JP2004139380A - 車載器のセットアップ方法、車載器のセットアップシステム及び車載器 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存のETC用車載器のセットアップシステムを利用することで、必要十分なセキュリティレベルを維持しながら他のサービスを低コストで提供する。
【解決手段】車載器製造者3から車載器製造ID20を受取って車載器情報格納部21に格納する車載器製造ID受取部22と、受取った車載器製造IDに基づいて車載器4のセットアップ用の暗号鍵23(車載器鍵24及びICカード鍵25)を生成してセットアップ鍵格納部26に格納するセットアップ鍵生成部27と、生成された車載器鍵24を車載器製造者3に発行するセットアップ鍵発行部28と、セットアップ業者5からセットアップの申込があった場合に所定のセットアップ処理を行うセットアップ処理部29と、前記車載器鍵24及びICカード鍵25をシステム秘密鍵で署名し暗号化する暗号/復号処理部30と、サービス提供者9から新規サービスの登録の申込を受付けてサービス情報格納部31に登録するサービス情報受取・更新部32とを備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】車載器製造者3から車載器製造ID20を受取って車載器情報格納部21に格納する車載器製造ID受取部22と、受取った車載器製造IDに基づいて車載器4のセットアップ用の暗号鍵23(車載器鍵24及びICカード鍵25)を生成してセットアップ鍵格納部26に格納するセットアップ鍵生成部27と、生成された車載器鍵24を車載器製造者3に発行するセットアップ鍵発行部28と、セットアップ業者5からセットアップの申込があった場合に所定のセットアップ処理を行うセットアップ処理部29と、前記車載器鍵24及びICカード鍵25をシステム秘密鍵で署名し暗号化する暗号/復号処理部30と、サービス提供者9から新規サービスの登録の申込を受付けてサービス情報格納部31に登録するサービス情報受取・更新部32とを備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として有料道路の自動料金収受に利用される車載器の情報管理方法、情報管理システム及び車載器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度交通システム(ITS:Intelligent Transport System)の一環として、ETC(自動料金収受システム:Electronic Toll Collection)が実用化されている。
【0003】
このETCにおいては、DSRC(Dedicated Short Range Communication:ARIB STD−T55、STD−T75)と呼ばれる狭域無線通信方式が採用され、料金所ゲート付近(通常は半径30m程度)を車両が通過する短い時間内で個人情報(課金情報)や車両情報などの多量のデータを瞬時に送受信できるようになっている。
【0004】
前記DSRCは、これまで有料道路の料金収受に用途を限定されていたが、2001年4月に電波法施行規則等が改正されたことによって種々のサービスへの展開が可能となった。これにより、例えば、有料駐車場やガソリンスタンドでの料金の決済、ファーストフードのドライブスルーでの注文の受付け、利用者のリクエストに応じた音楽や動画等のコンテンツの配信、目的地までの経路情報(地図、最適経路、渋滞等)や周辺のエリア情報(天候、宿泊施設、レストラン、イベント等)の配信等の種々のサービスへの展開が期待できる。このような広い分野においてDSRCを利用するシステムとして例えば以下のようなものが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−32452号公報。
【0006】
また、DSRCが広い分野で利用可能になると、DSRCの通信機器としてETC車載器の利用価値が高まりETC車載器の普及促進という副次的な効果も期待できる。これにより、ETC利用者(車両)が増大して、ETCの主目的である「料金所のノンストップ通過による渋滞の解消」等を達成できる様になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DSRCをETC以外のサービスに応用するには、路側機や車載器のコストの問題を解決する必要がある。例えば、料金所に設置されている現在のETC用の路側機は一基数千万円と高価であり、有料駐車場やガソリンスタンド、ファーストフード店等の収支構造から見て、これが普及のネックとなることが容易に予想できる。
【0008】
このような高コストの原因の一つに、ETCが高度なセキュリティを確保していることが挙げられる。すなわち、現在のETCは、有料道路の通行料金という税金に準じた料金の収受を目的としているため、改竄や不正利用等を防止できるように強固なセキュリティシステムを構築している。具体的には、走行時に車載器に挿入するETCカード(ICカード)への入出力データや、車載器と路側機との間で送受信されるデータを暗号化/復号化するための専用のSAM(SecureApplication Module)が車載器及び路側機に搭載されている。このような暗号化/複合化の処理に必要なハードウェア及びソフトウェアのコストが膨大なものになっている。
【0009】
また、前記SAMは、復号化したデータの漏洩を防止するため、LSI等で1チップで構成されるのが一般的であるが、ETC以外のサービスに展開する場合には、その実行アプリケーションで使用する暗号化方法に従ってアプリケーション毎にSAMを設ける必要がある。すなわち、複数のサービスや店舗毎にSAMを用意し、そのサービスを利用する場合には予め設定されたレベルのセキュリティモジュールが起動するようにする。従って、DSRCの適用範囲を広げれば広げるほど、多くのLSIが必要となり車載器や路側機がより高価になる。
【0010】
このような強固なセキュリティシステムは、ファーストフード等における少額決済やエリア情報の提供等には必ずしも必要ないため、セキュリティのレベルを落として、その分コストを低減させることが望まれる。
【0011】
一方、特定の業界や地域等においてDSRCを利用した独自のサービス提供システムを構築してセキュリティに要するコストを低減することも考えられる。しかし、車載器が正規に製造・販売されたものであるかを識別するには、暗号鍵等による認証システムは必須であるため、暗号鍵の発行や管理・車載器へのインストール(セットアップ)のための仕組みを新たに構築する必要がある。また、例え少額であっても利用料金の決済が必要になってくることから課金処理システムも独自に構築しなければならない。このように、新たにシステム(仕組み)を構築する場合には、セキュリティに要するコストは低減できてもシステム全体としてはコストアップとなってしまう。
【0012】
本発明の目的は、既存のETC用車載器のセットアップシステム(仕組み)を利用することで、必要十分なセキュリティレベルを維持しながら他のサービスを低コストで提供できる車載器の情報管理方法、システム及び車載器を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明の他の目的は、複数のサービス毎にセキュリティのレベルを設定できるようにして、ETC以外のサービスへの展開を低コストで実現でき、車載器の普及を促進してETCの利用者を増大させることができるシステム及び方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の主要な観点によれば、複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得工程と、取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行工程と、前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付工程と、前記受取った車載器認証情報が前記発行した車載器認証情報と一致するかに基づいて車載器の認証を行う車載器認証工程と、認証が正当な場合に、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するプログラム起動情報取得工程と、取得したプログラム起動情報と車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行工程とを備えたことを特徴とする車載器情報管理方法が提供される。ここで、前記車載器は、通行料金の自動料金収受用のアプリケーションプログラムを格納するものであり、前記セットアップ申込受付工程は、前記セットアップ者から自動料金収受に必要な所定の情報をインストールするためのセットアップ申込を受付けるものであり、前記プログラム起動情報取得工程は、自動料金収受を含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するものであることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、ETC用車載器の通信機能を利用してユーザに他のサービスを提供することができるようになるので、ETC車載器の利用価値を高めて普及促進を図ることができる。またこの場合、既存のETC車載器のセットアップの仕組みを利用することで、新たに認証のためのシステムやデータ通信のセキュリティプロトコル等を構築する必要がなく、種々のサービスを低コストで提供できるようになる。さらに、ETC車載器のセットアップの申込みを受付けた場合に、他のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムの起動情報を取得して発行するようにしたので、ETCの普及を促進することが可能になる。また、ETC用車載器をETC以外のサービスのみに利用する場合であっても、既存の認証システムや課金システムを利用することで、公的な機関による車載器の正当性の認証を統一的に行うことができ、サービスに対する信頼性を確保することができる。
【0016】
本発明の第2の主要な観点によれば、複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得工程と、取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行工程と、前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付工程と、前記受取った車載器認証情報に基づいて車載器の認証を行う車載器認証工程と、認証が正当な場合に、前記申込にかかるサービス以外の1以上のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行不可能にするプログラム無効化情報を取得するプログラム無効化情報取得工程と、取得したプログラム無効化情報徒車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行工程とを備えたことを特徴とする車載器情報管理方法が提供される。
【0017】
このような構成によれば、上記した第1の観点における車載器情報管理方法と同様に、車載器のセットアップと同時に複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムの一部を有効にすることができ、車載器の普及促進を図ることが可能になる。
【0018】
本発明の第3の主要な観点によれば、有料道路の自動料金収受を含む複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムを格納するプログラム格納手段と、路側に設置された路側機との間で通信を行う通信手段と、前記通信手段によって路側機から取得した情報に基づいて1又は2以上のアプリケーションプログラムの実行指示情報を取得する実行指示情報取得手段と、実行指示情報を取得した場合に、実行指示にかかるアプリケーションプログラムを前記プログラム格納手段から抽出して実行するプログラム実行手段とを備えたことを特徴とする車載器が提供される。
【0019】
このような構成によれば、上記した第1若しくは第2の観点における車載器情報管理方法を好適に実現できる車載器を得ることができる。
【0020】
本発明の第4の主要な観点によれば、複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得手段と、取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行手段と、前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付手段と、前記受付けた車載器認証情報が前記発行した車載器認証情報と一致するかに基づいて車載器の認証を行う車載器認証手段と、認証が正当な場合に、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するプログラム起動情報取得手段と、取得したプログラム起動情報と車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行手段とを備えたことを特徴とする車載器情報管理システムが提供される。
