JP2004148050A - 壁面清掃機 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に壁面に当接させる車輪切替え手段の構成を簡単にして、安価できるようにした壁面清掃機の提供を目的とする。
【解決手段】構造物2に揚上装置4を介して吊持された機体5の上半部に昇降用車輪と横行用車輪とに替えてこれらに兼用される自在車輪15を設け、機体5の下半部のみに昇降用車輪11と、横行用車輪13と、これらを選択的に前記構造物2の壁面6に当接させる車輪切替え手段14とを設ける。これによれば、上半部と下半部とに昇降用車輪と横行用車輪と車輪切替え手段を備える従来例に比べて、上半部の車輪数が少なくなる上、上半部には車輪切替え手段がないので、全体として部品点数が少なくなり、構成が簡単になると共に、安価になる。
【選択図】 図1
【解決手段】構造物2に揚上装置4を介して吊持された機体5の上半部に昇降用車輪と横行用車輪とに替えてこれらに兼用される自在車輪15を設け、機体5の下半部のみに昇降用車輪11と、横行用車輪13と、これらを選択的に前記構造物2の壁面6に当接させる車輪切替え手段14とを設ける。これによれば、上半部と下半部とに昇降用車輪と横行用車輪と車輪切替え手段を備える従来例に比べて、上半部の車輪数が少なくなる上、上半部には車輪切替え手段がないので、全体として部品点数が少なくなり、構成が簡単になると共に、安価になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は構造物の壁面を清掃する壁面清掃機に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートダムの壁面を清掃する壁面清掃機としては、特開平5−79030号公報に記載されているように、ダムの天端を走行するクレーン(天端マシン)により吊持されると共に、そのダムの壁面に沿って走行しながら該壁面を清掃するものがある。
【0003】
この従来の壁面清掃機は、ダム壁面を清掃する清掃マシンと、ダム壁面に沿って自走するための走行手段とを備え、走行手段には機体をダム壁面に沿って昇降させるための昇降用車輪と、機体をダム壁面に沿って横行させるための横行用車輪と、横行用車輪を壁面に向かって進退させることにより昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に前記壁面に当接させる車輪切替え手段とを備えている。
【0004】
前記昇降用車輪と横行用車輪は、吊り下げられた機体の上端寄りの部分と下端寄りの部分とに設けられ、車輪切替え手段は上下両端部の横行用車輪を壁面に向かって進退させるように構成されている。
【0005】
又、特開平7−237198号公報には、橋脚の天端に設けた滑車に巻き掛けたウィンチロープで吊り下げる本体フレームと、本体フレームの橋脚壁面に沿って昇降させる走行手段と、洗浄液を加圧して壁面に噴射する高圧液清掃装置とを備える壁面清掃機が記載されている。
【0006】
この高圧液清掃装置は、橋脚に置かれた超高圧ウォータジェットユニットと、この超高圧ウォータジェットユニットで加圧された高圧水をアンビリカルホースで本体フレームに搭載された超高圧マニンホールドに導き、この超高圧マニンホールドから壁面に高圧水を噴射するように構成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−79030号公報
【特許文献2】
特開平7−237198号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載されている従来技術では、吊り下げた機体の上端寄りの部分と下端寄りの部分とに昇降用車輪と横行用車輪とが設けられ、車輪切替え手段は、機体の上端寄り及び下端寄りの両側の横行用車輪を壁面に向かって進退させるようにしているので、車輪切替え手段の構成が複雑になり、高価になるという問題がある。
【0009】
本発明に係る第1の壁面清掃機(以下、本第1発明という。)は、この従来技術の課題を解決し、車輪切替え手段の構成を簡単にして、安価できるようにした壁面清掃機を提供することを目的とする。
【0010】
次に、特許文献2に記載されている従来技術では、橋脚の段部に置かれた超高圧ウォータジェットユニット(高圧洗浄液供給源)から本体フレーム(機体)に搭載した超高圧マニンホールドに超高圧水を導く高圧水ホース(アンビリカルホース)が設けられている。
【0011】
前記高圧水ホースの長さは本体フレームが最も高く揚上された時の長さが必要であり、これよりも本体フレームが低く位置する時には、高圧水ホースの長さが余ることになる。この高圧水ホースの余長部分は、本体フレームやこれを吊下げているワイヤに絡んで本体フレームの昇降や横行の妨げになることがあり、これを避けるためには高圧水ホースの余長部分を巻き取るリールを設けるなどの余長処理が必要になり、構成が複雑になる。
【0012】
又、高圧水ホースはその内部を流動する高圧水の圧力が圧力変動すると、妄動して壁面や本体フレームを吊下げているワイヤに接触し、短時間のうちにホースに傷が付いたり、ホースが摩耗したりする。この妄動を防止するためにホースの適当な箇所をクレーンロープにチェーンやフックで吊り下げているが、この処理自体が豊富な経験を必要とする面倒な処理である上、吊り下げる部品とホースとの接触部分に荷重が集中するので、ホースが更に激しく傷付いたり摩耗したりするという問題がある。
【0013】
本発明に係る第2の壁面清掃機は、この従来技術の課題を解決し、高圧水ホースに妨げられることなく壁面に沿って移動でき、又、高圧水ホースの余長処理、損傷ないし破損などの問題が生じるおそれのない壁面清掃機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本第1発明に係る壁面清掃機は、前記目的を達成するため、構造物に揚上装置を介して吊持される機体と、前記構造物の壁面に沿って機体を昇降させるための昇降用車輪と、該壁面に沿って機体を横行させるための横行用車輪と、これら昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に前記壁面に当接させる車輪切替え手段とを備える壁面清掃機において、前記昇降用車輪と横行用車輪とが機体の上半部と下半部との一方のみに支持され、その他方に昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪が支持されることを特徴とするという技術的手段を採用する。
【0015】
これによれば、自在車輪は首振り回転をすることにより自由にその転動方向を転換することができるので、昇降用車輪を壁面に転接させて機体をクレーンで昇降させると、自在車輪はその車輪が昇降方向に転動するように首を振って昇降方向に転動するようになり、横行用車輪を壁面に転接させて駆動すれば、横行用車輪の転動方向に転動するように首を振ってその転動方向に転動するようになる。
【0016】
従って、自在車輪が設けられる機体の上半部と下半部とのいずれか一方には、昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に壁面に当接させる車輪切替え手段がなく、機体の上半部と下半部との両方に車輪切替え手段を設ける従来技術に比べて部品点数が少なく、その構成を簡単にできると共に、安価に製造できる。
【0017】
又、自在車輪は昇降用車輪と横行用車輪とに兼用されるので、車輪数が少なくなる。
【0018】
なお、本第1発明において、構造物とは、人が構築した物を含み、例えばコンクリートダム、高層ビル、橋脚などがその例として挙げられる。
【0019】
又、本第1発明において、揚上装置とは、チェーン、ワイヤロープなどの条体により荷物を吊り下げ、その条体の遣り取りによって荷物を昇降させる荷役装置を言い、走行機能を有するものと走行機能を有しないものとが含まれる。走行機能を有する揚上装置としては自力又は外力により移動するクレーン、ホイストなどがあり、走行機能を有しないものとしては、例えば構造物の天端又は屋上に設けた滑車と、この滑車に巻き掛けたロープなどの条体を巻き取るウィンチとを備えるものがある。
【0020】
更に、この明細書では、機体の上半部とは、機体を揚上装置で垂直に吊下げた状態で機体の上側の半分という意味であり、機体の下半部とは、機体を揚上装置で垂直に吊下げた状態で機体の下側の半分という意味である。加えて、この明細書で左右とは構造物の壁面に向かっての左右を意味する。
【0021】
ところで、本第1発明において、機体に昇降用車輪を駆動する昇降駆動手段を搭載して、機体を上下方向に自走できるように構成することが可能であるが、専ら揚上装置により機体を昇降させるようにしてもよい。又、機体に横行用車輪を駆動する横行駆動手段を搭載して、機体を横行方向に自走できるようにしてもよいが、揚上装置の横行に随伴して機体が横行するようにしてもよい。
【0022】
