JP2004160077A - ベビーバス、そのマット及び該マットを使用したバスチェア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バスタブ1と、バスタブ1の上縁部1aに沿って巻くように変形可能な弾性を有し、裏面側に複数の吸盤5が設けられたマット2とをベビーバスに設ける。使用者が腕を置く位置にマット2を配置し、吸盤5を利用してマット2をバスタブ1に固定する。マット2の表面側には複数の膨らみ部3を、裏面側には膨らみ部3と位置を合わせて複数の中空筒状の支柱4を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳児の入浴用品に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳児の沐浴に使用されるベビーバスとして、乳児の頭部を支える使用者の腕の負担を軽減するために、バスタブの上縁部の腕の当たる位置に半月状の窪みを設けたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公平7−22150号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、使用者の腕の位置はベビーバスの設置された環境や乳児の体型等に応じて様々に変化する。このため、バスタブの上縁部に設けられた窪みと実際に腕が当たる位置とが一致せず、窪みが有効に機能しない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、使用者が腕を置く位置が変化してもその腕を適切に受け止めることが可能なベビーバス、及びこれに適したマットを提供することを目的とする。また、そのようなマットの適切な応用例を提供することも併せて目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明のベビーバス(A)は、バスタブ(1)と、前記バスタブの上縁部(1a)に沿って巻くように変形可能な弾性を有し、裏面側に複数の吸盤(5)が設けられたマット(2)とを備えることにより、上述した課題を解決する。
【0008】
このベビーバスによれば、バスタブ上縁部の任意の位置にマットを巻き掛け、吸盤を利用してマットの位置を固定することができる。従って、使用者が腕を置く位置にマットを配置してその腕をマットで適切に受け止めることができる。マットはバスタブ上縁部に沿って巻くように変形可能な弾性を有しているから、マットを介さずにバスタブ上縁部に腕を置いた場合と比較すれば、使用者の腕に加わる負荷を広範囲で分散して受け止め、その腕の負担を軽減することができる。
【0009】
本発明のベビーバスにおいて、前記マットの表面側には複数の膨らみ部(3)が設けられてもよい。前記マットの裏面側には複数の中空筒状の支柱(4)が設けられてもよい。さらに、記マットの表面側には複数の膨らみ部(3)が設けられ、前記マットの裏面側には複数の中空筒状の支柱が前記膨らみ部(4)と位置を合わせて設けられてもよい。このような膨らみ部や支柱を設けることにより、マットのクッション効果を高めることができる。特に、膨らみ部と支柱との位置を合わせた場合にはクッション効果が最大に発揮されて好ましい。
【0010】
前記マットは、長手方向中央部が長手方向両端部よりも狭められた形状を有していてもよい。このような形状を与えた場合には、バスタブのコーナー部分のようにバスタブ上縁部が湾曲している場合でも、内周側におけるマットの周縁同士の重なりを防止してマットをバスタブ上縁部に十分にフィットさせることができる。
【0011】
本発明のマット(2)は、弾性材料にて形成され、表面側には複数の膨らみ部(3)が設けられ、裏面側には複数の中空筒状の支柱(4)が前記膨らみ部と位置を合わせて設けられ、さらに前記裏面側には複数の吸盤(5)が設けられていることを特徴とする。このようなマットによれば、表面側の膨らみ部と裏面側の支柱とによって十分なクッション効果を発揮することができるとともに、吸盤を利用して特に濡れた面に十分に取り付けることができる。従って、本発明のベビーバスに好適に使用できる。
【0012】
また、本発明のマットは、バスチェア(8)にも好適に利用できる。そのようなマットを備えたバスチェアによれば、マットの吸盤による位置ずれ防止効果を有効に活用しつつ、使用者の素肌とバスチェアの座面や背当て面との直接的な接触を防いでマットのクッション効果を有効に利用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態に係るベビーバスの斜視図を示す。ベビーバスAは、バスタブ1と、少なくとも1枚のマット2とを備えている。バスタブ1は硬質樹脂を利用して成形された周知のものと同様でよい。マット2はエラストマー等の軟質素材にて構成されることにより、図1に想像線で示すようにバスタブ1の上縁部1aに沿って巻くように変形可能な弾性を有している。換言すれば、マット2はバスタブ1の上縁部1aに沿って二つに折り曲げるようにして弾性変形させることができる。
【0014】
マット2の表面側を図2に、裏面側を図3にそれぞれ示す。また、図4(a)はマット2の側面図、図4(b)は同(a)のIVb−IVb線に沿った断面図である。図2及び図3から明らかなように、マット2の外周は長手方向(図2の左右方向)の中央部が両端部よりも狭く形成された、換言すれば中央部がくびれたひょうたん型に形成されている。このように中央部の幅を絞ることにより、特にバスタブ1の湾曲したコーナ部1b(図1参照)へマット2を取り付ける際にバスタブ1の内周側でマット2の縁部の折り重なりが防止され、マット2をバスタブ1の形状に容易にフィットさせることができる。
【0015】
図2及び図4から明らかなように、マット2の表面側には複数の膨らみ部3が設けられている。膨らみ部3はマット2の表面にほぼ均等に設けられている。膨らみ部3は、マット2の上方に向かって緩やかな円錐状に突出し、その頂部は十分に丸みが付けられている。但し、膨らみ部3は円錐形に限らず、他の形状であってもよい。
【0016】
