JP2004132053A - 日除け装置及び汎用取付け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】日除け装置を改良し、その実用性を向上させること。
【解決手段】左右方向への天幕6のスライド、天幕6の傾斜角の調節、側幕43又は前幕46の張設により、西日に対する遮光作用を高めた。保持アーム9を、歯止め付き歯車機構10を介して筐体8に接続することで、天幕6の傾斜角を1人でも安全かつスムーズに変更可能になった。回転駆動手段13の着脱により、天幕6の巻取り方式を自動式又は手動式に設定変更できる。天幕6、側幕43又は前幕46にベンチレーション14を形成したので、強風による負荷を軽減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】左右方向への天幕6のスライド、天幕6の傾斜角の調節、側幕43又は前幕46の張設により、西日に対する遮光作用を高めた。保持アーム9を、歯止め付き歯車機構10を介して筐体8に接続することで、天幕6の傾斜角を1人でも安全かつスムーズに変更可能になった。回転駆動手段13の着脱により、天幕6の巻取り方式を自動式又は手動式に設定変更できる。天幕6、側幕43又は前幕46にベンチレーション14を形成したので、強風による負荷を軽減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽射しを遮る日除け装置並びに該日除け装置又はその他の物を建物に取付けることに適した汎用取付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の日除け装置として、オーニングやガーデンパラソルがあった。オーニングは、本発明の実施形態を示す図2を用いて説明すると、既存の建物の開口部(窓や玄関など)上方に取付けるものであって、天幕6を巻付けた巻取り軸7を筐体8に回転自在に取付けると共に、天幕6の先端に設けた前枠5と筐体8の間に1対の折り畳み式のアーム9を取付けて、天幕6を巻取り張設自在に構成してある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、ガーデンパラソルは、本発明の実施形態を示す図16を用いて説明すると、地面から立設した傘軸82の上端部に上ロクロ(図示略)を装着し、前記上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨83に天幕6を張設したものである(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−045477号公報(第1図及び第6図)
【特許文献2】
特開平07−016111号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来からオーニングやガーデンパラソルなどの日除け装置には、強風対策と西日対策という課題があった。例えば、オーニングの場合、正面斜め上方や真上など特定の方向からの陽射しに対しては確実な遮光作用を奏する反面、西日など横方向からの陽射しに対しては所期の遮光作用が得られないおそれがあった。一方、パラソルは、地球の自転と共に天幕による日陰が移動するために、天幕の真下を常に日陰にしておくことができないという問題があった。
【0006】
また、オーニングには、アームの角度調節により天幕の傾斜角度を変更して西日に対する遮光性を高めたものがあった。かかるオーニングを建物の西向きの開口部に取付けた場合、天幕を急勾配にすることにより西日に対する遮光作用が得られる反面、北西や南西向きの開口部に取付けた場合は、十分な西日対策にはならないおそれがあった。
【0007】
また、天幕の傾斜角度調節機能を有するオーニングの多くは、アームの基端部を軸支し、かつ、該基端部を螺子で締め付けて回動しないように固定していたため、天幕を張設した状態でアームの角度変更を1人で実施することが困難であった。すなわち、従来のオーニングでアームの角度を変更する場合、アームの螺子を緩める者とアームを支えておく者を要する。さらに、アームの螺子を緩める作業は、建物の開口部より上方での作業になるから、脚立などの足場を複数用意する必要があった。
【0008】
また、オーニングには、天幕を自動で巻き取るものと、手動で巻き取るものとがあった。これらのオーニングは、電動モータを内蔵した巻取り軸又は手動巻取り機構に接続する巻取り軸、或いは電動モータの設置領域や電気配線領域を有する筐体又は前記設置領域及び前記配線領域を持たない筐体など、異なる部品を使用していたため、これら部品の在庫が嵩むという問題があった。
【0009】
一方、強風対策としては、電動巻取り式のオーニングにおいて、風速計の検出値に基づいて自動で巻き取るようにしたものがあったが、手動巻取り式のオーニングやガーデンパラソルには適用できなかった。
【0010】
また、既存の建物の外壁に取付けるオーニングは、建物の外壁面に直付けしていたために、取付け前に外壁の強度を検査する必要があった。具体的には、取付け箇所近傍に柱が配設され、かつ、該柱に外壁が固定されていることや、外壁自体の強度を検査することなどが挙げられる。そして、かかる検査結果によっては取付けることができないという問題があった。
【0011】
さらに、遮光・遮熱された空間を有効利用するという課題や、屋外装飾具としての利用価値を向上させるという課題もあった。
【0012】
本発明はかかる課題に鑑み創案するに至ったものであって、その目的は、実用性を高めた日除け装置及び汎用取付け装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の日除け装置は、建物の外壁面又はその近接位置から外側に向けて天幕を延在させるオーニング式の日除け装置であって、建物の外壁面に対して天幕を左右方向へスライド自在に構成したことを特徴とする。このように、日除け装置の天幕を左右方向にスライドさせると、太陽光の入射角度が変化しても遮光作用を得ることが可能になる。なお、天幕のスライドは、天幕を含む一部のみをスライドさせることに限らず、日除け装置自体を建物の外壁面に対して左右方向へスライド自在に取付けることも含むものとする。
【0014】
請求項2に記載の日除け装置は、先端部に前枠を設けた天幕と、建物の外壁面又はその近接位置に取付ける筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームとを備え、前記保持アームを上下方向に回転自在に構成したオーニング式の日除け装置であって、前記保持アームを、歯止め機能を有する歯車機構を介して前記筐体に接続したことを特徴とする。すなわち、保持アームは、歯車機構によって自由な回転を制限され、所定の動作に基づいて回転可能になっているので、1人でも天幕の張設角度変更作業を容易に実施することができる。なお、歯止め機能を有する歯車機構としては、例えばウォームギアやラチェットギアなどを挙げることができる。
【0015】
請求項3に記載の日除け装置は、先端部に前枠を設けた天幕と、前記天幕を巻き取る巻取り軸と、前記巻取り軸を回転自在に取付けた筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームと、前記巻取り軸の端部に接続された駆動軸変換機構と、前記駆動軸変換機構の端部に接続して軸回りに回転させる回転駆動手段とを備えたことを特徴とする。すなわち、この日除け装置は、回転駆動手段を駆動軸変換手段から取り外すだけで、天幕の巻取り方式を自動式から手動式に変更でき、自動式と手動式をほぼ同一の部品で構成可能になるから、余分な部品の在庫を減らすことができる。なお、回転駆動手段及び駆動軸変換手段は、直に接続するほか、駆動軸変換機構を手動で回転させるハンドル(図2のハンドル42参照)を介して接続してもよい。
【0016】
