JP2004139307A - 図形認識装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出することを、低コストで実現することである。
【解決手段】二値化手段11は多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行ない、二値化手段12は所定濃度以上とそれ以外とに分けることで二値化を行なう。この2系統の二値画像データは、解像度変換手段14,15によりそれぞれ解像度が変換される。これは、二値化手段11が生成した二値画像データの方が解像度が高くなるように行なう。この各二値画像データをそれぞれFIFO回路で構成された二値プレイン4,5に入力する。マスク手段6,7は、この二値プレイン4,5から各二値画像データを切り出し、計測手段3は、この切り出した画像データから抽出しようとする図形の前景領域と背景領域との黒画素数をカウントする。判定手段8は、このカウント数から画像が前記図形か否かを判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】二値化手段11は多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行ない、二値化手段12は所定濃度以上とそれ以外とに分けることで二値化を行なう。この2系統の二値画像データは、解像度変換手段14,15によりそれぞれ解像度が変換される。これは、二値化手段11が生成した二値画像データの方が解像度が高くなるように行なう。この各二値画像データをそれぞれFIFO回路で構成された二値プレイン4,5に入力する。マスク手段6,7は、この二値プレイン4,5から各二値画像データを切り出し、計測手段3は、この切り出した画像データから抽出しようとする図形の前景領域と背景領域との黒画素数をカウントする。判定手段8は、このカウント数から画像が前記図形か否かを判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所望の図案上から所定の色と形の図形を抽出する図形認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ノイズや切れの多い画像から図形を抽出するためには、Hough変換がよく使用されているが、これには過検出等の不具合もあった。
【0003】
そこで、特許文献1には、濃淡エッジ画像にHough変換を施す技術が提案されている。また、特許文献2には、画像を三値化してHough変換を施す技術が提案されている。さらに、特許文献3には、Hough変換を段階的に繰り返し施す技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特許第2946095号公報
【特許文献2】特許第2912676号公報
【特許文献3】特開平10−334236号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記各従来技術では、任意のカラー図案上に印刷された所定の色と形の図形を抽出することを的確に実行する点については考慮されていない。すなわち、任意のカラー図案上に印刷された所定の色と形の図形を抽出する場合、その色について二値化しても背景の図案の影響で図形がきれいに二値化されないので、マッチングしても類似度が低くなってしまい、安定的に図形を抽出できないという不具合があった。そこで、任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出し、しかも、それを低コストで実現したい。
【0005】
この発明の目的は、任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出することを、低コストで実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、多値画像データを互いに異なる手法で作成される複数種類の二値画像データに変換する二値化手段と、この変換後の各二値画像データを互いに異なる解像度の二値画像データに変換する解像度変換手段と、この各二値画像データをそれぞれ記憶する二値プレインと、この二値プレインから前記各二値画像データを切り出すマスク手段と、この切り出した画像データから前記多値画像データより抽出しようとする図形の前景領域と背景領域との黒画素数をカウントする計測手段と、このカウント数から画像が前記図形か否かを判定する判定手段と、を備えている図形認識装置である。
【0007】
したがって、1つの多値画像から互いに異なる手法で作成された複数の二値画像を用いて図形の抽出を行なうので、任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出できる。また、二値プレインの種類に応じて二値画像データを必要十分な解像度にすれば、解像度が低い分、その低い解像度の二値画像データを保持する二値プレインの製造コストを低減することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の図形認識装置において、前記二値化手段は、前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データと、前記多値画像データを所定濃度以上とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データとを前記異なる手法で作成される複数種類の二値画像データとして得るものであり、前記解像度変換手段は、後者の前記二値画像データの解像度を前者の前記二値画像データより低い解像度とする。
【0009】
したがって、複数種類の二値画像の1つとして画像の色味で二値化した画像を得るので、複数色の図形を抽出する場合でも安定的に正確に抽出することができる。また、濃度で二値化した二値画像データを色で二値化した二値画像データより解像度を低くしているので、二値プレインの製造コストを低減することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の図形認識装置において、前記二値化手段で前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データについて細線又は孤立点を除去する細線除去手段を備えている。
【0011】
したがって、細線等の除去により任意の背景図案から所定図形の検出性能が向上する。また、濃度で二値化した二値画像データを対象としては細線除去手段を備えないので、製造コストを低減することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記計測手段は、黒画素数を計測する領域を同心円状に配置して前記カウントを行なう。
【0013】
したがって、黒画素数を計測する領域を同心円上に配置しているので、任意の大きさの図形を同時に抽出できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の図形認識装置において、前記計測手段は、前記同心円状に配置された黒画素数を計測する領域は、当該同心円の内側と外側で同じ数にする。
【0015】
したがって、抽出する図形の大きさにかかわらず計測する画素数を同じにしているので、判定手段の製造コストを低減することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記計測手段は、円図形の一部分について黒画素数を計測する。
【0017】
したがって、計測する領域を抽出図形の一部分にしているので、製造コストを低減することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記計測手段は、主走査方向の差分で黒画素数を計測する。
【0019】
したがって、差分により黒画素数を計測するので、製造コストを低減することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項2又は3に記載の図形認識装置において、前記二値化手段で前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データについて、エッジを検出するエッジ検出手段と、このエッジ検出の情報により円図形の中心らしさである中心度を算出する中心度算出手段と、所定領域内で前記中心度が最大になる位置を円図形の中心位置として検出する検出手段と、を備えている。
【0021】
したがって、解像度の高い色により二値した二値画像データによりエッジの検出の情報から中心度を算出するので、精度の高い位置検出ができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の図形認識装置において、前記エッジ検出手段は、所定領域のマスク内の前記黒画素数が所定の第1の閾値より大きく、その外側のマスク内の前記黒画素数が所定の第2の閾値より小さい場合にエッジがあったとする。
【0023】
したがって、円検出のためのマスクを使ってエッジを検出するので、ハードウエア構成をコンパクトにすることができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の図形認識装置において、前記エッジ検出手段は、前記第1の閾値が前記第2の閾値より大きい。
【0025】
したがって、急峻なエッジのみを検出することができる。
【0026】
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記中心度算出手段は、前記所定領域内に検出された前記エッジの数を中心度とする。
【0027】
したがって、エッジの数を中心度としているので、精度の高い位置検出ができる。
【0028】
請求項12に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記中心度算出手段は、前記所定領域内で所定方向の両端の前記エッジが存在している数を中心度とする。
