JP2004146480A - ホイスラー磁性層と体心立方構造の非磁性中間層を積層した磁気抵抗効果素子および磁気ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のCuなどの中間層からなる磁気抵抗効果積層膜ではホイスラー合金を用いても十分な再生出力が得られなかった。
【解決手段】非磁性層中間層としてCrなどの体心立方構造、もしくは非磁性ホイスラー合金の構造を配置することで、強磁性ホイスラー合金膜を用いた磁気抵抗効果素子を良好な特性で得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】非磁性層中間層としてCrなどの体心立方構造、もしくは非磁性ホイスラー合金の構造を配置することで、強磁性ホイスラー合金膜を用いた磁気抵抗効果素子を良好な特性で得ることができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録再生装置、特に高記録密度の磁気記録再生装置に好適な磁気ヘッドおよびそれを構成するのため磁気抵抗効果素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−16920号公報には、積層逆平行ピン止め層と反強磁***換バイアス層を用いたスピンバルブ磁気抵抗センサの記載がある。特開平7−169026号公報には反強磁性的結合層を用いたスピンバルブセンサの記載がある。
【0003】
特開2000−156530号公報には磁化が実質的に固定された第2の磁性層に酸化物などの第3の層を含んだ磁気抵抗効果素子の記述がある。
【0004】
特開2000−340859号公報には磁性層にスピン分極率の高い酸化物を用い、膜面に垂直に電流を流す磁気抵抗効果型ヘッドの記載がある。
【0005】
特開2000−150985号公報には高分極率膜を用いたトンネル磁気抵抗効果素子の記載がある。特開平11−135857号公報にはトンネルバリア層側に高分極率膜を用いた磁気抵抗効果素子の記載がある。
【0006】
特開平11−289115号公報には非磁性層を介して強磁性体と半導体あるいはハーフメタルを接続したスピン偏極素子の記載がある。アプライド フィジックス レターズ誌第73巻1008〜1010頁(Appl.Phys.Lett.73,1008(1998))にはハーフメタルとしてLaSrMnO3を用いた強磁性トンネル結合に関する記載がある。
【0007】
アプライド フィジックス レターズ誌第74巻4017〜4019頁(Appl.Phys.Lett.74,4017(1999))には鉄酸化物とCoを用いた強磁性トンネル磁気抵抗効果の記載がある。
【0008】
特開平11−97766号公報にはハーフメタル酸化物層を用いた強磁性トンネル接合素子の記載がある。特表平8−504303号公報にはFe3O4などの半金属材料を用いた磁気抵抗デバイスの記載がある。
【0009】
特開平6−267742号公報にはハーフメタルから成る磁性層を用いた磁気抵抗効果素子の記載がある。特開平7−73416号公報には軟質能動層にイクスチェンジ層を隣接したMR型読み出しトランスデューサーの記載がある。
【0010】
ジャーナル オブ マグネティズム アンド マグネティック マテリアルス誌、93巻、(1991)、58から66頁(J.Magn.Mag.Matt,93(1991)58−66)にはFe/Cr、Co/Crなどの多層膜もしくはサンドイッチ膜で反平行結合が生じることが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、特にその再生部において、外部磁界に対して十分な感度と出力を有し、かつ対称性のよい特性をする磁気抵抗効果素子を実現することができず、十分に記録密度の高い磁気記録装置を実現することが困難であった。
【0012】
近年、上記再生部を構成する材料として、強磁性金属層を非磁性金属層を介して積層した多層膜からなる磁気抵抗効果膜を用いた、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子が実用化されている。この場合、非磁性層で隔てられた強磁性層間の磁化と磁化のなす角度によって電気抵抗が大きく変化する磁気抵抗効果が利用される。
【0013】
上記巨大磁気抵抗効果素子として磁気ヘッドなどに用いる場合、スピンバルブとよばれる構造が提唱されている。スピンバルブ構造は、例えば反強磁性膜/強磁性金属層/非磁性金属層/軟磁性金属層からなる積層構造を有し、上記の反強磁性膜/強磁性金属層の界面に発生する交換結合磁界によって反強磁性膜と密着した強磁性金属層の磁化を実質的に固定し、他方の軟磁性金属層が外部磁界によって磁化回転することで生ずる抵抗変化を元に出力を得ることができる。
【0014】
ここで、以下では上記固定の効果を固定バイアス、この効果を生じる反強磁性膜を固定バイアス層とよぶことにする。また、上記磁化が実質的に固定される強磁性金属層を固定層、もしくは強磁性固定層とよぶことにする。同様に外部磁場によって磁化回転する軟磁性金属層を自由層もしくは軟磁性自由層とよぶことにする。固定層は、感知すべき磁界に対して実質的に磁化が固定されていることがその所要とする機能であり、反強磁性膜の代わりに硬磁性膜、すなわち比較的大きな磁界が加わらない限り磁化が変化しない材料で代替することもできる。
【0015】
上記のようなスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜を用いた磁気ヘッドでは、強磁性層//非磁性層/軟磁性層の部分がその磁気抵抗効果の大きさを決定する部分である。軟磁性金属層も強磁性金属層の一種であるから、強磁性金属層/非磁性金属層の界面が上記効果の本質をになうことになる。公知の技術で強磁性金属層に酸化物を挿入したり、強磁性金属層の一部を酸化したりすることで抵抗変化率を向上できることが知られている。
【0016】
また、一方で高分極率材料の適用によって磁気抵抗効果を増大せしめることも提唱されている。しかし、実際に強磁性金属層などの金属薄膜層と高分極率を有する酸化物などの化合物層とを積層して磁気抵抗効果素子を実現することはきわめて困難であった。これは例えば、高分極率材料が酸化物などの化合物からなるために、金属層と積層すると、金属層と反応し、あるいは化合物成分が金属層に拡散して非化学量論組成となって、特性を悪化させるためである。