請求項4に記載の日除け装置は、先端部に前枠を設けた天幕と、建物の外壁面又はその近接位置に取付ける筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームとを備えたオーニング式の日除け装置、又は、傘軸と、前記傘軸の上端部に設けた上ロクロと、前記上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨と、前記親骨に張設した天幕とを備えたパラソル式の日除け装置において、前記天幕の側端部又はその近接位置から下方へ延在する側幕を備えたことを特徴とする。このように、天幕の西寄りの側端部から側幕を下方へ延在させると、確実に西日を遮ることができる。なお、側幕は、張設した状態で天幕の側端部又はその近接位置から下方へ延在していればよく、例えば建物の外壁面又はその近接位置に上下方向に取付けたロールスクリーンから引き出したもの(図9参照)、天幕の側端部又はその近接位置から吊下げたもの(図10及び図11参照)、天幕の側端部又はその近傍に直接的に装着するもの(図16参照)などを含む。
【0017】
請求項5に記載の日除け装置は、先端部に前枠が設けられた天幕を建物の外壁面又はその近接位置に取付けた筐体から外側に向けて延在させた天幕機構と、天幕の前端近傍から下方へ垂れ下げる前幕をケーシングに回転自在に取付けた前軸に巻き付けてなる前幕機構とを備え、前記ケーシングを前記前枠に着脱自在に装着したことを特徴とする。すなわち、この日除け装置は、天幕の前端から下方へ垂れ下げる前幕を備えたオーニングであって、前幕を垂下・巻取り自在に構成した前幕機構を天幕の先端に設けた前枠に着脱自在に装着したので、ユーザのニーズに応じて前幕機構を有する日除け装置と、前幕機構の無い日除け装置とを容易に変更することができる。
【0018】
請求項6に記載の日除け装置は、前記天幕、前記側幕又は前記前幕に通気部となるベンチレーションを形成したことを特徴とし、前記天幕、前記側幕又は前記前幕に作用する風をベンチレーションから逃がすようにしたので、風による負荷を軽減することができる。
【0019】
請求項7に記載の汎用取付け装置は、建物の外壁面近接位置に設置して被装物を取付ける汎用取付け装置であって、伸縮自在な複数本の柱部材を連結部材で並列に連結してなる支柱部と、前記支柱部の上端部に枢動自在に取付けられ建物の外壁面から突出した部位の下面側に上面部を当接させる当接部とを備え、柱部材の長さを別々に調節可能に構成したことを特徴とする。すなわち、支柱部を構成する柱部材の長さを別々に調節することにより、地面や床面の傾斜していても直立させることができ、さらに枢動自在な当接部を支柱部の上端に設けたので、建物の外壁面から突出したベランダやバルコニー、軒などの下面側が傾斜していても当接部を面接触させることができる。このような汎用取付け装置を建物の外壁面近接位置に複数並列に立設すると、建物の外壁強度検査をしなくても上記のオーニングを取り付けることが可能になり、既存の建物に取付ける後付け式のオーニングの普及に貢献することができる。
【0020】
請求項8に記載の汎用取付け装置は、前記柱部材の長手方向に形成したガイド溝に遊嵌するスライド部材を備え、前記スライド部材に取付けた被装物の自重により、前記スライド部材を傾かせて前記ガイド溝に係止することを特徴とする。すなわち、汎用取付け装置に取付けた被装物の高さ調節をするに際し、スライド部材を被装物と共に所定の高さまで移動させたのち傾かせると、スライド部材とガイド溝の内壁との間に大きな摩擦力が生じるから、被装物を移動してから固定するまでの短時間であれば、前記摩擦力により被装物を支持することができ、被装物の高さ調節を一人でも容易に実施できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る日除け装置1及び汎用取付け装置51の実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の日除け装置1を汎用取付け装置51に取付けた状態を例示している。日除け装置1は、同図のように、主として正面斜め上方又は真上からの陽射しに対する遮光作用を奏する天幕機構2と、横方向からの陽射しに対する遮光作用を奏する側幕機構3及び前幕機構4と備え、天幕機構2及び側幕機構3を汎用取付け装置51に取付け、さらに前幕機構4を天幕機構2に取付けてある。
【0023】
天幕機構2は、図2のように、先端部に前枠5を設けた天幕6と、天幕6を巻き付けた巻取り軸7と、巻取り軸7を回転自在に取付けた筐体8と、前枠5と筐体8の間に設けられ天幕6を張設した状態で保持する折り曲げ自在な保持アーム9と、筐体8と保持アーム9の接続部位に配設した歯止め付き歯車機構10と、巻取り軸7の端部に接続された駆動軸変換手段11と、駆動軸変換手段11の端部に設けた巻きハンドル12を軸回りに回転させて天幕6を自動で巻き取る回転駆動手段13とを備え、建物の外壁面近接位置に立設した1対の汎用取付け装置51に取付けてある。
【0024】
天幕6は、遮光性のあるシート状の部材で、その略中央部には、通気部となるベンチレーション14が設けてある。また、先端部に装着した前枠5には、図3のように、天幕6を接続するための上溝部15と、保持アーム9の先端部を回転自在に取付けるアーム溝16と、前幕機構4を取付けるための下溝部17及び係止凹溝部18とを形成してある。前幕機構4については後述する。
【0025】
巻取り軸7は、図2のように、天幕6を巻き付けることができれば如何なるものでもよいが、軽量化を図ることを考慮すると、軽量金属製パイプ又は合成樹脂製パイプで構成することが望ましい。また、巻取り軸7の片方の端部には枢軸19を設け、他方の端部には軸受部20を介して駆動軸変換手段11が接続されている。駆動軸変換手段11については後述する。
【0026】
筐体8は、図2、図4及び図5のように、1対の側板21と、側板21を所定距離隔てて取付けるベースプレート22と、側板21の上部相互間に取付ける雨除け用の天板23(図5にのみ示す。)とを備えている。
【0027】
側板21は、図2及び図5のように、各々の内面側に歯車機構10を介して保持アーム9を上下方向に回転(横軸回転)自在に接続し、かつ、その接続部位の上方に巻取り軸7を取付ける貫通孔24(図5参照)を形成してある。この貫通孔24は、ホルダ25を取外すことで開放可能になっており、右側の側板21の貫通孔24には、図5のように、巻取り軸7の枢軸19を軸支する軸受部26を取付け、左側の貫通孔24には、図2のように、巻取り軸7の軸受部20を装着する。
【0028】
ベースプレート22は、図4及び図5のように、側板21を取付ける内プレート27及び汎用取付け装置51に取付ける外プレート28からなり、これら2枚のプレート27,28を左右方向にスライド自在に重ね合せた2層構造になっている。
【0029】
例えば図5のように、内プレート27及び外プレート28は、何れか一方のプレート28(又は27)に断面T状のT形突条29を形成し、このT形突条29を他方のプレート27(又は28)に形成した凹溝部30に嵌合させることや、何れか一方のプレート27(又は28)に他方のプレート28(又は27)側へ突出した複数の歯車31を設け、この歯車31を他方のプレート28(又は27)に形成したギザギザ状のウォーム溝部32に噛合させること、或いは内プレート27の上端部から外プレート28側へ突出した上ガイド部33を外プレート28の上端部に嵌合し、かつ、外プレート28の下端部から内プレート27側へ突出した下ガイド部34を内プレート27の下端部に嵌合することなどで、スライド自在に構成することが考えられる。なお、歯車31の場合、いずれか1つを回転させるハンドル(図示略)を内プレート27の反対側に突出させ、その操作により内プレート27をスライドさせるようにしてもよい。外プレート28を汎用取付け装置51に取付ける構造については後述する。また、内プレート27は、外プレート28に対して、数十cm程度左右方向一方側(西側)にスライドさせることができれば十分であるが、左右双方向にスライド可能にしてもよい。かかる観点から左右方向一方側にスライド可能なベースプレート22を上下対称的に構成しておくと、ベースプレート22を取付ける向きを変えることで、所期の方向へスライドさせることが可能になる。
【0030】
このように、ベースプレート22をスライド自在な2枚のプレート27,28で構成すると、内プレート27と共に天幕6を左右方向へスライドさせることができ、建物の開口部に左右斜め上方から入射する陽射しに対して遮光作用が得られる。
【0031】
保持アーム9は、図2のように、前枠5と筐体8の間に設けられ天幕6を張設した状態で保持する部材で、先端部及び基端部を前枠5及び歯車機構10に左右方向へ回転(縦軸回転)自在に接続してある。また、保持アーム9の中央部は、屈曲軸35を設けて折曲げ自在になっており、屈曲軸35に配設したスプリング(図示略)の付勢力が保持アーム9を真直ぐに伸ばすように作用している。
