JP2004139867A - 複合多孔質フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型化が可能で、複層化により耐熱性とSD機能の制御が独立して好適に行え、しかも適度な分離性能が確保できる複合多孔質フィルム、該多孔質フィルムを用いてなる高温状態下や電極面での発熱によって電極間の短絡が起こりにくい耐熱性を有する電池用セパレータ、並びに該セパレータを用いてなる非水電解液電池を提供する。
【解決手段】芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してあり、第一の層厚と第二の層厚の比(第一の層厚/第二の層厚)が0.05〜1である複合多孔質フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してあり、第一の層厚と第二の層厚の比(第一の層厚/第二の層厚)が0.05〜1である複合多孔質フィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してある複合多孔質フィルムおよび電池用セパレータ、並びに当該電池用セパレータを用いた非水電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムなどの軽金属を電極とする非水電解液電池は、エネルギー密度が高く、自己放電も少ないため、電子機器の高性能化、小型化などを背景として利用範囲を大きく広げてきている。このような非水電解液電池は一般に電池容器内に正極と負極と非水電解液とを備えており、この電池容器内において正極と負極とを分離させる電池用セパレータが用いられている。
【0003】
セパレータは、両極の短絡を防止するとともに、その多孔質構造によりイオンを透過させて電池反応を可能とするものであるが、誤接続などにより異常電流が発生した場合に電池内部温度の上昇に伴い樹脂が熱変形して多孔質を塞いで電池反応を停止させる、いわゆるシャットダウン機能(SD機能)を有するものが安全性の観点から採用されている。このようなSD機能を有するセパレータは、例えば、ポリエチレン製多孔質膜やポリエチレンとポリプロピレンとの多層構造の多孔質膜などが知られている。
【0004】
しかしながら、昨今のリチウムイオン二次電池などの進歩により、上記シャットダウン機能のみならず、耐熱性に係わる各種特性がより重要性を増している。すなわち、シャットダウン後にさらに温度が上昇した時に、セパレータ自身が溶融破膜(メルトダウン)したり、溶融まで至らない場合でも厚みが減少して破断する状態がおこり得ることを考慮すると、より高い温度で対応できることが望まれている。特に、高容量化された電池や電池内部抵抗の低減がすすむと、発熱が大きくなる要素が増すため、より高温における各種特性がますます重要な要素となる。
【0005】
上記問題に対しては、シャットダウン温度と破膜温度の差が大きく、また、破膜温度が高いほど、高温特性が良好で安全性の高い電池用セパレータになりうると考えられる。例えば、低融点ポリエチレンと高融点のポリプロピレンからなる単膜を積層化することにより、高強度かつ優れた高温特性を有する微孔性多孔膜を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ポリオレフィン系樹脂を積層した複合多孔質フィルムでは、耐熱性に限界があった。
【0006】
また、低分子量ポリエチレンとポリプロピレンを含有した高分子量ポリエチレン組成物からなる多孔質膜を得る方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、急激に温度が上昇する場合には大部分を占めるポリエチレン素材が容易に溶融するため、厚みが減少し破断しやすくなり危険性が大きくなる。
【0007】
またコイン型のような電池では電解液保持のため不織布が用いられることが多いが、不織布では一般に孔径が大きく通気性が高すぎるためセパレータとしての特性調整が困難であったり、電極からの微細な粉体がセパレータ内を通過したりすることにより微小短絡が発生したりする可能性がある。
【0008】
また、電池用セパレータとして、架橋構造を有するポリオレフィン樹脂を含有する多孔質フィルムを使用する技術もいくつか知られている。例えば、架橋点間分子量20万以下で特定の収縮残存率と空孔率を有するポリエチレン多孔質膜が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この発明では、溶融突き刺し強度の測定を160℃で行っており、シャットダウン後の更なる昇温(例えば熱暴走反応が起きる領域の180℃以上)に対して十分な耐久性、特に厚みにより隔離する特性を有し、電池の安全性を確保するものではない。
【0009】
また不織布との組み合わせでは、融点200℃以上の樹脂からなるメルトブロー不織布と異なる融点を持つ不織布の積層体からなる電池用セパレータが開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、この発明ではともに不織布を用いており、一部がシャットダウンするような不織布との積層体であっても孔径が大きく、発熱した電極粉の一部が微小短絡する可能性や過充電時のリチウムデンドライトの短絡の可能性があり、十分安全性を確保しているとはいえない。また不織布どうしの組み合わせでは厚みが大きくなりやすく、薄型化には不向きである。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−308866号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平10−298325号公報(第1頁)
【特許文献3】
特開平10−7831号公報(第1頁)
【特許文献4】
特開2002−170540号公報(第1頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、薄型化が可能で、複層化により耐熱性とSD機能の制御が独立して好適に行え、しかも適度な分離性能が確保できる複合多孔質フィルム、該多孔質フィルムを用いてなる高温状態下や電極面での発熱によって電極間の短絡が起こりにくい耐熱性を有する電池用セパレータ、並びに該セパレータを用いてなる非水電解液電池を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、多孔質フィルムの複合化について鋭意研究したところ、特に耐熱性の良好な芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜を他の樹脂の多孔質膜と特定の厚み比率で積層一体化することによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明の複合多孔質フィルムは、芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してあり、第一の層厚と第二の層厚の比(第一の層厚/第二の層厚)が0.05〜1であることを特徴とする。
【0014】
上記において、前記第一の層を形成する多孔質膜が、下記一般式(I)および/または一般式(II)で表される繰り返し単位を合計80モル%以上含み、ガラス転移温度Tgが190〜350℃である芳香族ポリアミドからなることが好ましい。
【0015】
【化2】
−NH−Ar1 −NHCO−Ar2 −CO− (I)
−NH−Ar3 −CO− (II)
(式中、Ar1 、Ar2 及びAr3 は、同一又は相異なって、置換されていてもよい配向位置が任意のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、又は−Ph−Q−Ph−基(Phはフェニレン基、Qは酸素原子、メチレン基、カルボニル基、スルホニル基、イオウ原子、又はジメチルメチレン基を示す)を示す。但し、Ar1 、Ar2 及びAr3 の少なくとも1つは置換されていてもよいメタフェニレン基である。)
また、針入プローブ式熱機械的分析装置を用いて、プローブ径1mmφ、荷重70g、室温から昇温2℃/minで厚み変化を計測したときに、下記の式による180℃での厚み維持率(%)が45%以上であることが好ましい。ここで、厚み維持率などの物性は、より具体的には実施例で記載された測定方法による値である。
【0016】
厚み維持率(%)=100 ×180℃厚み/測定開始時(25℃)の厚み
更に、前記第二の層がポリオレフィンを含有する多孔質膜からなるか、あるいは、ポリオレフィンを含有し、架橋構造を有する多孔質膜からなることが好ましい。
【0017】
一方、本発明の電池用セパレータは、上記いずれかに記載の複合多孔質フィルムからなることを特徴とする。また、本発明の非水電解液電池は、当該電池用セパレータを用いたことを特徴とする。
