JP2004138043A - 電力の貯蔵システム - Google Patents

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Kenji Hosoyama
細山 謙二
Kiyoshi Yamano
山野 清
Hideo Abe
安倍 日出夫
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Abstract

【課題】金属製の蓄熱体を使用して、極めて効率良く余剰電力を熱エネルギーとして貯蔵できる電力の貯蔵システムを提供する。
【解決手段】鉄製の蓄熱体1を深夜または休日の余剰電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体1を蓄熱槽10内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体1に形成された流路を通過する媒体4を使用して熱エネルギーとして取り出す構成とした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用電力において、夜間電力と昼間電力との平準化を図るため、夜間や休日などの電力を熱エネルギーに変換して貯蔵しておき、昼間のピーク電力発生時などに熱エネルギーを使用する電力の貯蔵システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電力の貯蔵システムとして最も代表的なものとしては、揚水発電所がある。この揚水発電所は、夜間にダムへ水をポンプで汲み上げ、日中の電力消費量の多い時間帯にダムの水で水車発電機を運転して発電を行うものである。
【0003】
また、理論的に最も効率の良い電力の貯蔵システムは、超伝導マグネットを使用したシステムである。このシステムは、電気抵抗ゼロの超伝導コイルで作ったマグネットに電流を流して磁気エネルギーとして貯蔵しておき、必要に応じて負荷を接続して電力として取り出すものである。
【0004】
さらに、最も一般的で安価であり、一般の家庭にも普及している形態は、図7に示すように、余剰の深夜電力を利用する電気ヒータ式の給温水装置よりお湯を沸かして温水とし、この温水を専用の保温槽に貯蔵し、風呂や洗濯、家事などの温水として使用される深夜電力利用電気温水器である。このシステムは、水は比熱が大きく、流体であるためその取扱いが簡単であること、保温の温度が低いために外気との温度差が小さく、発砲スチロールなどの簡易な断熱方法で外部に失われる熱損失を小さく押さえることが可能であり、コスト安価で手軽に採用することができるものである。また、このシステムに使用される給温水装置150は、構造を簡略化するために、保温槽151の周囲に電気ヒータ152を取り付け、所定の温度まで加温して保温するようになっている。そして、温水を使用する場合には、保温槽の上部の取り出し口153より取り出して使用する。また、給水は保温槽の下部の給水口154より水道からの冷水が供給されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電力の貯蔵システムとしての揚水発電所においては、山間部にダムを築いて行われるので、規模が大きく、立地条件に制限があり、建設期間長く建設費用も莫大になるので、簡単に実現できるものではなかった。
【0006】
また、超伝導コイルを使用したシステムは、変換効率が90%以上と、確かに理論的に優れたシステムであるが、実際にこのシステムを作る場合には、超伝導コイルの製作やこの超伝導コイルを絶対零度(−273°C)近くまで冷却するためのヘリウム冷凍機を必要とし、技術的に困難であるとともにその設備には膨大な費用がかかり、簡単には実現できないという問題があった。
【0007】
さらに、給温水装置においては、保温槽の下部の給水口より水道からの自動的に冷水が供給されるようになっているので、保温槽の内部には温水と冷水が共存し、温水の温度が低下するという問題があった。さらに、この給温水装置を使用する場合において、最初は保温槽から蛇口まで間に溜まっていた冷水が出てしまうという問題もあった。そこで、この問題を解決する手段として、保温の温度を水の沸点(100°C)近くに設定する方法もあったが、本質的に改善されるものではなかった。
【0008】
すなわち、熱エネルギーを貯蔵する場合には、熱力学のカルノーサイクルの原理より、その熱エネルギーを貯蔵する媒体の温度が高ければ高いほどその効率が高くなる。従って、質の良い熱エネルギーとして貯蔵するためには保温槽の温度を高温に設定することが重要となる。保温槽の熱エネルギーQでカルノーサイクルを運転して仕事のエネルギーWを取り出すことを考えると、熱力学的に仕事として取り出される割合(回収効率η)は保温槽の温度と外気の温度で決定される。各温度での回収効率ηを下記に示す。
Figure 2004138043
【0009】
ところが、水を媒体とするシステムは、上限温度が水の沸点温度100°Cに押さえられるので、極めて効率の悪いシステムということになる。そこで、媒体の温度を高くするためには、水以外の物質が考えられる。水と比較的入手可能な物質として、鉄、銅、鉛を比較したものが下記データである。
Figure 2004138043
Figure 2004138043
