JP2004142798A - 紙容器およびその製造方法 - Google Patents

紙容器およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004142798A
JP2004142798A JP2002310809A JP2002310809A JP2004142798A JP 2004142798 A JP2004142798 A JP 2004142798A JP 2002310809 A JP2002310809 A JP 2002310809A JP 2002310809 A JP2002310809 A JP 2002310809A JP 2004142798 A JP2004142798 A JP 2004142798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
paper
groove
paper container
container body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002310809A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Mochida
持田 達也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Aluminum Co Ltd filed Critical Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority to JP2002310809A priority Critical patent/JP2004142798A/ja
Publication of JP2004142798A publication Critical patent/JP2004142798A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Abstract

【課題】1つの材料から製造された紙容器であって、底の外側に強度の高い溝状リブを有する紙容器を提供およびその製造方法を提供する。
【解決手段】収容空間を画定する容器本体10と、該容器本体の口11の周囲に形成されて外方に張り出した張り出し部20とを備え、前記容器本体と前記張り出し部とが1つの材料から一体成形されている紙容器30を得るにあたって、前記容器本体に、該容器本体の下面から該容器本体の高さ方向下向きに突出した溝状リブ15を設けると共に、該溝状リブの外側壁15aと内側壁15bとを略平行にする。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つの材料から成形された紙容器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題に関する消費者や企業の意識が変化し、多量かつ安易に消費されてきた石油化学製品の一部が、使用後の処理が容易な天然材料に取って代わられつつある。
【0003】
例えば食品容器等の分野では、これまでプラスチックの成形品や発泡スチロールの容器等が使い捨て容器として使用されてきたが、この用途の一部が紙容器に取って代わられようとしている。
【0004】
紙製の食品容器は、使用後の処理が容易であり、かつ軽量であることから、一般家庭での調理用容器や、野外での食器ないし調理用容器等として好適である。
【0005】
代表的な紙容器である紙コップは、底と側壁とを別々の部材として作製した後にこれらの部材を一体化することで作製されているが、生産性を高めるという観点からは、1つの材料から紙容器を成形することが好ましい。
【0006】
例えば特許文献1には、1枚の厚紙を一工程でプレス処理して蓋、容器等を成形するようにした成形用型が記載されている。この成形用型を用いれば、口の縁につば部を有し、底面部に底上部を有する紙容器を得ることができる。
【0007】
また、特許文献2には、1つの紙製シートを折り曲げることによって形成され、型崩れを防止するために、食品の重みによって平坦化するV字リブが容器本体の底壁の周縁と側壁との間に設けられた食品用容器が記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭63−268629号公報
【特許文献2】
特開2000−281042号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
紙容器を食器または調理用容器として使用するためには、火傷等の事故が起こらないように、その安全性を高めておくことが重要であり、そのためには、熱い料理を入れたときでも安全に把持することができる領域を形成しておくことが望まれる。熱い料理が入った紙容器を片手で把持することを想定すると、当該紙容器の底の外側には、強度の高い幅狭の溝状リブを設けておくことが望まれる。
【0010】
しかしながら、紙は延性や展性が小さいため、1つの材料から製造することができる紙容器の形状の自由度は比較的低く、従来の成形方法では、紙容器の底の外側に強度の高い幅狭の溝状リブを設けることができなかった。
【0011】
そこで、本発明は、1つの材料から製造された紙容器であって、底の外側に強度の高い溝状リブを有する紙容器およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書にて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明の第1の態様では、収容空間を画定する容器本体(10、40)と、該容器本体の口(11、41)の周囲に形成されて外方に張り出した張り出し部(20、50)とを備え、前記容器本体と前記張り出し部とが1つの材料から一体成形されている紙容器(30、60)であって、前記容器本体が、該容器本体の下面から該容器本体の高さ方向下向きに突出した溝状リブ(15、45)を有し、該溝状リブの外側壁(15a)と内側壁(15b)とが略平行であることを特徴とする紙容器によって、前記課題を解決する。
【0014】
容器本体の下面に形成する溝状リブの形状を、上述のように外側壁と内側壁とが略平行な形状とすることにより、当該溝状リブの強度を高めることができる。
【0015】