【0029】
したがって、左右、上下など所定の方向の両端のエッジが存在している数を中心度としているので、精度の高い位置検出ができる。
【0030】
請求項13に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記中心度算出手段は、前記所定領域内で所定方向の両端の前記エッジが存在していて、かつ、その両端エッジまでの距離が等距離又は所定範囲の差であれば前記中心度を高くする。
【0031】
したがって、左右、上下など所定方向の両端のエッジが存在していて、かつ、その両端エッジまでの距離が等距離もしくは1違い等所定範囲なら中心度を高くするので、精度の高い位置検出ができる。
【0032】
請求項14に記載の発明は、請求項8〜13の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記エッジ検出の情報により前記円図形の直径を算出する直径算出手段を備えている。
【0033】
したがって、エッジ検出の情報により円図形の直径を算出するので、円の正確な直径を算出するハードウエア構成をコンパクトにすることができる。
【0034】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の図形認識装置において、前記直径算出手段は、前記所定領域内に前記所定方向の前記両端エッジが存在している画像の前記エッジ間の距離から前記直径を選択する。
【0035】
したがって、左右、上下など所定方向の両端エッジが存在している画像のエッジ間距離から直径を選択するので、精度の高い直径の算出ができる。
【0036】
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の図形認識装置において、前記直径算出手段は、前記所定領域内に前記所定方向の前記両端エッジが存在している画像の前記エッジ間の距離の平均を前記直径として選択する。
【0037】
したがって、左右、上下など所定方向の両端エッジが存在している画像のエッジ間距離の平均とするので、精度の高い直径の算出ができる。
【0038】
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の図形認識装置において、前記直径算出手段は、前記両端エッジが存在していない場合は、円として検出されたマスクの大きさからとりうる前記エッジ間の距離の平均を直径とする。
【0039】
したがって、両端エッジが存在していない場合は、円として検出されたマスクの大きさを直径とするので、エッジ位置が不明な場合であっても尤もらしい直径を算出することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について説明する。
【0041】
図1は、この実施の形態である図形認識装置1の全体構成を示すブロック図である。この図形認識装置1は、所定の色の円図形を抽出する装置である。図1に示すように、処理対象となるカラー画像データであるRGB多値画像データが図形認識装置1に入力されると、この多値画像データは二値化部2に入力される。この二値化部2で、RGB多値画像データは2つの二値化手段111,12によりそれぞれ二値化され、二値化後の2系統の二値画像データのうち、二値化手段11から出力されるデータについては、細線除去手段13により細線除去が行われ、他方についてはそのままで、それぞれ解像度変換手段14,15で解像度変換が行われる。この際、解像度変換手段14と15とでは、その解像度が異なる。二値化部2では、RGB多値画像データを互いに異なる手法(後述)で作成される複数種類の二値画像データに変換し、しかも、この二値画像データは互いに解像度が異なる。
【0042】
この各二値画像データは、それぞれ複数個のFIFO(First−In First−Out)回路で構成された記憶装置である二値プレイン4,5に各々記憶される。各二値プレイン4,5は、複数のFIFO回路を用いることにより、副走査方向の画素を揃えて主走査方向の画素の二値画像データを入力順に出力する。
【0043】
マスク手段6,7は、それぞれ各二値プレイン4,5から画像を切り出す。計測手段3は、この切り出した所定領域の黒画素数をカウントする。判定手段8は、これらの計測結果から画像が所望の図形(この例では円)か否かを判定する。これにより、所望の円図形と判定された場合は、中心位置決定手段9において、正確な中心位置が抽出され、検出信号又は座標が出力される。中心位置決定手段9は、計測手段3による黒画素数のカウント結果より、エッジを検出し(エッジ検出手段16)、そのエッジ情報から現座標の中心らしさ(中心度)を算出し(中心度算出手段17)、所定領域内で最大中心度を抽出する(最大中心度抽出手段18)。また、直径算出手段10は、エッジ検出手段16のエッジ情報より直径を算出する。
【0044】
図2は、二値化手段11,12の構成例を示す回路図である。二値化手段11は、入力されたRGB多値画像データのR,G,Bデータを対象として、減算器21,22により、それぞれ“dR=R−B”、“dG=G−B”の演算を行なうことで色味を検出し、Bデータがある濃度以上の画素を黒画素とするように二値化する。
【0045】
この例では、減算器21,22の出力dR,dGを比較器23,24で閾値THdR1,TH dG1と比較して、その結果のANDをAND回路25でとる第1色目の検出回路26と、減算器21,22の出力を比較器27,28で閾値TH dR2,THdG2と比較して、その結果のANDをAND回路19でとる第2色目の検出回路30とにより、所定の2色について色味を検出し、OR回路31でそのORをとる。そして、Bデータを閾値TH B1と比較器32で比較し、その結果とOR回路31の出力とのANDをAND回路33でとることにより、二値化を行なう。
【0046】
なお、抽出する図形の色が3通りなら、色味検出部分を3つ用意して、それらの出力結果のORをとればよい。このように検出色が複数になっても同一の二値プレイン4に二値化した画像データを記憶するので、各色毎に二値プレインを用意する方式と比較して、装置の製造コストを低減でき、容易に検出色を増減できる。
【0047】
二値化手段12は、Bデータがある濃度以上にある画素を黒画素とするように二値化を行なう。すなわち、比較器34でBデータと閾値TH B2とを比較するが、このときの閾値TH B2は、二値化部2のBデータの閾値TH B1より小さく(濃く)設定する。この例では、各閾値が一定であるが、周辺画素値から適応的に閾値を求める手段などもとれる。
【0048】
図3は、細線除去手段13の構成例を示す。ここでは、FIFO111、3×3のマスク112、AND回路113〜117により、縦または横または斜めの隣接画素が両方とも白画素(0)なら注目画素を白に置き換える処理を行なう。
【0049】
図4は、解像度変換手段15の回路構成例を示す。解像度変換手段15は、OR回路121、フリップフロップ122〜125、XOR回路126,127などから構成され、主走査、副走査方向とも1/2に変換し、主走査方向にはORをとるようにしているが、副走査は単純間引きとなっている。
【0050】
図5は、解像度変換手段14の回路構成例を示す。解像度変換手段14は、OR回路131、フリップフロップ132〜135、AND回路136,137などから構成され、主走査、副走査方向とも1/4に変換し、主走査方向にはORをとるようにしているが、副走査は単純間引きとなっている。
【0051】
例えばこのような構成からなる解像度変換手段14,15は、解像度変換手段15による解像度の方が解像度変換手段14による解像度より低く設定されている。
【0052】
図6に、解像度変換手段14,15による解像度変換後の画素の同期信号を示す。
【0053】
図7は、マスク手段6,7で計測手段3により黒画素数をカウントする領域例を示す平面図である。この例で抽出する図形は円である。図7に示すように、領域1〜7(1〜7の数字で示している)は、同心円上に設定して、それぞれの領域1〜7について画素数をカウントする。また、円全周ではなく、その一部分である部分a〜hごとに画素数をカウントする。
【0054】
注意すべきは、二値化プレイン11と12とでは記憶している二値画像データの解像度が異なるので、マスクサイズ、マスクへの切り出しおよび計測領域などは、両二値プレイン4,5で画像の位相位置が同じになるように合わせる必要がある。設計の容易化のため、2つの二値プレイン4と5とで同じ解像度に再変換したとしても、画像データを蓄えるFIFO回路の設置数を節約できるので、初めから同じ解像度で扱う方式に比べ製造コストを低減することができる。
【0055】
図8は、図7における部分ごとの画素数のカウントについて説明する説明図である。図8は、図7における部分aの画素数のカウントについて示している。部分aの範囲における画像、すなわち、マスク手段6,7で二値プレイン4,5から切り出される画像は、画素クロックに伴って主走査方向に右から左へ移動する。次の画素クロックが入ったときの領域n(n=1〜7)の黒画素の数は、現在の領域nの黒画素数に、新たに領域nに入ってくる黒画素数と出て行く黒画素数との差分を加えたものとなる。そこで、各領域nに新たに入ってくる黒画素数と出て行く黒画素数との差分を求め、その差分を現在の領域nの黒画素数に加算する演算を演算器41で求め、この値をレジスタ42に置数すればよい。このような処理を行なうことで、領域nの黒画素数をすべて加算器で加算する処理により黒画素数をカウントする場合に比べ、装置の製造コストを低減することができる。
【0056】
