JP2004137224A - 糖衣液及び糖衣組成物 - Google Patents

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Yasuo Tajima
田嶋 靖生
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Abstract

【課題】平滑な肌理を有するエリスリトール糖衣錠を得るためにはヒドロキシプロピルメチルセルロースを比較的多量に添加する必要がある。また、作業効率を向上させるため糖衣液のエリスリトール濃度を高くすると大きな結晶が析出してしまう。
【解決手段】エリスリトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びアラビアガムからなる糖衣液、該糖衣液で医薬品、食品等の素錠を被覆する。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品や医薬等の製造に用いられる糖衣液又は該糖衣液によって覆われた糖衣組成物に関するものである。詳しくは低カロリーもしくはノンカロリーで、非う蝕性のエリスリトール糖衣液並びに、肌理が良好で、充分な強度とバリア性を有し、嚥下性が良く、低吸湿性であることを特徴とする糖衣組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、苦味などを伴う薬品や、水分で活性が低下してしまう薬品などは、糖衣液により被覆して服用しやすい形にして提供されてきた。この糖衣液としては主としてショ糖と結合剤および水からなるものが多く利用されてきた。
近年ショ糖が健康に及ぼす悪影響、即ち高カロリー、う蝕性、血糖値上昇などを回避する目的で、低カロリーの糖アルコールを用いて糖衣層を形成することが試みられてきた。これらの糖アルコールとしてはエリスリトール、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、パラチニットなどが検討されてきた。
【0003】
エリスリトールは四炭糖の糖アルコールで結晶化しやすく、甘味の強さはショ糖の70〜80%であり、食すると爽やかな冷涼感を感じ、更にノンカロリーである唯一の糖アルコールである。また、経日や温度上昇により褐変することは無く、低吸湿性であるため、糖衣に適した特長を有する糖アルコールとして検討が行われたが、それ自体に結合性が無いため糖衣層を形成しにくく、形成した場合も結晶性の良さから肌理が荒れるといった難点を有していた。
【0004】
この難点を解決する為、還元澱粉糖化物を添加しているものがある(例えば、特許文献1参照。)が、還元澱粉糖化物は食品であり、医薬品には使用することができず、平滑な肌理を得るために比較的多量に添加する必要があることから、糖衣錠の水分含量が上昇するといった欠点がある。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いて糖衣錠を製造する方法(例えば、特許文献2参照。)は、平滑な肌理を得るために比較的多量に添加する必要があり、その服用感は必ずしも満足できるものではない。また、エリスリトールの最適含有率も20〜30%と低く、糖衣工程の作業効率は低い。さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースは40℃以上でゲル化する特性を有しているため、平滑な肌理を得るには40℃以下で糖衣層を形成させる必要があるなどの制限がある。
結晶セルロースとアラビアガムを用いて糖衣錠を製造する方法(例えば、特許文献3、p.6参照。)も、エリスリトールの含有率は20〜23重量%と低く、糖衣工程の作業効率は低い。
アラビアガムとファーセレランを用いて糖衣錠を製造する方法(例えば、特許文献4、p.5参照)は、エリスリトールの含有率は約60重量%と高いものの、エリスリトールの微結晶が均一に懸濁した糖衣液を製造するには、94〜95℃まで加熱、溶解し、次いで冷却する必要がある上、同一の糖衣液を製造するのが難しいという欠点を有している。また、ファーセレランは現在生産されていないため、入手困難である。
【0005】
【特許文献1】
特許第2656435号公報
【特許文献2】
特開平09−25245号公報
【特許文献3】
特開2002−179559号公報
【特許文献4】