溝状リブの強度が高ければ、紙容器に例えば料理が入っているときでも、溝状リブと上記の張り出し部とに指を掛けて当該紙容器を片手で安定に把持することが可能になる。
【0016】
また、紙は熱伝導率が低いので、溝状リブの肉厚(幅方向の厚さ)を薄くすると共に当該溝状リブの深さ(容器本体下面からの高さ)を適宜選定することにより、紙容器に熱い料理を入れたときでも溝状リブの外表面の温度上昇を抑制することができる。その結果として、熱い料理が入った紙容器を片手で把持する場合でも、火傷しにくくなる。
【0017】
さらに、溝状リブの強度が高く、潰れにくければ、紙容器に料理を入れたときでも紙容器の底の外側表面と当該紙容器が載せられている台との間に形成される空気層が安定に保持されるので、紙容器内の料理が冷めにくくなると共に、当該紙容器が載せられている台の過熱が防止される。
【0018】
本発明の第2の態様では、上記溝状リブの高さに対する当該溝状リブの肉厚の比を1よりも小さくする。
【0019】
前記の比を1よりも小さくすると、紙容器に熱い液を入れたときでも溝状リブの外側壁と内側壁との間に侵入できる液量が少なくなるので、当該溝状リブの外表面の温度上昇が更に抑制される。その結果として、熱い液が入った紙容器を片手で把持する場合でも、更に火傷しにくくなる。
【0020】
本発明の第3の態様では、前記張り出し部に、前記口の縁に連なって該縁よりも前記高さ方向の下側において外方に張り出したつば部を形成する。
【0021】
上記のつば部を形成することにより、張り出し部の強度を向上させることができる。張り出し部の強度が高ければ、例えば中に食材または料理が入れられた紙容器を運ぶにあたって張り出し部を把持したとしても容器本体および張り出し部の変形が抑制されるので、安心して、また安全に、食材または料理を運ぶことができる。
【0022】
必要に応じて、上記のつば部の外側に縁巻き部を形成することにより、張り出し部の強度を更に向上させることができる。
【0023】
本発明の第4の態様では、所定形状の1枚の原紙(150)をプレス成形して、収容空間を画定する容器本体(10、40)と、該容器本体の口(11、41)の周囲に形成されて外方に張り出した張り出し部(20、50)とを備えた紙容器(30、60)を製造する紙容器の製造方法であって、前記原紙を第1の成形型によってプレスすることにより、高さ方向下向きに突出した第1溝状リブ(252)を下面に有する第1容器本体(251)と、該第1容器本体の口の周囲に形成されて外方に張り出した第1張り出し部(254)とを備えた第1紙容器(250)を得る第1工程と、前記第1紙容器を第2の成形型によってプレスすることにより、前記第1溝状リブを形成する第2工程と、を含むことを特徴とする紙容器の製造方法によって、前記課題を解決する。
【0024】
この態様では、容器本体や第1張り出し部を第1工程で成形し、溝状リブを第2工程で成形するので、容器本体や第1張り出し部を成形するための成形力とは異なる方向に働く成形力によって溝状リブを成形することが容易であり、溝状リブを成形する際の成形量も増大させ易い。そのため、上述した第1の態様の紙容器も比較的容易に成形することができる。
【0025】
本発明の第5の態様では、上記の第2工程において、前記第1溝状リブを、該第1溝状リブの高さに対する該第1溝状リブの肉厚の比が1よりも小さくなるまで薄肉化する。この態様によれば、上述した第2の態様の紙容器を得ることができる。
【0026】
本発明のこのような作用および利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
【0028】
1.紙容器に係る実施形態
<第1実施形態>
図1(A)は、第1実施形態による紙容器を概略的に示す上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示した紙容器を概略的に示す部分切欠き側面図である。なお、図1(B)中の切欠き部分においては、容器の材料として用いた紙の厚さを省略して、当該紙を1本の実線で表している。
【0029】
これらの図に示す紙容器30は、収容空間を画定する容器本体10と、当該容器本体10の口11の周囲に形成されて外方に張り出した張り出し部20とを備えており、容器本体10と張り出し部20とは、1つの材料から一体成形されている。
【0030】
容器本体10は、口11の開口面と略平行な領域を有する底部13と、当該底部13に連なった側壁部17とを有し、ほぼ逆円錐台状の収容空間を画定している。
【0031】
底部13の平面視上の中央部には、当該底部13の強度を高めるために、容器本体10の高さ方向上向きに突出した環状の凸部14が形成されている。また、底部13の下面からは、溝状リブ15が、容器本体10の高さ方向下向きに突出している。
【0032】
一方、張り出し部20は、口11の縁11aに連なって当該縁11aよりも下側において容器本体10の外方に張り出しているつば部22と、当該つば部22の外側に形成された縁巻き部24とを有しており、平面視上、略環形を呈している。
【0033】
以下、図2を参照しつつ、上述した溝状リブ15および張り出し部20の構造を更に説明する。図2は、図1(A)および図1(B)に示した紙容器30の縦断面の形状を拡大して概略的に示す斜視図である。
【0034】
図2に示すように、溝状リブ15は、底部13の縁部を容器本体10の高さ方向下向きに突出させることによって形成されており、当該溝状リブ15は、平面視上、環状を呈する。この溝状リブ15は、互いに略平行な外側壁15aと内側壁15とを有し、外側壁15aは側壁17に、内側壁15bは底部13に、それぞれ連なっている。
【0035】
溝状リブ15における底部13側での高さH1は、紙容器30の材料として使用する紙の剛性や容器本体10の内容積等に応じて、概ね1〜20mmの範囲内、好ましくは、概ね3〜10mmの範囲内で選択することができる。
【0036】
図示の例では、高さH1に対する溝状リブ15の肉厚Tの比T/H1が1よりも小さくなっている。この比T/H1を概ね1よりも小さくすることによって、紙容器30に熱い液を入れたときでも溝状リブ15の外側壁15aと内側壁15bとの間に侵入できる液量が少なくなるので、当該溝状リブ15の外表面の温度上昇が更に抑制される。その結果として、熱い液が入った紙容器30を片手で把持する場合でも、更に火傷しにくくなる。