【0021】
このような構成によれば、上記した第1若しくは第2の観点における車載器情報管理方法を好適に実現できる車載器情報管理システムを得ることができる。特にこのシステムは、第3の観点における車載器と協同して利用することが好ましい。
【0022】
本発明の第5の主要な観点によれば、複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得手段と、取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行手段と、前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付手段と、前記受取った車載器認証情報に基づいて車載器の認証を行う車載器認証手段と、認証が正当な場合に、前記申込にかかるサービス以外の1以上のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行不可能にするプログラム無効化情報を取得するプログラム無効化情報取得手段と、取得したプログラム無効化情報と車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行手段とを備えたことを特徴とする車載器情報管理システムが提供される。
【0023】
なお、この発明の他の特徴と顕著な効果は、次の発明の実施の形態の項の記載と添付した図面とを参照することで、より明確に理解される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。以下の実施形態は、ETC用車載器を利用して、ETCと共に、ファーストフードのドライブスルーサービス(以下「ファーストフードサービス」と略す)とコンテンツ配信サービス(以下「配信サービス」と略す)の提供を受けられるようにした例である。
【0025】
(全体構成)
まず、図1を参照して、この実施形態の全体イメージを説明する。
この図で符号1で示す車載器情報管理システムは、国の機関若しくはこれに準じた公的な機関である情報管理センタ2のサーバに設置されている。この車載器情報管理システム1は、車載器製造者3や車載器4のセットアップを行うセットアップ業者5及びETC専用のICカード(以下「ETCカード」という)を発行するカード発行会社6と夫々オンライン若しくはオフラインで接続されている。
【0026】
前記カード発行会社6には、前記情報管理センタ2から情報安全確保の規格及び暗号化等のための鍵情報が予め発行されている。カード発行会社6は、発行された規格等に準拠したETCカードを作成しユーザ7に発行するものである。
【0027】
また、前記規格及び鍵の情報は、図示しないETC用のSAM製造者にも発行される。このSAM製造者は、発行された規格等に準拠したSAM(ICチップ)を製造し、車載器製造者3に販売する。車載器製造者3は、SAM製造者から購入したSAMを組み込んで車載器4を製造する。この車載器製造者3は、製造した車載器4の製造IDを前記車載器情報管理センタ2に通知して車載器4のセットアップ鍵を取得し、このセットアップ鍵を格納した車載器4を車載器販売店5(この例ではセットアップ業者と同一)を通じてユーザ7に販売する。なお、車載器製造IDは、車載器4に固有の番号であり、例えば、製造者IDと製造番号とを組み合わせて生成される。
【0028】
車載器4を購入したユーザ7は、車載器4を搭載する車両の個車情報(車検証情報等)や課金情報等をセットアップ業者5に提示してセットアップを依頼する。セットアップ業者5は、ユーザから受取った情報と車載器4の車載器製造IDとを車載器情報管理センタに送付してセットアップの申込を行い、管理センタ2による所定の認証を経て必要な情報を入手してセットアップを完了する。ユーザ7は、セットアップが完了した車載器4を車両に搭載して有料道路を走行することで、ETC(自動料金収受)サービスと、後述する他のサービスの提供を受けることができる。なお、車載器4のセットアップの工程等については後に詳しく説明する。
【0029】
前記車載器製造者3は、ETCサービスを統括管理する道路事業者8以外の、提携したサービス提供者9から所定のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラム10を取得して車載器4に格納する。このアプリケーションプログラム10は、前記SAMのようなICチップではなく、車載器4のROMなどの記憶媒体に格納されるものである。このような記憶媒体に格納した情報は、前記SAM(ICチップ)に比べて読み取り等が容易であるためセキュリティのレベルは低下するが、それだけ車載器4やこの車載器4と通信する路側機を低コストで製作できる。また、車載器4をセットアップした後にアプリケーションプログラムを追加・変更・削除することも可能になり、車載器4の使い勝手が向上する。これにより、車載器4の普及促進が期待できる。
【0030】
なお、本実施形態では、ETC用の車載器4を利用してETC以外のサービスを提供するものであるため、車載器製造者3は予め車載器情報管理センタ2等からETC用のアプリケーションプログラムを取得して格納しておくものとする。また、この実施形態ではサービス提供者9から車載器製造者3に直接アプリケーションプログラムを提供するようにしているが、車載器情報管理センタ2がサービス提供者9から一旦受取って、ETCと同様に、提供されるサービスおよびそのためのアプリケーションプログラムを統一的に管理する様にしても良い。
【0031】
車載器4のセットアップを完了したユーザ7が登録された車両に車載器4を搭載して有料道路を走行すると、この車載器4が路側機と必要な情報を通信して通行料金が自動的に精算される。この状態を模式的に示したのが図2である。
【0032】
すなわちこの図において、車載器4を搭載した車両11が料金所12を通過する際、通過ゲート13の手前に設置された路側機14の通信エリア15に進入すると、この路側機14との間で双方向無線通信を行う。これにより、車載器4に格納された車両情報及びETCカード16に格納された利用者情報に基づいて利用料金の決済が行われるように構成されている。
【0033】
また、日本の有料道路における課金システムは車両の種類(大型、小型等)によって大きく異なることから、通過ゲート13の手前には車両11の種類を判別するためのセンサ17が設けられている。このセンサ17によって判断された車両の種類と前記車載器4から送信された車種の情報とが一致しない場合には、前記ゲート13が開かず、車両11は通行できないようになっている。
【0034】
(車載器情報管理システムの構成)
次に、図3を参照して、本実施形態にかかる車載器情報管理システム1の概略構成を説明する。
このシステム1は、前記車載器製造者3から車載器4固有の車載器製造ID20を受取って車載器情報格納部21に格納する車載器製造ID受取部22と、受取った車載器製造ID20に基づいて車載器4のセットアップ用の暗号鍵23(車載器鍵24及びICカード鍵25)を生成してセットアップ鍵格納部26に格納するセットアップ鍵生成部27と、生成されたセットアップ用暗号鍵23のうち、車載器鍵24を前記車載器製造者3に発行し、ICカード鍵25をICカードに発行するセットアップ鍵発行部28と、前記セットアップ業者5からセットアップの申込があった場合に後述する所定の処理を行うセットアップ処理部29と、前記車載器鍵24及びICカード鍵25をシステム秘密鍵で署名し暗号化すると共に、前記車載器製造者3に提供する情報を車載器製造者3の公開鍵で暗号化する暗号/復号処理部30と、サービス提供者9から新規サービスの登録の申込や提供中のサービスの内容変更を受付けてサービス情報格納部31の登録内容を更新するサービス情報受取・更新部32とを備えている。
【0035】
前記サービス情報格納部31には、ファーストフードサービス用及び配信サービス用のアプリケーションプログラムを起動するための起動情報35と、これらのアプリケーションプログラムが起動される際に起動されるセキュリティプログラム起動情報36とを格納するものである。このプログラムの起動情報35、36は、例えば、提供されるサービスに付与された識別コードを所定の乱数に適用して生成された鍵の情報である。セキュリティプログラムは複数用意されており、どのプログラムを起動するかは各アプリケーションプログラム毎に予め設定されている。
【0036】
また、前記セットアップ処理部29は、セットアップ業者5から個車情報や課金情報、前記車載器製造ID20及び提供を受けたいサービスの種別を取得してセットアップの申込を受付けるセットアップ申込受付部37と、取得した車載器製造ID20が前記車載器情報格納部21に登録されたものと一致するかに基づいて申込に係る車載器4の認証を行う車載器認証部38と、取得した個車情報を図示しない車種判別モデルに適用して申込に係る車両の車種のコードを判別する車種判別部39と、前記車載器製造ID20に基づいて料金所ゲート等の通過時の車載器4と路側機14間の通信用鍵を生成し図示しない通信用鍵格納部に格納する通信用鍵生成部40と、前記車種コードと通信用鍵と前記セットアップ用ICカード鍵25とを、セットアップ用ICカードに発行する車種コード・通信用鍵発行部41と、申込に係るサービス用のアプリケーションプログラムを起動するための起動情報を前記サービス情報格納部31から抽出するアプリケーションプログラム起動情報抽出部42と、抽出したアプリケーションプログラムを起動する際に同時に起動されるセキュリティプログラムの起動情報を前記サービス情報格納部31から抽出するセキュリティプログラム起動情報抽出部43とを備えている。
【0037】
これらの構成要素は、実際には情報管理センタ2のサーバを構成するコンピュータシステムの記憶媒体に確保された一定の領域及びこの領域にインストールされたプログラムであり、図示しないCPUによってRAM上に呼び出されて実行されることで、OS(オペレーションシステム)と協働してこの発明の機能を奏するようになっている。
【0038】
(車載器及び路側機の構成)
上記車載器情報管理システム1によってセットアップ等が行われる車載器4及びこの車載器4と通信を行う路側機14は、図4に示すような構成を備えている。
【0039】
まず図4に示す路側機14は、例えば、有料道路の出入口、ファーストフードなどの各種の店舗、公共機関、一般道路や有料道路の路側、駐車場の出入口、配送センター、カーフェリーポートに設置されている。
【0040】
この路側機14は、路側ホスト45とDSRC無線アンテナ46とを備えている。DSRC無線アンテナ46は、DSRC無線プロトコル(ARIB規格)に従った通信が可能に構成されている。また路側ホスト45は、DSRC無線アンテナ46を制御しアプリケーション情報を管理して、前記車載器4と情報のやり取りを行う。さらに路側ホスト45は、設置された場所若しくは提供するサービスの種別に応じたアプリケーション実行指示情報を生成して車載器4に送信する機能も備えている。なお、図示は省略したが、路側ホスト45は複数の料金所を統括するエリア管理センタに設置された料金計算等を行う管理コンピュータに接続されており、路側ホスト45が車載器4から取得した情報は前記管理コンピュータに送信されるように構成されている。
【0041】
一方、車載器4は、前記路側機14と通信を行うためのDSRC無線アンテナ47を備えたRFモジュール48と、DSRC制御部49を含む制御処理部(マイコン)50と、ディスプレイ51やスピーカ52等を備えたヒューマンマシンインタフェース(HMI)53と、専用のLSIで構成されたセキュリティモジュール(SAM)54と、プログラム格納部55と、ETCカード16用のインタフェース(I/F)58とを備えている。
【0042】
前記RFモジュール48は、路側機14のDSRC無線アンテナ46に対応する機能ブロックであり、DSRC無線プロトコル(ARIB規格)に基づく通信が可能である。
【0043】
マイコンで構成された制御処理部50は、RFモジュール48を介してDSRC無線通信情報の処理や、HMI53の制御等を行う。また、この制御処理部50は、DSRC無線通信によって路側機14から取得した情報に所定の処理コマンドを付加してSAM54に入力して、例えば暗号化された情報の復号化や、路側機14に送信するためにETCカード16から情報を取得してこれを暗号化する処理などを要求する。さらに、この制御処理部50は、後述する複数のセキュリティプログラムを所定の優先順位に基づいて各処理コマンドを実行させたり、セキュリティプログラムをアプリケーションプログラムに優先して実行するように制御するものである。
【0044】
SAM54は、制御処理部50からの前記要求に応じて、暗号情報の復号化、ETCカード16からの情報の読み込み及び情報の暗号化等を行う。SAM54の構成及び機能は従来周知のものを採用できるため、これ以上の詳細説明は省略する。
【0045】
