JP2004159859A - 衣類乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【課題】水道水温度に応じた最適の水量を熱交換器に供給し、高い乾燥性能を低いランニングコストで実現できる衣類乾燥機を提供する。
【解決手段】衣類を収容するためのドラム4と、ドラム4に接続し、乾燥用空気を循環させるための排気ダクト14と給気ダクト16と、排気ダクト14中に設けられ、乾燥用空気を冷却水により冷却して除湿を行なうための熱交換器6と、冷却水の供給を行なうための給水弁12と、乾燥用空気がドラム4から排気ダクト14へと排気されるときの温度を検知するための排気温度センサ18と、冷却水の流量を給水弁12により制御するための制御回路20とを備える衣類乾燥機本体100において、制御回路20は、排気温度センサ18により検知した温度が所定の温度範囲となるように流量を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】衣類を収容するためのドラム4と、ドラム4に接続し、乾燥用空気を循環させるための排気ダクト14と給気ダクト16と、排気ダクト14中に設けられ、乾燥用空気を冷却水により冷却して除湿を行なうための熱交換器6と、冷却水の供給を行なうための給水弁12と、乾燥用空気がドラム4から排気ダクト14へと排気されるときの温度を検知するための排気温度センサ18と、冷却水の流量を給水弁12により制御するための制御回路20とを備える衣類乾燥機本体100において、制御回路20は、排気温度センサ18により検知した温度が所定の温度範囲となるように流量を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類等から蒸発した水分を水で冷却し除湿する熱交換器を備えた水冷除湿式の衣類乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水冷除湿式の衣類乾燥機は、循環経路内の乾燥用空気を循環させるためのファンなどの送風手段を備えている。循環経路内の乾燥用空気は、ヒータなどの加熱手段により加熱される。加熱された後、乾燥用空気は、乾燥庫に送られる。乾燥庫にて乾燥用空気は、衣類などからの湿気を多量に含む。その後、湿気を含んだ乾燥用空気は、循環経路内に設けた熱交換器に送られる。一方、熱交換器には、水道水を冷却水として通されている。すなわち、熱交換器にて熱交換を行なうことにより、湿気を含んだ乾燥用空気中の水分は、凝縮して除去されるものである。この熱交換器への冷却水の供給は、水道水が通る冷却水パイプの入口に設けられている電動の給水弁により行なわれている。そして、この給水弁を運転時に開閉することで給水を制御することが一般的な構成であった。
【0003】
加熱手段の熱量が等しければ、冷却水量が小さすぎると衣類などの温度が高くなり、布傷みが激しくなる。また、冷却水量が大きすぎると、冷却水を必要以上に消費する。ランニングコストを低くするためには布傷みが生じない範囲内で、できるだけ冷却水量を少なくする必要がある。
【0004】
たとえば、第1の従来例としては、水冷除湿式の衣類乾燥機において、以下のような構成が公知である(たとえば、特許文献1)。すなわち、この第1の従来例では、水冷除湿式の衣類乾燥機において、熱交換器の入口水温を検知する温度検知手段と、乾燥機の動作を制御する制御手段とを備え、制御手段は、温度検知手段の出力とヒータの熱量により熱交換器に供給する冷却水量を制御する構成が開示されている。
【0005】
一方、第2の従来例としては、冷却水により乾燥空気の除湿を行なう乾燥機において、以下のような構成が公知である(たとえば、特許文献2)。すなわち、この第2の従来例では、水冷除湿式の乾燥機において、循環風路に設けられ乾燥空気の温度を検出する温度検知器と、温度検知器による検出温度が予め設定された所定温度を超えたとき、冷却水の通水を開始させる通水信号を出力する制御手段と、給水管に設けられ制御手段からの通水信号に基づいて開放される通水弁とを備える構成が開示されている。
【0006】
一方、第3の従来例としては、ドラム式乾燥機において以下の構成が公知である(たとえば、特許文献3を参照)。すなわち、この第3の従来例では、乾燥工程が開始されるとドラムの駆動手段によりドラムが回転され、送風手段による乾燥風の送風と加熱手段による乾燥風の加熱を行ない、冷却水の流水を行なわない乾燥を設定時間あるいは布量に応じて決定された時間行ない、設定時間あるいは布量に応じて決定された時間経過後冷却水の流水手段により冷却水の流水を開始して冷却除湿をともなう乾燥を行なう制御手段を備えるドラム式乾燥機の構成が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−328290号公報明細書
【0008】
【特許文献2】
実開平3−49097号公報明細書
【0009】
【特許文献3】
特開平9−225196号公報明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来例では、入口水温に応じて予め決められた冷却水量を流すため、入口水温以外の外気温度や検出しきれない負荷の変化といった環境変化に関するパラメータには対応できない。
【0011】
また、第2の従来例および第3の従来例では、水道水温度は季節によって変動するにもかかわらず、熱交換器に供給される冷却水量は当初設定された一定の量であるため、夏場の高い水温にあわせて冷却水量を設定すると、水温が低いときには冷却水量が大きすぎるという問題を有していた。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するもので、水道水温度に応じて最適の水量を熱交換器に供給し、高い乾燥性能と低いランニングコストで実現する衣類乾燥機を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、衣類乾燥機であって、衣類を収容するための乾燥庫と、乾燥庫を経由して乾燥用空気を循環させるための空気経路と、空気経路中に設けられ、乾燥用空気を冷却水により冷却して除湿を行なうための除湿手段と、空気経路中に設けられ、除湿手段により除湿された乾燥用空気を加熱するための加熱手段と、外部から冷却水の供給を行なうための給水手段と、乾燥用空気が乾燥庫から空気経路へと排気されるときの排気温度を検知するための排気温度検知手段と、冷却水の流量を給水手段により制御するための制御手段とを備え、制御手段は、排気温度検知手段により検知した排気温度を所定の目標温度範囲となるように流量を制御するための流量制御手段を含む。
【0014】