【0037】
紙容器30に熱い液を入れたときに溝状リブ15の外表面の温度が高くなるのを抑制するうえからは、溝状リブ15の肉厚Tをできるだけ小さくすることが好ましく、そのためには、外側壁15aと内側壁15bとを互いにできるだけ近接させるか、互いに接触させることが好ましい。
【0038】
外側壁15aと内側壁15bとの間隔は、実用上、溝状リブ15の高さ方向中央部においては概ね0〜2mmの範囲内、溝状リブ15の高さ方向下端においては概ね0〜1mmの範囲内とすることが好ましい。
【0039】
一方、張り出し部20を構成しているつば部22は、口11の縁11aに連なって当該縁11aよりも容器本体10の高さ方向の下側において外方に張り出している。このため、図示の例では、つば部22における口11側の縁部が湾曲している。
【0040】
張り出し部20の上面で求めた上記湾曲している縁部の高さH2は、材料として使用している紙の剛性や容器本体10の内容積等に応じて、概ね0.2〜5mmの範囲内、好ましくは、概ね0.5〜3mmの範囲内で選択することができる。また、張り出し部20の上面で求めた上記湾曲している縁部の頂点と当該湾曲している縁部の下端との水平方向距離Lは、材料として使用している紙の剛性や容器本体10の内容積等に応じて、概ね0.5〜5mmの範囲内、好ましくは0.5〜3mmの範囲内で選択することができる。高さH2に対する水平距離Lの比L/H2は、概ね1以下の範囲内で選択することができる。
【0041】
つば部22の外側に形成されている縁巻き部24は、図示の例では、張り出し部20の外側縁部を容器本体10の高さ方向下側に1周程度巻き込むことによって形成されている。
【0042】
上述した構造を有する紙容器30では、溝状リブ15の外側壁15aと内側壁15bとが互いに略平行であるので、当該溝状リブ15の強度が高い。このため、紙容器30に例えば料理を入れたときでも、溝状リブ15と張り出し部20とに指を掛けて当該紙容器30を片手で安定に把持することが可能である。紙容器30に熱い料理を入れたときでも溝状リブ15の外表面の温度上昇が抑制されるので、当該紙容器30を片手で把持しても火傷しにくい。
【0043】
さらに、溝状リブ15の強度が高く、潰れにくいので、紙容器30に料理を入れたときでも底部13の外側表面と当該紙容器30が載せられた台との間に形成される空気層が安定に保持される。その結果として、紙容器30内の料理が冷めにくくなると共に、当該紙容器30を載せられた台の過熱が防止される。
【0044】
張り出し部20に形成されているつば部22および縁巻き部24は、それぞれ、省略することも可能であるが、張り出し部20につば部22を形成することにより、当該張り出し部20の強度を高めることができる。
【0045】
張り出し部20の強度が高ければ、例えば紙容器30の中に食材または料理を入れ、この紙容器30を運ぶにあたって張り出し部20を把持したとしても、容器本体10および張り出し部20の変形が抑制されるので、安心して、また安全に、食材または料理を運ぶことができる。
【0046】
同様に、張り出し部20に縁巻き部24を形成することによって、当該張り出し部20の強度を更に向上させることができる。縁巻き部24を設ける場合、その縦断面形状は図1(B)または図2に示したような渦巻き状に限定されるものではなく、例えば、つば部22の外側縁部を180°以下の所望角度折り曲げた形状とすることもできる。本明細書においては、つば部22の外側縁部を180°以下の所望角度折り曲げることによって形成された領域も「縁巻き部」と称するものとする。
【0047】
必要に応じて、側壁部17に波状の凹凸を設けることもできる。この場合、波状の凹凸は、側壁部17の周方向に凸部と凹部とを繰り返し形成することによって設けることもできるし、側壁部17の高さ方向に凸部と凹部とを繰り返し形成することによって設けることもできる。側壁部17に波状の凹凸を設けることにより、容器本体10の強度を更に高めることが可能になる。
【0048】
以上説明した紙容器30は、例えば後述する本発明の製造方法によって製造することができる。この製造方法によって紙容器30を製造するにあたって原紙に予め押し罫を形成した場合には、紙容器30に押し罫が残っていてもよい。
【0049】
<第2実施形態>
図3(A)は、第2実施形態による紙容器を概略的に示す上面図であり、図3(B)は、図3(A)に示した紙容器を概略的に示す部分切欠き側面図である。なお、図3(B)中の切欠き部分においては、容器の材料として用いた紙の厚さを省略して、当該紙を1本の実線で表している。
【0050】
図示の紙容器60は、(1)張り出し部50の平面視上の輪郭が、正方形の四隅を丸めた形状を呈する点、および(2)張り出し部50のコーナー部50aに近接して、つば部52から容器本体40の上部に達する凹部56が形成されている点で、第1実施形態の紙容器30と異なる。
【0051】
他の構成は紙容器30と同様であるので、図3(A)または図3(B)に示した構成要素のうちで図1(A)または図1(B)に示した構成要素と機能上共通するものについては、図1(A)または図1(B)で用いた参照符号の数値に30を加えた新たな参照符号を付してその説明を省略する。
【0052】
本実施形態の紙容器60は、張り出し部50が上述の形状を有していることから、容器本体40の口41からコーナー部50aにかけての張り出し部50の幅が、張り出し部50の他の箇所での幅よりも広くなっている。このため、例えば紙容器60に食材または料理を入れて運ぶときにコーナー部50aの近傍を把持すれば、紙容器60を運び易い。
【0053】
また、コーナー部50aに近接して凹部56が形成されているので、例えば紙容器60に料理を入れて運ぶときにコーナー部50aの近傍を把持しても、張り出し部50の変形が抑制される。
【0054】
個々の凹部56の形状は、図示のように、深さ、および平面視上の幅がコーナー部50a側から口41にかけて漸次増大し、かつ、平面視したときにコーナー部50a側が外側に凸の曲線を描く形状とすることができるが、当該凹部56の形状は図示の形状に限定されるものではない。
【0055】
上述した形状を有する紙容器60も、第1実施形態の紙容器30と同様に、溝状リブ45、および、つば部52を有しているので、紙容器30と同様の技術的効果を奏する。また、縁巻き部54を有しているので、この点でも、紙容器30と同様の技術的効果を奏する。