昇降用車輪を駆動する昇降駆動手段が設けられると、壁面の傾斜が緩い時や壁面が逆傾斜している場合にこの走行駆動手段を作動させることにより機体を確実に走行させることができるので有利であり、又、横行用車輪を駆動する走行駆動手段を設けると、クレーンなどの揚上装置で吊り下げた機体の振り子運動を防止して正確に機体の横行を制御できるので有利である。
【0023】
前記昇降駆動手段としては、昇降用車輪を駆動する駆動機と、この駆動機を作動させるエネルギを供給するエネルギ供給源と、エネルギ供給源から前記駆動機にエネルギを伝送するエネルギ伝送手段とを備える。
【0024】
又、前記横行駆動手段としては、横行用車輪を駆動する駆動機と、この駆動機を作動させるエネルギを供給するエネルギ供給源と、エネルギ供給源から前記駆動機にエネルギを伝送するエネルギ伝送手段とを備える。
【0025】
前記駆動機としては、電動機、油圧モータ、水圧モータ、エンジン(内燃機関)などの回転機型のエネルギ変換手段が用いられ、又、エネルギ供給源としては、例えば電力を供給する電源、加圧された作動油を供給する圧油供給源、加圧水を供給する加圧水供給源、液体燃料又は気体燃料を供給する燃料供給源などが用いられる。又、前記エネルギ伝送手段としては、電線、油圧配管、加圧水配管、燃料配管などが用いられる。
【0026】
ここで、前記駆動機は昇降用車輪及び/又は横行用車輪と機械的に連動させるために壁面清掃機に搭載されるが、前記駆動エネルギ源は、壁面清掃機に搭載せずに、例えばダムの天端、ビルの屋上などに設けたクレーンに搭載したり、ダムの天端、ビルの屋上、構造物に設けられている段部など構造物又はこれに設けた揚上装置に支持させたりすることができる。
【0027】
駆動エネルギ源を壁面清掃機に搭載せずに、構造物や揚上装置に搭載する場合には、機体の構造を簡単にできると共に、揚上装置の負荷を軽減できるという利点を得ることができる。
【0028】
なお、この場合には、構造物や揚上装置に搭載された駆動エネルギ源と構造物の壁面に沿って移動する機体との間にコード、ホースなどのエネルギ伝送手段が設けられ、これの余長部分を巻き取るリールが設けられるが、このリールは駆動エネルギ源側、即ち、構造物や揚上装置に設けてもよく、又、機体に搭載してもよい。
【0029】
一方、前記駆動エネルギ源とエネルギ伝送手段とを機体に搭載する場合には、エネルギ伝送手段を短くして伝送ロスを少なくできると共に、エネルギ伝送手段を安価にできる上、構造物や揚上装置に支持させたエネルギ供給源から機体に延出されるエネルギ伝送手段の余長部分の処理、壁面との接触による損傷や摩耗などの問題から解放されるという利点を得ることができる。
【0030】
ところで、前記昇降用車輪は左右軸心の周りに回転可能に機体に支持され、専ら壁面に沿って機体を昇降させる時に壁面に転接させる車輪のことであり、又、横行用車輪は上下軸心周りに回転可能に機体に支持され、専ら壁面に沿って機体を左右方向に横行させるときに壁面に転接させる車輪のことであり、これらは昇降時にも横行時にも壁面に転接させる自在車輪とは異なる。
【0031】
これら昇降用車輪と横行用車輪との一方又は両方は壁面に向かって進退可能に支持され、車輪切替え手段により選択的に壁面に当接させる。即ち、車輪切替え手段としては、昇降用車輪のみを壁面に向かって進退させ、この昇降用車輪を壁面に当接させて横行用車輪を壁面から離隔させるものと、横行用車輪のみを壁面に向かって進退させ、この横行用車輪を壁面に当接させて昇降用車輪を壁面から離隔させるものと、昇降用車輪と横行用車輪とを互いに逆方向で壁面に向かって進退させ、その一方を壁面に当接させることにより他方を壁面から離隔させるものとが含まれる。
【0032】
これらの中では、構成を簡単にすると共に、揚上装置の負荷を軽減するために、昇降用車輪と横行用車輪とのいずれか一方を壁面に向かって進退可能に支持させ、この壁面に向かって進退する昇降用車輪又は横行用車輪を駆動する車輪切替え手段を設けることが好ましい。
【0033】
前記車輪切替え手段は、壁面に向かって進退可能に設けられた昇降用車輪及び/又は横行用車輪を壁面に向かって進退させるように構成してあればよく、昇降用車輪及び/又は横行用車輪を壁面に向かって垂直にあるいは傾斜方向に直線的に進退させるものであっても、所定の点又は軸を中心に回転させることにより壁面に向かって進退させるものであってもよい。
【0034】
この車輪切替え手段としては、特に限定されないが、短時間で壁面に当接させる車輪を切替えるために、電動シリンダ、油圧シリンダ、水圧シリンダなどのシリンダ、あるいは電動機、油圧モータ、水圧モータなどの回転機を備えることが好ましい。
【0035】
なお、車輪切替え手段にシリンダとシリンダの伸縮を回転に変換する動作変換機構や、回転機と回転機の回転を直線移動に変換する動作変換機構を備えてもよいが、構成を簡単にすると共に、揚上装置の負荷を軽減するために、シリンダの伸縮あるいは回転機の回転で直接的に昇降用車輪及び/又は横行用車輪を壁面に向かって進退させるように構成することが好ましい。
【0036】
車輪切替え手段は、前記シリンダあるいは回転機からなる進退駆動機の他に、この進退駆動機を作動させるエネルギを供給するエネルギ供給源と、エネルギ供給源から前記駆動機にエネルギを伝送するエネルギ伝送手段とを備える。
【0037】
これらエネルギ供給源と、エネルギ伝送手段とについての詳細な説明は、前記昇降駆動手段及び横行駆動手段のそれらと同様であるので、ここでは省略することにする。
【0038】
次に、本第2発明は、前記目的を達成するため、構造物に揚上装置を介して吊持される機体に、洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、この洗浄液を加圧する高圧水発生装置と、加圧された洗浄液を構造物の壁面に噴出するノズルとを備える高圧液清掃装置が搭載されることを特徴とするという技術的手段を採用する。
【0039】
これによれば、機体外から機体に洗浄液を供給するための洗浄液ホースを設ける必要がないので、この洗浄液ホースに妨げられることなく壁面清掃機を壁面に沿って昇降させたり、横行させたりすることができる上、洗浄液ホースの余長処理、損傷、摩耗などの問題から解放される。
【0040】
ところで、本第2発明において、洗浄液タンクに貯留される洗浄液としては、洗剤が溶解されている水を用いてもよいが、環境保護を図るという観点からは水道水などの洗剤が添加されていない水を用いることが好ましく、雨水、河川水、湖水などの天然水や水道水を用いることが更に好ましい。
【0041】
又、前記洗浄液タンクは、機体に搭載してあればよいが、機体が壁面から浮き上がることを防止するために、その重心が機体を吊り下げている揚上装置の索条、例えばクレーンロープが連結される位置よりも壁面から離れた位置に位置するように機体に支持させることが好ましい。
【0042】
なお、この洗浄液タンクの形状、容量などは自由に設計することが好ましく、又、当該洗浄液タンクから導出される洗浄液から所定の粒径以上の異物を除去するストレーナを備えていることが好ましい。
【0043】
前記高圧液発生装置は、洗浄液タンクに貯留されている洗浄液を導入し、加圧して吐出するように構成してあればよく、例えば洗浄液タンクから洗浄液を導入し、加圧して吐出するポンプで構成すればよい。
【0044】
このポンプとしては、渦巻きポンプ、スクリューポンプその他の公知の液体ポンプを用いることができるが、液体を高圧に加圧することが容易なプランジャポンプを用いることが好ましい。
【0045】
このポンプを駆動するポンプ駆動機としては、油圧モータ、水圧モータなどの加圧流体の圧力で駆動される流体モータ、電磁力で駆動される電動機、液体又は気体燃料の爆発力で駆動されるエンジン(内燃機関)などを用いることができるが、これらの中では大気汚染を防止でき、運転騒音が少なく、しかも、構成が簡単になる電動機を用いることが好ましい。
【0046】
この電動機に電力を供給する電源は、外部に設置されている商用電源、発動発電機などの外部電源を用いることも可能であるが、これら外部電源に電動機を接続するコードの余長処理、損傷、断線などの問題から解放されるために、機体に例えばバッテリからなる電源を搭載することが好ましい。
【0047】
ここで、電源として、例えば鉛蓄電池のようにある程度重量のあるものを用いると、その重量を利用して機体が壁面から離隔することを防止することできる。
【0048】
なお、ポンプをエンジンで駆動する場合には燃料タンク付きの発動発電機を機体に搭載すればよい。
【0049】
前記ノズルは壁面に向かって加圧された洗浄液を噴射できるように形成されていればよく、機体に対する設置位置、壁面からの距離、開口口数、ノズル孔の形状、ノズル孔の口径などは適宜設計すればよい。
【0050】
又、本第2発明においては、前記洗浄液タンク、高圧液発生装置及びノズルを接続する洗浄液配管が設けられるが、この洗浄液配管は内部を流動する洗浄液の圧力変動により妄動することを防止するため、塩ビ管などの合成樹脂管、鉛管、銅管、鉄管、鋼管などの金属管、特に金属管を用いることが好ましく、又、適当な位置でパイプクランプなどにより機体に固定することが好ましい。
【0051】
なお、この配管に開閉弁、圧力設定弁、流量調整弁などを介在させてもよい。
