JP2004144562A - 超音波探傷ヘッド - Google Patents

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JP2004144562A
JP2004144562A JP2002308556A JP2002308556A JP2004144562A JP 2004144562 A JP2004144562 A JP 2004144562A JP 2002308556 A JP2002308556 A JP 2002308556A JP 2002308556 A JP2002308556 A JP 2002308556A JP 2004144562 A JP2004144562 A JP 2004144562A
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Mitsuyoshi Uematsu
植松 充良
Yasuo Kanzaki
神前 康夫
Nobuhiro Higuchi
樋口 暢浩
Osamu Takahashi
高橋 修
Masaaki Nakada
中田 正明
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Abstract

【課題】本発明の超音波探傷ヘッドの課題とするところは、超音波の損失およびノイズの発生を抑えて精度の高い超音波探傷検査を行なうことにある。
【解決手段】振動子を備えたプローブ22と、このプローブを挿入保持するプローブ保持部を有する主軸21と、主軸におけるプローブ保持部を挟んだ位置に夫々対向して軸受を介して回転自在に設けられた第1および第2の端板体と、これら第1および第2の端板体に挟まれた空間部を跨いで第1および第2の端板体の周方向に全体に亘って配置され第1の端板体および第2の端板体の周縁部に取付けられた弾性を有するタイヤ24と、主軸のプローブ保持部と第1および第2の端板体とタイヤとで形成される空間部Sに充填封入された超音波を伝達させる接触媒質25とを具備し、タイヤ24は幅方向両側部から幅方向中央部に向けて前記空間部の外部へ向けて膨出する形状をなしている。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転式の超音波探傷ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、航空機の翼などの構造部材における内部欠陥を検出する超音波探傷に用いられる超音波探傷ヘッドとして回転式のものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
図6はこの超音波探傷ヘッドを示す断面図である。この超音波探傷ヘッドは次に述べるように構成されている。図中1は主軸で、これはプローブ1をOリング12を介して保持するプローブ内蔵部1aを有している。6はガイドローラで。これは主軸1の一端に軸受9と軸受リテーナ10とOリング7を介して設けられている。8はエアブリーダで、これはガイドローラ6の中心部に設けられている。4はガイドリングで、これは主軸1の他端に設けられ軸受13とオイルシール2と軸受リテーナ3を介して設けられている。オイルシール2は軸受13に対して外側(軸受リテーナ3とは反対側)に位置している。5は弾性を有するタイヤで、これは軸受リテーナ3,10の外周を包むように設けられている。このタイヤ5はニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)により形成されており、不透明な状態となっている。また、タイヤ5は幅方向両側部から幅方向中央部にかけて同じ大きさの直径を有している。すなわち、タイヤ5は幅方向に沿う断面の形状が幅方向に平行な平坦となっている。
【0004】
16は接触媒質で、これはタイヤ5とプローブ内蔵部1aと軸受リテーナ3、10とで形成される空間部に封入されている。この接触媒質16としては低粘度アルコール水溶液が用いられている。15はプローブ11に接続されたコードである。
【0005】