特開平08−322504号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは平滑な肌理を得るために比較的多量に添加する必要があり、その服用感は良くない。また、作業効率を向上させるため糖衣液のエリスリトール濃度を高くすると大きな結晶が析出してしまい、更に、エリスリトール微結晶を析出させる方法は操作が煩雑である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、エリスリトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びアラビアガムを懸濁することにより、多量のエリスリトールが配合されているにも拘わらず、微細な結晶のみが分散されたエリスリトール糖衣液が容易に得られることを見出した。また該糖衣液を被覆することにより得られた糖衣組成物は、糖衣層の肌理が非常に滑らかとなり、得られた糖衣組成物は低吸湿性で光沢を有しており、充分な強度も有していることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
すなわち本発明は、エリスリトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びアラビアガムからなる糖衣液、好ましくは、エリスリトール含有量が30〜70重量%である該糖衣液、更に好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びアラビアガムの含有量の合計が1〜5重量%である該糖衣液に関する。
別の観点からみると本発明は、使用するエリスリトールの粒子径が300μm以下である前記糖衣液に関する。
また、本発明は、薬剤又は食品素材からなる核を前記糖衣液によって被覆してなる糖衣組成物に関する。
【0010】
本発明における糖衣液は、エリスリトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びアラビアガムからなるものである。糖衣液中のエリスリトールの含有量は、好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは40〜65重量%、最も好ましくは50〜60重量%である。常温で糖衣液を調製する場合は、粒子径の小さいエリスリトール結晶を用い微結晶懸濁糖衣液とすると肌理が良好となる。粒子径の小さい結晶としては、50メッシュ(目開き300μm)以上の篩を通過した結晶、好ましくは70メッシュ(目開き212μm)以上の篩を通過した結晶、更に好ましくは100メッシュ(目開き150μm)以上の篩を通過した結晶が挙げられる。50メッシュの篩を通過した結晶の流度分布は、53〜75μmが約5%、75〜150μmが約87%、150−250μmが約7%、250〜300μmが約1%である。100メッシュの篩を通過した結晶の流度分布は、0〜32μmが約70%、32〜45μmが約11%、45〜63μmが約8%、63〜90μmが約6%、90〜125μmが約3%、125〜150μmが約1%、150μm〜が約1%である。即ち、使用するエリスリトールの粒子径は80%以上が150μm以下であるものが好ましく、70%以上が45μm以下であるものが更に好ましく、60%以上が32μm以下であるものが最も好ましい。このようなエリスリトールとしては、例えば「医薬品添加物規格エリスリトール50M、100M」(日研化学)がある。
【0011】
糖衣液中のエリスリトール対ヒドロキシプロピルメチルセルロース+アラビアガムの重量比は好ましくは10:1〜20:1、更に好ましくは12:1〜19:1、最も好ましくは13:1〜18:1である。糖衣液中のヒドロキシプロピルメチルセルロースとアラビアガムの含有量の合計は1〜5%が好ましく、更に好ましくは2〜4%である。糖衣液中のヒドロキシプロピルメチルセルロース対アラビアガムの重量比は、好ましくは1:3〜3:1、更に好ましくは1:2〜2:1である。
【0012】
本発明における糖衣組成物とは、素錠などの核を甘味を呈する本発明の糖衣液の皮膜で覆ったものの総称であり、具体的には医薬の糖衣錠剤や、糖衣で被覆された菓子、食品類が挙げられる。本発明の糖衣液はエリスリトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとアラビアガムを主に含有するものであり、これで被覆することで糖衣組成物が製造される。
【0013】
