JP2004132820A - 分析装置及び分析方法 - Google Patents

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Satoru Ito
伊東 哲
Hiroya Shimizu
清水 博弥
Akihiko Kato
加藤 明彦
Takeshi Sawazaki
澤崎 毅
Akira Yo
楊 明
Kazumi Uchiyama
内山 一美
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Abstract

【課題】反応固相である固体粒子の流出を防ぎつつ液の流出を効果的に行うことができ、正確かつ迅速に測定対象成分を分析することが可能な分析装置、及び分析方法を提供すること。
【解決手段】液体流入口と液体流出口を有すると共に、内部に固体粒子を収納する反応室を備える分析装置であって、前記液体流出口の下流側に、固体粒子を堰き止める流出側堰部を設け、該流出側堰部が、液体を通過させる複数の開口を有することを特徴とする分析装置。前記分析装置を用いる分析方法であって、前記固体粒子に、試料液中の測定対象成分又はこれを複合化した複合体を固定化し、該固定化した測定対象成分又は複合体を光分析することを特徴とする分析方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体粒子を内部に収納する反応室を備えた分析装置、及び該分析装置を用いる分析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境汚染を引き起こす化合物を、効率的に測定する分析の必要性が高まってきている。例えば、深刻な環境汚染を引き起こすダイオキシン類を発生させるおそれのある事業所に対して、ダイオキシン類特別措置法によるダイオキシン類の測定が義務付けられている。現在、ダイオキシン類の測定は、高分解能のガスクロマトグラフと質量分析計を組み合わせたGC−MS分析システムによる分析が公定基準になっている。しかし、この装置は大型で、約1億円と非常に高価であり、分析は特定の機関の整備された実験室で、習熟した技術者の手で行わなければならない。また、夾雑物を多く含む分析試料から測定阻害物質を除去して測定サンプルを調整した後GC−MSで分析を行う必要があるため、結果を得るまでに通常数週間という長い時間を要している。従って、迅速に低コストでダイオキシン類を測定する分析装置及び分析方法が望まれている。
【0003】
上述のような状況の中で、ダイオキシン類の簡易分析法として、生化学的検出法が注目を集めている。ダイオキシンの生化学的検出法には、ダイオキシン類の毒性発現メカニズムを利用したバイオアッセイと、特定のダイオキシン類異性体を検出する免疫測定法がある。生物学的検出法の特徴は、迅速に、かつ低コストで分析可能な点であり、また、包括的にダイオキシン類を捕らえることができるため、画期的な方法であるといえる。
【0004】
一方、近年、分析化学の分野では、マイクロ化技術(Micro Electro−Mechanical System、以下本明細書では、MEMSと記載する。)の研究が急速に進歩しており、分析計のマイクロ化(μ−TAS;Micro Total Analytical System,あるいはLabon a chipなどと呼ばれている。)の動きがタンパク質、遺伝子、生化学などの分析分野に波及し、研究が進められている。
【0005】
そこで、ダイオキシン類の生物学的検出法とMEMS技術を融合させ、簡易、迅速、かつ安価に測定の行える、バイオMEMS分析システムが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
すなわち、生化学的検出方法としては、バイオアッセイ、具体的にはエー・エイチ受容体(Aryl hydrocarbon receptor。以下、Ah受容体と記載する。)バインディングアッセイを選択し、分析装置としてマイクロチップを用いて分析する試みが行われている。このとき、マイクロチップの反応槽に、反応固相としてビーズのような固体粒子を導入することにより、抗体を固定する表面積を大きくし、より高感度の分析が可能となっている。
【0006】
図5〜6に、非特許文献1に示されている、上述のような分析装置の模式図を示す。図5は、平面模式図であり、図6は、図5のB−B線を含む要部断面図である。
【0007】
分析装置80は、素材が石英ガラスであり、図5及び6に示すように、炭酸ガスレーザー加工により、深さ200μmの反応槽81、液体流入路87、液体流出路88が形成されている。また、ICPエッチング(InductivelyCoupled Plasmaエッチング;以下本明細書ではICPエッチングという。)により深さ10μmの堰部82が形成されている。なお、ICPエッチングとは、気体イオンを基板表面に衝突させ、基板表面の構成分子を除去する表面加工法であり、ガラスやシリコン基板のマイクロ加工に有効な方法として知られている。また、液体流入路87の上流端には液体注入口83が、液体流出路88の下流端には液体排出口84が、それぞれ設けられている。さらに、反応槽81には、固体粒子挿入口85及び固体粒子排出口86が、それぞれ設けられている。
【0008】
