JP2004132704A - 波長モニタ及びその基準値設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の波長を正確にモニタする波長モニタとその基準値設定方法を提供すること。
【解決手段】波長可変光源1からの波長多重通信に用いられる光をハーフミラーで3つの光に分岐する。これらの分岐光をそのまま、スロープフィルタ7を介して及びエタロン8を介してフォトダイオードPD1〜PD3で受光する。スロープフィルタ7によってグリッドの基準となる波長を確定し、エタロン8によってその微小な変化を検出する。これによって波長を正確にモニタできる。
【選択図】 図1
【解決手段】波長可変光源1からの波長多重通信に用いられる光をハーフミラーで3つの光に分岐する。これらの分岐光をそのまま、スロープフィルタ7を介して及びエタロン8を介してフォトダイオードPD1〜PD3で受光する。スロープフィルタ7によってグリッドの基準となる波長を確定し、エタロン8によってその微小な変化を検出する。これによって波長を正確にモニタできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光源を用いた波長多重光通信の信号光波長をモニタするための波長モニタ装置及びその基準値設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年光通信の分野では、1本の光ファイバに多数の波長のレーザ光を同時に伝送する波長多重通信方式が用いられている。このような波長多重型通信方式によれば、限られた波長帯域内にチャンネル数を多くするためには、各チャンネルの波長を正確に規定すると共に、チャンネル間で波長間隔をできるだけ狭くして波長多重を行う必要がある。波長多重通信方式では所定の波長帯域内に数十〜数百に及ぶ信号波長が配置される。信号波長チャンネル間のノイズ干渉(クロストーク)や信号自体がグリッドから外れることは伝送品質に大きな影響を与える。従って送信用のレーザには高い安定性が求められる。通常送信用のレーザとして用いられる分布帰還型レーザダイオード(BFDレーザ)は伝送波長間隔が100GHzのシステムでは±3GHzの波長安定性が求められる。BFDレーザは通常250pm/℃(30GHz)の波長ドリフト特性を有している。従って上記の安定度を達成するためには、0.1℃の精度で温度制御することが必要となる。
【0003】
しかるにこのような従来のレーザ光源装置における波長制御は、分布帰還型半導体レーザを用いた光源にあっては電流や周囲温度等の制御量と発光波長との関係をあらかじめ認識しておき、所望の発光波長に応じて制御量を変化させるようにしたオープンループによる制御方式が用いられている。又外部共振器型レーザ光源装置にあっても、共振波長の制御量と発光波長との関係をあらかじめ認識しておき、所望の発光波長に応じて制御量を変化させるようにしたオープンループによる制御方式が用いられている。
【0004】
しかしながら実際には外部環境温度の変化や素子固体間のばらつきがあり、温度制御で波長を高精度に安定させることが難しい。そのため外部で波長をモニタし、フィールドバック制御することにより波長を安定化させる必要がある。
【0005】
又レーザ光の波長をモニタする波長モニタ装置としては、透過波長が連続的に変化するスロープフィルタを用い、このフィルタを透過するレベルに基づいて波長を計測するようにした波長モニタが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるにスロープフィルタを用いた従来の波長モニタ装置では、十分な精度,分解能が得られないという欠点があった。そこで高精度でレーザ光源の波長を制御するためには、波長多重光の発光波長を高精度で確認することができる波長モニタ装置が求められている。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、請求項1〜5の発明は狭い波長範囲で高分解能を有する周期性のエタロンやマッハツェンダー型フィルタを用いて、波長多重光の光源の波長を正確に測定することができる波長モニタを提供することを目的とする。又本願の請求項6,7の発明はこのような波長モニタにおいて、グリッドの波長での基準値の設定を容易にするようにした基準値設定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、入射光を第1〜第3の分岐光に分岐する光分岐部と、前記光分岐部より分岐された第1の分岐光を直接受光する第1の光電変換部と、入射波長に対して透過率特性が連続して変化する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第2の分岐光が入射するスロープフィルタと、前記スロープフィルタを介して得られる第2の分岐光を受光する第2の光電変換部と、波長多重光のグリッド間隔に相当する周期で変動する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第3の分岐光が入射するエタロンと、前記エタロンを介して得られる第3の分岐光を受光する第3の光電変換部と、前記第2の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化した値を算出し、該値とあらかじめ保持されているスロープフィルタの正規化された出力とを比較することにより入射光のグリッドの波長を選択し、前記第3の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化し、選択されたグリッドの波長の前記エタロンでの正規化された基準値と比較することにより、グリッドからのずれを算出し、これに基づいて入射光の波長を検出する波長モニタ部と、波長多重通信に使用される光の波長毎に、前記スロープフィルタの出力を正規化した値及び前記エタロンの出力を正規化した基準値を保持するメモリと、具備することを特徴とするものである。
【0009】
本願の請求項2の発明は、請求項1の波長モニタにおいて、少なくとも前記光分岐部、前記エタロン及び前記スロープフィルタを保持する恒温層と、該恒温層を所定範囲の温度に保つ温度調整部とを更に有することを特徴とするものである。