本発明の糖衣液の組成として、エリスリトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとアラビアガムの他に、低吸湿性や低カロリーなどの特性を損なわない範囲で増粘剤や他の糖アルコールを併用することで、糖衣掛け工程の際のエリスリトールの結晶成長を抑制し、さらに平滑な表面を得ることができる。併用できる増粘剤としては、増粘作用のあるものであれば限定されないが、例えばグアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、ジェランガム、カードラン、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉などが挙げられる。
【0014】
一方、糖アルコールとしては、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、イノシトール、還元デンプン糖化物などが挙げられる。
また、本発明の糖衣液には低吸湿性や低カロリーなどの特性を損なわない範囲で、必要に応じショ糖、乳糖、マルトース、キシロース、トレハロース、セルロース、カップリングシュガー、パラチノース等の糖類を含有しても良い。
【0015】
本発明の糖衣及び糖衣組成物には、強度や硬度の向上などを目的として、低吸湿性や低カロリーなどの特性を損ねない範囲で、他の結合剤を併用することができる。例えばアルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、エチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、寒天、グアーガム、グリセリン、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、コポリビドン、酢酸ビニル樹脂、酢酸フタル酸セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、ゼラチン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、澱粉、トガラント、乳糖、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、プルラン、ペクチン、ポリエチレングリコール、メチルセルロースなどが挙げられる。
【0016】
また、本発明により製造される糖衣液及び糖衣組成物には着色剤、賦形剤、滑沢剤、遮光剤なども必要に応じて添加することができる。例えば、各種色素、澱粉類、沈降炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、カオリンなどを水溶液に分散させたものを用いることができる。
また、本発明により製造される糖衣液及び糖衣組成物には、服用感の向上を目的として、着香剤・香料を適量使用することができる。例えばイソ吉草酸イソアミル、イソチオシアン酸アリル、ウイキョウ末、エタノール、エチルバニリン、エチルマルトール、オレンジ、オレンジエキス、オレンジエッセンス、オレンジ油、カプシカムフレーバー、カミツレ油、カラメル、カンゾウ末、d‐カンフル、dl‐カンフル、魚燐箔、ケイヒ末、ケイヒ油、ゲラニオール、サリチル酸メチル、シトロネラー油、シュガーフレーバー、ジンコウ末、シンナムアルデヒド、スペアミント油、チェリーフレーバー、チョウジ油、チリフレーバー、テレビン油、トウヒチンキ、トウヒ油、パインオイル、ハッカ水、ハッカ油、バニラフレーバー、バニリン、ビターエッセンス、ビタベース、ピペロナール、ヒマラヤスギ油、フルーツフレーバー、フレーバーG1、ヘスペリジン、ペパーミントエッセンス、ベルガモット油、ペルーバルサム、ベルモットフレーバー、d‐ボルネオール、dl−ボルネオール、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、dl‐メントール、l‐メントール、ユーカリ油、ラベンダー油、リュウノウ、リュウノウ末、レモンパウダー、レモン油、ロジン、ローズ水、ローズ油、ロート油、ローマカツミレ油等が挙げられる。
【0017】
また、本発明により製造される糖衣液及び糖衣組成物には、服用感の向上を目的として、矯味剤も適量使用することができる。