JP2004142151A - 無機質板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水硬性材料を主成分とするグリーンシートを成形型にてプレス成形した後、養生硬化させて無機質板を製造するに際して、グリーンシートまたは成形型の少なくとも一方の表面に、防水性樹脂を添加した離型剤を付着させてプレス成形する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、無機質板の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、プレス成形時に防水処理を行うことができ、耐透水性、耐凍害性の優れた無機質板を効率良く製造することができる無機質板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅等の屋根材、外壁材等の外装材として使用する無機質板を製造する場合には、水硬性材料を主成分とするグリーンシート(生板)を成形型にてプレス成形した後、養生硬化させて無機質板を製造し、かつ上記プレス成形時に、グリーンシートまたは成形型の表面に、離型剤を供給して付着させてプレス成形して無機質板を製造している(例えば、特許文献:特開平5−16129)。
【0003】
【特許文献】
特開平5−16129号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のように、水硬性材料を主成分とするグリーンシートを成形型にてプレス成形した後、養生硬化させて無機質板を製造するに際して、グリーンシートまたは成形型の表面に、離型剤を付着させてプレス成形した場合には、プレス成形時におけるグリーンシートの成形型への付着を防止し、成形型からの離型を容易に行うことができるという優れた点を有する反面、得られた無機質板の耐透水性、耐凍害性が劣るという問題があった。
【0005】
そこで、外装材として使用し得るような耐透水性、耐凍害性を有する無機質板を製造する場合には、上記のようにして得られた無機質板の表面に、さらに防水性樹脂等の防水処理剤にて防水処理を施す必要があるため、別途、防水処理工程を設ける必要があり、効率が悪いという問題があった。
【0006】
この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みて為されたものであり、上記の問題点を解消し、プレス成形時に防水処理を行うことができ、耐透水性、耐凍害性の優れた無機質板を効率良く製造することができる無機質板の製造方法を提供することを解決すべき課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するために為されたものであって、第1の発明は、水硬性材料を主成分とするグリーンシートを成形型にてプレス成形した後、養生硬化させて無機質板を製造するに際して、グリーンシートまたは成形型の少なくとも一方の表面に、防水性樹脂を添加した離型剤を付着させてプレス成形することを特徴とする無機質板の製造方法を提供する。
【0008】
また、第2の発明は、防水性樹脂として、ウレタン系樹脂またはエポキシ系樹脂の少なくとも一方を使用する前記の無機質板の製造方法を、第3の発明は、離型剤として、灯油を使用する前記いずれかの無機質板の製造方法を、第4の発明は、離型剤に対する防水性樹脂の添加量が、5〜10重量%である前記いずれかの無機質板の製造方法を、第5の発明は、防水性樹脂を添加した離型剤の付着量が、25〜50g/m2である前記いずれかの無機質板の製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記の通りの特徴をもつものであるが、以下、その実施の形態について説明する。
【0010】
この出願の発明の無機質板の製造方法は、例えば、セメント等の水硬性材料と、パルプ、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維等の補強繊維と、珪石粉、フライアッシュ、シラスバルーン等の骨材等を配合してなる水硬性原料を、所望量の水と混合して、所要の固形分濃度に調整した水硬性原料スラリーを、抄造、押し出し、注型等を行って、水硬性材料を主成分とするグリーンシートを製造し、このグリーンシートを、金型、樹脂型等からなる成形型にて所望の形状にプレス成形した後、自然養生、湿熱養生、オートクレーブ養生等の養生を行って硬化させて無機質板を製造するに際して、グリーンシートまたは成形型の少なくとも一方の表面(当接面)に、防水性樹脂を添加した離型剤を散布して付着させてプレス成形することを特徴とするものである。
【0011】
以上の通り、この出願の発明の無機質板の製造方法においては、プレス成形時に、グリーンシートまたは成形型の少くとも一方の表面に、防水性樹脂を添加した離型剤を付着させてプレス成形しているので、プレス成形時に、離型剤に添加した防水性樹脂をグリーンシート表面に移行、定着させて防水処理を行うことができ、従って、従来のように、別途、防水処理工程を設ける必要がなく、耐透水性、耐凍害性の優れた無機質板を効率良く製造することができ、勿論、従来と同様、離型剤によって、プレス成形時におけるグリーンシートの成形型への付着を防止し、成形型からの離型を容易に行うことができる。
【0012】
また、上記防水性樹脂としては、撥水性、耐水性等の防水性を有すると共に、離型剤と相溶性・親和性の良好な各種のシーラー樹脂を使用することができるが、その中でも、アクリルウレタン樹脂等のウレタン系樹脂、または汎用の各種タイプのエポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂の少なくとも一方を使用した場合には、ウレタン系樹脂またはエポキシ系樹脂が離型剤と円滑に相溶(可溶)・親和して優れた耐透水性、耐凍害性を発揮することができる。
【0013】
また、上記離型剤としては、汎用されている各種の離型油を使用することができるが、その中でも、灯油を使用した場合には、上記防水性樹脂(特に、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂)を円滑に相溶(可溶)・親和させることができると共に、各種分野で汎用されている安価な灯油を使用して成形型からの離型を容易に行うことができる。
【0014】