図9は、図7における部分ごとの画素数のカウントについての別の例を説明する説明図である。図9は、図7における部分bの画素数のカウントについて示している。領域1の黒画素数は、領域1の全ての黒画素数を加算器43で加算することにより求める。領域2の黒画素数は領域1の黒画素数を1画素クロック遅延させればよいので、レジスタ44で構成されるシフトレジスタ45で求めることができる。領域3,4、7も同様に隣接領域の黒画素数をシフトレジスタ45で遅延させればよい。領域5の黒画素数は領域4と隣あっていない画素があるので、その部分の差分を演算器46でとって求める。領域6も同様である。このように、隣接している領域nはシフトレジスタ45で求め、隣接していない画素がある領域nは主走査方向の差分でカウントするようにすれば、領域nの黒画素数をすべて加算器で加算する処理により黒画素数をカウントする場合に比べ、装置の製造コストを低減することができる。
【0057】
図10は、図7における部分ごとの画素数のカウントについての別の例を説明する説明図である。図10は、図7の部分c,gのカウントについて示している。部分cの領域1の黒画素数は、領域1の全ての黒画素数を加算器47で加算することによりカウントする。領域2の黒画素数は領域1の黒画素数を1画素クロックだけレジスタ48で構成されるシフトレジスタ49で遅延させればよい。領域3〜7も同様に順次遅延させればよい。また、部分gの領域7〜1も同様にシフトレジスタ38で遅延させればよい。このように、二値画像をそのまま遅延させて画素数をカウントするより、画素数を遅延させる方が、処理が簡易となって装置の製造コストを低減することができる。部分f,hについても二値画像として遅延させるのではなく、画素数をカウントして、そのカウント値を遅延させた方が、処理が簡易となって装置の製造コストを低減することができる。
【0058】
図11は、判定手段8の構成例を示す回路図である。図1中の各レジスタ51のうち、“A.REGn”は、二値化手段11による二値プレイン4の領域nの黒画素数合計が置数され、“B.REGn”は二値化手段12による二値プレイン5の領域nの黒画素数合計が置数される。テーブル52は各黒画素数とマッチング度(円らしさの度合い)変換のテーブルである。テーブル52は、基本的には、円周領域(前景)の黒画素数が多く、その外側の領域(背景)の黒画素数が少なければマッチング度が高くなる関係にある。この例では、マスク領域nの黒画素数が少なく、マスク領域n+1の黒画素数が多ければ、マスク領域n+1を通る円である可能性が高いことになる。勿論、マッチング度変換は、テーブルではなく画素数から計算で求める方式も可能である。二値プレイン5の黒画素数も参照している理由は、図形の一部が背景図案と干渉して色味が変わってしまい、二値プレイン4だけでは黒画素にならなくても二値プレイン5では黒画素になっているかをみて、部分的に色味の変わってしまった図形でも安定して抽出するためである。便宜上、円前景部がマスク領域2で検出された円を円#1、マスク領域3で検出された円を円#2、…とする(図11の各マルチプレクサ53の上から順に円#1、#2、…のマッチング度)。ChooseMAX54は、各円#のマッチング度から最大のものを抽出する。これは、マルチプレクサ55、比較器56から構成され、Encoder57は、最大マッチング度の円#を出力する。表1にEncoder57の真理値表を示す。また、ChooseMAX54が出力する最大マッチング度を所定の円検出のための閾値と比較器58で比較すれば、円の検出が行なえる。
【0059】
【表1】
【0060】
図12は、判定手段8の他の構成例である。図11と同一符号の回路要素は図11と同一構成であり、さらに、加算器59を備えた背景画素計算部60a〜60cを備えている。この図11では、前景および背景を1ライン分のマスクで検出しているが、この例では前景を2ライン、背景を3ラインで検出している。便宜上、マスク領域1,2,3を背景画素とし、マスク領域4,5を前景画素とする円を円#3、マスク領域2,3,4を背景画素とし、マスク領域5,6を前傾画素とする円を円#4、#5、…として示している。テーブル52は、図11の例と同様、前景および背景の黒画素数からマッチング度に変換する。この例でも、マッチング度変換をテーブルではなく計算で行ったり、マスクの各部分の黒画素数を使ってマッチング度に変換するなどの方法も考えられる。ChooseMAX54は、各円#のマッチング度から最大のものを抽出し、その円#を出力する。
【0061】
なお、以上の例では、マスクの全部分の黒画素数合計からマッチング度に変換しているが、マスクの各部分の黒画素数を使って判定する方法なども考えられる。
【0062】
図13は、判定手段8の別の構成例を示すもので、円#nに相当する大きさの円を検出する場合である。図13中の“A.z.REGn”は、二値プレイン4のマスクの部分z、領域nの黒画素数、“B.z.REGn”は、二値プレイン5のマスクの部分z、領域nの黒画素数である。図13の回路の上段では、“ΣA.z.REG(n−2) +ΣA.z.REG(n−1) +ΣA.z.REGn [for all z]=背景の画素数”を求め、比較器141で閾値TH_Xより小さいか否かを判定している。中段では、二値プレイン4のマスクの各部分zについて、“A.z.REG(n+1)+A.z.REG(n+2)”が閾値TH_A以上か否かを各比較器142で判定し、閾値TH_A以上の数を加算器143でカウントする。そして、そのカウント数が閾値TH_A_NUM以上か否かを比較器144で判定している。下段では、プレイン5のマスクの各部分zについて、“B.z.REG(n+1)+B.z.REG(n+2)”が閾値TH_B以上か各比較器145で判定し、それがすべての部分で閾値以上だったかをAND回路146で判定している。以上の3つの判定結果の論理積をAND回路147でとって、真なら円#nに相当する大きさの円が検出されたとする。
【0063】
図14は、判定手段8の別の構成例である。図13の例との違いは、マスクの部分a〜dと部分e〜hでは、異なるマスク領域で、前景と背景画素数を計測していることである。これは、マスク領域nとマスク領域n−1では、直径で2画素異なる。つまり、円#nの大きさの円と円#n−1大きさの円では、直径で2画素異なる。すると、円#nと円#n−1の中間の大きさの円(円#n´)が検出できない可能性がでてきてしまう。そこで、図14の例では、円#nと円#n−1検出用のマスク領域を混合することで、中間の大きさの円の検出性能を向上させている。
【0064】
図15はエッジ検出手段16の構成例である。レジスタ61の“zREGn”は、二値プレイン4についてのマスクの部分z、領域nの黒画素数を表す。比較器62、AND回路64により、“z.REGn≦TH2”かつ“z.REG(n+1)≧TH1”の場合、マスクnとn+1の間(部分z)にエッジが存在したと判定する。閾値TH1はTH2より大きく設定する。例えば、閾値TH1は2、閾値TH2は0などである。検出されたエッジ情報は、レジスタ65に蓄えられる(その値を“z.EDGEn”)。“z.EDGEn”の値が1なら、マスクの部分z、領域nとn+1の間にエッジが存在したと判定する。各レジスタ65の上から順に、1の場合に部分zの領域1,2間にエッジあり、1の場合に部分zの領域2,3間にエッジあり、…となる。
【0065】
図16は、中心度算出手段17の構成例である。円#nが検出された場合、エッジ位置の可能性として、“z.EDGEn”と“z.EDGE(n+1)”とが考えられるので、レジスタ65に置数されたそれらのORをOR回路71とれば、マスクの部分zにエッジが存在したかがわかる。この例では、部分a,c,e,gについてエッジが検出された否かかを、AND回路73、OR回路74、及び、円#nが円#3〜円#5の何れであるか判定するDecoder72を用いて求め、レジスタ75に置数されたその数(z.EDGE)の合計を加算器76で求めて中心度としている。レジスタ75の値は上から、1の場合に部分aにエッジあり、1の場合に部分cにエッジあり、1の場合に部分eにエッジあり、1の場合に部分gにエッジあり、となる。
【0066】
図17は、中心度算出手段17の別の構成例である。図17の同様の回路用その他、AND回路77を用いている。また、上段の回路構成のみ示し、その下の各段の構成は上段と同様の構成であるため、図示を省略している。これは、下段のマスクの部分aとe,cとgの両端が揃ったエッジの数を合計して中心度とする例である。この例では、両端エッジまでの距離が等距離の“x.EDGEn”と“y.EDGEn”、“x.EDGE(n+1)”と“y.EDGE(n+1)”、両端エッジまでの距離が1違いの“x.EDGEn”と“y.EDGE(n+1)”、“x.EDGE(n+1)”と“y.EDGEn”ついて同時にエッジが検出されたか否かを求め(その値がレジスタ75の“xy.EDGE”)、その数の合計を加算器76で求めて中心度としている。図17において、上段のレジスタ75の値は、1の場合に部分a,eの領域に両エッジありとなり、下段のレジスタ75の値は、1の場合に部分c,gの領域に両エッジありとなる。
【0067】
図18は、直径算出手段10の構成例である。各レジスタ151には、エッジの検出結果が置数され、AND回路及びOR回路152により、ANDやORをとることで、マスクの部分a,eによる直径と部分c,gによる直径の大きい方を選択し出力する。Decoder157は、円#nが円#3〜円#5の何れであるか判定する。Encoder_edge2diameter153は、エッジ位置の有無を示す信号をAND回路及びOR回路152から受けて、両端エッジ間距離に変換する。ただし、全てのエッジ信号が0(エッジ無し)の場合は0を出力する。またEcoder_circ2diameter154は、検出された円#nから直径を求める装置で、円#nのとりうるエッジ間の平均距離を出力する。これは、円#nが検出されなければ0を出力する。そして、マルチプレクサ155、比較器156により、円#nが検出されていて、両端エッジが見つからなかった場合に限ってEncoder_circ2diameter154の出力が直径として出力される。
【0068】
