JP2004155856A - ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents

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篤 石川
Mitsuru Sakai
満 酒井
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Abstract

【課題】発泡剤として環境保全に優れたヒドロフルオロアルカンを使用した場合であっても、反応性に優れ、かつ鋼板やコンクリート等の被着材との接着性に優れたポリウレタンフォームを提供すること。
【解決手段】N−置換イミダゾール化合物及び1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンを含有する触媒、水及びヒドロフルオロアルカンを含有する発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させるポリウレタンフォームの製造法、及び前記製造法によって得られたポリウレタンフォーム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンフォーム及びその製造法に関する。更に詳しくは、建材、電気冷蔵庫、冷凍倉庫、浴槽等の断熱材として好適に使用しうるポリウレタンフォーム及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、成層圏におけるオゾン層の破壊や地球温暖化等を回避する観点から、ポリウレタンフォームの最も一般的な発泡剤であるヒドロクロロフルオロアルカンの削減が叫ばれており、HCFC−141bに関しては、我が国では2004年から使用禁止となる。このような状況下、ポリウレタンフォームの発泡剤としてHFC−245faやHFC−365mfc等のヒドロフルオロアルカン等が検討されている。しかし、それらを使用した場合には、原材料との相溶性悪化により反応性が低下するばかりか、ポリウレタンフォームの表皮近傍での密度が低くなるため、鋼板やコンクリート等の被着材との接着強度が低下するという問題点がある。
【0003】
例えば、触媒としてイミダゾール系化合物を用い、発泡剤として水とハイドロフルオロカーボンを併用した場合の配合液の劣化防止と貯蔵安定性を高めた硬質ポリウレタンフォームが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この硬質ポリウレタンフォームには、鋼板やコンクリート等の被着材との接着性を十分に満足しないのみならず、反応性に劣るという欠点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−220429号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発泡剤として環境保全に優れたヒドロフルオロアルカンを使用した場合であっても、反応性に優れ、鋼板やコンクリート等の被着材との接着性に優れたポリウレタンフォームを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、N−置換イミダゾール化合物及び1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンを含有する触媒、水及びヒドロフルオロアルカンを含有する発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させるポリウレタンフォームの製造法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明においては、触媒として、N−置換イミダゾール化合物と1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンとが併用されている点に1つの大きな特徴がある。このように、N−置換イミダゾール化合物と1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンとが併用されていることにより、ポリウレタンフォームの製造の際に発泡剤としてヒドロフルオロアルカンを用いた場合であっても、N−置換イミダゾール化合物を単独で用いたりあるいは1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンを単独で用いた場合と比べて、反応性に優れ、かつ鋼板やコンクリート等の被着材との接着性に優れたポリウレタンフォームを得ることができるという優れた効果が発現される。
【0008】
このように格別顕著に優れた効果が発現される理由は、定かではないが、おそらくN−置換イミダゾール化合物と1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンとを併用した場合には、それぞれを単独で用いた場合と比べて、ポリウレタンフォームの中心部でのポリオール成分とイソシアネート成分との樹脂化反応が促進する、すなわち両者の反応性が高められるのみならず、表面温度の低いポリウレタンフォームの表面近傍であっても、優れた硬化性を発現させることができることに基づくものと考えられる。
【0009】
N−置換イミダゾール化合物としては、例えば、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−n ーブチル−2−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1−ヒドロキシエチルイミダゾール、1−ヒドロキシエチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、単位重量あたりの触媒活性及び取扱い性の観点から、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール及び1−イソブチル−2−メチルイミダゾールからなる群より選ばれた1種以上が好ましく、1,2−ジメチルイミダゾールがより好ましい。
【0010】
N−置換イミダゾール化合物の量は、ポリウレタンフォームの種類によって異なるので一概には決定することができない。通常、N−置換イミダゾール化合物の量は、ポリオール成分100重量部に対して、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応性を高め、被着材との接着性を向上させる観点から、好ましくは0.3重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、またポリウレタンフォームの強度維持の観点から、好ましくは7重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。従って、これらの観点から、N−置換イミダゾール化合物の量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.3〜7重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
【0011】
