JP2004135436A - コルゲートチューブの係止構造 - Google Patents
コルゲートチューブの係止構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004135436A JP2004135436A JP2002297871A JP2002297871A JP2004135436A JP 2004135436 A JP2004135436 A JP 2004135436A JP 2002297871 A JP2002297871 A JP 2002297871A JP 2002297871 A JP2002297871 A JP 2002297871A JP 2004135436 A JP2004135436 A JP 2004135436A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- corrugated tube
- locking claw
- case
- rib
- locking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Images
Landscapes
- Insertion, Bundling And Securing Of Wires For Electric Apparatuses (AREA)
- Details Of Indoor Wiring (AREA)
- Connection Or Junction Boxes (AREA)
Abstract
【課題】コルゲートチューブを位置決め固定する取付材に簡単確実に取り付けられるようにし、かつ、コルゲートチューブが取付材から抜け出るのを防止する。
【解決手段】自動車に配索する電線に外装したコルゲートチューブと、該コルゲートチューブを挿通する取付材との係止構造であって、取付材の底壁および両側壁の内面より上記コルゲートチューブの谷部に嵌合するU形状のリブを間隔をあけて突設し、コルゲートチューブの長さ方向を位置決め保持すると共に、上記取付材の側壁内面の上記リブに挟まれた位置で且つ上記リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設し、該係止爪を上記コルゲートチューブを外周面に押し当ててコルゲートチューブを抜け止めしている。
【選択図】 図4
【解決手段】自動車に配索する電線に外装したコルゲートチューブと、該コルゲートチューブを挿通する取付材との係止構造であって、取付材の底壁および両側壁の内面より上記コルゲートチューブの谷部に嵌合するU形状のリブを間隔をあけて突設し、コルゲートチューブの長さ方向を位置決め保持すると共に、上記取付材の側壁内面の上記リブに挟まれた位置で且つ上記リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設し、該係止爪を上記コルゲートチューブを外周面に押し当ててコルゲートチューブを抜け止めしている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、コルゲートチューブの係止構造に関し、詳しくは、電気接続箱のコルゲートチューブ差込口にコルゲートチューブの先端を保持する場合や、分岐位置で接合するコルゲートチューブの保持するために適用するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気接続箱に接続する電線をコルゲートチューブで外装している場合、電気接続箱の挿入口に受筒を突設し、該受筒にコルゲートチューブの先端部を挿入し取付材を用いて固定している。
【0003】
上記固定構造は、図9に示すように、上下一対の取付材1の内周面に電線の配索方向に凹部1aと凸部1bとを連続して設け、電線wに外装したコルゲートチューブの半周側の山部2aと谷部2bを一方側の取付材1の凹凸部1a、1bに嵌合した後に、蓋側となる他方の取付材を被せて固定し、電線wの配索方向にコルゲートチューブ2を位置決め固定している。(実開平6−84726号参照)
【0004】
また、分岐部を有するワイヤハーネスをコルゲートチューブに通している場合、分岐位置で分割したコルゲートチューブを突き合わせ、この突き合わせを保持するために、コルゲートチューブを分岐形状に成形した上下一対のケース部を備えた保持ケース内に収容している場合がある。上記保持ケースの内面には図9と同様にコルゲートチューブの谷部に嵌合する凸部と、山部に嵌合する凹部を交互に設けて、コルゲートチューブを位置決め保持している。
【0005】
【特許文献1】
実開平6−84726号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、取付材1や保持ケースの内面にコルゲートチューブの山谷と嵌合する凹凸を設けただけの形状であると、上下一対の取付材の一方側にコルゲートチューブ2の半周側の山谷を取付材の凹凸に嵌合した後、他方側の取付材(蓋)を被せて固定までの間に、コルゲートチューブの位置ずれや浮き上がりが発生し、蓋を被せるまでに、コルゲートチューブ2が取付材1から抜け出やすい。また、コルゲートチューブの位置ずれが発生するとワイヤハーネスの寸法精度が悪くなる問題もある。
よって、コルゲートチューブ2が取付材1から抜け出ないように、作業員が手で押さえながら蓋を取り付ける必要があり、作業効率が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、取付材に嵌合したコルゲートチューブが抜け出るのを防止することにより、寸法精度を確保すると共に、作業効率を向上することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、自動車に配索する電線に外装したコルゲートチューブと、該コルゲートチューブを挿通する取付材との係止構造であって、 上記取付材の底壁および両側壁の内面より上記コルゲートチューブの谷部に嵌合するU形状のリブを間隔をあけて突設し、コルゲートチューブの長さ方向を位置決め保持すると共に、上記取付材の側壁内面の上記リブに挟まれた位置で且つ上記リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設し、該係止爪を上記コルゲートチューブを外周面に押し当ててコルゲートチューブの抜け止めしていることを特徴とするコルゲートチューブの係止構造を提供している。
【0009】
上記構成とすると、上記取付材の底壁および両側壁の内面よりU形状のリブを長さ方向に間隔をあけて突設し、該リブを電線に外装したコルゲートチューブの谷部に嵌合しているので、コルゲートチューブの長さ方向を位置ずれを規制でき、この状態で、リブに挟まれた位置に突設した係止爪をコルゲートチューブの外周面に押し当てて、コルゲートチューブが上方に抜け出ることが防止でき、コルゲートチューブを確実に位置決め保持することができる。