図19は、直径算出手段10の別の構成例である。図18と同様の回路構成のほか、OR回路158、AND回路159、加算器160を用いている。この例では、マスクの部分a,eによる直径と部分c,gによる直径の平均を出力する。ただし、1組しか両端エッジによる直径が見つからなかった場合は、そのまま出力する。また、円#nが検出されていて、両端エッジが見つからなかった場合に限ってEncoder_circ2diameter154の結果が出力される。
【0069】
図20は、最大中心度抽出手段18の構成例である。これは、ある領域内で中心度が最大のものを選択して、その座標位置を抽出する。すなわち、各画素のマッチング度をバッファ101で記憶する。このバッファ101に記憶されているマッチング度のうち、領域102に記憶されている注目画素のものと領域103に記憶されている注目画素の周囲の8つの周辺画素のもの(すなわち、注目画素を中心とした3×3画素分のマッチング度)が読み出される。8つの比較器94は、それぞれ各周辺画素のマッチング度と注目画素のマッチング度とを比較し、その比較結果をAND回路95に出力する。これにより、注目画素のマッチング度がどの周辺画素のマッチング度よりも大きいときには、AND回路95が出力するFound信号がアクティブになる(目的の図形が注目画素で抽出されたことを意味する)。現在のFound信号がどの注目画素についてのものであるかは、Xカウンタ97、Yカウンタ98が出力するX,Y座標の値によりわかる。このように、最大中心度を抽出するのは、より正確な図形位置を抽出することと、同一画像を複数抽出しないためである。
【0070】
なお、以上説明した例では、二値化部2、計測手段3、判定手段8、中心位置決定手段9、直径算出手段10などを電子回路により実現した例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、これらの構成要素の全部または一部を所定のプログラムによって駆動するコンピュータが行なう処理により実現することもできる。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出し、また、製造コストを低減することができる。
【0072】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数色の図形を抽出する場合でも安定的に正確に抽出し、また、製造コストを低減することができる。
【0073】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、細線等の除去により任意の背景図案から所定図形の検出性能が向上する。また、濃度で二値化した二値画像データを対象としては細線除去手段を備えないので、製造コストを低減することができる。
【0074】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の発明において、黒画素数を計測する領域を同心円上に配置しているので、任意の大きさの図形を同時に抽出できる。
【0075】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、抽出する図形の大きさにかかわらず計測する画素数を同じにしているので、判定手段の製造コストを低減することができる。
【0076】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかの一に記載の発明において、計測する領域を抽出図形の一部分にしているので、製造コストを低減することができる。
【0077】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかの一に記載の発明において、差分により黒画素数を計測するので、製造コストを低減することができる。
【0078】
請求項8に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、解像度の高い色により二値した二値画像データによりエッジの検出の情報から中心度を算出するので、精度の高い位置検出ができる。
【0079】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、円検出のためのマスクを使ってエッジを検出するので、ハードウエア構成をコンパクトにすることができる。
【0080】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、急峻なエッジのみを検出することができる。
【0081】
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の発明において、エッジの数を中心度としているので、精度の高い位置検出ができる。
【0082】
請求項12に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の発明において、左右、上下など所定の方向の両端のエッジが存在している数を中心度としているので、精度の高い位置検出ができる。
【0083】
請求項13に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の発明において、左右、上下など所定方向の両端のエッジが存在していて、かつ、その両端エッジまでの距離が等距離もしくは1違い等所定範囲なら中心度を高くするので、精度の高い位置検出ができる。
【0084】
請求項14に記載の発明は、請求項8〜13の何れかの一に記載の発明において、エッジ検出の情報により円図形の直径を算出するので、円の正確な直径を算出するハードウエア構成をコンパクトにすることができる。
【0085】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、左右、上下など所定方向の両端エッジが存在している画像のエッジ間距離から直径を選択するので、精度の高い直径の算出ができる。
【0086】
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、左右、上下など所定方向の両端エッジが存在している画像のエッジ間距離の平均とするので、精度の高い直径の算出ができる。
【0087】
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の発明において、両端エッジが存在していない場合は、円として検出されたマスクの大きさを直径とするので、エッジ位置が不明な場合であっても尤もらしい直径を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態である図形認識装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】二値化部の構成例を示す回路図である。
【図3】細線除去手段の構成例を示す回路図である。
【図4】解像度変換手段の構成例を示す回路図である。
【図5】もう一方の解像度変換手段の構成例を示す回路図である。
【図6】解像度変換手段による解像度変換後の画素の同期信号を示すタイミングチャートである。
【図7】計測手段で黒画素数をカウントする領域例を示す平面図である。
【図8】計測手段による部分ごとの画素数のカウントについて説明する説明図である。
【図9】計測手段による部分ごとの画素数のカウントについて説明する説明図である。
【図10】計測手段による部分ごとの画素数のカウントについて説明する説明図である。
【図11】前記図形認識装置を構成する判定回路のマッチング度変換回路の構成例を示す回路図である。
【図12】判定手段の回路構成例を示すブロック図である。
【図13】判定手段の他の回路構成例を示すブロック図である。
【図14】判定手段の他の回路構成例を示すブロック図である。
【図15】エッジ検出手段の回路構成例を示すブロック図である。
【図16】中心度算出手段の回路構成例を示すブロック図である。
【図17】中心度算出手段の別の回路構成例を示すブロック図である。
【図18】直径算出手段の回路構成例を示すブロック図である。
【図19】直径算出手段の別の回路構成例を示すブロック図である。
【図20】最大中心度抽出手段の回路構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 画像認識装置
3 計測手段
4 二値プレイン
5 二値プレイン
6 マスク手段
7 マスク手段
8 判定手段
10 直径算出手段
11 二値化手段
12 二値化手段
13 細線除去手段
14 解像度変換手段
15 解像度変換手段
16 エッジ検出手段
17 中心度算出手段
18 最大中心度抽出手段
【発明の属する技術分野】
この発明は、所望の図案上から所定の色と形の図形を抽出する図形認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ノイズや切れの多い画像から図形を抽出するためには、Hough変換がよく使用されているが、これには過検出等の不具合もあった。
【0003】
そこで、特許文献1には、濃淡エッジ画像にHough変換を施す技術が提案されている。また、特許文献2には、画像を三値化してHough変換を施す技術が提案されている。さらに、特許文献3には、Hough変換を段階的に繰り返し施す技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特許第2946095号公報
【特許文献2】特許第2912676号公報
【特許文献3】特開平10−334236号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記各従来技術では、任意のカラー図案上に印刷された所定の色と形の図形を抽出することを的確に実行する点については考慮されていない。すなわち、任意のカラー図案上に印刷された所定の色と形の図形を抽出する場合、その色について二値化しても背景の図案の影響で図形がきれいに二値化されないので、マッチングしても類似度が低くなってしまい、安定的に図形を抽出できないという不具合があった。そこで、任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出し、しかも、それを低コストで実現したい。
