットマシン100の他の実施形態について説明する。図19に本実施形態のスロットマシン100の遊技態様を示す。本実施形態のスロットマシン100は、BB内部当選中に入賞ライン上に揃える絵柄によって異なる遊技態様を開始する点では、前述の実施形態と同じであるが、内部当選報知遊技の制御において異なるものとなっている。
【0161】
本実施形態においては、内部当選報知遊技の終了制御を主制御部において行っている。これは、BB内部当選中、「青7」の絵柄組み合わせに入賞した場合、主制御部においてBB内部当選結果をリセットする猶予期間を設定し、猶予期間経過後にBB内部当選結果をリセットするように制御する。副制御部は、猶予期間中は内部当選報知遊技状態が設定される。
【0162】
本実施形態によれば、内部当選報知遊技の発生・終了を主制御部で制御するため制御コマンドの送信ミスにより、内部当選報知遊技が開始されなかったり、逆に終了しなかったりといったことが防止できる。消滅させる時期は、時間で設定してもよいし、遊技回数を設定しても良い。BB内部当選結果を消滅させるまでの猶予期間を設定できる条件であればどのような条件であっても適用することができる。BB内部当選結果は、設定された期間中は保持される。
【0163】
図中、前述の遊技態様と同一の部分については同一の参照番号を付し、その説明は省略する。したがってBBに関しての遊技の流れに関しては同一のものとなっている。以下、内部当選報知遊技の遊技態様について説明する。内部当選状態において「青7」の絵柄組合せに入賞すると、ST900においてBB内部当選結果保持区間抽選が主制御部において行われる。
【0164】
BB内部当選結果保持区間が設定されると、ST902で遊技状態コマンドを副制御部に送信する。副制御部は、遊技状態コマンドに基づいて内部当選報知遊技状態を開始し、内部当選報知演出を有効化する。
【0165】
ここで前述の実施形態と異なる点は、内部当選報知遊技は、主制御部が内部当選状態で且つ保持区間カウンタが設定されていることを条件に発動するように設定されている点である。したがって、遊技状態コマンドは、内部当選状態においては、内部当選状態のみのコマンドと、内部当選状態と保持区間カウンタ設定有のコマンドと2種類存在する。遊技状態コマンドは、遊技毎に副制御部に送信されるため、1遊技において受送信に障害があっても、次回の遊技には正常にも戻すことができる。
【0166】
ST904で内部当選結果保持区間が0になるまでBB内部当選結果が保持され、内部当選状態が維持される。内部当選結果保持区間が0になった場合、ST906でBB内部当選結果をリセットし消滅させ、通常遊技状態に設定する。副制御部は、遊技状態が内部当選状態から通常遊技状態に切り替わることによって内部当選報知遊技を終了する。
【0167】
図20は、本実施形態のスロットマシン100の遊技状態制御処理のフローチャートである。遊技状態制御処理が行われる遊技実行処理は、図13に示す処理と同じであるため、その説明は省略する。
【0168】
本実施形態の遊技状態制御処理は、通常遊技、内部当選中、BB遊技、役物遊技の切替制御を行う。ここで役物遊技に関しては、BB遊技中の遊技制御であり、従来のスロットマシンにおけるBB中の役物遊技の制御と同じであるため説明は省略する。本実施形態では、「青7」の絵柄組合せ入賞時にBB内部当選結果を消滅させる時期を保持区間カウンタに遊技回数を設定し、制御している。以下詳述する。
【0169】
ST1502では、図15のST1006の内部当選結果を取得し、ST1504で内部当選結果がBBであるか否かを判定する。BBに内部当選していると判定された場合は、ST1506へ移行し、遊技状態をBB内部当選状態1に設定する。内部当選状態1は、BBに内部当選しているもののまだ「赤7」「青7」「V」のいずれの絵柄にも入賞していない遊技状態を指す。したがって、内部当選状態1の遊技状態コマンドが副制御部に送信されても内部当選報知演出は行われない。最終的には、いずれかの絵柄に入賞することにより、後述するBB遊技若しくは内部当選状態2へと移行する。内部当選報知演出は、内部当選状態2へ移行した場合に開始される。
【0170】
ST1508では、図15のST1020の入賞判定結果が取得される。ST1510では、BB内部当選結果保持区間を設定する保持区間カウンタの値が0であるか否かをチェックする。保持区間カウンタが0であった場合は、ST1512で、ST1508で取得した入賞判定結果が「V」の絵柄組合せであるかを判定する。「V」の絵柄組合せに入賞したと判定された場合は、ST1514へ移行し、「赤7」(BB遊技)/「青7」(内部当選報知遊技)入賞への振り分け抽選が行われる。ST1516では、振り分け抽選で決定された絵柄への入賞判定結果に更新される。
【0171】
