JP2004166376A - 燃料電池搭載車両の電源システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】図示しないコントローラでは、駆動モータ1を駆動開始するに際して、二次電池用リレー回路6の二次電池側正極リレー21及び二次電池側負極リレー22をオン状態にすると共に、二次電池3からの電力を次第に上昇させてインバータ5に供給するようにDC/DCコンバータ7を制御し、インバータ5の電圧値や電流値、インバータ5に電力供給を開始した後の経過時間などの状態に基づいて、燃料電池用リレー回路4の燃料電池側正極リレー11及び燃料電池側負極リレー12をオン状態にして燃料電池2から駆動モータ1に電力供給する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池や二次電池の電力を使用して駆動トルクを発生する燃料電池搭載車両の電源システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の駆動トルクを発生させるために、電源からの電力をインバータを介して負荷に供給する車両用強電システムを搭載したものが知られている。この車両用強電システムは、例えば駆動モータに電力供給を開始する起動時において、インバータ内のコンデンサを充電する必要があり、当該コンデンサへの突入電流を低減するコンデンサ充電用リレー及び抵抗を備えていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−60127号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両用強電システムでは、コンデンサ充電用リレーや抵抗を備える必要があったので、システムとして重量増、容積増、コスト増の要因となるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、簡単な構成でインバータ内のコンデンサへの突入電流を防止することができる燃料電池搭載車両の電源システムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、負荷に電力供給して駆動する燃料電池搭載車両の電源システムであって、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記負荷に対する上記燃料電池にて発電した発電電力の供給を開閉制御する燃料電池用スイッチ回路と、電力を蓄積する二次電池と、上記負荷に対する上記二次電池に充電された充電電力の供給を開閉制御する二次電池用スイッチ回路と、上記二次電池用スイッチ回路からの電力を変換して上記負荷側に供給する電力変換回路と、上記燃料電池用スイッチ回路からの電力及び/又は上記電力変換回路からの電力を上記負荷に供給する電力供給回路とを備え、これらの各部を制御手段にて制御することで、上述の課題を解決する。
【0007】
この制御手段では、負荷を駆動開始するに際して、上記二次電池用スイッチ回路をオン状態にすると共に、上記二次電池からの電力を次第に上昇させて上記電力供給回路に供給するように上記電力変換回路を制御し、上記電力供給回路の状態に基づいて上記燃料電池用スイッチ回路をオン状態にして上記燃料電池から上記負荷に電力供給する。
【0008】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池搭載車両の電源システムによれば、電力変換手段の出力電圧を次第に上昇させ、電力供給手段の状態に基づいて燃料電池から突入電力が流れないと判定した後に、燃料電池から負荷への電力供給を開始するようにしたので、簡単な構成で突入電流を防ぐことが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[第1実施形態]
本発明は、例えば図1に示すように構成された第1実施形態に係る電源システムに適用される。
【0011】
[電源システムの構成]
この電源システムは、駆動モータ1によって発生した駆動トルクを利用して、走行する燃料電池搭載車両に備えられる。この電源システムでは、電源として燃料電池2及び二次電池3を備え、図示しないコントローラにより各部を制御することで当該燃料電池2及び二次電池3からの電力を駆動モータ1に供給する。
【0012】
燃料電池2は、固体高分子電解質膜を挟んで空気極と水素極とを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層して構成されている。本例の燃料電池搭載車両では、図示しない燃料電池システムを搭載して、燃料電池2に発電反応を発生させるための燃料ガスとして例えば水素ガスを燃料極に供給すると共に、酸化剤ガスとして例えば酸素を含む空気を酸化剤極に供給することで、燃料電池2に発電反応をさせる。
【0013】