特に、リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設し、言い換えれば、リブを高くしているため、係止爪にコルゲートチューブが当たる前に、あるいは係止爪と当たると同時にコルゲートチューブの谷部にリブと嵌合させ、リブにより横ずれを防止してコルゲートチューブを垂直に押し込まれるようにしている。この状態で、係止爪を乗り越えてコルゲートチューブを押し込むと、コルゲートチューブを横ずれさせることなく係止爪を乗り越えて押し込むことができる。このように、コルゲートチューブが係止爪と当たった後に係止爪を乗り越えて押し込まれ、コルゲートチューブの山部外周面に係止爪が当接させることができる。かつコルゲートチューブが係止爪を乗り越えた時に、“パチン”と節度音が発生し、作業員は係止爪でコルゲートチューブが係止したことを確認することができる。
【0010】
上記係止爪は、上記取付材の両側壁内面より対向して突設し、上記コルゲートチューブの山部の上側外周面の両側に対向して押し当てている。
上記構成とすると、コルゲートチューブを安定した状態でリブの間に位置決め保持することができる。
【0011】
また、上記コルゲートチューブを挿通する取付材の上面開口を閉鎖する蓋を設け、 該蓋に押さえ突起を突設し、リブと係止爪とで取付材内に保持しているコルゲートチューブを、上記蓋の押さえ突起で上方より押圧固定している。
【0012】
上記構成とした場合は、係止爪はコルゲートチューブの仮止めの機能を果たし、係止爪による係止だけではコルゲートチューブが取付材の底壁から浮き上がっている場合、上記蓋の押さえ突起によりコルゲートチューブを底壁側に押し当てて本止め(本固定)することができる。
このように、蓋の押さえ突起により上方よりコルゲートチューブを押圧固定すると、コルゲートチューブの長さ方向を規制するリブと、上下方向を規制する押さえ突起および上記係止爪とにより、取付材と蓋の内部で移動不可に固定でき、配索方向のズレを確実に防ぐと共に、振動によって生じるコルゲートチューブのバタツキによる異音の発生を防ぐことができる。
【0013】
また、上記取付材には上記リブと係止爪を設けた部位の側壁外面にロック部を突設する一方、上記蓋には押さえ突起を設けた部位の側壁外面に被ロック部を設け、これらをロック結合した時に上記押さえ突起によりコルゲートチューブの下部の谷部を上記リブの底壁側に当接固定している。
上記構成とすると、最も押圧力のかかるロック部近傍に押さえ突起を設けているので、取付材と蓋とのロック結合作業と同時に、押さえ突起によりコルゲートチューブの下部の谷部を上記リブの底壁側に当接する位置まで容易に押し込んで固定することができる。
【0014】
上記係止爪は、断面略三角形状で、上記取付材の側壁内面より、上面を下方傾斜させてV形状に突出させている。
上記構成とすると、上記係止爪の傾斜面にコルゲートチューブを滑らせてリブ間にコルゲートチューブの山部を嵌合することができるので、作業効率を低下させることがない。また、係止爪の下面を側壁内面より上方傾斜させており、コルゲートチューブが自然に抜け出ることはないが、作業の間違い等が生じたときに人手により抜き出して、作業のやり直しをすることができる。
【0015】
具体的には、上記コルゲートチューブを挿通する取付材は、電気接続箱のロアケースとアッパーケースに設けたコルゲートチューブ挿入口の周縁より突設した上下一対の受筒からなり、
上記ロアケース側の受筒の内面より上記リブと係止爪を突設している一方、上記アッパーケース側の受筒の内面より押さえ突起を突設し、
上記リブと係止爪とでロアケース側の受筒の内部に保持しているコルゲートチューブを、上記アッパーケース側の押さえ突起により上方より押圧して、上記受筒内にコルゲートチューブを固定している。
【0016】
上記構成とすると、電気接続箱内から引き出した電線にコルゲートチューブを外装し、このコルゲートチューブを電気接続箱に突設する受筒に容易に位置決め固定することができる。
【0017】
また、上記コルゲートチューブを挿通する取付材は、T状あるいは+状等に分岐する電線群を挿通しているコルゲートチューブの分岐位置に外装するコルゲートチューブ分岐部用の保持ケースからなり、
該保持ケースの内面に上記リブと係止爪を突設する一方、該保持ケースの上面開口に被せる蓋に上記押さえ突起を突出しているものとしてもよい。
【0018】
分岐部を有するワイヤハーネスをコルゲートチューブに通し、分岐部位置で上記保持ケースにコルゲートチューブを取り付ける際に、保持ケースを上記構成とすると、分岐位置で分割したコルゲートチューブを位置ズレや抜けが生じることがなく保持ケースを取り付けることができ、作業性を高めることができる。
【0019】
また、上記保持ケースの外面に車体パネルの係止穴に挿入係止するクリップを突設してもよい。
上記構成とすると、保持ケースに別体のクリップを取り付ける必要がないため、部品点数の削減及び作業工数の低減を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は、本発明の第1実施形態を示す。
図1に示すように、電気接続箱10はアッパーケース11とロアケース12とからなり、アッパーケース11の一側面の下端部に設けた略半円形状の開口11aとロアケース12の一側面の上端部に設けた略半円形状の開口12aとでコルゲートチューブ差込口を形成している。このコルゲートチューブ差込口の周縁より断面円弧形状の受筒11bと断面U形状の受筒12bを突設して、これら上下一対の受筒でコルゲートチューブの取付材と該取付材の上面開口を閉鎖する蓋とを構成している。
【0021】
ロアケース12の受筒12bの底壁および両側壁の内周面には、図2に示すように先端端部近傍に、コルゲートチューブ20の長さ方向に山部20aに相当する間隔をあけて、リブ12b−1を突設している。リブ12b−1は断面U形状とし、受筒12bの両端部まで延在させると共に、コルゲートチューブ20の谷部20bに嵌合する高さ及び幅に設定している。
また、上記リブ12b−1の間には、受筒12bの内周面の両端部から係止爪12b−2を内側に向けて突設している。これら係止爪12b−2の上面を下方傾斜させると共に下面を上方傾斜させて断面V形状としている。
【0022】
上記受筒12bの上面開口を閉鎖する蓋となる受筒11bの内周面には、図3に示すように、押さえ突起11b−1を突設している。この押さえ突起11b−1の先端面は円弧状とし、かつ、該押さえ突起11b−1を受筒11bの幅方向の中央位置、かつ、上記リブ12b−1の間に対向する位置に設けている。
【0023】
図4に示すように、電気接続箱10に接続するワイヤハーネスW/Hには、山部20aと谷部20bを連続してなるコルゲートチューブ20を外装している。