【0005】
この発明の目的は、任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出することを、低コストで実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、多値画像データを互いに異なる手法で作成される複数種類の二値画像データに変換する二値化手段と、この変換後の各二値画像データを互いに異なる解像度の二値画像データに変換する解像度変換手段と、この各二値画像データをそれぞれ記憶する二値プレインと、この二値プレインから前記各二値画像データを切り出すマスク手段と、この切り出した画像データから前記多値画像データより抽出しようとする図形の前景領域と背景領域との黒画素数をカウントする計測手段と、このカウント数から画像が前記図形か否かを判定する判定手段と、を備えている図形認識装置である。
【0007】
したがって、1つの多値画像から互いに異なる手法で作成された複数の二値画像を用いて図形の抽出を行なうので、任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出できる。また、二値プレインの種類に応じて二値画像データを必要十分な解像度にすれば、解像度が低い分、その低い解像度の二値画像データを保持する二値プレインの製造コストを低減することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の図形認識装置において、前記二値化手段は、前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データと、前記多値画像データを所定濃度以上とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データとを前記異なる手法で作成される複数種類の二値画像データとして得るものであり、前記解像度変換手段は、後者の前記二値画像データの解像度を前者の前記二値画像データより低い解像度とする。
【0009】
したがって、複数種類の二値画像の1つとして画像の色味で二値化した画像を得るので、複数色の図形を抽出する場合でも安定的に正確に抽出することができる。また、濃度で二値化した二値画像データを色で二値化した二値画像データより解像度を低くしているので、二値プレインの製造コストを低減することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の図形認識装置において、前記二値化手段で前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データについて細線又は孤立点を除去する細線除去手段を備えている。
【0011】
したがって、細線等の除去により任意の背景図案から所定図形の検出性能が向上する。また、濃度で二値化した二値画像データを対象としては細線除去手段を備えないので、製造コストを低減することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記計測手段は、黒画素数を計測する領域を同心円状に配置して前記カウントを行なう。
【0013】
したがって、黒画素数を計測する領域を同心円上に配置しているので、任意の大きさの図形を同時に抽出できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の図形認識装置において、前記計測手段は、前記同心円状に配置された黒画素数を計測する領域は、当該同心円の内側と外側で同じ数にする。
【0015】
したがって、抽出する図形の大きさにかかわらず計測する画素数を同じにしているので、判定手段の製造コストを低減することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記計測手段は、円図形の一部分について黒画素数を計測する。
【0017】
したがって、計測する領域を抽出図形の一部分にしているので、製造コストを低減することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記計測手段は、主走査方向の差分で黒画素数を計測する。
【0019】
したがって、差分により黒画素数を計測するので、製造コストを低減することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項2又は3に記載の図形認識装置において、前記二値化手段で前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データについて、エッジを検出するエッジ検出手段と、このエッジ検出の情報により円図形の中心らしさである中心度を算出する中心度算出手段と、所定領域内で前記中心度が最大になる位置を円図形の中心位置として検出する検出手段と、を備えている。
【0021】
したがって、解像度の高い色により二値した二値画像データによりエッジの検出の情報から中心度を算出するので、精度の高い位置検出ができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の図形認識装置において、前記エッジ検出手段は、所定領域のマスク内の前記黒画素数が所定の第1の閾値より大きく、その外側のマスク内の前記黒画素数が所定の第2の閾値より小さい場合にエッジがあったとする。
【0023】
したがって、円検出のためのマスクを使ってエッジを検出するので、ハードウエア構成をコンパクトにすることができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の図形認識装置において、前記エッジ検出手段は、前記第1の閾値が前記第2の閾値より大きい。
【0025】
したがって、急峻なエッジのみを検出することができる。
【0026】
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記中心度算出手段は、前記所定領域内に検出された前記エッジの数を中心度とする。
【0027】
したがって、エッジの数を中心度としているので、精度の高い位置検出ができる。
【0028】
請求項12に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記中心度算出手段は、前記所定領域内で所定方向の両端の前記エッジが存在している数を中心度とする。
【0029】
したがって、左右、上下など所定の方向の両端のエッジが存在している数を中心度としているので、精度の高い位置検出ができる。
【0030】
請求項13に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記中心度算出手段は、前記所定領域内で所定方向の両端の前記エッジが存在していて、かつ、その両端エッジまでの距離が等距離又は所定範囲の差であれば前記中心度を高くする。
【0031】
したがって、左右、上下など所定方向の両端のエッジが存在していて、かつ、その両端エッジまでの距離が等距離もしくは1違い等所定範囲なら中心度を高くするので、精度の高い位置検出ができる。
【0032】
請求項14に記載の発明は、請求項8〜13の何れかの一に記載の図形認識装置において、前記エッジ検出の情報により前記円図形の直径を算出する直径算出手段を備えている。
【0033】
したがって、エッジ検出の情報により円図形の直径を算出するので、円の正確な直径を算出するハードウエア構成をコンパクトにすることができる。
【0034】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の図形認識装置において、前記直径算出手段は、前記所定領域内に前記所定方向の前記両端エッジが存在している画像の前記エッジ間の距離から前記直径を選択する。
【0035】
したがって、左右、上下など所定方向の両端エッジが存在している画像のエッジ間距離から直径を選択するので、精度の高い直径の算出ができる。
【0036】
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の図形認識装置において、前記直径算出手段は、前記所定領域内に前記所定方向の前記両端エッジが存在している画像の前記エッジ間の距離の平均を前記直径として選択する。
【0037】
したがって、左右、上下など所定方向の両端エッジが存在している画像のエッジ間距離の平均とするので、精度の高い直径の算出ができる。
【0038】
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の図形認識装置において、前記直径算出手段は、前記両端エッジが存在していない場合は、円として検出されたマスクの大きさからとりうる前記エッジ間の距離の平均を直径とする。
【0039】
したがって、両端エッジが存在していない場合は、円として検出されたマスクの大きさを直径とするので、エッジ位置が不明な場合であっても尤もらしい直径を算出することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について説明する。
【0041】
図1は、この実施の形態である図形認識装置1の全体構成を示すブロック図である。この図形認識装置1は、所定の色の円図形を抽出する装置である。図1に示すように、処理対象となるカラー画像データであるRGB多値画像データが図形認識装置1に入力されると、この多値画像データは二値化部2に入力される。この二値化部2で、RGB多値画像データは2つの二値化手段111,12によりそれぞれ二値化され、二値化後の2系統の二値画像データのうち、二値化手段11から出力されるデータについては、細線除去手段13により細線除去が行われ、他方についてはそのままで、それぞれ解像度変換手段14,15で解像度変換が行われる。この際、解像度変換手段14と15とでは、その解像度が異なる。二値化部2では、RGB多値画像データを互いに異なる手法(後述)で作成される複数種類の二値画像データに変換し、しかも、この二値画像データは互いに解像度が異なる。