【0018】
[作用効果]
本発明の複合多孔質フィルムによると、第一の層が耐熱性の良好な芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなり、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層が積層されているため、複層化により耐熱性と熱閉塞性(電池の場合はSD機能)の制御が独立して好適に行えるようになる。また、多孔質膜の積層構造となるため、不織布の積層体などに比べて薄型化が可能で分離性能も確保し易くなる。
【0019】
特に、前記第一の層を形成する多孔質膜が、前記一般式の如き芳香族ポリアミドからなる場合、湿式凝固法による製膜が好適に行えるため、界面での孔閉塞を起こさずに適度な孔径の多孔質膜を第二の層に形成することができ、しかも十分な耐熱性が得られる。
【0020】
針入プローブ式熱機械的分析装置を用いて測定した厚み維持率(%)が45%以上である場合、電池用セパレータに用いる際に、高温条件下においても隔壁としての機能をより確実に維持することができる。
【0021】
前記第二の層がポリオレフィンを含有する多孔質膜からなるか、あるいは、ポリオレフィンを含有し、架橋構造を有する多孔質膜からなる場合、好適な熱閉塞性(電池の場合はSD機能)をより確実に付与することができる。また、第一の層との密着性も十分確保できる。
【0022】
一方、本発明の電池用セパレータは、上記の如き複合多孔質フィルムからなるため、円筒型電池や角型電池に用いられる際に、不安全状態、例えば高温中にさらされたり、過充電状態によるリチウムデンドライト析出により、セパレータの表面は特に発熱や加圧力にさらされても、第一の層により溶融劣化や孔閉塞が起こることなく、膜構造を維持できる。一方、第二の層により、必要なシャットダウン機能が付与でき、かつ、第一の層により隔壁としての機能が維持されているので、安全性を高めることができる。
【0023】
従って、このような電池用セパレータを用いた本発明の非水電解液電池は、特に安全性に優れたものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の複合多孔質フィルムは、芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してあるものである。
【0025】
芳香族ポリアミド系樹脂としては、芳香族基を主鎖に有するポリアミドであればよく、例えば以下のものが具体的に例示される。
【0026】
芳香族ポリアミドとしては、いわゆるパラ型アラミドやメタ型アラミドの他、骨格の一部をジフェニルエーテル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルケトン、ジフェニルスルホキシド、ビフェニル等で置換したものや、芳香環の水素基をメチル基、ハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
【0027】
パラ型アラミドとしては、ポリp−フェニレンテレフタラミド等が挙げられるが、このポリマーのように剛直な成分のみで構成されたアラミドは、特殊な薬剤で溶解させる必要がある。従って、多孔質膜に用いる芳香族ポリアミドとしては、屈曲性を付与する成分で骨格の一部を置換したアラミドやメタ型アラミドを少なくとも一部に使用することが好ましい。屈曲性を付与する成分としては、m−フェニレン、2,7−ナフタレン、ジフェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパン、ジフェニルメタンなどが挙げられる。このような成分は、ジカルボン酸モノマー又はジアミンモノマーとして、共重合に使用されて骨格に導入されるが、当該成分の共重合比が大きいものほど、一般に溶剤に対する溶解性が高くなる。
【0028】
また、パラ型アラミドとメタ型アラミドのような2種以上の芳香族ポリアミドのブレンド体を使用することも可能である。更に、芳香族ポリアミドの耐熱性や製膜基材への付着性を損なわない範囲で、脂肪族ポリアミドや他のポリマーを一部に含有してもよい。
【0029】
本発明では、第一の層を形成する多孔質膜が、メタフェニレン基を有する芳香族ポリアミドからなることが好ましい。中でも下記一般式(I)および/または一般式(II) で表される繰り返し単位を合計80モル%以上含み、ガラス転移温度Tgが190〜350℃である芳香族ポリアミドが好ましい。
【0030】
【化3】
−NH−Ar1 −NHCO−Ar2 −CO− (I)
−NH−Ar3 −CO− (II)
(式中、Ar1 、Ar2 及びAr3 は、同一又は相異なって、置換されていてもよい配向位置が任意のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、又は−Ph−Q−Ph−基(Phはフェニレン基、Qは酸素原子、メチレン基、カルボニル基、スルホニル基、イオウ原子、又はジメチルメチレン基を示す)を示す。但し、Ar1 、Ar2 及びAr3 の少なくとも1つは置換されていてもよいメタフェニレン基である。)
ガラス転移温度Tgは、メタフェニレン基含有単位のモル%、メタフェニレン基含有単位の種類、その他の繰り返し単位の屈曲性、又はフェニレン基を置換する官能基の種類などで調整することができる。これらの構成は、同時に湿式凝固法による製膜性に影響する。従って、得られる多孔質フイルムの耐熱性や製膜性の点から、ガラス転移温度Tgは200〜300℃がより好ましい。
【0031】
また、メタフェニレン基含有単位の含有率は、90モル%以上が好ましく、100モル%が最も好ましい。また、メタフェニレン基含有単位が、置換されていてもよいメタフェニレンイソフタラミドであることが好ましく、更に芳香族ポリアミドが、ポリメタフェニレンイソフタラミドであることが好ましい。
【0032】
一般式(I)〜(II)におけるAr1 、Ar2 及びAr3 は、同一又は相異なっていてもよい。また、これらは置換されていてもよく、いずもの配向位置が任意のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、又は−Ph−Q−Ph−基(Phはフェニレン基、Qは酸素原子、メチレン基、カルボニル基、スルホニル基、イオウ原子、又はジメチルメチレン基を示す)を示す。配向位置は例えばフェニレン基の場合には、パラ配向、メタ配向など何れでもよいが、Ar1 、Ar2 及びAr3 の少なくとも1つは置換されていてもよいメタフェニレン基である。
【0033】
上記Ar1 〜Ar3 が置換されていてる場合の置換基としては、塩素原子等のハロゲン基、ニトロ基、炭素数1〜3のメチル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリール基、チオアリール基、オキシアリール基、トリアルキルシリル基等が挙げられる。但し、Ar1 〜Ar3 が何れも置換されていない場合が好ましい。
メタフェニレン基含有単位以外の繰り返し単位を含む場合、当該繰り返し単位としては、メタフェニレン基を含有しない芳香族ポリアミドの繰り返し単位や、脂肪族ポリアミドの繰り返し単位などが挙げられる。但し、後者より前者を含む方が好ましく、前者の繰り返し単位としては、一般式(I)〜(II)において、Ar1 、Ar2 及びAr3 のいずれもがメタフェニレン基でないものが例示できる。
【0034】
上記の芳香族ポリアミドは、その繰り返し単位に対応するモノマー成分、例えば、イソフタル酸やその塩化物等のような酸性分と、m−フェニレンジアミンのようなジアミン成分とを用いて、縮重合を行うことにより得ることができる。また、アミド交換法、イソシアナート法、活性カルボン酸誘導体法などで重合を行うこともでき、その場合には、これらに代えて、ジアセトアミドや、ジイソシアナート等のモノマー成分を用ればよい。
【0035】
本発明の多孔質膜の製法としては、湿式凝固法、乾式凝固法、延伸法など種々の製膜法が挙げられるが、前述の如き膜構造を得る上で、第一の層の形成には湿式凝固法を採用するのが好ましい。湿式凝固法では、一般的に、溶剤に樹脂と添加剤等を溶解した製膜原液(ドープ)を調製し、これを基材に塗布(キャスト)したものを凝固液に浸漬して溶剤置換させることで、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後、凝固液等を乾燥除去するなどして多孔質膜を得る。
【0036】
