JP2004150103A - 住宅内環境浄化システム - Google Patents

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JP2004150103A JP2002315728A JP2002315728A JP2004150103A JP 2004150103 A JP2004150103 A JP 2004150103A JP 2002315728 A JP2002315728 A JP 2002315728A JP 2002315728 A JP2002315728 A JP 2002315728A JP 2004150103 A JP2004150103 A JP 2004150103A
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Hiroyuki Odawara
浩之 小田原
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Abstract

【課題】住宅内環境の悪化を防止して、住宅内環境の維持・浄化を行う。
【解決手段】本発明にかかる住宅内環境浄化システムは、温度調節機能などの予備空調処理が施された予備処理空間たる床下空間2に外気を一端取り入れる。そして、この予備処理空間内の空気を、多孔質吸着材(竹炭8)が充填された処理部を通過させて、空気中の不純物や有害化学物質などを除去した後に、住宅内空間に供給する構成を備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅内環境の維持・浄化を達成する住宅内環境浄化システムに関するものであり、より詳細には、住宅内に取り入れられる外気の浄化処理を行い、浄化処理後の外気を住宅内に供給することで、住宅内環境の維持・浄化を達成する住宅内環境浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の住宅の高気密化の発展は、冷暖房効率の向上をもたらす一方で、換気不足に起因する住宅内環境の悪化という問題をもたらしている。
この住宅内環境の悪化の一例として、壁紙や合板の接着剤等に含まれる揮発性化学物質が住宅内に経時的に放出されることに起因するシックハウス症候群が挙げられる。このシックハウス症候群の原因物質である揮発性化学物質を除去する方法の一つとして、木炭などの吸着特性を利用する方法が挙げられ、様々な方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−200646号公報 ([0028]−[0029]、[0035]−[0036]、図1)
【特許文献2】
特開2001−248886号公報 ([0016]−[0018] 図1、図6)
【0004】
上記特許文献1では、木炭を以下に示すような方法で利用して、揮発性化学物質を木炭に吸着させることで、揮発性化学物質の住宅内への揮発・拡散防止を図っている。1)住宅の内装材(例えば内装のビニールクロス)、接着剤、そして塗料などに、木炭の微細粉末を混入する。2)住宅内の空気を循環させる空調設備の配管の途中に木炭層を設ける。3)建物の外気に面する壁天井床に木炭シートを含む省エネ健康層を設ける。
【0005】
また、上記特許文献2では、住宅内の空気を循環させる空調設備のダクトの内面に木炭粉を含む塗装皮膜の層を形成し、ダクトを通過する空気中のアンモニア、ホルムアルデヒド等の有害ガス(揮発性化学物質)を吸着している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの発明は、住宅内で発生する揮発性化学物質の除去を念頭に置き為されたものであり、住宅外部から侵入する有害物質については対策が万全とはいえなかった。
【0007】
近年、都市環境の悪化により、空気中には、様々な大気汚染物質(有害物質)、たとえば、二酸化硫黄、窒素酸化物、一酸化炭素、浮遊粒子状物質が含まれることとなり、その含有量は増大の一途をたどっている。
【0008】
このような状況のもと、特に都市部において窓を開けて換気を行うと、有害物質を住宅内に引き入れる結果となり好ましくないが、窓を閉めきりにするわけにも行かない。
また、一般住宅の場合、自然対流現象により住宅内の空気の入れ替えが行われるので、窓を締め切りにしたとしても、屋外から大気汚染物質(有害物質)などを含む空気が、徐々に住宅内に引き入れられることとなってしまう。
その結果、住宅内環境の悪化が進行することとなり、住人の健康に悪影響を及ぼす懸念が生じている。
【0009】