【0010】
水の場合は100°Cで沸騰するため、温度を100°C以上にすることは非常に困難であるが、金属の場合は融点まで熱エネルギーを貯蔵することが可能となり、比熱が小さくとも効率的に熱にエネルギーを貯蔵することができる。
このデータによれば、鉄の比熱は水に比べて1/10と小さいが、密度が大きいので単位体積当たりの熱量は水に比べてほぼ80%となる。ところが、この鉄を使用して300°Cで保温した場合は、100°Cで保温した場合より2,4倍効率良く貯蔵できるため、ほぼ水の2倍の熱にエネルギーを貯蔵することができることになる。
【0011】
本発明は上述した従来の問題点に鑑みなされたもので、鉄を使用して、極めて効率良く電力を熱エネルギーとして貯蔵できる電力の貯蔵システムを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電力の貯蔵システムは、蓄熱体を電力使用した加熱手段で高温に加熱し、加熱した前記蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、必要に応じて媒体を使用し前記蓄熱体より熱エネルギーとして取り出すことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の蓄熱体は、金属材料の鉄で球状に形成され、内部に前記媒体の流路が設けられるとともに多重構造を持ち、中心部の蓄熱体が最も温度が高く保温されることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の加熱手段は電熱ヒータとし、前記中心部の蓄熱体に取り付けられていることを特徴とし、前記媒体は不活性ガスまたは水であることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の電力の貯蔵システムは、外殻と内殻により真空層と大気で二重に断熱された蓄熱槽内に鉄製の蓄熱体が配置され、前記鉄製の蓄熱体を電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、必要に応じて前記蓄熱体に形成された流路を通過する媒体を使用して熱エネルギーとして取り出すことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の電力の貯蔵システムにおける鉄製の蓄熱体は、円盤状に形成されたコアに媒体の流路孔と電熱ヒータの貫通孔が設けられ、複数段積層される構成としている。
【0017】
また、本発明の電力の貯蔵システムは、鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体に形成された流路を通過する媒体を使用して熱エネルギーとして取り出す構成としてもよい。
【0018】
また、本発明の電力の貯蔵システムは、鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体に形成された流路を通過する水を使用して蒸気として取り出し、前記蒸気でタービンを回して発電することもできる。
【0019】
また、本発明の電力の貯蔵システムは、鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体に形成された流路を通過する不活性ガスを使用して熱エネルギーとして取り出し、前記不活性ガスを熱交換器を使用して水を蒸気に変換し、前記蒸気でタービンを回して発電することを特徴としている。
【0020】
さらに、本発明の電力の貯蔵システムは、鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、必要に応じて前記蓄熱体に形成された流路を通過する水を使用して蒸気として取り出し、前記蒸気は混合器に送られて冷水と混合され、所定の温水がつくられることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電力の貯蔵システムの実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る電力の貯蔵システムの第1の実施の形態を示すブロック構成図、図2は本発明に係る電力の貯蔵システムの第2の実施の形態を示すブロック構成図、図3は本発明に係る電力の貯蔵システムの第3の実施の形態を示すブロック構成図、図4は本発明に係る電力の貯蔵システムの第4の実施の形態を示すブロック構成図である。
【0022】
本発明の第1の実施の形態を示す電力の貯蔵システムAは、図1に示すように、鉄製の蓄熱体1,2,3を深夜または休日の電力により加熱手段4を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体1,2,3を蓄熱槽10内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体1,2,3に形成された流路1a,2a,3aを通過する媒体4である水を使用して蒸気として取り出し、前記蒸気でタービン5を回して、タービン5に直結した発電機6を回し発電する構成としたものである。また、この電力の貯蔵システムAは、タービン5を回した蒸気を回収するための復水器7が備えられ、復水器7により蒸気から冷水にされた水は循環ポンプ8にて循環される。