本実施形態の特徴の一つである前記プログラム格納部55は、ETCを含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラム10と、ETC以外のアプリケーションプログラム10を実行する際に起動するセキュリティプログラム56と、これらのプログラム10、56を起動するための起動情報57とを格納するものである。ETC用のセキュリティプログラム59は、上述したように、SAM54に格納されて情報の改竄・漏洩等に対して高いレベルのセキュリティが確保されている。これに対して本実施形態にかかるファーストフードサービスや配信サービスは、利用料金が比較的低額若しくは無料であること等から、セキュリティのレベルを緩和してその分だけ車載器(SAM等)の製造や情報管理に要するコストを低減するようにしている。
【0046】
(アプリケーションプログラム)
ここで、各アプリケーションプログラム10について簡単に説明する。
まずETC用プログラムは、主として路側機14と通信を行う通信機能部と通信する情報を暗号化/復号化する暗号/復号化機能部とを備えているが、通信機能部のみがこのプログラム格納部55に格納されている。ここで通信機能には、料金所の路側機14からのフレームコントロールメッセージ(FCM:Frame Control Message)やビーコンサービステーブル(BST:Beacon Service Table)を受信する機能、FCMを受信した場合にアクティベーションチャンネル(ACTC:Activation Channel)若しくはビークルサービステーブル(VST:Vehicle Service Table)を路側機14に対して送信する機能が含まれる。なお、FCM、BST、ACTC及びVSTは、いずれもARIB規格にて定められたリンクシーケンスに使用されるフレームである。これらの機能の動作シーケンスについては後述する。
【0047】
また、ファーストフードサービス用プログラムは、ファーストフードの店舗の入口付近に設置された路側機14と通信する機能を備えている。この通信機能は上記したETC用のアプリケーションプログラムと略同一である。
【0048】
さらに、配信サービス用プログラムは、道路の路側に設置された道路標識や案内盤に付設された簡易型の路側機若しくは、他のサービス用の路側機との間で通信を行う機能と、音楽やエリア情報等の情報を受取って音声信号や文字情報に変換して車載器4のスピーカ52やディスプレイ51に出力する機能とを備えている。ここで、配信サービスは、無料で提供される場合にはユーザ7や車載器4を特定する必要がなく、路側機14から車載器4に対して一方通行で情報を配信することができる。そのため、個人情報の漏洩等のおそれはなく、単にユーザ7に不適切な情報(偽の渋滞情報等)を配信しないように管理すれば足りる。
【0049】
(セキュリティプログラム)
次に、セキュリティプログラムとしては、例えば図5に示すようなものが格納されている。すなわち、図5(a)の車載器4と路側機14の端末の相互認証機能、同(b)に示す車載器4と路側機14との間で送受信されるデータの認証機能、同(c)に示す送受信されるデータの暗号化機能である。
【0050】
端末の相互認証は、車載器4が正規に製造され販売されたものであるかを認証して端末のなりすましを防止するものである。この端末の相互認証は、車載器4及び路側機14の双方において、暗号化して送信したデータと、通信によって取得し復号化したデータとの一致性によって、相手の端末が正規なものであるかを端末相互で判別するものである。
【0051】
また、データの認証は、路側機14が受信したデータが正規なものであるかを認証してデータの改竄を防止するものである。このデータ認証は、車載器4で生成されたデータを路側機14が受信した場合に、路側機14に登録されているデータと一致するかに基づいて、路側機14が受信したデータの正当性を判別するものである。
【0052】
また、データの暗号化は、受信したデータを暗号化してデータの盗聴や暴露を防止するものである。
【0053】
上述したアプリケーションプログラム及びセキュリティプログラムの各機能は、前記制御処理部50及びDSRC制御部49によって車載器4のメモリ上に読み出されて随時実行されるものである。
【0054】
このような各アプリケーションプログラムと、設定されたセキュリティプログラムとの関係の一例を図6に示す。
この図の例は、ユーザ7がETC車載器4のセットアップ申込に際して、ファーストフードの利用も希望した場合である。セキュリティプログラムとして示したa、b、cは夫々図5の(a)(b)(c)に対応する。ETCでは、abc全てのセキュリティプログラムが起動するように設定されている。また、情報配信サービスについては、最もセキュリティのレベルが低いc(データの暗号化)のみが設定されている。図示の例では、アプリケーションプログラム及びセキュリティプログラムについて共通の起動情報が設定されている。また、ファーストフード及びガソリンスタンドについても共通の起動情報が設定されている。すなわち、これらの何れかのサービスの申込があった場合に、他方のサービスも利用可能となる。このような複数のサービス提供者9の提携等は、前記サービス情報受取・更新部32によって随時登録(更新)される。
【0055】
また、情報配信には特に起動情報は設定されていない。これは、ETCを含む何れのサービスの申込があった場合にも、そのサービスのアプリケーションプログラムの起動情報によってこの情報配信サービスのプログラムが起動することを意味している。
【0056】
以上のことから、図示の例では、ユーザ7の車載器4のセットアップが完了すると、ETC以外にファーストフードサービス、ガソリンスタンドの決済サービス及び情報配信サービスの提供を受けられることになる。
【0057】
(路側機と車載器との通信シーケンス)
次に、路側機14と車載器4との通信シーケンスの一例を図7を参照して説明する。
車載器4を搭載した車両11が路側機14の通信エリア15(図2参照)に進入すると、DSRC無線プロトコルに従って通信が開始される。まず、路側機14から車載器4に対してフレームコントロールメッセージ(FCM)が発信され、これを受けて車載器4はアクティベーションチャンネル(ACTC)を送信する。次に路側機14はFCMを送信し、続いてビーコンサービステーブル(BST)を送信し、再びFCMを送信する。これに応じて車載器4がビークルサービステーブル(VST)を送信すると、路側機14からFCMが送信される。これにより、路側機14と車載器4とのリンク接続が確立されたことになる。
【0058】
次に、実体的な情報のやり取りが行われる。図示の例では、説明を簡略化するために、路側機14から暗号文が含まれた情報Aが送られ、車載器4からも暗号文が含まれた情報Bが送られている。
【0059】
路側機14から情報A(暗号文)が送られて、これを取得した車載器4の制御処理部50は、情報Aに復号要求のコマンドを付加してSAM54に入力する。SAM54は、このコマンドに従って情報Aを復号して制御処理部50に送る。次に、制御処理部50が情報Bの暗号化を要求すると、SAM54は、例えば予めETCカード16から読み取られてRAMに記憶されていた情報や車載器4の固有情報等が含まれる情報Bを暗号化処理して制御処理部50に送る。制御処理部50は、路側機14からのFCMを待って、暗号化された情報Bを路側機14に送信する。
【0060】
路側機14と車載器4の双方からの情報の送受信が全て行われること、若しくは車載器4が通信エリア15外に移動することで通信が終了する。なお、図7は路側機14と車載器4との通信が正常に行われた例である。
【0061】
(車載器情報管理システムの処理工程)
以下、車載器情報管理システム1の動作について、図8を参照して説明する。なお、この図のS1〜S11は、処理順序を示す符号である。
【0062】
まず、前記車載器ID受取部22が、車載器製造者3が生成した車載器製造ID20を受け取って車載器情報格納部21に登録する(ステップS1)。そして、セットアップ鍵生成部27は、取得した車載器製造ID20を所定の暗号鍵生成アルゴリズムに適用することで、セットアップ用暗号鍵23としての車載器鍵24及びICカード鍵25を生成する(ステップS2)。この車載器鍵24及びICカード鍵25は前記車載器製造ID20に関連付けられて前記車載器情報格納部21に格納される。このうちセットアップ用車載器鍵24が、前記セットアップ鍵発行部28によって前記車載器製造者3に送信される(ステップS3)。
【0063】
車載器製造者3は、このセットアップ用車載器鍵24を車載器4に搭載するセキュリティ機能(例えばセキュリティチップ)に記憶させた後、この車載器4を販売店5(この実施形態ではセットアップ業者)を通じてユーザ7に販売する。この車載器4は、車両に搭載される前であるから、車両の情報やユーザ7の情報等の課金基礎情報(属性情報)は一切インストールされていない。
【0064】
次いで、車載器情報管理システム1のセットアップ申込受付部37は、購入した車載器4を車検済み車両に固定したユーザ7から、この車両の個車情報とユーザ7が利用を希望する1以上のサービスの種別を前記車載器製造ID20と共に受取る(ステップS4)。ここで、前記車載器認証部38が、受取った車載器製造IDが前記車載器情報格納部21に登録されているかに基づいて申込みに係る車載器4が正規に製造され販売されたものであるかの認証を行う(ステップS5)。
【0065】
認証が正当な場合には、前記アプリケーションプログラム起動情報抽出部42が、申込みに係るサービスを受けるためのアプリケーションプログラムの起動情報35を前記プログラム格納部55から抽出する(ステップS6)。また、前記セキュリティプログラム起動情報抽出部43が、申込みに係るサービスについて設定されているセキュリティプログラムの起動情報36を前記プログラム格納部55から抽出する(ステップS7)。
【0066】
また、前記車種判別部39が、受取った個車情報を車種判別モデルに適用することでユーザ7の車両の課金車種コードを判別し、前記車載器製造ID20に基いて前記通信用鍵生成部40が車載器4と路側機14との間の通信用暗号鍵を生成する(ステップS8)。
【0067】
そして、前記車種コード・通信用鍵発行部41、前記セットアップ鍵発行部28、前記アプリケーションプログラム起動情報抽出部42及びセキュリティプログラム起動情報抽出部43が、車種コード、通信用鍵、ICカード鍵25、アプリケーションプログラム起動情報35及びセキュリティプログラム起動情報36を夫々抽出し、前記セットアップ用ICカードに発行(格納)する(ステップS9)。このセットアップ用ICカードへの各種情報の発行は、前述したようにセットアップ業者5の店舗や情報管理センタ2に設置された出力装置としてのカードリードライタによってなされるようになっている。
【0068】
最後に、各種の情報が格納されたセットアップ用ICカードが、例えば、郵送によってユーザ7(又はセットアップ業者5)に届けられる(ステップS10)。
【0069】
ユーザ7は、このセットアップ用ICカードを車載器4のスロットに挿入することで、車載器4に内臓されたカードリーダによってこのセットアップ用ICカードに格納された情報が読み取られて、セットアップ用ICカードと車載器4の間で前記セットアップ用暗号鍵23(車載器鍵24、ICカード鍵25)を用いた認証を行なわせ、ICカード内の車種コードその他の情報(属性情報)を車載器4に転送する。このことで、車載器4のセットアップが終了する。
【0070】
また、この時、ユーザ7が希望したサービスを受けるためのアプリケーションプログラム及びセキュリティプログラムの起動情報35、36も車載器4に転送される。これにより、ユーザ7は、ETCサービスに加えて、車載器4を利用した他のサービスの提供を受けることができるようになる。さらに、ETC用の車載器のセットアップと同時に、他のサービスの申込みを受付けるようにしたので、提供されるサービス毎に認証システムや課金システムを新設する必要がなく、種々のサービスを低コストで提供することができる。
【0071】
また、公的な機関である情報管理センタ2が所定の車載器4の認証を行った上で他のサービス用のアプリケーションプログラムの起動情報35を発行するようにしたので、提供されるサービスに対する信頼性を確保することができる。
【0072】
さらに、付随的な効果として、車載器4のセットアップ時にユーザ7から利用したいサービスの申込を受付けることで、各サービスを利用するユーザ7の情報を収集することができるので、サービス提供者9は収集した情報をマーケティングに利用できるようになる。
【0073】
一方、前記ステップS5で、申込に係る車載器製造ID20が車載器情報格納部21に登録されてなかった場合は、車載器4が正当に製造・販売されたものではないと判断し、所定のエラーメッセージをオペレータの端末等に出力してこの処理を終了する(ステップS11)。
【0074】
なお、上記工程中、前記車載器鍵24及びICカード鍵25は、前記車載器情報管理システム1のシステム秘密鍵で署名され暗号化された状態で供給されるようになっている。車載器4及びセットアップ用ICカードは、システムの公開鍵(若しくは秘密鍵)及び乱数を利用することで相互認証を行ない、お互いが情報管理センタ2によって認証された機器であることを確認した上で情報を転送するように構成されている。このための署名・暗号化は、前記暗号/復号処理部30で実行されるようになっている。
【0075】
(変形例)
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0076】