そこで、住宅内環境の悪化を防止して、住宅内環境の維持・浄化を行うべく、主に、屋外から住宅内に取り入れられる空気に含まれる大気汚染物質(有害物質)を除去することが要求されるようになった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するためになされた住宅内環境浄化システムに関するものである。この住宅内環境浄化システムは、予備空調処理が施されており、外気が取り入れられる予備処理空間と、前記予備処理空間内に設けられており、前記予備処理空間内の空気を、多孔質吸着材が充填された処理部を通過させて前処理する処理部と、前記前処理後の空気を住宅内空間に供給する導入口と、前記住宅内空間の空気を屋外に排出する排出口とを有している。
【0011】
かかる構成の住宅内環境浄化システムでは、屋外から住宅内に導かれる外気は、予備空調処理が施された予備処理空間内に取り入れられる。そして、この予備処理空間内に設けられた処理部を通過した後に住宅内空間に導かれることとなる。
この処理部には、多孔質吸着材が充填されているので、外気に含まれる有害物質がこの多孔質吸着材に吸着される。その結果、大気汚染物質(有害物質)が除去された後の外気が、住宅内空間に導かれる。
【0012】
この際、予備処理空間には予備空調処理が施されているので、外気と住宅内空間の空気の温度に差がある場合でも、温度を整えた後の有害物質が除去された空気が住宅内空間に供給されることとなる。よって、住宅内空間の温度環境を損なうことがない。そして、住宅内空間の空気は、対流現象により、排出口を経て屋外に放出されることになる。
【0013】
尚、本発明の住宅内環境浄化システムに、外気を前記予備処理空間へ強制的に取り入れると共に、予備処理空間内に取り入れられた外気を前記住宅内空間に強制的に供給する強制循環ファンを設けても良い。
【0014】
強制循環ファンを設けることにより、処理部を通過した後の空気が、住宅内空間に確実に供給されることとなる。これにより、自然対流を利用した場合と比べて、住宅内環境の維持・浄化が、効率的に行われることになる。
【0015】
尚、前記予備処理空間である床下空間の基礎には、温度調節配管が埋設されていることが好ましい。
【0016】
基礎内に温度調節配管が埋設されていると、この配管内に温水を流した場合には、基礎を暖めることが可能となる。その結果、基礎からの輻射熱により予備処理空間内の空気が暖められることになる。
その結果、住宅内の空気の対流がより効率的に行われることになる。
【0017】
また、前記予備処理空間には、前記外気の他に、住宅内空間の空調設備で空調された空気が取り入れられることが好ましい。
【0018】
このような構成にすると、空調設備により空調処理された住宅内の空気の一部または全部が、予備処理空間内に取り入れられることになる。その結果、住宅内の空気が浄化処理後に再び住宅内に循環させられることになり、住宅内環境の維持・浄化が行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様について説明する。図1は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムを備えた住宅の概略構成図である。
【0020】
本発明は、住宅内環境の維持・浄化を達成する住宅内環境浄化システムに関する。より具体的には、本発明は、予備空調処理が施された予備処理空間に外気を一端取り入れ、この予備処理空間内において多孔質吸着材が充填された処理部を通過させることで外気の浄化処理を行い、浄化処理後の外気を導入口を介して住宅内に供給し、住宅内空間の空気を排出口を介して屋外に排出することで、住宅内環境の維持・浄化を達成する住宅内環境浄化システムである。
【0021】
図1に示すように、本発明にかかる住宅内環境浄化システムを備えた住宅1では、一階の床下空間2を予備処理空間として利用する。
この床下空間2内には、住宅1内の空気の自然対流現象により、基礎3の適当な位置に設けられた床下空間2と住宅の屋外とを連通させる吸気口5を介して、屋外の空気(外気)が導かれる。
【0022】
この床下空間2の基礎3の周りには、当該床下空間2の予備空調処理のために、断熱材4が設置されている。よって、この床下空間2内の温度は、外部(屋外)環境の温度変化の影響を受けにくくなり、比較的一定に保たれることになる。このような構成とすることにより、住宅内空間6内の空気と床下空間2内の空気との温度差が小さくなり、前処理後の空気を住宅内空間6に供給した際に、住宅内空間6の温度の急激な変化が生じにくくなる。
【0023】
尚、この床下空間2内には、前述の断熱材4の他に、冷暖房装置や除湿器などの空調設備を設置することも可能である。これらもまた、予備空調処理のために設けられるものであり、床下空間2内の温度や湿度と住宅内空間6の温度や湿度とをより正確に一致させることが可能となる。その結果、住宅内空間6の温度や湿度の急激な変化を防止することが可能となるのみならず、住宅1内に設けられた空調設備にかかる負荷を低減させることが可能となる。
