JP2004138777A - 感光体ドラム、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明にかかる感光体ドラム1は、ドラム部2と、ドラム部2の内部に設置されるとともにドラム部2の外部から挿入される軸部材10と係合する軸受部5とを備える。そして、軸受部5と軸部材10との係合によって、ドラム部2の内周面2aは、軸受部5及び軸部材10を介在してドラム部2の外部に設置される導電性部材12と電気的に導通する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式の作像プロセスにおいて像担持体として用いられる感光体ドラムと、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ファクシミリ、複写機、プリンタ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、像担持体として感光体ドラムが多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
この感光体ドラムは、主として、円筒状のドラム部や、ドラム部の両端の開口に圧入接着されるフランジ部等で構成されている。
【0003】
また、感光体ドラムのドラム部は、アルミニウム材料等からなる基体上に、有機材料からなる感光層を形成したものである。この感光体ドラムは、画像形成装置に設置されて、ドラム部の中心を回転中心として、所定の方向に回転する。そして、感光層が形成されたドラム部の外周面上で、所望の作像プロセスがおこなわれる。
【0004】
ここで、感光体ドラムに形成された感光層にて、所望の作像プロセスを安定的におこなうためには、上述した感光体ドラムの基体を所定電位(例えば、アースである。)に保持する必要がある。
すなわち、感光体ドラムにおけるドラム部の内周面を、画像形成装置本体に設置される導電性部材と電気的に導通させて、その導電性部材を介して所定電位に保持する必要がある。
【0005】
図5は、従来の感光体ドラムの要部を示す断面図である。
同図に示すように、感光体ドラム1は、主として、ドラム部2、ドラム部2の端部開口に圧入接着されたフランジ部3、ドラム部2の内周面2aにねじ16にて締結された板ばね15等で構成される。
ここで、フランジ部3は、その中心に貫通穴を備えており、この貫通穴に本体側板13に固設された支軸11が係合する。こうして、感光体ドラム1の片側端部は、支軸11によって支持される。
【0006】
このとき、ドラム部2の内周面2aに設置された板ばね15は、支軸11の先端と接触する。こうして、ドラム部2の内周面2aは、板ばね15及び支軸11を介在して、感光体ドラム1の外部に設置された導電性部材としての板ばね12に電気的に接続される。
また、フランジ部3は外周部にギア3aを備えており、このギア3aが画像形成装置本体に設置された駆動ギアと係合する。そして、感光体ドラム1は、駆動ギアによって、支軸11を回転中心として回転駆動される。
【0007】
このように図5の構成による導通方法は、感光体ドラム1の外部から挿入される支軸11に対して、その先端に、内周面2aに固設された板ばね15を点接触させるものである。
これとは異なる導通方法としては、感光体ドラム1の外部から挿入される支軸に対して、その外周面に、内周面2aに当接する板ばねを接触させるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−272121号公報(第2−3頁、第1−2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の画像形成装置は、感光体ドラムの基体と画像形成装置本体との、経時における電気的導通の信頼性が低いという第1の問題があった。そして、感光体ドラム基体と画像形成装置本体との導通が不安定になると、感光体ドラム上で形成するトナー像の画像品質に大きく影響することになる。
【0010】
具体的には、上述した図5の画像形成装置の場合、板ばね15と支軸11先端とは点接触しているために、導通が安定しない。また、経時において板ばね15のばね力が低下すると、双方の接触力が低下して導通性が悪化する。
【0011】
また、上述の特許文献1に係わる画像形成装置の場合にも、板ばねが支軸の外周面に接触しているために、経時における導通の信頼性が低い。すなわち、感光体ドラムの回転により支軸に接触する板ばねが磨耗したり、経時にばね力が低下して、双方の接触力が低下して導通性が悪化する。
【0012】
また、上述した従来の画像形成装置は、大きな摩擦音が発生するという第2の問題があった。
