JP2004140684A - 無線通信端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定度数分の無料通信料を含む通信モードを複数有する無線通信端末であって、各通信モードの通信残量を調べ、通信残量の多い通信モードを優先的に通信する。
【解決手段】携帯電話機2は、一定度数分の無料通信料を含む通信モードを複数有する。第1ICカード212、第2ICカード213はそれぞれ通信モード1,2の通信残量を記憶しており、利用者が発呼しようとすると、プロセッサ203はそれぞれの通信モードの通信残量を調べ、通信残量の多い通信モードを選択して発呼動作を行う。プロセッサ203は利用者の通信に基づき通信料金を算出し、最新の通信残量を計算する。
【選択図】 図1
【解決手段】携帯電話機2は、一定度数分の無料通信料を含む通信モードを複数有する。第1ICカード212、第2ICカード213はそれぞれ通信モード1,2の通信残量を記憶しており、利用者が発呼しようとすると、プロセッサ203はそれぞれの通信モードの通信残量を調べ、通信残量の多い通信モードを選択して発呼動作を行う。プロセッサ203は利用者の通信に基づき通信料金を算出し、最新の通信残量を計算する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる複数の通信モードが使用可能な携帯電話などの無線通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
1)携帯電話の料金体系は、一般的に月極め料金制であり、基本料金には契約内容により定められる無料通信料が含まれている。無料通信料の超過分については別途従量課金される。
【0003】
基本料金は通信の有無に係らず月毎に必ず請求される。その際、締切日を過ぎれば無料通信分は使い切っていなかったとしてもリセットされ、翌日に繰り越されることはない料金体系が多い。
【0004】
ところで、次世代携帯電話と呼ばれるIMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)方式には、IMT−2000 DS−CDMA(別名W−CDMA)と、IMT−2000 MC−CDMA(別名cdma2000)の2つがある。cdma2000システムでは、従来のcdmaOneシステムに割り当てられている800MHz帯域によるサービスと、IMT−2000システムでの世界共通帯域として割り当てられ高速データ通信の可能な2GHz帯域によるサービスとを併用して行う。この場合、それぞれの帯域によって独立した料金体系を持つデュアルモード携帯電話が想定されている。
【0005】
また、国内のみならず海外においても使用可能な携帯電話を考えた場合、国毎の通信モードに応じて、2種類以上の通信モードで通信可能なデュアルモード携帯電話が必要になる。
【0006】
ここで、例えば2つの通信モードからなるデュアルモード携帯電話の通信残量を知るためには、利用者が所定のファンクションモードによって各電話局へアクセスし、通信料や通信残量を確認するようになっている。
【0007】
通信残量には、音声通話による通話料の残量だけでなく、データ通信サービス用に用いられるパケット数の残量も含まれている。
【0008】
2)複合携帯電話機において、発呼先がPDCであるか、PHSまたは一般加入電話であるかの判定を行う。発呼先がPDCと判定されたときには、電話番号判定部にてPDCで発呼を行うための命令信号が発生され、この信号を受けたPDC/PHSモード切替スイッチはPDCモードに切り替えられる。また、発呼先がPHSまたは一般加入者電話であるときには、PDC/PHSモード切替スイッチのモード切り替えに応じてPHSモードに切り替えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−349871号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
1)上記した従来技術の場合、通信の度に実際に利用者がファンクションモードを操作して通信残量を確認することは煩雑である。そのため、例えば通信モード1で通信残量がなくなり、通信モード2で通信残量が残っていた場合、発呼前に利用者がその事実を知らずに通信モード1で通信して課金される一方、通信モード2の無料通信料を有効に使い切れないことがある。
【0011】
2)上記従来技術の場合、発呼先の電話番号によって通話料金の安価な方式での発呼ができるようにしているだけで、通信モード毎に通信残量を比較して通信残量が多い通信モードを選択することは開示されていない。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、無料通信料を含む通信モードが複数設定された無線通信端末において、利用者が通信残量を無駄なく使用することができる無線通信端末を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の無線通信端末は、所定の通信料が設定され複数の通信モードで通信可能な無線通信端末において、少なくとも2以上の通信モードの前記通信料に対する通信残量を取得する通信残量取得手段と、前記通信残量取得手段によってそれぞれ求められた各通信残量を比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果によって通信残量の多い通信モードを呼接続先に決定する接続決定手段とを有する。