JP2004132524A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール隙間を狭くせずに、低速から高速までの広い範囲に亘って密封流体の漏洩を防止することのできる密封装置を提供する。
【解決手段】回転体3と静止部5との間にシール隙間25を設け、このシール隙間25に移動可能な浮動リング6を配設する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封流体の漏洩を防止する密封装置に係り、特に、回転体の回転により密封流体の漏洩を非接触で防止することのできる密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、密封流体の漏洩を防止する密封装置として、回転体と静止部との間にシール隙間を設け、回転体の回転により密封流体の漏洩を非接触で防止することのできるラビリンスシールが知られている。このラビリンスシールは、特に低トルクを要求される部位での油漏れ防止に適しており、例えばターボチャージャなどに用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−1559号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のラビリンスシールにおいて、回転体の回転時における油漏れを防止(実質的に無視できるほど少なく)するためには、シール隙間を狭くかつばらつきを小さく、すなわち精密に管理する必要がある。また、回転時の油漏れを防止するためには、回転速度が高速になればなるほど、シール隙間を狭くする必要がある。例えば、回転体の回転速度を8000rpmとした場合、回転体と静止部との間に設けられているシール隙間を0.1mm程度に形成する必要がある。
【0005】
しかしながら、従来のラビリンスシールにおいて、0.1mmのシール隙間を形成するには、ラビリンスシール自身の加工精度およびラビリンスシールの取付精度を極めて高くする必要がある。そして、ラビリンスシールの加工精度を高くするには、高精度の装置を必要とするとともに、このような装置により製せられるラビリンスシールを大量に製造するには、極めて多量の装置と場所が必要となり、生産効率が悪く、経済的負担が増加するという問題点があった。さらに、ラビリンスシールの取付精度を高くするには、やはり高精度の取付装置を必要とし、生産効率が悪く、経済的負担が増加するという問題点があった。
【0006】
そこで、シール隙間を狭くせずに、低速から高速までの広い範囲に亘って密封流体の漏洩を防止することのできる密封装置が求められている。
【0007】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、シール隙間を狭くせずに、低速から高速までの広い範囲に亘って密封流体の漏洩を防止することのできる密封装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に係る本発明の密封装置の特徴は、回転体と静止部との間にシール隙間を設け、前記回転体の回転により密封流体の漏洩を非接触で防止することのできる密封装置において、前記シール隙間に移動可能な浮動リングを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、浮動リングの効果によってシール隙間を狭くせずに、低速から高速までの広い範囲に亘って密封流体の漏洩を確実かつ容易に防止することができる。
【0009】
また、請求項2に係る本発明の密封装置の特徴は、請求項1において、前記回転体に回転体の少なくとも回転停止時における前記シール隙間からの密封流体の漏洩を防止するシール部材を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、回転体の回転停止時および低速時における密封流体の漏洩を確実かつ容易に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0011】
図1は本発明に係る密封装置としてのラビリンスシールの第1実施形態の要部を示す断面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の密封装置としてのラビリンスシール1は、回転体としての回転軸2に装着される回転部材3と、静止部としてのハウジング4に回転部材3と対向するように装着される固定部材5と、浮動リング6とを有している。そして、ラビリンスシール1の図1左側が密封流体としての潤滑油が存在する密封側OSとされ、ラビリンスシール1の図1右側が大気側ASとされている。