具体的には、上述した図5の画像形成装置の場合、板ばね15と支軸11先端との接触性を確保するために、板ばね15は、ある程度大きなばね力にて支軸11先端に当接している。そのため、感光体ドラムの回転により、支軸と板ばねとの接触部で生じる摩擦音が大きくなってしまう。特に、それらの点接触の位置が、支軸11の中心位置と一致しない場合には、より大きな摩擦音が生じる。
【0013】
また、上述の特許文献1に係わる画像形成装置の場合にも、板ばねと支軸との接触性を確保するために、板ばねは、ある程度大きなばね力にて支軸の外周面に接触している。そのため、感光体ドラムの回転により、支軸と板ばねとの接触部で生じる摩擦音が大きくなってしまう。
【0014】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ドラム部の内周面と画像形成装置本体との経時における導通の信頼性が高く、回転による摩擦音が比較的小さな感光体ドラム、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明にかかる感光体ドラムは、ドラム部と、前記ドラム部の内部に設置されるとともに、前記ドラム部の外部から挿入される軸部材と係合する軸受部とを備え、前記軸受部と前記軸部材との係合によって、前記ドラム部の内周面は前記軸受部及び前記軸部材を介在して前記ドラム部の外部に設置される導電性部材と電気的に導通するものである。
【0016】
また、請求項2記載の発明にかかる感光体ドラムは、上記請求項1記載の発明において、前記軸受部は、前記ドラム部の内周面に内接するものである。
【0017】
また、請求項3記載の発明にかかる感光体ドラムは、上記請求項1記載の発明において、前記軸受部と前記ドラム部の内周面との間に弾性部材を備えたものである。
【0018】
また、請求項4記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記ドラム部の端部開口にフランジ部を備え、前記フランジ部は、前記軸部材を貫通する貫通穴を備えたものである。
【0019】
また、この発明の請求項5記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の感光体ドラムと、前記軸部材とを、備えたものである。
【0020】
また、請求項6記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、上記請求項5記載の発明において、前記軸部材は、カートリッジ内の感光体ドラムの位置を定める支軸と一体的に形成されたものである。
【0021】
また、請求項7記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、上記請求項5又は請求項6に記載の発明において、前記軸部材を、弾性部材としたものである。
【0022】
また、請求項8記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、上記請求項5〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記軸受部と前記軸部材とが係合する係合部に導電性グリースを塗布したものである。
【0023】
また、この発明の請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の感光体ドラムと、前記軸部材と、前記導電性部材とを、備えたものである。
【0024】
また、請求項10記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項9記載の発明において、前記軸部材は、装置内の感光体ドラムの位置を定める支軸と一体的に形成されたものである。
【0025】
また、請求項11記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項9又は請求項10に記載の発明において、前記軸部材を、弾性部材としたものである。
【0026】
また、請求項12記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項9〜請求項11のいずれかに記載の発明において、前記軸受部と前記軸部材とが係合する係合部に導電性グリースを塗布したものである。
【0027】
また、本明細書において、「プロセスカートリッジ」とは、感光体ドラムを帯電する帯電部と、感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像部と、感光体ドラム上の未転写トナーを回収するクリーニング部とのうち、少なくとも1つの要素部と、感光体ドラムとが、一体的にカートリッジ化されて、画像形成装置本体に着脱自在に形成された集合体と定義する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0029】
実施の形態1.
