JP2004139204A - 車載用電子機器及びドライブデータ記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】収集された走行状況に関するデータを確実にバックアップするドライブレコーダ装置及びドライブレコード方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ドライブレコーダ2に設けられる運転状況データ収集部22に、車両1の振動状況を検出する車両振動状況検出部221を設け、車両1の振動のデータを検出する。この検出されたデータは、車両振動データ制御部266を介して、車両振動状況判定部267に送信される。車両振動状況判定部267で、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップを開始又は終了の判定を行なう。バックアップ開始命令又は終了命令が記憶制御部263を介して不揮発性メモリ231へ送信され、その命令を受け、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップの開始、又は終了動作が行なわれる。
【選択図】 図3
【解決手段】ドライブレコーダ2に設けられる運転状況データ収集部22に、車両1の振動状況を検出する車両振動状況検出部221を設け、車両1の振動のデータを検出する。この検出されたデータは、車両振動データ制御部266を介して、車両振動状況判定部267に送信される。車両振動状況判定部267で、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップを開始又は終了の判定を行なう。バックアップ開始命令又は終了命令が記憶制御部263を介して不揮発性メモリ231へ送信され、その命令を受け、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップの開始、又は終了動作が行なわれる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用電子機器に関わり、特にドライブレコーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の交通事故が多発している。事故当事者の記憶や推測を主導で交通事故の原因解明が行なわれるために、真の事故原因が特定されない場合が多かった。そこで、運行データ等を保存する目的で航空機に搭載されているフライトレコーダと同等の役割を果たす車載電子機器として、ドライブレコーダが開発された。従来のドライブレコーダは、異常データ等を保存及び再生し、事故等の異常事態の通報が可能なドライブレコーダシステムが提案されていた。(例えば特許文献1参考。)
【0003】
【特許文献1】
特開2001−61129号公報(第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記ドライブレコーダは異常データを保存及び再生するが、バックアップ機能が装備されていない。しかし、ドライブレコーダを用いて収集されるデータは、事故をはじめとする異常状態の原因解明を行なうために必要なデータであるのでバックアップを行なうほうが好ましい。以上の問題を鑑み、本発明の目的は、収集された走行データを確実にバックアップするドライブレコーダ装置及びドライブレコード方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る車載用電子機器は、車両の運転状況に関するデータを保存する第1の記憶部と、第1の記憶部に保存されたデータを保存する第2の記憶部と、所定のタイミングで第1の記憶部に保存されたデータの第2の記憶部への保存処理を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【0006】
また、請求項15に係るドライブデータ記録方法は、車両の運転状況に関するデータを保存するドライブデータ記録方法において、第1の記憶部にデータを保存し、第1の記憶部に保存されたデータを所定のタイミングで第2の記憶部へ保存処理することを特徴とする。
【0007】
このような構成により、収集された走行状況に関するデータを確実にバックアップすることで、このバックアップされたデータを事故原因解明等に有効活用することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は本発明に係るドライブレコーダ装置を使用するシステムを示す図である。
【0010】
車両1にはドライブレコーダ装置(以下、ドライブレコーダと称す。)2が設けられる。このドライブレコーダ2は、無線通信手段等を使用したインターネット3等との接続を介して管理局4と通信する機能を有している。
【0011】
車両1を運転するドライバは、走行時又は停止時等に、車両1の運転状況に関するデータを管理局4に送信することが可能である。車両1の運転状況に関するデータとは、例えばエンジン状態、運転速度、路面状況、車内ドライバ状況に関する映像又は車内の乗客の音声等といったデータである。管理局4は、車両1からインターネット3等を介して送信された運転状況に関するデータを受信して、車両1の運転状況を把握することが可能である。
【0012】
図2はドライブレコーダ装置のシステムブロック図である。
【0013】
ドライブレコーダ2は、ドライブレコーダ装置全体を制御する制御部26を中心に構成される。制御部26には、操作部21、運転状況データ収集部22、記憶部23、表示部24及び通信部25が接続される。
【0014】
操作部21は、ドライバがドライブレコーダ2の電源オンオフ等の操作を行なう際に使用する。運転状況データ収集部22は、車両1の運転状況に関するデータを収集する。記憶部23は、運転状況データ収集部22で収集されたデータの保存等を行う。表示部24は、運転状況データ収集部22で収集された運転状況に関するデータ又は記憶部23に保存されている運転状況に関するデータ等に基いて運転状況等を表示する。通信部25は、インターネット3等を介して外部の管理局4等と通信する際に使用される。
【0015】
制御部26は、操作制御部261、運転状況データ収集制御部262、記憶制御部263、表示制御部264及び通信制御部265を具備する。
【0016】
操作制御部261は、操作部21の操作により運転状況データ収集制御部262、記憶制御部263、表示制御部264及び通信制御部265にドライバの指定した操作命令を送信するといった、操作に関する制御を行なう。
【0017】