好ましくは、所定の目標温度範囲は、所定の目標温度を含み、流量制御手段は、排気温度検知手段により検知される排気温度が所定の目標温度に収束するように前記給水手段の制御を行なう。
【0015】
好ましくは、制御手段は、衣類の種類に応じて加熱手段により発生する熱量と、所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む。
【0016】
好ましくは、所定の目標温度範囲は、第1の所定の目標温度と、第1の所定の目標温度よりも低い第2の所定の目標温度とを含み、流量制御手段は、排気温度検知手段により検知される排気温度が第1の所定の目標温度以上になる場合は給水を行ない、第2の所定の目標温度以下になる場合は、給水を停止させる。
【0017】
好ましくは、制御手段は、衣類の種類に応じて加熱手段により発生する熱量と、第1の所定の目標温度および第2の所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む。
【0018】
好ましくは、所定の目標温度範囲は、所定の目標温度を含み、流量制御手段は、排気温度検知手段により検知される排気温度が所定の目標温度を超えることに応じて、所定の時間、給水を行ない、所定の時間の経過後、所定の目標温度より排気温度が小さい場合には、給水を停止させる。
【0019】
好ましくは、制御手段は、衣類の種類に応じて加熱手段により発生する熱量と、所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の衣類乾燥機の実施の形態を図面とともに説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の衣類乾燥機本体100の構成を示す図である。
【0022】
図1を参照して、衣類乾燥機本体100は、筐体1と筐体内に支持された水槽2と、水槽内に水平軸回りに回転自在に支持され洗濯物を収容するドラム(乾燥庫)4と、ドラム4を回転させる電動機(図示せず)と、水槽内の乾燥用空気を排気するための排気ダクト14と、排気された乾燥用空気の温度を検知するための排気温度センサ18と、排気された乾燥用空気の除湿を行なう熱交換器6と、乾燥用空気を循環させるための送風機8と、除湿された乾燥用空気を加熱するヒータ10と、ヒータ10から水槽2へとつながる給気ダクト16と、熱交換器6に冷却水を通すための冷却水パイプ22と、冷却水の流量を可変とするための給水弁12と、衣類乾燥機本体100を制御するための制御回路20とを備えている。
【0023】
乾燥運転時には、乾燥用空気はヒータ10によって加熱され温度が上がる。ヒータ10によって加熱された乾燥用空気は、給気ダクト16を通りドラム4へと送られる。そして、加熱された乾燥用空気によりドラム4内で衣類は加熱される。加熱された衣類に含まれる水分は蒸発する。したがって、乾燥用空気の湿度は増加する。湿度を含んだ空気は、排気ダクト14から内部に冷却水パイプ22を含む熱交換器6へと送られる。一方、制御回路20は、給水弁12を作動させて冷却水を熱交換器6に導く。その結果、乾燥用空気は、熱交換器6によって冷却・除湿される。除湿された乾燥用空気は、再びヒータ10へ送られる。このような乾燥用空気の風路は、送風機8によりヒータ10から給気ダクト16、ドラム4、排気ダクト14、熱交換器6、送風機8、ヒータ10の順に乾燥用空気が循環するように形成される。冷却水パイプ22は、水道水が給水弁12から熱交換器6、排気ダクト14、水槽2を通って排水されるように設けられている。制御回路20は、最適の水量を熱交換器6に供給するために排気温度センサ18により検知される排気温度に基づいて給水弁12の開閉することにより冷却水の流量の制御を行なう。
【0024】
また、図示はしないが図1の衣類乾燥機本体100の中に、衣類が傷みやすい布でできているかを判断する衣類判別センサ(図示せず)を設けてもよい。
【0025】
次に、後述する本発明の動作を説明する前提として、まず最初に乾燥運転開始から乾燥終了と判定されるまでの間に、ヒータの熱量と冷却水の流量を一定にした場合に排気温度がどのように変化するかを説明する。
【0026】
図2は、ヒータ10にて発生する熱量と冷却水の流量を一定にして乾燥運転を行なう場合の排気温度の変化を示す図である。
【0027】
図2を参照して、ヒータ10にて発生する熱量と冷却水の流量を一定にして乾燥運転を行なった場合は、最初、熱量のほとんどが衣類の温度を上げることに使用される。また、衣類温度の上昇に伴って排気温度も上昇する(昇温過程)。
【0028】
衣類温度が高くなると、衣類に含まれる水分の蒸発速度が大きくなる。その後、投入熱量と蒸発熱量がつりあうと排気温度は変化しなくなる(恒率乾燥過程)。
【0029】
衣類の乾燥が進み、水分の蒸発速度が小さくなってくると、再び排気温度は上昇する(減率乾燥過程)。
【0030】
乾燥終了の判定は、この特性を用いて、排気温度をもとに行なうことができる。また、冷却水の温度が低い場合や冷却水量を増大した場合は、熱交換器6での冷却・除湿能力が高くなるため、乾燥用空気の湿度が低くなる。この時、衣類の水分が蒸発しやすくなるため恒率乾燥過程における排気温度は低くなる。
【0031】
次に、本発明の実施の形態1において制御回路20が行なう冷却水の流量の制御方法について説明する。
【0032】
制御回路20は、排気温度センサ18により検知される排気温度が所定の目標温度より大きい場合において流量を大きくし、所定の目標温度より小さい場合において流量を小さくするようにPID制御を行なう。この時、給水弁12は、冷却水の流量を可変とする。
【0033】
制御回路20は、PID(Proportion Integral Differential)制御により恒率乾燥過程の排気温度が所定の目標温度に収束するように給水弁12の制御を行なう。
【0034】
図3は、実施の形態1において排気温度が所定の目標温度に収束するように流量をPID制御する場合の排気温度と冷却水の流量を示す図である。
【0035】
図3(a)は、夏場を想定した水温が高い場合の排気温度と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。図3(b)は、冬場を想定した水温が低い場合の排気温度と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。
【0036】
