JP2004158791A - 多層プリント配線基板及び多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法。 - Google Patents
多層プリント配線基板及び多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】リード線を確実に引き回し配線することができ、しかも部品数の削減、構成及び製造の簡単化を図る。
【解決手段】多層プリント配線基板14は、パターニングが施された樹脂フィルム14aを複数積層して形成されており、これには、リード線ガイド部17が一体に形成されている。このリード線ガイド部17は、樹脂フィルム17の積層方向に突出するリブ状に形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】多層プリント配線基板14は、パターニングが施された樹脂フィルム14aを複数積層して形成されており、これには、リード線ガイド部17が一体に形成されている。このリード線ガイド部17は、樹脂フィルム17の積層方向に突出するリブ状に形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターニングが施された熱可塑性フィルムを複数枚積層して形成される多層プリント配線基板及び多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機やPDAあるいはFA機器などの電子製品に用いられるプリント配線基板上には、複数の電子部品(通信インターフェースやコネクタを含む)が配設されている。このプリント配線基板においては、リード線付き電子部品を用いた場合のそのリード線や、外部電子機器と接続のための別リード線を、多層プリント配線基板上あるいは近傍を引き回し配線することが多い。また、ワイヤ付き電子部品のワイヤや、ジャンパ線も引き回し配線することがあり、これらワイヤ、ジャンパ線もリード線に含まれるものとする。
【0003】
この場合、図11及び図12に示すように、プリント配線基板1上のICチップなどの電子部品2の間を引き回すようにリード線3を配置し、このリード線3を粘着テープ4により固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この場合、粘着テープ4が別部品として必要で、またリード線3を、狭い電子部品2間をぬって引き回すとき等に、固定が不確実となることがある。この場合、リード線3が電子部品2の上に乗り上げて、製品のケース5のカバーケース5aの嵌合時にこれをきちっと嵌合できない等の不具合が生じる。
【0005】
この改善案として、プリント配線基板1にリード線3の引き回し配線をガイドするためのリブを設けることが考えられるが、この場合、リブを単品として構成し、このリブをプリント配線基板1に接着する構成が考えられる。
しかし、この場合には、リブを別部品として必要で、しかもプリント配線基板との接着工程も要する問題があった。
【0006】
一方、携帯電話機やPDAあるいはFA機器などの電子製品には、電子部品を実装したプリント配線基板を多層化する構成があるが、各基板ごとに積層、硬化、配線のパターンニング、電子部品の実装を繰り返して製造されるため、製造工数の増大や高コストとなる。このようなプリント配線基板の製造工数の増大化や高コスト化を勘案すると、別部品としてリード線ガイド用のリブをさらに製造することは、さらなる部品数の増加や工数の増加、コスト高を来たすことが予測される。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リード線を確実に引き回し配線することができ、しかも部品数の削減も図り得、さらには構成及び製造も簡単となる多層プリント配線基板及び多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の点に着目してなされている。本願出願人は、パターニングが施された熱可塑性樹脂フィルムを複数層積層して一体加圧により形成されるプリント配線基板を開発した。この基板は、従来の基板すなわち一層ごとに積層、硬化、配線のパターニングを繰り返して製造されるプリント配線基板に比べ、高多層化する場合に大幅な品質向上と工程短縮を実現でき、低コスト、短納期化を可能とするものである。また、熱可塑性樹脂基材を用いているため、樹脂のみの分離、再利用を行うマテリアルサイクルを可能としている。そして、この新たなプリント配線基板に着目した場合、リード線の引き回し配線をガイドするリード線ガイド部を一体に形成することが容易である。
【0009】
そこで、請求項1の発明の多層プリント配線基板は、リード線ガイド部を一体に形成したことを特徴としている。これによれば、粘着テープを用いてリード線を固定する場合と違って、リード線ガイド部によりリード線を確実にガイドでき、しかもリード線ガイド部が一体であるので部品数が増加することもなく、さらにはリード線ガイド部を含めたプリント配線基板全体の構成及び製造も簡単となる。
【0010】