運転状況データ収集制御部262は、操作制御部261等から運転状況データ収集操作命令を受信し、運転状況データ収集部22に運転状況データ収集命令を送信する、又は運転状況データ収集部22で収集された車両1の運転状況に関するデータを記憶制御部263、表示制御部264及び通信制御部265等に送信するといった、運転状況に関するデータ収集等の制御を行なう。
【0018】
記憶制御部263は、運転状況データ収集部22で収集された車両1の運転状況に関するデータを記憶部23へ保存する、又は記憶部23に保存されている運転状況に関するデータを他のシステムブロックに送信等を行なうといった、保存されるデータに関する制御を行なう。
【0019】
表示制御部264は、運転状況データ収集部22で収集されたデータ又は記憶部23に保存されている運転状況に関するデータ等に基いて、表示部24に運転状況に関するデータ等を表示する命令を出すといった、表示に関する制御を行なう。
【0020】
通信制御部265は、車両1の運転状況データ収集部22で収集されたデータ又は記憶部23に保存されている運転状況に関するデータを外部に送信する、又は外部の管理局4等から車両1に送信されるデータを車内のドライバに通知するといった、通信に関する制御を行なう。
【0021】
図3は収集データの保存システム及び通信システムを表すシステムブロック図である。
【0022】
運転状況データ収集部22には、車両1の振動状況を検出する車両振動状況検出部221が設けられる。車両振動状況検出部221は車体の前後方向、左右方向及び上下方向の振動に関するデータを検出する。検出された車両振動データは、制御部26内の運転状況データ制御部262に設けられる車両振動データ制御部266及び制御部26に設けられる記憶制御部263を介して、記憶部23に設けられる第1の記憶部である不揮発性メモリ231に保存される。
【0023】
車両振動状況検出部221で検出された車両振動データは、車両振動データ制御部266を介して、車両振動状況判定部267に送信される。車両振動状況判定部267において、車両振動データを基いて、不揮発性メモリ231から第2の記憶部として設けられる大容量記憶媒体232への保存、つまりバックアップの開始、又は終了の判定を行なう。第1の記憶部には、常時、運転状況データが保存され、第2の記憶部には、バックアップ時に、第1の記憶部に保存された運転状況データが保存される。そこで、第2の記憶部に第1の記憶部に保存されたデータをバックアップする速度と比較して、第1の記憶部に運転状況データを保存する速度が速いほうが好ましい。
【0024】
この判定結果は、記憶制御部263を介して、不揮発性メモリ231へバックアップ開始命令又は終了命令として送信される。バックアップ開始命令又は終了命令を受信後、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップの開始、又は終了動作が行なわれる。
【0025】
運転状況データ収集部22には、事故の状態を解析するために必要となるデータを検出する事故状態検出部222が設けられる。事故の状態を解析するために必要なデータは、例えば、エンジン状態、運転速度、対向車間距離、路面状況、車体状況、車内外状況写真、車内外状況音声及び車内外温度等である。
【0026】
事故の状態に関して検出されたデータは、制御部26の運転状況データ制御部262に設けられる車両振動データ制御部266及び制御部26に設けられる記憶制御部263を介して、記憶部23に設けられる不揮発性メモリ231に保存される。
【0027】
事故状態検出部222で検出されたデータは、運転状況データ制御部262に設けられる事故状態判定部269に送信される。事故状態判定部269に送信された事故状態データに基いて、大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータを管理局4へ送信するか否かを判定する。
【0028】
この判定は、以下に説明する方法で行なわれる。事故状態検出部222で検出される各事故状態データを総合して、その総合したデータに基いた所定値を閾値として設ける。総合した事故状態データが閾値を超えた場合、バックアップされている運転状況に関するデータを管理局4へ送信すると判定する。
【0029】
大容量記憶媒体232にバックアップされた運転状況に関するデータを管理局4に送信する判定を行なったならば、その判定結果が記憶制御部263に送信される。
【0030】
記憶制御部263は、大容量記憶媒体232にバックアップデータの管理局4への送信命令を送信する。バックアップデータは、管理局4への送信命令を受信した大容量記憶媒体232から記憶制御部263及び通信制御部265を介し、通信部25を経て管理局4へ送信される。
【0031】
事故状態データの解析結果に基いて、運転状況に関するバックアップデータを管理局4へ自動的に送信する方法は、ドライバが重傷を負い、バックアップデータを自ら管理局4へ送信することが不可能な場合等に有効である。
【0032】
上述において、大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータを自動的に管理局4に送信する方法を示した。次に、大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータの中で、どの運転状況に関するデータを管理局4へ送信するかをドライバが選択し、その選択された運転状況に関するデータを管理局4へ送信する方法を以下に説明する。
【0033】
事故状態判定部269で判定した、大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータを管理局4へ送信するか否かの結果は、記憶制御部263に送信、及び同時に表示制御部264を介して表示部24に表示される。
【0034】
ドライバは、表示部24に表示される「バックアップされている運動状況に関するデータを管理局へ送信するか?」「バックアップデータを管理局へ送信するならば、どのバックアップデータを送信するか?」という内容のメッセージを確認する。
【0035】
ドライバが、もし大容量記憶媒体232に保存されている運転状況に関するデータを管理局4へ送信したいのならば、ドライバは操作部21を操作することで、操作制御部261を介し、記憶制御部263に送信済みである事故判定結果に基いて、記憶制御部263から大容量記憶媒体232へ、ドライバの選択したバックアップデータの管理局4への送信開始命令を送信させる。そして、ドライバの選択したバックアップデータは大容量記憶媒体232から記憶制御部263及び通信制御部265を介し、通信部25を経て管理局4へ送信される。
【0036】