【0017】
さらに、高分極率材料として金属であって酸素等の反応はないホイスラー合金も提唱されているが、L21構造とよばれる複雑な規則構造でないと強磁性などの特性を有さないため、通常の成膜工程で作製するとアモルファスや微結晶、もしくは異なる結晶構造が形成される問題がある。
【0018】
例えば日本応用磁気学会第25回学術講演集および日本応用磁気学会誌にはCo2MnGeホイスラー合金薄膜の形成が述べられ、熱処理温度400℃でホイスラー合金の規則化が認められている。しかし、良好な結晶性のホイスラー薄膜を得るのに熱処理温度を400℃程度に上げる必要があるとすると、そのような高い温度での熱処理は、他の金属層との極薄い積層構成の形成を困難にする。また、極薄い金属層との平坦な界面形成を妨げるだけでなく、高分極率層と他の金属層、例えばCoFe層との反応を促進し、やはり良好な高分極率層の形成を妨げてしまうことから、高分極率層と金属層を積層した磁気抵抗効果膜の積層は困難であった。
【0019】
また、非磁性中間層として従来よく用いられたのはCuである。Cuは電気抵抗が低く、導電性に優れるとともに、CoやNiFeなどと同じ面心立方構造の結晶格子を有するため、巨大磁気抵抗効果積層膜の非磁性中間層としてよく用いられている。しかしながら、強磁性層がホイスラー合金などの面心立方構造でない場合にはCuよりも他の結晶構造の非磁性中間層の方が大きな磁気抵抗効果が得られる可能性がある。実際、強磁性層が体心立方構造を持つFeである場合、巨大磁気抵抗効果が比較的大きい組合せとして、同じ体心立方構造であるCrを用いたFe/Cr多層膜での巨大磁気抵抗効果が報告されている。
【0020】
そこで本発明の目的は高密度記録に対応した長期信頼性の高い磁気記録装置もしくは磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドを提供することにある。より具体的には、高分極率を有するホイスラー合金薄膜などの強磁性金属層を非磁性中間層との界面に有する抵抗変化率の高いスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を提供し、これを磁気ヘッドに用いた磁気記録再生装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明では高記録密度に対応した巨大磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗効果素子を磁気ヘッドに搭載した磁気記録装置を提供するために、上記磁気抵抗効果素子として用いるスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果積層膜、すなわち軟磁性自由層/非磁性中間層/強磁性固定層/反強磁性膜の積層構造を有する磁気抵抗効果素子を用いる。ここで反強磁性膜は強磁性固定層の磁化を実質的に固定するための交換結合バイアスを印加するものであって、直接強磁性固定層に密着して形成するか、あるいは間接的に磁気的結合を経て効果をもたらしてもよい。あるいは反強磁性膜の代わりに他のバイアス印加手段、例えば硬磁性膜の残留磁化を用いたり、電流バイアスを用いてもよい。
【0022】
本発明では、課題を解決して高記録密度に好適な磁気抵抗効果素子あるいはそれを用いた磁気ヘッドを搭載した磁気記録再生装置を得るために、上記強磁性固定層の少なくとも非磁性中間層との界面に高分極率層を配置する。または軟磁性自由層の少なくとも非磁性中間層との界面に高分極率層を配置する。強磁性固定層と軟磁性自由層の双方の非磁性中間層側の界面に高分極率層を配置してもよい。軟磁気特性や磁歪の適正化の観点から、強磁性固定層に用いるのが容易である。第1の強磁性層/非磁性挿入層/第2の強磁性層の積層体として形成した構成を採用する。
【0023】
高分極率層は、非磁性中間層に接する界面に配置されるが、ハーフメタルなどの強磁性化合物もしくは強磁性化合物と金属の混合体であって、特にホイスラー合金層で形成する。ホイスラー合金層はスパッタリングなどの手段で室温もしくは200℃以下の基板温度で他の金属層と連続積層して形成し、その後熱処理を行ってホイスラー合金の規則構造相を析出させて形成する。
【0024】
ここで、ホイスラー合金層とは、X2ZY(X=Co,Cu,Pt、Z=Mn,Cr,Fe、Y=Ge,Al,Si)型のホイスラー合金、すなわち、L21構造もしくはB2構造をとる合金の層である。
【0025】
高分極率層は強磁性を示し、強磁性固定層または軟磁性自由層を高分極率層単体で構成してもよいが、高分極率層と金属強磁性体などと積層して、例えば強磁性固定層として高分極率層/CoFe層/Ru層/CoFe層/反強磁性膜のような構成とすることで、高い抵抗変化率と高い交換結合磁界および適切な波形対称性を実現することができる。また、軟磁性自由層としては高分極率層/CoFe層/NiFe層のような積層構造とすることで、高い抵抗変化率と軟磁気特性を実現することができる。
【0026】
ホイスラー合金層との結晶の連続性を保つために、非磁性中間層としてはCrなどの体心立方構造を有する材料が望ましい。あるいは同様の理由から、L21型もしくはX2MnM(X=Cu,Pt、M=Ge,Al,Si)型の結晶構造を有する非強磁性の合金とする。
【0027】
積層構成からなる磁気抵抗効果素子には、電流を印加して出力を感知する少なくとも一対の電極を配置する。上記電流は、積層構成の層構造に平行に電流を流して界面散乱による巨大磁気抵抗効果を感知する。あるいは上記電流は積層構成の層構造に垂直に電流を流して、高分極率層の分極した電子が界面を透過して磁気抵抗を生じるようにして磁気抵抗効果を感知する。
【0028】
磁気抵抗効果素子は軟磁性自由層をノイズの発生を防止するため、単磁区化構成を有するとよい。例えば磁気抵抗効果素子の膜面方向でかつ感知すべき磁界の方向に垂直な両端部に残留磁化を有する硬磁性膜などを配置する。あるいは磁気抵抗効果素子の膜厚方向に隣接して配置した残留磁化を有する硬磁性膜などを配置して、磁気抵抗効果素子の積層構成と硬磁性膜を同一形状の端部を有するようにして端部の静磁気結合により単磁区化を実現してもよい。
【0029】