このコルゲートチューブ20の先端を電気接続箱の差込口に挿入して受筒12bと11bとで固定する工程を、以下に説明する。
【0024】
まず、ロアケース12の受筒12bにコルゲートチューブ20を上方から挿入し、コルゲートチューブの下側周面の谷部20bを受筒12bのリブ12b−1に嵌合させて、コルゲートチューブ20を受筒12b内に押し込む。この時、コルゲートチューブ20は係止爪12b−2を乗り越え、コルゲートチューブ20の上側外周面の山部に係止爪12b−2が押し当てられ、コルゲートチューブ20は受筒12bの両側のリブ12b−1により長さ方向が位置決めされると共に、浮き上がりは係止爪12b−2により防止される。
【0025】
次いで、アッパーケース11をロアケース12に被せ、受筒12bと蓋となる受筒11bとを対向対向させて接合している。このとき、アッパーケース11の受筒11bに突設した押さえ突起11b−1でコルゲートチューブ20の上側外周面を押圧して、図5に示すように、コルゲートチューブ20を受筒内に位置決め固定している。
【0026】
上記構成とすると、ロアケース12の受筒12bの内面よりU形状のリブ12b−1を間隔をあけて突設し、該リブ12b−1をワイヤハーネスW/Hに外装したコルゲートチューブ20の谷部20bに嵌合しているので、コルゲートチューブ20の長さ方向を位置決め保持して、寸法精度を確保することができる。
また、間隔をあけて突設したリブ12b−1に挟まれた位置に係止爪12b−2を突設し、該係止爪12b−2をコルゲートチューブ20を上側外周面に押し当ててコルゲートチューブ20が浮き上がって抜けでることを防止しているため、ロアケース12側の受筒12b内に確実に位置決め保持できる。
このようにロアケース側の受筒で確実に保持された状態で、蓋側の受筒11bを被せるため、該蓋側の受筒11bを被せるまでの間、作業員がコルゲートチューブ20を手で押さえておく必要はなく、コルゲートチューブ20を受筒内に固定する作業を簡単に行うことができる。
【0027】
特に、リブ12b−1の上端位置の高さ位置に係止爪12b−2を突設しているので、言い換えれば、リブ12b−1を受筒12bの両側壁の先端まで突出しているため、係止爪12b−2にコルゲートチューブ20が当たる時にリブ12b−1にコルゲートチューブ20の谷部20bを嵌合した状態でコルゲートチューブ20を係止爪12b−2と当てることができる。そのため、コルゲートチューブ20が横ずれすることなく、真っすぐに押し込んで、係止爪12b−2を乗り越えさせることができる。かつ、コルゲートチューブ20の上側の山部の両側を係止爪12b−2で上方から押さえるため、コルゲートチューブ20を安定した状態で保持することができる。
【0028】
さらに、下側の受筒12bに保持しているコルゲートチューブ20を、蓋側の受筒11bの押さえ突起11b−1により上方より押圧固定しているので、コルゲートチューブ20の谷部をリブ12b−1に確実に嵌合させて、コルゲートチューブ20の長さ方向への横ずれを防止出来ると共に、受筒12bと11bの間で上下移動も防止できる。よって、自動車走行時の振動によって生じるワイヤハーネスW/H及びコルゲートチューブ20のバタツキによる異音の発生を防ぐことができる。
【0029】
なお、上記リブを受筒の両側壁の上端まで突出させ、係止爪をリブの上端より若干下方位置に突出させることが好ましい。該構成とすると、コルゲートチューブが係止爪に当たる前にコルゲートチューブの谷部にリブを嵌合し、リブにより真っすぐに誘導してコルゲートチューブを係止爪に当てることができ、この押し込みにより係止爪を乗り越えさせる時に、コルゲートチューブを横ずれなく安定した状態で押し込んで係止爪により係止させることができる。
【0030】
図6乃至図8は、本発明の第2実施形態を示す。
図6に示すように、T字状に分岐するワイヤハーネスW/Hに3つのコルゲートチューブ20A、20B、20Cに通し、これら3つのコルゲートチューブに分岐位置でT状の保持ケース30を取り付け、該保持ケース30により3つのコルゲートチューブを位置決め固定している。
【0031】
上記保持ケース30は、図7に示すように、底壁部31aと側壁部31bからなる樋形状の本体ケース31と蓋32とを薄肉ヒンジ33を介して一体的に設けており、本体ケース31が取付材に相当する。
本体ケース31はT状であり、蓋33は本体ケース31のT状の一辺を閉鎖する蓋32Aと他辺を閉鎖する蓋32Bとに分割されている。
【0032】
本体ケース31は3つの差込口31c近傍に上記第1実施形態と同様のU形状の一対のリブ31dと、これらリブ31dの間に係止爪31eを設けている。また、蓋32には一対のリブ31dの間に相当する位置に、上記第1実施形態と同様の押さえ突起32aを突設している。
【0033】
また、対向する側壁部31bのうち、薄肉ヒンジ33を備えていない側の外面に枠状のロック部31fを突設する一方、蓋32には記ロック部31fとロック結合するロック爪32bを突設している。
さらに、本体ケース31の裏面側には車体パネルの係止穴に挿入係止するクリップ31gを突設している。
【0034】
図8に示すように、分岐部を有するワイヤハーネスW/Hを3つのコルゲートチューブ20A、20B、20Cに通し、分岐位置でこれら3つのコルゲートチューブを保持ケース30により保持して位置決め固定している。
上記保持ケース30への3つのコルゲートチューブ20A〜20Cの取り付けは、各コルゲートチューブ20の谷部20bにリブ31dを嵌合すると共に、係止爪31eをコルゲートチューブ20の山部20aの外周面に押し当てている。
次いで、本体ケース31のロック部31fに蓋32のロック爪32bを挿入係止して、本体ケース31を蓋32により閉鎖する。このとき、蓋32に突設した押さえ突起32aがコルゲートチューブ20A〜20Cを本体ケース31内に押圧して固定する。
【0035】
上記構成とすると、コルゲートチューブ20の位置決め固定作業が困難であるワイヤハーネスW/Hの分岐位置においても、上記第1実施形態と同様、コルゲートチューブ20を上記保持ケース30に容易に位置決め固定することができる。 また、保持ケース30の裏面側にクリップ31gを突設しているので、別体のクリップを用いることなく、保持ケース30を車体パネルに挿入係止することができ、部品点数の削減及び作業工数の低減を図ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、電気接続箱の受筒や分岐位置用の保持ケースからなる取付材の底壁および両側壁の内面よりU形状のリブを間隔をあけて突設し、該リブを電線に外装したコルゲートチューブの谷部に嵌合しているので、コルゲートチューブの長さ方向を位置決め保持して、寸法精度を確保することができる。