この場合、請求項2の発明のように、リード線ガイド部を、積層された熱可塑性フィルムにより構成しても良い。これによれば、多層プリント配線基板を構成する熱可塑性フィルムを利用してリード線ガイド部を形成できて構成が簡単となる。
【0011】
また、請求項3の発明のように、リード線ガイド部を、熱可塑性フィルムの積層方向に突出するリブ状に形成しても良い。これによれば、多層プリント配線基板の板面部分でリード線を引き回すのに好適する。
【0012】
さらにまた、請求項4の発明のように、リード線ガイド部を、熱可塑性フィルムの積層方向と直交する方向に突出するリブ状に形成しても良い。これによれば、多層プリント配線基板の端面部分でリード線を引き回すのに好適する。
【0013】
請求項5の発明のように、リード線ガイド部を、突出高さが変化する形態としても良い。これによれば、例えば多層プリント配線基板を製品ケースに収容したときにその製品ケースの形状に合わせたリード線ガイド部形状とすることができる。
【0014】
請求項6の発明のように、リード線ガイド部を対向して設け、その対向間隔を一部で狭くするようにしても良い。これによれば、リード線を確実に拘束することが可能となり、引き回し配線形態がさらに安定する。
【0015】
また、請求項7の多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法は、前記熱可塑性フィルムを所定形状に形成して積層することによりリード線ガイド部を一体に形成している。これによれば、多層プリント配線基板を製造するときにリード線ガイド部も同時に形成できてリード線ガイド部の製造も容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を多層プリント配線基板搭載機器として例えば携帯電話機に搭載される多層プリント配線基板に適用した第1の実施例について図1ないし図7を参照して説明する。図4及び図5には携帯電話機1の全体構成を示している。携帯電話機11のケース12は、ロアケース12aにカバーケース12bを嵌合配設して構成されている。このケース12の内部にはバッテリ部13が設けられていると共に、多層プリント配線基板14が設けられている。この多層プリント配線基板14上にはコネクタ15が実装されているとともに、電子部品としてICチップ16が適宜数実装されている。
【0017】
そして、この多層プリント配線基板14には、リード線ガイド部17が一体に形成されている。この多層プリント配線基板14の基本的な製造方法について述べる。
【0018】
図6はプリント配線基板14の製造工程を示している。製造は、まず絶縁基材である熱可塑性の樹脂フィルム(熱可塑性フィルム)14aの片面に貼り付けられた導体箔例えば厚さ18μmの銅箔(アルミ箔でも可)をエッチングにて上記設計した配線パターン通りにパターニングする(工程P1)。各層のパターニングが終了すると、パターンが形成されていない面に保護フィルムを貼付する。
【0019】
保護フィルムの貼付後、保護フィルム側から炭酸ガスレーザまたはエキシマレーザを照射して、所定位置に導体パターン(銅箔)を底面とする有底ビアホールを形成する(工程P2)。この工程はドリル加工等の機械加工も可能であるが、微細な穴をあける必要があるため、高い精度を確保する上ではレーザ加工が好ましい。
【0020】
各層についてビアホールを形成後、ビアホール内に層間接続材である導電ペースト(導電材)を充填する(工程P3)。導電ペーストは、銅、銀、スズなどの金属粒子にバインダ樹脂や有機溶剤を加え混錬してペースト化したものである。導電ペーストは、メタルマスクを用いたスクリーン印刷機により片面導体フィルムの導体パターン側を下にしてビアホール内に印刷充填する。充電後、保護フィルムを剥離する(工程P4)。
【0021】
保護フィルムの剥離後、片面導体フィルムの導体パターン側を下にして各層を積層する(工程P5)。その際、CPU、周辺回路用IC、メモリなどの各素子(ベアチップ)に形成された電極と導体のコンタクトポイントとを接続して加熱圧着を行い仮止めする。なお、チップを埋め込むためには、チップの厚さに対応する枚数の樹脂フィルムの埋設位置に、予めガイドとなる穴を形成しておく必要があるが、レーザ加工等を用いれば短時間で行うことができ削り屑も出ない。このため、従来のエポキシ基板を加工してチップを埋め込む工程に比べて作業性が飛躍的に向上する。
【0022】
最下層には導体パターンを覆うようにしてカバーレイヤを積層する。積層後、真空加圧プレス機により200℃〜350℃、0.1MPa〜10MPaの圧力で加圧成形する(工程P6)。図7は、このときの加圧温度条件を示している。これにより、樹脂フィルムの一体化形成と三次元配線とを同時に行うことができる。
【0023】