【0032】
歯車機構10は、図2のように、側板21の内面側に取付けて保持アーム9の基端部を接続し、図5の矢印Xのように、保持アーム9を上下方向に回転させて所定の角度で固定するためのものである。例えば図6及び図7のように、ウォームギア10で構成したものが挙げられる。このウォームギア10は、外周面に螺子溝を有し、かつ、上下端部を軸支したウォーム軸36と、ウォーム軸36の螺子溝に噛合させる歯車37と、歯車37の回転軸38に接続され歯車37と共に上下方向に回転し、かつ、保持アーム9を左右方向に回転自在に接続する接続部39と、ウォーム軸36から下方へ延出したアームハンドル40とを備え、ウォーム軸36と歯車37のギア比を大きく設定しておくことで、保持アーム9を所定の傾斜角で固定することができ、アームハンドル40の操作により保持アーム9を上下方向に回転(横軸回転)させることができる。なお、保持アーム9を所定の傾斜角で固定する際には、保持アーム9等の負荷によりアームハンドル40が回転することを確実に防止するため、図示外のストッパでアームハンドル40を固定しておいてもよい。
【0033】
また、図示の如く、複数の保持アーム9を備えている場合に、各々の基端部に歯車機構10を設けると、天幕6の傾斜角の調整を1人で実施する際に手間がかかる。このような場合には、側板21の相互間に回転自在にシャフト(図示略)を設け、該シャフトに複数の保持アーム9を固定すると共に、シャフトを回転させる歯車機構10としてギア比の大きい図示外の傘歯車機構を用いることや、複数の歯車機構10を図示外のラチェットギア(例えば、座椅子の背もたれの角度調節などに用いられるギア)で構成し、前枠5を上下させて保持アーム9の傾斜角を段階的に調節することなどが考えられる。
【0034】
駆動軸変換手段11は、巻取り軸7とは異なる軸方向の軸回りの回転を巻取り軸7に伝達可能な手段で、例えばユニバーサルジョイントやウォームギア(上記の歯車機構10)などが挙げられる。駆動軸変換手段11としてユニバーサルジョイントを用いた場合、図2及び図8のように、片端側を巻取り軸7の軸受部20に接続すると共に、他端側に設けた巻きハンドル12に回転駆動手段13を係止し、巻きハンドル12を巻取り軸7とは異なる軸方向(例えば下方)へ向けて延在させても、回転駆動手段13の駆動力を巻取り軸7に伝達して回転させることができる。
【0035】
回転駆動手段13としては、例えば電動モータを挙げることができ、図2及び図9のように、汎用取付け装置51に装着して回転軸の先端に設けた鉤部41を駆動軸変換手段11の巻きハンドル12に引っ掛けることにより、駆動軸変換手段11を介して回転駆動力を巻取り軸7に伝達し、天幕6を自動的に巻き取るようになっている。また、回転駆動手段13は、起動スイッチ及び停止スイッチ(いずれも図示を省略する。)の操作で起動停止させるほか、風速計や光度計、振動計など、天幕機構2に影響を及ぼすパラメータの検出結果に基づいて起動し、天幕6を自動的に巻き取るようにしてもよい。また、図2において、42は手動式駆動手段を示しており、回転駆動手段13を使用しない場合は、手動式駆動手段42を巻きハンドル12に引っ掛けて天幕6を手動で巻き取れるようになっている。
【0036】
側幕機構3は、天幕6の片側端部(西側の側端部)又はその近接位置から下方へ側幕43を延在させるものであって、例えば、図1及び図9のように、汎用取付け装置51に上下方向に取付けたロールスクリーンを挙げることができる。ロールスクリーンとしては、側幕43を引き出した状態でロックすると共に、さらに側幕43を引くことでロックを解除し、側幕43の巻取り軸(図示略)に設けたスプリングの付勢力により側幕43を自動で巻取るようにしたものが好ましい。また、側幕43は、側幕機構3から引き出して、上側前端部を前枠5に係止することで張設状態を保持しておく。なお、側幕機構3は、天幕機構2と略同一の構成であってもよい。
【0037】
一方、側幕機構3としては、図10のように、汎用取付け装置51とその前方に立設したポール44の相互間にロールスクリーンを天幕6の側端部に沿うように装着し、側幕43を上下方向に垂下・巻取り自在に構成したものや、図11のように、汎用取付け装置51からカーテンレール45を天幕6の側端部に沿って設置し、カーテンレール45にカーテン状の側幕43を吊下げたものなどが挙げられる。
【0038】
前幕機構4は、例えばロールスクリーンであって、図3のように、天幕6の前端近傍から下方へ垂れ下げる前幕46と、前幕46を巻き取る前軸47と、前軸47を回転自在に取付けるケーシング48とを備え、ケーシング48の嵌合用突条49及び係止部50を、前枠5の下溝部17及び係止凹溝部18に嵌め込んで、前枠5に着脱自在に取付けてある。
【0039】
本発明の日除け装置は、上記の如く構成され、天幕機構2を左右方向へスライドさせること、保持アーム9を下方へ回転させて天幕6の傾斜を急勾配にすること、或いは側幕43又は前幕46を張設することにより、西日に対する遮光作用が得られる。また、保持アーム9は、歯車機構10により安全かつスムーズに回転させることができ、1人であっても、天幕6の角度調節を容易に実施することができる。
【0040】
また、回転駆動手段13の着脱により、天幕6の巻取り方式を自動式又は手動式に容易に変更することができ、しかも自動式と手動式で構成部品の変更が不要であるから、余分な部品の在庫を減らすことができ、自動式と手動式の販売価格の差を回転駆動手段13と手動式駆動手段42の価格差にすることが可能になる。
【0041】
また、側幕機構3及び前幕機構4を着脱自在に構成したので、ユーザのニーズに応じて購入時又は購入後にオプションとして提供することができる。
【0042】
また、天幕6、側幕43又は前幕46に通気部となるベンチレーション14を形成すると、天幕6等に作用する風をベンチレーション14から逃がすことができるので、天幕機構2、側幕機構3又は前幕機構4に作用する風による負荷を軽減することができる。
【0043】
次に、本発明の汎用取付け装置51について説明する。図12は、本発明の汎用取付け装置51を例示している。この汎用取付け装置51は、建物の外壁面近接位置に設置して被装物を取付けるもので、複数本(例えば2本)の柱部材52を連結部材53で並列に連結した支柱部54と、支柱部54の上端部に枢動自在に取付けられた当接部55とを備えている。
【0044】
柱部材52は、図4のように、矩形断面の管状の部材で、各側面にはガイド溝56を形成してある。また、図13のように、下端部には入れ子式の伸縮部材57を挿入し、柱部材52及び伸縮部材57に形成された係止孔58にピンやボルトなどの固定手段(図示略)を挿入して長さを調節可能になっている。さらに、伸縮部材57の下端部には、角度調節自在なアジャスタ59を有する脚部60を取付けてある。
【0045】
支柱部54は、2本の柱部材52を連結部材53で連結したものであって、各柱部材52の長さを別々に調節することで、地面などに傾斜又は凹凸があっても直立可能になっている。
【0046】
当接部55は、建物の外壁から突出した部位の下面側に面接触させる当接板61と、当接板61の側端部から立設され軸孔62を有する略三角形状の側板63とを備えており、支柱部の上端部に取り付けられ枢軸64を有するカバー65に軸支されている。なお、当接板61は、建物に対して螺子で固定するようにしてもよいし、突っ張り力で定着するようにしてもよい。後者の場合、当接面側にゴムや合成樹脂などの摩擦材を貼着するなどして建物の突出部位との摩擦力を高めておくことが望ましい。
【0047】
次に、この汎用取付け装置51に被装物としての天幕機構2を取付ける構造について説明する。例えば図4のように、汎用取付け装置51には、ガイド溝56にスライド部材66を遊嵌しておき、このスライド部材66にL字ブラケット67を介して被装物としてのベースプレート22を取付ける。スライド部材66は、ガイド溝56の左右方向の寸法又は奥行き寸法より小寸で、かつ、上下方向の寸法がガイド溝の左右方向の寸法より大寸である平板状又は曲板状のプレートである。
【0048】
また、この汎用取付け装置51は、多くの場合、図1のように、複数個を1組として使用するが、1個だけで使用することも可能である。複数個を1組として使用する場合、本装置の相互間に梁部材(例えば上記のベースプレート22)を設けて連結しておくと、左右方向への強度を高めることができる。