【0013】
前記回転部材3は、金属あるいは樹脂などにより形成された環状の回転部材用環体7に、ゴム様弾性体で形成された回転部材用弾性シール8が焼き付けられて一体に形成されている。
【0014】
前記回転部材用環体7は、内側円筒部9を備えている。この内側円筒部9は、回転軸2より若干大径に形成されるとともに、図1の左右方向に示す軸方向に沿った長さ寸法が回転軸2の長さ寸法より短い所定の寸法に形成されている。そして、内側円筒部9の密封側OSに位置する左端縁には、ハウジング4の内周面に向かって径方向外側にほぼ直角に折曲された側面ほぼ環状の内側直立壁部10が延出形成されている。この内側直立壁部10の外周縁は、回転軸2の外周面とハウジング4の内周面とのほぼ中間部分に位置するように形成されている。そして、内側直立壁部10の外周縁には、大気側ASに向かってほぼ直角に折曲された中間円筒部11が軸方向に沿って延出形成されている。この中間円筒部11の長さ寸法は、内側円筒部9の長さ寸法より短く形成されており、その右端縁には、ハウジング4の内周面に向かって径方向外側にほぼ直角に折曲された側面ほぼ環状の回転側シール隙間形成用壁部12が延出形成されている。さらに、回転側シール隙間形成用壁部12の外周縁には、密封側OSに向かってほぼ直角に折曲された外側円筒部13が軸方向に沿って延出形成されている。
【0015】
前記回転部材用弾性シール8は、回転軸装着部14と回転軸2の少なくとも回転停止時における後述するシール隙間25からの油漏れを防止するシール部材としてのリップシール15とを有している。
【0016】
一方の回転軸装着部14は、前記回転部材用環体7の内側円筒部9の内周面に配置されており、回転軸2に対して適宜な締代を備えている。
【0017】
他方のリップシール15は、回転部材用環体7の内側直立壁部10の大気側ASに位置する側面に基部が配置されており、大気側ASにリップ先端16が配置されている。このリップシール15は、内側直立壁部10の大気側ASの側面から大気側ASに向かって徐々に拡径するように形成されている。また、リップシール15は、回転軸2の回転停止時においては図1の破線にて示すように固定部材5の後述するシール当接面21に対してリップ先端16が適宜な締代をもって弾接し、回転軸2の回転時においては図1の実線にて示すように回転軸2の回転にともなう遠心力によってリップ先端16がシール当接面21から離間するように形成されている。
【0018】
すなわち、リップシール15のリップ先端16は、シール当接面21に対して接離可能に形成されている。
【0019】
なお、本実施形態のリップシール15は、軸方向に対して直交する方向に形成されているシール当接面21に対してリップ先端16が軸方向から当接する構成とされているが、シール当接面21を軸方向に沿って形成し、このシール当接面21に対してリップ先端16を径方向外側から当接させる構成としてもよい。
【0020】
前記固定部材5は、金属あるいは樹脂などにより形成された環状の固定部材用環体17に、ゴム様弾性体で形成された固定部材用弾性シール18が焼き付けられて一体に形成されている。
【0021】
前記固定部材用環体17は、外周面がハウジング4の内周面と対向する軸方向に平行な水平筒状部19と、この水平筒状部19の大気側ASに位置する右端縁から径方向中心に向かってほぼ直角に折曲された内向きフランジ状の固定側シール隙間形成用壁部20とを有する断面ほぼL字状に形成されている。そして、水平筒状部19の内周面は、取付状態において前記回転部材用環体7の外側円筒部13の外周面と適宜な間隔をおいて対向するように配置されている。さらに、固定側シール隙間形成用壁部20の密封側OSの側面は、回転側シール隙間形成用壁部12の大気側ASの側面と所定の間隔をおいて対向するように配置されている。すなわち、固定側シール隙間形成用壁部20と回転側シール隙間形成用壁部12とは、ほぼ平行に配置されている。また、固定側シール隙間形成用壁部20の密封側OSの側面の内周側近傍は、回転軸2の停止時においてリップシール15のリップ先端16が当接されるシール当接面21とされている。
【0022】
前記固定部材用弾性シール18は、固定部材用環体17の水平筒状部19の外周と、固定部材用環体17の固定側シール隙間形成用壁部20の大気側ASの側面とを被覆するように形成されており、水平筒状部19の外周を覆う部分は、ハウジング4の内周面に対して適宜な締代を備えたハウジング装着部22とされている。
【0023】