また、この燃料電池搭載車両では、燃料電池2にて発電した電力や、駆動モータ1から回生した電力を二次電池3に充電する。この二次電池3は、図示しないコントローラにより充電率が制御され、駆動モータ1に電力供給をする。
【0014】
このような電源システムにおいて、燃料電池2は、燃料電池用リレー回路4及びインバータ5を介して駆動モータ1と接続される。また、二次電池3は、二次電池用リレー回路6、DC/DCコンバータ7及びインバータ5を介して駆動モータ1と接続される。
【0015】
燃料電池用リレー回路4は、燃料電池2の正極端子とインバータ5の正極端子とを接続する電力供給ラインに燃料電池側正極リレー11が設けられると共に、燃料電池2の負極端子とインバータ5の負極端子とを接続する電力供給ラインに燃料電池側負極リレー12が設けられている。燃料電池側正極リレー11は、スイッチ部11a及び電磁コイル11bからなり、電磁コイル11bへの電流供給がオンオフされることでスイッチ部11aがオンオフ動作して、燃料電池2とインバータ5との電気的な接続をオンオフする。また、第2負極リレー12は、スイッチ部12a及び電磁コイル12bからなり、電磁コイル12bへの電流供給がオンオフされることでスイッチ部12aがオンオフ動作して、燃料電池2とインバータ5との電気的な接続をオンオフする。
【0016】
また、この燃料電池用リレー回路4には、電力供給ラインに、燃料電池2からインバータ5に供給している電流を検出する燃料電池用電流センサ13が設けられると共に、燃料電池2からインバータ5に印加している電圧を検出する燃料電池用電圧センサ14を備えている。燃料電池用電流センサ13及び燃料電池用電圧センサ14にて検出したセンサ値は、図示しないコントローラに読み込まれて、燃料電池側正極リレー11及び燃料電池側負極リレー12の制御に使用される。
【0017】
二次電池用リレー回路6は、燃料電池用リレー回路4と同様にして構成され、二次電池3の正極端子とDC/DCコンバータ7の正極端子とを接続する電力供給ラインに二次電池側正極リレー21が設けられると共に、二次電池3の負極端子とDC/DCコンバータ7の負極端子とを接続する電力供給ラインに二次電池側負極リレー22が設けられている。二次電池側正極リレー21は、スイッチ部21a及び電磁コイル21bからなり、電磁コイル21bへの電流供給がオンオフされることでスイッチ部21aがオンオフ動作して、二次電池3とDC/DCコンバータ7との電気的な接続をオンオフする。また、二次電池側負極リレー22は、スイッチ部22a及び電磁コイル22bからなり、電磁コイル22bへの電流供給がオンオフされることでスイッチ部22aがオンオフ動作して、二次電池3とDC/DCコンバータ7との電気的な接続をオンオフする。
【0018】
また、この二次電池用リレー回路6には、電力供給ラインに、二次電池3からDC/DCコンバータ7に供給している電流を検出する二次電池用電流センサ23が設けられると共に、二次電池3からDC/DCコンバータ7に印加している電圧を検出する二次電池用電圧センサ24を備えている。二次電池用電流センサ23及び二次電池用電圧センサ24にて検出したセンサ値は、図示しないコントローラに読み込まれる。
【0019】
更に、燃料電池用リレー回路4及び二次電池用リレー回路6の電力供給ラインには、過電流がインバータ5及びDC/DCコンバータ7に供給するのを防止するためのヒューズ15,16,25,26が設けられている。
【0020】
[電源システムの動作]
つぎに、上述したように構成された電源システムにおいて、駆動モータ1を駆動開始するときの動作について図2のフローチャートを参照して説明する。
【0021】
この処理は、例えば外部から駆動モータ1を駆動する命令がコントローラに送られた場合に、ステップS1の処理を開始し、二次電池側正極リレー21及び二次電池側負極リレー22をオン状態にして、ステップS2に処理を進める。このとき、コントローラでは、電磁コイル21b及び電磁コイル22bに電流供給することで、スイッチ部21a及びスイッチ部22aをオン状態にし、二次電池3とDC/DCコンバータ7とを電気的に接続する。
【0022】
このようにステップS1の動作をすることにより、二次電池3に充電していた電力をDC/DCコンバータ7に供給開始する。そして、コントローラでは、インバータ5内の駆動モータ1に対する出力端に設けられたコンデンサを充電するために、インバータ5に出力する電圧を次第に上昇させるようにDC/DCコンバータ7を制御する。これにより、図3に示すように、時間の経過と共に、コンデンサの充電量が多くなって電圧値が高くなる。
【0023】
ステップS2においては、コントローラにより、燃料電池用電圧センサ14からのセンサ信号を読み込んで、インバータ5の状態としてインバータ5内のコンデンサの電圧値を検出し、DC/DCコンバータ7からインバータ5に次第に値を上昇させながら印加している電圧によって、コンデンサの電圧値が所定値以上の電圧値となったか否かを判定して、所定値以上の電圧値となった場合にステップS3に処理を進める。