【0023】
この電力の貯蔵システムAに使用される蓄熱体は、図1に示すように、蓄熱体1,2,3からなる多重構造の蓄熱体であり、蓄熱体1,2,3のそれぞれその間には耐火レンガなどからなる公知の断熱層10a,10b,10c,が設けられており、全体で蓄熱槽10を構成している。また、それぞれの蓄熱体1,2,3には、内部に媒体4である水の通る流路1a,2a,3aが形成されている。
【0024】
中心部の蓄熱体1はほぼ球体に形成され、この蓄熱体1の内部に加熱用の電熱ヒータ9が埋め込まれている。蓄熱体2,3は球形の外殻構造を形成しており、蓄熱体1と蓄熱体2の間、蓄熱体2と蓄熱体3の間および蓄熱体3と外側ケース10dの間は断熱層が形成されている。そのため、蓄熱体1,2,3および外側ケース10dの間には、機械的に支持するために断熱部材の耐火レンガなどが配置されている。
【0025】
また、この電力の貯蔵システムAは、媒体4として水の代わりにヘリウム、窒素などの不活性ガスを使用することもできる。この不活性ガスを使用する場合は装置としての復水器7が不要となる。
【0026】
このように構成された電力の貯蔵システムAにおける蓄熱槽10は、多層構造であり、中心に最も温度の高い蓄熱体1を配置し、この蓄熱体1を取り囲んで外殻構造の蓄熱体2,3を順次配置する。中心の蓄熱体1には電気ヒータ9が取り付けられて電力が供給され、加熱されて昇温し高温になる。すると、熱輻射や伝導により断熱層を通して外部に流出する熱流は、蓄熱体1の外側に配置された蓄熱体2,3により順次吸収され、平衡な温度分布となり落ち着くものである。これらの蓄熱体1,2,3に貯蔵された熱エネルギーは、循環ポンプ8により供給される冷水を順次加熱して高温高圧の水蒸気に変えるものである。このように、蓄熱体を多重構造にすることにより、高い温度の電力の貯蔵システムが可能となる。
【0027】
従って、この電力の貯蔵システムAに使用される蓄熱槽10は、超伝導に用いられるクライオスタットのような高度の多層真空断熱構造は必要なく、一般的な耐火レンガやセラミックを使用した断熱構造でもよい。それも、中心側の断熱層に使用すればよく、外側の断熱層においては、それほど高い耐熱温度が要求されないので、一般的な耐熱性の断熱材が使用できるものである。よって、蓄熱槽10は、非常にコストが廉価にできるので、システム全体もコストが安価となる。
【0028】
この蓄熱体を保温温度を700°Cとすると、鉄1m当たり貯蔵される熱エネルギーQは次式で示される。
Q=3460kJ/K×600K=2076MJ・・・(1)式
但し温度差700−100=600(K)
この熱エネルギーQは電力に換算すると577kWhrとなり、48kWの出力で12時間分に相当するものである。
【0029】
また、上述した電力の貯蔵システムを使用して、例えば代表的な電力の貯蔵システムである揚水発電の揚水に使用した場合を想定する。
1mの水を30mの高さに揚水する場合のエネルギーは次式で示される。
1000×9.8×30J=0.294MJ ・・・(2)式
従って、
(1)式/(2)式=2076/0.294=7060(m
となる。
この水量を12時間使用する1分当たりの揚水量に計算すると、
7060m/12hr/60mim=9.8m/min
となる。
【0030】
また、図2に示す電力の貯蔵システムBは、上述した電力の貯蔵システムAの一次媒体4に不活性ガスを使用するとともに熱交換器11を使用して二次媒体12の水を加熱するものである。この電力の貯蔵システムBは、上述した電力の貯蔵システムAより大規模で高性能なシステムにする場合に使用されるもので、蓄熱体1,2,3を700°以上の高温に加熱する場合に使用するもので、その場合には一次媒体4に水を使用すると急激に膨張して水蒸気爆発を起こす心配があるので一次媒体4に不活性ガスを使用するものである。
【0031】
次に、図3に示す電力の貯蔵システムCは、小型で家庭でも使用できるようにしたもので、鉄製の蓄熱体21の周囲を断熱真空層22が設けられた蓄熱槽20を備え、深夜または休日の電力により加熱手段の電気ヒータ23を使用して蓄熱体21を高温に加熱し、加熱した蓄熱体21を蓄熱槽20に保持し、必要に応じてこの蓄熱体21に形成された流路21aを通過する媒体24の水を使用して蒸気として取り出し、この蒸気は混合器25に送られて冷水と混合され、所定の温水26がつくられるようにしたものである。
【0032】
このように構成された電力の貯蔵システムCは、鉄の蓄熱体の保温温度を300°Cに設定すると、水を媒体とする蓄熱体(最高温度100°C)に比較すると、質の良いエネルギーとして貯蔵できるものである。ちなみに、計算を単純化するために、0,5m×0,5m×2m=0,5mの鉄の蓄熱体を考えると、この重量は4300Kgとなり、単位温度あたりの熱容量は1730kJ(キロジュール)/Kとなる。この蓄熱体を100°Cから300°Cに加熱するには、温度差ΔT=200Kであるから、必要なエネルギーは246MJ(メガジュール)となり、電力に換算すると96kWhr(キロワットアワー)となる。これは、12kWkヒータで8時間連続で加熱した熱量に相当する。
【0033】