以上説明した、ドライバがバックアップデータを選択して、管理局4へ送信する方法は、例えばドライバが車両1のエンジンの音が異常である、と察し、エンジンの状況に関するバックアップデータを管理局4に送信して、そのデータを解析してもらい、異常の原因を早期に解明することが可能となる、といったメリットがある。
【0037】
バックアップデータを管理局4へ送信する際、記憶制御部263及び表示制御部264を介し、表示部24に、大容量記憶媒体232に保存された運転状況に関するバックアップデータのうち、どのデータがどのような状況で管理局4に送信されているかを表示することが可能である。
【0038】
管理局4に送信中のバックアップデータの送信状況が表示部24に表示されることで、ドライバはバックアップデータの送信終了か否かを確認することが可能である。
【0039】
大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータのみならず、不揮発性メモリ231上の最新の運転状況に関するデータを管理局4へ送信することが可能である。
【0040】
ドライバが操作部21を操作することで、操作制御部261及び記憶制御部263を介し、不揮発性メモリ231に対し、不揮発性メモリ231に保存されている運転状況に関するデータの外部送信開始命令を送信させる。その後、不揮発性メモリ231に保存されている運転状況に関するデータは記憶制御部263及び通信制御部265を介し、通信部25を経て管理局4に送信される。
【0041】
不揮発性メモリ231に保存された運転状況に関するデータは大容量記憶媒体232にバックアップされているデータと比較して、最新の運転状況に関するデータである。
【0042】
この最新の運転状況に関するデータが管理局4へ送信されることで、事故発生直前の運転状況を管理局4に連絡することが可能となる。
【0043】
図4は、走行時におけるバックアップ開始時刻又は停止時刻の決定方法の一例を表すグラフである。
【0044】
図4に示すグラフは縦軸に振動の大きさG1、横軸に時間G2を設定される。ある一定の振動の大きさG1を閾値G3として設定する。
【0045】
閾値G3以上の値をとる時間帯は、車両1の振動が大きく、バックアップを行なうことが不可能な時間帯であると定める。一方、閾値G3未満の値をとる時間帯は、車両1の振動が小さく、少なくともバックアップを行なうことが可能な時間帯であると定める。
【0046】
閾値G3以上の値から閾値G3未満の値に変化した時刻G4、つまりバックアップを行なうことが可能な時間帯に突入した時刻から、予め設定される一定時間G5が経過した時刻G6を、バックアップ開始命令が出される時刻とする。この一定時間G5は、次のような理由で設ける。
【0047】
もし、バックアップを行なうことが可能な時間帯に突入した時刻G4からバックアップを開始した場合、その後、即座にバックアップを行なうことが不可能な時間帯に突入し、バックアップの時間を十分に確保できない事態が起こりうる。
【0048】
そこで、バックアップを行なうことが可能な時間帯に突入した時刻G4から予め設定した一定時間G5を経過した後において、なおもバックアップ可能な時間帯であるならば、バックアップの時間を十分に確保できるとみなして、バックアップを開始するためである。
【0049】
閾値G3未満の値から閾値G3以上の値に変化した時刻、つまりバックアップを行なうことが不可能な時間帯に突入した時刻G7をバックアップ停止命令が出される時刻とする。
【0050】
尚、図4を用いて説明した、走行時における不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へのバックアップ方法のみならず、走行時以外の一時停止時でもバックアップすることが可能である。例えば、信号停止時、渋滞時などである。
【0051】
上述したバックアップ方法は、車両振動データに基いて、車両振動状況判定部267で車両振動を判定し、自動的に不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップする方法を示した。
【0052】
しかし、例えば駐車時をはじめとする停止時において、ドライブレコーダ2の電源をオン状態にして、ドライバが操作部21を操作することで、不揮発性メモリ231に保存されている車両1の運転状況に関するデータを大容量記憶媒体232へバックアップすることも可能である。操作部21を操作して、操作制御部261及び記憶制御部263を介し、不揮発性メモリ231にバックアップ命令を出せばよい。
【0053】
ドライバの操作により不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップを開始することが可能であることで、例えば駐車時といったバックアップを行なうのに十分な時間が確保できる静止時に、安全にかつ確実にバックアップが可能となる。
【0054】
また、不揮発性メモリ231の最大記憶容量を基いて所定値を設け、不揮発性メモリ231に保存される車両1の運転状況に関するデータがその所定値を超えた時、ドライバに運転状況を警告することが可能である。
【0055】
記憶制御部263は、不揮発性メモリ231に保存される車両1の運転状況に関するデータ量を監視する。不揮発性メモリ231に保存される運転状況に関するデータ量が所定値に近づいた時、表示制御部264を介し表示部24に、「不揮発性メモリに運転状況に関するデータをこれ以上書き込めません。」「バックアップ可能な運転状態に移行して下さい。」といった警告メッセージをドライバに対して表示させる。
【0056】
その後、不揮発性メモリ231に保存される運転状況に関するデータ量が所定値を越えたならば、記憶制御部263での制御により、運転状況に関するデータの不揮発性メモリ231への保存は停止される。
【0057】
バックアップ可能な運転状態に移行し、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップが行なわれ、不揮発性メモリ231に運転状況に関するデータを保存する余裕が生じたら、運転状況に関するデータの不揮発性メモリ231への保存が開始される。
【0058】
この表示部4に表示される警告に従って、ドライバは運転状態を確認することが可能となる。
【0059】
図5はハードディスクドライブ(以下、HDDと称する。)のハードディスクにおける記録する領域の一例を示した図である。
【0060】
大容量記憶媒体232を装備する装置として、磁気ディスク52を装備したHDD5が考えられる。スピンドルモータ51で磁気ディスク52を回転させ、磁気ヘッド55より磁気ディスク52上に設けられたトラック53と呼ばれる記憶領域の複数の物理レコード54から情報を読み出したり書き込んだりする。