上述した多層プリント配線基板14の製造過程において、リード線ガイド部17が一体に形成されるものである。すなわち、回路パターン及びチップ埋め込みに必要な層数(A層、図1及び図2参照)の樹脂フィルム14aを積層し、その後、リード線ガイド部17を構成するのに必要な形状に形成した樹脂フィルム14aを積層(この層はB層)して、前述したように加圧成形する。これにてリード線ガイド部17が樹脂フィルム14aの積層方向に突出するリブ状に一体に形成されている。なお、このリード線ガイド部17は前記コネクタ15及びICチップ16を実装する前に形成されるものであり、該リード線ガイド部17の経路は、そのコネクタ15及びICチップ16などの実装部品の実装スペースと干渉しないように設定されている。特にコネクタ15に対してはリード線ガイド部17をある程度離してリード線18の接続スペースを確保している。
【0024】
多層プリント配線基板14に上記実装部品を実装し、さらにケース12内に収容した状態においては、結果的に、このリード線ガイド部17は対向して各ICチップ16間を縫うように設けられており、図2及び図3に示すように、その対向間隔は、ICチップ16の配置に応じて一部(F部分)で狭くなっている。さらに、このリード線ガイド部17は上記F部分でその高さが変化している。この高さの変化は、カバーケース12bの内面12b´に沿う高さに設定してある(図4参照)。なお、高くなるにつれて樹脂フィルム14aの積層枚数も多いものである。
【0025】
そして、複数本のリード線18は、カバーケース12bを開けた状態で、例えば多層プリント配線基板14における接続部から導出されてコネクタ15に接続されるものであり、前記対向するリード線ガイド部17間に嵌入配置されている。この場合上記狭小部Fでは各リード線18が積み重ねられた状態に嵌入配置される。
【0026】
このように本実施例によれば、リード線18ががたつき無く確実に引き回し配線することができる。そして、リード線ガイド部17は多層プリント配線基板14に一体に形成されているから、部品数の削減を図り得る。また、多層プリント配線基板14を構成する樹脂フィルム14aを利用してリード線ガイド部17を形成できて構成が簡単となる。リード線ガイド部17を、樹脂フィルム14aの積層方向に突出するリブ状に形成しているから、多層プリント配線基板14の板面部分(上面部分)でリード線18を引き回すのに好適する。
【0027】
さらにまた、リード線ガイド部17を、突出高さが変化する形態としたから、多層プリント配線基板14をケース2に収容したときにそのケース12の形状に合わせたリード線ガイド部形状とすることができる。この結果、リード線ガイド部17上部でのケース12との隙間を少なくすることもでき、リード線18の引き回し配線をさらに確実にできるものとなる。また、多層プリント配線基板14を製造するときにリード線ガイド部17も同時に形成できてリード線ガイド部17の製造も容易となる。
【0028】
本発明は、上記実施例に限定されず、次のように変更して実施しても良い。本発明の第2の実施例として示す図8のように、リード線ガイド部19を、樹脂フィルム14aの積層方向と直交する方向に突出するリブ状に形成しても良い。これによれば、多層プリント配線基板14の端面部分でリード線18を引き回すのに好適する。また、本発明の第3の実施例として示す図9のようにリード線ガイド部20の厚みを変化させる構成としても良い。また、本発明の第4の実施例として示す図10のように、コネクタ部15が横向きであっても良い。さらに、本発明の多層プリント配線基板はPDAやハンディタイプのビデオカメラ等に搭載してもよい。さらにまた、リード線ガイド部は必要個所に例えば間欠的に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示し、図3のC−C線に沿う断面図
【図2】図3のD−D線に沿う断面図
【図3】多層プリント配線基板部分の平面図
【図4】携帯電話機全体の側面図
【図5】携帯電話機全体の一部破断の正面図
【図6】多層プリント配線基板の製造工程図
【図7】多層プリント配線基板を製造する場合の加圧温度条件を示す図
【図8】本発明の第2の実施例を示す多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部部分の断面図
【図9】本発明の第3の実施例を示す多層プリント配線基板の部分的平面図
【図10】本発明の第4の実施例を示す多層プリント配線基板の部分的平面図
【図11】従来例を示すプリント配線基板の部分的正面図
【図12】図11のE−E線に沿う断面図
【符号の説明】
11は携帯電話機、14は多層プリント配線基板、14aは樹脂フィルム(熱可塑性フィルム)、15はコネクタ、16はICチップ、17はリード線ガイド部、18はリード線、19,20はリード線ガイド部を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターニングが施された熱可塑性フィルムを複数枚積層して形成される多層プリント配線基板及び多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機やPDAあるいはFA機器などの電子製品に用いられるプリント配線基板上には、複数の電子部品(通信インターフェースやコネクタを含む)が配設されている。このプリント配線基板においては、リード線付き電子部品を用いた場合のそのリード線や、外部電子機器と接続のための別リード線を、多層プリント配線基板上あるいは近傍を引き回し配線することが多い。また、ワイヤ付き電子部品のワイヤや、ジャンパ線も引き回し配線することがあり、これらワイヤ、ジャンパ線もリード線に含まれるものとする。