図1及び図2にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1は、実施の形態1における画像形成装置としてのファクシミリ全体を示す構成図である。また、図2は、図1のファクシミリに設置される感光体ドラムの駆動側要部を示す断面図である。
【0030】
まず、図1にて、ファクシミリ全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は感光体ドラム、22は画像情報に基づき感光体ドラム1上にレーザ光を照射する光学部、23は感光体ドラム1上を帯電する帯電部、24は感光体ドラム1上に形成された静電潜像を現像する現像部、25は感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写紙に転写する転写部、26は感光体ドラム1上の未転写トナーを回収するクリーニング部、29は転写紙が収納される給紙部、30は給紙部29から搬送路に向けて転写紙を供給する給紙コロ、32は転写工程後の転写紙上のトナー像を定着する定着部、33は定着工程後の転写紙を排紙部に向けて排出する排紙ローラ、34は排出された転写紙が積載される排紙部を示す。
【0031】
以上のように構成されたファクシミリにおける、受信時の動作について簡単に説明する。
感光体ドラム1は、図示せぬ駆動部によって、図1の時計方向に回転駆動される。そして、まず、感光体ドラム1表面は、帯電部23の位置で帯電される。その後、帯電された感光体ドラム1表面は、レーザ光の照射位置に達する。
【0032】
そして、電話回線を通じて転送された送信側の画像情報に基づいて、光学部22から感光体ドラム1上に向けてレーザ光が発せられる。これにより、感光体ドラム1表面には、上述の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
そして、潜像が形成された感光体ドラム1表面は、現像部24の位置に達する。そして、現像部24によって、感光体ドラム24上の潜像が現像される。
【0033】
その後、現像部24により現像された感光体ドラム1表面は、転写部25との対向位置に達する。そして、転写部25によって、感光体ドラム1上のトナー像が、転写紙上に転写される。このとき、感光体ドラム1上には、転写紙に転写されない未転写トナーが僅かながら残存する。
【0034】
その後、転写部25位置を通過した未転写トナーを有する感光体ドラム1表面は、クリーニング部26との対向位置に達する。クリーニング部26では、感光体ドラム1に当接するクリーニングブレードにより、ドラム表面に付着する未転写トナーがクリーニング部26内に回収される。
その後、クリーニング部26を通過した感光体ドラム1表面は、除電部の位置に達する。そして、除電部で感光体ドラム1表面の電位は除電されて、一連の作像プロセスが終了する。
【0035】
一方、転写部25でトナー像が転写される転写紙は、給紙部29から給送されたものである。すなわち、給紙部29に収納された転写紙のうち、1枚の転写紙が、給紙コロ30によって搬送路に向けて搬送される。そして、搬送路中の転写紙は、レジストローラの位置に達して、レジストローラによって感光体ドラム1表面のトナー像とタイミングを合わせて転写部25に搬送される。
【0036】
その後、転写工程後の転写紙は、定着部32の位置に達する。そして、定着部32で、転写工程後の転写紙上のトナー像が定着される。
そして、定着工程後の転写紙は、排紙ローラ33を通過して、排紙部34上に排出される。
【0037】
なお、図1の感光体ドラム1は、画像形成装置に対して着脱自在に構成されている。
これに対して、上述の感光体ドラム1と、帯電部23と、現像部24と、クリーニング部26とを、一体的に構成したプロセスカートリッジとすることもできる。この場合、図1の感光体ドラム1を備えたプロセスカートリッジが、画像形成装置に対して着脱自在に構成されることになる。
【0038】
次に、図2にて、上述のファクシミリに設置される感光体ドラムについて説明する。
図2において、1は感光体ドラム、2は感光体ドラム1のドラム部、2aはドラム部2の内周面、3はドラム部2の端部開口に設置されるフランジ部、5はドラム部2の内部に設置される軸受部、9は装置本体の一部をなすケース、10は支軸11と一体的に形成された軸部材、11はケース9に固設された支軸、12は装置本体に設置された導電性部材としての板ばねを示す。
【0039】
ここで、感光体ドラム1のドラム部2は、アルミニウム材料等からなる基体上に、有機材料からなる感光層を形成したものである。すなわち、ドラム部2の内周面2aは、基体の内周面でもある。そして、感光層が形成されたドラム部2の外周面上で、上述した作像プロセスがおこなわれる。
【0040】
また、ドラム部2の片側の端部開口には、ギア3aを備えたフランジ部3が圧入接着されている。そして、フランジ部3の中心には、貫通穴が設けられている。この貫通穴にケース9に固設された支軸11が係合して、感光体ドラム1の片側端部が装置本体に支持される。