【0024】
床下空間2と住宅内空間6とを区画する床板7の下側には、多孔質吸着材8が充填された処理部9が設けられており、床板7の任意の位置には、床下空間2と住宅内空間6とを連通するスリット10が設けられている。
【0025】
これにより、自然対流現象により床下空間2から住宅内空間6へ向けて移動する空気は、処理部9を必ず通過した後に、住宅内空間6に導かれることになる。
【0026】
処理部9は、図2に示すように、不織布からなる風袋11が複数連なって構成されており、この風袋11の中には多孔質吸着材8が充填されている。
この風袋11を、床板7の面積に応じて、縦横に順次繋げてゆくことにより、床板7の下面全面を覆うように処理部9を設けることが可能となる。
【0027】
本実施の形態では、この風袋11は、略長方体形状をしているが、その大きさ、形状も適宜変更可能である。また、空気との接触面積を大きくするために、前記処理部9の下側にさらに複数の風袋11を吊り下げる構成や、空気が処理部9を複数回通過するように、処理部9を上下方向に複数設けた構成とすることも可能である。
【0028】
尚、本実施の形態では、床下空間2内の空気は、必ず処理部9を通過して、住宅内空間6内へ到達するように構成されている。よって、不織布の目の大きさは、当該処理部9を空気が効率よく通過出来るように、多孔質吸着材8がこぼれ落ちることのない大きさであって、出来るだけ大きいことが好ましい。
【0029】
また、風袋11を構成する材料は、不織布のように通気性、耐久性、加工性に優れる材料であれば、適宜代用可能である。
【0030】
図3は、この処理部9の取り付け例の一態様図である。この図3では、風袋11の端部が、床根太の側面にステープルで固定されている。
しかし、取り付け方法はこの態様に限定されるものではなく、風袋11を床板7の下面に直接固定しても良いし、処理部9を板状に成型し、これを床板の下面に直接取り付ける構成等も選択可能である。
【0031】
多孔質吸着材8は、比表面積が大きく、吸着性能に優れる多孔質材料である。このようなものとして、例えば、竹炭、木炭、活性炭、ゼオライトなどが使用可能である。
【0032】
本実施の形態では、多孔質吸着材8として竹炭の使用を推奨するので、以下に、竹炭について説明する。
【0033】
<竹炭>
竹炭には、内部に無数の孔が存在している。これらの孔はハニカム(蜂の巣)形状の管であり、全て外部に通じている。ハニカム形状の管の径は、大小様々あり、具体的には、1000万分の1ミリ単位のものから1000分の1ミリ単位のものまでがあって、これらが混在した状態で存在している。
【0034】
そのため、竹炭は、1グラムあたりの比表面積が300m以上であり、吸着力は50〜60g/mである。備長炭の比表面積が2〜5m、吸着力が2〜5g/mであることから明らかなように、竹炭の吸着力は非常に大きい。
【0035】
また、竹炭のすべての孔は外界に通じており、空気や水のみならず栄養分をも外部から孔内に取り入れることが可能であるので、孔の内部には微生物が容易に増殖できる環境が形成されている。実際に、径の大きな孔には糸状菌、小さな孔には放線菌、もっと微細な間隙にはバクテリア類、というように様々な菌が棲み分けるようにして、着生していることが知られている。
【0036】
このような特徴を有する竹炭を多孔質吸着材8として利用すると、以下のような作用・効果が得られる。
【0037】
(湿度調節機能)
竹炭は、前述のようにハニカム構造を有しているので、梅雨時などのように湿度が高い時には空気中の水分をハニカム構造内に吸収し、逆に冬のように湿度が低い時にはハニカム構造内に吸収した水分を放出する。
【0038】
したがって、竹炭を床下空間に配置すると、竹炭が優れた湿度調節性能を発揮して、床下の湿度をコントロールできるので、結露やカビの発生を防止することが可能となる。
【0039】
その結果、木造住宅の場合、耐久性を高めメンテナンス費用を大幅に軽減できると共に、床下の結露・カビが原因で発生するシロアリを効果的に防止することができる。
さらに、竹炭の場合、人体に対する毒性がなく、安価に供給可能であり、しかも効果が半永久的に持続するので、カビやシロアリの発生を予防するために従来用いられてきた薬剤よりも好ましい。
【0040】
竹炭を床下に実際に敷きつめて床下の湿度変化を実際に測定したところ、床下の湿度は、夏季で約5%、冬季で約10%低くなり、最も湿度の高くなる梅雨時でも、床下の湿度は95%以上に到達しなかった。さらに、床下へのカビの発生も確認されなかった。
【0041】
(有害物質の除去)