1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンの量は、ポリウレタンフォームの種類によって異なるので一概には決定することができない。通常、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンの量は、ポリオール成分100重量部に対して、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応性を高める観点から、好ましくは0.3重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、またポリウレタンフォームの強度維持の観点から、好ましくは7重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。従って、これらの観点から、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2] オクタンの量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.3〜7重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
【0012】
触媒は、N−置換イミダゾール化合物及び1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンで構成されていてもよいが、本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、他の触媒が含有されていてもよい。
【0013】
他の触媒としては、例えば、2−メチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−(ジメチルアミノエチル)モルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、N,N’,N”−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノエタノール、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノエタノール等の第3アミン系触媒及びこれらの誘導体、これらとカルボン酸や炭酸等の酸との塩;ジブチルジ酢酸錫、ジブチルジラウリン酸錫、ジ(2−エチルヘキシル)ジラウリン酸錫、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫等の有機スズ化合物やジ(2−エチルヘキサン酸)鉛に代表される有機金属触媒等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0014】
ポリウレタンフォームをスプレー処方により製造する場合、ポリオール成分とイソシアネート成分との発泡及び硬化を迅速に行うために、触媒には、有機金属触媒が含有されていることが好ましい。この場合、好適な有機金属触媒としては、ジブチルジ酢酸錫、ジブチルジラウリン酸錫、ジ(2−エチルヘキシル)ジラウリン酸錫、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫及びジ(2−エチルヘキサン酸)鉛からなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0015】
また、触媒には、イソシアネートの3量化(イソシアヌレート化)触媒である、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカリウム塩や、第4級アンモニウム塩が含有されていてもよい。これらの触媒は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0016】
他の触媒の量は、その触媒の種類によって反応機構や反応特性が異なるので一概には決定することができないため、その触媒の種類やイソシアネートインデックスに応じて適宜調整することが好ましい。
【0017】
発泡剤は、水及びヒドロフルオロアルカンからなるものであってもよく、これら以外に本発明の目的が阻害されない範囲内で、他の発泡剤を含有するものであってもよい。
【0018】
水の量は、ポリウレタンフォームへの強度付与及び柔軟性維持の観点から、ポリオール100重量部に対して、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは1〜4重量部である。
【0019】
ヒドロフルオロアルカンとしては、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ea)、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ca)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb)、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ca)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン(HFC−356mffm)等のヒドロフルオロアルカンが挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、経済性及び沸点等による取扱い性の観点から、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)が好ましい。
【0020】
ヒドロフルオロアルカンの量は、ポリウレタンフォームの熱伝導率改善及び経済性の観点から、ポリオール100重量部に対して、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部である。
【0021】
他の発泡剤としては、本発明の目的を阻害しないものであればよい。地球環境保護の観点から、他の発泡剤としては、シクロペンタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルブタン、イソブタン等の低沸点炭化水素、空気、二酸化炭素等が好ましい。
【0022】
他の発泡剤の量は、その種類や目的とするポリウレタンフォームの密度によって異なるので一概には決定することができないため、これらに応じて適宜調整することが好ましい。
【0023】
ポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、フェノール樹脂系ポリオール、マンニッヒポリオール等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合反応により製造することができる。
【0025】
ポリエステルポリオールに用いられるジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;テトラブロモフタル酸等のハロゲン含有ジカルボン酸;これらのエステル形成性誘導体、これらの酸無水物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、ジカルボン酸には、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3官能性以上の多塩基酸が所望により含有されていてもよい。