【0042】
この各二値画像データは、それぞれ複数個のFIFO(First−In First−Out)回路で構成された記憶装置である二値プレイン4,5に各々記憶される。各二値プレイン4,5は、複数のFIFO回路を用いることにより、副走査方向の画素を揃えて主走査方向の画素の二値画像データを入力順に出力する。
【0043】
マスク手段6,7は、それぞれ各二値プレイン4,5から画像を切り出す。計測手段3は、この切り出した所定領域の黒画素数をカウントする。判定手段8は、これらの計測結果から画像が所望の図形(この例では円)か否かを判定する。これにより、所望の円図形と判定された場合は、中心位置決定手段9において、正確な中心位置が抽出され、検出信号又は座標が出力される。中心位置決定手段9は、計測手段3による黒画素数のカウント結果より、エッジを検出し(エッジ検出手段16)、そのエッジ情報から現座標の中心らしさ(中心度)を算出し(中心度算出手段17)、所定領域内で最大中心度を抽出する(最大中心度抽出手段18)。また、直径算出手段10は、エッジ検出手段16のエッジ情報より直径を算出する。
【0044】
図2は、二値化手段11,12の構成例を示す回路図である。二値化手段11は、入力されたRGB多値画像データのR,G,Bデータを対象として、減算器21,22により、それぞれ“dR=R−B”、“dG=G−B”の演算を行なうことで色味を検出し、Bデータがある濃度以上の画素を黒画素とするように二値化する。
【0045】
この例では、減算器21,22の出力dR,dGを比較器23,24で閾値THdR1,TH dG1と比較して、その結果のANDをAND回路25でとる第1色目の検出回路26と、減算器21,22の出力を比較器27,28で閾値TH dR2,THdG2と比較して、その結果のANDをAND回路19でとる第2色目の検出回路30とにより、所定の2色について色味を検出し、OR回路31でそのORをとる。そして、Bデータを閾値TH B1と比較器32で比較し、その結果とOR回路31の出力とのANDをAND回路33でとることにより、二値化を行なう。
【0046】
なお、抽出する図形の色が3通りなら、色味検出部分を3つ用意して、それらの出力結果のORをとればよい。このように検出色が複数になっても同一の二値プレイン4に二値化した画像データを記憶するので、各色毎に二値プレインを用意する方式と比較して、装置の製造コストを低減でき、容易に検出色を増減できる。
【0047】
二値化手段12は、Bデータがある濃度以上にある画素を黒画素とするように二値化を行なう。すなわち、比較器34でBデータと閾値TH B2とを比較するが、このときの閾値TH B2は、二値化部2のBデータの閾値TH B1より小さく(濃く)設定する。この例では、各閾値が一定であるが、周辺画素値から適応的に閾値を求める手段などもとれる。
【0048】
図3は、細線除去手段13の構成例を示す。ここでは、FIFO111、3×3のマスク112、AND回路113〜117により、縦または横または斜めの隣接画素が両方とも白画素(0)なら注目画素を白に置き換える処理を行なう。
【0049】
図4は、解像度変換手段15の回路構成例を示す。解像度変換手段15は、OR回路121、フリップフロップ122〜125、XOR回路126,127などから構成され、主走査、副走査方向とも1/2に変換し、主走査方向にはORをとるようにしているが、副走査は単純間引きとなっている。
【0050】
図5は、解像度変換手段14の回路構成例を示す。解像度変換手段14は、OR回路131、フリップフロップ132〜135、AND回路136,137などから構成され、主走査、副走査方向とも1/4に変換し、主走査方向にはORをとるようにしているが、副走査は単純間引きとなっている。
【0051】
例えばこのような構成からなる解像度変換手段14,15は、解像度変換手段15による解像度の方が解像度変換手段14による解像度より低く設定されている。
【0052】
図6に、解像度変換手段14,15による解像度変換後の画素の同期信号を示す。
【0053】
図7は、マスク手段6,7で計測手段3により黒画素数をカウントする領域例を示す平面図である。この例で抽出する図形は円である。図7に示すように、領域1〜7(1〜7の数字で示している)は、同心円上に設定して、それぞれの領域1〜7について画素数をカウントする。また、円全周ではなく、その一部分である部分a〜hごとに画素数をカウントする。
【0054】
注意すべきは、二値化プレイン11と12とでは記憶している二値画像データの解像度が異なるので、マスクサイズ、マスクへの切り出しおよび計測領域などは、両二値プレイン4,5で画像の位相位置が同じになるように合わせる必要がある。設計の容易化のため、2つの二値プレイン4と5とで同じ解像度に再変換したとしても、画像データを蓄えるFIFO回路の設置数を節約できるので、初めから同じ解像度で扱う方式に比べ製造コストを低減することができる。
【0055】
図8は、図7における部分ごとの画素数のカウントについて説明する説明図である。図8は、図7における部分aの画素数のカウントについて示している。部分aの範囲における画像、すなわち、マスク手段6,7で二値プレイン4,5から切り出される画像は、画素クロックに伴って主走査方向に右から左へ移動する。次の画素クロックが入ったときの領域n(n=1〜7)の黒画素の数は、現在の領域nの黒画素数に、新たに領域nに入ってくる黒画素数と出て行く黒画素数との差分を加えたものとなる。そこで、各領域nに新たに入ってくる黒画素数と出て行く黒画素数との差分を求め、その差分を現在の領域nの黒画素数に加算する演算を演算器41で求め、この値をレジスタ42に置数すればよい。このような処理を行なうことで、領域nの黒画素数をすべて加算器で加算する処理により黒画素数をカウントする場合に比べ、装置の製造コストを低減することができる。
【0056】
図9は、図7における部分ごとの画素数のカウントについての別の例を説明する説明図である。図9は、図7における部分bの画素数のカウントについて示している。領域1の黒画素数は、領域1の全ての黒画素数を加算器43で加算することにより求める。領域2の黒画素数は領域1の黒画素数を1画素クロック遅延させればよいので、レジスタ44で構成されるシフトレジスタ45で求めることができる。領域3,4、7も同様に隣接領域の黒画素数をシフトレジスタ45で遅延させればよい。領域5の黒画素数は領域4と隣あっていない画素があるので、その部分の差分を演算器46でとって求める。領域6も同様である。このように、隣接している領域nはシフトレジスタ45で求め、隣接していない画素がある領域nは主走査方向の差分でカウントするようにすれば、領域nの黒画素数をすべて加算器で加算する処理により黒画素数をカウントする場合に比べ、装置の製造コストを低減することができる。
【0057】
図10は、図7における部分ごとの画素数のカウントについての別の例を説明する説明図である。図10は、図7の部分c,gのカウントについて示している。部分cの領域1の黒画素数は、領域1の全ての黒画素数を加算器47で加算することによりカウントする。領域2の黒画素数は領域1の黒画素数を1画素クロックだけレジスタ48で構成されるシフトレジスタ49で遅延させればよい。領域3〜7も同様に順次遅延させればよい。また、部分gの領域7〜1も同様にシフトレジスタ38で遅延させればよい。このように、二値画像をそのまま遅延させて画素数をカウントするより、画素数を遅延させる方が、処理が簡易となって装置の製造コストを低減することができる。部分f,hについても二値画像として遅延させるのではなく、画素数をカウントして、そのカウント値を遅延させた方が、処理が簡易となって装置の製造コストを低減することができる。
【0058】
図11は、判定手段8の構成例を示す回路図である。図1中の各レジスタ51のうち、“A.REGn”は、二値化手段11による二値プレイン4の領域nの黒画素数合計が置数され、“B.REGn”は二値化手段12による二値プレイン5の領域nの黒画素数合計が置数される。テーブル52は各黒画素数とマッチング度(円らしさの度合い)変換のテーブルである。テーブル52は、基本的には、円周領域(前景)の黒画素数が多く、その外側の領域(背景)の黒画素数が少なければマッチング度が高くなる関係にある。この例では、マスク領域nの黒画素数が少なく、マスク領域n+1の黒画素数が多ければ、マスク領域n+1を通る円である可能性が高いことになる。勿論、マッチング度変換は、テーブルではなく画素数から計算で求める方式も可能である。二値プレイン5の黒画素数も参照している理由は、図形の一部が背景図案と干渉して色味が変わってしまい、二値プレイン4だけでは黒画素にならなくても二値プレイン5では黒画素になっているかをみて、部分的に色味の変わってしまった図形でも安定して抽出するためである。便宜上、円前景部がマスク領域2で検出された円を円#1、マスク領域3で検出された円を円#2、…とする(図11の各マルチプレクサ53の上から順に円#1、#2、…のマッチング度)。ChooseMAX54は、各円#のマッチング度から最大のものを抽出する。これは、マルチプレクサ55、比較器56から構成され、Encoder57は、最大マッチング度の円#を出力する。表1にEncoder57の真理値表を示す。また、ChooseMAX54が出力する最大マッチング度を所定の円検出のための閾値と比較器58で比較すれば、円の検出が行なえる。
【0059】
【表1】
【0060】