本発明ではこのような材料、構成、を用いた磁気抵抗効果型磁気抵抗効果素子と、これを再生部とした磁気ヘッドならびにそれを用いた磁気記録再生装置において、高記録密度、すなわち記録媒体上に記録される記録波長が短くかつ記録トラックの幅が狭い記録を実現して、十分な再生出力を得、記録を良好に保つことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の巨大磁気抵抗積層膜を構成する薄膜は、高周波マグネトロンスパッタリング装置により、アルゴン1から6ミリトールの雰囲気中にて、厚さ1ミリのセラミックス基板に以下の材料を順次積層して作製した。スパッタリングターゲットとしてタンタル、ニッケル−20at%鉄合金、Cr、コバルト、MnPt、ルテニウム、CoMnGeを用いた。Coターゲット上には、FeおよびNiの1センチ角のチップを適宜配置して組成を調整した。同様にCoMnGe上にはGeなどの1センチ角のチップを適宜配置して組成を調整した。
【0031】
積層膜は、各ターゲットを配置したカソードに各々高周波電力を印加して装置内にプラズマを発生させておき、各カソードごとに配置されたシャッターを一つずつ開閉して順次各層を形成した。膜形成時には永久磁石を用いて基板に平行におよそ80エルステッドの磁界を印加して一軸異方性をもたせた。形成した膜を、真空中、磁場中で270℃、3時間の熱処理を行って反強磁性膜を相変態させるとともに、高分極率規則相を析出させ、室温での磁気抵抗を測定して評価した。基体上の素子の形成はフォトレジスト工程によってパターニングした。その後、基体はスライダー加工し、磁気記録装置に搭載した。
【0032】
以下に本発明の具体的な実施例を、図を追って説明する。
【0033】
図1は本発明の磁気抵抗効果素子に用いる磁気抵抗効果積層膜の構成例である。図中の表記、例えば、「Ta3」は、積層構成の例としての構成材料と、その厚さをナノメートルで示したものである。磁気抵抗効果積層膜101は、図1では以下の構成例のような構造を有する。基体50上に下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性中間層12、軟磁性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。
【0034】
上記積層構成は、巨大磁気抵抗効果もしくはトンネル磁気抵抗効果として、強磁性固定層15の磁化の方向と、軟磁性自由層13の磁化の方向の互いのなす角度に応じて電気抵抗が変化する。下地膜14は、ここではTa/NiFeの構成を有するが、他の構成であってもよい。また、下地膜14は省略しても本発明の主旨に反するものではない。下地膜14は、磁気抵抗効果積層膜101の、下地膜14の上の部分の結晶性を制御し、結晶配向性を高める効果がある。
【0035】
本発明の図1の構成例でもっとも重要な主旨は、強磁性固定層15と非磁性中間層12の構成にある。図1では強磁性固定層15をホイスラー合金層16、第1の強磁性層151、反平行結合層154および第2の強磁性層152の積層体として示した。上記積層体は磁気的に結合するよう形成してなり、反平行結合層154を介して反平行の方向をむいた磁化状態をとって磁気的に一体として扱える。
【0036】
また、非磁性中間層12を体心立方構造を有するCrで構成した。これにより非磁性中間層12とホイスラー合金層16の結晶構造が、体心立方構造および体心立方構造を基本構造としたL21構造であって、結晶構造的に類似となる材料で構成することで電子の非弾性散乱を抑制できるからである。また、本図の例と異なって反平行結合層を用いずに強磁性固定層15をホイスラー合金層16だけや、ホイスラー合金16と第1の脅威磁性膜151の積層体から構成しても何ら本発明の趣旨に反するものではない。ホイスラー合金層16はL21構造またはB2構造をもつ強磁性ホイスラー合金、例えばCo2MnGe、Co2MnAl、Co2MnSi、Co2Fe0.6Cr0.4Alなどから構成するとよい。
【0037】
さらにホイスラー合金層16はその厚さを10ナノメートル以下、特に1ナノメートルから3ナノメートルとすると磁気特性に優れ、非磁性中間層12を介して軟磁性自由層13と強磁性固定層15の間の層間結合を低減し、高い抵抗変化率を示す。ホイスラー合金のかわりに、同様にハーフメタルであって、高いスピン分極率を有するマグネタイトFe3O4やCrO2を用いても有効である。
【0038】
軟磁性自由層13は、第1の軟磁性膜131と非磁性中間層12に接する側の第2の軟磁性膜132の積層体とするとよい。しかしながらこの他の構成、例えば単層の軟磁性膜で構成しても本発明の主旨に反するものではない。
【0039】
図2は本発明の磁気抵抗効果素子に用いる磁気抵抗効果積層膜の別の構成例である。図中の表記は図1に準ずる。磁気抵抗効果積層膜101は、基体50上に下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性中間層12、軟磁性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。
【0040】
上記積層構成は、巨大磁気抵抗効果として、強磁性固定層15の磁化の方向と軟磁性自由層13の磁化の方向の互いのなす角度に応じて電気抵抗が変化する。下地膜14、強磁性固定層15等の構成と効果については図1と同様であるので説明を省略する。また、下地膜14、強磁性固定層15等の構成が本図と若干異なっていても本発明の主旨に反するものではない。
【0041】
本発明のこの構成例でもっとも重要な主旨は、強磁性固定層15および軟磁性自由層13が非磁性中間層12と接する部分の構成にある。体心立方構造のCrなどで構成した非磁性中間層12はホイスラー合金層165およびホイスラー合金層163と接して積層し、結晶的な連続性を保って良好な特性を得ることができる。
【0042】
ここで軟磁性自由層13は、第1の軟磁性膜131、第2の軟磁性膜132、反平行結合層134、第3の軟磁性膜133、非磁性中間層12に接するホイスラー合金層163で構成してなる。反平行結合層134を介して反強磁性的に磁化が配列する機能によって、軟磁性自由層13の実質的な磁化の量を低減したような効果を磁気ヘッドとして実現することができる。しかしながら、軟磁性自由層13を反平行結合層134を含まない形としても本発明の趣旨に反するものではない。