【0010】
本願の請求項3の発明は、請求項1の波長モニタにおいて、前記波長多重光のグリッドは、前記エタロンの透過特性の山と谷の中間位置にくるように調整したことを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項4の発明は、請求項1の波長モニタにおいて、前記スロープフィルタは、中心波長を入射光の波長変化範囲外としたバンドパスフィルタであることを特徴とするものである。
【0012】
本願の請求項5の発明は、入射光を第1〜第3の分岐光に分岐する光分岐部と、前記光分岐部より分岐された第1の分岐光を直接受光する第1の光電変換部と、入射波長に対して透過率特性が連続して変化する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第2の分岐光が入射するスロープフィルタと、前記スロープフィルタを介して得られる第2の分岐光を受光する第2の光電変換部と、波長多重光のグリッドに相当する周期で変動する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第3の分岐光を透過させるマッハツェンダー型フィルタと、前記マッハツェンダー型フィルタを介して得られる第3の分岐光を受光する第3の光電変換部と、前記第2の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化した値を算出し、該値とあらかじめ保持されているスロープフィルタの正規化された出力とを比較することにより入射光のグリッドの波長を選択し、前記第3の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化し、選択されたグリッドの波長の前記マッハツェンダー型フィルタでの正規化された基準値と比較することにより、グリッドからのずれを算出し、これに基づいて入射光の波長を検出する波長モニタ部と、波長多重通信に使用される光の波長毎に、前記スロープフィルタの出力を正規化した値及び前記マッハツェンダー型フィルタの出力を正規化した基準値を保持するメモリと、具備することを特徴とするものである。
【0013】
本願の請求項6の発明は、請求項1の波長モニタにおけるエタロンの基準値を設定する方法であって、波長多重光の変化範囲のうちの1つのグリッドの波長の光を入射したときに得られるエタロンからの正規化出力を算出し、波長多重光の変化範囲のうちの他のグリッドの光を入射したときに得られるエタロンからの正規化された基準値を算出し、前記波長多重光の各グリッドの波長における基準値を直線補間によって算出することを特徴とするものである。
【0014】
本願の請求項6の発明は、請求項5の波長モニタにおけるマッハツェンダー型フィルタの基準値を設定する方法であって、波長多重光の変化範囲のうちの1つのグリッドの波長の光を入射したときに得られるマッハツェンダー型フィルタからの正規化出力を算出し、波長多重光の変化範囲のうちの他のグリッドの光を入射したときに得られるマッハツェンダー型フィルタからの正規化された基準値を算出し、前記波長多重光の各グリッドの波長における基準値を直線補間によって算出することを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
次に本発明の実施の形態1による波長モニタ装置を含むレーザ光源装置について説明する。このレーザ光源装置は波長可変光源1を有している。波長可変光源1は波長多重光のいずれかの波長を発振する光源であって、分布帰還型のレーザダイオード(LD)によって構成される。波長多重光は一定の波長間隔で多数の波長の光を多重するので、夫々の所定の波長をグリッドの波長という。波長可変光源1の出力はモジュレータ(M)2を介してアッテネータ(ATT)3に与えられる。アッテネータ3は外部からの制御信号に基づいてその強度レベルを制御するものであり、その出力は光分岐器4に与えられる。光分岐器4は入射された光を2分岐し、その一方を波長モニタ装置の光学ユニットに与えると共に、他方の光を波長多重光の光源として用いるものである。
【0016】
これらの間には光ファイバで波長可変光源からの光を連結して各ユニットに伝えるものとする。この光ファイバは偏波面保存型の光ファイバであることが好ましい。又光分岐器4としては光ファイバを融着させた構造の分岐器としてもよく、又ビームスプリッタを用いて構成することもできる。
【0017】
次に光学ユニットについて詳細に説明する。光学ユニットは光を分岐するためのハーフミラー5,6が光源に対して直列に配置されている。これらのハーフミラー5,6は光源の光を3つに分岐する光分岐部である。光分岐部においては各分岐された光のレベルを等しくしてもよく、この場合はハーフミラー5の反射率は33%、ハーフミラー6の反射率は50%とする。ハーフミラー5で反射された光は第1の受光素子であるフォトダイオードPD1に入射される。又ハーフミラー6で入射された光はスロープフィルタ7を介して光は第2の受光素子であるフォトダイオードPD2に与えられる。スロープフィルタ7は入射光の波長範囲で透過率が単調に変化し、その波長−透過率特性が既知のフィルタである。スロープフィルタ7は入射光の波長を大まかに決定するために用いられる。スロープフィルタには、広帯域バンドパスフィルタを用いてもよく、この場合は中心波長を入射光の変化範囲からずらせて傾斜部分を用いる。又ハーフミラー6を透過した光はエタロン8に入射される。エタロン8は波長可変光源1が用いられる波長多重光のグリッドに対応した周期のFSR(フリースペクトラルレンジ)を有するもので、ファブリペロー型の狭周期のフィルタである。エタロン8は例えば厚さ1mmのガラス板の両面に入射光の約1/8λの2層の反射膜を施したソリッドエタロンであり、ここでは例えば15%程度の低い反射率の反射膜としている。エタロン8は波長に対して透過特性が周期的に変化するが、波長多重光の各グリッドの波長ではエタロンからの出力の変化が最も大きい点となるようにしておくことが好ましい。そしてエタロン8を透過した分岐光を受光する位置に第3の受光素子であるフォトダイオードPD3を配置する。これらの光学素子は温度を所定値に保つため恒温槽9内に収納しておくものとする。光学素子を保持する恒温槽9には温度を所定値に保つための温度制御部10が接続されている。