【0052】
ところで、本第2発明において、前記高圧液清掃装置に加えて、前記壁面に摺接させる清掃ブラシを機体に支持させて、この清掃ブラシを壁面に擦りつけて清掃できるようにしてもよい。
【0053】
これによれば、液体の噴射による清掃に加えて清掃ブラシにより壁面をブラシ洗浄できるので、壁面を効率良く確実に清掃できるようになる。
【0054】
この清掃ブラシは、機体に固定的に設けてもよいが、壁面に対して垂直な軸心あるいは壁面に平行な軸心の周りに回転可能に設けることにより清掃効果を高めることが好ましい。
【0055】
清掃ブラシを回転可能に機体に支持させる場合、この清掃ブラシを回転自在に機体に支持させてもよいが、清掃効率を高めるために、清掃ブラシを駆動するブラシ駆動手段を設け、清掃ブラシを強制回転させることが好ましい。
【0056】
このブラシ駆動手段は、清掃ブラシを駆動するブラシ駆動機と、このブラシ駆動機を作動させるエネルギを供給するエネルギ供給源と、エネルギ供給源から前記駆動機にエネルギを伝送するエネルギ伝送手段とを備える。
【0057】
このブラシ駆動機としては、電動機、油圧モータ、水圧モータ、エンジン(内燃機関)などの回転機型のエネルギ変換手段を用いればよい。
【0058】
なお、これらのエネルギ供給源と、エネルギ伝送手段とについての詳細な説明は、前記昇降駆動手段、横行駆動手段及び車輪切替え手段のそれらと同様であるので、ここでは省略することにする。
【0059】
又、この清掃ブラシは、洗浄液が噴射された壁面に摺接するように設けてもよく、この清掃ブラシで清掃した壁面に洗浄液が噴射されるように設けてもよい。もちろん、清掃ブラシの例えば上下に前記ノズルを配置し、その上側又は下側でノズルから壁面に洗浄液を噴射して汚れを壁面から浮かし、この後、清掃ブラシを壁面に擦りつけて壁面に残っている汚れを掻取り、更にこの後、壁面に洗浄液を噴射して掻き取られた汚れを壁面から洗い流すようにしてもよい。
【0060】
この清掃ブラシを設ける場合には、上述したように、洗浄液タンク及びこれに貯留された洗浄液の重量などを利用して機体に支持させた清掃ブラシが壁面に当接する接触圧を高めると共に清掃ブラシが壁面から離隔することを防止することができるが、更に、この清掃ブラシの壁面への接触圧を調整する接触圧調整手段が設けられることが好ましい。
【0061】
この接触圧調整手段としては、例えば機体の揚上装置との連結点よりも壁面から遠い位置に、かつ、位置変更可能に機体に支持されるウェイトを備え、このウェイトの位置により清掃ブラシの壁面への接触圧を調整するようにしたものを採用することができる。
【0062】
又、前記清掃ブラシは壁面に向かって進退可能に機体に支持させることができ、この場合には、前記接触圧調整手段が、前記ウェイトと共に、又は、これに代えて、機体と清掃ブラシとの間に清掃ブラシを壁面に押圧する付勢手段を備えるものを採用することができる。
【0063】
これによれば、壁面の凹凸による清掃ブラシの接触圧の増減が付勢手段により吸収されるので好ましい。
【0064】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例に係る壁面清掃機を図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りである。図面において、図1は本発明の一実施例に係る壁面清掃機の側面図であり、図2はその正面図であり、図3はその使用状態を例示する側面図である。
【0065】
この図3に示すように、本発明の一実施例に係る壁面清掃機1は、コンクリートダムからなる構造物2の天端3上を走行するクレーンからなる揚上装置4に吊下げられる機体5と、この機体5を前記コンクリートダム2の壁面6に沿って走行させるための走行装置7と、高圧水清掃装置からなる高圧液清掃装置8と、ブラシ清掃装置9と、接触圧調整手段10とを備えている。
【0066】
図1と図2とに示すように、前記走行装置7は、前記機体5の下半部に左右軸心周りに回転自在に支持され、前記コンクリートダム2の壁面6に転接させる左右の昇降用車輪11と、この機体5の下半部に進退ビーム12を介して壁面6に向かって進退可能に、かつ上下軸心周りに回転可能に支持され、前記コンクリートダム2の壁面6に転接させる左右の横行用車輪13と、この横行用車輪13を前記壁面6に向かって進退させる左右の電動シリンダからなる車輪切替え手段14と、前記機体5の上半部に支持された自在車輪15と、前記横行用車輪13を駆動する横行駆動手段16とを備えている。
【0067】
図4はこの横行駆動手段16の平面図であり、図2とこの図4に示すように、前記進退ビーム12は、その左右両端部を機体5の下面に固定されたガイド枠41により昇降案内され、その左右両端寄り部分に左右の横行用車輪13を回転自在に支持させている。
【0068】
前記横行駆動手段16は前記進退ビーム12の左右方向中央部の前面に固定された電動機からなる駆動機17と、この駆動機17の回転軸18に固定された駆動スプロケット19と、左右各横行用車輪13の輪軸の上端部に固定された従動スプロケット20と、これらの駆動スプロケット19と左右の従動スプロケット20とにわたり正掛けされたチェーン21とを備え、必要に応じて、図4に示すように、このチェーン21の弛みを無くすためのアイドラ22を備えている。
【0069】
図1に示すように、前記高圧液清掃装置8は、洗浄液としての天然水又は水道水を貯留する水タンクからなる洗浄液タンク23と、この洗浄液タンク23から水を吸引し、所定の圧力に加圧して吐出する電動プランジャポンプからなる高圧液供給装置24と、加圧された高圧水を壁面6に噴射するノズル25とを備え、これら洗浄液タンク23、高圧液供給装置24及びノズル25は例えば鋼管からなる配管と共に機体5に搭載されている。
【0070】
なお、前記洗浄液タンク23と高圧水供給ポンプとを接続する配管の部分には所定の粒径以上の固形異物をろ過するスラッジストレーナとエアトラップとを介在させている。
【0071】
前記ブラシ清掃装置9は、回転支軸26を介して左右軸心周りに回転自在に機体5に支持させた左右のアーム27と、左右のアーム27の中間部どうしを連結する連結ロッド42と、左右のアーム27の遊端部に左右軸心周りに回転自在に支持された清掃ブラシ28と、この清掃ブラシ28が跳ね上げる汚物の周囲への放散を防止するカバー29と、前記清掃ブラシ28を駆動するブラシ駆動手段30とを備えている。
【0072】
このブラシ駆動手段30は、機体5の前面に支持された電動機からなるブラシ駆動機31と、前記清掃ブラシ28の中心軸32の一端部(ここでは右端部)とを連動させるチェーン伝動手段33とを備え、機体5の上昇時と下降時とで異なる方向に清掃ブラシ28を回転させ、横行時には清掃ブラシ28を停止させるようにしている。
【0073】
前記接触圧調整手段10は、機体5の上部にピン34を介して左右軸心周りに回転可能に枢着されたアーム35と、機体5の下部に別のピン36を介して左右軸心周りに回転可能に支持され、前記アーム35の先端部を支承するサポート37と、前記アーム35の先端寄り部分に支持させたウェイト38を備えている。
【0074】
そして、このサポート37がアーム35を支承する位置を連続的に、又は段階的に調整することにより、ウェイト38の壁面6からの位置、即ち、機体5のクレーンとの連結点39との前後間隔を調整して、該連結点39の周りに生じるモーメントを調節し、これにより前記清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を調整するようにしている。
【0075】
例えば清掃ブラシ28の摩耗が進んで清掃ブラシ28の壁面6への接触圧が低下した時に、このウェイト38を壁面6から遠ざかった位置に移動させると、前記連結点39の周りに生じるモーメントが大きくなり、清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を回復させることができる。
【0076】
又、前記接触圧調整手段10は、機体5とブラシ清掃装置9の連結ロッド27とにわたって架着され、清掃ブラシ28を壁面6に押圧するガスクッションからなる付勢手段40を備え、壁面6の凹凸による接触圧の増減を吸収するようにしている。
【0077】
前記車輪切替え手段14、横行駆動手段16の駆動機17、高圧液清掃手段8の高圧液供給装置及びブラシ清掃装置9のブラシ駆動機31に電力を供給する電源は、機体5に搭載することも可能であるが、ここでは機体5の構成を簡単にすると共に、揚上装置4の負荷を軽減するために、機体5に配電盤と、前記車輪切替え手段14、横行駆動手段16の駆動機17、高圧液清掃手段8の高圧液供給装置及びブラシ清掃装置9のブラシ駆動機31を個別にオン・オフする5個のスィッチを含む電気配線とを搭載し、電源としては前記揚上装置4に引込まれた商用電源を用い、この電源と配電盤とを動力線で接続するようにしている。
【0078】
又、このコードの余長部分を巻き取るリールは、機体5の構造を簡単にすると共に、揚上装置4の負荷を軽減するために、前記揚上装置4に搭載している。
【0079】