この分析装置80においては、反応固相となる固体粒子89は、固体粒子挿入口85から反応槽81に挿入、収納され、反応及び測定終了時には固体粒子排出口86から排出される。試料液、試薬液及び洗浄液は、液体注入口83から注入され、液体流入路87から反応槽81に導入され、堰部82、液体流出路88を経て、液体排出口84から排出される。このように液体を導入及び排出する際、固体粒子89の直径(10〜500μm程度)よりも浅く形成されている堰部82が設けられているため、液体は堰部82を通過するが、固体粒子89は堰き止められる。従って、固体粒子89が反応槽81から流出されるのを防ぐことができる。
【0009】
この分析装置80を用いる分析方法としては、固体粒子上に固定化された測定対象成分の複合体を、反応槽81において光分析する方法が採用されている。具体的には、測定対象成分を複合化した複合体を固体粒子上に固定化した後、発光試薬と反応させ、これにより発色した複合体を光分析する。
【0010】
【非特許文献1】
「BioMEMSを利用した煙道中のダイオキシン測定システムの開発、成果報告書(初年度)」、新エネルギー・産業技術総合開発機構、平成14年3月
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような分析装置80を用いる場合、試料液や、試薬液、洗浄水等を流す場合に、反応槽81と堰部82の開口部82aとが反応槽81の上側でのみ連通しているため、反応槽81の底部、特に堰部82付近の底部で流れが悪くなりやすい。従って、試料液や試薬液が反応槽81に均一に分布せず、固体粒子89上での反応にばらつきが生じたり、また、洗浄水を流しても洗浄が十分に行われず試料や試薬が滞留してしまったりすることがあり、測定対象成分の正確な分析に支障をきたすことがあった。
【0012】
また、消耗品である固体粒子89は、液体排出口84から液体注入口83の方向に洗浄水を流して固体粒子排出口86から取り出すことができるが、反応槽81底部の流れが悪いため、反応槽81の底部の固体粒子89が取り出しにくいという問題点があった。
【0013】
また、固体粒子89に固定化した測定対象成分又は複合体と発色試薬液とを反応させ、これにより発色した発色試薬液を測定しようとすると、発色試薬液中に分散している固体粒子89が、発色試薬液の測定を阻害することがあった。
【0014】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、反応固相である固体粒子の流出を防ぎつつ液の流出を効果的に行うことができ、正確かつ迅速に測定対象成分を分析することが可能な分析装置、及び分析方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、内部に固体粒子を収納する反応室を備える分析装置において、該反応室から液体を流出させる液体流出口の下流部に、固体粒子を堰き止める堰部を設けること、及び該堰部が、液体を通過させる複数の開口を有することによって、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明の第一発明は、液体流入口と液体流出口を有すると共に、内部に固体粒子を収納する反応室を備える分析装置であって、前記液体流出口の下流側に、固体粒子を堰き止める流出側堰部を設け、該流出側堰部が、液体を通過させる複数の開口を有することを特徴とする分析装置である。
【0017】
第一発明の分析装置によれば、流出側堰部が、液体を通過させる複数の開口を有し、その結果、複数の液体流通路が確保されているため、上記分析装置80のように単一の開口部のみを有する場合と比較して、反応室内の液流を均一化することができる。従って、試料液、試薬液、及び洗浄水等の液体が反応室の底面、特に前記液体流出口付近の底面に滞留することを効果的に防ぐことができる。また、液体を通過させる開口を複数としたことにより、単一の開口の場合より、開口の総断面積をより大きくすることができるため、液体の移送をより効率的に行うことができる。
【0018】
第一発明の分析装置において、流出側堰部の複数の開口は、流れ方向に沿って深さ方向に形成されたスリットであることが好ましい。このとき、スリットの幅を固体粒子の直径よりも小さくすることによって、固体粒子の流出をせき止めることができる。このようなスリットは、表面からの加工により容易に製造することができるため好ましい。
【0019】
また、前記スリットの深さは、反応室の深さと略同一であることが好ましい。
スリットの深さが反応室の深さと略同一であると、試料液、試薬液、及び洗浄水等の液体が反応室の底面、特に前記液体流出口付近の底面に滞留することをより効果的に防ぐことができるため好ましい。
【0020】
第一発明の分析装置において、反応室には、固体粒子を流入及び/又は流出させる固体粒子流入流出口を設けることが好ましい。この場合、消耗品である固体粒子の導入及び排出を簡便に行うことができ、交換作業を容易に行うことができる。
【0021】
第一発明の分析装置においては、液体流入口の上流側に、固体粒子を堰き止め、かつ液体を通過させる流入側堰部を設けることが好ましい。このような固体粒子の流出を防ぐことのできる構造としては、開閉バルブや、流出側堰部と同様の構成を採用することができる。
【0022】
また、流出側堰部の下流側に、液体流出口から流出側堰部を経て流出する液体を光分析するための測定室を備えることが好ましい。測定室を備えることにより、発色試薬液を固体粒子から分離して光分析することができる。
【0023】