【0018】
さてフォトダイオードPD1〜PD3の出力は信号処理部内の受光増幅器11〜13に与えられる。受光増幅器11〜13は光信号を電気信号に変換し、増幅するものであり、夫々フォトダイオードPD1〜PD3と共に第1〜第3の光電変換部を構成している。これらの受光増幅器の出力はA/D変換器14を介してマイクロコンピュータ15に与えられる。マイクロコンピュータ15はこれらの出力に基づいて光源の波長をモニタする波長モニタ部15A、検出された波長に基づいて波長を所定値にするための波長制御部15B及び光量レベルを一定にするための光量制御部15Cの機能を達成するものである。マイクロコンピュータ15には波長のデータを保存すると共に、プログラムを記憶したメモリ16が接続されている。又外部の機器からのデータを入出力するためのインターフェース(I/F)17が接続される。マイクロコンピュータ15の波長制御部15Bからの出力はD/A変換器18を介してLDドライバ19に与えられる。LDドライバ19は波長制御信号に基づいて波長可変光源1内の波長可変レーザダイオードの電流等を制御することによって、波長を制御するものである。光量制御部15Cの出力はD/A変換器20を介してアッテネータ3に与えられる。これによりアッテネータ3からの出力レベルが所定値となるように設定される。
【0019】
ここでメモリ16にはスロープフィルタ7の正規化された透過率−波長特性が波長多重光のグリッドの波長毎にあらかじめ保持されている。図2はスロープフィルタ7の正規化された特性と波長多重光のグリッドのチャンネルCh1〜Ch16を示している。
【0020】
又メモリ16には、エタロン8からの出力を正規化した値も保持される。エタロン8からの出力は図3に示すように波長に対して周期的な出力の変動を示すため、エタロン8の周期と波長多重光のグリッドとが正確に一致している場合には、例えば図3に示すようにグリッド毎に全て同一の値となる。しかし周期とグリッドとがわずかにずれた場合には、図4に示すように各グリッド毎にわずかに異なった値となる。従って通常は図4に示すように、各グリッドの正規化された出力比がメモリ16に保持されている。
【0021】
次に本実施の形態による波長モニタの動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。波長可変光源1からの光はモジュレータ2、アッテネータ3を介して光分岐器4に入射される。光分岐器4で更に分岐された光は光学ユニット内のハーフミラー5,6に入射する。ハーフミラー5で反射された光は第1のフォトダイオードPD1に入射し、透過した光はハーフミラー6に入射する。ハーフミラー6で反射された光はスロープフィルタ7を通ってフォトダイオードPD2に入射する。又ハーフミラー6を透過した光はエタロン8に入射し、透過した分岐光がフォトダイオードPD3によって受光される。ここで前述したようにエタロン8は15%程度の低い反射率の反射膜を施しているため、表面反射光の波長に対する特性は周期的に変動し、その周期はエタロンのフリースペクトラムレンジ(FSR)によって定まる。
【0022】
一方スロープフィルタ7は、フォトダイオードPD1,PD2,PD3に得られた出力は受光増幅器11,12,13によって夫々出力P1,P2,P3に変換する。これらの値はA/D変換器14を介してマイクロコンピュータ15に入力される(ステップS1)。次いでステップS2において、第2の分岐光のレベルP2を第1の分岐光のレベルP1で割算することによって、スロープフィルタ7の特性を正規化することができる。図2はこの正規化されたスロープフィルタ7の全体の特性を示しており、正規化後の特性に基づいて入射光の波長をおおまかに算出できる。従ってステップS3において、メモリ16からこの比に最も近い波長多重光のグリッドの波長データλiを読出す。次いでステップS4において、メモリ16よりエタロン8から得られる波長λiにおける基準値を読出す。基準値はエタロン8のFSRがグリッドに正確に一致しているときには、基準値は図3に示すように常に同一の値となり、一致していなければ図4に示すように波長毎に異なった値となる。そしてステップS5において、エタロン8の出力P3をP1で除算して正規化する。ステップS5で求められた出力より基準波長からの波長の変化分Δλを算出する(ステップS6)。こうして基準波長λi とそこから相違した波長Δλを算出することができる。そしてステップS7でこの基準波長λiとΔλとを加算することによって、入射した光の波長λを正確に算出して出力することができる。更に波長制御部15Bでは、発光波長と設定された波長との誤差を算出し、その誤差が0となるように波長可変光源の発光波長を制御する。制御信号はLDドライバ19に与えられ、波長可変光源1の温度や電流が制御される。光量制御部15Cでは、設定されたレベルとなるように光アッテネータ3の減衰比を制御する。こうすれば前述した波長モニタを用いて正確にレーザ光源の発光波長を制御することができる。
【0023】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態では波長モニタのエタロンの正規化値を波長多重光の全チャンネルについての基準値を算出することなく、所定のチャンネルの特性、例えば両端の特性を測定し、その測定結果から補間に基づいて各チャンネルの基準値を算出するようにしたものである。この実施の形態においても全体構成は前述した図1に示す実施の形態1と同様である。
【0024】
図6は補間処理の動作を示すフローチャートである。直線補間の処理を開始すると、まずステップS11において光源の波長を最短波長のチャンネル、例えばチャンネル1として、その波長の光を入力する。次いでステップS12においてその比P3/P1を算出し、その比をα1とする。次いでステップS13において最長波長のチャンネルm、例えばチャンネル16の波長の光を入力し、そのときの比P3/P1を算出し、そのαmとする(ステップS14)。次いでステップS15において各チャンネル毎に直線補間によってそのときの基準値を算出する。これは次式に示すようにチャンネル数をm(この場合16)とすると、各チャンネルの基準値αiは次式で算出できる。