そして、この超音波探傷ヘッドでは、被検査物の超音波探傷検査を行なう場合には、被検査物の表面にタイヤ5を接触させ、プローブ11より超音波を発信、受信させながら超音波探傷ヘッドを移動させる。ガイドリング4とガイドローラ6が主軸1を中心として回転し、タイヤ5が被検査物の表面に接触しながら回転する。
【0006】
【特許文献1】
実公平8−2611号公報(第2頁 図1−図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の超音波探傷ヘッドには次に述べる問題がある。まず、被検査物に接触するタイヤ5は、図7(a)に示すように幅方向中央部および両側部が幅方向に平行な平坦面となっている。このようにタイヤ5における幅方向に沿う面が幅方向に平行な平坦面であると、タイヤが被検査物Hの表面に接触する時に、図7(b)に示すように幅方向両側部が被検査物Hに接触するが、長時間の使用によりこれら幅方向両側部に挟まれた幅方向中央部が被検査物Hの表面から離れる向き、すなわちタイヤの内部へ向けて撓んで湾曲するように変形する。このため、タイヤ5は幅方向の一部分しか被検査物Hの表面に接触せず被検査物Hとの接触面積が小さく、タイヤ5の幅方向中央部と被検査物Hとの間に空気層が介在するようになる。超音波は空気層の介在によりほぼ全反射するため、タイヤ5を通過して直接被検査物Hの内部に入る度合いが減少する。従って、超音波が被検査物Hに達するまでの損失が大きくノイズの発生も大きい。
【0008】
また、タイヤ5に対しては経年劣化が少なく耐久性に優れていることが要求されているが、ニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)により形成されたタイヤ5はこの要求に対して応える上で限界がある。
【0009】
さらに、タイヤ5はニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)により形成され不透明なものである。このため、タイヤ5の外部からタイヤ5の内部における空間部の様子を目視により観察することができない。ところで、タイヤ5の内部の空間部では接触媒質を注入した際に気泡が残存したり、探傷ヘッドの使用中に何らかの原因で空気が空間部に入り気泡が発生することがある。このタイヤ5の内部の空間部における気泡の存在は超音波の損失とノイズを発生させる。このため、必要に応じてタイヤ5の内部の空間部の様子を観察して気泡の存在を調べる必要があるが、従来はこの観察ができなかった。
【0010】
さらにまた、例えば超音波探傷検査を透過法により行なう場合には、被検査物を挟んで2個の探傷ヘッドを設け、両方の探傷ヘッドにおけるプローブを夫々同一直線上で互いに向き合うように向きを設定することが必要となる。この場合、探傷ヘッドを保持する保持部材は被検査物を挟んで対向する位置に設けている。操作者はプローブが相手側の探傷ヘッドのプローブと向き合うように目測で向きを調節しながら探傷ヘッドを向きを設定している。このため、探傷ヘッドを設置する場合における向きを調節する操作が大変面倒であり、正確な向きに設定することが困難である。
【0011】
本発明は、超音波の損失およびノイズの発生を抑えて精度の高い超音波探傷検査を行なうことができる超音波探傷ヘッドを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の超音波探傷ヘッドは、超音波を発信、受信する振動子を備えたプローブと、このプローブを保持するプローブ保持部を有する主軸と、前記主軸における前記プローブ保持部を挟んだ位置に夫々対向して軸受を介して回転自在に設けられた第1および第2の端板体と、これら第1および第2の端板体の周縁部間を跨いで前記第1および第2の端板体の周方向全体に亘って配置され前記第1および第2の端板体に固定された弾性を有するタイヤと、前記主軸のプローブ保持部と前記第1および第2の端板体と前記タイヤとで形成される空間部に充填された超音波を通過させる接触媒質とを具備し、前記タイヤはその幅方向両側部から幅方向中央部に向けて前記空間部の外部へ向けて膨出する形状であることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明の超音波探傷ヘッドは、請求項1の記載において、前記タイヤはシリコンゴムにより形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明の超音波探傷ヘッドは、請求項1の記載において、前記タイヤは外部から前記空間部の内部を目視可能な透明なものであるであることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明の超音波探傷ヘッドは、請求項1の記載において、前記主軸にはプローブの向きを示す向き確認手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。