乾燥開始から乾燥終了と判定されるまでの冷却水量を比較すると、図3(b)に示す水温が低いときの給水弁12の冷却水量は、図3(a)に示す水温が低いときの冷却水量に比べて少なくなる。つまり、PID制御を行なうことにより冷却水を必要以上に消費するという問題を防ぐことができる。給水弁12が給水できる最大の水量を流しても、排気温度が所定の目標温度以上になる場合、制御回路20は、乾燥終了判定を行なう。すなわち、制御回路20は、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうか判定を行なう。乾燥終了と判定された場合、制御回路20は、衣類乾燥機本体100の乾燥運転を終了させる。
【0037】
衣類乾燥機本体100には、運転動作モードの異なる数種類の運転コースが設けられている。使用者は、通常運転コースや布傷み低減コースを含む運転コースの選択を行なえる。
【0038】
乾燥運転開始時に、使用者が布傷み低減コースを選択する場合、あるいは、衣類判別センサにより傷みやすい布だと判別した場合において、制御回路20は、布傷み低減コースとして予め設定されているヒータ10にて発生する熱量と所定の目標温度を選択する。この時、予め設定されているヒータ熱量と所定の目標温度は、通常運転コースよりも低い値が設定されている。その結果、乾燥中の衣類温度が低くなるために布傷みを低減することができる。
【0039】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の衣類乾燥機において制御回路20が行なう冷却水の流量の制御方法について説明する。実施の形態2の衣類乾燥機の機械的構造の構成は、図1の構成と同じである。そのため、構成の説明は繰り返さない。
【0040】
制御回路20は、排気温度センサにより検知された温度が第1の所定の目標温度より高い場合に給水を開始し、第2の所定の目標温度より低い場合に給水を停止するように給水弁12の制御を行なう。したがって、この制御により排気温度の変化は、乾燥終了と判定されるまで第1の所定の目標温度から第2の所定の目標温度までの範囲に入るように制御される。また、給水弁12は、開放および閉鎖のみ制御可能なものとする。
【0041】
図4は、実施の形態2において排気温度が第1の所定の目標温度および第2の所定の目標温度の範囲内に入るように流量を制御するときのフローチャートである。第2の所定の目標温度は、第1の所定の目標温度よりも低い。
【0042】
図4を参照して、制御回路20は、運転開始時にユーザーによる運転コースの選択や、衣類判別センサにより衣類が傷みやすい布であると判断を行ない、その結果より予め設定されているヒータの熱量および第1の所定の目標温度および第2の所定の目標温度を選択して運転を開始する。
【0043】
乾燥運転開始後、制御回路20は、給水弁12を給水停止の状態とする。(ステップS41)。
【0044】
つづいて、制御回路20は、排気温度センサ18により排気温度の検知を行なう。検知された排気温度が第1の所定の目標温度よりも低いと判断した場合、給水の停止を維持させて、処理をステップS41に戻す。(ステップS42)
一方、ステップS42において排気温度が第1の所定の目標温度よりも高いと判断した場合、制御回路20は、給水弁12を開いて給水を開始させる(ステップS43)。
【0045】
給水が開始された後、制御回路20は、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうかの判定を行なう(ステップS44)。
【0046】
ステップS44において乾燥終了であると判定する場合、制御回路20は、給水を停止させ運転終了とする(ステップS46)。
【0047】
一方、ステップS44において乾燥終了であると判定しない場合、制御回路20は、排気温度が第2の所定の目標温度よりも高いか判断をする(ステップS45)。
【0048】
ステップS45において検知された排気温度が第2の所定の目標温度よりも低い場合は、制御回路20は、給水を停止させて処理をステップS41に移行させる。
【0049】
ステップS45において検知された排気温度が第2の所定の目標温度よりも高い場合、制御回路20は、給水の状態を維持させて、処理をステップS44に戻す。
【0050】
図5は、実施の形態2において乾燥運転時に図4に示す制御を行なう場合の排気温度と冷却水量を示す図である。図5(a)は、夏場の高い水温を想定した場合の排気温度の時系列と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。図5(b)は、冬場を想定した水温が低い場合の排気温度の時系列と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。
【0051】
図5を参照して、図5(a)と図5(b)を対比すると、水温の高い冷却水が給水されている場合には、第1の所定の目標温度に制御回路20により給水が開始されてから、第2の所定の目標温度になり給水が停止されるまでに水温の高い冷却水が給水されている場合と比べて時間がかかる。すなわち、水温が低いときの冷却水は、水温が高いときの冷却水に比べて給水時に早く排気温度を低下させることができる。その結果、給水時間は、水温が高い場合よりも短くなる。給水時間の短縮により、冷却水を必要以上に消費するという問題を防ぐことができる。
【0052】
制御回路20は、給水時に乾燥終了判定を行なう。すなわち、制御回路20は、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうかの判定を行なう。乾燥終了が検知された場合、制御回路20は、運転を終了する。
【0053】
衣類乾燥機本体100には、運転動作モードの異なる数種類の運転コースが設けられている。使用者は、通常運転コースや布傷み低減コースを含む運転コースの選択を行なえる。
【0054】
乾燥運転開始時に、使用者が布傷み低減コースを選択する場合、あるいは、衣類判別センサにより傷みやすい布だと判別した場合において、制御回路20は、布傷み低減コースとして予め設定されているヒータ10にて発生する熱量と所定の目標温度を選択する。この時、予め設定されているヒータ熱量と所定の目標温度は、通常運転コースよりも低い値が設定されている。その結果、乾燥中の衣類温度が低くなるために布傷みを低減することができる。
【0055】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3の衣類乾燥機において制御回路20が行なう冷却水の流量の制御方法について説明する。実施の形態3の衣類乾燥機もその機械的構造の構成は、図1の構成と同じである。そのため構成の説明は繰り返さない。
【0056】
制御回路20は、排気温度センサにより検知された温度が所定の目標温度を超えることに応じて所定の時間、給水を行なう。所定の時間経過後、所定の目標温度より低い場合は、給水を停止するように給水弁12の制御を行なう。また、給水弁12は、開放および閉鎖のみ制御可能なものとする。