【0024】
この電圧の所定値とは、DC/DCコンバータ7からの出力電圧を次第に上昇させることでコンデンサを充電させて、燃料電池側正極リレー11及び燃料電池側負極リレー12をオン状態にしたときに、燃料電池2からインバータ5に突入電流が流れないようなコンデンサの充電状態にする電圧値が設定されている。
【0025】
ここで、図3に示すようにコンデンサの電圧が上昇した場合、時刻t1においてステップS2からステップS3に移行することになる。
【0026】
ステップS3においては、コントローラにより、燃料電池側正極リレー11及び燃料電池側負極リレー12をオン状態にして処理を終了する。これにより、燃料電池2とインバータ5とを電気的に接続して、燃料電池2から駆動モータ1への電力供給が開始されることになる。
【0027】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る電源システムによれば、コントローラによりDC/DCコンバータ7の出力を制御することで、DC/DCコンバータ7の出力電圧を次第に上昇させ、インバータ5内のコンデンサの電圧値を燃料電池用電圧センサ14にて検出して燃料電池2から駆動モータ1への電力供給を開始するようにしたので、簡単な構成でインバータ5内のコンデンサへの突入電流を防ぐことが可能となる。
【0028】
また、この電源システムによれば、インバータ5内のコンデンサの突入電流を防止するために、燃料電池側正極リレー11と並列してコンデンサ充電用リレーやコンデンサ充電用抵抗を設ける必要が無く、システムの構成の簡略化、低コスト化、低重量化、低容積化を実現することができる。
【0029】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る電源システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0030】
第2実施形態に係る電源システムでは、図4に示すように、ステップS1の次に、燃料電池用電流センサ13からのセンサ信号をコントローラにより読み込むことで、インバータ5内のコンデンサに流れている電流値を検出する。そして、コントローラでは、第1実施形態と同様にDC/DCコンバータ7の出力電圧を次第に上昇させてインバータ5内のコンデンサに流れている電流値が所定値以下となったらステップS3にて燃料電池側正極リレー11及び燃料電池側負極リレー12をオン状態にする。
【0031】
この電流値の所定値とは、DC/DCコンバータ7からの出力電圧を次第に上昇させることでコンデンサを充電させて、燃料電池側正極リレー11及び燃料電池側負極リレー12をオン状態にしたときに、燃料電池2からインバータ5に突入電流が流れないようなコンデンサの充電状態にする電流値が設定されている。
【0032】
ここで、図5に示すようにコンデンサが充電されるに従ってコンデンサに流れる電流値が低下した場合、時刻t2においてステップS11からステップS3に移行することになる。
【0033】
このような第2実施形態に係る電源システムによれば、コントローラによりDC/DCコンバータ7の出力を制御することで、DC/DCコンバータ7の出力電圧を次第に上昇させ、インバータ5内のコンデンサに流れる電流値を燃料電池用電流センサ13にて検出して燃料電池2から駆動モータ1への電力供給を開始するようにしたので、簡単な構成でインバータ5内のコンデンサへの突入電流を防ぐことが可能となる。
【0034】
また、この電源システムによれば、第1実施形態と同様に、システムの構成の簡略化、低コスト化、低重量化、低容積化を実現することができる。
【0035】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る電源システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0036】
第3実施形態に係る電源システムでは、図6に示すように、ステップS1にて二次電池側正極リレー21及び二次電池側負極リレー22をオン状態にした時刻から、コントローラ内部のタイマを起動させると共に、DC/DCコンバータ7の出力電圧を次第に上昇させる。そして、ステップS1の次のステップS21においては、二次電池側正極リレー21及び二次電池側負極リレー22をオン状態にした時刻から所定時間が経過したか否かを判定して、所定時間を経過した後にステップS3に処理を進める。
【0037】
この所定時間とは、DC/DCコンバータ7からの出力電圧を次第に上昇させることでコンデンサを充電させて、燃料電池側正極リレー11及び燃料電池側負極リレー12をオン状態にしたときに、燃料電池2からインバータ5に突入電流が流れないようなコンデンサの充電状態にする時間が設定されている。
【0038】