図1はこの実施の形態における超音波探傷ヘッドの外観を示す斜視図、図2は図3のZ−Z線に沿う超音波探傷ヘッドの断面図、図3は超音波探傷ヘッドの平面図、図4は超音波探傷ヘッドの使用状態を示す断面図である。
【0017】
図2において21は主軸、22はプローブ、23Aは第1の端板体、23Bは第2の端板体、24はタイヤ、25は接触媒質、26A、26Bはバルブ、27A、27Bは軸受、28A、28Bはオイルシールである。
【0018】
主軸21は丸棒からなるもので、その長さ方向中間部にプローブ保持部31が設けられている。このプローブ保持部31は主軸21の軸線方向に対して直角な直径方向に沿う筒形をなすもので、主軸21の直径方向で対向する両側部から直径方向に沿って突出して設けられており、一端面が開放されているとともに他端面が閉塞されている。また、主軸21にはプローブ保持部31から一端に到る部分には挿通孔32が軸方向に沿って貫通して形成されている。
【0019】
主軸21におけるプローブ保持部31にはプローブ22が挿入保持されているこのプローブ22は振動子22aをダンパと組み合せて取扱い易いようにケース22bの内部に組込んだものである。振動子22aとしては水晶、チタン酸バリウム、ジルコンチタン酸亜鉛、硝酸リチウムなどの圧電材料を切り出したものである。プローブ22は開放された一端部からプローブ保持部31の内部に挿入されて保持されている。
【0020】
この実施の形態のプローブ22は振動子22aに複合型(コンポジット型)のものを用いている。この型式の振動子22aを用いたプローブ22は、変換効率が大きく、感度が良く、S/N比が大である。すなわち、ノイズレベルが一定である場合に出力信号が大であり、受信信号も大である。このため、この複合型(コンポジット型)のプローブ22を用いることにより、精度が高い超音波探傷検査を行なうことができる、
なお、プローブ22には電気信号の授受を行なうコード33が接続され、このコード33はプローブ保持部31から主軸21の挿通孔32に挿通され、主軸21の一端部にコネクタ34に接続されている。プローブ22はプローブ保持部31の内部に気密および液密に密接して挿入され、プローブ22の一端部はプローブ保持部31の開放された一端部を介して外部に露出している。
【0021】
図2に示すように第1の端板体23Aは、主軸21においてプローブ保持部31に対して一方の端部に設けられ、端板41とガイドリング42とを備えている。端板41は円板形をなすもので、中央部には円筒部41aを有しており、この円筒部41aは端板41の一側面部から外側へ向けて軸線方向に沿って延びるように形成されている。なお、端板41の一側面部の周縁部にはタイヤ固定用の溝41bが周方向全体にわたり形成されている。
【0022】
ガイドリング42は端板41よりやや大きい直径を有する円環形をなすもので、中央部には円筒部41aの外径より大きい直径を有する円形の中央孔42aが形成されている。ガイドリング42は端板41の一側面に同心円状に重ねて配置され、中央孔42aが端板41の円筒部41aに嵌合されている。図3に示すようにガイドリンク42と端板41とは複数のボルト43を用いて互いに固定される。
【0023】
そして、端板41は円筒部41aが突出する一側面部が探傷ヘッドの外側に位置する向きに設定され、円筒部41aは主軸21においてプローブ保持部31に対して一方の端部に嵌合され、この円筒部41aは玉軸受27Aを介して主軸21に回転自在に支持されている。この玉軸受27Aはラジアル荷重用のもので、主軸21と円筒部41aに係合された一対の保持リング44により軸線方向の両端が支持されている。
【0024】