【0061】
磁気ディスク52上の最外トラック56へのデータの書き込みは、スピンドルモータ51に近いトラック57へのデータの書き込みと比較して、安全に書き込むことが可能である。そこで、不揮発性メモリ231からバックアップするデータは、磁気ディスク52上のなるべく最外のトラック56の物理レコード54へ書き込むとする。
【0062】
尚、磁気ディスク52の他の大容量記憶媒体232として、光ディスクであるDVD(Digital Versatile Disk)が考えられる。
【0063】
DVDは、ハードディスクと比較すると、さらに記憶容量の大きい記憶媒体であるので、多量の画像データや音声データを保存することが可能である。
【0064】
図6は運転開始時から運転終了時におけるドライブレコーダの機能開始から終了までを説明したフローチャートである。
【0065】
運転開始後、ドライバが操作部21を操作することで、車両1の運転状況データ収集部22で運転状況に関するデータ収集が開始される(S1)。収集された運動状況データは不揮発性メモリ231に保存される(S2)。
【0066】
事故振動状況判定部267において、不揮発性メモリ231に保存された運転状況に関するデータを大容量記憶媒体232へバックアップ開始又は終了の判定を行なう(S3)。バックアップ開始と判定された場合(S3 yes)、事故振動状況判定部267から不揮発性メモリ231へバックアップ開始命令G6が送信され、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へ運転状況に関するデータのバックアップが開始される(S4)。事故振動状況判定部267において、バックアップ開始の判定が行なわれない場合(S3 no)、バックアップ可能な走行状態へ移行するまで、運転状況データ収集部22で収集された運転状況に関するデータは不揮発性メモリ231へ保存され続ける。
【0067】
不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へのバックアップの最中に、事故振動状況判定部267においてバックアップ不可能な走行状態と判定された場合、事故振動状況判定部267から不揮発性メモリ231へバックアップ停止命令G7が送信され、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へのバックアップは停止する(S5 yes)。
【0068】
事故振動状況判定部267において、バックアップを停止判定が行なわれない場合(S5 no)、バックアップ不可能な走行状況へ移行するまで、又は不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へのバックアップが完了するまで、バックアップが続けられる。
【0069】
ドライバが交通事故を発生させずに運転を終了させた場合(S6 yes)、運転終了後、ドライブレコーダ2の電源をオフする。
【0070】
運転を終了せず(S6 no)、ドライバが交通事故を発生させなかった場合(S7 no)、不揮発性メモリ231に運転状況に関するデータを保存し、大容量記憶媒体232へバックアップを行なう動作が引き続いて行なわれる。
【0071】
しかし運転を終了せず(S6 no)交通事故を発生させた場合(S7 yes)、事故状態判定部269において運転状況に関するデータの管理局4へ送信するか否かを判定し、管理局4へデータを送信するならば、事故状態判定部269から大容量記憶媒体232へ管理局4へのデータ送信命令を送信する。
【0072】
その後、大容量記憶媒体232から通信部25を介して、データが管理局4へ送信される(S8)。そして、ドライブレコーダ2の機能は終了となる。
【0073】
本発明ではその主旨を逸脱しない範囲であれば、上記の実施形態に限定されるものではない。そして、本発明に係る装置を車両に搭載するのみならず、他の移動体に搭載する等、広く適用できるものである。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述した発明によれば、収集された走行状況に関するデータを確実にバックアップすることで、バックアップされたデータを事故原因解明等に有効活用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドライブレコーダ装置を使用するシステムを示す図。
【図2】ドライブレコーダ装置のシステムブロック図。
【図3】収集データの保存システム並びに通信システムを表すシステムブロック図。
【図4】走行時におけるバックアップ開始又は停止時刻の決定方法の一例を表すグラフ。
【図5】ハードディスクドライブのハードディスクにおける記録する領域の一例を示した図。
【図6】運転開始時から運転終了時におけるドライブレコーダの機能開始から終了までを説明したフローチャート。
【符号の説明】
1…車両、2…ドライブレコーダ、3…インターネット、4…管理局、
5…HDD、
21…操作部、22…車両の運転状況に関するデータ収集部、23…記憶部、
24…表示部、25…通信部、26…制御部、
51…スピンドルモータ、52…磁気ディスク、53…トラック、
54…物理レコード、55…磁気ヘッド、
56…最外トラック、57…スピンドルモータに近いトラック、
221…車両振動検出部、222…事故状態検出部、
231…不揮発性メモリ、232…大容量記憶媒体、
261…操作制御部、262…車両の運転状況に関するデータ制御部、
263…記録制御部、264…表示制御部、265…通信制御部、
266…車両振動データ制御部、267…車両振動判定部、
268…事故状態データ制御部、269…事故状態判定部、
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用電子機器に関わり、特にドライブレコーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の交通事故が多発している。事故当事者の記憶や推測を主導で交通事故の原因解明が行なわれるために、真の事故原因が特定されない場合が多かった。そこで、運行データ等を保存する目的で航空機に搭載されているフライトレコーダと同等の役割を果たす車載電子機器として、ドライブレコーダが開発された。従来のドライブレコーダは、異常データ等を保存及び再生し、事故等の異常事態の通報が可能なドライブレコーダシステムが提案されていた。(例えば特許文献1参考。)
【0003】
【特許文献1】