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の無線通信端末において、前記接続決定手段は、呼接続先として選択した通信モードが圏外のときには通信残量が少ない通信モードで呼接続先に決定し直す。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の無線通信端末において、いずれの通信モードであっても通信残量が残っていないことが判明したときに、通信料金の安い通信モードを選択して呼接続先を決定できる接続決定手段とを有する。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の無線通信端末において、前記通信残量が残っている通信モードでの通信中に、通信残量がなくなった時点で、利用者にその旨を知らせる報知手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の無線通信端末において、前記通信残量が挿抜可能なカードから読み出されることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の無線通信端末において、利用者の通信に基づく通信料金を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて、前記カードに記憶された通信残量を更新する更新手段とをさらに有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯電話機(無線通信端末)2と網側設備1の概略構成を示すブロック図である。図1において網側設備1は、通信モード1のサービスを提供する網側設備11と、通信モード2のサービスを提供する網側設備12を有する。通信モード1、2は、それぞれ通信プロトコルや使用周波数帯域などが異なっている。例えば、以下の実施形態では、通信モード1に800MHz帯域、通信モード2に2GHz帯域という、異なる周波数帯域による通信サービスを割り当てる。
【0020】
網側設備11は、携帯電話機2と無線通信する基地局111と、携帯電話機間の呼の接続を回線交換する交換局112と、各基地局を制御し付加サービスを提供するサービス制御局113を有する。
【0021】
網側設備12は、それぞれ前記基地局111、交換局112、サービス制御局113に対応する、基地局121、交換局122、サービス制御局123を有する。各サービス制御局113、123は、移動局情報や、各通信モード1、2で提供するサービス内容を保持するデータベース124を有する。
【0022】
携帯電話機2は、網側設備1の基地局111、121と通信するためのアンテナ201と、RF回路202と、携帯電話機の機能全体の制御をするプロセッサ203と、ユーザとのインタフェースとなる表示部204及びキー操作部205と、スピーカ206と、マイクロホン207と、プロセッサ203によって読み書きされるメモリ208と、同時に着脱可能なツインICカードスロット210、211を有する。
【0023】
メモリ208は、前回通信終了時における通信モードの種類を保持する。
【0024】
ツインICカードスロット210、211に抜き差し可能な第1ICカード212及び第2ICカード213は、R−UIM(Removable User Identity Module)の仕様に準拠しており、それぞれ通信モード1、2に対応している。なお、各通信モード1、2の設定はICカードスロット210、211に挿入された第1ICカード212、第2ICカード213の保持する情報をそれぞれ読み出すことで行われる。
【0025】
第1ICカード212、第2ICカード213は、それぞれ通信モード1、2における通信残量の値、または「無料通信料無し」という情報も保持する。
【0026】
プロセッサ203は、スピーカ206とマイクロホン207の音声制御、表示部204と操作部205の電気的制御、通信用のRF回路202の制御、メモリ208の制御の他に、各通信モードの通信残量が残っているかを判断する判断手段、呼接続の許否を決定する接続決定手段、通信モードを切り換える切換手段、任意の通信モードでの発呼動作手段、通信に基づく通信料金を算出する算出手段、第1ICカード212、第2ICカード213に記憶された無料通信料を更新する更新手段、通信モードの通信残量を表示部204に表示させる表示制御手段として機能する。
【0027】
次に、上記構成の携帯電話機2の動作についてフロー図2を参照して説明する。図2において、先ず、携帯電話機2に電源投入される(ステップS1)と、ICカードスロット210に挿入された第1ICカード212およびICカードスロット211に挿入された第2ICカード213に記憶されている通信モード2の無料通信量残高を読み出す(ステップS2)。
【0028】