αi=α1−(i−1)(α1−αm)/(m−1)
こうして各チャンネルの基準値を算出した後、メモリ16に保持しておく。こうすれば各チャンネル毎にグリッドの波長の光を与えてその比から各チャンネルの基準値を算出する処理が不要となり、校正作業を容易に行うことができる。こうして得られる直線補間された値はそのままメモリ16に保持しておいてもよく、又直線補間が行える2つの値、α1,αmのみを保持しておき、スロープフィルタ7から得られた現在の波長の概略値λに基づいてそのグリッドの波長の基準値を直線補間によってその都度算出するようにしてもよい。
【0025】
又、この実施の形態ではエタロン8として反射率15%のコーティングを有するソリッドエタロンを用いている。エタロン8の反射率を大きくすれば透過率の変動幅は大きくなるが、サイン波状の波形からずれてくる。又反射率を小さくすればよりサイン波に近い透過特性となるが、振幅値が小さくなるため分解能が低下する。従ってこの反射率は例えば10〜20%の範囲であることが好ましく、ここではエタロンの反射率を15%としている。又エタロンの厚さを例えば1mmとすることによってFSRを100GHzとすることができる。更にエタロンはソリッドエタロンだけでなく、一対の平行平板から成る空隙エタロンであってもよい。
【0026】
又前述した実施の形態1,2では、狭周期のフィルタとしてファブリペロー型エタロンフィルタを用いているが、マッハツェンダー型のフィルタを用いることもできる。更に周期的な特性を有するフィルタのFSRを波長多重光の伝送波長(グリッド)と同一としているが、その整数分の1としてもよい。又高分解能を確保するため、基準波長が山と谷の中間になるようにすることが好ましい。又波長モニタとして、図1に示す光分岐器4を含むことができる。光分岐器4は光ファイバを融着して光ファイバを通過する光の一部を分岐させてもよく、又ビームスプリッタを用いるものであってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本願の請求項1〜5の発明によれば、エタロンやマッハツェンダー型フィルタの高分解能を生かしつつ広い範囲で波長多重光の光源とする光源装置の波長を正確にモニタすることができる。又光学系部分を極めて小型化することができ、又可動部がないため信頼性を向上させることもできる。請求項2の発明によれば、光学系の主要部品を恒温槽に保持し、一定温度に保っているため、温度変化の影響を受けない波長モニタとすることができる。又本願の請求項6,7の波長設定装置によれば、波長多重光の各グリッド毎に基準値を算出する必要がなく、調整処理を極めて容易に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による波長モニタを含むレーザ光源装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の正規化されたスロープフィルタの波長−透過率特性を示すグラフである。
【図3】本実施の形態によるエタロンの正規化された波長−透過率特性とその波長多重光のグリッドを示すグラフ(その1)である。
【図4】本実施の形態によるエタロンの正規化された波長−透過率特性とその波長多重光のグリッドを示すグラフ(その2)である。
【図5】実施の形態1による波長モニタの動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2による波長モニタの波長補間処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 波長可変光源
2 モジュレータ
3 アッテネータ
4 光分岐器
5,6 ビームスプリッタ
7 スロープフィルタ
8 エタロン
9 恒温槽
10 温度制御部
11〜13 受光増幅器
14 A/D変換器
15 マイクロコンピュータ
15A 波長モニタ部
15B 波長制御部
15C 光量制御部
16 メモリ
17 インターフェース
18,20 D/A変換器
19 LDドライバ
PD1〜PD3 フォトダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光源を用いた波長多重光通信の信号光波長をモニタするための波長モニタ装置及びその基準値設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年光通信の分野では、1本の光ファイバに多数の波長のレーザ光を同時に伝送する波長多重通信方式が用いられている。このような波長多重型通信方式によれば、限られた波長帯域内にチャンネル数を多くするためには、各チャンネルの波長を正確に規定すると共に、チャンネル間で波長間隔をできるだけ狭くして波長多重を行う必要がある。波長多重通信方式では所定の波長帯域内に数十〜数百に及ぶ信号波長が配置される。信号波長チャンネル間のノイズ干渉(クロストーク)や信号自体がグリッドから外れることは伝送品質に大きな影響を与える。従って送信用のレーザには高い安定性が求められる。通常送信用のレーザとして用いられる分布帰還型レーザダイオード(BFDレーザ)は伝送波長間隔が100GHzのシステムでは±3GHzの波長安定性が求められる。BFDレーザは通常250pm/℃(30GHz)の波長ドリフト特性を有している。従って上記の安定度を達成するためには、0.1℃の精度で温度制御することが必要となる。
【0003】
しかるにこのような従来のレーザ光源装置における波長制御は、分布帰還型半導体レーザを用いた光源にあっては電流や周囲温度等の制御量と発光波長との関係をあらかじめ認識しておき、所望の発光波長に応じて制御量を変化させるようにしたオープンループによる制御方式が用いられている。又外部共振器型レーザ光源装置にあっても、共振波長の制御量と発光波長との関係をあらかじめ認識しておき、所望の発光波長に応じて制御量を変化させるようにしたオープンループによる制御方式が用いられている。