例えば、本システム1は、ETC用の車載器を例にとって説明したが、これに限られない。所定のセットアップを経て販売され、路側機と通信してユーザ情報等を送受信することで、ユーザがサービスの提供を受けられるように構成されたシステム及びそのようなシステム用の車載器であれば本発明を適用可能である。
【0077】
また、上記実施形態では、提供されるサービスをユーザからの申込みによって選択可能にしたが、セットアップの申込があった場合には全てのサービス用アプリケーションプログラムの起動情報を発行して全てのサービスを利用可能にしても良い。これにより、車載器及びシステムの構成を簡素化できる。
【0078】
さらに、上記実施形態では、車載器製造時にセキュリティプログラムをアプリケーション毎に予め設定して車載器に格納するようにしたが、セットアップ時にセットアップ業者(ユーザ)の選択に応じて車載器毎に異なるセキュリティプログラムを実行させるようにしても良い。これにより、例えばセキュリティレベルに応じてセットアップ料金やサービスの利用料金が設定される場合に、ユーザの責任においてセキュリティレベルを選択できるようになり、ユーザの選択の自由度を高めることができる。
【0079】
また、上記実施形態では、路側機14でアプリケーションプログラムの実行指示情報を生成して車載器4に送信するようにしたが、路側機14からは設置場所やサービスの種別等の路側機14の属性情報だけを送信し、車載器4が取得した路側機14の属性情報に基づいて1又は2以上のアプリケーションプログラムの実行指示情報を生成するようにしても良い。これにより、路側機14の構造を簡素化できサービス提供者の負担を軽減できる。
【0080】
さらに、複数のアプリケーションプログラムに共通のセキュリティプログラムのプラットフォームを作成し、これを車載器のROM等に格納しておくこともできる。これにより、車載器の製造コストアップを抑えつつ、車載器に格納されるデータのセキュリティのレベルをある程度維持できるので、車載器を利用した種々のサービスを実現できるようになる。
【0081】
また、ETCカード以外のカードで他のサービスの提供を受けられるようにしても良いし、サービス毎に異なるカードを使用するようにしても良い。
【0082】
さらに、上記した各サービスの他に、DSRCを使用した走行支援システム(AHS:Automated Highway System)に本発明を適用することも可能である。このAHSは、ITSの一環として、道路上の障害物等を検知してDSRCによって車両に伝えるシステムである。このAHSに上記したセキュリティプラットフォームを利用することで、正規の車載器にだけ情報を提供でき、また提供する情報の信頼性を確保することができる。この場合には、ETCや他のサービス用の車載器と兼用するよりも、AHS専用の車載器を利用する方が好ましい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、既存のETC用車載器のセットアップシステムを利用することで、必要十分なセキュリティレベルを維持しながら他のサービスを低コストで提供できる車載器の情報管理方法、システム及び車載器を提供することができる。
【0084】
また、本発明によれば、複数のサービス毎にセキュリティのレベルを設定できるようにして、ETC以外のサービスへの展開を低コストで実現でき、車載器の普及を促進してETCの利用者を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体イメージを示す概念図。
【図2】車載器を搭載した車両が料金所ゲートを通過する状態を示す模式図。
【図3】本発明の一実施形態に係る車載器情報管理システムの概略構成を示すブロック図。
【図4】車載器及び路側機の概略構成を示すブロック図。
【図5】セキュリティプログラムの例を説明するための模式図。
【図6】各サービス毎のアプリケーションプログラムとセキュリティプログラムの組み合わせの一例示す図。
【図7】路側機と車載器の通信シーケンスを示す図。
【図8】車載器のセットアップの処理工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…車載器情報管理システム
2…車載器情報管理センタ
3…車載器製造者
4…車載器
5…セットアップ業者(車載器販売店)
6…カード発行会社
7…ユーザ
8…道路事業者
9…サービス提供者
10…アプリケーションプログラム
11…車両
12…料金所
13…通過ゲート
14…路側機
15…通信エリア
16…ETCカード
17…センサ
20…車載器製造ID
21…車載器情報格納部
22…車載器製造ID受取部
23…セットアップ用暗号鍵
24…セットアップ用車載器鍵
25…ICカード鍵
26…セットアップ鍵格納部
27…セットアップ鍵生成部
28…セットアップ鍵発行部
29…セットアップ処理部
30…暗号/復号処理部
31…サービス情報格納部
32…サービス情報受取・更新部
35…アプリケーションプログラム起動情報
36…セキュリティプログラム起動情報
37…セットアップ申込受付部
38…車載器認証部
39…車種判別部
40…通信用鍵生成部
41…車種コード・通信用鍵発行部
42…アプリケーションプログラム起動情報抽出部
43…セキュリティプログラム起動情報抽出部
45...路側ホスト
46...DSRC無線アンテナ(路側機)
47…DSRC無線アンテナ(車載器)
48…RFモジュール
49...DSRC制御部
50…制御処理部
53...ヒューマンマシンインタフェース(HMI)
54...セキュリティモジュール(SAM)
55…プログラム格納部
56…セキュリティプログラム
57…プログラム起動情報
58…ICカードインタフェース
59…ETC用セキュリティプログラム
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として有料道路の自動料金収受に利用される車載器の情報管理方法、情報管理システム及び車載器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度交通システム(ITS:Intelligent Transport System)の一環として、ETC(自動料金収受システム:Electronic Toll Collection)が実用化されている。
【0003】
このETCにおいては、DSRC(Dedicated Short Range Communication:ARIB STD−T55、STD−T75)と呼ばれる狭域無線通信方式が採用され、料金所ゲート付近(通常は半径30m程度)を車両が通過する短い時間内で個人情報(課金情報)や車両情報などの多量のデータを瞬時に送受信できるようになっている。
【0004】
前記DSRCは、これまで有料道路の料金収受に用途を限定されていたが、2001年4月に電波法施行規則等が改正されたことによって種々のサービスへの展開が可能となった。これにより、例えば、有料駐車場やガソリンスタンドでの料金の決済、ファーストフードのドライブスルーでの注文の受付け、利用者のリクエストに応じた音楽や動画等のコンテンツの配信、目的地までの経路情報(地図、最適経路、渋滞等)や周辺のエリア情報(天候、宿泊施設、レストラン、イベント等)の配信等の種々のサービスへの展開が期待できる。このような広い分野においてDSRCを利用するシステムとして例えば以下のようなものが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−32452号公報。
【0006】
また、DSRCが広い分野で利用可能になると、DSRCの通信機器としてETC車載器の利用価値が高まりETC車載器の普及促進という副次的な効果も期待できる。これにより、ETC利用者(車両)が増大して、ETCの主目的である「料金所のノンストップ通過による渋滞の解消」等を達成できる様になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DSRCをETC以外のサービスに応用するには、路側機や車載器のコストの問題を解決する必要がある。例えば、料金所に設置されている現在のETC用の路側機は一基数千万円と高価であり、有料駐車場やガソリンスタンド、ファーストフード店等の収支構造から見て、これが普及のネックとなることが容易に予想できる。
【0008】
このような高コストの原因の一つに、ETCが高度なセキュリティを確保していることが挙げられる。すなわち、現在のETCは、有料道路の通行料金という税金に準じた料金の収受を目的としているため、改竄や不正利用等を防止できるように強固なセキュリティシステムを構築している。具体的には、走行時に車載器に挿入するETCカード(ICカード)への入出力データや、車載器と路側機との間で送受信されるデータを暗号化/復号化するための専用のSAM(SecureApplication Module)が車載器及び路側機に搭載されている。このような暗号化/複合化の処理に必要なハードウェア及びソフトウェアのコストが膨大なものになっている。
【0009】
また、前記SAMは、復号化したデータの漏洩を防止するため、LSI等で1チップで構成されるのが一般的であるが、ETC以外のサービスに展開する場合には、その実行アプリケーションで使用する暗号化方法に従ってアプリケーション毎にSAMを設ける必要がある。すなわち、複数のサービスや店舗毎にSAMを用意し、そのサービスを利用する場合には予め設定されたレベルのセキュリティモジュールが起動するようにする。従って、DSRCの適用範囲を広げれば広げるほど、多くのLSIが必要となり車載器や路側機がより高価になる。
【0010】
このような強固なセキュリティシステムは、ファーストフード等における少額決済やエリア情報の提供等には必ずしも必要ないため、セキュリティのレベルを落として、その分コストを低減させることが望まれる。
【0011】
一方、特定の業界や地域等においてDSRCを利用した独自のサービス提供システムを構築してセキュリティに要するコストを低減することも考えられる。しかし、車載器が正規に製造・販売されたものであるかを識別するには、暗号鍵等による認証システムは必須であるため、暗号鍵の発行や管理・車載器へのインストール(セットアップ)のための仕組みを新たに構築する必要がある。また、例え少額であっても利用料金の決済が必要になってくることから課金処理システムも独自に構築しなければならない。このように、新たにシステム(仕組み)を構築する場合には、セキュリティに要するコストは低減できてもシステム全体としてはコストアップとなってしまう。
【0012】
本発明の目的は、既存のETC用車載器のセットアップシステム(仕組み)を利用することで、必要十分なセキュリティレベルを維持しながら他のサービスを低コストで提供できる車載器の情報管理方法、システム及び車載器を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明の他の目的は、複数のサービス毎にセキュリティのレベルを設定できるようにして、ETC以外のサービスへの展開を低コストで実現でき、車載器の普及を促進してETCの利用者を増大させることができるシステム及び方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の主要な観点によれば、複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得工程と、取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行工程と、前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付工程と、前記受取った車載器認証情報が前記発行した車載器認証情報と一致するかに基づいて車載器の認証を行う車載器認証工程と、認証が正当な場合に、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するプログラム起動情報取得工程と、取得したプログラム起動情報と車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行工程とを備えたことを特徴とする車載器情報管理方法が提供される。ここで、前記車載器は、通行料金の自動料金収受用のアプリケーションプログラムを格納するものであり、前記セットアップ申込受付工程は、前記セットアップ者から自動料金収受に必要な所定の情報をインストールするためのセットアップ申込を受付けるものであり、前記プログラム起動情報取得工程は、自動料金収受を含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するものであることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、ETC用車載器の通信機能を利用してユーザに他のサービスを提供することができるようになるので、ETC車載器の利用価値を高めて普及促進を図ることができる。またこの場合、既存のETC車載器のセットアップの仕組みを利用することで、新たに認証のためのシステムやデータ通信のセキュリティプロトコル等を構築する必要がなく、種々のサービスを低コストで提供できるようになる。さらに、ETC車載器のセットアップの申込みを受付けた場合に、他のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムの起動情報を取得して発行するようにしたので、ETCの普及を促進することが可能になる。また、ETC用車載器をETC以外のサービスのみに利用する場合であっても、既存の認証システムや課金システムを利用することで、公的な機関による車載器の正当性の認証を統一的に行うことができ、サービスに対する信頼性を確保することができる。