竹炭の孔の表面には、前述したように、微生物が着生して微生物膜が形成されているので、竹炭の外周や孔内を通過する水分や空気に含まれる不純物が、この微生物膜に吸着され、分解される。ここで不純物とは、例えば、臭いの原因となる有機物や、様々な有害化学物質や大気汚染物質などの有害物質をいう。
【0042】
よって、有害物質が除去された空気が住宅内に供給され、住宅内環境の維持・向上が図れる。
特に竹炭は、アンモニア系ガス(臭気成分)を吸着しやすく、ペットのにおいや、たばこの煙なども良く吸着するので、住宅内の空気を床下空間2内に供給する構成とした場合には、効率よく住宅内の空気の浄化をも行うことが可能となる。
【0043】
(耐久性)
竹炭の吸着性能は、孔に着生する微生物による化学的吸着であるので、その吸着性能は、経時的な影響を受けない。これに対して活性炭の吸着性能は、その表面積の大きさによる物理的な吸着に起因するものであり、経時的に吸着性能が失われてしまうため、賦活処理が適宜必要となる。
【0044】
よって、竹炭は、吸着力の点で活性炭に劣る(活性炭の場合、1グラムあたり、800m以上)ものの、活性炭のように賦活処理を必要としないので、半永久的に使用が可能である。
【0045】
(電磁波の防止)
竹炭は、ほぼ総てが炭素で構成されるので、導電性・蓄電性に優れている。よって、雷を避雷針で防ぐ原理と同じくして電磁波を吸収する。よって、近年問題となっている住宅内の電磁波に起因する人体への影響を緩和することが可能となる。
【0046】
(コストパフォーマンス)
また、竹炭は表面積が大きいので、木炭を使用する場合に比べ(木炭は1坪あたり50kgが目安)使用量が半分で済むので、経済的である。
【0047】
(その他の効果)
このような竹炭の特性の他に、竹炭には、珪酸・カリウム等のミネラル補給機能や、遠赤外線効果、癒し効果などがあることが知られている。
【0048】
竹炭は、以上説明したような作用・効果を有するので、本発明における多孔質吸着材8として採用すると好適である。
本発明において用いられる竹炭は、一般的に竹炭と呼ばれるものであれば特に限定されるものではない。よって、炭化温度も特に限定されず任意のものが選択可能であるが、800度で炭化された竹炭が、処理部9に用いる竹炭として好適である。
【0049】
<木炭>
木炭もまた、竹炭と同様の性能を有するので、多孔質吸着材として利用可能である。
木炭の作製に好適に使用される木材としては、ウバメガシ、カシ、ナラ、クヌギ、クリなどの広葉樹から、カラマツ、スギ、ヒノキなどの針葉樹まで、炭の原料として用いられる様々な木材が使用可能である。
炭化方法も、従来公知の方法が種々適用可能であり、炭化の進行度もまた、400〜500度で炭化させて得られる低温炭化木炭、600〜700度で炭化させて得られる中温炭化木炭、1000度前後で炭化させて得られる高温炭化木炭など、任意のものが利用可能である。
【0050】
<活性炭>
活性炭もまた、竹炭と同様の性能を有するので、多孔質吸着材として利用可能である。活性炭は、石炭やヤシ殻などの炭素物質を原料として、高温でガスや薬品と反応させて作られる微細孔を持つ炭素である。
例えば、粉末活性炭の場合、オガ屑、硬質の木材チップ、木炭(素灰)、草炭(ピート)等から、粒状活性炭の場合、木炭、ヤシ穀炭、石炭(亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭等)、オイルカーボン、フェノール樹脂等から、繊維状活性炭の場合、レーヨン、アクリロニトリル、石炭ピッチ、石油ピッチ、フェノール樹脂等から作成可能である。
【0051】
以下図面を参照しながら、本発明にかかる住宅内環境浄化システムにおける、空気の一連の流れを説明する。
【0052】
初めに、基礎3の吸気口5を通り、床下空間2内に導かれた外気は、住宅1内の自然対流現象により上昇し、床下空間2内を、スリット10に向けて移動する。床板7の下面には、処理部9が全面にわたって設けられており、上昇した空気は、処理部9を通過しないとスリット10に到達できない。よって、空気は処理部9内に侵入する。
【0053】
この処理部9内には、竹炭8が充填されているので、処理部9内に侵入した空気は、竹炭8の外周や竹炭8のハニカム構造の管内を通過する。
この際、前述した竹炭の効果により、空気内の不純物等の吸着除去や、その他の好適な処理が空気に施される。
そして、不純物などが吸着除去された後の空気が処理部9からスリット10を経て、住宅内空間6へ供給される。そして、住宅内空間6に供給された空気は上昇を続け、住宅内空間6と屋外とを連通する排出口を経て、屋外に排出される。
【0054】
この排出に伴って、住宅1内には、微小な負圧が発生し、基礎3の吸気口5から、外気が床下空間2内に導かれる。この一連の空気の循環により住宅1内の換気が行われる。
【0055】
[第2態様]