特開2001−61129号公報(第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記ドライブレコーダは異常データを保存及び再生するが、バックアップ機能が装備されていない。しかし、ドライブレコーダを用いて収集されるデータは、事故をはじめとする異常状態の原因解明を行なうために必要なデータであるのでバックアップを行なうほうが好ましい。以上の問題を鑑み、本発明の目的は、収集された走行データを確実にバックアップするドライブレコーダ装置及びドライブレコード方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る車載用電子機器は、車両の運転状況に関するデータを保存する第1の記憶部と、第1の記憶部に保存されたデータを保存する第2の記憶部と、所定のタイミングで第1の記憶部に保存されたデータの第2の記憶部への保存処理を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【0006】
また、請求項15に係るドライブデータ記録方法は、車両の運転状況に関するデータを保存するドライブデータ記録方法において、第1の記憶部にデータを保存し、第1の記憶部に保存されたデータを所定のタイミングで第2の記憶部へ保存処理することを特徴とする。
【0007】
このような構成により、収集された走行状況に関するデータを確実にバックアップすることで、このバックアップされたデータを事故原因解明等に有効活用することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は本発明に係るドライブレコーダ装置を使用するシステムを示す図である。
【0010】
車両1にはドライブレコーダ装置(以下、ドライブレコーダと称す。)2が設けられる。このドライブレコーダ2は、無線通信手段等を使用したインターネット3等との接続を介して管理局4と通信する機能を有している。
【0011】
車両1を運転するドライバは、走行時又は停止時等に、車両1の運転状況に関するデータを管理局4に送信することが可能である。車両1の運転状況に関するデータとは、例えばエンジン状態、運転速度、路面状況、車内ドライバ状況に関する映像又は車内の乗客の音声等といったデータである。管理局4は、車両1からインターネット3等を介して送信された運転状況に関するデータを受信して、車両1の運転状況を把握することが可能である。
【0012】
図2はドライブレコーダ装置のシステムブロック図である。
【0013】
ドライブレコーダ2は、ドライブレコーダ装置全体を制御する制御部26を中心に構成される。制御部26には、操作部21、運転状況データ収集部22、記憶部23、表示部24及び通信部25が接続される。
【0014】
操作部21は、ドライバがドライブレコーダ2の電源オンオフ等の操作を行なう際に使用する。運転状況データ収集部22は、車両1の運転状況に関するデータを収集する。記憶部23は、運転状況データ収集部22で収集されたデータの保存等を行う。表示部24は、運転状況データ収集部22で収集された運転状況に関するデータ又は記憶部23に保存されている運転状況に関するデータ等に基いて運転状況等を表示する。通信部25は、インターネット3等を介して外部の管理局4等と通信する際に使用される。
【0015】
制御部26は、操作制御部261、運転状況データ収集制御部262、記憶制御部263、表示制御部264及び通信制御部265を具備する。
【0016】
操作制御部261は、操作部21の操作により運転状況データ収集制御部262、記憶制御部263、表示制御部264及び通信制御部265にドライバの指定した操作命令を送信するといった、操作に関する制御を行なう。
【0017】
運転状況データ収集制御部262は、操作制御部261等から運転状況データ収集操作命令を受信し、運転状況データ収集部22に運転状況データ収集命令を送信する、又は運転状況データ収集部22で収集された車両1の運転状況に関するデータを記憶制御部263、表示制御部264及び通信制御部265等に送信するといった、運転状況に関するデータ収集等の制御を行なう。
【0018】
記憶制御部263は、運転状況データ収集部22で収集された車両1の運転状況に関するデータを記憶部23へ保存する、又は記憶部23に保存されている運転状況に関するデータを他のシステムブロックに送信等を行なうといった、保存されるデータに関する制御を行なう。
【0019】
表示制御部264は、運転状況データ収集部22で収集されたデータ又は記憶部23に保存されている運転状況に関するデータ等に基いて、表示部24に運転状況に関するデータ等を表示する命令を出すといった、表示に関する制御を行なう。
【0020】
通信制御部265は、車両1の運転状況データ収集部22で収集されたデータ又は記憶部23に保存されている運転状況に関するデータを外部に送信する、又は外部の管理局4等から車両1に送信されるデータを車内のドライバに通知するといった、通信に関する制御を行なう。
【0021】
図3は収集データの保存システム及び通信システムを表すシステムブロック図である。
【0022】
運転状況データ収集部22には、車両1の振動状況を検出する車両振動状況検出部221が設けられる。車両振動状況検出部221は車体の前後方向、左右方向及び上下方向の振動に関するデータを検出する。検出された車両振動データは、制御部26内の運転状況データ制御部262に設けられる車両振動データ制御部266及び制御部26に設けられる記憶制御部263を介して、記憶部23に設けられる第1の記憶部である不揮発性メモリ231に保存される。
【0023】
車両振動状況検出部221で検出された車両振動データは、車両振動データ制御部266を介して、車両振動状況判定部267に送信される。車両振動状況判定部267において、車両振動データを基いて、不揮発性メモリ231から第2の記憶部として設けられる大容量記憶媒体232への保存、つまりバックアップの開始、又は終了の判定を行なう。第1の記憶部には、常時、運転状況データが保存され、第2の記憶部には、バックアップ時に、第1の記憶部に保存された運転状況データが保存される。そこで、第2の記憶部に第1の記憶部に保存されたデータをバックアップする速度と比較して、第1の記憶部に運転状況データを保存する速度が速いほうが好ましい。
【0024】
この判定結果は、記憶制御部263を介して、不揮発性メモリ231へバックアップ開始命令又は終了命令として送信される。バックアップ開始命令又は終了命令を受信後、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップの開始、又は終了動作が行なわれる。
【0025】