本発明では、上記の湿式凝固法で成膜する際に、ドープを塗布する基材として、第二の層である多孔質膜を基材として用いることで、芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜とポリオレフィン等の多孔質膜とが付着したものを得ることができる。このような湿式凝固法によると、製膜時にドープが部分的に基材である多孔質膜に含浸するため、両層間で十分な密着性(アンカー効果)が得られ易く、しかも界面での孔閉塞を起こしにくいため、多孔質フィルムとしての透過性も維持することができる。
【0037】
また、ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルムなど樹脂フィルムを基材として、第一の層を製膜した後に、第二の層と貼り合わせ一体化させてもよい。貼り合わせは、加熱融着や接着剤などにより行うことができるが、界面での孔閉塞を起こしにくくするために、加熱条件や接着剤の塗布状態を調整するのが好ましい。
【0038】
第一の層は、厚みが0.5〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。また、膜表面の孔径(最小孔径)が0.01〜0.1μmが好ましく、0.02〜0.6μmが好ましい。膜表面の孔径は、湿式凝固法における吸湿条件の制御やドープ組成によって調整することができる。
【0039】
一方、第二の層としては、芳香族ポリアミド系樹脂以外の多孔質膜であればよいが、熱閉塞性(電池の場合はSD機能)を付与する上では、より低融点の樹脂成分を含有するものが好ましい。具体的には、ポリオレフィンを含有する多孔質膜やポリオレフィンを含有し架橋構造を有する多孔質膜、その他の低融点樹脂成分からなる多孔質膜、低融点樹脂成分を一部含有する多孔質膜などが好ましい。
【0040】
ポリオレフィンとしては、特に制限されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどが挙げられる。さらにポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどが好ましく、特に高密度ポリエチレンや超高分子量ポリエチレンが多孔性、膜強度の観点から好ましい。特に、超高分子量ポリエチレンが好ましく、重量平均分子量50万以上のものが好ましく、100万以上がより好ましい。
【0041】
ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を併用することも可能であり、架橋構造を形成するための重合体や、ナイロン、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリルなどを用いることもできる。
【0042】
但し、電池用セパレータとして用いる場合には、ポリオレフィン類とポリブタジエンやポリノルボルネンなど分子鎖に二重結合を有する架橋性ゴムを含有させ潜在的架橋性をもたせたり、後工程により架橋処理を行うなど、特に架橋処理を施すことにより高い熱破膜性、膜厚維持性が期待できる。従って、本発明では、超高分子量ポリエチレンと二重結合を有する重合体(架橋性ゴムの未加硫物を含む)とが架橋してなる架橋物を含有するものを使用するのが好ましい。その際、二重結合を有する重合体を多孔質膜中に、2〜40重量%、特に5〜35重量%配合しておくのが好ましい。
【0043】
シャットダウン温度を下げ、安全性を高める目的で、上記の樹脂成分のうち、融点の比較的低いものを併用してもよく、また、熱可塑性エラストマー、グラフトコポリマーを併用してもよい。熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系や、ポリオレフィン系、ポリジエン系、塩化ビニル系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。グラフトコポリマーとしては、主鎖にポリオレフィン、側鎖に非相溶性基を有するビニル系ポリマーを側鎖としたグラフトコポリマーが挙げられるが、ポリアクリル類、ポリメタクリル類、ポリスチレン、ポリアクリトニトリル、ポリオキシアルキレン類が好ましい。なお、ここで非相溶性基とは、ポリオレフィンに対して非相溶性基を意味し、例えば、ビニル系ポリマーに由来する基などが挙げられる。これらのSD成分の含有量は、多孔質膜中に60重量%以下、特に50重量%以下が好ましい。
【0044】
ポリオレフィンを含有する多孔質膜は、例えば次の方法で製造することができる。前記樹脂組成物を溶媒と混合し、混練、加熱溶解しながらシート状に押出し、冷却してゲル化(固化)させた後、加熱下で圧延や延伸により一軸方向以上に延伸し、溶媒を抽出除去することにより製造する。また、非晶質部分を有するフィルムを所定の温度で加熱しつつ、延伸して多孔質化させる乾式成膜法を採用することも可能である。また、二重結合を有する重合体を含有する多孔質膜に対し、二重結合部位を熱、紫外線、電子線等の架橋処理することにより、耐熱性を高めて、高温での厚み維持特性を向上させることも有効である。
【0045】
第二の層である多孔質膜は、厚み4〜50μm、JIS P8117に準拠する通気度が10〜1000sec/100mlであることが好ましい。
【0046】
第一の層と第二の層の厚みの比(第一の層厚/第二の層厚)は、0.05〜1であり、好ましくは、0.1〜0.9である。この比率が0.05未満であると、芳香族ポリアミド系樹脂による耐熱性の付与効果が小さく、薄層のため多孔質膜の成形も困難になる。この比率が1を超えると、シャットダウン機能や電解液保持の機能が低下する。またシャットダウン機能や電解液保持性を損なわない範囲で第二層の空孔の一部に、第一層を形成する成分を部分的に含浸させてもよい。
【0047】
第一の層と第二の層とは、その一方又は両方が複数層積層されていてもよく、その他の層が更に積層されていてもよい。その他の層としては、支持層、補強層などが挙げられる。積層の数は特に限定されないが、表面からの熱やリチウムデンドライト、微粒子透過などの抑止のために片面または両面に第一の層を設けることが好ましい。
【0048】
また好ましくは、針入プローブ式熱機械的分析装置を用いてプローブ径1mmφ、荷重70g、室温から昇温2℃/minで厚み変化を計測したときに、複合多孔質フィルムの180℃での厚み維持率(%)が45%以上であり、より好ましくは50%以上である。ここで、厚み維持率(%)=100 ×180℃厚み/測定開始時(25℃)の厚みである。これが50%を大きく下回ると膜劣化や強度低下による破膜の可能性が高まる。
【0049】
ここで針入プローブ式熱機械的分析装置を通してみられる現象について説明する。まず、多孔質フィルムに荷重のかかった針径1mmφの円筒型針をセットすると、荷重により幾分厚みが減少する。その後、緩やかに多孔質フィルムが昇温とともに少しずつ減少していき、多孔質膜を形成する樹脂が溶融または半溶融状態になるときには大きな厚みの減少をともない、次にその後の収縮のため少し厚みが戻る現象がみられる。さらに昇温していくと一般に少しずつ、または大きく厚みが低下していき、さらに昇温すると厚み減少とともに熱分解などが起こりはじめる。180℃付近は少し厚みが回復した後、厚みが減少していく領域に相当し、この温度で膜厚を50%以上維持できていれば隔壁としての機能をより安全に維持できる。
【0050】
一方、本発明の非水電解液電池用セパレータは、以上のような複合多孔質フィルムからなるものである。本発明の複合多孔質フィルムを用いることにより、シャットダウン(膜孔閉塞)後の高温条件下において膜厚維持性に優れて、容易に破膜しない電池用セパレータとして電池の安全性を向上させることが期待できる。
【0051】
本発明の非水電解液電池用セパレータの厚みは、5〜50μmが好ましい。空孔率は20〜80%が好ましく、また、平均孔径は0.01〜0.5μmが好ましい。これらによる総合的な特性として、JIS P8117に準拠する通気度は、100〜1000sec/100mlが好ましい。
【0052】
コイン型電池やボタン型電池では電解液保持のために、不織布層を更に積層した複合多孔質フィルムを、電池用セパレータとして用いてもよい。
【0053】
次に本発明の非水電解液電池について説明する。当該非水電解液電池は、以上の如き複合多孔質フィルムからなるセパレータを用いてなり、その構造は、例えば帯状の負極、正極およびセパレータを積層捲回して得た捲回型電極体を電池缶に収納し、これに電解液を注入し、さらに電池上下の絶縁板など必要な部材を市販の電池に準じて適宜配して構成したものである。
【0054】
電解液としては、例えば、リチウム塩を電解液とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、たとえば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、4−メチル−1,3−ジオキソランなどのエーテル類、さらにはスルフォランなどの単独、もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
