JP2004138470A - 光透過性基板検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異物が光透過性基板の表面と裏面の何れに付着しているかを正確に判別する上で有利な光透過性基板検査を提供する。
【解決手段】光透過性基板基板装置10は、レーザー光源20、集光レンズ35、ビームスプリッター40、アパーチャ部材45、スペクトル解析器50などを備えている。レーザー光源20から出射されたレーザー光25は第1波長を有する第1レーザー光と第2波長を有する第2レーザー光とを含む。集光レンズ35は第1レーザー光を光透過性基板55の表面箇所に集光し、かつ、第2レーザー光を光透過性基板55の表面を通過させて裏面箇所に集光させる。集光された第1、第2レーザー光が異物により散乱されて散乱光が生じ、これら第1、第2のレーザー光の散乱光がビームスプリッター40を介してスペクトル解析器50に導かれる。
【選択図】 図1
【解決手段】光透過性基板基板装置10は、レーザー光源20、集光レンズ35、ビームスプリッター40、アパーチャ部材45、スペクトル解析器50などを備えている。レーザー光源20から出射されたレーザー光25は第1波長を有する第1レーザー光と第2波長を有する第2レーザー光とを含む。集光レンズ35は第1レーザー光を光透過性基板55の表面箇所に集光し、かつ、第2レーザー光を光透過性基板55の表面を通過させて裏面箇所に集光させる。集光された第1、第2レーザー光が異物により散乱されて散乱光が生じ、これら第1、第2のレーザー光の散乱光がビームスプリッター40を介してスペクトル解析器50に導かれる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光透過性基板検査装置に関し、さらに詳しくは、例えば平面ディスプレイのガラス基板面上に付着する異物の存在を検査することによって、ガラス基板面の清浄度を検査する光透過性基板検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面ディスプレイはCRTに比較して省スペースおよび省電力等を達成することができるため急速に普及し、優れた平面ディスプレイを供給するための開発が盛んに行われている。
平面ディスプレイの例として、バックライトと各原色のカラーフィルターおよび液晶を用いた液晶平面ディスプレイや、各原色の発光を各セルにおける個別の放電によって行うプラズマディスプレイ、そして有機色素をドーピングした膜へ電子と正孔を注入し発光する有機ELディスプレイが挙げられる。
【0003】
そして、いずれのディスプレイの形式においても、10cmから100cm程度の大きな画面が用いられ、このようなディスプレイの大型化に伴い、平面ディスプレイに用いられるガラス基板も大型化している。このガラス基板の大型化は、ガラス基板の洗浄工程に必要となる薬液の使用量およびリンスに用いる水の使用量の増加をもたらす。
さらに、このような薬液および水の使用量の増加は、製造コストの増加および環境対策コストの増大をもたらすため必要以上の洗浄はできるだけ省略することが好ましく、このような薬液および水の使用量の増加を防ぐためにいくつかの対策が提示されている。
例えば、大型化されたガラス基板の洗浄はガラス基板が清浄でない場合(基板面に付着物が存在する場合等)に限定して行うことで洗浄工程が簡略化される。すなわち、ガラス基板の表面も裏面も清浄であれば以降の工程の洗浄を省略することができる。
また、金属電極用パターン等の配線パターン(以下、単に「パターン」という。)形成等の加工面のみの清浄度を維持することでパターン形成時に異物があるために歩留まりを落とすようなことはなくなる。
その結果、最低限の清浄度の要求は満たされる。すなわち、加工面のみに異物がある際は、加工面のみの洗浄で足り洗浄工程が簡略化される。
【0004】
しかし、前記の方法で洗浄工程を簡略化する際に問題が生じる。すなわち、光透過性材料から形成されたガラス基板またはプラスチック基板等の光透過性基板に付着した異物検査を行う際、配線パターン用の加工面となるべき面(表面)に異物が付着しているのか、その反対面の加工面としては用いられない面(裏面)に異物が付着しているのか否かの判別を行わなければならなくなる。
異物検査は光を照射して得られる異物からの散乱光を計測することにより実現されるが、対象となる基板が透明であるので表面に付着した異物も裏面に付着した異物も同様に検出される。
そこで、ガラス基板の異物検査において表裏判別を同時に行う手法として、照射光を基板表面に対して傾斜させ、表面と裏面における光の通過位置を異なるようにした以下のような方法が提案されている。
【0005】
図5は、前記方法を採用した従来の光透過性基板検査装置1の構成を示した概略図である。
この光透過性基板検査装置1は、レーザー光源3と、集光レンズ5および7と、これら2つのレンズに対応して配置されたアパーチャー部材9および11と、これら2つのアパーチャー部材9および11に対応して配置された検出器13および15を有して構成されている。
【0006】
この光透過性基板検査装置1によれば、異物検査が以下のように行われる。
まず、レーザー光源3から出射された照射レーザー光17が、光透過性基板19に一定角度の入射角Aにより入射された後、光透過性基板19の上面21で反射される光束23と、光透過性基板19の屈折率により屈折され、かつ、光透過性基板19の裏面25で反射される光束27とに分離される。
これらの光束23および光束27の少なくとも一方の光束を利用し、光透過性基板19の表面21および裏面25の少なくとも一方の面に異物29,31が存在すれば、レンズ5およびレンズ7並びにアパーチャー9およびアパーチャー11を介して、異物29および異物31が検出器13および15により検出される。
また、透明物体内の気泡検出装置が開示されている。しかしこの装置によれば、気泡から反射光を検知してしまい反射率の低い異物検出ができない(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−120401
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来技術により表裏判別を行いつつ、パターンが形成された光透過性基板19上の異物検査を行う際、光透過性基板面21に対し角度をつけて照射レーザー光17を照射すると、パターンからの光強度が大きな散乱光や反射光が検出されてしまうため、以下に述べる点で不具合が生じる。
【0009】
第1の点は、異物29、31からの前方散乱光、後方散乱光、および遮光が検出される場合は、検査に必要な装置が、照射光17の光軸上に配置されることがあるため、異物付着面の表裏判別できないことである。
第2の点は、図5に示されるように光透過性基板19の上面21に対し角度Aを持たせるようにして異物29からの散乱光を観察したときに光透過性基板面21に形成されたパターンが障害となり異物29からの散乱光の観察が妨げられることである。
第3の点は、パターンが光透過性基板19の表面21に形成された場合には、光透過性基板の表面21に対して斜めから照射光を入射すると散乱または反射された光がパターンの影響を受けるため、実際よりも大きく異物29が検出されてしまい、その結果、異物29の正確な検出が困難となることである。
より詳細には、パターンは一定の幅を有し、この幅が一般に1μm程度の異物に比べて十分に大きいために、パターンの影響を受けて検出される反射光および散乱光は、異物29からの反射光および散乱光に比べて非常に大きくなり異物29の検出が困難となる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、異物が光透過性基板の表面と裏面の何れに付着しているかを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が当該基板面の表面および裏面の何れに付着しているかに関わらず正確に検出する上で有利な光透過性基板検査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の光透過性基板検査装置は、厚さ方向の一方に表面が他方に裏面が形成された光透過性基板の検査装置であって、第1の波長を有する第1レーザー光と第2の波長を有する第2レーザー光とを同時に出射するレーザー光照射手段と、前記レーザー光照射手段から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板の表面箇所に集光し、かつ、前記レーザー光照射手段から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板の表面を通過させて裏面箇所に集光する集光レンズと、前記レーザー光照射手段と前記光透過性基板との間の光路上に配置され、前記光透過性基板の表面および裏面で前記第1、第2レーザー光が反射された反射光と、前記レーザー光照射手段から出射された第1、第2レーザー光とを分離するビームスプリッターと、前記ビームスプリッターによって分離された前記反射光の光スぺクトルを解析するスペクトル解析手段とを備え、前記集光レンズによって前記光透過性基板に導かれる前記第1、第2レーザー光の光路は前記光透過性基板の表面および裏面に対して垂直となるように構成されていることを特徴とする。
そのため、光透過性基板の表面に付着した異物に第1レーザー光が集光されることにより散乱光としての反射光が生じ、裏面に付着した異物に第2レーザー光が集光されることにより散乱光としての反射光が生じる。これら第1、第2レーザー光の反射光の光スぺクトルを解析することにより表面および裏面の何れに異物が付着しているかを判別できる。