運転状況データ収集部22には、事故の状態を解析するために必要となるデータを検出する事故状態検出部222が設けられる。事故の状態を解析するために必要なデータは、例えば、エンジン状態、運転速度、対向車間距離、路面状況、車体状況、車内外状況写真、車内外状況音声及び車内外温度等である。
【0026】
事故の状態に関して検出されたデータは、制御部26の運転状況データ制御部262に設けられる車両振動データ制御部266及び制御部26に設けられる記憶制御部263を介して、記憶部23に設けられる不揮発性メモリ231に保存される。
【0027】
事故状態検出部222で検出されたデータは、運転状況データ制御部262に設けられる事故状態判定部269に送信される。事故状態判定部269に送信された事故状態データに基いて、大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータを管理局4へ送信するか否かを判定する。
【0028】
この判定は、以下に説明する方法で行なわれる。事故状態検出部222で検出される各事故状態データを総合して、その総合したデータに基いた所定値を閾値として設ける。総合した事故状態データが閾値を超えた場合、バックアップされている運転状況に関するデータを管理局4へ送信すると判定する。
【0029】
大容量記憶媒体232にバックアップされた運転状況に関するデータを管理局4に送信する判定を行なったならば、その判定結果が記憶制御部263に送信される。
【0030】
記憶制御部263は、大容量記憶媒体232にバックアップデータの管理局4への送信命令を送信する。バックアップデータは、管理局4への送信命令を受信した大容量記憶媒体232から記憶制御部263及び通信制御部265を介し、通信部25を経て管理局4へ送信される。
【0031】
事故状態データの解析結果に基いて、運転状況に関するバックアップデータを管理局4へ自動的に送信する方法は、ドライバが重傷を負い、バックアップデータを自ら管理局4へ送信することが不可能な場合等に有効である。
【0032】
上述において、大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータを自動的に管理局4に送信する方法を示した。次に、大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータの中で、どの運転状況に関するデータを管理局4へ送信するかをドライバが選択し、その選択された運転状況に関するデータを管理局4へ送信する方法を以下に説明する。
【0033】
事故状態判定部269で判定した、大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータを管理局4へ送信するか否かの結果は、記憶制御部263に送信、及び同時に表示制御部264を介して表示部24に表示される。
【0034】
ドライバは、表示部24に表示される「バックアップされている運動状況に関するデータを管理局へ送信するか?」「バックアップデータを管理局へ送信するならば、どのバックアップデータを送信するか?」という内容のメッセージを確認する。
【0035】
ドライバが、もし大容量記憶媒体232に保存されている運転状況に関するデータを管理局4へ送信したいのならば、ドライバは操作部21を操作することで、操作制御部261を介し、記憶制御部263に送信済みである事故判定結果に基いて、記憶制御部263から大容量記憶媒体232へ、ドライバの選択したバックアップデータの管理局4への送信開始命令を送信させる。そして、ドライバの選択したバックアップデータは大容量記憶媒体232から記憶制御部263及び通信制御部265を介し、通信部25を経て管理局4へ送信される。
【0036】
以上説明した、ドライバがバックアップデータを選択して、管理局4へ送信する方法は、例えばドライバが車両1のエンジンの音が異常である、と察し、エンジンの状況に関するバックアップデータを管理局4に送信して、そのデータを解析してもらい、異常の原因を早期に解明することが可能となる、といったメリットがある。
【0037】
バックアップデータを管理局4へ送信する際、記憶制御部263及び表示制御部264を介し、表示部24に、大容量記憶媒体232に保存された運転状況に関するバックアップデータのうち、どのデータがどのような状況で管理局4に送信されているかを表示することが可能である。
【0038】
管理局4に送信中のバックアップデータの送信状況が表示部24に表示されることで、ドライバはバックアップデータの送信終了か否かを確認することが可能である。
【0039】
大容量記憶媒体232にバックアップされている運転状況に関するデータのみならず、不揮発性メモリ231上の最新の運転状況に関するデータを管理局4へ送信することが可能である。
【0040】
ドライバが操作部21を操作することで、操作制御部261及び記憶制御部263を介し、不揮発性メモリ231に対し、不揮発性メモリ231に保存されている運転状況に関するデータの外部送信開始命令を送信させる。その後、不揮発性メモリ231に保存されている運転状況に関するデータは記憶制御部263及び通信制御部265を介し、通信部25を経て管理局4に送信される。
【0041】
不揮発性メモリ231に保存された運転状況に関するデータは大容量記憶媒体232にバックアップされているデータと比較して、最新の運転状況に関するデータである。
【0042】
この最新の運転状況に関するデータが管理局4へ送信されることで、事故発生直前の運転状況を管理局4に連絡することが可能となる。
【0043】
図4は、走行時におけるバックアップ開始時刻又は停止時刻の決定方法の一例を表すグラフである。
【0044】
図4に示すグラフは縦軸に振動の大きさG1、横軸に時間G2を設定される。ある一定の振動の大きさG1を閾値G3として設定する。
【0045】
閾値G3以上の値をとる時間帯は、車両1の振動が大きく、バックアップを行なうことが不可能な時間帯であると定める。一方、閾値G3未満の値をとる時間帯は、車両1の振動が小さく、少なくともバックアップを行なうことが可能な時間帯であると定める。
【0046】
閾値G3以上の値から閾値G3未満の値に変化した時刻G4、つまりバックアップを行なうことが可能な時間帯に突入した時刻から、予め設定される一定時間G5が経過した時刻G6を、バックアップ開始命令が出される時刻とする。この一定時間G5は、次のような理由で設ける。
【0047】
もし、バックアップを行なうことが可能な時間帯に突入した時刻G4からバックアップを開始した場合、その後、即座にバックアップを行なうことが不可能な時間帯に突入し、バックアップの時間を十分に確保できない事態が起こりうる。
【0048】