次に、利用者が呼接続操作開始すると、全通信モードに無料通信料残高が0であるかどうかを判断する。全通信モードの無料通信料残高が0のとき(ステップS4)には“全通信モードに無料通信料がない”旨を表示する(ステップS13)。そのときには任意の通信モードで呼接続処理を行う(ステップS14)。
【0029】
全通信モードの無料通信料残高が0でないときには(ステップS4)、各通信モードの無料通信料残高を算出する(ステップS5)。そして、各通信モードの無料通信料残高を記憶する(ステップS6)。
【0030】
それぞれ算出された各通信モードの無料通信料残高を比較し(ステップS7)、その比較結果にもとづいて無料通信料残高が最大の通信モードを記憶し(ステップS8)、無料通信料残高の多い順番に表示する(ステップS9)。
【0031】
そして、この無料通信料残高の多い順番に表示された無料通信料残高の中で最大通信料の通信モードを選択し、この通信モードに呼接続処理を行う(ステップS10)。この呼接続処理を行うことによって呼接続処理を終了させる(ステップS11)。通話が終了すると、挿抜可能なカードに各通信モードの無料通信料残高を書き込む(ステップS12)。
【0032】
通常は前述のとおり、無料通信料残高の多い通信モードを選択して呼接続処理を行うが、無料通信料残高の多い通信モードであってもその通信モードが圏外のときにはに無料通信料残高の少ない通信モードを選択して呼接続処理を行う。
いずれの通信モードであっても無料通信料残高が残っていないときには通話料金の安い通信モードを選択して呼接続処理を行う。
【0033】
また、無料通信料残高が残っている通信モードでの通信中に通信残量がなくなったことが判明したときには利用者に注意を喚起させるためにブザー等でその旨を知らせる。通信それぞれ無料通信料が設定されている場合に、各通信モードの通信残量を一々利用者が調べ、どの通信モードで通信するかを決定しなくても、通信残量を無駄なく使用することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0035】
例えば、上記実施形態では、携帯電話機2に2つのICカードが装着可能で、2つが独立した料金体系を持つ通信モードに対応する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯電話機2に3つ以上のICカードが装着可能であり、ICカードと同数の通信モードに対応する構成としてもよい。
【0036】
また、上記実施形態における携帯電話機の代わりに、無線通信機能を備えた携帯型パーソナル・コンピュータ又はPDA(Personal Digital Assistance)に本発明を適用してもよい。また、通信モードを通話用だけではなくデータ通信専用で設定して使用することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、各通信モードの無料通信料残高を比較し、残っている無料通信料残高の多い通信モードを選択して呼接続をするためにほぼ均等に無料通話料を使用することができる。よって、各通信モードを均等に使用することができるために無料通信料を使い切っていなかったということがおこる可能性は小さい。
【0038】
また、請求項2記載の本発明によれば、各通信モードの無料通信料残高を比較し、残っている無料通信料残高の多い通信モードが圏外のときには無料通信料残高が少ない通信モードを選択するようにしているので、利用者は事情を充分に理解したうえで呼接続を行うことができる。
【0039】
また、請求項3記載の本発明によれば、いずれの通信モードの無料通信料残高が残っていない場合であっても通話料金の安い通信モードを選択するようにしているので、利用者への金銭的な負担を軽減できる。
【0040】
また、請求項4記載の本発明によれば、各通信モードで無料通信中に通信残量がなくなった場合、その時点で利用者にその旨を知らせるようにするので、利用者は通信中でも通信残量がなくなったことを知ることができる。
【0041】
また、請求項5記載の本発明によれば、挿抜可能なカードが用いられるので、カードによって異なった通信体系や料金体系などを利用でき、あらゆる通信モードに対応した通信ができる。
【0042】
また、請求項6記載の本発明によれば、利用者の通信に基づき通信残量を更新するので、次に発呼動作を行う場合、更新した通信残量を用いて通信残量の残っている通信モードを正確に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話機と網側設備の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同上の実施形態における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…網側設備、2…携帯電話機、11…通信モード1の網側設備、12…通信モード2の網側設備、203…プロセッサ、204…表示部、205…キー操作部、208…メモリ、210…ICカードスロット、211…ICカードスロット、212…第1ICカード、213…第2ICカード
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる複数の通信モードが使用可能な携帯電話などの無線通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