更に、前記各スィッチは、揚上装置4と機体との間の配線を単純にするために、無線操作によりオン・オフされるようにしているが、これらスィッチをオン・オフさせる信号を前記動力線に乗せて揚上装置4に送信するようにしてもよい。
【0080】
なお、前記ノズル25は、清掃ブラシ28の上側と下側とに2列に並べて、各列には左右に適当な間隔を置いて適当数配置される。
【0081】
さて、この壁面清掃機1は、上述したように、前記昇降用車輪11と横行用車輪13とが機体5の下半部のみに設けられ、上半部に昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪15が設けられるので、これによれば、機体5の下半部に設けた横行用車輪13のみを昇降させる車輪切替え手段14を設ければよく、従来技術に比べて車輪切替え手段14の構成が簡単になり、安価に製造できる。
【0082】
又、この壁面清掃機1は、構造物2に揚上装置4を介して吊持される機体5に、洗浄液を貯留する洗浄液タンク23と、この洗浄液を加圧する高圧液発生装置24と、加圧された洗浄液を構造物2の壁面6に噴出するノズル25とを備える高圧液清掃装置8が搭載されるので、構造物2又は揚上装置4に設けられた洗浄液タンク又は高圧液発生装置から機体5に洗浄液を導くホースを設ける必要がなく、このホースにより機体5の走行が妨げられるおそれがなくなると共に、ホースの余長処理や壁面との接触による損傷、摩耗などの問題から解放される。又、この壁面清掃機によれば、構造物2又は揚上装置4に設けられた洗浄液タンク又は高圧液発生装置から機体5に洗浄液を導くホースを省略して、ホースの流動抵抗による圧力ロスをきわめて大幅に減少させることができ、高圧液発生装置の負荷を大幅に減少させることができる。
【0083】
更に、この壁面清掃機1は、前記機体5に、前記構造物2の壁面6に摺設させる清掃ブラシ28を支持させているので、高圧液清掃に加えてブラシ清掃により壁面6を清掃して、清掃効率を高めることができる。
【0084】
しかも、この清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を調整する接触圧調整手段10が設けられているので、清掃ブラシ28を適正な接触圧で壁面6に接触させて、ブラシ清掃の清掃効率を一定以上に保持できると共に清掃ブラシ28が短期間で摩耗することを防止することができる。
【0085】
又、この接触圧調整手段10が、機体5の揚上装置4との連結点39よりも壁面6から遠い位置に、即ち、前方に、かつ、位置変更可能に機体5に支持されるウェイト38を備え、このウェイト38の位置により清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を調整するようにしているので、簡単で安価な構成で、簡単に清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を調整することができる。
【0086】
更に、この壁面清掃機1は、前記清掃ブラシ28が壁面6に向かって進退可能に機体5に支持され、前記接触圧調整手段10が、前記ウェイト38と共に、機体5と清掃ブラシ28との間に架着され、清掃ブラシ28を壁面6に押圧する付勢手段40を備えるので、この付勢手段40で壁面6の凹凸による接触圧の変動を吸収し、適正な接触圧で清掃ブラシ28を壁面6に接触させることができる。
【0087】
なお、機体5の構成をより簡単にすると共に、揚上装置4の負荷をさらに軽減するために、図5に示すように、機体5上に洗浄液タンク23及び高圧液供給装置24を配置せず、揚上装置4に併設した高圧液供給装置(図示せず)から高圧ホース41を介して高圧洗浄液を供給する構成としてもよい。このとき、高圧ホース41をホース固定手段42により、機体5に固定することが好ましい。
【0088】
上記構成とした壁面清掃機1も、上述したように、機体5の下半部に設けた横行用車輪13のみを昇降させる車輪切替え手段14を設ければよく、従来技術に比べて車輪切替え手段14の構成が簡単なうえ、さらに安価に製造できる。
【0089】
【発明の効果】
以上に説明したように、本第1発明の壁面清掃機は、構造物に揚上装置を介して吊持される機体と、前記構造物の壁面に沿って機体を昇降させるための昇降用車輪と、該壁面に沿って機体を横行させるための横行用車輪と、昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に前記壁面に当接させる車輪切替え手段とを備える壁面清掃機において、前記昇降用車輪と横行用車輪とが機体の上半部と下半部との一方のみに支持され、その他方に昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪が支持されることを特徴とするので、機体の上半部と下半部とのうち自在車輪が設けられる方の車輪切替え手段がなくなるという作用が得られ、これにより、全体として、部品点数が少なくなる上、構成を簡単にできると共に、安価に製造できるという効果を得ることができる。
【0090】
又、機体の上半部と下半部とのうち自在車輪が設けられる方には、昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪を設ければよいので、車輪数が少なくなり、安価に製造できるようになるという効果を得ることができる。
【0091】
又、本第2発明の壁面清掃機は、構造物に揚上装置を介して吊持される機体に、洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、この洗浄液を加圧する高圧液発生装置と、加圧された洗浄液を構造物の壁面に噴出するノズルとを備える高圧液清掃装置が搭載されることを特徴とするので、構造物又は揚上装置から機体に洗浄液を供給するホースがなくなるという作用を得ることができ、これにより、構造物又は揚上装置から機体に洗浄液を供給するホースにより機体の走行が妨げられるおそれがなくなるという効果を得ることができる。
【0092】
又、この作用により、構造物又は揚上装置から機体に洗浄液を供給するホース及びその余長部分を巻き取るリールが不要になり、構成を簡単にできると共に、安価に製造できるという効果を得ることができる。
【0093】
更に、この作用により、構造物又は揚上装置から機体への洗浄液の供給に対する圧力ロスがなくなり、高圧液発生装置の負荷を大幅に減少させることができ、壁面への洗浄液噴射圧を高めたり、高圧液発生装置の低出力化や小型化を図ったりすることができるという効果を得ることができる。
【0094】
本第2発明において、前記機体に、前記構造物の壁面に摺設させる清掃ブラシを支持させ、この清掃ブラシの壁面への接触圧を調整する接触圧調整手段が設けられると、高圧液清掃に加えてブラシ清掃により壁面を清掃できるので、清掃効率を高めることができる上、清掃ブラシの接触圧を適当な範囲に維持することより、清掃ブラシが短期に摩耗することを防止することができるという効果を得ることができる。
【0095】
ここで、前記接触圧調整手段が、機体の揚上装置との連結点よりも壁面から遠い位置に、かつ、位置変更可能に機体に支持されるウェイトを備え、このウェイトの位置により清掃ブラシの壁面への接触圧を調整するように構成されると、簡単で安価な構成で、しかも、簡単な操作で清掃ブラシ壁面への接触圧を調整できるという効果を得ることができる。
【0096】
又、ここで、前記清掃ブラシが壁面に向かって進退可能に機体に支持され、前記接触圧調整手段に、前記ウェイトと共に、又は、これに代えて、機体と清掃ブラシとの間に清掃ブラシを壁面に押圧する付勢手段が設けられると、この付勢手段により壁面の凹凸による接触圧の変動が吸収されるので、清掃ブラシの壁面への接触圧が安定するという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の側面図である。
【図2】本発明の正面図である。
【図3】本発明の側面図である。
【図4】本発明の平面図である。
【図5】本発明の側面図である。
【符号の説明】
1 構築物
4 揚上装置
5 機体
6 壁面
8 高圧液清掃装置
9 ブラシ清掃装置
10 接触圧調整手段
11 昇降用車輪
13 横行用車輪
14 車輪切替え手段
15 自在車輪
23 洗浄液タンク
24 高圧液発生装置
25 ノズル
28 清掃ブラシ
38 ウェイト
40 付勢手段
【発明の属する技術分野】
本発明は構造物の壁面を清掃する壁面清掃機に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートダムの壁面を清掃する壁面清掃機としては、特開平5−79030号公報に記載されているように、ダムの天端を走行するクレーン(天端マシン)により吊持されると共に、そのダムの壁面に沿って走行しながら該壁面を清掃するものがある。
【0003】
この従来の壁面清掃機は、ダム壁面を清掃する清掃マシンと、ダム壁面に沿って自走するための走行手段とを備え、走行手段には機体をダム壁面に沿って昇降させるための昇降用車輪と、機体をダム壁面に沿って横行させるための横行用車輪と、横行用車輪を壁面に向かって進退させることにより昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に前記壁面に当接させる車輪切替え手段とを備えている。