【0026】
ポリエステルポリオールを構成する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトール等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0027】
ポリエーテルポリオールは、2個以上の活性水素含有基を有する化合物を出発原料化合物とし、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等のアルキレンオキシドの開環付加反応により製造することができる。
【0028】
2個以上の活性水素含有基を有する化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価のアルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトール、蔗糖等の3価以上の多価アルコール;レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等の多価フェノール;エチレンジアミン、トリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、イソホロンジアミン等の多価アミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、それらの変性物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0029】
フェノール樹脂系ポリオールは、分子中にツエレビチノフ法により決定される2個以上の活性水素含有基を有する化合物である。フェノール樹脂系ポリオールの例としては、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で縮合反応させることによって得られるノボラック型フェノール樹脂系ポリオール、レゾール型フェノール樹脂系ポリオール、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂系ポリオール等をはじめ、フェノール樹脂の一部又は全部のフェノール性水酸基にアルキレンオキシド又はアルキレンカーボネート等を開環付加させて得られる変性フェノール樹脂系ポリオール等が挙げられる。
【0030】
マンニッヒポリオールは、フェノール類、アルデヒド類、アルカノールアミン等を縮合反応させ、更に必要に応じてエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドの開環付加反応を行うことによって得ることができる。
【0031】
例えば、建材等の断熱材に使用する硬質ポリウレタンフォームを製造する場合、ポリオール成分の中では、芳香族ジカルボン酸系ポリエステルポリオール、多価フェノール系ポリエーテルポリオール及びマンニッヒポリオールは、耐熱性及び難燃性の観点から好ましく、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸を原料とするフタル酸系ポリエステルポリオール、マンニッヒポリオール及びビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物からなる群より選ばれた1種以上がより好ましい。
【0032】
ポリオール成分中における芳香族ジカルボン酸系ポリエステルポリオール、多価フェノール系ポリエーテルポリオール及びマンニッヒポリオールからなる群より選ばれた1種以上の含有量は、耐熱性及び難燃性を付与する観点から、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%、更に好ましくは40〜100重量%である。
【0033】
イソシアネート成分としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;ウレタン結合、カルボジイミド結合、ウレトイミン結合、アロファネート結合、ウレア結合、ビューレット結合、イソシアヌレート結合等の1種以上を含有する前記ポリイソシアネート変性物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
例えば、建材等の断熱材に使用される硬質ポリウレタンフォームを製造する場合、これらの中では、反応性、フォーム強度、耐熱性及び難燃性の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ウレタン結合、カルボジイミド結合、ウレトイミン結合、アロファネート結合、ウレア結合、ビューレット結合、イソシアヌレート結合等の結合を1種以上有するポリイソシアネート変性物が好ましい。
【0035】
ポリオール成分とイソシアネート成分との割合は、所望のポリウレタンフォームに要求される物性に応じて調整すればよい。通常、両者の割合は、イソシアネートインデックスが80〜500となるように調整される。
【0036】
なお、本発明においては、ポリウレタンフォームを製造する際には、必要に応じて整泡剤を用いることができる。整泡剤としては、一般にポリウレタンフォームを製造する際に使用されているものであればよい。
【0037】
整泡剤の代表例としては、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩、スルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0038】
整泡剤の量は、その種類や目的とするポリウレタンフォームの密度によって異なるので一概には決定することができないため、これら整泡剤の種類等に応じて適宜調整することが好ましい。
【0039】
また、整泡剤以外にも、例えば、架橋剤、難燃剤、安定剤、顔料、充填剤、減粘剤、相溶化剤等の任意成分を本発明の目的が阻害されない範囲内で用いることができる。
【0040】
例えば、難燃剤としては、トリクレジルホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等のハロゲン系難燃剤が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
ポリウレタンフォームは、ポリオール混合物とイソシアネート成分とを反応させることによって製造することができる。
【0042】
ポリオール混合物は、ポリオール成分、触媒、発泡剤及び必要に応じて整泡剤等の任意成分を混合することによって調製することができる。
【0043】
ポリウレタンフォームは、例えば、ポリオール混合物と、イソシアネート成分とを成形機等により、混合、攪拌し、得られた混合物を成形型内に注入し、発泡させることにより製造することができる。より具体的には、例えば、ポリオール混合物をタンク等を用いて5〜15℃程度に調温したのち、自動混合注入型発泡機、自動混合射出型発泡機等の発泡機を用いてイソシアネート成分と混合し、反応させることにより、ポリウレタンフォームを製造することができる。
【0044】
本発明のポリウレタンフォームの製造法においては、水及びヒドロフルオロアルカンを含有する発泡剤が用いられているが、特定組成を有する触媒が用いられているため、金属等の被着材等との接着性が改善されたポリウレタンフォームを迅速に製造することができる。
【0045】