図12は、判定手段8の他の構成例である。図11と同一符号の回路要素は図11と同一構成であり、さらに、加算器59を備えた背景画素計算部60a〜60cを備えている。この図11では、前景および背景を1ライン分のマスクで検出しているが、この例では前景を2ライン、背景を3ラインで検出している。便宜上、マスク領域1,2,3を背景画素とし、マスク領域4,5を前景画素とする円を円#3、マスク領域2,3,4を背景画素とし、マスク領域5,6を前傾画素とする円を円#4、#5、…として示している。テーブル52は、図11の例と同様、前景および背景の黒画素数からマッチング度に変換する。この例でも、マッチング度変換をテーブルではなく計算で行ったり、マスクの各部分の黒画素数を使ってマッチング度に変換するなどの方法も考えられる。ChooseMAX54は、各円#のマッチング度から最大のものを抽出し、その円#を出力する。
【0061】
なお、以上の例では、マスクの全部分の黒画素数合計からマッチング度に変換しているが、マスクの各部分の黒画素数を使って判定する方法なども考えられる。
【0062】
図13は、判定手段8の別の構成例を示すもので、円#nに相当する大きさの円を検出する場合である。図13中の“A.z.REGn”は、二値プレイン4のマスクの部分z、領域nの黒画素数、“B.z.REGn”は、二値プレイン5のマスクの部分z、領域nの黒画素数である。図13の回路の上段では、“ΣA.z.REG(n−2) +ΣA.z.REG(n−1) +ΣA.z.REGn [for all z]=背景の画素数”を求め、比較器141で閾値TH_Xより小さいか否かを判定している。中段では、二値プレイン4のマスクの各部分zについて、“A.z.REG(n+1)+A.z.REG(n+2)”が閾値TH_A以上か否かを各比較器142で判定し、閾値TH_A以上の数を加算器143でカウントする。そして、そのカウント数が閾値TH_A_NUM以上か否かを比較器144で判定している。下段では、プレイン5のマスクの各部分zについて、“B.z.REG(n+1)+B.z.REG(n+2)”が閾値TH_B以上か各比較器145で判定し、それがすべての部分で閾値以上だったかをAND回路146で判定している。以上の3つの判定結果の論理積をAND回路147でとって、真なら円#nに相当する大きさの円が検出されたとする。
【0063】
図14は、判定手段8の別の構成例である。図13の例との違いは、マスクの部分a〜dと部分e〜hでは、異なるマスク領域で、前景と背景画素数を計測していることである。これは、マスク領域nとマスク領域n−1では、直径で2画素異なる。つまり、円#nの大きさの円と円#n−1大きさの円では、直径で2画素異なる。すると、円#nと円#n−1の中間の大きさの円(円#n´)が検出できない可能性がでてきてしまう。そこで、図14の例では、円#nと円#n−1検出用のマスク領域を混合することで、中間の大きさの円の検出性能を向上させている。
【0064】
図15はエッジ検出手段16の構成例である。レジスタ61の“zREGn”は、二値プレイン4についてのマスクの部分z、領域nの黒画素数を表す。比較器62、AND回路64により、“z.REGn≦TH2”かつ“z.REG(n+1)≧TH1”の場合、マスクnとn+1の間(部分z)にエッジが存在したと判定する。閾値TH1はTH2より大きく設定する。例えば、閾値TH1は2、閾値TH2は0などである。検出されたエッジ情報は、レジスタ65に蓄えられる(その値を“z.EDGEn”)。“z.EDGEn”の値が1なら、マスクの部分z、領域nとn+1の間にエッジが存在したと判定する。各レジスタ65の上から順に、1の場合に部分zの領域1,2間にエッジあり、1の場合に部分zの領域2,3間にエッジあり、…となる。
【0065】
図16は、中心度算出手段17の構成例である。円#nが検出された場合、エッジ位置の可能性として、“z.EDGEn”と“z.EDGE(n+1)”とが考えられるので、レジスタ65に置数されたそれらのORをOR回路71とれば、マスクの部分zにエッジが存在したかがわかる。この例では、部分a,c,e,gについてエッジが検出された否かかを、AND回路73、OR回路74、及び、円#nが円#3〜円#5の何れであるか判定するDecoder72を用いて求め、レジスタ75に置数されたその数(z.EDGE)の合計を加算器76で求めて中心度としている。レジスタ75の値は上から、1の場合に部分aにエッジあり、1の場合に部分cにエッジあり、1の場合に部分eにエッジあり、1の場合に部分gにエッジあり、となる。
【0066】
図17は、中心度算出手段17の別の構成例である。図17の同様の回路用その他、AND回路77を用いている。また、上段の回路構成のみ示し、その下の各段の構成は上段と同様の構成であるため、図示を省略している。これは、下段のマスクの部分aとe,cとgの両端が揃ったエッジの数を合計して中心度とする例である。この例では、両端エッジまでの距離が等距離の“x.EDGEn”と“y.EDGEn”、“x.EDGE(n+1)”と“y.EDGE(n+1)”、両端エッジまでの距離が1違いの“x.EDGEn”と“y.EDGE(n+1)”、“x.EDGE(n+1)”と“y.EDGEn”ついて同時にエッジが検出されたか否かを求め(その値がレジスタ75の“xy.EDGE”)、その数の合計を加算器76で求めて中心度としている。図17において、上段のレジスタ75の値は、1の場合に部分a,eの領域に両エッジありとなり、下段のレジスタ75の値は、1の場合に部分c,gの領域に両エッジありとなる。
【0067】
図18は、直径算出手段10の構成例である。各レジスタ151には、エッジの検出結果が置数され、AND回路及びOR回路152により、ANDやORをとることで、マスクの部分a,eによる直径と部分c,gによる直径の大きい方を選択し出力する。Decoder157は、円#nが円#3〜円#5の何れであるか判定する。Encoder_edge2diameter153は、エッジ位置の有無を示す信号をAND回路及びOR回路152から受けて、両端エッジ間距離に変換する。ただし、全てのエッジ信号が0(エッジ無し)の場合は0を出力する。またEcoder_circ2diameter154は、検出された円#nから直径を求める装置で、円#nのとりうるエッジ間の平均距離を出力する。これは、円#nが検出されなければ0を出力する。そして、マルチプレクサ155、比較器156により、円#nが検出されていて、両端エッジが見つからなかった場合に限ってEncoder_circ2diameter154の出力が直径として出力される。
【0068】
図19は、直径算出手段10の別の構成例である。図18と同様の回路構成のほか、OR回路158、AND回路159、加算器160を用いている。この例では、マスクの部分a,eによる直径と部分c,gによる直径の平均を出力する。ただし、1組しか両端エッジによる直径が見つからなかった場合は、そのまま出力する。また、円#nが検出されていて、両端エッジが見つからなかった場合に限ってEncoder_circ2diameter154の結果が出力される。
【0069】
図20は、最大中心度抽出手段18の構成例である。これは、ある領域内で中心度が最大のものを選択して、その座標位置を抽出する。すなわち、各画素のマッチング度をバッファ101で記憶する。このバッファ101に記憶されているマッチング度のうち、領域102に記憶されている注目画素のものと領域103に記憶されている注目画素の周囲の8つの周辺画素のもの(すなわち、注目画素を中心とした3×3画素分のマッチング度)が読み出される。8つの比較器94は、それぞれ各周辺画素のマッチング度と注目画素のマッチング度とを比較し、その比較結果をAND回路95に出力する。これにより、注目画素のマッチング度がどの周辺画素のマッチング度よりも大きいときには、AND回路95が出力するFound信号がアクティブになる(目的の図形が注目画素で抽出されたことを意味する)。現在のFound信号がどの注目画素についてのものであるかは、Xカウンタ97、Yカウンタ98が出力するX,Y座標の値によりわかる。このように、最大中心度を抽出するのは、より正確な図形位置を抽出することと、同一画像を複数抽出しないためである。
【0070】
なお、以上説明した例では、二値化部2、計測手段3、判定手段8、中心位置決定手段9、直径算出手段10などを電子回路により実現した例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、これらの構成要素の全部または一部を所定のプログラムによって駆動するコンピュータが行なう処理により実現することもできる。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、任意の背景図案から所定の図形を安定的に正確に抽出し、また、製造コストを低減することができる。
【0072】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数色の図形を抽出する場合でも安定的に正確に抽出し、また、製造コストを低減することができる。
【0073】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、細線等の除去により任意の背景図案から所定図形の検出性能が向上する。また、濃度で二値化した二値画像データを対象としては細線除去手段を備えないので、製造コストを低減することができる。
【0074】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の発明において、黒画素数を計測する領域を同心円上に配置しているので、任意の大きさの図形を同時に抽出できる。
【0075】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、抽出する図形の大きさにかかわらず計測する画素数を同じにしているので、判定手段の製造コストを低減することができる。