【0004】
前記昇降用車輪と横行用車輪は、吊り下げられた機体の上端寄りの部分と下端寄りの部分とに設けられ、車輪切替え手段は上下両端部の横行用車輪を壁面に向かって進退させるように構成されている。
【0005】
又、特開平7−237198号公報には、橋脚の天端に設けた滑車に巻き掛けたウィンチロープで吊り下げる本体フレームと、本体フレームの橋脚壁面に沿って昇降させる走行手段と、洗浄液を加圧して壁面に噴射する高圧液清掃装置とを備える壁面清掃機が記載されている。
【0006】
この高圧液清掃装置は、橋脚に置かれた超高圧ウォータジェットユニットと、この超高圧ウォータジェットユニットで加圧された高圧水をアンビリカルホースで本体フレームに搭載された超高圧マニンホールドに導き、この超高圧マニンホールドから壁面に高圧水を噴射するように構成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−79030号公報
【特許文献2】
特開平7−237198号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載されている従来技術では、吊り下げた機体の上端寄りの部分と下端寄りの部分とに昇降用車輪と横行用車輪とが設けられ、車輪切替え手段は、機体の上端寄り及び下端寄りの両側の横行用車輪を壁面に向かって進退させるようにしているので、車輪切替え手段の構成が複雑になり、高価になるという問題がある。
【0009】
本発明に係る第1の壁面清掃機(以下、本第1発明という。)は、この従来技術の課題を解決し、車輪切替え手段の構成を簡単にして、安価できるようにした壁面清掃機を提供することを目的とする。
【0010】
次に、特許文献2に記載されている従来技術では、橋脚の段部に置かれた超高圧ウォータジェットユニット(高圧洗浄液供給源)から本体フレーム(機体)に搭載した超高圧マニンホールドに超高圧水を導く高圧水ホース(アンビリカルホース)が設けられている。
【0011】
前記高圧水ホースの長さは本体フレームが最も高く揚上された時の長さが必要であり、これよりも本体フレームが低く位置する時には、高圧水ホースの長さが余ることになる。この高圧水ホースの余長部分は、本体フレームやこれを吊下げているワイヤに絡んで本体フレームの昇降や横行の妨げになることがあり、これを避けるためには高圧水ホースの余長部分を巻き取るリールを設けるなどの余長処理が必要になり、構成が複雑になる。
【0012】
又、高圧水ホースはその内部を流動する高圧水の圧力が圧力変動すると、妄動して壁面や本体フレームを吊下げているワイヤに接触し、短時間のうちにホースに傷が付いたり、ホースが摩耗したりする。この妄動を防止するためにホースの適当な箇所をクレーンロープにチェーンやフックで吊り下げているが、この処理自体が豊富な経験を必要とする面倒な処理である上、吊り下げる部品とホースとの接触部分に荷重が集中するので、ホースが更に激しく傷付いたり摩耗したりするという問題がある。
【0013】
本発明に係る第2の壁面清掃機は、この従来技術の課題を解決し、高圧水ホースに妨げられることなく壁面に沿って移動でき、又、高圧水ホースの余長処理、損傷ないし破損などの問題が生じるおそれのない壁面清掃機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本第1発明に係る壁面清掃機は、前記目的を達成するため、構造物に揚上装置を介して吊持される機体と、前記構造物の壁面に沿って機体を昇降させるための昇降用車輪と、該壁面に沿って機体を横行させるための横行用車輪と、これら昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に前記壁面に当接させる車輪切替え手段とを備える壁面清掃機において、前記昇降用車輪と横行用車輪とが機体の上半部と下半部との一方のみに支持され、その他方に昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪が支持されることを特徴とするという技術的手段を採用する。
【0015】
これによれば、自在車輪は首振り回転をすることにより自由にその転動方向を転換することができるので、昇降用車輪を壁面に転接させて機体をクレーンで昇降させると、自在車輪はその車輪が昇降方向に転動するように首を振って昇降方向に転動するようになり、横行用車輪を壁面に転接させて駆動すれば、横行用車輪の転動方向に転動するように首を振ってその転動方向に転動するようになる。
【0016】
従って、自在車輪が設けられる機体の上半部と下半部とのいずれか一方には、昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に壁面に当接させる車輪切替え手段がなく、機体の上半部と下半部との両方に車輪切替え手段を設ける従来技術に比べて部品点数が少なく、その構成を簡単にできると共に、安価に製造できる。
【0017】
又、自在車輪は昇降用車輪と横行用車輪とに兼用されるので、車輪数が少なくなる。
【0018】
なお、本第1発明において、構造物とは、人が構築した物を含み、例えばコンクリートダム、高層ビル、橋脚などがその例として挙げられる。
【0019】
又、本第1発明において、揚上装置とは、チェーン、ワイヤロープなどの条体により荷物を吊り下げ、その条体の遣り取りによって荷物を昇降させる荷役装置を言い、走行機能を有するものと走行機能を有しないものとが含まれる。走行機能を有する揚上装置としては自力又は外力により移動するクレーン、ホイストなどがあり、走行機能を有しないものとしては、例えば構造物の天端又は屋上に設けた滑車と、この滑車に巻き掛けたロープなどの条体を巻き取るウィンチとを備えるものがある。
【0020】
更に、この明細書では、機体の上半部とは、機体を揚上装置で垂直に吊下げた状態で機体の上側の半分という意味であり、機体の下半部とは、機体を揚上装置で垂直に吊下げた状態で機体の下側の半分という意味である。加えて、この明細書で左右とは構造物の壁面に向かっての左右を意味する。
【0021】
ところで、本第1発明において、機体に昇降用車輪を駆動する昇降駆動手段を搭載して、機体を上下方向に自走できるように構成することが可能であるが、専ら揚上装置により機体を昇降させるようにしてもよい。又、機体に横行用車輪を駆動する横行駆動手段を搭載して、機体を横行方向に自走できるようにしてもよいが、揚上装置の横行に随伴して機体が横行するようにしてもよい。
【0022】
昇降用車輪を駆動する昇降駆動手段が設けられると、壁面の傾斜が緩い時や壁面が逆傾斜している場合にこの走行駆動手段を作動させることにより機体を確実に走行させることができるので有利であり、又、横行用車輪を駆動する走行駆動手段を設けると、クレーンなどの揚上装置で吊り下げた機体の振り子運動を防止して正確に機体の横行を制御できるので有利である。
【0023】
前記昇降駆動手段としては、昇降用車輪を駆動する駆動機と、この駆動機を作動させるエネルギを供給するエネルギ供給源と、エネルギ供給源から前記駆動機にエネルギを伝送するエネルギ伝送手段とを備える。
【0024】
又、前記横行駆動手段としては、横行用車輪を駆動する駆動機と、この駆動機を作動させるエネルギを供給するエネルギ供給源と、エネルギ供給源から前記駆動機にエネルギを伝送するエネルギ伝送手段とを備える。
【0025】
前記駆動機としては、電動機、油圧モータ、水圧モータ、エンジン(内燃機関)などの回転機型のエネルギ変換手段が用いられ、又、エネルギ供給源としては、例えば電力を供給する電源、加圧された作動油を供給する圧油供給源、加圧水を供給する加圧水供給源、液体燃料又は気体燃料を供給する燃料供給源などが用いられる。又、前記エネルギ伝送手段としては、電線、油圧配管、加圧水配管、燃料配管などが用いられる。
【0026】
ここで、前記駆動機は昇降用車輪及び/又は横行用車輪と機械的に連動させるために壁面清掃機に搭載されるが、前記駆動エネルギ源は、壁面清掃機に搭載せずに、例えばダムの天端、ビルの屋上などに設けたクレーンに搭載したり、ダムの天端、ビルの屋上、構造物に設けられている段部など構造物又はこれに設けた揚上装置に支持させたりすることができる。
【0027】
駆動エネルギ源を壁面清掃機に搭載せずに、構造物や揚上装置に搭載する場合には、機体の構造を簡単にできると共に、揚上装置の負荷を軽減できるという利点を得ることができる。
【0028】
なお、この場合には、構造物や揚上装置に搭載された駆動エネルギ源と構造物の壁面に沿って移動する機体との間にコード、ホースなどのエネルギ伝送手段が設けられ、これの余長部分を巻き取るリールが設けられるが、このリールは駆動エネルギ源側、即ち、構造物や揚上装置に設けてもよく、又、機体に搭載してもよい。
【0029】