【0016】
本発明の第2の主要な観点によれば、複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得工程と、取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行工程と、前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付工程と、前記受取った車載器認証情報に基づいて車載器の認証を行う車載器認証工程と、認証が正当な場合に、前記申込にかかるサービス以外の1以上のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行不可能にするプログラム無効化情報を取得するプログラム無効化情報取得工程と、取得したプログラム無効化情報徒車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行工程とを備えたことを特徴とする車載器情報管理方法が提供される。
【0017】
このような構成によれば、上記した第1の観点における車載器情報管理方法と同様に、車載器のセットアップと同時に複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムの一部を有効にすることができ、車載器の普及促進を図ることが可能になる。
【0018】
本発明の第3の主要な観点によれば、有料道路の自動料金収受を含む複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムを格納するプログラム格納手段と、路側に設置された路側機との間で通信を行う通信手段と、前記通信手段によって路側機から取得した情報に基づいて1又は2以上のアプリケーションプログラムの実行指示情報を取得する実行指示情報取得手段と、実行指示情報を取得した場合に、実行指示にかかるアプリケーションプログラムを前記プログラム格納手段から抽出して実行するプログラム実行手段とを備えたことを特徴とする車載器が提供される。
【0019】
このような構成によれば、上記した第1若しくは第2の観点における車載器情報管理方法を好適に実現できる車載器を得ることができる。
【0020】
本発明の第4の主要な観点によれば、複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得手段と、取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行手段と、前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付手段と、前記受付けた車載器認証情報が前記発行した車載器認証情報と一致するかに基づいて車載器の認証を行う車載器認証手段と、認証が正当な場合に、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するプログラム起動情報取得手段と、取得したプログラム起動情報と車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行手段とを備えたことを特徴とする車載器情報管理システムが提供される。
【0021】
このような構成によれば、上記した第1若しくは第2の観点における車載器情報管理方法を好適に実現できる車載器情報管理システムを得ることができる。特にこのシステムは、第3の観点における車載器と協同して利用することが好ましい。
【0022】
本発明の第5の主要な観点によれば、複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得手段と、取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行手段と、前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付手段と、前記受取った車載器認証情報に基づいて車載器の認証を行う車載器認証手段と、認証が正当な場合に、前記申込にかかるサービス以外の1以上のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行不可能にするプログラム無効化情報を取得するプログラム無効化情報取得手段と、取得したプログラム無効化情報と車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行手段とを備えたことを特徴とする車載器情報管理システムが提供される。
【0023】
なお、この発明の他の特徴と顕著な効果は、次の発明の実施の形態の項の記載と添付した図面とを参照することで、より明確に理解される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。以下の実施形態は、ETC用車載器を利用して、ETCと共に、ファーストフードのドライブスルーサービス(以下「ファーストフードサービス」と略す)とコンテンツ配信サービス(以下「配信サービス」と略す)の提供を受けられるようにした例である。
【0025】
(全体構成)
まず、図1を参照して、この実施形態の全体イメージを説明する。
この図で符号1で示す車載器情報管理システムは、国の機関若しくはこれに準じた公的な機関である情報管理センタ2のサーバに設置されている。この車載器情報管理システム1は、車載器製造者3や車載器4のセットアップを行うセットアップ業者5及びETC専用のICカード(以下「ETCカード」という)を発行するカード発行会社6と夫々オンライン若しくはオフラインで接続されている。
【0026】
前記カード発行会社6には、前記情報管理センタ2から情報安全確保の規格及び暗号化等のための鍵情報が予め発行されている。カード発行会社6は、発行された規格等に準拠したETCカードを作成しユーザ7に発行するものである。
【0027】
また、前記規格及び鍵の情報は、図示しないETC用のSAM製造者にも発行される。このSAM製造者は、発行された規格等に準拠したSAM(ICチップ)を製造し、車載器製造者3に販売する。車載器製造者3は、SAM製造者から購入したSAMを組み込んで車載器4を製造する。この車載器製造者3は、製造した車載器4の製造IDを前記車載器情報管理センタ2に通知して車載器4のセットアップ鍵を取得し、このセットアップ鍵を格納した車載器4を車載器販売店5(この例ではセットアップ業者と同一)を通じてユーザ7に販売する。なお、車載器製造IDは、車載器4に固有の番号であり、例えば、製造者IDと製造番号とを組み合わせて生成される。
【0028】
車載器4を購入したユーザ7は、車載器4を搭載する車両の個車情報(車検証情報等)や課金情報等をセットアップ業者5に提示してセットアップを依頼する。セットアップ業者5は、ユーザから受取った情報と車載器4の車載器製造IDとを車載器情報管理センタに送付してセットアップの申込を行い、管理センタ2による所定の認証を経て必要な情報を入手してセットアップを完了する。ユーザ7は、セットアップが完了した車載器4を車両に搭載して有料道路を走行することで、ETC(自動料金収受)サービスと、後述する他のサービスの提供を受けることができる。なお、車載器4のセットアップの工程等については後に詳しく説明する。
【0029】
前記車載器製造者3は、ETCサービスを統括管理する道路事業者8以外の、提携したサービス提供者9から所定のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラム10を取得して車載器4に格納する。このアプリケーションプログラム10は、前記SAMのようなICチップではなく、車載器4のROMなどの記憶媒体に格納されるものである。このような記憶媒体に格納した情報は、前記SAM(ICチップ)に比べて読み取り等が容易であるためセキュリティのレベルは低下するが、それだけ車載器4やこの車載器4と通信する路側機を低コストで製作できる。また、車載器4をセットアップした後にアプリケーションプログラムを追加・変更・削除することも可能になり、車載器4の使い勝手が向上する。これにより、車載器4の普及促進が期待できる。
【0030】
なお、本実施形態では、ETC用の車載器4を利用してETC以外のサービスを提供するものであるため、車載器製造者3は予め車載器情報管理センタ2等からETC用のアプリケーションプログラムを取得して格納しておくものとする。また、この実施形態ではサービス提供者9から車載器製造者3に直接アプリケーションプログラムを提供するようにしているが、車載器情報管理センタ2がサービス提供者9から一旦受取って、ETCと同様に、提供されるサービスおよびそのためのアプリケーションプログラムを統一的に管理する様にしても良い。
【0031】
車載器4のセットアップを完了したユーザ7が登録された車両に車載器4を搭載して有料道路を走行すると、この車載器4が路側機と必要な情報を通信して通行料金が自動的に精算される。この状態を模式的に示したのが図2である。
【0032】
すなわちこの図において、車載器4を搭載した車両11が料金所12を通過する際、通過ゲート13の手前に設置された路側機14の通信エリア15に進入すると、この路側機14との間で双方向無線通信を行う。これにより、車載器4に格納された車両情報及びETCカード16に格納された利用者情報に基づいて利用料金の決済が行われるように構成されている。
【0033】
また、日本の有料道路における課金システムは車両の種類(大型、小型等)によって大きく異なることから、通過ゲート13の手前には車両11の種類を判別するためのセンサ17が設けられている。このセンサ17によって判断された車両の種類と前記車載器4から送信された車種の情報とが一致しない場合には、前記ゲート13が開かず、車両11は通行できないようになっている。
【0034】
(車載器情報管理システムの構成)
次に、図3を参照して、本実施形態にかかる車載器情報管理システム1の概略構成を説明する。
このシステム1は、前記車載器製造者3から車載器4固有の車載器製造ID20を受取って車載器情報格納部21に格納する車載器製造ID受取部22と、受取った車載器製造ID20に基づいて車載器4のセットアップ用の暗号鍵23(車載器鍵24及びICカード鍵25)を生成してセットアップ鍵格納部26に格納するセットアップ鍵生成部27と、生成されたセットアップ用暗号鍵23のうち、車載器鍵24を前記車載器製造者3に発行し、ICカード鍵25をICカードに発行するセットアップ鍵発行部28と、前記セットアップ業者5からセットアップの申込があった場合に後述する所定の処理を行うセットアップ処理部29と、前記車載器鍵24及びICカード鍵25をシステム秘密鍵で署名し暗号化すると共に、前記車載器製造者3に提供する情報を車載器製造者3の公開鍵で暗号化する暗号/復号処理部30と、サービス提供者9から新規サービスの登録の申込や提供中のサービスの内容変更を受付けてサービス情報格納部31の登録内容を更新するサービス情報受取・更新部32とを備えている。
【0035】
前記サービス情報格納部31には、ファーストフードサービス用及び配信サービス用のアプリケーションプログラムを起動するための起動情報35と、これらのアプリケーションプログラムが起動される際に起動されるセキュリティプログラム起動情報36とを格納するものである。このプログラムの起動情報35、36は、例えば、提供されるサービスに付与された識別コードを所定の乱数に適用して生成された鍵の情報である。セキュリティプログラムは複数用意されており、どのプログラムを起動するかは各アプリケーションプログラム毎に予め設定されている。
【0036】
また、前記セットアップ処理部29は、セットアップ業者5から個車情報や課金情報、前記車載器製造ID20及び提供を受けたいサービスの種別を取得してセットアップの申込を受付けるセットアップ申込受付部37と、取得した車載器製造ID20が前記車載器情報格納部21に登録されたものと一致するかに基づいて申込に係る車載器4の認証を行う車載器認証部38と、取得した個車情報を図示しない車種判別モデルに適用して申込に係る車両の車種のコードを判別する車種判別部39と、前記車載器製造ID20に基づいて料金所ゲート等の通過時の車載器4と路側機14間の通信用鍵を生成し図示しない通信用鍵格納部に格納する通信用鍵生成部40と、前記車種コードと通信用鍵と前記セットアップ用ICカード鍵25とを、セットアップ用ICカードに発行する車種コード・通信用鍵発行部41と、申込に係るサービス用のアプリケーションプログラムを起動するための起動情報を前記サービス情報格納部31から抽出するアプリケーションプログラム起動情報抽出部42と、抽出したアプリケーションプログラムを起動する際に同時に起動されるセキュリティプログラムの起動情報を前記サービス情報格納部31から抽出するセキュリティプログラム起動情報抽出部43とを備えている。