【0049】
本発明の汎用取付け装置51は、上記の如く構成され、各柱部材52の長さを下端側で別々に調節すると、地面や床面が傾斜していても支柱部を直立させることができる。また、当接部55を支柱部54に対して揺動自在に取付けてあるので、建物の外壁面から突出したベランダ等の下面側が傾斜していても当接部55を面接触させることができる。このように地面や床面、或いは建物の突出部位の傾斜に関わらず、安定して設置することができる。
【0050】
また、ガイド溝56に遊嵌したスライド部材66を介して被装物を取り付けるようにしたので、柱部材52にスライド部材66を固定する螺着部材68を緩めても、図14のように、被装物の自重によりスライド部材66が傾いてスライド部材66の上下片角部とガイド溝56の内壁との間に大きな摩擦力が働くから、被装物の高さを調節するに際し、いちいち被装物を支えておく手間を省くことができる。すなわち、スライド部材66の簡易な位置決め機能により、被装物の高さ調節を1人でも容易に実施することができる。
【0051】
また、上記の如く、汎用取付け装置51に日除け装置1を装着した場合、天幕機構2の下方に物干し竿用の担持部(図示略)を取付け、天幕6等による日陰を陰干し用の空間として利用することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、日除け装置1(天幕機構2)をスライドさせる構造は、図15のように、建物の外壁面又はその近接位置に取付けられ上向きに突出した肘金部69と、肘金部69に落し込む肘壷部70を先端部に形成し、かつ、ベースプレート22に基端部を枢着した回転アーム71とで構成したものでもよい。
【0053】
また、歯車機構10は、ウォームギアに限らず、いわゆる座椅子などに用いられる背もたれ角度変更用のラチェットギアであってもよい。さらに、駆動軸変換手段11は、ユニバーサルジョイントに限らず、ウォームギアであってもよい。
【0054】
また、筐体8は、側板21、ベースプレート22及び天板23などで構成したものに限らず、棒状の部材を組み立てて格子状に構成したものでもよい。
【0055】
また、天幕機構2は、デザインの異なる複数の天幕6を別々に巻き付けた複数の巻取り軸7を備え、天幕6の柄を容易に変更できるようにしてもよい。また、各巻取り軸7に巻き付ける天幕6を、ベンチレーション14付きのものとベンチレーション無しのものにして、耐風用と無風用に使い分けしてもよい。
【0056】
また、側幕43は、上記のオーニング式の日除け装置1に限らず、いわゆるパラソル式の日除け装置81にも適用することができる。例えば図16のように、傘軸82と、傘軸82の上端部に設けた上ロクロ(図示略)と、該上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨83と、親骨83に張設した天幕6とを備えたパラソル81において、側幕43を天幕6の端部から下方へ垂らすことが考えられる。この側幕43は、図17のように、ベンチレーション14を設けたシート材であって、上部に紐84を介して取付けたリング状の係止部85を傘軸82の上ロクロの上方に設けた石突き部86に嵌装し、かつ、側幕43の下部に取付けた繋留索87を地面に繋留する。また、図18のように、前記上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨83のうちの一部を折り畳み、他の親骨83を前記上ロクロの一部から半放射状に配設したパラソルにおいて、折り畳んだ親骨83から天幕6を取り外して側幕43として使用するようにしてもよい。かかる場合、天幕6と側幕(取外した天幕6)を釦やファスナで接続するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明の日除け装置は、天幕機構を左右方向へスライドさせること、保持アームを下方へ回転させて天幕を急勾配にすること、或いは側幕又は前幕を張設することにより、西日に対する遮光作用が得られる。また、保持アームは、歯止め付き歯車機構により安全かつスムーズに回転させることができ、1人であっても、天幕の傾斜角の変更作業を容易に実施することができる。
【0058】
また、回転駆動手段の着脱により、天幕の巻取り方式を自動式又は手動式に設定変更することができ、しかも自動式と手動式で構成部品の変更が不要であるから、余分な部品の在庫を減らすことができ、自動式と手動式の販売価格の差を小さくすることが可能になる。
【0059】
また、側幕機構及び前幕機構を着脱自在に構成したので、側幕機構又は前幕機構を有する日除け装置と、側幕機構又は前幕機構が無い日除け装置とで同一の構成の天幕機構を使用することができ、部品の変更を必要としないから、余分な部品の在庫を減らすことができる。さらに、側幕機構及び前幕機構については、ユーザのニーズに応じて購入時又は購入後にオプションとして提供することができる。
【0060】
また、天幕、側幕又は前幕に通気部となるベンチレーションを形成すると、天幕等に作用する風をベンチレーションから逃がすことができるので、風による負荷を軽減することができる。
【0061】
また、本発明の汎用取付け装置は、各柱部材の長さを下端側で別々に調節することで支柱部を直立させることができる。また、当接部を支柱部に対して揺動自在に取付けてあるので、建物の外壁面から突出した部位の下面側が傾斜していても当接部を面接触させることができる。したがって、地面や床面、或いは建物の突出部位の傾斜に関わらず、安定して設置することができる。
【0062】
また、ガイド溝に遊嵌したスライド部材を介して被装物を取り付けると、被装物の高さ調節をする際に、柱部材にスライド部材を固定していた螺子を取り外しても、被装物の自重によりスライド部材が傾いてスライド部材の上下片角部とガイド溝の内壁との間に大きな摩擦力が働くから、いちいち被装物を支えておくという手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の日除け装置を汎用取付け装置に装着した状態を示す斜視図である。
【図2】天幕機構の平面図で、左側半分は天幕を張設した状態、右側半分は天幕を巻き取った状態を示している。
【図3】図2のA−A線断面図であって、前枠及び前幕機構を示す縦断面図である。
【図4】図2の要部拡大断面図であって、筐体及び汎用取付け装置の取付け構造を例示する横断面図である。
【図5】天幕機構の側面図である。
【図6】歯車機構の縦断面図である。
【図7】歯車機構の横断面図である。
【図8】駆動軸変換機構を例示する平面図である。
【図9】側幕機構を示す側面図である。
【図10】側幕機構の変形例を示す側面図である。
【図11】側幕機構の変形例を示す側面図である。
【図12】本発明の汎用取付け装置を例示する斜視図である。
【図13】柱部材の縦断面図である。
【図14】汎用取付け装置の機能説明図である。
【図15】天幕機構のスライド構造の変形例を示す横断面図である。
【図16】本発明の日除け装置の変形例を示す斜視図である。
【図17】図16の要部拡大斜視図である。
【図18】本発明の日除け装置の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
1.日除け装置
2.天幕機構
3.側幕機構
4.前幕機構
5.前枠
6.天幕
7.巻取り軸
8.筐体
9.保持アーム
10.歯車機構
11.駆動軸変換機構
13.回転駆動手段
14.ベンチレーション
43.側幕
46.前幕
47.前軸
48.ケーシング
51.汎用取付け装置
52.柱部材
53.連結部材
54.支柱部
55.当接部
56.ガイド溝
66.スライド部材
72.傘軸
73.親骨