1)携帯電話の料金体系は、一般的に月極め料金制であり、基本料金には契約内容により定められる無料通信料が含まれている。無料通信料の超過分については別途従量課金される。
【0003】
基本料金は通信の有無に係らず月毎に必ず請求される。その際、締切日を過ぎれば無料通信分は使い切っていなかったとしてもリセットされ、翌日に繰り越されることはない料金体系が多い。
【0004】
ところで、次世代携帯電話と呼ばれるIMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)方式には、IMT−2000 DS−CDMA(別名W−CDMA)と、IMT−2000 MC−CDMA(別名cdma2000)の2つがある。cdma2000システムでは、従来のcdmaOneシステムに割り当てられている800MHz帯域によるサービスと、IMT−2000システムでの世界共通帯域として割り当てられ高速データ通信の可能な2GHz帯域によるサービスとを併用して行う。この場合、それぞれの帯域によって独立した料金体系を持つデュアルモード携帯電話が想定されている。
【0005】
また、国内のみならず海外においても使用可能な携帯電話を考えた場合、国毎の通信モードに応じて、2種類以上の通信モードで通信可能なデュアルモード携帯電話が必要になる。
【0006】
ここで、例えば2つの通信モードからなるデュアルモード携帯電話の通信残量を知るためには、利用者が所定のファンクションモードによって各電話局へアクセスし、通信料や通信残量を確認するようになっている。
【0007】
通信残量には、音声通話による通話料の残量だけでなく、データ通信サービス用に用いられるパケット数の残量も含まれている。
【0008】
2)複合携帯電話機において、発呼先がPDCであるか、PHSまたは一般加入電話であるかの判定を行う。発呼先がPDCと判定されたときには、電話番号判定部にてPDCで発呼を行うための命令信号が発生され、この信号を受けたPDC/PHSモード切替スイッチはPDCモードに切り替えられる。また、発呼先がPHSまたは一般加入者電話であるときには、PDC/PHSモード切替スイッチのモード切り替えに応じてPHSモードに切り替えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−349871号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
1)上記した従来技術の場合、通信の度に実際に利用者がファンクションモードを操作して通信残量を確認することは煩雑である。そのため、例えば通信モード1で通信残量がなくなり、通信モード2で通信残量が残っていた場合、発呼前に利用者がその事実を知らずに通信モード1で通信して課金される一方、通信モード2の無料通信料を有効に使い切れないことがある。
【0011】
2)上記従来技術の場合、発呼先の電話番号によって通話料金の安価な方式での発呼ができるようにしているだけで、通信モード毎に通信残量を比較して通信残量が多い通信モードを選択することは開示されていない。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、無料通信料を含む通信モードが複数設定された無線通信端末において、利用者が通信残量を無駄なく使用することができる無線通信端末を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の無線通信端末は、所定の通信料が設定され複数の通信モードで通信可能な無線通信端末において、少なくとも2以上の通信モードの前記通信料に対する通信残量を取得する通信残量取得手段と、前記通信残量取得手段によってそれぞれ求められた各通信残量を比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果によって通信残量の多い通信モードを呼接続先に決定する接続決定手段とを有する。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の無線通信端末において、前記接続決定手段は、呼接続先として選択した通信モードが圏外のときには通信残量が少ない通信モードで呼接続先に決定し直す。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の無線通信端末において、いずれの通信モードであっても通信残量が残っていないことが判明したときに、通信料金の安い通信モードを選択して呼接続先を決定できる接続決定手段とを有する。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の無線通信端末において、前記通信残量が残っている通信モードでの通信中に、通信残量がなくなった時点で、利用者にその旨を知らせる報知手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の無線通信端末において、前記通信残量が挿抜可能なカードから読み出されることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の無線通信端末において、利用者の通信に基づく通信料金を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて、前記カードに記憶された通信残量を更新する更新手段とをさらに有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯電話機(無線通信端末)2と網側設備1の概略構成を示すブロック図である。