次に、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの他の態様について説明する。図4は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの第2の態様の概略説明図である。
【0056】
尚、以下の説明において、前述の第1の態様と同じものは、同じ番号で示し、その説明をここでは省略する。
【0057】
図4に示すように、本態様の住宅内環境浄化システムでは、床下空間2内にファンFが設けられている。
このファンFを設けることにより、屋外の空気が強制的に床下空間2内に供給されると共に、当該床下空間2の空気が床下空間2から住宅内空間6へ強制的に供給される。
これにより、前述の自然対流現象を利用する場合に比べ、より短時間で住宅1内の空気の入れ換えができるので、住宅内環境の浄化がより効果的に行える。
【0058】
このファンFを設ける位置は、床下空間2に限定されるものではなく、たとえば、住宅の屋根裏空間12内に設け、住宅1内の空気を強制的に屋外に排出する構成や、床下空間2および屋根裏空間12の両方に設ける構成とすることも可能である。
【0059】
[第3態様]
次に、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの他の態様について説明する。
図5は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの第3の態様の概略説明図である。
【0060】
尚、以下の説明において、前述の態様と同じものは、同じ番号で示し、その説明をここでは省略する。
【0061】
図5に示すように、本態様の住宅内環境浄化システムでは、基礎3内に温度調節配管13が埋設されている。
この温度調節配管13には、温水又は冷却水を流すことができるように構成されており、床下空間2内を適宜所望の温度に調節することが可能となる。
【0062】
たとえば、温度調節配管13内に温水を流すと、床下空間2内の空気が暖められて処理部9内に充填された竹炭8が活性化されるので、床下空間2内の空気からの不純物や有害化学物質等の除去がより効果的に行われることになる。
このとき、竹炭は速熱性および遠赤外線作用を有しているので、床下空間2内がより効果的に暖められることになる。
【0063】
ここで、図に示すように、処理部9を基礎3の上に直接配置する構成とすることも可能である。この状態で温度調節配管13に温水を流すと、基礎3の輻射熱と相まって処理部9がより効果的に暖められるので、竹炭8がより活性化され、前述の竹炭の作用・効果がより効果的に発揮されることになる。
【0064】
[第4態様]
次に、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの他の態様について説明する。
図6は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの第4の態様の概略説明図である。
【0065】
尚、以下の説明において、前述の態様と同じものは、同じ番号で示し、その説明をここでは省略する。
【0066】
図6に示すように、本発明の第4の態様では、予備処理空間である床下空間2には、外気の他に、住宅1内に設けられた空調設備14によって空調された空気が取り入れられる。
ここで、住宅内空間6の空調設備14は、住宅内空間6の空気を取り入れ熱交換等の空調後の空気の一部または全部を再び床下空間2に送り込む装置である。
【0067】
このような構成とすることにより、床下空間2内の空気の温度調節が容易となる。
また、住宅内空間6の空気が床下空間2内に供給され、処理部9で処理が為された空気が再び住宅内空間6に循環する。その結果、住宅1内の空気の浄化が行えることになる。
尚、本実施の形態では、空調設備14から床下空間2への空気の供給は、住宅1の外側を通して供給する構成が示してあるが、空調後の空気を空調設備14から床下空間2へ供給できる構成であれば特に限定されるものではない。たとえば住宅の外壁と内壁との間に空気の誘導路を形成し、その誘導路を介して床下空間2に供給する構成とすることも可能である。
【0068】
以上、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの好ましい態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図7に示すように、縦穴部15を有する住宅1’への適用も可能である。この場合、住宅1’の各居室16の空気取入口の各々に処理部を設ける構成とすることも可能である。
また、予備処理空間は床下空間に限定されるものではなく、屋根裏空間12や、住宅の外に別に設けられた空間を利用することが可能である。