【0037】
これらの構成要素は、実際には情報管理センタ2のサーバを構成するコンピュータシステムの記憶媒体に確保された一定の領域及びこの領域にインストールされたプログラムであり、図示しないCPUによってRAM上に呼び出されて実行されることで、OS(オペレーションシステム)と協働してこの発明の機能を奏するようになっている。
【0038】
(車載器及び路側機の構成)
上記車載器情報管理システム1によってセットアップ等が行われる車載器4及びこの車載器4と通信を行う路側機14は、図4に示すような構成を備えている。
【0039】
まず図4に示す路側機14は、例えば、有料道路の出入口、ファーストフードなどの各種の店舗、公共機関、一般道路や有料道路の路側、駐車場の出入口、配送センター、カーフェリーポートに設置されている。
【0040】
この路側機14は、路側ホスト45とDSRC無線アンテナ46とを備えている。DSRC無線アンテナ46は、DSRC無線プロトコル(ARIB規格)に従った通信が可能に構成されている。また路側ホスト45は、DSRC無線アンテナ46を制御しアプリケーション情報を管理して、前記車載器4と情報のやり取りを行う。さらに路側ホスト45は、設置された場所若しくは提供するサービスの種別に応じたアプリケーション実行指示情報を生成して車載器4に送信する機能も備えている。なお、図示は省略したが、路側ホスト45は複数の料金所を統括するエリア管理センタに設置された料金計算等を行う管理コンピュータに接続されており、路側ホスト45が車載器4から取得した情報は前記管理コンピュータに送信されるように構成されている。
【0041】
一方、車載器4は、前記路側機14と通信を行うためのDSRC無線アンテナ47を備えたRFモジュール48と、DSRC制御部49を含む制御処理部(マイコン)50と、ディスプレイ51やスピーカ52等を備えたヒューマンマシンインタフェース(HMI)53と、専用のLSIで構成されたセキュリティモジュール(SAM)54と、プログラム格納部55と、ETCカード16用のインタフェース(I/F)58とを備えている。
【0042】
前記RFモジュール48は、路側機14のDSRC無線アンテナ46に対応する機能ブロックであり、DSRC無線プロトコル(ARIB規格)に基づく通信が可能である。
【0043】
マイコンで構成された制御処理部50は、RFモジュール48を介してDSRC無線通信情報の処理や、HMI53の制御等を行う。また、この制御処理部50は、DSRC無線通信によって路側機14から取得した情報に所定の処理コマンドを付加してSAM54に入力して、例えば暗号化された情報の復号化や、路側機14に送信するためにETCカード16から情報を取得してこれを暗号化する処理などを要求する。さらに、この制御処理部50は、後述する複数のセキュリティプログラムを所定の優先順位に基づいて各処理コマンドを実行させたり、セキュリティプログラムをアプリケーションプログラムに優先して実行するように制御するものである。
【0044】
SAM54は、制御処理部50からの前記要求に応じて、暗号情報の復号化、ETCカード16からの情報の読み込み及び情報の暗号化等を行う。SAM54の構成及び機能は従来周知のものを採用できるため、これ以上の詳細説明は省略する。
【0045】
本実施形態の特徴の一つである前記プログラム格納部55は、ETCを含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラム10と、ETC以外のアプリケーションプログラム10を実行する際に起動するセキュリティプログラム56と、これらのプログラム10、56を起動するための起動情報57とを格納するものである。ETC用のセキュリティプログラム59は、上述したように、SAM54に格納されて情報の改竄・漏洩等に対して高いレベルのセキュリティが確保されている。これに対して本実施形態にかかるファーストフードサービスや配信サービスは、利用料金が比較的低額若しくは無料であること等から、セキュリティのレベルを緩和してその分だけ車載器(SAM等)の製造や情報管理に要するコストを低減するようにしている。
【0046】
(アプリケーションプログラム)
ここで、各アプリケーションプログラム10について簡単に説明する。
まずETC用プログラムは、主として路側機14と通信を行う通信機能部と通信する情報を暗号化/復号化する暗号/復号化機能部とを備えているが、通信機能部のみがこのプログラム格納部55に格納されている。ここで通信機能には、料金所の路側機14からのフレームコントロールメッセージ(FCM:Frame Control Message)やビーコンサービステーブル(BST:Beacon Service Table)を受信する機能、FCMを受信した場合にアクティベーションチャンネル(ACTC:Activation Channel)若しくはビークルサービステーブル(VST:Vehicle Service Table)を路側機14に対して送信する機能が含まれる。なお、FCM、BST、ACTC及びVSTは、いずれもARIB規格にて定められたリンクシーケンスに使用されるフレームである。これらの機能の動作シーケンスについては後述する。
【0047】
また、ファーストフードサービス用プログラムは、ファーストフードの店舗の入口付近に設置された路側機14と通信する機能を備えている。この通信機能は上記したETC用のアプリケーションプログラムと略同一である。
【0048】
さらに、配信サービス用プログラムは、道路の路側に設置された道路標識や案内盤に付設された簡易型の路側機若しくは、他のサービス用の路側機との間で通信を行う機能と、音楽やエリア情報等の情報を受取って音声信号や文字情報に変換して車載器4のスピーカ52やディスプレイ51に出力する機能とを備えている。ここで、配信サービスは、無料で提供される場合にはユーザ7や車載器4を特定する必要がなく、路側機14から車載器4に対して一方通行で情報を配信することができる。そのため、個人情報の漏洩等のおそれはなく、単にユーザ7に不適切な情報(偽の渋滞情報等)を配信しないように管理すれば足りる。
【0049】
(セキュリティプログラム)
次に、セキュリティプログラムとしては、例えば図5に示すようなものが格納されている。すなわち、図5(a)の車載器4と路側機14の端末の相互認証機能、同(b)に示す車載器4と路側機14との間で送受信されるデータの認証機能、同(c)に示す送受信されるデータの暗号化機能である。
【0050】
端末の相互認証は、車載器4が正規に製造され販売されたものであるかを認証して端末のなりすましを防止するものである。この端末の相互認証は、車載器4及び路側機14の双方において、暗号化して送信したデータと、通信によって取得し復号化したデータとの一致性によって、相手の端末が正規なものであるかを端末相互で判別するものである。
【0051】
また、データの認証は、路側機14が受信したデータが正規なものであるかを認証してデータの改竄を防止するものである。このデータ認証は、車載器4で生成されたデータを路側機14が受信した場合に、路側機14に登録されているデータと一致するかに基づいて、路側機14が受信したデータの正当性を判別するものである。
【0052】
また、データの暗号化は、受信したデータを暗号化してデータの盗聴や暴露を防止するものである。
【0053】
上述したアプリケーションプログラム及びセキュリティプログラムの各機能は、前記制御処理部50及びDSRC制御部49によって車載器4のメモリ上に読み出されて随時実行されるものである。
【0054】
このような各アプリケーションプログラムと、設定されたセキュリティプログラムとの関係の一例を図6に示す。
この図の例は、ユーザ7がETC車載器4のセットアップ申込に際して、ファーストフードの利用も希望した場合である。セキュリティプログラムとして示したa、b、cは夫々図5の(a)(b)(c)に対応する。ETCでは、abc全てのセキュリティプログラムが起動するように設定されている。また、情報配信サービスについては、最もセキュリティのレベルが低いc(データの暗号化)のみが設定されている。図示の例では、アプリケーションプログラム及びセキュリティプログラムについて共通の起動情報が設定されている。また、ファーストフード及びガソリンスタンドについても共通の起動情報が設定されている。すなわち、これらの何れかのサービスの申込があった場合に、他方のサービスも利用可能となる。このような複数のサービス提供者9の提携等は、前記サービス情報受取・更新部32によって随時登録(更新)される。
【0055】
また、情報配信には特に起動情報は設定されていない。これは、ETCを含む何れのサービスの申込があった場合にも、そのサービスのアプリケーションプログラムの起動情報によってこの情報配信サービスのプログラムが起動することを意味している。
【0056】
以上のことから、図示の例では、ユーザ7の車載器4のセットアップが完了すると、ETC以外にファーストフードサービス、ガソリンスタンドの決済サービス及び情報配信サービスの提供を受けられることになる。
【0057】
(路側機と車載器との通信シーケンス)
次に、路側機14と車載器4との通信シーケンスの一例を図7を参照して説明する。
車載器4を搭載した車両11が路側機14の通信エリア15(図2参照)に進入すると、DSRC無線プロトコルに従って通信が開始される。まず、路側機14から車載器4に対してフレームコントロールメッセージ(FCM)が発信され、これを受けて車載器4はアクティベーションチャンネル(ACTC)を送信する。次に路側機14はFCMを送信し、続いてビーコンサービステーブル(BST)を送信し、再びFCMを送信する。これに応じて車載器4がビークルサービステーブル(VST)を送信すると、路側機14からFCMが送信される。これにより、路側機14と車載器4とのリンク接続が確立されたことになる。
【0058】
次に、実体的な情報のやり取りが行われる。図示の例では、説明を簡略化するために、路側機14から暗号文が含まれた情報Aが送られ、車載器4からも暗号文が含まれた情報Bが送られている。
【0059】
路側機14から情報A(暗号文)が送られて、これを取得した車載器4の制御処理部50は、情報Aに復号要求のコマンドを付加してSAM54に入力する。SAM54は、このコマンドに従って情報Aを復号して制御処理部50に送る。次に、制御処理部50が情報Bの暗号化を要求すると、SAM54は、例えば予めETCカード16から読み取られてRAMに記憶されていた情報や車載器4の固有情報等が含まれる情報Bを暗号化処理して制御処理部50に送る。制御処理部50は、路側機14からのFCMを待って、暗号化された情報Bを路側機14に送信する。
【0060】
路側機14と車載器4の双方からの情報の送受信が全て行われること、若しくは車載器4が通信エリア15外に移動することで通信が終了する。なお、図7は路側機14と車載器4との通信が正常に行われた例である。
【0061】
(車載器情報管理システムの処理工程)
以下、車載器情報管理システム1の動作について、図8を参照して説明する。なお、この図のS1〜S11は、処理順序を示す符号である。
【0062】
まず、前記車載器ID受取部22が、車載器製造者3が生成した車載器製造ID20を受け取って車載器情報格納部21に登録する(ステップS1)。そして、セットアップ鍵生成部27は、取得した車載器製造ID20を所定の暗号鍵生成アルゴリズムに適用することで、セットアップ用暗号鍵23としての車載器鍵24及びICカード鍵25を生成する(ステップS2)。この車載器鍵24及びICカード鍵25は前記車載器製造ID20に関連付けられて前記車載器情報格納部21に格納される。このうちセットアップ用車載器鍵24が、前記セットアップ鍵発行部28によって前記車載器製造者3に送信される(ステップS3)。
【0063】
車載器製造者3は、このセットアップ用車載器鍵24を車載器4に搭載するセキュリティ機能(例えばセキュリティチップ)に記憶させた後、この車載器4を販売店5(この実施形態ではセットアップ業者)を通じてユーザ7に販売する。この車載器4は、車両に搭載される前であるから、車両の情報やユーザ7の情報等の課金基礎情報(属性情報)は一切インストールされていない。
【0064】
次いで、車載器情報管理システム1のセットアップ申込受付部37は、購入した車載器4を車検済み車両に固定したユーザ7から、この車両の個車情報とユーザ7が利用を希望する1以上のサービスの種別を前記車載器製造ID20と共に受取る(ステップS4)。ここで、前記車載器認証部38が、受取った車載器製造IDが前記車載器情報格納部21に登録されているかに基づいて申込みに係る車載器4が正規に製造され販売されたものであるかの認証を行う(ステップS5)。
【0065】
認証が正当な場合には、前記アプリケーションプログラム起動情報抽出部42が、申込みに係るサービスを受けるためのアプリケーションプログラムの起動情報35を前記プログラム格納部55から抽出する(ステップS6)。また、前記セキュリティプログラム起動情報抽出部43が、申込みに係るサービスについて設定されているセキュリティプログラムの起動情報36を前記プログラム格納部55から抽出する(ステップS7)。