また、取付材の側壁内面のリブに挟まれた位置に係止爪を突設し、該係止爪をコルゲートチューブの外周面に押し当ててコルゲートチューブの抜け止めしているので、位置決めしたコルゲートチューブが抜け出ることによる位置決め作業のやり直しがなくなり作業効率を向上させることができ、上記取付材に蓋を被せる場合には、コルゲートチューブが確実に位置決めされた状態で蓋の取付作業を行うことができるので、さらに作業効率を向上させることができる。
特に、リブの上端を側壁上端近傍まで高くし、該リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設すると、リブによりコルゲートチューブを横ずれを発生させずに係止爪に当てることができ、スムーズに係止爪を乗り越えさせて、係止爪によりコルゲートチューブを上側外周面を押さえることができる。
【0037】
また、取付材内に保持しているコルゲートチューブを、蓋に設けた押さえ突起により上方より押圧固定しているので、コルゲートチューブの山部をリブ間に押さえ込んでコルゲートチューブの配索方向へのズレを確実に防ぐと共に、振動によって生じる電線及びコルゲートチューブのバタツキによる異音の発生を防ぐことができる。
【0038】
また、最も押圧力のかかるロック部近傍に押さえ突起を設けているので、取付材と蓋とのロック結合作業と同時に、押さえ突起によりコルゲートチューブの下部の谷部を上記リブの底壁側に当接する位置まで容易に押し込んで固定することができる。
【0039】
さらに、係止爪を断面略三角形状とし、取付材の側壁内面より上面を下方傾斜させてV形状に突出させると、係止爪の傾斜面にコルゲートチューブを滑らせてリブ間にコルゲートチューブの山部を嵌合することができ、作業効率を低下させることがない。また、係止爪の下面を側壁内面より上方傾斜させており、コルゲートチューブが自然に抜け出ることはないが、作業の間違い等が生じたときに人手により抜き出して、作業のやり直しをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の電気接続箱の要部拡大斜視図である。
【図2】(A)はロアケース側の取付材の要部拡大斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図である。
【図3】(A)はアッパーケース側の取付材の要部拡大斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図である。
【図4】ロアケース側の取付材にコルゲートチューブを位置決め固定している状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図である。
【図5】取付材にコルゲートチューブを位置決め固定している状態を示す正面図である。
【図6】第2実施形態を示す平面図である。
【図7】(A)は保持ケースの平面図、(B)は下面側斜視図である。
【図8】保持ケースにコルゲートチューブを位置決め固定した状態を示す平面図である。
【図9】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 電気接続箱
11 アッパーケース
11b 受筒(取付材)
11b−1 押さえ突起
12 ロアケース
12b 受筒(蓋)
12b−1 リブ
12b−2 係止爪
20 コルゲートチューブ
20a 山部
20b 谷部
30 保持ケース
31 本体ケース
31d リブ
31e 係止爪
32 蓋
32a 押さえ突起
W/H ワイヤハーネス
【発明が属する技術分野】
本発明は、コルゲートチューブの係止構造に関し、詳しくは、電気接続箱のコルゲートチューブ差込口にコルゲートチューブの先端を保持する場合や、分岐位置で接合するコルゲートチューブの保持するために適用するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気接続箱に接続する電線をコルゲートチューブで外装している場合、電気接続箱の挿入口に受筒を突設し、該受筒にコルゲートチューブの先端部を挿入し取付材を用いて固定している。
【0003】
上記固定構造は、図9に示すように、上下一対の取付材1の内周面に電線の配索方向に凹部1aと凸部1bとを連続して設け、電線wに外装したコルゲートチューブの半周側の山部2aと谷部2bを一方側の取付材1の凹凸部1a、1bに嵌合した後に、蓋側となる他方の取付材を被せて固定し、電線wの配索方向にコルゲートチューブ2を位置決め固定している。(実開平6−84726号参照)
【0004】
また、分岐部を有するワイヤハーネスをコルゲートチューブに通している場合、分岐位置で分割したコルゲートチューブを突き合わせ、この突き合わせを保持するために、コルゲートチューブを分岐形状に成形した上下一対のケース部を備えた保持ケース内に収容している場合がある。上記保持ケースの内面には図9と同様にコルゲートチューブの谷部に嵌合する凸部と、山部に嵌合する凹部を交互に設けて、コルゲートチューブを位置決め保持している。
【0005】
【特許文献1】
実開平6−84726号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、取付材1や保持ケースの内面にコルゲートチューブの山谷と嵌合する凹凸を設けただけの形状であると、上下一対の取付材の一方側にコルゲートチューブ2の半周側の山谷を取付材の凹凸に嵌合した後、他方側の取付材(蓋)を被せて固定までの間に、コルゲートチューブの位置ずれや浮き上がりが発生し、蓋を被せるまでに、コルゲートチューブ2が取付材1から抜け出やすい。また、コルゲートチューブの位置ずれが発生するとワイヤハーネスの寸法精度が悪くなる問題もある。
よって、コルゲートチューブ2が取付材1から抜け出ないように、作業員が手で押さえながら蓋を取り付ける必要があり、作業効率が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、取付材に嵌合したコルゲートチューブが抜け出るのを防止することにより、寸法精度を確保すると共に、作業効率を向上することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、自動車に配索する電線に外装したコルゲートチューブと、該コルゲートチューブを挿通する取付材との係止構造であって、 上記取付材の底壁および両側壁の内面より上記コルゲートチューブの谷部に嵌合するU形状のリブを間隔をあけて突設し、コルゲートチューブの長さ方向を位置決め保持すると共に、上記取付材の側壁内面の上記リブに挟まれた位置で且つ上記リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設し、該係止爪を上記コルゲートチューブを外周面に押し当ててコルゲートチューブの抜け止めしていることを特徴とするコルゲートチューブの係止構造を提供している。
【0009】