【0056】
2.紙容器の製造方法に係る実施形態
<第3実施形態>
図4は、前述した第1実施形態の紙容器30の製造に使用することができる第1プレス成形装置100を概略的に示す垂直断面図である。以下、図1(A)、図1(B)、または図2で用いた参照符号を引用しつつ第1プレス成形装置100の構成を先ず説明し、その後、当該第1プレス成形装置100によるプレス成形について説明する。
【0057】
図示の第1プレス成形装置100は、下部ベース110上に載置された下部装置120と、鉛直方向に往復運動可能なロッド145の先端に取り付けられた上部装置130とを備えており、下部装置120に設けられた下型と上部装置130に設けられた上型とで構成される第1の成形型によって、原紙150を第1紙容器に成形する。
【0058】
この第1紙容器は、(1)溝状リブ15に代えて、その元となる第1溝状リブ、すなわち、縦断面がV字状の溝状リブを有している点、および、(2)張り出し部20に代えて、その元となる第1張り出し部、すなわち、つば部が容器本体の口の縁と略同じ高さ位置において外方に張り出している張り出し部を有している点で、紙容器30と異なる。他の構成は、紙容器30の構成と同様である。
【0059】
第1プレス成形装置100を構成する下部装置120は、円板状の下部取り付け板121と、下部取り付け板121の中央部上に載置された第1下型122と、第1下型122上に載置されて原紙150を容器本体10の内面の形状に対応した形状に成形する第2〜第4下型123〜125と、これら第2〜第4下型123〜125の外側に配置された第5下型126とを備えている。
【0060】
第1下型122は、張り出し部20の元となる第1張り出し部の上面の形状に対応した形状の成形面を有しており、当該第1下型122と下部取り付け板121との間には第1空気室127が形成されている。この第1空気室127内には、第1スライド128を構成するピストン128aが配置されている。
【0061】
第2下型123は、容器本体10における側壁部17の内側表面の形状に対応した形状の成形面を有しており、当該第2下型123の上面中央部には凹部が形成されている。
【0062】
第3下型124は、溝状リブ15の元となる第1溝状リブの内側表面(容器本体10の内部に位置する表面)の形状に対応した形状の成形面を有しており、当該第3下型124は、第2下型123の上面に形成された凹部内に配置されている。
【0063】
第3下型124の下面には第1スライド128を構成しているロッド128bの一端が固定されており、ロッド128bの他端は上述したピストン128aに固定されている。第3下型124は、第1スライド128によって鉛直方向に往復運動することができる。
【0064】
第4下型125は、容器本体10における底部13の内側表面の形状に対応した形状の成形面を有しており、当該第4下型125は、第2下型123の上面に形成された凹部の中央に配置されている。
【0065】
第5下型126は、縁巻き部24の上面の形状に対応した形状の成形面を有しており、当該第5下型126の下面には第2スライド129を構成するロッド129aの一端が固定されている。ロッド129aは、下部取り付け板121に形成されている貫通孔を貫通しており、当該貫通孔に対応して、下部ベース110には凹部110aが形成されている。また、下部取り付け板121に形成された貫通孔とロッド129aとの間隙にはブッシュ121aが装着されている。第5下型126は、第2スライド129によって鉛直方向に往復運動することができる。
【0066】
一方、上部装置130は、油圧シリンダやエアシリンダ、あるいは機械プレス等によって鉛直方向に往復運動可能なロッド145の先端に固定された上部ベース131と、上部ベース131の下面に取り付けられた上部取り付け板132と、上部取り付け板132から鉛直方向下方に突出して配置されて原紙150を第1紙容器の外面(第1張り出し部の上面を除く。)の形状に対応した形状に成形する第1〜第4上型133〜136とを備えている。
【0067】
上部ベース131の中央部と上部取り付け板132の中央部との間には第2空気室137が形成されており、この第2空気室137内には、第3スライド138を構成する摺動部材138aが配置されている。また、第2空気室137の外側には第3空気室139が形成されており、この第3空気室139内には、第4スライド140を構成しているピストン140aが配置されている。
【0068】
第1上型133は、容器本体10における底部13の外側表面の形状と、第1溝状リブの内周面(第1溝状リブにおける内側壁の外側表面)の形状とに対応した形状の成形面を有しており、当該第1上型133の上面には摺動部材138aの一端が固定されている。第1上型133は、第3スライド138によって鉛直方向に往復運動することができる。
【0069】
第2上型134は、第1溝状リブの外周面(第1溝状リブにおける外側壁の外側表面)の形状に対応した形状の成形面を有しており、当該第2上型134は、第1上型133の外側に配置されている。この第2上型134の上面には、第4スライド140を構成しているロッド140bの一端が固定されている。ロッド140bの他端は上記のピストン140aに固定されている。第2上型134は、第4スライド140によって鉛直方向に往復運動することができる。
【0070】
第3上型135は、容器本体10における側壁部17の外側表面の形状と、紙容器30における張り出し部20の元となる第1張り出し部の下面の形状とに対応した形状の成形面を有しており、当該第3上型135は、第2上型134の外側において往復運動手段141の一端に固定されて、鉛直方向に往復運動することができる。往復運動手段141としては、例えばコイルバネ、エアシリンダ、油圧シリンダ等が用いられる。
【0071】
第3上型135の外径は、当該第3上型135の厚さ方向の略中央部で大きく変化しており、下部の外径は上部の外径よりも小さい。第3上型135の上部は、下部に比べて径方向外側に突出している。
【0072】
第4上型136は、縁巻き部24の下面の形状に対応した形状の成形面を有しており、当該第4上型136は、上部取り付け板132の下面に固定されている。また、第4上型136は、第3上型135における上部と下部との境の段差に係合する係合部を有しており、第3上型135の鉛直下方への移動を制限するストッパとしても機能する。