なお、図示は省略するが、ドラム部2の反対側の端部開口にも、フランジ部が圧入接着されている。そして、そのフランジ部に係合する係合部材によって、感光体ドラム1の反対側端部が装置本体に支持される。
ここで、ドラム部3に圧入されるフランジ部3は、導電性を有さない樹脂材料からなる。
【0041】
また、感光体ドラム1におけるドラム部2の内部には、その内周面2aに内接するように、軸受部5が圧入されている。軸受部5の中心には、軸部材10と係合する貫通穴が設けられている。ここで、軸受部5の中心は、ドラム部2の中心とほぼ一致するように形成される。そして、感光体ドラム1が装置本体に設置されたときに(図中矢印方向の設置方向である。)、軸部材10が軸受部5と密着して係合するように形成されている。
なお、軸受部5は、例えば、カーボンを含有するとともに摩擦係数の小さな導電性樹脂からなる。
【0042】
また、軸部材10は、一端側がフランジ部3の貫通穴を通って軸受部5と係合し、他端側が装置本体に設置された板ばね12に接触している。ここで、軸部材10は、ステンレス鋼等の導電性材料からなる。これにより、感光体ドラム1の内周面2aは、軸受部5と軸部材10を介在して、板ばね12と導通することになる。
なお、図示は省略するが、板ばね12は、装置本体の金属からなる筐体に対して電気的に接続されている。
【0043】
このように構成された感光体ドラム1において、フランジ部3のギア3aと、装置本体に設けられた不図示の駆動ギアとが、係合する。そして、その駆動ギアによって、感光体ドラム1は、支軸11を回転中心として回転する。このとき、軸部材10に係合する軸受部5も、軸部材10との接触を維持しながら、その中心を回転中心として感光体ドラム1と一体的に回転する。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態1においては、感光体ドラム1の外部から挿入される軸部材10が、感光体ドラム1の内部に設けられた軸受部5と、その軸受幅にわたり周状に当接する。このように、本実施の形態1の構成は、板ばねのばね性に依存した接触を避けて、軸と軸受との面接触を用いたものである。これによって、ドラム部2の内周面2aと装置本体との電気的接続性が高まり、経時における導通性も安定する。また、軸部材10と軸受部5との接触部には付勢力が作用しないために、比較的摩擦音の小さな装置を提供することができる。
【0045】
なお、本実施の形態1では、感光体ドラム1に設置される軸受部5を、導電性を有するすべり軸受にて構成した。これに対して、軸受部5を、内輪と外輪とがボール又はコロを介して電気的に接続されるころがり軸受にて構成することもできる。
【0046】
実施の形態2.
図3にて、この発明の実施の形態2について説明する。
図3は、実施の形態2における感光体ドラムの要部を示す断面図であり、前記実施の形態1の図2に対応する図である。ここで、本実施の形態2は、主として軸受部の構成が、前記実施の形態1と相違する。
【0047】
図3において、5はドラム部1の内部に設置された軸受部、5aは軸受部5の面取り部、8は軸受部5の外周の一部に設置された弾性部材としての板ばね、10は支軸11の先端側に一体的に形成された軸部材、11は本体側板13に固設された支軸を示す。
【0048】
図3に示すように、軸受部5は、板ばね8を介してドラム部2の内周面2aに設置されている。また、板ばね8は導電性を有するばね鋼からなる。これにより、感光体ドラム1の内周面2aは、板ばね8、軸受部5、軸部材10、支軸11を介在して、外部に設置された板ばね12と導通することになる。
なお、支軸11は、軸部材10と同じ材料にて一体的に形成されている。また、支軸11は、感光体ドラム1のフランジ部3と係合して、感光体ドラム1の回転軸となっている。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態2においても、感光体ドラム1の外部から挿入される軸部材10が、感光体ドラム1の内部に設けられた軸受部5と比較的広い範囲で当接する。これにより、前記実施の形態1と同様に、ドラム部2の内周面2aと装置本体との電気的接続性が高まり、経時における導通性が安定するとともに、比較的異音の少ない装置を提供することができる。
【0050】
また、本実施の形態2では、前記実施の形態1とは異なり、軸受部5の外周に板ばね8を設置しているために、本体側に設置される軸部材10の軸中心位置に対して、軸受部5が中心位置を変位させて追従することができる。これにより、軸受部5の穴中心と軸部材10の軸中心とが一致しない場合でも、軸部材10が軸受部5の貫通穴に容易に係合するとともに、軸受部5が軸部材10の外周をスムーズに回転することになる。
さらに、軸受部5には面取り部5aが設けられており、軸部材10の先端部にも面取り部が設けられている。これにより、軸部材10を、軸受部5の貫通穴に容易に係合することができる。
【0051】
なお、本実施の形態2では、軸受部5の外周部に、弾性部材としての板ばね8を設置した。しかし、本発明の構成はこれに限定されることはなく、軸受部5の外周部に、導電性を有するスプリングやゴム等の弾性部材を設置することもできる。
【0052】
実施の形態3.