本発明の第二の発明は、前記分析装置を用いる分析方法であって、前記固体粒子に、試料液中の測定対象成分又はこれを複合化した複合体を固定化し、該固定化した測定対象成分又は複合体を光分析することを特徴とする分析方法である。
【0024】
本発明の第三の発明は、前記分析装置を用いる分析方法であって、前記固体粒子に、試料液中の測定対象成分又はこれを複合化した複合体を固定化し、該固定化した測定対象成分又は複合体と発色試薬液とを反応させ、これにより発色した該発色試薬液を光分析することを特徴とする分析方法である。
【0025】
第二、第三発明の分析方法によれば、第一発明の分析装置を用いているので、正確かつ迅速に分析を行うことができる。
【0026】
第三発明の分析方法において、流出側堰部の下流側に、液体流出口から流出側堰部を経て流出する液体を光分析するための測定室を備えた本発明の分析装置を用いることが好ましい。すなわち、本発明の第四発明は、上記測定室を備えた本発明の分析装置を用いる分析方法であって、固体粒子に、試料液中の測定対象成分又はこれを複合化した複合体を固定化し、該固体粒子に固定化した測定対象成分又は複合体と発色試薬液とを反応させ、これにより発色した該発色試薬液を、前記測定室で光分析することを特徴とする分析方法である。第四発明の分析方法によれば、測定室で光分析することにより、固体粒子に阻害されることなく測定を行うことができる。
【0027】
第二〜第四発明の分析方法において、光分析は、蛍光分析、化学発光分析、吸光分析、又は反射分析であることが好ましい。
【0028】
また、第二〜第四発明の分析方法においては、測定対象成分がダイオキシン類であることが好ましい。この場合、ダイオキシン類又はその複合体をを固体粒子上に固定化して、測定することができる。
ここでダイオキシン類とは、4乃至8の塩素原子で置換されたジベンゾパラジオキサンと4乃至8の塩素原子で置換されたジベンゾフランとをいう。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。なお、この実施形態は本発明の要旨を説明するためのものであり、特に限定のない限り本発明を限定するものではない。
【0030】
図1〜2は、本発明の分析装置の一実施形態を示したもので、図1は平面模式図、図2は分解斜視図、図3(a)は図1中のA−A線を含む要部断面図であり、同様に、図3(b)はB−B線、図3(c)はC−C線を含む要部断面図である。
【0031】
図2に示すように、本実施形態の分析装置1は、略平面板状の基板2に蓋3が積層され、これらが陽極接合により一体化されて概略構成されており、全体の形状は略板状となっている。
【0032】
基板2としては、シリコン製や石英ガラスの平板が用いられ、好ましくはシリコン基板が用いられる。
蓋3の素材としては、パイレックス(登録商標)ガラスや、石英ガラスが用いられ、好ましくは、パイレックスガラスが用いられる。
ここで、基板2としてシリコン基材、蓋3としてパイレックスガラスを用いる組み合わせが、陽極接合により容易に一体化できるため好ましい。
【0033】
基板2には、エッチング加工が施され、複数の線状の溝が形成されている。すなわち、図1に示すように、断面矩形の溝が直線状に形成され反応室4となっており、多数の固体粒子Pが収納されるようになっている。反応室4の上流側には、直線状の断面矩形の溝が斜めに連続して形成され、固体粒子流路21となっている。そして、反応室4と固体粒子流路21との間が、反応室4の固体粒子流入流出口11となっている。また、反応室4の下流側には、流出側堰部5が直線状に連続して設けられている。流出側堰部5には、図3(b)に示すように、流れ方向に沿って、深さが反応室4の深さdと略同一で、各幅が固体粒子Pの直径より細幅である断面矩形のスリットが、反応室4の幅w全体に略均等に多数形成されている。そして、反応室4と流出側堰部5との間が、反応室4の液体流出口13となっている。流出側堰部5の下流側には、反応室4と略同一断面の直線状の矩形の溝が形成され測定室6となっている。また、測定室6の下流端に接続して細線状の矩形の溝が形成され、液体排出路23となっている。
一方、反応室4の上流側には、流入側堰部7が斜めに連続して設けられている。そして、反応室4と流入側堰部7との間が、反応室4の液体流入口12となっている。流入側堰部7は、前記流出側堰部5と同様に、流れ方向に沿って、深さが反応室4の深さdと略同一で、各幅が固体粒子Pの直径より細幅である断面矩形のスリットが多数形成されている。また、流入側堰部7の上流側に直線状に連続して断面矩形の溝が細線状に形成され、液体流入路22となっている。液体流路22の断面は、流入側堰部7の断面と略同一とされている。
【0034】
図2に示すように、蓋3には、表面から裏面に貫通する孔31a,32a,33aが形成されている。孔31aは基板2の固体粒子流路21の上流端21aと、孔32aは液体流入路22の上流端22aと、孔33aは液体排出路23の下流端23bと、それぞれ連通している。
【0035】
蓋3の孔31aの上には、配管接続用のグラスファイバーチューブジョイント31bが接着されて、固体粒子流路21の上流端21aに連通した固体粒子導入排出口31が形成されている。同様にして、孔32a,33aの上にもグラスファイバーチューブジョイント32b,33bがそれぞれ接着されて、液体注入口32及び液体排出口33が形成されている。
【0036】
