JP2004162935A - 蒸発器 - Google Patents
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Abstract
【課題】一方のタンク部から複数のチューブを通って他方のタンク部に熱交換媒体としての冷媒が通流する単純な1パス通路タイプの蒸発器において、冷媒の気体成分と液体成分とを効果的に分流し、熱交換効果を十分に発揮できるようにする。
【解決手段】風下側及び風上側下部タンク部7,9のいずれか一方に、長手方向途中に仕切り12を設け、冷媒が一方の風下側下部タンク部7では導入口14aに近いほうのチューブ4,4,…内を流れ、他方の風上側下部タンク部9では導入口14bから遠いほうのチューブ4,4,…内を流れるようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】風下側及び風上側下部タンク部7,9のいずれか一方に、長手方向途中に仕切り12を設け、冷媒が一方の風下側下部タンク部7では導入口14aに近いほうのチューブ4,4,…内を流れ、他方の風上側下部タンク部9では導入口14bから遠いほうのチューブ4,4,…内を流れるようにする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸発器に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、両端に設けられたタンク部とこれらタンク部間に積層して連結された複数のチューブとを一体に備え、このチューブ間にフィンを配設して構成され、一方のタンク部から導入された熱交換媒体が複数のチューブ内を通って他方のタンク部に流れるようになった蒸発器蒸発器は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13に示すように、この蒸発器100の熱交換ユニット102,103は上下両端部にタンク部106〜109を配置し、空気の流れFに対して、風下側及び風上側に並ぶように配設されている。
【0004】
上記蒸発器100では、風下側熱交換ユニット102の下部タンク部107の略中央部分に仕切部111が設けられ、このことで、下部タンク部107は第1下部タンク107a及び第2下部タンク107bに区分されている。同様に風上側熱交換ユニット103の上部タンク部108の略中央部分に仕切部110が設けられ、このことで、上部タンク部108は第1上部タンク108a及び第2上タンク108bに区分されている。そして、第2下部タンク107bと第2上部タンク108bとが連通路112で連通されている。また、第1下部タンク107aに熱交換媒体の入口部114が設けられ、第1上部タンク部108aに出口部115が設けられている。
【0005】
上記蒸発器100では、熱交換媒体は、入口部114から第1下部タンク107aに入り、チューブ4,4,…内の熱交換媒体通路を上昇して上部タンク部106に導かれた後、この上部タンク部106内を長手方向に通流し、チューブ4,4,…内の熱交換媒体通路を下降して第2下部タンク107bに至る。
【0006】
さらに、熱交換媒体は、連通路112を介して第2上部タンク108bに導かれ、そこからチューブ4,4,…内の熱交換媒体通路を下降して下部タンク部109に導かれ、この下部タンク部109部内を長手方向に通流し、チューブ4,4,…内の熱交換媒体通路を上昇して第1上部タンク108aに至り、この第1上部タンク108aの出口部115から流出する。
【0007】
このように、風下側及び風上側でそれぞれ2パスづつの通路が設けられ、計4パス通路とされたものが知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開平09−170850号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、蒸発器の小型化が強く要求されており、蒸発器のコア厚さを薄くする必然性が出てきている。しかし、コア厚さを薄くすると、熱交換媒体の通路断面積が狭くなり、管内圧損の上昇により、熱交換性能の低下を招くという問題がある。
【0010】
そのために、上記従来のような4パス通路タイプから単純に1パス通路タイプにすることが考えられている。しかし、一方のタンク部から複数のチューブを通って他方のタンク部に熱交換媒体が通流するという、いわゆる単純な1パス通路タイプに戻しただけでは、熱交換媒体の気体成分と液体成分との分流が悪くなり、熱交換効率が低下する。
【0011】
そこで、タンク部内に分流管等を設け、気体成分と液体成分とをより均一に分流することが考えられるが、タンク内の分流管設置は限られたスペースでの設置となり、熱交換媒体のスムーズな流れを阻害する恐れがあるとともに、構造が複雑となってコストアップにもつながる。
【0012】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを狙いとし、特に一方のタンク部から複数のチューブを通って他方のタンク部に熱交換媒体が通流する単純な1パス通路タイプの蒸発器において、熱交換媒体の気体成分と液体成分とを効果的に分流し、熱交換効果を十分に発揮できる蒸発器を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、両端に設けられたタンク部とこれらタンク部間に積層して連結された複数のチューブとを一体に備え、該チューブ間にフィンを配設して構成され、一方のタンク部から導入された熱交換媒体が複数のチューブ内を通って他方のタンク部に流れるようになった蒸発器であって、一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口がそれぞれ設けられ、各導入口に対応して一方のタンク部は、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分けられ、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方には長手方向途中に仕切りが設けられる構成である。
【0014】