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽射しを遮る日除け装置並びに該日除け装置又はその他の物を建物に取付けることに適した汎用取付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の日除け装置として、オーニングやガーデンパラソルがあった。オーニングは、本発明の実施形態を示す図2を用いて説明すると、既存の建物の開口部(窓や玄関など)上方に取付けるものであって、天幕6を巻付けた巻取り軸7を筐体8に回転自在に取付けると共に、天幕6の先端に設けた前枠5と筐体8の間に1対の折り畳み式のアーム9を取付けて、天幕6を巻取り張設自在に構成してある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、ガーデンパラソルは、本発明の実施形態を示す図16を用いて説明すると、地面から立設した傘軸82の上端部に上ロクロ(図示略)を装着し、前記上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨83に天幕6を張設したものである(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−045477号公報(第1図及び第6図)
【特許文献2】
特開平07−016111号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来からオーニングやガーデンパラソルなどの日除け装置には、強風対策と西日対策という課題があった。例えば、オーニングの場合、正面斜め上方や真上など特定の方向からの陽射しに対しては確実な遮光作用を奏する反面、西日など横方向からの陽射しに対しては所期の遮光作用が得られないおそれがあった。一方、パラソルは、地球の自転と共に天幕による日陰が移動するために、天幕の真下を常に日陰にしておくことができないという問題があった。
【0006】
また、オーニングには、アームの角度調節により天幕の傾斜角度を変更して西日に対する遮光性を高めたものがあった。かかるオーニングを建物の西向きの開口部に取付けた場合、天幕を急勾配にすることにより西日に対する遮光作用が得られる反面、北西や南西向きの開口部に取付けた場合は、十分な西日対策にはならないおそれがあった。
【0007】
また、天幕の傾斜角度調節機能を有するオーニングの多くは、アームの基端部を軸支し、かつ、該基端部を螺子で締め付けて回動しないように固定していたため、天幕を張設した状態でアームの角度変更を1人で実施することが困難であった。すなわち、従来のオーニングでアームの角度を変更する場合、アームの螺子を緩める者とアームを支えておく者を要する。さらに、アームの螺子を緩める作業は、建物の開口部より上方での作業になるから、脚立などの足場を複数用意する必要があった。
【0008】
また、オーニングには、天幕を自動で巻き取るものと、手動で巻き取るものとがあった。これらのオーニングは、電動モータを内蔵した巻取り軸又は手動巻取り機構に接続する巻取り軸、或いは電動モータの設置領域や電気配線領域を有する筐体又は前記設置領域及び前記配線領域を持たない筐体など、異なる部品を使用していたため、これら部品の在庫が嵩むという問題があった。
【0009】
一方、強風対策としては、電動巻取り式のオーニングにおいて、風速計の検出値に基づいて自動で巻き取るようにしたものがあったが、手動巻取り式のオーニングやガーデンパラソルには適用できなかった。
【0010】
また、既存の建物の外壁に取付けるオーニングは、建物の外壁面に直付けしていたために、取付け前に外壁の強度を検査する必要があった。具体的には、取付け箇所近傍に柱が配設され、かつ、該柱に外壁が固定されていることや、外壁自体の強度を検査することなどが挙げられる。そして、かかる検査結果によっては取付けることができないという問題があった。
【0011】
さらに、遮光・遮熱された空間を有効利用するという課題や、屋外装飾具としての利用価値を向上させるという課題もあった。
【0012】
本発明はかかる課題に鑑み創案するに至ったものであって、その目的は、実用性を高めた日除け装置及び汎用取付け装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の日除け装置は、建物の外壁面又はその近接位置から外側に向けて天幕を延在させるオーニング式の日除け装置であって、建物の外壁面に対して天幕を左右方向へスライド自在に構成したことを特徴とする。このように、日除け装置の天幕を左右方向にスライドさせると、太陽光の入射角度が変化しても遮光作用を得ることが可能になる。なお、天幕のスライドは、天幕を含む一部のみをスライドさせることに限らず、日除け装置自体を建物の外壁面に対して左右方向へスライド自在に取付けることも含むものとする。
【0014】
請求項2に記載の日除け装置は、先端部に前枠を設けた天幕と、建物の外壁面又はその近接位置に取付ける筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームとを備え、前記保持アームを上下方向に回転自在に構成したオーニング式の日除け装置であって、前記保持アームを、歯止め機能を有する歯車機構を介して前記筐体に接続したことを特徴とする。すなわち、保持アームは、歯車機構によって自由な回転を制限され、所定の動作に基づいて回転可能になっているので、1人でも天幕の張設角度変更作業を容易に実施することができる。なお、歯止め機能を有する歯車機構としては、例えばウォームギアやラチェットギアなどを挙げることができる。
【0015】
請求項3に記載の日除け装置は、先端部に前枠を設けた天幕と、前記天幕を巻き取る巻取り軸と、前記巻取り軸を回転自在に取付けた筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームと、前記巻取り軸の端部に接続された駆動軸変換機構と、前記駆動軸変換機構の端部に接続して軸回りに回転させる回転駆動手段とを備えたことを特徴とする。すなわち、この日除け装置は、回転駆動手段を駆動軸変換手段から取り外すだけで、天幕の巻取り方式を自動式から手動式に変更でき、自動式と手動式をほぼ同一の部品で構成可能になるから、余分な部品の在庫を減らすことができる。なお、回転駆動手段及び駆動軸変換手段は、直に接続するほか、駆動軸変換機構を手動で回転させるハンドル(図2のハンドル42参照)を介して接続してもよい。
【0016】
請求項4に記載の日除け装置は、先端部に前枠を設けた天幕と、建物の外壁面又はその近接位置に取付ける筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームとを備えたオーニング式の日除け装置、又は、傘軸と、前記傘軸の上端部に設けた上ロクロと、前記上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨と、前記親骨に張設した天幕とを備えたパラソル式の日除け装置において、前記天幕の側端部又はその近接位置から下方へ延在する側幕を備えたことを特徴とする。このように、天幕の西寄りの側端部から側幕を下方へ延在させると、確実に西日を遮ることができる。なお、側幕は、張設した状態で天幕の側端部又はその近接位置から下方へ延在していればよく、例えば建物の外壁面又はその近接位置に上下方向に取付けたロールスクリーンから引き出したもの(図9参照)、天幕の側端部又はその近接位置から吊下げたもの(図10及び図11参照)、天幕の側端部又はその近傍に直接的に装着するもの(図16参照)などを含む。
【0017】
請求項5に記載の日除け装置は、先端部に前枠が設けられた天幕を建物の外壁面又はその近接位置に取付けた筐体から外側に向けて延在させた天幕機構と、天幕の前端近傍から下方へ垂れ下げる前幕をケーシングに回転自在に取付けた前軸に巻き付けてなる前幕機構とを備え、前記ケーシングを前記前枠に着脱自在に装着したことを特徴とする。すなわち、この日除け装置は、天幕の前端から下方へ垂れ下げる前幕を備えたオーニングであって、前幕を垂下・巻取り自在に構成した前幕機構を天幕の先端に設けた前枠に着脱自在に装着したので、ユーザのニーズに応じて前幕機構を有する日除け装置と、前幕機構の無い日除け装置とを容易に変更することができる。
【0018】
請求項6に記載の日除け装置は、前記天幕、前記側幕又は前記前幕に通気部となるベンチレーションを形成したことを特徴とし、前記天幕、前記側幕又は前記前幕に作用する風をベンチレーションから逃がすようにしたので、風による負荷を軽減することができる。
【0019】