【0057】
図6は、実施の形態3において排気温度が所定の目標温度を超える際に所定の時間、給水を行なう制御のフローチャートである。
【0058】
図6を参照して、制御回路20は、運転開始時にユーザーによる運転コースの選択や、衣類判別センサにより衣類が傷みやすい布であると判断を行ない、その結果より予め設定されているヒータの熱量および所定の目標温度を選択して運転を開始する。
【0059】
乾燥運転開始後、制御回路20は、給水弁12を給水停止の状態とする(ステップS61)。
【0060】
排気温度センサ18により検知された排気温度が所定の目標温度よりも低いと判断した場合、制御回路20は、給水の停止の状態を維持させて、処理をステップS61に戻す(ステップS62)。
【0061】
一方、ステップS62において排気温度が所定の目標温度より高いと判断した場合、制御回路20は、給水を開始させる(ステップS64)。
【0062】
制御回路20は、給水を開始すると同時にタイマーを動作させる。(ステップS65)。
【0063】
タイマーを動作させた後、制御回路20は、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうかの判定を行なう(ステップS66)。
【0064】
ステップS66において乾燥終了と判定する場合、制御回路20は、給水停止させ、運転終了とする(ステップS68)。
【0065】
一方、ステップS66において乾燥終了と判定しない場合、制御回路20は、タイマーが所定の時間(t1)を経過しているかどうかの判断をする(ステップS67)。
【0066】
ステップS67において所定の時間を経過していない場合、制御回路20は、給水の状態を維持させて、処理をステップS66に移行させる。
【0067】
ステップS68において所定の時間を経過している場合、制御回路20は、排気温度が所定の目標温度よりも高いかどうかの判断を行なう(ステップS63)。
【0068】
ステップS63においてステップ排気温度が所定の目標温度よりも高い場合、制御回路20は、処理をステップS65に移行させる。
【0069】
一方、ステップS63において排気温度が所定の目標温度よりも低い場合、制御回路20は、処理をステップ61に移行させる。
【0070】
図7は、実施の形態3において乾燥運転時に図6に示す制御を行なう場合の排気温度と冷却水量を示す図である。
【0071】
図7(a)は、夏場を想定した水温が高い場合の排気温度と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。図7(b)は、冬場を想定した水温が高い場合の排気温度と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。
【0072】
図7を参照して、図7(a)と図7(b)を対比すると、排気温度が所定の温度を超えて所定の時間、給水が開始される際に、水温の低い冷却水が給水されている場合には、水温の高い冷却水が給水されている場合と比べて所定の時間の給水時に排気温度をより大きく下げる。そのため、水温が低いときの冷却水は、止水時間が長くなる。止水時間が長くなることにより、冷却水を必要以上に浪費するという問題を防ぐことができる。制御回路20は、給水時に従来の乾燥終了判定を行なう。すなわち、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうかの判定を行なう。乾燥終了が検知された場合、制御回路20は、運転を終了する。
【0073】
衣類乾燥機本体100には、運転動作モードの異なる数種類の運転コースが設けられている。使用者は、通常運転コースや布傷み低減コースを含む運転コースの選択を行なえる。
【0074】
乾燥運転開始時に、使用者が布傷み低減コースを選択する場合、あるいは、衣類判別センサにより傷みやすい布だと判別した場合において、制御回路20は、布傷み低減コースとして予め設定されているヒータ10にて発生する熱量と所定の目標温度を選択する。この時、予め設定されているヒータ熱量と所定の目標温度は、通常運転コースよりも低い値が設定されている。その結果、乾燥中の衣類温度が低くなるために布傷みを低減することができる。
【0075】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれていることが意図される。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、衣類乾燥機において水道水温度に応じた最適の水量を熱交換器に供給し、高い乾燥性能を低いランニングコストで実現できる。
【0077】
また、衣類の種類に応じて最適な制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣類乾燥機本体100の構成を示す図である。
【図2】ヒータ10にて発生する熱量と冷却水の流量を一定にして乾燥運転を行なう場合の排気温度の変化を示す図である。
【図3】実施の形態1において排気温度が所定の目標温度に収束するように流量をPID制御する場合の排気温度と冷却水の流量を示す図である。
【図4】実施の形態2において排気温度が第1の所定の目標温度および第2の所定の目標温度の範囲内に入るように流量を制御するときのフローチャートである。
【図5】実施の形態2において乾燥運転時に図4に示す制御を行なう場合の排気温度と冷却水量を示す図である。
【図6】実施の形態3において排気温度が所定の目標温度を超える際に所定の時間、給水を行なう制御のフローチャートである。
【図7】実施の形態3において乾燥運転時に図6に示す制御を行なう場合の排気温度と冷却水量を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体、2 水槽、4 ドラム(乾燥庫)、6 熱交換器、8 送風機、10 ヒータ、12 給水弁、14 排気ダクト、16 給気ダクト、18 排気温度センサ、20 制御回路、22 冷却水パイプ、100 衣類乾燥機本体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類等から蒸発した水分を水で冷却し除湿する熱交換器を備えた水冷除湿式の衣類乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水冷除湿式の衣類乾燥機は、循環経路内の乾燥用空気を循環させるためのファンなどの送風手段を備えている。循環経路内の乾燥用空気は、ヒータなどの加熱手段により加熱される。加熱された後、乾燥用空気は、乾燥庫に送られる。乾燥庫にて乾燥用空気は、衣類などからの湿気を多量に含む。その後、湿気を含んだ乾燥用空気は、循環経路内に設けた熱交換器に送られる。一方、熱交換器には、水道水を冷却水として通されている。すなわち、熱交換器にて熱交換を行なうことにより、湿気を含んだ乾燥用空気中の水分は、凝縮して除去されるものである。この熱交換器への冷却水の供給は、水道水が通る冷却水パイプの入口に設けられている電動の給水弁により行なわれている。そして、この給水弁を運転時に開閉することで給水を制御することが一般的な構成であった。