また、端板41の円筒部41aの内部では玉軸受27Aに対して探傷ヘッドの内部側に隣接する位置にオイルシール28Aが配置されている。このオイルシール28Aは円筒部41aとこの円筒部41aに挿通された主軸21との間で形成される円形空間部に配置される円環形をなすもので、保持リング44と端板41に形成されたフランジ41cに挟まれて支持されて円筒部41aの内周面と主軸21の外周面21に接触している。すなわち、このオイルシール28Aは後述するように第1の端板体23Aと第2の端板体23Bとの間で形成される空間部と玉軸受27Aとの間を仕切って玉軸受27Aをこの空間部Sに対して封止するものである。
【0025】
図2に示すように第2の端板体23Bは、主軸21において他方の端部に設けられ、端板51とガイドリング52とを備えている。端板51は円板形をなすもので、中央部には円筒部51aを有しており、この円筒部51aは端板51の一側面から軸線方向に沿って延びるように形成されている。端板51の一側面部の周縁部にはタイヤ固定用の溝51bが周方向全体にわたり形成されている。端板51の直径および円筒部51aの直径は端板41の直径および円筒部41aの直径と同じ大きさである。溝51bの直径は端板41の溝41bの直径と同じ大きさである。
【0026】
ガイドリング52は端板51よりやや大きい直径を有する円環形をなすもので、中央部には円筒部51aの外径より大きい直径を有する円形の中央孔52aが形成されている。ガイドリング52は端板51の一側面に同心円状に重ねて配置され、中央孔52aが端板51の円筒部52aに嵌合されている。図2に示すようにガイドリンク52と端板51とは複数のボルト53を用いて互いに固定される。ガイドリング52の直径はガイドリンク42の直径と同じ大きさである。
【0027】
そして、端板51は円筒部51aが突出する一側面が探傷ヘッドの外側に位置した向きに設定され、円筒部51aは主軸21において他方の端部に嵌合され、この円筒部51aは玉軸受27Bを介して主軸21に回転自在に支持されている。この玉軸受27Bはラジアル荷重用のもので、主軸21と円筒部51aに係合された一対の保持リング54により軸線方向の両端が支持されている。
【0028】
端板51の円筒部51aの内部では玉軸受27Bに対して探傷ヘッドの内部側に隣接する位置にオイルシール28Bが配置されている。このオイルシール28Bは円筒部51aとこの円筒部51aに挿通された主軸21との間で形成される円形空間部に配置される円環形をなすもので、保持リング54と端板51に形成されたフランジ51cに挟まれて支持されて円筒部51aの内周面と主軸21の外周面21に接触している。すなわち、このオイルシール28Aは第1の端板体23Aと第2の端板体23Bとの間で形成される空間部と玉軸受27Bとの間を仕切って玉軸受27Bをこの空間部に対して封止するものである。
【0029】
このように第1の端板体23Aと第2の端板体23Bは、主軸21の軸方向においてプローブ保持部31を挟んで間隔を存した位置で、主軸21の軸方向に対して直角な向きで互いに対向して設けられる。
【0030】
タイヤ24は、主軸21のプローブ保持部21aとこれを挟む第1の端板体23Aと第2の端板体23Bとで形成される空間部を、第1の端板体23Aと第2の端板体23Bの周縁部間で周方向全体に亙って覆うものである。タイヤ24は第1の端板体23Aの端板41の周縁部と第2の端板体23Bの端板51の周縁部との間隔より広い幅と、これら端板41,51の直径より大きい直径を有する幅広の円筒体をなしている。タイヤ24の幅方向両側縁部には夫々周方向全体に亘って固定部24aが形成されている。この固定部24aは断面が鉤形をなすもので、タイヤ周縁部からタイヤ内部に向けて直径方向に沿って直角に折り曲げられ、さらにタイヤ内部に向けて幅方向に沿って直角に折り曲げられている。
【0031】
そして、タイヤ24は第1の端板体23Aの端板41の周縁部と第2の端板体23Bの端板51の周縁部との間で形成される円環状の開放部分にこの開放部分を跨いで周方向全体に配置される。タイヤ24の両側部に夫々形成され鉤形の固定部24aは,端板41と端板51の各周縁部に形成された溝41aと溝51aに係合され、さらに外側からガイドリンク42とガイドリンク52にこれによりタイヤ24は第1の端板体23Aと第2の端板体23Bの両周縁部間を跨いでこれら両周縁部に固定されて設けられている。