例えばアセスルファームカリウム、アスコルビン酸、L‐アスパラギン酸、L‐アスパラギン酸ナトリウム、L‐アスパラギン酸マグネシウム、アスパルテーム、アセンヤク末、アマチャ、アマチャエキス、アマチャ末、アミノエチルスルホン酸、DL−アラニン、5’‐イノシン酸二ナトリウム、ウイキョウ、ウイキョウチンキ、ウイキョウ油、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、オイゲノール、オウバク末、オウヒエキス、オウレン、オウレン末、オノニス根乾燥エキス、カカオ末、果糖、果糖ブドウ糖液糖、カラメル、カルバコール、還元麦芽糖水飴、カンゾウ、カンゾウエキス、乾燥酵母、カンゾウ粗エキス、カンゾウ末、d‐カンフル、dl‐カンフル、希塩酸、5’‐グアニル酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、グリシン、グリセリン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グルコノ‐δ‐ラクトン、L‐グルタミン酸、L‐グルタミン酸 L‐アルギニン、L‐グルタミン酸塩酸塩、 L‐グルタミン酸ナトリウム、黒砂糖、クロレラエキス、クロレラ末、ケイヒチンキ、ケイヒ末、ケイヒ油、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム六水和物、コンブ末、酢酸、サッカリン、サッカリンナトリウム、サフラン、サフランチンキ、サリチル酸メチル、サンショウチンキ、サンショウ末、β‐シクロデキストリン、シュクシャ末、酒石酸、D−酒石酸、酒石酸水素カリウム、DL−酒石酸ナトリウム、ショウキョウチンキ、ショウキョウ末、食用ニンジン末、シンナムアルデヒド、スクラロース、ステアリン酸、ステビア、精製カンゾウエキス末、精製ハチミツ、センブリ、ソヨウ末、ソーマチン、ダイズ油、タイソウ末、脱脂粉乳、タラクサシ根・草乾燥エキス、炭酸水素ナトリウム、単シロップ、タンニン酸、チモール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、チョウジチンキ、チンピチンキ、トウガラシ、トウガラシチンキ、銅クロロフィリンナトリウム、トウヒチンキ、トウヒ末、ニガキ末、乳酸、梅肉エキス、氷酢酸、ピロリン酸四ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、粉末還元麦芽糖水飴、ペパーミントパウダー、ペルーバルサム、d‐ボルネオール、マルツエキス、ミルラ流エキス、ミレフォリウム草乾燥エキス、ユーカリ油、緑茶末、リンゲル液、リンゴ果汁、dl‐リンゴ酸、dl‐リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酢、リンゴ濃縮果汁、ローヤルゼリーなどが挙げられる。
【0018】
本発明では、素錠又は組成物の形態、重量は目的に応じて任意のものを用いることができる。例えば、医薬では顆粒剤、粒剤、トローチ剤、丸剤或いは錠剤などが、食品では錠菓、ガム、キャンディー或いはチョコレートなどが利用可能である。
【0019】
本発明の糖衣液を用いて糖衣組成物を製造するための糖衣掛け工程は、従来の方法に従って実施すれば良い。一般的には自動糖衣機、コーティングパン、糖衣パンなどの回転釜を用いて実施される。糖衣液は室温ないし加温して使用することができる。エリスリトールを高濃度で溶解させる場合は糖衣液を加温する必要があるが、室温の範囲であっても、エリスリトール結晶を懸濁することによりエリスリトール含量の高い糖衣液を製造することができる。
粉砕したエリスリトール微結晶又は市販のエリスリトール微結晶を室温にて懸濁することにより、多量のエリスリトールを均一に含む微結晶含有糖衣液を製造することができる。該方法は、HPMCがゲル化する心配もなく、操作が容易なことから好ましい。
添加する糖衣液の量は、素錠又は組成物の表面積や糖衣の目的により適宜調節すればよい。また、本発明の糖衣液は手掛けすることも可能であるし、滴下することも噴霧することも可能である。
標準的な操作としては、本発明の糖衣液を素錠又は組成物の表面に均一に展延させた後、乾燥を開始する。乾燥は通常、回転釜の中で送風により行う。送風の温度は工程の目的毎に適宜調節することができるが、好ましくは20℃から60℃の範囲である。糖衣組成物が乾燥したら、さらに糖衣液をふりかけ、乾燥する工程を数回繰り返して被覆を行い、糖衣組成物を製造する。さらに、得られた糖衣組成物は必要に応じてワックス、シェラックなどを添加し艶出しを行っても良い。
【0020】
【実施例】
本発明を以下の実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例において素錠は乳糖(ダイラクトーズR、フロイント産業)を打錠機にて成形(φ8mm、170mg、糖衣型)したのち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5MW、信越化学)にてプロテクトコーティングを施したもの(φ8mm、173mg、糖衣型)を使用した。
【0021】
<実施例1>