また、参考のため、容量が約250Lの風呂を沸かす(15°Cから45°C)ための必要エネネギーを計算すると、21MJとなり、必要な電力は5,8kWとなる。これは2kWのヒータで約3時間の加熱に相当する。さらに、追い炊きする場合を考えると、5°Cの昇温に必要な熱量は5,3MJ(1,5kWhr)となり、これは1辺が20cmの鉄の立方体(重量約64kg)で300°Cから100°Cの温度差の熱量に相当する。すなわち、この程度の蓄熱体を風呂に内蔵することにより追い炊きが可能となるものである。
【0034】
上述のように構成された電力の貯蔵システムCは、小型の電力の貯蔵システムとすることが可能となり、従来の深夜電力利用の電気温水器よりも効率良く電力の貯蔵ができるものである。そして、鉄の蓄熱体の温度は、最高300°Cであるため、使用する蓄熱槽は高価な断熱材を使用する必要がないので、コストを安価にできるものである。
【0035】
さらに、図4に示す電力の貯蔵システムDは、セントラルヒーティングシステムなど用いられるもので、中央の温水槽30などから長い温水配管31で温水が送られる洗面所などに設置されるものである。この電力の貯蔵システムDは、前述した電力の貯蔵システムCと同様の小型の蓄熱槽32を備えたものである。温水配管31の入り口には流量調節弁33が設けられて、温水は蓄熱槽32と混合器34に分岐される。混合器34の先には蛇口35が取り付けられている。
【0036】
上述のように構成された電力の貯蔵システムDを洗面所などで使用する場合は、まず流量調節弁34を開いて長い温水配管31に停留した冷水を蓄熱槽32に流し、所定の温度に加温して使用するものである。そして、蓄熱槽32を使用しているうちに、中央の温水槽30からの温水が洗面所に到達するので、その時点で流量調節弁33を調整して蓄熱槽32へ流れる水を止め、中央の温水槽30からの温水をそのまま使用するものである。
【0037】
このように構成された電力の貯蔵システムDは、従来においては、洗面所などで使用する場合には、その使用が断続的であるため、中央の温水槽30から送られる温水は長い温水配管31に長時間停留し、蛇口35を開き始めに出てくる冷水のかなりの量を流して捨ていたものを、蓄熱槽32で加温して温水にすることができるので、捨てる必要がなくなり、貴重な水資源の有効活用に役立つものである。
【0038】
また、図5に示す電力の貯蔵システムEは、上述した電力の貯蔵システムA,B,C,Dにおける蓄熱槽を蓄熱槽100に変更したものである。この蓄熱槽100は外殻101と内殻102の間に断熱真空層103を有しており、内殻102の内部に大気層104を介して蓄熱体110を配設したものである。
また、蓄熱体110には貫通して流路106が設けられており、加熱用の電熱ヒータ105が配設されている。この蓄熱体110は4本スタットボルト106により内殻102に固定されている。
【0039】
外殻101はステンレス材料より形成されたもので、上下方向が丸みを帯びた円筒形に加工されている。下部には後述する支柱106をガイドする脚部108が形成され、台座109に取り付けられる。この外殻101の内壁は鏡面に仕上げられており、蓄熱体110をから漏れてくる輻射熱を反射して断熱効果をたかめている。内殻102もステンレス材料から形成されたもので、蓄熱体110を収納固定するため円筒形に加工されている。この内殻102は、内部に密閉された大気層104が加熱されて膨張しても、空気漏れなど発生しないような厚さ、強度を持つものである。
【0040】
この内殻102を支持する支柱108は、ステンレス材料から形成されたもので、蓄熱体110と内殻102を支持し、蓄熱体110と内殻102からの熱が外部に漏れないように、十分な長さを持ち、しかも接合部には断熱材が取り付けられている。
【0041】
また、蓄熱体110は、図6に示すように、円盤状に形成されたコア111に媒体の流路孔11aと電熱ヒータ105の貫通孔111bが設けられており、さらに、このコア111を複数段積層するためにスタットボルト107用の孔111cが4箇所形成されている。
【0042】
このように構成された電力の貯蔵システムEは、上述した電力の貯蔵システムA,B,C,Dと同様に小型の電力の貯蔵システムとすることが可能となり、従来の深夜電力利用の電気温水器よりも効率良く電力の貯蔵ができるものである。そして、鉄の蓄熱体の温度を300°Cにすれば、使用する蓄熱槽は高価な断熱材を使用する必要がないので、コストを安価にできるものであり、鉄の蓄熱体の温度を700°Cにすれば、非常に効率の高い電力の貯蔵システムとすることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電力の貯蔵システムは、鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体に形成された流路を通過する媒体を使用して熱エネルギーとして取り出す構成としたことにより、極めて効率良く電力を熱エネルギーとして貯蔵できるので、大規模なものはピーク発電所の代替えにも使用することができ、小規模なものは家庭用の電気温水器の代わりに使用できるので、極めて優れた電力の貯蔵システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電力の貯蔵システムの第1の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る電力の貯蔵システムの第2の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図3】本発明に係る電力の貯蔵システムの第3の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図4】本発明に係る電力の貯蔵システムの第4の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図5】本発明に係る電力の貯蔵システムの第5の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図6】図5の電力の貯蔵システムに使用する蓄熱体を示す斜視図である。