この構成では、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方には仕切りがあるので、導入された熱交換媒体はその仕切り板のあるタンク部の奥まで流れずに複数のチューブに向かって流れる。また風下側タンク部及び風上側タンク部の他方には仕切りがないので、導入された勢いで熱交換媒体はこのタンク部の奥まで流れ、それから複数のチューブ内を流れる傾向になる。
【0015】
すなわち、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方では導入口に近いほうの複数のチューブを流れ、他方では導入口から遠いほうの複数のチューブを流れる傾向になり、分流が促進される。このように簡単な構成で分流を促進できる。
【0016】
請求項2の発明は、両端に設けられたタンク部とこれらタンク部間に積層して連結された複数のチューブとを一体に備え、該チューブ間にフィンを配設して構成され、一方のタンク部から導入された熱交換媒体が複数のチューブ内を通って他方のタンク部に流れるようになった蒸発器であって、一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口がそれぞれ設けられ、各導入口に対応して一方のタンク部は、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分けられ、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方の導入口から遠い後半部分と、他方の導入口に近い前半部分とにそれぞれ複数のチューブとの連通を遮断する遮蔽部が設けられる構成である。
【0017】
この構成では、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方には後半部分に遮蔽部があるので、導入された熱交換媒体は後半部分の複数のチューブの方に流れずに前半部分の複数のチューブに流れ、他方には逆に前半部分に遮蔽部があるので後半部分の複数のチューブに流れる。
【0018】
すなわち、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方では導入口に近いほうの複数のチューブを流れ、他方では導入口に遠いほうの複数のチューブを流れる傾向になり、分流が促進される。このように簡単な構成で分流を促進できる。
【0019】
請求項3の発明では、仕切りに細孔の連通孔が設けられているので、導入された熱交換媒体の一部はこの連通孔を介して奥のタンク部まで流れるので、仕切り付近の分流ムラが減少でき、効率良く熱交換できる。
【0020】
請求項4の発明では、遮蔽部には、複数のチューブと部分的に連通する開口部が設けられているので、複数のチューブ内で熱交換媒体が全く流れない領域を減少でき、効率よく熱交換できる。
【0021】
請求項5の発明では、風下側タンク部及び風上側タンク部とを互いに連通する連通路が設けられているので、風下側タンク部と風上側タンク部とに導入された熱交換媒体のばらつきを減少でき、熱交換効率を向上できる。
【0022】
請求項6の発明は、一方のタンク部を形成する膨出部は隣接する膨出部に対して、折り曲げたバーリング加工で接続され、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方は、流れ方向後側の膨出部から前側の膨出部に向けて、また他方は、流れ方向前側の膨出部から後側の膨出部に向けて、それぞれバーリング加工されて接続される構成である。
【0023】
この構成では、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方ではバーリング加工された部分が熱交換媒体の流れ抵抗を増加させる方向に作用し、他方ではバーリング加工された部分が熱交換媒体の流れ抵抗を減少させる方向に作用するので、より一層分流を促進でき、効果的に熱交換が行われる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。図1〜図3は実施形態1に係る蒸発器1を示す。図1に示すように、蒸発器1は風向きFに対して風下側と風上側とに積層配置された風下側ユニット2及び風上側ユニット3からなる。
【0025】
上記風下側ユニット2及び風上側ユニット3には、それぞれ扁平チューブ4,4,…と波状フィン5,5,…とが交互に積層されている。そして、風下側ユニット2の積層されたチューブ4,4,…及びフィン5,5,…の上下両端部にはタンク部6,7が、また風上側ユニット3の積層されたチューブ4,4,…及びフィン5,5,…の上下両端部にはタンク部8,9がそれぞれ設けられている。なお、図3に示すように、各チューブ4は風下側ユニット2及び風上側ユニット3間で連通されている。
【0026】
また、図示しないが、上記風下側ユニット2の風下側上部タンク部6及び風上側ユニット3の風上側上部タンク部8間は、隔壁が設けられず互いに連通されている。一方、図3に示すように、風下側ユニット2の風下側下部タンク部7及び風上側ユニット3の風上側下部タンク部9は、隔壁11によって内部が互いに連通しないように仕切られている。また図2(a)に示すように、風下側ユニット2の風下側下部タンク部7は仕切12で長手方向に第1タンク部7a及び第2タンク部7bに区切られている。
【0027】
図1及び図2に示すように、上記風下側ユニット2の第1タンク部7a及び風上側ユニット3の風上側下部タンク部9の端部には、熱交換媒体としての冷媒の入口部14a,14bがそれぞれ設けられている。また、風下側ユニット2の風下側上部タンク部6及び風上側ユニット3の風上側上部タンク部8の入口部14a,14bと同じ側の端部に二股形状を有する冷媒の出口部15が設けられている。このようにして、一方の下部タンク部7,9から導入された冷媒がチューブ4,4,…内を通って他方の上部タンク部6,8に流れるようになっている。
【0028】
次に、実施形態1に係る蒸発器1内の冷媒の流れを説明する。図2(a)及び(b)に示すように、冷媒が入口部14a及び14bから風下側ユニット2の下部第1タンク部7a及び風上側ユニット3の風上側下部タンク部9にそれぞれ導入される。