請求項7に記載の汎用取付け装置は、建物の外壁面近接位置に設置して被装物を取付ける汎用取付け装置であって、伸縮自在な複数本の柱部材を連結部材で並列に連結してなる支柱部と、前記支柱部の上端部に枢動自在に取付けられ建物の外壁面から突出した部位の下面側に上面部を当接させる当接部とを備え、柱部材の長さを別々に調節可能に構成したことを特徴とする。すなわち、支柱部を構成する柱部材の長さを別々に調節することにより、地面や床面の傾斜していても直立させることができ、さらに枢動自在な当接部を支柱部の上端に設けたので、建物の外壁面から突出したベランダやバルコニー、軒などの下面側が傾斜していても当接部を面接触させることができる。このような汎用取付け装置を建物の外壁面近接位置に複数並列に立設すると、建物の外壁強度検査をしなくても上記のオーニングを取り付けることが可能になり、既存の建物に取付ける後付け式のオーニングの普及に貢献することができる。
【0020】
請求項8に記載の汎用取付け装置は、前記柱部材の長手方向に形成したガイド溝に遊嵌するスライド部材を備え、前記スライド部材に取付けた被装物の自重により、前記スライド部材を傾かせて前記ガイド溝に係止することを特徴とする。すなわち、汎用取付け装置に取付けた被装物の高さ調節をするに際し、スライド部材を被装物と共に所定の高さまで移動させたのち傾かせると、スライド部材とガイド溝の内壁との間に大きな摩擦力が生じるから、被装物を移動してから固定するまでの短時間であれば、前記摩擦力により被装物を支持することができ、被装物の高さ調節を一人でも容易に実施できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る日除け装置1及び汎用取付け装置51の実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の日除け装置1を汎用取付け装置51に取付けた状態を例示している。日除け装置1は、同図のように、主として正面斜め上方又は真上からの陽射しに対する遮光作用を奏する天幕機構2と、横方向からの陽射しに対する遮光作用を奏する側幕機構3及び前幕機構4と備え、天幕機構2及び側幕機構3を汎用取付け装置51に取付け、さらに前幕機構4を天幕機構2に取付けてある。
【0023】
天幕機構2は、図2のように、先端部に前枠5を設けた天幕6と、天幕6を巻き付けた巻取り軸7と、巻取り軸7を回転自在に取付けた筐体8と、前枠5と筐体8の間に設けられ天幕6を張設した状態で保持する折り曲げ自在な保持アーム9と、筐体8と保持アーム9の接続部位に配設した歯止め付き歯車機構10と、巻取り軸7の端部に接続された駆動軸変換手段11と、駆動軸変換手段11の端部に設けた巻きハンドル12を軸回りに回転させて天幕6を自動で巻き取る回転駆動手段13とを備え、建物の外壁面近接位置に立設した1対の汎用取付け装置51に取付けてある。
【0024】
天幕6は、遮光性のあるシート状の部材で、その略中央部には、通気部となるベンチレーション14が設けてある。また、先端部に装着した前枠5には、図3のように、天幕6を接続するための上溝部15と、保持アーム9の先端部を回転自在に取付けるアーム溝16と、前幕機構4を取付けるための下溝部17及び係止凹溝部18とを形成してある。前幕機構4については後述する。
【0025】
巻取り軸7は、図2のように、天幕6を巻き付けることができれば如何なるものでもよいが、軽量化を図ることを考慮すると、軽量金属製パイプ又は合成樹脂製パイプで構成することが望ましい。また、巻取り軸7の片方の端部には枢軸19を設け、他方の端部には軸受部20を介して駆動軸変換手段11が接続されている。駆動軸変換手段11については後述する。
【0026】
筐体8は、図2、図4及び図5のように、1対の側板21と、側板21を所定距離隔てて取付けるベースプレート22と、側板21の上部相互間に取付ける雨除け用の天板23(図5にのみ示す。)とを備えている。
【0027】
側板21は、図2及び図5のように、各々の内面側に歯車機構10を介して保持アーム9を上下方向に回転(横軸回転)自在に接続し、かつ、その接続部位の上方に巻取り軸7を取付ける貫通孔24(図5参照)を形成してある。この貫通孔24は、ホルダ25を取外すことで開放可能になっており、右側の側板21の貫通孔24には、図5のように、巻取り軸7の枢軸19を軸支する軸受部26を取付け、左側の貫通孔24には、図2のように、巻取り軸7の軸受部20を装着する。
【0028】
ベースプレート22は、図4及び図5のように、側板21を取付ける内プレート27及び汎用取付け装置51に取付ける外プレート28からなり、これら2枚のプレート27,28を左右方向にスライド自在に重ね合せた2層構造になっている。
【0029】
例えば図5のように、内プレート27及び外プレート28は、何れか一方のプレート28(又は27)に断面T状のT形突条29を形成し、このT形突条29を他方のプレート27(又は28)に形成した凹溝部30に嵌合させることや、何れか一方のプレート27(又は28)に他方のプレート28(又は27)側へ突出した複数の歯車31を設け、この歯車31を他方のプレート28(又は27)に形成したギザギザ状のウォーム溝部32に噛合させること、或いは内プレート27の上端部から外プレート28側へ突出した上ガイド部33を外プレート28の上端部に嵌合し、かつ、外プレート28の下端部から内プレート27側へ突出した下ガイド部34を内プレート27の下端部に嵌合することなどで、スライド自在に構成することが考えられる。なお、歯車31の場合、いずれか1つを回転させるハンドル(図示略)を内プレート27の反対側に突出させ、その操作により内プレート27をスライドさせるようにしてもよい。外プレート28を汎用取付け装置51に取付ける構造については後述する。また、内プレート27は、外プレート28に対して、数十cm程度左右方向一方側(西側)にスライドさせることができれば十分であるが、左右双方向にスライド可能にしてもよい。かかる観点から左右方向一方側にスライド可能なベースプレート22を上下対称的に構成しておくと、ベースプレート22を取付ける向きを変えることで、所期の方向へスライドさせることが可能になる。
【0030】
このように、ベースプレート22をスライド自在な2枚のプレート27,28で構成すると、内プレート27と共に天幕6を左右方向へスライドさせることができ、建物の開口部に左右斜め上方から入射する陽射しに対して遮光作用が得られる。
【0031】
保持アーム9は、図2のように、前枠5と筐体8の間に設けられ天幕6を張設した状態で保持する部材で、先端部及び基端部を前枠5及び歯車機構10に左右方向へ回転(縦軸回転)自在に接続してある。また、保持アーム9の中央部は、屈曲軸35を設けて折曲げ自在になっており、屈曲軸35に配設したスプリング(図示略)の付勢力が保持アーム9を真直ぐに伸ばすように作用している。
【0032】
歯車機構10は、図2のように、側板21の内面側に取付けて保持アーム9の基端部を接続し、図5の矢印Xのように、保持アーム9を上下方向に回転させて所定の角度で固定するためのものである。例えば図6及び図7のように、ウォームギア10で構成したものが挙げられる。このウォームギア10は、外周面に螺子溝を有し、かつ、上下端部を軸支したウォーム軸36と、ウォーム軸36の螺子溝に噛合させる歯車37と、歯車37の回転軸38に接続され歯車37と共に上下方向に回転し、かつ、保持アーム9を左右方向に回転自在に接続する接続部39と、ウォーム軸36から下方へ延出したアームハンドル40とを備え、ウォーム軸36と歯車37のギア比を大きく設定しておくことで、保持アーム9を所定の傾斜角で固定することができ、アームハンドル40の操作により保持アーム9を上下方向に回転(横軸回転)させることができる。なお、保持アーム9を所定の傾斜角で固定する際には、保持アーム9等の負荷によりアームハンドル40が回転することを確実に防止するため、図示外のストッパでアームハンドル40を固定しておいてもよい。
【0033】
また、図示の如く、複数の保持アーム9を備えている場合に、各々の基端部に歯車機構10を設けると、天幕6の傾斜角の調整を1人で実施する際に手間がかかる。このような場合には、側板21の相互間に回転自在にシャフト(図示略)を設け、該シャフトに複数の保持アーム9を固定すると共に、シャフトを回転させる歯車機構10としてギア比の大きい図示外の傘歯車機構を用いることや、複数の歯車機構10を図示外のラチェットギア(例えば、座椅子の背もたれの角度調節などに用いられるギア)で構成し、前枠5を上下させて保持アーム9の傾斜角を段階的に調節することなどが考えられる。
【0034】