【0043】
図3は本発明の磁気抵抗効果素子に用いる磁気抵抗効果積層膜のさらに別の構成例である。図中の表記は図1、2に準ずる。
【0044】
磁気抵抗効果積層膜101は、基体50上に下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性ホイスラー合金中間層121、軟磁性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。上記積層構成は、巨大磁気抵抗効果として強磁性固定層15の磁化の方向と、軟磁性自由層13の磁化の方向の互いのなす角度に応じて電気抵抗が変化する。下地膜14、強磁性固定層15、軟磁性自由層13等の構成と効果については図2と同様であるので説明を省略する。
【0045】
下地膜14、強磁性固定層15等の構成が本図と若干異なっていても本発明の主旨に反するものではない。本発明のこの構成例でもっとも重要な主旨は、強磁性固定層15および軟磁性自由層13が接する非磁性ホイスラー合金中間層121の構成にある。非磁性ホイスラー合金中間層121はL21構造またはB2構造をもつ非磁性ホイスラー合金で構成してなる。これによりホイスラー合金層165とホイスラー合金層163と積層し、結晶的な連続性を保って良好な特性を得ることができる。非磁性ホイスラー合金としては、強磁性ホイスラー合金の組成をずらすことでも得られるが、X2MnM(X=Cu,Pt、M=Ge,Al,Si)とすることでも達成できる。
【0046】
図4は本発明の磁気抵抗効果素子を搭載した磁気ヘッドの構成例を示す概念図である。基体50上に磁気抵抗効果積層膜101、電極40、下部シールド35、上部磁気シールド36、下部磁気コア84、コイル42、上部コア83を形成してなり、対向面63を形成してなる。磁気抵抗効果積層膜101には電極40を通じて電流を印加し、再生出力を検知する。ここで上記電流は磁気抵抗効果積層膜101の膜厚方向に通電することが望ましい。
【0047】
本図では上部磁気シールド36と下部磁気コア84を備えた構造になっているが、上部磁気シールド36と下部磁気コア84とを兼用した構造としても本発明の主旨を損なうものではない。また記録ヘッドとして面内記録方式の磁気コアを図示したが、垂直磁気記録方式の磁気コアを用いても本発明の趣旨に反するものではない。
【0048】
図5は本発明の一実施例の磁気記録再生装置の構成例である。磁気的に情報を記録する記録媒体91を保持するディスク95をスピンドルモーター93にて回転させ、アクチュエーター92によってヘッドスライダー90をディスク95のトラック上に誘導する。すなわち磁気ディスク装置においてはヘッドスライダー90上に形成した再生ヘッド、および記録ヘッドがこの機構によってディスク95上の所定の記録位置に近接して相対運動し、信号を順次書き込みもしくは読み取るのである。
【0049】
アクチュエーター92はロータリーアクチュエーターであることが望ましい。記録信号は信号処理系94を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生ヘッドの出力を、信号処理系94を経て信号として得る。さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せしめるに際して、本再生ヘッドからの高感度な出力を用いてトラック上の位置を検出し、アクチュエーター92を制御してヘッドスライダーの位置決めを行うことができる。本図ではヘッドスライダー90、ディスク95を各1個示したが、これらは複数であっても構わない。またディスク95は両面に記録媒体91を有して情報を記録してもよい。情報の記録がディスク両面の場合ヘッドスライダー90はディスクの両面に配置する。
【0050】
上述したような構成について、本発明の磁気ヘッドおよびこれを搭載した磁気記録再生装置を試験した結果、十分な出力と、良好なバイアス特性を示し、また動作の信頼性も良好であった。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば良好なバイアス特性と、出力の高い磁気抵抗効果素子と、これを用いた磁気ヘッドが得られ、特に高い記録密度において良好な再生出力とバイアス特性を有する磁気ヘッドおよび高密度磁気記録再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気抵抗効果積層膜の構成例を示す断面図。
【図2】本発明の一実施例の磁気抵抗効果積層膜の構成例を示す断面図。
【図3】本発明の一実施例の磁気抵抗効果積層膜の構成例を示す断面図。
【図4】本発明の磁気抵抗効果素子を搭載した磁気ヘッドの構成例を示す概念図。
【図5】本発明の磁気記録再生装置の構成例を示す概念図。
【符号の説明】
11…反強磁性膜、12…非磁性中間層、13…軟磁性自由層、14…下地膜、15…強磁性固定層、16…ホイスラー合金層、35…下部磁気シールド、36…上部シールド、37…保護膜、40…電極、42…コイル、50…基体、63…対向面、83…上部磁気コア、84…下部磁気コア、90…ヘッドスライダー、91…記録媒体、92…アクチュエーター、93…スピンドル、94…信号処理系、95…磁気ディスク、101…磁気抵抗効果積層膜、121…非磁性ホイスラー合金中間層、131…第1の軟磁性膜、132…第2の軟磁性膜、133…第3の軟磁性膜、134…反平行結合層、151…第1の強磁性層、152…第2の強磁性層、154…反平行結合層、163,165…ホイスラー合金層。
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録再生装置、特に高記録密度の磁気記録再生装置に好適な磁気ヘッドおよびそれを構成するのため磁気抵抗効果素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−16920号公報には、積層逆平行ピン止め層と反強磁***換バイアス層を用いたスピンバルブ磁気抵抗センサの記載がある。特開平7−169026号公報には反強磁性的結合層を用いたスピンバルブセンサの記載がある。
【0003】
特開2000−156530号公報には磁化が実質的に固定された第2の磁性層に酸化物などの第3の層を含んだ磁気抵抗効果素子の記述がある。