図3及び図4から明らかなように、マット2の裏面側には膨らみ部3と位置を合わせて複数の支柱4が設けられている。支柱4は中空円筒状に形成されているが、中空筒状であれば特に円筒状に限る必要はなく、角柱状等に形成されてもよい。さらに、マット2の裏面側には、支柱4を避けるようにして多数の吸盤5がマット2のほぼ全面に亘って分散させて設けられている。各吸盤5の面積は支柱4よりも十分に小さい。また、図4(b)から理解できるように、吸盤5は支柱4よりも下方に突出している。
【0017】
なお、膨らみ部3、支柱4及び吸盤5は、いずれもマット2の構成要素としてエラストマー等の軟質素材により一体に成形されている。但し、一部の要素、例えば吸盤5を別工程で製造して結合してもよい。この場合には吸盤5の素材はエラストマーに限定されず、塩化ビニル樹脂等の吸盤に好適な素材を用いることも可能である。
【0018】
以上のように構成されたベビーバスAにおいては、使用者が乳児の沐浴姿勢を取ったときにその腕とバスタブ1の上縁部1aとが当たる位置にマット2を巻き掛け、吸盤5を利用してマット2をバスタブ1に貼り着ける。このようにマット2を使用すれば、沐浴中の幼児を支えている使用者の腕をマット2にて受け止めることができる。マット2はバスタブ1の上縁部1aに沿って弾性変形できる弾性を有しているので、バスタブ1に直接腕を置いた場合と比較して腕に加わる負荷が分散され、使用者の腕の負担が軽減される。
【0019】
また、マット2の表面側の膨らみ部3と中空筒状の支柱4とが位置を合わせて設けられているので、支柱4が弾性変形することにより膨らみ部3に腕を置いたときの底づき感、すなわち、膨らみ部3の裏面側がほぼ全面的にバスタブ1と密着している感覚が緩和されてマット2のクッション効果が高まる。このため、使用者が長時間疲れずに腕を置くことができる。
【0020】
なお、マット2の大きさは適宜に定めてよいが、沐浴中に腕を裏返してもその腕がマット2から外れないようにするためには、マット2の長手方向の寸法を成人男性の腕回りと同等又はそれよりも幾らか大きい程度に設定することが望ましい。例えばマット2の長手方向の長さを220mm、幅を130mmとすればよい。
【0021】
以上のように構成されたマット2は、吸盤5を利用してバスタブ1の上縁部1a以外の場所にも取り付けることができる。例えば、バスタブ1の内側の底面にマット2を取り付け、その上に幼児の臀部等を置いてもよい。その他にも、吸盤5を利用して種々の位置にマット2を取り付けることができる。吸盤5による吸着力を活用する観点からみてマット2は濡れた面への取り付けに適しており、例えば入浴製品に好適に用いることができる。また、腕の下に敷くという機能からみて適切なサイズをマット2に与えた場合、そのようなマット2は乳幼児の各所を保護する手段としても好適に利用できる。以上のような要件に合致した応用例としては、図5に示したような乳幼児用のバスチェア8の座面8a、背当て面8b等にマット2を取り付ける用途が挙げられる。
【0022】
さらに、マット2は住宅のリビングルームの床、風呂場の床、椅子の座面等にも取り付けてこれを使用することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のベビーバスによれば、バスタブ上縁部の任意の位置にマットを巻き掛け、吸盤を利用してマットの位置を固定することができる。従って、使用者が腕を置く位置にマットを配置してその腕をマットで適切に受け止めることができる。マットはバスタブ上縁部に沿って巻くように変形可能な弾性を有しているから、マットを介さずにバスタブ上縁部に腕を置いた場合と比較すれば、使用者の腕に加わる負荷を広範囲で分散して受け止め、その腕の負担を軽減することができる。
【0024】
また、本発明のマットは、表面側の膨らみ部と裏面側の支柱とによって十分なクッション効果を発揮することができるとともに、吸盤を利用して特に濡れた面に十分に取り付けることができる。従って、本発明のマットは本発明のベビーバスに好適に使用できる。さらに、本発明のバスチェアによれば、本発明のマットの吸盤による位置ずれ防止効果を有効に活用しつつ、使用者の素肌とバスチェアの座面や背当て面との直接的な接触を防いでマットのクッション効果を有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベビーバスの一実施形態を示す斜視図。
【図2】マットの平面図。
【図3】マットの裏面図。
【図4】マットの厚さ方向に関する構成を示す図。
【図5】バスチェアへの応用例を示す図。
【符号の説明】
1 バスタブ
1a バスタブの上縁部
2 マット
3 膨らみ部
4 支柱
5 吸盤
8 バスチェア
Claims (7)
- バスタブと、前記バスタブの上縁部に沿って巻くように変形可能な弾性を有し、裏面側に複数の吸盤が設けられたマットとを備えていることを特徴とするベビーバス。
- 前記マットの表面側には複数の膨らみ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベビーバス。
- 前記マットの裏面側には複数の中空筒状の支柱が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベビーバス。
- 前記マットの表面側には複数の膨らみ部が設けられ、前記マットの裏面側には複数の中空筒状の支柱が前記膨らみ部と位置を合わせて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベビーバス。
- 前記マットは、長手方向中央部が長手方向両端部よりも狭められた形状を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のベビーバス。
- 弾性材料にて形成され、表面側には複数の膨らみ部が設けられ、裏面側には複数の中空筒状の支柱が前記膨らみ部と位置を合わせて設けられ、さらに前記裏面側には複数の吸盤が設けられていることを特徴とするマット。
- 弾性材料にて形成され、表面側には複数の膨らみ部が設けられ、裏面側には複数の中空筒状の支柱が前記膨らみ部と位置を合わせて設けられ、さらに前記裏面側には複数の吸盤が設けられたマットを備えていることを特徴とするバスチェア。
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