基板2の厚さは、好ましくは、200〜1000μm、さらに、400〜500μm程度が好ましい。蓋3の厚さは、好ましくは、200〜1000μm、さらに、400〜500μm程度が好ましい。
また、反応室4及び測定室6の幅wは、好ましくは、50〜2000μm、さらに好ましくは、500〜1000μmである。反応室4及び測定室6の深さdは、好ましくは、10〜500μm、さらに好ましくは、40〜150μmである。固体粒子流路21、液体流入路22及び液体排出路23の幅は、好ましくは、50〜2000μm、さらに好ましくは、500〜1000μmである。上記範囲より幅w及び/又は深さd及び/又は各流路幅が大であると、必要となる試料液及び試薬液の量が多くなり、マイクロ化の効果が少なくなるため好ましくない。また、上記範囲より幅w及び/又は深さd及び/又は各流路幅が小であると、収納される固体粒子量が少なくなり、反応固相の表面積が少なくなるため好ましくない。
【0037】
流出側堰部5及び流入側堰部7のスリット幅は、反応固相として用いる固体粒子の直径よりも小さければよく、この構造により固体粒子の流出をせき止めることができる。
流出側堰部5及び流入側堰部7の長さは、任意であるが、0.5〜5mmが好ましく、さらに、1〜2mmであることが好ましい。
【0038】
本実施形態の分析装置1の外形は、例えば、3.0cm×1.8cm×厚み1・0mmの板状であるが、形状や寸法はこれに限定されず任意であり、この他に、例えば、柔軟なフィルム状(シート状、リボン状などを含む。以下同様)、チューブ状、その他複雑な形状の成型物などであり得る。しかし、成形しやすさの点から、板状であることが好ましい。
【0039】
本発明に用いる固体粒子Pとしては、公知のものを使用することができるが、試料液中の測定対象成分又は測定対象成分を複合化した複合体を個体粒子上に固定化するための試薬が、固体粒子表面にあらかじめコーティングされているものが好ましい。例えば、表面にアビジンのような反応試薬を固定化したものを使用することが好ましい。固体粒子の直径は、好ましくは10〜1000μm、さらに10〜100μmが好ましい。1000μmより大きいと、反応固相としての表面積が不十分となり、10μmより小さいと、固体粒子を堰き止めるための堰部の製造が困難となり、また堰部で十分にせき止めることができす、反応室からビーズが流出してしまうことがあるからである。
【0040】
次に本実施形態の分析装置1の製造方法を説明する。
まず、シリコン製の基板2(例えば、厚さ470μm)に、ICPエッチングにより反応室4、測定室6、固体粒子流路21、液体流入路22、液体排出路23となるべき溝(例えば、幅500μm)、及び流出側堰部5、流入側堰部7となる部分に、流れ方向に沿って、深さが反応室の深さと同じであるスリットを形成する。
【0041】
一方、基板2と平面形状が同一であるパイレックスガラス製の蓋3(例えば、厚さ500μm)に、表面から裏面に貫通する孔を穿つ加工を施す。すなわち、基板2と蓋3を積層させたときに、固体粒子流路21の上流端21aに相当する位置に孔31aを、液体流入路22の上流端22aに相当する位置に孔32aを、液体排出路23の下流端23bに相当する位置に孔33aを、それぞれサンドブラストで加工する。孔31a,32a,33aのそれぞれの上にグラスファイバーチューブジョイント31b,32b,33bを接合する。
【0042】
最後に、上記のように別々に加工が施された基板2と蓋3を積層させ、陽極接合により一体化させる。これによって、反応室4、流出側堰部5、測定室6、流入側堰部7、固体粒子流路21、液体流入路22、液体排出路23がそれぞれ形成される。また、固体粒子流路21の上流端21aに連通した固体粒子導入導出口31、液体流入路22の上流端22aに連通した液体注入口32、液体排出路23の下流端23bに連通した液体排出口33が形成される。以上のようにして、分析装置1が製造される。
【0043】
次に、本実施形態の分析装置1を用いる分析方法を、図を用いて説明する。
図4は、本発明の分析方法に好適に用いられる分析システムの一実施形態を示したものである。
【0044】
本実施形態の分析システム100は、分析装置1と、分析装置1の固体粒子導入排出口31に接続された固体粒子導入排出手段40と、分析装置1の液体注入口32に接続された液体導入手段50と、分析装置1の反応室又は測定室を光分析するための光分析手段60と、分析装置1の液体排出口33に接続された洗浄手段70とを備えており、光分析手段60以外の各手段は液体を送液可能な配管によって接続されている。
【0045】
固体粒子導入排出手段40は、固体粒子導入手段41と、固体粒子排出槽42とから構成されており、それぞれが切替バルブ43に接続され、切替バルブ43を介して分析装置1の固体粒子導入排出口31に接続されている。
【0046】
液体導入手段50は、試料導入手段51と試薬導入手段52とキャリア液槽53と液体混合送液手段54とから構成されている。試料導入手段51、試薬導入手段52、及びキャリア液槽53は、液体混合送液手段54に接続され、液体混合送液手段54から切替バルブ55を経て、分析装置1の液体注入口32に接続されている。試薬導入手段52は、用いられる試薬ごとに複数が、52a,52b,53cのように設けられており、それぞれが液体混合送液手段54に接続されている。この試薬導入手段52は1つでもよいし、複数でもよく、複数の場合、4つ以上でもよい。
【0047】