また、上記離型剤に対する防水性樹脂の添加量を、5〜10重量%に調整したり、防水性樹脂を添加した離型剤の付着量を、25〜50g/m2に調整したりした場合には、防水性樹脂を添加しない場合に比して約1.5倍の耐透水性を有しており、耐凍害性も大きいのに対して、離型剤に対する防水性樹脂の添加量が5重量%未満であったり、防水性樹脂を添加した離型剤の付着量が25g/m2未満であったりした場合には、防水性樹脂による耐透水性、耐凍害性が充分発揮されないことがあり、また離型剤に対する防水性樹脂の添加量が10重量%を超えたり、防水性樹脂を添加した離型剤の付着量が50g/m2を超えたりした場合には、防水性樹脂によって離型剤の離型性が損われ、成形型へのグリーンシートの付着を惹起することがある。
【0015】
なお、この出願の発明において、水硬性材料の配合、プレス成形条件、養生硬化条件等、詳細については、目的、用途等に応じて、適宜選択、決定すれば良い。
【0016】
そこで、以下に実施例を示し、この出願の発明について、さらに詳しく説明する。
【0017】
【実施例】
(実施例1)
常法に従って、セメント、パルプ、珪石粉等を配合してなる水硬性原料スラリーを抄造して得たグリーンシートの表面に、ウレタン系樹脂(関西ペイント株式会社製、エコレタン)を5重量%添加した灯油を25g/m2散布して付着させ、金型にてプレス成形した後、養生硬化させて無機質板を製造した。
【0018】
この製造に際して、グリーンシートの金型への付着性、無機質板の耐透水性および耐凍害性を調べた結果は、表1に示す通りである。なお、耐透水性は、枠置き透水量を測定し、2000g/m2未満を○、2000〜3000g/m2を△、3000g/m2超過を×として評価した。
【0019】
(実施例2)
実施例1において、金型の表面に、ウレタン系樹脂を10重量%添加した灯油を50g/m2散布して付着させ、他は実施例1に準じて製造した無機質板について、グリーンシートの金型付着性、無機質板の耐透水性および耐凍害性を調べた結果は、表1に示す通りである。
【0020】
(比較例1)
比較のため、実施例1において、ウレタン系樹脂を使用せず、他は実施例1に準じて製造した無機質板について、グリーンシートの金型付着性、無機質板の耐透水性および耐凍害性を調べた結果は、表1に示す通りである。
【0021】
(比較例2)
比較のため、実施例1において、ウレタン系樹脂を灯油に添加せずに、得られた無機質板の表面に塗布して製造した無機質板について、グリーンシートの金型付着性、無機質板の耐透水性および耐凍害性を調べた結果は、表1に示す通りである。
【0022】
(比較例3)
比較のため、実施例1において、ウレタン系樹脂を3重量%添加した灯油を20g/m2散布して付着させ、他は実施例1に準じて製造した無機質板について、グリーンシートの金型付着性、無機質板の耐透水性および耐凍害性を調べた結果は、表1に示す通りである。
【0023】
(比較例4)
比較のため、実施例1において、ウレタン系樹脂を15重量%添加した灯油を55g/m2散布して付着させ、他は実施例1に準じて製造した無機質板について、グリーンシートの金型付着性、無機質板の耐透水性および耐凍害性を調べた結果は、表1に示す通りである。
【0024】
【表1】
【0025】
上記表1の結果から明らかなように、上記実施例1、2においては、グリーンシートが金型に付着することはく、耐透水性、耐凍害性の優れた無機質板が効率良く製造できたのに対して、比較例1〜4においては、無機質板の耐透水性、耐凍害性、製造効率、およびグリーンシートの金型付着性の何れかに問題があった。
【0026】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、プレス成形時に防水処理を行うことができ、耐透水性、耐凍害性の優れた無機質板を効率良く製造することができる。
Claims (5)
- 水硬性材料を主成分とするグリーンシートを成形型にてプレス成形した後、養生硬化させて無機質板を製造するに際して、グリーンシートまたは成形型の少くとも一方の表面に、防水性樹脂を添加した離型剤を付着させてプレス成形することを特徴とする無機質板の製造方法。
- 防水性樹脂として、ウレタン系樹脂またはエポキシ系樹脂の少なくとも一方を使用する請求項1記載の無機質板の製造方法。
- 離型剤として、灯油を使用する請求項1または2記載の無機質板の製造方法。
- 離型剤に対する防水性樹脂の添加量が、5〜10重量%である請求項1ないし3いずれかに記載の無機質板の製造方法。
- 防水性樹脂を添加した離型剤の付着量が、25〜50g/m2である請求項1ないし4いずれかに記載の無機質板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002307245A JP2004142151A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 無機質板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002307245A JP2004142151A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 無機質板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004142151A true JP2004142151A (ja) | 2004-05-20 |
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Family Applications (1)
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JP2002307245A Pending JP2004142151A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 無機質板の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004142151A (ja) |
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2002
- 2002-10-22 JP JP2002307245A patent/JP2004142151A/ja active Pending
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