【0003】
この場合、図11及び図12に示すように、プリント配線基板1上のICチップなどの電子部品2の間を引き回すようにリード線3を配置し、このリード線3を粘着テープ4により固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この場合、粘着テープ4が別部品として必要で、またリード線3を、狭い電子部品2間をぬって引き回すとき等に、固定が不確実となることがある。この場合、リード線3が電子部品2の上に乗り上げて、製品のケース5のカバーケース5aの嵌合時にこれをきちっと嵌合できない等の不具合が生じる。
【0005】
この改善案として、プリント配線基板1にリード線3の引き回し配線をガイドするためのリブを設けることが考えられるが、この場合、リブを単品として構成し、このリブをプリント配線基板1に接着する構成が考えられる。
しかし、この場合には、リブを別部品として必要で、しかもプリント配線基板との接着工程も要する問題があった。
【0006】
一方、携帯電話機やPDAあるいはFA機器などの電子製品には、電子部品を実装したプリント配線基板を多層化する構成があるが、各基板ごとに積層、硬化、配線のパターンニング、電子部品の実装を繰り返して製造されるため、製造工数の増大や高コストとなる。このようなプリント配線基板の製造工数の増大化や高コスト化を勘案すると、別部品としてリード線ガイド用のリブをさらに製造することは、さらなる部品数の増加や工数の増加、コスト高を来たすことが予測される。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リード線を確実に引き回し配線することができ、しかも部品数の削減も図り得、さらには構成及び製造も簡単となる多層プリント配線基板及び多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の点に着目してなされている。本願出願人は、パターニングが施された熱可塑性樹脂フィルムを複数層積層して一体加圧により形成されるプリント配線基板を開発した。この基板は、従来の基板すなわち一層ごとに積層、硬化、配線のパターニングを繰り返して製造されるプリント配線基板に比べ、高多層化する場合に大幅な品質向上と工程短縮を実現でき、低コスト、短納期化を可能とするものである。また、熱可塑性樹脂基材を用いているため、樹脂のみの分離、再利用を行うマテリアルサイクルを可能としている。そして、この新たなプリント配線基板に着目した場合、リード線の引き回し配線をガイドするリード線ガイド部を一体に形成することが容易である。
【0009】
そこで、請求項1の発明の多層プリント配線基板は、リード線ガイド部を一体に形成したことを特徴としている。これによれば、粘着テープを用いてリード線を固定する場合と違って、リード線ガイド部によりリード線を確実にガイドでき、しかもリード線ガイド部が一体であるので部品数が増加することもなく、さらにはリード線ガイド部を含めたプリント配線基板全体の構成及び製造も簡単となる。
【0010】
この場合、請求項2の発明のように、リード線ガイド部を、積層された熱可塑性フィルムにより構成しても良い。これによれば、多層プリント配線基板を構成する熱可塑性フィルムを利用してリード線ガイド部を形成できて構成が簡単となる。
【0011】
また、請求項3の発明のように、リード線ガイド部を、熱可塑性フィルムの積層方向に突出するリブ状に形成しても良い。これによれば、多層プリント配線基板の板面部分でリード線を引き回すのに好適する。
【0012】
さらにまた、請求項4の発明のように、リード線ガイド部を、熱可塑性フィルムの積層方向と直交する方向に突出するリブ状に形成しても良い。これによれば、多層プリント配線基板の端面部分でリード線を引き回すのに好適する。
【0013】
請求項5の発明のように、リード線ガイド部を、突出高さが変化する形態としても良い。これによれば、例えば多層プリント配線基板を製品ケースに収容したときにその製品ケースの形状に合わせたリード線ガイド部形状とすることができる。
【0014】
請求項6の発明のように、リード線ガイド部を対向して設け、その対向間隔を一部で狭くするようにしても良い。これによれば、リード線を確実に拘束することが可能となり、引き回し配線形態がさらに安定する。
【0015】