【0073】
これら第1〜第4上型133〜136を備えた上部装置130は、ロッド145の往復運動に連動して、鉛直方向に往復運動することができる。
【0074】
上述した構成を有する第1プレス成形装置100を利用して紙容器30を製造するにあたっては、まず、当該第1プレス成形装置100によって原紙150をプレス成形して、溝状リブ15の元となる第1溝状リブと、張り出し部20の元となる第1張り出し部とを有する第1紙容器を製造する。
【0075】
原紙150は円形を呈し、当該原紙150は下部装置120上に水平に配置される。この原紙150を所望形状に成形するうえからは、図5に示すように、原紙150に予め複数の押し罫152を放射状に形成しておくことが好ましい。
【0076】
紙は展性や延性が小さいので、プレス成形によって容器形状に成形すると、得られる容器の側壁等に多数のしわが形成される。このしわの形成を積極的に利用することによって、紙の成形性を高めることができる。
【0077】
すなわち、容器形状に成形するときにしわが形成され易い領域に予め押し罫を形成しておくことにより、プレス成形の際に当該押し罫に沿ってしわが形成されるように制御することができ、これによって、予定外の箇所にしわが形成されて成形不良となるのを抑制することができる。
【0078】
前述した紙容器30を製造するにあたって原紙150に形成する押し罫152の各々は、図5に示すように、少なくとも紙容器30の側壁部17に成形しようとする領域から張り出し部20に成形しようとする領域に亘って形成されていることが好ましい。
【0079】
また、原紙150の表面には、製造しようとする紙容器の用途等に応じて、耐水、耐油、耐熱等の機能を備えた層を形成してもよい。このような目的のために、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂のフィルムを原紙150の少なくとも一面側にラミネートしてもよい。このようにすれば、例えば冷凍食品を紙容器に入れて包装し、そのまま電子レンジやオーブンレンジ等で解凍して食卓に供することも可能となる。また、ワックス等の耐水性材料をコーティングしてもよい。さらに医療現場にて使用される所謂ディスポーザブル容器とするために、成形後に滅菌処理等を施してもよい。また、苗の短期間の育成用ポットとして、肥料成分を含浸させた原紙を使用することもできる。さらに、このような場合を含めて植物育成用ポットとして使用する場合には、必要に応じて原紙の通気性や透水性、耐水性を吟味することが望ましい。
【0080】
原紙150の厚さは、製造しようとする紙容器の用途等に応じて、概ね150〜500μmの範囲内、好ましくは、概ね250〜400μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0081】
次いで、図6に示すように上部装置130を鉛直方向下方に降下させ、第1下型122と第3上型135、第2下型123と第3上型135、および、第4下型125と第1上型133によって、原紙150を鉛直方向の下側および上側から強く挟み込む。このとき、第2上型134は、第3下型124に圧接することなく、当該第3下型124の上方に所定距離だけ離隔している。同様に、第4上型136と第5下型126とは、原紙150がこれらの型の間に弱く挟み込まれるように、所定距離だけ離隔している。
【0082】
上述の動作によって、第1紙容器における第1溝状リブおよび縁巻き部を除いた領域が略完成する。この段階の紙容器は、第1溝状リブを有してはいないものの、第1溝状リブの元となる溝状リブを有している。
【0083】
次いで、図7に示すように、第5下型126の下面が下部取り付け板121の上面に当たるまで、上部装置130を更に降下させる。
【0084】
この降下に伴って、第3下型124および第2上型134も降下し、第3下型124の上端の高さが第4下型125の上面の高さと略同じになった位置で、当該第3下型124と第2上型134とが原紙150(図示せず。)を強く挟み込む。また、第2上型134における成形面の一部である内周面と、第1上型133における成形面の一部である外周面とが、原紙150(図視せず。)を強く挟み込む。その結果として、容器の底の外側に第1溝状リブが形成される。
【0085】
このとき、第4上型136と第5下型126との間に弱く挟み込まれていた原紙150の周縁は、第4上型136と第5下型126の下降に伴ってこれらの型の間から徐々に抜け、第5下型126上面の内側側部に形成されている第1環状溝126aで止まる。第1環状溝126a上方の第4上型136の成形面には、第1環状溝126aに対応して、第2環状溝136aが形成されている。
【0086】
この後、上部装置130を上昇させると、原紙150の周縁部が第1環状溝126aと第2環状溝136aとによって当該原紙150の内側に巻き込まれて、縁巻き部24が形成され、目的とする第1紙容器が得られる。この第1紙容器は、第1張り出し部を有してはいるものの、当該第1張り出し部には前述したつば部22が形成されていない。
【0087】
なお、第1プレス成形装置100によって第1紙容器を得るにあたっては、第1〜第5下型122〜126および第1〜第4上型133〜136それぞれの成形面を概ね40〜200℃に加温して、より好ましくは概ね80〜140℃に加温して、プレス成形することが好ましい。下型および上型をこのように加温してプレス成形することにより、原紙150を所望形状に成形し易くなる。また、成形後の第1紙容器の形状維持にもつながり、成形後に第1紙容器が自然に変形することが防止される。
【0088】
下型および上型それぞれの成形面の加温は、例えば、下部装置120および上部装置130それぞれの所定箇所にヒータを設置し、当該ヒータの温度を制御することによって行うことができる。
【0089】
この後、上記の第1紙容器に、図1(B)または図2に示した溝状リブ15およびつば部22を形成して、第1実施形態の紙容器30を得る。
【0090】
図8は、上述した第1紙容器を紙容器30をプレス成形するために使用することができる第2プレス成形装置200を概略的に示す垂直断面図である。以下、図1(A)、図1(B)、または図2で用いた参照符号を引用しつつ第2プレス成形装置200の構成を先ず説明し、その後、当該第2プレス成形装置200によるプレス成形について説明する。