前記回転側シール隙間形成用壁部12と固定側シール隙間形成用壁部20との相互間には、樹脂や金属などにより形成された浮動リング6が配置されている。
この浮動リング6は、回転側シール隙間形成用壁部12と固定側シール隙間形成用壁部20との相互間において、径方向および軸方向に移動可能に配置されている。
【0024】
すなわち、回転側シール隙間形成用壁部12と固定側シール隙間形成用壁部20との相互間の間隔Gは、浮動リング6の軸方向に示す厚さTより大きく形成されている。そして、回転側シール隙間形成用壁部12と浮動リング6との対向面間の隙間23と、固定側シール隙間形成用壁部20と浮動リング6との対向面間の隙間24との両者によりシール隙間25が形成されている。
【0025】
すなわち、回転側シール隙間形成用壁部12と浮動リング6との対向面間の隙間23のサイズと、固定側シール隙間形成用壁部20と浮動リング6との対向面間の隙間24のサイズとを加算した値、言い換えると、回転側シール隙間形成用壁部12と固定側シール隙間形成用壁部20との相互間の間隔Gから浮動リング6の厚さTを減算した値が、シール隙間25のサイズとなっている。
【0026】
なお、浮動リング6の内外径のサイズとしては、回転軸2が停止している回転停止状態および回転軸2が回転している回転状態において、リップシール15と接触しないサイズとすることが好ましい。
【0027】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0028】
本実施形態のラビリンスシール1によれば、回転軸2の回転停止時および低速時においては、リップシール15のリップ先端16が自身の弾性復元力により、図1の破線で示すように、固定部材5のシール当接面21に弾接しているので、密封側OSから大気側ASへの油漏れを確実かつ容易に防止することができる。
【0029】
そして、回転軸2が回転を開始すると、回転が上がるにつれてリップシール15のリップ先端16は、回転軸2の回転にともなう遠心力によって径方向外側に向かって弾性変形する。この弾性変形により、リップシール15のリップ先端16が拡開し、図1の実線で示すように、リップシール15のリップ先端16がシール当接面21から離間する。その結果、回転軸2の回転時において、リップシール15のリップ先端16とシール当接面21を非接触状態に保持することができる。なお、回転軸2の回転にともなう遠心力によってシール当接面21から離間したリップシール15のリップ先端16は、回転軸2の回転が低速になるとあるいは停止すると、自身の弾性復元力によってシール当接面21に当接したもとの状態に容易に復帰する。
【0030】
したがって、本実施形態のラビリンスシール1によれば、回転軸2の回転が低速あるいは停止時における油漏れを確実かつ容易に防止することができる。
【0031】
また、本実施形態のラビリンスシール1によれば、回転軸2が回転を開始すると回転が上がるにつれて、密封側OSに存在する油は、回転軸2に装着されている回転部材3の回転にともなう遠心力によって、固定部材5の内周面側に張り付くように流動するとともに、その一部がシール隙間25を通って密封側OSから大気側ASに流出しようとする。しかし、シール隙間25を通って大気側ASに流出しようとする油は、シール隙間25に配設されている浮動リング6によって層流状態で回転して捕捉されて大気側ASへの流出が阻止され、油の大気側ASへの漏洩が防止される。
【0032】
この時、浮動リング6がシール隙間25において移動可能に配設されているので、浮動リング6は、油との接触によって回転軸2の回転速度より遅い速度で回転するとともに、回転側シール隙間形成用壁部12と浮動リング6との対向面間の隙間23に存在する油の圧力と、固定側シール隙間形成用壁部20と浮動リング6との対向面間の隙間24に存在する油の圧力とが均衡を保つように軸方向に移動する。すなわち、浮動リング6は、回転軸2と同軸上に保持されるとともに、浮動リング6の左右に形成される隙間23,24が保持されるように自動調心されることになる。
【0033】
そして、本実施形態のラビリンスシール1によれば、回転側シール隙間形成用壁部12と固定側シール隙間形成用壁部20との間に浮動リング6が配設されているから、シール隙間25のサイズを狭くせずに、低速から高速までの広い範囲に亘って油の大気側ASへの漏洩を確実かつ容易に防止することができる。
【0034】