一方、前記駆動エネルギ源とエネルギ伝送手段とを機体に搭載する場合には、エネルギ伝送手段を短くして伝送ロスを少なくできると共に、エネルギ伝送手段を安価にできる上、構造物や揚上装置に支持させたエネルギ供給源から機体に延出されるエネルギ伝送手段の余長部分の処理、壁面との接触による損傷や摩耗などの問題から解放されるという利点を得ることができる。
【0030】
ところで、前記昇降用車輪は左右軸心の周りに回転可能に機体に支持され、専ら壁面に沿って機体を昇降させる時に壁面に転接させる車輪のことであり、又、横行用車輪は上下軸心周りに回転可能に機体に支持され、専ら壁面に沿って機体を左右方向に横行させるときに壁面に転接させる車輪のことであり、これらは昇降時にも横行時にも壁面に転接させる自在車輪とは異なる。
【0031】
これら昇降用車輪と横行用車輪との一方又は両方は壁面に向かって進退可能に支持され、車輪切替え手段により選択的に壁面に当接させる。即ち、車輪切替え手段としては、昇降用車輪のみを壁面に向かって進退させ、この昇降用車輪を壁面に当接させて横行用車輪を壁面から離隔させるものと、横行用車輪のみを壁面に向かって進退させ、この横行用車輪を壁面に当接させて昇降用車輪を壁面から離隔させるものと、昇降用車輪と横行用車輪とを互いに逆方向で壁面に向かって進退させ、その一方を壁面に当接させることにより他方を壁面から離隔させるものとが含まれる。
【0032】
これらの中では、構成を簡単にすると共に、揚上装置の負荷を軽減するために、昇降用車輪と横行用車輪とのいずれか一方を壁面に向かって進退可能に支持させ、この壁面に向かって進退する昇降用車輪又は横行用車輪を駆動する車輪切替え手段を設けることが好ましい。
【0033】
前記車輪切替え手段は、壁面に向かって進退可能に設けられた昇降用車輪及び/又は横行用車輪を壁面に向かって進退させるように構成してあればよく、昇降用車輪及び/又は横行用車輪を壁面に向かって垂直にあるいは傾斜方向に直線的に進退させるものであっても、所定の点又は軸を中心に回転させることにより壁面に向かって進退させるものであってもよい。
【0034】
この車輪切替え手段としては、特に限定されないが、短時間で壁面に当接させる車輪を切替えるために、電動シリンダ、油圧シリンダ、水圧シリンダなどのシリンダ、あるいは電動機、油圧モータ、水圧モータなどの回転機を備えることが好ましい。
【0035】
なお、車輪切替え手段にシリンダとシリンダの伸縮を回転に変換する動作変換機構や、回転機と回転機の回転を直線移動に変換する動作変換機構を備えてもよいが、構成を簡単にすると共に、揚上装置の負荷を軽減するために、シリンダの伸縮あるいは回転機の回転で直接的に昇降用車輪及び/又は横行用車輪を壁面に向かって進退させるように構成することが好ましい。
【0036】
車輪切替え手段は、前記シリンダあるいは回転機からなる進退駆動機の他に、この進退駆動機を作動させるエネルギを供給するエネルギ供給源と、エネルギ供給源から前記駆動機にエネルギを伝送するエネルギ伝送手段とを備える。
【0037】
これらエネルギ供給源と、エネルギ伝送手段とについての詳細な説明は、前記昇降駆動手段及び横行駆動手段のそれらと同様であるので、ここでは省略することにする。
【0038】
次に、本第2発明は、前記目的を達成するため、構造物に揚上装置を介して吊持される機体に、洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、この洗浄液を加圧する高圧水発生装置と、加圧された洗浄液を構造物の壁面に噴出するノズルとを備える高圧液清掃装置が搭載されることを特徴とするという技術的手段を採用する。
【0039】
これによれば、機体外から機体に洗浄液を供給するための洗浄液ホースを設ける必要がないので、この洗浄液ホースに妨げられることなく壁面清掃機を壁面に沿って昇降させたり、横行させたりすることができる上、洗浄液ホースの余長処理、損傷、摩耗などの問題から解放される。
【0040】
ところで、本第2発明において、洗浄液タンクに貯留される洗浄液としては、洗剤が溶解されている水を用いてもよいが、環境保護を図るという観点からは水道水などの洗剤が添加されていない水を用いることが好ましく、雨水、河川水、湖水などの天然水や水道水を用いることが更に好ましい。
【0041】
又、前記洗浄液タンクは、機体に搭載してあればよいが、機体が壁面から浮き上がることを防止するために、その重心が機体を吊り下げている揚上装置の索条、例えばクレーンロープが連結される位置よりも壁面から離れた位置に位置するように機体に支持させることが好ましい。
【0042】
なお、この洗浄液タンクの形状、容量などは自由に設計することが好ましく、又、当該洗浄液タンクから導出される洗浄液から所定の粒径以上の異物を除去するストレーナを備えていることが好ましい。
【0043】
前記高圧液発生装置は、洗浄液タンクに貯留されている洗浄液を導入し、加圧して吐出するように構成してあればよく、例えば洗浄液タンクから洗浄液を導入し、加圧して吐出するポンプで構成すればよい。
【0044】
このポンプとしては、渦巻きポンプ、スクリューポンプその他の公知の液体ポンプを用いることができるが、液体を高圧に加圧することが容易なプランジャポンプを用いることが好ましい。
【0045】
このポンプを駆動するポンプ駆動機としては、油圧モータ、水圧モータなどの加圧流体の圧力で駆動される流体モータ、電磁力で駆動される電動機、液体又は気体燃料の爆発力で駆動されるエンジン(内燃機関)などを用いることができるが、これらの中では大気汚染を防止でき、運転騒音が少なく、しかも、構成が簡単になる電動機を用いることが好ましい。
【0046】
この電動機に電力を供給する電源は、外部に設置されている商用電源、発動発電機などの外部電源を用いることも可能であるが、これら外部電源に電動機を接続するコードの余長処理、損傷、断線などの問題から解放されるために、機体に例えばバッテリからなる電源を搭載することが好ましい。
【0047】
ここで、電源として、例えば鉛蓄電池のようにある程度重量のあるものを用いると、その重量を利用して機体が壁面から離隔することを防止することできる。
【0048】
なお、ポンプをエンジンで駆動する場合には燃料タンク付きの発動発電機を機体に搭載すればよい。
【0049】
前記ノズルは壁面に向かって加圧された洗浄液を噴射できるように形成されていればよく、機体に対する設置位置、壁面からの距離、開口口数、ノズル孔の形状、ノズル孔の口径などは適宜設計すればよい。
【0050】
又、本第2発明においては、前記洗浄液タンク、高圧液発生装置及びノズルを接続する洗浄液配管が設けられるが、この洗浄液配管は内部を流動する洗浄液の圧力変動により妄動することを防止するため、塩ビ管などの合成樹脂管、鉛管、銅管、鉄管、鋼管などの金属管、特に金属管を用いることが好ましく、又、適当な位置でパイプクランプなどにより機体に固定することが好ましい。
【0051】
なお、この配管に開閉弁、圧力設定弁、流量調整弁などを介在させてもよい。
【0052】
ところで、本第2発明において、前記高圧液清掃装置に加えて、前記壁面に摺接させる清掃ブラシを機体に支持させて、この清掃ブラシを壁面に擦りつけて清掃できるようにしてもよい。
【0053】
これによれば、液体の噴射による清掃に加えて清掃ブラシにより壁面をブラシ洗浄できるので、壁面を効率良く確実に清掃できるようになる。
【0054】
この清掃ブラシは、機体に固定的に設けてもよいが、壁面に対して垂直な軸心あるいは壁面に平行な軸心の周りに回転可能に設けることにより清掃効果を高めることが好ましい。
【0055】
清掃ブラシを回転可能に機体に支持させる場合、この清掃ブラシを回転自在に機体に支持させてもよいが、清掃効率を高めるために、清掃ブラシを駆動するブラシ駆動手段を設け、清掃ブラシを強制回転させることが好ましい。
【0056】
このブラシ駆動手段は、清掃ブラシを駆動するブラシ駆動機と、このブラシ駆動機を作動させるエネルギを供給するエネルギ供給源と、エネルギ供給源から前記駆動機にエネルギを伝送するエネルギ伝送手段とを備える。
【0057】
このブラシ駆動機としては、電動機、油圧モータ、水圧モータ、エンジン(内燃機関)などの回転機型のエネルギ変換手段を用いればよい。
【0058】
なお、これらのエネルギ供給源と、エネルギ伝送手段とについての詳細な説明は、前記昇降駆動手段、横行駆動手段及び車輪切替え手段のそれらと同様であるので、ここでは省略することにする。
【0059】
又、この清掃ブラシは、洗浄液が噴射された壁面に摺接するように設けてもよく、この清掃ブラシで清掃した壁面に洗浄液が噴射されるように設けてもよい。もちろん、清掃ブラシの例えば上下に前記ノズルを配置し、その上側又は下側でノズルから壁面に洗浄液を噴射して汚れを壁面から浮かし、この後、清掃ブラシを壁面に擦りつけて壁面に残っている汚れを掻取り、更にこの後、壁面に洗浄液を噴射して掻き取られた汚れを壁面から洗い流すようにしてもよい。
【0060】
この清掃ブラシを設ける場合には、上述したように、洗浄液タンク及びこれに貯留された洗浄液の重量などを利用して機体に支持させた清掃ブラシが壁面に当接する接触圧を高めると共に清掃ブラシが壁面から離隔することを防止することができるが、更に、この清掃ブラシの壁面への接触圧を調整する接触圧調整手段が設けられることが好ましい。