【0091】
図示の第2プレス成形装置200は、下部ベース210上に載置された下部装置220と、鉛直方向に往復運動可能なロッド245の先端に取り付けられた上部装置230とを備えており、下部装置220に設けられた下型と上部装置230に設けられた上型とで構成される第2の成形型によって、第1紙容器250を紙容器30に成形する。
【0092】
下部装置220は、円板状の下部取り付け板221と、下部取り付け板221の中央部上に載置された第1下型222と、第1下型222上に載置された第2下型223とを備えている。
【0093】
第1下型222は、紙容器30における張り出し部20の上面の形状に対応した形状の成形面を有している。
【0094】
第2下型223は、第1紙容器250の容器本体251の内面形状に対応した形状の成形面を有しており、当該成形面の形状は、紙容器30における容器本体10の内面形状にも対応している。
【0095】
一方、上部装置230は、ロッド245の先端が固定された上部ベース231と、上部ベース231の下面に取り付けられた上部取り付け板232と、上部取り付け板232から鉛直方向下方に突出して配置されて第1紙容器250を紙容器30の外面(張り出し部20の上面を除く。)の形状に対応した形状に成形する第1〜第3上型233〜235とを備えている。
【0096】
第1上型233は、紙容器30における底部13の外側表面の形状と、溝状リブ15の内周面(内側壁15bの外側表面)の形状とに対応した形状の成形面を有している。
【0097】
この第1上型233は、鉛直方向の長さが可変の第1ジグ236によって、上部取り付け板232の下面中央部に固定されている。第1ジグ236の長さは、図示を省略した弾性部材、例えばコイルバネの伸縮に応じて変化し、当該第1ジグ236の長さの変化に伴って、第1上型233の高さ位置が変化する。
【0098】
第2上型234は、環形を呈する板状の型を3〜4つに分割した分割型であり、これらの分割型が合わさったときの内周面が、溝状リブ15の外周面(外側壁15aの外側表面の形状)の形状に対応した形状の成形面となる。この第2上型234は、各分割型が互いに離隔した状態で、第1上型233の外側に配置されている。
【0099】
第2上型234の上面における外周面側の縁部は面取りされ、下面における外周面側の縁部は下方に突出している。また、第2上型234を構成している個々の分割型の上面における第1上型233側の縁部上には、それぞれ、ストッパ237が配置されている。
【0100】
第3上型235は、径方向内側に張り出した張り出し部235aを下端に有する筒状を呈し、張り出し部235aにおける径方向内側の端部は鉛直方向上方および下方に突出している。
【0101】
張り出し部235aの上記の端部には、紙容器30における側壁部17の外側表面の形状とつば部22の下面の形状とに対応した形状を有する成形面が形成されており、当該成形面は、第1上型233よりも下方において当該第1上型233の径方向外側に位置している。
【0102】
張り出し部235a上には、前述した第2上型234が配置されており、当該第2上型234を構成している個々の分割型は、張り出し部235aの上面と第2上型234の下面との間に配置されて第3上型235の径方向に伸縮することができる弾性部材(例えばコイルバネ)238によって、第3上型235の径方向内向きおよび径方向外向きに往復運動することができる。
【0103】
上記の張り出し部235aを有する第3上型235は、鉛直方向の長さが可変の第2ジグ239によって、上部取り付け板232に固定されている。第2ジグ239の長さは、図示を省略した弾性部材、例えばコイルバネの伸縮に応じて変化し、当該第2ジグ239の長さの変化に伴って、第3上型235の高さ位置が変化する。
【0104】
上部取り付け板232の下面には、当該上部取り付け板232と第2上型234との距離が所定の距離よりも縮まったときに第2上型234に当たって、当該第2上型234を構成している個々の分割型を第3上型235の径方向内向きに移動させる筒状の凸部240が固定されている。凸部240の下端は、第2上型234を構成している各分割型の上面における外周面側の縁部(面取りされている領域)と面接触することができるように、面取りされている。
【0105】
これら第1〜第3上型233〜235を備えた上部装置230は、ロッド245の往復運動に連動して、鉛直方向に往復運動することができる。
【0106】
上述した構成を有する第2プレス成形装置200によって第1紙容器250を紙容器30にプレス成形するにあたっては、まず、図8に示すように、第1紙容器250を第2下型223に被せる。図中の参照符号251は第1紙容器250における容器本体(第1容器本体)を示し、参照符号252は第1紙容器250に形成されている第1溝状リブを示し、参照符号254は第1紙容器250に形成されている第1張り出し部を示している。
【0107】
次いで、図9に示すように上部装置230を鉛直方向下方に降下させる。上部装置230の降下は、第1紙容器250(図9においては図示せず。)が第1〜第2下型222〜223と第1および第2上型233、235とに挟み込まれるまで、すなわち、第1および第2上型233、235が下死点に達するまで、行う。
【0108】
この降下に伴い、第3上型235における成形面の一部である下面(張り出し部235a(図8参照)における径方向内側端部の下面)と、第1下型222の成形面とによって、第1紙容器250の第1張り出し部254(図8参照)につば部22が形成される。すなわち、第1張り出し部254が、紙容器30における張り出し部20に成形される。また、第1紙容器250の第1容器本体251が、紙容器30の容器本体10(ただし、溝状リブ15を除く。)に成形される。
【0109】
この後、図10に示すように、上部ベース231および上部取り付け板232を更に降下させて、凸部240をその下死点まで移動させる。
【0110】
凸部240の降下により、ストッパ237が第1上型233の外周面上部に当たるまで、第2上型234を構成している各分割型が第3上型235の径方向内向きに移動する。
【0111】