このことは、性能評価試験により確認することができた。この性能評価試験には、図2(a)に示すように、外径80mmの回転軸の外周面に回転部材3の代用として断面ほぼL字状の環体により軸方向に対して垂直な金属製の回転側垂直壁31を設けるとともに、内径100mmのハウジング4の内周面に固定部材5の代用として断面ほぼL字状の環体により軸方向に対して垂直な大気側ASより観察できる透明な樹脂製の固定側垂直壁32を設け、回転側垂直壁31と固定側垂直壁32との相互間に浮動リング6を配設し、かつ0.5mm(回転側垂直壁31と固定側垂直壁32との相互間の間隔Gから浮動リング6の厚さTを減算した値)のシール隙間25を設けたものを本発明品とし、図2(b)に示すように、回転側垂直壁31と固定側垂直壁32との相互間に浮動リング6を配設せずにシール隙間25を設けたものを従来品として用いた。また、従来品のシール隙間25のサイズとしては、0.1mm(従来品1)、0.2mm(従来品2)、0.3mm(従来品3)および0.4mm(従来品4)の4種類を用いた。
【0035】
そして、本発明品および従来品について、密封流体としての潤滑油、すなわちキャッスルSL 5W−20(トヨタ製商品名)を用いて、潤滑油の油温を150℃とし、回転軸2の回転数を750、2000、3000、4500、6000、7000、9000rpmの7段階で回転させた場合の油漏れ量をそれぞれ評価した。なお、潤滑油は、回転軸2を回転させた状態で密封側OSに供給した。また、油漏れ量は、密封側OSに潤滑油を供給した後、30分経過したときに大気側ASに漏洩した潤滑油の量を計測したものである。
【0036】
この性能評価試験の評価結果を図3に示す。
【0037】
図3に示すように、本発明品は、シール隙間25を0.5mmとした場合であっても全回転領域(750〜9000rpm)において油漏れがなく良好な密封性能を有することが判明した。
【0038】
これに対して、従来品は、本発明品よりシール隙間25が狭いにもかかわらず、本発明品より性能が劣るものであった。すなわち、従来品1から4は、すべて油漏れが生じ、油漏れを防止することができないものであった。さらに説明すると、図3に示すように、従来品1および2は、シール隙間25が0.1mmおよび0.2mmと極めて少ないにもかかわらず、回転軸2の回転数が4500rpmを超えると油漏れが生じるものであった。また、従来品3および4は、シール隙間25が0.3mmおよび0.4mmと本発明品より狭いにもかかわらず、回転軸2の回転数が2000rpmを超えると油漏れが生じるとともに、油漏れ量が多いものであった。なお、従来品の9000rpmにおける油漏れ量は、従来品1が0.3cc/min、従来品2が0.5cc/min、従来品3が5.4cc/min、従来品4が8.4cc/minであった。
【0039】
前記性能評価試験において、油漏れがない状態では、シール隙間25に油の大気との境界部分である油面が環状に保持されているとともに、この油面が層流の状態で回転することが判明した。また、油漏れの状態は、油面が波打つように乱れて、油面の一部が剥離して大気側ASに飛散することにより生じることが判明した。
【0040】
本発明品のラビリンスシールにおいてシール隙間が従来品より広いにもかかわらず良好な密封性能を有するのは、シール隙間に配置された浮動リングが回転軸の回転にともなって回転軸の回転速度より遅い速度で回転することにより、シール隙間における油面が乱れることなく層流状態で環状に保持されるためである。
【0041】
なお、本実施形態のラビリンスシール1を製造して実際の製品による性能評価試験を行ったところ、全回転領域(0〜9000rpm)において油漏れがなく良好な密封性能を有することが確認できた。
【0042】
したがって、本実施形態のラビリンスシール1によれば、従来に比べてシール隙間25を広く設定できるので、シール隙間25のサイズを狭くせずに、低速から高速までの広い範囲に亘って密封流体の漏洩を確実かつ容易に防止することができる。その結果、ラビリンスシール1の製作時の許容差およびラビリンスシール1の取付精度を緩和することができ、しかも回転軸2の軸方向のガタを吸収することもできるので、生産性の向上および低コスト化を容易に図ることができる。
【0043】
図4は本発明に係るラビリンスシールの第2実施形態を示すものである。本実施形態のラビリンスシール41は、回転部材3、固定部材5および浮動リング6が分離しないように一体化したものである。
【0044】