【0061】
この接触圧調整手段としては、例えば機体の揚上装置との連結点よりも壁面から遠い位置に、かつ、位置変更可能に機体に支持されるウェイトを備え、このウェイトの位置により清掃ブラシの壁面への接触圧を調整するようにしたものを採用することができる。
【0062】
又、前記清掃ブラシは壁面に向かって進退可能に機体に支持させることができ、この場合には、前記接触圧調整手段が、前記ウェイトと共に、又は、これに代えて、機体と清掃ブラシとの間に清掃ブラシを壁面に押圧する付勢手段を備えるものを採用することができる。
【0063】
これによれば、壁面の凹凸による清掃ブラシの接触圧の増減が付勢手段により吸収されるので好ましい。
【0064】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例に係る壁面清掃機を図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りである。図面において、図1は本発明の一実施例に係る壁面清掃機の側面図であり、図2はその正面図であり、図3はその使用状態を例示する側面図である。
【0065】
この図3に示すように、本発明の一実施例に係る壁面清掃機1は、コンクリートダムからなる構造物2の天端3上を走行するクレーンからなる揚上装置4に吊下げられる機体5と、この機体5を前記コンクリートダム2の壁面6に沿って走行させるための走行装置7と、高圧水清掃装置からなる高圧液清掃装置8と、ブラシ清掃装置9と、接触圧調整手段10とを備えている。
【0066】
図1と図2とに示すように、前記走行装置7は、前記機体5の下半部に左右軸心周りに回転自在に支持され、前記コンクリートダム2の壁面6に転接させる左右の昇降用車輪11と、この機体5の下半部に進退ビーム12を介して壁面6に向かって進退可能に、かつ上下軸心周りに回転可能に支持され、前記コンクリートダム2の壁面6に転接させる左右の横行用車輪13と、この横行用車輪13を前記壁面6に向かって進退させる左右の電動シリンダからなる車輪切替え手段14と、前記機体5の上半部に支持された自在車輪15と、前記横行用車輪13を駆動する横行駆動手段16とを備えている。
【0067】
図4はこの横行駆動手段16の平面図であり、図2とこの図4に示すように、前記進退ビーム12は、その左右両端部を機体5の下面に固定されたガイド枠41により昇降案内され、その左右両端寄り部分に左右の横行用車輪13を回転自在に支持させている。
【0068】
前記横行駆動手段16は前記進退ビーム12の左右方向中央部の前面に固定された電動機からなる駆動機17と、この駆動機17の回転軸18に固定された駆動スプロケット19と、左右各横行用車輪13の輪軸の上端部に固定された従動スプロケット20と、これらの駆動スプロケット19と左右の従動スプロケット20とにわたり正掛けされたチェーン21とを備え、必要に応じて、図4に示すように、このチェーン21の弛みを無くすためのアイドラ22を備えている。
【0069】
図1に示すように、前記高圧液清掃装置8は、洗浄液としての天然水又は水道水を貯留する水タンクからなる洗浄液タンク23と、この洗浄液タンク23から水を吸引し、所定の圧力に加圧して吐出する電動プランジャポンプからなる高圧液供給装置24と、加圧された高圧水を壁面6に噴射するノズル25とを備え、これら洗浄液タンク23、高圧液供給装置24及びノズル25は例えば鋼管からなる配管と共に機体5に搭載されている。
【0070】
なお、前記洗浄液タンク23と高圧水供給ポンプとを接続する配管の部分には所定の粒径以上の固形異物をろ過するスラッジストレーナとエアトラップとを介在させている。
【0071】
前記ブラシ清掃装置9は、回転支軸26を介して左右軸心周りに回転自在に機体5に支持させた左右のアーム27と、左右のアーム27の中間部どうしを連結する連結ロッド42と、左右のアーム27の遊端部に左右軸心周りに回転自在に支持された清掃ブラシ28と、この清掃ブラシ28が跳ね上げる汚物の周囲への放散を防止するカバー29と、前記清掃ブラシ28を駆動するブラシ駆動手段30とを備えている。
【0072】
このブラシ駆動手段30は、機体5の前面に支持された電動機からなるブラシ駆動機31と、前記清掃ブラシ28の中心軸32の一端部(ここでは右端部)とを連動させるチェーン伝動手段33とを備え、機体5の上昇時と下降時とで異なる方向に清掃ブラシ28を回転させ、横行時には清掃ブラシ28を停止させるようにしている。
【0073】
前記接触圧調整手段10は、機体5の上部にピン34を介して左右軸心周りに回転可能に枢着されたアーム35と、機体5の下部に別のピン36を介して左右軸心周りに回転可能に支持され、前記アーム35の先端部を支承するサポート37と、前記アーム35の先端寄り部分に支持させたウェイト38を備えている。
【0074】
そして、このサポート37がアーム35を支承する位置を連続的に、又は段階的に調整することにより、ウェイト38の壁面6からの位置、即ち、機体5のクレーンとの連結点39との前後間隔を調整して、該連結点39の周りに生じるモーメントを調節し、これにより前記清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を調整するようにしている。
【0075】
例えば清掃ブラシ28の摩耗が進んで清掃ブラシ28の壁面6への接触圧が低下した時に、このウェイト38を壁面6から遠ざかった位置に移動させると、前記連結点39の周りに生じるモーメントが大きくなり、清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を回復させることができる。
【0076】
又、前記接触圧調整手段10は、機体5とブラシ清掃装置9の連結ロッド27とにわたって架着され、清掃ブラシ28を壁面6に押圧するガスクッションからなる付勢手段40を備え、壁面6の凹凸による接触圧の増減を吸収するようにしている。
【0077】
前記車輪切替え手段14、横行駆動手段16の駆動機17、高圧液清掃手段8の高圧液供給装置及びブラシ清掃装置9のブラシ駆動機31に電力を供給する電源は、機体5に搭載することも可能であるが、ここでは機体5の構成を簡単にすると共に、揚上装置4の負荷を軽減するために、機体5に配電盤と、前記車輪切替え手段14、横行駆動手段16の駆動機17、高圧液清掃手段8の高圧液供給装置及びブラシ清掃装置9のブラシ駆動機31を個別にオン・オフする5個のスィッチを含む電気配線とを搭載し、電源としては前記揚上装置4に引込まれた商用電源を用い、この電源と配電盤とを動力線で接続するようにしている。
【0078】
又、このコードの余長部分を巻き取るリールは、機体5の構造を簡単にすると共に、揚上装置4の負荷を軽減するために、前記揚上装置4に搭載している。
【0079】
更に、前記各スィッチは、揚上装置4と機体との間の配線を単純にするために、無線操作によりオン・オフされるようにしているが、これらスィッチをオン・オフさせる信号を前記動力線に乗せて揚上装置4に送信するようにしてもよい。
【0080】
なお、前記ノズル25は、清掃ブラシ28の上側と下側とに2列に並べて、各列には左右に適当な間隔を置いて適当数配置される。
【0081】
さて、この壁面清掃機1は、上述したように、前記昇降用車輪11と横行用車輪13とが機体5の下半部のみに設けられ、上半部に昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪15が設けられるので、これによれば、機体5の下半部に設けた横行用車輪13のみを昇降させる車輪切替え手段14を設ければよく、従来技術に比べて車輪切替え手段14の構成が簡単になり、安価に製造できる。
【0082】
又、この壁面清掃機1は、構造物2に揚上装置4を介して吊持される機体5に、洗浄液を貯留する洗浄液タンク23と、この洗浄液を加圧する高圧液発生装置24と、加圧された洗浄液を構造物2の壁面6に噴出するノズル25とを備える高圧液清掃装置8が搭載されるので、構造物2又は揚上装置4に設けられた洗浄液タンク又は高圧液発生装置から機体5に洗浄液を導くホースを設ける必要がなく、このホースにより機体5の走行が妨げられるおそれがなくなると共に、ホースの余長処理や壁面との接触による損傷、摩耗などの問題から解放される。又、この壁面清掃機によれば、構造物2又は揚上装置4に設けられた洗浄液タンク又は高圧液発生装置から機体5に洗浄液を導くホースを省略して、ホースの流動抵抗による圧力ロスをきわめて大幅に減少させることができ、高圧液発生装置の負荷を大幅に減少させることができる。
【0083】
更に、この壁面清掃機1は、前記機体5に、前記構造物2の壁面6に摺設させる清掃ブラシ28を支持させているので、高圧液清掃に加えてブラシ清掃により壁面6を清掃して、清掃効率を高めることができる。
【0084】
しかも、この清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を調整する接触圧調整手段10が設けられているので、清掃ブラシ28を適正な接触圧で壁面6に接触させて、ブラシ清掃の清掃効率を一定以上に保持できると共に清掃ブラシ28が短期間で摩耗することを防止することができる。