【0029】
上記風下側ユニット2の下部第1タンク部7aに導入された冷媒は、第1タンク部7a及び第2タンク部7b間に仕切り12が設けられているので、左半分(入口部14a側)のチューブ4,4,…内を上昇して風下側上部タンク部6に至る。
【0030】
なお、このとき冷媒は導入時の勢い等で主に各チューブ4内の風下側を流れ、風上側にはわずかしか流れない(図2(a)に破線で示す)。
【0031】
一方、風上側ユニット3の風上側下部タンク部9に導入された冷媒は、導入時の勢い等で風上側下部タンク部9の比較的奥まで流れ、そこからチューブ4,4,…を上昇して風上側上部タンク部8に至る。よって、風上側ユニット3では主に右半分(入口部14bの奥側)のチューブ4,4,…内を流れる。
【0032】
なお、このときも冷媒は導入時の勢い等で主に各チューブ4内の風上側を流れ、風下側にはわずかしか流れない(図2(a)に破線で示す)。
【0033】
最後に、風下側上部タンク部6及び風上側上部タンク部8内の冷媒は蒸発器1の長手方向手前側(出口部15側)に向かって流れて出口部15から流出される。
【0034】
このように風下側ユニット2と風上側ユニット3間で冷媒の分流が促進されるので、熱交換による熱分布の不均一さを少なくすることができる。
【0035】
(実施形態2)
図4〜図6は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、仕切り12を設けずに前側及び後側遮蔽部21,22を設けた点が上記実施形態1と異なる。
【0036】
上記前側遮蔽部21は、図5に示すように、風上側下部タンク部9の前半部分(入口部14b側)とチューブ4,4,…との連通を遮断し、また後側遮蔽部22は、図6に示すように、風下側ユニット2の第2タンク部7bとチューブ4,4,…との連通を遮断している。
【0037】
次に、実施形態2に係る蒸発器1内の冷媒の流れを説明する。図4(a)及び(b)に示すように、風下側下部タンク部7に導入された冷媒は、後半部分では後側遮蔽部22のために上昇してチューブ4,4,…内に流れることができないので、第1タンク部7aから上昇してチューブ4,4,…内に導かれ、風下側上部タンク部6に至る。
【0038】
一方、風上側下部タンク部9の冷媒は前半部分では前側遮蔽部21のために上昇してチューブ4,4,…内に流れることができず、後半部分で上昇してチューブ4,4,…内に流れ、風上側上部タンク部8に至る。
【0039】
よって、このように風下側上部タンク部6と風上側上部タンク部8とに導かれる冷媒の流れに差を設けて、分流を促進しているので、温度分布の不均一化を低減できる。
【0040】
なお、上記実施形態2において、前側及び後側遮蔽部21,22は風向き方向に見て、互いにラップせず、かつどちらかが風下側及び風上側下部タンク部7,9のいずれか一方を遮蔽していたが、どちらも遮蔽しない領域を設けてもよい。すなわち前側遮蔽部21が風上側下部タンク部9の前端部側を、また後側遮蔽部22が風下側下部タンク部7の後端部側を遮蔽し、風下側及び風上側下部タンク部7,9の中間部ではいずれもが遮蔽しないようにしてもよい。あるいは、風下側下部タンク部7の後半部の前側に後側遮蔽部22を設け、後端部には後側遮蔽部22を設けないようにしてもよい。
【0041】
(実施形態3)
図7及び図8は本発明の実施形態3を示し、実施形態2における前側及び後側遮蔽部21,22にそれぞれ少なくとも1個以上の開口部31を設けたものである。図8には前側遮蔽部21に開口部31,31,…を設けた構造を示すが、後側遮蔽部22にも同様な開口部31,31,…が設けられている。
【0042】
図7に示すように、上記開口部31,31,…を設けることにより、前側及び後側遮蔽部21,22がチューブ4,4,…と部分的に連通し、上記実施形態2に比べて冷媒がチューブ4,4,…内に全く流れない領域、すなわちデッドスペースを無くすようになっている。
【0043】
したがって、冷媒の分流を促進しつつも、偏りを無くすことで、熱交換効率を向上できる。なお、図4(a)における破線は省略している。
【0044】
また、図示しないが、本実施形態3の考え方を上記実施形態1に適用し、仕切り12に風下側下部タンク部7の第1タンク部7a及び第2タンク部7b間を連通させる細孔からなる連通孔を設けてもよい。
【0045】
すなわち、上記細孔により、風下側ユニット2の第2タンク部7bにも冷媒が導かれるようにして、第2タンク部7bからも風下側上部タンク部6に向かって冷媒が流れるようにすればよく、そのことで、熱交換効率を向上できる。
【0046】
また、本実施形態3の開口部31を、各遮蔽部21,22にそれぞれ1個設けても複数個設けてもよく、またその大きさも均一に設けてもよく、流れ方向に徐々に大きくなるように設けてもよい。
【0047】
(実施形態4)
図9は本発明の実施形態4を示し、上記実施形態1〜3の蒸発器1に、風下側及び風上側下部タンク部7,9間を互いに連通させる連通路41〜43をそれぞれ設けたものである。
【0048】
このことで、上記下部タンク部7,9に導入された冷媒にバラツキがあっても、上記連通路41〜43を設けることにより、この連通路41〜43内を冷媒が通るので、両下部タンク部7,9間の冷媒の温度差、流量差、圧力差、液相と気相の割合等の差を少なくできる。
【0049】
なお、本実施形態4の連通路41,42,43は1箇所でなく、複数箇所設けてもよく、大きさも任意に設定すればよい。
【0050】
(実施形態5)
図10〜図12は本発明の実施形態5を示し、この実施形態5ではチューブ4,4,…の下端部に形成される風下側及び風上側下部タンク部7,9の長手方向の連結構造に差を持たせたものである。
【0051】
図11及び図12に示すように、上記下部タンク部7,9は、各チューブ4の下端部に中央に開口部を有し、流れ方向前側(入口部14a側)及び後側(入口部14a側と反対側)に向かってそれぞれ膨出するように設けられた前側及び後側膨出部4a,4bが互いに連結されて構成されている。
【0052】