光分析手段60は、分析装置1の反応室4で固体粒子上に固定化された測定対象成分又は複合体を光分析するか、反応室4内の発色試薬液を測定するか、又は測定室6内の発色試薬液を測定することができるように設置されている。光分析手段としては任意の手段を用いることができるが、光分析が、蛍光分析、化学発光分析、吸光分析、又は反射光分析である手段を用いることが好ましい。
【0048】
洗浄手段70は、洗浄液導入手段71と廃液槽72とから構成されている。洗浄液導入手段71は切替バルブ73から切替バルブ74を経て、分析装置1の液体排出口33に接続されている。廃液槽72は、切替バルブ74に接続されている。また、切替バルブ73と切替バルブ55は、配管によって接続されている。
【0049】
次に、本実施形態の分析システム100を用いた分析方法の、第一の実施形態について、図2と図4を参照しつつ説明する。
まず、反応固相となる固体粒子Pを分析装置1内の反応室4に収納する。そのために、予め、固体粒子Pを固体粒子導入手段41内に収納しておく。そして、最初に切替バルブ43を固体粒子導入手段41と接続する方向に切り替えてから、固体粒子Pを固体粒子導入手段41から分析装置1の固体粒子導入排出口31に導入する。固体粒子導入排出口31に導入された固体粒子Pは固体粒子流路21を経て、固体粒子流入流出口11から反応室4に導入され収納される。このとき、反応室4の液体流出口13の下流側に流出側堰部5、及び液体流入口12の上流側に流入側堰部7が設けられているため、固体粒子が反応室4から流出することを防ぐことができる。
【0050】
次に、試料液及び試薬液を反応室4に導入する。そのために、予め試料液を試料導入手段51に、試薬液を試薬導入手段52に、水等のキャリア液をキャリア液槽53にそれぞれ配する。このとき、試薬のうち発色試薬を試薬導入手段52cに配しておく。そして、まず、切替バルブ55により液体混合送液手段54と液体注入口32を接続した後、液体混合送液手段54を作動させてキャリア液を流すと共に、試料導入手段51により液体混合送液手段54に試料液を注入する。これにより、試料液がキャリア液と共に切替バルブ55、液体注入口32、液体流入路22、上流側堰部7を経て、反応室4に導入される。同様にして、試薬導入手段52a,52bから試薬液を液体混合送液手段54に注入し、キャリア液とともに反応室4に導入する。
【0051】
このとき、試料液と試薬液を反応室4に導入する順序は、任意でよいが、試料中の測定対象成分、及びその分析のための反応機構に応じた順序とすることが好ましい。また、液体混合送液手段54によって試料液と試薬液を混合し、試料試薬混合液としてから、反応室4に導入することもできる。試薬液は、試料中の測定対象成分、及びその分析のための反応に応じて選ばれるものであり、1種でもよいし、複数でもよい。
反応室4に導入された試料液及び試薬液は、そのまま反応室4を通過させて液体排出口33、切替バルブ74を経て、廃液槽74へ排出してもよいが、反応に一定の時間を要する場合は、所定の時間液体の流出を止めて反応を行うか、液体混合送液手段54の流量を調整して反応を行う。
【0052】
試料液と試薬液を順次導入する場合は、各反応が終了するごとに反応室4内を洗浄することが好ましい。洗浄によって、余剰の試料液や試薬液を除くことができ、次段階の反応を阻害することを防ぐと共に、定量性を確保することができるからである。
洗浄操作は、キャリア液槽53からキャリアのみを、上述のように反応室内に導入して液体流出口13から流出させることによって行うこともできるし、洗浄液を、洗浄液導入手段71から切替バルブ73,55を経て、液体注入口32から分析装置1内に導入し、液体排出口33、切替バルブ74を経て廃液槽72に流出させることにより洗浄を行ってもよい。洗浄液としては、純水、リン酸緩衝液、トリス緩衝液等が好ましく用いられるが、純水が特に好ましく用いられる。
【0053】
上述のようにして反応室4に導入された試料液中の測定対象成分は、固体粒子上にあらかじめコーティングされた試薬と反応して、固体粒子上に固定化される。または、固定化された後、続いて試薬液中の試薬と反応し、固体粒子上で複合体が形成される。または、試料液と試薬液が混合された状態で複合体を形成し、この複合体が固体粒子上に固定化される。さらに、最初に試薬液中の試薬が固体粒子上に固定化された後、試料液中の測定対象成分と反応して、固体粒子上に複合体が形成される場合もある。すなわち、試料液中の測定対象成分に適した反応を選択し、該反応に適した試薬を使用することにより、測定対象成分又はこれを複合化した複合体を固体粒子上に固定化するのである。
【0054】
次いで、試薬導入手段52cから、発色試薬を上記と同様にして反応室4に導入する。導入された発色試薬は、固体粒子上に固定化された測定対象成分又はこれを複合化した複合体と反応して、測定対象成分が変化し発色を有するようになるか、発色を有する複合体を形成する。なお、本実施形態では発色試薬を最後に導入したが、測定対象成分によっては、発色試薬を試料液や他の試薬液よりも先に導入してもよい。
【0055】
以上のようにして、反応室4に収納されている固体粒子上に固定化された、測定対象成分又はこれを複合化した複合体の発色を光分析手段60によって分析する。
【0056】