そこで、バックアップを行なうことが可能な時間帯に突入した時刻G4から予め設定した一定時間G5を経過した後において、なおもバックアップ可能な時間帯であるならば、バックアップの時間を十分に確保できるとみなして、バックアップを開始するためである。
【0049】
閾値G3未満の値から閾値G3以上の値に変化した時刻、つまりバックアップを行なうことが不可能な時間帯に突入した時刻G7をバックアップ停止命令が出される時刻とする。
【0050】
尚、図4を用いて説明した、走行時における不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へのバックアップ方法のみならず、走行時以外の一時停止時でもバックアップすることが可能である。例えば、信号停止時、渋滞時などである。
【0051】
上述したバックアップ方法は、車両振動データに基いて、車両振動状況判定部267で車両振動を判定し、自動的に不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップする方法を示した。
【0052】
しかし、例えば駐車時をはじめとする停止時において、ドライブレコーダ2の電源をオン状態にして、ドライバが操作部21を操作することで、不揮発性メモリ231に保存されている車両1の運転状況に関するデータを大容量記憶媒体232へバックアップすることも可能である。操作部21を操作して、操作制御部261及び記憶制御部263を介し、不揮発性メモリ231にバックアップ命令を出せばよい。
【0053】
ドライバの操作により不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップを開始することが可能であることで、例えば駐車時といったバックアップを行なうのに十分な時間が確保できる静止時に、安全にかつ確実にバックアップが可能となる。
【0054】
また、不揮発性メモリ231の最大記憶容量を基いて所定値を設け、不揮発性メモリ231に保存される車両1の運転状況に関するデータがその所定値を超えた時、ドライバに運転状況を警告することが可能である。
【0055】
記憶制御部263は、不揮発性メモリ231に保存される車両1の運転状況に関するデータ量を監視する。不揮発性メモリ231に保存される運転状況に関するデータ量が所定値に近づいた時、表示制御部264を介し表示部24に、「不揮発性メモリに運転状況に関するデータをこれ以上書き込めません。」「バックアップ可能な運転状態に移行して下さい。」といった警告メッセージをドライバに対して表示させる。
【0056】
その後、不揮発性メモリ231に保存される運転状況に関するデータ量が所定値を越えたならば、記憶制御部263での制御により、運転状況に関するデータの不揮発性メモリ231への保存は停止される。
【0057】
バックアップ可能な運転状態に移行し、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へバックアップが行なわれ、不揮発性メモリ231に運転状況に関するデータを保存する余裕が生じたら、運転状況に関するデータの不揮発性メモリ231への保存が開始される。
【0058】
この表示部4に表示される警告に従って、ドライバは運転状態を確認することが可能となる。
【0059】
図5はハードディスクドライブ(以下、HDDと称する。)のハードディスクにおける記録する領域の一例を示した図である。
【0060】
大容量記憶媒体232を装備する装置として、磁気ディスク52を装備したHDD5が考えられる。スピンドルモータ51で磁気ディスク52を回転させ、磁気ヘッド55より磁気ディスク52上に設けられたトラック53と呼ばれる記憶領域の複数の物理レコード54から情報を読み出したり書き込んだりする。
【0061】
磁気ディスク52上の最外トラック56へのデータの書き込みは、スピンドルモータ51に近いトラック57へのデータの書き込みと比較して、安全に書き込むことが可能である。そこで、不揮発性メモリ231からバックアップするデータは、磁気ディスク52上のなるべく最外のトラック56の物理レコード54へ書き込むとする。
【0062】
尚、磁気ディスク52の他の大容量記憶媒体232として、光ディスクであるDVD(Digital Versatile Disk)が考えられる。
【0063】
DVDは、ハードディスクと比較すると、さらに記憶容量の大きい記憶媒体であるので、多量の画像データや音声データを保存することが可能である。
【0064】
図6は運転開始時から運転終了時におけるドライブレコーダの機能開始から終了までを説明したフローチャートである。
【0065】
運転開始後、ドライバが操作部21を操作することで、車両1の運転状況データ収集部22で運転状況に関するデータ収集が開始される(S1)。収集された運動状況データは不揮発性メモリ231に保存される(S2)。
【0066】
事故振動状況判定部267において、不揮発性メモリ231に保存された運転状況に関するデータを大容量記憶媒体232へバックアップ開始又は終了の判定を行なう(S3)。バックアップ開始と判定された場合(S3 yes)、事故振動状況判定部267から不揮発性メモリ231へバックアップ開始命令G6が送信され、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へ運転状況に関するデータのバックアップが開始される(S4)。事故振動状況判定部267において、バックアップ開始の判定が行なわれない場合(S3 no)、バックアップ可能な走行状態へ移行するまで、運転状況データ収集部22で収集された運転状況に関するデータは不揮発性メモリ231へ保存され続ける。
【0067】
不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へのバックアップの最中に、事故振動状況判定部267においてバックアップ不可能な走行状態と判定された場合、事故振動状況判定部267から不揮発性メモリ231へバックアップ停止命令G7が送信され、不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へのバックアップは停止する(S5 yes)。
【0068】
事故振動状況判定部267において、バックアップを停止判定が行なわれない場合(S5 no)、バックアップ不可能な走行状況へ移行するまで、又は不揮発性メモリ231から大容量記憶媒体232へのバックアップが完了するまで、バックアップが続けられる。
【0069】
ドライバが交通事故を発生させずに運転を終了させた場合(S6 yes)、運転終了後、ドライブレコーダ2の電源をオフする。
【0070】