【0032】
シリコンゴムは従来タイヤを成形する材料として採用されていたニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)に比較して耐久性が高く、耐水性も優れており、製作も容易である。すなわち、シリコンゴムからなるタイヤ24は経年劣化が大変少ない。また、シリコンゴムは弾性を有している。
【0033】
さらに、シリコンゴムは透明性を有しており、探傷ヘッドの外部からタイヤ24を通して探傷ヘッドの内部、つまりタイヤ24で覆われた空間部Sの内部の様子を目視することを可能としている。すなわち、シリコンゴムからなるタイヤ24に透明性を持たせることにより、タイや24の外部からタイヤ24を通してタイヤ24の内部の空間部Sの様子を目視により観察することができる。このため、空間部Sの内部に気泡が存在する場合に、タイヤ24の外部から空間部Sに存在する気泡を目視により確認することができる。そして、空間部Sの内部に気泡が存在する場合にはこの気泡を取り除く処理を行なう。
【0034】
さらにまた、図5(a)に示すようにタイヤ24は断面が幅方向両側部から幅方向中央部に向けて円弧を描きながらタイヤ外部へ向けてゆるやかに膨出する形状に形成されている。すなわち、タイヤ24は全体が太鼓形をなすように形成されており、直径が両側縁部から中央にかけて少しずつ拡大している。このタイヤ24の幅方向両側部および中央部の直径は第1および第2の端板体23A、23Bのガイドリンク42、52の直径よりやや大きい値である。
【0035】
このタイヤ24の断面形状における湾曲の曲率は、タイヤ24を被検査物Hに接触させた時に被検査物から加わる抵抗により幅方向中央部が内側へ凹入することを阻止し、幅方向に沿ってできるだけ広い範囲で被検査物の面に接触するように弾性変形できることを考慮して設定する。タイヤ24は成形時にこのような太鼓形をなすように成形され、この太鼓形の形状を常時維持できるようになっている。
【0036】
すなわち、タイヤ24は被検査物Hに接触する時に、図5(b)に示すようにタイヤ24の幅方向中央部が被検査物Hの表面から離れる向き、すなわちタイヤ24の内部へ向けて撓んで湾曲するように変形することがなく、タイヤ24の幅方向両側部および中央部が均一に平坦な状態で被検査物Hの表面に接触できるものである。
【0037】
このようにして設けられたタイヤ24は、主軸21のプローブ保持部21Aと、これを挟む第1の端板体23Aと第2の端板体23とで空間部Sを構成している。
【0038】
バルブ26A、26Bは第1の端板体23Aにおいて主軸21を挟んで対向する位置に主軸21から等距離を置いて設けられている。これらバルブ26A、26Bは、タイヤ24と、主軸21のプローブ保持部21aと、これを挟む第1の端板体23Aと第2の端板体23とで構成される空間部Sの内部に液体(エチレングリコール水溶液)である接触媒質25を注入する時に、一方が接触媒質注入用として用いられ、他方が注入された接触媒質25の圧力で空間部Sの内部にあった空気を外部に排出するために使用される。
【0039】
これらバルブ26A、26Bは、例えば自動車のタイヤのチューブに接続されるバルブが用いられている。この自動車のチューブに接続されるバルブはエアバルブと呼ばれ(タイヤバルブとも呼ばれる。)ている。バルブ26A、26Bは、逆止弁の形式をなすもので゛、筒形の本体の内部に、この本体に形成される通路を開閉する弁体、この弁体に対して閉じる向きに力を加える弾性部材を設けたもので、接触媒質25を注入する時に接触媒質25の圧力で弁体が開いて注入を可能し、常時は注入された接触媒質25が外部へ出ることを阻止している。また、バルブ26A、26Bは、接触媒質25の注入時に注入される接触媒質25の圧力で空間部Sの内部にある空気(気泡)を外部に排出することが可能である。
【0040】
バルブ26A、26Bは、第1の端板体23Aにおける端板41とガイドリング42に第1の端板体23Aの軸方向に沿って貫通して固定して設けられており、夫々一方の端部(注入側端部)が第1の端板体23Aの外側に突出しているとともに他方の端部が空間部Sの内部に面している。