【0004】
しかしながら実際には外部環境温度の変化や素子固体間のばらつきがあり、温度制御で波長を高精度に安定させることが難しい。そのため外部で波長をモニタし、フィールドバック制御することにより波長を安定化させる必要がある。
【0005】
又レーザ光の波長をモニタする波長モニタ装置としては、透過波長が連続的に変化するスロープフィルタを用い、このフィルタを透過するレベルに基づいて波長を計測するようにした波長モニタが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるにスロープフィルタを用いた従来の波長モニタ装置では、十分な精度,分解能が得られないという欠点があった。そこで高精度でレーザ光源の波長を制御するためには、波長多重光の発光波長を高精度で確認することができる波長モニタ装置が求められている。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、請求項1〜5の発明は狭い波長範囲で高分解能を有する周期性のエタロンやマッハツェンダー型フィルタを用いて、波長多重光の光源の波長を正確に測定することができる波長モニタを提供することを目的とする。又本願の請求項6,7の発明はこのような波長モニタにおいて、グリッドの波長での基準値の設定を容易にするようにした基準値設定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、入射光を第1〜第3の分岐光に分岐する光分岐部と、前記光分岐部より分岐された第1の分岐光を直接受光する第1の光電変換部と、入射波長に対して透過率特性が連続して変化する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第2の分岐光が入射するスロープフィルタと、前記スロープフィルタを介して得られる第2の分岐光を受光する第2の光電変換部と、波長多重光のグリッド間隔に相当する周期で変動する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第3の分岐光が入射するエタロンと、前記エタロンを介して得られる第3の分岐光を受光する第3の光電変換部と、前記第2の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化した値を算出し、該値とあらかじめ保持されているスロープフィルタの正規化された出力とを比較することにより入射光のグリッドの波長を選択し、前記第3の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化し、選択されたグリッドの波長の前記エタロンでの正規化された基準値と比較することにより、グリッドからのずれを算出し、これに基づいて入射光の波長を検出する波長モニタ部と、波長多重通信に使用される光の波長毎に、前記スロープフィルタの出力を正規化した値及び前記エタロンの出力を正規化した基準値を保持するメモリと、具備することを特徴とするものである。
【0009】
本願の請求項2の発明は、請求項1の波長モニタにおいて、少なくとも前記光分岐部、前記エタロン及び前記スロープフィルタを保持する恒温層と、該恒温層を所定範囲の温度に保つ温度調整部とを更に有することを特徴とするものである。
【0010】
本願の請求項3の発明は、請求項1の波長モニタにおいて、前記波長多重光のグリッドは、前記エタロンの透過特性の山と谷の中間位置にくるように調整したことを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項4の発明は、請求項1の波長モニタにおいて、前記スロープフィルタは、中心波長を入射光の波長変化範囲外としたバンドパスフィルタであることを特徴とするものである。
【0012】
本願の請求項5の発明は、入射光を第1〜第3の分岐光に分岐する光分岐部と、前記光分岐部より分岐された第1の分岐光を直接受光する第1の光電変換部と、入射波長に対して透過率特性が連続して変化する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第2の分岐光が入射するスロープフィルタと、前記スロープフィルタを介して得られる第2の分岐光を受光する第2の光電変換部と、波長多重光のグリッドに相当する周期で変動する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第3の分岐光を透過させるマッハツェンダー型フィルタと、前記マッハツェンダー型フィルタを介して得られる第3の分岐光を受光する第3の光電変換部と、前記第2の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化した値を算出し、該値とあらかじめ保持されているスロープフィルタの正規化された出力とを比較することにより入射光のグリッドの波長を選択し、前記第3の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化し、選択されたグリッドの波長の前記マッハツェンダー型フィルタでの正規化された基準値と比較することにより、グリッドからのずれを算出し、これに基づいて入射光の波長を検出する波長モニタ部と、波長多重通信に使用される光の波長毎に、前記スロープフィルタの出力を正規化した値及び前記マッハツェンダー型フィルタの出力を正規化した基準値を保持するメモリと、具備することを特徴とするものである。
【0013】
本願の請求項6の発明は、請求項1の波長モニタにおけるエタロンの基準値を設定する方法であって、波長多重光の変化範囲のうちの1つのグリッドの波長の光を入射したときに得られるエタロンからの正規化出力を算出し、波長多重光の変化範囲のうちの他のグリッドの光を入射したときに得られるエタロンからの正規化された基準値を算出し、前記波長多重光の各グリッドの波長における基準値を直線補間によって算出することを特徴とするものである。
【0014】