次いで、分析終了後、反応室に収納されている固体粒子を排出する。固体粒子を排出するには、まず、切替バルブ43を固体粒子排出槽42に接続してから、洗浄液導入手段71から切替バルブ73,74を経て、洗浄液を分析装置1に導入し、逆洗浄を行う。反応室4内に導入された洗浄液は、固体粒子を押し流すが、このとき、流出側堰部5及び流入側堰部7が設けられているため、押し流された固体粒子は、固体粒子流入流出路11から固体粒子流路21へ移動する。さらに洗浄液を流しつづけることにより、固体粒子は、固体粒子導入排出口31から分析装置1外へ排出され、切替バルブ43を経て固体粒子排出槽42に収納される。
固体粒子は繰り返して使用することも可能であるが、分析終了ごとに交換することが好ましい。本実施形態の分析システム100を用いると、固体粒子の交換を容易に行うことができる。
【0057】
最後に、分析装置1内を洗浄する。そのためには、洗浄液を、洗浄液導入手段71から切替バルブ73,55を経て、液体注入口32から分析装置1内に導入し、液体排出口33、切替バルブ74を経て廃液槽72に流出させることにより洗浄を行う。
【0058】
次に、分析システム100を用いた分析方法の第二の実施形態について説明する。
本実施形態の分析方法においては、反応に使用する発色試薬が、前記第一実施形態の分析方法の場合と異なる。その他、以下に特に記載しない事項については、第一実施形態の分析方法と同様に行う。
【0059】
すなわち、本実施形態の分析方法では、固定化した測定対象成分又はこれを複合化した複合体と発色試薬液を反応させると、発色試薬液が発色するような反応機構及び発色試薬を選択して用いる。このような発色試薬液を予め試薬導入手段52cに配しておき、これを反応室4内に導入し、固定化させた測定対象成分又はこれを複合化させた複合体と反応させる。次いで、これによって発色した発色試薬液を、反応室4内で光分析手段60により光分析を行う。
【0060】
次に、分析システム100を用いた分析方法の第三の実施形態について説明する。
本実施形態の分析方法においては、反応に使用する発色試薬、及び測定室6内で発色試薬液を光分析する点が、前記第一実施形態の分析方法の場合と異なる。
その他、以下に特に記載しない事項については、第一実施形態の分析方法と同様に行う。
【0061】
本実施形態の分析方法では、前記第二実施形態の分析方法と同様に、固定化した測定対象成分又はこれを複合化した複合体と発色試薬液を反応させると、発色試薬液が発色するような、反応機構及び発色試薬を選択して用いる。このような発色試薬液を予め試薬導入手段52cに配しておき、これを反応室4内に導入し、固定化させた測定対象成分又はこれを複合化させた複合体と反応させる。次いで、これによって発色した発色試薬液を、反応室4の液体流出口13から流出させ、流出側堰部5を経て、測定室6に導入し、測定室6内で発色試薬液を光分析手段60によって光分析する。
【0062】
以上のように、分析装置1に流出側堰部5及び流入側堰部7を設けることによって、固体粒子Pが反応室4から流出するのを防ぐことができる。また、流出側堰部5及び流入側堰部7をスリット状の構造にし、かつスリットの深さを反応室4の深さと同じにすることによって、反応室4の底部に試料液、試薬液、洗浄水が滞留するのを防ぐことができる。従って、分析装置1を用いる分析方法においては、固体粒子上の反応にばらつきが生じることを防ぐことができ、かつ洗浄を十分に行うことができるため、測定対象成分の正確な分析を行うことができる。
さらに、固体粒子流入流出口11を設けることにより固体粒Pの交換を容易に行うことができる。
このような分析装置及び分析方法は、固体粒子Pを反応固相とする種々の分析に適応させることができ、特に免疫反応等を用いるバイオアッセイに好適に用いることができる。
【0063】
なお、本実施形態においては、流出側堰部5は、流れ方向に沿って深さ方向に形成されたスリット状の構造を採用したが、固体粒子Pを堰き止める事ができ、液体を通過させる複数の開口を有するものであれば、これに限られず任意のものを用いることができる。例えば、流れ方向に沿って水平方向に形成されたスリット、流れ方向に沿って複数の細孔が設けられた構造、網状の構造等を採用してもよい。いずれの場合も、複数の開口は、反応室4の液体流出口13全面に対向して均等に設けられていることが好ましい。
流入側堰部7としては、開閉バルブや、固体粒子Pの直径よりも堰部の深さを小さくした構造等も採用することができるが、前記流出側堰部と同様の構造であることが好ましい。
【0064】
また、本実施形態では、液体流入口12の上流側に流入側堰部7を設け、さらにその上流側に液体流入路22及び液体注入口32をそれぞれ1つ設けたが、液体流入路22及び液体注入口32は複数設けられていてもよい。逆洗浄により排出された洗浄液を排出する流路及び排出口が別途設けられていてもよい。
同様に、固体粒子流路21及び固体粒子導入排出口31をそれぞれ1つ設けたが、複数設けられていてもよい。固体粒子を導入する流路及び導入口と、排出する流路及び排出口とがそれぞれ別個に設けられていてもよい。
また、反応室の下流部には、液体排出路及び液体排出口を各1つ設けたが、液体排出路及び液体排出口は複数設けられていてもよい。洗浄液の導入口及び導入路が別途設けられていてもよい。
【0065】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例では、分析装置1及びそれを含む分析システム100を用いて、ダイオキシン類の測定を行った。測定方法としては、免疫定量法の一種であるAhイムノアッセイを採用した。各実施例の説明に先立ち、Ahイムノアッセイの概略を記載する。
【0066】