上記構成とすると、上記取付材の底壁および両側壁の内面よりU形状のリブを長さ方向に間隔をあけて突設し、該リブを電線に外装したコルゲートチューブの谷部に嵌合しているので、コルゲートチューブの長さ方向を位置ずれを規制でき、この状態で、リブに挟まれた位置に突設した係止爪をコルゲートチューブの外周面に押し当てて、コルゲートチューブが上方に抜け出ることが防止でき、コルゲートチューブを確実に位置決め保持することができる。
特に、リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設し、言い換えれば、リブを高くしているため、係止爪にコルゲートチューブが当たる前に、あるいは係止爪と当たると同時にコルゲートチューブの谷部にリブと嵌合させ、リブにより横ずれを防止してコルゲートチューブを垂直に押し込まれるようにしている。この状態で、係止爪を乗り越えてコルゲートチューブを押し込むと、コルゲートチューブを横ずれさせることなく係止爪を乗り越えて押し込むことができる。このように、コルゲートチューブが係止爪と当たった後に係止爪を乗り越えて押し込まれ、コルゲートチューブの山部外周面に係止爪が当接させることができる。かつコルゲートチューブが係止爪を乗り越えた時に、“パチン”と節度音が発生し、作業員は係止爪でコルゲートチューブが係止したことを確認することができる。
【0010】
上記係止爪は、上記取付材の両側壁内面より対向して突設し、上記コルゲートチューブの山部の上側外周面の両側に対向して押し当てている。
上記構成とすると、コルゲートチューブを安定した状態でリブの間に位置決め保持することができる。
【0011】
また、上記コルゲートチューブを挿通する取付材の上面開口を閉鎖する蓋を設け、 該蓋に押さえ突起を突設し、リブと係止爪とで取付材内に保持しているコルゲートチューブを、上記蓋の押さえ突起で上方より押圧固定している。
【0012】
上記構成とした場合は、係止爪はコルゲートチューブの仮止めの機能を果たし、係止爪による係止だけではコルゲートチューブが取付材の底壁から浮き上がっている場合、上記蓋の押さえ突起によりコルゲートチューブを底壁側に押し当てて本止め(本固定)することができる。
このように、蓋の押さえ突起により上方よりコルゲートチューブを押圧固定すると、コルゲートチューブの長さ方向を規制するリブと、上下方向を規制する押さえ突起および上記係止爪とにより、取付材と蓋の内部で移動不可に固定でき、配索方向のズレを確実に防ぐと共に、振動によって生じるコルゲートチューブのバタツキによる異音の発生を防ぐことができる。
【0013】
また、上記取付材には上記リブと係止爪を設けた部位の側壁外面にロック部を突設する一方、上記蓋には押さえ突起を設けた部位の側壁外面に被ロック部を設け、これらをロック結合した時に上記押さえ突起によりコルゲートチューブの下部の谷部を上記リブの底壁側に当接固定している。
上記構成とすると、最も押圧力のかかるロック部近傍に押さえ突起を設けているので、取付材と蓋とのロック結合作業と同時に、押さえ突起によりコルゲートチューブの下部の谷部を上記リブの底壁側に当接する位置まで容易に押し込んで固定することができる。
【0014】
上記係止爪は、断面略三角形状で、上記取付材の側壁内面より、上面を下方傾斜させてV形状に突出させている。
上記構成とすると、上記係止爪の傾斜面にコルゲートチューブを滑らせてリブ間にコルゲートチューブの山部を嵌合することができるので、作業効率を低下させることがない。また、係止爪の下面を側壁内面より上方傾斜させており、コルゲートチューブが自然に抜け出ることはないが、作業の間違い等が生じたときに人手により抜き出して、作業のやり直しをすることができる。
【0015】
具体的には、上記コルゲートチューブを挿通する取付材は、電気接続箱のロアケースとアッパーケースに設けたコルゲートチューブ挿入口の周縁より突設した上下一対の受筒からなり、
上記ロアケース側の受筒の内面より上記リブと係止爪を突設している一方、上記アッパーケース側の受筒の内面より押さえ突起を突設し、
上記リブと係止爪とでロアケース側の受筒の内部に保持しているコルゲートチューブを、上記アッパーケース側の押さえ突起により上方より押圧して、上記受筒内にコルゲートチューブを固定している。
【0016】
上記構成とすると、電気接続箱内から引き出した電線にコルゲートチューブを外装し、このコルゲートチューブを電気接続箱に突設する受筒に容易に位置決め固定することができる。
【0017】
また、上記コルゲートチューブを挿通する取付材は、T状あるいは+状等に分岐する電線群を挿通しているコルゲートチューブの分岐位置に外装するコルゲートチューブ分岐部用の保持ケースからなり、
該保持ケースの内面に上記リブと係止爪を突設する一方、該保持ケースの上面開口に被せる蓋に上記押さえ突起を突出しているものとしてもよい。
【0018】
分岐部を有するワイヤハーネスをコルゲートチューブに通し、分岐部位置で上記保持ケースにコルゲートチューブを取り付ける際に、保持ケースを上記構成とすると、分岐位置で分割したコルゲートチューブを位置ズレや抜けが生じることがなく保持ケースを取り付けることができ、作業性を高めることができる。
【0019】
また、上記保持ケースの外面に車体パネルの係止穴に挿入係止するクリップを突設してもよい。
上記構成とすると、保持ケースに別体のクリップを取り付ける必要がないため、部品点数の削減及び作業工数の低減を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は、本発明の第1実施形態を示す。
図1に示すように、電気接続箱10はアッパーケース11とロアケース12とからなり、アッパーケース11の一側面の下端部に設けた略半円形状の開口11aとロアケース12の一側面の上端部に設けた略半円形状の開口12aとでコルゲートチューブ差込口を形成している。このコルゲートチューブ差込口の周縁より断面円弧形状の受筒11bと断面U形状の受筒12bを突設して、これら上下一対の受筒でコルゲートチューブの取付材と該取付材の上面開口を閉鎖する蓋とを構成している。
【0021】
ロアケース12の受筒12bの底壁および両側壁の内周面には、図2に示すように先端端部近傍に、コルゲートチューブ20の長さ方向に山部20aに相当する間隔をあけて、リブ12b−1を突設している。リブ12b−1は断面U形状とし、受筒12bの両端部まで延在させると共に、コルゲートチューブ20の谷部20bに嵌合する高さ及び幅に設定している。
また、上記リブ12b−1の間には、受筒12bの内周面の両端部から係止爪12b−2を内側に向けて突設している。これら係止爪12b−2の上面を下方傾斜させると共に下面を上方傾斜させて断面V形状としている。
【0022】
上記受筒12bの上面開口を閉鎖する蓋となる受筒11bの内周面には、図3に示すように、押さえ突起11b−1を突設している。この押さえ突起11b−1の先端面は円弧状とし、かつ、該押さえ突起11b−1を受筒11bの幅方向の中央位置、かつ、上記リブ12b−1の間に対向する位置に設けている。