本願の請求項6の発明は、請求項5の波長モニタにおけるマッハツェンダー型フィルタの基準値を設定する方法であって、波長多重光の変化範囲のうちの1つのグリッドの波長の光を入射したときに得られるマッハツェンダー型フィルタからの正規化出力を算出し、波長多重光の変化範囲のうちの他のグリッドの光を入射したときに得られるマッハツェンダー型フィルタからの正規化された基準値を算出し、前記波長多重光の各グリッドの波長における基準値を直線補間によって算出することを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
次に本発明の実施の形態1による波長モニタ装置を含むレーザ光源装置について説明する。このレーザ光源装置は波長可変光源1を有している。波長可変光源1は波長多重光のいずれかの波長を発振する光源であって、分布帰還型のレーザダイオード(LD)によって構成される。波長多重光は一定の波長間隔で多数の波長の光を多重するので、夫々の所定の波長をグリッドの波長という。波長可変光源1の出力はモジュレータ(M)2を介してアッテネータ(ATT)3に与えられる。アッテネータ3は外部からの制御信号に基づいてその強度レベルを制御するものであり、その出力は光分岐器4に与えられる。光分岐器4は入射された光を2分岐し、その一方を波長モニタ装置の光学ユニットに与えると共に、他方の光を波長多重光の光源として用いるものである。
【0016】
これらの間には光ファイバで波長可変光源からの光を連結して各ユニットに伝えるものとする。この光ファイバは偏波面保存型の光ファイバであることが好ましい。又光分岐器4としては光ファイバを融着させた構造の分岐器としてもよく、又ビームスプリッタを用いて構成することもできる。
【0017】
次に光学ユニットについて詳細に説明する。光学ユニットは光を分岐するためのハーフミラー5,6が光源に対して直列に配置されている。これらのハーフミラー5,6は光源の光を3つに分岐する光分岐部である。光分岐部においては各分岐された光のレベルを等しくしてもよく、この場合はハーフミラー5の反射率は33%、ハーフミラー6の反射率は50%とする。ハーフミラー5で反射された光は第1の受光素子であるフォトダイオードPD1に入射される。又ハーフミラー6で入射された光はスロープフィルタ7を介して光は第2の受光素子であるフォトダイオードPD2に与えられる。スロープフィルタ7は入射光の波長範囲で透過率が単調に変化し、その波長−透過率特性が既知のフィルタである。スロープフィルタ7は入射光の波長を大まかに決定するために用いられる。スロープフィルタには、広帯域バンドパスフィルタを用いてもよく、この場合は中心波長を入射光の変化範囲からずらせて傾斜部分を用いる。又ハーフミラー6を透過した光はエタロン8に入射される。エタロン8は波長可変光源1が用いられる波長多重光のグリッドに対応した周期のFSR(フリースペクトラルレンジ)を有するもので、ファブリペロー型の狭周期のフィルタである。エタロン8は例えば厚さ1mmのガラス板の両面に入射光の約1/8λの2層の反射膜を施したソリッドエタロンであり、ここでは例えば15%程度の低い反射率の反射膜としている。エタロン8は波長に対して透過特性が周期的に変化するが、波長多重光の各グリッドの波長ではエタロンからの出力の変化が最も大きい点となるようにしておくことが好ましい。そしてエタロン8を透過した分岐光を受光する位置に第3の受光素子であるフォトダイオードPD3を配置する。これらの光学素子は温度を所定値に保つため恒温槽9内に収納しておくものとする。光学素子を保持する恒温槽9には温度を所定値に保つための温度制御部10が接続されている。
【0018】
さてフォトダイオードPD1〜PD3の出力は信号処理部内の受光増幅器11〜13に与えられる。受光増幅器11〜13は光信号を電気信号に変換し、増幅するものであり、夫々フォトダイオードPD1〜PD3と共に第1〜第3の光電変換部を構成している。これらの受光増幅器の出力はA/D変換器14を介してマイクロコンピュータ15に与えられる。マイクロコンピュータ15はこれらの出力に基づいて光源の波長をモニタする波長モニタ部15A、検出された波長に基づいて波長を所定値にするための波長制御部15B及び光量レベルを一定にするための光量制御部15Cの機能を達成するものである。マイクロコンピュータ15には波長のデータを保存すると共に、プログラムを記憶したメモリ16が接続されている。又外部の機器からのデータを入出力するためのインターフェース(I/F)17が接続される。マイクロコンピュータ15の波長制御部15Bからの出力はD/A変換器18を介してLDドライバ19に与えられる。LDドライバ19は波長制御信号に基づいて波長可変光源1内の波長可変レーザダイオードの電流等を制御することによって、波長を制御するものである。光量制御部15Cの出力はD/A変換器20を介してアッテネータ3に与えられる。これによりアッテネータ3からの出力レベルが所定値となるように設定される。
【0019】
ここでメモリ16にはスロープフィルタ7の正規化された透過率−波長特性が波長多重光のグリッドの波長毎にあらかじめ保持されている。図2はスロープフィルタ7の正規化された特性と波長多重光のグリッドのチャンネルCh1〜Ch16を示している。
【0020】
又メモリ16には、エタロン8からの出力を正規化した値も保持される。エタロン8からの出力は図3に示すように波長に対して周期的な出力の変動を示すため、エタロン8の周期と波長多重光のグリッドとが正確に一致している場合には、例えば図3に示すようにグリッド毎に全て同一の値となる。しかし周期とグリッドとがわずかにずれた場合には、図4に示すように各グリッド毎にわずかに異なった値となる。従って通常は図4に示すように、各グリッドの正規化された出力比がメモリ16に保持されている。
【0021】
次に本実施の形態による波長モニタの動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。波長可変光源1からの光はモジュレータ2、アッテネータ3を介して光分岐器4に入射される。光分岐器4で更に分岐された光は光学ユニット内のハーフミラー5,6に入射する。ハーフミラー5で反射された光は第1のフォトダイオードPD1に入射し、透過した光はハーフミラー6に入射する。ハーフミラー6で反射された光はスロープフィルタ7を通ってフォトダイオードPD2に入射する。又ハーフミラー6を透過した光はエタロン8に入射し、透過した分岐光がフォトダイオードPD3によって受光される。ここで前述したようにエタロン8は15%程度の低い反射率の反射膜を施しているため、表面反射光の波長に対する特性は周期的に変動し、その周期はエタロンのフリースペクトラムレンジ(FSR)によって定まる。