【0003】
加熱手段の熱量が等しければ、冷却水量が小さすぎると衣類などの温度が高くなり、布傷みが激しくなる。また、冷却水量が大きすぎると、冷却水を必要以上に消費する。ランニングコストを低くするためには布傷みが生じない範囲内で、できるだけ冷却水量を少なくする必要がある。
【0004】
たとえば、第1の従来例としては、水冷除湿式の衣類乾燥機において、以下のような構成が公知である(たとえば、特許文献1)。すなわち、この第1の従来例では、水冷除湿式の衣類乾燥機において、熱交換器の入口水温を検知する温度検知手段と、乾燥機の動作を制御する制御手段とを備え、制御手段は、温度検知手段の出力とヒータの熱量により熱交換器に供給する冷却水量を制御する構成が開示されている。
【0005】
一方、第2の従来例としては、冷却水により乾燥空気の除湿を行なう乾燥機において、以下のような構成が公知である(たとえば、特許文献2)。すなわち、この第2の従来例では、水冷除湿式の乾燥機において、循環風路に設けられ乾燥空気の温度を検出する温度検知器と、温度検知器による検出温度が予め設定された所定温度を超えたとき、冷却水の通水を開始させる通水信号を出力する制御手段と、給水管に設けられ制御手段からの通水信号に基づいて開放される通水弁とを備える構成が開示されている。
【0006】
一方、第3の従来例としては、ドラム式乾燥機において以下の構成が公知である(たとえば、特許文献3を参照)。すなわち、この第3の従来例では、乾燥工程が開始されるとドラムの駆動手段によりドラムが回転され、送風手段による乾燥風の送風と加熱手段による乾燥風の加熱を行ない、冷却水の流水を行なわない乾燥を設定時間あるいは布量に応じて決定された時間行ない、設定時間あるいは布量に応じて決定された時間経過後冷却水の流水手段により冷却水の流水を開始して冷却除湿をともなう乾燥を行なう制御手段を備えるドラム式乾燥機の構成が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−328290号公報明細書
【0008】
【特許文献2】
実開平3−49097号公報明細書
【0009】
【特許文献3】
特開平9−225196号公報明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来例では、入口水温に応じて予め決められた冷却水量を流すため、入口水温以外の外気温度や検出しきれない負荷の変化といった環境変化に関するパラメータには対応できない。
【0011】
また、第2の従来例および第3の従来例では、水道水温度は季節によって変動するにもかかわらず、熱交換器に供給される冷却水量は当初設定された一定の量であるため、夏場の高い水温にあわせて冷却水量を設定すると、水温が低いときには冷却水量が大きすぎるという問題を有していた。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するもので、水道水温度に応じて最適の水量を熱交換器に供給し、高い乾燥性能と低いランニングコストで実現する衣類乾燥機を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、衣類乾燥機であって、衣類を収容するための乾燥庫と、乾燥庫を経由して乾燥用空気を循環させるための空気経路と、空気経路中に設けられ、乾燥用空気を冷却水により冷却して除湿を行なうための除湿手段と、空気経路中に設けられ、除湿手段により除湿された乾燥用空気を加熱するための加熱手段と、外部から冷却水の供給を行なうための給水手段と、乾燥用空気が乾燥庫から空気経路へと排気されるときの排気温度を検知するための排気温度検知手段と、冷却水の流量を給水手段により制御するための制御手段とを備え、制御手段は、排気温度検知手段により検知した排気温度を所定の目標温度範囲となるように流量を制御するための流量制御手段を含む。
【0014】
好ましくは、所定の目標温度範囲は、所定の目標温度を含み、流量制御手段は、排気温度検知手段により検知される排気温度が所定の目標温度に収束するように前記給水手段の制御を行なう。
【0015】
好ましくは、制御手段は、衣類の種類に応じて加熱手段により発生する熱量と、所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む。
【0016】
好ましくは、所定の目標温度範囲は、第1の所定の目標温度と、第1の所定の目標温度よりも低い第2の所定の目標温度とを含み、流量制御手段は、排気温度検知手段により検知される排気温度が第1の所定の目標温度以上になる場合は給水を行ない、第2の所定の目標温度以下になる場合は、給水を停止させる。
【0017】
好ましくは、制御手段は、衣類の種類に応じて加熱手段により発生する熱量と、第1の所定の目標温度および第2の所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む。
【0018】
好ましくは、所定の目標温度範囲は、所定の目標温度を含み、流量制御手段は、排気温度検知手段により検知される排気温度が所定の目標温度を超えることに応じて、所定の時間、給水を行ない、所定の時間の経過後、所定の目標温度より排気温度が小さい場合には、給水を停止させる。
【0019】
好ましくは、制御手段は、衣類の種類に応じて加熱手段により発生する熱量と、所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の衣類乾燥機の実施の形態を図面とともに説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の衣類乾燥機本体100の構成を示す図である。
【0022】