【0023】
図4に示すように、電気接続箱10に接続するワイヤハーネスW/Hには、山部20aと谷部20bを連続してなるコルゲートチューブ20を外装している。
このコルゲートチューブ20の先端を電気接続箱の差込口に挿入して受筒12bと11bとで固定する工程を、以下に説明する。
【0024】
まず、ロアケース12の受筒12bにコルゲートチューブ20を上方から挿入し、コルゲートチューブの下側周面の谷部20bを受筒12bのリブ12b−1に嵌合させて、コルゲートチューブ20を受筒12b内に押し込む。この時、コルゲートチューブ20は係止爪12b−2を乗り越え、コルゲートチューブ20の上側外周面の山部に係止爪12b−2が押し当てられ、コルゲートチューブ20は受筒12bの両側のリブ12b−1により長さ方向が位置決めされると共に、浮き上がりは係止爪12b−2により防止される。
【0025】
次いで、アッパーケース11をロアケース12に被せ、受筒12bと蓋となる受筒11bとを対向対向させて接合している。このとき、アッパーケース11の受筒11bに突設した押さえ突起11b−1でコルゲートチューブ20の上側外周面を押圧して、図5に示すように、コルゲートチューブ20を受筒内に位置決め固定している。
【0026】
上記構成とすると、ロアケース12の受筒12bの内面よりU形状のリブ12b−1を間隔をあけて突設し、該リブ12b−1をワイヤハーネスW/Hに外装したコルゲートチューブ20の谷部20bに嵌合しているので、コルゲートチューブ20の長さ方向を位置決め保持して、寸法精度を確保することができる。
また、間隔をあけて突設したリブ12b−1に挟まれた位置に係止爪12b−2を突設し、該係止爪12b−2をコルゲートチューブ20を上側外周面に押し当ててコルゲートチューブ20が浮き上がって抜けでることを防止しているため、ロアケース12側の受筒12b内に確実に位置決め保持できる。
このようにロアケース側の受筒で確実に保持された状態で、蓋側の受筒11bを被せるため、該蓋側の受筒11bを被せるまでの間、作業員がコルゲートチューブ20を手で押さえておく必要はなく、コルゲートチューブ20を受筒内に固定する作業を簡単に行うことができる。
【0027】
特に、リブ12b−1の上端位置の高さ位置に係止爪12b−2を突設しているので、言い換えれば、リブ12b−1を受筒12bの両側壁の先端まで突出しているため、係止爪12b−2にコルゲートチューブ20が当たる時にリブ12b−1にコルゲートチューブ20の谷部20bを嵌合した状態でコルゲートチューブ20を係止爪12b−2と当てることができる。そのため、コルゲートチューブ20が横ずれすることなく、真っすぐに押し込んで、係止爪12b−2を乗り越えさせることができる。かつ、コルゲートチューブ20の上側の山部の両側を係止爪12b−2で上方から押さえるため、コルゲートチューブ20を安定した状態で保持することができる。
【0028】
さらに、下側の受筒12bに保持しているコルゲートチューブ20を、蓋側の受筒11bの押さえ突起11b−1により上方より押圧固定しているので、コルゲートチューブ20の谷部をリブ12b−1に確実に嵌合させて、コルゲートチューブ20の長さ方向への横ずれを防止出来ると共に、受筒12bと11bの間で上下移動も防止できる。よって、自動車走行時の振動によって生じるワイヤハーネスW/H及びコルゲートチューブ20のバタツキによる異音の発生を防ぐことができる。
【0029】
なお、上記リブを受筒の両側壁の上端まで突出させ、係止爪をリブの上端より若干下方位置に突出させることが好ましい。該構成とすると、コルゲートチューブが係止爪に当たる前にコルゲートチューブの谷部にリブを嵌合し、リブにより真っすぐに誘導してコルゲートチューブを係止爪に当てることができ、この押し込みにより係止爪を乗り越えさせる時に、コルゲートチューブを横ずれなく安定した状態で押し込んで係止爪により係止させることができる。
【0030】
図6乃至図8は、本発明の第2実施形態を示す。
図6に示すように、T字状に分岐するワイヤハーネスW/Hに3つのコルゲートチューブ20A、20B、20Cに通し、これら3つのコルゲートチューブに分岐位置でT状の保持ケース30を取り付け、該保持ケース30により3つのコルゲートチューブを位置決め固定している。
【0031】
上記保持ケース30は、図7に示すように、底壁部31aと側壁部31bからなる樋形状の本体ケース31と蓋32とを薄肉ヒンジ33を介して一体的に設けており、本体ケース31が取付材に相当する。
本体ケース31はT状であり、蓋33は本体ケース31のT状の一辺を閉鎖する蓋32Aと他辺を閉鎖する蓋32Bとに分割されている。
【0032】
本体ケース31は3つの差込口31c近傍に上記第1実施形態と同様のU形状の一対のリブ31dと、これらリブ31dの間に係止爪31eを設けている。また、蓋32には一対のリブ31dの間に相当する位置に、上記第1実施形態と同様の押さえ突起32aを突設している。
【0033】
また、対向する側壁部31bのうち、薄肉ヒンジ33を備えていない側の外面に枠状のロック部31fを突設する一方、蓋32には記ロック部31fとロック結合するロック爪32bを突設している。
さらに、本体ケース31の裏面側には車体パネルの係止穴に挿入係止するクリップ31gを突設している。
【0034】
図8に示すように、分岐部を有するワイヤハーネスW/Hを3つのコルゲートチューブ20A、20B、20Cに通し、分岐位置でこれら3つのコルゲートチューブを保持ケース30により保持して位置決め固定している。
上記保持ケース30への3つのコルゲートチューブ20A〜20Cの取り付けは、各コルゲートチューブ20の谷部20bにリブ31dを嵌合すると共に、係止爪31eをコルゲートチューブ20の山部20aの外周面に押し当てている。
次いで、本体ケース31のロック部31fに蓋32のロック爪32bを挿入係止して、本体ケース31を蓋32により閉鎖する。このとき、蓋32に突設した押さえ突起32aがコルゲートチューブ20A〜20Cを本体ケース31内に押圧して固定する。
【0035】
上記構成とすると、コルゲートチューブ20の位置決め固定作業が困難であるワイヤハーネスW/Hの分岐位置においても、上記第1実施形態と同様、コルゲートチューブ20を上記保持ケース30に容易に位置決め固定することができる。 また、保持ケース30の裏面側にクリップ31gを突設しているので、別体のクリップを用いることなく、保持ケース30を車体パネルに挿入係止することができ、部品点数の削減及び作業工数の低減を図ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、電気接続箱の受筒や分岐位置用の保持ケースからなる取付材の底壁および両側壁の内面よりU形状のリブを間隔をあけて突設し、該リブを電線に外装したコルゲートチューブの谷部に嵌合しているので、コルゲートチューブの長さ方向を位置決め保持して、寸法精度を確保することができる。