【図7】従来の電力の貯蔵システムの給温水装置を示す正面図である。
【符号の説明】
A   電力の貯蔵システム
B   電力の貯蔵システム
C   電力の貯蔵システム
D   電力の貯蔵システム
1   蓄熱体
2   蓄熱体
3   蓄熱体
4   媒体
5   タービン
6   発電機
7   復水器
8   循環ポンプ
9   電気ヒータ
10   蓄熱槽
11   熱交換器
20   蓄熱槽
21   蓄熱体
22   断熱真空層
23   電気ヒータ
24   媒体
25   混合器
26   温水
30   温水槽
31   温水排水管
32   蓄熱槽
33   流量調節弁
34   混合器
35   蛇口
100   蓄熱槽
101   外殻
102   内殻
103   断熱真空層
104   大気層
105   電熱ヒータ
106   流路
107   スタッドボルト
108   支柱
109   台座
110   蓄熱体
111   コア

Claims (13)

  1. 蓄熱体を電力使用した加熱手段で高温に加熱し、加熱した前記蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、必要に応じて媒体を使用し前記蓄熱体より熱エネルギーとして取り出すことを特徴とする電力の貯蔵システム。
  2. 前記蓄熱体は、金属材料より形成され、内部に前記媒体の流路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電力の貯蔵システム。
  3. 前記金属材料は、鉄であり、球状の多重構造に加工され、中心部の蓄熱体が最も温度が高く保温されることを特徴とする請求項1に記載の電力の貯蔵システム。
  4. 前記加熱手段は、電熱ヒータであり、前記中心部の蓄熱体に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電力の貯蔵システム。
  5. 前記媒体は、不活性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の電力の貯蔵システム。
  6. 前記媒体は、水であることを特徴とする請求項1に記載の電力の貯蔵システム。
  7. 外殻と内殻により真空層と大気で二重に断熱された蓄熱槽内に鉄製の蓄熱体が配置され、前記鉄製の蓄熱体を電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、必要に応じて前記蓄熱体に形成された流路を通過する媒体を使用して熱エネルギーとして取り出すことを特徴とする電力の貯蔵システム。
  8. 前記鉄製の蓄熱体は、円盤状に形成されたコアに媒体の流路孔と電熱ヒータの貫通孔が設けられ、複数段積層されていることを特徴とする請求項7に記載の電力の貯蔵システム。
  9. 鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体に形成された流路を通過する媒体を使用して熱エネルギーとして取り出すことを特徴とする電力の貯蔵システム。
  10. 鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体に形成された流路を通過する水を使用して蒸気として取り出し、前記蒸気でタービンを回して発電することを特徴とする電力の貯蔵システム。
  11. 鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体に形成された流路を通過する不活性ガスを使用して熱エネルギーとして取り出し、前記不活性ガスでガスタービンを回して発電することを特徴とする電力の貯蔵システム。
  12. 鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、昼間の電力消費量のピーク時に前記蓄熱体に形成された流路を通過する不活性ガスを使用して熱エネルギーとして取り出し、前記不活性ガスを熱交換器を使用して水を蒸気に変換し、前記蒸気でタービンを回して発電することを特徴とする電力の貯蔵システム。
  13. 鉄製の蓄熱体を深夜または休日の電力により加熱手段を使用して高温に加熱し、加熱した蓄熱体を蓄熱槽内に保持し、必要に応じて前記蓄熱体に形成された流路を通過する水を使用して高温水として取り出し、前記高温水は混合器に送られて冷水と混合され、所定の温度の温水がつくられることを特徴とする電力の貯蔵システム。
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