また、本発明の光透過性基板検査装置は、厚さ方向の一方に表面が他方に裏面が形成された光透過性基板の検査装置であって、第1の波長を有する第1レーザー光と第2の波長を有する第2レーザー光とを同時に出射するレーザー光照射手段と、前記レーザー光照射手段から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板の表面箇所に集光し、かつ、前記レーザー光照射手段から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板の表面を通過させて裏面箇所に集光する集光レンズと、前記第1、第2レーザー光が前記光透過性基板を表面から裏側に透過した前記透過光の光スペクトルを解析するスペクトル解析手段とを備え、前記集光レンズによって前記光透過性基板に導かれる前記第1、第2レーザー光の光路は前記光透過性基板の表面および裏面に対して垂直となるように構成されていることを特徴とする。
そのため、光透過性基板の表面に付着した異物には第1レーザー光が集光されることにより散乱光としての透過光が生じ、裏面に付着した異物には第2レーザー光が集光されることにより散乱光としての透過光が生じる。これら第1、第2レーザー光の透過光の光スぺクトルを解析することにより表面および裏面の何れに異物が付着しているかを判別できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の光透過性基板検査装置の基本構成を示す概略図である。
光透過性基板検査装置10は、レーザー光源(レーザー光照射手段)20、集光レンズ35、ビームスプリッター40、アパーチャ部材45、スペクトル解析器50などを備えている。
【0013】
前記レーザー光源20からレーザー光24が出射され、このレーザー光24は第1波長を有する第1レーザー光と第2波長を有する第2レーザー光とを含んでいる。前記第1波長と第2波長は互いに異なった値である。
前記レーザー光源20として、好適にはNd:YAGレーザーの基本波とその第二高調波を出射するものが使用される。
なお、前記第1、第2レーザー光を同時に出射する目的で、2つのレーザー光源を併用しビームスプリッターにより光軸を重ねる手法も可能である。この場合は装置が複雑化する等により製造コスト高をもたらす。
【0014】
前記集光レンズ35は、前記レーザー光源20から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板55の表面57箇所に集光し、かつ、前記レーザー光源20から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板55の表面57を通過させて裏面59箇所に集光させるように構成されている。
また、前記レーザー光24は前記レーザー光源から光透過性基板55に対して垂直に出射され、また、前記集光レンズ35によって前記光透過性基板に導かれる前記第1、第2レーザー光も前記光透過性基板55の表面57および裏面59に対して垂直となる。
前記集光レンズ35は、前記第1、第2レーザー光に対して光透過性基板55の厚さと等しい色収差をもたらすように設定されている。
一般に、2つの波長λ1およびλ2における焦点距離を各々f1およびf2、並びに、屈折率をn1およびn2とするとき、f1およびf2は次のような関係を満たす。
f1=((n2−1)/(n1−1))f2
すなわち、焦点距離は屈折率n1およびn2により変化し、その変化は各屈折率n1およびn2のそれぞれから1を引いた値の比となる。
したがって、光透過性基板55の厚みに応じて、集光レンズ35の焦点距離およびレンズ材質(ガラス材質、透明なプラスチック、または透明なアクリル樹脂基板等)を選択すればよい。例えば、集光レンズ35の焦点距離を200mmと設定すると、前記Nd:YAGレーザーの基本波とその第二高調波を出射するレーザー光源を用いた場合、色収差に起因する焦点距離の差は約5mmとなり、光透過性基板55が厚さ5mmの場合に好適である。
【0015】
前記ビームスプリッター40は、前記レーザー光源20と前記光透過性基板55との間の光路上、本実施の形態では、前記レーザー光源20と集光レンズ35との間の光路上に配置され、前記光透過性基板55の表面57および裏面59での前記第1、第2レーザー光の反射光30と、前記レーザー光源20から出射された第1、第2レーザー光とを分離するように構成されている。
さらに詳しく説明すると、前記ビームスプリッター40は、レーザー光源20からの第1、第2レーザー光を透過して前記集光レンズ35を介して光透過性基板55に導く光路と、前記透明性基板55から集光レンズ35を介して導かれた前記反射光30を反射して前記スペクトル解析手段50に導く光路とを形成するように構成されている。
【0016】
前記アパーチャ部材45は、所定の口径のアパーチャー47を有し、前記ビームスプリッター40によって導かれた前記反射光30がこのアパーチャ47を通過する際に、前記反射光30のみを通過させ、他の不要な光を遮蔽するように構成されている。
前記スペクトル解析手段50は、公知のスペクトル解析器によって構成され、前記アパーチャー47を通過した前記反射光30の波長に対する光強度、すなわち光スぺクトルを解析するように構成されている。
【0017】
以下、さらに図1を参照して、表面57と裏面59が平行であり一定厚さの板状光透過性基板55の表面57および裏面59に異物が付着しているか否かを表裏判別し、かつ、異物が存在した場合に異物からの散乱光の光強度をスペクトル解析器50により測定することによって、光透過性基板55の清浄度を検査する動作について説明する。
まず、光透過性基板55を配置し、レーザ光源20から前記第1、第2レーザー光の光軸がこの透過性基板55の面に対して垂直になるようにレーザー光が出射される。
出射された第1、第2レーザー光はビームスプリッター40を透過して集光レンズ35に入射する。集光レンズ35は入射した第1レーザー光を前記光透明性基板55の表面57箇所に集光し、第2レーザー光を光透過性基板55の表面57を通過させて光透過性基板55の裏面59箇所に集光する。
この際、前記透過性基板55の表面57および裏面59のいずれか一方に異物が付着していれば、前記集光された第1、第2レーザー光が異物により散乱されて散乱光が生じ、これら第1、第2のレーザー光の散乱光が第1、第2レーザー光の反射光として集光レンズ35によって集光され前記ビームスプリッター40に導かれる。
【0018】
前記ビームスプリッター40は、前記レーザー光源20から出射された前記第1、第2レーザー光と、前記集光レンズ35から導かれた前記各反射光とを分離し、前記反射光のみをアパーチャー47を介してスペクトル解析器50に導く。
前記スペクトル解析器50は受光した反射光を解析する。
この解析結果に基づいて、次に説明するように透過性基板55の表面57および裏面59に対する異物の付着の有無を判別する。
【0019】
次に、図2を参照して光透過性基板検査装置10によって得られる光強度スペクトルの測定結果に基づいて異物が透過性基板55の表面57および裏面59のいずれかに付着しているを判別する動作について説明する。
図2(A)および図2(B)はそれぞれ、異物が光透過性基板55の表面57および裏面59に付着していた場合の光強度スペクトルの測定結果を示すグラフである。
本実施の形態では、前記第1レーザー光の波長(第1波長)をλ1第2レーザー光の波長(第2波長)をλ2とし、第1波長λ1の第1レーザ光が透過性基板55の表面57の位置に集光しており、第2波長λ2の第2レーザー光が透過性基板55の裏面59の位置に集光しているものとする。
【0020】
異物が光透過性基板55の表面57に付着していた場合、第1波長λ1の第1レーザ光が透過性基板55の表面57に集光している箇所に異物があると、透過性基板55のみの場合の反射光とこの異物による散乱光とが共にスペクトル検出器50により検出される。なお、この散乱光はレーザー光の進行方向の反対側に向かって、すなわち後方に向かって生じるため、後方散乱光という。
このため、図2(A)に示すように、第1波長λ1および第2波長λ2のレーザー光の光強度を比較すると、明らかに第1波長λ1のレーザー光の光強度が第2波長λ2のレーザー光の光強度よりも大きいことが分かる。その結果、この場合は異物が透過性基板55の表面57にあると判別できる。
【0021】
一方、同様にして異物が光透過性基板55の裏面59に付着していた場合、波長λ2のレーザー光が透過性基板55の裏面59に集光している箇所に異物があると、透過性基板55のみの場合の反射光とこの異物による散乱光とが共にスペクトル検出器50により検出される。
このため、図2(B)に示すように、第1波長λ1および第2波長λ2のレーザー光の光強度を比較すると、明らかに第2波長λ2のレーザー光の光強度が第1波長λ1のレーザー光の光強度よりも大きいことが分かる。その結果、この場合は異物が透過性基板55の裏面59にあると判別できる。
この際、スペクトル検出器50で検査すべき領域以外の散乱光を検出しないように、透過性基板55の直上等の位置にスリットを設けたり、透過性基板55の直上やビームスプリッター40とスペクトル解析器50との間の位置に光学フィルターを設けるようにしてもよい。
【0022】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、前記集光レンズ35によって、第1レーザー光を前記光透過性基板55の表面57箇所に集光し、かつ、第2レーザー光を前記光透過性基板55の表面57を通過させて裏面59箇所に集光させ、ビームスプリッター40によって第1、第2レーザー光の反射光のみをスペクトル解析器50に導き、該スぺクトルをスペクトル解析器50によって解析することによって、光透過性基板55の表面57および裏面59の何れに異物が付着しているかを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が、当該基板面の表面57および裏面59の何れに付着しているかに関わらず正確に検出することができる。