上記風上側下部タンク部9では、図11に拡大詳示するように、冷媒の流れ方向の前側に位置するチューブ4の後側膨出部4bの開口部にバーリング加工部13が、その後側に位置するチューブ4の前側膨出部4aの開口部側に向かって伸びるように形成され、後側膨出部4bと前側膨出部4aとが接続されている。
【0053】
また、風下側下部タンク部7では、図12に拡大詳示するように、冷媒の流れ方向の後側に位置するチューブ4の前側膨出部4aの開口部にバーリング加工部13が、その前側に位置するチューブ4の後側膨出部4bの開口部側に向かって伸びるように形成され、前側膨出部4aと後側膨出部4bとが接続されている。
【0054】
よって、上記風上側下部タンク部9ではバーリング加工部13は後側に向かって伸びて冷媒の流れを乱さない一方、風下側下部タンク部7ではバーリング加工部13は前側に向かって伸びて冷媒の流れを乱すように設けられているので、風下側下部タンク部7では、冷媒は奥まで達しにくくなり、また風上側下部タンク部9ではスムーズに奥まで流れる。これにより、冷媒が風下側ユニット2内では入口部14a側のチューブ4,4,…内を、風上側ユニット3内では入口部14bから奥側のチューブ4,4,…内をそれぞれ上昇することで、風上側及び風下側下部タンク部7,9に導入される冷媒の分流が促進される。
【0055】
【発明の効果】
請求項1の発明の蒸発器によると、一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口をそれぞれ設け、各導入口に対応して一方のタンク部を、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分け、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方に長手方向途中に仕切りを設けたので、熱交換媒体は、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方では導入口に近いほうの複数のチューブを流れ、他方では導入口から遠いほうの複数のチューブを流れる傾向になり、分流が促進される。
【0056】
請求項2の発明の蒸発器によると、一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口をそれぞれ設け、各導入口に対応して一方のタンク部を、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分け、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方の導入口から遠い後半部分と、他方の導入口に近い前半部分とにそれぞれ複数のチューブとの連通を遮断する遮蔽部を設けたので、一方では導入口に遠いほうの複数のチューブを流れ、他方では導入口に近いほうの複数のチューブを流れる傾向になり、分流が促進される。
【0057】
請求項3の発明によると、仕切りに細孔の連通孔を設けたことにより、仕切り付近の分流ムラが減少でき、効率良く熱交換できる。
【0058】
請求項4の発明によると、遮蔽部に、複数のチューブと部分的に連通する開口部を設けたことにより、複数のチューブ内で熱交換媒体が全く流れない領域を減少でき、効率よく熱交換できる。
【0059】
請求項5の発明によると、風下側タンク部及び風上側タンク部とを互いに連通する連通路を設けたことにより、風下側タンク部と風上側タンク部とに導入された熱交換媒体のばらつきを減少でき、熱交換効率を向上できる。
【0060】
請求項6の発明によると、一方のタンク部を形成する膨出部を隣接する膨出部に対して、折り曲げたバーリング加工で接続し、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方を、流れ方向後側の膨出部から前側の膨出部に向けて、また他方を、流れ方向前側の膨出部から後側の膨出部に向けてそれぞれバーリング加工して接続したことにより、より一層分流を促進でき、効果的に熱交換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る蒸発器を示す斜視図である。
【図2】(a)は冷媒のフローを示す図であり、また(b)は冷媒の流量分布を示す図である。
【図3】下部タンク部を示す拡大断面図である。
【図4】実施形態2の図2相当図である。
【図5】図4(a)のV−V線拡大断面図を示す。
【図6】図4(a)のVI−VI線拡大断面図を示す。
【図7】実施形態3の図2相当図である。
【図8】実施形態3の図3相当図である。
【図9】実施形態4に関わり、(a),(b)及び(c)がそれぞれ実施形態1〜3に実施形態4を適用した際の対応図である。
【図10】実施形態5の下部タンク部の断面図である。
【図11】風上側下部タンク部を示す拡大断面図である。
【図12】風下側下部タンク部を示す図11相当図である。
【図13】従来技術の蒸発器内の冷媒の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 蒸発器
2 風下側ユニット
3 風上側ユニット
4 チューブ
5 フィン
6 風下側上部タンク部
7 風下側下部タンク部
8 風上側上部タンク部
9 風上側下部タンク部
12 仕切り
13 バーリング加工部
14a,14b 入口部(導入口)
15 出口部
21,22 遮蔽部
31 開口部
41,42,43 連通路
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸発器に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、両端に設けられたタンク部とこれらタンク部間に積層して連結された複数のチューブとを一体に備え、このチューブ間にフィンを配設して構成され、一方のタンク部から導入された熱交換媒体が複数のチューブ内を通って他方のタンク部に流れるようになった蒸発器蒸発器は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13に示すように、この蒸発器100の熱交換ユニット102,103は上下両端部にタンク部106〜109を配置し、空気の流れFに対して、風下側及び風上側に並ぶように配設されている。