運転を終了せず(S6 no)、ドライバが交通事故を発生させなかった場合(S7 no)、不揮発性メモリ231に運転状況に関するデータを保存し、大容量記憶媒体232へバックアップを行なう動作が引き続いて行なわれる。
【0071】
しかし運転を終了せず(S6 no)交通事故を発生させた場合(S7 yes)、事故状態判定部269において運転状況に関するデータの管理局4へ送信するか否かを判定し、管理局4へデータを送信するならば、事故状態判定部269から大容量記憶媒体232へ管理局4へのデータ送信命令を送信する。
【0072】
その後、大容量記憶媒体232から通信部25を介して、データが管理局4へ送信される(S8)。そして、ドライブレコーダ2の機能は終了となる。
【0073】
本発明ではその主旨を逸脱しない範囲であれば、上記の実施形態に限定されるものではない。そして、本発明に係る装置を車両に搭載するのみならず、他の移動体に搭載する等、広く適用できるものである。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述した発明によれば、収集された走行状況に関するデータを確実にバックアップすることで、バックアップされたデータを事故原因解明等に有効活用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドライブレコーダ装置を使用するシステムを示す図。
【図2】ドライブレコーダ装置のシステムブロック図。
【図3】収集データの保存システム並びに通信システムを表すシステムブロック図。
【図4】走行時におけるバックアップ開始又は停止時刻の決定方法の一例を表すグラフ。
【図5】ハードディスクドライブのハードディスクにおける記録する領域の一例を示した図。
【図6】運転開始時から運転終了時におけるドライブレコーダの機能開始から終了までを説明したフローチャート。
【符号の説明】
1…車両、2…ドライブレコーダ、3…インターネット、4…管理局、
5…HDD、
21…操作部、22…車両の運転状況に関するデータ収集部、23…記憶部、
24…表示部、25…通信部、26…制御部、
51…スピンドルモータ、52…磁気ディスク、53…トラック、
54…物理レコード、55…磁気ヘッド、
56…最外トラック、57…スピンドルモータに近いトラック、
221…車両振動検出部、222…事故状態検出部、
231…不揮発性メモリ、232…大容量記憶媒体、
261…操作制御部、262…車両の運転状況に関するデータ制御部、
263…記録制御部、264…表示制御部、265…通信制御部、
266…車両振動データ制御部、267…車両振動判定部、
268…事故状態データ制御部、269…事故状態判定部、
Claims (16)
- 車両の運転状況に関するデータを保存する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部に保存された前記データを保存する第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に保存された前記データを所定のタイミングで前記第2の記憶部へ保存処理を行う制御部と、
を具備することを特徴とする車載用電子機器。 - 前記データは車両振動データを含み、前記車両振動データが所定の閾値未満の値へ変化したことに基いて、前記制御部は前記第1の記憶部に保存された前記データの前記第2の記憶部への保存処理を開始することを特徴とする請求項1記載の車載用電子機器。
- 前記車両振動データが前記閾値以上の値に変化したことに基いて、前記第1の記憶部に保存された前記データの前記第2の記憶部への保存処理を終了することを特徴とする請求項2記載の車載用電子機器。
- 前記第1の記憶部に保存された前記データまたは前記第2の記憶部に保存された前記データを前記車両の外部へ送信する通信部を有することを特徴とする請求項1記載の車載用電子機器。
- 前記データは事故状態データを含み、前記事故状態データが所定の閾値以上の値へ変化したことに基いて、前記通信部は前記第2の記憶部に保存された前記データを前記車両の外部へ送信することを特徴とする請求項4記載の車載用電子機器。
- 前記データは事故状態データを含み、前記事故状態データが所定の閾値以上の値へ変化したことに基いて、前記第1の記憶部に保存された前記データ又は前記第2の記憶部に保存された前記データを前記車両の外部に送信するか否かを表示する表示部を有することを特徴とする請求項4記載の車載用電子機器。
- 前記制御部は前記データの前記第1の記憶部への保存を所定のタイミングで一時停止することを特徴とする請求項1記載の車載用電子機器。
- 前記第1の記憶部に保存された前記データの量が所定値を超えたことに基いて、前記制御部が前記データの前記第1の記憶部への保存を一時停止することを特徴とする請求項7記載の車載用電子機器。
- 前記第1の記憶部に保存された前記データを前記第2の記憶部へ保存処理を開始させる動作命令と、前記第1の記憶部に保存された前記データ又は前記第2の記憶部に保存された前記データの前記車両の外部への送信命令と、のうち少なくとも何れかの命令を出す操作部を有することを特徴とする請求項1記載の車載用電子機器。
- 前記第1の記憶部に保存された前記データの前記第2の記憶部への保存状況と、前記第1の記憶部に保存された前記データ又は前記第2の記憶部に保存された前記データの前記車両の外部への送信状況と、前記第1の記憶部に保存された前記データの量の状況と、のうち少なくとも何れかを表示する表示部を有することを特徴とする請求項1記載の車載用電子機器。
- 前記第1の記憶部は不揮発性メモリであり、前記第2の記憶部は磁気ディスクであることを特徴とする請求項1記載の車載用電子機器。
- 前記第1の記憶部は不揮発性メモリであり、前記第2の記憶部は光ディスクであることを特徴とする請求項1記載の車載用電子機器。
- 前記データが前記第2の記憶部に保存される速度は、前記データが前記第1の記憶部に保存される速度よりも速いことを特徴とする請求項11及び12記載の車載用電子機器。
- 前記データは前記磁気ディスクの外周に近い位置のトラックを優先して保存されることを特徴とする請求項12記載の車載用電子機器。
- 車両の運転状況に関するデータを保存するドライブデータ記録方法において、
第1の記憶部に前記データを保存し、
前記第1の記憶部に保存された前記データを所定のタイミングで第2の記憶部へ保存処理する、
ことを特徴とするドライブデータ記録方法。 - 前記第1の記憶部に保存された前記データ又は前記第2の記憶部に保存された前記データを前記車両の外部に送信することを特徴とする請求項15記載のドライブデータ記録方法。
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