【0023】
次に第2の実施の形態について説明する。
図3は、第1の実施の形態の光透過性基板検査装置10を適用した製造工程の検査で用いることができる基板検査システム100の構成を示す概略図である。
図3において、第1の実施の形態と同様の箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
前記基板検査システム100は、前記光透過性基板検査装置10に加えて、チャンバー70、送風機72、エアフィルター74、光透過性基板搬入口76、排気口78、パーソナルコンピュータ90などを備える。
前記チャンバー70は、その底壁上面に板状のベース部材85が取着され、該ベース部材85の上面にはXYステージ80が設けられている。
前記XYステージ80は、前記ベース部材85に対して水平面内で互いに直交するX軸とY軸の2方向に移動可能に設けられ、該XYステージ80には光透過性基板55が載置される。
また、前記XYステージ80の上面の前記光透過性基板55に面した箇所全域にはレーザー光の反射を防止するダンパー(反射防止機構)が設けられている。このXYステージ80は不図示の駆動制御手段によりX軸およびY軸方向に駆動されるように構成されている。
【0024】
前記送風機72およびエアフィルター74は前記チャンバー70の上壁に設けられ、送風機72によって取り込まれたチャンバー70外部の空気をエアフィルター74を介してチャンバー70内部に送り込むように構成されている。
前記排気口78は前記チャンバー70の底壁に設けられ、チャンバー70内部の空気を外部に排出するように構成されている。これにより、前記チャンバー70内部の空気は清浄化されるようになっている。
前記光透過性基板搬入口76は前記チャンバー70の側壁に設けられ、該光透過性基板55を前記チャンバー70の内部と外部にわたって受け渡すように構成されており、チャンバー70内部に移送された光透過性基板55は、前記XYステージ80上に載置され固定されるように構成されている。
前記チャンバー70内部には、前記光透過性基板検査装置10を構成する集光レンズ35、ビームスプリッター40、アパーチャー部材45、スペクトル解析器50が前記第1の実施の形態と同様に配設されている。
チャンバー70の外部には前記レーザー光源20と、該レーザー光源20から出射されるレーザー光を前記ビームスプリッター40を介して前記集光レンズ35に導くミラー60が設けられている。
前記パーソナルコンピュータ90は、前記スぺクトル解析器50から出力される光スぺクトルの解析結果に基づいてデータ処理を行なとともに、その処理結果をディスプレイやプリンタに出力するように構成されている。
また、前記パーソナルコンピュータ90は、前記XYステージ80の駆動制御手段の制御を行なうように構成されている。さらに詳しく説明すれば、パーソナルコンピュータ90は、XYステージ80に載置されている光透過性基板55のXY座標の座標データを予め保持しており、該座標データに基づいてXYステージ80の位置制御を行なえるように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記XYステージ80、駆動制御手段、パーソナルコンピュータ90によって特許請求の範囲の移動手段が構成されている。
【0025】
このように構成された基板検査システム100の動作について説明する。
第1の実施の形態と同様に、前記レーザー光源20から第1、第2レーザー光を含むレーザー光が出射されることにより、前記光透過性基板55の表面57および裏面59に付着した異物によって後方散乱光が生じる。
前記後方散乱光は、前記集光レンズ35で集光され、ビームスプリッター40およびアパーチャー部材45のアパーチャー47を通過して前記スペクトル解析器50へと導かれ、光スぺクトルの解析がなされる。
そして、前記スぺクトル解析の結果は、前記パーソナルコンピュータ90に送信される。前記パーソナルコンピュータ90は、送信されたスぺクトル解析の結果に基づいて、図2に示すように、光透過性基板55の表面57および裏面59と後方散乱光の光スペクトルとが対応づけられた検査結果の表示を出力する。
【0026】
このような基板検査システム100によれば、第1の実施の形態と同様に、光透過性基板55の表面57および裏面59の何れに異物が付着しているかを判別するを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が、当該基板面の表面57および裏面59の何れに付着しているかに関わらず正確に検出することができる。
また、前記パーソナルコンピュータ90によって予め保持している前記光透過性基板55の座標データに基づいてXYステージ80を制御することにより、前記光透過性基板55の任意の位置に対して前記レーザー光を走査させることができる。
また、前記レーザー光は、前記光透過性基板55の表面57および裏面59に対して前記レーザー光が垂直をなすように照射されるので、前記光透過性基板55に形成されているパターンによって散乱光が発生することが抑制されるため、パターンによって生じる散乱光による誤検知を防止する上で有利となる。
すなわち、金属配線のためのパターンが形成された光透過性基板に対しても、本発明の光透過性基板検査装置により、異物が光透過性基板のどちらの面に付着しているかの判断も可能な正確な検査が実現される。
【0027】
ところで、前記スぺクトル解析器50には、前記第1、第2のレーザー光による後方散乱光と、異物が付着していない状態の前記光透過性基板55の表面57および裏面59で反射される第1、第2のレーザー光の反射光とが入射される。前記スぺクトル解析器50において、前記後方散乱光のS/N比を向上させるためには、前記第1、第2のレーザー光の反射光の強度をなるべく低下させることが好ましい。
本実施の形態では、前記XYステージ80の上面の前記光透過性基板55に面した箇所全域にはレーザー光の反射を防止するダンパーを設けたので、異物が付着していない状態の前記光透過性基板55の表面57および裏面59で反射される第1、第2のレーザー光の反射光の強度を低下させることができ、したがって、前記後方散乱光のS/N比を向上させる上で有利となる。
【0028】
なお、平面ディスプレイに用いられるような透明なガラス板や透明なプラスチック板等の光透過性材料で形成された光透過性基板は、昨今1m以上の縦または横のサイズを持つように大型化しているため、その洗浄工程は一枚ごとに行われている。
したがって、光透過性基板同士が重なり合うことがないため、ある光透過性基板上に付着している異物が他の光透過性基板に付着するようなクロスコンタミネーションを考慮する必要がない。このため、パターン形成がされていない裏面59のみに異物が付着している場合は洗浄工程を省略することができる。
すなわち、本実施の形態の光透過性基板検査装置によって光透過性基板の表面57および裏面59のどちらに異物が付着しているかを判断することにより、洗浄工程の合理化を図ることが可能となる。
さらに、光透過性基板の大型化により洗浄工程に用いられる薬液やリンスに用いられる水の使用量も増大しているので、洗浄工程の合理化により製造コストの削減や環境対策へ貢献を図る上で有利となる。
【0029】
次に第3の実施の形態について説明する。
図4は本発明の第3の形態の光透過性基板装置10Aを適用した基板検査システム200の構成を示す概略図である。図4において第1、第2の実施の形態と同様の箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
第3の実施の形態が第1、第2の実施の形態と異なる点は、前記光透過性基板からの反射光を解析するのではなく、光透過性基板の透過光を解析することである。
前記基板検査システム200は、前記光透過性基板検査装置10Aに加えて、チャンバー70、送風機72、エアフィルター74、光透過性基板搬入口76、排気口78、パーソナルコンピュータ90などを備える。
前記チャンバー70内部にはXYステージ80Aが配設されている。
前記XYステージ80Aは、水平面内で互いに直交するX軸とY軸の2方向に移動可能に設けられ、該XYステージ80Aには光透過性基板55が載置される。
また、前記XYステージ80Aは前記光透過性基板55に臨む箇所の全域が光を透過するように構成されている。
このXYステージ80Aは不図示の駆動制御手段によりX軸およびY軸方向に駆動されるように構成されている。
【0030】
前記チャンバー70内部には、前記光透過性基板検査装置10Aを構成する集光レンズ35、透過光集光レンズ36、アパーチャー部材45、スペクトル解析器50が前記第1の実施の形態と同様に配設されている。
チャンバー70の外部には前記レーザー光源20と、該レーザー光源20から出射されるレーザー光を前記ビームスプリッター40を介して前記集光レンズ35に導くミラー60が設けられている。
【0031】
前記レーザー光源20からレーザー光24が出射され、このレーザー光24は第1波長を有する第1レーザー光と第2波長を有する第2レーザー光とを含んでいる。前記第1波長と第2波長は互いに異なった値である。
前記集光レンズ35は、前記レーザー光源20から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板55の表面57箇所に集光し、かつ、前記レーザー光源20から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板55の表面57を通過させて裏面59箇所に集光させるように構成されている。