また、請求項7の多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法は、前記熱可塑性フィルムを所定形状に形成して積層することによりリード線ガイド部を一体に形成している。これによれば、多層プリント配線基板を製造するときにリード線ガイド部も同時に形成できてリード線ガイド部の製造も容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を多層プリント配線基板搭載機器として例えば携帯電話機に搭載される多層プリント配線基板に適用した第1の実施例について図1ないし図7を参照して説明する。図4及び図5には携帯電話機1の全体構成を示している。携帯電話機11のケース12は、ロアケース12aにカバーケース12bを嵌合配設して構成されている。このケース12の内部にはバッテリ部13が設けられていると共に、多層プリント配線基板14が設けられている。この多層プリント配線基板14上にはコネクタ15が実装されているとともに、電子部品としてICチップ16が適宜数実装されている。
【0017】
そして、この多層プリント配線基板14には、リード線ガイド部17が一体に形成されている。この多層プリント配線基板14の基本的な製造方法について述べる。
【0018】
図6はプリント配線基板14の製造工程を示している。製造は、まず絶縁基材である熱可塑性の樹脂フィルム(熱可塑性フィルム)14aの片面に貼り付けられた導体箔例えば厚さ18μmの銅箔(アルミ箔でも可)をエッチングにて上記設計した配線パターン通りにパターニングする(工程P1)。各層のパターニングが終了すると、パターンが形成されていない面に保護フィルムを貼付する。
【0019】
保護フィルムの貼付後、保護フィルム側から炭酸ガスレーザまたはエキシマレーザを照射して、所定位置に導体パターン(銅箔)を底面とする有底ビアホールを形成する(工程P2)。この工程はドリル加工等の機械加工も可能であるが、微細な穴をあける必要があるため、高い精度を確保する上ではレーザ加工が好ましい。
【0020】
各層についてビアホールを形成後、ビアホール内に層間接続材である導電ペースト(導電材)を充填する(工程P3)。導電ペーストは、銅、銀、スズなどの金属粒子にバインダ樹脂や有機溶剤を加え混錬してペースト化したものである。導電ペーストは、メタルマスクを用いたスクリーン印刷機により片面導体フィルムの導体パターン側を下にしてビアホール内に印刷充填する。充電後、保護フィルムを剥離する(工程P4)。
【0021】
保護フィルムの剥離後、片面導体フィルムの導体パターン側を下にして各層を積層する(工程P5)。その際、CPU、周辺回路用IC、メモリなどの各素子(ベアチップ)に形成された電極と導体のコンタクトポイントとを接続して加熱圧着を行い仮止めする。なお、チップを埋め込むためには、チップの厚さに対応する枚数の樹脂フィルムの埋設位置に、予めガイドとなる穴を形成しておく必要があるが、レーザ加工等を用いれば短時間で行うことができ削り屑も出ない。このため、従来のエポキシ基板を加工してチップを埋め込む工程に比べて作業性が飛躍的に向上する。
【0022】
最下層には導体パターンを覆うようにしてカバーレイヤを積層する。積層後、真空加圧プレス機により200℃〜350℃、0.1MPa〜10MPaの圧力で加圧成形する(工程P6)。図7は、このときの加圧温度条件を示している。これにより、樹脂フィルムの一体化形成と三次元配線とを同時に行うことができる。
【0023】
上述した多層プリント配線基板14の製造過程において、リード線ガイド部17が一体に形成されるものである。すなわち、回路パターン及びチップ埋め込みに必要な層数(A層、図1及び図2参照)の樹脂フィルム14aを積層し、その後、リード線ガイド部17を構成するのに必要な形状に形成した樹脂フィルム14aを積層(この層はB層)して、前述したように加圧成形する。これにてリード線ガイド部17が樹脂フィルム14aの積層方向に突出するリブ状に一体に形成されている。なお、このリード線ガイド部17は前記コネクタ15及びICチップ16を実装する前に形成されるものであり、該リード線ガイド部17の経路は、そのコネクタ15及びICチップ16などの実装部品の実装スペースと干渉しないように設定されている。特にコネクタ15に対してはリード線ガイド部17をある程度離してリード線18の接続スペースを確保している。
【0024】
多層プリント配線基板14に上記実装部品を実装し、さらにケース12内に収容した状態においては、結果的に、このリード線ガイド部17は対向して各ICチップ16間を縫うように設けられており、図2及び図3に示すように、その対向間隔は、ICチップ16の配置に応じて一部(F部分)で狭くなっている。さらに、このリード線ガイド部17は上記F部分でその高さが変化している。この高さの変化は、カバーケース12bの内面12b´に沿う高さに設定してある(図4参照)。なお、高くなるにつれて樹脂フィルム14aの積層枚数も多いものである。
【0025】
そして、複数本のリード線18は、カバーケース12bを開けた状態で、例えば多層プリント配線基板14における接続部から導出されてコネクタ15に接続されるものであり、前記対向するリード線ガイド部17間に嵌入配置されている。この場合上記狭小部Fでは各リード線18が積み重ねられた状態に嵌入配置される。
【0026】