この移動によって、第1上型233の成形面の一部である外周面下部と第2上型234の成形面との間に第1溝状リブ252が強く挟み込まれ、第1溝状リブ252がその肉厚方向に潰れる。その結果として、第1溝状リブ252が第2溝状リブ(溝状リブ15)に成形され、紙容器30が得られる。
【0112】
第2プレス成形装置200によって紙容器30を得るにあたっても、第1プレス成形装置100によって第1紙容器250を得る場合と同様に、第1〜第2下型222〜223および第1〜第3上型233〜235それぞれの成形面を概ね40〜200℃に加温して、より好ましくは概ね80〜150℃に加温して、プレス成形することが好ましい。
【0113】
特に、溝状リブ15における外側壁15aの側壁17側の上部と、内側壁15bの底部13側の上部とが互いに離隔して当該溝状リブ15の形状が崩れてしまうのを防止するうえからは、第1上型233と第2上型234によって第1溝状リブ252を挟み込んだときの保持時間(成形時間)を概ね0〜5秒、好ましくは、概ね2〜3秒とすることが好ましい。
【0114】
図示の第2プレス成形装置200は、第1溝状リブ252を溝状リブ15に成形する際の条件を他の箇所での成形条件とは別個に制御するうえで好適な構造を有している。
【0115】
以上、現時点において最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う紙容器ないし紙容器の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0116】
例えば、前述した第2実施形態の紙容器60は、図4に示した第1プレス成形装置100における上型の成形面および下型の成形面それぞれの形状、ならびに図8に示した第2プレス成形装置200における上型の成形面および下型の成形面それぞれの形状を、紙容器60の形状に対応させて変更することにより、第1実施形態の紙容器30と同様にして製造することが可能である。
【0117】
また、紙容器自体の形状は、目的とする紙容器の用途等に応じて適宜選定可能である。
【0118】
溝状リブの肉厚を比較的厚くする場合には、上述した製造方法の実施形態におけるように2台のプレス成形装置を用いて目的とする紙容器を製造する以外に、1台のプレス成形装置のみを用いて目的とする紙容器を製造することも可能である。例えば、図4に示した第1下型122の成形面と第3上型135の成形面とによって所望のつば部22を形成することができるように、これらの成形面の形状を図8に示す第1下型222および第3上型235それぞれの成形面の形状に準じて変更すれば、1台のプレス成形装置のみを用いて目的とする紙容器を製造することも可能である。
【0119】
また、溝状リブの肉厚を薄くする場合でも、紙容器の製造に使用する原紙の成形性や、プレス成形時の温度条件、あるいは、プレス成形に使用する成形型(上型および下型)の形状および構造等を適宜選定することによって、1台のプレス成形装置によって目的とする紙容器を製造することが可能である。
【0120】
溝状リブは、容器本体の底部の所望位置に形成することが可能であるが、紙容器を置いたときの安定性等を勘案すると、容器本体の底部の周縁から概ね10mmの範囲内に形成することが特に好適である。
【0121】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1つの材料から製造された紙容器であって、底の外側に強度の高い溝状リブを有する紙容器を提供することができる。したがって、安全性の高い紙容器を量産することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、第1実施形態による紙容器を概略的に示す上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示した紙容器を概略的に示す部分切欠き側面図である。
【図2】図1(A)および図1(B)に示した紙容器の縦断面の形状を拡大して概略的に示す斜視図である。
【図3】図3(A)は、第2実施形態による紙容器を概略的に示す上面図であり、図3(B)は、図3(A)に示した紙容器を概略的に示す部分切欠き側面図である。
【図4】第1実施形態による紙容器の製造に使用することができる第1プレス成形装置を概略的に示す垂直断面図である。
【図5】紙容器の材料として用いる原紙の一例を概略的に示す平面図である。
【図6】図4に示した第1プレス成形装置を構成している上部装置を鉛直方向下方に降下させたときの状態を概略的に示す垂直断面図である。
【図7】図4に示した第1プレス成形装置を構成している上部装置を、図6に示した状態よりも更に鉛直方向下方に降下させたときの状態を概略的に示す垂直断面図である。
【図8】第1実施形態による紙容器の製造に使用することができる第2プレス成形装置を概略的に示す垂直断面図である。
【図9】図8に示した第2プレス成形装置を構成している上部装置を鉛直方向下方に降下させたときの状態を概略的に示す垂直断面図である。
【図10】図8に示した第2プレス成形装置を構成している上部装置を、図9に示した状態よりも更に鉛直方向下方に降下させたときの状態を概略的に示す垂直断面図である。
【符号の説明】
10、40 容器本体
11、41 口
11a、41a 口の縁
15、45 溝状リブ
20、50 張り出し部
22、52 つば部
24、54 縁巻き部
30、60 紙容器
150 原紙
152 押し罫
250 第1紙容器
251 第1容器本体
252 第1溝状リブ
254 第1張り出し部

Claims (5)

  1. 収容空間を画定する容器本体と、該容器本体の口の周囲に形成されて外方に張り出した張り出し部とを備え、前記容器本体と前記張り出し部とが1つの材料から一体成形されている紙容器であって、
    前記容器本体が、該容器本体の下面から該容器本体の高さ方向下向きに突出した溝状リブを有し、該溝状リブの外側壁と内側壁とが略平行であることを特徴とする紙容器。
  2. 前記溝状リブの高さに対する該溝状リブの肉厚の比が1よりも小さい請求項1に記載の紙容器。
  3. 前記張り出し部が、前記口の縁に連なって該縁よりも前記高さ方向の下側において外方に張り出したつば部を含む請求項1または請求項2に記載の紙容器。
  4. 所定形状の1枚の原紙をプレス成形して、収容空間を画定する容器本体と、該容器本体の口の周囲に形成されて外方に張り出した張り出し部とを備えた紙容器を製造する紙容器の製造方法であって、