【0076】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかの一に記載の発明において、計測する領域を抽出図形の一部分にしているので、製造コストを低減することができる。
【0077】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかの一に記載の発明において、差分により黒画素数を計測するので、製造コストを低減することができる。
【0078】
請求項8に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、解像度の高い色により二値した二値画像データによりエッジの検出の情報から中心度を算出するので、精度の高い位置検出ができる。
【0079】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、円検出のためのマスクを使ってエッジを検出するので、ハードウエア構成をコンパクトにすることができる。
【0080】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、急峻なエッジのみを検出することができる。
【0081】
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の発明において、エッジの数を中心度としているので、精度の高い位置検出ができる。
【0082】
請求項12に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の発明において、左右、上下など所定の方向の両端のエッジが存在している数を中心度としているので、精度の高い位置検出ができる。
【0083】
請求項13に記載の発明は、請求項8〜10の何れかの一に記載の発明において、左右、上下など所定方向の両端のエッジが存在していて、かつ、その両端エッジまでの距離が等距離もしくは1違い等所定範囲なら中心度を高くするので、精度の高い位置検出ができる。
【0084】
請求項14に記載の発明は、請求項8〜13の何れかの一に記載の発明において、エッジ検出の情報により円図形の直径を算出するので、円の正確な直径を算出するハードウエア構成をコンパクトにすることができる。
【0085】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、左右、上下など所定方向の両端エッジが存在している画像のエッジ間距離から直径を選択するので、精度の高い直径の算出ができる。
【0086】
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、左右、上下など所定方向の両端エッジが存在している画像のエッジ間距離の平均とするので、精度の高い直径の算出ができる。
【0087】
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の発明において、両端エッジが存在していない場合は、円として検出されたマスクの大きさを直径とするので、エッジ位置が不明な場合であっても尤もらしい直径を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態である図形認識装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】二値化部の構成例を示す回路図である。
【図3】細線除去手段の構成例を示す回路図である。
【図4】解像度変換手段の構成例を示す回路図である。
【図5】もう一方の解像度変換手段の構成例を示す回路図である。
【図6】解像度変換手段による解像度変換後の画素の同期信号を示すタイミングチャートである。
【図7】計測手段で黒画素数をカウントする領域例を示す平面図である。
【図8】計測手段による部分ごとの画素数のカウントについて説明する説明図である。
【図9】計測手段による部分ごとの画素数のカウントについて説明する説明図である。
【図10】計測手段による部分ごとの画素数のカウントについて説明する説明図である。
【図11】前記図形認識装置を構成する判定回路のマッチング度変換回路の構成例を示す回路図である。
【図12】判定手段の回路構成例を示すブロック図である。
【図13】判定手段の他の回路構成例を示すブロック図である。
【図14】判定手段の他の回路構成例を示すブロック図である。
【図15】エッジ検出手段の回路構成例を示すブロック図である。
【図16】中心度算出手段の回路構成例を示すブロック図である。
【図17】中心度算出手段の別の回路構成例を示すブロック図である。
【図18】直径算出手段の回路構成例を示すブロック図である。
【図19】直径算出手段の別の回路構成例を示すブロック図である。
【図20】最大中心度抽出手段の回路構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 画像認識装置
3 計測手段
4 二値プレイン
5 二値プレイン
6 マスク手段
7 マスク手段
8 判定手段
10 直径算出手段
11 二値化手段
12 二値化手段
13 細線除去手段
14 解像度変換手段
15 解像度変換手段
16 エッジ検出手段
17 中心度算出手段
18 最大中心度抽出手段
Claims (17)
- 多値画像データを互いに異なる手法で作成される複数種類の二値画像データに変換する二値化手段と、
この変換後の各二値画像データを互いに異なる解像度の二値画像データに変換する解像度変換手段と、
この各二値画像データをそれぞれ記憶する二値プレインと、
この二値プレインから前記各二値画像データを切り出すマスク手段と、
この切り出した画像データから前記多値画像データより抽出しようとする図形の前景領域と背景領域との黒画素数をカウントする計測手段と、
このカウント数から画像が前記図形か否かを判定する判定手段と、
を備えている図形認識装置。 - 前記二値化手段は、前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データと、前記多値画像データを所定濃度以上とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データとを前記異なる手法で作成される複数種類の二値画像データとして得るものであり、前記解像度変換手段は、後者の前記二値画像データの解像度を前者の前記二値画像データより低い解像度とする、
請求項1に記載の図形認識装置。 - 前記二値化手段で前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データについて細線又は孤立点を除去する細線除去手段を備えている、請求項2に記載の図形認識装置。
- 前記計測手段は、黒画素数を計測する領域を同心円状に配置して前記カウントを行なう、請求項1〜3の何れかの一に記載の図形認識装置。
- 前記計測手段は、前記同心円状に配置された黒画素数を計測する領域は、当該同心円の内側と外側で同じ数にする、請求項4に記載の図形認識装置。
- 前記計測手段は、円図形の一部分について黒画素数を計測する、請求項1〜5の何れかの一に記載の図形認識装置。
- 前記計測手段は、主走査方向の差分で黒画素数を計測する、請求項1〜6の何れかの一に記載の図形認識装置。
- 前記二値化手段で前記多値画像データを所定の色とそれ以外とに分けることで二値化を行なった二値画像データについて、エッジを検出するエッジ検出手段と、
このエッジ検出の情報により円図形の中心らしさである中心度を算出する中心度算出手段と、
所定領域内で前記中心度が最大になる位置を円図形の中心位置として検出する検出手段と、
を備えている請求項2又は3に記載の図形認識装置。 - 前記エッジ検出手段は、所定領域のマスク内の前記黒画素数が所定の第1の閾値より大きく、その外側のマスク内の前記黒画素数が所定の第2の閾値より小さい場合にエッジがあったとする、請求項8に記載の図形認識装置。
- 前記エッジ検出手段は、前記第1の閾値が前記第2の閾値より大きい、請求項9に記載の図形認識装置。
- 前記中心度算出手段は、前記所定領域内に検出された前記エッジの数を中心度とする、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置。
- 前記中心度算出手段は、前記所定領域内で所定方向の両端の前記エッジが存在している数を中心度とする、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置。
- 前記中心度算出手段は、前記所定領域内で所定方向の両端の前記エッジが存在していて、かつ、その両端エッジまでの距離が等距離又は所定範囲の差であれば前記中心度を高くする、請求項8〜10の何れかの一に記載の図形認識装置。
- 前記エッジ検出の情報により前記円図形の直径を算出する直径算出手段を備えている、請求項8〜13の何れかの一に記載の図形認識装置。
- 前記直径算出手段は、前記所定領域内に前記所定方向の前記両端エッジが存在している画像の前記エッジ間の距離から前記直径を選択する、請求項14に記載の図形認識装置。
- 前記直径算出手段は、前記所定領域内に前記所定方向の前記両端エッジが存在している画像の前記エッジ間の距離の平均を前記直径として選択する、請求項14に記載の図形認識装置。
- 前記直径算出手段は、前記両端エッジが存在していない場合は、円として検出されたマスクの大きさからとりうる前記エッジ間の距離の平均を直径とする、請求項15又は16に記載の図形認識装置。
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JP2012113436A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Future Univ-Hakodate | 画像処理装置 |
-
2002
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