【0004】
上記蒸発器100では、風下側熱交換ユニット102の下部タンク部107の略中央部分に仕切部111が設けられ、このことで、下部タンク部107は第1下部タンク107a及び第2下部タンク107bに区分されている。同様に風上側熱交換ユニット103の上部タンク部108の略中央部分に仕切部110が設けられ、このことで、上部タンク部108は第1上部タンク108a及び第2上タンク108bに区分されている。そして、第2下部タンク107bと第2上部タンク108bとが連通路112で連通されている。また、第1下部タンク107aに熱交換媒体の入口部114が設けられ、第1上部タンク部108aに出口部115が設けられている。
【0005】
上記蒸発器100では、熱交換媒体は、入口部114から第1下部タンク107aに入り、チューブ4,4,…内の熱交換媒体通路を上昇して上部タンク部106に導かれた後、この上部タンク部106内を長手方向に通流し、チューブ4,4,…内の熱交換媒体通路を下降して第2下部タンク107bに至る。
【0006】
さらに、熱交換媒体は、連通路112を介して第2上部タンク108bに導かれ、そこからチューブ4,4,…内の熱交換媒体通路を下降して下部タンク部109に導かれ、この下部タンク部109部内を長手方向に通流し、チューブ4,4,…内の熱交換媒体通路を上昇して第1上部タンク108aに至り、この第1上部タンク108aの出口部115から流出する。
【0007】
このように、風下側及び風上側でそれぞれ2パスづつの通路が設けられ、計4パス通路とされたものが知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開平09−170850号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、蒸発器の小型化が強く要求されており、蒸発器のコア厚さを薄くする必然性が出てきている。しかし、コア厚さを薄くすると、熱交換媒体の通路断面積が狭くなり、管内圧損の上昇により、熱交換性能の低下を招くという問題がある。
【0010】
そのために、上記従来のような4パス通路タイプから単純に1パス通路タイプにすることが考えられている。しかし、一方のタンク部から複数のチューブを通って他方のタンク部に熱交換媒体が通流するという、いわゆる単純な1パス通路タイプに戻しただけでは、熱交換媒体の気体成分と液体成分との分流が悪くなり、熱交換効率が低下する。
【0011】
そこで、タンク部内に分流管等を設け、気体成分と液体成分とをより均一に分流することが考えられるが、タンク内の分流管設置は限られたスペースでの設置となり、熱交換媒体のスムーズな流れを阻害する恐れがあるとともに、構造が複雑となってコストアップにもつながる。
【0012】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを狙いとし、特に一方のタンク部から複数のチューブを通って他方のタンク部に熱交換媒体が通流する単純な1パス通路タイプの蒸発器において、熱交換媒体の気体成分と液体成分とを効果的に分流し、熱交換効果を十分に発揮できる蒸発器を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、両端に設けられたタンク部とこれらタンク部間に積層して連結された複数のチューブとを一体に備え、該チューブ間にフィンを配設して構成され、一方のタンク部から導入された熱交換媒体が複数のチューブ内を通って他方のタンク部に流れるようになった蒸発器であって、一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口がそれぞれ設けられ、各導入口に対応して一方のタンク部は、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分けられ、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方には長手方向途中に仕切りが設けられる構成である。
【0014】
この構成では、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方には仕切りがあるので、導入された熱交換媒体はその仕切り板のあるタンク部の奥まで流れずに複数のチューブに向かって流れる。また風下側タンク部及び風上側タンク部の他方には仕切りがないので、導入された勢いで熱交換媒体はこのタンク部の奥まで流れ、それから複数のチューブ内を流れる傾向になる。
【0015】
すなわち、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方では導入口に近いほうの複数のチューブを流れ、他方では導入口から遠いほうの複数のチューブを流れる傾向になり、分流が促進される。このように簡単な構成で分流を促進できる。
【0016】
請求項2の発明は、両端に設けられたタンク部とこれらタンク部間に積層して連結された複数のチューブとを一体に備え、該チューブ間にフィンを配設して構成され、一方のタンク部から導入された熱交換媒体が複数のチューブ内を通って他方のタンク部に流れるようになった蒸発器であって、一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口がそれぞれ設けられ、各導入口に対応して一方のタンク部は、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分けられ、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方の導入口から遠い後半部分と、他方の導入口に近い前半部分とにそれぞれ複数のチューブとの連通を遮断する遮蔽部が設けられる構成である。
【0017】