ここで、図7に示すようにコンデンサが充電されるに従ってコンデンサに流れる電流値が低下した場合、時刻t3の所定時間においてステップS11からステップS3に移行して、燃料電池側正極リレー11及び燃料電池側負極リレー12をオン状態にすることになる。
【0039】
このような第3実施形態に係る電源システムによれば、コントローラによりDC/DCコンバータ7の出力を制御することで、DC/DCコンバータ7の出力電圧を次第に上昇させて所定時間が経過した後に、燃料電池2から駆動モータ1への電力供給を開始するようにしたので、簡単な構成でインバータ5内のコンデンサへの突入電流を防ぐことが可能となる。
【0040】
また、この電源システムによれば、第1実施形態と同様に、システムの構成の簡略化、低コスト化、低重量化、低容積化を実現することができる。
【0041】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電源システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る電源システムにおいて、燃料電池から駆動モータに電力供給を開始するときの動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る電源システムにおいて、インバータ内のコンデンサに印加される電圧値の変化を示す図である。
【図4】本発明を適用した第2実施形態に係る電源システムにおいて、燃料電池から駆動モータに電力供給を開始するときの動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明を適用した第2実施形態に係る電源システムにおいて、インバータ内のコンデンサに流れる電流値の変化を示す図である。
【図6】本発明を適用した第2実施形態に係る電源システムにおいて、燃料電池から駆動モータに電力供給を開始するときの動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明を適用した第3実施形態に係る電源システムにおいて、燃料電池側正極リレー及び燃料電池側負極リレーをオン状態にするタイミングを示す図である。
【符号の説明】
1 駆動モータ
2 燃料電池
3 二次電池
4 燃料電池用リレー回路
5 インバータ
6 二次電池用リレー回路
7 DC/DCコンバータ
11 燃料電池側正極リレー
12 燃料電池側負極リレー
13 燃料電池用電流センサ
14 燃料電池用電圧センサ
15,16,25,26 ヒューズ
21 二次電池側正極リレー
11a,12a,21a,22a スイッチ部
11b,12b,21b,22b 電磁コイル
22 二次電池側負極リレー
23 二次電池用電流センサ
24 二次電池用電圧センサ
Claims (4)
- 負荷に電力供給して駆動する燃料電池搭載車両の電源システムであって、
燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、
上記負荷に対する上記燃料電池にて発電した発電電力の供給を開閉制御する燃料電池用スイッチ回路と、
電力を蓄積する二次電池と、
上記負荷に対する上記二次電池に充電された充電電力の供給を開閉制御する二次電池用スイッチ回路と、
上記二次電池用スイッチ回路からの電力を変換して上記負荷側に供給する電力変換回路と、
上記燃料電池用スイッチ回路からの電力及び/又は上記電力変換回路からの電力を上記負荷に供給する電力供給回路と、
上記二次電池用スイッチ回路をオン状態にすると共に、上記二次電池からの電力を次第に上昇させて上記電力供給回路に供給するように上記電力変換回路を制御し、上記電力供給回路の状態に基づいて上記燃料電池用スイッチ回路をオン状態にして上記燃料電池から上記負荷に電力供給する制御をする制御手段と
を備えることを特徴とする燃料電池搭載車両の電源システム。 - 上記制御手段は、上記電力供給回路内の電圧を検出し、検出した電圧値が所定値以上となった場合に上記燃料電池用スイッチ回路をオン状態にすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池搭載車両の電源システム。
- 上記制御手段は、上記電力供給回路内の電流を検出し、検出した電流値が所定値以下となった場合に上記燃料電池用スイッチ回路をオン状態にすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池搭載車両の電源システム。
- 上記制御手段は、上記電力供給回路に上記電力変換回路からの電力供給を開始した後の所定時間後に上記燃料電池用スイッチ回路をオン状態にすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池搭載車両の電源システム。
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