ST1520は、入賞判定結果が「青7」の絵柄組み合わせであるかを判定し、「青7」の絵柄組み合わせであると判定された場合は、ST1522へ移行し、内部当選結果保持区間抽選を実行する。内部抽選結果保持区間抽選は、図8の内部当選報知遊技の遊技回数抽選テーブルをそのまま使用することができる。ST1524で保持区間カウンタに抽選の結果決定した遊技区間を設定する。保持区間カウンタが設定された後は、保持区間カウンタの設定値分の遊技回数に渡り内部当選状態が維持される。
【0172】
ST1526では、遊技状態を内部当選状態2に設定する。内部当選状態2は、内部当選状態であって、保持区間カウンタが設定されている状態を示すものである。ST1570で、制御コマンドとして、内部当選状態2の遊技状態コマンドは送信される。副制御部は、内部当選状態2の制御コマンドに基づいて内部当選報知演出を開始する。
【0173】
ST1510で、保持区間カウンタの値が0で無い場合は、内部当選報知遊技中であることから、ST1530以降の処理を行う。ST1530は、保持区間カウンタより1減算される。ST1532で再度保持区間カウンタの値をチェックし、0であった場合は、ST1534でBB内部当選結果をリセットする。そして、内部当選報知遊技を終了させるべくST1536で通常遊技状態に設定される。遊技状態は、ST1570で制御コマンドとして副制御部に送信される。副制御部では、受信した制御コマンドに基づいて通常遊技状態の演出制御に移行し、内部当選報知演出の発生が停止される。以上のように、主制御部における内部当選状態を利用して、副制御部における内部当選報知遊技の発生終了を制御することができる。
【0174】
前述の図12及び図13の遊技態様では、内部当選報知遊技の開始は、入賞判定結果コマンドに基づいて発生制御されていたため、「青7」の絵柄組み合わせに入賞した遊技における制御コマンドのみに基づいて発生が制御されていた。このため、その遊技において制御コマンドが、何らかの障害により副制御部で受信できなかった場合、「青7」の絵柄組み合わせに入賞しても内部当選報知遊技は発生せず、且つBB内部当選結果も消滅すると言う最悪の不具合が発生する可能性があった。本実施形態では、毎遊技送信される遊技状態コマンドに基づいて内部当選報知演出の発生を制御しているため、仮に制御コマンドの送信ミスにより、制御コマンドが送信されない遊技があったとしても、毎遊技制御コマンドを送信するため不具合を最小限にすることができる。
【0175】
ST1550では、「赤7」の絵柄組み合わせに入賞したかを判定する。「赤7」の絵柄組み合わせに入賞したと判定された場合は、ST1552へ移行し、BB遊技状態を設定する。ST1554でBB内部当選結果をリセットする。ST1556で遊技状態コマンドを副制御部に送信し、BB遊技状態の演出を実行させる。
【0176】
ST1560では、BBが終了したかを判定する。BBが終了した場合は、ST1562で遊技状態を通常遊技状態に設定する。ST1570で遊技状態コマンドを副制御部に送信し、通常遊技状態の演出に切り替える。
【0177】
以上のように、主制御部でBB内部当選結果を消滅させる時期を保持区間カウンタに基づいて制御することで、BB遊技及び内部当選報知遊技の発生制御を主制御部でも行うことができる。副制御部は、主制御部の制御コマンドに基づいて内部当選報知演出のみを行う。毎遊技送信される遊技状態コマンドに基づいて内部当選報知演出の発生を制御しているため、制御コマンドの送信ミスが発生しても、毎遊技制御コマンドを送信するため不具合を最小限にすることができるとともに、内部当選報知遊技を容易に制御することができる。
【0178】
【発明の効果】
以上のべたとおり、本発明の遊技台によれば、遊技者としては、終了条件が固定であり比較的安定した結果が得られる第1の遊技と、終了条件が変更可能に設定され、得られる結果も変動し易い第2の遊技と、のいずれかの遊技を楽しむことができることになり、遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の正面図である。
【図2】スロットマシン100の主制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】スロットマシン100の副制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】スロットマシン100の各リールの絵柄配列の例を示す図である。
【図5】スロットマシン100の入賞絵柄組み合せ及び内部当選確率を示す図である。
【図6】スロットマシン100の内部当選報知演出例を示す図である。
【図7】スロットマシン100の内部当選報知遊技における主制御部と副制御部との制御コマンドの送受信及び演出制御を示す概念図である。
【図8】スロットマシン100における、BB遊技と内部当選報知遊技との間のメダル獲得枚数を示す図である。
【図9】スロットマシン100のリール停止制御を示す図である。
【図10】スロットマシン100の停止位置データ参照エリアの説明図である。
【図11】スロットマシン100のリール停止制御例を示す図である。
【図12】スロットマシン100の遊技態様の例を示す図である。