また、ミラー60で反射されたレーザー光は光透過性基板55の表面57に対して垂直であり、また、前記集光レンズ35によって前記光透過性基板55に導かれる前記第1、第2レーザー光も前記光透過性基板55の表面57および裏面59に対して垂直である。
前記集光レンズ35は、前記第1、第2レーザー光に対して光透過性基板55の厚さと等しい色収差をもたらすように設定されている。
【0032】
前記透過光集光レンズ36は、前記第1、第2レーザー光が前記光透過性基板55を表面57から裏面59側に透過した前記透過光を集光して前記スペクトル解析手段50に導く光路を形成するように構成されている。
前記アパーチャ部材45は、所定の口径のアパーチャー47を有し、前記透過光集光レンズ36によって導かれた前記透過光がこのアパーチャ47を通過する際に、前記透過光のみを通過させ、他の不要な光を遮蔽するように構成されている。
前記スペクトル解析手段50は、公知のスペクトル解析器によって構成され、前記アパーチャー47を通過した前記透過光の波長に対する光強度、すなわち光スぺクトルを解析するように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記XYステージ80、駆動制御手段、パーソナルコンピュータ90によって特許請求の範囲の移動手段が構成されている。
【0033】
このように構成された基板検査システム200の動作について説明する。
前記レーザ光源20から出射した前記第1、第2レーザー光がミラー60を介して集光レンズ35に入射する。集光レンズ35は入射した第1レーザー光を前記光透明性基板55の表面57箇所に集光し、第2レーザー光を前記光透明性基板55の表面57を通過させて透過性基板55の裏面59箇所に集光する。
この際、前記透過性基板55の表面57および裏面59のいずれか一方に異物が付着していれば、前記集光された第1、第2レーザー光が異物により散乱され、第1、第2レーザー光の透過光として前記透過光集光レンズ36によって集光されアパーチャー47を介してスペクトル解析器50に導かれる。
前記スペクトル解析手段50は、公知のスペクトル解析器によって構成され、前記アパーチャー47を通過した前記反射光30の波長に対する光強度、すなわち光スぺクトルを解析するように構成されている。
この解析結果に基づいて次に説明するように、透過性基板55の表面57および裏面59に対する異物の付着の有無を判別する。
【0034】
図2を参照して光透過性基板検査装置10Aによって得られる光強度スペクトルの測定結果について説明しながら異物が透過性基板55の表面57および裏面59のいずれかに付着しているの判別動作について説明する。
異物が光透過性基板55の表面57に付着していた場合、第1波長λ1の第1レーザ光が透過性基板55の表面57に集光している箇所に異物があると、透過性基板55のみの場合の透過光とこの異物による散乱光とが共にスペクトル検出器50により検出される。なお、この散乱光はレーザー光の進行方向と同じ側に向かって、すなわち前方に向かって生じるため、前方散乱光という。
このため、図2(A)に示すように、第1波長λ1および第2波長λ2のレーザー光の光強度を比較すると、明らかに第1波長λ1のレーザー光の光強度が第2波長λ2のレーザー光の光強度よりも大きいことが分かる。その結果この場合は異物が透過性基板55の表面57にあると判別できる。
【0035】
一方、同様にして異物が光透過性基板55の裏面59に付着していた場合、波長λ2のレーザー光が透過性基板55の裏面59に集光している箇所に異物があると、透過性基板55のみの場合の透過光とこの異物による前方散乱光とが共にスペクトル検出器50により検出される。
このため、図2(B)に示すように、第1波長λ1および第2波長λ2のレーザー光の光強度を比較すると、明らかに第2波長λ2のレーザー光の光強度が第1波長λ1のレーザー光の光強度よりも大きいことが分かる。その結果この場合は異物が透過性基板55の裏面59にあると判別できる。
【0036】
そして、第2の実施の形態と同様に、前記スぺクトル解析の結果は、前記パーソナルコンピュータ90に送信される。前記パーソナルコンピュータ90は、送信されたスぺクトル解析の結果に基づいて、図2に示すように、光透過性基板55の表面57および裏面59と前方散乱光の光スペクトルとが対応づけられた検査結果の表示を出力する。
【0037】
以上詳述したように、第3の実施の形態によれば、前記集光レンズ35によって、第1レーザー光を前記光透過性基板55の表面57箇所に集光し、かつ、第2レーザー光を前記光透過性基板55の表面57を通過させて裏面59箇所に集光させ、前記第1、第2レーザー光が前記光透過性基板55を表面57から裏側に透過した前記透過光の光スぺクトルをスペクトル解析器50によって解析することによって、光透過性基板55の表面57および裏面59の何れに異物が付着しているかを判別するを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が、当該基板面の表面57および裏面59の何れにに付着しているかに関わらず正確に検出することができる。
また、第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、前記レーザー光は、前記光透過性基板55の表面57および裏面59に対して前記レーザー光が垂直をなすように照射されるので、前記光透過性基板55に形成されているパターンによって散乱光が発生することが抑制されるため、パターンによって生じる散乱光による誤検知を防止する上で有利であり、これにより、金属配線のためのパターンが形成された光透過性基板に対しても、異物が光透過性基板のどちらの面に付着しているかの判断を正確に行なうことができる。
また、第2の実施の形態と同様に、光透過性基板の表面57および裏面59のどちらに異物が付着しているかを判断することにより、洗浄工程の合理化を図ることが可能となり、これにより製造コストの削減や環境対策へ貢献を図る上で有利となる。
【0038】
なお、上述した各実施の形態では、前記レーザー光として、Nd:YAGレーザーの基本波を第1レーザー光として、その第二高調波を第2レーザー光としてそれぞれ用いたが、これ以外にも同様の効果を有する2波長のレーザー光を用いても構わない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、異物が光透過性基板の表面と裏面の何れに付着しているかを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が、当該基板面の表面および裏面の何れに付着しているかに関わらず正確に検出する上で有利な光透過性基板検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における光透過性基板検査装置の基本構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における光透過性基板検査装置による光強度スペクトルの測定結果の一例を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施の形態における基板検査システム100の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における基板検査システム100の構成を示す概略図である。
【図5】従来の光透過性基板検査装置の基本構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10……光透過性基板検査装置、20……レーザー光源、40……ビームスプリッター、45……アパーチャー部材、50……スペクトル解析器、55……光透過性基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光透過性基板検査装置に関し、さらに詳しくは、例えば平面ディスプレイのガラス基板面上に付着する異物の存在を検査することによって、ガラス基板面の清浄度を検査する光透過性基板検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面ディスプレイはCRTに比較して省スペースおよび省電力等を達成することができるため急速に普及し、優れた平面ディスプレイを供給するための開発が盛んに行われている。
平面ディスプレイの例として、バックライトと各原色のカラーフィルターおよび液晶を用いた液晶平面ディスプレイや、各原色の発光を各セルにおける個別の放電によって行うプラズマディスプレイ、そして有機色素をドーピングした膜へ電子と正孔を注入し発光する有機ELディスプレイが挙げられる。
【0003】
そして、いずれのディスプレイの形式においても、10cmから100cm程度の大きな画面が用いられ、このようなディスプレイの大型化に伴い、平面ディスプレイに用いられるガラス基板も大型化している。このガラス基板の大型化は、ガラス基板の洗浄工程に必要となる薬液の使用量およびリンスに用いる水の使用量の増加をもたらす。
さらに、このような薬液および水の使用量の増加は、製造コストの増加および環境対策コストの増大をもたらすため必要以上の洗浄はできるだけ省略することが好ましく、このような薬液および水の使用量の増加を防ぐためにいくつかの対策が提示されている。
例えば、大型化されたガラス基板の洗浄はガラス基板が清浄でない場合(基板面に付着物が存在する場合等)に限定して行うことで洗浄工程が簡略化される。すなわち、ガラス基板の表面も裏面も清浄であれば以降の工程の洗浄を省略することができる。