また、取付材の側壁内面のリブに挟まれた位置に係止爪を突設し、該係止爪をコルゲートチューブの外周面に押し当ててコルゲートチューブの抜け止めしているので、位置決めしたコルゲートチューブが抜け出ることによる位置決め作業のやり直しがなくなり作業効率を向上させることができ、上記取付材に蓋を被せる場合には、コルゲートチューブが確実に位置決めされた状態で蓋の取付作業を行うことができるので、さらに作業効率を向上させることができる。
特に、リブの上端を側壁上端近傍まで高くし、該リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設すると、リブによりコルゲートチューブを横ずれを発生させずに係止爪に当てることができ、スムーズに係止爪を乗り越えさせて、係止爪によりコルゲートチューブを上側外周面を押さえることができる。
【0037】
また、取付材内に保持しているコルゲートチューブを、蓋に設けた押さえ突起により上方より押圧固定しているので、コルゲートチューブの山部をリブ間に押さえ込んでコルゲートチューブの配索方向へのズレを確実に防ぐと共に、振動によって生じる電線及びコルゲートチューブのバタツキによる異音の発生を防ぐことができる。
【0038】
また、最も押圧力のかかるロック部近傍に押さえ突起を設けているので、取付材と蓋とのロック結合作業と同時に、押さえ突起によりコルゲートチューブの下部の谷部を上記リブの底壁側に当接する位置まで容易に押し込んで固定することができる。
【0039】
さらに、係止爪を断面略三角形状とし、取付材の側壁内面より上面を下方傾斜させてV形状に突出させると、係止爪の傾斜面にコルゲートチューブを滑らせてリブ間にコルゲートチューブの山部を嵌合することができ、作業効率を低下させることがない。また、係止爪の下面を側壁内面より上方傾斜させており、コルゲートチューブが自然に抜け出ることはないが、作業の間違い等が生じたときに人手により抜き出して、作業のやり直しをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の電気接続箱の要部拡大斜視図である。
【図2】(A)はロアケース側の取付材の要部拡大斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図である。
【図3】(A)はアッパーケース側の取付材の要部拡大斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図である。
【図4】ロアケース側の取付材にコルゲートチューブを位置決め固定している状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図である。
【図5】取付材にコルゲートチューブを位置決め固定している状態を示す正面図である。
【図6】第2実施形態を示す平面図である。
【図7】(A)は保持ケースの平面図、(B)は下面側斜視図である。
【図8】保持ケースにコルゲートチューブを位置決め固定した状態を示す平面図である。
【図9】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 電気接続箱
11 アッパーケース
11b 受筒(取付材)
11b−1 押さえ突起
12 ロアケース
12b 受筒(蓋)
12b−1 リブ
12b−2 係止爪
20 コルゲートチューブ
20a 山部
20b 谷部
30 保持ケース
31 本体ケース
31d リブ
31e 係止爪
32 蓋
32a 押さえ突起
W/H ワイヤハーネス
Claims (8)
- 自動車に配索する電線に外装したコルゲートチューブと、該コルゲートチューブを挿通する取付材との係止構造であって、
上記取付材の底壁および両側壁の内面より上記コルゲートチューブの谷部に嵌合するU形状のリブを間隔をあけて突設し、コルゲートチューブの長さ方向を位置決め保持すると共に、上記取付材の側壁内面の上記リブに挟まれた位置で且つ上記リブの上端位置以下の高さ位置に係止爪を突設し、該係止爪を上記コルゲートチューブの外周面に押し当ててコルゲートチューブの抜け止めしていることを特徴とするコルゲートチューブの係止構造。 - 上記係止爪は、上記取付材の両側壁内面より対向して突設し、上記コルゲートチューブの山部の外周面に対向して押し当てている請求項1に記載のコルゲートチューブの係止構造。
- 上記コルゲートチューブを挿通する取付材の上面開口を閉鎖する蓋を設け、該蓋に押さえ突起を突設し、
上記リブと係止爪とで取付材内に保持しているコルゲートチューブを、上記蓋の押さえ突起により上方より押圧固定している請求項1または請求項2に記載のコルゲートチューブの係止構造。 - 上記取付材には上記リブと係止爪を設けた部位の側壁外面にロック部を突設する一方、上記蓋には押さえ突起を設けた部位の側壁外面に被ロック部を設け、これらをロック結合した時に上記押さえ突起によりコルゲートチューブの下部の谷部を上記リブの底壁側に当接固定している請求項3に記載のコルゲートチューブの係止構造。
- 上記係止爪は、断面略三角形状で、上記取付材の側壁内面より、上面を下方傾斜させてV形状に突出させている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコルゲートチューブの係止構造。
- 上記コルゲートチューブを挿通する取付材は、電気接続箱のロアケースとアッパーケースに設けたコルゲートチューブ差込口の周縁より突設した上下一対の受筒からなり、
上記ロアケース側の受筒の内面より上記リブと係止爪を突設している一方、上記アッパーケース側の受筒の内面より押さえ突起を突設し、
上記リブと係止爪とでロアケース側の受筒の内部に保持しているコルゲートチューブを、上記アッパーケース側の押さえ突起により上方より押圧して、上記受筒内にコルゲートチューブを固定している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコルゲートチューブの係止構造。 - 上記コルゲートチューブを挿通する取付材は、T状あるいは+状等に分岐する電線群を挿通しているコルゲートチューブの分岐位置に外装するコルゲートチューブ分岐部用の保持ケースからなり、