図1を参照して、衣類乾燥機本体100は、筐体1と筐体内に支持された水槽2と、水槽内に水平軸回りに回転自在に支持され洗濯物を収容するドラム(乾燥庫)4と、ドラム4を回転させる電動機(図示せず)と、水槽内の乾燥用空気を排気するための排気ダクト14と、排気された乾燥用空気の温度を検知するための排気温度センサ18と、排気された乾燥用空気の除湿を行なう熱交換器6と、乾燥用空気を循環させるための送風機8と、除湿された乾燥用空気を加熱するヒータ10と、ヒータ10から水槽2へとつながる給気ダクト16と、熱交換器6に冷却水を通すための冷却水パイプ22と、冷却水の流量を可変とするための給水弁12と、衣類乾燥機本体100を制御するための制御回路20とを備えている。
【0023】
乾燥運転時には、乾燥用空気はヒータ10によって加熱され温度が上がる。ヒータ10によって加熱された乾燥用空気は、給気ダクト16を通りドラム4へと送られる。そして、加熱された乾燥用空気によりドラム4内で衣類は加熱される。加熱された衣類に含まれる水分は蒸発する。したがって、乾燥用空気の湿度は増加する。湿度を含んだ空気は、排気ダクト14から内部に冷却水パイプ22を含む熱交換器6へと送られる。一方、制御回路20は、給水弁12を作動させて冷却水を熱交換器6に導く。その結果、乾燥用空気は、熱交換器6によって冷却・除湿される。除湿された乾燥用空気は、再びヒータ10へ送られる。このような乾燥用空気の風路は、送風機8によりヒータ10から給気ダクト16、ドラム4、排気ダクト14、熱交換器6、送風機8、ヒータ10の順に乾燥用空気が循環するように形成される。冷却水パイプ22は、水道水が給水弁12から熱交換器6、排気ダクト14、水槽2を通って排水されるように設けられている。制御回路20は、最適の水量を熱交換器6に供給するために排気温度センサ18により検知される排気温度に基づいて給水弁12の開閉することにより冷却水の流量の制御を行なう。
【0024】
また、図示はしないが図1の衣類乾燥機本体100の中に、衣類が傷みやすい布でできているかを判断する衣類判別センサ(図示せず)を設けてもよい。
【0025】
次に、後述する本発明の動作を説明する前提として、まず最初に乾燥運転開始から乾燥終了と判定されるまでの間に、ヒータの熱量と冷却水の流量を一定にした場合に排気温度がどのように変化するかを説明する。
【0026】
図2は、ヒータ10にて発生する熱量と冷却水の流量を一定にして乾燥運転を行なう場合の排気温度の変化を示す図である。
【0027】
図2を参照して、ヒータ10にて発生する熱量と冷却水の流量を一定にして乾燥運転を行なった場合は、最初、熱量のほとんどが衣類の温度を上げることに使用される。また、衣類温度の上昇に伴って排気温度も上昇する(昇温過程)。
【0028】
衣類温度が高くなると、衣類に含まれる水分の蒸発速度が大きくなる。その後、投入熱量と蒸発熱量がつりあうと排気温度は変化しなくなる(恒率乾燥過程)。
【0029】
衣類の乾燥が進み、水分の蒸発速度が小さくなってくると、再び排気温度は上昇する(減率乾燥過程)。
【0030】
乾燥終了の判定は、この特性を用いて、排気温度をもとに行なうことができる。また、冷却水の温度が低い場合や冷却水量を増大した場合は、熱交換器6での冷却・除湿能力が高くなるため、乾燥用空気の湿度が低くなる。この時、衣類の水分が蒸発しやすくなるため恒率乾燥過程における排気温度は低くなる。
【0031】
次に、本発明の実施の形態1において制御回路20が行なう冷却水の流量の制御方法について説明する。
【0032】
制御回路20は、排気温度センサ18により検知される排気温度が所定の目標温度より大きい場合において流量を大きくし、所定の目標温度より小さい場合において流量を小さくするようにPID制御を行なう。この時、給水弁12は、冷却水の流量を可変とする。
【0033】
制御回路20は、PID(Proportion Integral Differential)制御により恒率乾燥過程の排気温度が所定の目標温度に収束するように給水弁12の制御を行なう。
【0034】
図3は、実施の形態1において排気温度が所定の目標温度に収束するように流量をPID制御する場合の排気温度と冷却水の流量を示す図である。
【0035】
図3(a)は、夏場を想定した水温が高い場合の排気温度と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。図3(b)は、冬場を想定した水温が低い場合の排気温度と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。
【0036】
乾燥開始から乾燥終了と判定されるまでの冷却水量を比較すると、図3(b)に示す水温が低いときの給水弁12の冷却水量は、図3(a)に示す水温が低いときの冷却水量に比べて少なくなる。つまり、PID制御を行なうことにより冷却水を必要以上に消費するという問題を防ぐことができる。給水弁12が給水できる最大の水量を流しても、排気温度が所定の目標温度以上になる場合、制御回路20は、乾燥終了判定を行なう。すなわち、制御回路20は、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうか判定を行なう。乾燥終了と判定された場合、制御回路20は、衣類乾燥機本体100の乾燥運転を終了させる。
【0037】
衣類乾燥機本体100には、運転動作モードの異なる数種類の運転コースが設けられている。使用者は、通常運転コースや布傷み低減コースを含む運転コースの選択を行なえる。
【0038】
乾燥運転開始時に、使用者が布傷み低減コースを選択する場合、あるいは、衣類判別センサにより傷みやすい布だと判別した場合において、制御回路20は、布傷み低減コースとして予め設定されているヒータ10にて発生する熱量と所定の目標温度を選択する。この時、予め設定されているヒータ熱量と所定の目標温度は、通常運転コースよりも低い値が設定されている。その結果、乾燥中の衣類温度が低くなるために布傷みを低減することができる。
【0039】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の衣類乾燥機において制御回路20が行なう冷却水の流量の制御方法について説明する。実施の形態2の衣類乾燥機の機械的構造の構成は、図1の構成と同じである。そのため、構成の説明は繰り返さない。
【0040】
制御回路20は、排気温度センサにより検知された温度が第1の所定の目標温度より高い場合に給水を開始し、第2の所定の目標温度より低い場合に給水を停止するように給水弁12の制御を行なう。したがって、この制御により排気温度の変化は、乾燥終了と判定されるまで第1の所定の目標温度から第2の所定の目標温度までの範囲に入るように制御される。また、給水弁12は、開放および閉鎖のみ制御可能なものとする。
【0041】
図4は、実施の形態2において排気温度が第1の所定の目標温度および第2の所定の目標温度の範囲内に入るように流量を制御するときのフローチャートである。第2の所定の目標温度は、第1の所定の目標温度よりも低い。