駆動軸変換手段11は、巻取り軸7とは異なる軸方向の軸回りの回転を巻取り軸7に伝達可能な手段で、例えばユニバーサルジョイントやウォームギア(上記の歯車機構10)などが挙げられる。駆動軸変換手段11としてユニバーサルジョイントを用いた場合、図2及び図8のように、片端側を巻取り軸7の軸受部20に接続すると共に、他端側に設けた巻きハンドル12に回転駆動手段13を係止し、巻きハンドル12を巻取り軸7とは異なる軸方向(例えば下方)へ向けて延在させても、回転駆動手段13の駆動力を巻取り軸7に伝達して回転させることができる。
【0035】
回転駆動手段13としては、例えば電動モータを挙げることができ、図2及び図9のように、汎用取付け装置51に装着して回転軸の先端に設けた鉤部41を駆動軸変換手段11の巻きハンドル12に引っ掛けることにより、駆動軸変換手段11を介して回転駆動力を巻取り軸7に伝達し、天幕6を自動的に巻き取るようになっている。また、回転駆動手段13は、起動スイッチ及び停止スイッチ(いずれも図示を省略する。)の操作で起動停止させるほか、風速計や光度計、振動計など、天幕機構2に影響を及ぼすパラメータの検出結果に基づいて起動し、天幕6を自動的に巻き取るようにしてもよい。また、図2において、42は手動式駆動手段を示しており、回転駆動手段13を使用しない場合は、手動式駆動手段42を巻きハンドル12に引っ掛けて天幕6を手動で巻き取れるようになっている。
【0036】
側幕機構3は、天幕6の片側端部(西側の側端部)又はその近接位置から下方へ側幕43を延在させるものであって、例えば、図1及び図9のように、汎用取付け装置51に上下方向に取付けたロールスクリーンを挙げることができる。ロールスクリーンとしては、側幕43を引き出した状態でロックすると共に、さらに側幕43を引くことでロックを解除し、側幕43の巻取り軸(図示略)に設けたスプリングの付勢力により側幕43を自動で巻取るようにしたものが好ましい。また、側幕43は、側幕機構3から引き出して、上側前端部を前枠5に係止することで張設状態を保持しておく。なお、側幕機構3は、天幕機構2と略同一の構成であってもよい。
【0037】
一方、側幕機構3としては、図10のように、汎用取付け装置51とその前方に立設したポール44の相互間にロールスクリーンを天幕6の側端部に沿うように装着し、側幕43を上下方向に垂下・巻取り自在に構成したものや、図11のように、汎用取付け装置51からカーテンレール45を天幕6の側端部に沿って設置し、カーテンレール45にカーテン状の側幕43を吊下げたものなどが挙げられる。
【0038】
前幕機構4は、例えばロールスクリーンであって、図3のように、天幕6の前端近傍から下方へ垂れ下げる前幕46と、前幕46を巻き取る前軸47と、前軸47を回転自在に取付けるケーシング48とを備え、ケーシング48の嵌合用突条49及び係止部50を、前枠5の下溝部17及び係止凹溝部18に嵌め込んで、前枠5に着脱自在に取付けてある。
【0039】
本発明の日除け装置は、上記の如く構成され、天幕機構2を左右方向へスライドさせること、保持アーム9を下方へ回転させて天幕6の傾斜を急勾配にすること、或いは側幕43又は前幕46を張設することにより、西日に対する遮光作用が得られる。また、保持アーム9は、歯車機構10により安全かつスムーズに回転させることができ、1人であっても、天幕6の角度調節を容易に実施することができる。
【0040】
また、回転駆動手段13の着脱により、天幕6の巻取り方式を自動式又は手動式に容易に変更することができ、しかも自動式と手動式で構成部品の変更が不要であるから、余分な部品の在庫を減らすことができ、自動式と手動式の販売価格の差を回転駆動手段13と手動式駆動手段42の価格差にすることが可能になる。
【0041】
また、側幕機構3及び前幕機構4を着脱自在に構成したので、ユーザのニーズに応じて購入時又は購入後にオプションとして提供することができる。
【0042】
また、天幕6、側幕43又は前幕46に通気部となるベンチレーション14を形成すると、天幕6等に作用する風をベンチレーション14から逃がすことができるので、天幕機構2、側幕機構3又は前幕機構4に作用する風による負荷を軽減することができる。
【0043】
次に、本発明の汎用取付け装置51について説明する。図12は、本発明の汎用取付け装置51を例示している。この汎用取付け装置51は、建物の外壁面近接位置に設置して被装物を取付けるもので、複数本(例えば2本)の柱部材52を連結部材53で並列に連結した支柱部54と、支柱部54の上端部に枢動自在に取付けられた当接部55とを備えている。
【0044】
柱部材52は、図4のように、矩形断面の管状の部材で、各側面にはガイド溝56を形成してある。また、図13のように、下端部には入れ子式の伸縮部材57を挿入し、柱部材52及び伸縮部材57に形成された係止孔58にピンやボルトなどの固定手段(図示略)を挿入して長さを調節可能になっている。さらに、伸縮部材57の下端部には、角度調節自在なアジャスタ59を有する脚部60を取付けてある。
【0045】
支柱部54は、2本の柱部材52を連結部材53で連結したものであって、各柱部材52の長さを別々に調節することで、地面などに傾斜又は凹凸があっても直立可能になっている。
【0046】
当接部55は、建物の外壁から突出した部位の下面側に面接触させる当接板61と、当接板61の側端部から立設され軸孔62を有する略三角形状の側板63とを備えており、支柱部の上端部に取り付けられ枢軸64を有するカバー65に軸支されている。なお、当接板61は、建物に対して螺子で固定するようにしてもよいし、突っ張り力で定着するようにしてもよい。後者の場合、当接面側にゴムや合成樹脂などの摩擦材を貼着するなどして建物の突出部位との摩擦力を高めておくことが望ましい。
【0047】
次に、この汎用取付け装置51に被装物としての天幕機構2を取付ける構造について説明する。例えば図4のように、汎用取付け装置51には、ガイド溝56にスライド部材66を遊嵌しておき、このスライド部材66にL字ブラケット67を介して被装物としてのベースプレート22を取付ける。スライド部材66は、ガイド溝56の左右方向の寸法又は奥行き寸法より小寸で、かつ、上下方向の寸法がガイド溝の左右方向の寸法より大寸である平板状又は曲板状のプレートである。
【0048】
また、この汎用取付け装置51は、多くの場合、図1のように、複数個を1組として使用するが、1個だけで使用することも可能である。複数個を1組として使用する場合、本装置の相互間に梁部材(例えば上記のベースプレート22)を設けて連結しておくと、左右方向への強度を高めることができる。
【0049】
本発明の汎用取付け装置51は、上記の如く構成され、各柱部材52の長さを下端側で別々に調節すると、地面や床面が傾斜していても支柱部を直立させることができる。また、当接部55を支柱部54に対して揺動自在に取付けてあるので、建物の外壁面から突出したベランダ等の下面側が傾斜していても当接部55を面接触させることができる。このように地面や床面、或いは建物の突出部位の傾斜に関わらず、安定して設置することができる。
【0050】
また、ガイド溝56に遊嵌したスライド部材66を介して被装物を取り付けるようにしたので、柱部材52にスライド部材66を固定する螺着部材68を緩めても、図14のように、被装物の自重によりスライド部材66が傾いてスライド部材66の上下片角部とガイド溝56の内壁との間に大きな摩擦力が働くから、被装物の高さを調節するに際し、いちいち被装物を支えておく手間を省くことができる。すなわち、スライド部材66の簡易な位置決め機能により、被装物の高さ調節を1人でも容易に実施することができる。
【0051】
また、上記の如く、汎用取付け装置51に日除け装置1を装着した場合、天幕機構2の下方に物干し竿用の担持部(図示略)を取付け、天幕6等による日陰を陰干し用の空間として利用することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、日除け装置1(天幕機構2)をスライドさせる構造は、図15のように、建物の外壁面又はその近接位置に取付けられ上向きに突出した肘金部69と、肘金部69に落し込む肘壷部70を先端部に形成し、かつ、ベースプレート22に基端部を枢着した回転アーム71とで構成したものでもよい。
【0053】
また、歯車機構10は、ウォームギアに限らず、いわゆる座椅子などに用いられる背もたれ角度変更用のラチェットギアであってもよい。さらに、駆動軸変換手段11は、ユニバーサルジョイントに限らず、ウォームギアであってもよい。
【0054】