該保持ケースの内面に上記リブと係止爪を突設する一方、該保持ケースの上面開口に被せる蓋に上記押さえ突起を突出している請求項1乃至請求項5のずれか1項に記載のコルゲートチューブの係止構造。 - 上記保持ケースの外面に車体パネルの係止穴に挿入係止するクリップを突設している請求項7に記載のコルゲートチューブの係止構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002297871A JP2004135436A (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | コルゲートチューブの係止構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002297871A JP2004135436A (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | コルゲートチューブの係止構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004135436A true JP2004135436A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32287455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002297871A Abandoned JP2004135436A (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | コルゲートチューブの係止構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004135436A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007132544A1 (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | ワイヤハーネス用プロテクタ |
JP2008180406A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 温度センサ固定装置およびそれを備えた空気調和機 |
JP2011010474A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | ワイヤハーネス用プロテクタ |
JP2012239367A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-12-06 | Mirai Ind Co Ltd | 耐火カバー、耐火性配線ボックス及び耐火性配線ボックスの設置構造 |
-
2002
- 2002-10-10 JP JP2002297871A patent/JP2004135436A/ja not_active Abandoned
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007132544A1 (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | ワイヤハーネス用プロテクタ |
US7709736B2 (en) | 2006-05-15 | 2010-05-04 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Protector for wire harness |
JP2008180406A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 温度センサ固定装置およびそれを備えた空気調和機 |
JP2011010474A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | ワイヤハーネス用プロテクタ |
JP2012239367A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-12-06 | Mirai Ind Co Ltd | 耐火カバー、耐火性配線ボックス及び耐火性配線ボックスの設置構造 |
JP2016054645A (ja) * | 2011-04-27 | 2016-04-14 | 未来工業株式会社 | 耐火カバー、耐火カバーを有する耐火性配線ボックス及び耐火性配線ボックスの設置構造 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4766651A (en) | Band clamp | |
US7294789B1 (en) | Retainer with band clip and cable holder | |
JP4470932B2 (ja) | プロテクタ | |
JP4689986B2 (ja) | バンドクランプ | |
JP3319576B2 (ja) | プロテクタ | |
AU783943B2 (en) | A trunking accessory and a combination including the accessory and trunking with a base section specifically adapted to suit the accessory | |
JPH07108051B2 (ja) | ケーブル束を収容するためのケーブルダクト | |
JPH10229283A (ja) | 電線束線固定構造 | |
JP2004135436A (ja) | コルゲートチューブの係止構造 | |
JP3890536B2 (ja) | 管体が接続可能なボックス | |
JP2582529Y2 (ja) | コネクタホルダ | |
JP2004135449A (ja) | プロテクタ | |
JPH11248040A (ja) | 自動車用ワイヤハーネスのクランプ構造 | |
KR200288596Y1 (ko) | 다용도 와이어 하네스 고정용 클립 | |
JP3880657B2 (ja) | バンド締付具 | |
JP2000027824A (ja) | ルーフモール用クリップ | |
JP3198851B2 (ja) | サイドシルスカッフの取付構造 | |
JP4472090B2 (ja) | ケーブル固定具、ケーブル固定具を備えた自転車及びケーブル固定具を用いた固定方法 | |
JPS641259Y2 (ja) | ||
JP2620682B2 (ja) | 埋め込み型照明器具 | |
JPH1182429A (ja) | 取外可能なハーネスクリップ | |
JPH0331847Y2 (ja) | ||
JPH0313020Y2 (ja) | ||
JP3584584B2 (ja) | クリップ固定型コネクターおよびクリップの取付け方法 | |
JPH0558922U (ja) | ブラケットの連結構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061003 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20061124 |