【0055】
負極としてはアルカリ金属またはアルカリ金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの集電材料と一体化したものが用いられる。その際のアルカリ金属として、たとえばリチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、アルカリ金属を含む化合物としては、たとえばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリウム、カドミウム、スズ、マグネシウムなどの合金、さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物、硫化物との化合物などが挙げられる。負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料としては、リチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、たとえば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
【0056】
正極としては、たとえばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物、などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属窒化物などが活物質として用いられ、これらの正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0058】
(フィルム厚)
1/10000シックネスゲージにより測定した。
【0059】
(通気度)
JIS P8117に準拠して測定した。
【0060】
(シャットダウン温度)
25mmφの筒状の試験室を有し、試験室が密閉可能なSUS製のセルを用い、下部電極はの20mmφ、上部電極は10mmφの白金板(厚さ1.0mm)を使用した。24mmφに打ち抜いた測定試料を電解液に浸漬して電解液を含浸し、電極間に挟み、セルにセットした。電極はセルに設けられたばねにて一定の面圧がかかるようにした。電解液はプロピレンカーボネートとジメトキシエタンを容量比で1:1の割合で混合した溶媒に、ホウフッ化リチウムを1.0mol/Lの濃度になるように溶解したものを用いた。
【0061】
このセルに熱伝対温度計と、抵抗計を接続して温度と抵抗を測定できるようにし、180℃恒温器中へ投入し、温度と抵抗を測定した。100〜150℃の平均昇温速度は10℃/分であった。この測定により、抵抗が100Ω・cm2 に達した時の温度をシャットダウン温度とした。
【0062】
(厚み維持率)
セイコー電子製EXSTAR6000を用いて、幅5mm角のサンプル片に先端1mmφの針入プローブを乗せ、プローブ上に70gの荷重をかけたときの厚みの変化を昇温2℃/minで計測した。計測前後の厚みデータから180℃での厚み維持率(%)を読みとった。
【0063】
厚み維持率(%)=100×180℃厚み/試験開始時(25℃)の厚み
(粒子除去性能(ラテックス粒子阻止率)
47mmφに切り取った膜を、エタノールに10分間浸漬して親水処理後、100mLファンネルにセットし、水洗してエタノールを除去した。圧力−38cmHgにて超純水50mLを透過させ、透過水の5mLをブランクとしてサンプリングした。次いで、純水を除去後、ラテックス粒子(平均0.2μm)の10ppm溶液100mLの原液をファンネルに入れ、−30〜−38cmHgの圧力で吸引し、透過液5mLをサンプリングした。サンプリング原液、透過液、ブランクの吸光度(波長215nm)を分光光度計にて測定し、次式
R(%)=100×(Cf−Cp)/Cf
〔Cf:原液の吸光度、Cp:透過液、ブランクの吸光度〕
より阻止率R(%)を算出した。
【0064】
[調製例1]
重量平均分子量20万のポリエチレン60重量%、重量平均分子量150万の超高分子量ポリエチレン40重量%からなる重合体組成物15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃の温度で小型ニーダーを用い約60分溶解混練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却されたロールまたは金属板に挟み込みシート状に急冷した。これらの急冷シート状樹脂を、115℃の温度でシート厚が0.4mmになるまでヒートプレスし、115℃の温度で同時に縦横4×4倍に二軸延伸し、ヘプタンを使用して脱溶媒処理を行った。その後、得られた多孔質フィルムを空気中で85℃・1時間熱処理し、ついで116℃で1時間熱処理して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムは厚み16μm、通気度320、シャットダウン温度133℃であった。
【0065】
[調製例2]
重量平均分子量150万の超高分子量ポリエチレン15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃の温度で小型ニーダーを用い約60分溶解混練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却されたロールまたは全属板に挟み込みシート状に急冷した。これらの急冷シート状樹脂を、118℃の温度でシート厚が0.5mmになるまでヒートプレスし、120℃の温度で同時に縦横4×4倍に二軸延伸し、ヘプタンを使用して脱溶媒処理を行った。その後、得られた多孔質フィルムを空気中で85℃・6時間熱処理し、ついで125℃で2時間熱処理して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムは厚み25μm、通気度280、シャットダウン温度148℃であった。
【0066】
[調整例3]
イソフタル酸塩化物のへキサン溶液とm−フェニレンジアミンの水溶液を等モル反応させて芳香族ポリアミド(ガラス転移温度:270℃)を得た。この芳香族ポリアミド(沈殿物)を水洗し、アルコール洗浄、水洗を繰り返した後、60℃で一晩真空乾燥して乾燥ポリマーを得た。このポリマーを80℃でN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に溶解して、ポリマー10重量%含む溶液(成膜原液)を得た。
【0067】
[実施例1]
調整例1で得られた多孔質フィルム上に、調整例3で得た成膜原液を厚み90μmで塗布し、相対湿度100%、温度40℃で吸湿させた後、40℃の水槽に浸漬した。その後、1昼夜水中保存して脱溶剤を行った。その後、80℃で5時間乾燥して厚み30μmの複合多孔質フィルムを得た。この複合多孔質フィルムの断面を観察したところ、両層の界面では多孔質フィルムの形状面に沿って芳香族ポリアミドの多孔質膜が形成されていた(実施例2〜3も同様であった)。
【0068】
[実施例2]
調整例1で得られた多孔質フィルム上に、調整例3で得た成膜原液を厚み80μmで塗布し、相対湿度100%、温度40℃で吸湿させた後、40℃の水槽に浸漬した。その後、1昼夜水中保存して脱溶剤を行った。その後、80℃で5時間乾燥して厚み24μmの複合多孔質フィルムを得た。
【0069】
[実施例3]
調整例2で得られた多孔質フィルム上に、調整例3で得た成膜原液を厚み50μmで塗布し、相対湿度100%、温度40℃で吸湿させた後、40℃の水槽に浸漬した。その後、1昼夜水中保存して脱溶剤を行った。その後、80℃で5時間乾燥して厚み30μmの複合多孔質フィルムを得た。
【0070】
[比較例1]
調整例1で得た厚み16μmの多孔質フィルムをそのまま用いた。
【0071】
[比較例2]
調整例2で得た厚み25μmの多孔質フィルムをそのまま用いた。
【0072】
以上の実施例、比較例で得られた多孔質フィルムについて、180℃における厚み維持率、SD温度、粒子除去性能を測定した結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
表1の結果が示すように、実施例のように芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜に別の多孔質膜を積層した複合多孔質フィルムでは、高温下での厚み方向の維持率が大きく改善されており、より高温での電池の安全性を確保することができる。しかも、SD機能と粒子除去性能は、十分維持されている。