また、筐体8は、側板21、ベースプレート22及び天板23などで構成したものに限らず、棒状の部材を組み立てて格子状に構成したものでもよい。
【0055】
また、天幕機構2は、デザインの異なる複数の天幕6を別々に巻き付けた複数の巻取り軸7を備え、天幕6の柄を容易に変更できるようにしてもよい。また、各巻取り軸7に巻き付ける天幕6を、ベンチレーション14付きのものとベンチレーション無しのものにして、耐風用と無風用に使い分けしてもよい。
【0056】
また、側幕43は、上記のオーニング式の日除け装置1に限らず、いわゆるパラソル式の日除け装置81にも適用することができる。例えば図16のように、傘軸82と、傘軸82の上端部に設けた上ロクロ(図示略)と、該上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨83と、親骨83に張設した天幕6とを備えたパラソル81において、側幕43を天幕6の端部から下方へ垂らすことが考えられる。この側幕43は、図17のように、ベンチレーション14を設けたシート材であって、上部に紐84を介して取付けたリング状の係止部85を傘軸82の上ロクロの上方に設けた石突き部86に嵌装し、かつ、側幕43の下部に取付けた繋留索87を地面に繋留する。また、図18のように、前記上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨83のうちの一部を折り畳み、他の親骨83を前記上ロクロの一部から半放射状に配設したパラソルにおいて、折り畳んだ親骨83から天幕6を取り外して側幕43として使用するようにしてもよい。かかる場合、天幕6と側幕(取外した天幕6)を釦やファスナで接続するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明の日除け装置は、天幕機構を左右方向へスライドさせること、保持アームを下方へ回転させて天幕を急勾配にすること、或いは側幕又は前幕を張設することにより、西日に対する遮光作用が得られる。また、保持アームは、歯止め付き歯車機構により安全かつスムーズに回転させることができ、1人であっても、天幕の傾斜角の変更作業を容易に実施することができる。
【0058】
また、回転駆動手段の着脱により、天幕の巻取り方式を自動式又は手動式に設定変更することができ、しかも自動式と手動式で構成部品の変更が不要であるから、余分な部品の在庫を減らすことができ、自動式と手動式の販売価格の差を小さくすることが可能になる。
【0059】
また、側幕機構及び前幕機構を着脱自在に構成したので、側幕機構又は前幕機構を有する日除け装置と、側幕機構又は前幕機構が無い日除け装置とで同一の構成の天幕機構を使用することができ、部品の変更を必要としないから、余分な部品の在庫を減らすことができる。さらに、側幕機構及び前幕機構については、ユーザのニーズに応じて購入時又は購入後にオプションとして提供することができる。
【0060】
また、天幕、側幕又は前幕に通気部となるベンチレーションを形成すると、天幕等に作用する風をベンチレーションから逃がすことができるので、風による負荷を軽減することができる。
【0061】
また、本発明の汎用取付け装置は、各柱部材の長さを下端側で別々に調節することで支柱部を直立させることができる。また、当接部を支柱部に対して揺動自在に取付けてあるので、建物の外壁面から突出した部位の下面側が傾斜していても当接部を面接触させることができる。したがって、地面や床面、或いは建物の突出部位の傾斜に関わらず、安定して設置することができる。
【0062】
また、ガイド溝に遊嵌したスライド部材を介して被装物を取り付けると、被装物の高さ調節をする際に、柱部材にスライド部材を固定していた螺子を取り外しても、被装物の自重によりスライド部材が傾いてスライド部材の上下片角部とガイド溝の内壁との間に大きな摩擦力が働くから、いちいち被装物を支えておくという手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の日除け装置を汎用取付け装置に装着した状態を示す斜視図である。
【図2】天幕機構の平面図で、左側半分は天幕を張設した状態、右側半分は天幕を巻き取った状態を示している。
【図3】図2のA−A線断面図であって、前枠及び前幕機構を示す縦断面図である。
【図4】図2の要部拡大断面図であって、筐体及び汎用取付け装置の取付け構造を例示する横断面図である。
【図5】天幕機構の側面図である。
【図6】歯車機構の縦断面図である。
【図7】歯車機構の横断面図である。
【図8】駆動軸変換機構を例示する平面図である。
【図9】側幕機構を示す側面図である。
【図10】側幕機構の変形例を示す側面図である。
【図11】側幕機構の変形例を示す側面図である。
【図12】本発明の汎用取付け装置を例示する斜視図である。
【図13】柱部材の縦断面図である。
【図14】汎用取付け装置の機能説明図である。
【図15】天幕機構のスライド構造の変形例を示す横断面図である。
【図16】本発明の日除け装置の変形例を示す斜視図である。
【図17】図16の要部拡大斜視図である。
【図18】本発明の日除け装置の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
1.日除け装置
2.天幕機構
3.側幕機構
4.前幕機構
5.前枠
6.天幕
7.巻取り軸
8.筐体
9.保持アーム
10.歯車機構
11.駆動軸変換機構
13.回転駆動手段
14.ベンチレーション
43.側幕
46.前幕
47.前軸
48.ケーシング
51.汎用取付け装置
52.柱部材
53.連結部材
54.支柱部
55.当接部
56.ガイド溝
66.スライド部材
72.傘軸
73.親骨
Claims (8)
- 建物の外壁面又はその近接位置から外側に向けて天幕を延在させるオーニング式の日除け装置であって、建物の外壁面に対して天幕を左右方向へスライド自在に構成した日除け装置。
- 先端部に前枠を設けた天幕と、建物の外壁面又はその近接位置に取付ける筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームとを備え、前記保持アームを上下方向に回転自在に構成したオーニング式の日除け装置であって、前記保持アームを、歯止め機能を有する歯車機構を介して前記筐体に接続した日除け装置。
- 先端部に前枠を設けた天幕と、前記天幕を巻き取る巻取り軸と、前記巻取り軸を回転自在に取付けた筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームと、前記巻取り軸の端部に接続された駆動軸変換機構と、前記駆動軸変換機構の端部に接続して軸回りに回転させる回転駆動手段とを備えたオーニング式の日除け装置。
- 先端部に前枠を設けた天幕と、建物の外壁面又はその近接位置に取付ける筐体と、前記前枠及び前記筐体の間に設けられ前記天幕を張設した状態で保持する保持アームとを備えたオーニング式の日除け装置、又は、傘軸と、前記傘軸の上端部に設けた上ロクロと、前記上ロクロから放射状に配設した複数本の親骨と、前記親骨に張設した天幕とを備えたパラソル式の日除け装置において、前記天幕の側端部又はその近接位置から下方へ延在する側幕を備えた日除け装置。
- 先端部に前枠が設けられた天幕を建物の外壁面又はその近接位置に取付けた筐体から外側に向けて延在させた天幕機構と、天幕の前端近傍から下方へ垂れ下げる前幕をケーシングに回転自在に取付けた前軸に巻き付けてなる前幕機構とを備え、前記ケーシングを前記前枠に着脱自在に装着したオーニング式の日除け装置。
- 前記天幕、前記側幕又は前記前幕に通気部となるベンチレーションを形成した請求項4又は5に記載の日除け装置。
- 建物の外壁面近接位置に設置して被装物を取付ける汎用取付け装置であって、伸縮自在な複数本の柱部材を連結部材で並列に連結してなる支柱部と、前記支柱部の上端部に枢動自在に取付けられ建物の外壁面から突出した部位の下面側に上面部を当接させる当接部とを備え、柱部材の長さを別々に調節可能に構成した汎用取付け装置。
- 前記柱部材の長手方向に形成したガイド溝に遊嵌するスライド部材を備え、前記スライド部材に取付けた被装物の自重により、前記スライド部材を傾かせて前記ガイド溝に係止する請求項7に記載の汎用取付け装置。
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