【図13】スロットマシン100の遊技態様の例を示す図である。
【図14】スロットマシン100の停止操作例を示す。
【図15】スロットマシン100の遊技実行処理のフローチャートである。
【図16】スロットマシン100の遊技状態制御処理のフローチャートである。
【図17】スロットマシン100のコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【図18】スロットマシン100の内部当選報知遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図20】上記他の実施形態における遊技状態制御処理のフローチャートである。
Claims (7)
- 複数種類の絵柄が施された複数のリールと、
複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、
前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、予め定めた絵柄の組合せであるか否かに基づいて入賞を判定する判定手段と、を備え、
第1の入賞役に前記内部当選した場合に、停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、第1の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が固定の第1の遊技に移行し、第2の絵柄の組合せの場合には通常遊技から、終了条件が変更可能に設定される第2の遊技に移行することを特徴とする遊技台。 - 更に、
前記停止スイッチの押し順が所定の押し順の場合にのみ、第2の入賞役に対応する絵柄の組合せが表示されることを許容する第2の入賞役用の停止位置データを含む複数種類の停止位置データを記憶する記憶手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記停止位置データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記停止位置データに基づいて、前記リールの回転制御を行うリール制御手段と、
前記選択手段により、前記第2の入賞役用の停止位置データが選択された場合に、前記所定の押し順を報知する報知手段と、を備え、
前記第1の遊技は、所定の遊技回数が消化されるか、第3の遊技を開始させる入賞役に所定回数入賞するか、のいずれかの条件により終了する遊技であり、
前記第2の遊技は、変更可能に設定される遊技回数が消化されることにより終了する遊技であり、
前記報知手段は、前記通常遊技においては前記所定の押し順を報知せず、前記第2の遊技においては前記所定の押し順を報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技台。 - 第1の入賞役に前記内部当選した場合に、停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、第3の絵柄の組合せの場合には、所定の条件により、前記通常遊技から前記第1の遊技に、又は、前記通常遊技から前記第2の遊技のいずれかに移行することを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
- 更に、
前記停止スイッチの押し順が第1の押し順の場合にのみ、前記第1の絵柄の組合せが表示されることを許容する第1の遊技用の停止位置データと、前記停止スイッチの押し順が第2の押し順の場合にのみ、前記第2の絵柄の組合せが表示されることを許容する第2の遊技用の停止位置データと、を含む複数種類の停止位置データを記憶する記憶手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記停止位置データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記停止位置データに基づいて、前記リールの回転制御を行うリール制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技台。 - 前記選択手段は、前記第1の入賞役に内部当選した場合に、前記第1の遊技用の停止位置データと前記第2の遊技用の停止位置データとの双方を選択することを特徴とする請求項4に記載の遊技台。
- 前記選択手段は、前記第1の入賞役に内部当選した場合に、前記第1の遊技用の停止位置データと前記第2の遊技用の停止位置データとのいずれかを選択することを特徴とする請求項4に記載の遊技台。
- 更に、
前記第1の入賞役に内部当選した場合に、これを記録する記録手段を備え、
前記記録手段は、前記第1の遊技か前記第2の遊技に移行するまで前記第1の入賞役に内部当選したことを保持することを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
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