この構成では、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方には後半部分に遮蔽部があるので、導入された熱交換媒体は後半部分の複数のチューブの方に流れずに前半部分の複数のチューブに流れ、他方には逆に前半部分に遮蔽部があるので後半部分の複数のチューブに流れる。
【0018】
すなわち、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方では導入口に近いほうの複数のチューブを流れ、他方では導入口に遠いほうの複数のチューブを流れる傾向になり、分流が促進される。このように簡単な構成で分流を促進できる。
【0019】
請求項3の発明では、仕切りに細孔の連通孔が設けられているので、導入された熱交換媒体の一部はこの連通孔を介して奥のタンク部まで流れるので、仕切り付近の分流ムラが減少でき、効率良く熱交換できる。
【0020】
請求項4の発明では、遮蔽部には、複数のチューブと部分的に連通する開口部が設けられているので、複数のチューブ内で熱交換媒体が全く流れない領域を減少でき、効率よく熱交換できる。
【0021】
請求項5の発明では、風下側タンク部及び風上側タンク部とを互いに連通する連通路が設けられているので、風下側タンク部と風上側タンク部とに導入された熱交換媒体のばらつきを減少でき、熱交換効率を向上できる。
【0022】
請求項6の発明は、一方のタンク部を形成する膨出部は隣接する膨出部に対して、折り曲げたバーリング加工で接続され、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方は、流れ方向後側の膨出部から前側の膨出部に向けて、また他方は、流れ方向前側の膨出部から後側の膨出部に向けて、それぞれバーリング加工されて接続される構成である。
【0023】
この構成では、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方ではバーリング加工された部分が熱交換媒体の流れ抵抗を増加させる方向に作用し、他方ではバーリング加工された部分が熱交換媒体の流れ抵抗を減少させる方向に作用するので、より一層分流を促進でき、効果的に熱交換が行われる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。図1〜図3は実施形態1に係る蒸発器1を示す。図1に示すように、蒸発器1は風向きFに対して風下側と風上側とに積層配置された風下側ユニット2及び風上側ユニット3からなる。
【0025】
上記風下側ユニット2及び風上側ユニット3には、それぞれ扁平チューブ4,4,…と波状フィン5,5,…とが交互に積層されている。そして、風下側ユニット2の積層されたチューブ4,4,…及びフィン5,5,…の上下両端部にはタンク部6,7が、また風上側ユニット3の積層されたチューブ4,4,…及びフィン5,5,…の上下両端部にはタンク部8,9がそれぞれ設けられている。なお、図3に示すように、各チューブ4は風下側ユニット2及び風上側ユニット3間で連通されている。
【0026】
また、図示しないが、上記風下側ユニット2の風下側上部タンク部6及び風上側ユニット3の風上側上部タンク部8間は、隔壁が設けられず互いに連通されている。一方、図3に示すように、風下側ユニット2の風下側下部タンク部7及び風上側ユニット3の風上側下部タンク部9は、隔壁11によって内部が互いに連通しないように仕切られている。また図2(a)に示すように、風下側ユニット2の風下側下部タンク部7は仕切12で長手方向に第1タンク部7a及び第2タンク部7bに区切られている。
【0027】
図1及び図2に示すように、上記風下側ユニット2の第1タンク部7a及び風上側ユニット3の風上側下部タンク部9の端部には、熱交換媒体としての冷媒の入口部14a,14bがそれぞれ設けられている。また、風下側ユニット2の風下側上部タンク部6及び風上側ユニット3の風上側上部タンク部8の入口部14a,14bと同じ側の端部に二股形状を有する冷媒の出口部15が設けられている。このようにして、一方の下部タンク部7,9から導入された冷媒がチューブ4,4,…内を通って他方の上部タンク部6,8に流れるようになっている。
【0028】
次に、実施形態1に係る蒸発器1内の冷媒の流れを説明する。図2(a)及び(b)に示すように、冷媒が入口部14a及び14bから風下側ユニット2の下部第1タンク部7a及び風上側ユニット3の風上側下部タンク部9にそれぞれ導入される。
【0029】
上記風下側ユニット2の下部第1タンク部7aに導入された冷媒は、第1タンク部7a及び第2タンク部7b間に仕切り12が設けられているので、左半分(入口部14a側)のチューブ4,4,…内を上昇して風下側上部タンク部6に至る。
【0030】
なお、このとき冷媒は導入時の勢い等で主に各チューブ4内の風下側を流れ、風上側にはわずかしか流れない(図2(a)に破線で示す)。
【0031】
一方、風上側ユニット3の風上側下部タンク部9に導入された冷媒は、導入時の勢い等で風上側下部タンク部9の比較的奥まで流れ、そこからチューブ4,4,…を上昇して風上側上部タンク部8に至る。よって、風上側ユニット3では主に右半分(入口部14bの奥側)のチューブ4,4,…内を流れる。
【0032】
なお、このときも冷媒は導入時の勢い等で主に各チューブ4内の風上側を流れ、風下側にはわずかしか流れない(図2(a)に破線で示す)。
【0033】
最後に、風下側上部タンク部6及び風上側上部タンク部8内の冷媒は蒸発器1の長手方向手前側(出口部15側)に向かって流れて出口部15から流出される。
【0034】
このように風下側ユニット2と風上側ユニット3間で冷媒の分流が促進されるので、熱交換による熱分布の不均一さを少なくすることができる。
【0035】
(実施形態2)
図4〜図6は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、仕切り12を設けずに前側及び後側遮蔽部21,22を設けた点が上記実施形態1と異なる。
【0036】
上記前側遮蔽部21は、図5に示すように、風上側下部タンク部9の前半部分(入口部14b側)とチューブ4,4,…との連通を遮断し、また後側遮蔽部22は、図6に示すように、風下側ユニット2の第2タンク部7bとチューブ4,4,…との連通を遮断している。