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してある複合多孔質フィルムおよび電池用セパレータ、並びに当該電池用セパレータを用いた非水電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムなどの軽金属を電極とする非水電解液電池は、エネルギー密度が高く、自己放電も少ないため、電子機器の高性能化、小型化などを背景として利用範囲を大きく広げてきている。このような非水電解液電池は一般に電池容器内に正極と負極と非水電解液とを備えており、この電池容器内において正極と負極とを分離させる電池用セパレータが用いられている。
【0003】
セパレータは、両極の短絡を防止するとともに、その多孔質構造によりイオンを透過させて電池反応を可能とするものであるが、誤接続などにより異常電流が発生した場合に電池内部温度の上昇に伴い樹脂が熱変形して多孔質を塞いで電池反応を停止させる、いわゆるシャットダウン機能(SD機能)を有するものが安全性の観点から採用されている。このようなSD機能を有するセパレータは、例えば、ポリエチレン製多孔質膜やポリエチレンとポリプロピレンとの多層構造の多孔質膜などが知られている。
【0004】
しかしながら、昨今のリチウムイオン二次電池などの進歩により、上記シャットダウン機能のみならず、耐熱性に係わる各種特性がより重要性を増している。すなわち、シャットダウン後にさらに温度が上昇した時に、セパレータ自身が溶融破膜(メルトダウン)したり、溶融まで至らない場合でも厚みが減少して破断する状態がおこり得ることを考慮すると、より高い温度で対応できることが望まれている。特に、高容量化された電池や電池内部抵抗の低減がすすむと、発熱が大きくなる要素が増すため、より高温における各種特性がますます重要な要素となる。
【0005】
上記問題に対しては、シャットダウン温度と破膜温度の差が大きく、また、破膜温度が高いほど、高温特性が良好で安全性の高い電池用セパレータになりうると考えられる。例えば、低融点ポリエチレンと高融点のポリプロピレンからなる単膜を積層化することにより、高強度かつ優れた高温特性を有する微孔性多孔膜を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ポリオレフィン系樹脂を積層した複合多孔質フィルムでは、耐熱性に限界があった。
【0006】
また、低分子量ポリエチレンとポリプロピレンを含有した高分子量ポリエチレン組成物からなる多孔質膜を得る方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、急激に温度が上昇する場合には大部分を占めるポリエチレン素材が容易に溶融するため、厚みが減少し破断しやすくなり危険性が大きくなる。
【0007】
またコイン型のような電池では電解液保持のため不織布が用いられることが多いが、不織布では一般に孔径が大きく通気性が高すぎるためセパレータとしての特性調整が困難であったり、電極からの微細な粉体がセパレータ内を通過したりすることにより微小短絡が発生したりする可能性がある。
【0008】
また、電池用セパレータとして、架橋構造を有するポリオレフィン樹脂を含有する多孔質フィルムを使用する技術もいくつか知られている。例えば、架橋点間分子量20万以下で特定の収縮残存率と空孔率を有するポリエチレン多孔質膜が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この発明では、溶融突き刺し強度の測定を160℃で行っており、シャットダウン後の更なる昇温(例えば熱暴走反応が起きる領域の180℃以上)に対して十分な耐久性、特に厚みにより隔離する特性を有し、電池の安全性を確保するものではない。
【0009】
また不織布との組み合わせでは、融点200℃以上の樹脂からなるメルトブロー不織布と異なる融点を持つ不織布の積層体からなる電池用セパレータが開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、この発明ではともに不織布を用いており、一部がシャットダウンするような不織布との積層体であっても孔径が大きく、発熱した電極粉の一部が微小短絡する可能性や過充電時のリチウムデンドライトの短絡の可能性があり、十分安全性を確保しているとはいえない。また不織布どうしの組み合わせでは厚みが大きくなりやすく、薄型化には不向きである。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−308866号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平10−298325号公報(第1頁)
【特許文献3】
特開平10−7831号公報(第1頁)
【特許文献4】
特開2002−170540号公報(第1頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、薄型化が可能で、複層化により耐熱性とSD機能の制御が独立して好適に行え、しかも適度な分離性能が確保できる複合多孔質フィルム、該多孔質フィルムを用いてなる高温状態下や電極面での発熱によって電極間の短絡が起こりにくい耐熱性を有する電池用セパレータ、並びに該セパレータを用いてなる非水電解液電池を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、多孔質フィルムの複合化について鋭意研究したところ、特に耐熱性の良好な芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜を他の樹脂の多孔質膜と特定の厚み比率で積層一体化することによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明の複合多孔質フィルムは、芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してあり、第一の層厚と第二の層厚の比(第一の層厚/第二の層厚)が0.05〜1であることを特徴とする。
【0014】
上記において、前記第一の層を形成する多孔質膜が、下記一般式(I)および/または一般式(II)で表される繰り返し単位を合計80モル%以上含み、ガラス転移温度Tgが190〜350℃である芳香族ポリアミドからなることが好ましい。
【0015】
【化2】
−NH−Ar1 −NHCO−Ar2 −CO− (I)
−NH−Ar3 −CO− (II)
(式中、Ar1 、Ar2 及びAr3 は、同一又は相異なって、置換されていてもよい配向位置が任意のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、又は−Ph−Q−Ph−基(Phはフェニレン基、Qは酸素原子、メチレン基、カルボニル基、スルホニル基、イオウ原子、又はジメチルメチレン基を示す)を示す。但し、Ar1 、Ar2 及びAr3 の少なくとも1つは置換されていてもよいメタフェニレン基である。)
また、針入プローブ式熱機械的分析装置を用いて、プローブ径1mmφ、荷重70g、室温から昇温2℃/minで厚み変化を計測したときに、下記の式による180℃での厚み維持率(%)が45%以上であることが好ましい。ここで、厚み維持率などの物性は、より具体的には実施例で記載された測定方法による値である。
【0016】
厚み維持率(%)=100 ×180℃厚み/測定開始時(25℃)の厚み
更に、前記第二の層がポリオレフィンを含有する多孔質膜からなるか、あるいは、ポリオレフィンを含有し、架橋構造を有する多孔質膜からなることが好ましい。
【0017】
一方、本発明の電池用セパレータは、上記いずれかに記載の複合多孔質フィルムからなることを特徴とする。また、本発明の非水電解液電池は、当該電池用セパレータを用いたことを特徴とする。
【0018】
[作用効果]
本発明の複合多孔質フィルムによると、第一の層が耐熱性の良好な芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなり、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層が積層されているため、複層化により耐熱性と熱閉塞性(電池の場合はSD機能)の制御が独立して好適に行えるようになる。また、多孔質膜の積層構造となるため、不織布の積層体などに比べて薄型化が可能で分離性能も確保し易くなる。
【0019】
特に、前記第一の層を形成する多孔質膜が、前記一般式の如き芳香族ポリアミドからなる場合、湿式凝固法による製膜が好適に行えるため、界面での孔閉塞を起こさずに適度な孔径の多孔質膜を第二の層に形成することができ、しかも十分な耐熱性が得られる。
【0020】
針入プローブ式熱機械的分析装置を用いて測定した厚み維持率(%)が45%以上である場合、電池用セパレータに用いる際に、高温条件下においても隔壁としての機能をより確実に維持することができる。
【0021】