【0004】
特開2000−340859号公報には磁性層にスピン分極率の高い酸化物を用い、膜面に垂直に電流を流す磁気抵抗効果型ヘッドの記載がある。
【0005】
特開2000−150985号公報には高分極率膜を用いたトンネル磁気抵抗効果素子の記載がある。特開平11−135857号公報にはトンネルバリア層側に高分極率膜を用いた磁気抵抗効果素子の記載がある。
【0006】
特開平11−289115号公報には非磁性層を介して強磁性体と半導体あるいはハーフメタルを接続したスピン偏極素子の記載がある。アプライド フィジックス レターズ誌第73巻1008〜1010頁(Appl.Phys.Lett.73,1008(1998))にはハーフメタルとしてLaSrMnO3を用いた強磁性トンネル結合に関する記載がある。
【0007】
アプライド フィジックス レターズ誌第74巻4017〜4019頁(Appl.Phys.Lett.74,4017(1999))には鉄酸化物とCoを用いた強磁性トンネル磁気抵抗効果の記載がある。
【0008】
特開平11−97766号公報にはハーフメタル酸化物層を用いた強磁性トンネル接合素子の記載がある。特表平8−504303号公報にはFe3O4などの半金属材料を用いた磁気抵抗デバイスの記載がある。
【0009】
特開平6−267742号公報にはハーフメタルから成る磁性層を用いた磁気抵抗効果素子の記載がある。特開平7−73416号公報には軟質能動層にイクスチェンジ層を隣接したMR型読み出しトランスデューサーの記載がある。
【0010】
ジャーナル オブ マグネティズム アンド マグネティック マテリアルス誌、93巻、(1991)、58から66頁(J.Magn.Mag.Matt,93(1991)58−66)にはFe/Cr、Co/Crなどの多層膜もしくはサンドイッチ膜で反平行結合が生じることが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、特にその再生部において、外部磁界に対して十分な感度と出力を有し、かつ対称性のよい特性をする磁気抵抗効果素子を実現することができず、十分に記録密度の高い磁気記録装置を実現することが困難であった。
【0012】
近年、上記再生部を構成する材料として、強磁性金属層を非磁性金属層を介して積層した多層膜からなる磁気抵抗効果膜を用いた、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子が実用化されている。この場合、非磁性層で隔てられた強磁性層間の磁化と磁化のなす角度によって電気抵抗が大きく変化する磁気抵抗効果が利用される。
【0013】
上記巨大磁気抵抗効果素子として磁気ヘッドなどに用いる場合、スピンバルブとよばれる構造が提唱されている。スピンバルブ構造は、例えば反強磁性膜/強磁性金属層/非磁性金属層/軟磁性金属層からなる積層構造を有し、上記の反強磁性膜/強磁性金属層の界面に発生する交換結合磁界によって反強磁性膜と密着した強磁性金属層の磁化を実質的に固定し、他方の軟磁性金属層が外部磁界によって磁化回転することで生ずる抵抗変化を元に出力を得ることができる。
【0014】
ここで、以下では上記固定の効果を固定バイアス、この効果を生じる反強磁性膜を固定バイアス層とよぶことにする。また、上記磁化が実質的に固定される強磁性金属層を固定層、もしくは強磁性固定層とよぶことにする。同様に外部磁場によって磁化回転する軟磁性金属層を自由層もしくは軟磁性自由層とよぶことにする。固定層は、感知すべき磁界に対して実質的に磁化が固定されていることがその所要とする機能であり、反強磁性膜の代わりに硬磁性膜、すなわち比較的大きな磁界が加わらない限り磁化が変化しない材料で代替することもできる。
【0015】
上記のようなスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜を用いた磁気ヘッドでは、強磁性層//非磁性層/軟磁性層の部分がその磁気抵抗効果の大きさを決定する部分である。軟磁性金属層も強磁性金属層の一種であるから、強磁性金属層/非磁性金属層の界面が上記効果の本質をになうことになる。公知の技術で強磁性金属層に酸化物を挿入したり、強磁性金属層の一部を酸化したりすることで抵抗変化率を向上できることが知られている。
【0016】
また、一方で高分極率材料の適用によって磁気抵抗効果を増大せしめることも提唱されている。しかし、実際に強磁性金属層などの金属薄膜層と高分極率を有する酸化物などの化合物層とを積層して磁気抵抗効果素子を実現することはきわめて困難であった。これは例えば、高分極率材料が酸化物などの化合物からなるために、金属層と積層すると、金属層と反応し、あるいは化合物成分が金属層に拡散して非化学量論組成となって、特性を悪化させるためである。
【0017】
さらに、高分極率材料として金属であって酸素等の反応はないホイスラー合金も提唱されているが、L21構造とよばれる複雑な規則構造でないと強磁性などの特性を有さないため、通常の成膜工程で作製するとアモルファスや微結晶、もしくは異なる結晶構造が形成される問題がある。
【0018】
例えば日本応用磁気学会第25回学術講演集および日本応用磁気学会誌にはCo2MnGeホイスラー合金薄膜の形成が述べられ、熱処理温度400℃でホイスラー合金の規則化が認められている。しかし、良好な結晶性のホイスラー薄膜を得るのに熱処理温度を400℃程度に上げる必要があるとすると、そのような高い温度での熱処理は、他の金属層との極薄い積層構成の形成を困難にする。また、極薄い金属層との平坦な界面形成を妨げるだけでなく、高分極率層と他の金属層、例えばCoFe層との反応を促進し、やはり良好な高分極率層の形成を妨げてしまうことから、高分極率層と金属層を積層した磁気抵抗効果膜の積層は困難であった。
【0019】
また、非磁性中間層として従来よく用いられたのはCuである。Cuは電気抵抗が低く、導電性に優れるとともに、CoやNiFeなどと同じ面心立方構造の結晶格子を有するため、巨大磁気抵抗効果積層膜の非磁性中間層としてよく用いられている。しかしながら、強磁性層がホイスラー合金などの面心立方構造でない場合にはCuよりも他の結晶構造の非磁性中間層の方が大きな磁気抵抗効果が得られる可能性がある。実際、強磁性層が体心立方構造を持つFeである場合、巨大磁気抵抗効果が比較的大きい組合せとして、同じ体心立方構造であるCrを用いたFe/Cr多層膜での巨大磁気抵抗効果が報告されている。