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(SB−4、信越化学)2.0重量%、アラビアガム(日本粉末薬品)1.5重量%を47.0重量%の水に溶解し、常温にてエリスリトール微結晶(100M、日研化学)を50.0重量%添加して結晶を懸濁させ、微結晶懸濁糖衣液を調製した。この時、溶液温度が低下した場合、常温まで加温した。
<実施例2>
プロテクトコーティング済素錠をパン内に入れ、温風にて加温した後、錠剤同士が粘りを帯びるまで実施例1で得られた糖衣液を添加し、展延2分、乾燥(60℃温風)2分を行い、1サイクルとした。これを10サイクル繰り返し、糖衣錠を製造した。
【0022】
<比較例1>
各結合剤3.0重量%を47.0重量%の水に溶解し、常温にてエリスリトール微結晶(100M、日研化学)を50.0重量%添加して結晶を懸濁させ、微結晶懸濁糖衣液を調製した。この時、溶液温度が低下した場合、常温まで加温した。プロテクトコーティング済素錠をパン内に入れ、温風にて加温した後、錠剤同士が粘りを帯びるまで糖衣液を添加し、展延2分、乾燥(60℃温風)2分を行い、1サイクルとした。これを10サイクル繰り返し、糖衣錠を製造した。
【0023】
実施例2及び比較例1で製造した糖衣錠の評価を下記表1に示す。錠剤表面は目視にて評価し、錠剤強度は錠剤表面を爪または錠剤同士で研磨し、剥離具合によって判断した。
【0024】
【表1】
Figure 2004137224
【0025】
<実施例3>
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(SB−4、信越化学)1.5重量%、アラビアガム(日本粉末薬品)2.0重量%を41.5重量%の水に溶解し、常温にてエリスリトール微結晶(100M、日研化学)を55.0重量%添加して結晶を懸濁させ、微結晶懸濁糖衣液を調製した。この時、溶液温度が低下した場合、常温まで加温した。
【0026】
<実施例4>
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(SB−4、信越化学)2.0重量%、アラビアガム(日本粉末薬品)1.5重量%、エリスリトール(日研化学)50.0重量%、水47.0重量%からなる水溶液を60℃に加温し糖衣液を調製した。
【0027】
<実施例5>
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(SB−4、信越化学)1.5重量%、アラビアガム(日本粉末薬品)2.0重量%、エリスリトール(日研化学)50.0重量%、水47.0重量%からなる水溶液を60℃に加温し糖衣液を調製した。
【0028】
<実施例6>
プロテクトコーティング済素錠500gをコーティングパンに入れ、温風にて加温した後、回転数25rpmにて錠剤同士が粘りを帯びるまで実施例4で得られた糖衣液を添加し、展延4分、乾燥(60℃、600L/min)2分を行い、1サイクルとした。これを10サイクル繰り返し、糖衣錠を製造した。
【0029】
<実施例7>
プロテクトコーティング済素錠500gをコーティングパンに入れ、温風にて加温した後、回転数25rpmにて錠剤同士が粘りを帯びるまで実施例5で得られた糖衣液を添加し、展延4分、乾燥(60℃、600L/min)2分を行い、1サイクルとした。これを10サイクル繰り返し、糖衣錠を製造した。
【0030】
<比較例2>
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(SB−4、信越化学)3.0重量%、エリスリトール(日研化学)50.0重量%、水47.0重量%からなる水溶液を60℃に加温し糖衣液を調製した。プロテクトコーティング済素錠500gをコーティングパンに入れ、温風にて加温した後、回転数25rpmにて錠剤同士が粘りを帯びるまで糖衣液を添加し、展延4分、乾燥(60℃、600L/min)2分を行い、1サイクルとした。これを10サイクル繰り返し、糖衣錠を製造した。
【0031】
<比較例3>
アラビアガム(日本粉末薬品)3.0重量%、エリスリトール(日研化学)50.0重量%、水47.0重量%からなる水溶液を60℃に加温し糖衣液を調製した。プロテクトコーティング済素錠500gをコーティングパンに入れ、温風にて加温した後、回転数25rpmにて錠剤同士が粘りを帯びるまで糖衣液を添加し、展延4分、乾燥(60℃、600L/min)2分を行い、1サイクルとした。これを10サイクル繰り返し、糖衣錠を製造した。
【0032】