図1において網側設備1は、通信モード1のサービスを提供する網側設備11と、通信モード2のサービスを提供する網側設備12を有する。通信モード1、2は、それぞれ通信プロトコルや使用周波数帯域などが異なっている。例えば、以下の実施形態では、通信モード1に800MHz帯域、通信モード2に2GHz帯域という、異なる周波数帯域による通信サービスを割り当てる。
【0020】
網側設備11は、携帯電話機2と無線通信する基地局111と、携帯電話機間の呼の接続を回線交換する交換局112と、各基地局を制御し付加サービスを提供するサービス制御局113を有する。
【0021】
網側設備12は、それぞれ前記基地局111、交換局112、サービス制御局113に対応する、基地局121、交換局122、サービス制御局123を有する。各サービス制御局113、123は、移動局情報や、各通信モード1、2で提供するサービス内容を保持するデータベース124を有する。
【0022】
携帯電話機2は、網側設備1の基地局111、121と通信するためのアンテナ201と、RF回路202と、携帯電話機の機能全体の制御をするプロセッサ203と、ユーザとのインタフェースとなる表示部204及びキー操作部205と、スピーカ206と、マイクロホン207と、プロセッサ203によって読み書きされるメモリ208と、同時に着脱可能なツインICカードスロット210、211を有する。
【0023】
メモリ208は、前回通信終了時における通信モードの種類を保持する。
【0024】
ツインICカードスロット210、211に抜き差し可能な第1ICカード212及び第2ICカード213は、R−UIM(Removable User Identity Module)の仕様に準拠しており、それぞれ通信モード1、2に対応している。なお、各通信モード1、2の設定はICカードスロット210、211に挿入された第1ICカード212、第2ICカード213の保持する情報をそれぞれ読み出すことで行われる。
【0025】
第1ICカード212、第2ICカード213は、それぞれ通信モード1、2における通信残量の値、または「無料通信料無し」という情報も保持する。
【0026】
プロセッサ203は、スピーカ206とマイクロホン207の音声制御、表示部204と操作部205の電気的制御、通信用のRF回路202の制御、メモリ208の制御の他に、各通信モードの通信残量が残っているかを判断する判断手段、呼接続の許否を決定する接続決定手段、通信モードを切り換える切換手段、任意の通信モードでの発呼動作手段、通信に基づく通信料金を算出する算出手段、第1ICカード212、第2ICカード213に記憶された無料通信料を更新する更新手段、通信モードの通信残量を表示部204に表示させる表示制御手段として機能する。
【0027】
次に、上記構成の携帯電話機2の動作についてフロー図2を参照して説明する。図2において、先ず、携帯電話機2に電源投入される(ステップS1)と、ICカードスロット210に挿入された第1ICカード212およびICカードスロット211に挿入された第2ICカード213に記憶されている通信モード2の無料通信量残高を読み出す(ステップS2)。
【0028】
次に、利用者が呼接続操作開始すると、全通信モードに無料通信料残高が0であるかどうかを判断する。全通信モードの無料通信料残高が0のとき(ステップS4)には“全通信モードに無料通信料がない”旨を表示する(ステップS13)。そのときには任意の通信モードで呼接続処理を行う(ステップS14)。
【0029】
全通信モードの無料通信料残高が0でないときには(ステップS4)、各通信モードの無料通信料残高を算出する(ステップS5)。そして、各通信モードの無料通信料残高を記憶する(ステップS6)。
【0030】
それぞれ算出された各通信モードの無料通信料残高を比較し(ステップS7)、その比較結果にもとづいて無料通信料残高が最大の通信モードを記憶し(ステップS8)、無料通信料残高の多い順番に表示する(ステップS9)。
【0031】
そして、この無料通信料残高の多い順番に表示された無料通信料残高の中で最大通信料の通信モードを選択し、この通信モードに呼接続処理を行う(ステップS10)。この呼接続処理を行うことによって呼接続処理を終了させる(ステップS11)。通話が終了すると、挿抜可能なカードに各通信モードの無料通信料残高を書き込む(ステップS12)。
【0032】
通常は前述のとおり、無料通信料残高の多い通信モードを選択して呼接続処理を行うが、無料通信料残高の多い通信モードであってもその通信モードが圏外のときにはに無料通信料残高の少ない通信モードを選択して呼接続処理を行う。
いずれの通信モードであっても無料通信料残高が残っていないときには通話料金の安い通信モードを選択して呼接続処理を行う。
【0033】