【0041】
そして、接触媒質25を空間部Sに注入する場合には、接触媒質25を供給するポンプ、このポンプに接続するホースおよびこのホースの先端部に取付けてバルブ26A、26Bに組み合さるアダプタを用意する。このアダプタはバルブ26A、26Bの一端部に接続して組み合せることにより、常時は閉塞状態にあるバルブ26A、26Bの弁体を動かして開放状態にするものである。すなわち、バルブ26A、26Bの一方、例えばバルブ26Aの第1の端板体23Aの外側に突出している端部にアダプタを接続する。ポンプを駆動してエチレングリコール水溶液を溜めたタンクからこの水溶液をホースに通して送り出し、アダプタおよびバルブ26A、26Bの一方を通して超音波探傷ヘッドの空間部Sの内部に注入する。
【0042】
このように超音波探傷ヘッドにバルブ26A、26Bを設けることにより、接触媒質25をポンプおよびホースを用いて超音波探傷ヘッドの空間部Sの内部に安定して確実に注入することができる。また、ホースをバルブに接続する作業も簡単である。
【0043】
必要量の接触媒質25を空間部Sの内部に注入した時点でポンプによる供給を停止し、アダプタをバルブ26Aから外す。接触媒質25の注入量は、タイヤ24を被検査物Hに接触させた時にタイヤ24の良好な弾性を持って被検査物Hに接触できるようにタイヤ24の形状を維持できる量である。接触媒質25をバルブ26Aから空間部Sの内部に注入してゆくと、接触媒質25に押されて空間部Sの内部にあった空気が他方のバルブ26bを通って外部へ排出され、空間部Sの内部が接触媒質25で満たされる。このため、超音波は空間部Sの内部に満たされた接触媒質25を通過するので、その損失を少なくすることができる。
【0044】
バルブ26A、26Bは、タイヤ24と、主軸21のプローブ保持部31と、これを挟む第1の端板体23Aと第2の端板体23とで構成される空間部Sの内部に接触媒質25を注入、充填するものである。接触媒質25は、エチレングリコール水溶液を用いている。
【0045】
このため、エチレングリコール水溶液からなる接触媒質25とシリコンゴムからなるタイヤ24とコンポジット型振動子22とを組み合せることにより、超音波が通過する通路における超音波の損失とノイズの発生を夫々抑制することができる。
【0046】
そして、接触媒質25であるエチレングリコール水溶液はタイヤのシリコンゴムに対して化学的変化を及ぼすことがないとともに、シリコンゴムが有する耐久性および透明性を損なうことがなく、シリコンゴムはエチレングリコール水溶液に対して化学的変化を及ぼすことがない。
【0047】
なお、図2に示すように主軸21の一端部における外周部には、軸方向に沿うキー溝21aが形成されている。このキー溝21aは、後述するようにこの超音波探傷ヘッドを用いて透過法により超音波探傷検査を行なう場合に、プローブ保持部31が必要とする位置に来るように超音波探傷ヘッドを位置決めする向き確認手段の一例である。
【0048】
このように構成された回転型の超音波探傷ヘッドを用いて透過法により超音波探傷検査を行なう場合について図4を参照して述べる。
【0049】
図4は透過法により超音波探傷検査を行なう場合を模式的に示すものである。図中Hは被検査物で、例えば航空機における垂直尾翼である。透過法による検査は、被検査物Hを挟んでその両側に夫々超音波探傷ヘッド61を対向して位置させる。被検査物Hの両側には夫々ガイドレール63を対向して設け、このガイドレール63には保持体62を夫々移動可能に設ける。各保持体62は図示しない移動機構により被検査物Hを挟んでガイドレール63に沿って同期して移動させる。保持体62にはプローブ22が被検査物Hに対して直角に向くように向きを設定し、タイヤ24が被検査物Hの表面に接触するようにして超音波探傷ヘッド61を保持する。各保持体62では、夫々プローブ22が被検査物Hを挟んで同一直線上に位置するように超音波探傷ヘッド61を被検査物Hを挟んで対向させて保持する。具体的には保持体62は探傷ヘッド61の主軸21を回転しないように固定する。
【0050】