【0069】
【発明の効果】
本発明にかかる構成の住宅内環境浄化システムでは、屋外から住宅内に導かれる外気は、予備空調処理が施された予備処理空間内に取り入れられ、この予備処理空間内に設けられた処理部を通過した後に住宅内空間に導かれることとなる。この処理部には、多孔質吸着材が充填されており、外気に含まれる有害物質等がこの多孔質吸着材に吸着されるので、大気汚染物質(有害物質)が除去された後の外気が、住宅内空間に導かれる。
【0070】
この際、予備処理空間には予備空調処理が施されているので、外気と住宅内空間の空気の温度に差がある場合でも、温度を整えた後の有害物質が除去された空気が住宅内空間に供給される。よって、住宅内空間の温度環境を損なうことなく住宅内に浄化された空気が供給される。
【0071】
特に、予備処理空間の基礎に温度調節配管が埋設されていると、この配管内に流した温水により住宅の基礎が暖められる。その結果、基礎からの輻射熱によっても予備処理空間内の空気が暖められ、住宅内の空気の対流がより効率的に行われることになる。
【0072】
また、本発明の住宅内環境浄化システムには、外気を予備処理空間へ強制的に取り入れると共に、床下空間内の空気を住宅内空間に強制的に供給する強制循環ファンが設けられているので、不純物や大気汚染物質(有害物質)の除去が行われた後の空気が、住宅内空間に確実に供給されることとなる。これにより、自然対流を利用した場合と比べて、住宅内環境の維持・浄化が、効率的に行われることになる。
【0073】
さらに、前記予備処理空間には、前記外気の他に住宅内空間6の空調設備からの空調後の空気が取り入れられるので、住宅内の空気の一部または全部が、予備処理空間で浄化処理した後に再び住宅内空間6に循環させられる。その結果、住宅内環境の維持・浄化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムを備えた住宅の概略構成図である。
【図2】図2は、処理部の概略斜視図である。
【図3】図3は、処理部の床根太への取付例である。
【図4】図4は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの第2の態様の概略説明図である。
【図5】図5は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの第3の態様の概略説明図である。
【図6】図6は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムの第4の態様の概略説明図である。
【図7】図7は、本発明にかかる住宅内環境浄化システムを縦穴を備えた住宅に適用した例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1・・・住宅
2・・・床下空間
3・・・基礎
4・・・断熱材
5・・・吸気口
6・・・住宅内空間
7・・・床板
8・・・多孔質吸着材(竹炭)
9・・・処理部
10・・スリット
11・・風袋
12・・屋根裏空間
13・・温度調節配管
14・・空調設備
15・・縦穴部

Claims (4)

  1. 予備空調処理が施されており、外気が取り入れられる予備処理空間と、
    前記予備処理空間内に設けられており、前記予備処理空間内の空気を通過させる多孔質吸着材が充填された処理部と、
    前記処理部を通過させた後の空気を住宅内空間に供給する導入口と、
    前記住宅内空間の空気を屋外に排出する排出口と
    を有する住宅内環境浄化システム。
  2. 外気を前記予備処理空間へ強制的に取り入れると共に、前記処理部を通過させた後の空気を前記住宅内空間に強制的に供給する強制循環ファンを設けたことを特徴とする請求項1に記載の住宅内環境浄化システム。
  3. 前記予備処理空間が床下空間であり、この床下空間を形成する基礎には、温度調節配管が埋設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の住宅内環境浄化システム。
  4. 前記予備処理空間には、前記外気の他に、住宅内空間の空調設備で空調された空気が取り入れられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の住宅内環境浄化システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006250391A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Sekisui House Ltd 蓄熱システムおよび建造物
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