【0042】
図4を参照して、制御回路20は、運転開始時にユーザーによる運転コースの選択や、衣類判別センサにより衣類が傷みやすい布であると判断を行ない、その結果より予め設定されているヒータの熱量および第1の所定の目標温度および第2の所定の目標温度を選択して運転を開始する。
【0043】
乾燥運転開始後、制御回路20は、給水弁12を給水停止の状態とする。(ステップS41)。
【0044】
つづいて、制御回路20は、排気温度センサ18により排気温度の検知を行なう。検知された排気温度が第1の所定の目標温度よりも低いと判断した場合、給水の停止を維持させて、処理をステップS41に戻す。(ステップS42)
一方、ステップS42において排気温度が第1の所定の目標温度よりも高いと判断した場合、制御回路20は、給水弁12を開いて給水を開始させる(ステップS43)。
【0045】
給水が開始された後、制御回路20は、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうかの判定を行なう(ステップS44)。
【0046】
ステップS44において乾燥終了であると判定する場合、制御回路20は、給水を停止させ運転終了とする(ステップS46)。
【0047】
一方、ステップS44において乾燥終了であると判定しない場合、制御回路20は、排気温度が第2の所定の目標温度よりも高いか判断をする(ステップS45)。
【0048】
ステップS45において検知された排気温度が第2の所定の目標温度よりも低い場合は、制御回路20は、給水を停止させて処理をステップS41に移行させる。
【0049】
ステップS45において検知された排気温度が第2の所定の目標温度よりも高い場合、制御回路20は、給水の状態を維持させて、処理をステップS44に戻す。
【0050】
図5は、実施の形態2において乾燥運転時に図4に示す制御を行なう場合の排気温度と冷却水量を示す図である。図5(a)は、夏場の高い水温を想定した場合の排気温度の時系列と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。図5(b)は、冬場を想定した水温が低い場合の排気温度の時系列と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。
【0051】
図5を参照して、図5(a)と図5(b)を対比すると、水温の高い冷却水が給水されている場合には、第1の所定の目標温度に制御回路20により給水が開始されてから、第2の所定の目標温度になり給水が停止されるまでに水温の高い冷却水が給水されている場合と比べて時間がかかる。すなわち、水温が低いときの冷却水は、水温が高いときの冷却水に比べて給水時に早く排気温度を低下させることができる。その結果、給水時間は、水温が高い場合よりも短くなる。給水時間の短縮により、冷却水を必要以上に消費するという問題を防ぐことができる。
【0052】
制御回路20は、給水時に乾燥終了判定を行なう。すなわち、制御回路20は、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうかの判定を行なう。乾燥終了が検知された場合、制御回路20は、運転を終了する。
【0053】
衣類乾燥機本体100には、運転動作モードの異なる数種類の運転コースが設けられている。使用者は、通常運転コースや布傷み低減コースを含む運転コースの選択を行なえる。
【0054】
乾燥運転開始時に、使用者が布傷み低減コースを選択する場合、あるいは、衣類判別センサにより傷みやすい布だと判別した場合において、制御回路20は、布傷み低減コースとして予め設定されているヒータ10にて発生する熱量と所定の目標温度を選択する。この時、予め設定されているヒータ熱量と所定の目標温度は、通常運転コースよりも低い値が設定されている。その結果、乾燥中の衣類温度が低くなるために布傷みを低減することができる。
【0055】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3の衣類乾燥機において制御回路20が行なう冷却水の流量の制御方法について説明する。実施の形態3の衣類乾燥機もその機械的構造の構成は、図1の構成と同じである。そのため構成の説明は繰り返さない。
【0056】
制御回路20は、排気温度センサにより検知された温度が所定の目標温度を超えることに応じて所定の時間、給水を行なう。所定の時間経過後、所定の目標温度より低い場合は、給水を停止するように給水弁12の制御を行なう。また、給水弁12は、開放および閉鎖のみ制御可能なものとする。
【0057】
図6は、実施の形態3において排気温度が所定の目標温度を超える際に所定の時間、給水を行なう制御のフローチャートである。
【0058】
図6を参照して、制御回路20は、運転開始時にユーザーによる運転コースの選択や、衣類判別センサにより衣類が傷みやすい布であると判断を行ない、その結果より予め設定されているヒータの熱量および所定の目標温度を選択して運転を開始する。
【0059】
乾燥運転開始後、制御回路20は、給水弁12を給水停止の状態とする(ステップS61)。
【0060】
排気温度センサ18により検知された排気温度が所定の目標温度よりも低いと判断した場合、制御回路20は、給水の停止の状態を維持させて、処理をステップS61に戻す(ステップS62)。
【0061】
一方、ステップS62において排気温度が所定の目標温度より高いと判断した場合、制御回路20は、給水を開始させる(ステップS64)。
【0062】
制御回路20は、給水を開始すると同時にタイマーを動作させる。(ステップS65)。
【0063】
タイマーを動作させた後、制御回路20は、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうかの判定を行なう(ステップS66)。
【0064】
ステップS66において乾燥終了と判定する場合、制御回路20は、給水停止させ、運転終了とする(ステップS68)。
【0065】
一方、ステップS66において乾燥終了と判定しない場合、制御回路20は、タイマーが所定の時間(t1)を経過しているかどうかの判断をする(ステップS67)。
【0066】
ステップS67において所定の時間を経過していない場合、制御回路20は、給水の状態を維持させて、処理をステップS66に移行させる。
【0067】
ステップS68において所定の時間を経過している場合、制御回路20は、排気温度が所定の目標温度よりも高いかどうかの判断を行なう(ステップS63)。
【0068】