このように本実施例によれば、リード線18ががたつき無く確実に引き回し配線することができる。そして、リード線ガイド部17は多層プリント配線基板14に一体に形成されているから、部品数の削減を図り得る。また、多層プリント配線基板14を構成する樹脂フィルム14aを利用してリード線ガイド部17を形成できて構成が簡単となる。リード線ガイド部17を、樹脂フィルム14aの積層方向に突出するリブ状に形成しているから、多層プリント配線基板14の板面部分(上面部分)でリード線18を引き回すのに好適する。
【0027】
さらにまた、リード線ガイド部17を、突出高さが変化する形態としたから、多層プリント配線基板14をケース2に収容したときにそのケース12の形状に合わせたリード線ガイド部形状とすることができる。この結果、リード線ガイド部17上部でのケース12との隙間を少なくすることもでき、リード線18の引き回し配線をさらに確実にできるものとなる。また、多層プリント配線基板14を製造するときにリード線ガイド部17も同時に形成できてリード線ガイド部17の製造も容易となる。
【0028】
本発明は、上記実施例に限定されず、次のように変更して実施しても良い。本発明の第2の実施例として示す図8のように、リード線ガイド部19を、樹脂フィルム14aの積層方向と直交する方向に突出するリブ状に形成しても良い。これによれば、多層プリント配線基板14の端面部分でリード線18を引き回すのに好適する。また、本発明の第3の実施例として示す図9のようにリード線ガイド部20の厚みを変化させる構成としても良い。また、本発明の第4の実施例として示す図10のように、コネクタ部15が横向きであっても良い。さらに、本発明の多層プリント配線基板はPDAやハンディタイプのビデオカメラ等に搭載してもよい。さらにまた、リード線ガイド部は必要個所に例えば間欠的に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示し、図3のC−C線に沿う断面図
【図2】図3のD−D線に沿う断面図
【図3】多層プリント配線基板部分の平面図
【図4】携帯電話機全体の側面図
【図5】携帯電話機全体の一部破断の正面図
【図6】多層プリント配線基板の製造工程図
【図7】多層プリント配線基板を製造する場合の加圧温度条件を示す図
【図8】本発明の第2の実施例を示す多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部部分の断面図
【図9】本発明の第3の実施例を示す多層プリント配線基板の部分的平面図
【図10】本発明の第4の実施例を示す多層プリント配線基板の部分的平面図
【図11】従来例を示すプリント配線基板の部分的正面図
【図12】図11のE−E線に沿う断面図
【符号の説明】
11は携帯電話機、14は多層プリント配線基板、14aは樹脂フィルム(熱可塑性フィルム)、15はコネクタ、16はICチップ、17はリード線ガイド部、18はリード線、19,20はリード線ガイド部を示す。
Claims (7)
- パターニングが施された熱可塑性フィルムを複数積層して形成される多層プリント配線基板であって、リード線ガイド部を一体に形成したことを特徴とする多層プリント配線基板。
- リード線ガイド部は、積層された熱可塑性フィルムにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の多層プリント配線基板。
- リード線ガイド部は、熱可塑性フィルムの積層方向に突出するリブ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の多層プリント配線基板。
- リード線ガイド部は、熱可塑性フィルムの積層方向と直交する方向に突出するリブ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の多層プリント配線基板。
- リード線ガイド部は、突出高さが変化する形態であることを特徴とする請求項3又は4記載の多層プリント配線基板。
- リード線ガイド部は対向して設けられ、その対向間隔は一部で狭くなっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の多層プリント配線基板。
- パターニングが施された熱可塑性フィルムを複数積層して形成される多層プリント配線基板において、前記熱可塑性フィルムを所定形状に形成して積層することによりリード線ガイド部を一体に形成したことを特徴と多層プリント配線基板におけるリード線ガイド部の製造方法。
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CN102629069A (zh) * | 2011-02-04 | 2012-08-08 | 佳能株式会社 | 电子设备 |
JP2014154638A (ja) * | 2013-02-06 | 2014-08-25 | Tdk Corp | ケーブル支持構造及び電源装置 |
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- 2002-11-08 JP JP2002325372A patent/JP2004158791A/ja active Pending
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