前記第二の層がポリオレフィンを含有する多孔質膜からなるか、あるいは、ポリオレフィンを含有し、架橋構造を有する多孔質膜からなる場合、好適な熱閉塞性(電池の場合はSD機能)をより確実に付与することができる。また、第一の層との密着性も十分確保できる。
【0022】
一方、本発明の電池用セパレータは、上記の如き複合多孔質フィルムからなるため、円筒型電池や角型電池に用いられる際に、不安全状態、例えば高温中にさらされたり、過充電状態によるリチウムデンドライト析出により、セパレータの表面は特に発熱や加圧力にさらされても、第一の層により溶融劣化や孔閉塞が起こることなく、膜構造を維持できる。一方、第二の層により、必要なシャットダウン機能が付与でき、かつ、第一の層により隔壁としての機能が維持されているので、安全性を高めることができる。
【0023】
従って、このような電池用セパレータを用いた本発明の非水電解液電池は、特に安全性に優れたものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の複合多孔質フィルムは、芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してあるものである。
【0025】
芳香族ポリアミド系樹脂としては、芳香族基を主鎖に有するポリアミドであればよく、例えば以下のものが具体的に例示される。
【0026】
芳香族ポリアミドとしては、いわゆるパラ型アラミドやメタ型アラミドの他、骨格の一部をジフェニルエーテル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルケトン、ジフェニルスルホキシド、ビフェニル等で置換したものや、芳香環の水素基をメチル基、ハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
【0027】
パラ型アラミドとしては、ポリp−フェニレンテレフタラミド等が挙げられるが、このポリマーのように剛直な成分のみで構成されたアラミドは、特殊な薬剤で溶解させる必要がある。従って、多孔質膜に用いる芳香族ポリアミドとしては、屈曲性を付与する成分で骨格の一部を置換したアラミドやメタ型アラミドを少なくとも一部に使用することが好ましい。屈曲性を付与する成分としては、m−フェニレン、2,7−ナフタレン、ジフェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパン、ジフェニルメタンなどが挙げられる。このような成分は、ジカルボン酸モノマー又はジアミンモノマーとして、共重合に使用されて骨格に導入されるが、当該成分の共重合比が大きいものほど、一般に溶剤に対する溶解性が高くなる。
【0028】
また、パラ型アラミドとメタ型アラミドのような2種以上の芳香族ポリアミドのブレンド体を使用することも可能である。更に、芳香族ポリアミドの耐熱性や製膜基材への付着性を損なわない範囲で、脂肪族ポリアミドや他のポリマーを一部に含有してもよい。
【0029】
本発明では、第一の層を形成する多孔質膜が、メタフェニレン基を有する芳香族ポリアミドからなることが好ましい。中でも下記一般式(I)および/または一般式(II) で表される繰り返し単位を合計80モル%以上含み、ガラス転移温度Tgが190〜350℃である芳香族ポリアミドが好ましい。
【0030】
【化3】
−NH−Ar1 −NHCO−Ar2 −CO− (I)
−NH−Ar3 −CO− (II)
(式中、Ar1 、Ar2 及びAr3 は、同一又は相異なって、置換されていてもよい配向位置が任意のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、又は−Ph−Q−Ph−基(Phはフェニレン基、Qは酸素原子、メチレン基、カルボニル基、スルホニル基、イオウ原子、又はジメチルメチレン基を示す)を示す。但し、Ar1 、Ar2 及びAr3 の少なくとも1つは置換されていてもよいメタフェニレン基である。)
ガラス転移温度Tgは、メタフェニレン基含有単位のモル%、メタフェニレン基含有単位の種類、その他の繰り返し単位の屈曲性、又はフェニレン基を置換する官能基の種類などで調整することができる。これらの構成は、同時に湿式凝固法による製膜性に影響する。従って、得られる多孔質フイルムの耐熱性や製膜性の点から、ガラス転移温度Tgは200〜300℃がより好ましい。
【0031】
また、メタフェニレン基含有単位の含有率は、90モル%以上が好ましく、100モル%が最も好ましい。また、メタフェニレン基含有単位が、置換されていてもよいメタフェニレンイソフタラミドであることが好ましく、更に芳香族ポリアミドが、ポリメタフェニレンイソフタラミドであることが好ましい。
【0032】
一般式(I)〜(II)におけるAr1 、Ar2 及びAr3 は、同一又は相異なっていてもよい。また、これらは置換されていてもよく、いずもの配向位置が任意のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、又は−Ph−Q−Ph−基(Phはフェニレン基、Qは酸素原子、メチレン基、カルボニル基、スルホニル基、イオウ原子、又はジメチルメチレン基を示す)を示す。配向位置は例えばフェニレン基の場合には、パラ配向、メタ配向など何れでもよいが、Ar1 、Ar2 及びAr3 の少なくとも1つは置換されていてもよいメタフェニレン基である。
【0033】
上記Ar1 〜Ar3 が置換されていてる場合の置換基としては、塩素原子等のハロゲン基、ニトロ基、炭素数1〜3のメチル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリール基、チオアリール基、オキシアリール基、トリアルキルシリル基等が挙げられる。但し、Ar1 〜Ar3 が何れも置換されていない場合が好ましい。
メタフェニレン基含有単位以外の繰り返し単位を含む場合、当該繰り返し単位としては、メタフェニレン基を含有しない芳香族ポリアミドの繰り返し単位や、脂肪族ポリアミドの繰り返し単位などが挙げられる。但し、後者より前者を含む方が好ましく、前者の繰り返し単位としては、一般式(I)〜(II)において、Ar1 、Ar2 及びAr3 のいずれもがメタフェニレン基でないものが例示できる。
【0034】
上記の芳香族ポリアミドは、その繰り返し単位に対応するモノマー成分、例えば、イソフタル酸やその塩化物等のような酸性分と、m−フェニレンジアミンのようなジアミン成分とを用いて、縮重合を行うことにより得ることができる。また、アミド交換法、イソシアナート法、活性カルボン酸誘導体法などで重合を行うこともでき、その場合には、これらに代えて、ジアセトアミドや、ジイソシアナート等のモノマー成分を用ればよい。
【0035】
本発明の多孔質膜の製法としては、湿式凝固法、乾式凝固法、延伸法など種々の製膜法が挙げられるが、前述の如き膜構造を得る上で、第一の層の形成には湿式凝固法を採用するのが好ましい。湿式凝固法では、一般的に、溶剤に樹脂と添加剤等を溶解した製膜原液(ドープ)を調製し、これを基材に塗布(キャスト)したものを凝固液に浸漬して溶剤置換させることで、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後、凝固液等を乾燥除去するなどして多孔質膜を得る。
【0036】
本発明では、上記の湿式凝固法で成膜する際に、ドープを塗布する基材として、第二の層である多孔質膜を基材として用いることで、芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜とポリオレフィン等の多孔質膜とが付着したものを得ることができる。このような湿式凝固法によると、製膜時にドープが部分的に基材である多孔質膜に含浸するため、両層間で十分な密着性(アンカー効果)が得られ易く、しかも界面での孔閉塞を起こしにくいため、多孔質フィルムとしての透過性も維持することができる。
【0037】
また、ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルムなど樹脂フィルムを基材として、第一の層を製膜した後に、第二の層と貼り合わせ一体化させてもよい。貼り合わせは、加熱融着や接着剤などにより行うことができるが、界面での孔閉塞を起こしにくくするために、加熱条件や接着剤の塗布状態を調整するのが好ましい。
【0038】
第一の層は、厚みが0.5〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。また、膜表面の孔径(最小孔径)が0.01〜0.1μmが好ましく、0.02〜0.6μmが好ましい。膜表面の孔径は、湿式凝固法における吸湿条件の制御やドープ組成によって調整することができる。
【0039】