    前記原紙を第1の成形型によってプレスすることにより、高さ方向下向きに突出した第1溝状リブを下面に有する第1容器本体と、該第1容器本体の口の周囲に形成されて外方に張り出した第1張り出し部とを備えた第1紙容器を得る第1工程と、
    前記第1紙容器を第2の成形型によってプレスすることにより、前記第1溝状リブをその肉厚方向に薄肉化して、外側壁と内側壁とが略平行な第2溝状リブを形成する第2工程と、
    を含むことを特徴とする紙容器の製造方法。
  5. 前記第2工程において、前記第1溝状リブを、該第1溝状リブの高さに対する該第1溝状リブの肉厚の比が1よりも小さくなるまで薄肉化する請求項4に記載の紙容器の製造方法。
JP2002310809A 2002-10-25 2002-10-25 紙容器およびその製造方法 Pending JP2004142798A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002310809A JP2004142798A (ja) 2002-10-25 2002-10-25 紙容器およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002310809A JP2004142798A (ja) 2002-10-25 2002-10-25 紙容器およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004142798A true JP2004142798A (ja) 2004-05-20

Family

ID=32456207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002310809A Pending JP2004142798A (ja) 2002-10-25 2002-10-25 紙容器およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004142798A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011195200A (ja) * 2010-02-24 2011-10-06 Ma Packaging:Kk 紙製容器及びその製造方法
JP2015006925A (ja) * 2007-11-01 2015-01-15 ディクシー コンスーマー プロダクツ エルエルシー アーチ形の底板と急唆な周縁の切り替え部とを有する圧板紙食器
JP2022031468A (ja) * 2016-09-12 2022-02-18 東洋アルミエコープロダクツ株式会社 紙容器
KR20230090081A (ko) * 2021-12-14 2023-06-21 김정희 종이재질의 음식물 용기

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015006925A (ja) * 2007-11-01 2015-01-15 ディクシー コンスーマー プロダクツ エルエルシー アーチ形の底板と急唆な周縁の切り替え部とを有する圧板紙食器
USRE47165E1 (en) 2007-11-01 2018-12-18 Gpcp Ip Holdings Llc Pressed paperboard servingware with arched bottom panel and sharp brim transition
JP2011195200A (ja) * 2010-02-24 2011-10-06 Ma Packaging:Kk 紙製容器及びその製造方法
JP2022031468A (ja) * 2016-09-12 2022-02-18 東洋アルミエコープロダクツ株式会社 紙容器
JP7373547B2 (ja) 2016-09-12 2023-11-02 東洋アルミエコープロダクツ株式会社 紙容器
KR20230090081A (ko) * 2021-12-14 2023-06-21 김정희 종이재질의 음식물 용기
KR102647174B1 (ko) 2021-12-14 2024-03-14 김정희 종이재질의 음식물 용기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4355809B2 (ja) 紙蓋成形装置
JP2014501667A (ja) 容器、成形工具、及び容器を成形する方法
KR20050072032A (ko) 전자렌지 조리용 시스템용기
CN110432784B (zh) 微波再加热容器
JP2014213205A (ja) 調理容器及びその製造方法
CN109677013B (zh) 一种纸盖成型机及纸盖成型方法及纸盖
CN102908041B (zh) 变形受控的烹饪容器的制造方法和获得的容器
JP2010088868A (ja) フェライト系ステンレス鋼の底部およびフェライト系またはオーステナイト系ステンレス鋼のボウルを有する食物調理機器
JP2004142798A (ja) 紙容器およびその製造方法
KR100611646B1 (ko) 인덕션 렌지용 조리용기 및 그 제조방법
JP2016513547A (ja) 加熱用形状部を有する容器
CN103385293B (zh) 用于在酸奶机中制备液体酸奶的容器和包括至少一个该容器的酸奶机
JP6067478B2 (ja) 調理釜および調理釜の製造方法
JP5502630B2 (ja) アルミニウム箔成型容器
KR200367200Y1 (ko) 종이뚜껑 성형장치
JP2012030539A (ja) 無延伸プラスチックからなる包装用成型品
JP2875496B2 (ja) 紙製皿状容器の製造装置
JP2021084652A (ja) 紙製品及びその製造方法
JP2020203719A (ja) 食品包装用容器
JP2021053275A (ja) 保温調理器
CN214548939U (zh) 一种壳体及烹饪装置
JP5666339B2 (ja) 紙製容器及びその製造方法
CN216270407U (zh) 一种可组合使用的铝箔容器
CN220735156U (zh) 一种具有易清洗内胆的烹饪器具
JP2010030658A (ja) 電子レンジ調理用容器