保持体62には超音波探傷ヘッド61における主軸21のキー溝21aが係合するキー64を設ける。このキー64は、主軸21のキー溝21aをキー64に係合することにより、プローブ22が被検査物Hに対して直角に向くように位置および向きを設定する。このため、主軸21のキー溝21aをキー64に係合させるだけの操作で、超音波探傷ヘッド61を必要とする向きと位置をもって保持体62に保持させることができる。また、キー溝21aとキー64との係合により主軸21の回転を阻止するように固定できる。
【0051】
超音波探傷ヘッド61におけるタイヤ24は図5(b)に示すように幅方向中央部から両側部に亙って被検査物Hの表面に接触する。このため、タイヤ24は幅方向の大部分が被検査物Hの表面に均一に接触して被検査物Hとの接触面積が大きく、タイヤ24と被検査物Hとの間に空気層が介在することがない。そうすると、超音波がタイヤ24を通過した後に空気層を通過することなく被検査物Hの内部に入る。従って、超音波が被検査物Hに達するまでおける損失が小さくノイズの発生も少ない。タイヤ24の表面と被検査物Hの表面との間には水、油などを介在させる。
【0052】
また、必要に応じてタイヤ24の外部から内部の空間部Sの様子を目視により観察して空間部Sにおける気泡の有無を調べる。空間部Sに気泡がある場合には、気泡を取り除く処理を行なう。これにより空間部Sに超音波損失およびノイズ発生の原因となる気泡が存在しない状態で超音波探傷を行なうことができる。
【0053】
図4は超音波探傷ヘッド61を水平移動して探傷検査を行なう場合を示している。すなわち、被検査体Hの両側に夫々ガイドレール63を水平にして平行に設け、各ガイドレール63に夫々対向して保持体62を設ける。各保持体62には、主軸21のキー21aを係合することにより、亜画プローブ22が被検査物Hを挟んで同一水平線上に位置し、タイヤ24が被検査体Hの側面に接触するように超音波探傷ヘッド61の向きと位置を規定するキー64を設ける。そして、主軸21のキー溝21aをキー64に係合して超音波探傷ヘッド61を必要とする向きと位置をもって保持体62に保持させる。
【0054】
一方の超音波探傷ヘッド61では、プローブ22から空間部Sに向けて超音波を発信させる。発信された超音波は一方の超音波探傷ヘッド61において空間部Sに充填された接触媒質25であるエチレングリコール水溶液と空間部Sを覆うタイヤ24を通過し、次いで金属などからなる被検査物Hの内部を厚さ方向に沿って通過する。さらに超音波は他方の超音波探傷ヘッド61において空間部Sを覆うタイヤ24と空間部Sに充填された接触媒質25であるエチレングリコール水溶液を通過する。他方の超音波探傷ヘッド61では空間部Sの接触媒質25を通過した超音波をプローブ22で受信する。被検査物Hの内部に欠陥がある場合には超音波の通過率が変化するので、その通過の状態に変化に応じて内部欠陥の位置や大きさを知ることができる。
【0055】
そして、被検物Hの両側において夫々保持体62をガイドレール63に沿って同期して水平移動させる。各保持体62の移動とともに各保持体62に夫々保持された各超音波探傷ヘッド61が同期して対向した状態を維持して移動する。超音波探傷ヘッド61は保持体62に保持されている主軸21が移動し、主軸21に設けられた第1および第2の端板体23A、23Bとタイヤ24が移動する。第1および第2の端板体23A、23Bは主軸21に回転可能に支持されており、第1および第2の端板体23A、23Bに取付けられたタイヤ24は被検査物Hの表面に接触している。タイヤ24が被検査物Hの表面に接触して水平方向へ移動しようとすると、タイヤ24と被検査物Hとの間の摩擦力により第1および第2の端板体23A、23Bに回転トルクが発生して主軸21を中心として回転する。タイヤ24は被検査物Hの表面上を回転して接触しながら水平方向へ移動する。すなわち、主軸21の移動によりタイヤ24が被検査物Hにころがり接触して接触状態を保持する。このため、超音波探傷ヘッド61が水平方向に移動する領域全体全に亘り超音波探傷検査を行なうことができる。
【0056】
この超音波探傷ヘッド61は、タイヤ24をシリコンゴムで形成することと、接触媒質25にエチレングリコール水溶液を用いることと、コンポジット型振動子とを組み合せることにより、従来の超音波探傷ヘッドに比較して接触媒質およびタイヤを通過する時の超音波損失の度合いが約20%程減少した。