従って、本発明の製造法で得られたポリウレタンフォームは、家屋やビル等の壁面や天井等に直接スプレー方式で施工することによって形成される断熱材、建材用のパネルやボードをはじめ、電気冷蔵庫や冷凍ストッカー等の断熱材として好適に使用しうるものである。
【0046】
【実施例】
実施例1〜9及び比較例1〜2
表1に示す組成となるように、ポリオール成分、難燃剤、整泡剤、触媒及び発泡剤をラボミキサーで混合し、ポリオール混合物を得た。
【0047】
次に、得られたポリオール混合物と、イソシアネート成分〔住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュール44V20、NCO:31.4%〕とをイソシアネートインデックスが110となるように10℃でラボミキサーで混合、攪拌し、得られた混合物250gを成形型〔内寸:150×150×300(高さ)mm〕内に注入し、硬質ポリウレタンフォームのフリーフォームを成形した。
【0048】
硬質ポリウレタンフォームを製造する際の反応性、及び得られた硬質ポリウレタンフォームの接着性を以下の方法に基づいて調べた。その結果を表1に示す。
【0049】
〔反応性〕
300mL容のポリカップ〔(株)テラオカ製、商品名:デスカップ〕内で攪拌された前記混合物40gのフリー発泡におけるクリームタイム(以下、CTという)、ゲルタイム(以下、GTという)及びライズタイム(以下、RTという)に到達するまでの時間を測定した。
【0050】
〔接着性〕
25℃に温調された垂直モールド(内寸:200×200×50mm、但し、モールド内壁全面にポリプロピレンシートが貼付)にパック率が110%となるように前記混合物を注型してポリウレタンフォームを成形し、10分間経過後に脱型した。モールドへのポリウレタンフォームの付着率(モールド内表面積に対するポリウレタンフォームの付着面積の割合。以下同じ。単位は面積%)を求め、フォームの接着性を以下の評価基準に基づいて評価した。
なお、モールドへのポリウレタンフォームの付着率が小さいほどポリウレタンフォームの脆性が小さく、接着性に優れていることが示される。
【0051】
〔評価基準〕
○:モールドへのポリウレタンフォームの付着がないか、又はその付着量が少ない場合(モールドへのポリウレタンフォームの付着率が5%未満)
△:モールドへのポリウレタンフォームの付着が少しある場合(モールドへのポリウレタンフォームの付着率が5%以上30%未満)
×:モールドへのポリウレタンフォームの付着量が多い場合(モールドへのポリウレタンフォームの付着率が30%以上)
【0052】
なお、表1に示されたポリオール混合物に用いられている各成分は、以下のとおりである。
(1) ポリオール成分
・ポリオールA:エチレングリコール−テレフタル酸ポリエステルポリオール(OXID社製、商品名:テロール250、水酸基価:250mgKOH/g)
・ポリオールB:トリレンジアミンのプロピレンオキシド付加ポリオール〔旭硝子(株)製、商品名:エクセノール455AR 、水酸基価:450mgKOH/g〕
・ポリオールC:エチレンジアミンのプロピレンオキシド付加ポリオール〔三井武田ポリウレタン(株)製、商品名:ポリオールAE−300、水酸基価:760mgKOH/g〕
・ポリオールD:ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加ポリオール〔日本油脂(株)製、商品名:ユニオールDA−400、水酸基価:280mgKOH/g 〕
・ポリオールE:マンニッヒポリオール(OXID社製、商品名:サノールR−350−X 、水酸基価:530mgKOH/g 〕
【0053】
(2) 難燃剤
・TCPP:トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート
(3) シリコーン整泡剤
・日本ユニカー(株)製、商品名:L−5340
(4) 発泡剤
・HFC−245fa:1,1,1,3,3− ペンタフルオロプロパン
・HFC−365mfc:1,1,1,3,3− ペンタフルオロブタン
【0054】
(5) 触媒
・KL−31:1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンの33%ジプロピレングリコール溶液〔花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.31〕
・KL−300:1,2− ジメチルイミダゾール/ 1−メチルイミダゾール=50/ 50(重量部)の混合溶液〔花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.300〕
・DMI:1,2−ジメチルイミダゾール
・KL−120:1−イソブチル−2−メチルイミダゾール〔花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.120〕
・オクタン酸錫:ジ(2−エチルヘキサン酸)錫
【0055】
【表1】
Figure 2004155856
【0056】
表1に示された結果から、各実施例においては、発泡剤として環境保全面に優れているヒドロフルオロアルカンが用いられた場合であっても、反応時間が短いことから反応性が高く、モールドへの付着量が少ないことから、接着性に優れたポリウレタンフォームが得られることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、発泡剤として環境保全に優れたヒドロフルオロアルカンを使用した場合であっても、反応性に優れ、かつ鋼板やコンクリート等の被着材との接着性に優れたポリウレタンフォームが得られる。

Claims (5)

  1. N−置換イミダゾール化合物及び1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタンを含有する触媒、水及びヒドロフルオロアルカンを含有する発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させるポリウレタンフォームの製造法。
  2. N−置換イミダゾール化合物が、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール及び1−イソブチル−2−メチルイミダゾールからなる群より選ばれた1種以上である請求項1記載の製造法。
  3. 触媒が、更にジブチルジ酢酸錫、ジブチルジラウリン酸錫、ジ(2−エチルヘキシル)ジラウリン酸錫、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫及びジ(2−エチルヘキサン酸)鉛からなる群より選ばれた1種以上の有機金属触媒を含有するものである請求項1又は2記載の製造法。
  4. ポリオール成分が、芳香族ジカルボン酸系ポリエステルポリオール、多価フェノール系ポリエーテルポリオール及びマンニッヒポリオールからなる群より選ばれた1種以上を20重量%以上含有する請求項1〜3いずれか記載の製造法。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の製造法によって得られたポリウレタンフォーム。
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