一方、第二の層としては、芳香族ポリアミド系樹脂以外の多孔質膜であればよいが、熱閉塞性(電池の場合はSD機能)を付与する上では、より低融点の樹脂成分を含有するものが好ましい。具体的には、ポリオレフィンを含有する多孔質膜やポリオレフィンを含有し架橋構造を有する多孔質膜、その他の低融点樹脂成分からなる多孔質膜、低融点樹脂成分を一部含有する多孔質膜などが好ましい。
【0040】
ポリオレフィンとしては、特に制限されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどが挙げられる。さらにポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどが好ましく、特に高密度ポリエチレンや超高分子量ポリエチレンが多孔性、膜強度の観点から好ましい。特に、超高分子量ポリエチレンが好ましく、重量平均分子量50万以上のものが好ましく、100万以上がより好ましい。
【0041】
ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を併用することも可能であり、架橋構造を形成するための重合体や、ナイロン、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリルなどを用いることもできる。
【0042】
但し、電池用セパレータとして用いる場合には、ポリオレフィン類とポリブタジエンやポリノルボルネンなど分子鎖に二重結合を有する架橋性ゴムを含有させ潜在的架橋性をもたせたり、後工程により架橋処理を行うなど、特に架橋処理を施すことにより高い熱破膜性、膜厚維持性が期待できる。従って、本発明では、超高分子量ポリエチレンと二重結合を有する重合体(架橋性ゴムの未加硫物を含む)とが架橋してなる架橋物を含有するものを使用するのが好ましい。その際、二重結合を有する重合体を多孔質膜中に、2〜40重量%、特に5〜35重量%配合しておくのが好ましい。
【0043】
シャットダウン温度を下げ、安全性を高める目的で、上記の樹脂成分のうち、融点の比較的低いものを併用してもよく、また、熱可塑性エラストマー、グラフトコポリマーを併用してもよい。熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系や、ポリオレフィン系、ポリジエン系、塩化ビニル系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。グラフトコポリマーとしては、主鎖にポリオレフィン、側鎖に非相溶性基を有するビニル系ポリマーを側鎖としたグラフトコポリマーが挙げられるが、ポリアクリル類、ポリメタクリル類、ポリスチレン、ポリアクリトニトリル、ポリオキシアルキレン類が好ましい。なお、ここで非相溶性基とは、ポリオレフィンに対して非相溶性基を意味し、例えば、ビニル系ポリマーに由来する基などが挙げられる。これらのSD成分の含有量は、多孔質膜中に60重量%以下、特に50重量%以下が好ましい。
【0044】
ポリオレフィンを含有する多孔質膜は、例えば次の方法で製造することができる。前記樹脂組成物を溶媒と混合し、混練、加熱溶解しながらシート状に押出し、冷却してゲル化(固化)させた後、加熱下で圧延や延伸により一軸方向以上に延伸し、溶媒を抽出除去することにより製造する。また、非晶質部分を有するフィルムを所定の温度で加熱しつつ、延伸して多孔質化させる乾式成膜法を採用することも可能である。また、二重結合を有する重合体を含有する多孔質膜に対し、二重結合部位を熱、紫外線、電子線等の架橋処理することにより、耐熱性を高めて、高温での厚み維持特性を向上させることも有効である。
【0045】
第二の層である多孔質膜は、厚み4〜50μm、JIS P8117に準拠する通気度が10〜1000sec/100mlであることが好ましい。
【0046】
第一の層と第二の層の厚みの比(第一の層厚/第二の層厚)は、0.05〜1であり、好ましくは、0.1〜0.9である。この比率が0.05未満であると、芳香族ポリアミド系樹脂による耐熱性の付与効果が小さく、薄層のため多孔質膜の成形も困難になる。この比率が1を超えると、シャットダウン機能や電解液保持の機能が低下する。またシャットダウン機能や電解液保持性を損なわない範囲で第二層の空孔の一部に、第一層を形成する成分を部分的に含浸させてもよい。
【0047】
第一の層と第二の層とは、その一方又は両方が複数層積層されていてもよく、その他の層が更に積層されていてもよい。その他の層としては、支持層、補強層などが挙げられる。積層の数は特に限定されないが、表面からの熱やリチウムデンドライト、微粒子透過などの抑止のために片面または両面に第一の層を設けることが好ましい。
【0048】
また好ましくは、針入プローブ式熱機械的分析装置を用いてプローブ径1mmφ、荷重70g、室温から昇温2℃/minで厚み変化を計測したときに、複合多孔質フィルムの180℃での厚み維持率(%)が45%以上であり、より好ましくは50%以上である。ここで、厚み維持率(%)=100 ×180℃厚み/測定開始時(25℃)の厚みである。これが50%を大きく下回ると膜劣化や強度低下による破膜の可能性が高まる。
【0049】
ここで針入プローブ式熱機械的分析装置を通してみられる現象について説明する。まず、多孔質フィルムに荷重のかかった針径1mmφの円筒型針をセットすると、荷重により幾分厚みが減少する。その後、緩やかに多孔質フィルムが昇温とともに少しずつ減少していき、多孔質膜を形成する樹脂が溶融または半溶融状態になるときには大きな厚みの減少をともない、次にその後の収縮のため少し厚みが戻る現象がみられる。さらに昇温していくと一般に少しずつ、または大きく厚みが低下していき、さらに昇温すると厚み減少とともに熱分解などが起こりはじめる。180℃付近は少し厚みが回復した後、厚みが減少していく領域に相当し、この温度で膜厚を50%以上維持できていれば隔壁としての機能をより安全に維持できる。
【0050】
一方、本発明の非水電解液電池用セパレータは、以上のような複合多孔質フィルムからなるものである。本発明の複合多孔質フィルムを用いることにより、シャットダウン(膜孔閉塞)後の高温条件下において膜厚維持性に優れて、容易に破膜しない電池用セパレータとして電池の安全性を向上させることが期待できる。
【0051】
本発明の非水電解液電池用セパレータの厚みは、5〜50μmが好ましい。空孔率は20〜80%が好ましく、また、平均孔径は0.01〜0.5μmが好ましい。これらによる総合的な特性として、JIS P8117に準拠する通気度は、100〜1000sec/100mlが好ましい。
【0052】
コイン型電池やボタン型電池では電解液保持のために、不織布層を更に積層した複合多孔質フィルムを、電池用セパレータとして用いてもよい。
【0053】
次に本発明の非水電解液電池について説明する。当該非水電解液電池は、以上の如き複合多孔質フィルムからなるセパレータを用いてなり、その構造は、例えば帯状の負極、正極およびセパレータを積層捲回して得た捲回型電極体を電池缶に収納し、これに電解液を注入し、さらに電池上下の絶縁板など必要な部材を市販の電池に準じて適宜配して構成したものである。
【0054】
電解液としては、例えば、リチウム塩を電解液とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、たとえば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、4−メチル−1,3−ジオキソランなどのエーテル類、さらにはスルフォランなどの単独、もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
【0055】
負極としてはアルカリ金属またはアルカリ金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの集電材料と一体化したものが用いられる。その際のアルカリ金属として、たとえばリチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、アルカリ金属を含む化合物としては、たとえばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリウム、カドミウム、スズ、マグネシウムなどの合金、さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物、硫化物との化合物などが挙げられる。負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料としては、リチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、たとえば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