結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースのみ(比較例2)を使用した錠剤は、表面が平滑で充分な強度であったが、円形にややひずみがあり、ポッチができていた。アラビアガムのみ(比較例3)を使用した錠剤は、表面は滑らかであったものの、柔らかく硬度の無い錠剤となった。それに対し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとアラビアガムを併用した錠剤(実施例6,7)はやや凹みが生ずるものの、高い錠剤硬度が得られた。なお、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの量を減らす(実施例7)と、凹みも減少した。
【0033】
<実施例8>
エリスリトール微結晶(100M、日研化学)50.0重量%、アラビアガム(日本粉末薬品)2.0重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(SB−4、信越化学)1.5重量%を水46.5重量%からなる水溶液を20℃にて調製し、微結晶懸濁糖衣液とした。自動糖衣機(ドリアコーターDR500、パウレック)を使用し、液掛け、ポーズ、乾燥のサイクルを繰り返し、糖衣層を形成させた。
【0034】
<比較例4>
下記表2に示す組成の糖衣液を調製した。自動糖衣機(ドリアコーターDR500、パウレック)を使用し、液掛け、ポーズ、乾燥のサイクルを35回繰り返し、糖衣層(下掛け)を形成させた。
更に、ショ糖70%溶液を調製し、同じサイクルを10回繰り返し、糖衣層(上掛け)を形成させた。
【0035】
【表2】
Figure 2004137224
【0036】
<試験例1>
実施例8で製造した糖衣錠と、比較例4で製造したショ糖糖衣錠の糖衣層の厚さと硬度を比較した結果を図1に示す。硬度はデジタル木屋式測定機(藤原製作所)にて10錠の平均値を求めた。実施例8で製造した糖衣錠は比較例4で製造したショ糖糖衣錠よりも薄くて硬い錠剤が得られた。これはエリスリトールの緻密な結晶層が形成されたことによるものと考えられた。
【0037】
<試験例2>
実施例8で製造した糖衣錠と、比較例4で製造したショ糖糖衣錠のサイクル効率を比較した結果を図2に示す。実施例8で製造した糖衣錠は比較例4で製造したショ糖糖衣錠と同等かそれ以上のサイクル効率を示した。
【0038】
【発明の効果】
糖衣組成物に用いる溶液組成としてエリスリトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びアラビアガムを用いることにより、作業効率が高く、且つ被覆したものの肌理が非常に滑らかで、素錠との結合性も良好で、充分な強度を有し、服用感の好ましいノンカロリーな糖衣層を有する糖衣組成物が得られた。このエリスリトール糖衣組成物は、従来繁用されているショ糖糖衣層が有する高カロリー、う蝕性、血糖値上昇などの欠点を改善することができ、特に毎日服用する医薬品などに適している。さらに本発明の糖衣組成物は嚥下性が良く、のどに詰まりにくい錠剤にすることができるため、苦味を敬遠しがちで嚥下しにくい幼児や老人などに非常に好ましく、それ以外の方にも当然好ましいため、患者のクオリティーオブライフ(QOL)やコンプライアンスの向上に繋がる錠剤を提供することができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8で製造された糖衣錠と比較例4で製造されたショ糖糖衣錠との、糖衣層の厚さと錠剤硬度を示す図である。
【図2】実施例8で製造された糖衣錠と比較例4で製造されたショ糖糖衣錠との、糖衣サイクル数と糖衣層の厚さを示す図である。

Claims (5)

  1. エリスリトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びアラビアガムからなる糖衣液。
  2. エリスリトール含有量が30〜70重量%であることを特徴とする請求項1に記載の糖衣液。
  3. ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びアラビアガムの含有量の合計が1〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の糖衣液。
  4. 使用するエリスリトールの粒子径が300μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の糖衣液。
  5. 薬剤又は食品素材からなる核を請求項1〜請求項4に記載の糖衣液によって被覆してなる糖衣組成物。
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