また、金属電極用パターン等の配線パターン(以下、単に「パターン」という。)形成等の加工面のみの清浄度を維持することでパターン形成時に異物があるために歩留まりを落とすようなことはなくなる。
その結果、最低限の清浄度の要求は満たされる。すなわち、加工面のみに異物がある際は、加工面のみの洗浄で足り洗浄工程が簡略化される。
【0004】
しかし、前記の方法で洗浄工程を簡略化する際に問題が生じる。すなわち、光透過性材料から形成されたガラス基板またはプラスチック基板等の光透過性基板に付着した異物検査を行う際、配線パターン用の加工面となるべき面(表面)に異物が付着しているのか、その反対面の加工面としては用いられない面(裏面)に異物が付着しているのか否かの判別を行わなければならなくなる。
異物検査は光を照射して得られる異物からの散乱光を計測することにより実現されるが、対象となる基板が透明であるので表面に付着した異物も裏面に付着した異物も同様に検出される。
そこで、ガラス基板の異物検査において表裏判別を同時に行う手法として、照射光を基板表面に対して傾斜させ、表面と裏面における光の通過位置を異なるようにした以下のような方法が提案されている。
【0005】
図5は、前記方法を採用した従来の光透過性基板検査装置1の構成を示した概略図である。
この光透過性基板検査装置1は、レーザー光源3と、集光レンズ5および7と、これら2つのレンズに対応して配置されたアパーチャー部材9および11と、これら2つのアパーチャー部材9および11に対応して配置された検出器13および15を有して構成されている。
【0006】
この光透過性基板検査装置1によれば、異物検査が以下のように行われる。
まず、レーザー光源3から出射された照射レーザー光17が、光透過性基板19に一定角度の入射角Aにより入射された後、光透過性基板19の上面21で反射される光束23と、光透過性基板19の屈折率により屈折され、かつ、光透過性基板19の裏面25で反射される光束27とに分離される。
これらの光束23および光束27の少なくとも一方の光束を利用し、光透過性基板19の表面21および裏面25の少なくとも一方の面に異物29,31が存在すれば、レンズ5およびレンズ7並びにアパーチャー9およびアパーチャー11を介して、異物29および異物31が検出器13および15により検出される。
また、透明物体内の気泡検出装置が開示されている。しかしこの装置によれば、気泡から反射光を検知してしまい反射率の低い異物検出ができない(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−120401
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来技術により表裏判別を行いつつ、パターンが形成された光透過性基板19上の異物検査を行う際、光透過性基板面21に対し角度をつけて照射レーザー光17を照射すると、パターンからの光強度が大きな散乱光や反射光が検出されてしまうため、以下に述べる点で不具合が生じる。
【0009】
第1の点は、異物29、31からの前方散乱光、後方散乱光、および遮光が検出される場合は、検査に必要な装置が、照射光17の光軸上に配置されることがあるため、異物付着面の表裏判別できないことである。
第2の点は、図5に示されるように光透過性基板19の上面21に対し角度Aを持たせるようにして異物29からの散乱光を観察したときに光透過性基板面21に形成されたパターンが障害となり異物29からの散乱光の観察が妨げられることである。
第3の点は、パターンが光透過性基板19の表面21に形成された場合には、光透過性基板の表面21に対して斜めから照射光を入射すると散乱または反射された光がパターンの影響を受けるため、実際よりも大きく異物29が検出されてしまい、その結果、異物29の正確な検出が困難となることである。
より詳細には、パターンは一定の幅を有し、この幅が一般に1μm程度の異物に比べて十分に大きいために、パターンの影響を受けて検出される反射光および散乱光は、異物29からの反射光および散乱光に比べて非常に大きくなり異物29の検出が困難となる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、異物が光透過性基板の表面と裏面の何れに付着しているかを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が当該基板面の表面および裏面の何れに付着しているかに関わらず正確に検出する上で有利な光透過性基板検査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の光透過性基板検査装置は、厚さ方向の一方に表面が他方に裏面が形成された光透過性基板の検査装置であって、第1の波長を有する第1レーザー光と第2の波長を有する第2レーザー光とを同時に出射するレーザー光照射手段と、前記レーザー光照射手段から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板の表面箇所に集光し、かつ、前記レーザー光照射手段から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板の表面を通過させて裏面箇所に集光する集光レンズと、前記レーザー光照射手段と前記光透過性基板との間の光路上に配置され、前記光透過性基板の表面および裏面で前記第1、第2レーザー光が反射された反射光と、前記レーザー光照射手段から出射された第1、第2レーザー光とを分離するビームスプリッターと、前記ビームスプリッターによって分離された前記反射光の光スぺクトルを解析するスペクトル解析手段とを備え、前記集光レンズによって前記光透過性基板に導かれる前記第1、第2レーザー光の光路は前記光透過性基板の表面および裏面に対して垂直となるように構成されていることを特徴とする。
そのため、光透過性基板の表面に付着した異物に第1レーザー光が集光されることにより散乱光としての反射光が生じ、裏面に付着した異物に第2レーザー光が集光されることにより散乱光としての反射光が生じる。これら第1、第2レーザー光の反射光の光スぺクトルを解析することにより表面および裏面の何れに異物が付着しているかを判別できる。
また、本発明の光透過性基板検査装置は、厚さ方向の一方に表面が他方に裏面が形成された光透過性基板の検査装置であって、第1の波長を有する第1レーザー光と第2の波長を有する第2レーザー光とを同時に出射するレーザー光照射手段と、前記レーザー光照射手段から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板の表面箇所に集光し、かつ、前記レーザー光照射手段から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板の表面を通過させて裏面箇所に集光する集光レンズと、前記第1、第2レーザー光が前記光透過性基板を表面から裏側に透過した前記透過光の光スペクトルを解析するスペクトル解析手段とを備え、前記集光レンズによって前記光透過性基板に導かれる前記第1、第2レーザー光の光路は前記光透過性基板の表面および裏面に対して垂直となるように構成されていることを特徴とする。
そのため、光透過性基板の表面に付着した異物には第1レーザー光が集光されることにより散乱光としての透過光が生じ、裏面に付着した異物には第2レーザー光が集光されることにより散乱光としての透過光が生じる。これら第1、第2レーザー光の透過光の光スぺクトルを解析することにより表面および裏面の何れに異物が付着しているかを判別できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の光透過性基板検査装置の基本構成を示す概略図である。
光透過性基板検査装置10は、レーザー光源(レーザー光照射手段)20、集光レンズ35、ビームスプリッター40、アパーチャ部材45、スペクトル解析器50などを備えている。
【0013】
前記レーザー光源20からレーザー光24が出射され、このレーザー光24は第1波長を有する第1レーザー光と第2波長を有する第2レーザー光とを含んでいる。前記第1波長と第2波長は互いに異なった値である。
前記レーザー光源20として、好適にはNd:YAGレーザーの基本波とその第二高調波を出射するものが使用される。
なお、前記第1、第2レーザー光を同時に出射する目的で、2つのレーザー光源を併用しビームスプリッターにより光軸を重ねる手法も可能である。この場合は装置が複雑化する等により製造コスト高をもたらす。
【0014】
前記集光レンズ35は、前記レーザー光源20から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板55の表面57箇所に集光し、かつ、前記レーザー光源20から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板55の表面57を通過させて裏面59箇所に集光させるように構成されている。
また、前記レーザー光24は前記レーザー光源から光透過性基板55に対して垂直に出射され、また、前記集光レンズ35によって前記光透過性基板に導かれる前記第1、第2レーザー光も前記光透過性基板55の表面57および裏面59に対して垂直となる。
前記集光レンズ35は、前記第1、第2レーザー光に対して光透過性基板55の厚さと等しい色収差をもたらすように設定されている。
一般に、2つの波長λ1およびλ2における焦点距離を各々f1およびf2、並びに、屈折率をn1およびn2とするとき、f1およびf2は次のような関係を満たす。
f1=((n2−1)/(n1−1))f2