【0066】
また、前記車種判別部39が、受取った個車情報を車種判別モデルに適用することでユーザ7の車両の課金車種コードを判別し、前記車載器製造ID20に基いて前記通信用鍵生成部40が車載器4と路側機14との間の通信用暗号鍵を生成する(ステップS8)。
【0067】
そして、前記車種コード・通信用鍵発行部41、前記セットアップ鍵発行部28、前記アプリケーションプログラム起動情報抽出部42及びセキュリティプログラム起動情報抽出部43が、車種コード、通信用鍵、ICカード鍵25、アプリケーションプログラム起動情報35及びセキュリティプログラム起動情報36を夫々抽出し、前記セットアップ用ICカードに発行(格納)する(ステップS9)。このセットアップ用ICカードへの各種情報の発行は、前述したようにセットアップ業者5の店舗や情報管理センタ2に設置された出力装置としてのカードリードライタによってなされるようになっている。
【0068】
最後に、各種の情報が格納されたセットアップ用ICカードが、例えば、郵送によってユーザ7(又はセットアップ業者5)に届けられる(ステップS10)。
【0069】
ユーザ7は、このセットアップ用ICカードを車載器4のスロットに挿入することで、車載器4に内臓されたカードリーダによってこのセットアップ用ICカードに格納された情報が読み取られて、セットアップ用ICカードと車載器4の間で前記セットアップ用暗号鍵23(車載器鍵24、ICカード鍵25)を用いた認証を行なわせ、ICカード内の車種コードその他の情報(属性情報)を車載器4に転送する。このことで、車載器4のセットアップが終了する。
【0070】
また、この時、ユーザ7が希望したサービスを受けるためのアプリケーションプログラム及びセキュリティプログラムの起動情報35、36も車載器4に転送される。これにより、ユーザ7は、ETCサービスに加えて、車載器4を利用した他のサービスの提供を受けることができるようになる。さらに、ETC用の車載器のセットアップと同時に、他のサービスの申込みを受付けるようにしたので、提供されるサービス毎に認証システムや課金システムを新設する必要がなく、種々のサービスを低コストで提供することができる。
【0071】
また、公的な機関である情報管理センタ2が所定の車載器4の認証を行った上で他のサービス用のアプリケーションプログラムの起動情報35を発行するようにしたので、提供されるサービスに対する信頼性を確保することができる。
【0072】
さらに、付随的な効果として、車載器4のセットアップ時にユーザ7から利用したいサービスの申込を受付けることで、各サービスを利用するユーザ7の情報を収集することができるので、サービス提供者9は収集した情報をマーケティングに利用できるようになる。
【0073】
一方、前記ステップS5で、申込に係る車載器製造ID20が車載器情報格納部21に登録されてなかった場合は、車載器4が正当に製造・販売されたものではないと判断し、所定のエラーメッセージをオペレータの端末等に出力してこの処理を終了する(ステップS11)。
【0074】
なお、上記工程中、前記車載器鍵24及びICカード鍵25は、前記車載器情報管理システム1のシステム秘密鍵で署名され暗号化された状態で供給されるようになっている。車載器4及びセットアップ用ICカードは、システムの公開鍵(若しくは秘密鍵)及び乱数を利用することで相互認証を行ない、お互いが情報管理センタ2によって認証された機器であることを確認した上で情報を転送するように構成されている。このための署名・暗号化は、前記暗号/復号処理部30で実行されるようになっている。
【0075】
(変形例)
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0076】
例えば、本システム1は、ETC用の車載器を例にとって説明したが、これに限られない。所定のセットアップを経て販売され、路側機と通信してユーザ情報等を送受信することで、ユーザがサービスの提供を受けられるように構成されたシステム及びそのようなシステム用の車載器であれば本発明を適用可能である。
【0077】
また、上記実施形態では、提供されるサービスをユーザからの申込みによって選択可能にしたが、セットアップの申込があった場合には全てのサービス用アプリケーションプログラムの起動情報を発行して全てのサービスを利用可能にしても良い。これにより、車載器及びシステムの構成を簡素化できる。
【0078】
さらに、上記実施形態では、車載器製造時にセキュリティプログラムをアプリケーション毎に予め設定して車載器に格納するようにしたが、セットアップ時にセットアップ業者(ユーザ)の選択に応じて車載器毎に異なるセキュリティプログラムを実行させるようにしても良い。これにより、例えばセキュリティレベルに応じてセットアップ料金やサービスの利用料金が設定される場合に、ユーザの責任においてセキュリティレベルを選択できるようになり、ユーザの選択の自由度を高めることができる。
【0079】
また、上記実施形態では、路側機14でアプリケーションプログラムの実行指示情報を生成して車載器4に送信するようにしたが、路側機14からは設置場所やサービスの種別等の路側機14の属性情報だけを送信し、車載器4が取得した路側機14の属性情報に基づいて1又は2以上のアプリケーションプログラムの実行指示情報を生成するようにしても良い。これにより、路側機14の構造を簡素化できサービス提供者の負担を軽減できる。
【0080】
さらに、複数のアプリケーションプログラムに共通のセキュリティプログラムのプラットフォームを作成し、これを車載器のROM等に格納しておくこともできる。これにより、車載器の製造コストアップを抑えつつ、車載器に格納されるデータのセキュリティのレベルをある程度維持できるので、車載器を利用した種々のサービスを実現できるようになる。
【0081】
また、ETCカード以外のカードで他のサービスの提供を受けられるようにしても良いし、サービス毎に異なるカードを使用するようにしても良い。
【0082】
さらに、上記した各サービスの他に、DSRCを使用した走行支援システム(AHS:Automated Highway System)に本発明を適用することも可能である。このAHSは、ITSの一環として、道路上の障害物等を検知してDSRCによって車両に伝えるシステムである。このAHSに上記したセキュリティプラットフォームを利用することで、正規の車載器にだけ情報を提供でき、また提供する情報の信頼性を確保することができる。この場合には、ETCや他のサービス用の車載器と兼用するよりも、AHS専用の車載器を利用する方が好ましい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、既存のETC用車載器のセットアップシステムを利用することで、必要十分なセキュリティレベルを維持しながら他のサービスを低コストで提供できる車載器の情報管理方法、システム及び車載器を提供することができる。
【0084】
また、本発明によれば、複数のサービス毎にセキュリティのレベルを設定できるようにして、ETC以外のサービスへの展開を低コストで実現でき、車載器の普及を促進してETCの利用者を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体イメージを示す概念図。
【図2】車載器を搭載した車両が料金所ゲートを通過する状態を示す模式図。
【図3】本発明の一実施形態に係る車載器情報管理システムの概略構成を示すブロック図。
【図4】車載器及び路側機の概略構成を示すブロック図。
【図5】セキュリティプログラムの例を説明するための模式図。
【図6】各サービス毎のアプリケーションプログラムとセキュリティプログラムの組み合わせの一例示す図。
【図7】路側機と車載器の通信シーケンスを示す図。
【図8】車載器のセットアップの処理工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…車載器情報管理システム
2…車載器情報管理センタ
3…車載器製造者
4…車載器
5…セットアップ業者(車載器販売店)
6…カード発行会社
7…ユーザ
8…道路事業者
9…サービス提供者
10…アプリケーションプログラム
11…車両
12…料金所
13…通過ゲート
14…路側機
15…通信エリア
16…ETCカード
17…センサ
20…車載器製造ID
21…車載器情報格納部
22…車載器製造ID受取部
23…セットアップ用暗号鍵
24…セットアップ用車載器鍵
25…ICカード鍵
26…セットアップ鍵格納部
27…セットアップ鍵生成部
28…セットアップ鍵発行部
29…セットアップ処理部
30…暗号/復号処理部
31…サービス情報格納部
32…サービス情報受取・更新部
35…アプリケーションプログラム起動情報
36…セキュリティプログラム起動情報
37…セットアップ申込受付部
38…車載器認証部
39…車種判別部
40…通信用鍵生成部
41…車種コード・通信用鍵発行部
42…アプリケーションプログラム起動情報抽出部
43…セキュリティプログラム起動情報抽出部
45...路側ホスト
46...DSRC無線アンテナ(路側機)
47…DSRC無線アンテナ(車載器)
48…RFモジュール
49...DSRC制御部
50…制御処理部
53...ヒューマンマシンインタフェース(HMI)
54...セキュリティモジュール(SAM)
55…プログラム格納部
56…セキュリティプログラム
57…プログラム起動情報
58…ICカードインタフェース
59…ETC用セキュリティプログラム
Claims (31)
- 複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得工程と、
取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行工程と、
前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付工程と、
前記受取った車載器認証情報が前記発行した車載器認証情報と一致するかに基づいて車載器の認証を行う車載器認証工程と、
認証が正当な場合に、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するプログラム起動情報取得工程と、
取得したプログラム起動情報と車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行工程と
を備えたことを特徴とする車載器情報管理方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記車載器は、通行料金の自動料金収受用のアプリケーションプログラムを格納するものであり、
前記セットアップ申込受付工程は、前記セットアップ者から自動料金収受に必要な所定の情報をインストールするためのセットアップ申込を受付けるものであり、
前記プログラム起動情報取得工程は、自動料金収受を含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とする方法。 - 請求項2記載の方法において、
前記プログラム起動情報取得工程は、自動料金収受用のアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得した場合に、前記車載器に格納された自動料金収受用のアプリケーションプログラム以外の全てのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記車載器は、この車載器に格納されるデータの改竄、漏洩若しくは不正使用を監視するためのセキュリティプログラムを格納するものであり、
本方法はさらに、前記セキュリティプログラムを実行可能にするセキュリティプログラム起動情報を取得するセキュリティプログラム起動情報取得工程を備えた
ことを特徴とする方法。 - 請求項4記載の方法において、
前記セキュリティプログラムは、複数のセキュリティプログラムを含むものであり、
前記セキュリティプログラム起動情報取得工程は、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービス毎にセキュリティプログラムを選択し、選択したセキュリティプログラムを実行可能にするセキュリティプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とする方法。 - 請求項5記載の方法において、
前記複数のセキュリティプログラムは、前記車載器とサービス提供者が設置する路側機との間の端末認証を実行するプログラムと、これらの端末間で通信されるデータの認証を実行するプログラムと、通信されるデータの暗号化を実行するプログラムの少なくとも何れかを含むものである
ことを特徴とする方法。 - 請求項5記載の方法において、
さらに、前記車載器を利用してサービスの提供を受ける際に実行される1又は2以上のセキュリティプログラムの情報を当該サービス毎に登録するセキュリティプログラム登録工程を備え、