【0037】
次に、実施形態2に係る蒸発器1内の冷媒の流れを説明する。図4(a)及び(b)に示すように、風下側下部タンク部7に導入された冷媒は、後半部分では後側遮蔽部22のために上昇してチューブ4,4,…内に流れることができないので、第1タンク部7aから上昇してチューブ4,4,…内に導かれ、風下側上部タンク部6に至る。
【0038】
一方、風上側下部タンク部9の冷媒は前半部分では前側遮蔽部21のために上昇してチューブ4,4,…内に流れることができず、後半部分で上昇してチューブ4,4,…内に流れ、風上側上部タンク部8に至る。
【0039】
よって、このように風下側上部タンク部6と風上側上部タンク部8とに導かれる冷媒の流れに差を設けて、分流を促進しているので、温度分布の不均一化を低減できる。
【0040】
なお、上記実施形態2において、前側及び後側遮蔽部21,22は風向き方向に見て、互いにラップせず、かつどちらかが風下側及び風上側下部タンク部7,9のいずれか一方を遮蔽していたが、どちらも遮蔽しない領域を設けてもよい。すなわち前側遮蔽部21が風上側下部タンク部9の前端部側を、また後側遮蔽部22が風下側下部タンク部7の後端部側を遮蔽し、風下側及び風上側下部タンク部7,9の中間部ではいずれもが遮蔽しないようにしてもよい。あるいは、風下側下部タンク部7の後半部の前側に後側遮蔽部22を設け、後端部には後側遮蔽部22を設けないようにしてもよい。
【0041】
(実施形態3)
図7及び図8は本発明の実施形態3を示し、実施形態2における前側及び後側遮蔽部21,22にそれぞれ少なくとも1個以上の開口部31を設けたものである。図8には前側遮蔽部21に開口部31,31,…を設けた構造を示すが、後側遮蔽部22にも同様な開口部31,31,…が設けられている。
【0042】
図7に示すように、上記開口部31,31,…を設けることにより、前側及び後側遮蔽部21,22がチューブ4,4,…と部分的に連通し、上記実施形態2に比べて冷媒がチューブ4,4,…内に全く流れない領域、すなわちデッドスペースを無くすようになっている。
【0043】
したがって、冷媒の分流を促進しつつも、偏りを無くすことで、熱交換効率を向上できる。なお、図4(a)における破線は省略している。
【0044】
また、図示しないが、本実施形態3の考え方を上記実施形態1に適用し、仕切り12に風下側下部タンク部7の第1タンク部7a及び第2タンク部7b間を連通させる細孔からなる連通孔を設けてもよい。
【0045】
すなわち、上記細孔により、風下側ユニット2の第2タンク部7bにも冷媒が導かれるようにして、第2タンク部7bからも風下側上部タンク部6に向かって冷媒が流れるようにすればよく、そのことで、熱交換効率を向上できる。
【0046】
また、本実施形態3の開口部31を、各遮蔽部21,22にそれぞれ1個設けても複数個設けてもよく、またその大きさも均一に設けてもよく、流れ方向に徐々に大きくなるように設けてもよい。
【0047】
(実施形態4)
図9は本発明の実施形態4を示し、上記実施形態1〜3の蒸発器1に、風下側及び風上側下部タンク部7,9間を互いに連通させる連通路41〜43をそれぞれ設けたものである。
【0048】
このことで、上記下部タンク部7,9に導入された冷媒にバラツキがあっても、上記連通路41〜43を設けることにより、この連通路41〜43内を冷媒が通るので、両下部タンク部7,9間の冷媒の温度差、流量差、圧力差、液相と気相の割合等の差を少なくできる。
【0049】
なお、本実施形態4の連通路41,42,43は1箇所でなく、複数箇所設けてもよく、大きさも任意に設定すればよい。
【0050】
(実施形態5)
図10〜図12は本発明の実施形態5を示し、この実施形態5ではチューブ4,4,…の下端部に形成される風下側及び風上側下部タンク部7,9の長手方向の連結構造に差を持たせたものである。
【0051】
図11及び図12に示すように、上記下部タンク部7,9は、各チューブ4の下端部に中央に開口部を有し、流れ方向前側(入口部14a側)及び後側(入口部14a側と反対側)に向かってそれぞれ膨出するように設けられた前側及び後側膨出部4a,4bが互いに連結されて構成されている。
【0052】
上記風上側下部タンク部9では、図11に拡大詳示するように、冷媒の流れ方向の前側に位置するチューブ4の後側膨出部4bの開口部にバーリング加工部13が、その後側に位置するチューブ4の前側膨出部4aの開口部側に向かって伸びるように形成され、後側膨出部4bと前側膨出部4aとが接続されている。
【0053】
また、風下側下部タンク部7では、図12に拡大詳示するように、冷媒の流れ方向の後側に位置するチューブ4の前側膨出部4aの開口部にバーリング加工部13が、その前側に位置するチューブ4の後側膨出部4bの開口部側に向かって伸びるように形成され、前側膨出部4aと後側膨出部4bとが接続されている。
【0054】
よって、上記風上側下部タンク部9ではバーリング加工部13は後側に向かって伸びて冷媒の流れを乱さない一方、風下側下部タンク部7ではバーリング加工部13は前側に向かって伸びて冷媒の流れを乱すように設けられているので、風下側下部タンク部7では、冷媒は奥まで達しにくくなり、また風上側下部タンク部9ではスムーズに奥まで流れる。これにより、冷媒が風下側ユニット2内では入口部14a側のチューブ4,4,…内を、風上側ユニット3内では入口部14bから奥側のチューブ4,4,…内をそれぞれ上昇することで、風上側及び風下側下部タンク部7,9に導入される冷媒の分流が促進される。
【0055】
【発明の効果】
請求項1の発明の蒸発器によると、一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口をそれぞれ設け、各導入口に対応して一方のタンク部を、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分け、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方に長手方向途中に仕切りを設けたので、熱交換媒体は、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方では導入口に近いほうの複数のチューブを流れ、他方では導入口から遠いほうの複数のチューブを流れる傾向になり、分流が促進される。