すなわち、焦点距離は屈折率n1およびn2により変化し、その変化は各屈折率n1およびn2のそれぞれから1を引いた値の比となる。
したがって、光透過性基板55の厚みに応じて、集光レンズ35の焦点距離およびレンズ材質(ガラス材質、透明なプラスチック、または透明なアクリル樹脂基板等)を選択すればよい。例えば、集光レンズ35の焦点距離を200mmと設定すると、前記Nd:YAGレーザーの基本波とその第二高調波を出射するレーザー光源を用いた場合、色収差に起因する焦点距離の差は約5mmとなり、光透過性基板55が厚さ5mmの場合に好適である。
【0015】
前記ビームスプリッター40は、前記レーザー光源20と前記光透過性基板55との間の光路上、本実施の形態では、前記レーザー光源20と集光レンズ35との間の光路上に配置され、前記光透過性基板55の表面57および裏面59での前記第1、第2レーザー光の反射光30と、前記レーザー光源20から出射された第1、第2レーザー光とを分離するように構成されている。
さらに詳しく説明すると、前記ビームスプリッター40は、レーザー光源20からの第1、第2レーザー光を透過して前記集光レンズ35を介して光透過性基板55に導く光路と、前記透明性基板55から集光レンズ35を介して導かれた前記反射光30を反射して前記スペクトル解析手段50に導く光路とを形成するように構成されている。
【0016】
前記アパーチャ部材45は、所定の口径のアパーチャー47を有し、前記ビームスプリッター40によって導かれた前記反射光30がこのアパーチャ47を通過する際に、前記反射光30のみを通過させ、他の不要な光を遮蔽するように構成されている。
前記スペクトル解析手段50は、公知のスペクトル解析器によって構成され、前記アパーチャー47を通過した前記反射光30の波長に対する光強度、すなわち光スぺクトルを解析するように構成されている。
【0017】
以下、さらに図1を参照して、表面57と裏面59が平行であり一定厚さの板状光透過性基板55の表面57および裏面59に異物が付着しているか否かを表裏判別し、かつ、異物が存在した場合に異物からの散乱光の光強度をスペクトル解析器50により測定することによって、光透過性基板55の清浄度を検査する動作について説明する。
まず、光透過性基板55を配置し、レーザ光源20から前記第1、第2レーザー光の光軸がこの透過性基板55の面に対して垂直になるようにレーザー光が出射される。
出射された第1、第2レーザー光はビームスプリッター40を透過して集光レンズ35に入射する。集光レンズ35は入射した第1レーザー光を前記光透明性基板55の表面57箇所に集光し、第2レーザー光を光透過性基板55の表面57を通過させて光透過性基板55の裏面59箇所に集光する。
この際、前記透過性基板55の表面57および裏面59のいずれか一方に異物が付着していれば、前記集光された第1、第2レーザー光が異物により散乱されて散乱光が生じ、これら第1、第2のレーザー光の散乱光が第1、第2レーザー光の反射光として集光レンズ35によって集光され前記ビームスプリッター40に導かれる。
【0018】
前記ビームスプリッター40は、前記レーザー光源20から出射された前記第1、第2レーザー光と、前記集光レンズ35から導かれた前記各反射光とを分離し、前記反射光のみをアパーチャー47を介してスペクトル解析器50に導く。
前記スペクトル解析器50は受光した反射光を解析する。
この解析結果に基づいて、次に説明するように透過性基板55の表面57および裏面59に対する異物の付着の有無を判別する。
【0019】
次に、図2を参照して光透過性基板検査装置10によって得られる光強度スペクトルの測定結果に基づいて異物が透過性基板55の表面57および裏面59のいずれかに付着しているを判別する動作について説明する。
図2(A)および図2(B)はそれぞれ、異物が光透過性基板55の表面57および裏面59に付着していた場合の光強度スペクトルの測定結果を示すグラフである。
本実施の形態では、前記第1レーザー光の波長(第1波長)をλ1第2レーザー光の波長(第2波長)をλ2とし、第1波長λ1の第1レーザ光が透過性基板55の表面57の位置に集光しており、第2波長λ2の第2レーザー光が透過性基板55の裏面59の位置に集光しているものとする。
【0020】
異物が光透過性基板55の表面57に付着していた場合、第1波長λ1の第1レーザ光が透過性基板55の表面57に集光している箇所に異物があると、透過性基板55のみの場合の反射光とこの異物による散乱光とが共にスペクトル検出器50により検出される。なお、この散乱光はレーザー光の進行方向の反対側に向かって、すなわち後方に向かって生じるため、後方散乱光という。
このため、図2(A)に示すように、第1波長λ1および第2波長λ2のレーザー光の光強度を比較すると、明らかに第1波長λ1のレーザー光の光強度が第2波長λ2のレーザー光の光強度よりも大きいことが分かる。その結果、この場合は異物が透過性基板55の表面57にあると判別できる。
【0021】
一方、同様にして異物が光透過性基板55の裏面59に付着していた場合、波長λ2のレーザー光が透過性基板55の裏面59に集光している箇所に異物があると、透過性基板55のみの場合の反射光とこの異物による散乱光とが共にスペクトル検出器50により検出される。
このため、図2(B)に示すように、第1波長λ1および第2波長λ2のレーザー光の光強度を比較すると、明らかに第2波長λ2のレーザー光の光強度が第1波長λ1のレーザー光の光強度よりも大きいことが分かる。その結果、この場合は異物が透過性基板55の裏面59にあると判別できる。
この際、スペクトル検出器50で検査すべき領域以外の散乱光を検出しないように、透過性基板55の直上等の位置にスリットを設けたり、透過性基板55の直上やビームスプリッター40とスペクトル解析器50との間の位置に光学フィルターを設けるようにしてもよい。
【0022】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、前記集光レンズ35によって、第1レーザー光を前記光透過性基板55の表面57箇所に集光し、かつ、第2レーザー光を前記光透過性基板55の表面57を通過させて裏面59箇所に集光させ、ビームスプリッター40によって第1、第2レーザー光の反射光のみをスペクトル解析器50に導き、該スぺクトルをスペクトル解析器50によって解析することによって、光透過性基板55の表面57および裏面59の何れに異物が付着しているかを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が、当該基板面の表面57および裏面59の何れに付着しているかに関わらず正確に検出することができる。
【0023】
次に第2の実施の形態について説明する。
図3は、第1の実施の形態の光透過性基板検査装置10を適用した製造工程の検査で用いることができる基板検査システム100の構成を示す概略図である。
図3において、第1の実施の形態と同様の箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
前記基板検査システム100は、前記光透過性基板検査装置10に加えて、チャンバー70、送風機72、エアフィルター74、光透過性基板搬入口76、排気口78、パーソナルコンピュータ90などを備える。
前記チャンバー70は、その底壁上面に板状のベース部材85が取着され、該ベース部材85の上面にはXYステージ80が設けられている。
前記XYステージ80は、前記ベース部材85に対して水平面内で互いに直交するX軸とY軸の2方向に移動可能に設けられ、該XYステージ80には光透過性基板55が載置される。
また、前記XYステージ80の上面の前記光透過性基板55に面した箇所全域にはレーザー光の反射を防止するダンパー(反射防止機構)が設けられている。このXYステージ80は不図示の駆動制御手段によりX軸およびY軸方向に駆動されるように構成されている。
【0024】
前記送風機72およびエアフィルター74は前記チャンバー70の上壁に設けられ、送風機72によって取り込まれたチャンバー70外部の空気をエアフィルター74を介してチャンバー70内部に送り込むように構成されている。
前記排気口78は前記チャンバー70の底壁に設けられ、チャンバー70内部の空気を外部に排出するように構成されている。これにより、前記チャンバー70内部の空気は清浄化されるようになっている。
前記光透過性基板搬入口76は前記チャンバー70の側壁に設けられ、該光透過性基板55を前記チャンバー70の内部と外部にわたって受け渡すように構成されており、チャンバー70内部に移送された光透過性基板55は、前記XYステージ80上に載置され固定されるように構成されている。
前記チャンバー70内部には、前記光透過性基板検査装置10を構成する集光レンズ35、ビームスプリッター40、アパーチャー部材45、スペクトル解析器50が前記第1の実施の形態と同様に配設されている。
チャンバー70の外部には前記レーザー光源20と、該レーザー光源20から出射されるレーザー光を前記ビームスプリッター40を介して前記集光レンズ35に導くミラー60が設けられている。
前記パーソナルコンピュータ90は、前記スぺクトル解析器50から出力される光スぺクトルの解析結果に基づいてデータ処理を行なとともに、その処理結果をディスプレイやプリンタに出力するように構成されている。
また、前記パーソナルコンピュータ90は、前記XYステージ80の駆動制御手段の制御を行なうように構成されている。さらに詳しく説明すれば、パーソナルコンピュータ90は、XYステージ80に載置されている光透過性基板55のXY座標の座標データを予め保持しており、該座標データに基づいてXYステージ80の位置制御を行なえるように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記XYステージ80、駆動制御手段、パーソナルコンピュータ90によって特許請求の範囲の移動手段が構成されている。