すなわち、本実施形態のラビリンスシール41は、取り扱い時などに、固定部材5の内部に配置される回転部材3および浮動リング6が軸方向に移動して固定部材5から分離するのを防止するため、固定部材5を構成する固定部材用環体17の水平筒状部19の左端縁に、径方向中心に向かってほぼ直角に折曲された内向きフランジ状の分離防止壁42を設けることにより構成されている。この分離防止壁42は、固定部材5の内部に浮動リング6および回転部材3を収納した後で、予め分離防止壁42を形成するのに必要な分だけ軸方向に長くかつ薄く形成された水平筒状部19の左端部を径方向中心に向かって折曲げ加工することにより形成されている。その他の構成は前述した第1実施形態のラビリンスシール1と同様とされており、その詳しい説明は省略する。
【0045】
このような構成により、本実施形態のラビリンスシール41は、前述した第1実施形態のラビリンスシール1と同様の効果を奏することができるとともに、回転部材3、固定部材5および浮動リング6が分離しないので、取り扱い性、およびラビリンスシール41を回転軸2およびハウジング4に取り付ける際の作業性をともに向上することができる。
【0046】
図5は本発明に係るラビリンスシールの第3実施形態を示すものである。本実施形態のラビリンスシール51は、静止部としてのハウジング4の一部に固定側シール隙間形成用壁部20を設けたものである。
【0047】
すなわち、本実施形態のラビリンスシール51は、ハウジング4自身の一部に固定側シール隙間形成用壁部20が設けられており、この固定側シール隙間形成用壁部20の内周縁には、密封側OSに向かって軸方向にほぼ直角に折曲された筒状部52が延出形成されている。そして、回転軸2の回転停止時および低速時において、回転部材3に設けられたリップシール15のリップ先端16が、径方向外側から筒状部52の外周面に当接するように形成されており(同図破線参照)、このリップ先端16が当接する筒状部52の外周面がシール当接面21とされている。なお、筒状部52を設けずに、リップシール15のリップ先端16を、固定側シール隙間形成用壁部20の密封側OSに位置する側面に当接させる構成としてもよい。
【0048】
その他の構成は前述した第1実施形態のラビリンスシール1と同様とされており、その詳しい説明は省略する。
【0049】
このような構成により、本実施形態のラビリンスシール51は、前述した第1実施形態のラビリンスシール1と同様の効果を奏することができる。
【0050】
なお、本発明の密封装置は、低トルクを要求されるエンジンあるいはポンプ軸などにおいて液体あるいは液体と固体との混合体からなる密封流体の漏洩防止に用いることができる。
【0051】
また、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る本発明の密封装置によれば、シール隙間を狭くせずに、低速から高速までの広い範囲に亘って密封流体の漏洩を確実かつ容易に防止することができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0053】
また、請求項2に係る本発明の密封装置によれば、回転体の回転停止時および低速時における密封流体の漏洩を確実かつ容易に防止することができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る密封装置としてのラビリンスシールの第1実施形態の要部を示す断面図
【図2】性能評価試験に用いたラビリンスシールの構成を示す断面図であり、(a)は本発明品、(b)は従来品を示す
【図3】回転軸の回転数と油漏れ量の関係を示す線図
【図4】本発明の密封装置としてのラビリンスシールの第2実施形態の要部を示す図1と同様の図
【図5】本発明の密封装置としてのラビリンスシールの第3実施形態の要部を示す図1と同様の図
【符号の説明】
1、41、51 ラビリンスシール
2 回転軸
3 回転部材
4 ハウジング
5 固定部材
6 浮動リング
12 回転側シール隙間形成用壁部
15 リップシール
16 リップ先端
20 固定側シール隙間形成用壁部
21 シール当接面
23、24 隙間
25 シール隙間
42 分離防止壁
52 筒状部
G (回転側シール隙間形成用壁部と固定側シール隙間形成用壁部との)間隔
T (浮動リングの)厚さ
AS 大気側
OS 密封側

Claims (2)

  1. 回転体と静止部との間にシール隙間を設け、前記回転体の回転により密封流体の漏洩を非接触で防止することのできる密封装置において、
    前記シール隙間に移動可能な浮動リングを設けたことを特徴とする密封装置。
  2. 前記回転体に回転体の少なくとも回転停止時における前記シール隙間からの密封流体の漏洩を防止するシール部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
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