【0057】
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されず、種々変形して実施することができる。前述した実施の形態では、向き確認手段として主軸21にキー溝を形成したが、これに限定されず主軸21にキーを設けるなど他の構成を採用することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の超音波探傷ヘッドによれば、接触媒質を充填する空間部を構成するタイヤは幅方向両側部から中央部にかけて外部へ向けて膨出する形状をなしているので、幅方向の大部分が被検査物の表面に均一に接触して被検査物との接触面積が大きく、タイヤと被検査物との間に空気層が介在することがない。このため、超音波がタイヤを通過した後に空気層を通過することなく被検査物の内部に入るので、超音波が被検査物に達する間の損失が小さくノイズの発生も少ない。従って、超音波の損失およびノイズの発生を抑えて精度の高い超音波探傷検査を行なうことができる。
【0059】
本発明の超音波探傷ヘッドによれば、タイヤがシリコンゴムにより形成されているので、従来のタイヤに比較して経年劣化が小さく耐久性に優れている。
【0060】
本発明の超音波探傷ヘッドによれば、タイヤが透明であるためにタイヤの外部から内部の空間部の様子を目視により観察して空間部における気泡の有無を調べることができ、空間部に気泡がある場合には迅速に迅速に対応して気泡を取り除き精度が高い超音波探傷検査を行なうことができる。
【0061】
本発明の超音波探傷ヘッドによれば、プローブの向きを示す向き確認手段を用いて、ヘッドが必要とする向きに向くように容易にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における超音波探傷ヘッドを示す斜視図。
【図2】同実施の形態における超音波探傷ヘッドを示す断面図。
【図3】同実施の形態における超音波探傷ヘッドを示す平面図。
【図4】同実施の形態において超音波探傷ヘッドを使用する状態を示す図。
【図5】同実施の形態の超音波探傷ヘッドに設けるタイヤを示す図。
【図6】従来の形態における超音波探傷ヘッドを示す断面図。
【図7】従来の形態の超音波探傷ヘッドに設けるタイヤを示す図。
【符号の説明】
21…主軸
21a…キー溝
22…プローブ
23A…第1の端板体
23B…第2の端板体
24…タイヤ
25…接触媒質
26A…バルブ
26B…バルブ
27A…軸受
27B…軸受
28A…オイルシール
28B…オイルシール
31…プローブ保持部
61…探傷ヘッド
62…保持体
64…キー
H…被検査物
S…空間部

Claims (4)

  1. 超音波を発信、受信する振動子を備えたプローブと、このプローブを保持するプローブ保持部を有する主軸と、前記主軸における前記プローブ保持部を挟んだ位置に夫々対向して軸受を介して回転自在に設けられた第1および第2の端板体と、これら第1および第2の端板体の周縁部間を跨いで前記第1および第2の端板体の周方向全体に亘って配置され前記第1および第2の端板体に固定された弾性を有するタイヤと、前記主軸のプローブ保持部と前記第1および第2の端板体と前記タイヤとで形成される空間部に充填された超音波を通過させる接触媒質とを具備し、
    前記タイヤはその幅方向両側部から幅方向中央部に向けて前記空間部の外部へ向けて膨出する形状であることを特徴とする超音波探傷ヘッド。
  2. 前記タイヤはシリコンゴムにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷ヘッド。
  3. 前記タイヤはその外部から前記空間部の内部が目視可能な透明なものであることを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷ヘッド。
  4. 前記主軸には前記プローブの向きを示す向き確認手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷ヘッド。
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