【0025】
このように構成された基板検査システム100の動作について説明する。
第1の実施の形態と同様に、前記レーザー光源20から第1、第2レーザー光を含むレーザー光が出射されることにより、前記光透過性基板55の表面57および裏面59に付着した異物によって後方散乱光が生じる。
前記後方散乱光は、前記集光レンズ35で集光され、ビームスプリッター40およびアパーチャー部材45のアパーチャー47を通過して前記スペクトル解析器50へと導かれ、光スぺクトルの解析がなされる。
そして、前記スぺクトル解析の結果は、前記パーソナルコンピュータ90に送信される。前記パーソナルコンピュータ90は、送信されたスぺクトル解析の結果に基づいて、図2に示すように、光透過性基板55の表面57および裏面59と後方散乱光の光スペクトルとが対応づけられた検査結果の表示を出力する。
【0026】
このような基板検査システム100によれば、第1の実施の形態と同様に、光透過性基板55の表面57および裏面59の何れに異物が付着しているかを判別するを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が、当該基板面の表面57および裏面59の何れに付着しているかに関わらず正確に検出することができる。
また、前記パーソナルコンピュータ90によって予め保持している前記光透過性基板55の座標データに基づいてXYステージ80を制御することにより、前記光透過性基板55の任意の位置に対して前記レーザー光を走査させることができる。
また、前記レーザー光は、前記光透過性基板55の表面57および裏面59に対して前記レーザー光が垂直をなすように照射されるので、前記光透過性基板55に形成されているパターンによって散乱光が発生することが抑制されるため、パターンによって生じる散乱光による誤検知を防止する上で有利となる。
すなわち、金属配線のためのパターンが形成された光透過性基板に対しても、本発明の光透過性基板検査装置により、異物が光透過性基板のどちらの面に付着しているかの判断も可能な正確な検査が実現される。
【0027】
ところで、前記スぺクトル解析器50には、前記第1、第2のレーザー光による後方散乱光と、異物が付着していない状態の前記光透過性基板55の表面57および裏面59で反射される第1、第2のレーザー光の反射光とが入射される。前記スぺクトル解析器50において、前記後方散乱光のS/N比を向上させるためには、前記第1、第2のレーザー光の反射光の強度をなるべく低下させることが好ましい。
本実施の形態では、前記XYステージ80の上面の前記光透過性基板55に面した箇所全域にはレーザー光の反射を防止するダンパーを設けたので、異物が付着していない状態の前記光透過性基板55の表面57および裏面59で反射される第1、第2のレーザー光の反射光の強度を低下させることができ、したがって、前記後方散乱光のS/N比を向上させる上で有利となる。
【0028】
なお、平面ディスプレイに用いられるような透明なガラス板や透明なプラスチック板等の光透過性材料で形成された光透過性基板は、昨今1m以上の縦または横のサイズを持つように大型化しているため、その洗浄工程は一枚ごとに行われている。
したがって、光透過性基板同士が重なり合うことがないため、ある光透過性基板上に付着している異物が他の光透過性基板に付着するようなクロスコンタミネーションを考慮する必要がない。このため、パターン形成がされていない裏面59のみに異物が付着している場合は洗浄工程を省略することができる。
すなわち、本実施の形態の光透過性基板検査装置によって光透過性基板の表面57および裏面59のどちらに異物が付着しているかを判断することにより、洗浄工程の合理化を図ることが可能となる。
さらに、光透過性基板の大型化により洗浄工程に用いられる薬液やリンスに用いられる水の使用量も増大しているので、洗浄工程の合理化により製造コストの削減や環境対策へ貢献を図る上で有利となる。
【0029】
次に第3の実施の形態について説明する。
図4は本発明の第3の形態の光透過性基板装置10Aを適用した基板検査システム200の構成を示す概略図である。図4において第1、第2の実施の形態と同様の箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
第3の実施の形態が第1、第2の実施の形態と異なる点は、前記光透過性基板からの反射光を解析するのではなく、光透過性基板の透過光を解析することである。
前記基板検査システム200は、前記光透過性基板検査装置10Aに加えて、チャンバー70、送風機72、エアフィルター74、光透過性基板搬入口76、排気口78、パーソナルコンピュータ90などを備える。
前記チャンバー70内部にはXYステージ80Aが配設されている。
前記XYステージ80Aは、水平面内で互いに直交するX軸とY軸の2方向に移動可能に設けられ、該XYステージ80Aには光透過性基板55が載置される。
また、前記XYステージ80Aは前記光透過性基板55に臨む箇所の全域が光を透過するように構成されている。
このXYステージ80Aは不図示の駆動制御手段によりX軸およびY軸方向に駆動されるように構成されている。
【0030】
前記チャンバー70内部には、前記光透過性基板検査装置10Aを構成する集光レンズ35、透過光集光レンズ36、アパーチャー部材45、スペクトル解析器50が前記第1の実施の形態と同様に配設されている。
チャンバー70の外部には前記レーザー光源20と、該レーザー光源20から出射されるレーザー光を前記ビームスプリッター40を介して前記集光レンズ35に導くミラー60が設けられている。
【0031】
前記レーザー光源20からレーザー光24が出射され、このレーザー光24は第1波長を有する第1レーザー光と第2波長を有する第2レーザー光とを含んでいる。前記第1波長と第2波長は互いに異なった値である。
前記集光レンズ35は、前記レーザー光源20から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板55の表面57箇所に集光し、かつ、前記レーザー光源20から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板55の表面57を通過させて裏面59箇所に集光させるように構成されている。
また、ミラー60で反射されたレーザー光は光透過性基板55の表面57に対して垂直であり、また、前記集光レンズ35によって前記光透過性基板55に導かれる前記第1、第2レーザー光も前記光透過性基板55の表面57および裏面59に対して垂直である。
前記集光レンズ35は、前記第1、第2レーザー光に対して光透過性基板55の厚さと等しい色収差をもたらすように設定されている。
【0032】
前記透過光集光レンズ36は、前記第1、第2レーザー光が前記光透過性基板55を表面57から裏面59側に透過した前記透過光を集光して前記スペクトル解析手段50に導く光路を形成するように構成されている。
前記アパーチャ部材45は、所定の口径のアパーチャー47を有し、前記透過光集光レンズ36によって導かれた前記透過光がこのアパーチャ47を通過する際に、前記透過光のみを通過させ、他の不要な光を遮蔽するように構成されている。
前記スペクトル解析手段50は、公知のスペクトル解析器によって構成され、前記アパーチャー47を通過した前記透過光の波長に対する光強度、すなわち光スぺクトルを解析するように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記XYステージ80、駆動制御手段、パーソナルコンピュータ90によって特許請求の範囲の移動手段が構成されている。
【0033】
このように構成された基板検査システム200の動作について説明する。
前記レーザ光源20から出射した前記第1、第2レーザー光がミラー60を介して集光レンズ35に入射する。集光レンズ35は入射した第1レーザー光を前記光透明性基板55の表面57箇所に集光し、第2レーザー光を前記光透明性基板55の表面57を通過させて透過性基板55の裏面59箇所に集光する。
この際、前記透過性基板55の表面57および裏面59のいずれか一方に異物が付着していれば、前記集光された第1、第2レーザー光が異物により散乱され、第1、第2レーザー光の透過光として前記透過光集光レンズ36によって集光されアパーチャー47を介してスペクトル解析器50に導かれる。
前記スペクトル解析手段50は、公知のスペクトル解析器によって構成され、前記アパーチャー47を通過した前記反射光30の波長に対する光強度、すなわち光スぺクトルを解析するように構成されている。
この解析結果に基づいて次に説明するように、透過性基板55の表面57および裏面59に対する異物の付着の有無を判別する。
【0034】
図2を参照して光透過性基板検査装置10Aによって得られる光強度スペクトルの測定結果について説明しながら異物が透過性基板55の表面57および裏面59のいずれかに付着しているの判別動作について説明する。
異物が光透過性基板55の表面57に付着していた場合、第1波長λ1の第1レーザ光が透過性基板55の表面57に集光している箇所に異物があると、透過性基板55のみの場合の透過光とこの異物による散乱光とが共にスペクトル検出器50により検出される。なお、この散乱光はレーザー光の進行方向と同じ側に向かって、すなわち前方に向かって生じるため、前方散乱光という。
このため、図2(A)に示すように、第1波長λ1および第2波長λ2のレーザー光の光強度を比較すると、明らかに第1波長λ1のレーザー光の光強度が第2波長λ2のレーザー光の光強度よりも大きいことが分かる。その結果この場合は異物が透過性基板55の表面57にあると判別できる。