【0022】
一方スロープフィルタ7は、フォトダイオードPD1,PD2,PD3に得られた出力は受光増幅器11,12,13によって夫々出力P1,P2,P3に変換する。これらの値はA/D変換器14を介してマイクロコンピュータ15に入力される(ステップS1)。次いでステップS2において、第2の分岐光のレベルP2を第1の分岐光のレベルP1で割算することによって、スロープフィルタ7の特性を正規化することができる。図2はこの正規化されたスロープフィルタ7の全体の特性を示しており、正規化後の特性に基づいて入射光の波長をおおまかに算出できる。従ってステップS3において、メモリ16からこの比に最も近い波長多重光のグリッドの波長データλiを読出す。次いでステップS4において、メモリ16よりエタロン8から得られる波長λiにおける基準値を読出す。基準値はエタロン8のFSRがグリッドに正確に一致しているときには、基準値は図3に示すように常に同一の値となり、一致していなければ図4に示すように波長毎に異なった値となる。そしてステップS5において、エタロン8の出力P3をP1で除算して正規化する。ステップS5で求められた出力より基準波長からの波長の変化分Δλを算出する(ステップS6)。こうして基準波長λi とそこから相違した波長Δλを算出することができる。そしてステップS7でこの基準波長λiとΔλとを加算することによって、入射した光の波長λを正確に算出して出力することができる。更に波長制御部15Bでは、発光波長と設定された波長との誤差を算出し、その誤差が0となるように波長可変光源の発光波長を制御する。制御信号はLDドライバ19に与えられ、波長可変光源1の温度や電流が制御される。光量制御部15Cでは、設定されたレベルとなるように光アッテネータ3の減衰比を制御する。こうすれば前述した波長モニタを用いて正確にレーザ光源の発光波長を制御することができる。
【0023】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態では波長モニタのエタロンの正規化値を波長多重光の全チャンネルについての基準値を算出することなく、所定のチャンネルの特性、例えば両端の特性を測定し、その測定結果から補間に基づいて各チャンネルの基準値を算出するようにしたものである。この実施の形態においても全体構成は前述した図1に示す実施の形態1と同様である。
【0024】
図6は補間処理の動作を示すフローチャートである。直線補間の処理を開始すると、まずステップS11において光源の波長を最短波長のチャンネル、例えばチャンネル1として、その波長の光を入力する。次いでステップS12においてその比P3/P1を算出し、その比をα1とする。次いでステップS13において最長波長のチャンネルm、例えばチャンネル16の波長の光を入力し、そのときの比P3/P1を算出し、そのαmとする(ステップS14)。次いでステップS15において各チャンネル毎に直線補間によってそのときの基準値を算出する。これは次式に示すようにチャンネル数をm(この場合16)とすると、各チャンネルの基準値αiは次式で算出できる。
αi=α1−(i−1)(α1−αm)/(m−1)
こうして各チャンネルの基準値を算出した後、メモリ16に保持しておく。こうすれば各チャンネル毎にグリッドの波長の光を与えてその比から各チャンネルの基準値を算出する処理が不要となり、校正作業を容易に行うことができる。こうして得られる直線補間された値はそのままメモリ16に保持しておいてもよく、又直線補間が行える2つの値、α1,αmのみを保持しておき、スロープフィルタ7から得られた現在の波長の概略値λに基づいてそのグリッドの波長の基準値を直線補間によってその都度算出するようにしてもよい。
【0025】
又、この実施の形態ではエタロン8として反射率15%のコーティングを有するソリッドエタロンを用いている。エタロン8の反射率を大きくすれば透過率の変動幅は大きくなるが、サイン波状の波形からずれてくる。又反射率を小さくすればよりサイン波に近い透過特性となるが、振幅値が小さくなるため分解能が低下する。従ってこの反射率は例えば10〜20%の範囲であることが好ましく、ここではエタロンの反射率を15%としている。又エタロンの厚さを例えば1mmとすることによってFSRを100GHzとすることができる。更にエタロンはソリッドエタロンだけでなく、一対の平行平板から成る空隙エタロンであってもよい。
【0026】
又前述した実施の形態1,2では、狭周期のフィルタとしてファブリペロー型エタロンフィルタを用いているが、マッハツェンダー型のフィルタを用いることもできる。更に周期的な特性を有するフィルタのFSRを波長多重光の伝送波長(グリッド)と同一としているが、その整数分の1としてもよい。又高分解能を確保するため、基準波長が山と谷の中間になるようにすることが好ましい。又波長モニタとして、図1に示す光分岐器4を含むことができる。光分岐器4は光ファイバを融着して光ファイバを通過する光の一部を分岐させてもよく、又ビームスプリッタを用いるものであってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本願の請求項1〜5の発明によれば、エタロンやマッハツェンダー型フィルタの高分解能を生かしつつ広い範囲で波長多重光の光源とする光源装置の波長を正確にモニタすることができる。又光学系部分を極めて小型化することができ、又可動部がないため信頼性を向上させることもできる。請求項2の発明によれば、光学系の主要部品を恒温槽に保持し、一定温度に保っているため、温度変化の影響を受けない波長モニタとすることができる。又本願の請求項6,7の波長設定装置によれば、波長多重光の各グリッド毎に基準値を算出する必要がなく、調整処理を極めて容易に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による波長モニタを含むレーザ光源装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の正規化されたスロープフィルタの波長−透過率特性を示すグラフである。