【0056】
請求項2の発明の蒸発器によると、一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口をそれぞれ設け、各導入口に対応して一方のタンク部を、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分け、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方の導入口から遠い後半部分と、他方の導入口に近い前半部分とにそれぞれ複数のチューブとの連通を遮断する遮蔽部を設けたので、一方では導入口に遠いほうの複数のチューブを流れ、他方では導入口に近いほうの複数のチューブを流れる傾向になり、分流が促進される。
【0057】
請求項3の発明によると、仕切りに細孔の連通孔を設けたことにより、仕切り付近の分流ムラが減少でき、効率良く熱交換できる。
【0058】
請求項4の発明によると、遮蔽部に、複数のチューブと部分的に連通する開口部を設けたことにより、複数のチューブ内で熱交換媒体が全く流れない領域を減少でき、効率よく熱交換できる。
【0059】
請求項5の発明によると、風下側タンク部及び風上側タンク部とを互いに連通する連通路を設けたことにより、風下側タンク部と風上側タンク部とに導入された熱交換媒体のばらつきを減少でき、熱交換効率を向上できる。
【0060】
請求項6の発明によると、一方のタンク部を形成する膨出部を隣接する膨出部に対して、折り曲げたバーリング加工で接続し、風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方を、流れ方向後側の膨出部から前側の膨出部に向けて、また他方を、流れ方向前側の膨出部から後側の膨出部に向けてそれぞれバーリング加工して接続したことにより、より一層分流を促進でき、効果的に熱交換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る蒸発器を示す斜視図である。
【図2】(a)は冷媒のフローを示す図であり、また(b)は冷媒の流量分布を示す図である。
【図3】下部タンク部を示す拡大断面図である。
【図4】実施形態2の図2相当図である。
【図5】図4(a)のV−V線拡大断面図を示す。
【図6】図4(a)のVI−VI線拡大断面図を示す。
【図7】実施形態3の図2相当図である。
【図8】実施形態3の図3相当図である。
【図9】実施形態4に関わり、(a),(b)及び(c)がそれぞれ実施形態1〜3に実施形態4を適用した際の対応図である。
【図10】実施形態5の下部タンク部の断面図である。
【図11】風上側下部タンク部を示す拡大断面図である。
【図12】風下側下部タンク部を示す図11相当図である。
【図13】従来技術の蒸発器内の冷媒の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 蒸発器
2 風下側ユニット
3 風上側ユニット
4 チューブ
5 フィン
6 風下側上部タンク部
7 風下側下部タンク部
8 風上側上部タンク部
9 風上側下部タンク部
12 仕切り
13 バーリング加工部
14a,14b 入口部(導入口)
15 出口部
21,22 遮蔽部
31 開口部
41,42,43 連通路
Claims (6)
- 両端に設けられたタンク部とこれらタンク部間に積層して連結された複数のチューブとを一体に備え、該チューブ間にフィンを配設して構成され、一方のタンク部から導入された熱交換媒体が複数のチューブ内を通って他方のタンク部に流れるようになった蒸発器であって、
上記一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口がそれぞれ設けられ、
上記各導入口に対応して一方のタンク部は、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分けられ、
上記風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方には長手方向途中に仕切りが設けられていることを特徴とする蒸発器。 - 両端に設けられたタンク部とこれらタンク部間に積層して連結された複数のチューブとを一体に備え、該チューブ間にフィンを配設して構成され、一方のタンク部から導入された熱交換媒体が複数のチューブ内を通って他方のタンク部に流れるようになった蒸発器であって、
上記一方のタンク部の端部に、風下側及び風上側に熱交換媒体の導入口がそれぞれ設けられ、
上記各導入口に対応して一方のタンク部は、風下側及び風上側に風下側タンク部及び風上側タンク部に分けられ、
上記風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方の導入口から遠い後半部分と、他方の導入口に近い前半部分とにそれぞれ上記複数のチューブとの連通を遮断する遮蔽部が設けられていることを特徴とする蒸発器。 - 請求項1の蒸発器において、
仕切りに細孔の連通孔が設けられていることを特徴とする蒸発器。 - 請求項2の蒸発器において、
遮蔽部には、複数のチューブと部分的に連通する開口部が設けられていることを特徴とする蒸発器。 - 請求項1〜4のいずれか1つの蒸発器において、
風下側タンク部及び風上側タンク部を互いに連通する連通路が設けられていることを特徴とする蒸発器。 - 請求項1〜5のいずれか1つの蒸発器において、
一方のタンク部を形成する膨出部は隣接する膨出部に対して、折り曲げたバーリング加工で接続され、
風下側タンク部及び風上側タンク部のいずれか一方は、流れ方向後側の膨出部から前側の膨出部に向けて、また他方は、流れ方向前側の膨出部から後側の膨出部に向けて、それぞれバーリング加工されて接続されていることを特徴とする蒸発器。
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