ダイオキシンの毒性発現メカニズムには、Ah受容体とエーエイチ・レセプター・ニュクリアー・トランスロケーター(Ah Receptor Nuclear Translocator。以下、ARNTと記載する。)と呼ばれるタンパク質が関与している。ダイオキシン類は、Ah受容体及びARNTと結合、変形し、複合体を形成する。この複合体は、Ah受容体に結合する部位を持つDNA断片(以下、DREと記載する。)と結合する性質を持つ。DREは、アビジンでコーティングされた固体粒子上に固定化されるようになっており、注入されたダイオキシン類がAh受容体を介して固定化されることになる。続いて、この複合体に特異的に反応する一次抗体、さらに、発色反応を起こさせる2次抗体を添加し結合させる。さらに、発色試薬を添加すると、Ah受容体に結合したダイオキシン類の量に応じた発色が起きるので、その発色を光分析する。
【0067】
(実施例1)
本実施例では、試料液として、1pgのベンツ−a−ピレン(Benzo(a)pyrene)を含む水溶液を用いた。ベンツ−a−ピレンは、ダイオキシン類測定の代替物質である。
本実施例に用いた分析装置1としては、外形が縦3.5cm、横1.8cm、厚さ1.0mmの板状の形状をしており、反応室4の幅が1000μm、深さ100μm、流出側堰部5に幅30μm、のスリットが20個設けられている分析装置を用いた。
以下の手順で分析を行った。カッコ内には、各工程に要した時間を示す。
(1)分析装置1の反応室4に、表面にアビジンをコートした固体粒子(昭和電工社製、粒子径:40μm、材質:ポリスチレン)を5000個導入した。(1分)
(2)試料液と、Ah受容体と、ARNTと、DREとを反応室4内に導入し、複合体を形成させ、アビジンに結合させた。(6分)
(3)過剰な試薬を洗浄した。(5分)
(4)1次抗体としてAB1抗体(クボタ社製、商品名:Ahイムノアッセイキット)の10μg/mlを5μl反応室4に導入した。(3分)
(5)過剰な一次抗体を洗浄した。(5分)
(6)2次抗体としてペルオキシダーゼ(以下、HRPと記載する。)(クボタ社製、商品名:Ahイムノアッセイキット)の10μg/mlを5μl反応室4に導入した。(2分)
(7)過剰な2次抗体を洗浄した。(5分)
(8)発色試薬としてチラミド(Tyramid)(モレキュラープローブ社製、商品名:アンプレックスレッド)の10−7Mを5μl反応室4に導入し、固体粒子表面上に固定化されたダイオキシン類の複合体を発色させた。そして、ラソス社製アルゴンレーザー装置を用いて、固体粒子表面に蛍光励起レーザーを照射し、蛍光を測定した。(3分)
このように分析を行った結果、検出に用いたフォトマルの出力として、ゼロ点が2mVであったのに対して、試料液では8.0mVの出力が得られた。
分析に要した時間は合計で30分であり、従来の市販のキットによる分析が6時間を要するのに比較して10分の1に短縮することができた。
【0068】
(実施例2)
本実施例では、ダイオキシン類の測定代替物質として、フロランテン(Benzo(b)fluoranthene)を1pg含有する水溶液を試料液とした他は、実施例1と同様にして測定を行った。検出に用いたフォトマルの出力として、ゼロ点が2mVであったのに対して、試料液では7.2mVの出力が得られた。
【0069】
(実施例3)
本実施例では、ダイオキシン類の測定代替物質として、α−ナフトフラボン(α−naphtflavone)を1pg含有する水溶液を試料液とした他は、実施例1と同様にして測定を行った。検出に用いたフォトマルの出力として、ゼロ点が2mVであったのに対して、試料液では7.8mVの出力が得られた。
【0070】
(実施例4)
本実施例では、試料液として、1pgのベンツ−a−ピレン(Benzo(a)pyrene)を含む水溶液を用いた。分析装置1としては、実施例1と同じものを用いた。
以下の手順で分析を行った。カッコ内には、各工程に要した時間を示す。
(1)分析装置1の反応室4に、表面にアビジンをコートした固体粒子(昭和電工社製、粒子径:40μm、材質:ポリスチレン)を5000個導入した。(1分)
(2)試料液と、Ah受容体と、ARNTと、DREとを反応室4内に導入し、複合体を形成させ、アビジンに結合させた。(6分)
(3)過剰な試薬を洗浄した。(5分)
(4)1次抗体としてAB1抗体(クボタ社製、商品名:Ahイムノアッセイキット)の10μg/mlを5μl反応室4に導入した。(3分)
(5)過剰な一次抗体を洗浄した。(5分)
(6)2次抗体としてアルカリフォスファターゼ(以下、ALPと記載する。)(クボタ社製、商品名:Ahイムノアッセイキット)の10μg/mlを5μl反応室4に導入した。(2分)
(7)過剰な2次抗体を洗浄した。(5分)
(8)発色試薬としてリン酸フルオレセイン(以下、FDPと記載する。)(関東化学社製、商品名:蛍光検出キット)の10−7Mを5μl反応室4に導入した。固体粒子上にダイオキシン類との複合体として固定化されたALPが、発色試薬であるFDPを加水分解することにより、発色試薬液が発色した。この発色した発色試薬液を反応室4から流出させ測定室6にて蛍光励起レーザーを照射し、蛍光を測定した。(3分)
このように分析を行った結果、検出に用いたフォトマルの出力として、ゼロ点が2.0mVであったのに対して、試料液では7.2mVの出力が得られた。
分析に要した時間は合計で30分であり、従来の市販のキットによる分析が6時間を要するのに比較して10分の1に短縮することができた。