【0020】
そこで本発明の目的は高密度記録に対応した長期信頼性の高い磁気記録装置もしくは磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドを提供することにある。より具体的には、高分極率を有するホイスラー合金薄膜などの強磁性金属層を非磁性中間層との界面に有する抵抗変化率の高いスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を提供し、これを磁気ヘッドに用いた磁気記録再生装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明では高記録密度に対応した巨大磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗効果素子を磁気ヘッドに搭載した磁気記録装置を提供するために、上記磁気抵抗効果素子として用いるスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果積層膜、すなわち軟磁性自由層/非磁性中間層/強磁性固定層/反強磁性膜の積層構造を有する磁気抵抗効果素子を用いる。ここで反強磁性膜は強磁性固定層の磁化を実質的に固定するための交換結合バイアスを印加するものであって、直接強磁性固定層に密着して形成するか、あるいは間接的に磁気的結合を経て効果をもたらしてもよい。あるいは反強磁性膜の代わりに他のバイアス印加手段、例えば硬磁性膜の残留磁化を用いたり、電流バイアスを用いてもよい。
【0022】
本発明では、課題を解決して高記録密度に好適な磁気抵抗効果素子あるいはそれを用いた磁気ヘッドを搭載した磁気記録再生装置を得るために、上記強磁性固定層の少なくとも非磁性中間層との界面に高分極率層を配置する。または軟磁性自由層の少なくとも非磁性中間層との界面に高分極率層を配置する。強磁性固定層と軟磁性自由層の双方の非磁性中間層側の界面に高分極率層を配置してもよい。軟磁気特性や磁歪の適正化の観点から、強磁性固定層に用いるのが容易である。第1の強磁性層/非磁性挿入層/第2の強磁性層の積層体として形成した構成を採用する。
【0023】
高分極率層は、非磁性中間層に接する界面に配置されるが、ハーフメタルなどの強磁性化合物もしくは強磁性化合物と金属の混合体であって、特にホイスラー合金層で形成する。ホイスラー合金層はスパッタリングなどの手段で室温もしくは200℃以下の基板温度で他の金属層と連続積層して形成し、その後熱処理を行ってホイスラー合金の規則構造相を析出させて形成する。
【0024】
ここで、ホイスラー合金層とは、X2ZY(X=Co,Cu,Pt、Z=Mn,Cr,Fe、Y=Ge,Al,Si)型のホイスラー合金、すなわち、L21構造もしくはB2構造をとる合金の層である。
【0025】
高分極率層は強磁性を示し、強磁性固定層または軟磁性自由層を高分極率層単体で構成してもよいが、高分極率層と金属強磁性体などと積層して、例えば強磁性固定層として高分極率層/CoFe層/Ru層/CoFe層/反強磁性膜のような構成とすることで、高い抵抗変化率と高い交換結合磁界および適切な波形対称性を実現することができる。また、軟磁性自由層としては高分極率層/CoFe層/NiFe層のような積層構造とすることで、高い抵抗変化率と軟磁気特性を実現することができる。
【0026】
ホイスラー合金層との結晶の連続性を保つために、非磁性中間層としてはCrなどの体心立方構造を有する材料が望ましい。あるいは同様の理由から、L21型もしくはX2MnM(X=Cu,Pt、M=Ge,Al,Si)型の結晶構造を有する非強磁性の合金とする。
【0027】
積層構成からなる磁気抵抗効果素子には、電流を印加して出力を感知する少なくとも一対の電極を配置する。上記電流は、積層構成の層構造に平行に電流を流して界面散乱による巨大磁気抵抗効果を感知する。あるいは上記電流は積層構成の層構造に垂直に電流を流して、高分極率層の分極した電子が界面を透過して磁気抵抗を生じるようにして磁気抵抗効果を感知する。
【0028】
磁気抵抗効果素子は軟磁性自由層をノイズの発生を防止するため、単磁区化構成を有するとよい。例えば磁気抵抗効果素子の膜面方向でかつ感知すべき磁界の方向に垂直な両端部に残留磁化を有する硬磁性膜などを配置する。あるいは磁気抵抗効果素子の膜厚方向に隣接して配置した残留磁化を有する硬磁性膜などを配置して、磁気抵抗効果素子の積層構成と硬磁性膜を同一形状の端部を有するようにして端部の静磁気結合により単磁区化を実現してもよい。
【0029】
本発明ではこのような材料、構成、を用いた磁気抵抗効果型磁気抵抗効果素子と、これを再生部とした磁気ヘッドならびにそれを用いた磁気記録再生装置において、高記録密度、すなわち記録媒体上に記録される記録波長が短くかつ記録トラックの幅が狭い記録を実現して、十分な再生出力を得、記録を良好に保つことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の巨大磁気抵抗積層膜を構成する薄膜は、高周波マグネトロンスパッタリング装置により、アルゴン1から6ミリトールの雰囲気中にて、厚さ1ミリのセラミックス基板に以下の材料を順次積層して作製した。スパッタリングターゲットとしてタンタル、ニッケル−20at%鉄合金、Cr、コバルト、MnPt、ルテニウム、CoMnGeを用いた。Coターゲット上には、FeおよびNiの1センチ角のチップを適宜配置して組成を調整した。同様にCoMnGe上にはGeなどの1センチ角のチップを適宜配置して組成を調整した。
【0031】
積層膜は、各ターゲットを配置したカソードに各々高周波電力を印加して装置内にプラズマを発生させておき、各カソードごとに配置されたシャッターを一つずつ開閉して順次各層を形成した。膜形成時には永久磁石を用いて基板に平行におよそ80エルステッドの磁界を印加して一軸異方性をもたせた。形成した膜を、真空中、磁場中で270℃、3時間の熱処理を行って反強磁性膜を相変態させるとともに、高分極率規則相を析出させ、室温での磁気抵抗を測定して評価した。基体上の素子の形成はフォトレジスト工程によってパターニングした。その後、基体はスライダー加工し、磁気記録装置に搭載した。