図4にて、この発明の実施の形態3について説明する。
図4は、実施の形態3における感光体ドラムの要部を示す断面図であり、前記実施の形態1の図2に対応する図である。ここで、本実施の形態3は、主として軸部材の構成が、前記実施の形態1と相違する。
【0053】
図4に示すように、支軸11の先端には、軸部材10が圧入されている。この軸部材10は、ばね材料等の導電性を有する弾性部材で構成されている。また、軸受部5は、前記実施の形態1と同様に、ドラム部2の内周面2aに内接している。これにより、感光体ドラム1の内周面2aは、軸受部5、軸部材10、支軸11を介在して、外部に設置された板ばね12と導通することになる。
なお、本実施の形態3の軸受部5は、前記各実施の形態とは異なり、フランジ部3に一体的に形成されている。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態3においても、感光体ドラム1の外部から挿入される軸部材10が、感光体ドラム1の内部に設けられた軸受部5と比較的広い範囲で当接する。これにより、前記各実施の形態と同様に、ドラム部2の内周面2aと装置本体との電気的接続性が高まり、経時における導通性が安定するとともに、比較的異音の少ない装置を提供することができる。
【0055】
また、本実施の形態3では、前記実施の形態1とは異なり、軸部材10が弾性部材にて構成されているために、感光体ドラム1側に設置される軸受部5の穴中心位置に対して、軸部材10が中心位置を変位させて容易に追従する。これにより、軸受部5の穴中心と軸部材10の軸中心とが一致しない場合でも、軸部材10が軸受部5の貫通穴に容易に係合するとともに、軸受部5が軸部材10の外周をスムーズに回転することになる。
【0056】
なお、上記各実施の形態では、軸受部5と軸部材10との係合部において、双方の部材が直接的に接触する構成とした。これに対して、軸受部5と軸部材10との係合部に、導電性グリースを塗布する構成とすることもできる。そして、この場合、軸受部5と軸部材10との係合部に僅かな隙間がある場合にも、導電性グリースがその隙間に入り込み、双方の導通性をより確実にすることができる。さらに、軸受部5と軸部材10との摩擦を緩和して、摩擦音の発生をより少なくすることができる。
【0057】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、ドラム部基体と画像形成装置本体との経時における導通の信頼性が高く、回転による摩擦音が比較的小さな感光体ドラム、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における画像形成装置全体を示す構成図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置される感光体ドラムの要部を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態2における感光体ドラムの要部を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態3における感光体ドラムの要部を示す断面図である。
【図5】従来の感光体ドラムの要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)、 2 ドラム部、 2a 内周面、
3 フランジ部、 5 軸受部、 5a 面取り部、
8 板ばね(弾性部材)、 9 ケース、
10 軸部材、 11 支軸、
12 板ばね(導電性部材)、 13 本体側板。
Claims (12)
- ドラム部と、
前記ドラム部の内部に設置されるとともに、前記ドラム部の外部から挿入される軸部材と係合する軸受部とを備え、
前記軸受部と前記軸部材との係合によって、前記ドラム部の内周面は前記軸受部及び前記軸部材を介在して前記ドラム部の外部に設置される導電性部材と電気的に導通することを特徴とする感光体ドラム。 - 前記軸受部は、前記ドラム部の内周面に内接することを特徴とする請求項1に記載の感光体ドラム。
- 前記軸受部と前記ドラム部の内周面との間に弾性部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の感光体ドラム。
- 前記ドラム部の端部開口にフランジ部を備え、
前記フランジ部は、前記軸部材を貫通する貫通穴を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の感光体ドラム。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の感光体ドラムと、前記軸部材とを、備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 前記軸部材は、カートリッジ内の感光体ドラムの位置を定める支軸と一体的に形成されたことを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記軸部材は、弾性部材であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記軸受部と前記軸部材とが係合する係合部に導電性グリースを塗布したことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の感光体ドラムと、前記軸部材と、前記導電性部材とを、備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 前記軸部材は、装置内の感光体ドラムの位置を定める支軸と一体的に形成されたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記軸部材は、弾性部材であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記軸受部と前記軸部材とが係合する係合部に導電性グリースを塗布したことを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載の画像形成装置。
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