また、無料通信料残高が残っている通信モードでの通信中に通信残量がなくなったことが判明したときには利用者に注意を喚起させるためにブザー等でその旨を知らせる。通信それぞれ無料通信料が設定されている場合に、各通信モードの通信残量を一々利用者が調べ、どの通信モードで通信するかを決定しなくても、通信残量を無駄なく使用することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0035】
例えば、上記実施形態では、携帯電話機2に2つのICカードが装着可能で、2つが独立した料金体系を持つ通信モードに対応する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯電話機2に3つ以上のICカードが装着可能であり、ICカードと同数の通信モードに対応する構成としてもよい。
【0036】
また、上記実施形態における携帯電話機の代わりに、無線通信機能を備えた携帯型パーソナル・コンピュータ又はPDA(Personal Digital Assistance)に本発明を適用してもよい。また、通信モードを通話用だけではなくデータ通信専用で設定して使用することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、各通信モードの無料通信料残高を比較し、残っている無料通信料残高の多い通信モードを選択して呼接続をするためにほぼ均等に無料通話料を使用することができる。よって、各通信モードを均等に使用することができるために無料通信料を使い切っていなかったということがおこる可能性は小さい。
【0038】
また、請求項2記載の本発明によれば、各通信モードの無料通信料残高を比較し、残っている無料通信料残高の多い通信モードが圏外のときには無料通信料残高が少ない通信モードを選択するようにしているので、利用者は事情を充分に理解したうえで呼接続を行うことができる。
【0039】
また、請求項3記載の本発明によれば、いずれの通信モードの無料通信料残高が残っていない場合であっても通話料金の安い通信モードを選択するようにしているので、利用者への金銭的な負担を軽減できる。
【0040】
また、請求項4記載の本発明によれば、各通信モードで無料通信中に通信残量がなくなった場合、その時点で利用者にその旨を知らせるようにするので、利用者は通信中でも通信残量がなくなったことを知ることができる。
【0041】
また、請求項5記載の本発明によれば、挿抜可能なカードが用いられるので、カードによって異なった通信体系や料金体系などを利用でき、あらゆる通信モードに対応した通信ができる。
【0042】
また、請求項6記載の本発明によれば、利用者の通信に基づき通信残量を更新するので、次に発呼動作を行う場合、更新した通信残量を用いて通信残量の残っている通信モードを正確に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話機と網側設備の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同上の実施形態における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…網側設備、2…携帯電話機、11…通信モード1の網側設備、12…通信モード2の網側設備、203…プロセッサ、204…表示部、205…キー操作部、208…メモリ、210…ICカードスロット、211…ICカードスロット、212…第1ICカード、213…第2ICカード
Claims (6)
- 所定の通信料が設定され複数の通信モードで通信可能な無線通信端末において、少なくとも2以上の通信モードの前記通信料に対する通信残量を取得する通信残量取得手段と、前記通信残量取得手段によってそれぞれ求められた各通信残量を比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果によって通信残量の多い通信モードを呼接続先に決定する接続決定手段とを有することを特徴とする無線通信端末。
- 前記接続決定手段は、呼接続先として選択した通信モードが圏外のときには通信残量が少ない通信モードで呼接続先に決定し直す請求項1記載の無線通信端末。
- いずれの通信モードであっても通信残量が残っていないことが判明したときに、通信料金の安い通信モードを選択して呼接続先を決定できる接続決定手段とを有する請求項1記載の無線通信端末。
- 前記通信残量が残っている通信モードでの通信中に、通信残量がなくなった時点で、利用者にその旨を知らせる報知手段を有する請求項1または2に記載の無線通信端末。
- 前記通信残量が挿抜可能なカードから読み出されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の無線通信端末。
- 利用者の通信に基づく通信料金を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて、前記カードに記憶された通信残量を更新する更新手段とをさらに有する請求項1から5のいずれかに記載の無線通信端末。
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