【0032】
以下に本発明の具体的な実施例を、図を追って説明する。
【0033】
図1は本発明の磁気抵抗効果素子に用いる磁気抵抗効果積層膜の構成例である。図中の表記、例えば、「Ta3」は、積層構成の例としての構成材料と、その厚さをナノメートルで示したものである。磁気抵抗効果積層膜101は、図1では以下の構成例のような構造を有する。基体50上に下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性中間層12、軟磁性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。
【0034】
上記積層構成は、巨大磁気抵抗効果もしくはトンネル磁気抵抗効果として、強磁性固定層15の磁化の方向と、軟磁性自由層13の磁化の方向の互いのなす角度に応じて電気抵抗が変化する。下地膜14は、ここではTa/NiFeの構成を有するが、他の構成であってもよい。また、下地膜14は省略しても本発明の主旨に反するものではない。下地膜14は、磁気抵抗効果積層膜101の、下地膜14の上の部分の結晶性を制御し、結晶配向性を高める効果がある。
【0035】
本発明の図1の構成例でもっとも重要な主旨は、強磁性固定層15と非磁性中間層12の構成にある。図1では強磁性固定層15をホイスラー合金層16、第1の強磁性層151、反平行結合層154および第2の強磁性層152の積層体として示した。上記積層体は磁気的に結合するよう形成してなり、反平行結合層154を介して反平行の方向をむいた磁化状態をとって磁気的に一体として扱える。
【0036】
また、非磁性中間層12を体心立方構造を有するCrで構成した。これにより非磁性中間層12とホイスラー合金層16の結晶構造が、体心立方構造および体心立方構造を基本構造としたL21構造であって、結晶構造的に類似となる材料で構成することで電子の非弾性散乱を抑制できるからである。また、本図の例と異なって反平行結合層を用いずに強磁性固定層15をホイスラー合金層16だけや、ホイスラー合金16と第1の脅威磁性膜151の積層体から構成しても何ら本発明の趣旨に反するものではない。ホイスラー合金層16はL21構造またはB2構造をもつ強磁性ホイスラー合金、例えばCo2MnGe、Co2MnAl、Co2MnSi、Co2Fe0.6Cr0.4Alなどから構成するとよい。
【0037】
さらにホイスラー合金層16はその厚さを10ナノメートル以下、特に1ナノメートルから3ナノメートルとすると磁気特性に優れ、非磁性中間層12を介して軟磁性自由層13と強磁性固定層15の間の層間結合を低減し、高い抵抗変化率を示す。ホイスラー合金のかわりに、同様にハーフメタルであって、高いスピン分極率を有するマグネタイトFe3O4やCrO2を用いても有効である。
【0038】
軟磁性自由層13は、第1の軟磁性膜131と非磁性中間層12に接する側の第2の軟磁性膜132の積層体とするとよい。しかしながらこの他の構成、例えば単層の軟磁性膜で構成しても本発明の主旨に反するものではない。
【0039】
図2は本発明の磁気抵抗効果素子に用いる磁気抵抗効果積層膜の別の構成例である。図中の表記は図1に準ずる。磁気抵抗効果積層膜101は、基体50上に下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性中間層12、軟磁性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。
【0040】
上記積層構成は、巨大磁気抵抗効果として、強磁性固定層15の磁化の方向と軟磁性自由層13の磁化の方向の互いのなす角度に応じて電気抵抗が変化する。下地膜14、強磁性固定層15等の構成と効果については図1と同様であるので説明を省略する。また、下地膜14、強磁性固定層15等の構成が本図と若干異なっていても本発明の主旨に反するものではない。
【0041】
本発明のこの構成例でもっとも重要な主旨は、強磁性固定層15および軟磁性自由層13が非磁性中間層12と接する部分の構成にある。体心立方構造のCrなどで構成した非磁性中間層12はホイスラー合金層165およびホイスラー合金層163と接して積層し、結晶的な連続性を保って良好な特性を得ることができる。
【0042】
ここで軟磁性自由層13は、第1の軟磁性膜131、第2の軟磁性膜132、反平行結合層134、第3の軟磁性膜133、非磁性中間層12に接するホイスラー合金層163で構成してなる。反平行結合層134を介して反強磁性的に磁化が配列する機能によって、軟磁性自由層13の実質的な磁化の量を低減したような効果を磁気ヘッドとして実現することができる。しかしながら、軟磁性自由層13を反平行結合層134を含まない形としても本発明の趣旨に反するものではない。
【0043】
図3は本発明の磁気抵抗効果素子に用いる磁気抵抗効果積層膜のさらに別の構成例である。図中の表記は図1、2に準ずる。
【0044】
磁気抵抗効果積層膜101は、基体50上に下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性ホイスラー合金中間層121、軟磁性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。上記積層構成は、巨大磁気抵抗効果として強磁性固定層15の磁化の方向と、軟磁性自由層13の磁化の方向の互いのなす角度に応じて電気抵抗が変化する。下地膜14、強磁性固定層15、軟磁性自由層13等の構成と効果については図2と同様であるので説明を省略する。
【0045】
下地膜14、強磁性固定層15等の構成が本図と若干異なっていても本発明の主旨に反するものではない。本発明のこの構成例でもっとも重要な主旨は、強磁性固定層15および軟磁性自由層13が接する非磁性ホイスラー合金中間層121の構成にある。非磁性ホイスラー合金中間層121はL21構造またはB2構造をもつ非磁性ホイスラー合金で構成してなる。これによりホイスラー合金層165とホイスラー合金層163と積層し、結晶的な連続性を保って良好な特性を得ることができる。非磁性ホイスラー合金としては、強磁性ホイスラー合金の組成をずらすことでも得られるが、X2MnM(X=Cu,Pt、M=Ge,Al,Si)とすることでも達成できる。