ステップS63においてステップ排気温度が所定の目標温度よりも高い場合、制御回路20は、処理をステップS65に移行させる。
【0069】
一方、ステップS63において排気温度が所定の目標温度よりも低い場合、制御回路20は、処理をステップ61に移行させる。
【0070】
図7は、実施の形態3において乾燥運転時に図6に示す制御を行なう場合の排気温度と冷却水量を示す図である。
【0071】
図7(a)は、夏場を想定した水温が高い場合の排気温度と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。図7(b)は、冬場を想定した水温が高い場合の排気温度と冷却水の流量の時系列との関係を示す図である。
【0072】
図7を参照して、図7(a)と図7(b)を対比すると、排気温度が所定の温度を超えて所定の時間、給水が開始される際に、水温の低い冷却水が給水されている場合には、水温の高い冷却水が給水されている場合と比べて所定の時間の給水時に排気温度をより大きく下げる。そのため、水温が低いときの冷却水は、止水時間が長くなる。止水時間が長くなることにより、冷却水を必要以上に浪費するという問題を防ぐことができる。制御回路20は、給水時に従来の乾燥終了判定を行なう。すなわち、排気温度センサ18により検知された排気温度が予め設定された乾燥過程の終了温度となっているかどうかの判定を行なう。乾燥終了が検知された場合、制御回路20は、運転を終了する。
【0073】
衣類乾燥機本体100には、運転動作モードの異なる数種類の運転コースが設けられている。使用者は、通常運転コースや布傷み低減コースを含む運転コースの選択を行なえる。
【0074】
乾燥運転開始時に、使用者が布傷み低減コースを選択する場合、あるいは、衣類判別センサにより傷みやすい布だと判別した場合において、制御回路20は、布傷み低減コースとして予め設定されているヒータ10にて発生する熱量と所定の目標温度を選択する。この時、予め設定されているヒータ熱量と所定の目標温度は、通常運転コースよりも低い値が設定されている。その結果、乾燥中の衣類温度が低くなるために布傷みを低減することができる。
【0075】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれていることが意図される。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、衣類乾燥機において水道水温度に応じた最適の水量を熱交換器に供給し、高い乾燥性能を低いランニングコストで実現できる。
【0077】
また、衣類の種類に応じて最適な制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣類乾燥機本体100の構成を示す図である。
【図2】ヒータ10にて発生する熱量と冷却水の流量を一定にして乾燥運転を行なう場合の排気温度の変化を示す図である。
【図3】実施の形態1において排気温度が所定の目標温度に収束するように流量をPID制御する場合の排気温度と冷却水の流量を示す図である。
【図4】実施の形態2において排気温度が第1の所定の目標温度および第2の所定の目標温度の範囲内に入るように流量を制御するときのフローチャートである。
【図5】実施の形態2において乾燥運転時に図4に示す制御を行なう場合の排気温度と冷却水量を示す図である。
【図6】実施の形態3において排気温度が所定の目標温度を超える際に所定の時間、給水を行なう制御のフローチャートである。
【図7】実施の形態3において乾燥運転時に図6に示す制御を行なう場合の排気温度と冷却水量を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体、2 水槽、4 ドラム(乾燥庫)、6 熱交換器、8 送風機、10 ヒータ、12 給水弁、14 排気ダクト、16 給気ダクト、18 排気温度センサ、20 制御回路、22 冷却水パイプ、100 衣類乾燥機本体。
Claims (7)
- 衣類を収容するための乾燥庫と、
前記乾燥庫に接続し、前記乾燥庫を経由して乾燥用空気を循環させるための空気経路と、
前記空気経路中に設けられ、前記乾燥用空気を冷却水により冷却して除湿を行なうための除湿手段と、
前記空気経路中に設けられ、前記除湿手段により除湿された前記乾燥用空気を加熱するための加熱手段と、
外部から前記冷却水の供給を行なうための給水手段と、
前記乾燥用空気が前記乾燥庫から前記空気経路へと排気されるときの排気温度を検知するための排気温度検知手段と、
前記冷却水の流量を前記給水手段により制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記排気温度検知手段により検知した前記排気温度を所定の目標温度範囲となるように前記流量を制御するための流量制御手段を含む、衣類乾燥機。 - 前記所定の目標温度範囲は、所定の目標温度を含み、
前記流量制御手段は、前記排気温度検知手段により検知される前記排気温度が前記所定の目標温度に収束するように前記給水手段の制御を行なう、請求項1記載の衣類乾燥機。 - 前記制御手段は、前記衣類の種類に応じて前記加熱手段により発生する熱量と、前記所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む、請求項2記載の衣類乾燥機。
- 前記所定の目標温度範囲は、第1の所定の目標温度と、前記第1の所定の目標温度よりも低い第2の所定の目標温度とを含み、
前記流量制御手段は、前記排気温度検知手段により検知される前記排気温度が前記第1の所定の目標温度以上になる場合は給水を行ない、前記第2の所定の目標温度以下になる場合は、給水を停止させる、請求項1記載の衣類乾燥機。 - 前記制御手段は、前記衣類の種類に応じて前記加熱手段により発生する熱量と、前記第1の所定の目標温度および前記第2の所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む、請求項4記載の衣類乾燥機。
- 前記所定の目標温度範囲は、所定の目標温度を含み、
前記流量制御手段は、前記排気温度検知手段により検知される前記排気温度が前記所定の目標温度を超えることに応じて、所定の時間、給水を行ない、前記所定の時間の経過後、前記所定の目標温度より前記排気温度が小さい場合には、給水を停止させる、請求項1記載の衣類乾燥機。 - 前記制御手段は、前記衣類の種類に応じて前記加熱手段により発生する熱量と、前記所定の目標温度とを変更するための設定変更手段を含む、請求項6記載の衣類乾燥機。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060207 |