【図3】本実施の形態によるエタロンの正規化された波長−透過率特性とその波長多重光のグリッドを示すグラフ(その1)である。
【図4】本実施の形態によるエタロンの正規化された波長−透過率特性とその波長多重光のグリッドを示すグラフ(その2)である。
【図5】実施の形態1による波長モニタの動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2による波長モニタの波長補間処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 波長可変光源
2 モジュレータ
3 アッテネータ
4 光分岐器
5,6 ビームスプリッタ
7 スロープフィルタ
8 エタロン
9 恒温槽
10 温度制御部
11〜13 受光増幅器
14 A/D変換器
15 マイクロコンピュータ
15A 波長モニタ部
15B 波長制御部
15C 光量制御部
16 メモリ
17 インターフェース
18,20 D/A変換器
19 LDドライバ
PD1〜PD3 フォトダイオード
Claims (7)
- 入射光を第1〜第3の分岐光に分岐する光分岐部と、
前記光分岐部より分岐された第1の分岐光を直接受光する第1の光電変換部と、
入射波長に対して透過率特性が連続して変化する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第2の分岐光が入射するスロープフィルタと、
前記スロープフィルタを介して得られる第2の分岐光を受光する第2の光電変換部と、
波長多重光のグリッド間隔に相当する周期で変動する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第3の分岐光が入射するエタロンと、
前記エタロンを介して得られる第3の分岐光を受光する第3の光電変換部と、
前記第2の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化した値を算出し、該値とあらかじめ保持されているスロープフィルタの正規化された出力とを比較することにより入射光のグリッドの波長を選択し、前記第3の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化し、選択されたグリッドの波長の前記エタロンでの正規化された基準値と比較することにより、グリッドからのずれを算出し、これに基づいて入射光の波長を検出する波長モニタ部と、
波長多重通信に使用される光の波長毎に、前記スロープフィルタの出力を正規化した値及び前記エタロンの出力を正規化した基準値を保持するメモリと、具備することを特徴とする波長モニタ。 - 少なくとも前記光分岐部、前記エタロン及び前記スロープフィルタを保持する恒温層と、該恒温層を所定範囲の温度に保つ温度調整部とを更に有するものであることを特徴とする請求項1記載の波長モニタ。
- 前記波長多重光のグリッドは、前記エタロンの透過特性の山と谷の中間位置にくるように調整したことを特徴とする請求項1記載の波長モニタ。
- 前記スロープフィルタは、中心波長を入射光の波長変化範囲外としたバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1記載の波長モニタ。
- 入射光を第1〜第3の分岐光に分岐する光分岐部と、
前記光分岐部より分岐された第1の分岐光を直接受光する第1の光電変換部と、
入射波長に対して透過率特性が連続して変化する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第2の分岐光が入射するスロープフィルタと、
前記スロープフィルタを介して得られる第2の分岐光を受光する第2の光電変換部と、
波長多重光のグリッドに相当する周期で変動する特性を有し、前記光分岐部より分岐された第3の分岐光を透過させるマッハツェンダー型フィルタと、
前記マッハツェンダー型フィルタを介して得られる第3の分岐光を受光する第3の光電変換部と、
前記第2の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化した値を算出し、該値とあらかじめ保持されているスロープフィルタの正規化された出力とを比較することにより入射光のグリッドの波長を選択し、前記第3の光電変換出力を第1の光電変換出力で正規化し、選択されたグリッドの波長の前記マッハツェンダー型フィルタでの正規化された基準値と比較することにより、グリッドからのずれを算出し、これに基づいて入射光の波長を検出する波長モニタ部と、
波長多重通信に使用される光の波長毎に、前記スロープフィルタの出力を正規化した値及び前記マッハツェンダー型フィルタの出力を正規化した基準値を保持するメモリと、具備することを特徴とする波長モニタ。 - 請求項1の波長モニタにおけるエタロンの基準値を設定する方法であって、
波長多重光の変化範囲のうちの1つのグリッドの波長の光を入射したときに得られるエタロンからの正規化出力を算出し、
波長多重光の変化範囲のうちの他のグリッドの光を入射したときに得られるエタロンからの正規化された基準値を算出し、
前記波長多重光の各グリッドの波長における基準値を直線補間によって算出することを特徴とする波長モニタの基準値設定方法。 - 請求項5の波長モニタにおけるマッハツェンダー型フィルタの基準値を設定する方法であって、
波長多重光の変化範囲のうちの1つのグリッドの波長の光を入射したときに得られるマッハツェンダー型フィルタからの正規化出力を算出し、
波長多重光の変化範囲のうちの他のグリッドの光を入射したときに得られるマッハツェンダー型フィルタからの正規化された基準値を算出し、
前記波長多重光の各グリッドの波長における基準値を直線補間によって算出することを特徴とする波長モニタの基準値設定方法。
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