【0085】
又、この接触圧調整手段10が、機体5の揚上装置4との連結点39よりも壁面6から遠い位置に、即ち、前方に、かつ、位置変更可能に機体5に支持されるウェイト38を備え、このウェイト38の位置により清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を調整するようにしているので、簡単で安価な構成で、簡単に清掃ブラシ28の壁面6への接触圧を調整することができる。
【0086】
更に、この壁面清掃機1は、前記清掃ブラシ28が壁面6に向かって進退可能に機体5に支持され、前記接触圧調整手段10が、前記ウェイト38と共に、機体5と清掃ブラシ28との間に架着され、清掃ブラシ28を壁面6に押圧する付勢手段40を備えるので、この付勢手段40で壁面6の凹凸による接触圧の変動を吸収し、適正な接触圧で清掃ブラシ28を壁面6に接触させることができる。
【0087】
なお、機体5の構成をより簡単にすると共に、揚上装置4の負荷をさらに軽減するために、図5に示すように、機体5上に洗浄液タンク23及び高圧液供給装置24を配置せず、揚上装置4に併設した高圧液供給装置(図示せず)から高圧ホース41を介して高圧洗浄液を供給する構成としてもよい。このとき、高圧ホース41をホース固定手段42により、機体5に固定することが好ましい。
【0088】
上記構成とした壁面清掃機1も、上述したように、機体5の下半部に設けた横行用車輪13のみを昇降させる車輪切替え手段14を設ければよく、従来技術に比べて車輪切替え手段14の構成が簡単なうえ、さらに安価に製造できる。
【0089】
【発明の効果】
以上に説明したように、本第1発明の壁面清掃機は、構造物に揚上装置を介して吊持される機体と、前記構造物の壁面に沿って機体を昇降させるための昇降用車輪と、該壁面に沿って機体を横行させるための横行用車輪と、昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に前記壁面に当接させる車輪切替え手段とを備える壁面清掃機において、前記昇降用車輪と横行用車輪とが機体の上半部と下半部との一方のみに支持され、その他方に昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪が支持されることを特徴とするので、機体の上半部と下半部とのうち自在車輪が設けられる方の車輪切替え手段がなくなるという作用が得られ、これにより、全体として、部品点数が少なくなる上、構成を簡単にできると共に、安価に製造できるという効果を得ることができる。
【0090】
又、機体の上半部と下半部とのうち自在車輪が設けられる方には、昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪を設ければよいので、車輪数が少なくなり、安価に製造できるようになるという効果を得ることができる。
【0091】
又、本第2発明の壁面清掃機は、構造物に揚上装置を介して吊持される機体に、洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、この洗浄液を加圧する高圧液発生装置と、加圧された洗浄液を構造物の壁面に噴出するノズルとを備える高圧液清掃装置が搭載されることを特徴とするので、構造物又は揚上装置から機体に洗浄液を供給するホースがなくなるという作用を得ることができ、これにより、構造物又は揚上装置から機体に洗浄液を供給するホースにより機体の走行が妨げられるおそれがなくなるという効果を得ることができる。
【0092】
又、この作用により、構造物又は揚上装置から機体に洗浄液を供給するホース及びその余長部分を巻き取るリールが不要になり、構成を簡単にできると共に、安価に製造できるという効果を得ることができる。
【0093】
更に、この作用により、構造物又は揚上装置から機体への洗浄液の供給に対する圧力ロスがなくなり、高圧液発生装置の負荷を大幅に減少させることができ、壁面への洗浄液噴射圧を高めたり、高圧液発生装置の低出力化や小型化を図ったりすることができるという効果を得ることができる。
【0094】
本第2発明において、前記機体に、前記構造物の壁面に摺設させる清掃ブラシを支持させ、この清掃ブラシの壁面への接触圧を調整する接触圧調整手段が設けられると、高圧液清掃に加えてブラシ清掃により壁面を清掃できるので、清掃効率を高めることができる上、清掃ブラシの接触圧を適当な範囲に維持することより、清掃ブラシが短期に摩耗することを防止することができるという効果を得ることができる。
【0095】
ここで、前記接触圧調整手段が、機体の揚上装置との連結点よりも壁面から遠い位置に、かつ、位置変更可能に機体に支持されるウェイトを備え、このウェイトの位置により清掃ブラシの壁面への接触圧を調整するように構成されると、簡単で安価な構成で、しかも、簡単な操作で清掃ブラシ壁面への接触圧を調整できるという効果を得ることができる。
【0096】
又、ここで、前記清掃ブラシが壁面に向かって進退可能に機体に支持され、前記接触圧調整手段に、前記ウェイトと共に、又は、これに代えて、機体と清掃ブラシとの間に清掃ブラシを壁面に押圧する付勢手段が設けられると、この付勢手段により壁面の凹凸による接触圧の変動が吸収されるので、清掃ブラシの壁面への接触圧が安定するという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の側面図である。
【図2】本発明の正面図である。
【図3】本発明の側面図である。
【図4】本発明の平面図である。
【図5】本発明の側面図である。
【符号の説明】
1 構築物
4 揚上装置
5 機体
6 壁面
8 高圧液清掃装置
9 ブラシ清掃装置
10 接触圧調整手段
11 昇降用車輪
13 横行用車輪
14 車輪切替え手段
15 自在車輪
23 洗浄液タンク
24 高圧液発生装置
25 ノズル
28 清掃ブラシ
38 ウェイト
40 付勢手段
Claims (5)
- 構造物に揚上装置を介して吊持される機体と、前記構造物の壁面に沿って機体を昇降させるための昇降用車輪と、該壁面に沿って機体を横行させるための横行用車輪と、昇降用車輪と横行用車輪とを選択的に前記壁面に当接させる車輪切替え手段とを備える壁面清掃機において、
前記昇降用車輪と横行用車輪とが機体の上半部と下半部との一方のみに支持され、その他方に昇降用車輪と横行用車輪とに兼用される自在車輪が支持されることを特徴とする壁面清掃機。 - 構造物に揚上装置を介して吊持される機体に、洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、この洗浄液を加圧する高圧液発生装置と、加圧された洗浄液を構造物の壁面に噴出するノズルとを備える高圧液清掃装置が搭載されることを特徴とする壁面清掃機。
- 前記機体に、前記構造物の壁面に摺設させる清掃ブラシを支持させ、この清掃ブラシの壁面への接触圧を調整する接触圧調整手段が設けられることを特徴とする請求項2に記載の壁面清掃機。
- 前記接触圧調整手段が、機体の揚上装置との連結点よりも壁面から遠い位置に、かつ、位置変更可能に機体に支持されるウェイトを備え、このウェイトの位置により清掃ブラシの壁面への接触圧を調整するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の壁面清掃機。
- 前記清掃ブラシが壁面に向かって進退可能に機体に支持され、前記接触圧調整手段が、前記ウェイトと共に、又は、これに代えて、機体と清掃ブラシとの間に清掃ブラシを壁面に押圧する付勢手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の壁面清掃機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006090493A1 (ja) * | 2005-02-23 | 2006-08-31 | Kabushiki Kaisha Hiramatsu | 自走式洗車機 |
KR100821749B1 (ko) | 2007-03-22 | 2008-04-14 | 대우조선해양 주식회사 | 고소 작업용 로봇 플랫폼 주행바퀴의 이물질 제거장치 |
JP2010042924A (ja) * | 2008-08-18 | 2010-02-25 | Kayaba Ind Co Ltd | 搬送装置 |
CN101811300A (zh) * | 2009-02-23 | 2010-08-25 | 张周新 | 物体的行走机构 |
CN108149823A (zh) * | 2018-01-29 | 2018-06-12 | 江达飞 | 具有自动清洁机的玻璃幕墙 |
CN113875605A (zh) * | 2021-10-27 | 2022-01-04 | 珠海一微半导体股份有限公司 | 一种双移动结构的圈舍清洁机器人及其控制方法 |
-
2002
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