前記セキュリティプログラム起動情報取得工程は、前記複数のサービス毎に実行されるセキュリティプログラムを前記登録された複数のセキュリティプログラムから抽出し、抽出したセキュリティプログラムを実行可能にするセキュリティプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とする方法。 - 請求項5記載の方法において、
前記セットアップ申込受付工程は、前記セットアップ者から提供を受けたい1以上のサービスの情報とそのサービスについて実行される1以上のセキュリティプログラムの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるものであり、
前記セキュリティプログラム起動情報取得工程は、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービス毎に前記申込にかかる1以上のセキュリティプログラムを実行可能にするセキュリティプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
さらに、前記車載器によって提供を受けることができる複数のサービスについて、夫々のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を登録するサービス情報登録工程を備え、
前記プログラム起動情報取得工程は、前記申込にかかるサービスについて前記サービス情報登録工程で登録されたプログラム起動情報を抽出して取得するものである
ことを特徴とする方法。 - 請求項9記載の方法において、
前記サービス情報登録工程は、サービスを提供するサービス提供者から、当該サービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を受取って登録するものであることを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記プログラム起動情報取得工程は、前記車載器認証工程における認証が正当な場合に、車載器に格納される全てのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とする方法。 - 複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得工程と、
取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行工程と、
前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付工程と、
前記受取った車載器認証情報に基づいて車載器の認証を行う車載器認証工程と、
認証が正当な場合に、前記申込にかかるサービス以外の1以上のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行不可能にするプログラム無効化情報を取得するプログラム無効化情報取得工程と、
取得したプログラム無効化情報と車載器にインストールする所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行工程と
を備えたことを特徴とする車載器情報管理方法。 - 有料道路の自動料金収受を含む複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムを格納するプログラム格納手段と、
路側に設置された路側機との間で通信を行う通信手段と、
前記通信手段によって路側機から取得した情報に基づいて1又は2以上のアプリケーションプログラムの実行指示情報を取得する実行指示情報取得手段と、
実行指示情報を取得した場合に、実行指示にかかるアプリケーションプログラムを前記プログラム格納手段から抽出して実行するプログラム実行手段と
を備えたことを特徴とする車載器。 - 請求項13記載の車載器において、
さらに、前記プログラム格納手段に格納されるアプリケーションプログラム、又は車載器基本情報格納部に格納される車載器利用者に関する情報若しくは車載器が搭載される車両に関する情報について、これらの情報の改竄、漏洩若しくは不正使用を監視するためのセキュリティプログラムを前記複数のサービスの何れかに関連付けて格納するセキュリティプログラム格納手段を備えた
ことを特徴とする車載器。 - 請求項14記載の車載器において、
前記プログラム実行手段は、前記実行指示情報を取得したアプリケーションプログラムに関連付けて登録されているセキュリティプログラムを抽出する抽出手段と、抽出したセキュリティプログラムを前記実行指示にかかるアプリケーションプログラムに優先して実行するプログラム実行制御手段とを備えた
ことを特徴とする車載器。 - 請求項15記載の車載器において、
前記セキュリティプログラム格納手段は、複数のセキュリティプログラムを格納するものであり、
前記抽出手段は、前記実行指示情報を取得したアプリケーションプログラムに関連付けて登録されている1又は2以上のセキュリティプログラムを抽出するものであり、
前記プログラム実行制御手段は、前記抽出した1又は2以上のセキュリティプログラム及び前記実行指示にかかるアプリケーションプログラムの実行優先順位を制御するものである
ことを特徴とする車載器。 - 請求項14記載の車載器において、
前記実行指示情報取得手段は、路側機から1又は2以上のアプリケーションプログラムとこのアプリケーションプログラムと共に実行されるセキュリティプログラムの実行指示情報を取得するものであり、
前記プログラム実行手段は、前記セキュリティプログラムを前記実行指示にかかるアプリケーションプログラムに優先して実行するプログラム実行制御手段を備えた
ことを特徴とする車載器。 - 請求項13記載の車載器において、
前記実行指示情報取得手段は、前記路側機から当該路側機の属性情報を取得し、取得した路側機の属性情報に基づいて1又は2以上のアプリケーションプログラムの実行指示情報を生成することで実行指示情報を取得するものである
ことを特徴とする車載器。 - 請求項18記載の車載器において、
前記路側機は、有料道路の出入口、各種の店舗、公共機関、路側、駐車場、配送センター、カーフェリーポートの何れかに設置され、前記路側機の属性情報は路側機が設置された場所の種別に応じて異なる情報が割り付けられており、
前記実行指示情報取得手段は、取得した路側機の属性情報に基づいて1又は2以上のアプリケーションプログラムの実行指示情報を生成することで実行指示情報を取得するものである
ことを特徴とする車載器。 - 複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得手段と、
取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行手段と、
前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付手段と、
前記受付けた車載器認証情報が前記発行した車載器認証情報と一致するかに基づいて車載器の認証を行う車載器認証手段と、
認証が正当な場合に、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するプログラム起動情報取得手段と、
取得したプログラム起動情報と車載器にインストールされる所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行手段と
を備えたことを特徴とする車載器情報管理システム。 - 請求項20記載のシステムにおいて、
前記車載器は、通行料金の自動料金収受用のアプリケーションプログラムを格納するものであり、
前記セットアップ申込受付手段は、前記セットアップ者から自動料金収受に必要な所定の情報をインストールするためのセットアップ申込を受付けるものであり、
前記プログラム起動情報取得手段は、自動料金収受を含む複数のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とするシステム。 - 請求項21記載のシステムにおいて、
前記プログラム起動情報取得手段は、自動料金収受用のアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得した場合に、前記車載器に格納された自動料金収受用のアプリケーションプログラム以外の全てのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とするシステム。 - 請求項20記載のシステムにおいて、
前記車載器は、この車載器に格納されるデータの改竄、漏洩若しくは不正使用を監視するためのセキュリティプログラムを格納するものであり、
本システムはさらに、前記セキュリティプログラムを実行可能にするセキュリティプログラム起動情報を取得するセキュリティプログラム起動情報取得手段を備えた
ことを特徴とするシステム。 - 請求項23記載のシステムにおいて、
前記車載器は、複数のセキュリティプログラムを格納するものであり、
前記セキュリティプログラム起動情報取得手段は、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービス毎にセキュリティプログラムを選択し、選択したセキュリティプログラムを実行可能にするセキュリティプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とするシステム。 - 請求項24記載のシステムにおいて、
前記複数のセキュリティプログラムは、前記車載器とサービス提供者が設置する路側機との間の端末認証を実行するプログラムと、これらの端末間で通信されるデータの認証を実行するプログラムと、通信されるデータの暗号化を実行するプログラムの少なくとも何れかを含むものである
ことを特徴とするシステム。 - 請求項24記載のシステムにおいて、
さらに、前記車載器によってサービスの提供を受ける際に実行される1又は2以上のセキュリティプログラムの種別を当該サービス毎に登録するセキュリティプログラム種別登録手段を備え、
前記セキュリティプログラム起動情報取得手段は、前記複数のサービス毎に実行されるセキュリティプログラムの種別を前記セキュリティプログラム種別登録手段から抽出し、抽出したセキュリティプログラムを実行可能にするセキュリティプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とするシステム。 - 請求項24記載のシステムにおいて、
前記セットアップ申込受付手段は、前記セットアップ者から提供を受けたい1以上のサービスの情報とそのサービスについて実行される1以上のセキュリティプログラムの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるものであり、
前記セキュリティプログラム起動情報取得手段は、前記申込にかかる1以上のサービスを含む複数のサービス毎に前記申込にかかる1以上のセキュリティプログラムを実行可能にするセキュリティプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とするシステム。 - 請求項20記載のシステムにおいて、
さらに、前記車載器を利用して提供を受けることができる複数のサービスについて、夫々のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を登録するサービス情報登録手段を備え、
前記プログラム起動情報取得手段は、前記申込にかかるサービスについて前記サービス情報登録手段で登録されたプログラム起動情報を抽出して取得するものである
ことを特徴とするシステム。 - 請求項28記載のシステムにおいて、
前記サービス情報登録手段は、サービスを提供するサービス提供者から当該サービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を受取って登録するものであることを特徴とするシステム。 - 請求項20記載のシステムにおいて、
前記プログラム起動情報取得手段は、前記車載器認証手段における認証が正当な場合に、車載器に格納される全てのアプリケーションプログラムを実行可能にするプログラム起動情報を取得するものである
ことを特徴とするシステム。 - 複数のサービスの提供を受けるための複数のアプリケーションプログラムが格納される車載器について、この車載器の識別情報を取得する車載器識別情報取得手段と、
取得した車載器識別情報に関連付けた車載器認証情報を発行する車載器認証情報発行手段と、
前記車載器に所定の情報をインストールするセットアップ者から、前記車載器認証情報及び提供を受けたい1以上のサービスの情報を取得してセットアップの申込みを受付けるセットアップ申込受付手段と、
前記受取った車載器認証情報に基づいて車載器の認証を行う車載器認証手段と、
認証が正当な場合に、前記申込にかかるサービス以外の1以上のサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを実行不可能にするプログラム無効化情報を取得するプログラム無効化情報取得手段と、
取得したプログラム無効化情報と車載器にインストールされる所定の情報を前記セットアップ者に発行するセットアップ情報発行手段と
を備えたことを特徴とする車載器情報管理システム。
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