【0071】
(実施例5)
本実施例では、ダイオキシン類の測定代替物質として、フロランテン(Benzo(b)fluoranthene)を1pg含有する水溶液を試料液とした他は、実施例4と同様にして測定を行った。検出に用いたフォトマルの出力として、ゼロ点が2.0mVであったのに対して、試料液では7.4mVの出力が得られた。
【0072】
(実施例6)
本実施例では、ダイオキシン類の測定代替物質として、α−ナフトフラボン(α−naphtflavone)を1pg含有する水溶液を試料液とした他は、実施例4と同様にして測定を行った。検出に用いたフォトマルの出力として、ゼロ点が2.0mVであったのに対して、試料液では7.3mVの出力が得られた。
【0073】
実施例1〜6に示したように、反応室4及び測定室6のいずれで光分析を行う場合も、高感度に検出することが可能であった。また、分析時間を従来のキットに比較して格段に短縮することができた。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の分析装置及び分析方法によれば、反応固相である固体粒子が反応室から流出することを防ぐことができ、反応室での反応及び測定対象成分の測定を効率的に行うことができる。また、試料液、試薬液、及び洗浄水等の液体が反応室の底面に滞留することを効果的に防ぐことができ、測定対象成分を正確に分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる分析装置の一実施形態の平面模式図である。
【図2】図1に示す分析装置の分解模式図である。
【図3】図1に示す分析装置の要部縦断面図である。
【図4】本発明にかかる分析装置を用いる分析システムの一実施形態を示す模式図である。
【図5】非特許文献1に示された分析装置の平面模式図である。
【図6】図5に示された分析装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1  分析装置
2  基板
3  蓋
4  反応室
5  流出側堰部
6  測定室
7  流入側堰部
21  固体粒子流路
22  液体流路
23  液体排出路
31  固体粒子導入排出口
32  液体注入口
33  液体排出口
100  分析システム
40  固体粒子導入排出手段
50  液体導入手段
60  光分析手段
70  洗浄手段

Claims (11)

  1. 液体流入口と液体流出口を有すると共に、内部に固体粒子を収納する反応室を備える分析装置であって、前記液体流出口の下流側に、固体粒子を堰き止める流出側堰部を設け、該流出側堰部が、液体を通過させる複数の開口を有することを特徴とする分析装置。
  2. 前記流出側堰部の複数の開口が、流れ方向に沿って深さ方向に形成されたスリットであることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記スリットの深さが前記反応室の深さと略同一であることを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
  4. 前記反応室に、固体粒子を流入及び/又は流出させる固体粒子流入流出口を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の分析装置。
  5. 前記液体流入口の上流側に、固体粒子を堰き止め、かつ液体を通過させる流入側堰部を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の分析装置。
  6. 前記流出側堰部の下流側に、前記液体流出口から該流出側堰部を経て流出される液体を光分析するための測定室を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の分析装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の分析装置を用いる分析方法であって、前記固体粒子に、試料液中の測定対象成分又はこれを複合化した複合体を固定化し、該固定化した測定対象成分又は複合体を光分析することを特徴とする分析方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の分析装置を用いる分析方法であって、前記固体粒子に、試料液中の測定対象成分又はこれを複合化した複合体を固定化し、該固定化した測定対象成分又は複合体と発色試薬液とを反応させ、これにより発色した該発色試薬液を光分析することを特徴とする分析方法。
  9. 請求項6に記載の分析装置を用いる分析方法であって、前記固体粒子に、試料液中の測定対象成分又はこれを複合化した複合体を固定化し、該固体粒子に固定化した測定対象成分又は複合体と発色試薬液とを反応させ、これにより発色した該発色試薬液を、前記測定室で光分析することを特徴とする分析方法。
  10. 光分析が、蛍光分析、化学発光分析、吸光分析、又は反射光分析であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の分析方法。
  11. 測定対象成分がダイオキシン類であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の分析方法。
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