【0035】
一方、同様にして異物が光透過性基板55の裏面59に付着していた場合、波長λ2のレーザー光が透過性基板55の裏面59に集光している箇所に異物があると、透過性基板55のみの場合の透過光とこの異物による前方散乱光とが共にスペクトル検出器50により検出される。
このため、図2(B)に示すように、第1波長λ1および第2波長λ2のレーザー光の光強度を比較すると、明らかに第2波長λ2のレーザー光の光強度が第1波長λ1のレーザー光の光強度よりも大きいことが分かる。その結果この場合は異物が透過性基板55の裏面59にあると判別できる。
【0036】
そして、第2の実施の形態と同様に、前記スぺクトル解析の結果は、前記パーソナルコンピュータ90に送信される。前記パーソナルコンピュータ90は、送信されたスぺクトル解析の結果に基づいて、図2に示すように、光透過性基板55の表面57および裏面59と前方散乱光の光スペクトルとが対応づけられた検査結果の表示を出力する。
【0037】
以上詳述したように、第3の実施の形態によれば、前記集光レンズ35によって、第1レーザー光を前記光透過性基板55の表面57箇所に集光し、かつ、第2レーザー光を前記光透過性基板55の表面57を通過させて裏面59箇所に集光させ、前記第1、第2レーザー光が前記光透過性基板55を表面57から裏側に透過した前記透過光の光スぺクトルをスペクトル解析器50によって解析することによって、光透過性基板55の表面57および裏面59の何れに異物が付着しているかを判別するを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が、当該基板面の表面57および裏面59の何れにに付着しているかに関わらず正確に検出することができる。
また、第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、前記レーザー光は、前記光透過性基板55の表面57および裏面59に対して前記レーザー光が垂直をなすように照射されるので、前記光透過性基板55に形成されているパターンによって散乱光が発生することが抑制されるため、パターンによって生じる散乱光による誤検知を防止する上で有利であり、これにより、金属配線のためのパターンが形成された光透過性基板に対しても、異物が光透過性基板のどちらの面に付着しているかの判断を正確に行なうことができる。
また、第2の実施の形態と同様に、光透過性基板の表面57および裏面59のどちらに異物が付着しているかを判断することにより、洗浄工程の合理化を図ることが可能となり、これにより製造コストの削減や環境対策へ貢献を図る上で有利となる。
【0038】
なお、上述した各実施の形態では、前記レーザー光として、Nd:YAGレーザーの基本波を第1レーザー光として、その第二高調波を第2レーザー光としてそれぞれ用いたが、これ以外にも同様の効果を有する2波長のレーザー光を用いても構わない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、異物が光透過性基板の表面と裏面の何れに付着しているかを正確に判別するとともに、光透過性基板面に付着した異物が、当該基板面の表面および裏面の何れに付着しているかに関わらず正確に検出する上で有利な光透過性基板検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における光透過性基板検査装置の基本構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における光透過性基板検査装置による光強度スペクトルの測定結果の一例を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施の形態における基板検査システム100の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における基板検査システム100の構成を示す概略図である。
【図5】従来の光透過性基板検査装置の基本構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10……光透過性基板検査装置、20……レーザー光源、40……ビームスプリッター、45……アパーチャー部材、50……スペクトル解析器、55……光透過性基板。
Claims (14)
- 厚さ方向の一方に表面が他方に裏面が形成された光透過性基板の検査装置であって、
第1の波長を有する第1レーザー光と第2の波長を有する第2レーザー光とを同時に出射するレーザー光照射手段と、
前記レーザー光照射手段から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板の表面箇所に集光し、かつ、前記レーザー光照射手段から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板の表面を通過させて裏面箇所に集光する集光レンズと、
前記レーザー光照射手段と前記光透過性基板との間の光路上に配置され、前記光透過性基板の表面および裏面で前記第1、第2レーザー光が反射された反射光と、前記レーザー光照射手段から出射された第1、第2レーザー光とを分離するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターによって分離された前記反射光の光スぺクトルを解析するスペクトル解析手段とを備え、
前記集光レンズによって前記光透過性基板に導かれる前記第1、第2レーザー光の光路は前記光透過性基板の表面および裏面に対して垂直となるように構成されている、
ことを特徴とする光透過性基板検査装置。 - 前記集光レンズによる前記第1レーザー光の焦点距離と前記集光レンズによる前記第2レーザー光の焦点距離との差が、前記光透過性基板の厚さと等しくなるように、前記集光レンズの色収差が設定されていることを特徴とする請求項1記載の光透過性基板装置。
- 前記スぺクトル解析手段によって解析される前記反射光は、前記透過性基板の表面に集光された第1レーザー光が前記表面に付着した異物によって散乱した第1の散乱光および前記透過性基板の裏面に集光された第2レーザー光が前記裏面に付着した異物によって散乱した第2の散乱光を含むことを特徴とする請求項1記載の光透過性基板検査装置。
- 前記スぺクトル解析手段によって解析された前記第1、第2の散乱光を含む透過光の光スぺクトルに基づいて、前記異物が前記透過性基板の表面および裏面の何れに付着しているかを判別することを特徴とする請求項3記載の光透過性基板検査装置。
- 前記ビームスプリッタと前記スぺクトル解析手段との間の光路上にアパーチャー手段が設けられ、前記スペクトル解析手段は前記アパーチャ手段を介して前記反射光を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の光透過性基板検査装置。
- 前記光透過性基板に配線パターンが形成されていることを特徴とする請求項1記載の光透過性基板検査装置。
- 前記光透過性基板の全領域またはあらかじめ決められた領域が検査できるように前記光透過性基板を移動する移動手段を有することを特徴とする請求項1記載の光透過性基板検査装置。
- 厚さ方向の一方に表面が他方に裏面が形成された光透過性基板の検査装置であって、
第1の波長を有する第1レーザー光と第2の波長を有する第2レーザー光とを同時に出射するレーザー光照射手段と、
前記レーザー光照射手段から出射された第1レーザー光を前記光透過性基板の表面箇所に集光し、かつ、前記レーザー光照射手段から出射された第2レーザー光を前記光透過性基板の表面を通過させて裏面箇所に集光する集光レンズと、
前記第1、第2レーザー光が前記光透過性基板を表面から裏側に透過した前記透過光の光スペクトルを解析するスペクトル解析手段とを備え、
前記集光レンズによって前記光透過性基板に導かれる前記第1、第2レーザー光の光路は前記光透過性基板の表面および裏面に対して垂直となるように構成されている、
ことを特徴とする光透過性基板検査装置。 - 前記集光レンズによる前記第1レーザー光の焦点距離と前記集光レンズによる前記第2レーザー光の焦点距離との差が、前記光透過性基板の厚さと等しくなるように、前記集光レンズの色収差が設定されていることを特徴とする請求項8記載の光透過性基板装置。
- 前記スぺクトル解析手段によって解析される前記透過光は、前記透過性基板の表面に集光された第1レーザー光が前記表面に付着した異物によって散乱した第1の散乱光および前記透過性基板の裏面に集光された第2レーザー光が前記裏面に付着した異物によって散乱した第2の散乱光を含むことを特徴とする請求項8記載の光透過性基板検査装置。
- 前記スぺクトル解析手段によって解析された前記第1、第2の散乱光を含む透過光の光スぺクトルに基づいて、前記異物が前記透過性基板の表面および裏面の何れに付着しているかを判別することを特徴とする請求項10記載の光透過性基板検査装置。
- 前記透過性基板の裏面と前記スぺクトル解析手段との間の光路上にアパーチャー手段が設けられ、前記スペクトル解析手段は前記アパーチャ手段を介して前記透過光を受けるように構成されていることを特徴とする請求項8記載の光透過性基板検査装置。
- 前記光透過性基板に配線パターンが形成されていることを特徴とする請求項8記載の光透過性基板検査装置。
- 前記光透過性基板の全領域またはあらかじめ決められた領域が検査できるように前記光透過性基板を移動する移動手段を有することを特徴とする請求項8記載の光透過性基板検査装置。
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