【0046】
図4は本発明の磁気抵抗効果素子を搭載した磁気ヘッドの構成例を示す概念図である。基体50上に磁気抵抗効果積層膜101、電極40、下部シールド35、上部磁気シールド36、下部磁気コア84、コイル42、上部コア83を形成してなり、対向面63を形成してなる。磁気抵抗効果積層膜101には電極40を通じて電流を印加し、再生出力を検知する。ここで上記電流は磁気抵抗効果積層膜101の膜厚方向に通電することが望ましい。
【0047】
本図では上部磁気シールド36と下部磁気コア84を備えた構造になっているが、上部磁気シールド36と下部磁気コア84とを兼用した構造としても本発明の主旨を損なうものではない。また記録ヘッドとして面内記録方式の磁気コアを図示したが、垂直磁気記録方式の磁気コアを用いても本発明の趣旨に反するものではない。
【0048】
図5は本発明の一実施例の磁気記録再生装置の構成例である。磁気的に情報を記録する記録媒体91を保持するディスク95をスピンドルモーター93にて回転させ、アクチュエーター92によってヘッドスライダー90をディスク95のトラック上に誘導する。すなわち磁気ディスク装置においてはヘッドスライダー90上に形成した再生ヘッド、および記録ヘッドがこの機構によってディスク95上の所定の記録位置に近接して相対運動し、信号を順次書き込みもしくは読み取るのである。
【0049】
アクチュエーター92はロータリーアクチュエーターであることが望ましい。記録信号は信号処理系94を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生ヘッドの出力を、信号処理系94を経て信号として得る。さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せしめるに際して、本再生ヘッドからの高感度な出力を用いてトラック上の位置を検出し、アクチュエーター92を制御してヘッドスライダーの位置決めを行うことができる。本図ではヘッドスライダー90、ディスク95を各1個示したが、これらは複数であっても構わない。またディスク95は両面に記録媒体91を有して情報を記録してもよい。情報の記録がディスク両面の場合ヘッドスライダー90はディスクの両面に配置する。
【0050】
上述したような構成について、本発明の磁気ヘッドおよびこれを搭載した磁気記録再生装置を試験した結果、十分な出力と、良好なバイアス特性を示し、また動作の信頼性も良好であった。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば良好なバイアス特性と、出力の高い磁気抵抗効果素子と、これを用いた磁気ヘッドが得られ、特に高い記録密度において良好な再生出力とバイアス特性を有する磁気ヘッドおよび高密度磁気記録再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気抵抗効果積層膜の構成例を示す断面図。
【図2】本発明の一実施例の磁気抵抗効果積層膜の構成例を示す断面図。
【図3】本発明の一実施例の磁気抵抗効果積層膜の構成例を示す断面図。
【図4】本発明の磁気抵抗効果素子を搭載した磁気ヘッドの構成例を示す概念図。
【図5】本発明の磁気記録再生装置の構成例を示す概念図。
【符号の説明】
11…反強磁性膜、12…非磁性中間層、13…軟磁性自由層、14…下地膜、15…強磁性固定層、16…ホイスラー合金層、35…下部磁気シールド、36…上部シールド、37…保護膜、40…電極、42…コイル、50…基体、63…対向面、83…上部磁気コア、84…下部磁気コア、90…ヘッドスライダー、91…記録媒体、92…アクチュエーター、93…スピンドル、94…信号処理系、95…磁気ディスク、101…磁気抵抗効果積層膜、121…非磁性ホイスラー合金中間層、131…第1の軟磁性膜、132…第2の軟磁性膜、133…第3の軟磁性膜、134…反平行結合層、151…第1の強磁性層、152…第2の強磁性層、154…反平行結合層、163,165…ホイスラー合金層。
Claims (4)
- 非磁性中間層を介して分離した少なくとも二層の強磁性層による強磁性層/非磁性中間層/強磁性層の積層構成を有し、外部の磁界に応じて上記強磁性層の互いの磁化の相対角度が変わって上記積層構成が磁気抵抗効果を生じる、少なくとも一対の電極を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子およびこれを用いた磁気ヘッドで、少なくとも一方の強磁性層の一部が、ホイスラー合金、Fe3O4,CrO2などのハーフメタルあるいは高分極率材料からなり、少なくとも非磁性中間層の一部が体心立方構造もしくは体心立方構造を元素置換した結晶構造を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
- 非磁性中間層を介して分離した少なくとも二層の強磁性層による強磁性層/非磁性中間層/強磁性層の積層構成を有し、上記積層構成が反強磁性膜/強磁性層/反平行結合層/強磁性層/非磁性中間層/強磁性層の構成を有し、反平行結合層を介して2つの強磁性層の磁化が反平行方向に結合し、反強磁性膜が接した強磁性層に交換結合によって実質的にその磁化を固定してなり、外部の磁界に応じて上記強磁性層の互いの磁化の相対角度が変わって上記積層構成が磁気抵抗効果を生じ、少なくとも一対の電極を有する磁気抵抗効果素子において、少なくとも一方の強磁性層の一部が、X2ZY(X=Co,Cu,Pt、Z=Mn,Cr,Fe、Y=Ge,Al,Si)型のホイスラー合金からなり、少なくとも非磁性中間層の一部が体心立方構造もしくは体心立方構造を元素置換した結晶構造を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
- 非磁性中間層の結晶構造がL21型もしくはX2MnM(X=Cu,Pt、M=Ge,Al,Si)型の結晶構造を有することを特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗効果素子。
- 請求項1ないし3のいずれか記載の磁気抵抗効果素子を含んで構成されることを特徴とする磁気ヘッド。
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