【0056】
正極としては、たとえばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物、などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属窒化物などが活物質として用いられ、これらの正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0058】
(フィルム厚)
1/10000シックネスゲージにより測定した。
【0059】
(通気度)
JIS P8117に準拠して測定した。
【0060】
(シャットダウン温度)
25mmφの筒状の試験室を有し、試験室が密閉可能なSUS製のセルを用い、下部電極はの20mmφ、上部電極は10mmφの白金板(厚さ1.0mm)を使用した。24mmφに打ち抜いた測定試料を電解液に浸漬して電解液を含浸し、電極間に挟み、セルにセットした。電極はセルに設けられたばねにて一定の面圧がかかるようにした。電解液はプロピレンカーボネートとジメトキシエタンを容量比で1:1の割合で混合した溶媒に、ホウフッ化リチウムを1.0mol/Lの濃度になるように溶解したものを用いた。
【0061】
このセルに熱伝対温度計と、抵抗計を接続して温度と抵抗を測定できるようにし、180℃恒温器中へ投入し、温度と抵抗を測定した。100〜150℃の平均昇温速度は10℃/分であった。この測定により、抵抗が100Ω・cm2 に達した時の温度をシャットダウン温度とした。
【0062】
(厚み維持率)
セイコー電子製EXSTAR6000を用いて、幅5mm角のサンプル片に先端1mmφの針入プローブを乗せ、プローブ上に70gの荷重をかけたときの厚みの変化を昇温2℃/minで計測した。計測前後の厚みデータから180℃での厚み維持率(%)を読みとった。
【0063】
厚み維持率(%)=100×180℃厚み/試験開始時(25℃)の厚み
(粒子除去性能(ラテックス粒子阻止率)
47mmφに切り取った膜を、エタノールに10分間浸漬して親水処理後、100mLファンネルにセットし、水洗してエタノールを除去した。圧力−38cmHgにて超純水50mLを透過させ、透過水の5mLをブランクとしてサンプリングした。次いで、純水を除去後、ラテックス粒子(平均0.2μm)の10ppm溶液100mLの原液をファンネルに入れ、−30〜−38cmHgの圧力で吸引し、透過液5mLをサンプリングした。サンプリング原液、透過液、ブランクの吸光度(波長215nm)を分光光度計にて測定し、次式
R(%)=100×(Cf−Cp)/Cf
〔Cf:原液の吸光度、Cp:透過液、ブランクの吸光度〕
より阻止率R(%)を算出した。
【0064】
[調製例1]
重量平均分子量20万のポリエチレン60重量%、重量平均分子量150万の超高分子量ポリエチレン40重量%からなる重合体組成物15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃の温度で小型ニーダーを用い約60分溶解混練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却されたロールまたは金属板に挟み込みシート状に急冷した。これらの急冷シート状樹脂を、115℃の温度でシート厚が0.4mmになるまでヒートプレスし、115℃の温度で同時に縦横4×4倍に二軸延伸し、ヘプタンを使用して脱溶媒処理を行った。その後、得られた多孔質フィルムを空気中で85℃・1時間熱処理し、ついで116℃で1時間熱処理して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムは厚み16μm、通気度320、シャットダウン温度133℃であった。
【0065】
[調製例2]
重量平均分子量150万の超高分子量ポリエチレン15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃の温度で小型ニーダーを用い約60分溶解混練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却されたロールまたは全属板に挟み込みシート状に急冷した。これらの急冷シート状樹脂を、118℃の温度でシート厚が0.5mmになるまでヒートプレスし、120℃の温度で同時に縦横4×4倍に二軸延伸し、ヘプタンを使用して脱溶媒処理を行った。その後、得られた多孔質フィルムを空気中で85℃・6時間熱処理し、ついで125℃で2時間熱処理して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムは厚み25μm、通気度280、シャットダウン温度148℃であった。
【0066】
[調整例3]
イソフタル酸塩化物のへキサン溶液とm−フェニレンジアミンの水溶液を等モル反応させて芳香族ポリアミド(ガラス転移温度:270℃)を得た。この芳香族ポリアミド(沈殿物)を水洗し、アルコール洗浄、水洗を繰り返した後、60℃で一晩真空乾燥して乾燥ポリマーを得た。このポリマーを80℃でN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に溶解して、ポリマー10重量%含む溶液(成膜原液)を得た。
【0067】
[実施例1]
調整例1で得られた多孔質フィルム上に、調整例3で得た成膜原液を厚み90μmで塗布し、相対湿度100%、温度40℃で吸湿させた後、40℃の水槽に浸漬した。その後、1昼夜水中保存して脱溶剤を行った。その後、80℃で5時間乾燥して厚み30μmの複合多孔質フィルムを得た。この複合多孔質フィルムの断面を観察したところ、両層の界面では多孔質フィルムの形状面に沿って芳香族ポリアミドの多孔質膜が形成されていた(実施例2〜3も同様であった)。
【0068】
[実施例2]
調整例1で得られた多孔質フィルム上に、調整例3で得た成膜原液を厚み80μmで塗布し、相対湿度100%、温度40℃で吸湿させた後、40℃の水槽に浸漬した。その後、1昼夜水中保存して脱溶剤を行った。その後、80℃で5時間乾燥して厚み24μmの複合多孔質フィルムを得た。
【0069】
[実施例3]
調整例2で得られた多孔質フィルム上に、調整例3で得た成膜原液を厚み50μmで塗布し、相対湿度100%、温度40℃で吸湿させた後、40℃の水槽に浸漬した。その後、1昼夜水中保存して脱溶剤を行った。その後、80℃で5時間乾燥して厚み30μmの複合多孔質フィルムを得た。
【0070】
[比較例1]
調整例1で得た厚み16μmの多孔質フィルムをそのまま用いた。
【0071】
[比較例2]
調整例2で得た厚み25μmの多孔質フィルムをそのまま用いた。
【0072】
以上の実施例、比較例で得られた多孔質フィルムについて、180℃における厚み維持率、SD温度、粒子除去性能を測定した結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
表1の結果が示すように、実施例のように芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜に別の多孔質膜を積層した複合多孔質フィルムでは、高温下での厚み方向の維持率が大きく改善されており、より高温での電池の安全性を確保することができる。しかも、SD機能と粒子除去性能は、十分維持されている。
Claims (7)
- 芳香族ポリアミド系樹脂の多孔質膜からなる第一の層と、第一の層とは異なる多孔質膜からなる第二の層とが2層以上積層してあり、第一の層厚と第二の層厚の比(第一の層厚/第二の層厚)が0.05〜1である複合多孔質フィルム。
- 前記第一の層を形成する多孔質膜が、下記一般式(I)および/または一般式(II)で表される繰り返し単位を合計80モル%以上含み、ガラス転移温度Tgが190〜350℃である芳香族ポリアミドからなる請求項1記載の複合多孔質フィルム。
- 針入プローブ式熱機械的分析装置を用いて、プローブ径1mmφ、荷重70g、室温から昇温2℃/minで厚み変化を計測したときに、下記の式による180℃での厚み維持率(%)が45%以上である請求項1または2記載の複合多孔質フィルム。
厚み維持率(%)=100 ×180℃厚み/測定開始時(25℃)の厚み - 前記第二の層がポリオレフィンを含有する多孔質膜からなる請求項1〜3いずれかに記載の複合多孔質フィルム。
- 前記第二の層がポリオレフィンを含有し、架橋構造を有する多孔質膜からなる請求項1〜3いずれかに記載の複合多孔質フィルム。
- 請求項1〜5いずれかに記載の複合多孔質フィルムからなる電池用セパレータ。
- 請求項6に記載の電池用セパレータを用いた非水電解液電池。
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